説明

ガスシリンダ弁組立体

【課題】高圧容器からの高圧ガス流量制御のための弁組立体を提供する。
【解決手段】ガス弁組立体は、孔を有する弁箱と、主要弁本体と、その中に搭載されている主要弁棒とを備えている。弁本体は、流入口と弁箱流出口および弁本体流出口のうちの一つと連通させている流路とを備え、弁棒が、弁座を搭載し、流路を通って流れる流体の流れを遮断するために移動可能となっている。二つの実施形態においては、弁箱は、容器の首部に螺合可能となっており、その流入口は、容器の内部に向かって開口している。主要弁本体は、流路を通って流れる流体の流れを選択的に遮断するための、弁本体内に延びている手動操作シャットオフ弁と、流出口に向かって流れる流量が所望の量よりも多いとき、流路を通って流れる流体の流れを遮断するための過剰流量弁とを搭載している。記載した最後の二つの弁は、流路内に、共通のピストンを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体またはガスの形態で高圧ガスを収納するシリンダ、タンクまたは他のタイプの容器に用いられうる弁組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワス(Wass)に対して発行された米国特許第5,458,151号には、シリンダからの高圧ガスの流量を制御するための弁を操作すべくソレノイドをシリンダ内部に設けた状態でガスシリンダの首部に取り付けることが可能なソレノイド制御弁が開示されている。シロシュ等(Sirosh et al)に対して発行された米国特許第6,041,762号には、容器内部に圧力調整器を有するモジュール、圧力センサ、温度センサ、圧力除去装置、ソレノイド弁および逆止弁を含む、ガス容器からのガス供給量を制御するための制御装置が開示されている。
【0003】
本発明は、高圧流体用の容器からの高圧流体の流量を制御するための組立体を改良するためになされた。本発明にかかるガスシリンダ弁組立体は、高圧ガスまたは高圧液体を収納する容器の首部に取り付け可能であり、たとえば自動車のエンジンに供給される天然ガスを含む燃料ガスの流量の制御、燃料電池へ流れるガスの流量の制御、さまざまな産業上の利用のために酸素、水素、窒素などの如きガスの流量の制御、ならびに、さまざまな産業上の利用のために液体の流量の制御のために用いられうる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ガスシリンダ弁組立体の2つの実施形態は、高圧ガス用のシリンダ(容器)の首部にネジにより取り付けられ、シリンダの中へ延びている弁箱またはマニフォールドを備え、シリンダ内部およびシリンダに向かって開口している流入口を備え、シリンダ内部および主要弁孔に向かって開口している流入口を備えている。取り外し可能部品(弁本体)は、弁箱に螺合され、弁箱孔の中へ延びている。弁本体は、その外側端部を通おって、また、その外側端部から遠く離れた弁作用面を通って開口している弁本体孔を備えている。弁棒は、弁作用面に着座可能な弁座を装着し、弁棒を主要弁の開弁位置に移動させるためのアクチュエータ機構を装着している。弁本体孔は、その内部に過剰流量用ピストンを備えており、この過剰流量用ピストンは、当該ピストンを通って弁箱の流出口に向かって流体が流れることを可能とする開放位置に弾性的に保持されている。上記の弁本体孔の一方の端部は、その内部にキャップを有しており、このキャップは、過剰流量弁部材と、手動シャットオフ弁とを装着しており、この手動シャットオフ弁は、弁箱の流入口から弁箱の流出口に向かって流れる流体の流れを選択的に遮断すべく過剰流量用ピストンに当接するように、手動による操作が可能となっている。一つの実施形態では、主要弁棒は、磁石機構により主要弁の閉弁位置に向かって移動可能となっており、第二の実施形態では、主要弁棒は、流体圧力駆動式アクチュエータにより、開放位置に向かって移動可能となっており、第三の実施形態では、弁箱は、先の二つの実施形態と同一の弁座内に延びている主要弁本体部分を備え、高圧流体の供給源とその高圧流体が供給される装置との間に設けられている。
【0005】
本発明の目的は、高圧流体を収納しているシリンダ(容器)の内部からの高圧ガスの流量を制御するための新規の弁組立体を提供することにある。この目的に加えて、本発明の他の目的は、弁棒に作用する力が、流入口圧力に基づいて、流出口圧力とは関係なく一定である弁組立体を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、シリンダまたはタンクからの高圧流体の流量を制御するために操作可能となっているのみでなく、弁組立体の流出口を通過する流量が過剰であるときその流れを自動的に遮断するようになっている新規な弁装置を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1〜図4を参照すると、本発明の第一の実施形態にかかるガスシリンダ弁組立体は、外側がネジ切りされている下部を備え、この下部は、シリンダ(タンクまたは容器)12の首部12Aの内側に螺合されてその内部に延びるようになっている。この弁箱は、シリンダの外側にある部分13と、その中を横方向に延びている軸方向に細長い主要孔Bとを備えている。この穴の中心軸は、C−Cで表されている。この主要孔には、取り外し可能部品(弁本体)Fがその内部に取り付けられている。この取り外し可能部品は、上記の主要孔の第一のネジ切り端部B1に螺合されている第二の横方向端部14を備えている。また、この取り外し可能部材のねじ切り部分には、軸方向中間部分17が接合されている。この軸方向中間部分は、取り外し可能部品のネジ切り部分よりも小さな直径を有し、取り外し可能部品と主要孔部分19のうちの取り外し可能部品に対して半径方向に隣接する部分との間に流体用のシーリングを施すために軸方向に離隔されている流体用シール部材18を装着している。この主要孔部分19の半径方向隣接部分は、そのねじ切り部分よりも小さな直径を有している。主要孔部分19は、軸方向に沿って反対側の端部において、環状の段部21を形成するためにさらに直径が小さな部分20に向かって開口している。次いで、この孔部分20は、さらに直径の小さな孔部分22に向かって開口し、この孔部分22は、直径の大きな孔部分23に向かって開口している。この直径の大きな孔部分23は、弁箱の表面のうちの上記の主要孔のねじ切り部分とは反対側にある部分を通って開口している。
【0007】
主要弁本体は、環状の段部(第一の環状の段部)15を形成するために、本体部分17のうちの取り外し可能部品が螺合されている部分とは軸方向に沿って反対側にある部分に接合されている円筒状の部分27を備えている。この円筒状の部分27は、主要孔部分19および取り外し可能部品の部分17の各々よりも小さな直径を有している。円筒状部分27の軸方向に沿って反対側にある端部に一体的に接合されているのは、円錐台状部分(弁部材)30の下底部分(major base)であり、その上底部分(minor base)は、弁本体の円筒状の端部31に接合されている。弁部材30は、弁作用面30Aを備えている。円筒状の端部31には流体用のシール32が装着されている。円筒状の端部31は、環状の主要弁座33の中へ延びているのみでなく、この環状の主要弁座33との間で流体用のシーリングを形成する関係にある
プラスチックから形成されうる弁座33は、上記の上底の円錐台状テーパ面33Aとの接続時点以外では、一定の内径を有している。弁座33は、弁棒孔34の直径の大きな孔部分34Aの中へたとえば圧入(press fit)により搭載される。この弁棒孔34は、主要弁棒Pを軸方向に貫通して延びている。弁棒孔は、弁棒の段部38と弁本体の直径の小さな部分31との間の空間を通気するために、直径の小さな孔部分34Bを備えている。ネジ山を備える代わりに、孔部分34Aおよび弁座には、孔部分34A内に弁座を保持するための相互に対面している段部24が設けられている。孔部分34Aは、主要弁棒Pの直径の大きな端部35(または、第一の弁棒端部)の中に設けられている。弁棒孔の直径の小さな孔部分34Bは、弁棒の、直径の大きな部分35とは軸方向に沿って反対側にある軸方向の端部を通って開口し、また、弁座が当接する環状の段部38を形成するために、孔部分34Aに向かって開口している。孔部分34Bは、主要弁棒の、主要弁本体から軸方向に沿って反対側にある端部を通って開口している。弁座33の外周面と弁棒の孔部分34Aを形成している内周壁との間に流体用のシーリングを形成するために、流体用のシール(O―リング)39が、段部38に隣接している弁座により装着されている。
【0008】
上記の弁棒は、ネジ切り端部(または、第二の弁棒端部)41と直径の大きな部分42との間に存在するととものそれらに接合されている直径の小さな円筒状部分40を備えている。次いで、直径の大きな部分42は、弁棒部分35へ接合されている。部分40および42の接合により、環状の段部37が形成されている。弁棒部分40と孔部分20を形成している弁箱の壁面との間に流体用のシールを形成するために、流体用のシール(O―リング)44が弁棒部分40上に装着されている。
【0009】
第一の円盤45は、弁棒のネジ切り部分41に螺合され、主要弁棒を往復移動させる軸方向往復運動を行うために、運動弁箱の孔部分23内の位置に設けられ、弁箱に取り付けられたキー45Aなどにより回転が阻止されるようになっている。弁棒は、その長さが、主要弁が閉弁位置にあるとき、主要弁を通って流れる流体を遮断するために、弁座の表面33Aが弁部材30のテーパ面30Aに当接し、第一の円盤が孔部分22および23の接合部により形成された段部48から軸方向に沿って離隔されると同時に、弁座33の環状の端部33Bおよび直径の大きな部分の環状の端面35Bが段部15から軸方向に沿って離隔され、弁棒部分35および42の接合部にある弁棒の直径の大きな部分35の段部53が、主要弁の開弁位置に弁棒を移動することができるように、軸方向に沿って段部21から離隔されるような長さであるように形成されている。
【0010】
キャップ(ボンネット)50は、貫通する孔を備え、第二の円盤52を回転可能に搭載するためのアクチュエータ室を提供する大きな孔部分51Bが主要孔部分23に向かって開口している状態で、主要孔部分23を閉じるために弁箱に螺合されている。ロータリソレノイド54のシャフト54Aは、キャップの直径の小さな孔部分51Aを通って延びており、第二の円盤を一緒に回転できるように装着している。このソレノイドは、キャップに搭載されている。高圧ガスが供給される装置101の要求に応じてロータリソレノイドの電圧を供給したり停止したりするために、適切な制御装置58が設けられている。
【0011】
各円盤45、52には、極性が反対である永久磁石55、56が搭載されている。これらの永住磁石は、ソレノイドのシャフトの回転軸から同一の距離だけ離隔され、角度の点では、隣の位置に設けられているとともに極性が反対である永久磁石から同一の角度だけ離されている。ソレノイドのシャフトの回転軸は、主要孔の中心軸C−Cと一致している。ソレノイドのシャフトに関する一つの回転位置では、円盤52上の永久磁石が、円盤45上の極性が同一である永久磁石と軸方向に沿って一直線に並べられ、円盤52上の永久磁石が反発されることにより、弁棒が主要弁の閉弁位置へ移動するかまたはその位置に留まるようになっている。ロータリソレノイドが駆動すると、円盤52がその永久磁石をその他の円盤上の極性が反対である永久磁石と一直線上に並べられる第二の位置へ回転されることにより、円盤45が、軸方向に沿って、その回転円盤に向かって移動され、弁棒を、主要弁の開弁位置へ移動させる。主要弁が開弁位置にあるとき、ロータリソレノイドは、円盤52上の一方の極性の永久磁石を円盤45上の同一の極性の永久磁石と軸方向に沿って一直線上に並べて主用弁を閉じることができる程度に十分な回転を回転円盤に与えるように駆動されうる。図4には、一方の極性の永久磁石が他方の極性の永久磁石から角度位置の点から見てずらして配置されている4つの永久磁石を備えている円盤52が示されているが、各円盤には、弁の開弁位置と閉弁位置との間で弁棒を移動させるために回転させる度数(degree)に応じて、より多い数のまたはより少ない数の磁石が搭載されてもよい。図4に示されているように磁石の数が4つの場合、回転シャフトは、主要弁棒を両方の位置の間で移動するために90度回転される。通気路102は、孔部分23および周囲の大気に向かって開口されている。
【0012】
主要弁の弁棒の円筒状部分35の外周面は、軸方向に沿って段部21と環状の段部53との間にある隙間空間43と、流体チャンバ47に常に流体力学的に連通している環状の隙間空間49を形成できるように、円筒状の孔部分19を形成している弁箱の壁部分の直径よりも十分に小さい外径を有している。弁箱は、流路(流入口)70を有しており、この流路は、シリンダ上に搭載されたとき、シリンダ内部に向かって開口するとともに、直径の大きな部分35の段部53と軸方向に反対側にある端面35Bとの軸方向に沿った間にある環状の隙間空間49に向かって開口するようになっている。したがって、段部37、53は、上記の直径の大きな部分の環状の端面35B側とは軸方向に沿って反対側に設けられ、主要弁棒を開弁位置に移動するように直径の大きな弁棒の端面35Bおよび弁座33の端部33Bに作用し主要弁棒を閉弁位置に移動するように作用する流入口圧力を常に受けている。弁棒部分40の外周面が弁座33の最小内径よりも少し小さいので、主要弁棒は常に流入口圧力により弁閉弁位置に付勢されている。したがって、主要弁棒を弁の開弁位置に移動させるために必要となる力は、流入口圧力よりも数倍小さい。
【0013】
主要弁本体Fの直径の小さな部分は、半径方向外側に環状の溝72を備えており、この溝は、弁座のテーパ面33Aが弁作用面30Aに当接している主要弁の閉弁位置において、主要弁座33の円筒状の内周面に向かって半径方向に広がっており、横断孔73を通って、軸方向に細長い弁本体孔Tに向かって開口している。この弁本体孔Tは、その軸方向の一つの端部において、主要弁本体の外端面75を通って開口している。この主要弁本体の外端面は、上記の軸方向に沿って、弁棒部分31とは反対側に設けられている。この環状の溝72は、弁座33の末端面と軸方向の外端面75との間の軸方向に沿って中間にあり、弁本体孔は、外端面75の方に面している環状の段部(第二の環状の段部)78を形成するために、直径の大きな孔部分79に向かって開口している孔部分77を備えている。また、孔部分79は、さらに直径の大きな孔部分80に向かって開口しており、この直径の大きな孔部分80は、環状の段部81を形成するために、直径の大きな孔部分82に向かって開口している。孔部分82は、キャップ84を螺合するために部分的にネジが形成された孔部分83に向かって開口している。
【0014】
キャップ84には、手動シャットオフ弁Vの手動シャットオフ弁棒85のネジを形成した端部85Aが搭載され、この弁棒の直径の小さな部分85Bは、保持ワッシャ87を通って、過剰流量弁Eの環状の弁部材88の中へ延びている。部分85の外側端部は、シャットオフ弁の開弁位置と閉弁位置との間で弁棒を手動により回すことを容易にするために、ネジ回し用のスロット85cまたはキー溝(図示せず)が設けられてもよいし、または、外端面75の外方に延ばされてその上にハンドルが搭載されてもよい。ネジ切り部分85Aに接合されている弁棒の直径の小さな部分85Bは、シャットオフ弁の弁座90を装着している。この弁座は、シャットオフ弁の閉弁位置では、軸方向に沿って隣に位置する環状の端部に当接することにより、ピストンを通って隙間空間94へ流れる流体の流れを遮断するようになっている。
【0015】
弁部材88は、一方の端部では保持ワッシャ87に当接し、軸方向に沿った他方の端部では段部81に当接し、キャップ84内に延びるようになっている。弁部材88は、弁作用面を形成するための半径方向内側にテーパ面88Aを有している。軸方向に細長い環状のピストン91は、弁棒の孔部分79、80内に延びるようになっている。これらの孔部分は、過剰流量弁の開弁位置では、一方の端部91Eで段部78に当接し、他方の端部でバネ92に当接している。バネ92は、過剰流量弁の開弁位置では、ピストンを弾性的に付勢するようになっている。バネは、弁部材88内に延び、その弁部材により搭載されている。ピストンは、孔部分79を形成している内周壁に対して流体用のシーリングを施すために、流体用のシール93を装着している。
【0016】
ピストンの外周面と孔部分80とにより、弁部材88のテ―パ面に向かって開口している環状の間隙空間94が形成されている。弁箱は、弁本体Fの環状の溝97に向かって開口している流出口95を備えている。この流出口は、横断孔98を通じて、環状の溝を間隙空間94と連通させている。流出口は、配管100により、シリンダからの流体が供給される従来装置101に接続可能である。たとえば配管100が破損しているかまたは装置に問題が存在して液体が過剰な流速で流出するような場合であって、過剰な流量が流出口を通って流れるときに、流入口から組立体の通路を通って弁箱の流出口へ流れる流体の流れを遮断するための過剰流量弁Eは、ピストン91および弁部材88の少なくとも一部を備えており、その一方、ピストンの環状の端末面の端部とそれに着座可能な弁座とが、手動シャットオフ弁の一部を構成している。
【0017】
上記のピストンは、一方の端部において弁本体孔部分77に向かって開口しているとともに他方の端部において弁部材88の内部に向かって開口している孔99を備えている。また、上記のピストンは、弁部材88の内径よりも小さな外径を有しているとともに弁部材内に延びているまたは延びることが可能な直径の小さな端部91Aを備えている。端部91Aは、ピストン孔から間隙空間94へ流れる流体の流れを遮断するために弁部材88の弁座88Aに当接可能なピストンの円錐台の部分91Bの上底に、段部により、接合されている。弁部材88に隣接しているピストン孔の端部91Aにおけるオリフィス99Bの内径は、主要弁本体孔部分77に向かって開口している軸方向に沿って細長いピストン孔部分99Cの内径よりも小さくなっている。
【0018】
主要弁が開弁位置にある場合、バネ92は、ピストンが段部78と当接関係を有することができる程度に十分なバネ力を提供するようになっている。しかしながら、配管100に損傷が発生するかまたは装置100に問題が発生し、過剰の流体の流れが存在する場合、オリフィスを通って流れる流体は、バネ力を打ち負かすことができる程度に十分大きな圧力降下を発生し、これにより、ピストンが段部78から離れる方向に移動し、ピストンのテーパ段部91Bが弁座88Bに当接し、弁箱の流入口から弁箱の流出口へ流れる流体の流れが遮断されるようになっている。ピストンが弁座から離れる方向に移動すると、ピストンの環状の端面91Eと段部78との間に作用する流体圧力は、過剰流量弁のピストンを閉弁位置に保持するようになっている。ただし、過剰流量弁のピストンを開弁位置へ移動させることができる十分高圧な流体が弁箱の流出口で加えられるかまたは手動シャットオフ弁が閉弁位置へ移動されると、バネは、再びピストンを開弁位置に保持する。ピストンを弁開弁位置へ移動させる流体圧力が流出口で加えられた場合、面91B、88Aの傾斜は、異なる角度になり、これにより、過剰流量弁の閉弁位置において、面91Bの十分な面積が、流出口で加えられた圧力に晒され、ピストンを過剰流量弁の開弁位置へ移動させることがでる。この過剰流量弁により、高圧の流体が望ましくない領域中へ流れ込まないように自動的に作動する安全機能が提供される。
【0019】
主要弁が閉弁位置にあり過剰流量弁および手動操作弁が開弁位置にあるとき、主要弁は、シリンダから、流入口、チャンバ47、間隙空間49、環状の溝72、横断孔73、主要弁本体孔T、ピストン、間隙空間94、孔98、弁箱の流出口に至るまでの流路を通って流れる流体の流れを防止するようになっている。主要弁の閉弁位置では、横断孔73が弁座の円筒状の内周壁に向かって開口しているので、流出口圧力は、主要弁棒を開弁位置に移動させるように作用する圧力を提供しない。
【0020】
図5を参照すると、参照番号110により包括的に示されている本発明にかかる第二の実施形態は、本明細書で記載されている差異以外では、第一の実施形態と同一である。この第二の実施形態は、弁箱Rを備えている。この弁箱は、孔部分23に向かって開口する通気路に代えて、供給源111Aからたとえば空気のような高圧流体を選択的に加えるために孔部分23に向かって開口する流路111を備えている。さらに、第二の実施形態は、第一の実施形態の対応する部材と同一である主要弁本体と、手動シャットオフ弁と、過剰流量弁とを備えている。第二の実施形態にかかる主要弁棒は、包括的に参照番号117で示され、弁棒部分(または、第二の弁棒端部)118が弁棒部分40に接合されていること以外は、第一の実施形態と同一である。弁棒117は、通路34Aと同一の機能を果たす通気路を備えている。磁石が搭載されている円盤を設ける代わりに、駆動ピストン119が、弁棒部分118および40の接合部に形成されている段部に当接するように弁棒部分118に搭載されており、保持ナット120が、ピストンに当接するように、弁棒のネジ切り部分上に設けられている。このピストンは、弁棒部分118に対して流体用のシーリングを形成する流体用のシール121を装着している半径方向内側の溝と、孔部分23の内周壁に対して流体用のシーリングを形成する流体用のシール122を装着する半径方向外側の環状の溝とを備えている。キャップ124は、孔部分23を閉鎖するために、弁箱のうちの孔部分23を備えている部分に螺合されるようになっているとともに、キャップ内を軸方向に延びている孔127を備えている。バネ128は、キャップの段部およびピストン119に当接し、主要弁棒を主要弁の閉弁位置に移動させるようにピストンを常に弾性的に付勢するために、キャップ孔内に設けられている。高圧流体供給源112からの高圧の空気が通路111に加えられると、ピストンは、主要弁の閉弁位置から開弁位置へと移動されるようになっている。留意すべき点は、駆動ピストンを弁の閉弁位置から開弁位置へと移動させるために必要となる圧力がシリンダ12から加えられる圧力よりも何倍も小さいということである。
【0021】
図6を参照すると、第三の実施形態は、軸方向に貫通する軸方向の孔151を有する弁箱150を備えている。この弁箱は、第一の端部と、この第一の端部を閉じるための、第二の実施形態と同一のキャップ124とを備えている。さらに、弁棒、この弁棒が着座する弁座およびこの弁棒を移動させるアクチュエータ機構は、第二の実施形態と同一である。弁箱孔は、ネジ切り部分151Aを備えている。主要弁本体Yは、ネジ切り部分152を備え、ネジ切り部分151Aへ螺合され、弁箱の内部に延びるようになっている。また、主要弁本体Yは、ネジ切り部分152と接合される中間の大きさの直径部分153を備え、この中間の大きさの直径部分153は、環状の段部155を形成するために、さらに直径の小さな部分154と接合されている。この環状の段部は、環状チャンバ158を形成するために、弁棒の直径の大きな端部の端面35Bおよび主要弁座の端部33Bから軸方向に沿って離隔されている。主要弁本体は、弁本体のネジ切り端部とは軸方向に沿って反対側に存在している直径の小さな端部159を備えており、この直径の小さな端部は、第一の実施形態の弁本体の直径の小さな部分31と同一であり、それと同様の方法で、弁座33内で延びるようになっている。
【0022】
第三の実施形態にかかる弁棒は、弁棒段部170、171に面している段部53、37を備えている。これらの段部53、37は段部37、21と同一である。段部170、53は、環状の間隙空間43を形成しており、円筒状の直径の大きな部分の外径と弁本体の円筒状の孔153を形成している弁本体の壁により、主要弁の開弁位置および閉弁位置において、弁箱の流入口181およびチャンバ158に向かって開口している環状の間隙空間192、間隙空間43および段部37が形成されている。流入口は、高圧の流体を収納している容器195と連通している。弁棒は、ピストン119と通気路193とを備えている。バネ128は、このピストンおよびキャップ124と当接している。これらのピストンおよびキャップは、第二の実施形態にかかる対応する部材と同一であり、また、通気路は、第二の実施形態にかかるものと同一である。
【0023】
主要弁本体Yは、横断孔73を有する弁座の環状の内周面に向かって半径方向に開口している環状の溝を備えている。横断孔73は、第一の実施形態の横断孔と同一の方法で、内周面および軸方向に沿って細長い弁本体孔177に向かって開口している。弁本体孔177は、流出口178に向かって開口しており、この流出口178は、流体が供給されている従来の装置180に連通している弁本体のネジ切り部分の外側に向かって開口している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】おおむね図4の線1−1に沿って切り取られているとともに矢印の方向に向かって観察されている、ガスシリンダの一部のみをした、本発明の第一の実施形態にかかるガスシリンダ弁組立体を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されている装置の部分を拡大した断面図である。
【図3】図1に示されている装置の部分をさらに拡大した断面図である。
【図4】図1の線4−4に沿って切り取られているとともに矢印の方向に向かって観察されている部分断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0025】
B…主要孔
35…第一の弁棒端部
41…第二の弁棒端部
P…主要弁棒
33…弁座
F…主要弁本体
15…段部
45…第一の円盤
52…第二の円盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧供給源からの流体の流量を制御するための弁組立体であって、
中心軸を有し、軸方向に沿って貫通し、前記流入口に向かって開口している主要孔と、前記供給源からの流体のための流入口とを有している弁箱と、
前記弁箱に搭載されているとともに前記弁箱の前記主要孔内に延び、前記弁箱の前記主要孔内に環状の端面を有している直径の大きな第一の弁棒端部と、該環状の端面を通って開口している軸方向の弁棒孔とを有している主要弁棒と、
前記弁棒孔内に搭載されているとともに環状の端部および円筒状の内周面を有している環状の弁座と、
前記弁箱の前記主要孔内に搭載されているとともに前記弁座内に延びている直径の小さな第一の端部を有している、軸方向に沿って延びている主要弁本体とを備えており、
前記弁箱および前記弁本体のうちの少なくとも一つが流体用の流出口を有しており、
前記弁本体が、前記弁座内に延びている直径の小さな第一の端部と、該直径の小さな第一の端部に接合されている弁作用面と、該第一の端部から軸方向に沿って遠く離れた位置にある第二の端部と、該第一の端部を通って前記弁座の前記内周面および前記流出口に向かって開口している流路とを有しており、
前記弁本体が、前記弁箱に対して流体用のシーリングを施す円筒状部分を有しているとともに、前記弁箱の前記流入口に向かって開口している環状のチャンバを形成するため前記弁座の前記端部および前記弁棒の前記直径の大きな第一の弁棒端部の前記端面に向かって面している第一の段部を有しており、
前記弁棒が、前記チャンバから前記弁座へ向かう前記流路の開口部へ流れる流体の流れを前記弁座が遮断する弁閉弁位置と、前記チャンバから前記流路へ流れる流体の流れを可能とする弁開弁位置との間で軸方向に沿って移動可能であり、
前記弁棒が、前記流入口と連通している前記弁座の前記端部および前記直径の大きな第一の弁棒端部の前記端面の軸方向に沿って反対側に向かって面しているとともに前記弁座の前記端部および前記直径の大きな第一の弁棒端部の前記端面よりも僅かに大きな面積を有している少なくとも一つの環状の段部を有しており、これにより、
前記流入口の圧力が、前記弁棒をその閉弁位置に移動させるべく常に付勢するために、前記少なくとも一つの環状の段部、前記弁座の前記端部および前記直径の大きな第一の弁棒端部の前記端面に加えられており、動力駆動アクチュエータが、前記弁棒をその開弁位置に選択的に移動させるように構成されている、弁組立体。
【請求項2】
前記弁箱が、前記弁本体とは軸方向に沿って反対側に、前記弁箱の前記主要孔が開通されている端部を有しており、前記弁棒が、前記直径の大きな第一の弁棒端部とは軸方向に沿って反対側に第二の弁棒端部を有しており、前記アクチュエータが、前記弁棒をその開弁位置に移動させるために、流体圧力によって移動するように構成されているとともに前記弁棒の前記第二の弁棒端部に搭載されているピストンを備えてなる、請求項1記載の弁組立体。
【請求項3】
前記弁箱が、前記弁本体とは軸方向に沿って反対側に、前記弁箱の前記主要孔が開通されている端部を有しており、該端部に対して、キャップが、前記弁本体の孔が該キャップに向かって開口するように取り付けられ、前記弁棒が、前記直径の大きな第一の弁棒端部とは軸方向に沿って反対側に第二の弁棒端部を有しており、前記アクチュエータが、前記弁棒を開弁位置と閉弁位置の間で移動させるべく軸方向にのみ移動させるために前記弁棒に搭載されている第一の円盤と、前記キャップおよび前記弁箱の孔のうちの一つに搭載されている回転移動用の第二の円盤と、該第二の円盤を選択的に回転させるために該第二の円盤に接続されている回転用ソレノイドとを有しており、各円盤が極性の異なる永久磁石を搭載しており、第一の回転位置においては、前記弁棒をその開弁位置に移動させるために、前記第二の円盤上の永久磁石がそれらの極性と反対の極性を有する前記第一の円盤上の永久磁石と軸方向に沿って一直線状に並べられ、第二の回転位置では、前記弁棒をその閉弁位置に移動させるために、前記第二の円盤上の永久磁石がそれらの極性と同一の極性を有する前記第一の円盤上の永久磁石と軸方向に沿って一直線状に並べられるように構成されている、請求項1記載の弁組立体。
【請求項4】
前記弁棒が、その開弁位置および閉弁位置において、流体チャンバを形成するために、前記弁棒の前記端面および前記弁座の前記端部が前記弁本体の前記段部から軸方向に離隔され、前記直径の大きな第一の弁棒端部が円筒状の半径方向外側面を有しており、前記弁箱の前記主要孔が、前記弁棒の開弁位置および閉弁位置において、前記チャンバに向かって開口し、前記少なくとも一つの環状の段部と連通し、前記流出口に向かって開口する環状の間隙空間を形成するため、前記直径の大きな第一の弁棒端部が内部を延びているとともに該直径の大きな第一の弁棒端部の円筒状の半径方向外側面よりも大きな直径を有している円筒状の孔部分を備えてなる、請求項1記載の弁組立体。
【請求項5】
前記弁棒が、前記少なくとも一つの環状の段部を形成するために、前記直径の大きな第一の弁棒端部のうちの前記端面とは反対側の部分に接合されている第一の直径の小さな部分と、該第一の直径の小さな部分のうちの前記直径の大きな第一の弁棒端部とは軸方向に沿って反対側の部分に接合されている第二のさらに直径の小さな部分とを備えており、該第二のさらに直径の小さな部分が、前記弁箱の前記主要孔のうちの前記第一の直径の小さな部分を基準にして前記直径の大きな第一の弁棒端部とは軸方向に沿って反対側の部分に対して流体用のシーリングを施すよう構成されており、前記弁本体が、前記弁箱の前記主要孔のうちの前記チャンバを基準にして前記弁座とは軸方向に沿って反対側の部分に対して流体用のシーリングを施すための部位を備えてなる、請求項4記載の弁組立体。
【請求項6】
高圧流体を収納するための内部空間を備えている容器に取り付けることが可能となっており、前記弁箱が、前記容器の前記内部空間に向かって流入口が開口している状態で前記容器に取る付けることが可能な部位を備えており、流量が所定の値を上回る場合に前記流路を通って流れる流体の流れを自動的に遮断するための過剰流量弁が、前記弁本体上の、前記弁本体の前記第一の端部と前記流出口との間の流路内の位置に搭載されるように構成されている、請求項1記載の弁組立体。
【請求項7】
前記過剰流量弁が、前記流路の一部を形成するとともに前記流路を通して流体を流すために前記弁本体内で軸方向に移動可能となっている環状のピストンを備えており、前記流路を通って流れる流体の流れを前記ピストンと協働して遮断するために選択的に手動操作が可能な手動操作式シャットオフ弁が、前記弁本体に搭載されるように構成されている、請求項6記載の弁組立体。
【請求項8】
前記弁本体が、該弁本体のうちの前記直径の小さな第一の端部とは軸方向に沿って反対側の部分に存在する第二の端部と、前記流路の一部を少なくとも部分的に形成するための、前記弁座および前記弁本体の前記第二の端部に向かって開口している軸方向の孔とを備えており、環状の弁部材が、前記弁本体の前記第二の端部に搭載され、前記ピストンに向かって開口しているとともに前記流路を部分的に形成している環状の弁作用面を備えており、前記弁本体の前記軸方向の孔が、第一の孔部分と、前記弁棒と前記流出口との間に存在するとともに前記弁棒に対して反対方向に面している環状の段部を形成するために、該第一の孔部分に向かって開口している直径の小さな第二の孔部分を備えており、前記ピストンが、前記段部に当接している過剰流量弁開弁位置と、前記流路を通って流れる流体の流れを遮断するために前記段部から軸方向に沿って離隔されているとともに前記弁部材の前記弁作用面に当接している過剰流量弁閉弁位置との間を軸方向に移動させるために、前記第一の孔部分に搭載されており、前記過剰流量弁が、前記ピストンを前記過剰流量弁開弁位置へ付勢するためのバネを備え、前記流路に過剰の流量が存在するときに前記流路を通って流れる流体の流れを遮断するように前記ピストンを前記弁部材の前記弁作用面に当接させるため、前記弁部材の前記弁作用面の隣に、前記バネの作用に抗して前記ピストンを移動させることができる程度に十分な圧力降下を生成するためのオリフィスを備えてなる、請求項7記載の弁組立体。
【請求項9】
高圧流体を収納している容器のネジ切りされた首部に搭載可能なガス弁組立体であって、
前記容器の前記首部に一部分を螺合することが可能である弁箱を備えており、
前記弁箱の前記一部分が、前記首部に前記弁箱を搭載したとき前記容器の内部に向かって開口する流入口と、流出口と、該流入口を該流出口に連通する流路とを有し、
前記弁箱において、前記流路が、
中心軸を有し、前記弁箱を通って軸方向に沿って延び、前記流入口および前記流出口に向かって開口している軸方向に沿って細長い弁箱孔と、
選択的に、前記流路を通って流れる流体の流れを遮断するか前記流路を通って流体が流れることを可能にするための、前記流路の少なくとも一部を形成するとともに前記弁箱内で延びている操作可能な主要弁と、
前記流路を通って流れる流体の流れを選択的に遮断するための、前記主要弁と前記流出口との間において前記流路を少なくとも部分的に延びている手動操作弁と、
前記流出口へ流れる流量が所定の値を上回る場合に前記流出口への流体の流れを自動的に遮断するための、前記主要弁により搭載されているとともに前記流路を延びている過剰流量弁とを有し、
動力駆動アクチュエータが、前記主要弁をその開弁位置と閉弁位置との間で選択的に駆動させるように構成されている、ガス弁組立体。
【請求項10】
前記主要弁が、前記弁箱の前記細長い孔内に延びているとともに、軸方向の弁棒孔を有している直径の大きな部分を具備している、主要弁開弁位置と主要弁閉弁位置との間を軸方向に移動する主要弁棒と、前記直径の大きな部分内に搭載されている環状の弁座と、前記弁箱の前記細長い孔内に延び、軸方向に細長い主要弁本体とを備えており、該主要弁本体が、前記主要弁開弁位置および前記主要弁閉弁位置において前記弁座内に延びている直径の小さな端部と、該直径の小さな端部の軸方向に沿って反対側に存在する軸方向反対側端部と、前記直径の小さな端部および前記軸方向反対側端部に向かって開口している弁本体孔とを備えており、前記弁棒、前記弁座および前記主要弁本体が、前記流路の一部を部分的に形成するように構成されている、請求項9記載のガス弁組立体。
【請求項11】
前記流体流路が、前記主要弁本体内に、前記弁本体孔を前記流出口へ連通させる流路部分を備え、前記過剰流量弁が、過剰流量弁閉弁位置と過剰流量弁開弁位置との間を前記弁本体内で軸方向に移動可能なピストンを備えており、該ピストンが、前記主要弁の前記直径の小さな部分と前記流出口との間に存在する前記流路部分を部分的に形成する前記ピストン内を軸方向に延びているピストン孔と、前記弁本体孔内を延びている弁部材とを備え、前記ピストンおよび前記弁部材が、前記流路内に過剰の流量が存在するとき前記流路を通って流れる流体の流れを遮断するために、相互に当接する協働面を備えてなる、請求項10記載のガス弁組立体。
【請求項12】
前記弁本体孔が、前記過剰流量弁開弁位置に向かって前記弁部材から離れる軸方向に前記ピストンが移動することを制限するための環状の段部を形成するために向かい合って開口している軸方向の孔部分を備えており、前記過剰流量弁が、前記ピストンを前記弁本体孔の前記環状の段部の方向に弾性的に付勢するために前記弁部材と前記ピストンとの間で作用するバネを備え、前記ピストンが、前記ピストンを通って流れる流量が過剰なとき、前記バネの作用に打ち勝って前記ピストンを前記過剰流量弁閉弁位置へ移動させることができるように流体圧力を降下させるためのオリフィスを有している、前記弁部材の隣に位置している端部を備えてなる、請求項10記載のガス弁組立体。
【請求項13】
前記手動シャットオフ弁が、弁棒と、該弁棒により装着される弁座を備えており、前記弁棒が、開弁位置と閉弁位置との間を手動により移動可能であり、この移動により、装着された前記弁座が、前記流路を通って流れる流体の流れを遮断するために、前記ピストンの前記端部に当接するように構成されている、請求項12記載のガス弁組立体。
【請求項14】
前記弁座が円筒状の内周面を備えており、前記流路が、前記弁本体孔を前記弁座に向かって開口させるために前記弁座の前記円筒状の内周面に向かって半径方向に開口している半径方向に環状な溝と前記弁本体孔に向かって開口されている横断孔とを備えている前記弁本体の前記直径の小さな端部によって、部分的に形成されるように構成されている、請求項12記載のガス弁組立体。
【請求項15】
高圧流体を収納している容器のネジ切りされた首部に搭載可能なガス弁組立体であって、
軸方向に沿って貫通して延びているとともに第一の端部および第二の端部を有している軸方向に細長い孔と、前記容器の前記首部に螺合可能であり、前記首部に搭載されたとき、前記細長い孔および前記容器の内部に向かって開口する流入口および流出口を有する部位とを有している弁箱と、
前記細長い孔の前記第一の端部に搭載されている軸方向に延びている主要弁本体と、
前記弁箱に搭載され、該弁箱の前記細長い孔の前記第二の端部内で延び、前記主要弁本体の軸方向に沿って隣に位置し、環状の端部と軸方向の孔とを有し、直径の大きな端部を具備し、主要弁開弁位置と主要弁閉弁位置との間を軸方向に沿って移動する主要弁棒と、
前記直径の大きな端部に搭載され、前記主要弁本体の直径の小さな端部の環状の溝が半径方向に向かって開口されている内周面を有している軸方向の孔を具備している環状の主要弁座と、
前記弁箱に対して流体用のシーリングを施す軸方向中間部分と、
前記直径の小さな端部の軸方向に沿って反対側に存在する第二の端部と、
環状の流体チャンバを形成する前記主要弁閉弁位置においておよび前記チャンバから前記環状の溝へ流れる流体の流れを遮断するために前記主要弁座に当接可能な前記弁棒閉弁位置において、前記主要弁座に向かって開口するとともに前記主要弁座および前記直径の大きな部分から軸方向に沿って離隔されている第一の環状の段部を形成している前記軸方向中間部分と前記直径の小さな部分との間を延びている弁作用部と、
前記環状の溝および前記流出口に向かって開口している軸方向の主要弁本体孔とを備えており、
前記主要弁棒が、前記チャンバから軸方向に沿って反対側に開口している少なくとも一つの環状の段部を備えており、前記弁箱の前記細長い孔が、前記弁棒開弁位置および前記弁棒閉弁位置において、前記流入口、前記少なくとも一つの環状の段部および前記チャンバに向かって開口する環状の間隙を形成するために、前記弁棒の前記円筒状部分を取り囲んでいる孔部分を備えてなる、ガス弁組立体。
【請求項16】
流量が所望量を上回るときに前記主要弁本体孔を通って前記流出口へ流れる流体の流れを遮断するための過剰流量弁が、前記弁本体孔内に搭載されており、前記弁本体孔が、第一の弁本体孔部分と、該第一の弁本体孔部分よりも小さな直径を有し、前記弁本体の前記直径の小さな部分とは反対側の方向に面している第二の環状の段部を形成するために前記第一の弁本体孔部分に向かって開口している第二の弁本体孔部分とを備えており、前記過剰流量弁が、前記第二の弁本体孔部分に、前記第二の環状の段部に当接する過剰流量弁開弁位置と前記第二の段部から軸方向に沿って離隔される開弁位置との間を軸方向に移動するピストンを備えており、前記ピストンが、内部を軸方向に沿って延びているピストン孔を備えており、前記ピストン孔から前記流出口へ流れる流体の流れを遮断する前記過剰流量弁閉弁位置において前記ピストンを当接させるために、環状の弁部材が前記弁本体孔の前記第二の端部内に搭載されるように構成されている、請求項15記載のガス弁組立体。
【請求項17】
前記過剰流量弁が、前記ピストンを前記第二の環状の段部に当接した状態を弾性的に保持するように前記弁部材に作用するバネを備えており、前記ピストンが、前記第二の環状の段部に当接可能な第一の端部と、前記弁部材に当接するための弁座と、前記過剰流量弁閉弁位置において前記弁部材の中へ延びていくことが可能な第二の端部とを備えており、前記ピストンの前記第二の端部が、過剰量の流体の流れが通過するとき、前記バネの作用に抗して前記ピストンを移動させ前記弁部材に当接させることができる十分大きな圧力降下を発生することができるオリフィスを形成するように構成されている、請求項16記載のガス弁組立体。
【請求項18】
前記弁本体孔が、前記過剰流量弁開弁位置において、前記弁本体孔を形成する壁部分と前記ピストンとの間に環状の間隙を形成して前記弁本体孔を前記流出口に向かって少なくとも部分的に開口するために、前記弁本体の前記第二の孔部分よりも大きな直径を有しているとともに前記ピストン孔に向かって開口している第三の孔部分を備えてなる、請求項17記載のガス弁組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−342966(P2006−342966A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155834(P2006−155834)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(503246934)テスコム・コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】