説明

カリウムチャンネル阻害化合物の使用方法

本発明は、種々の病状を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CB1調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する少なくとも1種の化合物の有効量を、それを必要とする被験者に投与することによって治療する方法に関する。本発明は、更に、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CB1調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する少なくとも1種の化合物の有効量を、必要とする被験者における種々の病状の予防、治療、進行遅延、発症遅延及び/又は阻害のための医薬品を製造するために用いる使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の病状、例えば1型糖尿病及び2型糖尿病を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法に関する。場合により、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビターは、そのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有しうる。
【0002】
発明の背景
インスリンは、グルコースと脂質の恒常性及び細胞増殖の重要なモジュレーターである。インスリンは、血流中に膵臓β細胞によって、血清中でのグルコース及びアミノ酸(例えば食物摂取後に生ずる)の増大に応答して分泌されが、食物摂取の吸収前の頭相の部分としても分泌される。このインスリンは、インスリン応答組織、例えば骨格筋、脂肪及び肝臓の細胞の形質膜で、特異的インスリン受容体(IR)に結合する。IRを発現する脳細胞は、グルコース恒常性と食欲制御に役割を担うと考えられている。インスリンがIRに結合すると、グルコース輸送体GLUT4を、例えば骨格筋(及び心筋)及び脂肪細胞の形質膜へと転流することをもたらすか、又はGLUT2を、肝細胞の形質膜へと転流することをもたらし、これにより該細胞及びその代謝へとグルコースを取り込むことを可能にする事象のカスケードが開始する。
【0003】
2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病又は"NIDDM")患者が示すのは、インスリン抵抗性の度合いを徐々に増大することである。該疾病の早期では、インスリン分泌は、正常なグルコース代謝を維持する努力で一般に高められるが、該疾病が進行すると、インスリン分泌は、膵島の慢性過剰刺激のため低下する。この後期段階では、NIDDM患者は、正常なグルコース代謝を維持するのに十分なインスリンを生産しない1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病又は"IDDM")に匹敵する。NIDDMのための現在の療法は、治療食と運動の他には、インスリン放出剤(例えばスルホニルウレア)又は注射可能なインスリン、インスリン増感剤(例えばメトホルミン又はTDZ類)、α−グルコシダーゼインヒビター(例えばアカルボース)又はリパーゼインヒビター(例えばキセニカル(登録商標))を用いた単独療法又は組合せ療法を含む。1型糖尿病(IDDM)の療法は、注射可能なインスリン、治療食及び運動を必要とする。
【0004】
インスリン耐性の元となる原因は、精力的な研究の対象であるが、大きく影響を与えるのが、血漿中の遊離脂肪酸レベルの増大であり、それは、恐らく細胞中へのグルコース輸送の低下によって(Dresner他著の"Effects of free fatty acids on glucose transport and IRS−1−associated phosphatidylinositol 3−kinase activity",J.Clin.Invest.,103:253−259(1999))インスリン耐性の発生に重要な役割を担うと考えられている(Ferrannini他著の"Effect of fatty acids on glucose production and utilization in man",J.Clin.Invest,72:1737−1747(1983))。更に、例えば肥満において、炎症性サイトカイン、例えば腫瘍壊死因子α(TNF−α)及びインターロイキン−6(Il−6)が脂肪組織から放出されることが、インスリン抵抗性の発生に、おおかたc−junのN末端キナーゼ(JNK)の活性化を介して関与していると思われる(Hirosumi他著の"A central role for JNK in obesity and insulin resistance",Nature,420:333−336(2002))。
【0005】
NIDDMの発生率は、不安になるほど増加し続けており、肥満及び非肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病の新規の治療方法が明らかに必要とされている。ここで驚くべきことに、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビターの投与が、肥満及び非肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病の患者の病状を著しく改善することが判明した。
【0006】
電圧依存性Kv1.3カリウムチャンネルは、細胞膜電位を調節するKvチャンネルのShakerファミリーに属しており、該チャンネルは、リンパ球、腎臓、脂肪細胞及び骨格筋を含む多くの組織において発現される。そのチャンネルは、S1〜S6の6つの膜貫通ドメインとポア領域とを有する。前記チャンネルは、S4とS5との間にプロテインキナーゼC(PKC)部位についてのコンセンサス配列(それはチャンネル機能に重要な役割を担うと考えられる)を有し、アミノ末端にチロシンキナーゼリン酸化部位を有し、かつS1とS2との間にN−グリコシル化部位を有する。
【0007】
PKCは、Kv1.3カリウムチャンネル活性を高め、かつチロシンキナーゼ(TK)は、それを阻害する(Chung&Schlichter著の"Native Kv1.3 channels are up−regulated by protein kinase C",J.Membr.Biol.,156:73−85(1997); Fadool他著の"Brain inslin receptor causes activity−dependent current supression in the olfactory bulb through multiple phosphorylation of Kv1.3"J.Neurophysiol.,83:2332−2348(2000))。更に、チャンネル活性は、血清グルココルチコイド活性化キナーゼによってアップレギュレーションされ、かつ少なくとも嗅球ニューロン、つまり最も高いインスリン結合を有する脳領域では、その活性は、インスリンにより受容体TKの活性化を介してダウンレギュレーションされる(Fadool他,2000)。
【0008】
v1.3カリウムチャンネルインヒビターは、代謝率を高めることが見出された(Xu他著の"The voltage−gated potassium channnel Kv1.3 regulates energy homeostasis and body weight",Human Molecular Genetics,12:551−559(2003)。更に、カリウムKv1.3の阻害は、末梢のインスリン感受性を高める(Xu他著の"The voltage−gated potassium channel Kv1.3 regulates peripheral insulin sensitivity",Proc.Nat.Acad.Sci,101:3112−3117(2004)。この効果は、主に、脂肪及び骨格筋へのグルコース取り込みの増大によるが、それはまた主に、GLUT4グルコース輸送体(インスリン感受性組織へのグルコース取り込みを媒介する主要な輸送体)が、細胞内貯蔵から骨格筋及び脂肪細胞の形質膜へと転流することの増大に寄与しうる。更に、Kv1.3カリウムチャンネルの阻害は、脂肪細胞によるIl−6及びTNF−αの産生を減らし、JNK活性を低下させ、それは更にインスリン感受性の改善を助ける(Xu他,2004)。従って、Kv1.3カリウムチャンネルの阻害は、NIDDMの治療と予防の両方に適している。
【0009】
ここで更に、IDDMの発生は、膵臓β細胞の自己免疫破壊を伴うらしいことが判明した(Lernmark著の"Type 1 Diabetes − does suppressing T cells increase insulin?" N.Engl.J.Med.,352(25):2642−2644(2005))。Kv1.3カリウムチャンネル遮断は、エフェクター記憶T細胞の活性化及び増殖を選択的に抑制する一方で、ナイーブ又はセントラルT記憶細胞の活性化を抑え(Venne−kamp他著の"Kv1.3−blocking 5−phenylalkoxypsoralens: A new class of immunomodulators" Mol.Pharmacol.,65:1364−1374(2004); Damjanovich Gaspar&Panyi著の"An alternative to conventional immunosuppression: small−molecule inhibitors of Kv1.3 channels" Mol.Interv.,4(5) 250−254(2004))、こうして残留インスリン分泌を有するIDDM患者を、膵島細胞破壊と疾病の進行を止めて、インスリン分泌の期間を延長することによりインスリン注射の必要性を減らすことによって治療する大きな見込みが提供される。更に、改善されたインスリン感受性のためインスリン用量を減らして血中グルコースの制御が可能となることによって、IDDMにおける更なる利益をもたらすこともある。カリウムKv1.3遮断の選択的な免疫抑制作用は、他の自己免疫疾病、例えば多発性動脈硬化症、慢性移植片拒絶及び移植片対宿主疾病の治療の見込みも提供する。
【0010】
本発明の要旨
従って、本発明の第一の対象は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を提供することである。
【0011】
第二の一実施態様においては、本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有するものの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を提供する。
【0012】
更に、第三の一実施態様においては、本発明は、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量を、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症の予防、治療、進行遅延、発症遅延及び/又は阻害のための医薬品の製造のために用いる使用を提供する。
【0013】
もう一つの実施態様においては、本発明は、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有するものの有効量をを、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症の予防、治療、進行遅延、発症遅延及び/又は阻害のための医薬品の製造のために用いる使用を提供する。
【0014】
その他の対象、特徴及び利点は、以下の実施態様の詳細な説明において示され、部分的には当該詳細な説明から明らかであり、又は特許請求の範囲に係る実施によって教示されることもある。これらの対象及び利点は、記載された詳細な説明及び特許請求の範囲で特に指摘される方法及び組成物によって具現化され、達成される。
【0015】
図面の簡単な説明
図1は、試験化合物の調査のための刺激プロトコールを示している。
【0016】
図2は、試験品目適用プロトコールを示している。
【0017】
図3は、カリウムKv1.3に媒介されるカリウム電流を示している。
【0018】
図4(A)は、10μMの実施例化合物1の不在及び存在下で記録された、80個の重畳された本来のカリウムKv1.3電流トレースを示している。
【0019】
図4(B)は、時間に対してプロットされた電流振幅を示している。試験化合物の適用のオンセット(長い破線で示される)及びオフセット(短い破線で示される)。ビヒクル条件下での電流振幅の外挿時間過程は、方程式Y=a*exp(−cx)+b*exp(−dx)の二成分指数関数のフィットによって計算した。
【0020】
図5は、実施例化合物1の、カリウムKv1.3に媒介されるカリウム電流に対する濃度依存性作用を示している。
【0021】
詳細な説明
本発明は、種々の形態で具現化できる一方で、以下に幾つかの実施態様が説明されているが、その際、当該開示は、本発明を例示したものであると見なされるべきであって、本発明を概説される特定の実施態様に限定することを意図していない。この開示をとおして使用される見出しは、簡便のために付与されているだけであって、本発明を限定するものと決して解釈されるべきではない。任意の見出しで概説される実施態様は、任意の他の見出しで概説される実施態様と組み合わせることができる。
【0022】
そのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性、例えばCBx調節特性をも有する化合物は、CB1アンタゴニスト特性、CB1アゴニスト特性及び/又はCB2アゴニスト特性からなる群から選択される。
【0023】
v1.3カリウムチャンネルを、少なくとも40%だけ、有利には少なくとも60%だけ、より有利には少なくとも80%だけ、更により有利には少なくとも90%だけ、最も有利には少なくとも95%だけ又はそれより高い割合で阻害する化合物は、本発明の目的のために有効なKv1.3カリウムチャンネル阻害化合物として適している。
【0024】
本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を治療、予防又は阻害する方法に関する。
【0025】
一実施態様においては、本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を記載している。患者は、つまり少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量での処置を受けて、血糖コントロールとインスリン管理の改善を示すことが判明した。この実施態様においては、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量が使用される。
【0026】
もう一つの実施態様においては、本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有するものの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を提供する。患者は、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物の有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の改善を示すことが判明した。この実施態様においては、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物の有効量が使用される。
【0027】
もう一つの実施態様においては、本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性をも有するものの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を提供する。患者は、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性をも有する化合物の有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の改善を示すことが判明した。この実施態様においては、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性をも有する化合物の有効量が使用される。
【0028】
もう一つの実施態様においては、本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、K(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有するものの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を提供する。患者は、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、K(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物の有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の改善を示すことが判明した。この実施態様においては、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、K(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物の有効量が使用される。
【0029】
もう一つの実施態様においては、本発明は、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及びK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有するものの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法を提供する。患者は、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及びK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物の有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の改善を示すことが判明した。この実施態様においては、少なくとも1種の化合物であってそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及びK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物の有効量が使用される。
【0030】
本発明の特定の一実施態様においては、肥満の1型糖尿病、肥満の2型糖尿病、非肥満の1型糖尿病、非肥満の2型糖尿病及び/又は関連症状が治療、予防又は阻害される。
【0031】
本発明の更により特定の一実施態様においては、その関連症状は、グルコース代謝、インスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症からなる群から選択される。
【0032】
本発明に記載される方法及び使用において、任意のKv1.3カリウムチャンネルインヒビター、又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する任意の化合物を、本発明に記載される目的のために利用することができる。しかしながら、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物である以下の化合物が好ましい:
a)
【化1】

[式中、
− R及びR1は、無関係に、ナフチル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− R2は、水素、ヒドロキシ、C1〜C3−アルコキシ、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシからなる群から選択される;
− R3は、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C10−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C5〜C10−ビシクロアルキル、C6〜C10−トリシクロアルキル、C5〜C8−シクロアルケニル、NR1011、ナフチル、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− Aaは、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び(vi)
【化2】

の置換基からなる群から選択される;
− Bbは、スルホニル及びカルボニルからなる群から選択される;
− それぞれのYは、無関係に、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− R4は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選択されるか、又はR4は、アセトアミド、ジメチルアミノ、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル及びピリジルからなる群から選択されるが、但し、R5は、水素であり、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキル基は、ヒドロキシル基で置換されていてよい;
− R5は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル、非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル、アミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキル、イミダゾリルアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル及びフェネチルからなる群から選択されるか、又はR5は、NR89であるが、但し、R4は、H又はメチルであるか、又はR4及びR5は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキル基は、ヒドロキシル基及び/又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、SO2基を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル基、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル基及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、ケト、トリフルオロメチル、C1〜C3−アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係るC1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル及びC5〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基又はフルオロ原子で置換されていてよく、
その際、係るフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル又はフェネチル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてよい;
− R6は、水素及び非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルからなる群から選択される;
− R7は、非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルである;
− R8及びR9は、同一もしくは異なって、C2〜C4−アルキル及びC2〜C4−トリフルオロアルキルからなる群から選択されるか、又はR8は、メチルであるが、但し、R9は、C2〜C4−アルキルであるか、又はR8及びR9は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、N、O及びSからなる群から選択される付加的なヘテロ原子を有してよいか、又はケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキルで置換されていてよい;
− R10及びR11は、無関係に、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルケニル、ナフチル及びフェニルからなる群から選択されるか、又はR10及びR11は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、ケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、かつ係るケト及び−SO2基は、ヒドロキシ又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、−SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ及び/又はC1〜C3−ジアルキルアミノで置換されていてよく、
その際、係るフェニル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよいが、但し、R11は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基からなる群から選択され、その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよいか、又はその際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、SO2を有してよく、かつ係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、ヒドロキシ、ケト又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ケト及びSO2からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ、C1〜C3−ジアルキルアミノ、ピロリジニル又はピペリジニルで置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、縮合されたフェニル基を有してよく、その縮合されたフェニル基は、1もしくは2個の置換基Yで置換されていてよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
b)
【化3】

[式中、
− R12及びR13は、無関係に、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R14は、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
c)
【化4】

[式中、
− Qは、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− Tは、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R15は、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記のC3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
d)ジアゾキシド、NN414、R(+)−WIN55212−2、HU−308、リモナバント、SR−147778と、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
e)並びにそれらの混合物。
【0033】
より好ましくは、式(I)
【化5】

[式中、4,5−ジヒドロピラゾール環の4位はS配置である]の4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、それらのプロドラッグ、互変異性体又は製剤学的に認容性の塩である。
【0034】
もう一つの実施態様においては、Kv1.3カリウムチャンネルを、少なくとも40%だけ、有利には少なくとも60%だけ、より有利には少なくとも80%だけ、更により有利には少なくとも90%だけ、最も有利には少なくとも95%だけ又はそれより高い割合で阻害する化合物が好ましい。
【0035】
v1.3カリウムチャンネルを、少なくとも40%だけ阻害する化合物は、以下のもの:
【化6】

を含む。
【0036】
v1.3カリウムチャンネルを、少なくとも60%だけ阻害する化合物は、以下のもの:
【化7】

を含む。
【0037】
v1.3カリウムチャンネルを、少なくとも80%だけ阻害する化合物は、以下のもの:
【化8】

を含む。
【0038】
v1.3カリウムチャンネルを、少なくとも90%だけ阻害する化合物は、以下のもの:
【化9】

を含む。
【0039】
v1.3カリウムチャンネルを、少なくとも95%だけ阻害する化合物は、以下のもの:
【化10】

を含む。
【0040】
全ての前記の化合物は、効果的なKv1.3チャンネルインヒビターであるか、又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)チャンネル開口特性をも有する化合物である。
【0041】
CB1アンタゴニストとの組み合わせ
もう一つの実施態様においては、本発明は、肥満の及び非肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病並びに関連症状を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量と組み合わせて、少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量を、それを必要とする被験者に投与することによって治療する方法に関する。肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病の患者は、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量と組み合わせて、少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の大きな改善を示すことが判明した。
【0042】
更なるもう一つの実施態様においては、本発明は、肥満の及び非肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病並びに関連症状を、少なくとも1種の2種の作用を有する化合物であってKv1.3カリウムチャンネル阻害特性とCB1アンタゴニスト特性の両方を有する化合物の有効量と組み合わせて、少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量を、それを必要とする被験者に投与することによって治療する方法に関する。肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病の患者は、少なくとも1種の2種の作用を有する化合物であってKv1.3カリウムチャンネル阻害特性とCB1アンタゴニスト特性の両方を有する化合物の有効量と組み合わせて、少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の大きな改善を示すことが判明した。
【0043】
肥満は、NIDDMの主要な原因であり、かつ食物摂取を減らすことによって原則的に体重の減少を引き起こすCB1アンタゴニストと、代謝速度を高める(Xu他 2003)と同時にインスリン感受性を直接的に改善するKv1.3カリウムチャンネルインヒビターとの組み合わせは、NIDDMの予防及び治療のために特に適している。
【0044】
当該技術分野で知られる任意のCB1アンタゴニストは、本発明の目的のために使用することができる。好適なCB1アンタゴニストは、食欲疾患及び/又は肥満の治療に有用なもの、例えばSR147778である。J.H.M.Lange and C.G.Kruse,Current Opinion in Drug Discovery&Development 7(4)(2004)498−506でレビューがなされている。係る化合物の更なる例は、文献US5,624,941号;US6,344,474号;US6,509,367号;WO01/032663号;WO01/070700号;WO03/007887号;WO03/015700号;WO03/026647号;WO03/026648号;WO03/027076号;WO03/040107号;WO03/051850号;WO03/051851号;WO03/063781号;WO03/077847号;WO03/078413号;WO03/082190号;WO03/082191号;WO03/082256号;WO03/082833号;WO03/084930号;WO03/084943号;WO03/086288号;WO03/087037号;WO03/088968号;WO04/012671号;WO04/013120号;WO04/026301号;WO04/052864号;WO04/060888号;WO04/060870号;WO04/058727号及びWO04/058255号に記載されており、それらの内容は、参照をもって本願に開示されたものとする。
【0045】
(atp)カリウムチャンネル開口薬との組み合わせ
もう一つの実施態様においては、本発明は、肥満の及び非肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病並びに関連症状を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量と組み合わせて、少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量を、それを必要とする被験者に投与することによって治療する方法に関する。肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病の患者は、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量と組み合わせて、少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の大きな改善を示すことが判明した。
【0046】
本発明の更なるもう一つの実施態様は、肥満の及び非肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病並びに関連症状を、少なくとも1種の2種の作用を有する化合物であってKv1.3カリウムチャンネル阻害特性とCB1アンタゴニスト特性とを有する化合物の有効量と組み合わせて、少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量を、それを必要とする被験者に投与することによって治療する方法に関する。肥満の1型糖尿病及び2型糖尿病の患者は、少なくとも1種の2種の作用を有する化合物であってKv1.3カリウムチャンネル阻害特性とCB1アンタゴニスト特性の両方を有する化合物の有効量と組み合わせて、少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量での処置を受けて、血糖コントロール及びインスリン管理の大きな改善を示すことが判明した。
【0047】
SUR1 K(atp)チャンネル開口薬(少なくとも最初にインスリン治療と組み合わせる必要があることがある)によるインスリン分泌の減少は、膵島の過剰刺激から保護する。それというのも、初期段階のNIDDMにおいて、β細胞は、高められたインスリン産生によるインスリン抵抗性の発生を克服しようとするからである。膵島細胞における低減された代謝株は、β細胞の機能改善をもたらす。Guldstrand他著の"improved β−cell function after short term treatment with diazoxide in obese patients with Type 2 diabetes",Diabetes Metab.,28:448−456(2992)。SUR1 K(atp)チャンネル開口薬による長期的な治療は、また、恐らく肝臓での糖新生の減少によって、インスリン感受性の改善をもたらす。Pocal他著の"Hypothalamic K(atp) channels control hepatic glucose production",Nature,434:1026−1031(2005)。SUR1 K(atp)チャンネル開口薬とKv1.3カリウムチャンネルインヒビターとの組み合わせは、従って、NIDDMの治療及び予防のために特に有用であると考えられる。また、残留インスリン分泌を伴うIDDM患者に好ましいこともある。
【0048】
(atp)カリウムチャンネル開口薬と、インスリン分泌の阻害及び/又は代謝疾患の治療におけるそれらの潜在的な使用は、種々の参考文献、例えばUS6,492,130号;WO02/00223号;WO02/00665号から、又はCarr他著のDiabetes,52:2513−2518(2003)もしくはHansen他著のCurrent Medicinal Chemistry,11:1595−1615(2004)から公知である。
【0049】
メタボリック症候群の治療における特異的なK(atp)カリウムチャンネル開口薬であるジアゾキシドの有用な役割は、種々の引用文献、例えばUS5,284,845号もしくはUS6,197,765号から又はR.Alemzadeh他著のEndocrinology 133(2)(1993)705−712もしくはAlemzadeh他著のJournal of Clinical Endocrinology and Metabolism,83(6):1911−1915(1998)から公知である。
【0050】
当業者に公知の任意のK(atp)カリウムチャンネル開口薬を、本発明の目的のために利用することができる。好適なK(atp)カリウムチャンネル開口薬は、有利には、Kir6.2/SUR1 K(atp)チャンネルで、Kir6.2/SUR2B K(atp)チャンネルで、及び/又はKir6.1/SUR2B K(atp)チャンネルで、開口薬としての作用を有する化合物である。効果的な化合物は、スルホニルウレア(=SUR)及びカリウムチャンネル開口薬部位(=KCO)へのSUR1及び/又はSUR2Bのラット及び/又はヒトのイソ型の結合における該化合物の親和性についての試験、例えば以下に提供される試験モデルにおいて、50未満のIC50値[マイクロモル]を示す化合物である。Kir6.2/SUR1 K(atp)チャンネルで開口薬としての作用を有する、特にKir6.2/SUR1 K(atp)チャンネルで選択的な開口薬としての作用を有する化合物が好ましい。Kir6.2/SUR1 K(atp)チャンネルで開口薬としての作用を有する化合物は、前記の結合試験で測定されるKir6.2/SUR1 K(atp)チャンネルでのそのIC50値が、Kir6.2/SUR2B K(atp)チャンネル及び/又はKir6.1/SUR2B K(atp)チャンネルでその同一の化合物のIC50値の多くて半分、より有利には四分の一だけである場合に、選択的であると解される。本発明によるK(atp)カリウムチャンネル開口薬として適した特異的な化合物は、ピナシジル;クロマカリム;ジアゾキシド;BPDZ44;BPDZ49;BPDZ62;BPDZ73;BPDZ79;BPDZ83;BPDZ109;BPDZ154;BPDZ216(=NNC55−9216);NN414(全て、例えばHansen他を参照);NNC55−0118(例えばT.M.Tagmose他著のJ.Med.Chem.47(2004)3202−3211を参照);NNC55−0462(例えばHansen他を参照)、MCC−134(例えばM.J.Coghlan他著のJ.Med.Chem.44(2001)1627−1653を参照);イオシメンダン(Iosimendan);SR47063及びWAY135201からなる群から選択することができる。ジアゾキシド;BPDZ44;BPDZ62;BPDZ73;BPDZ154;BPDZ216(=NNC55−9216);NN414;NNC55−0118;NNC55−0462及びMCC−134が好ましい。
【0051】
薬理学的試験方法の説明
1. カリウムKv1.3に媒介されるカリウム電流での試験化合物の電気生理学的実験
方法
分子生物学
ヒトのカリウムKv1.3をコードするcDNAを、標準的なベクター中にクローニングした。C末端エピトープタグを、PCRを介して導入した。該プラスミドの配列決定を行い、引き続き細胞中に導入し、そしてクローン細胞系統を確立した。タンパク質の発現は、前記のエピトープタグに対する抗体を用いた免疫発光によって解析した。電気生理学的な調査では、タグ付けされたカリウムKv1.3チャンネルとタグ付けされていないものとで生体物理的特性に差異は示されなかった。
【0052】
細胞培養
実験は、Kv1.3カリウムチャンネルを安定に発現するCHO細胞中で実施した。細胞は、37℃及び5%のCO2で、25mlのフラスコ中で、10%(v/v)の熱不活性化仔ウシ血清、1%(v/v)のP/S/G溶液及び好適な選択マーカーを補った6mlのMEM ALPHA培地において増殖させた。
【0053】
実験手順
パッチクランプ実験を、電圧クランプモード(Hamill他,1981)で実施し、そして全細胞電流を記録した。パッチピペットは、ホウケイ酸塩ガラス管から引き出した。電流シグナルを、増幅させ、そしてEPCパッチクランプ増幅器(HEKA−Electronics,Lambrecht,ドイツ)によってディジタル化し、記憶させ、Pulse/Pulsefitソフトウェア(HEKA,Lambrecht,ドイツ)を用いてパーソナルコンピュータで解析した。実験は、室温で実施した。
【0054】
カリウムKv1.3に媒介される電流についてのシミュレーションプロトコール
v1.3カリウムチャンネルでの試験化合物の作用及び可逆性を調査するために、CHO細胞を−80mVの保持電位(HP)でクランプした。以下のシミュレーションプロトコール(図1)を、連続的に適用し、そして誘発された電流を記録した:
化合物の作用の調査のためには、+40mVパルスの期間は1000msであり、かつパルスサイクル率は1/10s(0.1Hz)である。
【0055】
化合物適用プロトコール
試験化合物の適用プロトコールを、図2に示す。電流振幅の定常状態を達成するためには、最初の14回の刺激が必要である。非特異的な電流減少を計算し、それがデータ解析の間の校正手続を担う。14回目の刺激の後に、試験化合物を、テフロンとシリコーンの導管(矢印で示す)を介して浴中に適用し、更に6回の刺激の後に細胞に至ると推定される。潅流を、10-12秒当たりに10滴の規定の滴加速度を用いて検証する。試験化合物の作用を、刺激回数20と50の間で(約5分間)及び刺激回数51と80の間の洗出時間(5分)で解析する。試験化合物適用の開始と洗出の開始を、矢印で示す。それぞれの単独のエピソードの刺激の回数を、図2のプロトコールに示す。
【0056】
データ編集
好適な実験を、Pulseソフトウェアにおけるデータツリーから選択した。このシーケンスで採取されたパルスをプレイバックし、オシロスコープのスクリーンで表示した。−90mVとなるプレパルスの間の漏洩電流振幅と、+40mVとなる試験パルスのピーク電流振幅とを、オシロスコープのスクリーン上にカーソルを置くことによって測定した(図3)。それらの値は自動的に、Pulseソフトウェアのノートブックに書き込まれ、保存された。このノートブックからのデータを、更なる分析のためにExcelにインポートした。画像表現、ランダウンの校正及び各実験の化合物の作用の評価を、Excelから結果をコピーすることによってSigmaPlotにおいて実施した。
【0057】
図3: Kv1.3に媒介されるカリウム電流。代表的な本来の電流トレースの例。右側にある2つのカーソルは、試験パルスの範囲を示しており、その際、ピーク電流振幅が評価された(+40mVとなる205〜230msの試験パルス)。左側にある2つのカーソルは、平均漏洩電流が評価された領域を示している(−90mVとなる100〜140msの試験パルス)。
【0058】
カリウムKv1.3に媒介される電流についてのデータ解析
カリウムKv1.3に媒介される電流の振幅は、幾つかの実験において、コントロール条件でさえも経時的に徐々に減少する(いわゆる"ランダウン")。ブロック範囲を正確に定量するために、実験の初期ピリオド(最初の20回の刺激)の間の電流振幅の時間経過を、等式:
(1)Y=a*exp(−cx)+b*exp(−dx)
[式中、a、b、c及びdは、ExcelもしくはSigmaPlotにおけるフィッティングルーチンによって計算した]の二成分指数関数のフィットによって計算した。
【0059】
そのフィットを、化合物適用と洗出期間の完全な時間に外挿した。コントロール条件下での振幅についての値を、曲線近似によって示した(曲線xy値)。
【0060】
化合物の作用の評価のために、コントロール条件下での曲線値(I curve50)と、試験品目適用の間の電流振幅(I curve50)とを使用した。
【0061】
電流低下は、以下の等式:
(2)相対残留電流=(I drug50/I curve50)
に従って計算した。
【0062】
電流回復は、以下の等式:
(3)相対電流回復=(I wash80/I curve80)
に従って計算した。
【0063】
データは、平均±S.D.(標準偏差)として表す。
【0064】
濃度/応答の関係は、等式
(4)1/Imax=1/(1+(C/IC50)nH)
を、個別のデータ点に非線形最小二乗フィットさせることによって計算した。Hill係数(nH)及び半値最大阻害濃度(IC50)を、SigmaPlotソフトウェアのフィッティングルーチンによって計算した。
【0065】
結果
カリウムKv1.3に媒介される電流の作用。以下の化学的化合物を調査した:
【化11】

【0066】
実施例化合物1の存在下で、外側電流振幅が濃度に依存して低減した。これは、Kv1.3に媒介されるカリウム電流に対する実施例化合物1の作用を裏付けている。10μM及び30μMの濃度について、実施例化合物1について、実施例化合物1の低い可溶性を払拭するための0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)の存在下で、同じ作用が測定された。図4Bにおいて、10μMの実施例化合物1の適用後の時間経過にわたる典型的な例を示している。それは、初期振幅の大きな電流低下を示している。
【0067】
図5は、実施例化合物1によるKv1.3カリウムチャンネルのブロックについての濃度−応答の関連性を示している。等式(4)を、データ点にフィットさせた。0.1%のBSAの存在下での見掛けのIC50は、10.3±3.7μMであり、nHは、0.72±0.22である。10μMより高い濃度についての外挿曲線フィットを、点線として示す:限定された可溶性のため、50%より高く60%までのブロックを達成でき、従ってIC50値を推定値として考慮すべき場合には、決定できなかった。
【0068】
第1表の説明文: 1μM、3μM、10μM及び30μMの存在及び不在における、0.1%のBSAの不在又は存在における、カリウムKv1.3に対する実施例化合物1の作用。第一欄において、相応の実験を列記している。第2〜5欄における電流振幅は、ランダウンと、+40mVで測定された漏洩電流校正された定常状態振幅を表す。
【0069】
【表1】

【0070】
第1表: 実施例化合物1の不在及び存在におけるカリウムKv1.3に媒介される電流振幅
a I drug50/I curve50に従って計算された相対残留電流振幅
b 相対残留電流振幅は、洗浄ピリオド後の試験品目の作用の可逆性を反映している。それは、I wash80/I curve80に従って計算した。
【0071】
2. Kv1.3に媒介されるカリウム電流での試験化合物の電気生理学的実験
別の試験組において、Kv1.3カリウムチャンネルの阻害を測定した。ここでの目的のために、ここに、効果的なKv1.3カリウムチャンネルインヒビターは、Kv1.3カリウムチャンネルを、少なくとも40%だけ、有利には少なくとも60%だけ、より有利には少なくとも80%だけ、更により有利には少なくとも90%だけ、最も有利には少なくとも95%だけ又はそれより高く阻害するとして定義する。
【0072】
ヒトのカリウムKv1.3についてのcDNA(pcDNA3.1)で安定的にトランスフェクションされた細胞を、CHO細胞用のEx−cell 302の血清不含培地であって、10μl/ml[100×]のグルタミン、500μg/mlのG418及び1%のHT補助物(50×、ヒポキサンチン及びチミジン)が補われた培地中で増殖させた。
【0073】
その細胞を、80rpmで回転される350mlのスピナー(Techne)中で、37℃で、水飽和された5%のCO2インキュベーター中で培養した。調製した日に、細胞のアリコートを、新たな培地中で5倍希釈し、そしてMalassez型のガラス計数チャンバで計数した。次いで、10mlのチューブ6つを、6×106c/mlで調製した。次いで、それらのチューブを、使用するまで4℃に置いた。
【0074】
外部浴溶液は、以下のものを含有していた:150mMのNaCl、10mMのKCl、1mMのMgCl2及び10mMのHEPES。pHを、NaOHで7.4に調整した。パッチピペットに、以下の組成のピペット溶液を満たした:100mMのグルコン酸カリウム、20mMのKCl、1mMのMgCl2、1mMのCaCl2、10mMのHEPES、11mMのEGTA、5mMのATP−Na2及び2mMのグルタチオン。pHを、KOHで7.2に調整した。新たな100mlの浴溶液を用いて、0.05%のBSA再懸濁溶液(0.05gのBSA/100mlの浴液)を調製した。
【0075】
化合物を、DMSO(100%)中に溶解させ、そして外部浴液中に1μM及び10μMの濃度で追加した。全ての実験は、室温で実施した。
【0076】
2つの細胞懸濁液のチューブを、1000rpmで4分間、室温で遠心分離した。10mlの上清を、慎重に吸引して、各チューブから廃棄し、その際、チューブの底部にある細胞ペレットを吸引しないように注意を払う。各チューブの細胞ペレットを、チューブの手動の撹拌によって破砕した。600μlの再懸濁溶液を、細胞ペレットに添加し、引き続き緩慢な磨砕工程に供して、細胞を再懸濁させた。再懸濁されたら、1つのチューブあたりに600μlを、各チューブから除去し、そうして1.2mlの細胞懸濁液が全体で得られ、それを、4℃か又は露点のいずれかに設定された温度制御された細胞ホテル中に置いた。細胞を、自動細胞懸濁システムを介して30秒ごとに緩慢に磨砕しつつ、前記ホテル中で懸濁液で保持した。
【0077】
ハーバード製のホウケイ酸キャピラリーガラス(GC1507F−10、1.5mm ID×1.17mm OD、100mm長で供給される)を、Dagen社製のキャピラリーカッタを用いて24mm長に切断した。短い(13mmの)パッチピペットを、2段階引き抜きを用いて、特化して適合されたDMZ型ピペットプーラー(Zeitz Instruments社)上で引き抜いた。パッチピペットは、一般に、2.3〜3.5MΩの抵抗を有する。パッチピペットをバッチで引き抜く場合に、ピペットチップ抵抗を、10回目のピペットごとに、チップ抵抗の精度を維持するためにTenmaメータを用いて測定した。引き抜かれたピペットは、満たす前にペトリ皿に貯蔵した。
【0078】
各ピペットを、内部ピペット溶液を用いて完全に充填し(チップから端部まで)、そしてピペットチップを、Sigmacote(Sigma社)中に浸した。次いで、そのピペットを、チップを最初に、カスタムメイドの気圧式挿入リグを用いてピペットホルダ中に挿入した。その際、パッチピペットの鈍端部は、ピペットホルダの底部から突出している。
【0079】
全細胞パッチクランプ記録(WCR)は、Pulseソフトウェア(v8.54又はv8.76、HEKA、ドイツ)のコントロール下にあるEPC9又はEPC10、パッチプレート接触保持具、細胞送達用のGilson社製のオートサンプラ(細胞サンプラ)、薬剤調製用のGilson社製のオートサンプラ(オートサンプラ)、薬剤適用システム(DAS)、達成されるべき全細胞記録モードについて高抵抗GΩシールの形成を可能にするフィードバック制御型の吸引装置、細胞再懸濁システム、温度制御された細胞ホテル、真空導管及び吸引の適用と浴のパッチプレートウェル排出とに関連するポンプが組み込まれたAP2を使用して行った。
【0080】
AP2ソフトウェアの制御下で、自動化されたパッチクランプを開始した。Gilson社製のサンプラニードルが、細胞ホテルに訪れ、15μlの細胞懸濁液を採取した。次いで、サンプラニードルは、パッチプレート中の第一の指定されたパッチピペットを訪れた。そのサンプラニードルは、液界面が検出されるまで、パッチピペットに向かってゆっくりと下がった。ピペットチップでの細胞の存在は、50MΩを超えるチップの抵抗によって検出した。細胞が検出されたら、吸引をピペットに適用して、GΩシールを得た。GΩシールが得られ、60秒間安定化させたら(0mmHgの吸引で)、吸引を再び急激に適用して、膜のブレイクインと、WCRコンフィギュレーションの取得とが可能となった。急激な吸引の適用の間に、膜保持電圧(Vmem)を、10mVのステップにおいて、実験的保持電圧(Vhold)が得られるまで過分極させた。
【0081】
潅流と薬剤適用の前の検定ステージは、観察されるKv1.3カリウム電流が実験について利用者に決められた基準を満たすことを保証する。IK>400pAを有する細胞だけを使用した。細胞を、連続的に、外部溶液と一緒に、流速1.8〜2ml/分で潅流させた。潅流チャンバは、100μlの作業容量を有し、薬剤溶液の迅速な交換を可能にする。
【0082】
検定基準が満たされたら、試験化合物を、DASシステムを介して細胞に適用した。貯蔵濃度の化合物を、オートサンプラ上の96ウェルプレート中で保持した。80μlの化合物を、オートサンプラによって引き上げ、そして浴液でオートサンプラによって必要な濃度に希釈した。必要な各化合物の希釈の程度を、自動的にAutopatch.exeによって、細胞に適用する必要がある最終濃度に従って決定した。各化合物を、5分にわたり適用し、それに引き続き化合物を浴液によって洗出した。Kv1.3カリウム応答の回復とそうでないものと、Autopatch.exeによってモニタし、こうして第二の化合物を、Kv1.3カリウム電流が、所定の時間内で薬剤適用前の振幅に戻ったときに適用した。回復がこの期間の間で十分でない場合に、Autopatch.exeは実験を終了し、後続の記録部位に移動する。化合物の適用の間の、hKv1.3カリウム電流のオンライン分析は、Autopatchソフトウェアによって実施した。
【0083】
電気生理学的電圧ステップのプロトコールと、データ解析は、以下のように実施した。データは、5kHzで採集し、そして2.5kHzの−3dB帯域幅でフィルタリングした。細胞を、−80mVの電圧で保持した。電流を、10秒ごとに500msにわたり+30mVまでの電圧ステップにより誘発させた。全電荷を、全電圧ステップに間でAP2によって測定し、そしてAPGraph.exeソフトウェアによってプロットした。
【0084】
カリウムKv1.3実験の間に、電荷は、薬剤の不在(QControl)と存在(QDrug)における、+30mVまでの500msステップの1〜99%(5〜495ms)の間の時間に関しての電流の積分として測定した。コントロールのカリウムKv1.3電荷測定値は、薬剤添加直前の2つの掃引の平均として取った。パーセンテージでの電荷阻害は、等式1)に示されるように計算した。
【0085】
【数1】

【0086】
等式1 − パーセンテージでの電荷阻害、式中、QControlとQDrugは、それぞれ薬剤中での平衡前と平衡後に測定された電荷である。
【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【0090】
本発明のKv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物は、単独で又は少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量及び/又は少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量と組み合わせて、慣用の医薬調剤で投与することができる。使用されるべき用量は、個々に変動してよく、かつ治療されるべき症状の種類及び使用される物質に応じて当然に変動してよい。しかしながら、一般に、個別の用量につき有効物質約0.2〜約500mg、例えば約0.2、約0.4、約0.6、約0.8、約1、約2、約3、約4、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約125、約150、約175、約200、約225、約250、約275、約300、約325、約350、約375、約400、約425、約450、約475、約500mg、特に約1〜約200mg、例えば約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、約100、約101、約102、約103、約104、約105、約106、約107、約108、約109、約110、約111、約112、約113、約114、約115、約116、約117、約118、約119、約120、約121、約122、約123、約124、約125、約126、約127、約128、約129、約130、約131、約132、約133、約134、約135、約136、約137、約138、約139、約140、約141、約142、約143、約144、約145、約146、約147、約148、約149、約150、約151、約152、約153、約154、約155、約156、約157、約158、約159、約160、約161、約162、約163、約164、約165、約166、約167、約168、約169、約170、約171、約172、約173、約174、約175、約176、約177、約178、約179、約180、約181、約182、約183、約184、約185、約186、約187、約188、約189、約190、約191、約192、約193、約194、約195、約196、約197、約198、約199又は約200mgの有効物質含有量を有する医薬形態が、ヒト及び大型哺乳動物への投与に好適である。本発明のKv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物は、単独で又は少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量及び/又は少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量と組み合わせて、本発明に記載される目的のために、慣用の医薬品助剤及び/又は担体と一緒に、固形もしくは液体の医薬調剤中に含まれていてよい。固体製剤の例は、経口投与可能な製剤、例えば錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、粉末剤又は顆粒剤若しくは場合により坐剤である。これらの製剤は、慣用の医薬助剤、例えば滑沢剤又は錠剤崩壊剤の他に、慣用の医薬無機担体及び/又は有機担体、例えばタルク、ラクトース又はデンプンを含有していてよい。本発明のKv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物単独又はそれと少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量及び/又は少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量と組み合わせたものの液体調剤、例えば懸濁液又はエマルジョンは、通常の希釈剤、例えば水、オイル及び/又は懸濁剤、例えばポリエチレングリコールなどを含有する。他の助剤、例えば保存剤、矯味剤等を付加的に添加してよい。
【0091】
本発明のKv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物は、単独で又は少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量及び/又は少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量と組み合わせて、混合し、そして医薬品助剤及び/又は担体と一緒に製剤化することができる。固体医薬形態の製造のためには、本発明に記載されるKv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物は、単独で又は少なくとも1種のCB1アンタゴニストの有効量及び/又は少なくとも1種のK(atp)カリウムチャンネル開口薬の有効量と組み合わせて、例えば、助剤及び/又は担体と慣用のように混合して、湿式もしくは乾式の造粒をすることができる。顆粒剤又は粉末剤は、カプセル剤中に直接注入してよく、又は慣用的に核錠に圧縮してよい。所望により、これらを公知のように被覆してもよい。
【0092】
本明細書に引用される全ての参考資料、例えば刊行物、特許出願及び特許は、それらの参照をもって、そこで個別にかつ特別に参照をもって開示されたものとした各参考資料の全体が示されたのと同じ程度に開示されたものとする。
【0093】
本明細書の文脈(特に以下のクレームの文脈において)における用語"1つの"や"その"及び類似のかかりの使用は、特に記載がない限り、又は明確に文脈によって否定されない限り、単数と複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書に記載される全ての方法は、特に記載がない限り、又は明確に文脈によって否定されない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書にある任意の例と全ての例又は例示言語(例えば、例えばや、有利なや、好ましくは)は、単に本明細書の内容を説明することを意図しているだけで、クレームの範囲を制限するものではない。本明細書中のどの言語も、本発明の実施に必須となる任意の特許請求の範囲にない要素を示すものとして解釈されるべきである。
【0094】
特許請求の範囲にある発明の選択的な実施態様は、特許請求の範囲にある発明の実施のために発明者が認識するベストモードを含んで、本明細書に記載されている。これらのうち、開示された実施態様の別形は、前述の開示の読解によれば当業者に明らかになると思われる。発明者は、当業者が、係る別形を適切なものとして利用するものと想定し、かつ発明者は、本明細書に特記したのと他の様式で本発明を実施することを意図している。
【0095】
従って、本発明は、適用可能な法律によって許容されるように添付された特許請求の範囲に列挙された発明主題のあらゆる変更及び相当物を含む。更に、前記の要素のその可能な全ての選択肢の組み合わせが、本発明に特に記載がない限り、又は明確に文脈によって否定されない限り包含される。
【0096】
個々の数値の使用は、それらの値に、明確に文脈によって指示されない限りは、"約"又は"おおよそ"という語句が先行するように、近似値として示される。同様に、本願に特定される種々の範囲における数値は、特に表現的に指摘されていない限りは、示される範囲内の最小値と最大値の両方に、"約"又は"おおよそ"が先行するように、近似値として示される。このように、示される範囲より高い及び低い選択肢は、その範囲内の値と同じ結果を実質的に達成するように使用することができる。本明細書で使用される場合に、"約"及び"おおよそ"という語句は、数値に関する場合に、何も付いていない意味を有し、かつ特許請求の範囲の発明主題が最も密接しており、かつそれが論点となる範囲又は要素に関連した技術である技術分野における通常の知識を有するものに通常の意味を有する。厳密な数値境界から拡張される量は、多くの要因に依存する。例えば、考慮できる幾つかの要因は、要素及び/又は作用の臨界値を含み、所定の可変量は、特許請求の範囲の発明主題の性能と、当業者に公知の他の考察に対して有する。本明細書で使用される場合に、種々の数値についての異なる有効数字の量は、"約"又は"おおよそ"という語句の使用が、どのように特定の数値を拡張するのを制限することを意味しているのではない。このように、一般的事項として、"約"又は"おおよそ"は、数値を拡張する。また、範囲の開示は、最小値と最大値の間の各数値と、"約"又は"おおよそ"という語句の使用によって成される拡張範囲とを含む連続範囲として意図される。このように、本明細書にある値の範囲の詳説は、特に記載がない限り、範囲内にあるそれぞれの別個の値を個別に指し示す省略方法としての役割を果たすことを単に意図しているにすぎず、それぞれの別個の値は、個別に本明細書に詳説されているように明細書中に開示されたものとする。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、試験化合物の調査のための刺激プロトコールを示している。
【図2】図2は、試験品目適用プロトコールを示している。
【図3】図3は、カリウムKv1.3に媒介されるカリウム電流を示している。
【図4A】図4Aは、10μMの実施例化合物1の不在及び存在下で記録された、80個の重畳された本来のカリウムKv1.3電流トレースを示している。
【図4B】図4Bは、時間に対してプロットされた電流振幅を示している。
【図5】図5は、実施例化合物1の、カリウムKv1.3に媒介されるカリウム電流に対する濃度依存性作用を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症を、少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量をそれを必要とする被験者に投与することによって治療、予防又は阻害する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビターが、そのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、該化合物が、そのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有し、係るCBx調節特性が、CB1アンタゴニスト特性、CB1アゴニスト特性及び/又はCB2アゴニスト特性からなる群から選択される方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法において、肥満の1型糖尿病、肥満の2型糖尿病、非肥満の1型糖尿病、非肥満の2型糖尿病及び/又は関連症状を治療、予防又は阻害する方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、関連症状が、グルコース代謝、インスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症からなる群から選択される方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法において、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物が、以下のa)〜e)
a)
【化1】

[式中、
− R及びR1は、無関係に、ナフチル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− R2は、水素、ヒドロキシ、C1〜C3−アルコキシ、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシからなる群から選択される;
− R3は、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C10−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C5〜C10−ビシクロアルキル、C6〜C10−トリシクロアルキル、C5〜C8−シクロアルケニル、NR1011、ナフチル、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− Aaは、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び(vi)
【化2】

の置換基からなる群から選択される;
− Bbは、スルホニル及びカルボニルからなる群から選択される;
− それぞれのYは、無関係に、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− R4は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選択されるか、又はR4は、アセトアミド、ジメチルアミノ、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル及びピリジルからなる群から選択されるが、但し、R5は、水素であり、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキルアルキル基は、ヒドロキシル基で置換されていてよい;
− R5は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル、非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル、アミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキル、イミダゾリルアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル及びフェネチルからなる群から選択されるか、又はR5は、NR89であるが、但し、R4は、H又はメチルであるか、又はR4及びR5は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキル基は、ヒドロキシル基及び/又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、SO2基を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル基、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル基及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、ケト、トリフルオロメチル、C1〜C3−アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係るC1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル及びC5〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基又はフルオロ原子で置換されていてよく、
その際、係るフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル又はフェネチル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてよい;
− R6は、水素及び非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルからなる群から選択される;
− R7は、非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルである;
− R8及びR9は、同一もしくは異なって、C2〜C4−アルキル及びC2〜C4−トリフルオロアルキルからなる群から選択されるか、又はR8は、メチルであるが、但し、R9は、C2〜C4−アルキルであるか、又はR8及びR9は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、N、O及びSからなる群から選択される付加的なヘテロ原子を有してよいか、又はケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキルで置換されていてよい;
− R10及びR11は、無関係に、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルケニル、ナフチル及びフェニルからなる群から選択されるか、又はR10及びR11は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、ケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、かつ係るケト及び−SO2基は、ヒドロキシ又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上の環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、−SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ及び/又はC1〜C3−ジアルキルアミノで置換されていてよく、
その際、係るフェニル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよいが、但し、R11は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基からなる群から選択され、その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよいか、又はその際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、SO2を有してよく、かつ係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、ヒドロキシ、ケト又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ケト及びSO2からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ、C1〜C3−ジアルキルアミノ、ピロリジニル又はピペリジニルで置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、縮合されたフェニル基を有してよく、その縮合されたフェニル基は、1もしくは2個の置換基Yで置換されていてよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
b)
【化3】

[式中、
− R12及びR13は、無関係に、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R14は、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
c)
【化4】

[式中、
− Qは、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− Tは、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R15は、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記のC3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
d)ジアゾキシド、NN414、R(+)−WIN55212−2、HU−308、リモナバント、SR−147778と、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
e)並びにそれらの混合物
からなる群から選択される方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、R2が水素であり、かつ4,5−ジヒドロピラゾール環の4位がS立体配置である方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法において、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物が、
【化5】

及びそれらの混合物からなる群から選択される方法。
【請求項9】
少なくとも1種のKv1.3カリウムチャンネルインヒビターの有効量を、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、X症候群、インスリノーマ、家族性高インスリン性低血糖症、男性型禿頭症、排尿筋過剰反応、喘息、グルコース代謝(特にインスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症)、神経保護、てんかん、無痛覚症、心保護、狭心症、心臓麻痺、不整脈、冠状動脈攣縮、末梢血管病、脳血管攣縮、食欲制御、神経変性、疼痛(神経因性疼痛及び慢性疼痛を含む)並びに不能症の予防、治療、進行遅延、発症遅延及び/又は阻害のための医薬品の製造のために用いる使用。
【請求項10】
請求項9に記載の使用であって、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビターが、そのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する使用。
【請求項11】
請求項10に記載の使用であって、該化合物が、そのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有し、係るCBx調節特性が、CB1アンタゴニスト特性、CB1アゴニスト特性及び/又はCB2アゴニスト特性からなる群から選択される使用。
【請求項12】
請求項9から11までのいずれか1項に記載の使用であって、肥満の1型糖尿病、肥満の2型糖尿病、非肥満の1型糖尿病、非肥満の2型糖尿病及び/又は関連症状を治療、予防又は阻害する使用。
【請求項13】
請求項12に記載の使用であって、関連症状が、グルコース代謝、インスリン抵抗性、高血糖症及び/又はグルコース不耐症からなる群から選択される使用。
【請求項14】
請求項9から13までのいずれか1項に記載の使用であって、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物が、以下のa)〜e)
a)
【化6】

[式中、
− R及びR1は、無関係に、ナフチル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− R2は、水素、ヒドロキシ、C1〜C3−アルコキシ、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシからなる群から選択される;
− R3は、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C10−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C5〜C10−ビシクロアルキル、C6〜C10−トリシクロアルキル、C5〜C8−シクロアルケニル、NR1011、ナフチル、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− Aaは、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び(vi)
【化7】

の置換基からなる群から選択される;
− Bbは、スルホニル及びカルボニルからなる群から選択される;
− それぞれのYは、無関係に、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− R4は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選択されるか、又はR4は、アセトアミド、ジメチルアミノ、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル及びピリジルからなる群から選択されるが、但し、R5は、水素であり、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキルアルキル基は、ヒドロキシル基で置換されていてよい;
− R5は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル、非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル、アミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキル、イミダゾリルアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル及びフェネチルからなる群から選択されるか、又はR5は、NR89であるが、但し、R4は、H又はメチルであるか、又はR4及びR5は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキル基は、ヒドロキシル基及び/又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、SO2基を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル基、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル基及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、ケト、トリフルオロメチル、C1〜C3−アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係るC1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル及びC5〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基又はフルオロ原子で置換されていてよく、
その際、係るフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル又はフェネチル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてよい;
− R6は、水素及び非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルからなる群から選択される;
− R7は、非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルである;
− R8及びR9は、同一もしくは異なって、C2〜C4−アルキル及びC2〜C4−トリフルオロアルキルからなる群から選択されるか、又はR8は、メチルであるが、但し、R9は、C2〜C4−アルキルであるか、又はR8及びR9は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、N、O及びSからなる群から選択される付加的なヘテロ原子を有してよいか、又はケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキルで置換されていてよい;
− R10及びR11は、無関係に、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルケニル、ナフチル及びフェニルからなる群から選択されるか、又はR10及びR11は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、ケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、かつ係るケト及び−SO2基は、ヒドロキシ又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上の環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、−SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ及び/又はC1〜C3−ジアルキルアミノで置換されていてよく、
その際、係るフェニル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよいが、但し、R11は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基からなる群から選択され、その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよいか、又はその際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、SO2を有してよく、かつ係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、ヒドロキシ、ケト又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ケト及びSO2からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ、C1〜C3−ジアルキルアミノ、ピロリジニル又はピペリジニルで置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、縮合されたフェニル基を有してよく、その縮合されたフェニル基は、1もしくは2個の置換基Yで置換されていてよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
b)
【化8】

[式中、
− R12及びR13は、無関係に、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R14は、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
c)
【化9】

[式中、
− Qは、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− Tは、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R15は、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記のC3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
d)ジアゾキシド、NN414、R(+)−WIN55212−2、HU−308、リモナバント、SR−147778と、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
e)並びにそれらの混合物
からなる群から選択される使用。
【請求項15】
請求項14に記載の使用であって、R2が水素であり、かつ4,5−ジヒドロピラゾール環の4位がS立体配置である使用。
【請求項16】
請求項9から15までのいずれか1項に記載の使用であって、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物が、
【化10】

及びそれらの混合物からなる群から選択される使用。
【請求項17】
v1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物であって以下のa)〜e)
a)
【化11】

[式中、
− R及びR1は、無関係に、ナフチル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− R2は、水素、ヒドロキシ、C1〜C3−アルコキシ、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシからなる群から選択される;
− R3は、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C10−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C5〜C10−ビシクロアルキル、C6〜C10−トリシクロアルキル、C5〜C8−シクロアルケニル、NR1011、ナフチル、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルからなる群から選択され、その際、ベンジル、フェニル、チエニル及びピリジルは、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよい;
− Aaは、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び(vi)
【化12】

の置換基からなる群から選択される;
− Bbは、スルホニル及びカルボニルからなる群から選択される;
− それぞれのYは、無関係に、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− R4は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及びC3〜C8−シクロアルキルからなる群から選択されるか、又はR4は、アセトアミド、ジメチルアミノ、2,2,2−トリフルオロエチル、フェニル及びピリジルからなる群から選択されるが、但し、R5は、水素であり、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキルアルキル基は、ヒドロキシル基で置換されていてよい;
− R5は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル、非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル、アミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキル、イミダゾリルアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル及びフェネチルからなる群から選択されるか、又はR5は、NR89であるが、但し、R4は、H又はメチルであるか、又はR4及びR5は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルキル基は、ヒドロキシル基及び/又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、SO2基を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC2〜C10−ヘテロアルキル基、非芳香族のC3〜C8−ヘテロシクロアルキル基及び/又は非芳香族のC4〜C10−ヘテロシクロアルキル−アルキル基は、ケト、トリフルオロメチル、C1〜C3−アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はフルオロで置換されていてよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係るアミノ、ヒドロキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル、C5〜C8−シクロアルケニル、C6〜C9−シクロアルケニルアルキルは、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係るC1〜C8−アルコキシ、C3〜C8−アルケニル及びC5〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基又はフルオロ原子で置換されていてよく、
その際、係るフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチル又はフェネチル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、ケト又は−SO2基を有してよく、
その際、係る単環式もしくは二環式の、4〜10個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてよい;
− R6は、水素及び非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルからなる群から選択される;
− R7は、非分枝鎖状のC1〜C3−アルキルである;
− R8及びR9は、同一もしくは異なって、C2〜C4−アルキル及びC2〜C4−トリフルオロアルキルからなる群から選択されるか、又はR8は、メチルであるが、但し、R9は、C2〜C4−アルキルであるか、又はR8及びR9は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部を形成し、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、N、O及びSからなる群から選択される付加的なヘテロ原子を有してよいか、又はケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る飽和もしくは不飽和の、4〜8個の環原子を有する複素環式部は、C1〜C4−アルキルで置換されていてよい;
− R10及びR11は、無関係に、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルケニル、ナフチル及びフェニルからなる群から選択されるか、又はR10及びR11は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基を形成し、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよく、
その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルキル及び/又は分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C8−アルケニル基は、ケト及び−SO2基からなる群から選択される基を有してよく、かつ係るケト及び−SO2基は、ヒドロキシ又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上の環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係るC3〜C8−シクロアルキル及び/又はC3〜C8−シクロアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、−SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ及び/又はC1〜C3−ジアルキルアミノで置換されていてよく、
その際、係るフェニル基は、1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてよいが、但し、R11は、水素、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基からなる群から選択され、その際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、O、N及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を有してよいか、又はその際、係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、SO2を有してよく、かつ係る分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のC1〜C5−アルキル基は、ヒドロキシ、ケト又はアミノ基で置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、O、N及びSからなる群から選択される環ヘテロ原子を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ケト及びSO2からなる群から選択される基を有してよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、ヒドロキシ、C1〜C3−アルキル、SO2、ケト、アミノ、C1〜C3−モノアルキルアミノ、C1〜C3−ジアルキルアミノ、ピロリジニル又はピペリジニルで置換されていてよく、
その際、係る単環式、二環式もしくは三環式のアルキルもしくはアルケニル基は、縮合されたフェニル基を有してよく、その縮合されたフェニル基は、1もしくは2個の置換基Yで置換されていてよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
b)
【化13】

[式中、
− R12及びR13は、無関係に、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R14は、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
c)
【化14】

[式中、
− Qは、フェニルであり、それは1、2もしくは3個の置換基Zで置換されていてよく、前記置換基は、同一もしくは異なってよく、かつZは、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1〜C2)アミド、C1〜C3−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1〜C3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイル及びアセチルからなる群から選択される;
− Tは、水素、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記C3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい;
− R15は、C1〜C3−アルキル及びC3〜C6−シクロアルキルからなる群から選択され、前記のC3〜C6−シクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してよい]、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
d)ジアゾキシド、NN414、R(+)−WIN55212−2、HU−308、リモナバント、SR−147778と、それらのプロドラッグ、それらの互変異性体又はそれらの製剤学的に認容性の塩;
e)並びにそれらの混合物
からなる群から選択されるものを含有し、その際、該Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物が、Kv1.3カリウムチャンネルを少なくとも40%だけ阻害する医薬組成物。
【請求項18】
請求項17に記載の医薬組成物であって、R2が水素であり、かつ4,5−ジヒドロピラゾール環の4位がS立体配置である医薬組成物。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の医薬組成物であって、Kv1.3カリウムチャンネルインヒビター及び/又はそのKv1.3カリウムチャンネル阻害特性の他に、CBx調節特性及び/又はK(atp)カリウムチャンネル開口特性をも有する化合物が、
【化15】

及びそれらの混合物からなる群から選択される医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−504712(P2009−504712A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526505(P2008−526505)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065418
【国際公開番号】WO2007/020286
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(391027619)ゾルファイ ファーマスーティカルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (46)
【氏名又は名称原語表記】Solvay Pharmaceuticals GmbH
【住所又は居所原語表記】Hans−Boeckler−Allee 20, D−30173 Hannover,Germany
【Fターム(参考)】