説明

グルココルチコイドミメチックスとしてのα−トリフルオロメチルアルコール又はアミン

式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びXは、式(IA)及び式(IB)について本出願で定義されるとおりである)、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩;該化合物を含有する医薬組成物、並びにこれら化合物を用いて、患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する方法、及びグルココルチコイド受容体機能によって媒介され、或いは炎症、アレルギー、又は増殖プロセスを特徴とする病気状態又は状況を治療する方法。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願〕
この出願は、2004年3月22日提出の米国特許出願番号60/555,220(参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)の利益を主張する。
〔発明の分野〕
本発明は、グルココルチコイドミメチックス又はリガンド、該化合物の製造方法、その医薬組成物での使用、及びそのグルココルチコイド受容体機能の調節における使用、グルココルチコイド受容体機能によって媒介される病気状態又は状況の治療が必要な患者の治療における使用、及び他の使用に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
コルチコステロイドの1分類であるグルココルチコイドは、免疫系及び多臓器系に深い効果を及ぼす内因性ホルモンである。それらは、IL-1、IL-2、IL-6、及びTNFのような炎症性サイトカインの阻害、プロスタグランジン及びロイコトリエンを含むアラキドン酸代謝物の阻害、T-リンパ球の消耗、及び内皮細胞上における接着分子の発現の低減によって、種々の免疫及び炎症作用を抑制する(P.J. Barnes, Clin. Sci., 1998, 94, pp. 557-572; P.J. Barnesら, Trends Pharmacol. Sci., 1993, 14, pp. 436-441)。これら効果に加え、グルココルチコイドは、肝臓内におけるグルコース産生及びタンパク質の異化を刺激し、電解質と水のバランスの役割を果たし、カルシウム吸収を減少させ、かつ破骨細胞機能を阻害する。
【0003】
内因性グルココルチコイドの抗炎症及び免疫抑制活性は、デキサメタゾン、プレドニゾン、及びプレドニゾロンを含む合成グルココルチコイド誘導体の開発を刺激してきた(L. Parente, Glucocorticoids, N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.), Boston: Birkhauser, 2001, pp. 35-54)。これらは、リウマチ性関節炎、若年性関節炎のようなリウマチ性疾患、及び強直性脊椎炎、乾癬及び天疱瘡を含む皮膚科学的疾患、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、及び接触皮膚炎を含むアレルギー障害、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む肺疾患状態、並びにクローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫性慢性活動性肝炎、骨関節炎、腱炎、及び滑液包炎を含む他の免疫及び炎症性疾患の治療で広範な用途を見いだした(J. Toogood, Glucocorticoids, N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.), Boston: Birkhauser, 2001, pp. 161-174)。それらは、臓器移植における拒絶反応防止を助けるためにも使用されている。
【0004】
不運なことに、グルココルチコイドを使用すると、所望の治療効果に加え、多くの副作用が伴い、重大かつ生命を脅かすこともありうる。この副作用としては、流体と電解質のバランスの変化、浮腫、体重増加、高血圧、筋衰弱、糖尿病の発症又は悪化、及び骨粗しょう症が挙げられる。従って、特に慢性疾患を治療するときは、強力な抗炎症効果を維持しながら低減した副作用プロフィールを示す化合物が特に望ましい。
【0005】
グルココルチコイドの効果は、グルココルチコイド受容体によって細胞レベルで媒介される(R.H. Oakley及びJ. Cidlowski, Glucocorticoids, N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.), Boston: Birkhauser, 2001, pp. 55-80)。グルココルチコイド受容体は、リガンドと結合するときに、遺伝子発現に影響を及ぼす転写因子として機能しうる構造的に関連する細胞内受容体の分類のメンバーである(R.M. Evans, Science, 1988, 240, pp. 889-895)。ステロイド受容体ファミリーの他のメンバーとしては、ミネラルコルチコイド、プロゲステロン、エストロゲン、及びアンドロゲン受容体が挙げられる。グルココルチコイドについて上述した効果に加え、この受容体ファミリーに作用するホルモンは、身体ホメオスタシス、ミネラル代謝、ストレス反応、及び性徴の発達に深遠な影響を及ぼす。最新技術をさらに述べるため、Glucocorticoids, N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.), Boston: Birkhauser, 2001が参照によって全体的に本明細書に取り込まれる。
【0006】
有益な抗炎症効果と望ましくない副作用を斟酌した分子メカニズムが提案されている(例えば、S. Heckら, EMBO J, 1994, 17, pp. 4087-4095; H.M. Reichardtら, Cell, 1998, 93, pp. 531-541; F. Troncheら, Curr. Opin. in Genetics and Dev., 1998, 8, pp. 532-538)。多くの代謝及び心血管の副作用は、トランス活性化と呼ばれるプロセスの結果であると考えられる。トランス活性化では、リガンド結合グルココルチコイド受容体の核への転位後、副作用に関連する遺伝子、例えば、グルコース産生増加の場合のホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)のプロモーター領域内のグルココルチコイド応答要素(GREs)に結合する。その結果これら遺伝子の転写速度が高まり、最終的に観察される副作用をもたらすと考えられる。抗炎症効果は、トランス抑制と呼ばれるプロセスによると考えられる。一般に、トランス抑制は、多くの炎症及び免疫媒介物の下方制御につながるNF-kB及びAP-1-媒介経路の阻害から生じるDNA結合とは無関係のプロセスである。さらに、多くの観察される副作用は、現在利用可能なグルココルチコイドと他のステロイド受容体、特にミネラルコルチコイド及びプロゲステロン受容体との交差反応性に起因しうると考えられる。
【0007】
従って、高度に選択性であり、かつ結合すると、トランス活性化経路とトランス抑制経路を引き離すグルココルチコイド受容体用リガンドを見出せば、副作用プロフィールが低減した治療薬を提供できる。トランス活性化とトランス抑制に及ぼす効果を決定するための検定システムは既に記述されている(例えば、C.M. Bamberger及びH.M. Schulte, Eur. J. Clin. Invest., 2000, 30 (suppl. 3), pp. 6-9)。グルココルチコイド受容体の選択性は、この受容体の結合親和力を、上述したものも含む他のステロイドファミリー受容体の結合親和力と比較することによって決定できる。
【0008】
グルココルチコイドは、糖新生と呼ばれるプロセスによる肝臓内でのグルコースの産生をも刺激し、このプロセスはトランス活性化事象によって媒介されると考えられる。グルコース産生の増加はII型糖尿病を悪化させうるので、グルココルチコイド媒介グルコース産生を選択的に阻害する化合物は、この適応症で治療用途を有しうる(J.E. Freidmanら, J. Biol. Chem., 1997, 272, pp. 31475-31481)。
【0009】
グルココルチコイド受容体用の新規リガンドは、科学及び特許文献に記述されている。例えば、PCT国際公開番号WO 99/33786は、炎症性疾患の治療で使用の可能性があるトリフェニルプロパンアミド化合物について開示している。PCT国際公開番号WO 00/66522は、代謝及び炎症性疾患の治療に役立つ可能性がある、グルココルチコイド受容体の選択的モジュレーターとして非ステロイド系化合物について記載している。PCT国際公開番号WO 99/41256は、免疫、自己免疫、及び炎症性疾患の治療に役立つ可能性がある、グルココルチコイド受容体の四環式モジュレーターについて記載している。米国特許第5,688,810号は、グルココルチコイド及び他のステロイド受容体のモジュレーターとして種々の非ステロイド系化合物について記載している。PCT国際公開番号WO 99/63976は、糖尿病の治療で役立つ可能性がある非ステロイド系の肝臓選択性グルココルチコイドアンタゴニストについて記載している。PCT国際公開番号WO 00/32584は、抗炎症効果と代謝効果を分離した抗炎症活性を有する非ステロイド系化合物を開示している。PCT国際公開番号WO 98/54159は、ゲスターゲンとアンドロゲン活性が入り混じった非ステロイド系の環状に置換したアシルアニリドについて記載している。米国特許第4,880,839号は、黄体ホルモン活性を有するアシルアニリドについて述べ、EP 253503は、抗アンドロゲン特性を有するアシルアニリドを開示している。PCT国際公開番号WO 97/27852は、ファルネシル-タンパク質トランスフェラーゼのインヒビターであるアミドについて記載している。
【0010】
結合検定でグルココルチコイド受容体と相互作用することが分かっている化合物はアゴニスト又はアンタゴニストでありうる。該化合物のアゴニスト特性は、上述したトランス活性化又はトランス抑制検定で評価できた。炎症性疾患及び免疫疾患で利用可能なグルココルチコイド薬物によって示される効力とその副作用を考えると、ステロイド受容体ファミリーの他のメンバーを超える選択性を有する新規なグルココルチコイド受容体アゴニストが必要であり、かつトランス活性化とトランス抑制活性を分離する必要が残っている。或いは、該化合物がアンタゴニスト活性を有することが分かるだろう。上述したように、グルココルチコイドは肝臓内のグルコース産生を刺激する。グルココルチコイド過剰によって誘発されるグルコース産生の増加は、現存する糖尿病を悪化させ、或いは潜在性糖尿病を誘発しうる。従って、アンタゴニストであることが分かっているグルココルチコイド受容体のリガンドは、とりわけ糖尿病の治療又は予防に有用だろう。
【0011】
〔発明の概要〕
本発明は、下記式(IA)の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩に関する。
【化1】

【0012】
式中:
1は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、又はC3-C8シクロアルキル基であり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C3-C5シクロアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル又はC3-C5シクロアルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、アリール若しくはヘテロサイクリル(該ヘテロ環は、任意独立的にヒドロキシル、ハロゲン、メチル、又はジアルキルアミノで置換されていてもよい);C1-C5アルコキシカルボニル、メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノスルホニル、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル若しくはC1-C3ジアルキルアミン又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はオキシム(該酸素原子は、任意にC1-C5アルキル又はベンジルで置換されていてもよい)から選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
2及びR3は、それぞれ独立的に水素、C1-C5アルキル、又はC5-C15アリールアルキル基であり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C8スピロシクロアルキル環を形成しており、或いは
1とR2をひとまとめにして考えて、任意にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)で置換されていてもよいクロマニル又はジヒドロベンゾフラニルであり;
4は、カルボニル又はメチレン(任意独立的に、C1-C3アルキル、ヒドロキシ、及びハロゲンから選択される1〜2個置換基で置換されていてもよい)であり;
5は、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した5〜7員ヘテロサイクリル環であり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、アシル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえず;かつ
Xは、ヒドロキシ又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい)である。
【0013】
本発明の別の局面は、
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、インドリル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、チエニル、キノリニル、テトラヒドロキノリノン、テトラヒドロナフチリジノン、ジヒドロクロメン、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、又はアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
2及びR3が、それぞれ独立的に水素、C1-C3アルキル、ベンジル、又はフェネチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C6スピロシクロアルキル環を形成しており;かつ
4がCH2である、式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0014】
本発明のさらに別の局面は、式中:
1が、フェニル、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、ピラジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ナフチル、チエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルフォリニルであり;
2及びR3が、それぞれ独立的にメチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にスピロシクロプロピル環を形成しており;かつ
4がCH2である、式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0015】
本発明のさらに別の局面は、式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;かつ
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルである、式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0016】
本発明の一局面は、式中:
5が、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ、又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえない、式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0017】
本発明のさらに別の局面は、式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルであり;かつ
5が、ピリジニル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピロリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、又はピペラジニル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ、又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえない、式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0018】
以下の化合物は、本発明の(IA)の代表化合物である。
【化2】












【0019】
【化3】









【0020】
【化4】








【0021】
【化5】












【0022】
【化6】













【0023】
【化7】









【0024】
【化8】














【0025】
【化9】







【0026】
【化10】









【0027】
【化11】








【0028】
【化12】












【0029】
【化13】












【0030】
【化14】










【0031】
【化15】











【0032】
【化16】









【0033】
【化17】

【0034】
式(IA)の好ましい化合物として以下の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩が挙げられる:
4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(3-ブロモ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-ブロモ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2-ジフルオロメトキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-3-クロロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン; 及び
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン。
【0035】
本発明は、下記式(IA)の化合物
【化18】

(式中、R1、R2、R3、R5、及びXは前記定義どおりであり、かつR4が-CH2-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)適切な溶媒中、下記式(II)のエステルを適切な還元剤と反応させて下記式(III)のジオールを形成する工程;
【化19】

(b)式(III)のジオールをスルホン酸クロライドR'SO2Clと反応させて下記式(IV)のスルホン酸エステルを形成する工程;
【化20】

(c)式(IV)の中間体を適切な塩基と反応させて下記式(V)のエポキシドを形成する工程;
【化21】

及び
(d)適切な塩基の存在下、式(V)のエポキシドを所望のR5Hと反応させて式(IA)の化合物を形成する工程;
【化22】

を含む方法をも提供する。
【0036】
さらに、本発明は、下記式(IA)の化合物
【化23】

(式中、R1、R2、R3、R5、及びXは前記定義どおりであり、かつR4が-CH2-である)の代替製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式(III)のジオールを適切な酸化剤と反応させて下記式(XI)のケトンを形成する工程;
【化24】

(b)式(XI)のケトンを適切な試薬と反応させて下記式(V)のエポキシドを形成する工程;
【化25】

及び
(c)適切な塩基の存在下、式(V)のエポキシドを所望のR5Hと反応させて式(IA)の化合物を形成する工程;
【化26】

を含む方法をも提供する。
【0037】
さらに、本発明は、下記式(IA)の化合物
【化27】

(式中、R1、R2、R3、R5、及びXは前記定義どおりであり、かつR4が-C(O)-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式(II)のエステルを加水分解して下記式(X)のカルボン酸を生成する工程;
【化28】

及び
(b)式(X)のカルボン酸をR5Hとカップリングさせて式(I)の所望化合物を与える工程;
【化29】

を含む方法をも提供する。
【0038】
本発明は、下記式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩にも関する。
【化30】

【0039】
式中:
1は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、又はC3-C8シクロアルキル基であり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、アリール若しくはヘテロサイクリル(該ヘテロ環は、任意独立的にヒドロキシル、ハロゲン、メチル、又はジアルキルアミノで置換されていてもよい);メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノスルホニル、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル若しくはC1-C3ジアルキルアミン又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はオキシム(該酸素原子は、任意にC1-C5アルキル又はベンジルで置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
2及びR3は、それぞれ独立的に水素、C1-C5アルキル、又はC5-C15アリールアルキル基であり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C8スピロシクロアルキル環を形成しており、或いは
1とR2をまとめて考えて、任意にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)で置換されていてもよいクロマニル又はジヒドロベンゾフラニルであり;
4は、カルボニル又はメチレン(任意独立的に、C1-C3アルキル、ヒドロキシ、及びハロゲンから選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい)であり;
5は、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した5〜7員ヘテロサイクリル環であり、任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、アシル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえず;
6は、水素、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、炭素環、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、炭素環-C1-C8アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール-C1-C8アルキル、アリール-C1-C8ハロアルキル、ヘテロサイクリル-C1-C8アルキル、ヘテロアリール-C1-C8アルキル、炭素環-C2-C8アルケニル、アリール-C2-C8アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-C8アルケニル、又はヘテロアリール-C2-C8アルケニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
6の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、フェニル、C1-C5アルコキシ、フェノキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アミノカルボニル、C1-C5アルキルアミノカルボニル、C1-C5ジアルキルアミノカルボニル、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
6は、トリフルオロメチルではありえず;かつ
Xは、ヒドロキシ又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい)である。
【0040】
本発明の別の局面は、式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、インドリル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、チエニル、キノリニル、テトラヒドロキノリノン、テトラヒドロナフチリジノン、ジヒドロクロメン、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、又はアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
2及びR3が、それぞれ独立的に水素、C1-C3アルキル、ベンジル、又はフェネチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C6スピロシクロアルキル環を形成しており;
4がCH2であり;かつ
6が、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C3-C6シクロアルキル、フェニル、C3-C6シクロアルキル-C1-C3アルキル、フェニル-C1-C3アルキル、フェニル-C1-C3ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル-C2-C3アルケニル、フェニル-C2-C3アルケニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
6の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、アミノカルボニル、C1-C3アルキルアミノカルボニル、C1-C3ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
6は、トリフルオロメチルではありえない、式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0041】
本発明のさらに別の局面は、式中:
1が、フェニル、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、ピラジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ナフチル、チエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルフォリニルであり;
2及びR3が、それぞれ独立的にメチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にスピロシクロプロピル環を形成しており;かつ
4がCH2である、式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0042】
本発明のさらに別の局面は、式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;かつ
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルである、式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0043】
本発明の一局面は、式中:
5が、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、アシル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえず;かつ
6が、C1-C5アルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6シクロアルキルメチル-、又はベンジルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
6の各置換基は、独立的にメチル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、又はヒドロキシであり、
6はトリフルオロメチルではありえない、式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0044】
本発明のさらに別の局面は、式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;かつ
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルであり;かつ
5が、ピリジニル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピロリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、又はピペラジニル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ、又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえない、式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を包含する。
【0045】
以下の化合物は、本発明の式(IB)の代表化合物である。
【化31】





































【0046】
【化32】










【0047】
【化33】










【0048】
【化34】

【0049】
本発明は、下記式(IB)の化合物
【化35】

(式中、R1、R2、R3、R5、R6、及びXは上記定義どおりであり、かつR4は-CH2-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)適切な溶媒中、下記式(IA)の化合物を適切な塩基と反応させて下記式(IIB)のケトンを形成する工程;
【化36】

及び
(b)式(IIB)のケトンを有機金属試薬と反応させて式(IB)の化合物を形成する工程;
【化37】

を含む方法をも提供する。
【0050】
式(IB)の化合物の第2の製造方法は以下の工程:
(a)下記式(IIIB)のケトンを適切な試薬でエポキシ化して下記式(VB)のエポキシドを形成する工程;
【化38】

及び
(b)適切な塩基の存在下、式(VB)のエポキシドをR5Hと反応させて式(IB)の化合物を形成する工程;
【化39】

を含む。
【0051】
式(IB)の化合物の第3の製造方法は以下の工程:
(a)下記式(IIIB)のケトンを適切な試薬でオレフィン化して下記式(IVB)のアルケンを形成する工程;
【化40】

(b)式(IVB)のアルケンを適切な試薬でエポキシ化して下記式(VB)のエポキシドを形成する工程;
【化41】

及び
(c)適切な塩基の存在下、式(VB)のエポキシドをR5Hと反応させて式(IB)の化合物を形成する工程;
【化42】

を含む。
【0052】
本発明の別の局面では、本発明の化合物を、有効な量、好ましくは医薬的に有効な量の本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩と、医薬的に許容しうる賦形剤又は担体とを含んでなる医薬組成物に調製する。
本発明は、患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する方法であって、前記患者に、有効な量の本発明の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法をも提供する。
本発明は、グルココルチコイド受容体機能によって媒介される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、有効な量の医薬的に許容しうる本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法をさらに提供する。
【0053】
さらに、本発明は、II型糖尿病、肥満症、循環器病、高血圧症、動脈硬化症、神経疾患、副腎腫瘍、下垂体腫瘍、及び緑内障から選択される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、有効な量の医薬的に許容しうる本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法をも提供する。
【0054】
本発明は、炎症、アレルギー、又は増殖プロセスを特徴とする病気の治療を必要とする患者の前記病気の治療方法であって、前記患者に、有効な量の医薬的に許容しうる本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法を提供する。本発明の好ましい実施態様では、炎症、アレルギー、又は増殖プロセスを特徴とする病気は、(i)肺疾患、(ii)リウマチ性疾患又は自己免疫疾患又は関節疾患、(iii)アレルギー疾患、(iv)脈管炎疾患、(v)皮膚疾患、(vi)腎臓病、(vii)肝臓病、(viii)胃腸疾患、(ix)肛門病、(x)眼病、(xi)耳、鼻、及び咽喉(ENT)領域の病気、(xii)神経疾患、(xiii)血液疾患、(xiv)腫瘍病、(xv)内分泌疾患、(xvi)臓器及び組織移植並びに移植片対宿主病、(xvii)重症状態のショック、(xviii)交換療法、及び(xix)炎症起源の疼痛から選択される。本発明の別の好ましい実施態様では、炎症、アレルギー、又は増殖プロセスを特徴とする病気は、I型糖尿病、骨関節炎、ギヤン-バレー症候群、経皮経管冠動脈形成術後再狭窄、アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷害、外傷続発性多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性全腸炎、並びに血液透析、白血球交換療法、顆粒球輸血に付随する症候群から選択される。
【0055】
本発明は、さらに、上述した病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、該患者に、(a)有効な量の医薬的に許容しうる本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩;及び(b)医薬的に許容しうるグルココルチコイドを逐次的又は同時に投与することを含む方法を提供する。
本発明は、さらに、試料内のグルココルチコイド受容体機能の検定方法であって、(a)試料を選択量の本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩と接触させる工程;及び(b)試料内のグルココルチコイド受容体に結合している本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩の量を検出する工程を含む方法を提供する。本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩は、放射標識、蛍光標識、化学発光標識、発色団、及びスピン標識から選択される検出可能マーカーで標識される。
【0056】
本発明は、試料又は患者内のグルココルチコイド受容体分布の画像処理方法であって、(a)検出可能マーカーを有する本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を試料に接触させ、或いは患者に投与する工程;(b)画像を得るための画像処理手段を用いて、試料又は患者内のグルココルチコイド受容体に結合している、検出可能マーカーを有する本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩の空間分布と量を検出する工程;及び(c)試料内のグルココルチコイド受容体に結合している検出可能マーカーを有する本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩の空間分布と量の画像を表示する工程を含む方法をも提供する。本発明の好ましい実施態様では、画像処理手段は、ラジオシンチグラフィー、核磁気共鳴像法(MRI)、コンピューター断層撮影法(CTスキャン)、又はポジトロン放出断層撮影法(PET)から選択される。
本発明は、試料内のグルココルチコイド受容体機能のインビトロ診断決定用キットであって、(a)診断的に有効な量の本発明の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩;及び(b)診断キットの使用説明書を含むキットをも提供する。
【0057】
〔発明の詳細な説明〕
〔使用する用語と慣例の定義〕
ここで具体的に定義しない用語は、本開示と文脈に照らして本技術の当業者によって与えられるであろう意味が与えられるものとする。しかし、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、反対の意味に明記しない限り、以下の用語は示した意味を有し、以下の慣例が固守される。
A.化学的な命名法、用語、及び慣例
以下に定義する基(groups)、基(radicals)、又は成分(moieties)では、炭素原子の数は、該基に先行して特定されることが多く、例えば、C1-C10アルキルは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。いずれの炭素含有基にも適用される用語“低級”は、該基に妥当なように(すなわち、環式基は環を構成するために少なくとも3個の炭素原子を持たなければならない)1〜8個の炭素原子を含有する基を意味する。一般に、2個以上のサブ基を含む基では、最後の命名基が該基の結合点であり、例えば、“アルキルアリール”は、式Alk-Ar-の一価基を意味し、“アリールアルキル”は、式Ar-Alk-の一価基を意味する(式中、Alkはアルキル基であり、Arはアリール基である)。さらに、二価基が妥当な場合に一価基を示す用語の使用は、それぞれの二価基を示すものと、また逆も同様に解釈すべきである。特に指定のない限り、用語の慣習的な定義が支配し、すべての式及び基で慣習的に安定な原子価が仮定かつ達成されている。
【0058】
用語“アルキル”又は“アルキル基”は、分岐若しくは直鎖飽和脂肪族炭化水素一価基を意味する。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)等のような基によって例示される。“Alk”と略記されうる。
用語“アルケニル”又は“アルケニル基”は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有する分岐若しくは直鎖脂肪族炭化水素一価基を意味する。この用語は、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、3-メチルブタ-2-エニル、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等のような基によって例示される。
用語“アルキニル”又は“アルキニル基”は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有する分岐若しくは直鎖脂肪族炭化水素一価基を意味する。この用語は、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、n-ペンチニル、ヘプチニル、オクチニル、デシニル等のような基によって例示される。
【0059】
用語“アルキレン”又は“アルキレン基”は、指定数の炭素原子を有する分岐若しくは直鎖飽和脂肪族炭化水素二価基を意味する。この用語は、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン等のような基によって例示され、本明細書では代わりにかつ同等に-(アルキル)-と示すことがある。
用語“アルケニレン”又は“アルケニレン基”は、指定数の炭素原子と少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する分岐若しくは直鎖脂肪族炭化水素二価基を意味する。この用語は、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン等のような基によって例示され、本明細書では代わりにかつ同等に-(アルキレニル)-と示すことがある。
用語“アルキニレン”又は“アルキニレン基”は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有する分岐若しくは直鎖脂肪族炭化水素二価基を意味する。この用語は、エチニレン、プロピニレン、n-ブチニレン、2-ブチニレン、3-メチルブチニレン、n-ペンチニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、デシニレン等のような基によって例示され、本明細書では代わりにかつ同等に-(アルキニル)-と示すことがある。
【0060】
用語“アルコキシ”又は“アルコキシ基”は、式AlkO-(式中、Alkはアルキル基である)の一価基を意味する。この用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ等のような基によって例示される。
用語“アリールオキシ”、“アリールオキシ基”は、式ArO-(式中、Arはアリール基である)の一価基を意味する。この用語は、フェノキシ、ナフトキシ等のような基によって例示される。
用語“オキソ”は、式(=O)の二重結合した二価酸素基を意味し、例えば“オキソ”で置換されているアルキル基の一例は、式Alk-C(O)-Alk(式中、各Alkはアルキルである)の基である。
用語“アルキルカルボニル”、“アルキルカルボニル基”、“アルカノイル”、又は“アルカノイル基”は、式AlkC(O)-(式中、Alkはアルキル又は水素である)の一価基を意味する。
用語“アリールカルボニル”、“アリールカルボニル基”、“アロイル”又は“アロイル基”は、式ArC(O)-(式中、Arはアリールである)の一価基を意味する。
【0061】
用語“アシル”又は“アシル基”は、式RC(O)-(式中、Rは水素又は有機置換基から選択される置換基である)の一価基を意味する。典型的な置換基として、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等が挙げられる。それ自体で、この用語は、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基を含む。
用語“アシルアミノ”又は“アシルアミノ基”は、式RC(O)N(R)-(式中、各Rは水素又は置換基から選択される置換基である)の一価基を意味する。
用語“アルコキシカルボニル”又は“アルコキシカルボニル基”は、式AlkO-C(O)-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。典型的なアルコキシカルボニル基として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0062】
用語“アリールオキシカルボニル”又は“アリールオキシカルボニル基”は、式ArO-C(O)-(式中、Arはアリールである)の一価基を意味する。
用語“アルキルカルボニルオキシ”又は“アルキルカルボニルオキシ基”又は“アルカノイルオキシ”又は“アルカノイルオキシ基”は、AlkC(O)O-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。
用語“アリールカルボニルオキシ”又は“アリールカルボニルオキシ基”又は“アロイルオキシ”又は“アロイルオキシ基”は、ArC(O)O-(式中、Arはアリールである)の一価基を意味する。
【0063】
用語“アルキルアミノカルボニルオキシ”又は“アルキルアミノカルボニルオキシ基”は、式R2NC(O)O-(式中、各Rは独立的に水素又は低級アルキルである)の一価基を意味する。
用語“アルコキシカルボニルアミノ”又は“アルコキシカルボニルアミノ基”は、式ROC(O)NH-(式中、Rは低級アルキルである)の一価基を意味する。
用語“アルキルカルボニルアミノ”又は“アルキルカルボニルアミノ基”又は“アルカノイルアミノ”又は“アルカノイルアミノ基”は、式AlkC(O)NH-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。典型的なアルキルカルボニルアミノ基として、アセトアミド(CH3C(O)NH-)が挙げられる。
【0064】
用語“アルキルアミノカルボニルオキシ”又は“アルキルアミノカルボニルオキシ基”は、式AlkNHC(O)O-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。
用語“アミノ”又は“アミノ基”は、-NH2基を意味する。
用語“アルキルアミノ”又は“アルキルアミノ基”は、式(Alk)NH-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。典型的なアルキルアミノ基として、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ等が挙げられる。
用語“ジアルキルアミノ”又は“ジアルキルアミノ基”は、式(Alk)(Alk)N-(式中、各Alkは独立的にアルキルである)の一価基を意味する。典型的なジアルキルアミノ基として、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ等が挙げられる。
用語“置換アミノ”又は“置換アミノ基”は、式NR2-(式中、各Rは独立的に水素又は指定置換基から選択される置換基である(しかし両Rが水素ではありえない))の一価基を意味する。典型的な置換基として、アルキル、アルカノイル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等が挙げられる。
用語“アルコキシカルボニルアミノ”又は“アルコキシカルボニルアミノ基”は式AlkOC(O)NH-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。
用語“ウレイド”又は“ウレイド基”は、R2NC(O)NH-(式中、各Rは独立的に水素又はアルキルである)の一価基を意味する。
【0065】
用語“ハロゲン”又は“ハロゲン基”は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード基を意味する。
用語“ハロ”は、該基の1個以上の水素原子がハロゲン基で置換されていることを意味する。
用語“ハロアルキル”又は“ハロアルキル基”は、その1個以上の水素原子がそれぞれ独立的にハロゲン原子で置換されている分岐若しくは直鎖飽和脂肪族炭化水素一価基を意味する。この用語は、クロロメチル、1,2-ジブロモエチル、1,1,1-トリフルオロプロピル、2-ヨードブチル、1-クロロ-2-ブロモ-3-フルオロペンチル等のような基によって例示される。
用語“スルファニル”、“スルファニル基”、“チオエーテル”、又は“チオエーテル基”は、式-S-の二価基を意味する。
用語“アルキルチオ”又は“アルキルチオ基”は、式AlkS-(式中、Alkはアルキルである)の一価基を意味する。典型的な基として、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ等が挙げられる。
用語“アリールチオ”又は“アリールチオ基”は、式ArS-(式中、Arはアリールである)の一価基を意味する。
用語“スルフィニル”、“スルフィニル基”、“チオニル”又は“チオニル基”は、式-SO-の二価基を意味する。
用語“スルホニル”又は“スルホニル基”は、式-SO2-の二価基を意味する。
用語“スルホニルアミノ”又は“スルホニルアミノ基”は、式-SO2NR-(式中、Rは水素又は置換基である)の二価基を意味する。
用語“アミノスルホニル”又は“アミノスルホニル基”は、式NR2SO2-(式中、Rはそれぞれ独立的に水素又は置換基である)の一価基を意味する。
【0066】
用語“炭素環”又は“炭素環基”は、炭素原子と水素原子のみから成る安定な脂肪族3-〜15-員単環式又は多環式の一価又は二価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環である。特に指定のない限り、炭素環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。該用語は、シクロアルキル(スピロシクロアルキルを含む)、シクロアルキレン、シクロアルケニル、シクロアルケニレン、シクロアルキニル、及びシクロアルキニレン等を含む。
【0067】
用語“シクロアルキル”又は“シクロアルキル基”は、炭素原子と水素原子のみから成る安定な脂肪族飽和3-〜15-員単環式又は多環式一価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環である。特に指定のない限り、シクロアルキル環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルナニル、アダマンチル、テトラヒドロナフチル(テトラリン)、1-デカリニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチル等が挙げられる。
用語“シクロアルケニル”又は“シクロアルケニル基”は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、かつ炭素原子と水素原子のみから成る安定な脂肪族3-〜15-員単環式又は多環式一価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環である。特に指定のない限り、シクロアルケニル環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なシクロアルケニル基として、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニル、ノルボルネニル、2-メチルシクロペンテニル、2-メチルシクロオクテニル等が挙げられる。
【0068】
用語“シクロアルキニル”又は“シクロアルキニル基”は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、かつ炭素原子と水素原子のみから成る安定な脂肪族8-〜15-員単環式又は多環式一価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは8-〜10-員単環式又は12-〜15-員二環式環である。特に指定のない限り、シクロアルキニル環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なシクロアルキニル基として、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル、2-メチルシクロオクチニル等が挙げられる。
用語“シクロアルキレン”又は“シクロアルキレン基”は、炭素原子と水素原子のみから成る安定な飽和脂肪族3-〜15-員単環式又は多環式二価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環である。特に指定のない限り、シクロアルキル環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なシクロアルキレン基として、シクロペンチレン等が挙げられる。
【0069】
用語“シクロアルケニレン”又は“シクロアルケニレン基”は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、かつ炭素原子と水素原子のみから成る安定な脂肪族5-〜15-員単環式又は多環式二価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環である。特に指定のない限り、シクロアルケニレン環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なシクロアルケニレン基として、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、シクロオクテニレン、シクロノネニレン、シクロデセニレン、ノルボルネニレン、2-メチルシクロペンテニレン、2-メチルシクロオクテニレン等が挙げられる。
用語“シクロアルキニレン”又は“シクロアルキニレン基”は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、かつ炭素原子と水素原子のみから成る安定な脂肪族8-〜15-員単環式又は多環式二価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは8-〜10-員単環式又は12-〜15-員二環式環である。特に指定のない限り、シクロアルキニレン環は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なシクロアルキニレン基として、シクロオクチニレン、シクロノニニレン、シクロデシニレン、2-メチルシクロオクチニレン等が挙げられる。
【0070】
用語“アリール”又は“アリール基”は、単一の環(例えば、フェニル若しくはフェニレン)又は複数の縮合環(例えば、ナフチル若しくはアントラニル)を有する6〜14個の炭素原子の芳香族炭素環式一価又は二価基を意味する。特に指定のない限り、アリール環は、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切な炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的なアリール基として、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、インダニル、インデニル、ビフェニル等が挙げられる。“Ar”と略記しうる。
用語“ヘテロアリール”又は“ヘテロアリール基”は、環中に窒素、酸素、及びイオウから独立的に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、安定な芳香族5-〜14-員単環式又は多環式の一価又は二価基を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環であり、ここで、いずれのイオウヘテロ原子も任意に酸化されていてもよく、かついずれの窒素ヘテロ原子も任意に酸化又は四級化されていてもよい。特に指定のない限り、ヘテロアリール環は、安定な構造をもたらすいずれの適切なヘテロ原子若しくは炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切なヘテロ原子若しくは炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的かつ好ましいヘテロアリール基として、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリジニル、アザインドリジニル、インドリル、アザインドリル、ジアザインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロアザインドリル、イソインドリル、アザイソインドリル、ベンゾフラニル、フラノピリジニル、フラノピリジニル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジニル、ジヒドロフラノピリミジニル、ベンゾチエニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、チエノピラジニル、チエノピリダジニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロチエノピリジニル、ジヒドロチエノピリミジニル、インダゾリル、アザインダゾリル、ジアザインダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジニル、チアゾロピリミジニル、ベンゾオキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾロピリミジニル、ベンゾイソキサゾリル、プリニル、クロマニル、アザクロマニル、キノリジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、シンノリニル、アザシンノリニル、フタラジニル、アザフタラジニル、キナゾリニル、アザキナゾリニル、キノキサリニル、アザキノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロナフチリジニル、テトラヒドロナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンゾ[1,3]ジオキサン、ジヒドロベンズイミダゾロン等が挙げられる。
【0071】
用語“ヘテロ環”、“ヘテロ環基”、“ヘテロサイクリル”、又は“ヘテロサイクリル基”は、環中に窒素、酸素、及びイオウから独立的に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、安定な非芳香族5-〜14-員単環式又は多環式の一価又は二価の環を意味し、1個以上の縮合環又は架橋環を含んでよく、好ましくは5-〜7-員単環式又は7-〜10-員二環式環であり、ここで、いずれのイオウヘテロ原子も任意に酸化されていてもよく、かついずれの窒素ヘテロ原子も任意に酸化又は四級化されていてもよい。特に指定のない限り、ヘテロサイクリル環は、安定な構造をもたらすいずれの適切なヘテロ原子若しくは炭素原子のところで結合していてもよく、かつ置換されている場合、安定な構造をもたらすいずれの適切なヘテロ原子若しくは炭素原子のところで置換されていてもよい。典型的かつ好ましいヘテロ環として、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル等が挙げられる。
【0072】
用語“本発明の化合物”及び同等の表現は、本明細書で述べるとおりの式(I)の化合物を包含し、文脈から許される場合、その互変異性体、プロドラッグ、塩、特に医薬的に許容しうる塩、並びに溶媒和化合物及び水和物を包含することを意味する。一般的かつ好ましくは、本発明の化合物及び本発明の化合物を表す式は、その安定な化合物のみを含み、不安定な化合物が該化合物の式によって逐語的に包含されると考えられる場合でさえ、不安定な化合物は除外するものと解釈する。同様に、中間体に対する言及は、それ自体を請求していてもいなくても、文脈から許される場合、その塩及び溶媒和化合物を包含することを意味する。明瞭にするため、文脈から許される特定の例が本文で示されることがあるが、これら例は単に例示であり、文脈から許される他の例を排除することを意図しない。
【0073】
用語“任意の”又は“任意に”は、その後に述べる事象又は事情が起こっても起こらなくてもよく、かつその記述は該事象又は事情が起こった場合及びそれが起こらなかった場合を包含することを意味する。例えば、“任意に置換されていてもよいアリール”は、アリール基が置換されていてもいなくてもよいことを意味し、かつこの記述は置換されているアリール基と、置換のないアリール基の両者を包含する。
用語“安定な化合物”又は“安定な構造”は、反応混合物から役立つ程度の純度に単離すること、及び有効な治療薬又は診断薬への処方を生き抜くのに十分頑強である化合物を意味する。例えば、“ダングリング原子価”を持つであろう、或いはカルボアニオンである化合物は、本発明で想定される化合物ではない。
【0074】
用語“置換される”は、基又は成分の原子上の1個以上の、具体的に指名され或いは指名されない水素原子が、該原子の普通の原子価を超えず、かつ該置換が安定な化合物をもたらすことを条件に、指示した置換基群から選択される基と交換されることを意味する。置換基への結合が、環内の2つの原子を結びつける結合を横切ることが示される場合、このような置換基は、該環上のいずれの原子にも結合しうる。置換基が、このような置換基を該化合物の残基につなげる原子を指示せずに列挙されているときは、このような置換基は、該置換基内のいずれの原子によっても結合されうる。例えば、置換基がピペラジニル、ピペリジニル、又はテトラゾリルであるとき、特に指定のない限り、該ピペラジニル、ピペリジニル、又はテトラゾリル基は、該ピペラジニル、ピペリジニル、又はテトラゾリル基内のいずれの原子によっても本発明の化合物の残基に結合されうる。一般的に、いずれかの構成又は化合物内で1回より多く置換基又は基が現れる場合、各存在についてのその定義は、他の存在毎にその定義から独立している。従って、例えば、ある基が0〜2個のR5で置換されると示されている場合、該基は、任意に2個までのR5基で置換されることがあり、各存在におけるR5は、R5として可能な定義リストから独立的に選択される。しかし、置換基及び/又は変量のこのような組合せは、該組合せが安定な化合物をもたらす場合のみ許される。
特有の実施態様では、用語“約(about)”又は“約(approximately)”は、与えられた値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、さらに好ましくは5%以内を意味する。
本明細書で述べる各反応の収率は、理論的な収量のパーセンテージとして表す。
【0075】
B.塩、プロドラッグ、誘導体、及び溶媒和化合物の用語と慣例
用語“プロドラッグ”又は“プロドラッグ誘導体”は、その薬理学的効果を示す前に少なくともいくらかの生変換を受ける親化合物又は活性薬物の共有結合した誘導体又は担体を意味する。一般に、このようなプロドラッグは代謝的に分裂しうる基を有し、例えば血液内での加水分解によって迅速にインビボ変換して親化合物を与え、プロドラッグとして一般的に親化合物のエステル及びアミド類似体が挙げられる。プロドラッグは、化学的安定性改善、患者の受け入れとコンプライアンス改善、バイオアべイラビリティー改善、作用持続時間の延長、臓器選択性改善、製剤形態改善(例えば、水溶性向上)、及び/又は副作用(例えば、毒性)低減の目的で処方される。一般に、プロドラッグ自体は生物活性が弱いか又は無く、通常の条件下で安定である。プロドラッグは、A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard-Larsen及びH. Bundgaard (eds.), Gordon & Breach, 1991,特に第5章: “プロドラッグの設計と応用”; Design of Prodrugs, H. Bundgaard (ed.), Elsevier, 1985; Prodrugs: Topical and Ocular Drug Delivery, K.B. Sloan (ed.), Marcel Dekker, 1998; Methods in Enzymology, K. Widder et al.(eds.), Vol. 42, Academic Press, 1985, 特に309〜396ページ; Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 5th Ed., M. Wolff (ed.), John Wiley & Sons, 1995,特に1巻かつ172〜178ページ及び949〜982ページ; Pro-Drugs as Novel Delivery Systems, T. Higuchi and V. Stella (eds.), Am. Chem. Soc., 1975;及び Bioreversible Carriers in Drug Design, E.B. Roche (ed.), Elsevier, 1987(それぞれ参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)に記載されている方法のような技術的に公知の方法で親化合物から容易に調製されうる。
【0076】
本明細書で使用する場合、用語“医薬的に許容しうるプロドラッグ”は、ゾンデ医学的判断の範囲内で、不相応な毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当な利益/危険比で釣り合っており、かつその意図した用途に有効であり、可能な場合は双性イオンの形態である、本発明の化合物のプロドラッグを意味する。
用語“塩”は、親化合物のイオン性形態、又は親化合物と、親化合物の酸性塩若しくは塩基性塩を生じさせるのに好適な酸若しくは塩基との間の反応生成物を意味する。本発明の化合物の塩は、従来の化学的方法で、塩基性若しくは酸性成分を含有する親化合物から合成されうる。一般的に、塩は、適切な溶媒又は種々の組合せの溶媒中、フリーな塩基性又は酸性の親化合物を、化学量論量又は過剰な所望の塩形成用無機若しくは有機酸又は塩基と反応させることによって調製される。
【0077】
用語“医薬的に許容しうる塩”は、ゾンデ医学的判断の範囲内で、不相応な毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当な利益/危険比で釣り合っており、通常、水溶性若しくは油溶性又は水若しくは油に分散性であり、かつその意図した用途に有効である、本発明の化合物の塩を意味する。この用語は、医薬的に許容しうる酸付加塩と医薬的に許容しうる塩基付加塩を包含する。本発明の化合物が遊離塩基と塩形態の両者で有用な場合、実際には、塩形態の使用は塩基形態の使用ということになる。好適な塩のリストは、例えば、S.M. Birgeら, J. Pharm. Sci., 1977, 66, pp. 1-19(参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)に記載されている。
【0078】
用語“医薬的に許容しうる酸付加塩”は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、及び酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、酪酸、樟脳酸、樟脳スルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、ジグルコン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリセロリン酸、ヘミスルフィン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ギ酸、フマル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)、乳酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸、ペクチン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸などのような有機酸と共に形成された、遊離塩基の生物学的効果及び特性を保持し、かつ生物学的又はそれ以外でも望ましくなくない当該塩を意味する。
【0079】
用語“医薬的に許容しうる塩基付加塩”は、アンモニア、又はアンモニウム若しくはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等のような金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、若しくは炭酸水素塩のような無機塩基と共に形成された、遊離酸の生物学的効果及び特性を保持し、かつ生物学的又はそれ以外でも望ましくなくない当該塩を意味する。特に好ましくはアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩である。医薬的に許容しうる無毒の有機塩基から誘導される塩として、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ポリアミン樹脂などのような一級、二級、及び三級アミン、四級アミン化合物、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩が挙げられる。特に好ましい無毒の有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。
【0080】
用語“溶媒和化合物”は、化合物と1つ以上の溶媒分子の物理的な会合物、或いは溶質(例えば、式(I)の化合物)と溶媒、例えば、水、エタノール、又は酢酸によって形成された可変化学量論の複合物を意味する。この物理的な会合物は、水素結合を含め、異なる程度のイオン結合と共有結合を含みうる。ある例では、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子内に取り込まれている場合、溶媒和化合物は分離可能である。一般に、選択される溶媒は溶質の生物活性を妨げない。溶媒和化合物は、溶液相及び分離可能溶媒和化合物の両者を包含する。代表的な溶媒和化合物として、水和物、エタノレート(ethanolates)、メタノレート(metahnolates)等が挙げられる。
用語“水和物”は、溶媒分子がH2Oである溶媒和化合物を意味する。
以下で論じるような本発明の化合物は、その遊離塩基又は酸、その塩、溶媒和化合物、及びプロドラッグを含み、かつ明白に述べ或いは示さないが、その構造中に酸化されたイオウ原子又は四級化された窒素原子、特に医薬的に許容しうる形態を含みうる。このような形態、特に医薬的に許容しうる形態は、添付の特許請求の範囲に包含されること意図している。
【0081】
C.異性体用語と慣例
用語“異性体”は、同じ数と種類の原子を有し、それゆえに同じ分子量を有するが、空間的な原子の配列又は配置が異なる化合物を意味する。この用語は、立体異性体と幾何異性体を包含する。
用語“立体異性体”又は“光学異性体”は、少なくとも1個のキラル原子又は垂直の非対称面を生じさせる制限された回転を有し(例えば、特定のビフェニル、アレン、及びスピロ化合物)、かつ平面偏光を回転させうる安定な異性体を意味する。本発明の化合物には不斉中心及び立体異性を生じさせうる他の化学構造が存在するので、本発明は立体異性体とその混合物を想定する。本発明の化合物及びその塩は不斉炭素原子を含むので、単一の立体異性体、ラセミ体として、並びにエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物として存在しうる。典型的に、このような化合物はラセミ混合物として調製されるだろう。しかし、所望により、このような化合物を純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとして、或いは立体異性体に富んだ混合物として調製又は単離することができる。さらに詳細に後述するように、化合物の個々の立体異性体は、所望のキラル中心を含有する光学活性な出発原料からの合成によって、或いはエナンチオマー生成物の混合物を調製後、ジアステレオマー混合物への転換後分離若しくは再結晶、クロマトグラフ法、キラル分割剤の使用、又はキラルクロマトグラフカラム上でのエナンチオマーの直接分離のような分離又は分割によって調製される。特定の立体化学の出発化合物は商業的に入手可能であり、或いは後述する方法で調製して技術的に周知な方法で分割される。
【0082】
用語“エナンチオマー”は、相互に重ね合わせることができない鏡像である1対の立体異性体を意味する。
用語“ジアステレオ異性体”又は“ジアステレオマー”は相互に鏡像でない光学異性体を意味する。
用語“ラセミ混合物”又は“ラセミ体”は等しい割合で個々のエナンチオマーを含有する混合物を意味する。
用語“非ラセミ混合物”は等しくない割合で個々のエナンチオマーを含有する混合物を意味する。
用語“幾何異性体”は、二重結合の回り(例えば、シス-2-ブテンとトランス-2-ブテン)又は環式構造内(例えば、シス-1,3-ジクロロシクロブタンとトランス-1,3-ジクロロシクロブタン)で回転の自由が制限されていることから生じる安定な異性体を意味する。炭素-炭素二重(オレフィン性)結合、C=N二重結合、環式構造などが本発明の化合物には存在しうるので、本発明はこれら二重結合の回り及びこれら環式構造内における置換基の配置に起因する種々の安定な各幾何異性体及びその混合物を想定する。置換基及び異性体はシス/トランス慣例を用い、或いはE又はZシステムを用いて命名され、用語“E”は高順位置換基が二重結合の反対側にあることを意味し、かつ用語“Z”は高順位置換基が二重結合の同じ側にあることを意味する。E及びZ異性の通しの議論は、J. March, Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 4th ed., John Wiley & Sons, 1992(参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)に提供されている。以下の実施例のいくつかは、単一のE異性体、単一のZ異性体、及びE/Z異性体の混合物に相当する。E及びZ異性体の決定は、X線結晶学、1H NMR、及び13C NMRのような分析法によって行うことができる。
【0083】
本発明のいくつかの化合物は、1つより多くの互変異性形態で存在しうる。上述したように、本発明の化合物はこのようなすべての互変異性体を包含する。
化合物の生物学的及び薬理学的活性が該化合物の立体化学に敏感であることは技術的に周知である。従って、例えば、エナンチオマーは、多くの場合、代謝、タンパク質結合性などを含む薬物動態学的特性、及び示される活性のタイプ、活性の程度、毒性などを含む薬理学的特性の相異を含む著しく異なった生物学的活性を示す。従って、本技術の当業者は、一方のエナンチオマーが他方のエナンチオマーに比べて富んでいるか或いは他方のエナンチオマーから分離されている場合、より活性であるか又は有益な効果を示しうることを認めるだろう。また、本技術の当業者には、この開示及び先行技術の知識から、本発明の化合物のエナンチオマーをどうやって分離し、濃厚にし、又は選択的に調製するかが分かるだろう。
その例として、薬物のラセミ形態を使用してもよいが、多くの場合、等量の鏡像異性的に純粋な薬物を投与するより効力が低く;実際、一方のエナンチオマーは薬理学的に不活性で、単に希釈剤としてしか役立たない場合がある。例えば、イブプロフェンは、以前はラセミ体として投与されていたが、イブプロフェンのS-異性体だけが抗炎症薬として有効であることが分かった(しかし、イブプロフェンの場合、R-異性体は不活性であるが、S-異性体にインビボ転換されるので、この薬物のラセミ形態の作用速度は純粋なS-異性体より遅い)。さらに、エナンチオマーの薬理学的活性は、別個の生物学的活性を有するかもしれない。例えば、S-ペニシラミンは慢性関節炎の治療薬であるが、R-ペニシラミンは毒性である。実際、純化した個々の異性体がラセミ混合物に比べて速い皮膚浸透速度を有すると報告されているように、純化したエナンチオマーはラセミ体を超える利点を有することがある。米国特許第5,114,946号及び第4,818,541号を参照されたい。
【0084】
従って、一方のエナンチオマーが他方のエナンチオマーより薬理学的に活性で、毒性が低く、或いは体内で好ましい性質を有する場合、当該エナンチオマーを優先的に投与することが治療的に有益だろう。この方法では、治療を受ける患者がさらされる薬物の総用量は少なく、かつ毒性の可能性があるエナンチオマー又は他方のエナンチオマーのインヒビターの用量が少ないだろう。
純粋なエナンチオマー又は所望のエナンチオマー過剰(ee)若しくはエナンチオマー的純度の混合物の調製は、1種以上の多くの方法、すなわち(a)エナンチオマーの分離若しくは分割、又は(b)本技術の当業者に公知のエナンチオ選択的合成、又はその組合せによって達成される。これら分割法は、一般的にキラル認識に依存し、例えば、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー、エナンチオ選択的ホスト-ゲスト複合体生成、キラル補助手段を用いる分割若しくは合成、エナンチオ選択的合成、酵素的及び非酵素的動的分割、又は自発性エナンチオ選択的結晶化が挙げられる。このような方法は、一般的にChiral Separation Techniques: A Practical Approach(第2版), G. Subramanian(ed.), Wiley-VCH, 2000; T.E. Beesley及びR.P.W. Scott, Chiral Chromatography, John Wiley & Sons, 1999;及びSatinder Ahuja, Chiral Separations by Chromatography, Am. Chem. Soc., 2000に開示されている。さらに、エナンチオマー過剰若しくは純度の定量化で同様に周知な方法、例えば、GC、HPLC、CE、又はNMR、及び絶対配置と立体配座の割当て、例えばCD ORD、X線結晶学、又はNMRがある。
一般に、化学構造又は化合物の個々の幾何異性体若しくは立体異性体又はラセミ若しくは非ラセミ混合物であれ、化合物名又は構造中に特定の立体化学又は異性形態が具体的に示されていない限り、すべての互変異性形態と異性形態及び混合物を意図している。
【0085】
D.製剤投与及び診断及び治療用語と慣例
用語“患者”は、ヒトと非ヒト哺乳類の両者を包含する。
用語“有効な量”は、本発明の化合物が投与又は使用される状況において、所望の効果又は結果を達成するのに十分な本発明の化合物の量を意味する。状況によって、用語有効な量は、医薬的に有効な量又は診断的に有効な量を包含し、或いは同義でありうる。
用語“医薬的に有効な量”又は“治療的に有効な量”は、本発明の化合物が必要な患者にそれを投与するとき、該化合物が役立つ病気状態、状況、又は障害の治療を果たすのに十分な本発明の化合物の量を意味する。このような量は、研究者又は臨床医が探究している組織、系、又は患者の生物学的又は医学的反応を誘発するのに十分だろう。治療的に有効な量を構成する本発明の化合物の量は、該化合物とその生物学的活性、投与に用いる組成物、投与の時間、投与の経路、該化合物の排出速度、治療の持続時間、治療する病気状態又は障害のタイプとその重症度、本発明の化合物と組み合わせて或いは同時に使用する薬物、及び患者の年齢、体重、通常の健康状態、性、食事療法のような因子によって変わる。本技術の当業者は、自分自身の知識、先行技術、及びこの開示を顧慮してこのような治療的に有効な量を日常的に決定することができる。
【0086】
用語“診断的に有効な量”は、本発明の化合物を診断方法、装置、又は検定で使用するとき、所望の診断効果或いは該診断方法、装置、又は検定に必要な所望の生物学的活性を達成するのに十分な本発明の化合物の量を意味する。このような量は、診断方法、装置、又は検定において、研究者又は臨床医が探究している患者内或いはインビトロ若しくはインビボ組織又は系内での生物学的又は医学的反応を含みうる生物学的又は医学的反応を誘発するのに十分だろう。診断的に有効な量を構成する本発明の化合物の量は、該化合物とその生物学的活性、使用する診断方法、装置、又は検定、投与に用いる組成物、投与の時間、投与の経路、該化合物の排出速度、投与の持続時間、本発明の化合物と組み合わせて或いは同時に使用する薬物及び化合物、並びに、患者が診断投与の対象である場合、該患者の年齢、体重、通常の健康状態、性、食事療法のような因子によって変わる。本技術の当業者は、自分自身の知識、先行技術、及びこの開示を顧慮してこのような診断的に有効な量を日常的に決定することができる。
【0087】
用語“調節する”は、化合物の、例えば、グルココルチコイド受容体に結合してグルココルチコイド受容体機能性反応を刺激又は阻害することによって、グルココルチコイド受容体の機能を変える能力を意味する。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“モジュレーター”は、グルココルチコイド受容体機能を調節する化合物を意味する。そのようなモジュレーターとして、限定するものではないが、アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、及び部分アンタゴニストが挙げられる。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“アゴニスト”は、グルココルチコイド受容体に結合すると、グルココルチコイド受容体機能を増強し或いは高める化合物を意味する。そのようなアゴニストとして、部分アゴニストと完全アゴニストが挙げられる。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“完全アゴニスト”は、予備の(非占有)グルココルチコイド受容体が存在するときでさえ、グルココルチコイド受容体から最大の刺激反応を誘起する化合物を意味する。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“部分アゴニスト”は、グルココルチコイド受容体を飽和させるのに十分な濃度で存在するときでさえ、グルココルチコイド受容体から最大の刺激反応を誘起できない化合物を意味する。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“アンタゴニスト”は、グルココルチコイド受容体機能を直接又は間接的に阻害又は抑制する化合物を意味する。そのようなアンタゴニストとして、部分アンタゴニストと完全アンタゴニストが挙げられる。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“完全アンタゴニスト”は、予備の(非占有)グルココルチコイド受容体が存在するときでさえ、グルココルチコイド受容体から最大の阻害反応を誘起する化合物を意味する。
本発明の化合物を記述する文脈中の用語“部分アンタゴニスト”は、グルココルチコイド受容体を飽和させるのに十分な濃度で存在するときでさえ、グルココルチコイド受容体から最大の阻害反応を誘起できない化合物を意味する。
用語“治療する”又は“治療”は、患者の病気状態の治療を意味し、かつ以下のことを包含する:
(i)特に、該患者が遺伝的又は他の点でその病気状態にかかり易いがまだその病気状態を有していると診断されていない場合に、患者にその病気状態が生じるのを予防すること;
(ii)患者のその病気状態を阻害又は緩和する、すなわちその進行を抑え又は遅らせること;又は
(iii)患者のその病気状態を軽減、すなわち病気状態の退行又は治癒をもたらすこと。
【0088】
〔式(IA)及び式(IB)の化合物を製造するための一般的な合成方法〕
本発明は、式(IA)及び式(IB)の化合物の製造方法をも提供する。すべてのスキームで、特に指定のない限り、下記式中のR1〜R6は上述した本発明の式(IA)及び式(IB)中のR1〜R6の意味を有するものとする。中間体の合成では、米国特許出願第2004/0023999号及び第2004/0162321号(参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)に開示されている合成手順を参照されたい。本発明の化合物の調製で使用する他の中間体は商業的に入手可能であり、或いは本技術の当業者に周知な方法で容易に調製される。
最適な反応条件及び反応時間は使用する個々の反応物によって変わりうる。特に指定のない限り、本技術の当業者は溶媒、温度、圧力、及び他の反応条件を容易に選択することができる。実験例セクションで具体的手順を提供する。典型的に、反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)又は分析用の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でモニターし、所望により、シリカゲル上クロマトグラフィー、再結晶、及び/又は当業者に知られている他の精製方法で中間体及び生成物を精製することができる。
【0089】
下記スキームIで概要を述べる方法によって、R4が-CH2-である式(IA)の化合物を調製することができる。
【化43】

【0090】
スキームIに示されるように、式(II)(式中、R'はMe又はEtである)のエステル中間体を、適切な溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)又はジエチルエーテル(Et2O)中、適切な還元剤、例えば水素化アルミニウムリチウムと反応させて式(III)の1,2-ジオールを生成する。ジオール(III)を試薬、例えばジオール(III)の一級アルコールと脱離基Lを形成するであろうR'SO2Cl(R'=メチル又はp-トリル)と反応させる。適切な脱離基は、例えばメシラート又はトシラート(IV,Lは-SO2CH3又は-SO2(p-トリル))のようなスルホン酸エステルであろう。中間体(IV)を単離し、或いは炭酸カリウムのような塩基とin situ反応させてエポキシド(V)を生成しうる。エポキシド(V)と所望のR5Hの反応が、式(I)の所望生成物を与える。この反応は、DMFのような適切な溶媒中でR5Hとエポキシド(V)を加熱することによって、或いは溶媒中、適切な塩基、例えばEtOH中のナトリウムエトキシドの存在下でR5Hとエポキシド(V)を一緒に加熱することによって起こりうる。
或いは、下記スキームIIで概要を示す方法によってエポキシド(V)を調製することもできる。
【0091】
【化44】

【0092】
スキームIIに示されるように、ジオール中間体(III)を、適切な溶媒、例えばメタノール(MeOH)中、適切な酸化試薬、例えば過ヨウ素酸ナトリウムで酸化的に分解してケトン(XI)を生成する。ケトン(XI)を、DMSOのような適切な溶媒中、ヨウ化トリメチルスルホキソニウムとNaHのような試薬でエポキシ化してエポキシド(V)を与える。
式(II)の中間体は、技術的に公知の方法で調製することができる。下記スキームIIIに2つの手順を示す。
【0093】
【化45】

【0094】
フリーデル-クラフツアルキル化を受けるであろうR1基では、THFのような適切な溶媒中、マンガンとルイス酸(例えば、塩化亜鉛)の存在下、CF3を有し、かつR'がMe又はEtであるピルビン酸エステル(VI)を、R2とオレフィン基(=CH-R”)(R3になるであろう)を有するブロモメチルオレフィン(VII)と反応させて2-ヒドロキシエステル(VIII)を生成することができる。適切なルイス酸(例えば、塩化アルミニウム)の存在下でのこの中間体(VIII)によるR1のフリーデル-クラフツアルキル化が化合物(II)(R3=-CH2R”)を与える。或いは、CF3を有するピルビン酸エステル(VI)と、R1、R2、及びR3を有するエチルマグネシウムハライド(IX)によるグリニャール反応を行って式(II)の所望中間体を与えるうる。
4が-C(O)-である式(IA)の化合物は、下記スキームIVに示されるように、中間体(II)から容易に調製される。















【0095】
【化46】

【0096】
スキームIVに示されるように、例えば、メタノールのような適切な共溶媒と共に水酸化カリウムのような水性塩基と還流させることによる、中間体(II)の加水分解がカルボン酸(X)を与える。技術的に周知の標準的なカップリング条件下、結果のカルボン酸(X)をR5Hとカップリングさせうる(例えばM. Bodanszky, The Practice of Peptide Synthesis (Springer-Verlag: 1984)を参照されたい。参照によって、この文献の全体が本明細書に取り込まれる)。例えば、DMFのような適切な溶媒中、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC)で処理後、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)で処理することによって、カルボン酸(X)とR5Hをカップリングさせうる。
【0097】
下記式(IB)の化合物
【化47】

(式中、R1、R2、R3、R5、R6、及びXは前記定義どおりであり、かつR4は-CH2-である)は、下記スキームVで概要を示す方法で調製される。





【0098】
【化48】

【0099】
スキームVに示されるように、DMFのような適切な溶媒中、式(IA)の化合物を適切な塩基、例えば炭酸カリウムと反応させてケトン(IIB)を与える。THFのような適切な溶媒中、三塩化セリウムの存在下で、有機金属試薬、例えば有機リチウム、有機マグネシウム又は有機亜鉛試薬でケトン(IIB)をアルキル化して式(IB)の化合物を与える。
下記スキームVIで概要を示す方法によっても式(IB)の化合物を調製することができる。
【0100】
【化49】

【0101】
式(IIIB)のケトン中間体を、DMSのような適切な溶媒中、ヨウ化トリメチルスルホキソニウムとNaHのような試薬でエポキシ化して式(VB)のエポキシドを与える。このエポキシド(VB)を所望のR5Hでアルキル化して式(IB)の所望生成物を与える。この反応は、DMFのような適切な溶媒中でR5Hとエポキシド(VB)を加熱することよって、又はエタノール(EtOH)のような適切な溶媒中、ナトリウムエトキシドのような適切な塩基の存在下でR5Hとエポキシド(VB)を加熱することによって起こりうる。
或いは、ジエチルエーテル又はTHFのような適切な溶媒中、水素化ナトリウム又はn-ブチルリチウムのような適切な塩基の存在下で臭化トリフェニルホスホニウムのような試薬を用いてケトン(IIIB)をアルケン(IVB)に変換することができる。次に、ジクロロメタンのような適切な溶媒中、m-クロロペルオキシ安息香酸のような酸化剤でアルケン(IVB)をエポキシ化してエポキシド(VB)を与える。エポキシド(VB)を所望のR5Hでアルキル化して式(IB)の所望生成物を与える。この反応は、DMFのような適切な溶媒中、R5Hとエポキシド(VB)を加熱することによって、又はエタノール(EtOH)のような適切な溶媒中、ナトリウムエトキシドのような適切な塩基の存在下でR5Hとエポキシド(VB)を加熱することによって起こりうる。
さらに、下記スキームVIIに示される順序で、R1が任意的に置換されているアリール基である式(IA)の化合物を、R1が任意的にさらに官能化された式(IA)の化合物に変換することができる。
【0102】
【化50】

【0103】
スキームVIIに示されるように、R1が任意的に置換されているアリール基(該置換基の1つが適切なカップリング基、例えば、Cl、Br、I、又はOTfである)である式(IA)の化合物を、適切な溶媒若しくは溶媒混合物、例えばDME、メタノール、及びDMFの混合物中、適切な触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)と適切な塩基、例えば炭酸カリウムの存在下、適切な温度かつ適切な周囲環境、例えばアルゴン下で適切なカップリング相手、例えばホウ素酸又はホウ素酸エステルで処理して、R1が任意的にさらに官能化された式(IA)の化合物を得る。或いは、R1が任意的に置換されている、適切な基、例えばCl、Br、I、又はOTfを含むアリール基である式(IA)の化合物を、適切な条件下、例えばDME中100℃で炭酸カリウムと共に[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下で適切なカップリング相手、例えばビス(ピナコラト)二ホウ素と反応させることによって、その対応するホウ素酸エステル(XII)に変換する。引き続き、式(VI)のホウ素酸エステルを、適切なカップリング相手、例えばアリール若しくはヘテロアリールハライド又はトリフラートで、かつ適切な前述したカップリング条件下で処理することによって、R1が任意的に官能化された式(IA)の化合物に変換することができる。前記2つの方法間の選択は、カップリング相手の商業的又は合成的な利用能によって決まり、当業者は決定することができる。
【0104】
この発明をさらに完全に理解してもらうため、以下に実施例を示す。これら実施例は、この発明の実施態様を説明するという目的のためであり、当業者には個々の化合物に応じて特定の試薬又は条件を変更できることが分かるので、いかなる場合にも本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。使用する出発原料は商業的に入手可能であり、或いは当業者が商業的に入手可能な原料から容易に調製することができる。
【0105】
〔実験例〕
実施例1:1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン及び6-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-6H-[1,6]ナフチリジン-4-オンの合成
【化51】

【0106】
無水エタノール(0.8mL)中の2-[2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-メチルプロピル]-2-トリフルオロメチルオキシラン(164mg)と[1,6]ナフチリジン-4-オールの懸濁液(W.W. Paudler et al., J. Heterocyclic Chem., 1965, 2, pp. 393-398参照;最後の脱カルボキシル化工程は、フェニルエーテル中で20分間還流させることによって行った)(164mg)にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,209μL)を加えた。85℃で14.5時間加熱後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾燥させ、ろ過し、真空中濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製(5%〜7%のメタノール-塩化メチレンで溶出)して、1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オンを黄褐色固体(38.6mg)(融点:229℃〜230℃)として得、かつ6-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-6H-[1,6]ナフチリジン-4-オンを明黄色固体(75.0mg)(融点:230℃〜231℃)として得た。
【0107】
実施例2:4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンの合成
【化52】

【0108】
無水エタノール(0.8mL)中の2-[2-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-メチルプロピル]-2-トリフルオロメチルオキシラン(154mg)とチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(118mg)の懸濁液にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,146μL)を加えた。85℃で17時間加熱後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製(75%〜100%の酢酸エチル-ヘキサンで溶出)して白色固体として表題化合物を得た(80.8mg;融点:175℃〜176℃)。
【0109】
実施例3:4-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンの合成
【化53】

【0110】
無水ジメチルスルホキシド(7.7mL)中のヨウ化トリメチルスルホキソニウム(1.36g)の懸濁液に水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散系,246mg)を加えた。結果溶液を室温で30分撹拌してから6.5mLの無水ジメチルスルホキシド中の1,1,1-トリフルオロ-4-メチル-4-(5-メチルスルファニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンタン-2-オン(1.63g)の溶液に滴加した。2時間後、100mLの水を加え、結果混合物を100mLずつのエーテルで3回抽出した。混ぜ合わせた有機相を水、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中濃縮して7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-5-メチルスルファニル-2,3-ジヒドロベンゾフランを清澄油(1.64g)として得、さらに精製せずに使用した。
30mLのアセトニトリルと10mLの水中の7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-5-メチルスルファニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン(535mg)の溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(1.03g)を添加後、触媒として塩化ルテニウム(III)(1mg)を加えた。2時間後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。混ぜ合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中濃縮して7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフランを黄褐色固体(568mg)として得、さらに精製せずに使用した。
0.75mLの無水エタノール中の7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン(100mg)とチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(82.9mg)の懸濁液にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,102μL)を加えた。85℃で16時間加熱後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製(4%メタノール-塩化メチレンで溶出)して淡黄色固体として表題化合物を得た(108mg,融点163℃〜165℃)。
【0111】
実施例4:ヘテロアリール-縮合4-ヒドロキシピリジン合成の代表的手順:チエノ[2,3-b]ピリジン-4-オールの合成
【化54】

【0112】
以下に列挙する他の実施例に必要な出発原料は、上記スキームと同様の合成経路で得られる:(1) ヘテロアリールアミン(必要な場合は適宜保護)のエトキシメチレンマロン酸ジエチルとの縮合;(2) ジフェニルエーテルのような適切な溶媒中で加熱することによる環化;(3) 水酸化ナトリウム水溶液による鹸化;及び(4) ジフェニルエーテルのような適切な溶媒中で加熱することによる脱カルボキシル化(先例文献としてM.A. Khan et al., J. Heterocycl. Chem., 1977, 14, 807及びJ.M. Barker et al., J. Chem. Res., Miniprint, 1984, 3, 771を参照せよ)。
【0113】
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チアゾロ[4,5-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-フロ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
7-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-チエノ[2,3-b]ピリジン-4-オン;
7-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-フロ[2,3-b]ピリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チアゾロ[5,4-b]ピリジン-7-オン;
7-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-フロ[2,3-b]ピリジン-4-オン;及び
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1,4-ジヒドロピロロ[3,2-b]ピリジン-7-オン。
以下に列挙する実施例に必要な出発原料は、以下の文献手順に従って得られる。
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,8]ナフチリジン-4-オン(G.B. Barlin et al., Aust. J. Chem., 1984, 37, 1065);及び
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,7]ナフチリジン-4-オン (J.G. Murray et al., J. Org. Chem., 1954, 19, 2008)。
【0114】
実施例5:3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オンの合成
【化55】

【0115】
10mLの2N 水酸化ナトリウム水溶液中の[1,6]ナフチリジン-4-オール(1.00g)に、3分間にわたって13.3mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(4%の利用可能塩素含量)を加えた。1時間撹拌後、酢酸を添加して反応混合物をpH 6にした。生成沈殿をろ過で集めて真空中で乾燥させて3-クロロ-[1,6]ナフチリジン-4-オールを茶色固体として得た(820mg)。
0.75mLの無水エタノール中の7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン(73.2mg)と3-クロロ-[1,6]ナフチリジン-4-オール(82.3mg)の懸濁液にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,0.085mL)を加えた。85℃で12時間加熱後、反応混合物をシリカゲル上に吸収させてカラムクロマトグラフィーで精製(7%〜10%のメタノール-塩化チレンで溶出)して3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オンを淡橙色固体として得た(50.2mg,融点158℃〜160℃)。
【0116】
実施例6:4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンの合成
【化56】

【0117】
20mLの2N 水酸化ナトリウム水溶液中のチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(2.00g)に、15分にわたって25.8mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(Aldrich Chemical Co., 4%の利用可能塩素含量)を加えた。1時間撹拌後、酢酸を添加して反応混合物をpH 6にした。生成沈殿をろ過で集めてメタノール-エタノールから再結晶させて3-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オールを茶色固体として得た(1.50g)。
0.75mLの無水エタノール中の4-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]ベンゾ[1,3]ジオキソール(55.0mg)と3-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(70.9mg)の懸濁液にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,0.071mL)を加えた。85℃で12時間加熱後、反応混合物をシリカゲル上に吸収させてカラムクロマトグラフィーで精製(30%〜50%の酢酸エチル-ヘキサンで溶出)して4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンを泡様固体として得た(65.0mg)。
【0118】
実施例7:4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンの合成
【化57】

【0119】
30mLの2N 水酸化ナトリウム水溶液中のチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(2.00g)に、5分にわたって臭素(16%w/v)と臭化カリウム(30%w/v)の溶液16mLを加えた。3時間撹拌後、酢酸を添加して反応混合物をpH 5にした。生成沈殿をろ過で集め、150mLのメタノール-水(10:1)と摩砕して3-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オールを黄褐色固体として得た(620mg)。
0.75mLの無水エタノール中の4-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]ベンゾ[1,3]ジオキソール(52.7mg)と3-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(84.2mg)の懸濁液にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,0.068mL)を加えた。85℃で14時間加熱後、反応混合物をシリカゲル上に吸収させてカラムクロマトグラフィーで精製(30%〜50%の酢酸エチル-ヘキサンで溶出)して4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンを白色固体として得た(63.8mg,融点197℃〜198℃)。
【0120】
実施例8:6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オンの合成
【化58】

【0121】
封管内20mLのDME/MeOH/DMF(2:3:1)中の4-(5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-1,1,1-トリフルオロ-4-メチルペンタン-2-オン(1.00g)の溶液にピリミジン-5-ホウ素酸(529mg)と炭酸カリウム(787mg)を添加後、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(329mg)を加えた。結果の混合物を120℃で40分加熱した。室温に冷ました後、EtOAcを用いて綿栓で粗製混合物をろ過し、真空中濃縮して大部分のメタノールを除去した。結果物質を160mLのEtOAcに溶かし、80mLの1N 水酸化ナトリウム水溶液、80mLの水、及び80mLの食塩水で順次洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮した。シリカゲルによりカラムクロマトグラフィーで精製(20%〜30%の酢酸エチル-ヘキサンで溶出)して1,1,1-トリフルオロ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンタン-2-オンを得た(620mg)。
2.6mLの無水DMSO中のヨウ化トリメチルスルホキソニウム(467mg)の懸濁液に水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散系,85.0mg)を加えた。結果溶液を室温で30分撹拌してから5.0mLの無水DMSO/THF(1:1)中の1,1,1-トリフルオロ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンタン-2-オン(620mg)の溶液を滴加した。2時間後、40mLの水を加え、結果混合物を65mLずつのエーテルで3回抽出した。混ぜ合わせた有機相を水、塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮して5-{7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル}ピリミジンを淡黄色油として得(651mg)、さらに精製せずに使用した。
1.2mLの無水エタノール中の5-{7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル}ピリミジン(81.4mg)と3-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オール(82.8mg)の懸濁液にナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,0.083mL)を添加した。85℃で7時間加熱後、反応混合物を100mLの酢酸エチルで希釈し、50mLずつの1N 水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製(3%〜5%のメタノール-塩化メチレンで溶出)して表題化合物を白色固体として得た(96.7mg,融点218℃〜219℃)。
実施例9:6-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-5-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オンの合成
【化59】

【0122】
封管内10mLのDME/MeOH/DMF(2:3:1)中の4-(5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-1,1,1-トリフルオロ-4-メチルペンタン-2-オン(500mg)の溶液にピリジン-3-ホウ素酸、1,3-プロパンジオール環式エステル(350mg)と炭酸カリウム(394mg)を添加後、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(165mg)を加えた。結果混合物を120℃で40分加熱した。室温に冷ました後、EtOAcを用いて綿栓で粗製混合物をろ過し、真空中濃縮して大部分のメタノールを除去した。結果の物質を80mLのEtOAcに溶かし、40mLの1N 水酸化ナトリウム水溶液、40mLの水、及び40mLの食塩水で順次洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮した。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製(17%〜40%の酢酸エチル-ヘキサンで溶出)して1,1,1-トリフルオロ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンタン-2-オン(269mg)を得た。
1.4mLの無水DMSO中のヨウ化トリメチルスルホキソニウム(244mg)の懸濁液に水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散系,44.0mg)を加えた。結果溶液を室温で30分撹拌してから2.5mLの無水DMSO/THF(3:2)中の1,1,1-トリフルオロ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンタン-2-オン(323mg)の溶液を滴加した。2時間後、20mLの水を加え、結果の混合物を40mLずつのエーテルで3回抽出した。混ぜ合わせた有機相を水、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮して3-{7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル}ピリジンを淡黄色油として得(354mg)、さらに精製せずに使用した。
1.75mLの無水エタノール中の3-{7-[1,1-ジメチル-2-(2-トリフルオロメチルオキシラニル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル}ピリジン(150mg)と3-クロロ-[1,6]ナフチリジン-4-オール(149mg)の懸濁液をナトリウムエトキシド(エタノール中21wt.%溶液,0.154mL)を加えた。85℃で15時間加熱後、反応混合物を100mLの酢酸エチルで希釈し、50mLずつの1N 水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過かつ真空中濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製(3%〜4%のメタノール-塩化メチレンで溶出)して表題化合物を黄色固体として得た(5.40mg,融点165℃〜166℃)。
【0123】
生物学的特性の評価
蛍光偏光競合結合性検定により、ステロイド受容体に対する結合性について本発明の化合物を評価した。検定で用いる組換えグルココルチコイド受容体(GR)複合体の調製の詳細な説明は、米国特許出願公開番号2003/0017503(参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)に記載されている。テトラメチルローダミン(TAMRA)-標識デキサメタゾンプローブの調製は、標準的な文献手順を用いて行った(M. Ponsら, J. Steroid Biochem., 1985, 22, pp. 267-273)。
【0124】
A.グルココルチコイド受容体競合結合性検定
ステップ1.蛍光プローブの特徴づけ
まず、蛍光プローブの最大励起及び発光の波長を測定すべきである。このようなプローブの例は、ローダミン(TAMRA)-標識デキサメタゾンである。
プローブのステロイド受容体に対する親和性は滴定実験で決定した。検定緩衝液中プローブの蛍光偏光値は、上述した励起及び発光最大値を用いてSLM-8100蛍光光度計で測定した。発現ベクターライセートの一定分量を加え、偏光値の変化がさらに観察されなくなるまで、各添加後に蛍光偏光を測定した。非線形最小二乗回帰分析を用いて該プローブに対するライセートの結合性について得られた偏光値から該プローブの解離定数を計算した。
【0125】
ステップ2.プローブ結合のインヒビターのスクリーニング
この検定は、昆虫発現系から調製したヒトグルココルチコイド受容体(GR)複合体に対する結合性について、蛍光偏光(FP)を用いてテトラメチルローダミン(TAMRA)-標識デキサメタゾンと競合する試験化合物の能力を定量する。検定緩衝液は、10mM TES、50mM KCl、20mM Na2MoO4・2H2O、1.5mM EDTA、0.04%w/vCHAPS、10%v/vグリセロール、1mM ジチオスレイトール、pH7.4だった。試験化合物を純粋なDMSO中1mMに溶かしてから、10%v/v DMSOで補充した検定緩衝液にさらに10×検定濃度に希釈した。試験化合物を連続的に96-ウェルポリプロピレンプレート内10% DMSO含有緩衝液中10×検定濃度に希釈した。96-ウェル黒色Dynex微量定量プレート内で以下の検定成分を各ウェルに順次添加して結合反応混合物を調製した:15μLの10×試験化合物溶液、検定緩衝液中1:170に希釈した85μLのGR-含有バキュロウィルスライセート、及び50μLの15nM TAMRA-標識デキサメタゾン。正の対照は試験化合物を含有しない反応混合物であり:負の対照(ブランク)は、0.7μM〜2μMのデキサメタゾンを含有する反応混合物だった。結合反応物を1時間室温でインキュベートしてから、ローダミン561二色性鏡が取り付けられ、550nm励起及び580nm発光に設定したLJL Analystで蛍光偏光を解読した。4-パラメーターロジスティック方程式へのFPシグナルデータの反復非線形曲線フィッティングによってIC50値を決定した。
【0126】
グルココルチコイド受容体に結合することが分かっている化合物は、プロゲステロン受容体(PR)、エストロゲン受容体(ER)、及び無機質コルチコイド受容体に対する結合性を評価して該化合物のGR選択性を評価した。PR及びMRのプロトコルは、以下を除き上記GR法と同一である:PR昆虫細胞ライセートは1:7.1に希釈し、MRライセートは1:9.4に希釈する。PRプローブは、検定中最終濃度5nMで用いるTAMRA-標識ミフェプリストンであり、かつ負の対照(ブランク)は、0.7μM〜2μMでミフェプリストンを含有する反応だった。
ERプロトコルは、上記プロトコルと同様であるが、PanVeraキット受容体、フルオレッセイン-標識プローブを用いる。検定成分は、上記と同体積で調製し、最終検定濃度はERでは15nM、ES2プローブでは1nMにする。さらに、成分の添加順序は上記検定から変更する:まずプローブをプレートに加え、次いで受容体と試験化合物を加える。フルオレッセイン505二色性鏡を取り付け、485nmの励起及び530nmの発光に設定したLJL Analystでプレートを解読する。
グルココルチコイド受容体に結合することが分かっている化合物は、発明の背景で引用した検定法(C.M. Bamberger及びH.M. Schulte, Eur. J.Clin. Invest., 2000, 30 (suppl. 3) 6-9)又は後述する検定法によってトランス活性化とトランス抑制の分離について評価しうる。
【0127】
B.グルココルチコイド受容体細胞検定
1.線維芽細胞内でのアロマターゼの誘発(トランス活性化の細胞検定)
グルココルチコイド受容体(GR)に対する合成リガンドであるデキサメタゾンは、ヒト包皮線維芽細胞内でアロマターゼの発現を誘発する。アロマターゼの活性は、培養基内におけるテストステロンのエストラジオールへの転化率によって測定する。GRへの結合を示す化合物は、ヒト包皮線維芽細胞内におけるそのアロマターゼ活性を誘発する能力について評価する。
ヒト包皮線維芽細胞(ATCC Cat. No.CRL-2429, 名称CCD112SK)は、使用5日前に96ウェルプレート上に1ウェル毎に50,000細胞で、10%木炭ろ過したFBS(Clonetech Cat No. SH30068)及びゲンタマイシン(GibcoBRL Life Technologies Cat. No. 15710-064)で補充したIscove's Modified Dulbecco's Media(GibcoBRL Life Technologies Cat No. 12440-053)に塗布する。実験日に、ウェル内の培地を新鮮な培地と交換する。細胞を10-5M〜10-8Mの最終濃度まで試験化合物で処理し、300ng/mLの最終濃度までテストステロンで処理する。各ウェルは総量100μLである。試料は二通り作製する。対照ウェルは以下を含む:(a)テストステロンのみを受け入れるウェル、及び(b)テストステロンと2μMのデキサメタゾンを受け入れてアロマターゼの最大誘発を与えるウェル。プレートを37℃で一晩(15〜18時間)インキュベートし、インキュベーションの最後に上清を収集する。エストラジオール用のELISAキット(ALPCO製,American Laboratory Productsから入手, Cat. No. 020-DR-2693)を用い、製造業者の説明書に従って上清中のエストラジオールを測定する。エストラジオールの量は各ウェル内のELISAシグナルに反比例する。試験化合物によるアロマターゼ誘発の程度は、デキサメタゾンに対する相対的なパーセンテージとして表される。試験化合物のEC50値は、非線形曲線フィッティングで導かれる。
【0128】
2.線維芽細胞内でのIL-6産生の阻害(トランス抑制の細胞検定)
ヒト包皮線維芽細胞は、炎症誘発性サイトカインIL-1による刺激に応答してIL-6を産生する。IL-6の産生によって測定されるこの炎症反応は、グルココルチコイド受容体(GR)に対する合成リガンドであるデキサメタゾンによって効率的に阻害することができる。GRに対する結合性を示す化合物は、ヒト包皮線維芽細胞内におけるそのIL-6産生を阻害する能力について評価される。
ヒト包皮線維芽細胞(ATCC Cat. No.CRL-2429)を96ウェルプレート上、10%の木炭ろ過したFBS(Clonetech Cat. No. SH30068)及びゲンタマイシン(GibcoBRL Life Technologies Cat. No. 15710-064)で補充したIscove's Modified Dulbecco's Media(GibcoBRL Life Technologies Cat. No. 12440-053)内に、5,000細胞/ウェルで使用前日に塗布する。次の日、ウェル内の培地を新鮮な培地と交換する。細胞をウェル当たり200μLの総量中1ng/mLの最終濃度までIL-1(rhIL-1α, R&D Systems Cat. No. 200-LA)と処理し、かつ試験化合物と最終濃度10-5M〜10-8Mまで処理する。試料は二通り作製する。バックグラウンド対照ウェルは試験化合物又はIL-1を受け入れない。正の対照ウェルはIL-1のみを受け入れ、かつ最大(つまり100%)量のIL-6産生に相当する。プレートを37℃で一晩(15〜18時間)インキュベートし、インキュベーションの最後に上清を収集する。IL-6用ELISAキット(MedSystems Diagnostics GmbH, Vienna, Austria, Cat. No. BMS213TEN)を用い、製造業者の説明書に従って上清中のIL-6レベルを決定する。試験化合物によるIL-6の阻害の程度は、正の対照に対するパーセンテージで表される。試験化合物のIC50値は、非線形曲線フィッティングによって導かれる。
グルココルチコイド受容体に結合する化合物のアゴニスト又はアンタゴニスト活性の評価は、いずれの検定法によっても決定することができる。
【0129】
3.ラット肝癌細胞内でのチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)誘発の調節
ラット肝癌細胞内でのチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)の誘発におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性についての化合物の試験。
H4-II-E-C3細胞を一晩96ウェルプレート(20,000細胞/100μL/ウェル)内、10%の熱失活FBSと1%の可欠アミノ酸を含有するMEM培地内でインキュベートした。次の日、細胞を指示濃度のデキサメタゾン又は試験化合物(DMSO中に溶解,最終DMSO濃度0.2%)で18時間刺激した。対照細胞を0.2%のDMSOで処理した。18時間後、細胞を0.1%Triton X-100含有緩衝液に溶解させ、基質としてチロシンとα-ケトグルタレートを用いる測光検定でTAT活性を測定した。
アンタゴニスト活性を測定するため、試験化合物を肝癌細胞に適用する直前にデキサメタゾン(3×10-9M〜3×10-8Mの濃度範囲)を該細胞に添加して予備刺激した。ステロイド性の非選択性GR/PRアンタゴニストミフェプリストンを対照として用いた。
【0130】
4.HeLa細胞内でのMMTV-Luc誘発の調節
HeLa細胞内でのMMTV-(マウス乳腺癌ウイルス)プロモーターの刺激におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性についての化合物の試験。
ルシフェラーゼ遺伝子(Norden, 1988)の前にクローン化されたMMTV-LTR(転写開始部位に対して-200〜+100)の断片を含有するpHHLuc-プラスミドと、構成的に選択的抗生物質GENETICIN(登録商標)に対して抵抗性を発現するpcDNA3.1プラスミド(Invitrogen)を、HeLa細胞に安定して共-形質移入した。MMTV-プロモーターを最もよく誘発するクローンを選択し、さらなる実験で用いた。
フェノールレッドのない、3%CCS(木炭処理した子ウシ血清)で補充したDMEM培地内で細胞を一晩培養してから96ウェルプレートに移した(15,000細胞/100μL/ウェル)。次の日、DMSOに溶かした試験化合物又はデキサメタゾン(最終濃度0.2%)を添加してMMTV-プロモーターの活性化を刺激した。対照細胞はDMSOだけで処理した。18時間後、細胞を細胞溶解試薬(Promega, Cat. No. E1531)で溶解させ、ルシフェラーゼ検定試薬(Promega, Cat. No. E1501)を添加し、ルミノメーター(BMG, Offenburg)でグロールミネッセンスを測定した。
アンタゴニスト活性を測定するため、試験化合物を細胞に適用する直前にデキサメタゾン(3×10-9M〜3×10-8M)を添加してMMTV-プロモーターを予備刺激した。ステロイド性の非選択性GR/PRアンタゴニストミフェプリストンを対照として用いた。
【0131】
5.U937細胞内でのIL-8産生の調節
U-937細胞内でのLPS-誘発IL-8分泌のGR-媒介阻害におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性についての化合物の試験。
U-937細胞を2〜4日間、10%CCS(木炭処理した子ウシ血清)を含有するRPMI1640培地内でインキュベートした。細胞を96ウェルプレートに移し(40,000細胞/100μL/ウェル)、デキサメタゾン又は試験化合物(DMSOに溶解,最終濃度0.2%)の存在下又は非存在下、1μg/mLのLPS(PBSに溶解)で刺激した。対照細胞は0.2% DMSOで処理した。18時間後、“OptEIA ヒトIL-8セット”(Pharmingen, Cat. No. 2654KI)を用いて細胞上清中のIL-8濃度をELISAで測定した。
アンタゴニスト活性を測定するため、試験化合物を細胞に適用する直前にデキサメタゾン(3×10-9M〜3×10-8M)を添加してLPS-誘発IL-8分泌を阻害した。ステロイド性の非選択性GR/PRアンタゴニストミフェプリストンを対照として用いた。
【0132】
6.HeLa細胞内でのICAM-Luc発現の調節
HeLa細胞内でのICAM-プロモーターのTNF-α-誘発活性化の阻害におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性についての化合物の試験。
ルシフェラーゼ遺伝子の前にクローン化されたヒトICAM-プロモーター(転写開始部位に対して-1353〜-9, Ledebur and Parks, 1995)の1.3kb断片を含有するプラスミドと、構成的に抗生物質GENETICIN(登録商標)に対して抵抗性を発現するpcDNA3.1プラスミド(Invitrogen)を、HeLa細胞に安定して共-形質移入した。ICAM-プロモーターを最もよく誘発するクローンを選択し、さらなる実験で用いた。細胞を、3%CCSで補充したDMEM培地内96ウェルプレート(15,000細胞/100μL/ウェル)に移した。次の日、10ng/mLの組換えTNF-α(R&D System, Cat. No. 210-TA)の添加によってICAM-プロモーターの活性化を誘発した。同時に細胞を試験化合物又はデキサメタゾン(DMSOに溶解,最終濃度0.2%)で処理した。対照細胞はDMSOだけで処理した。18時間後、細胞を細胞溶解試薬(Promega, Cat. No. E1531)で溶解させ、ルシフェラーゼ検定試薬(Promega, Cat. No. E1501)を添加し、ルミノメーター(BMG, Offenburg)を用いてグロールミネッセンスを測定した。
アンタゴニスト活性を測定するため、試験化合物を細胞に適用する直前にデキサメタゾン(3×10-9M〜3×10-8M)を添加してICAM-プロモーターのTNF-α-誘発活性化を阻害した。ステロイド性の非選択性GR/PRアンタゴニストミフェプリストンを対照として用いた。
【0133】
上記検定の1種以上で本発明の代表的な化合物を試験したところ、グルココルチコイド受容体機能のモジュレーターとしての活性を示した。例えば、式(IA)の本発明の以下の化合物は、GR結合検定で強力な活性を示した:
4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(3-ブロモ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-ブロモ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2-ジフルオロメトキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-3-クロロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【0134】
7.骨芽細胞細胞系MG-63からのオステオカルシン産生の阻害
1%ペニシリンとストレプトマイシン(Gibco-Invitrogen, Cat. No. 15140-122)、10μg/mLのビタミンC(Sigma, Cat. No. A-4544)及び1%木炭ろ過した子ウシ血清(HyClone, Cat. No. SH30068.02)で補充した200μLの培地99% D-MEM/F-12(Gibco-Invitrogen, Cat. No. 11039-021)中で使用前日にヒト骨肉腫MG-63細胞(ATCC, Cat. No. CRL-1427)を20,000細胞/ウェルにて96ウェルプレート上に塗布する。次の日、ウェルを新鮮な培地と交換する。最終濃度10nMまでのビタミンD(Sigma, Cat. No. D1530)と10-6M〜10-9Mの濃度の試験化合物で1ウェル当たり総量200μLで細胞を処理する。試料は二通り作製する。バックグラウンド対照ウェルはビタミンD又は化合物を受けない。正の対照ウェルはビタミンDのみを受け、化合物は受けず、最大(100%)量のオステオカルシン産生を示す。プレートを37℃のインキュベーターで48時間インキュベートし、インキュベーションの最後に上清を収集する。GlypeオステオカルシンELISAキット(Zymed, Cat. No. 99-0054)で製造業者のプロトコロルに従って上清中のオステオカルシンの量を決定する。試験化合物によるオステオカルシンの阻害は、正の対照に対するパーセンテージで表される。試験化合物のIC50値は非線形曲線フィッティングによって導かれる。
【0135】
式(IA)の以下の化合物は、オステオカルシンのビタミンD刺激産生を阻害する:
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;及び
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン。
【0136】
本発明は、患者に本発明の化合物を投与することを含む、患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する方法をも提供する。患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する目的が病気状態又は状況を治療することである場合、投与は、好ましくは治療的又は医薬的に有効な量の医薬的に許容しうる本発明の化合物を含む。患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する目的が診断又は他の目的(例えば、治療に対する患者の適合性又は本発明の化合物の種々の副治療用量に対する感受性を決定すること)のためである場合、投与は好ましくは有効な量、すなわち、所望の効果又は程度の調節を得るために必要な量の本発明の化合物を含む。
【0137】
治療的使用方法
上述したように、本発明の化合物は、グルココルチコイド受容体機能の調節に有用である。その調節では、これら化合物は、グルココルチコイド受容体機能によって媒介され、或いはグルココルチコイド受容体機能の調節から利益を得るであろう病気状態又は状況の治療において治療用途がある。
本発明の化合物はグルココルチコイド受容体機能を調節するので、本化合物は、非常に有用な抗炎症及び抗アレルギー、免疫抑制、抗増殖活性を有し、かつ本化合物は、特に病気状態及び状況の治療用の後述するような医薬組成物の形態の薬物として患者に使用することができる。
【0138】
本発明のアゴニスト化合物は、炎症、アレルギー、及び/又は増殖プロセスを伴う以下の病気状態又は徴候の治療用薬物として患者に使用できる。
(i)肺疾患:いずれかの起源の慢性閉塞性肺疾患、特に気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD);成人呼吸窮迫症候群(ARDS);気管支拡張症;いろいろな起源の気管支炎;すべての型の拘束性肺疾患、特にアレルギー性胞隔炎;すべての型の肺浮腫、特に毒性肺浮腫;いずれかの起源のすべての型の間質性肺疾患、例えば放射線性肺炎;及びサルコイドーシスと肉芽腫症、特にベック病;
(ii)リウマチ性疾患又は自己免疫疾患又は関節疾患:すべての型のリウマチ性疾患、特にリウマチ性関節炎、急性リウマチ熱、及びリウマチ性多発筋痛症;反応性関節炎;リウマチ性軟組織疾患;他の起源の炎症性軟組織疾患;変性関節疾患における関節炎症状(関節症);外傷性関節炎;いずれかの起源の膠原病、例えば全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スティル(Still)病、及びフェルティ症候群;
(iii)アレルギー疾患:すべての型のアレルギー反応、例えば、血管神経性浮腫、花粉症、昆虫刺傷、薬物、血液誘導体、造影剤などに対するアレルギー反応、アナフィラキシーショック(過敏症)、じんま疹、血管神経性浮腫、及び接触皮膚炎;
(iv)脈管疾患:結節性汎動脈炎、結節性多発性動脈炎、側頭動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、及び結節性紅斑;
(v)皮膚疾患:特に子供のアトピー性皮膚炎;乾癬;毛孔性紅色ひこう疹;種々の病毒、例えば、放射線、化学品、日焼けなどによって引き起こされる紅斑性疾患;水泡性皮膚症;苔癬様複合体の病気(diseases of the lichenoid complex);そう痒症(例えば、アレルギー起源の);脂漏性皮膚炎;酒さ;尋常性天疱瘡;多形水疱性紅斑;亀頭炎;外陰炎;円形脱毛症で起こるような脱毛症;及び皮膚T細胞リンパ腫;
(vi)腎臓病:ネフローゼ症候群;及びすべてのタイプの腎炎、例えば糸球体腎炎;
(vii)肝臓病:急性肝臓細胞崩壊;いろいろな起源、例えばウイルス性、毒性、薬物誘発急性肝炎;及び慢性的な進行性及び/又は慢性的な間欠性肝炎;
(viii)胃腸疾患:炎症性腸疾患、例えば、局部性腸炎(クローン病)、潰瘍性大腸炎;胃炎;消化性食道炎(逆流性食道炎);及び他の起源の胃腸炎、例えば非熱帯性スプルー;
(ix)肛門疾患:肛囲湿疹;裂傷;痔疾;及び特発性直腸炎;
(x)眼病:アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、又は虹彩炎;結膜炎;眼瞼炎;視神経炎(neuritis nervi optici);脈絡膜炎;及び交感性眼炎;
(xi)耳、鼻、及び咽喉(ENT)領域の病気:アレルギー性鼻炎又は花粉症;例えば接触湿疹、感染などによって引き起こされる外耳炎;及び中耳炎;
(xii)神経疾患:脳浮腫、特に腫瘍関連脳浮腫;多発性硬化症;急性脳脊髄炎;髄膜炎;急性脊髄損傷;脳卒中;及び種々の型の発作、例えば点頭痙攣;
(xiii)血液疾患:後天性溶血性貧血;及び特発性血小板減少症;
(xiv)腫瘍病:急性リンパ性白血病;悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;特に乳腺、気管支、及び前立腺癌における広範な転移;
(xv)内分泌性疾患:内分泌性眼障害;内分泌性眼窩疾患(endocrine orbitopathia);甲状腺中毒発症;ド・ケルヴァン甲状腺炎(Thyroiditis de Quervain);橋本甲状腺炎;バセドー病;肉芽腫性甲状腺炎;リンパ腫性甲状腺腫;及びグレーブ病(Grave disease);
(xvi)臓器及び組織移植と移植片対宿主病;
(xvii)重症状態のショック、例えば、敗血症性ショック、アナフィラキシーショック、及び全身性炎症反応症候群(SIRS);
(xviii)以下の病気での交換療法:先天性一次性副腎不全症、例えば副腎性器症候群;後天性一次副腎不全症、例えば、アジソン病、自己免疫性副腎炎、後感染、腫瘍、転移など;先天性二次副腎不全症、例えば先天性下垂体機能不全;及び後天性二次副腎不全症、例えば、後感染、腫瘍、転移など;
(xix)炎症起源の疼痛、例えば、腰痛;及び
(xx)I型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)、骨関節炎、ギヤン-バレー症候群、経皮経管冠動脈形成術後再狭窄、アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷害、外傷続発性多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性全腸炎、及び血液透析、白血球交換療法、及び顆粒球輸血付随症候群を含む種々の他の病気状態又は状況。
【0139】
さらに、本発明の化合物は、合成グルココルチコイドで治療されていた、或いは治療されている、或いは治療されるであろう上述していない他のいずれの病気状態又は状況の治療にも使用することができる(例えば、H.J. Hatz, Glucocorticoide: Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien [Glucocorticoids: Immunological Fundamentals, Pharmacology, and Therapeutic Guidelines], Stuttgart: Verlagsgesellschaft mbH, 1998(参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)参照)。上述した適応症(i)〜(xx)のほとんど又はすべてがH.J. Hatz, Glucocorticoide: Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinienに詳述されている。さらに、本発明の化合物を用いて、上で列記し、或いは発明の背景を含む本明細書で言及又は議論した障害以外の他の障害を治療することもできる。
本発明のアンタゴニスト化合物は、完全アンタゴニストであれ、部分アンタゴニストであれ、限定するものではないが、以下の病気状態又は徴候の治療用薬物として患者に使用することができる:II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病);肥満症;循環器病;高血圧症;動脈硬化症;精神病及びうつ病のような神経疾患;副腎及び下垂体腫瘍;緑内障;及びACTH分泌腫瘍様下垂体腺腫に基づいたクッシング症候群。特に、本発明の化合物は、肥満症、及び高血圧症、アテローム性動脈硬化症、その他の循環器病のような調節解除された脂肪酸代謝に関連するすべての病気状態及び徴候の治療に有用である。GRアンタゴニストである本発明の化合物を用いて、炭水化物代謝と脂肪酸代謝の両方をアンタゴナイズすることができるだろう。従って、本発明のアンタゴニスト化合物は、高い炭水化物、タンパク質、及び脂質代謝に関与し、かつ筋肉虚弱のような異化(タンパク質代謝の一例として)につながる病気状態及び状況を含むであろうすべての病気状態及び状況の治療に有用である。
【0140】
診断的使用方法
本発明の化合物は、診断用途及び競合結合性検定での標準物質として商業的及び他の目的で使用することもできる。このような用途では、本発明の化合物は、本技術の当業者には周知であり、かつ以下の文献に概要が示されているように、化合物自体の形態で使用でき、或いは放射性同位体、ルミネッセンス、又は蛍光プローブを得るために放射性同位体、ルミネッセンス、又は蛍光標識などを取り付けて修飾してもよい:Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, 第6版, R.P. Haugland (ed.), Eugene: Molecular Probes, 1996; Fluorescence and Luminescence Probes for Biological Activity, W.T. Mason (ed.), San Diego: Academic Press, 1993; Receptor-Ligand Interaction, A Practical Approach, E.C. Hulme (ed.), Oxford: IRL Press, 1992(それぞれ参照によってその全体が本明細書に取り込まれる)。
【0141】
一般的投与及び医薬組成物
医薬品として使用する場合、本発明の化合物は、典型的には医薬組成物の形態で投与される。このような組成物は、医薬品技術で周知の手順で調製することができ、かつ少なくとも1種の本発明の化合物を含む。本発明の化合物は、単独で投与してもよく、或いは本発明の化合物の安定性を向上させ、特定の実施態様では本化合物を含有する医薬組成物の投与を容易にし、溶解又は分散を高め、阻害活性を高め、補助的療法を与える等のアジュバントと組み合わせて投与することもできる。本発明の化合物は、それ自体を基礎として使用することができ、或いは本発明の他の活性物質と共に使用することができ、任意に、他の薬理学的に活性な物質と共に使用してもよい。一般に、この発明の化合物は、治療的又は医薬的に有効な量で投与されるが、診断又は他の目的では、より少ない量で投与してよい。
特に、本発明の化合物は、グルココルチコイド又はコルチコステロイドとの併用で有効である。上で指摘したように、種々の免疫性及び炎症性障害の標準的な療法は、免疫反応及び炎症反応を抑制する能力を有するコルチコステロイドの投与を含む(A.P. Truhanら, Annals of Allergy, 1989, 62, pp. 375-391; J.D. Baxter, Hospital Practice, 1992, 27, pp. 111-134; R.P. Kimberly, Curr. Opin. Rheumatol., 1992, 4, pp. 325-331; M.H. Weisman, Curr. Opin. Rheumatol., 1995, 7, pp. 183-190; W. Sterry, Arch. Dermatol. Res., 1992, 284 (Suppl.), pp. S27-S29)。しかし、コルチコステロイドの使用は治療的に有益であるが、特に持続的及び/又は高用量のステロイド使用では、穏やかなものから生命を脅かす可能性のあるものまで多くの副作用を伴う。従って、望ましくない副作用を避けるため、より少ない有効用量のコルチコステロイドの使用を可能にする(“ステロイド節約型効果”と呼ばれる)方法及び組成物が非常に望ましい。本発明の化合物は、所望の治療効果を達成しながら、グルココルチコイド又はコルチコステロイドの低用量及び少頻度投与の使用を可能にすることによって、このようなステロイド節約型効果を与える。
【0142】
本発明の化合物の投与は、純粋形態又は適切な医薬組成物で、医薬組成物の投与のいずれの一般に認められている態様を用いても行うことができる。従って、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟弾性及び硬質ゼラチンカプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、又はエアゾール剤などのような固体、半固体、凍結乾燥粉末、又は液体剤形で、好ましくは正確な用量の単一投与に適した単位剤形で、例えば、経口的、頬側に(例えば、舌下に)、経鼻的、非経口的、局所的、経皮的、経膣的、又は直腸に投与することができる。医薬組成物は、一般的に、通常の医薬担体又は賦形剤と、活性物質として本発明の化合物を含み、さらに、他の薬用物質、医薬物質、担体、アジュバント、希釈剤、ビヒクル、又はその組合せを含むことができる。このような医薬的に許容しうる賦形剤、担体、又は添加剤及び種々の態様又は投与のための医薬組成物の製造方法は、本技術の当業者には周知である。最新技術は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, A. Gennaro (ed.), Lippincott Williams & Wilkins, 2000; Handbook of Pharmaceutical Additives, Michael & Irene Ash (eds.), Gower, 1995; Handbook of Pharmaceutical Excipients, A.H. Kibbe (ed.), American Pharmaceutical Ass'n, 2000; H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 第5版, Lea and Febiger, 1990によって立証され、それぞれ、最新技術をより良く記述するため参照によって本明細書にその全体が取り込まれる。
【0143】
本技術の当業者が予想するように、特定の医薬製剤に利用される本発明の化合物の形態は、有効な製剤に必要とされる適切な物理的性質(例えば、水溶性)を有する形態が選択される(例えば、塩)。
頬側(舌下)投与に好適な医薬組成物としては、香味基剤、通常スクロース中の本発明の化合物と、アカシア又はトラガカントを含むロゼンジ剤、及びゼラチンのような不活性基剤中の本化合物と、グリセリン又はスクロースとアカシアを含む香錠が挙げられる。
非経口投与に好適な医薬組成物は、本発明の化合物の無菌水性製剤を含む。これら製剤は、好ましくは静脈内投与されるが、投与は皮下、筋肉内、又は皮内注射によっても行うことができる。注射用医薬製剤は、通常注射用無菌食塩水、リン酸緩衝食塩水、疎水性懸濁液、又は技術的に公知の他の注射用担体を基礎とし、かつ一般に無菌で血液との等張性が与えられる。従って、注射用医薬製剤は、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、等張食塩水、合成モノ-又はジグリセリドのような不揮発性油、オレイン酸のような脂肪酸などを含む無毒の非経口的に許容しうる希釈剤又は溶媒中の無菌注射用液又は懸濁液として提供される。このような注射用医薬製剤は、公知技術に従い、適切な分散剤又は硬化剤及び懸濁剤を用いて調製される。注射用組成物は、通常0.1〜5%w/wの本発明の化合物を含有する。
【0144】
本化合物の経口投与用固体剤形として、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が挙げられる。このような経口投与では、本発明の化合物を含有する医薬的に許容しうる組成物は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、αデンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、滑石粉、セルロースエーテル誘導体、グルコース、ゼラチン、スクロース、シトレート、没食子酸プロピル等のような普通に利用される賦形剤のいずれかを取り入れて生成される。このような固体医薬製剤は、技術的に周知なように、限定するものではないが、小腸のpHを変えることに基づいた剤形からのpH感受性放出、錠剤又はカプセル剤の緩徐浸食、製剤の物理的性質に基づいた胃内での保持、腸管の粘膜内面への該剤形の生体付着、又は該剤形からの活性薬物の酵素的放出を含む機構のいくつかによる、胃腸管への該薬物の遅延性又は持続性送達を与えるための製剤を含みうる。
本化合物の経口投与用液体剤形として、エマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられ、任意に、例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等のような担体中医薬アジュバントを含有してよい。これら組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、及び芳香剤のようなさらなるアジュバントを含有することもできる。
【0145】
本化合物の局所剤形として、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、散剤、溶液、噴霧剤、吸入剤、眼軟膏、眼又は耳点滴薬、含浸手当用品及びエアゾール剤が挙げられ、保存剤、薬物の浸透を助けるための溶媒及び軟膏やクリーム中の緩和剤のような適切な通常の添加剤を含むことができる。局所適用は、通常の医療的考慮により、1日1回又は複数回でよい。さらに、本発明で好ましい化合物は、適切な鼻腔内ビヒクルの局所使用によって鼻腔内形態で投与することができる。本製剤は、クリーム又は軟膏基剤のような適合しうる通常の担体及びローション用のエタノール又はオレイルアルコールを含んでもよい。このような担体は、該製剤の約1%から約98%までのように存在してよく、より一般的には、それらは該製剤の約80%までを形成する。
経皮投与も可能である。長期間レシピエントの表皮と密接した状態を保つように適合させた分離性パッチとして経皮投与に好適な医薬組成物を提供することができる。経皮送達システムの形態で投与するため、当然、薬用量投与はその投与計画全体を通して断続的ではなく連続的である。このようなパッチは、好適には、接着剤中に溶解及び/又は分散し、或いはポリマー中に分散している、任意に緩衝していてもよい水溶液中に本発明の化合物を含む。活性化合物の好適な濃度は、約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。
【0146】
吸入による投与では、本発明の化合物は、噴霧ガスを要しないポンプスプレー装置から、或いは適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、二酸化炭素、又は他の適切なガスを用いて加圧パック又はネブライザーからエアゾールスプレーの形態で都合よく送達される。いかなる場合でも、計量した量を送達するためのバルブを与えることによって、エアゾールスプレー用量単位を決定し、その結果の計量用量吸入器(MDI)を用いて再現性がありかつ制御された方法で本発明の化合物を投与することができる。このような吸入器、ネブライザー、又は噴霧装置は、先行技術、例えば米国特許第5,964,416号(特にその図6,市販のRESPIMAT(登録商標)ネブライザーの基礎);第5,911,851号;第6,176,442号;及び第6,453,795号で知られており、これら文献はここに引用され、それぞれその全体が参照によって本明細書に取り込まれる。
直腸投与は、脂肪、ココア、バター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、いろいろな分子量のポリエチレングリコールの混合物、又はポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等のような低融点の水溶性又は水不溶性固体と本化合物を混合した単位用量座剤を利用して達成することができる。活性化合物は、通常少量成分であり、約0.05〜10質量%で、残りが基剤成分であることが多い。
【0147】
上記医薬組成物のすべてで、本発明の化合物は許容しうる担体又は賦形剤と共に処方される。当然、用いる担体又は賦形剤は、組成物の他成分と適合しうるという意味で許容されなければならず、かつ患者に有害であってはならない。担体又は賦形剤は、固体又は液体でよく、或いは両者でよく、好ましくは本発明の化合物と共に単位用量組成物として、例えば、0.05質量%〜95質量%の活性化合物を含有しうる錠剤として処方される。このような担体又は賦形剤としては、不活性な充填剤又は希釈剤、結合剤、潤沢剤、崩壊剤、溶解抑制剤、吸収促進剤、吸収剤、及び着色剤が挙げられる。好適な結合剤として、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ-ラクトースのような天然糖、トウモロコシ甘味料、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウムのような天然及び合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろう等が挙げられる。潤沢剤として、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤として、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム等が挙げられる。
一般に、治療的に有効な1日の用量は、約0.001mg〜約15mg/kg(体重)/日の本発明の化合物、好ましくは約0.1mg〜約10mg/kg(体重)/日、最も好ましくは約0.1mg〜約1.5mg/kg(体重)/1日である。例えば、70kgの人への投与では、用量範囲は、約0.07mg〜約1050mg/日の本発明の化合物、好ましくは約7.0mg〜約700mg/日、最も好ましくは約7.0mg〜約105mg/日である。最適な投薬レベル及びパターンを決定するためには、ある程度の日常的な用量最適化が必要だろう。
医薬的に許容しうる担体及び賦形剤は、前述のすべての添加剤などを包含する。
【0148】
医薬製剤の実施例
【表1】

【0149】
細かく粉砕した活性物質、ラクトース、及びいくらかのコーンスターチを一緒に混ぜ合わせる。混合物をふるい、ポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、練り、湿式造粒して乾燥させる。この顆粒、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムを一緒にふるい、混ぜ合わせる。混合物を圧縮して適当な形と大きさの錠剤を作る。













【0150】
【表2】

【0151】
細かく粉砕した活性物質、いくらかのコーンスターチ、ラクトース、微結晶性セルロース、及びポリビニルピロリドンを一緒に混ぜ合わせ、混合物をふるい、残りのコーンスターチと水で仕上げて顆粒を形成し、乾燥させてふるう。ナトリウム-カルボキシメチルスターチとステアリン酸マグネシウムを加え、混ぜ合わせ、混合物を圧縮して適当な大きさの錠剤を形成する。
【0152】
【表3】

【0153】
活性物質、コーンスターチ、ラクトース、及びポリビニルピロリドンを完全に混ぜ合わせ、水で湿らせる。この湿潤塊を1mmメッシュサイズのふるいに通し、約45℃で乾燥させてから顆粒を同じふるいに通す。ステアリン酸マグネシウムを混合後、直径6mmの凸状の錠剤コアを錠剤製造機で圧縮する。このようにして作った錠剤コアを公知の方法で基本的に糖とタルクから成る被覆材でコーティングする。完成コーティング錠をろうで磨く。
【0154】
【表4】

【0155】
本物質とコーンスターチを混ぜ合わせて水で湿らせる。この湿潤塊をふるって乾燥させる。乾燥顆粒をふるってステアリン酸マグネシウムと混ぜ合わせる。完成混合物を1号サイズの硬質ゼラチンカプセルに詰める。
【0156】
【表5】

【0157】
活性物質をそれ自体のpH又は任意に5.5〜6.5でもよいpHで水に溶かし、塩化ナトリウムを加えて等張性にする。得られた溶液を発熱物質なしでろ過し、ろ液を無菌条件下でアンプル内に移してから滅菌かつ融合封印する。アンプルは5mg、25mg、及び50mgの活性物質を含む。
【0158】
【表6】

【0159】
硬い脂肪を融かす。その中に40℃で、粉砕した活性物質を均一に分散させる。混合物を38℃に冷まし、わずかに冷却した座剤鋳型内に注ぐ。
【0160】
【表7】

【0161】
計量バルブを備えた通常のエアゾール容器に懸濁液を移す。好ましくは、1スプレー当たり50μLの懸濁液が送達される。所望により活性物質をより多い用量で計量してもよい(例えば、0.02質量%)。
【0162】
【表8】





【0163】
【表9】

【0164】
【表10】

【0165】
【表11】

実施例H、I、J、及びKでは、個々の成分を一緒に混合して普通の方法で吸入用散剤を製造する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(IA)の化合物
【化1】

(式中:
1は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、又はC3-C8シクロアルキル基であり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C3-C5シクロアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル又はC3-C5シクロアルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、アリール若しくはヘテロサイクリル(該ヘテロ環は、任意独立的にヒドロキシル、ハロゲン、メチル、又はジアルキルアミノで置換されていてもよい);C1-C5アルコキシカルボニル、メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノスルホニル、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル若しくはC1-C3ジアルキルアミン又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はオキシム(該酸素原子は、任意にC1-C5アルキル又はベンジルで置換されていてもよい)から選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
2及びR3は、それぞれ独立的に水素、C1-C5アルキル、又はC5-C15アリールアルキル基であり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C8スピロシクロアルキル環を形成しており、或いは
1とR2をひとまとめにして考えて、任意にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)で置換されていてもよいクロマニル又はジヒドロベンゾフラニルであり;
4は、カルボニル又はメチレン(任意独立的に、C1-C3アルキル、ヒドロキシ、及びハロゲンから選択される1〜2個置換基で置換されていてもよい)であり;
5は、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した5〜7員ヘテロサイクリル環であり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、アシル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえず;かつ
Xは、ヒドロキシ又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい)である)、
又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項2】
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、インドリル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、チエニル、キノリニル、テトラヒドロキノリノン、テトラヒドロナフチリジノン、ジヒドロクロメン、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、又はアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
2及びR3が、それぞれ独立的に水素、C1-C3アルキル、ベンジル、又はフェネチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C6スピロシクロアルキル環を形成しており;かつ
4がCH2である、
請求項1記載の式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項3】
式中:
1が、フェニル、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、ピラジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ナフチル、チエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルフォリニルであり;
2及びR3が、それぞれ独立的にメチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にスピロシクロプロピル環を形成しており;かつ
4がCH2である、
請求項1記載の式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項4】
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;かつ
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルである、
請求項1記載の式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項5】
式中:
5が、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ、又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえない、
請求項1記載の式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項6】
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルであり;かつ
5が、ピリジニル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピロリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、又はピペラジニル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ、又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえない、
請求項1記載の式(IA)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項7】
下記化合物から選択される化合物:
4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(3-ブロモ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(3-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-ブロモ-1-[4-(5-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-ブロモ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-3-メチル-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-3-メチル-1H-[1,7]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-3-メチル-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-3-メチル-1H-[1,7]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-3-メチル-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,8]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,7]ナフチリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チアゾロ[4,5-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-フロ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
7-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-チエノ[2,3-b]ピリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チアゾロ[5,4-b]ピリジン-7-オン;
7-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-フロ[2,3-b]ピリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1,4-ジヒドロピロロ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-6-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,8]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,7]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チアゾロ[4,5-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-フロ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
7-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-チエノ[2,3-b]ピリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チアゾロ[5,4-b]ピリジン-7-オン;
7-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-7H-フロ[2,3-b]ピリジン-4-オン;
4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1,4-ジヒドロピロロ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(5-メタンスルホニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-6-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-[1,5]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-[1,5]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(4-メトキシビフェニル-3-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-チオフェン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(4-ヒドロキシビフェニル-3-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-チオフェン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(4-メトキシビフェニル-3-イル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-チオフェン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-チオフェン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-チオフェン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
5-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-5H-ピリド[3,2-d]ピリミジン-8-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-ピリド[2,3-d]ピリダジン-4-オン;
5-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-5H-ピリド[3,2-c]ピリダジン-8-オン;
4-[4-(2-ジフルオロメトキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-3-クロロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-{4-[5-(5-クロロピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル}-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-{4-[5-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-2-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピラジン-2-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-2-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
5-{7-[3-(6-クロロ-7-オキソ-7H-チエノ[3,2-b]ピリジン-4-イルメチル)-4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル}ニコチノニトリル;
4-{4-メトキシ-3-[4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-3-(7-オキソ-7H-チエノ[3,2-b]ピリジン-4-イルメチル)ブチル]フェニル}ピリジン-2-カルボニトリル;
6-クロロ-4-{4-[5-(2-フルオロ-6-メチルピリジン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-{2-ヒドロキシ-4-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル]-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル}-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-モルフォリン-4-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;及び
1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピペリジン-1-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項8】
下記化合物から選択される化合物:
4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(3-ブロモ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-ブロモ-4-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(2-ジフルオロメトキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-(4-ベンゾ[1,3]ジオキソl-4-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-3-クロロ-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
3-クロロ-1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリミジン-5-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-トリフルオロメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-6-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;及び
4-(4-ビフェニル-3-イル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項9】
有効な量の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩と、医薬的に許容しうる賦形剤又は担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項10】
患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項11】
グルココルチコイド受容体機能によって媒介される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項12】
II型糖尿病、肥満症、循環器病、高血圧症、動脈硬化症、神経疾患、副腎及び下垂体腫瘍、及び緑内障から選択される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項13】
炎症、アレルギー、又は増殖プロセスを特徴とする病気の治療を必要とする患者の前記病気の治療方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項14】
前記病気が、(i)肺疾患、(ii)リウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患、(iii)アレルギー疾患、(iv)脈管炎疾患、(v)皮膚疾患、(vi)腎臓病、(vii)肝臓病、(viii)胃腸疾患、(ix)肛門病、(x)眼病、(xi)耳、鼻、及び咽喉(ENT)領域の病気、(xii)神経疾患、(xiii)血液疾患、(xiv)腫瘍病、(xv)内分泌疾患、(xvi)臓器及び組織移植並びに移植片対宿主病、(xvii)重症状態のショック、(xviii)交換療法、及び(xix)炎症起源の疼痛から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記病気が、I型糖尿病、骨関節炎、ギヤン-バレー症候群、経皮経管冠動脈形成術後再狭窄、アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷害、外傷続発性多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性全腸炎、及び血液透析、白血球交換療法、顆粒球輸血に付随する症候群から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項16】
グルココルチコイド受容体機能によって媒介される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、(a)有効な量の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩と、(b)医薬的に許容しうるグルココルチコイドを逐次的又は同時に投与することを含む方法。
【請求項17】
試料中のグルココルチコイド受容体機能のインビトロ診断決定用キットであって、
(a)診断的に有効な量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩;及び
(b)該診断キットの使用説明書;
を含んでなるキット。
【請求項18】
下記式(IA)の化合物
【化2】

(式中、R1、R2、R3、R5、及びXは、請求項1〜8のいずれか1項で定義したとおりでり、かつR4が-CH2-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)適切な溶媒中、下記式(II)のエステルを適切な還元剤と反応させて下記式(III)のジオールを形成する工程;
【化3】

(b)式(III)のジオールをスルホン酸クロライドR'SO2Clと反応させて下記式(IV)のスルホン酸エステルを形成する工程;
【化4】

(c)式(IV)の中間体を適切な塩基と反応させて下記式(V)のエポキシドを形成する工程;
【化5】

及び
(d)適切な塩基の存在下、式(V)のエポキシドを所望のR5Hと反応させて式(IA)の化合物を形成する工程;
【化6】

を含む方法。
【請求項19】
下記式(IA)の化合物
【化7】

(式中、R1、R2、R3、R5、及びXは、請求項1〜8のいずれか1項で定義したとおりでり、かつR4が-CH2-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式(III)のジオールを適切な酸化剤と反応させて下記式(XI)のケトンを形成する工程;
【化8】

(b)式(XI)のケトンを適切な試薬と反応させて下記式(V)のエポキシドを形成する工程;
【化9】

及び
(c)適切な塩基の存在下、式(V)のエポキシドを所望のR5Hと反応させて式(IA)の化合物を形成する工程;
【化10】

を含む方法。
【請求項20】
下記式(IA)の化合物
【化11】

(式中、R1、R2、R3、R5、及びXは、請求項1〜8のいずれか1項で定義したとおりでり、かつR4が-C(O)-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式(II)のエステルを加水分解して下記式(X)のカルボン酸を生成する工程;
【化12】

及び
(b)式(X)のカルボン酸をR5Hとカップリングさせて式(I)の所望化合物を与える工程;
【化13】

を含む方法。
【請求項21】
下記式(IB)の化合物
【化14】

(式中:
1は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、又はC3-C8シクロアルキル基であり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、アリール若しくはヘテロサイクリル(該ヘテロ環は、任意独立的にヒドロキシル、ハロゲン、メチル、又はジアルキルアミノで置換されていてもよい);メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノスルホニル、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキル若しくはC1-C3ジアルキルアミン又はアリールで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はオキシム(該酸素原子は、任意にC1-C5アルキル又はベンジルで置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
2及びR3は、それぞれ独立的に水素、C1-C5アルキル、又はC5-C15アリールアルキル基であり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C8スピロシクロアルキル環を形成しており、或いは
1とR2をまとめて考えて、任意にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)で置換されていてもよいクロマニル又はジヒドロベンゾフラニルであり;
4は、カルボニル又はメチレン(任意独立的に、C1-C3アルキル、ヒドロキシ、及びハロゲンから選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい)であり;
5は、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した5〜7員ヘテロサイクリル環であり、任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、アシル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえず;
6は、水素、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、炭素環、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、炭素環-C1-C8アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール-C1-C8アルキル、アリール-C1-C8ハロアルキル、ヘテロサイクリル-C1-C8アルキル、ヘテロアリール-C1-C8アルキル、炭素環-C2-C8アルケニル、アリール-C2-C8アルケニル、ヘテロサイクリル-C2-C8アルケニル、又はヘテロアリール-C2-C8アルケニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
6の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、フェニル、C1-C5アルコキシ、フェノキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アミノカルボニル、C1-C5アルキルアミノカルボニル、C1-C5ジアルキルアミノカルボニル、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
6は、トリフルオロメチルではありえず;かつ
Xは、ヒドロキシ又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい)である)、
又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項22】
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、インドリル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、チエニル、キノリニル、テトラヒドロキノリノン、テトラヒドロナフチリジノン、ジヒドロクロメン、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R1の各置換基は、任意独立的に、メチル、メトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、又はアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
2及びR3が、それぞれ独立的に水素、C1-C3アルキル、ベンジル、又はフェネチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にC3-C6スピロシクロアルキル環を形成しており;
4がCH2であり;かつ
6が、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C3-C6シクロアルキル、フェニル、C3-C6シクロアルキル-C1-C3アルキル、フェニル-C1-C3アルキル、フェニル-C1-C3ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル-C2-C3アルケニル、フェニル-C2-C3アルケニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
6の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、アミノカルボニル、C1-C3アルキルアミノカルボニル、C1-C3ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
6は、トリフルオロメチルではありえない、
請求項21記載の式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項23】
式中:
1が、フェニル、ピリジル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、ピラジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ナフチル、チエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルフォリニルであり;
2及びR3が、それぞれ独立的にメチルであり、或いはR2とR3が、それらが共通に結合している炭素原子と一緒にスピロシクロプロピル環を形成しており;かつ
4がCH2である、
請求項21記載の式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項24】
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;かつ
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルである、
請求項21記載の式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項25】
式中:
5が、5〜7員ヘテロアリール又はヘテロサイクリル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、アシル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえず;かつ
6が、C1-C5アルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6シクロアルキルメチル-、又はベンジルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
6の各置換基は、独立的にメチル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、又はヒドロキシであり、
6はトリフルオロメチルではありえない、
請求項21記載の式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項26】
式中:
1が、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、又はベンゾフラニルであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
1の各置換基は、独立的にC1-C3アルキル、C2-C3アルケニル、C2-C3アルキニル、C1-C3アルコキシ、C2-C3アルケニルオキシ、C1-C3アルカノイル、C1-C3アルコキシカルボニル、C1-C3アルカノイルオキシ、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、又はC1-C3アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり;かつ
2及びR3が、それぞれ独立的に水素又はC1-C3アルキルであり;かつ
5が、ピリジニル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピロリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、又はピペラジニル環に縮合した1H-ピリジン-2-オン又は1H-ピリジン-4-オンであり、それぞれ任意独立的に1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5の各置換基は、独立的にC1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノ(該窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで一置換又は二置換されていてもよい);又はウレイド(どちらかの窒素原子は、任意独立的にC1-C5アルキルで置換されていてもよい);又はC1-C5アルキルチオ(該イオウ原子は、任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されていてもよい)であり、
ここで、R5の各置換基は、任意独立的に、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ、又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5は、1H-[1,5]ナフチリジン-4-オンではありえない、
請求項21記載の式(IB)の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項27】
下記化合物から選択される化合物:
4-[2-ジフルオロメチル-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
4-[2-シクロプロピル-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
1-[2-ジフルオロメチル-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-[2-シクロプロピル-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
6-クロロ-4-[2-ジフルオロメチル-4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-ブロモ-4-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-[4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
3-ブロモ-1-[2-シクロプロピル-4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ジフルオロメチル-2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリジン-3-イルフェニル)-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ジフルオロメチル-2-ヒドロキシ-4-(2-メトキシ-5-ピリミジン-5-イルフェニル)-4-メチルペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
6-クロロ-4-[2-ジフルオロメチル-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピリジン-3-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
3-クロロ-1-{4-[5-(5-クロロピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
1-{2-シクロプロピル-4-[5-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチルペンチル}-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
4-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(5-ピラジン-2-イル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ペンチル]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;及び
3-クロロ-1-{2-ジフルオロメチル-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-[5-(6-メチルピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル]ペンチル}-1H-[1,6]ナフチリジン-4-オン;
又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩。
【請求項28】
有効な量の、請求項21〜27のいずれか1項に記載の化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩と、医薬的に許容しうる賦形剤又は担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項29】
患者のグルココルチコイド受容体機能を調節する方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項21〜27のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項30】
グルココルチコイド受容体機能によって媒介される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項21〜27のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項31】
II型糖尿病、肥満症、循環器病、高血圧症、動脈硬化症、神経疾患、副腎及び下垂体腫瘍、及び緑内障から選択される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項21〜27のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項32】
炎症、アレルギー、又は増殖プロセスを特徴とする病気の治療を必要とする患者の前記病気の治療方法であって、前記患者に、有効な量の、請求項21〜27のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩を投与することを含む方法。
【請求項33】
前記病気が、(i)肺疾患、(ii)リウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患、(iii)アレルギー疾患、(iv)脈管炎疾患、(v)皮膚疾患、(vi)腎臓病、(vii)肝臓病、(viii)胃腸疾患、(ix)肛門病、(x)眼病、(xi)耳、鼻、及び咽喉(ENT)領域の病気、(xii)神経疾患、(xiii)血液疾患、(xiv)腫瘍病、(xv)内分泌疾患、(xvi)臓器及び組織移植並びに移植片対宿主病、(xvii)重症状態のショック、(xviii)交換療法、及び(xix)炎症起源の疼痛から選択される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記病気が、I型糖尿病、骨関節炎、ギヤン-バレー症候群、経皮経管冠動脈形成術後再狭窄、アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷害、外傷続発性多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性全腸炎、及び血液透析、白血球交換療法、顆粒球輸血に付随する症候群から選択される、請求項32記載の方法。
【請求項35】
グルココルチコイド受容体機能によって媒介される病気状態又は状況の治療が必要な患者の前記状態又は状況の治療方法であって、前記患者に、(a)有効な量の、請求項21〜27のいずれか1項に記載の医薬的に許容しうる化合物、又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩と、(b)医薬的に許容しうるグルココルチコイドを逐次的又は同時に投与することを含む方法。
【請求項36】
試料中のグルココルチコイド受容体機能のインビトロ診断決定用キットであって、
(a)診断的に有効な量の請求項21〜27のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体、プロドラッグ、溶媒和化合物、若しくは塩;及び
(b)該診断キットの使用説明書;
を含んでなるキット。
【請求項37】
下記式(IB)の化合物
【化15】

(式中、R1、R2、R3、R5、R6、及びXは、請求項21〜27のいずれか1項で定義したとおりであり、かつR4は-CH2-である)の製造方法であって、以下の工程:
(a)適切な溶媒中、下記式(IA)の化合物を適切な塩基と反応させて下記式(IIB)のケトンを形成する工程;
【化16】

及び
(b)式(IIB)のケトンを有機金属試薬と反応させて式(IB)の化合物を形成する工程;
【化17】

を含む方法。
【請求項38】
下記式(IB)の化合物
【化18】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXは、請求項21〜27のいずれか1項で定義したとおりである)の製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式(IIIB)のケトンを適切な試薬でエポキシ化して下記式(VB)のエポキシドを形成する工程;
【化19】

及び
(b)適切な塩基の存在下、式(VB)のエポキシドをR5Hと反応させて式(IB)の化合物を形成する工程;
【化20】

を含む方法。
【請求項39】
下記式(IB)の化合物
【化21】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXは、請求項21〜27のいずれか1項で定義したとおりである)の製造方法であって、以下の工程:
(a)下記式(IIIB)のケトンを適切な試薬でオレフィン化して下記式(IVB)のアルケンを形成する工程;
【化22】

(b)式(IVB)のアルケンを適切な試薬でエポキシ化して下記式(VB)のエポキシドを形成する工程;
【化23】

及び
(c)適切な塩基の存在下、式(VB)のエポキシドをR5Hと反応させて式(IB)の化合物を形成する工程;
【化24】

を含む方法。

【公表番号】特表2007−530541(P2007−530541A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504979(P2007−504979)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/006975
【国際公開番号】WO2005/095401
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(500091335)ベーリンガー インゲルハイム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (55)
【Fターム(参考)】