説明

クッション材用表層材および熱プレス用クッション材

【課題】凹凸追従性が優れており、ひびやシワ、クラックの発生を低減させたクッション材用表層材を提供する。
【解決手段】クッション材用表層材11aは、表層材11aの一方面側に配置され、表層材11aの一方面を覆う樹脂層12と、表層材11aの他方面側に配置され、表層材11aの他方面を覆うゴム層13と、樹脂層12およびゴム層13の間に配置され、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸を用いた織布層14とを備える。織布層14は、樹脂層12側に設けられ、織布の一部に樹脂層12を構成する樹脂を含浸させて形成される織布−樹脂複合層17と、ゴム層13側に設けられ、織布の一部にゴム層13を構成するゴムを含浸させて形成される織布−ゴム複合層18とを含む。織布層14の内部には、空隙20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱プレスに用いられるクッション材用表層材および熱プレス用クッション材に関するものであり、特に、銅張積層板、フレキシブルプリント基板、多層板等のプリント基板や、ICカード、液晶表示板、セラミックス積層板などの精密機器部品(以下、この発明において、「積層板」という)を製造する工程で、対象製品をプレス成形や熱圧着する際に使用される熱プレス用クッション材およびクッション材用表層材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層板の製造工程においては、まず、材料となる積層板素材を重ね合わせて被圧縮体を作る。そして、これを熱盤の間に投入した後、熱プレス、すなわち、プレスによる加熱加圧を行い、積層板素材に含まれる熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を、流動状態を経て硬化させ、一体化させる。
【0003】
この加熱加圧を行う工程において、熱盤や投入部材である被圧縮体に厚みムラ、熱による歪み、温度ムラ等があると、後に製品となる被圧縮体に均一な温度、圧力が加えられない。その結果、製品に板厚不良、クラック、反り等の欠陥が発生する。そこで、製品の板厚不良等を解消するため、プレス成形の際に熱プレス用クッション材(以下、単に「クッション材」ということもある。)が用いられる。
【0004】
ここで、クッション材については、上記した製品の板厚不良等を解消するための良好なクッション性に加え、耐熱性や、接触する熱盤に対しての良好な剥離性等が求められる。そして、昨今のクッション材においては、剥離性等の向上の観点から、クッション性を有するクッション材本体に加え、その表面にクッション材用表層材(以下、単に「表層材」ということもある。)が用いられることがある。
【0005】
このような表層材を有し、熱プレスに用いられる熱プレス用クッション材に関する技術が、特開2004−344962号公報(特許文献1)および特許第3221978号(特許文献2)に開示されている。
【0006】
特許文献1に開示の熱プレス用シートは、クッション材用表層材であって、シート状の基材と、基材上に形成された離型性塗膜とを備えることとしている。そして、塗膜は、樹脂組成物100質量%中に、有機粉末5〜55質量%および無機粉末5〜55質量%が合計で30〜60質量%混入された樹脂組成物からなることとしている。こうすることにより、表層材において、表面の離型性塗膜にひけや凹みが発生するのを防止することとしている。
【0007】
特許文献2においては、耐熱性を向上させる観点から、耐熱性材料からなるシート状の基材の両面に未加硫のフッ素ゴムを塗布し、さらにその上から片面に耐熱性塗料を塗布してなる熱プレス成形用クッション材の耐熱性感熱接着シート、すなわち、クッション材用の表層材を開示している。
【0008】
また、アラミドクロスを用いた部材を表層材に備えた熱プレス用クッション材もある。すなわち、クッション性を有するシート状の部材の表層に、アラミドクロスが配置された構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−344962号公報
【特許文献2】特許第3221978号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1および特許文献2に示すクッション材用表層材においては、表層材自体の表面が、比較的硬かった。そうすると、プレス時において、クッション材と被圧縮体または熱盤との間に、コンタミネーション、いわゆる異物を噛み込んだ際に、表層材を有するクッション材が異物の影響による微小な凹凸を吸収することができなかった。すなわち、クッション材の表面における凹凸追従性が不十分であった。そうすると、クッション材と被圧縮体または熱盤との間に異物が噛み込んだ際に、熱プレスによって製造される製品に凹凸が反映されることとなり、製品の不具合を発生させるおそれがあった。このような観点から、クッション材については、異物による微小な凹凸による影響を吸収する高い凹凸追従性が要求される。特に、昨今のクッション材に対しては、薄肉化の要求を兼ね備えながら、高い凹凸追従性を有するクッション材が求められる。
【0011】
また、特許文献1および特許文献2に示す表層材を有するクッション材においては、クッション材の柔軟性が比較的低かった。そうすると、例えば、クッション材の取り扱い時において、クッション材にひびやシワ、クラックが生じるおそれもあった。具体的には、一般的な積層板の製造に用いられる熱プレスで使用されるクッション材は、数m×数mのサイズである。このようなクッション材について、端部を局所的に持ち上げた場合、その自重によってクッション材が垂れ下がって、クッション材の一部にひびが入ったり、シワやクラックが生じるおそれがあった。このような観点から、高い柔軟性を有し、持ち運びや取り扱いが容易なクッション材が求められている。
【0012】
また、上記したアラミドクロスを表層材としたクッション材の場合には、繰り返しの使用により、その表面に毛羽が発生していた。この毛羽は、コンタミネーションの基となるため、毛羽の発生自体の低減が要求される。特に、昨今は、ポリイミド樹脂等の材料が積層板の材料として用いられており、比較的高温での熱プレス、具体的には、例えば、200℃以上での熱プレスが行なわれる。このような高温での熱プレスにおいては、アラミドクロスの繊維の劣化が特に顕著であり、毛羽の発生が多発することになる。さらに、アラミドクロスを表層材として用いた場合、使用後の劣化によりその表面が硬くなり、上記した凹凸追従性が悪化してしまうことになる。
【0013】
この発明の目的は、凹凸追従性が優れており、ひびやシワ、クラックの発生を低減させたクッション材用表層材を提供することである。
【0014】
この発明の他の目的は、凹凸追従性が優れており、ひびやシワ、クラックの発生を低減させた熱プレス用クッション材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明者は、クッション材の内部層であるクッション材本体にクッション性を具備させるのみならず、クッション材の表層に配置されるクッション材用表層材自体についても、クッション性を具備させればよいことに着目した。もちろん、クッション材用表層材に対しては、上記した観点から、毛羽の発生の低減や剥離性、内部層であるクッション材本体への接着性も良好にする必要がある。
【0016】
この発明に係るクッション材用表層材は、熱プレス用クッション材の表層に配置されるシート状のクッション材用表層材であって、表層材の一方面側に配置され、表層材の一方面を覆う樹脂層と、表層材の他方面側に配置され、表層材の他方面を覆うゴム層と、樹脂層およびゴム層の間に配置され、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸を用いた織布層とを備える。そして、織布層は、樹脂層側に設けられ、織布の一部に樹脂層を構成する樹脂を含浸させて形成される織布−樹脂複合層と、ゴム層側に設けられ、織布の一部にゴム層を構成するゴムを含浸させて形成される織布−ゴム複合層とを含む。そして、織布層の内部には、空隙が設けられている。
【0017】
本願発明に係る表層材は、織布層として、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸(Texturized yarn)を用いている。このような嵩高糸は、ガラス糸を構成する短繊維同士が平行状態ではなく、絡み合い、乱れた状態で引きそろえられた占有面積の大きな糸である。言い換えれば、嵩高糸は毛糸のようなふくらみを持つので、嵩高糸を用いた織布は、通常の織布とは異なり、内部に多くの空隙を含んでいる。
【0018】
そして、織布−樹脂複合層では、織布に含浸された樹脂が嵩高糸の持つ空隙および織り目の空隙に適度に入り込み、しかも空隙を完全には塞がずにある程度の空隙性を維持させるものである。織布−ゴム複合層でも同様に、織布に含浸されたゴムが嵩高糸の持つ空隙および織り目の空隙に適度に入り込み、しかも空隙を完全には塞がずにある程度の空隙性を維持させている。このような空隙は、周囲のほとんどが樹脂やゴムに覆われているため、押しつぶされるような圧力が加えられたとしても、除圧時に、元の形状に戻ろうとする復元力が強いものである。
【0019】
すなわち、このようなクッション材用表層材は、一方面側に配置される樹脂層と他方面側に配置されるゴム層との間に設けられる織布層の内部に空隙を有するため、凹凸追従性を優れたものとすることができると共に、柔軟性を高くすることができる。そうすると、クッション材と被圧縮体または熱盤との間に微小な異物が噛み込んだ場合でも、異物による凹凸の影響を吸収することができる。したがって、製品に対する凹凸の影響を少なくすることができる。また、柔軟性が高いため、ひびやシワ、クラックの発生を低減することができる。また、このようなクッション材用表層材は、一方面側が樹脂層から構成されているため、毛羽の発生を低減することができると共に、熱盤等に対する剥離性を向上させることができる。また、他方面側がゴム層から構成されているため、クッション材本体に対する表層材の接着性を高めることができる。
【0020】
織布層については、織布を構成する経糸および緯糸のうちのいずれか一方に嵩高糸を用いることとしたが、もちろん両方に嵩高糸を用いてもよい。経糸および緯糸のうちのいずれか一方が嵩高糸である場合、他方は、通常の単糸または合撚糸で構成することができる。なお、嵩高糸の種類としては、バルキーヤーン(bulked yarn)、ステープルヤーン(staple yarn)、スライバヤーン(sliver yarn)等を挙げることができる。バルキーヤーンは、エアージェットなどで嵩高に加工した糸である。ステープルヤーンは、綿状のガラス短繊維を紡績して糸状にしたものである。スライバヤーンは、撚りのない嵩高の短繊維(スライバ:sliver)に撚りをかけて作る糸である。
【0021】
また、基材としての織布に対する織布層の空隙残存率は、70%以上である。織布層について、このような空隙残存率とすることにより、より確実に凹凸追従性および高い柔軟性を確保することができる。
【0022】
ここで、空隙残存率について説明する。まず、基材としての織布、すなわち、樹脂およびゴムを含浸していない状態での織布の空隙率を算出する。空隙率は、まず、織布の厚みに面積を乗じたものを織布全体の体積とし、目付け量および嵩高糸の比重から嵩高糸の体積を算出し、織布全体の体積から嵩高糸の体積を差し引いたものを空隙の体積とした。そして、織布全体の体積に対する空隙の体積の比率を、空隙率として算出した。空隙残存率については、まず、樹脂およびゴムを含浸した織布における空隙率を、さらにゴムおよび樹脂の比重を用いて算出する。そして、樹脂およびゴムを含浸していない織布の空隙率に対しての樹脂およびゴムを含浸した織布における空隙率の比率を、空隙残存率とした。すなわち、空隙残存率は、樹脂およびゴムを含浸していない状態における織布の空隙に対して、樹脂およびゴムを含浸した織布における空隙がどれくらい残存しているかを示すものである。
【0023】
樹脂としては、上記した熱プレスによる熱への耐性を有する耐熱性樹脂であることが好ましい。具体的には、一例として、耐熱性樹脂の融点およびガラス転移点のうちの少なくともいずれか一方は、200℃以上である樹脂を用いるのが良い。熱プレスについては、昨今、高温での処理が要求される。例えば、製造される製品の耐熱性を高めるために、製品を構成する樹脂についても、耐熱性を有する樹脂が使用される。そこで、クッション材用表層材についても、200℃の温度に耐え得るような樹脂が要求される。すなわち、融点およびガラス転移点のうちの少なくともいずれか一方が200℃以上であれば、製品が耐熱性樹脂から構成されており、高温、例えば、200℃程度の温度で熱プレスが行なわれても、クッション材用表層材として使用に耐え得る。もちろん、融点およびガラス転移点の双方が、200℃以上であってもよい。
【0024】
樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、フラン樹脂、ユリア油脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される1種の樹脂または2種以上の樹脂の混合物であることが好ましい。特に耐熱性等が良好なフッ素樹脂が最も好ましい。
【0025】
また、樹脂には、導電性を有する無機粉末が含有されていることが好ましい。こうすることにより、比較的帯電し易い樹脂の帯電を抑制することができる。無機粉末としては、カーボン粉末、アルミニウム粉末、酸化チタン粉末、酸化亜鉛粉末、酸化鉄粉末からなる群から選択される1種の粉末または2種以上の粉末の混合物であることが好ましい。なお、無機粉末の平均粒子径については、0.1μm〜10.0μm程度が良い。
【0026】
好ましくは、織布は、バルキーヤーンを用いたガラス繊維である。ガラス繊維のバルキーヤーンを用いた織布としては、例えば、ユニチカ株式会社製のA305、A330、A400、A415、A450、A500、T330、T540、T790、T860、T900や、日東紡績株式会社製のKS4010、KS4155、KS4325等が市販されている。また、織布として、アラミド繊維を用いることもできる。
【0027】
織布については、1重織りまたは多重織りされたものであってもよい。織布の織り方としては、平織り、綾織、その他の織りがあるが、特定の織り方に限定されない。糸の番手、織密度、織り方等を適宜選択して、織布の目付け精度や空隙率を調整することができる。
【0028】
ゴムは、フッ素ゴム、EPM、EPDM、水素化ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムおよびブチルゴムからなる群から選択される1種のゴムまたは2種以上のゴムの混合物であることが好ましい。これらのゴムはいずれも、耐熱性に優れているため、熱プレス用として良好である。特に、フッ素ゴムについては、耐熱性、および強度等の物性が優れているとの観点から、最も好ましい。
【0029】
この発明の他の局面においては、熱プレス用クッション材は、熱プレスに用いられる熱プレス用クッション材であって、熱プレス用クッション材は、その表層に配置されるシート状のクッション材用表層材を含む。クッション材用表層材は、表層材の一方面側に配置され、表層材の一方面を覆う樹脂層と、表層材の他方面側に配置され、表層材の他方面を覆うゴム層と、樹脂層およびゴム層の間に配置され、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸を用いた織布層とを備える。そして、織布層は、樹脂層側に設けられ、織布の一部に樹脂層を構成する樹脂を含浸させて形成される織布−樹脂複合層と、ゴム層側に設けられ、織布の一部にゴム層を構成するゴムを含浸させて形成される織布−ゴム複合層とを含む。そして、織布層の内部には、空隙が設けられている。
【0030】
このような熱プレス用クッション材は、凹凸追従性が優れており、ひびやシワ、クラックの発生を低減することができる。したがって、良好な製品を効率的に製造することができると共に、取扱いが良好で、耐久性を向上することができる。
【発明の効果】
【0031】
この発明に係るクッション材用表層材によれば、一方面側に配置される樹脂層と他方面側に配置されるゴム層との間に設けられる織布層の内部に空隙を有するため、凹凸追従性を優れたものとすることができると共に、柔軟性を高くすることができる。そうすると、クッション材と被圧縮体または熱盤との間に微小な異物が噛み込んだ場合でも、異物による凹凸の影響を吸収することができる。したがって、製品に対する凹凸の影響を少なくすることができる。また、柔軟性が高いため、ひびやシワ、クラックの発生を低減することができる。
【0032】
また、この発明に係る熱プレス用クッション材は、良好な製品を効率的に製造することができると共に、取扱いが良好で、耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材を厚み方向に切断した場合の模式図である。
【図2】この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材の断面写真であり、約60倍に拡大した場合を示す。
【図3】この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材の断面写真であり、約32倍に拡大した場合を示す。
【図4】この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材を厚み方向に切断して分解した場合の概略断面図である。
【図5】通気度を試験するフラジール形試験機の概略図である。
【図6】この発明の他の実施形態に係るクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材を厚み方向に切断して分解した場合の概略断面図である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態に係るクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材を厚み方向に切断して分解した場合の概略断面図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態に係るクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材を厚み方向に切断して分解した場合の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材を厚み方向に切断した場合の模式図である。図2は、この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材の断面写真であり、約60倍に拡大した場合を示す。図3は、この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材の断面写真であり、約32倍に拡大した場合を示す。なお、図1は、図2および図3を参考にして、この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材を模式的に表したものである。
【0035】
図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材11aは、後述する熱プレス用クッション材本体の表層、具体的には、熱プレス用クッション材本体の表面側および裏面側に配置されるものである。クッション材用表層材11aは、シート状である。表層材11aは、一方面側に配置され、表層材11aの一方面を覆う樹脂層12と、表層材11aの他方面側に配置され、表層材11aの他方面を覆うゴム層13とを備える。そして、樹脂層12とゴム層13との間には、織布層14が備えられている。すなわち、表層材11aの厚み方向において、樹脂層12とゴム層13との間に挟み込まれるようにして、織布層14が配置されている。樹脂層12の表面15aおよびゴム層13の表面15bは、比較的平滑な面である。織布層14、具体的には、織布層14を構成する嵩高糸16は、表面15a、15bからほとんど露出していない構成である。
【0036】
織布層14は、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸16を用いた織布が適用される。嵩高糸16としては、例えば、バルキーヤーンを用いたガラス繊維またはアラミド繊維が用いられる。
【0037】
なお、樹脂層12内には、図示はしないが、導電性を有する無機粉末が含有されている。これにより、比較的帯電し易い樹脂の帯電を抑制することができる。
【0038】
ここで、織布層14については、樹脂層12側に設けられ、織布の一部に樹脂層12を構成する樹脂を含浸させて形成される織布−樹脂複合層17と、ゴム層13側に設けられ、織布の一部にゴム層13を構成するゴムを含浸させて形成される織布−ゴム複合層18とを含む構成である。織布−樹脂複合層17と織布−ゴム複合層18とは、対向する面19a、19bがほとんどの領域で接触している構成である。
【0039】
すなわち、表層材11aは、図1中において、紙面上側から、樹脂層12、織布−樹脂複合層17、織布−ゴム複合層18、ゴム層13の順に配置される構成である。樹脂層12と織布−樹脂複合層17とは、ほとんどの領域で連続して連なる構成であり、ゴム層13と織布−ゴム複合層18とも、ほとんどの領域で連続して連なる構成である。一方、織布−樹脂複合層17と織布−ゴム複合層18とは、ほとんどの領域で必ずしも連なっておらず、所々で織布−樹脂複合層17と織布−ゴム複合層18との間に、織布および織布間に位置する空隙のみから構成される部分も存在する。なお、図1においては、織布−樹脂複合層17および織布−ゴム複合層18の厚みがほぼ同程度であり、樹脂層12およびゴム層13の厚みが比較的薄く図示されているが、用途等に応じて、各層の厚みは任意に変更される。
【0040】
ここで、織布層14の内部には、空隙20が設けられている。ここでは、図1に示すように、織布−樹脂複合層17の内部、および織布−ゴム複合層18の内部にそれぞれ、空隙20が設けられている。このような空隙20のほとんどは、基材としての織布層14を構成する嵩高糸16自身が元々有する空隙が残存したものである。この空隙については、そのほとんどの部分が樹脂やゴムに覆われたものである。したがって、押しつぶされるような圧力が加えられたとしても、除圧時に、元の形状に戻ろうとする復元力が強いものである。
【0041】
次に、このような表層材11aの製造方法について、簡単に説明する。まず、上記した構成のシート状の織布を準備する。そして、シート状の織布の一方側の面に樹脂を含浸させる。この場合、織布に含浸させやすいように樹脂を溶剤に溶かしたり、ワニス状にしたものを用いるとよい。さらに、予め樹脂に含有させる導電性を有する無機粉末を加えておいてもよい。含浸に際しては、織布の一方側の面に樹脂層が形成され、他方側の面まで樹脂が染み渡らないようにして含浸させる。すなわち、一方面側は、樹脂層が露出し、他方面側は、織布を構成する嵩高糸が露出するように含浸させる。このようにして、まず、樹脂層および織布−樹脂複合層を形成する。その後、焼成を行い、溶剤を揮発させ、樹脂層および織布−樹脂複合層を固める。
【0042】
次に、他方面側からゴムを含浸させる。この場合、織布の他方面にゴム層が形成され、織布の厚み方向に亘って含浸させるようにする。具体的には、例えば、粘度の低い未加硫のフッ素ゴムを、他方面側から塗布するようにして含浸させる。その後、所定の時間乾燥させる。
【0043】
このようにして、この発明に係る表層材を製造する。この場合、含浸度合い、具体的には、例えば、ワニス状にした樹脂の粘度や含浸時間、含浸温度、未加硫フッ素ゴムの塗布状態、また、織布における嵩高糸の織り状態等を考慮して、織布層の内部に残存させる空隙の度合い、すなわち、残存空隙率を調整する。
【0044】
このような表層材は、上記したように、表層材自体、具体的には、表層材の内部に配置される織布層の内部に空隙が設けられているため、表層材自体が凹凸追従性を有し、かつ、柔軟性が高いものとなる。また、一方面側が樹脂層から構成されているため、剥離性等が良好である。また、他方面側がゴム層から構成されているため、接着性が良好である。
【0045】
次に、上記した図1等に示すクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材の構成について説明する。図4は、この発明の一実施形態に係るクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材を厚み方向に切断して分解した場合の概略断面図である。
【0046】
図4を参照して、熱プレス用クッション材21は、上記した構成の2枚の表層材11a、11bと、4枚のクッション材本体22a、22b、22c、22dとを備える構成である。
【0047】
熱プレス用クッション材21は、表面となる一方面側および裏面となる他方面側に2枚のクッション材用表層材11a、11bが配置される構成である。表面側に配置される第一の表層材11aについては、樹脂層が外方面、すなわち、図4中の紙面上側となるように設けられる。一方、裏面側に配置される第二の表層材11bについては、樹脂層が外方面、すなわち、図4中の紙面下側となるように設けられる。第一の表層材11aは、ゴム層の表面とクッション材本体22aの表面とを接着するようにして取り付けられる。また、第二の表層材11bは、ゴム層の表面とクッション材本体22dの表面とを接着するようにして取り付けられる。具体的には、未加硫のフッ素ゴム層とクッション材本体とを接触させ、圧力と熱を加えて未加硫フッ素ゴムを加硫すると同時に全体を接着一体化させるようにする。各クッション材本体22a〜22dは、それぞれの厚み方向の間に接着材23a、23b、23cを介在するようにして接着される。このようにして、熱プレス用クッション材21が構成されている。
【0048】
このような熱プレス用クッション材21は、第一および第二の表層材11a、11b、具体的には、第一および第二の表層材11a、11b中の樹脂層により、熱盤や被圧縮体に対する剥離性が良好である。したがって、熱プレス時において、熱盤および被圧縮体の間に挟まれた場合でも、熱盤および被圧縮体への引っ付きを低減することができる。また、このような熱プレス用クッション材21は、第一および第二の表層材11a、11b、具体的には、第一および第二の表層材11a、11b中のゴム層により、クッション材本体22a、22bとの接着性が良好である。
【0049】
また、このような熱プレス用クッション材21は、第一および第二の表層材11a、11bにより、凹凸追従性が良好であり、かつ、柔軟性が良好であるため、良好な製品を効率的に製造することができると共に、取扱いが良好で、耐久性の向上を図ることができる。
【実施例】
【0050】
織布として、バルキーヤーンを用いたガラス織布「A515」(ユニチカ株式会社製)を用いた。ガラス繊維の比重は、2.54(g/m)であり、目付け量は、515(g/m)である。そして、準備したガラス織布に対し、ガラス織布の片面側にワニス状にしたフッ素樹脂を塗布し、焼成を行った。フッ素樹脂の比重は、1.71(g/m)である。ここで、フッ素樹脂中には、導電性無機酸化物「23K」(ハクスイテック(株)製)を所定量含有させた。焼成後、その裏面に未加硫のフッ素ゴムを塗布し、乾燥させた。フッ素ゴムの比重は、1.96(g/m)である。このようにして、上記した構成の表層材を得た。
【0051】
クッション材本体としては、以下のように製造した。まず、バルキーヤーンを用いたガラス織布「T860」(ユニチカ株式会社製)を準備し、未加硫フッ素ゴム溶液に含浸させた。そして、これを十分に乾燥させて溶剤を除去した。その後、230℃で5時間、ベーキング処理し、クッション材本体を得た。なお、クッション材本体の構成および製造方法の詳細については、特開2008−132656号公報を参照するとよい。
【0052】
このようにして得られたクッション材本体を、2枚の表層材で挟み込み、この発明に係る熱プレス用クッション材を製造した。得られた熱プレス用クッション材の特性を、実施例1として評価した。
【0053】
なお、比較例1として、特許文献1に記載の表層材を用いた。具体的な比較例1の構成として、表層材としての熱プレス用シートは、目付け量200(g/m)のガラスクロス「H201」(ユニチカ株式会社製)の片面に塗布量30(g/m)の離型性塗膜を形成し、その裏面にフッ素ゴムを塗布してなるものである。離型性塗膜の比重としては、1.09(g/m)である。フッ素ゴムの比重は、2.22(g/m)である。
【0054】
比較例2として、アラミドクロスのみからなる表層材を用いた。アラミドクロスの比重は、1.37(g/m)であり、目付け量200(g/m)である。
【0055】
比較例3として、未処理のバルキークロス、すなわち、樹脂層やゴム層が形成されていない実施例1のガラス織布「A515」を表層材として用いた。
【0056】
比較例4として、特許文献2に記載の表層材を用いた。具体的な比較例4の構成として、表層材としての接着シートは、目付け量200(g/m)のガラスクロス「H201」(ユニチカ株式会社製)からなる基材の両面に未加硫のフッ素ゴムを塗布し、さらにその上からポリイミド樹脂系の耐熱塗料を塗布してなる構成である。樹脂の比重は、2.19(g/m)である。また、フッ素ゴムは、比較例1と同じものを使用している。
【0057】
なお、比較例1〜比較例4のクッション材本体は、実施例1におけるクッション材本体と同じである。すなわち、実施例1、比較例1〜比較例4におけるクッション材は、表層材のみが異なる構成である。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
表1および表2中のプレスの条件については、温度230℃で加圧力4MPaの荷重を加えたものである。プレスのサイクルとしては、加熱60分、冷却15分とした。なお、プレス10回後とは、プレスを10回行った後の状態で測定したものである。また、表1中、「−」は、測定していないことを示し、通気度の「0」は、全く通気していない状態、すなわち、気密性が最も良好であることを示す。表2中、○印は、「良好」な状態を示し、△印は、「やや問題有り」という状態を示し、×印は、「問題有り」という状態を示す。また、表1中の樹脂付着量とは、樹脂を織布に含浸させた際に樹脂が織布に付着した量であり、樹脂層および織布−樹脂複合層にある樹脂の量である。ゴム付着量とは、ゴムを織布に含浸させた際にゴムが織布に付着した量であり、ゴム層および織布−ゴム複合層にあるゴムの量である。
【0061】
ここで、通気度を算出する通気性試験の試験方法については、JIS R3420(2006年)に準拠した方法であり、以下、簡単に説明する。通気性試験については、図5に示すフラジール形試験機31を用いる。フラジール形試験機31は、垂直形油気圧計32と、傾斜形油気圧計33と、2つの貯油槽34a、34bと、試験片Sを押さえるクランプ35と、円筒の仕切壁36と、空気孔37と、空気そらせ板38と、空気放出口39と、吸込ファン40とを備える。
【0062】
操作方法については、以下の通りである。円筒の一端に試験片Sを置き、クランプ35で押さえて、取り付ける。加減抵抗器によって傾斜形油気圧計33が124.5Paの圧力を示すように空気を吸い込み、吸込ファン40を調整する。そのときの垂直形油気圧計32の示す圧力と、使用した空気孔37の種類とから、試験機に附属の表によって、試験片Sを通過する空気量cm×cm−2×s−1(cm/cmsec(秒))を求める。
【0063】
通気度、いわゆる、気密性に関しては、熱プレス用クッション材の取扱い時における吸引搬送のし易さ等の観点から、その値が低い方が良い。
【0064】
表1を参照して、実施例1の空隙残存率は、初期において85.2%、プレス10回後において70.5%であり、プレス10回後においても、70%以上である。これに対し、比較例1の空隙残存率は、初期において68.4%、プレス10回後において46.9%、比較例4の空隙残存率は、初期において68.3%、プレス10回後において51.3%であり、いずれの場合も70%を切っている。通気度については、実施例1は、初期において0.2(cm/cmsec)、プレス10回後において0であり、気密性が非常に高いものである。比較例1および比較例4についても、気密性は良好であるが、比較例2および比較例3については、初期においてそれぞれ14.9(cm/cmsec)、19.5(cm/cmsec)、プレス10回後においてもそれぞれ、1.0(cm/cmsec)、2.0(cm/cmsec)であり、気密性について問題のあるレベルである。
【0065】
表2を参照して、実施例1に係る熱プレス用クッション材は、初期およびプレス10回後においても、凹凸追従性、曲げシワ、毛羽発生、剥離性の点において、全て良好であった。これに対し、比較例1および比較例4は、初期およびプレス10回後のいずれにおいても、凹凸追従性および曲げシワについて、問題があった。剥離性についても、不十分であった。比較例2は、初期における剥離性に問題があり、毛羽発生について不十分であった。プレス10回後においては、曲げシワ以外の項目で、問題があった。比較例3は、初期において、毛羽発生について問題があった。プレス10回後においては、凹凸追従性および毛羽発生について問題があった。
【0066】
以上より、実施例1については、凹凸追従性、曲げシワ、毛羽発生、剥離性の点において、全て良好であり、さらに、気密性が良好である。一方、比較例1〜比較例4においては、上記した項目の少なくとも一つに問題のあるレベルである。
【0067】
なお、上記の実施の形態において、熱プレス用クッション材は、2枚の表層材と、4枚のクッション材本体とを備えることとしたが、このような形態に限らず、例えば、以下のような構成のものであってもよい。
【0068】
図6は、この発明の他の実施形態に係るクッション材用表層材を含む熱プレス用クッション材を厚み方向に切断して分解した場合の概略断面図である。図6を参照して、熱プレス用クッション材41は、2枚の表層材42a、42bと、1枚のクッション材本体43とを備える。2枚の表層材42a、42bについては、クッション材本体43の表裏に取り付けられるようにして配置される。この場合も上記した図4に示すクッション材と同様に、表層材42a、42bのそれぞれのゴム層が、クッション材本体43の両面に接着するようにして取り付けられる。このような構成であってもよい。
【0069】
また、図7に示すように、クッション材46は、2枚の表層材47a、47bと、複数枚のクッション材本体48とを備える構成であってもよい。すなわち、複数枚のクッション材本体48をそれぞれ、接着材49で接着し、クッション材46の最外面となる表面側および裏面側に、2枚の表層材47a、47bを配置させる。このような構成であってもよい。
【0070】
さらに、図8に示すように、クッション材51は、2枚の表層材52a、52bと、2枚のクッション材本体53a、53bに加え、シート状のフッ素ゴム54を配置させるようにしてもよい。この場合、フッ素ゴム54とクッション材本体53a、53bとの間を接着材55a、55bにより接着するようにする。このような構成であってもよい。
【0071】
なお、上記の実施の形態においては、樹脂として耐熱性樹脂を用いることとしたが、これに限らず、プレス時に高温の熱が加えられない場合には、耐熱性を有しない樹脂を用いることもできる。また、この場合、ゴムについても、耐熱性を有しないゴムを適用することとしてもよい。
【0072】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明に係るクッション材用表層材および熱プレス用クッション材は、積層板の良好な生産性等が要求される場合に、有効に利用される。
【符号の説明】
【0074】
11a,11b,42a,42b,47a,47b,52a,52b 表層材、12 樹脂層、13 ゴム層、14 織布層、15a,15b 表面、17 織布−樹脂複合層、18 織布−ゴム複合層、19a,19b 面、20 空隙、21,41,46,51 クッション材、22a,22b,22c,22d,43,48,53a,53b クッション材本体、23a,23b,23c,49,55a,55b 接着材、31 フラジール形試験機、32 垂直形油気圧計、33 傾斜形油気圧計、34a,34b 貯油槽、35 クランプ、36 仕切壁、37 空気孔、38 空気そらせ板、39 空気放出口、40 吸込ファン、54 フッ素ゴム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱プレス用クッション材の表層に配置されるシート状のクッション材用表層材であって、
前記表層材の一方面側に配置され、前記表層材の一方面を覆う樹脂層と、
前記表層材の他方面側に配置され、前記表層材の他方面を覆うゴム層と、
前記樹脂層および前記ゴム層の間に配置され、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸を用いた織布層とを備え、
前記織布層は、前記樹脂層側に設けられ、前記織布の一部に前記樹脂層を構成する樹脂を含浸させて形成される織布−樹脂複合層と、
前記ゴム層側に設けられ、前記織布の一部に前記ゴム層を構成するゴムを含浸させて形成される織布−ゴム複合層とを含み、
前記織布層の内部には、空隙が設けられている、クッション材用表層材。
【請求項2】
基材としての織布に対する前記織布層の空隙残存率は、70%以上である、請求項1に記載のクッション材用表層材。
【請求項3】
前記樹脂は、耐熱性樹脂である、請求項1または2に記載のクッション材用表層材。
【請求項4】
前記耐熱性樹脂の融点およびガラス転移点のうちの少なくともいずれか一方は、200℃以上である、請求項3に記載のクッション材用表層材。
【請求項5】
前記樹脂は、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、フラン樹脂、ユリア油脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される1種の樹脂または2種以上の樹脂の混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載のクッション材用表層材。
【請求項6】
前記樹脂には、導電性を有する無機粉末が含有されている、請求項1〜5のいずれかに記載のクッション材用表層材。
【請求項7】
前記無機粉末は、カーボン粉末、アルミニウム粉末、酸化チタン粉末、酸化亜鉛粉末、酸化鉄粉末からなる群から選択される1種の粉末または2種以上の粉末の混合物である、請求項6に記載のクッション材用表層材。
【請求項8】
前記織布は、バルキーヤーンを用いたガラス繊維またはアラミド繊維である、請求項1〜7のいずれかに記載のクッション材用表層材。
【請求項9】
前記織布は、1重織りまたは多重織りされたものである、請求項1〜8のいずれかに記載のクッション材用表層材。
【請求項10】
前記ゴムは、フッ素ゴム、EPM、EPDM、水素化ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムおよびブチルゴムからなる群から選択される1種のゴムまたは2種以上のゴムの混合物である、請求項1〜9のいずれかに記載のクッション材用表層材。
【請求項11】
熱プレスに用いられる熱プレス用クッション材であって、
前記熱プレス用クッション材は、その表層に配置されるシート状のクッション材用表層材を含み、
前記クッション材用表層材は、前記表層材の一方面側に配置され、前記表層材の一方面を覆う樹脂層と、前記表層材の他方面側に配置され、前記表層材の他方面を覆うゴム層と、前記樹脂層および前記ゴム層の間に配置され、経糸および緯糸のうちの少なくともいずれか一方に嵩高糸を用いた織布層とを備え、
前記織布層は、前記樹脂層側に設けられ、前記織布の一部に前記樹脂層を構成する樹脂を含浸させて形成される織布−樹脂複合層と、
前記ゴム層側に設けられ、前記織布の一部に前記ゴム層を構成するゴムを含浸させて形成される織布−ゴム複合層とを含み、
前記織布層の内部には、空隙が設けられている、熱プレス用クッション材。


【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−116034(P2011−116034A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275580(P2009−275580)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000114710)ヤマウチ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】