説明

グラフェンシートの製造方法、半導体装置の製造方法および半導体装置

【課題】結晶性、層数を制御する。
【解決手段】基板11上に絶縁層12を介して形成した活性層13にフラーレン分子14を堆積する工程と、活性層13およびフラーレン分子14を加熱して炭化物層15を形成する工程と、炭化物層15をさらに加熱する工程と、を有するグラフェンシート16の製造方法によって、基板11上に絶縁層12を介して形成した活性層13にフラーレン分子14が堆積され、活性層13およびフラーレン分子14を加熱して炭化物層15が形成され、炭化物層15がさらに加熱されて、ドメイン数が少なく高い結晶性を持つグラフェンシート16が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグラフェンシートの製造方法、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、特に、基板上のグラフェンシートの製造方法、グラフェンシートを用いた半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術は性能向上と高集積化を目的に微細化が図られており、今後もこの流れはますます進展していくことが予想されている。しかし、現在の半導体技術で主に用いられているシリコン(Si)や銅(Cu)などの材料では、性能向上を目的とした微細化に限界が近づきつつあることが知られている。このため、これらに対する代替材料の探求や研究が盛んに行われている。
【0003】
そこで、代替材料の1つとして、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube)が提案された。カーボンナノチューブは、炭素(C)原子が六角形につながった平面構造であって化学的に安定のグラフェン(Graphene)シートが円筒状に巻かれて構成されている。そして、カーボンナノチューブは、バリスティック伝導特性、大電流密度耐性、高電子移動度などの特性を持つため、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのチャネルや配線構造のみならず、その他の電子デバイスへの適用に期待されていた。ところが、多数本のカーボンナノチューブを所望の位置に、所望の方向に揃えて形成することは難しく、実用化には様々な困難があった。
【0004】
そこで、カーボンナノチューブの同素体であるグラフェンシートに注目が集まった。グラフェンシートは、グラファイト(Graphite)の一種であって、カーボンナノチューブと同様に、バリスティック伝導特性、大電流密度耐性、高電子移動度などSiよりも優れた特性を持つ。そして実際にCMOSトランジスタのチャネル材として、炭化シリコン(SiC)基板のSi原子を昇華させてグラフェンシートを形成する方法(例えば、非特許文献1参照)や、グラファイトのバルク材からテープなどで剥されたグラフェンシートを間接的に基板に付着させる方法などが提案された。また、チャネル材、というわけではないが、グラファイトを基板上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて直接成長する方法(例えば、特許文献1参照)も提案されている。
【非特許文献1】M. Kusunoki et al., “A formation mechanism of carbon nanotube films on SiC(0001)” Applied Physics Letters, 77, 2000, 531
【特許文献1】特開平8−260150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献の方法では、成長に用いる触媒の除去やグラフェンシートのドメインサイズや層数の制御が困難であるという問題があった。
また、上記非特許文献の方法では、形成したグラフェンシートのドメインが多いことから結晶性が悪化するとともに、層数の制御が困難であるという問題があった。
【0006】
また、グラファイトのバルク材から剥されたグラフェンシートを間接的に基板に付着させる方法では、Siを用いたこれまでのCMOSトランジスタのプロセスの整合性の観点から、グラフェンシートを直接基板上に形成するプロセスが望まれる。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、結晶性、層数を制御することができるグラフェンシートの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、このようなグラフェンシートを用いて、従来の形成プロセスとの整合性を向上させるとともに、半導体特性が向上した半導体装置の製造方法および半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すように、基板11上に絶縁層12を介して形成した活性層13にフラーレン分子14を堆積する工程(A)と、活性層13およびフラーレン分子14を加熱して炭化物層15を形成する工程(B)と、炭化物層15をさらに加熱する工程と、を有することを特徴とするグラフェンシート16の製造方法が提供される。
【0009】
このようなグラフェンシートの製造方法によれば、活性層上にフラーレン分子が堆積され、活性層およびフラーレン分子が加熱されて、炭化物層が形成され、さらに、炭化物層が加熱されてグラフェンシートが形成される。したがって、基板上にグラフェンシートを形成することができるようになる。
【0010】
また、本発明では上記課題を解決するために、基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層上に、活性層を形成する工程と、前記活性層上に、フラーレン分子を堆積させる工程と、前記活性層および前記フラーレン分子を加熱して、炭化物層を形成する工程と、前記炭化物層をさらに加熱して、グラフェンシートを形成する工程と、前記グラフェンシートの両端にソース・ドレイン電極部を形成する工程と、前記グラフェンシート上に第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜上、または、前記基板の裏面にゲート電極を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
このような半導体装置の製造方法によれば、活性層上にフラーレン分子が堆積され、活性層およびフラーレン分子が加熱されて、炭化物層が形成され、さらに、炭化物層が加熱されてグラフェンシートが形成される。したがって、チャネル材として、基板上にグラフェンシートを形成することができるようになる。
【0012】
また、本発明では上記課題を解決するために、基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁層上に、活性層および前記活性層の両側に金属層を形成する工程と、前記活性層上および前記金属層上にフラーレン分子を堆積させる工程と、前記フラーレン分子、前記活性層および前記金属層を加熱して、炭化物層およびソース・ドレイン電極部を形成する工程と、前記炭化物層をさらに加熱して、グラフェンシートを形成する工程と、前記グラフェンシート上に第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜上、または、前記基板の裏面にゲート電極を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
このような半導体装置の製造方法によれば、活性層上にフラーレン分子が堆積され、活性層およびフラーレン分子が加熱されて、炭化物層が形成され、さらに、炭化物層が加熱されてグラフェンシートが形成される。したがって、チャネル材として、基板上にグラフェンシートを形成することができるようになる。また、金属層上にフラーレン分子が堆積されて、加熱することで、ソース・ドレイン電極部として金属炭化物が形成されるようになる。
【0014】
また、本発明では上記課題を解決するために、基板と、前記基板上に形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に形成されたグラフェンシートと、前記グラフェンシートの両側に形成された、金属炭化物からなるソース・ドレイン電極部と、前記グラフェンシート上に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上、または、前記基板の裏面に形成されたゲート電極部と、を有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0015】
このような半導体装置によれば、活性層上にフラーレン分子が堆積され、活性層およびフラーレン分子が加熱されて、炭化物層が形成され、さらに、炭化物層が加熱されてグラフェンシートが形成される。したがって、チャネル材として、基板上にグラフェンシートを形成することができるようになる。また、金属層上にフラーレン分子が堆積されて、加熱することで、ソース・ドレイン電極部として金属炭化物が形成されるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、活性層上にフラーレン分子を堆積して、活性層およびフラーレン分子を加熱して炭化物層を形成して、さらに、炭化物層を加熱して、基板上にグラフェンシートを形成ようにした。これにより、層数が制御されたグラフェンシートを絶縁膜付基板上に形成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態として、本発明の概要を、その後に本発明の概要を踏まえた実施の形態を、図面を参照しながら説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0018】
まず、本発明の概要について説明する。
図1は、本発明の概要におけるグラフェンシートの製造工程であって、(A)はフラーレン分子の堆積工程、(B)は炭化物層の形成工程、(C)はグラフェンシートの形成工程をそれぞれ示した断面模式図である。
【0019】
本概要の製造方法は、図1(C)に示すように、基板11上に絶縁層12を介して、グラフェンシート16を形成するものである。
以下、グラフェンシート16の製造方法について図1の各工程に沿って説明する。
【0020】
まず、図1(A)を参照しながら説明する。基板11上に絶縁層12を形成する。続いて、絶縁層12上に活性層13を形成する。続いて、活性層13上に、C原子から構成されるフラーレン(fullerene)分子14を堆積する。以上、図1(A)に示す構成が形成される。
【0021】
次いで、図1(B)に示すように、活性層13とフラーレン分子14とを加熱して、反応させると、炭化物層15が形成される。
最後に、図1(C)に示すように、炭化物層15の形成後、非特許文献1で開示された方法を用いて、炭化物層15を加熱して、炭化物層15の活性層13を構成していた原子(図示を省略)を昇華させると、グラフェンシート16が形成される。
【0022】
次に、上記概要にて、活性層13の表面へのC原子の供給量およびグラフェンシート16の層数の制御について以下に説明する。但し、活性層13として具体的にSi活性層の場合を例に挙げて説明する。
【0023】
フラーレン分子を室温において、Si基板上に整列させられることが知られている(例えば、フラーレン分子の1種であるC60分子については、「D. Klyachko and D. M. Chen, “Ordering C60 on Anisotropic Surfaces”, Physical Review Letters, 75, 1995, 3693−3696」を参照)。但し、室温の場合は、1分子層(以下、分子層を「ML(MonoLayer)」と表す)以上のフラーレン分子をSi基板表面に吸着させた場合、局所的に2ML以上のフラーレン分子が吸着する場合がある。Si活性層表面へのC原子の供給量の制御はこの性質を利用することができる。
【0024】
図2は、本発明の概要におけるシリコン活性層の表面に吸着したフラーレン分子の平面模式図である。Si原子13bから構成されるSi活性層13a上に、例えば、フラーレン分子14の1種であるC60分子14aが堆積されて、Si活性層13aの表面に吸着した場合について模式的に示している。
【0025】
図2に示すように、Si活性層13aのSi(001)表面において、C60分子14aは、c(4×3)(c(4×4)の場合もあり)の超格子に、2個の割合で吸着する。つまり、Si活性層13aの表面全体がC60分子14aで覆われる場合、Si活性層13a表面の12個のSi原子13bに対して、120個のC原子が存在する。この状態で加熱して、これら全てのSi原子13bとC原子とが結合してSiCになると仮定すると、層数が10ML程度の炭化物層15であるSiC層(図示を省略)が形成されることになる。SiC層は、立方晶炭化シリコン(3C−SiC)構造をなすため、3MLのSiC層に対して1MLのグラフェンシート16が、10MLのSiC層に対して3MLほどのグラフェンシート16が形成可能であることが考えられる。
【0026】
そして、C60分子14aの吸着量を0.3MLにした場合、3ML分のSiC層に相当するC原子が供給され、1MLのグラフェンシート16が形成されることになる。C60分子14aの吸着量を0.2MLにした場合、C60分子14aはSi活性層13a上にランダムに分散するが、C原子は炭化するための加熱により拡散するため、Si活性層13a表面全体に供給される。また、C60分子14aが1ML以下の低い吸着量の場合、例えば、Si(001)表面において、C60分子14aは選択的な吸着サイトに優先的に吸着されることが知られており、加熱による脱離を考慮する必要は無い。
【0027】
また、STM(Scanning Tunneling Microscopy:走査トンネル顕微鏡)やAFM(Atomic Force Microscopy:原子間力顕微鏡)などを用いて、Si活性層13aの表面を観察して、Si活性層13a上に吸着したC60分子14aの量が不十分であれば、C60分子14aをさらに吸着させて、C原子の供給量を調整させればよい。
【0028】
以上のように、基板11上に絶縁層12を介して形成した活性層13上にC60分子14aを堆積し、加熱して炭化物層15を形成し、さらに、炭化物層15を加熱して形成したグラフェンシート16を形成することができる。このような製造方法により、グラフェンシート16を、触媒を用いずに、基板11上に絶縁層12を介して形成することができる。さらに、活性層13上のC60分子14aの分子層数は加熱することで制御できる。このため、炭化物層15の膜厚とグラフェンシート16の層数との制御も可能となる。なお、C60以外のフラーレン分子についても、供給されるC原子量が変わるだけであり、同様の効果が期待できる。
【0029】
以下に上記概要を踏まえた実施の形態について説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
上記概要では、基板11上に形成した絶縁層12上にグラフェンシート16を形成する場合について説明した。一方、第1の実施の形態では、基板が絶縁層に覆われている場合について説明する。
【0030】
図3は、第1の実施の形態におけるグラフェンシートの製造工程の、(A)は絶縁層に覆われた基板、(B)はフラーレン分子の堆積工程、(C)は炭化物層の形成工程、(D)はグラフェンシートの形成工程をそれぞれ示した断面模式図である。なお、図3では、図1および図2と同様の構成には同様の符号を付している。
【0031】
まず、図3(A)に示すように、用意したSi基板11aを絶縁層12aで覆う。
次いで、図3(B)を参照しながら説明する。なお、図3(B)以降の工程は、図1および図2で説明したグラフェンシート16の形成方法と同様の工程である。Si基板11aを覆う絶縁層12a上にSi活性層13aを形成する。続いて、Si活性層13a上に、フラーレン分子14を堆積する。以上、図3(B)に示す構成が形成される。
【0032】
次いで、図3(C)に示すように、Si活性層13aとフラーレン分子14とを加熱して、反応させると、SiC層15aが形成される。
最後に、図3(D)に示すように、SiC層15aの形成後、図1と同等に、SiC層15aを加熱して、SiC層15aのSi原子(図示を省略)を昇華させると、グラフェンシート16が形成される。
【0033】
以上のように、Si基板11aを絶縁層12aで覆うことで、グラフェンシート16を形成するための加熱の際にSi基板11aなどから、Si原子の拡散や昇華を防ぐことができる。
【0034】
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、グラフェンシートを所望の位置に形成する場合を例に挙げて説明する。
【0035】
図4は、第2の実施の形態における複数形成されたシリコン活性層の平面模式図である。
絶縁層12上に、Si活性層13cを形成する。Si活性層13cにフォトリソグラフィなどを用いてパターニングを行い、ドライエッチングやフッ酸処理などにより、不要なSi活性層13cを除去することで、複数のSi活性層13cが所望の位置に形成される。
【0036】
Si活性層13cおよび絶縁層12全体に、フラーレン分子(図示を省略)を堆積する。
Si活性層13c上および絶縁層12上へのフラーレン分子の堆積後、余分なフラーレン分子を脱離させるために加熱する。Si活性層13c表面と直接接触するフラーレン分子は強い化学結合を有するために脱離せず、一方、Si活性層13c表面に接触していない2ML目以上や絶縁層12上のフラーレン分子は互いに物理吸着しているため、加熱により容易に脱離する。このような特性を利用して、100℃から900℃ほどの温度で加熱して、2ML目以上および絶縁層12上のフラーレン分子を脱離させる。したがって、所望の位置に配置したSi活性層13c上のみにフラーレン分子を残すことができる。そして、加熱を続けて、SiC層(図示を省略)を形成し、さらに加熱して、一挙にグラフェンシート(図示を省略)を形成できる。
【0037】
このような方法を用いることにより、所望の位置や形状のグラフェンシートを複数形成することができる。このため、例えば、複数のチャネル材を一度に形成することができる。
【0038】
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、上記概要、第1および第2の実施の形態で形成したグラフェンシートを、例えば、トランジスタに適用させた場合について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図5は、第3の実施の形態における半導体装置であって、(A)はトップゲート型の、(B)はバックゲート型の断面模式図である。
トップゲート型半導体装置20は、図5(A)に示すように、Si基板21、Si基板21上の絶縁層22、絶縁層22上のグラフェンシート26、グラフェンシート26の両側の絶縁層22上のソース・ドレイン電極27、そして、グラフェンシート26上のゲート絶縁膜28aおよびゲート電極28から構成されている。
【0040】
そして、バックゲート型半導体装置20aは、図5(B)に示すように、Si基板21、Si基板21上の絶縁層22、絶縁層22上のグラフェンシート26、グラフェンシート26の両側の絶縁層22上のソース・ドレイン電極27、そして、グラフェンシート26上の絶縁膜28b、Si基板21の裏面のゲート電極28から構成されている。
【0041】
次に、トップゲート型半導体装置20の製造方法について図面を参照して説明する。
図6は、第3の実施の形態における半導体装置の製造方法であって、(A)はシリコン活性層の形成工程、(B)はフラーレン分子の堆積工程、(C)はフラーレン分子の脱離工程をそれぞれ示す断面模式図、図7は、第3の実施の形態における半導体装置の製造方法であって、(A)はグラフェンシートの形成工程、(B)はソース・ドレイン電極の形成工程をそれぞれ示す断面模式図である。
【0042】
まず、図6(A)を参照しながら説明する。Si基板21上に、厚さが50nmから1000nm程度の絶縁層22を形成する。絶縁層22の形成には、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH)ガスとアンモニア(NH)ガスとを用いた、プラズマCVD法または熱CVD法などのCVD法にて窒化シリコン(SiN)膜を積層する。または、原料ガスとしてTEOS(TEtraethyl OrthoSilicate:テトラエチルオルソシリケート)を用いた、同様のCVD法にてシリコン酸化(SiO)膜を積層する。SiOにて絶縁層22を形成する場合には、あらかじめSi基板21上に形成したSi活性層を熱酸化などによりSiOを形成することも可能である。なお、絶縁層22は電気的に絶縁性が保障されていればよいので、厚さには厳密な制限はない。
【0043】
続いて、絶縁層22上に、同様のCVD法により、厚さが5nmのSi活性層を積層する。なお、後に形成するグラフェンシート26の厚さはフラーレン分子24の堆積量で制御されるために、Si活性層の厚さには特に制限はない。続いて、積層したSi活性層を、幅20nm程度、長さ1000nm程度に四塩化炭素(CCl)などを用いたドライエッチングにより必要領域以外のSi活性層を除去して、Si活性層23を形成する。なお、図6(A)では、Si活性層23を1つ形成した場合を示しているが、第2の実施の形態のように、必要に応じて複数形成するようにしてもよい。また、ここでは、絶縁層22上にSi活性層23を形成する場合について説明したが、絶縁層上に薄いSi層が形成してある基板として、例えば、市販のSOI(Silicon On Insulator)基板を用いても構わない。以上、図6(A)に示す構成が得られる。
【0044】
次いで、図6(B)を参照しながら説明する。絶縁層22上およびSi活性層23上に1ML分のフラーレン分子24を堆積する。フラーレン分子24は、例えば市販のものでもよく、種類としては、C60、C70またはC82などが存在するが、特に限定はしない。また、フラーレン分子24を堆積させる方法としては、例えば、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)法を用いる。フラーレン分子24を堆積させる真空槽内において、フラーレン分子24が詰め込まれた「るつぼ」を抵抗加熱により温度を上昇させることで、フラーレン分子24を分子線にて絶縁層22およびSi活性層23上に一様に堆積させることができる。また、「るつぼ」の温度は500℃から600℃、1×10−9Torr以下の高真空下であり、温度によりフラーレン分子24の堆積レートを調整することができる。真空槽の真空度によりフラーレン分子24の昇華温度は異なるため、フラーレン分子24を昇華中に水晶振動子膜厚計によりレート調整を行う。典型的な堆積レートは、1ML/min以下である。特に、1ML以下の低い堆積量を必要とする場合のレートは遅くすることが好ましい。以上、図6(B)に示す構成が得られる。
【0045】
次いで、図6(C)を参照しながら説明する。Si活性層23上および絶縁層22上にフラーレン分子24の堆積後、余分なフラーレン分子24を脱離させるために加熱する。この加熱の際、Si活性層23表面と直接接触するフラーレン分子24は強い化学結合を有するために脱離しない。一方、Si活性層23表面に接触していない2ML目以上や絶縁層22上のフラーレン分子24は互いに物理吸着しているため、加熱により容易に脱離する。そして、この際の加熱温度が低い場合は、1ML目以上のフラーレン分子24が残存する可能性があり、加熱温度が高い場合は、炭化物層であるSiC層が形成される前にSi原子が昇華してしまう可能性がある。そこで、第3の実施の形態では、100℃から900℃ほどの温度で加熱して、Si活性層23に堆積させた2ML目以上および絶縁層22上のフラーレン分子24を脱離させて、1ML目のフラーレン分子24のみをSi活性層23上に残した。このようにして、Si活性層23の表面に対して常に一定量のC原子を供給することが可能となる。なお、このSi活性層23およびフラーレン分子24は炭化物層であるSiC層の原料となる。以上、図6(C)に示すような構成を得られる。
【0046】
次いで、図7(A)を参照しながら説明する。Si活性層23上にフラーレン分子24の堆積後、850℃以上、1100℃未満の、例えば、1000℃程度で加熱する。この際の加熱は1×10−2Torr以下の高真空下で、Si基板21への抵抗加熱、ヒーター加熱またはランプ加熱により行う。加熱方法は目的の温度に昇温できればよく、特に限定はない。Si活性層23とフラーレン分子24とは、強い化学結合(化学吸着)を有するため、加熱によっても脱離せず、更なる高温の加熱によりSiC層(図示を省略)に変化する。
【0047】
続いて、形成したSiC層を1100℃から2000℃の温度によって加熱し、SiC層からSi原子を昇華させて、グラフェンシート26が形成される。この際の加熱は1×10−2Torr以下の高真空下で、ヒーター加熱またはランプ加熱などにより行う。なお、SiC層の形成とSi原子の昇華とを例えば1100℃から2000℃の温度で加熱して同時に行ってもよい。また、Si活性層23の材料はSiに限定されず、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、チタンシリサイド(TiSi)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、Cuをはじめ、炭化物を形成可能であればその候補となる。以上、図7(A)で示される構成が形成される。
【0048】
次いで、図7(B)を参照しながら説明する。グラフェンシート26の形成後、フォトリソグラフィなどによりレジストをパターニングし、厚さ5nm程度のTiおよび厚さ100nm程度のPtなどを堆積し、リフトオフによりソース・ドレイン電極27を形成する。これらの電極材料は電子ビーム蒸着法やスパッタ法などを用いて堆積される。また、電極材料としては通電可能であればよく、特に制限はない。以上、図7(B)で示される構成が形成される。
【0049】
最後に、図5(A)を参照しながら説明する。ソース・ドレイン電極27の形成後、パターニングを行い、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層積層)法にて、酸化アルミニウム(Al)を堆積し、厚さが10nm程度のゲート絶縁膜28aを形成する。
【0050】
続いて、ゲート絶縁膜28a上に、パターニングを行って、厚さが5nm程度のTiおよび厚さが100nm程度のPtを堆積させて、幅が200nmのゲート電極28を形成する。
【0051】
以上の工程によって、チャネル材としてグラフェンシート26が用いられたトップゲート型半導体装置20を形成することができる。
一方、図5(B)に示すバックゲート型半導体装置20aでは、ソース・ドレイン電極27の形成後(図7(B))、パターニングを行い、例えば、ALD法にて、Alを堆積し、厚さが10nm程度の絶縁膜28bを形成する。Si基板21の裏面に、厚さが5nm程度のTiおよび厚さが100nm程度のPtを堆積させて、ゲート電極28を形成することで、バックゲート型半導体装置20aを製造することができる。
【0052】
なお、第3の実施の形態では、トップゲート型およびバックゲート型半導体装置20,20aの場合について説明したが、その他、埋め込みゲート構造(図示を省略)などを用いてもよい。また、第3の実施の形態では、エッチングしたSi活性層23からグラフェンシート26を形成する場合について説明したが、Si活性層からグラフェンシートを形成して、所望の形状にグラフェンシートを加工するようにしてもよい。
【0053】
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態では、第3の実施の形態と異なり、フラーレン分子をSi活性層上に堆積させる前に、Si活性層をエッチングし、エッチングしたSi活性層の両側に、遷移金属薄膜をスパッタ法などで成膜して、グラフェンシートおよびソース・ドレイン電極を同時に形成する場合を例に挙げて説明する。
【0054】
図8は、第4の実施の形態における半導体装置であって、(A)はトップゲート型の、(B)はバックゲート型の断面模式図である。
トップゲート型半導体装置30は、図8(A)に示すように、Si基板31、Si基板31上の絶縁層32、絶縁層32上のグラフェンシート36、グラフェンシート36の両側の絶縁層32上の、遷移金属炭化物で構成されるソース・ドレイン電極37、そして、グラフェンシート36上のゲート絶縁膜38aおよびゲート電極38から構成されている。
【0055】
そして、バックゲート型半導体装置30aは、図8(B)に示すように、Si基板31、Si基板31上の絶縁層32、絶縁層32上のグラフェンシート36、グラフェンシート36の両側の絶縁層32上の、遷移金属炭化物で構成されるソース・ドレイン電極37、そして、グラフェンシート36上の絶縁膜38b、Si基板31の裏面のゲート電極38から構成されている。
【0056】
次に、トップゲート型半導体装置30の製造方法について図面を参照して説明する。
図9は、第4の実施の形態における半導体装置の製造方法であって、(A)はシリコン活性層および遷移金属薄膜の形成工程、(B)はシリコン活性層上および遷移金属薄膜上のフラーレン分子の堆積工程、(C)はグラフェンシートおよびソース・ドレイン電極の形成工程をそれぞれ示す断面模式図である。
【0057】
まず、図9(A)を参照しながら説明する。Si基板31上に、第3の実施の形態と同様にして、厚さが50nmから1000nm程度の絶縁層32を形成する。
続いて、絶縁層32上に、第3の実施の形態と同様にして、厚さが5nm程度のSi活性層を形成し、さらに、幅20nm程度、長さ1000nm程度にCClなどを用いたドライエッチングによりSi活性層33を形成する。なお、図9(A)では、Si活性層33を1つ形成した場合を示しているが、第2の実施の形態のように、必要に応じて複数形成するようにしてもよい。
【0058】
続いて、Si活性層33の両側の絶縁層32上に、蒸着法やスパッタ法にて、Si活性層33と同様に厚さが5nm程度のTi層37aを成膜する。なお、Ti層37aは遷移金属またはそれらの合金で構成されていればよく、他の具体例としては、W、Ta、TiN、TiSi、Alなどのいずれかまたはこれらの合金が挙げられる。なお、ここでも、絶縁層32上にSi活性層33を形成する場合について説明したが、絶縁層上に薄いSi層が形成してある基板として、例えば、市販のSOI基板を用いても構わない。以上、図9(A)で示される構成が形成される。
【0059】
次いで、図9(B)を参照しながら説明する。Si活性層33およびTi層37a上に、第3の実施の形態と同様にして、1ML分のC60のフラーレン分子34を堆積する。なお、フラーレン分子34の堆積方法や用いる種類なども第3の実施の形態と同様とする。以上、図9(B)で示される構成が形成される。
【0060】
次いで、図9(C)を参照しながら説明する。Si活性層33およびTi層37a上へのフラーレン分子34の堆積後、第3の実施の形態と同様にして、850℃以上、1100℃未満の、例えば、1000℃程度で加熱する。この際の加熱は1×10−2Torr以下の高真空下で、Si基板31への抵抗加熱、ヒーター加熱またはランプ加熱により行う。Si活性層33とフラーレン分子34とが化学結合によりSiC層(図示を省略)に変化する。さらに、この加熱時において、フラーレン分子34はTi層37aから脱離せずに、互いに化学結合して、遷移金属炭化物であるチタンカーバイド(TiC)に変化してソース・ドレイン電極37となる。遷移金属の種類は、グラフェンシートを形成する温度においても遷移金属炭化物の金属原子が昇華しない材料であればよい。
【0061】
続いて、形成したSiC層を1100℃から2000℃の温度によってSi原子を昇華させて、グラフェンシート36が形成される。この際、第3の実施の形態と同様にして、加熱は1×10−2Torr以下の高真空下で、ヒーター加熱またはランプ加熱により行う。なお、SiC層の形成とSiC層からのSi原子の昇華を例えば1350℃の温度で加熱して同時に行うことも可能である。また、既に述べたように、Si活性層33の材料はSiに限定されず、Ti、W、Ta、窒化タンタル(TaN)、TiN、TiSi、Pt、Al、Au、Ag、Cuをはじめ、炭化物を形成可能であればその候補となる。以上、図9(C)で示される構成が形成される。
【0062】
最後に、図8(A)を参照しながら説明する。第3の実施の形態と同様にして、ソース・ドレイン電極37の形成後、パターニングを行い、例えば、ALD法にて、Alを堆積し、厚さが10nm程度のゲート絶縁膜38aを形成する。
【0063】
続いて、ゲート絶縁膜38a上に、パターニングを行って、厚さが5nm程度のTiおよび同様に100nm程度のPtを堆積させて、幅が200nmのゲート電極38を形成する。
【0064】
以上の工程によって、チャネル材としてグラフェンシート36が用いられたトップゲート型半導体装置30を形成することができる。
一方、バックゲート型半導体装置30aでは、ソース・ドレイン電極37の形成後(図9(C))、パターニングを行い、例えば、ALD法にて、Alを堆積し、厚さが10nm程度の絶縁膜38bを形成する。そして、Si基板31の裏面に、厚さが5nm程度のTiおよび同様に100nm程度のPtを堆積させて、幅が200nmのゲート電極38を形成することで、バックゲート型半導体装置30aを製造することができる。
【0065】
なお、第3の実施の形態と同様に、第4の実施の形態でも、埋め込みゲート構造などを用いることが可能である。
このように、第4の実施の形態では、ソース・ドレイン電極37を構成する遷移金属炭化物はグラフェンシート36をはじめとする炭素系の物質と良好なコンタクトを有するため、ソース・ドレイン電極37とチャネルとの間の抵抗を大きく低減させることが可能となる。また、Siよりも昇華温度は高いため、遷移金属は昇華することなく、Siのみが昇華することで5ML程度のグラフェンシート36を形成することが可能となる。また、その後、追加で電極金属を堆積する場合でも遷移金属炭化物から構成されるソース・ドレイン電極37では金属と容易にコンタクトさせることが可能である。また、このような製造方法により、グラフェンシート36を、触媒を用いずに、Si基板31上に絶縁層32を介して形成することができるようになり、従来のシリコンCMOSトランジスタの製造プロセスとの整合性が大きく向上する。また、第3および第4の実施の形態で形成される半導体装置は、例えば、無線・携帯電話基地局用ハイパワーアンプ、サーバー・パーソナルコンピュータ用半導体素子、車載IC(Integrated Circuit)または電気自動車モーター駆動用トランジスタなどの電子機器に用いることができる。
【0066】
最後に、第5の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
第3および第4の実施の形態では、グラフェンシートをトランジスタのチャネル材に用いた場合について説明した。第5の実施の形態では、グラフェンシートをトランジスタなどの横配線に用いた場合について概要を説明する。
【0067】
図10は、第5の実施の形態の配線構造における要部断面模式図である。
配線構造40は、上記概要、第1または第2の実施の形態で示したように、Si基板41上に絶縁層(図示を省略)を介してチャネル材としてグラフェンシート42が形成されて、グラフェンシート43の両側には、ソース・ドレイン電極43が形成されている。さらに、グラフェンシート43上には、ゲート絶縁膜44およびゲート電極45がそれぞれ形成されてトランジスタが構成される。これらに対し、横配線として、グラフェンシート46がソース・ドレイン電極43から外側へ向けて形成されており、さらに、ゲート電極45上には、縦方向のプラグ配線としてカーボンナノチューブ47を成長させ(なお、カーボンナノチューブの縦配線については、例えば、「M. Nihei et al., “Simultaneous Formation of Multiwall Carbon Nanotubes and their End-Bonded Ohmic Contacts to Ti Electrodes for Future ULSI Interconnects”, JapanJournal of Applied Physics, 43, 2004, 1856−1859」を参照)、これらが、層間絶縁膜48で覆われている。なお、グランフェンシート42,46およびソース・ドレイン電極43をTiCで形成することによって、チャネル部、横配線およびソース・ドレイン電極を同時に形成することができる。また、ゲート電極45は、例えば、TiNで構成される。
【0068】
このようにしてSi基板41上に絶縁層(図示を省略)を介して形成された、層数の制御が可能で、高い結晶性を持つグラフェンシート42,46と導電部であるカーボンナノチューブ47と接続させることで、チャネル材だけでなく、横配線さらには電極材料としても利用することができる。
【0069】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の概要におけるグラフェンシートの製造工程であって、(A)はフラーレン分子の堆積工程、(B)は炭化物層の形成工程、(C)はグラフェンシートの形成工程をそれぞれ示した断面模式図である。
【図2】本発明の概要におけるシリコン活性層の表面に吸着したフラーレン分子の平面模式図である。
【図3】第1の実施の形態におけるグラフェンシートの製造工程の、(A)は絶縁層に覆われた基板、(B)はフラーレン分子の堆積工程、(C)は炭化物層の形成工程、(D)はグラフェンシートの形成工程をそれぞれ示した断面模式図である。
【図4】第2の実施の形態における複数形成されたシリコン活性層の平面模式図である。
【図5】第3の実施の形態における半導体装置であって、(A)はトップゲート型の、(B)はバックゲート型の断面模式図である。
【図6】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法であって、(A)はシリコン活性層の形成工程、(B)はフラーレン分子の堆積工程、(C)はフラーレン分子の脱離工程をそれぞれ示す断面模式図である。
【図7】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法であって、(A)はグラフェンシートの形成工程、(B)はソース・ドレイン電極の形成工程をそれぞれ示す断面模式図である。
【図8】第4の実施の形態における半導体装置であって、(A)はトップゲート型の、(B)はバックゲート型の断面模式図である。
【図9】第4の実施の形態における半導体装置の製造方法であって、(A)はシリコン活性層および遷移金属薄膜の形成工程、(B)はシリコン活性層上および遷移金属薄膜上のフラーレン分子の堆積工程、(C)はグラフェンシートおよびソース・ドレイン電極の形成工程をそれぞれ示す断面模式図である。
【図10】第5の実施の形態の配線構造における要部断面模式図である。
【符号の説明】
【0071】
11 基板
12 絶縁層
13 活性層
14 フラーレン分子
15 炭化物層
16 グラフェンシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に絶縁層を介して形成した活性層にフラーレン分子を堆積する工程と、
前記活性層および前記フラーレン分子を加熱して炭化物層を形成する工程と、
前記炭化物層をさらに加熱する工程と、
を有することを特徴とするグラフェンシートの製造方法。
【請求項2】
前記活性層は、シリコン、チタン、タングステン、タンタル、窒化チタン、チタンシリサイド、白金、アルミニウム、金、銀、銅のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載のグラフェンシートの製造方法。
【請求項3】
前記炭化物層を形成する工程は、850℃以上、1100℃未満の温度で加熱することを特徴とする請求項1または2に記載のグラフェンシートの製造方法。
【請求項4】
前記炭化物層をさらに加熱する工程は、1100℃以上、2000℃以下の温度で実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のグラフェンシートの製造方法。
【請求項5】
基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、活性層を形成する工程と、
前記活性層上に、フラーレン分子を堆積させる工程と、
前記活性層および前記フラーレン分子を加熱して、炭化物層を形成する工程と、
前記炭化物層をさらに加熱して、グラフェンシートを形成する工程と、
前記グラフェンシートの両端にソース・ドレイン電極部を形成する工程と、
前記グラフェンシート上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上、または、前記基板の裏面にゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、活性層および前記活性層の両側に金属層を形成する工程と、
前記活性層上および前記金属層上にフラーレン分子を堆積させる工程と、
前記フラーレン分子、前記活性層および前記金属層を加熱して、炭化物層およびソース・ドレイン電極部を形成する工程と、
前記炭化物層をさらに加熱して、グラフェンシートを形成する工程と、
前記グラフェンシート上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上、または、前記基板の裏面にゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
基板と、
前記基板上に形成された第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に形成されたグラフェンシートと、
前記グラフェンシートの両側に形成された、金属炭化物からなるソース・ドレイン電極部と、
前記グラフェンシート上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上、または、前記基板の裏面に形成されたゲート電極部と、
を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−143761(P2009−143761A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322408(P2007−322408)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】