説明

カルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法

【課題】相対的に高い変換効率を持つ新規なカルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】以下の構成を備えたカルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法。(1)カルコゲナイト系化合物半導体は、Cu、Zn、Sn、元素X3(=S及び/又はSe)、及び、Oを必須元素として含む。(2)カルコゲナイト系化合物半導体は、(a)Cu、Zn及びSnを含み、(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む前駆体を硫化及び/又はセレン化することにより得られる。前駆体は、大気開放型CVD装置にCu源、Zn源及びSn源を含むCVD原料を供給し、CVD原料を同時に気化させることにより形成するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、光電素子の光吸収層などに用いられ、所定量の酸素を必須の元素として含む新規なカルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光電素子とは、光量子のエネルギーを何らかの物理現象を介して電気的信号に変換(光電変換)することが可能な素子をいう。太陽電池は、光電素子の一種であり、太陽光線の光エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換することができる。
【0003】
太陽電池に用いられる半導体としては、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi、GaAs、InP、CdTe、CuIn1-xGaxSe2(CIGS)、Cu2ZnSnS4(CZTS)などが知られている。
これらの中でも、CIGSやCZTSに代表されるカルコゲナイト系の化合物は、光吸収係数が大きいので、低コスト化に有利な薄膜化が可能である。特に、CIGSを光吸収層に用いた太陽電池は、薄膜太陽電池中では変換効率が高く、多結晶Siを用いた太陽電池を超える変換効率も得られている。しかしながら、CIGSは、環境負荷元素及び希少元素を含んでいるという問題がある。
一方、CZTSは、太陽電池に適したバンドギャップエネルギー(1.4〜1.5eV)を持ち、しかも、環境負荷元素や希少元素を含まないという特徴がある。
【0004】
このような薄膜太陽電池の光吸収層の製造方法については、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、
(a)非真空下で、2種以上の金属粉末を900℃程度で溶解して溶湯とし、溶湯を噴霧、急冷、及び、粉砕して合金粉末を作製し、
(b)合金粉末からなるインクを基板上に塗布、乾燥、及び、固着して、合金からなる前駆体を作製し、
(c)前駆体をセレン化してカルコパイライト系化合物半導体(CIS、CIGS、CIGSSe)を作製する
方法が開示されている。
【0005】
また、非特許文献2には、
(a)非真空下で、2種以上の酸化物粉末を酸で溶解して水酸化物とし、水酸化物を乾燥、分散、及び、粉砕して酸化物微粒子を作製し、
(b)酸化物微粒子からなるインクを基板上に塗布、乾燥、及び、固着して、酸化物からなる前駆体を作製し、
(c)前駆体をH2+N2雰囲気中で500〜550℃程度で還元し、
(d)還元処理した前駆体をセレン化してカルコパイライト系化合物半導体を作製する
方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献1及び非特許文献3には、
(a)酢酸亜鉛二水和物、塩化スズ二水和物及び酢酸銅一水和物を溶解した溶液をソーダライムガラス基板上にスピンコーティングし、300℃で5分間乾燥させる操作を5回繰り返し、
(b)得られた膜を500℃×1時間、空気中で保持し、
(c)さらに、膜を500℃×1時間、硫化水素5%+窒素95%雰囲気中で保持する
硫化物薄膜の作製方法が開示されている。
非特許文献3には、このような方法により得られるCZTS系化合物半導体を光吸収層に用いると、η=2.23%、Voc=529mV、Jsc=10.2mA/cm2、F.F.=41.6%である太陽電池が得られる点が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、
(a)スパッタリング法により、Cu−Zn−Sn−S前駆体膜を形成し、
(b)20%H2S+N2ガス雰囲気中、550〜580℃×3hで前駆体膜の硫化処理を行う
硫化物系化合物半導体の製造方法が開示されている。
【0008】
また、特許文献3には、光吸収層の製造方法ではないが、イオウ化合物を含むガス雰囲気下において結晶性酸化チタンを加熱する部分硫化酸化チタンの製造方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、光吸収層として用いられる材料ではないが、Cu2Zn(Ge1-xSix)S4からなる発光材料用保護材が開示されている。
【0009】
合金粉末、酸化物微粒子、塩などを分散又は溶解させたインクを基板上に塗布して前駆体膜を形成する方法は、大面積の薄膜を低コストで製造できるという利点がある。
しかしながら、この方法は、粉末を製造する時点又はインクを製造する時点でカルコゲナイト系化合物半導体の前駆体の組成を決定する必要があるため、前駆体の組成制御が困難である。また、ウェットプロセスであるため、インクを基板上に固着させるために乾燥工程が必要であり、厚膜を得るためには、インクの塗布及び乾燥を複数回繰り返す必要がある。さらに、基板上に既に形成されている薄膜(例えば、下部電極)がインクにより劣化するおそれがある場合、前駆体膜を形成する前に基板表面に劣化防止層を形成する必要がある。
【0010】
一方、スパッタリング法により前駆体膜を形成する方法は、前駆体膜の組成制御が比較的容易である。また、ドライプロセスであるため、乾燥工程、塗布及び乾燥の繰り返し、並びに、劣化防止層の形成が不要である。
しかしながら、スパッタリング法は、
(1)真空プロセスであるため、製造コストが高く、大面積化が困難である、
(2)カルコゲナイト系化合物半導体の前駆体膜作製時に、結晶形態、結晶性、配向性などを制御することは困難である、
(3)ZnO、CuO、及び、SnO2を同時蒸着して酸化物系の前駆体膜を形成する場合、SnO2のスパッタレートが低いため、前駆体膜の組成制御には限界がある、
等の問題がある。
さらに、従来の方法により得られるCZTS系半導体は、相対的に変換効率が低いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−269589号公報
【特許文献2】特開2009−026891号公報
【特許文献3】特開2004−277269号公報
【特許文献4】特開2009−021543号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Thin Solid Films 361-362(2000)p.514-519
【非特許文献2】Thin Solid Films 431-432(2003)p.53-57
【非特許文献3】第57回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 2010春 20p-TE-2、p.14-249
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、相対的に高い変換効率を持つ新規なカルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、組成制御が容易であり、しかも、製造コストを増大させることなく、大面積の薄膜を形成することが可能なカルコゲナイト系半導体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記カルコゲナイト系化合物半導体は、Cu、Zn、Sn、元素X3(=S及び/又はSe)、及び、Oを必須元素として含む。
(2)前記カルコゲナイト系化合物半導体は、
(a)Cu、Zn及びSnを含み、
(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む
前駆体を硫化及び/又はセレン化することにより得られる。
【0015】
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体の製造方法は、
(a)Cu、Zn及びSnを含み、かつ、
(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む
前駆体を形成する前駆体作製工程と、
前記前駆体を硫化及び/又はセレン化させ、カルコゲナイト系化合物半導体を得るカルコゲナイト化工程と
を備えていることを要旨とする。
前記前駆体作製工程は、
大気開放型CVD装置にCu源、Zn源及びSn源を含むCVD原料を供給し、前記CVD原料を同時に気化させ、大気中において基板上にCu、Zn及びSnを含む非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む前記前駆体を形成する大気開放CVD工程を備えているのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
所定量のOを含有するカルコゲナイト系化合物半導体は、Oを含まないカルコゲナイト系化合物半導体と同等以上の変換効率を示す。このようなカルコゲナイト系化合物半導体は、Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物又は水酸化物を含む前駆体を作製し、これを硫化及び/又はセレン化することにより得られる。
特に、大気開放型CVD装置を用いて前駆体の作製を行うと、組成制御が容易であり、しかも、製造コストを増大させることなく、大面積の薄膜を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1で得られた硫化前の膜のSEM像(図1(a):断面、図1(c):平面)、及び、硫化後の膜のSEM像(図1(b):断面、図1(d):平面)である。
【図2】実施例1で得られた硫化前の膜のXRDパターンである。
【図3】実施例1で得られた硫化後の膜のXRDパターンである。
【図4】実施例1で得られた硫化前後の膜の光学特性である。
【図5】実施例1で得られた硫化後の膜のEDSスペクトルである。
【図6】実施例1で得られた硫化後の膜の断面のSEM像である。SEM像中の番号は、EDS分析位置を表す。
【図7】実施例2で得られた太陽電池のI−V特性である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. カルコゲナイト系化合物半導体]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体は、以下の構成を備えている。
(1)前記カルコゲナイト系化合物半導体は、Cu、Zn、Sn、元素X3(=S及び/又はSe)、及び、Oを必須元素として含む。
(2)前記カルコゲナイト系化合物半導体は、
(a)Cu、Zn及びSnを含み、
(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む
前駆体を硫化及び/又はセレン化することにより得られる。
【0019】
[1.1. 必須元素]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体は、必須元素として、Cu、Zn、Sn、元素X3、及び、Oを含む。
より具体的には、本発明においてカルコゲナイト系化合物半導体とは、
(a)Cu2ZnSnS4(CZTS)系化合物のSの一部が、Oで置換された化合物(以下、これを「CZTSO系化合物」ともいう)、又は、
(b)CZTSO化合物のSの全部又は一部が、Seで置換された化合物、
をいう。
【0020】
[1.2. 必須元素の元素比]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体の必須元素の元素比は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な元素比を選択することができる。
高い変換効率を得るためには、Zn及びSnの含有量(at%)の和に対するCuの含有量(at%)の比(=Cu/(Zn+Sn)比)は、0.12以上0.98以下が好ましい。
同様に、Snの含有量(at%)に対するZnの含有量(at%)の比(=Zn/Sn比)は、0.50以上3.91以下が好ましい。
同様に、元素X3及びOの含有量(at%)の和に対するOの含有量(at%)の比(=O/(X3+O)比)は、0.17以上0.27以下が好ましい。
【0021】
[1.3. 結晶構造]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体の結晶構造は、特に限定されるものではなく、光電効果を示す限りにおいて、種々の結晶構造を取ることができる。カルコゲナイト系化合物半導体の結晶構造としては、具体的には、ケステライト構造、スタナイト構造、ウルツ−スタナイト構造などがある。
【0022】
カルコゲナイト系化合物半導体は、これらの結晶構造を取る相(光電効果を示す相)のみからなるのが好ましいが、異相が含まれていても良い。しかしながら、異相の含有量が過剰になると、高い変換効率は得られない。高い変換効率を得るためには、異相の含有量は、50vol%以下が好ましい。異相の含有量は、さらに好ましくは、30vol%以下、さらに好ましくは、10vol%以下である。
ここで、「異相の含有量」とは、X線回折パターンのピーク分離・フィッティング法により得られる値をいう。
【0023】
[1.4. 前駆体]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体は、以下の条件を満たす前駆体を硫化及び/又はセレン化することにより得られる。
(a)第1に、前駆体は、Cu、Zn及びSn(必須金属元素)を含んでいる必要がある。
前駆体は、すべての必須金属元素を含む単一相であっても良く、あるいは、1種又は2種以上の必須金属元素を含む2種以上の相の混合物であっても良い。
【0024】
(b)第2に、前駆体は、Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含んでいる必要がある。
ここで、「非結晶」とは、空間的に周期的な配列を持たない固体物質をいう。ガラス基板上に非結晶膜を形成した場合、「非結晶」とは、XRDパターンにおいて、10〜30°付近に生じるハローと呼ばれるピーク以外のピークが明確に現れない状態を指す。しかしながら、前駆体は、各元素の組成比も制御して作製されるため、組成比によっては、ハローに加えて、いずれかの構成元素を含む酸化物及び/又は水酸化物のピークを含む場合もある。
【0025】
例えば、前駆体は、非結晶の酸化物及び/又は水酸化物(非結晶相)のみからなるものでも良い。この場合、前駆体は、すべての必須金属元素を含む単一の非結晶相からなるものでも良く、あるいは、1種又は2種以上の必須金属元素を含む2種以上の非結晶相の混合物(例えば、組成の異なる複数の非結晶相の積層体)であっても良い。
また、例えば、前駆体は、1種又は2種以上の非結晶相と、その他の相(例えば、結晶性の酸化物又は水酸化物、硫化物など)との混合物であっても良い。
【0026】
また、例えば、前駆体は、大気開放型CVD装置を用いて得られる非結晶相を含むものでも良い。この場合、前駆体は、大気開放型CVD装置を用いて得られる1種又は2種以上の非結晶相のみからなるものでも良く、あるいは、大気開放型CVD装置を用いて得られる1種又は2種以上の非結晶相と、他の方法を用いて得られる非結晶相やその他の相(例えば、スパッタ法により形成される硫化物)との混合物でも良い。
さらに、前駆体は、大気開放型CVD装置にCu源、Zn源及びSn源を含むCVD原料を供給し、CVD原料を同時に気化させ、大気中において基板上にCu、Zn及びSnを含む非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を形成することにより得られるものでも良い。
これらの中でも、大気開放型CVD装置を用いて、すべての必須金属元素を含むCVD原料を同時に気化・析出させる方法は、他の方法を用いる場合に比べて、硫化及び/又はセレン化後の材料の変換効率が高くなるので、前駆体の製造方法として特に好適である。
【0027】
[2. カルコゲナイト系化合物半導体の製造方法]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体の製造方法は、前駆体作製工程と、カルコゲナイト化工程とを備えている。
【0028】
[2.1. 前駆体作製工程]
前駆体作製工程は、
(a)Cu、Zn及びSnを含み、かつ、
(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む
前駆体を形成する工程である。
【0029】
[2.1.1. 前駆体の作製方法]
前駆体の作製方法は、特に限定されるものではなく、必須金属元素を含む非結晶相を含む前駆体を作製可能な方法であれば良い。また、前駆体が非結晶相とその他の相(例えば、結晶性の酸化物又は水酸化物、硫化物など)との混合物である場合、2種以上の方法を組み合わせて前駆体を作製しても良い。
【0030】
前駆体は、必ずしも薄膜である必要はないが、カルコゲナイト系化合物半導体は、通常、薄膜の状態で使用されるため、前駆体も薄膜状に形成される。
前駆体が薄膜である場合、前駆体膜の形成方法としては、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、メッキ法、化学溶液析出(CBD)法、電気泳動成膜(EPD)法、化学気相成膜(CVD)法、大気開放型CVD法、スプレー熱分解成膜(SPD)法、スクリーン印刷法、スピンコート法、微粒子堆積法などがある。
これらの中でも、大気開放型CVD法は、1種又は2種以上の必須金属元素を含む非結晶相を作製する方法として好適である。前駆体が複数の相の混合物である場合、少なくとも1つの非結晶相を大気開放型CVD法を用いて形成するのが好ましい。
【0031】
さらに、大気開放型CVD法を用いて前駆体膜を作製する場合、大気開放型CVD装置にCu源、Zn源及びSn源を含むCVD原料を供給し、CVD原料を同時に気化させ、大気中において基板上にCu、Zn及びSnを含む非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む前駆体を形成するのが好ましい。
ここで、「大気開放型CVD法」とは、CVD原料を窒素などの不活性ガス雰囲気中で気化させ、気化原料を不活性ガスで輸送し、ノズルにより大気中に配置した基板上にCVD原料を噴霧する方法である。CVD原料を基板上に噴霧すると、CVD原料が雰囲気中の酸素又は水と反応し、基板上に、直接、非結晶の金属酸化物又は金属水酸化物を作製することができる。
「同時に気化」とは、
(a)複数の原料の混合物を単一の気化器で気化させること、又は、
(b)個々の原料を個々の気化器で独立に気化させ、得られた原料ガスを混合すること、
をいう。
【0032】
[2.1.2. 前駆体の原料]
前駆体の原料は、前駆体の作製方法に応じて最適な材料を選択する。
例えば、大気開放型CVD装置を用いて非結晶相を作製する場合、CVD原料には、ビスアセチルアセトナート銅、ビスアセチルアセトナート亜鉛、ビスアセチルアセトナート錫などの金属錯体を用いることができる。
【0033】
[2.1.3. 前駆体の製造条件]
前駆体の製造条件は、前駆体の組成、前駆体の作製方法、使用する原料等に応じて最適な条件を選択する。
例えば、大気開放型CVD装置を用いて基板上に前駆体膜を作製する場合、所定の温度に加熱された基板上に、所定量のCVD原料を噴霧する。
この場合、基板の温度は、非結晶相が形成される温度であれば良い。例えば、CZTSO系化合物の前駆体を形成する場合、基板の温度は、250〜500℃が好ましい。
CVD原料の気化温度は、原料の種類にもよるが、90〜200℃である。CVD原料を輸送するための窒素ガス流量は、大気開放型CVD装置のノズル形状や寸法に応じて、適切な流量(例えば、0.1〜10L/min)を選択すれば良い。複数の気化器を用いて複数のCVD原料を同時に気化させる場合、各気化器は、CVD原料毎に独立していても良く、あるいは、直並列に接続されていても良い。
【0034】
また、前駆体は、硫化及び/又はセレン化の時点において、
(a)Zn及びSnの含有量(at%)の和に対するCuの含有量(at%)の比(=Cu/(Zn+Sn)比)が、0.12以上0.98以下となり、
(b)Snの含有量(at%)に対するZnの含有量(at%)の比(=Zn/Sn比)が、0.50以上3.91以下となるように、
作製するのが好ましい。
従って、例えば、大気開放型CVD装置を用いて前駆体を作製する場合において、前駆体の作製時、又は、硫化及び/又はセレン化時において、元素比のずれが生じるときには、目的とする組成を有するカルコゲナイト系化合物が得られるように、各CVD原料の供給量を制御するのが好ましい。
【0035】
[2.2. カルコゲナイト化工程]
カルコゲナイト化工程は、前駆体を硫化及び/又はセレン化させ、カルコゲナイト系化合物半導体を得る工程である。
硫化及びセレン化は、いずれか一方のみを行っても良く、あるいは、双方を行っても良い。また、硫化及びセレン化の双方を行う場合、硫化を先に行っても良く、あるいは、セレン化を先に行っても良い。
【0036】
硫化及びセレン化の条件は、それぞれ、前駆体の組成や結晶構造などに応じて最適な条件を選択するのが好ましい。
例えば、硫化は、前駆体を硫黄源存在下で所定の温度で所定時間加熱することにより行う。硫黄源としては、例えば、硫化水素、硫黄、二硫化炭素などがある。加熱温度及び加熱時間は、前駆体の組成や硫黄源の種類にもよるが、通常、500〜600℃×1〜4時間程度である。
同様に、セレン化は、前駆体をセレン源存在下で所定の温度で所定時間加熱することにより行う。セレン源としては、例えば、セレン化水素、セレンなどがある。加熱温度及び加熱時間は、前駆体の組成やセレン源の種類にもよるが、通常、500〜600℃×1〜4時間である。
【0037】
[3. 光電素子]
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体は、光電素子の光吸収層として用いることができる。光吸収層以外の膜構成及びその材料については、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。
例えば、光電素子の一種である薄膜太陽電池は、基板上に、下部電極、光吸収層、バッファ層(界面層)、窓層及び上部電極がこの順で形成された構造を備えている。本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体を光吸収層に用いる場合、その他の層の材料は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。また、各層の厚さも特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
【0038】
[4. カルコゲナイト系化合物半導体及びその製造方法の作用]
非特許文献2に開示されているように、酸化物を前駆体としてカルコゲナイト系化合物半導体を製造する場合、セレン化前に還元処理が行われていた。これは、変換効率に対して酸素が有害であると考えられていたためである。
これに対し、CZTS系化合物半導体のSの一部をOで置換したCZTSO系化合物半導体は、Oを含まないCZTS系化合物半導体と同等以上の変換効率を示す。
Seは、Sと同族であるため、CZTSO系化合物半導体のSの全部又は一部をSeで置換しても、同様の効果が得られる。
また、カルコゲナイト系化合物半導体の所定のサイトに所定量のOを導入することによって、バンドギャップを制御することができる。
【0039】
このようなカルコゲナイト系化合物半導体を製造する場合において、結晶性の酸化物膜を前駆体に用いて硫化及び/又はセレン化しても高い変換効率は得られない。
これに対し、Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物又は水酸化物を含む前駆体を作製し、これを硫化及び/又はセレン化すると、相対的に高い変換効率を有するカルコゲナイト系化合物半導体が得られる。これは、結晶性に比べて非結晶の酸化物前駆体の方が、比較的還元・硫化(セレン化)しやすく、CZTSOを形成しやすいためと考えられる。また、結晶性の酸化物であるCZTOは、Cu:Zn:Sn:O=1:1:1:1であるため、CZTSO(Cu:Zn:Sn:(S、O)=2:1:1:4)を得るための組成範囲や硫化条件が限られ、良質なCZTSOが得られにくいためと考えられる。
【0040】
さらに、前駆体を作製する場合において、大気開放型CVD装置を用いて、すべての必須金属元素を含むCVD原料を同時に気化・析出させる方法を用いると、他の方法を用いる場合に比べて、硫化及び/又はセレン化後の材料の変換効率が高くなる。
これは、個別に気化・析出させる方法では、酸化物前駆体の各層が結晶性の酸化物又は硫化物となるのに対し、同時に気化・析出させる方法では、非結晶の酸化物前駆体となるためと考えられる。
【0041】
本発明に係る方法により得られる材料は、Oを含んだカルコゲナイト系化合物半導体であるので、硫化及びセレン化の方法・条件の制約が小さくなる。すなわち、硫黄源やセレン源、加熱方式、温度条件などの選択肢が広がる。また、大気開放型CVD装置を用いて前駆体を作製する方法は、非真空のドライプロセスであり、原料の気化量をリアルタイムで制御するだけで組成を決定することができるため組成制御性が高く、工程数が少ないので、大面積・低コスト化が容易である。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
[1. 試料の作製]
[1.1. 前駆体の作製]
大気開放型CVD装置を用いて、前駆体となる非結晶(Cu、Zn、Sn)−O膜を作製した。Cu源、Zn源及びSn源となるビスアセチルアセトナート銅、ビスアセチルアセトナート亜鉛及びビスアセチルアセトナート錫を、それぞれ気化器に配置した後、気化器内を窒素ガス雰囲気とした。Cu源、Zn源及びSn源を、それぞれ、160〜200℃、90〜130℃、及び、100〜160℃に加熱し、Cu源、Zn源及びSn源を同時に気化させた。気化原料を窒素ガスで輸送し、大気中に配置した250〜500℃に加熱されたソーダライムガラス(SLG)基板又はMo/SLG基板上に噴霧して、基板上に、直接、非結晶(Cu、Zn、Sn)−O膜を作製した。非結晶(Cu、Zn、Sn)−O膜の膜厚は、800nmとした。
[1.2. 前駆体の硫化]
次に、非結晶(Cu、Zn、Sn)−O膜を硫化し、CZTSO膜を作製した。硫化は、5%H2S−N2雰囲気中で、540〜560℃×3時間保持することにより行った。
【0043】
[2. 試験方法]
[2.1. 蛍光X線分析(XRF)]
硫化後の膜の組成をXRFにより測定した。
[2.2. SEM観察]
硫化前後の膜のSEM観察を行った。
[2.3. X線回折]
硫化前後の膜のX線回折パターンの測定を行った。
[2.4. 光学特性]
分光光度計を用いて、硫化前後の膜の透過率及び光吸収係数を測定した。
[2.5. EDS分析]
硫化後の膜のEDS分析を行った。EDS分析は、電子線の加速電圧を20kVとして行い、膜厚方向及び膜面方向に対して点分析を数箇所行った。
【0044】
[3. 結果]
[3.1. XRF]
硫化後の膜のCu/(Zn+Sn)比は、0.78であった。また、硫化後の膜のZn/Sn比は、1.29であった。
[3.2. SEM観察]
図1に、硫化前後の膜のSEM像を示す。図1(a)及び図1(c)は、それぞれ、硫化前の膜の断面及び平面である。また、図1(b)及び図1(d)は、それぞれ、硫化後の膜の断面及び平面である。図1より、硫化処理によって、結晶粒が粗大化していることがわかる。
【0045】
[3.3. X線回折]
図2に、硫化前の膜のXRDパターンを示す。また、図3に、硫化後の膜のXRDパターンを示す。硫化前の試料からは、SLG基板を示す10〜30°のハローのみを確認できた。一方、硫化後の試料からは、CZTSを示す各ピークを確認できた。
【0046】
[3.4. 光学特性]
図4に、硫化前後の膜の光学特性を示す。光学特性を外挿して光学バンドギャップを見積もった結果、硫化前の膜は2.52eV程度、硫化後の膜は1.57eV程度の光学バンドギャップを有することを確認した。一般に報告されている発電組成範囲内のCZTSの光学バンドギャップは、1.45〜1.50eV程度である。従って、これらの結果より、非結晶(Cu、Zn、Sn)−O膜を硫化することにより、Oを含んだCZTS膜(Cu2ZnSn(S,O)4膜)が得られることを確認した。
【0047】
[3.4. EDS分析]
硫化後の膜のEDS分析を行った。図5に、EDSスペクトルの一例を示す。図6に、硫化後の膜の断面のSEM像を示す。SEM像中の番号は、EDS分析位置を表す。
EDSスペクトルの内、0.5keV付近のO−Kaと、2.3keV付近のS−Kaを用いて、O及びSの組成値(at%)を算出した。さらに、図6に示す各分析位置のO及びSの組成値(at%)を膜厚方向及び膜面方向について平均し、O/(S+O)比を算出した。
【0048】
膜厚方向について算出した平均のO/(S+O)比は、図6中の測定位置(1,2,3)が0.27、(4,5,6)が0.19、(7,8,9)が0.22であった。また、膜面方向について算出した平均のO/(S+O)比は、図6中の測定位置(1,4,7)が0.27、(2,5,8)が0.17、(3,6,9)が0.24であった。さらに、全測定点の平均のO/(S+O)比は、0.23であった。
以上の結果から、本発明に係る方法により作製したCZTSO膜は、O/(S+O)比で、0.17〜0.27程度の酸素を含むことを確認した。
【0049】
(実施例2、比較例1)
[1. 試料の作製]
上部電極/窓層/バッファ層/光吸収層/下部電極/基板の構造を持つ太陽電池を作製した。上部電極には、Alを用いた。窓層には、ZnO:Alを用いた。バッファ層には、CdSを用いた。下部電極には、Moを用いた。基板には、SLGを用いた。
光吸収層には、
(a)実施例1で得られたCZTSO膜(実施例1)、又は、
(b)結晶性の酸化物膜(ZnCuSnO4膜)を硫化させることにより得られるCu2ZnSn(S,O)4膜(比較例1)
を用いた。
結晶性の酸化物膜は、大気開放型CVD装置を用いて、基板加熱温度を400〜600℃程度にし、Cu:Zn:Sn=1:1:1となるように組成制御(気化温度や原料量などを調節)することにより作製した。
【0050】
[2. 試験方法]
作製された太陽電池を用いて、短絡電流密度(JSC)、開放端電圧(VOC)、形状因子(F.F.)、及び、変換効率(Eff)を評価した。測定には、太陽光シミュレータを用いた。測定は、エアマス1.5(AM1.5)の疑似太陽光を太陽電池に当て、時間を置かずに測定を開始し、約20secで測定を完了した。
なお、変換効率(Eff)、開放端電圧(VOC)、短絡電流密度(JSC)、形状因子(F.F.)、及び、照射面の単位面積当たりの疑似太陽光のエネルギー(Esun)には、次の(1)式の関係が成り立つ。
ff=VOC×JSC×F.F.÷Esun ・・・(1)
【0051】
[3. 結果]
図7に、実施例2で得られた太陽電池のI−V特性を示す。実施例2で得られた太陽電池の場合、I−V特性より、Voc=654mV、Jsc=15.5mA、F.F.=52.1%、η=5.26%の発電を確認した。
一方、比較例1で得られた太陽電池は、発電を確認することができなかった。
【0052】
以上より、大気開放型CVD装置を用いて、複数の原料を同時気化して作製した非結晶(Cu、Zn、Sn)−O膜を前駆体として用いると、他の非真空法により作製した前駆体を用いる場合に比べて、硫化後の膜の変換効率が高いことを確認した。
本発明に係る方法により得られるCZTSO膜は、従来のCZTS膜とは異なり、前駆体の膜中酸素を積極的に除去する必要がないことから、硫化方法・条件の制約を小さくする(すなわち、硫黄源、加熱方式、温度条件などの選択肢を広げる)ことができると言える。さらに、大気開放型CVD法は、非真空のドライプロセスで、組成制御性が高く、工程数が少ないので、CZTSO膜の大面積化・低コスト化が容易である。
【0053】
(実施例3〜5)
[1. 試料の作製]
[1.1. 前駆体の作製]
大気開放型CVD装置を用いて、複数の膜の積層体からなる前駆体を作製した。前駆体を構成する膜の内、Cu、Zn及びSnの一部を含む非結晶酸化物膜は、大気開放型CVD装置を用いて、Cu源、Zn源及びSn源を個別に気化させることにより作製した。その他の製造条件は、実施例1と同様とした。また、前駆体を構成する膜の内、硫化物膜は、スパッタ法により作製した。
前駆体の膜構成は、膜表面から順に、
(a)非結晶ZnO/非結晶CuO/非結晶SnO2(実施例3)、
(b)非結晶(Zn、Cu)−O/非結晶SnO2(実施例4)、又は、
(c)非結晶(Zn、Cu)−O/SnS(実施例5)
とした。
積層膜を構成する各膜の内、非結晶ZnO、非結晶CuO、非結晶SnO2、及び、SnSの膜厚は、それぞれ、300nmとし、非結晶(Zn、Cu)−Oの膜厚は、700nmとした。
[1.2. 前駆体の硫化]
実施例1と同一条件下で、前駆体の硫化を行った。
【0054】
[2. 試験方法]
実施例1と同様にして、硫化後の膜のX線回折測定及び光学特性の評価を行った。また、実施例2と同様にして、太陽電池特性の評価を行った。
[3. 結果]
硫化後の試料は、いずれも、CZTSのXRDパターンを示した。また、硫化後の試料は、いずれも、1.52〜1.55eV程度の光学バンドギャップを有することを確認した。また、太陽電池特性を評価した結果、η=1.7%(実施例5)を確認した。
以上より、大気開放型CVD装置を用いて前駆体を作製する場合、複数の原料を同時に気化・析出させる方法を用いると、複数の原料を個別に気化・析出させる方法に比べて、硫化後の膜の変換効率が高くなることを確認した。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係るカルコゲナイト系化合物半導体子及びその製造方法は、薄膜太陽電池、光導電セル、フォトダイオード、フォトトランジスタ、増感型太陽電池などの光吸収層及びその製造に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備えたカルコゲナイト系化合物半導体。
(1)前記カルコゲナイト系化合物半導体は、Cu、Zn、Sn、元素X3(=S及び/又はSe)、及び、Oを必須元素として含む。
(2)前記カルコゲナイト系化合物半導体は、
(a)Cu、Zn及びSnを含み、
(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む
前駆体を硫化及び/又はセレン化することにより得られる。
【請求項2】
前記前駆体は、
大気開放型CVD装置にCu源、Zn源及びSn源を含むCVD原料を供給し、前記CVD原料を同時に気化させ、大気中において基板上にCu、Zn及びSnを含む前記非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を形成することにより得られるものからなる請求項1に記載のカルコゲナイト系化合物半導体。
【請求項3】
(a)Zn及びSnの含有量(at%)の和に対するCuの含有量(at%)の比(=Cu/(Zn+Sn)比)は、0.12以上0.98以下であり、
(b)Snの含有量(at%)に対するZnの含有量(at%)の比(=Zn/Sn比)が、0.50以上3.91以下であり、
(c)前記元素X3及びOの含有量(at%)の和に対する前記Oの含有量(at%)の比(=O/(X3+O)比)が、0.17以上0.27以下である
請求項1又は2に記載のカルコゲナイト系化合物半導体。
【請求項4】
(a)Cu、Zn及びSnを含み、かつ、
(b)Cu、Zn及びSnから選ばれるいずれか1以上の元素を含む、1種又は2種以上の非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む
前駆体を形成する前駆体作製工程と、
前記前駆体を硫化及び/又はセレン化させ、カルコゲナイト系化合物半導体を得るカルコゲナイト化工程と
を備えたカルコゲナイト系化合物半導体の製造方法。
【請求項5】
前記前駆体作製工程は、
大気開放型CVD装置にCu源、Zn源及びSn源を含むCVD原料を供給し、前記CVD原料を同時に気化させ、大気中において基板上にCu、Zn及びSnを含む非結晶の酸化物及び/又は水酸化物を含む前記前駆体を形成する大気開放CVD工程を備えている請求項4に記載のカルコゲナイト系化合物半導体の製造方法。
【請求項6】
前記前駆体作製工程は、硫化及び/又はセレン化の時点において、
(a)Zn及びSnの含有量(at%)の和に対するCuの含有量(at%)の比(=Cu/(Zn+Sn)比)が、0.12以上0.98以下となり、
(b)Snの含有量(at%)に対するZnの含有量(at%)の比(=Zn/Sn比)が、0.50以上3.91以下となるように、
前記前駆体の作製を行うものであり、
前記カルコゲナイト化工程は、
(c)前記元素X3及びOの含有量(at%)の和に対する前記Oの含有量(at%)の比(=O/(X3+O)比)が、0.17以上0.27以下となるように、硫化及び/又はセレン化を行うものである
請求項4又は5に記載のカルコゲナイト系化合物半導体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−151221(P2012−151221A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7805(P2011−7805)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】