説明

カメラシステム

【課題】被写界深度の確認をする際の利便性を高める。
【解決手段】カメラシステム100は、撮像光学系Lと、撮像部45と、画像記録部18と、反射ミラー4と、ミラー駆動部44と、絞り値入力部40と、絞り調節部29と、表示部16と、画像調節部59と、プレビュー操作部76と、を備える。反射ミラー4が光路から退避した第2の状態において操作される絞込みモードにおいて、プレビュー操作に基づいて、撮像光学系Lの絞り値を入力された絞り値に調節した後、画像調節部59は、絞り値を大きくする場合には、絞り値に応じて暗くなる表示部16に表示される画像を明るくするよう調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステム、特に絞り値変更機能を有するデジタルカメラに用いられるカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一眼レフデジタルカメラが急速に普及している。この一眼レフデジタルカメラでは、光学ファインダを用いて被写体を観察する場合、撮像光学系に入射した光(すなわち被写体像)が光路上に配置された反射ミラーにより反射され、ファインダ光学系に導かれる。この結果、ペンタプリズム等を介して被写体像が正立像に変換され、光学ファインダに導かれる。これにより、撮影者は撮像光学系により形成された被写体像を光学ファインダから観察することができる。
一方、撮像光学系を撮影用として使用する場合は、反射ミラーが撮影用光路から待避する。この結果、ファインダ用光路が撮影用光路に切り換えられ、撮影が終了すると反射ミラーは定位置に瞬時に戻る。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
【0003】
しかし、光学ファインダを用いての撮影は、デジタルカメラの撮影に不慣れな初心者にとっては、非常に使いにくい。
そこで、撮影時に液晶モニタにより被写体を観察できるモニタ撮影モードを有するカメラシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−125173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、この種のカメラシステムは、絞り値変更機能を有している。モニタ撮影モードの場合、設定された絞り値にて順次撮影された実時間画像が表示装置に表示される。このため、表示装置を介して、絞り値に応じて変化する被写界深度の確認を行うことができる。
しかし、一般的に、絞り値が大きくなると撮像センサに入射する光の量が少なくなり、表示装置に表示される画像が暗くなる。この結果、絞り値によっては被写界深度の確認が困難な場合もある。
本発明の課題は、絞り値変更機能を有するカメラシステムにおいて、被写界深度の確認をする際の利便性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るカメラシステムは、被写体を撮影するカメラシステムであって、撮像光学系と、撮像部と、絞り調節部と、表示部と、画像調節部と、を備えている。撮像光学系は被写体の光学像を形成する。撮像部は、光学像を画像信号に変換し、被写体の画像を取得する。絞り調節部は撮像光学系の絞り値を調節可能である。表示部は画像を表示する。画像調節部は、絞り値に応じて表示部に表示される画像の明るさを調節する。
このカメラシステムでは、絞り値を変更した際に、絞り値に応じて画像調節部により画像の明るさが調節される。この結果、絞り値に関係なく、表示される画像の明るさを確認しやすい程度に保つことができる。これにより、このカメラシステムでは、絞り値の違いに起因する画像の明るさの違いに影響されることなく、撮影者が画像の被写界深度を容易に確認することが可能となる。
【0007】
第2の発明に係るカメラシステムは、第1の発明に係るカメラシステムにおいて、画像調節部が絞り値に応じて画像信号を増幅する。
第3の発明に係るカメラシステムは、第2の発明に係るカメラシステムにおいて、画像調節部が絞り値と画像信号の増幅率との関係についての情報に基づいて画像信号を増幅する。
第4の発明に係るカメラシステムは、第3の発明に係るカメラシステムにおいて、絞り値を入力可能な絞り値入力部をさらに備えている。表示部は基準画像と比較画像とを並べて表示可能である。基準画像は、制御部において予め設定された基準絞り値にて取得された画像である。比較画像は、絞り値入力部において設定された設定絞り値にて取得された画像である。
【0008】
第5の発明に係るカメラシステムは、第4の発明に係るカメラシステムにおいて、外部から情報を入力可能な操作部と、画像を記録する画像記録部と、をさらに備えている。基準画像および比較画像は、操作部から入力された情報に基づいて、画像記録部に記録される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】カメラシステムの全体構成図
【図2】カメラ本体の制御システムを示すブロック図
【図3】交換レンズの制御システムを示すブロック図
【図4】カメラシステムの上面図
【図5】カメラシステムの背面図
【図6】(a)半径方向外側から見た絞りリングの展開図、(b)半径方向内側から見た絞りリングの展開図
【図7】絞りリングと絞りリニアセンサとの結合部分を示す断面図
【図8】絞りリニアセンサの回路構成図
【図9】絞りリングに対する摺動子の位置と絞りリニアセンサの出力値との関係を示すグラフ
【図10】ファインダ撮影モードを説明するための図
【図11】モニタ撮影モードを説明するための図
【図12】絞り込みモードのフローチャート
【図13】(a)、(b)液晶モニタに表示される画像の一例
【図14】絞り込みモードのフローチャート(第2実施形態)
【図15】絞り込みモードのフローチャート(第2実施形態)
【図16】液晶モニタに表示される画像の一例(第2実施形態)
【図17】液晶モニタに表示される画像の一例(他の実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
〔第1実施形態〕
<1:カメラシステムの全体構成>
図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態としてのカメラシステム100について説明する。図1はカメラシステム100の全体構成図である。図2はカメラ本体1の制御ブロック図である。図3は交換レンズユニット2の制御ブロック図である。
カメラシステム100は、交換レンズ式の一眼レフデジタルカメラに用いられるシステムである。図1に示すように、カメラシステム100は主に、カメラ本体1と、カメラ本体1に取り外し可能に装着された交換レンズユニット2と、から構成されている。交換レンズユニット2は被写体の光学像を形成する。カメラ本体1は交換レンズユニット2により形成された光学像を電気信号に変換し、画像データの記録および画像の表示などを行う。
【0011】
(1.1:交換レンズユニット)
図1および図3に示すように、交換レンズユニット2は主に、撮像光学系Lと、撮像光学系Lのズーム倍率を調節するズーム調節部24と、撮像光学系Lの焦点を調節する焦点調節部22と、撮像光学系Lの絞り値(絞りの開度により変化する実際のF値)を調節する絞り調節部29と、レンズ制御部としてのレンズマイコン20と、を有している。撮像光学系Lはカメラ本体1の撮像センサ11に被写体像を結ぶ。
レンズマイコン20は、交換レンズユニット2の各種シーケンスを制御するためのユニットである。レンズマイコン20には交換レンズユニット2に関する各種レンズ情報が格納されている。レンズマイコン20は、ズーム制御部62、フォーカス制御部26および絞り制御部27と双方向通信が可能である。
【0012】
図1および図3に示すように、ズーム調節部24は主に、ズームリニアセンサ60と、A/D変換部61と、ズーム制御部62と、を有している。ズーム制御部62は、A/D変換部61を介して、ズームリニアセンサ60から信号を受信可能である。ズーム制御部62は、ズームリニアセンサ60により検出されたズームリング38の回転角度を撮像光学系Lの焦点距離情報に変換する。ズーム制御部62は焦点距離情報をレンズマイコン20へ送信する。
図1および図3に示すように、焦点調節部22は主に、フォーカスレンズ群25と、フォーカスレンズ群25の動作を制御するフォーカス制御部26と、を有している。フォーカス制御部26は、フォーカスリニアセンサ63から信号を受信可能であり、A/D変換部64を介して、フォーカス駆動モータ65へ信号を送信可能である。フォーカスリニアセンサ63はフォーカスリング39の回転角度を検出する。A/D変換部64はフォーカスリニアセンサ63により検出された回転角度情報をデジタル化する。フォーカス制御部26は、A/D変換部64によりデジタル化されたフォーカスリング39の回転角度情報を物点距離情報に変換する。フォーカス制御部26はレンズマイコン20からの命令に基づいて物点距離情報をレンズマイコン20へ送信する。フォーカス制御部26は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいてフォーカス駆動モータ65を駆動する。このように、焦点調節部22により焦点調節が行われる。
【0013】
絞り調節部29は主に、絞りユニット28と、絞りユニット28の動作を制御する絞り制御部27と、絞り値を設定するための絞りリング40と、を有している。絞りユニット28は、図示しない絞り羽根と、絞り羽根を駆動するための絞り駆動モータ28bと、を有している。
絞り制御部27は、絞りリング40により設定されている絞り値を検出する。具体的には、図3に示す絞りリニアセンサ41は絞りリング40の回転角度を検出する。A/D変換部67は絞りリング40により検出された回転角度をデジタル化する。絞り制御部27は、A/D変換部67を介して絞りリニアセンサ41から信号を受信可能であり、A/D変換部67によりデジタル化された絞りリング40の回転角度情報を絞り値情報に変換する。
【0014】
絞り制御部27は、レンズマイコン20からの命令に基づいて絞り値情報をレンズマイコン20へ送信し、レンズマイコン20からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ28bを駆動する。絞り駆動モータ28bは、絞り制御部27からの制御信号により、絞りリング40で設定された絞り値に応じて絞り羽根を駆動する。このように、絞り調節部29により撮像光学系Lの絞り値が調節される。
交換レンズユニット2はさらに、レンズマウント21を有しており、レンズマウント21を介してカメラ本体1の前面に設けられたボディーマウント23に取り外し可能に装着されている。交換レンズユニット2はレンズマウント21に設けられた図示しない電気切片を有している。カメラ本体1はボディーマウント23に設けられた図示しない電気切片を有している。これらの電気切片を介して、後述するボディーマイコン12とレンズマイコン20との間でレンズ情報および各種制御信号の送受信が行われる。
【0015】
(1.2:カメラ本体)
図1および図2に示すように、カメラ本体1は主に、クイックリターンミラー4と、ファインダ光学系19と、焦点検出ユニット5と、シャッターユニット10と、撮像部45と、本体制御部としてのボディーマイコン12と、を有している。ボディーマイコン12は各種シーケンスをコントロールする。焦点検出ユニット5の焦点検出方式としては、例えば位相差検出方式が採用されている。
図1および図2に示すように、クイックリターンミラー4を駆動するために、クイックリターンミラー制御部43およびクイックリターンミラー駆動モータ44が設けられている。クイックリターンミラー制御部43は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づき、クイックリターンミラー駆動モータ44を駆動する。シャッターユニット10を駆動するために、シャッター制御部14およびシャッター駆動モータ10aが設けられている。シャッター制御部14は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ10a(図示せず)を駆動する。ボディーマイコン12は、シャッター制御部14と、クイックリターンミラー制御部43へ信号を送信可能である。
【0016】
撮像部45は主に、撮像センサ11と、撮像センサ11の動作を制御する撮像センサ制御部13と、を有している。撮像センサ11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等である。撮像センサ11は、交換レンズユニット2の撮像光学系Lにより形成される光学像を画像信号に変換する。
図2に示すように、撮像センサ11から出力される画像信号は、アナログ信号処理部51、A/D変換部52、デジタル信号処理部53、バッファメモリ54、画像圧縮部56の順に処理される。具体的には、画像信号は、撮像センサ11からアナログ信号処理部51へ送信される。アナログ信号処理部51は、撮像センサ11から出力された画像信号にガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。
アナログ信号処理部51には、アナログ画像信号のレベル(ゲイン:Gain)を補正する画像調節部としてのAGC(Auto Gain Control)部59を備えている。このAGC部59は、後述する絞り込みモードにおいて適正露出が得られない場合などに、画像信号のレベル不足を補償するアンプ機能を有している。このアンプ機能では、後述するA/D変換部52の入力電圧範囲に合うよう、アナログ画像信号を設定絞り値に応じた適正な増幅率で増幅する。例えば、このアナログ信号処理部51は、AGC部59を用いて、後述の絞り込みモードにおいて撮影された実絞り画像に対して、後述する液晶モニタ16での表示に好適な明るさの画像となるようにゲインを変更する処理等を行う。これにより、絞り値が大きい場合でも、液晶モニタ16に表示される画像が明るくなり、実絞り画像を観察しやすくなる。
【0017】
アナログ信号処理が施された画像信号は、アナログ信号処理部51からA/D変換部52へ送信される。A/D変換部52は、アナログ信号処理部51から出力されたアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。
デジタル信号処理部53は、A/D変換部52によりデジタル信号に変換された画像信号に対して、ノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。デジタル信号処理が施された画像信号は、デジタル信号処理部53からバッファメモリ54へ送信される。バッファメモリ54は、デジタル信号処理部53により処理された画像信号を一旦記憶する。
バッファメモリ54は、例えば、RAM(Random Access Memory)などである。
バッファメモリ54に記憶された画像信号は、画像記録制御部17からの命令に従って、バッファメモリ54から画像圧縮部56へ送信される。画像記録制御部17の命令に従って、画像圧縮部56は画像信号に圧縮処理を行う。この圧縮処理により、画像信号のデータサイズは元の画像信号のデータサイズより小さくなる。例えばこの圧縮方式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などが用いられる。圧縮された画像データは、画像圧縮部56から画像記録部18および液晶モニタ16へ送信される。
【0018】
画像信号を記録するために、画像記録制御部17および画像記録部18が設けられている。画像記録制御部17は、例えば図示しないカード型記録媒体に対して、画像データの読み書きを画像記録部18に行わせる。具体的には、画像記録制御部17は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいて画像記録部18を制御する。画像記録部18は、画像記録制御部17の命令に基づいて、画像データを内部メモリおよび/または記録媒体に記録する。画像データとともに記憶される情報は、例えば、画像を撮影した際の日時、焦点距離情報、シャッタースピード情報、絞り値情報、撮影モード情報などである。
被写体の画像を表示するために、画像表示部46および液晶モニタ16が設けられている。画像表示制御部15は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいて液晶モニタ16を制御する。具体的には、画像表示制御部15は、撮像センサ11により取得された画像データを読み出し、画像データに対して所定の処理を施した後、液晶モニタ16に画像を表示させる。液晶モニタ16は、画像表示制御部15の命令に基づいて、画像信号を可視画像として表示するとともに、各種情報を表示する。表示される情報としては、例えば、焦点距離情報、シャッタースピード情報、絞り値情報、撮影モード情報、合焦状態情報、交換レンズユニット2の絞りリング40の有無、ならびに絞り値の設定ステップおよび設定幅等が挙げられる。また、液晶モニタ16は、画像表示制御部15の命令に基づいて、所定の撮影および再生モードにおいて、撮影者により設定されるべき設定画面を表示する。
【0019】
ボディーマイコン12は、画像記録制御部17、画像表示制御部15およびデジタル信号処理部53と双方向通信が可能である。ボディーマイコン12は、各種情報および信号を格納するメモリ68を有している。
(1.3:操作部)
ここで、図4〜図5を用いてカメラシステム100の操作部について説明する。図4はカメラシステム100の上面図である。図5はカメラ本体1の背面図である。
図4に示すように、カメラ本体1には、レリーズボタン30と、シャッタースピード設定ダイヤル31と、が設けられている。レリーズボタン30と、シャッタースピード設定ダイヤル31とは、カメラ本体1の上面に設けられている。
レリーズボタン30は、ボディーマイコン12へシャッターの操作タイミングを送信する。シャッタースピード設定ダイヤル31は、シャッタースピードの設定を行うための操作部材である。シャッタースピード設定ダイヤル31は、設定されたシャッタースピード情報およびシャッターモード情報を送信する。シャッタースピード設定ダイヤル31を回転することによりシャッタースピードを調節することができる。シャッタースピード設定ダイヤル31は、シャッタースピードが自動的に設定されるオートの位置を有している。
【0020】
図4に示すように、交換レンズユニット2の被写体側には、フィルタマウント37が設けられている。交換レンズユニット2には、フィルタマウント37からカメラ本体1側(Z軸方向負側)へ向けて、ズームリング38と、フォーカスリング39と、絞りリング40と、が順に配置されている。ズームリング38、フォーカスリング39および絞りリング40は、いずれも円筒状の回転操作部材であり、交換レンズユニット2の外周面において回転可能に配置されている。絞りリング40は絞り値設定部の一例である。
図5に示すように、カメラ本体1の背面には、電源ボタン70、撮影/再生モード切り替えレバー71、MENUボタン72、十字操作キー73、SETボタン74、絞り込みモードボタン76が設けられている。カメラ本体1の背面(撮影者側の面、Z軸方向負側の面)には液晶モニタ16が設けられている。
【0021】
電源ボタン70は、カメラシステム100の電源のON/OFFを行う操作部材である。撮影/再生モード切り替えレバー71は、撮影モードと再生モードとの切り替えを行う操作部材である。ここで、撮影モードとは、カメラシステム100において、被写体を新たに撮影して画像信号にするためのモードである。再生モードとは、カメラシステム100において、既に撮影して格納されている画像データを表示するためのモードである。
撮影者が撮影する場合に、電源ボタン70がONに切り替えられ、撮影/再生モード切り替えレバー71が撮影モードに切り替えられる。これによりカメラシステム100の電源が入り、液晶モニタ16には、撮像センサ11により電気的な画像信号に変換された被写体の可視画像が、画像表示制御部15の命令に基づいて表示される。
MENUボタン72は、液晶モニタ16に各種操作メニューを表示させるための操作部材である。カメラシステム100が撮影モードにある状態において、撮影者がMENUボタン72を押すと、画像表示制御部15の命令に基づき、液晶モニタ16には設定メニュー画面が表示される。設定メニュー画面には、撮影モードにおいて撮影者により変更可能な設定項目のアイコンが表示される。
【0022】
十字操作キー73は、各種操作メニューの表示項目を選択するための操作部材であり、上下および左右の矢印キーを有している。SETボタン74は、各種操作メニューの表示項目を確定するための操作部材である。絞り込みモードボタン76は、後述する絞り込みモードへ移行させるためのボタンである。
なお、ボディーマイコン12は、レリーズボタン30と、シャッタースピード設定ダイヤル31と、撮影/再生モード切り替えレバー71と、MENUボタン72と、十字操作キー73と、SETボタン74と、撮影モード切り替えボタン75と、絞り込みモードボタン76と、から信号を受信可能である。
(1.4:絞りリング)
ここで、図6〜図9を用いて絞りリング40について説明する。図6(a)は半径方向外側から見た絞りリング40の展開図、図6(b)は半径方向内側から見た絞りリングの展開図である。図7は絞りリング40と絞りリニアセンサ41との結合部分の断面図である。図8は絞りリニアセンサ41の回路構成図である。図9は絞りリング40の回転角度と絞りリニアセンサ41の出力値との関係を示すグラフである。
【0023】
図6(a)に示すように、絞りリング40の外周面には絞り値が表示されている。絞り値の表示領域は2つの領域に分かれている。具体的には図6(a)に示すように、「2」から「11」までの1AV(Aperture Value)ごとの表示部分がマニュアルモードに対応している。図6(a)に示すように、「A」の表示部分がオートモードに対応している。図6(b)に示すように、絞りリング40の内周部には直線状のカム溝42が形成されている。
図7に示すように、絞りリニアセンサ41は、絞りリング40の半径方向外側に突出する円筒形状の摺動子41aを有している。図6(b)および図7に示すように、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは絞りリング40に形成されたカム溝42に挿入されている。絞りリング40が回転すると、カム溝42に沿って摺動子41aは光軸に沿った方向(Z軸方向)に移動する。
【0024】
図8に示すように、絞りリニアセンサ41は可変抵抗器を有する回路により構成されている。図8に示す端子T2は摺動子41aに接続されており、端子T2およびT3は、図7に示す絞りリニアセンサの両端部41bおよび41cに接続されている。端子T1およびT3の間には所定の電圧が付与されている。摺動子41aが絞りリニアセンサ41内にある磁気抵抗体上をスライドすることにより、端子T2の出力(出力電圧)はリニアに変化する。
図6に示すように、絞りリング40の文字「2」が表示されている位置が指標33の位置と一致している場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42の位置P上にある。この場合、図9に示すように、絞りリニアセンサ41の出力値(出力電圧値)は、P'となる。つまり、絞りリング40の文字「2」が表示されている位置を指標33の位置と一致させた場合には、絞りリニアセンサ41の出力電圧値はP'となる。
【0025】
同様に、絞りリング40を回転させて、絞りリング40上に文字「2.8」、「4」、
「5.6」、「8」、「11」および「A」が表示されている位置が指標33の位置と一致している場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42の位置Q、R、S、T、UおよびV上にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値(出力電圧値)は、それぞれ、Q'、R'、S'、T'、U'およびV'となる。つまり、絞りリング40上の文字「2.8」、「4」、「5.6」、「8」、「11」および「A」が表示されている位置を指標33の位置と一致させた場合には、絞りリニアセンサ41の出力電圧値は、Q'、R'、S'、T'、U'およびV'となる。
このように、絞りリニアセンサ41は、絞りリング40の回転角度と1対1で対応する出力(出力電圧値)を有しており、絞りリング40の回転角度に応じた絞り値信号を電圧変化として出力する。したがって、絞りリニアセンサ41からの出力に基づいて、絞りリング40の回転角度を検出することができる。
【0026】
<2.カメラシステムの動作>
図10および図11を用いてカメラシステム100の動作について説明する。図10はファインダ撮影モードを説明するための図である。図11はモニタ撮影モードを説明するための図である。
このカメラシステム100は、2つの撮影モードを有している。一方の撮影モードは、撮影者がファインダ接眼窓9を観察しながら撮影するファインダ撮影モードであり、従来の一眼レフカメラにおける通常の撮影モードである。他方の撮影モードは、液晶モニタ16を用いて撮影するモニタ撮影モードである。
(2.1:ファインダ撮影モード)
図10に示すように、ファインダ撮影モードでは、クイックリターンミラー4は光路X上の所定の位置に配置されている。このため、交換レンズユニット2を通過した被写体からの光は、クイックリターンミラー4のメインミラー4aにより2つの光束に分割される。反射光束はファインダ光学系19へ導かれる。透過光束は、クイックリターンミラー4の背面側に設けられたサブミラー4bで反射されて、焦点検出ユニット5のAF(Automatic Focus)用光束として利用される。
【0027】
メインミラー4aで反射された光束はファインダースクリーン6上に結像される。ファインダースクリーン6上に結像された被写体像は、ペンタプリズム7および接眼レンズ8を介してファインダ接眼窓9から観察することができる。このように、このファインダ撮影モードでは、撮影者がファインダ接眼窓9から被写体像を観察することができる。
実際の撮影時には、クイックリターンミラー4が光路X外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット10が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。これにより、被写体の画像を取得することが可能となる。
撮影者のレリーズボタン30の半押し動作により、カメラ本体1のボディーマイコン12、交換レンズユニット2のレンズマイコン20および各種ユニットに電源が供給される。ボディーマイコン12、レンズマイコン20および各種ユニットは電源供給により起動する。ボディーマイコン12は、レンズマウント21およびボディーマウント23を介して、レンズマイコン20から各種レンズ情報を受信する。レンズ情報はボディーマイコン12に内蔵されるメモリ68に保存される。
【0028】
次に、焦点検出ユニット5より焦点ずれ量(以後、Df量という)が取得され、Df量はボディーマイコン12に送信される。Df量に応じてフォーカスレンズ群25が駆動される。具体的には、ボディーマイコン12からレンズマイコン20へフォーカスレンズ群25の駆動命令が送信される。レンズマイコン20によりフォーカス制御部26を介してDf量分だけフォーカスレンズ群25が駆動される。焦点検出およびフォーカスレンズ群25の駆動が繰り返されると、Df量は小さくなる。Df量が所定量以下になった場合、ボディーマイコン12は、合焦と判断し、フォーカスレンズ群25の駆動を停止する。
この後、レリーズボタン30が全押しされると、ボディーマイコン12からレンズマイコン20へ絞り調節命令が送信される。このとき、例えば、図示しない測光センサからの出力に基づいて、ボディーマイコン12により絞り値が算出される。レンズマイコン20により絞り制御部27を介して絞りユニット28の絞りの開度が調節される。
【0029】
絞り調節と同時に、ボディーマイコン12からクイックリターンミラー制御部43へ、クイックリターンミラー4を光路X上から退避させる命令が送信される。退避完了後、撮像センサ制御部13により撮像センサ11が駆動され、シャッター制御部14によりシャッターユニット10が駆動される。シャッター制御部14により、図示しない測光センサからの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、シャッターユニット10の開状態が保たれ、撮像センサ11が露光される。
露光完了後、撮像センサ11から出力された画像信号に所定の画像処理が施され、液晶モニタ16に撮影された画像が表示される。また、画像記録部18を介して、記憶媒体に画像データが記録される。露光完了後、クイックリターンミラー4およびシャッターユニット10が初期位置にリセットされる。ボディーマイコン12からレンズマイコン20へ、絞りユニット28を開放位置にリセットするよう命令が送信される。レンズマイコン20により各ユニットにリセット命令が下される。リセット完了後、レンズマイコン20からボディーマイコン12へリセット完了情報が送信される。レンズマイコン20からのリセット完了情報を受信し露光後の一連処理が完了すると、レリーズボタン30が押し込まれていないことがボディーマイコン12により確認され、撮影シーケンスが終了する。
【0030】
(2.2:モニタ撮影モード)
図11に示すように、モニタ撮影モードで撮影する際には、撮影モード切り替えボタン75が操作され、撮影モードがモニタ撮影モードに移行する。具体的には、クイックリターンミラー制御部43によりクイックリターンミラー駆動モータ44がクイックリターンミラー4を駆動し、クイックリターンミラー4が光路X外に退避する。この結果、撮像光学系Lにより形成された被写体像は撮像センサ11に入射する。撮像センサ11から画像信号が出力され、所定の画像処理が施された後、液晶モニタ16に撮影された画像が表示される。このように、モニタ撮影モードでは、被写体の実時間画像を液晶モニタ16に表示させることにより、撮影者はファインダ接眼窓9を覗くことなく、被写体を観察することが可能となる。
【0031】
撮影者によりレリーズボタン30が半押しされると、ファインダ撮影モードと同様に、焦点調節および絞り調節が行われる。モニタ撮影モードの場合、焦点を検出する際に、クイックリターンミラー制御部43によりクイックリターンミラー駆動モータ44が駆動され、クイックリターンミラー4が光路X上の所定位置に戻される。焦点検出ユニット5よりDf量が取得され、Df量に応じてフォーカスレンズ群25が駆動される。焦点検出およびフォーカスレンズ群25の駆動が繰り返されると、Df量は小さくなる。Df量が所定量以下になった場合、ボディーマイコン12は、合焦と判断し、フォーカス制御部26にフォーカスレンズ群25の駆動を停止させる。
レリーズボタン30が全押しされた際の撮影動作は、前述のファインダ撮影モードの場合と同様である。露光完了後、クイックリターンミラー4は光路X上から退避させた状態で保持される。これにより、モニタ撮影モードを継続することが可能となる。
【0032】
撮影モード切り替えボタン75を操作すると、モニタ撮影モードが解除され、ファインダ撮影モードに切り替えられる。この場合、クイックリターンミラー4が光路X上の所定位置に戻される。また、カメラシステム100の電源がOFFに切り替えられた場合も、クイックリターンミラー4が光路X上の所定位置に戻される。
このように、このカメラシステム100では、モニタ撮影モードを利用できるため、デジタルカメラの撮影に不慣れな初心者にとって非常に使い易くなる。
(2.3:露出設定モードの選択)
カメラシステム100は、露出設定モードとして、プログラム撮影モード、シャッタースピード優先撮影モード、絞り優先モードおよびマニュアル撮影モードを有している。プログラム撮影モードは通常撮影領域に対して自動で露出設定を行うモードである。シャッタースピード優先モードは、シャッタースピードを手動で設定するモードである。絞り優先モードは絞り値を手動で設定するモードである。マニュアル撮影モードはシャッタースピードおよび絞り値を両方とも手動で設定するモードである。
【0033】
これらの4つの露出設定モードは、絞りリング40およびシャッタースピード設定ダイヤル31により選択することができる。具体的には、例えば、絞りリング40の文字「A」が指標33と一致している状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31によりシャッタースピードがオートに設定されている場合、プログラム撮影モードが選択される。絞りリング40の文字「A」が指標33と一致している状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31によりシャッタースピードがマニュアルに設定されている場合、シャッタースピード優先撮影モードが選択される。絞りリング40の文字「2」〜「11」のいずれかが指標33と一致している状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31によりシャッタースピードがオートに設定されている場合、絞り優先撮影モードが選択される。絞りリング40の文字「2」〜「11」のいずれかが指標33と一致している状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31によりシャッタースピードがマニュアルに設定されている場合、マニュアル撮影モードが選択される。
【0034】
以下、4つの露出設定モードのうち、プログラム撮影モードおよびシャッタースピード優先撮影モードを総称してオート絞りモードという。4つの露出設定モードのうち、絞り優先撮影モードおよびマニュアル撮影モードを総称してマニュアル絞りモードという。
(2.4:オート絞りモード)
絞りリニアセンサ41は、絞りリング40の回転角度に応じた信号を絞り制御部27へ出力する。絞りリング40の文字「A」が指標33と一致している場合、レリーズボタン30が操作されると、絞り制御部27は、絞りリニアセンサ41から受信した信号に基づいて露出設定モードがオート絞りモードであることを判断する。絞り制御部27での判断結果は、レンズマイコン20、ボディーマイコン12へ送信される。このとき、ボディーマイコン12への送信は、例えば、レンズマイコン20とボディーマイコン12とのマイコン間通信を介して行われる。
【0035】
シャッタースピード設定ダイヤル31は、回転角度に応じた信号をボディーマイコン12へ出力する。絞り制御部27から受信した判断結果およびシャッタースピード設定ダイヤル31からの信号に基づいて、ボディーマイコン12により露出設定モードがオート絞りモードであると判定される。
ボディーマイコン12からデジタル信号処理部53へ命令が送信され、デジタル信号処理部53により所定のタイミングで画像信号がボディーマイコン12へ送信される。デジタル信号処理部53から送信される画像信号に基づいてボディーマイコン12により露出値が演算される。露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、調整可能な絞り値とシャッタースピードとから絞り値およびシャッタースピードの適切な組み合わせがボディーマイコン12により決定される。露出設定モードがシャッタースピード優先撮影モードである場合、設定されたシャッタースピードに対する適切な絞り値がボディーマイコン12により演算される。
【0036】
演算結果に基づいてボディーマイコン12により制御信号が生成される。この制御信号は、レンズマイコン20を介してボディーマイコン12から絞り制御部27へ送信される。露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、演算されたシャッタースピードに基づく制御信号がボディーマイコン12からシャッター制御部14へ送信される。露出設定モードがシャッタースピード優先撮影モードである場合、シャッタースピード設定ダイヤル31により設定されたシャッタースピードがボディーマイコン12からシャッター制御部14へ送信される。
それと同時に、ボディーマイコン12から画像表示制御部15へ制御信号が送信される。この制御信号に基づいて、画像表示制御部15は液晶モニタ16を駆動する。具体的には、露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、画像表示制御部15により露出設定モードがプログラム撮影モードである旨が液晶モニタ16に表示される。露出設定モードがシャッタースピード優先モードである場合、画像表示制御部15により露出設定モードがシャッタースピード優先モードである旨が液晶モニタ16に表示される。
【0037】
レンズマイコン20からの制御信号に基づいて、絞り駆動モータ28bを駆動するための駆動信号が絞り制御部27により生成される。この駆動信号に基づいて絞り駆動モータ28bが駆動され、絞り駆動モータ28bにより絞りユニット28の絞り羽根が駆動される。
ボディーマイコン12からの制御信号に基づいて、シャッター駆動モータ10aを駆動するための駆動信号がシャッター制御部14により生成される。この駆動信号に基づいてシャッター駆動モータ10aは駆動され、シャッター駆動モータ10aによりシャッターユニット10が駆動される。
以上のように、カメラシステム100においてオート絞りモードによる露出設定が行われる。レリーズボタン30の操作後、以上の動作は瞬時に実行される。
【0038】
撮影が終了すると、ボディーマイコン12から画像記録制御部17へ制御信号が送信される。この結果、画像記録制御部17の命令に基づいて、画像記録部18により画像信号が内部メモリおよび/または記録媒体に記録される。
露出設定モードがプログラム設定モードである場合、画像記録制御部17の命令に基づいて、露出設定モードがプログラム撮影モードである旨の情報が画像信号とともに内部メモリおよび/または記録媒体に記録される。露出設定モードがシャッター優先モードである場合、画像記録制御部17の命令に基づいて、露出設定モードがシャッタースピード優先モードである旨の情報が画像信号とともに内部メモリおよび/または記録媒体に記録される。
(2.5:マニュアル絞りモード)
絞りリング40の文字「2」〜「11」のいずれかの文字が指標33と一致している場合、レリーズボタン30が操作されると、絞り制御部27は、絞りリニアセンサ41から受信した信号に基づいて露出設定モードがマニュアル絞りモードであると判定する。絞り制御部27での判断結果は、レンズマイコン20へ送信される。
【0039】
シャッタースピード設定ダイヤル31は、回転角度に応じた信号をボディーマイコン12へ出力する。絞り制御部27から受信した判断結果およびシャッタースピード設定ダイヤル31からの信号に基づいて、ボディーマイコン12により露出設定モードがマニュアル絞りモードであると判定される。
レンズマイコン20は、絞り制御部27に対して絞りリング40の回転角度から検出された絞り値情報を要求する。レンズマイコン20からの命令に基づいて、絞りリング40の回転角度から検出された絞り値情報が、絞り制御部27からレンズマイコン20およびボディーマイコン12へ送信される。露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、ボディーマイコン12からデジタル信号処理部53へ命令が送信され、所定のタイミングで画像信号がデジタル信号処理部53からボディーマイコン12へ送信される。
【0040】
露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、画像信号に基づいてボディーマイコン12によりシャッタースピードが演算される。露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、検出された絞り値に対する適切なシャッタースピードがボディーマイコン12により演算される。露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、演算結果に基づいてボディーマイコン12により制御信号が生成される。露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、演算されたシャッタースピードに基づく制御信号がボディーマイコン12によりシャッター制御部14へ送信される。露出設定モードがマニュアル撮影モードである場合、シャッタースピード設定ダイヤル31により設定されたシャッタースピードがボディーマイコン12によりシャッター制御部14へ送信される。
それと同時に、ボディーマイコン12から画像表示制御部15へ制御信号が送信される。この制御信号に基づいて、画像表示制御部15は液晶モニタ16を駆動する。具体的には、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、画像表示制御部15により露出設定モードが絞り優先撮影モードである旨が液晶モニタ16に表示される。露出設定モードがマニュアル撮影モードある場合、画像表示制御部15により露出設定モードがマニュアル撮影モードである旨が液晶モニタ16に表示される。
【0041】
レンズマイコン20からの制御信号に基づいて、絞り駆動モータ28bを駆動するための駆動信号が絞り制御部27により生成される。この駆動信号に基づいて、絞り駆動モータ28bが駆動され、絞り駆動モータ28bにより絞りユニット28の絞り羽根が駆動される。
ボディーマイコン12からの制御信号に基づいて、シャッター駆動モータ10aを駆動するための駆動信号がシャッター制御部14により生成される。この駆動信号に基づいてシャッター駆動モータ10aが駆動され、シャッター駆動モータ10aによりシャッターユニット10が駆動される。
以上のように、カメラシステム100においてマニュアル絞りモードによる露出設定が行われる。レリーズボタン30の操作後、以上の動作は瞬時に実行される。
【0042】
撮影が終了すると、ボディーマイコン12から画像記録制御部17へ制御信号が送信される。この結果、画像記録制御部17の命令に基づいて、画像記録部18により画像信号が内部メモリおよび/または記録媒体に記録される。
露出設定モードが絞り優先モードある場合、画像記録制御部17の命令に基づいて、画像記録部18により露出設定モードが絞り優先モードである旨の情報が画像信号とともに内部メモリおよび/または記録媒体に記録される。露出設定モードがマニュアル撮影モードである場合、画像記録制御部17の命令に基づいて、露出設定モードがマニュアル撮影モードである旨の情報が画像信号とともに画像記録部18により内部メモリおよび/または記録媒体に記録される。
<3.絞り込みモード>
次に、撮影時の絞り込みモードについて説明する。
【0043】
(3.1:絞り込みモードの概要)
絞り込みモードでは、被写界深度の確認は液晶モニタ16を介して行われる。具体的には、例えば、ファインダ撮影モードの場合、絞り込みモードボタン76が押されると、撮影モードが自動的にモニタ撮影モードに移行する。この結果、絞りユニット28での実際の絞り値に対応する実時間画像が液晶モニタ16に表示される。これにより、液晶モニタ16を介して被写界深度の確認を容易に行うことができる。
例えば、この絞り込みモードにおいて、交換レンズユニット2に絞りリング40が搭載されている場合には、レンズマイコン20は、絞りリング40の回転角度に基づいて検出された絞り値情報を絞り制御部27に要求する。レンズマイコン20からの命令に基づいて、絞りリング40の回転角度から検出された絞り値情報が、絞り制御部27によりレンズマイコン20およびボディーマイコン12へ送信される。レンズマイコン20からの制御信号に基づいて、絞り駆動モータ28bを駆動するための駆動信号が絞り制御部27により生成される。この駆動信号に基づいて絞り駆動モータ28bは駆動され、絞り駆動モータ28bにより絞りユニット28の絞り羽根が駆動される。
【0044】
(3.2:絞り込みモードの具体的動作)
次に、図12および図13を用いて絞り込みモードにおける具体的な動作について説明する。図12は絞り込みモードのフローチャートである。図13(a)は絞り値がF2の場合の実絞り画像の一例である。図13(b)は絞り値がF8の場合の実絞り画像の一例である。
図12に示すように、絞り込みモードボタン76が押されたか否かがボディーマイコン12により判断される(S1)。絞り込みモードボタン76が押された場合には、絞り込みモードに移行する(S2)。図11に示すように、絞り込みモードでは、クイックリターンミラー制御部43によりクイックリターンミラー駆動モータ44が駆動され、クイックリターンミラー4が光路X外に退避する。クイックリターンミラー4の退避後、撮像センサ11が動作を開始する。
【0045】
次に、図13に示すように、画像表示制御部15からの命令に基づいて、液晶モニタ16には、撮像センサ11により得られた実時間画像が表示される(S3)。撮影者により絞りリング40が操作されると、レンズマイコン20からの命令に基づいて絞り制御部27により絞りリング40の回転角度に基づいた絞り情報が検出される(S4、S5)。レンズマイコン20からの制御信号に基づいて、絞り駆動モータ28bを駆動するための駆動信号が絞り制御部27により生成され、絞り駆動モータ28bにより絞りユニット28の絞り羽根が駆動される(S6)。この結果、撮像光学系Lの絞り値が絞りリング40により設定された絞り値に変更される。例えば、絞りリング40による設定絞り値がF8である場合、例えば図13に示すように、液晶モニタ16には絞り値F8における実時間画像が表示される。このとき、例えば、液晶モニタ16において画像の右上には絞り値F8が表示される。
【0046】
ここで、液晶モニタ16に表示される実絞り画像について説明する。実絞り画像の場合、絞り値に応じて被写界深度および明るさが変化する。例えば、図13(a)に示すように、絞り値がF2の場合、真ん中に写された人物像に比べて背景のぼけた被写界深度が浅い画像が表示される。一方、絞り値がF8の場合、図13(b)に示すように、絞り値がF2の場合に比べて真ん中の人物と背景とに焦点が合った被写界深度が比較的深い画像が表示される。
しかしながら、一般的に、絞り値がF8である画像は、絞り値がF2の場合に比べて一定時間内に撮像センサ11に入射する光の量が少ない。このため、絞り値F2の画像に比べて、絞り値F8の画像は、液晶モニタ16に表示される画像が暗くなり、撮影者にとって見にくい。
【0047】
そこで、このカメラシステム100では、液晶モニタ16での表示に好適な明るさとなるように、前述のアナログ信号処理部51のAGC部59により、実絞り画像に対してゲイン変更処理(ゲインアップ)が施される。具体的には、AGC部59により実絞り画像のアナログ信号が絞り値に応じて増幅される。この結果、絞り値に関係なく、図13(a)、(b)に示す両画像の明るさをほぼ同一にすることができる。
このように、このカメラシステム100では、絞り値に応じて暗くなる実絞り画像を明るく表示することができる。これにより、明るさの違いに影響されることなく、撮影者が画像の被写界深度を容易に確認することが可能となる。
絞り込みモードボタン76がOFFであるか否かがボディーマイコン12により判断され、OFFでない場合はステップS3〜S6が繰り返される(S7)。これにより、絞りリング40の設定絞り値に対応する実時間画像が液晶モニタ16に表示され、液晶モニタ16を介して撮影時の被写界深度の確認を容易に行うことができる。
【0048】
一方、絞り込みモードボタン76がOFFに切り替えられた場合、クイックリターンミラー4が光路X上の所定位置に戻され、絞り込みモードは終了する(S8)。
<4.効果>
このカメラシステム100では、アナログ信号処理部51のAGC部59により、設定絞り値に応じて実絞り画像のアナログ信号が増幅される。このため、絞り値が小さく一定時間内に撮像センサ11に入射する光量が少ない場合であっても、絞り値に関係なく液晶モニタ16に表示される実絞り画像は明るくなる。これにより、絞り値の違いに起因する画像の明るさの違いに影響されることなく、撮影者が画像の被写界深度を容易に確認することが可能となる。
〔第2実施形態〕
前述の実施形態では、液晶モニタ16には1つの画像のみが表示されている。しかし、異なる絞り値にて取得された画像が液晶モニタ16に並んで表示される構成も考えられる。ここで、第2実施形態に係る絞り込みモードの具体的な動作について、図14〜図16を用いて説明する。図14および図15は第2実施形態に係る絞り込みモードのフローチャートである。図16は液晶モニタ16の表示例である。なお、第2実施形態における構成は、第1実施形態における構成と基本的に同一であるので、その説明は省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0049】
図14に示すように、絞り込みモードボタン76が押されたか否かがボディーマイコン12により判断される(S11)。絞り込みモードボタン76が押された場合には、絞り込みモードに移行する(S12)。図11に示すように、絞り込みモードでは、クイックリターンミラー制御部43によりクイックリターンミラー駆動モータ44が駆動され、クイックリターンミラー4が光路X外に退避する。クイックリターンミラー4の退避後、撮像センサ11が動作を開始する。
ここで、被写界深度を比較するための基準となる画像が自動的に取得される。具体的には図16に示すように、画像表示制御部15からの命令に基づいて、液晶モニタ16の左側には、撮像センサ11により得られた絞り値がF2の画像の一部が基準画像Aとして表示される(S13)。このときの絞り値は、例えばボディーマイコン12により予め設定されている基準絞り値である。この基準絞り値は、交換レンズユニット2における最も明るい絞り値(絞りが最も開放された状態)であり、被写界深度が最も浅い。このため、基準画像Aは真ん中に写された人物像に対して背景のぼけた画像である。基準画像Aは、バッファメモリ54により一時的に記憶され、画像表示制御部15により液晶モニタ16に表示された状態が保たれる。
【0050】
次に、撮影者が絞りリング40を操作すると、レンズマイコン20からの命令に基づいて絞り制御部27により絞りリング40の回転角度に基づいた絞り情報が検出される(S14、S15)。レンズマイコン20からの制御信号に基づいて、絞り駆動モータ28bを駆動するための駆動信号が絞り制御部27により生成され、絞り駆動モータ28bにより、絞りユニット28の絞り羽根が駆動される(S16)。この結果、撮像光学系Lの絞り値が絞りリング40により設定された絞り値(設定絞り値)に変更される。例えば、絞りリング40による設定絞り値がF8である場合、液晶モニタ16の右側には、絞りリング40にて設定されたF8の実時間画像が比較画像Bとして表示される(S17)。このとき、前述の第1実施形態と同様に、比較画像Bの画像信号はAGC部59によりゲインアップされている。比較画像Bは、絞り値がF8の画像であるため、基準画像Aに比べて、真ん中の人物と背景との両方に焦点が合った被写界深度が深い画像である。
【0051】
ここで、レリーズボタン30が全押しされると、撮影モードが連写モードに移行する(S18)。具体的には図15に示すように、クイックリターンミラー4が光路X上の所定位置に戻され、合焦動作が行われる(S21、S22)。次に、クイックリターンミラー4が光路X外へ退避し(S23)、絞り値が基準絞り値F2に調節される(S24)。具体的には、絞り値が設定絞り値F2になるように、絞りユニット28の絞り羽根が駆動され、絞り値F2の画像が撮影される(S25)。
次に、絞り値が設定絞り値F8に設定される(S26)。具体的には、絞り値がF8となるように、絞りユニット28の絞り羽根が駆動され、絞り値F8の画像が撮影される(S27)。これらのステップにより、被写界深度が異なる2枚の画像が連写され、画像記録制御部17の命令に基づいて、2枚の画像は内部メモリおよび/または記録媒体に記録される(S28)。この連写モードが終了すると、図14に示すステップS13から絞り込みモードが再開される。
【0052】
一方、レリーズボタン30が全押しされていない場合、絞り込みモードボタン76がOFFであるか否かがボディーマイコン12により判断される(S18、S19)。OFFでない場合はステップS13〜S18が繰り返される(S19)。絞り込みモードボタン76がOFFに切り替えられた場合、クイックリターンミラー4が光路X上の所定位置に戻され、絞り込みモードが終了する(S20)。
このように、本実施形態の絞り込みモードでは、基準画像Aと比較画像Bとが液晶モニタ16に並んで表示されているため、被写界深度が異なる画像を並べて比較することができる。これにより、絞り値の違いによる画像の違いを撮影者が把握しやすくなる。
それに加えて、前述の第1実施形態と同様に、比較画像Bの画像信号はAGC部59によりゲインアップされている。このため、絞り値に関係なく基準画像Aおよび比較画像Bの明るさをほぼ同一にすることができる。これにより、複数の画像を並べて比較する際に、明るさの違いに影響されることなく、撮影者が画像の被写界深度を容易に確認することが可能となる。
【0053】
また、連写モードにおいて、本撮影の際の絞り値に即した画像、つまり実絞り画像を見ながら、被写界深度の異なる画像の連写を行うことができる。したがって、撮影条件等の設定の簡略化を図ることができ、撮影者の撮影の幅を拡げることが可能となる。
〔他の実施形態〕
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(1)
前述の第2実施形態では、液晶モニタ16に、被写界深度の異なる2つの画像が並べて表示される。しかし、画像の表示形式は前述の実施形態に限定されない。例えば、図17に示すように、表示モニタ16の表示領域において、人物像の真ん中で1つの画像を左右に分け、表示領域の左側には一時的に記憶された基準絞り値F2の基準画像Aの左半分が表示され、表示領域の右側には設定絞り値F8の比較画像Bの右半分がライブ画像として表示される場合も考えられる。前述の第2実施形態の場合と同様に、比較画像Bは設定絞り値で取得された実時間画像である。
【0054】
また、前述の第2実施形態では、液晶モニタ16には2枚の画像が並べて表示されており、連写モードでは2枚の画像が連写される。しかし、表示される画像および連写される画像の枚数は、2枚に限定されず、3枚以上であってもよい。
なお、撮影に関しては、連写に限らず、基準画像Aあるいは比較画像Bのいずれかを撮影してもよい。
また、基準絞り値および設定絞り値については、前述のF2およびF8に限られない。
(2)
前述の実施形態では、交換レンズユニット2に搭載された絞りリング40を用いて絞り値の変更が行われている。しかし、交換レンズユニット2に絞りリング40が搭載されていない場合も考えられる。この場合、例えば、カメラ本体1に搭載されたダイヤルなどを用いて絞り値の変更が行われる。カメラ本体1に搭載されたダイヤルは、絞り値設定の専用ダイヤルでなくてもよく、例えば絞り値設定以外に他の機能を有していてもよい。
【0055】
(3)
前述の実施形態では、撮像センサ11により取得された画像が液晶モニタ16に表示される。しかし、撮像センサ11に代えて、別の撮像センサをファインダ光学系19に設け、この撮像センサにより画像を取得する構成であってもよい。この場合、クイックリターンミラーが光路X外へ退避させる必要がない。
また、クイックリターンミラー4およびファインダ光学系19の構成および配置については、前述の第1および第2実施形態に限定されない。
(4)
前述の実施形態では、絞り込みモードボタン76を1度押せば撮影モードが絞り込みモードに移行され、もう1度押せば絞り込みモードが解除される。しかし、絞り込みモードボタン76を押している間のみ、絞り込みモードが継続される構成であってもよい。
【0056】
(5)
前述の実施形態では、焦点検出方式が焦点検出ユニット5を用いた位相差検出方式である。しかし、焦点検出方式は、例えば撮像センサ11を用いたコントラスト検出方式であってもよい。この場合、例えば、図15に示すステップS21,S23の処理は不要となり、合焦動作時間の短縮を図ることができる。
また、前述の実施形態においては、2つの絞り値に対応する画像を液晶モニタ16に表示させる場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、3以上の複数の絞り値に対応する画像を、液晶モニタ16にマルチ画面として表示させるようにしてもよい。このとき、絞りが開放状態である場合の絞り値に対応する画像を液晶モニタ16上の特定の表示領域に常に表示させ、その他の表示領域に絞りが開放状態である場合の絞り値以外の絞り値に対応する複数の画像をそれぞれ表示させるようにしてもよい。
【0057】
(6)
前述の実施形態では、ゲインアップ処理はアナログ信号処理部51のAGC部59により行われている。しかし、アナログ信号処理部51などにより撮像センサ11の感度を上げることで絞り値に応じて画像の明るさを調節する場合も考えられる。また、アナログ信号処理部51以外の部分でゲインアップ処理に相当する処理が行われてもよい。
(7)
前述の実施形態では、一眼レフデジタルカメラを例にカメラシステムについて説明している。しかし、このカメラシステムは、絞り値変更機能を有していれば、一眼レフ式以外のデジタルカメラでも適用可能である。
(8)
上記説明に用いた座標軸および方向は、カメラシステム100の使用状態を限定するものではない。
【0058】
〔付記〕
本発明は、以下のように表現することもできる。
<1.付記の内容>
(付記1)
撮像光学系と撮像素子との間に配置された可動の反射ミラーを有し、前記反射ミラーによって反射された光を観察する観察光学系を備えた撮像装置であって、
前記反射ミラーを駆動する反射ミラー駆動手段と、
前記撮像光学系を通った光を前記反射ミラーで反射して、前記観察光学系に導くように、前記反射ミラーを第1の状態へ駆動して撮影を行う第1の撮影モードと、
前記撮像光学系を通った光を前記撮像素子へ導くように、前記反射ミラーを第2の状態へ駆動して撮影を行う第2の撮影モードと、
撮影画像に対するゲインを変更する画像処理手段と、
前記撮影画像を表示する画像表示手段と、
操作されることにより、前記撮影光学系が実絞り状態へと制御され、前記第2の撮影モードへ移行すると共に、前記撮影画像が前記画像処理手段によりゲインを大きくされた状態にて、前記表示手段に表示されるプレビュー操作手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【0059】
(付記2)
撮像光学系と撮像素子との間に配置された可動の反射ミラーを有し、前記反射ミラーによって反射された光を観察する観察光学系を備えた撮像装置であって、
前記反射ミラーを駆動する反射ミラー駆動手段と、
前記撮像光学系を通った光を前記反射ミラーで反射して、前記観察光学系に導くように、前記反射ミラーを第1の状態へ駆動して撮影を行う第1の撮影モードと、
前記撮像光学系を通った光を前記撮像素子へ導くように、前記反射ミラーを第2の状態へ駆動して撮影を行う第2の撮影モードと、
撮影画像に対するゲインを変更する画像処理手段と
前記撮影画像を表示する画像表示手段と、
操作されることにより、前記撮影光学系が第1の絞り状態へと制御され、前記第2の撮影モードへ移行すると共に、前記撮影画像が前記画像処理手段によりゲインを大きくされた状態にて、前記表示手段に表示されるプレビュー操作手段と、
前記光学系の絞り値を変更する絞り変更手段と、
前記プレビュー操作手段が操作された状態にて、前記絞り変更手段を操作することにより前記第1の実絞り状態とは異なる第2の実絞り状態における画像データを、前記第1の絞り状態の画像データと同時に、前記画像表示手段に表示させる画像表示制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【0060】
(付記3)
前記第1の実絞り状態における撮影画像と、前記第2の実絞り状態における撮影画像を記録する画像記録手段を備えたことを特徴とする付記2に記載の撮像装置。
<2.付記の説明>
付記1に記載の発明は、撮像光学系と撮像素子との間に配置された可動の反射ミラーを有し、反射ミラーによって反射された光を観察する観察光学系を備えた撮像装置であって、反射ミラーを駆動する反射ミラー駆動手段と、撮像光学系を通った光を反射ミラーで反射して、観察光学系に導くように、反射ミラーを第1の状態へ駆動して撮影を行う第1の撮影モードと、撮像光学系を通った光を撮像素子へ導くように、反射ミラーを第2の状態へ駆動して撮影を行う第2の撮影モードと、撮影画像に対するゲインを変更する画像処理手段と、撮影画像を表示する画像表示手段と、操作されることにより、撮影光学系が実絞り状態へと制御され、第2の撮影モードへ移行すると共に、撮影画像が画像処理手段によりゲインを大きくされた状態にて、表示手段に表示されるプレビュー操作手段とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0061】
付記2に記載の発明は、反射ミラーを駆動する反射ミラー駆動手段と、撮像光学系を通った光を反射ミラーで反射して、観察光学系に導くように、反射ミラーを第1の状態へ駆動して撮影を行う第1の撮影モードと、撮像光学系を通った光を撮像素子へ導くように、反射ミラーを第2の状態へ駆動して撮影を行う第2の撮影モードと、撮影画像に対するゲインを変更する画像処理手段と、撮影画像を表示する画像表示手段と、操作されることにより、撮影光学系が第1の絞り状態へと制御され、第2の撮影モードへ移行すると共に、撮影画像が画像処理手段によりゲインを大きくされた状態にて、表示手段に表示されるプレビュー操作手段と、光学系の絞り値を変更する絞り変更手段と、プレビュー操作手段が操作された状態にて、絞り変更手段を操作することにより第1の実絞り状態とは異なる第2の実絞り状態における画像データを、第1の絞り状態の画像データと同時に、画像表示手段に表示させる画像表示制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0062】
付記3に記載の発明は、第1の実絞り状態における撮影画像と、第2の実絞り状態における撮影画像を記録する画像記録手段を備えたことを特徴とする撮像装置である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係るカメラシステムでは、異なる絞り値の画像であってもほぼ同じ明るさに表示することができる。このため、絞り値変更機能を有するデジタルカメラの分野で有用である。
【符号の説明】
【0064】
L 撮像光学系
Df 焦点ずれ量
X 光路
1 カメラ本体
2 交換レンズユニット
4 クイックリターンミラー
9 ファインダ接眼窓
10 シャッターユニット
11 撮像センサ(撮像部)
12 ボディーマイコン
14 シャッター制御部
15 画像表示制御部
16 液晶モニタ(表示部)
18 画像記録部
20 レンズマイコン
21 レンズマウント
23 ボディーマウント
25 フォーカスレンズ群
27 絞り制御部
28 絞りユニット
28b 絞り駆動モータ
29 絞り調節部
30 レリーズボタン
31 シャッタースピード設定ダイヤル
33 指標
38 ズームリング
39 フォーカスリング
40 絞りリング(絞り値設定部)
41 絞りリニアセンサ
43 クイックリターンミラー制御部
44 クイックリターンミラー駆動モータ
51 アナログ信号処理部
59 AGC部(画像調節部)
62 ズーム制御部
65 フォーカス駆動モータ
69 交換レンズ内メモリ
71 撮影/再生モード切り替えレバー
72 MENUボタン
75 撮影モード切り替えボタン
76 絞り込みモードボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影するカメラシステムであって、
前記被写体の光学像を形成する撮像光学系と、
前記光学像を画像信号に変換し前記被写体の画像を取得する撮像部と、
前記画像信号を記録する画像記録部と、
前記撮像光学系から前記撮像部までの光路中に置かれた第1状態と前記光路から退避した第2状態とを有する可動式の反射ミラーと、
前記反射ミラーを駆動するミラー駆動部と、
前記絞り値を入力可能な絞り値入力部と、
前記撮像光学系の絞り値を調節可能な絞り調節部と、
前記画像を表示する表示部と、
前記絞り値に応じて前記表示部に表示される前記画像の明るさを調節する画像調節部と、
絞り込みモードのセットを受け付けるプレビュー操作部と、
を備え、
前記反射ミラーが前記第2の状態において操作される絞込みモードにおいて、前記プレビュー操作に基づいて、前記撮像光学系の絞り値を入力された絞り値に調節した後、前記画像調節部は、前記絞り値を大きくする場合には、前記絞り値に応じて暗くなる前記表示部に表示される前記画像を明るくするよう調整することを特徴とする、
カメラシステム。
【請求項2】
前記絞り込みモードにおいて前記表示部に表示される前記画像は、実時間画像である、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記絞り込みモードにおいて前記表示部に前記画像が表示される際、前記画像調節部は、前記絞り値に応じて前記画像信号を増幅する、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記画像調節部は、前記絞り値と前記画像信号の増幅率との関係についての情報に基づいて前記画像信号を増幅する、
請求項3に記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記絞り込みモードにおいて、前記表示部は、予め設定された基準絞り値にて取得された基準画像と、前記絞り値入力部において設定された設定絞り値にて取得された比較画像と、を並べて表示可能である、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記絞り込みモードにおいて、前記表示部は、予め設定された基準絞り値にて取得された基準画像と、前記絞り値入力部において設定された設定絞り値にて取得された比較画像と、を並べて表示可能であり、
前記基準画像が取得された際の絞り値と前記比較画像が取得された際の絞り値とが異なる場合、前記画像調節部は、前記基準画像に対する画像信号の増幅率と前記比較画像に対する画像信号の増幅率とを異ならせる、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項7】
外部から情報を入力可能な操作部と、
前記画像を記録する画像記録部と、をさらに備え、
前記基準画像および比較画像は、前記操作部から入力された情報に基づいて、前記画像記録部に記録される、
請求項5に記載のカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−124915(P2012−124915A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−6313(P2012−6313)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【分割の表示】特願2008−522401(P2008−522401)の分割
【原出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】