説明

エンジンのオイル循環装置

【課題】排気抵抗の増加や排気系レイアウトの変更を生じることなくオイル温度を昇温し、給油対象部の過剰冷却を抑制し暖気を促進する。
【解決手段】複数の給油対象部8,10,11,13,14と、オイルポンプ6と、複数の分岐給油路32,33,41,42と、複数の給油対象部からインナオイルパン2bへオイルを還流可能な4つのヘッド側ドレイン油路44を備えたエンジンのオイル循環装置1において、複数の分岐給油路のうち第2分岐給油路から分岐したバイパス通路15であって、シリンダヘッド4の排気ポート4a近傍位置に設けられヘッド側ドレイン油路44へオイルを指向させる4つの排気ポート側油路48を含むバイパス通路と、バイパス通路に設けられエンジンが暖気状態のとき開弁し且つ暖気状態後のとき閉弁する切換バルブ16とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのオイル循環装置に関し、特に給油対象部にオイルを供給する分岐供給油路から分岐したバイパス通路とシリンダヘッドの排気ポート近傍位置に設けられた排気ポート側油路を備えたエンジンのオイル循環装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンのオイル循環装置は、オイルポンプから吐出されたオイルをシリンダブロックとシリンダヘッドに装備されたクランクジャーナルやカムジャーナル等の複数の給油対象部へ供給し、各給油対象部の潤滑や冷却を行っていた。このオイルは、オイルパンからオイルポンプにより吸引され、メインギャラリへ導出された後、メインギャラリから分岐した複数の分岐供給油路により各給油対象部へ供給される。各給油対象部において潤滑や冷却を終えたオイルは回収され、ヘッド側ドレイン油路やブロック側ドレイン油路を介してオイルパンへ還流されている。
【0003】
エンジン暖気時のオイルは温度が低く、その粘性が高いため、通常、エンジンの冷却水温度が上昇し、この昇温された冷却水と熱交換を行った後、オイルが適正温度に昇温されるまでの間、暖気運転が必要とされていた。それ故、オイルが適正温度になるまでの間は、各給油対象部が機械抵抗の高い状態で作動しているため、エンジンの燃費悪化の原因になっていた。そこで、エンジンの排気ガスを利用してオイルを昇温することが行われている。
【0004】
特許文献1に記載されたエンジンの熱交換システムは、排気マニホールドと、この排気マニホールドの下流側に設置された触媒コンバータと、触媒コンバータの下流側に接続されたメイン排気管と、触媒コンバータの下流側から分岐し且つ下流端がメイン排気管に接続されたサブ排気管と、サブ排気管の途中部に設置され且つオイルフィルタ側へ流動するオイルを排気ガスの熱により昇温可能な熱交換器と、サブ排気管に設けられサブ排気管を流れる排気ガス流量を調整可能な切換弁を備えている。この熱交換システムは、エンジンの運転状態に応じて、切換弁がメイン排気管とサブ排気管を流れる排気ガス流量を調整し、オイル温度を適正温度まで昇温している。
【0005】
複数の給油対象部のうちピストン用オイルジェットは、シリンダブロック内に装備され、燃焼ガスの爆発ガス圧を受けるピストンクラウン部の裏面に対して冷却用オイルを噴射している。このオイルジェットは、内部にチェックバルブを備えたバルブ部材と、オイル噴射ノズルと、ケース部等により構成されている。チェックバルブは、所定のオイル圧力以上のとき開作動し、オイル噴射ノズルから冷却用オイルが噴射されるよう形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−226474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のエンジンの熱交換システムは、エンジンが暖気状態のとき、排気ガスがサブ排気管を流れるように切換弁を制御するため、エンジンの冷却水温度に拘わらずにオイルに対する加熱を促進することができ、各給油対象部の機械抵抗を低減し、エンジンの燃費向上を図っている。しかし、この熱交換システムでは、サブ排気管の途中部に熱交換器を配置しているため、サブ排気管内を流れる排気ガスの流動抵抗が増加し、結果的にエンジンの燃費悪化を招く虞がある。しかも、前述のように排気マニホールドの構造変更や熱交換器の新設等が必要であるため、排気系レイアウトの変更を生じ、製造コストが増加する虞もある。
【0008】
また、前記熱交換システムでは、暖気状態のときオイル供給を必要としない、所謂冷却用オイルの給油対象部に対しても他の給油対象部と同様にオイルが供給されるため、冷却用オイルの給油対象部の暖気が遅れる虞がある。特に、ピストン用オイルジェットから噴射されるオイル流量は、エンジンが暖気状態のとき、暖気状態後の流量と比べて大幅に増加する。つまり、オイル温度が低い場合、オイル粘度が増加し、これに伴う各ジャーナル部の軸受隙間面積の減少により、オイルジェットに連通した分岐供給油路内のオイル圧力が急激に上昇するため、オイル噴射ノズルから噴射されるオイル流量が増大する。それ故、エンジンが暖気状態のとき、ピストンクラウン部の裏面に対して低温のオイルが大量に噴射されるため、ピストンが過剰に冷却され、エンジンの燃焼性の悪化やピストンの暖気遅れを招く。
【0009】
本発明の目的は、排気抵抗の増加や排気系レイアウトの変更を生じることなく排気ポートの熱を利用してオイル温度を昇温できるエンジンのオイル循環装置、給油対象部の過剰冷却を抑制し暖気を促進できるエンジンのオイル循環装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のエンジンのオイル循環装置は、シリンダブロックとシリンダヘッドに装備された複数の給油対象部と、オイルパンに貯留されたオイルを吸引して主油路へ吐出するオイルポンプと、前記主油路から分岐し前記複数の給油対象部にオイルを供給する複数の分岐給油路と、前記複数の給油対象部からオイルパンへオイルを還流可能な複数のヘッド側ドレイン油路を備えたエンジンのオイル循環装置において、前記複数の分岐給油路のうち何れかの分岐給油路から分岐したバイパス通路であって、前記シリンダヘッドの排気ポート近傍位置に設けられ前記複数のヘッド側ドレイン油路へオイルを指向させる1又は複数の排気ポート側油路を含むバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられエンジンが暖気状態のとき開弁し且つ暖気完了後のとき閉弁する弁手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
このエンジンのオイル循環装置は、オイルの暖気専用配管であるバイパス通路を設置することにより受熱用オイルを排気ポート近傍位置へ指向できるため、排気系構造や排気レイアウトの変更を生じることなくオイルと排気ガスとを熱交換することができる。これにより、エンジンが暖気状態のとき、オイル温度をエンジンの冷却水温度に拘わらずに早期に昇温でき、給油対象部の機械抵抗を低下することができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記複数のヘッド側ドレイン油路に接続されオイルパンへオイルを還流する複数のブロック側ドレイン油路を備え、前記排気ポート側油路は排気ポートを囲むよう環状に形成され、前記複数のヘッド側ドレイン油路と複数のブロック側ドレイン油路をエンジンの排気側部分に設けたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記排気ポート側油路を経由して還流したオイルを昇温されたオイルが要求される昇温オイル要求部へ誘導するオイル誘導部を設けたことを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記オイル誘導部が、前記複数のブロック側ドレイン油路の下流端からオイルを導入する複数の導入部と、これら複数の導入部を集合し且つ導入されたオイルをオイルポンプの吸入口近傍位置へ導出する導出部を有することを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、前記オイル誘導部が、オイルポンプの吸入口を囲繞すると共にオイルパン内部に収容されたインナオイルパンを備え、前記導出部が導入されたオイルを前記インナオイルパンへ導出することを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、シリンダブロックはピストンに対してオイルを噴射可能なオイルジェットを備え、前記バイパス通路は前記オイルジェットにオイルを供給する分岐給油路から分岐するよう形成され、前記弁手段が開弁したとき、前記オイルジェットに供給されるオイル量が制限されることを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項3の発明において、前記オイル誘導部が、前記複数のブロック側ドレイン油路の下流端からオイルをエンジンのクランク軸のピン部の回転軌跡部位へ滴下するオイル誘導管により形成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、排気系構造の変更や排気レイアウトの変更が生じないため、オイルの昇温機能を確保しつつ、排気ガスの流動抵抗を増加することなく製造コストを抑えることができる。複数の分岐給油路のうちオイルの供給対象である給油対象部の分岐給油路から排気ポート近傍位置へオイルを指向させることができるため、エンジンが暖気状態のとき、オイルを排気ガスに対する受熱媒体として利用でき、オイルによる給油対象部の過剰冷却を防止して給油対象部の暖気遅れを防止でき、エンジンの暖気を促進することができ、結果として、エンジンの燃費を向上できる。
【0016】
請求項2の発明によれば、排気ガスから受熱可能なバイパス通路を長くでき、排気ガスから受熱できる熱量を増すことができる。
請求項3の発明によれば、オイル誘導部により昇温されたオイルを昇温オイル要求部へ集めることができ、エンジンの早期暖気を促進することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、オイル誘導部により昇温されたオイルをオイルポンプの吸入口近傍位置へ集めることができ、オイルの温度を低下させることなくオイルポンプにより再循環でき、エンジンの早期暖気を促進することができる。
請求項5の発明によれば、オイル誘導部により昇温されたオイルをインナオイルパンへ集めることができ、限られたオイルの温度を早く高めてオイルポンプにより再循環でき、エンジンの早期暖気を促進することができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、エンジンが暖気状態後のとき、ピストンの冷却性能を維持しつつ、エンジンが暖気状態のとき、ピストンに対して噴射される低温のオイル量を低減して、ピストンの早期暖気とエンジンの燃焼性改善を図ることができる。
請求項7の発明によれば、オイル誘導管により昇温されたオイルをクランク軸のピン部の回転軌跡部位へ集めることができ、クランク軸のピン部の早期暖気を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るエンジンのオイル循環装置の全体構成図である。
【図2】エンジンの気筒列方向に平行な縦断面図である。
【図3】エンジンの気筒列方向に直交する縦断面図である。
【図4】シリンダブロックを上から視た図である。
【図5】シリンダヘッドを下から視た図である。
【図6】シリンダヘッドを排気ポート側から視た図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】実施例1の変形例を示す図2相当図である。
【図9】実施例1の別の変形例を示す図2相当図である。
【図10】実施例2に係る図2相当図である。
【図11】実施例2に係る図3相当図である。
【図12】実施例2の変形例を示す図11相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、以下、図2における左側を前方、右側を後方として説明する。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例1について図1〜図7に基づいて説明する。
図1〜図7に示すように、本実施例のオイル循環装置1は、車両の多気筒エンジン、例えば横置き直列4気筒ガソリンレシプロエンジンEに対してオイルを循環するものである。
エンジンEは、オイルパン2a,2bと、シリンダブロック3と、シリンダヘッド4等を備え、気筒列方向が車両の進行方向に直交し、吸気側カム軸が車両の進行方向前方になるよう自動車のエンジンルーム内に搭載されている。
【0022】
図1〜図3に示すように、アウタオイルパン2aは、凹形状に形成され、エンジンE内を循環するオイルを貯留可能に構成されている。アウタオイルパン2aの上端部は、シリンダブロック3の下端部に連結されている。アウタオイルパン2aの内部には、アウタオイルパン2aより貯留容量の小さいインナオイルパン2bが設けられている。インナオイルパン2bは、アウタオイルパン2aと同様に、凹形状に形成され、シリンダブロック3の下端部に連結されている。
【0023】
インナオイルパン2bの下部には、開閉弁5が設置されている。開閉弁5は、エンジンEが暖気状態のとき、閉作動し、エンジンEが暖気状態後、例えば、エンジンEの冷却水温度が80〜90℃まで昇温されたとき、開作動するよう形成されている。これにより、アウタオイルパン2aに貯留されたオイルは、エンジンEの暖気完了前においてインナオイルパン2bに貯留されたオイルと分離され、エンジンEの暖気が完了したときのみ開閉弁5を介してインナオイルパン2b内へ流動することができる。
【0024】
図1,図3に示すように、シリンダブロック3は、オイルポンプ6と、4つのピストン7と、4つのオイルジェット8と、クランク軸9等を備えている。オイルポンプ6は、吐出圧の下限が150kPaに設定された電動式の可変容量オイルポンプにより構成され、加圧されたオイルをメインギャラリ31(主油路)へ吐出可能に構成されている。オイルポンプ6は、オイルストレーナ6aを備えている。オイルストレーナ6aは、筒状に形成され、下流側端部がオイルポンプ6の吸入部に連結されている。オイルストレーナ6aの上流側端部は、インナオイルパン2b内に配置され、オイルストレーナ6aの吸入口はインナオイルパン2bの底部に対向状に配置されている。尚、電動式オイルポンプ6に代えて機械式固定容量ポンプを適用することも可能である。
【0025】
各ピストン7は、ピストンクラウン部と、1対のスカート部と、1対のピンボス部等を備えている。ピストン7は、下方に向かって開口する有底円筒状に形成されている。各ピストン7は、各気筒のシリンダボア3a内に嵌入され、シリンダボア3a内を上下方向に往復動可能に形成されている。各オイルジェット8は、各気筒のシリンダボア3aの排気側下部に装備されている。オイルジェット8は、その内部にチェックバルブ8aを備えている。各オイルジェット8がシリンダブロック3に装備された状態で、オイル供給圧が所定値、例えば0.2MPa以上のとき、チェックバルブ8aが開動作し、各ピストン7のピストンクラウン部裏面に対して冷却用オイルが噴射される。
【0026】
クランク軸9は、5つの軸部と、4つのクランクピン部9bと、クランク軸内油路9a(図1参照)等を備えている。軸部は、クランク軸9の回転軸心と同軸状に形成されている。軸部は、シリンダブロック3に形成されたメインジャーナル10を介して回転自在に枢支されている。4つのクランクピン部9bは、その回転軌跡がクランク軸9の回転軸心と同軸状になるよう配置され、軸部から偏心した位置に形成されている。クランクピン部9bは、ピンジャーナル11を介して各コネクティングロッド12を回転自在に枢支している。それ故、エンジンEが運転しているとき、潤滑用オイルは、クランク軸内油路9aを介してメインジャーナル10からピンジャーナル11に亙って流動している。
【0027】
図1〜図4に示すように、シリンダブロック3には、メインギャラリ31(主油路)と、メインギャラリ31から分岐した複数の分岐給油路32,33と、4本のブロック側ドレイン油路34と、オイル誘導部35等が形成されている。メインギャラリ31は、シリンダブロック3の吸気側壁部に形成され、オイルポンプ6の吐出口に接続されている。第1分岐給油路32は、上流側端部がメインギャラリ31に接続され、下流側端部がメインジャーナル10に接続されている。これにより、メインギャラリ31から第1分岐給油路32を介して供給された潤滑用オイルは、メインジャーナル10にてクランク軸9の各軸部に供給される。更に、各軸部に供給されたオイルはクランク軸内油路9aを経てピンジャーナル11に供給される。メインジャーナル10やピンジャーナル11に供給されたオイルは、軸部やクランクピン部の潤滑を終えた後、インナオイルパン2b内に滴下して還流される。
【0028】
第2分岐給油路33は、上流側端部がメインギャラリ31に接続され、下流側端部がオイルジェット8のチェックバルブ8aに接続されている。これにより、メインギャラリ31から第2分岐給油路33を介して供給された冷却用オイルは、チェックバルブ8aを介してオイルジェット8の噴射ノズルに供給される。噴射ノズルからピストンクラウン部裏面に噴射されたオイルは、ピストン7の冷却を終えた後、インナオイルパン2b内に滴下して還流される。
【0029】
図2〜図4に示すように、各ブロック側ドレイン油路34は、シリンダブロック3の排気側壁部にシリンダブロック3の上端から下端に亙って上下方向へ延びるよう形成されている。各ブロック側ドレイン油路34は、各気筒のシリンダボア3aに対して気筒列方向中央位置に配置されている。
【0030】
図2,図3に示すように、オイル誘導部35は、4つの導入部35aと、1つの導出部35bを備えている。4つの導入部35aは、夫々、上流側端部が4つのブロック側ドレイン油路34の下流側端部と接続されている。導出部35bは、4つの導入部35aの下流側部分を集合して形成されている。導出部35bは、各導入部35aの下流側部分の集合部からオイルストレーナ6aに接近するように延設されている。導出部35bの導出口は、油面内のオイルストレーナ6aの吸入口の近傍位置に配置されている。これにより、各ブロック側ドレイン油路34を流動してきた還流オイルは、オイル誘導部35により集合され導出部35bの導出口からオイルストレーナ6aの吸入口の近傍位置に導出される。
【0031】
図1に示すように、シリンダヘッド4は、吸気側カム軸(図示略)と、排気側カム軸(図示略)と、複数の可変バルブタイミング機構(VVT)13等を備えている。
両カム軸は、シリンダヘッド4に形成された複数のカムジャーナル14を介して回転自在に枢支されている。両カム軸にはクランク軸9から回転駆動力が伝達され、夫々のカム軸に連動連結された吸排気バルブ(図示略)が往復動される。VVT13は、吸排気バルブの開閉タイミングやリフト量等のバルブ特性を調整可能に形成されている。VVT13は、OCV(Oil Control Valve)13aにより流量調整されたオイルによって制御されている。
【0032】
図1,図5〜図7に示すように、シリンダヘッド4には、メインギャラリ31から分岐した複数の分岐給油路41,42と、4本のヘッド側ドレイン油路44等が形成されている。第3分岐給油路41は、上流側端部がメインギャラリ31に接続され、下流側端部が複数のカムジャーナル14に接続されている。これにより、メインギャラリ31から第3分岐給油路41を介して供給された潤滑用オイルは、カムジャーナル14にて両カム軸に供給される。カムジャーナル14に供給されたオイルは、両カム軸の潤滑を終えた後、各ヘッド側ドレイン油路44から還流される。
【0033】
図1に示すように、第4分岐給油路42は、上流側端部がメインギャラリ31に接続され、下流側端部がOCV13aに接続されている。これにより、メインギャラリ31から第4分岐給油路42を介して供給されたオイルは、OCV13aにより流量調整された後、VVT13を作動させる。VVT13に供給されたオイルは、作動を終えた後、各ヘッド側ドレイン油路44から還流される。
【0034】
図6,図7に示すように、各ヘッド側ドレイン油路44は、夫々、シリンダヘッド4の排気ポート4aに対応してシリンダヘッド4の排気側壁部に形成されている。
ヘッド側ドレイン油路44は、排気ポート4aの下方位置から下端に亙って下方へ延びるよう形成されている。各ヘッド側ドレイン油路44の上流側端部は、気筒列方向に延びる略直線状のヘッド側共通油路45により連通され、各ヘッド側ドレイン油路44の下流側端部は、各ブロック側ドレイン油路34の上流側端部と夫々接続されている。
【0035】
図1,図6,図7に示すように、第2分岐給油路33からヘッド側共通油路45に亙ってオイルをバイパス可能なバイパス通路15が形成されている。このバイパス通路15は、上流側油路36と、下流側油路46と、4本の分岐油路47と、4つの排気ポート側油路48と、切換バルブ16(弁手段)を備えている。
【0036】
上流側油路36は、第2分岐給油路33の途中部から分岐し、シリンダブロック3側から下流側油路46に亙って上下方向に延びるように形成されている。下流側油路46は、各排気ポート4aを挟んでヘッド側共通油路45と略平行方向位置に配置され、前端の排気ポート4aの上部位置から後端の排気ポート4aの上部位置に亙って形成されている。下流側油路46の前端部分には、上流側油路36の下流側端部が接続されている。
下流側油路46とヘッド側共通油路45の間には、各排気ポート4aを夫々囲むように4つの環状の排気ポート側油路48が形成されている。各排気ポート側油路48は、上流側端部が夫々分岐油路47を介して下流側油路46に接続され、下流側端部がヘッド側共通油路45に接続されている。
【0037】
切換バルブ16は、上流側油路36の途中部に設置されている。切換バルブ16は、エンジンEが暖気状態のとき、開弁してチェックバルブ8aへ向かうオイルを上流側油路36へ誘導し、エンジンEが暖気完了後のとき、閉弁して上流側油路36へ誘導されるオイルを遮断するように形成されている。これにより、エンジンEが暖気状態のとき、第2分岐給油路33から誘導されたオイルは、上流側油路36と下流側油路46を経て各分岐油路47により各排気ポート側油路48に分配される。各排気ポート側油路48を流動するオイルは、シリンダヘッド4の排気ポート肉壁を介して排気ガスと熱交換して昇温された後、ヘッド側共通油路45から各ヘッド側ドレイン油路44を通過し、各ブロック側ドレイン油路34へリターンされる。
【0038】
次に、エンジンEのオイル循環装置1の作用、効果について説明する。
このオイル循環装置1は、オイルの暖気専用配管であるバイパス通路15を設置することにより受熱用オイルを排気ポート4aの近傍位置へ指向させるため、排気系構造や排気レイアウトの変更を生じることなくオイルと排気ガスとを熱交換することができる。これにより、エンジンEが暖気状態のとき、オイル温度をエンジンEの冷却水温に拘わらずに早期に適正に昇温してオイル粘性を低減し、メインジャーナル10、ピンジャーナル11及びカムジャーナル14等の給油対象部の機械抵抗を低下することができる。
【0039】
排気系構造の変更や排気レイアウトの変更が生じないため、排気ガスの流動抵抗を増加することなく製造コストを抑えることができる。複数の分岐給油路32,33,41,42のうち冷却用オイルの供給対象であるオイルジェット8に接続された第2分岐給油路33から排気ポート4aの近傍位置へオイルを指向させることができるため、エンジンEが暖気状態のとき、ピストン7へ供給される冷却用オイルを排気ガスから受熱する受熱媒体として利用でき、冷却用オイルによるピストン7の過剰冷却を防止して燃焼性状の安定化を早め、エンジンEの暖気を促進することができ、結果として、エンジンEの燃費を向上できる。
【0040】
複数のヘッド側ドレイン油路44に夫々接続されインナオイルパン2bへオイルを還流する複数のブロック側ドレイン油路34を備え、各排気ポート側油路48は夫々排気ポート4aを囲むよう環状に形成され、複数のヘッド側ドレイン油路44と複数のブロック側ドレイン油路34をエンジンEの排気側壁部に設けているため、排気ガスから受熱可能なバイパス通路15を長く形成でき、排気ガスから受熱できる熱量を増すことができる。
【0041】
排気ポート側油路48を経由して昇温された還流オイルを昇温されたオイルが要求される昇温オイル要求部としてのオイルポンプ6のオイルストレーナ6aへ誘導するオイル誘導部35を設けているため、オイル誘導部35により昇温された還流オイルをオイルストレーナ6aの吸入口へ集めることができ、エンジンEの早期暖気を促進することができる。
【0042】
オイル誘導部35が、複数のブロック側ドレイン油路34の下流端からオイルを導入する複数の導入部35aと、これら複数の導入部35aを集合し且つ導入されたオイルをオイルポンプ6のオイルストレーナ6aの吸入口の近傍位置へ導出する導出部35bを有するため、オイル誘導部35により昇温された還流オイルをオイルストレーナ6aの吸入口の近傍位置へ集めることができ、昇温された還流オイルの温度を低下させることなくオイルポンプ6により再循環でき、エンジンEの早期暖気を促進することができる。
【0043】
オイル誘導部35が、オイルストレーナ6aの吸入口を囲繞すると共にアウタオイルパン2a内部に収容されたインナオイルパン2bを備え、導出部35bが還流オイルをインナオイルパン2bへ導出するため、オイル誘導部35により昇温されたオイルをインナオイルパン2bへ確実に集めることができ、限られたオイルをオイルポンプ6により再循環でき、エンジンEの早期暖気を促進することができる。
【0044】
シリンダブロック3はピストン7に対してオイルを噴射可能なオイルジェット8を備え、バイパス通路15はオイルジェット8にオイルを供給する第2分岐給油路33から分岐するよう形成され、切換バルブ16が開弁したとき、オイルジェット8に供給されるオイル流量が制限されるため、エンジンEが暖気完了後のとき、ピストン7の冷却性能を維持しつつ、エンジンEが暖気状態のとき、ピストン7に対して噴射される低温のオイル流量を低減してピストン7の過剰冷却を防止し、燃焼性状の早期安定化を図ることができる。
【0045】
次に、図8に基づいて、実施例1の変形例について説明する。尚、実施例1と同様の部材については、同一の符号を附し、説明を省略する。
実施例1との相違点は、実施例1では、ブロック側ドレイン油路34が各気筒に対応して4本形成されたのに対し、この変形例のオイル循環装置1Aでは、ブロック側ドレイン油路34Aを2本形成した点である。
【0046】
2本のブロック側ドレイン油路34Aは、夫々、シリンダブロック3Aの排気側壁部にシリンダブロック3Aの上端から下端に亙って上下方向へ延びるよう形成されている。前側のブロック側ドレイン油路34Aは、前端気筒と隣接する気筒との気筒間部位に設けられ、後側のブロック側ドレイン油路34Aは、後端気筒と隣接する気筒との気筒間部位に設けられている。
【0047】
オイル誘導部35Aは、2つの導入部35cと、1つの導出部35dを備えている。2つの導入部35cは、夫々、上流側端部が各ブロック側ドレイン油路34Aの下流側端部と接続されている。導出部35dは、2つの導入部35cの下流側部分を集合して形成されている。導出部35dは、各導入部35cの下流側部分の集合部からオイルストレーナ6aに接近するように延設されている。尚、ヘッド側ドレイン油路(図示略)は、ヘッド側共通油路45から2本形成され、各ブロック側ドレイン油路34Aの上流側端部と夫々接続されている。このオイル循環装置1Aによれば、実施例1と同様な効果を奏すると共に構造の簡単化を図ることができる。
【0048】
次に、図9に基づいて、実施例1の別の変形例について説明する。尚、前述した実施例と同様の部材については、同一の符号を附し、説明を省略する。
実施例1との相違点は、実施例1では、ブロック側ドレイン油路34が各気筒に対応して4本形成されたのに対し、この変形例のオイル循環装置1Bでは、4本のブロック側ドレイン油路34Bが途中部で2本のブロック側ドレイン油路34Cに集合された点である。
【0049】
4本のブロック側ドレイン油路34Bは、夫々、シリンダブロック3Aの排気側壁部にシリンダブロック3Bの上端から途中部まで上下方向へ延びるよう形成されている。
前端気筒のブロック側ドレイン油路34Bとこれと隣接する気筒のブロック側ドレイン油路34Bは、途中部において集合されブロック側ドレイン油路34Cを形成している。ブロック側ドレイン油路34Cは、前端気筒と隣接する気筒との気筒間部位に設けられ、シリンダブロック3Bの途中部から下端まで上下方向へ延びるよう形成されている。同様に、後端気筒のブロック側ドレイン油路34Bとこれと隣接する気筒のブロック側ドレイン油路34Bは、途中部において集合されブロック側ドレイン油路34Cを形成している。ブロック側ドレイン油路34Cは、後端気筒と隣接する気筒との気筒間部位に設けられ、シリンダブロック3Bの途中部から下端まで上下方向へ延びるよう形成されている。このオイル循環装置1Bによれば、実施例1と同様な効果を奏することができる。
【実施例2】
【0050】
図10,図11に基づいて、実施例2に係るオイル循環装置1Cについて説明する。尚、前述した実施例と同様の部材については、同一の符号を附し、説明を省略する。
実施例1との相違点は、実施例1では、昇温オイル要求部がオイルポンプ6のオイルストレーナ6aであったのに対し、本実施例2では、昇温されたオイルが要求される昇温オイル要求部がクランク軸9Aである点である。
【0051】
図10,図11に示すように、4本のブロック側ドレイン油路34Dは、シリンダブロック3Cの排気側壁部にシリンダブロック3Cの上端から下端に亙って上下方向へ延びるよう形成されている。各ブロック側ドレイン油路34Dは、各気筒のシリンダボア3aに対して気筒配列直交位置に配置されている。
【0052】
前端気筒のブロック側ドレイン油路34Dの下部は、隣接する気筒側へ屈曲形成され、その下端部はシリンダボア3aの軸線に対して隣接する気筒側に配置されている。前端気筒に隣接する気筒のブロック側ドレイン油路34Dの下部は、前端気筒側へ屈曲形成され、その下端部はシリンダボア3aの軸線に対して前端気筒側に配置されている。同様に、後端気筒のブロック側ドレイン油路34Dの下部は、隣接する気筒側へ屈曲形成され、その下端部はシリンダボア3aの軸線に対して隣接する気筒側に配置されている。後端気筒に隣接する気筒のブロック側ドレイン油路34Dの下部は、後端気筒側へ屈曲形成され、その下端部はシリンダボア3aの軸線に対して後端気筒側に配置されている。
【0053】
各ブロック側ドレイン油路34Dの下端部には、夫々、オイル誘導管37が設けられている。オイル誘導管37は、筒状に形成され、各ブロック側ドレイン油路34Dの下端部から吸気側へ傾斜するように装着されている。各オイル誘導管37の開口は、後述するように、還流されたオイルを各クランクピン部9bの回転軌跡部位へ滴下可能に配置されている。
【0054】
クランク軸9Aは、4つのクランクピン部9bと、4つのオイル溜り部9cと、4つのオイル貫通穴9d等を備えている。各オイル溜り部9cは、夫々、各クランクピン部9bの回転軌跡部位に相当する前後方向一端側位置に形成されている。オイル溜り部9cは、クランクピン部9bに凹入形成され、このオイル溜り部9cが形成されたクランクピン部9bがオイル誘導管37に接近したとき、オイル溜り部9cがオイル誘導管37の開口に対して上下方向略下方位置になるよう形成されている。それ故、各オイル溜り部9cには、クランク軸9Aが1回転する毎に各ブロック側ドレイン油路34Dから還流されたオイルが供給される。
【0055】
各オイル貫通穴9dは、夫々、前後方向一端側がオイル溜り部9cに接続され、各クランクピン部9bを前後方向一端側から他端側に亙って貫通するように形成されている。オイル貫通穴9dは、このオイル貫通穴9dが形成されたクランクピン部9bがオイル誘導管37に接近したとき、前後方向一端側が他端側に比べて上方位置になるよう形成されている。それ故、クランクピン部9bがオイル誘導管37に接近したとき、オイル溜り部9cに貯留されたオイルは、オイル貫通穴9dを自重により一端側から他端側へ流動される。
【0056】
このオイル循環装置1Cによれば、実施例1と同様な効果を奏する他、還流オイルを複数のブロック側ドレイン油路34Dの下流端からクランクピン部9bの回転軌跡部位へ滴下するオイル誘導管37を設けたため、オイル誘導管37により昇温された還流オイルをクランク軸9Aのクランクピン部9bの回転軌跡部位へ集中して供給でき、クランクピン部9bの早期昇温を促進することができる。
【0057】
次に、図12に基づいて、実施例2の変形例について説明する。
実施例2との相違点は、実施例2では、オイル貫通穴9dをクランクピン部9bの前後方向一端側から他端側に亙って貫通するように形成したのに対し、この変形例のオイル循環装置1Dでは、他端側が閉塞されたオイル閉塞穴9eを設けた点である。
【0058】
4つのオイル閉塞穴9eは、クランク軸9Bの各クランクピン部9bに形成されている。
各オイル閉塞穴9eは、夫々、前後方向一端側がオイル溜り部9cに接続され、各クランクピン部9bを前後方向一端側からクランクピン部9bの途中部にかけて形成されている。オイル閉塞穴9eは、このオイル閉塞穴9eが形成されたクランクピン部9bがオイル誘導管37に接近したとき、前後方向一端側が他端側に比べて上方位置になるよう形成されている。この変形例によれば、実施例2と同様の効果を奏することができる。
【0059】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、横置き4気筒エンジンの例を説明したが、少なくともレシプロエンジンであれば良く、単気筒エンジンや2気筒以上のエンジンやV型エンジン等種々のエンジンに適用することができる。また、縦置きエンジンにも適用可能である。
【0060】
2〕前記実施例においては、バイパス通路をピストン用オイルジェットにオイルを供給する第2分岐給油路から分岐させた例を説明したが、少なくとも、エンジンの暖気状態のとき、オイルの供給を減少可能な給油対象部に接続された分岐給油路であれば良く、オイルの要求状況に応じて何れの分岐給油路から分岐させることも可能である。また、給油対象部は1つに限られず、複数の分岐給油路から分岐させたバイパス通路でも良く、更に、複数のバイパス通路をヘッド側ドレイン油路へ接続しても良い。
【0061】
3〕前記実施例においては、バイパス通路が排気ポートを囲む環状の排気ポート側油路を備えた例を説明したが、少なくとも、排気ポート側油路は流動するオイルが排気ガスと熱交換可能であれば良く、バイパス通路の上流側油路の一部を排気ポート側油路と兼用し、上流油路を排気ポート近傍位置においてヘッド側ドレイン油路に直接接続することも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、エンジンのオイル循環装置において、エンジンの暖気状態のとき、給油対象部に供給されるオイルをバイパス通路を介して排気ポート側油路へ流すことにより、排気抵抗の増加や排気系レイアウトの変更を生じることなくオイル温度を昇温でき、給油対象部の過剰冷却を抑制し暖気を促進できる。
【符号の説明】
【0063】
1,1A,1B,1C, オイル循環装置
1D
2a アウタオイルパン
2b インナオイルパン
3,3A,3B,3C シリンダブロック
4 シリンダヘッド
4a 排気ポート
7 ピストン
8 オイルジェット
9,9A,9B クランク軸
10 メインジャーナル
11 ピンジャーナル
13 VVT
14 カムジャーナル
15 バイパス通路
16 切換バルブ
32 第1分岐給油路
33 第2分岐給油路
34,34A,34B, ブロック側ドレイン油路
34C,34D
35,35A オイル誘導部
35a,35c 導入部
35b,35d 導出部
37 オイル誘導管
41 第3分岐給油路
42 第4分岐給油路
44 ヘッド側ドレイン油路
48 排気ポート側油路
E エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックとシリンダヘッドに装備された複数の給油対象部と、オイルパンに貯留されたオイルを吸引して主油路へ吐出するオイルポンプと、前記主油路から分岐し前記複数の給油対象部にオイルを供給する複数の分岐給油路と、前記複数の給油対象部からオイルパンへオイルを還流可能な複数のヘッド側ドレイン油路を備えたエンジンのオイル循環装置において、
前記複数の分岐給油路のうち何れかの分岐給油路から分岐したバイパス通路であって、前記シリンダヘッドの排気ポート近傍位置に設けられ前記複数のヘッド側ドレイン油路へオイルを指向させる1又は複数の排気ポート側油路を含むバイパス通路と、
前記バイパス通路に設けられエンジンが暖気状態のとき開弁し且つ暖気完了後のとき閉弁する弁手段とを備えたことを特徴とするエンジンのオイル循環装置。
【請求項2】
前記複数のヘッド側ドレイン油路に接続されオイルパンへオイルを還流する複数のブロック側ドレイン油路を備え、
前記排気ポート側油路は排気ポートを囲むよう環状に形成され、前記複数のヘッド側ドレイン油路と複数のブロック側ドレイン油路をエンジンの排気側部分に設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのオイル循環装置。
【請求項3】
前記排気ポート側油路を経由して還流したオイルを昇温されたオイルが要求される昇温オイル要求部へ誘導するオイル誘導部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンのオイル循環装置。
【請求項4】
前記オイル誘導部が、前記複数のブロック側ドレイン油路の下流端からオイルを導入する複数の導入部と、これら複数の導入部を集合し且つ導入されたオイルをオイルポンプの吸入口近傍位置へ導出する導出部を有することを特徴とする請求項3に記載のエンジンのオイル循環装置。
【請求項5】
前記オイル誘導部が、オイルポンプの吸入口を囲繞すると共にオイルパン内部に収容されたインナオイルパンを備え、前記導出部が導入されたオイルを前記インナオイルパンへ導出することを特徴とする請求項3又は4に記載のエンジンのオイル循環装置。
【請求項6】
シリンダブロックはピストンに対してオイルを噴射可能なオイルジェットを備え、
前記バイパス通路は前記オイルジェットにオイルを供給する分岐給油路から分岐するよう形成され、前記弁手段が開弁したとき、前記オイルジェットに供給されるオイル量が制限されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジンのオイル循環装置。
【請求項7】
前記オイル誘導部が、前記複数のブロック側ドレイン油路の下流端からオイルをエンジンのクランク軸のピン部の回転軌跡部位へ滴下するオイル誘導管により形成されたことを特徴とする請求項3に記載のエンジンのオイル循環装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−137016(P2012−137016A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289829(P2010−289829)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】