説明

クリップ構造及び車両用内装部材保持構造

【課題】簡単な構造で、構成部品が取付体又は被取付体から脱落されることを抑制することができるクリップ構造を得る。また、簡単な構造で、構成部品が外装部材又は内装部材から脱落されることを抑制することができる車両用内臓部材保持構造を得る。
【解決手段】クリップアセンブリ11は、ブラケット25に取り付けられたクリップ34とクリップ34に結合された可脱部としてのジョイント36とを有する第1ジョイントと、ジョイント36に結合されて該ジョイント36との間にルーフヘッドライニング14を挟み込んだ第2クリップとしてのピン38とを備える。クリップ34とジョイント36との結合が解除される保持荷重F5は、ジョイント36とピン38との結合が解除される保持荷重F6に対し十分に小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付体に被取付体を離脱可能に取り付けるためのクリップ構造、及び外装部材に内装部材を取り外し可能に取り付けるための車両用内装部材保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
被取付部材をボデーに対して装着するためのクリップであって、被取付部材のリブに取り付けられると共にボデーパネルの取付孔に挿入、固定されるクリップ本体を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、クリップ本体からリブが離脱されることで、クリップ本体がボデーパネルの取付孔に挿入されたままの状態で、被取付部材をボデーから取り外すことが可能とされている。
【特許文献1】特開平11−30214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の技術では、被取付部材にリブを設ける必要があり、このための制約が多い問題があった。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、簡単な構造で、構成部品が取付体又は被取付体から脱落されることを抑制することができるクリップ構造を得ること、また、簡単な構造で、構成部品が外装部材又は内装部材から脱落されることを抑制することができる車両用内装部材保持構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明に係るクリップ構造は、取付体に取り付けられ、少なくとも一部分が前記取付体から離脱可能な可脱部とされた第1クリップと、前記第1クリップの可脱部との間に被取付部材を挟み込みつつ該可脱部に結合される第2クリップと、を備え、前記可脱部と第2クリップとの結合を解除するのに要する荷重は、該可脱部が前記取付体から離脱されるのに要する所定の荷重よりも大きく設定されている。
【0006】
請求項1記載のクリップ構造では、第2クリップとの間に被取付体を挟み込んだ第1クリップが取付体に取り付けられることで、被取付体が取付体に保持される。この保持状態で、被取付体に取付体からの離脱方向に所定の荷重以上の荷重が作用すると、第1クリップの一部分又は全体である可脱部と第2クリップとの結合が解除(離脱、破壊)される前に、該可脱部がクリップ部材の残余の部分又は取付体から離脱される。これにより、被取付体は、第2クリップと可脱部とに挟み込まれたまま、取付体から取り外される。
【0007】
すなわち、可脱部が第1クリップの全体である構成では、該第1クリップと第2クリップとは、被取付体を挟み込んだ状態が維持され、該被取付体から脱落することが抑制される。また、可脱部が第1クリップの一部分である構成では、該可脱部と第2クリップとは、被取付体を挟み込んだ状態が維持され、該被取付体から脱落することが抑制され、かつ第1クリップの残余の部分は、取付体に保持された状態で維持される。
【0008】
このように、請求項1記載のクリップ構造では、簡単な構造で、構成部品が取付体又は被取付体から脱落されることを抑制することができる。
【0009】
請求項2記載の発明に係るクリップ構造は、請求項1記載のクリップ構造において、前記第1クリップは、前記取付体に結合されると共に該結合を解除するのに要する荷重が前記所定の荷重よりも大きく設定された第1クリップ本体と、該第1クリップ本体に結合されると共に前記所定の荷重で結合が解除される前記可脱部とを有して構成されている。
【0010】
請求項2記載のクリップ構造では、第1クリップ本体と、該第1クリップ本体とは別部材の可脱部とを含んで第1クリップが構成されており、可脱部と第1クリップ本体との離脱荷重に対し、該可脱部と第2クリップとの結合解除(離脱、破壊)荷重が大とされている。これにより、第1クリップ本体と第2クリップとの間に設けられた可脱部によって、荷重設定、管理を容易に行うことができる。
【0011】
請求項3記載の発明に係る車両用内装部材保持構造は、車両を構成し、取付孔を有する外装部材と、前記外装部材に対する車内側に設けられ、貫通孔を有する内装部材と、前記外装部材の取付孔に取り付けられ、少なくとも一部分が該外装部材から離脱可能な可脱部とされた第1クリップと、前記内装部材の貫通孔に挿通され、前記第1クリップの可脱部との間に前記内装部材を挟み込みつつ該可脱部に結合される第2クリップと、を備え、前記可脱部と第2クリップとの結合を解除するのに要する荷重は、該可脱部が前記外装部材から離脱されるのに要する所定の荷重よりも大きく設定されている。
【0012】
請求項3記載の車両用内装部材保持構造では、第2クリップとの間に内装部材を挟み込んだ第1クリップが外装部材の取付孔に取り付けられることで、内装部材が外装部材に保持される。この状態で、内装部材に外装部材からの離脱方向に所定の荷重以上の荷重が作用すると、第2クリップと第1クリップの一部分又は全体である可脱部との結合が解除(離脱、破壊)される前に、該可脱部がクリップ部材の残余の部分又は外装部材から離脱される。これにより、内装部材は、第2クリップと可脱部とに挟み込まれたまま、外装部材から取り外される。
【0013】
すなわち、可脱部が第1クリップの全体である構成では、該第1クリップと第2クリップとは、内装部材を挟み込んだ状態が維持され、該内装部材から脱落することが抑制される。また、可脱部が第1クリップの一部分である構成では、該可脱部と第2クリップとは、内装部材を挟み込んだ状態が維持され、該内装部材から脱落することが抑制され、かつ第1クリップの残余の部分は、外装部材に保持された状態で維持される。
【0014】
このように、請求項3記載の車両用内装部材保持構造では、簡単な構造で、構成部品が外装部材又は内装部材から脱落されることを抑制することができる。
【0015】
また、内装部材を外装部材に保持させる際には、第1クリップを外装部材の取付孔に取り付けた状態から、内装部材を外装部材にセットし、第2クリップを内装部材の貫通孔を通して第1クリップの可脱部に結合させる。このため、本車両用内装部材保持構造では、貫通孔を通して第1クリップを目視しながら第2クリップを取り付けることができ、作業性が良好である。
【0016】
請求項4記載の発明に係る車両用内装部材保持構造は、請求項3記載の車両用内装部材保持構造において、前記第1クリップは、前記外装部材に結合されると共に該結合を解除するのに要する荷重が前記所定の荷重よりも大きく設定された第1クリップ本体と、該第1クリップ本体に結合されると共に前記所定の荷重で結合が解除される前記可脱部とを有して構成されている。
【0017】
請求項4記載の車両用内装部材保持構造では、第1クリップ本体と、該第1クリップ本体とは別部材の可脱部とを含んで第1クリップが構成されており、可脱部と第1クリップ本体との離脱荷重に対し、該可脱部と第2クリップとの結合解除(離脱、破壊)荷重が大とされている。これにより、第1クリップ本体と第2クリップとの間に設けられた可脱部によって、荷重設定、管理を容易に行うことができる。
【0018】
請求項5記載の発明に係る車両用内装部材保持構造は、請求項3又は請求項4記載の車両用内装部材保持構造において、前記外装部材と内装部材との間に配置されたエアバッグと、所定の場合に前記エアバッグにガスを供給するガス供給手段とをさらに備え、前記所定の荷重は、前記エアバッグが前記ガス供給手段からのガス供給を受けて前記外装部材と内装部材との間で展開されることで達する荷重として設定されている。
【0019】
請求項5記載の車両用内装部材保持構造では、例えば車両の衝突時等にガス供給手段が作動されると、該ガス供給手段からガス供給を受けたエアバッグが、外装部材と内装部材との間で展開される。このエアバッグの展開に伴って内装部材には外装部材からの離脱方向の荷重が作用し、該荷重が所定の荷重以上になると、内装部材は、第2クリップと可脱部とに挟み込まれたまま、外装部材から取り外される。これにより、本車両用内装部材保持構造では、その構成部品を外装部材、内装部材に保持させたまま、該外装部材と内装部材との間からエアバッグを展開させることができる。
【0020】
請求項6記載の発明に係る車両用内装部材保持構造は、請求項5記載の車両用内装部材保持構造において、前記外装部材及び内装部材は、車両の天井部における車両前後方向の後端側を含む部分を構成しており、前記エアバッグは、前記ガス供給手段からガス供給を受けて、車両のバックウインドウに沿って展開されるバックウインドウエアバッグである。
【0021】
請求項6記載の車両用内装部材保持構造では、例えば車両の衝突時等にエアバッグがガス供給手段からガス供給を受けると、該エアバッグは、展開に伴う荷重で内装部材を外装部材から取り外させ、天井部の後端側から車室内側に展開され、さらに車両のバックウインドウに沿って展開される。これにより、例えば車両後突の際にガス供給手段を作動させると、後席乗員を保護することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明に係るクリップ構造は、成部品が取付体又は被取付体から脱落されることを抑制することができるという優れた効果を有する。また、本発明に係る車両用内装部材保持構造は、簡単な構造で、構成部品が外装部材又は内装部材から脱落されることを抑制することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の第1の実施形態に係るクリップ構造としてのクリップアセンブリ11、車両用内装部材保持構造が適用された車両用後部天井構造10について、図1〜図8に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UPは、それぞれ車両用後部天井構造10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向を示している。先ず、車両用後部天井構造10の全体構成について説明し、次いで、車両用後部天井構造10の要部であるクリップアセンブリ11について詳細に説明することとする。
【0024】
(車両用内装部材保持構造の全体構成)
図3には、車両用後部天井構造10の概略全体が側断面図にて示されている。この図に示される如く、車両用後部天井構造10では、ルーフパネル12の内側(下側)にルーフヘッドライニング14が取り付けられている。ルーフパネル12の車両前後方向の後端部には、バックドアオープニングアッパフレーム16が接合されることで、車幅方向に延在する閉断面構造の骨格部であるバックドアオープニングアッパ18が形成されている。
【0025】
バックドアオープニングアッパ18が車両上下方向の上縁を成すバックドアオープニング20は、図示しないヒンジを介してバックドアオープニングアッパ18に接続されたバックドア22によって開閉されるようになっている。バックドア22の上部には、バックウインドウとしてのバックウインドウガラス24が設けられている。バックドアオープニングアッパ18からは、車両前後方向の後方に向けて延設部18Aが延設されており、該延設部18Aの車両前後方向の後端部には、バックドアオープニングアッパ18とバックドア22との間をシールするウェザストリップ26が設けられている。
【0026】
ルーフヘッドライニング14は、少なくともその後端部14Aにおいて、後に詳述するクリップアセンブリ11によって、ルーフパネル12に対し取り外し可能に保持されている。この実施形態では、バックドアオープニングアッパ18の延設部18Aにボディパネルとしてのブラケット25が固定されており、クリップアセンブリ11は、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aをブラケット25に保持(クリップ結合)させるようになっている。
【0027】
また、図3に示される如く、車両用後部天井構造10では、ルーフパネル12とルーフヘッドライニング14との間に、バックウインドウエアバッグ装置28が配設されている。バックウインドウエアバッグ装置28は、ルーフパネル12とルーフヘッドライニング14との間に折り畳まれた状態で配設されたエアバッグとしてのバックウインドウエアバッグ30と、バックウインドウエアバッグ30にガスを供給するためのガス供給手段を構成するインフレータ32とを備えている。
【0028】
バックウインドウエアバッグ30は、ガス供給を受けて、図4に示される如く、バックドア22のバックウインドウガラス24に沿って、車両上下方向の下向きに展開されるようになっている。インフレータ32は、図示しない制御装置としてのエアバッグECUに電気的に接続されており、衝突センサ等からの信号に基づいて後面衝突が検出又は予測されるとエアバッグECUが判断した場合に、該エアバッグECUにて作動されてバックウインドウエアバッグ30にガスを供給するようになっている。
【0029】
車両用後部天井構造10では、バックウインドウエアバッグ装置28のバックウインドウエアバッグ30の展開に伴って、クリップアセンブリ11によるルーフパネル12に対するルーフヘッドライニング14の保持状態が解除されるようになっている。
【0030】
(クリップアセンブリの詳細構成)
図1及び図2に示される如く、クリップアセンブリ11は、クリップ34と、クリップ34に結合されるジョイント36と、ジョイント36に結合されるピン38とを有する3ピース構造とされている。この実施形態では、クリップ34はブラケット25に係止され、ジョイント36はクリップ34の車両上下方向の下側に係止され、ピン38はジョイント36との間にルーフヘッドライニング14を挟み込んで該ジョイント36に係止されるようになっている。なお、図2に示す荷重F1〜F6は、クリップ34、ジョイント36、ピン38の組み付け、離脱(結合の解除)に要する荷重を示している。以下、具体的に説明する。
【0031】
クリップ34の正面視での半断面図である図6(A)及び側面視での半断面図でである図6(B)に示される如く、クリップ34は、円筒状に形成された円筒部40と、円筒部40の軸線方向の一方側から径方向外側に延設されたフランジ部42とを有する。また、クリップ34は、円筒部40から径方向外向きに突設された複数の(この実施形態では2つ)係合爪44を有する。円筒部40における各係合爪44の周囲には、それぞれ上向き(フランジ部42側とは反対側)に開口する略コ字状(U字状)を成すスリット(切り込み)40Aが厚み(半径)方向に貫通して形成されており、各係合爪44は、上端部のみがフランジ部42と繋がっている。
【0032】
これにより、クリップ34は、各係合爪44が円筒部40に対し径方向に進退する方向に弾性変形可能とされており、該弾性変形によってブラケット25に形成された透孔25Aを通過可能とされている。クリップ34は、各係合爪44が透孔25Aを通過して復原された状態で、該係合爪44とフランジ部42との間にブラケット(ボディパネル)25を挟み込む構成とされている。この実施形態では、各係合爪44は、透孔25Aの通過後に自由状態までは復原せず、弾性変形しつつフランジ部42との間にブラケット25を挟み込むようになっている。
【0033】
図6(A)に示される如く、各係合爪44は、側面視で略三角形状を成しており、上側(フランジ部42と反対側)の係合面、下側の係合面が共に軸直角方向(水平面)に対し傾斜された斜辺44A、44Bとされている。これにより、クリップ34をブラケット25に組み付ける際には、斜辺44Aをブラケット25における透孔25Aの孔縁に接触させつつ該クリップ34を上向きに押し込むことで、係合爪44が径方向内向きに弾性変形して透孔25Aを通過するようになっている。一方、クリップ34をブラケット25から取り外す際には、斜辺44Bをブラケット25における透孔25Aの孔縁に接触させつつ該クリップ34を下向きに引き下げることで、係合爪44が径方向内向きに弾性変形して透孔25Aを通過するようになっている。
【0034】
すなわち、クリップ34では、斜辺44A、44Bによってクリップ34の軸線方向の移動力の一部が係合爪44の径方向の移動力に変換される構成とされている。この実施形態に係るクリップ34では、斜辺44Aよりも斜辺44Bが軸直角方向(水平面)との成す角が小とされている。このため、クリップ34は、ブラケット25に装着する際の取付荷重F3が、ブラケット25から取り外す(離脱させる)際の保持荷重F6よりも小とされて、保持性能(保持荷重F6)と組付作業性(取付荷重F3)との両立を図っている。
【0035】
さらに、クリップ34は、図6(B)及び図6(C)に示される如く、フランジ部42における円筒部40の設置側端部の内縁部から径方向内向きに突設された複数の係合爪46を有する。これら複数の係合爪46は、フランジ部42の周方向に略等間隔で配置されている。各係合爪46は、クリップ34の軸線方向における中央部で最も径方向内側に突出する(内径が最小になる)ように先端が丸められたアール面46Aを有し、ジョイント36の係合溝52(後述)に係合するようになっている。
【0036】
図7(A)及び図7(B)に示される如く、ジョイント36は、外径が円筒部40の内径に対応した短円筒状に形成された短円筒部48と、短円筒部48の軸線方向の一方側から径方向外側に延設されたフランジ部50とを有する。短円筒部48には、径方向外向きに開口する係合溝52が形成されている。この実施形態では、係合溝52は、短円筒部48に全周に亘り形成された環状溝とされている。また、短円筒部48におけるフランジ部50とは反対側の端面は、ピン38の係合爪58(後述)が係合する係合面48Aとされている。
【0037】
短円筒部48の外周部は、係合溝52の溝壁から係合面48Aにかけて、ジョイント36の軸線方向における中央部で最大径となるように丸められたアール面48Bとされている。これにより、ジョイント36は、クリップ34に対する結合に際して、クリップ34の各係合爪46のアール面46Aにアール面48B軸線方向に押し付けられると、該軸線方向の押し付け力(以動力)の一部が短円筒部48及び複数の係合爪46の径方向への押圧力に変換されるようになっている。この力によって短円筒部48及び複数の係合爪46の少なくとも一方が径方向に変形することで、クリップ34の円筒部40に対する短円筒部48の挿入が許容され、該円筒部40への短円筒部48の挿入によって係合溝52に複数の係合爪46が入り込んで軸線方向に係合するようになっている。
【0038】
そして、クリップ34の各係合爪46及びジョイント36の係合溝52は、後述する如く、該クリップ34すなわちブラケット25からジョイント36を離脱させるのに要する保持荷重F5が、上記したブラケット25に対するクリップ34の保持荷重F6に対し十分に小さくなるように、寸法形状が設定されている。この実施形態では、短円筒部48における係合溝52の上側(クリップ34側)の溝壁52A(図7(A)参照)の傾斜角、各係合爪46の係合溝52に対する係合深さ、アール面46Aのアール等にて保持荷重F5が設定されている。クリップアセンブリ11全体としてみれば、保持荷重F6が保持荷重F5に対し十分に大きくなるように、クリップ34を構成する各係合爪44の斜辺44Bの傾斜角が設定されていると捉えることも可能である。なお、クリップ34に対するジョイント36の取付荷重F2については、クリップ34の各係合爪46、ジョイント36の係合溝52(の寸法形状)にて、保持荷重F5とは独立して設定されている。
【0039】
また、ジョイント36のフランジ部50は、上下面共に軸線方向の短円筒部48と反対側に向けて徐々に拡径されたコニカル状に形成されており、軸線方向に弾性変形する皿ばね部として構成されている。この実施形態では、フランジ部50は、圧縮変形状態でピン38(後述するフランジ部56)との間にルーフヘッドライニング14を挟み込む構成とされている。
【0040】
図8(A)〜図8(C)に示される如く、ピン38は、外径が短円筒部48の内径に対応した略円柱状に形成された軸部54と、軸部54の軸線方向の一方側から径方向外側に延設されたフランジ部56とを有する。軸部におけるフランジ部56とは反対側の自由端側の一部には、図8(B)及び図8(C)に示される如く、平面視で略矩形状の角孔54Aが形成されている。
【0041】
また、ピン38は、図8(A)及び図8(B)に示される如く、軸部54における角孔54Aの形成部位から径方向外向きに突設された複数の(この実施形態では2つ)係合爪58を有する。軸部54における各係合爪58の周囲には、それぞれ上向き(フランジ部56側とは反対側)に開口する略コ字状(U字状)を成すスリット(切り込み)54Bが角孔54Aまで厚み方向に貫通して形成されており、各係合爪58は、上端部のみが軸部54(角孔54Aの孔壁部分)と繋がっている。
【0042】
これにより、ピン38は、各係合爪58が軸部54に対し径方向(角孔54A)に進退する方向に弾性変形可能とされており、該弾性変形によってジョイント36の短円筒部48内を通過可能とされている。ピン38は、各係合爪58がジョイント36を通過して復原された状態で、該係合爪58の係合面58Aをクリップ34の係合面48Aに係合させつつ、そのフランジ部56とクリップ34のフランジ部50との間にルーフヘッドライニング14を挟み込む構成とされている。
【0043】
なお、この組付状態では、図1に示される如く、ピン38の軸部54はルーフヘッドライニング14の貫通孔14Bに挿通されている。この貫通孔14Bの孔径は、軸部54の挿通に伴い各係合爪58が干渉しない大きさで、かつフランジ部50、フランジ部56の外径よりも小さく設定されている。また、この組付状態では、ルーフヘッドライニング14及びフランジ部50の少なくとも一方は軸線(厚み)方向に圧縮されるようになっている。換言すれば、フランジ部56と各係合爪58との間隔は、自由状態におけるフランジ部50の厚みとルーフヘッドライニング14の厚みとの和よりも小とされている。
【0044】
図8(B)及び図8(C)に示される如く、各係合爪58の係合面58Aは、軸部54の軸直角方向(水平面)に沿った平面とされている。このため、ピン38は、図1に示される如く各係合爪58の係合面58Aをクリップ34の係合面48Aに係合させた状態からは、基本的にジョイント36から取り外す(破壊することなく離脱させる)ことができない構成とされている。換言すれば、ジョイント36に対するピン38の保持荷重F4は、上記した各保持荷重F5、F6に対し十分に大きく設定されている(F4≫F6≫F5)。
【0045】
一方、各係合爪58における上側(フランジ部56と反対側)の係合面は、軸直角方向(水平面)に対し傾斜された斜辺58Bとされている。これにより、ピン38をジョイント36に組み付ける際には、斜辺58Bを短円筒部48の内縁に接触させつつ該ピン38を上向きに押し込むことで、各係合爪58が径方向内向きに弾性変形して短円筒部48内を通過するようになっている。この斜辺58Bの傾斜角により、ジョイント36に対するピン38の取付荷重F1が設定されている。各取付荷重F1〜F3は、ルーフパネル12に対するルーフヘッドライニング14の組み付け作業性等を考慮して、適宜(保持荷重F4〜F6とは独立して)設定されている。なお、この実施形態では、短円筒部48における斜辺58Bの接触部位は、テーパ面48Cとされている(図7(A)参照)。
【0046】
以上説明したクリップアセンブリ11のクリップ34、ジョイント36、ピン38は、例えばポリアセタール(POM)等の樹脂材にてそれぞれ構成されている。なお、本実施形態では、クリップ34とジョイント36とが本発明における第1クリップを構成しており、クリップ34が第1クリップ本体に、ジョイント36が可脱部に相当する。また、ピン38が本発明における第2クリップに相当する。
【0047】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
【0048】
上記構成の車両用後部天井構造10では、ルーフパネル12に対しルーフヘッドライニングの後端部14Aを固定するに当たっては、先ず、図5に示される如く、ジョイント36が取付荷重F2で取り付けられたクリップ34を、ブラケット25に取り付ける。すなわち、各係合爪44の斜辺44Aを透孔25Aの孔縁に当接させつつ、クリップ34を車両上下方向の上向きに取付荷重F3以上の荷重で押し込むと、該荷重の一部が径方向の荷重に変換されて係合爪44が円筒部40の内方に窄まりつつブラケット25の透孔25Aを通過する。そして、係合爪44が所定範囲で復原すると、該係合爪44とフランジ部42との間に弾性的にブラケット25が挟み込まれ、クリップ34がブラケット25に取り付けられる。
【0049】
次いで、ルーフヘッドライニング14の位置を調整し、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aに形成された貫通孔14Bの位置を、ジョイント36の位置に一致させる。そして、この一致した状態を維持しつつ、ルーフヘッドライニング14の貫通孔14Bを通して、ピン38の軸部54を、クリップ34に取り付けられているジョイント36に挿し込む。これにより、ルーフヘッドライニング14は、ワンタッチでルーフパネル12に保持される。
【0050】
より具体的には、斜辺58Bをテーパ面48Cに当接させつつ、ピン38を車両上下方向の上向きに取付荷重F1以上の荷重で押し込むと、該荷重の一部が径方向の荷重に変換されて係合爪58が軸部54における角孔54Aの内方に窄まりつつ、ジョイント36の短円筒部48を通過する。そして、係合爪58が復原すると、該係合爪58の係合面58Aがクリップ34の係合面48Aに係合され、図1に示される如くルーフヘッドライニング14がルーフパネル12の保持される。この保持状態でジョイント36のフランジ部50が弾性変形されているので、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aは、クリップアセンブリ11によってガタつくことなくルーフパネル12に保持される。
【0051】
車両用後部天井構造10が適用された自動車等の車両が後面衝突に至ると、エアバッグECUがインフレータ32を作動させる。このインフレータ32が発生したガスがバックウインドウエアバッグ30に供給されると、バックウインドウエアバッグ30は膨張、展開させる。バックウインドウエアバッグ30がルーフパネル12とルーフヘッドライニング14との間で展開されるのに伴って、ルーフヘッドライニング14には、ルーフパネル12に対し下側に離脱される方向の荷重が作用する。この荷重が、クリップアセンブリ11による保持荷重のうち最小の保持荷重F5を上回ると、ジョイント36がクリップ34すなわちブラケット25から離脱される。
【0052】
これにより、図4に示される如く、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aは、ジョイント36とピン38とに挟み込まれたまま、ルーフパネル12から離間される。そして、バックウインドウエアバッグ30は、この後端部14Aとルーフパネル12(バックドアオープニングアッパ18)との隙間から車室側に突出され、バックドア22に沿って展開される。これにより、後部乗員の頭部が後面衝突に対し保護される。
【0053】
ここで、車両用後部天井構造10、クリップアセンブリ11では、ブラケット25に対するクリップ34の保持荷重F6、クリップ34に対するジョイント36の保持荷重F5、ジョイント36に対するピン38の保持荷重F4のうち、保持荷重F5が最小であるため、ルーフヘッドライニング14の下向きの荷重が作用した場合には、上記の通りクリップ34に対するジョイント36の結合が解除される。これにより、ジョイント36とピン38とでルーフヘッドライニング14を挟み込んだ状態が維持され、クリップアセンブリ11の構成部品が、ルーフパネル12(ブラケット25)、ルーフヘッドライニング14から離脱されて車室内に飛び散ることがない。
【0054】
また、車両用後部天井構造10、クリップアセンブリ11では、クリップ34、ジョイント36、ピン38から成る3ピース構造を採るので、クリップ34をブラケット25から離脱させることなく、ジョイント36とピン38とでルーフヘッドライニング14を挟み込む構成を実現することができる。このため、バックウインドウエアバッグ30を適正に展開させるための最小の保持荷重F5を樹脂製の2部品(クリップ34、ジョイント36)で設定することができ、荷重設定、管理が容易である。
【0055】
さらに、車両用後部天井構造10、クリップアセンブリ11では、組付作業の最後に、ルーフヘッドライニング14の下側(車室側)から、貫通孔14Bを通じてピン38をジョイント36に挿し込むため、該貫通孔14Bを通じてジョイント36の位置を目視しながら組付作業を行うことができる。すなわち、ルーフヘッドライニング14の貫通孔14Bの位置がジョイント36の位置に一致するように、ルーフヘッドライニング14をあてがう作業が容易になる。
【0056】
なお、上記した第1の実施形態では、F4≫F6≫F5である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、F4≧F6≫F5としても良い。この構成においても、ルーフヘッドライニング14にバックウインドウエアバッグ30の展開に伴う下向き荷重が作用した場合に、クリップ34に対するジョイント36の結合が解除されるので、ルーフヘッドライニング14のルーフパネル12からの離脱の際に、ジョイント36とピン38とでルーフヘッドライニング14を挟み込む状態が維持され、クリップアセンブリ11の構成部品が飛散することがない。この構成では、例えば各係合爪58の係合面58Aを軸部54の軸直角方向に対し傾斜された傾斜面とすることで、ジョイント36からのピン38の取り外しを許容する構成とすることも可能である。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用後部天井構造60、クリップアセンブリ62について、図9(A)及び図9(B)に基づいて説明する。図9(A)には、車両用後部天井構造60を構成するクリップアセンブリ62の要部が側断面図にて示されている。この図に示される如く、クリップアセンブリ62は、クリップ64及びピン66の2ピース構造とされている点で、第1の実施形態に係るクリップアセンブリ11とは異なる。
【0058】
クリップ64は、袋状に形成された袋部68と、袋部68の開口端から径方向外向きに延設されたフランジ部70とを有する。袋部68の外周部には、ブラケット25における透孔25A廻りの上面に係合する係合爪72が設けられている。係合爪72は、係合爪44、58と同様に、上端側が袋部68に繋がると共に下端が自由端とされ、該下端が袋部68に対し径方向に離間位置する板ばね部として形成されている。係合爪72は、ブラケット25の透孔25Aを下側から通過する際には、該透孔25Aの孔縁に上側の斜辺72Aを係合させつつ窄まり、透孔25Aの通過後に復原してブラケット25の上面に係合することで、袋部68のブラケット25に対する軸線方向の抜け止めを成す構成とされている。また、係合爪72は、クリップ64に保持荷重F5以上の下向きの荷重が作用すると、下側の斜辺72Bを透孔25Aの孔縁にさせつつ窄まり、透孔25Aの通過を許容するようになっている。
【0059】
クリップアセンブリ62では、クリップ64をブラケット25から離脱させるのに要する保持荷重F5は、ルーフヘッドライニング14がルーフパネル12から離脱してバックウインドウエアバッグ30が適正に展開されるように、設定されている。この実施形態では、保持荷重F5は、主に透孔25Aの孔径、袋部68、係合爪72の寸法、材質等を管理することで所要の値に設定されている。
【0060】
また、袋部68の内部には、軸直角方向に沿った上向きの係合面68Aが、封止端(上端)側の内径を拡径することで、形成されている。
【0061】
ピン66は、軸部74と、軸部74の軸線方向の一端部から径方向の外向きに延設されたフランジ部76とを有する。軸部74の先端には、複数(この実施形態では2つ)の係合爪78が径方向外向きに張り出して形成されている。これら係合爪78は、その下向きの(フランジ部76側を向く)係合面78Aをクリップ64の係合面68Aの係合させることで、ピン66をクリップ64に保持させるようになっている。
【0062】
この状態では、クリップ64のフランジ部70と、ピン66のフランジ部76との間にルーフヘッドライニング14が挟み込まれるようになっている。クリップアセンブリ62は、フランジ部70、76間にルーフヘッドライニング14を弾性的に挟み込むために、該フランジ部70、76の少なくとも一方をフランジ部50の如き皿ばね状に形成しても良い。
【0063】
そして、クリップアセンブリ62、車両用後部天井構造60では、クリップ64に対するピン66の保持荷重F4は、上記したブラケット25に対するクリップ64の保持荷重F5に対し十分に大とされている(F4≫F5)。したがって、この実施形態では、クリップ64が本発明における第1クリップに相当し、該クリップ64の略全体が可脱部に相当する。また、ピン66が本発明における第2クリップに相当する。車両用後部天井構造60、クリップアセンブリ62の他の構成は、車両用後部天井構造10、クリップアセンブリ11の対応する構成と同じである。
【0064】
次に、第2の実施形態の作用を説明する。
【0065】
上記構成の車両用後部天井構造60では、ルーフパネル12に対しルーフヘッドライニングの後端部14Aを固定するに当たっては、先ず、クリップ64をブラケット25に取り付ける。すなわち、各係合爪72を透孔25Aの孔縁に当接させつつ、クリップ64を車両上下方向の上向きに所要の取付荷重以上の荷重で押し込むと、該荷重の一部が径方向の荷重に変換されて係合爪72が窄まりつつブラケット25の透孔25Aを通過する。そして、係合爪72が復原すると、該係合爪72とフランジ部70との間にブラケット25が挟み込まれ、クリップ64がブラケット25に取り付けられる。
【0066】
次いで、ルーフヘッドライニング14の位置を調整し、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aに形成された貫通孔14Bの位置を、クリップ64の位置に一致させる。そして、この一致した状態を維持しつつ、ルーフヘッドライニング14の貫通孔14Bを通して、ピン66の軸部74を、クリップ64の袋部68に挿し込む。これにより、ルーフヘッドライニング14は、ワンタッチでルーフパネル12に保持される。
【0067】
車両用後部天井構造60が適用された自動車等の車両が後面衝突に至ると、エアバッグECUがインフレータ32を作動させる。このインフレータ32が発生したガスがバックウインドウエアバッグ30に供給されると、バックウインドウエアバッグ30は膨張、展開させる。バックウインドウエアバッグ30がルーフパネル12とルーフヘッドライニング14との間で展開されるのに伴って、ルーフヘッドライニング14には、ルーフパネル12に対し下側に離脱される方向の荷重が作用する。この荷重が、クリップアセンブリ62による保持荷重のうち最小の保持荷重F5を上回ると、クリップ64がブラケット25から離脱される。
【0068】
これにより、図9(B)に示される如く、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aは、クリップ64とピン66とに挟み込まれたまま、ルーフパネル12から離間される。そして、バックウインドウエアバッグ30は、この後端部14Aとルーフパネル12(バックドアオープニングアッパ18)との隙間から車室側に突出され、バックドア22に沿って展開される。これにより、後部乗員の頭部が後面衝突に対し保護される。
【0069】
このように、車両用後部天井構造60、クリップアセンブリ62では、ブラケット25に対するクリップ64の保持荷重F5が、クリップ64に対するピン66の保持荷重F4に対し十分に小さいため、ルーフヘッドライニング14の下向きの荷重が作用した場合には、上記の通りブラケット25に対するクリップ64の結合が解除される。これにより、クリップ64とピン66とでルーフヘッドライニング14を挟み込んだ状態が維持され、クリップアセンブリ11の構成部品が、ルーフパネル12(ブラケット25)、ルーフヘッドライニング14から離脱されて車室内に飛び散ることがない。
【0070】
さらに、車両用後部天井構造60、クリップアセンブリ62では、組付作業の最後に、ルーフヘッドライニング14の下側(車室側)から、貫通孔14Bを通じてピン66をクリップ64に挿し込むため、該貫通孔14Bを通じてクリップ64の位置を目視しながら組付作業を行うことができる。すなわち、ルーフヘッドライニング14の貫通孔14Bの位置がクリップ64の位置に一致するように、ルーフヘッドライニング14をあてがう作業が容易になる。
【0071】
なお、上記した実施形態では、車両用後部天井構造10、60、クリップアセンブリ11、クリップアセンブリ62が、ルーフヘッドライニング14の後端部14Aをルーフパネル12に離脱可能に取り付ける用途に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ルーフヘッドライニング14の車幅方向両端等をルーフパネル12に固定する用途などに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用後部天井構造の要部を拡大して示す側断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る車両用後部天井構造の要部を分解して示す側断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る車両用内装部材保持構造の側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る車両用内装部材保持構造におけるルーフパネルに対するルーフヘッドライニングの離脱状態の側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る車両用後部天井構造によるルーフパネルに対するルーフヘッドライニングの組付過程を説明するための側断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る車両用内装部材保持構造のクリップアセンブリを構成するクリップを示す図であって、(A)正面視の半断面図、(B)は側面視の半断面図、(C)は底面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る車両用内装部材保持構造のクリップアセンブリを構成するジョイントを示す図であって、(A)正面視の半断面図、(B)は底面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る車両用内装部材保持構造のクリップアセンブリを構成するピンを示す図であって、(A)正面図、(B)は側面視の半断面図、(C)は平面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る車両用後部天井構造の要部を拡大して示す図であって、(A)はルーフパネルに対するルーフヘッドライニングの組付状態の側断面図、(B)はルーフパネルに対するルーフヘッドライニングの離脱状態の側断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10 車両用後部天井構造(車両用内装部材保持構造)
11 クリップアセンブリ(クリップ構造)
12 ルーフパネル(取付体、外装部材)
14 ルーフヘッドライニング(被取付体、内装部材)
14B 貫通孔
24 バックウインドウガラス(バックドアウインドウ)
25 ブラケット(取付体、外装部材)
30 バックウインドウエアバッグ(エアバッグ)
32 インフレータ(ガス供給手段)
34 クリップ(第1クリップ、第1クリップ本体)
36 ジョイント(第1クリップ、可脱部)
38 ピン(第2クリップ)
60 車両用後部天井構造(車両用内装部材保持構造)
62 クリップアセンブリ(クリップ構造)
64 クリップ(第1クリップ、可脱部)
66 ピン(第2クリップ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付体に取り付けられ、少なくとも一部分が前記取付体から離脱可能な可脱部とされた第1クリップと、
前記第1クリップの可脱部との間に被取付部材を挟み込みつつ該可脱部に結合される第2クリップと、
を備え、前記可脱部と第2クリップとの結合を解除するのに要する荷重は、該可脱部が前記取付体から離脱されるのに要する所定の荷重よりも大きく設定されているクリップ構造。
【請求項2】
前記第1クリップは、前記取付体に結合されると共に該結合を解除するのに要する荷重が前記所定の荷重よりも大きく設定された第1クリップ本体と、該第1クリップ本体に結合されると共に前記所定の荷重で結合が解除される前記可脱部とを有して構成されている請求項1記載のクリップ構造。
【請求項3】
車両を構成し、取付孔を有する外装部材と、
前記外装部材に対する車内側に設けられ、貫通孔を有する内装部材と、
前記外装部材の取付孔に取り付けられ、少なくとも一部分が該外装部材から離脱可能な可脱部とされた第1クリップと、
前記内装部材の貫通孔に挿通され、前記第1クリップの可脱部との間に前記内装部材を挟み込みつつ該可脱部に結合される第2クリップと、
を備え、前記可脱部と第2クリップとの結合を解除するのに要する荷重は、該可脱部が前記外装部材から離脱されるのに要する所定の荷重よりも大きく設定されている車両用内装部材保持構造。
【請求項4】
前記第1クリップは、前記外装部材に結合されると共に該結合を解除するのに要する荷重が前記所定の荷重よりも大きく設定された第1クリップ本体と、該第1クリップ本体に結合されると共に前記所定の荷重で結合が解除される前記可脱部とを有して構成されている請求項3記載の車両用内装部材保持構造。
【請求項5】
前記外装部材と内装部材との間に配置されたエアバッグと、所定の場合に前記エアバッグにガスを供給するガス供給手段とをさらに備え、
前記所定の荷重は、前記エアバッグが前記ガス供給手段からのガス供給を受けて前記外装部材と内装部材との間で展開されることで達する荷重として設定されている請求項3又は請求項4記載の車両用内装部材保持構造。
【請求項6】
前記外装部材及び内装部材は、車両の天井部における車両前後方向の後端側を含む部分を構成しており、
前記エアバッグは、前記ガス供給手段からガス供給を受けて、車両のバックウインドウに沿って展開されるバックウインドウエアバッグである請求項5記載の車両用内装部材保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−210021(P2009−210021A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53417(P2008−53417)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】