説明

コミュニケーションロボット

【構成】 コミュニケーションロボット10は、スピーカ54、マイク56および眼カメラ60を含み、たとえば、或る会社など、噂が発生し流される場所に配置される。人間14は、たとえば気になる噂があると、端末106からネットワーク100を介してサーバ102にアクセスし、噂登録掲示板を介して当該噂を登録する。当該噂は、噂DB104に記憶(登録)される。コミュニケーションロボット10は、噂DB104から噂を読み出し、当該噂に含まれる情報に基づいて自律移動し、当該噂の検証情報をカメラ60やマイク56を用いて取得する。たとえば、コミュニケーションロボット10が配置された場所に存在する各人間12に所持等させた無線タグ16からの識別情報と噂に含まれる情報とに基づいて噂の当事者12を特定し、当該当事者12に対して噂に関する取材を行う。取材等によって取得した噂の検証情報は、サーバ102に送信され、噂DB104に登録される。登録された当該検証情報は、たとえば噂検証結果掲示板を介して人間14等に開示される。
【効果】 噂に基づく人間の不安や疑問を解消させ、また好奇心を満足させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコミュニケーションロボットに関し、特にたとえば、身体動作および音声の少なくとも一方を用いて人間との間でコミュニケーションを実行する、コミュニケーションロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のコミュニケーションロボットの一例が特許文献1に開示される。特許文献1の発明は、コミュニケーションロボットを用いて構成員間同士の関係を検知する関係検知システムである。このコミュニケーションロボットには、無線タグ読取装置と赤外線カメラとが備えられる。無線タグと赤外線LEDタグを所持した人間がコミュニケーションロボットの所定範囲内に入ると、識別情報が取得され、各人間の行動の履歴が記録される。各人間の行動の履歴には、たとえば好意を持つ者同士は同時に滞在することが多いなど、構成員間の関係が反映されている。この行動履歴に基づいて構成員間の他者との共存の仕方から各構成員間の関係を把握している。
【0003】
一方、人間社会において噂は重要な役割を果たしている。良い噂は、人間の評価を上げ、悪い噂は、人間を貶めたり、不安にさせたりする。
【特許文献1】特開2005−131748号公報[B25J 13/00]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明のように、コミュニケーションロボットによって実行される行為(動作)には、様々なものがある。また、今後さらに、コミュニケーションロボットの活躍する分野は広がると思われる。
【0005】
また、上述のように、噂は人間社会において重要な役割を果たすが、人間が作る噂は信憑性が低い。したがって、人間は、真実とは異なる無責任な噂によって、不必要に不安になることがある。また、噂の真偽は人間の好奇心をそそることもある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規なコミュニケーションロボットを提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、噂によってもたらされる人間の不安や疑問を解消させる、コミュニケーションロボットを提供することである。
【0008】
この発明のその他の目的は、噂に対する人間の好奇心を満足させる、コミュニケーションロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、身体動作および音声の少なくとも一方を用いて人間との間でコミュニケーションを実行可能なコミュニケーションロボットであって、人間によって登録される人間および場所の少なくとも一方の情報を含む噂情報を取得する噂取得手段、噂取得手段によって取得された噂情報に基づいて移動する移動手段、移動手段によって移動した後、噂情報に関する検証情報を取得する噂検証情報取得手段、および噂検証情報取得手段によって取得された検証情報を開示する開示手段を備える、コミュニケーションロボットである。
【0010】
請求項1の発明では、コミュニケーションロボット(10:実施例で相当する参照番号。以下同じ。)は、身振り手振りなどの身体動作および音声の少なくとも一方を用いて人間との間でコミュニケーションを実行することが可能である。コミュニケーションロボットは、たとえば、或る会社や学校など、様々な噂が作られ、流される場所に配置される。噂取得手段(62,86)は、噂情報を取得する。取得される噂情報には、少なくとも噂に関わる人間(噂の当事者)および噂に関わる場所(噂の現場)の少なくとも一方の情報が含まれる。また、取得される噂情報には、噂に関わる日時、噂の要旨および噂に関して知りたいことなどの情報が含まれてもよい。なお、このコミュニケーションロボットが取得する噂情報は、人間(14)によって登録される。たとえば、或る噂(たとえば、コミュニケーションロボットが配置される或る会社や学校内での噂)を聞いた人間や噂の基となるような事実(或る状況や或る現象など)を目撃(取得)した人間によって噂が登録される。噂登録者(噂を登録する人間)は、たとえば、自身の所有するパーソナルコンピュータなどの端末(106)から、無線LANやインターネットなどのネットワーク(100)上に存在するサーバ(102)にアクセスし、噂を書き込む(登録する)。この書き込まれた噂は、たとえばネットワーク上のデータベース(104)に記憶される。噂取得手段は、たとえば、ネットワークを介して、当該データベースから噂情報を取得する(読み出す)。ただし、噂情報を記憶するデータベースはコミュニケーションロボットに備えるようにしてもよい。移動手段(22,26,62,68,S5,S15)は、噂取得手段によって取得された噂情報(人間或いは場所の情報を含む)に基づいて移動する。つまり、噂取得手段によって取得された噂情報に含まれる人間や場所などの情報に基づいて、当該人間(噂の当事者)を探索したり、当該場所(噂の現場)まで移動したりする。噂検証情報取得手段(30,34,56,60,62,S9,S17)は、移動手段によって移動した後、噂情報に関する検証情報を取得する。たとえば、移動した場所において、各種センサによって検証情報を取得(記録)する。また、たとえば、移動した場所において人間と出会った場合、当該人間から検証情報の取得を試みてもよい。つまり、当該人間に対して噂に関する取材を試みてもよい。開示手段(62,86,S27)は、噂検証情報取得手段によって取得(記録)された検証情報を開示する。たとえば、ネットワーク上に存在するサーバに検証情報を送信し、登録することによって開示(公開)してもよい。ただし、ネットワーク上のサーバに登録して開示する場合、このサーバへのアクセスは、特定の人間(たとえば、コミュニケーションロボットが配置される会社や学校に属する人間)に限定するようにしてもよい。
【0011】
請求項1の発明によれば、人間によって登録された噂の検証情報を取得(取材)し、開示するので、噂に基づく人間の不安や疑問を解消させることができ、また、人間の好奇心を満足させることができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、人間を個々に識別する個人識別手段および個人識別手段によって識別された人間が噂取得手段によって取得された噂情報に関わる人間であるか否かを判断する当事者判断手段をさらに備え、噂検証情報取得手段は、当事者判断手段によって噂情報に関わる人間であることが判断されたとき、当該人間から当該噂情報に関する検証情報の取得を試みる。
【0013】
請求項2の発明では、個人識別手段(62,88,S7)および当事者判断手段(62,S7)をさらに備える。個人識別手段は、人間を個々に識別する。たとえば、複数の人間にそれぞれ装着させた無線タグ(16)からの識別情報に基づいて、自身の所定範囲内に存在する人間を検出し、個々に識別する。当時者判断手段は、個人識別手段によって識別された人間(つまり、コミュニケーションロボットが出会った人間)が、噂取得手段によって取得された噂情報に関わる人間であるか否か(すなわち、噂の当事者であるか否か)を判断する。人間判断手段によって、コミュニケーションロボットが出会った人間が噂の当事者であることが判断されたとき、噂検証情報取得手段は、当該人間から、当該噂情報に関する検証情報の取得を試みる。すなわち、噂の当事者に対して当該噂情報に関する取材を試みる。
【0014】
請求項2の発明によれば、噂の当事者から直接検証情報を取得することができるので、より正確な検証情報を得ることができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明に従属し、噂検証情報取得手段は、検証情報を音声によって取得する音声取得手段および映像によって取得する映像取得手段の少なくとも一方を含む。
【0016】
請求項3の発明では、噂検証情報取得手段は、音声記録手段(56,62,66)および映像記録手段(34,60,62,66)の少なくとも一方を含む。音声記録手段は、検証情報を音声によって記録する。たとえば、噂の当事者が語った噂の真相(発話内容)を音声記録する。映像記録手段は、検証情報を映像(画像)によって記録する。たとえば、噂に関わる現場の様子を撮影し、記録する。したがって、噂の当事者が実際に語った内容や噂に関わる実際の現場の様子を正確に取得することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1ないし3の発明のいずれかに従属し、検証情報を人間から取得したとき、当該人間に対して当該検証情報の開示の可否を質問する開示可否質問手段、および開示可否質問手段による質問に対する人間の反応に基づいて検証情報の開示の可否を判定する開示可否判定手段をさらに備え、開示手段は、開示可否判定手段によって開示してもよいことが判定されたとき、検証情報を開示する。
【0018】
請求項4の発明では、開示可否質問手段(54,62,72,S43)および開示可否判定手段(62,S47)をさらに備える。開示可否質問手段は、噂の検証情報を人間から取得(取材)したとき、当該人間に対して、取得した検証情報を開示してもよいか否かを質問する(開示の許可を求める)。開示可否判定手段は、開示可否質問手段による質問に対する人間の反応に基づいて、当該検証情報の開示の可否を判定する。たとえば、「開示してもよいですか?」という質問に対する人間の返答を音声認識することによって、開示の可否を判定してもよい。開示手段は、開示可否判定手段によって開示してもよいことが判定されたとき、当該検証情報を開示する。つまり、人間から取材した検証情報に関しては、当該人間の許可を得た場合にのみ、開示する。なお、取材した人間から開示を拒否された検証情報は、直ぐに消去するようにしてもよい。したがって、取材された人間の意に反して或いは知らないうちに検証情報が開示されることはない。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、人間によって登録された噂に関する検証情報を取得し、必要に応じて当該検証情報を開示するので、噂による人間の不安や疑問を解消させ、また、人間の好奇心を満足させることができる。
【0020】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1を参照して、この実施例のコミュニケーションロボット(以下、単に「ロボット」とも言う。)10は、主として人間のようなコミュニケーションの対象とコミュニケーションを実行することを目的とした相互作用指向のもので、身振り手振りのような身体動作および音声の少なくとも一方を用いてコミュニケーションを実行する機能を備えている。
【0022】
ロボット10は、たとえば、或る会社や学校など、複数の人間(図1では、人間12)が存在し、様々な噂が作られ、流されるような場所に配置され、これらの噂を検証するための情報(検証情報)を取得(取材)する。
【0023】
なお、詳細は後述するが、ロボット10が検証する噂は、人間(図1では、人間14)によって登録される。たとえば、噂は、人間14自身が所有するパーソナルコンピュータなどの端末106から、無線LANやインターネットなどのようなネットワーク100を介してアクセスできるサーバ102内に在る噂登録掲示板108(図4参照)を介して登録される。
【0024】
なお、図1では、簡単のため、ロボット10が取材する人間12を1人示してあるが、取材現場には複数の人間12が存在してもよく、また存在しなくてもよい。また、噂を登録する人間14を1人示してあるが、或る会社や学校などのコミュニティに属する複数の人間14によって噂が登録され得る。同様に、端末106を1台示してあるが、複数の端末106から噂が登録されてよい。
【0025】
図2はロボット10の外観を示す正面図であり、この図2を参照して、ロボット10のハードウェアの構成について説明する。ロボット10は台車20を含み、この台車20の下面にはロボット10を自律移動させる2つの車輪22および1つの従輪24が設けられる。2つの車輪22は車輪モータ26(図3参照)によってそれぞれ独立に駆動され、台車20すなわちロボット10を前後左右任意の方向に動かすことができる。また、従輪24は車輪22を補助する補助輪である。このように、ロボット10は、配置された空間内を移動可能なものである。
【0026】
台車20の上には、円柱形のセンサ取付パネル28が設けられ、このセンサ取付パネル28には、赤外線距離センサ30が取り付けられる。この赤外線距離センサ30は、センサ取付パネル28すなわちロボット10の周囲の物体(人間や障害物など)との距離を計測するものである。
【0027】
また、センサ取付パネル28の上には、胴体32が直立するように設けられる。胴体32の前方中央上部(胸に相当する位置)には、上述した赤外線距離センサ30がさらに設けられる。これは、ロボット10の前方の主として人間との距離を計測する。また。胴体32には、1つの全方位カメラ34が設けられる。全方位カメラ34は、たとえば背面側上端部のほぼ中央から延びる支柱36上に設けられる。全方位カメラ34は、ロボット10の周囲を撮影するものであり、後述する眼カメラ60とは区別される。この全方位カメラ34としては、たとえばCCDやCMOSのような固体撮像素子を用いるカメラを採用することができる。なお、これら赤外線距離センサ30および全方位カメラ34の設置位置は当該部位に限られず適宜変更され得る。
【0028】
胴体32の両側面上端部(肩に相当する位置)には、それぞれ、肩関節38Rおよび38Lによって、上腕40Rおよび40Lが設けられる。図示は省略するが、肩関節38Rおよび38Lは、それぞれ、直交する3軸の自由度を有する。すなわち、肩関節38Rは、直交する3軸のそれぞれの軸廻りにおいて上腕40Rの角度を制御できる。肩関節38Rの或る軸(ヨー軸)は、上腕40Rの長手方向(または軸)に平行な軸であり、他の2軸(ピッチ軸、ロール軸)は、それにそれぞれ異なる方向から直交する軸である。同様に、肩関節38Lは、直交する3軸のそれぞれの軸廻りにおいて上腕40Lの角度を制御できる。肩関節38Lの或る軸(ヨー軸)は、上腕40Lの長手方向(または軸)に平行な軸であり、他の2軸(ピッチ軸、ロール軸)は、それにそれぞれ異なる方向から直交する軸である。
【0029】
また、上腕40Rおよび40Lのそれぞれの先端には、肘関節42Rおよび42Lを介して、前腕44Rおよび44Lが設けられる。図示は省略するが、肘関節42Rおよび42Lは、それぞれ1軸の自由度を有し、この軸(ピッチ軸)の軸廻りにおいて前腕44Rおよび44Lの角度を制御できる。
【0030】
前腕44Rおよび44Lのそれぞれの先端には、手に相当する球体46Rおよび46Lがそれぞれ固定的に設けられる。ただし、指や掌の機能が必要な場合には、人間の手の形をした「手」を用いることも可能である。
【0031】
また、図示は省略するが、台車20の前面、肩関節38R,38Lを含む肩に相当する部位、上腕40R,40L、前腕44R,44Lおよび球体46R,46Lには、それぞれ、接触センサ(図3で包括的に示す。:48)が設けられている。台車20の前面の接触センサ48は、台車20への人間や他の障害物の接触を検知する。したがって、ロボット10の移動中に障害物との接触があると、それを検知し、直ちに車輪22の駆動を停止してロボット10の移動を急停止させることができる。また、その他の接触センサ48は、主に、人間がロボット10の当該各部位に触れたかどうかを検知する。なお、接触センサ48の設置位置はこれらに限定されず、適宜な位置(胸、腹、脇、背中、腰など)に設けられてよい。
【0032】
胴体32の中央上部(首に相当する位置)には首関節50が設けられ、さらにその上には頭部52が設けられる。図示は省略するが、首関節50は、3軸の自由度を有し、3軸の各軸廻りに角度制御可能である。或る軸(ヨー軸)はロボット10の真上(鉛直上向き)に向かう軸であり、他の2軸(ピッチ軸、ロール軸)は、それぞれ、それと異なる方向で直交する軸である。
【0033】
頭部52には、口に相当する位置に、スピーカ54が設けられる。スピーカ54は、ロボット10が、それの周辺の人間に対して音声ないし音によってコミュニケーションを取るために用いられる。また、耳に相当する位置には、マイク56Rおよび56Lが設けられる。以下、右耳に相当するマイク56Rと左耳に相当するマイク56Lとをまとめてマイク56ということがある。マイク56は、周囲の音、とりわけコミュニケーションを実行する対象である人間の声を取り込む。さらに、目に相当する位置には、眼球部58Rおよび58Lが設けられる。眼球部58Rおよび58Lは、それぞれ眼カメラ60Rおよび60Lを含む。以下、右の眼球部58Rと左の眼球部58Lとをまとめて眼球部58ということがあり、また、右の眼カメラ60Rと左の眼カメラ60Lとをまとめて眼カメラ60ということがある。
【0034】
眼カメラ60は、ロボット10に接近した人間の顔や他の部分ないし物体などを撮影して、それに対応する映像信号を取り込む。眼カメラ60としては、上述した全方位カメラ34と同様のカメラを用いることができる。たとえば、眼カメラ60は眼球部58内に固定され、眼球部58は眼球支持部(図示せず)を介して頭部52内の所定位置に取り付けられる。図示は省略するが、眼球支持部は、2軸の自由度を有し、それらの各軸廻りに角度制御可能である。たとえば、この2軸の一方は、頭部52の上へ向かう方向の軸(ヨー軸)であり、他方は、一方の軸に直交しかつ頭部52の正面側(顔)が向く方向に直交する方向の軸(ピッチ軸)である。眼球支持部がこの2軸の各軸廻りに回転されることによって、眼球部58ないし眼カメラ60の先端(正面)側が変位され、カメラ軸すなわち視線方向が移動される。
【0035】
なお、上述のスピーカ54、マイク56および眼カメラ60の設置位置は、これらに限定されず、適宜な位置に設けてられてよい。
【0036】
図3はロボット10の電気的な構成を示すブロック図であり、この図3を参照して、ロボット10は、全体を制御するCPU62を含む。CPU62は、マイクロコンピュータ或いはプロセサとも呼ばれ、バス64を介して、メモリ66、モータ制御ボード68、センサ入力/出力ボード70および音声入力/出力ボード72に接続される。
【0037】
メモリ66は、図示は省略するが、ROMやHDDおよびRAMを含む。ROMやHDDには、ロボット10の制御プログラム(人間との間でコミュニケーションを実行するための行動制御プログラム)が予め記憶されるとともに、コミュニケーションを実行する際にスピーカ54から発生すべき音声または声の音声データ(音声合成データ)および所定の身振りを提示するための角度データなども記憶される。また、ROMやHDDには、人間を個々に識別するための識別プログラム、噂に関する検証情報を取得するための検証情報取得プログラム、および外部コンピュータ(サーバ102など)との間で必要な情報を送受信するための通信プログラムなどが記録される。さらに、ROMやHDDには、ロボットが配置される現場(或る会社や学校など)の地図データが予め記憶される。なお、この地図データには、当該現場に所属する各人間の存在する確率が高い位置を示す位置情報を予め登録しておくようにしてもよい。また、RAMは、ワークメモリやバッファメモリとして用いられる。
【0038】
モータ制御ボード68は、たとえばDSPで構成され、各腕や首関節および眼球部などの各軸モータの駆動を制御する。すなわち、モータ制御ボード68は、CPU62からの制御データを受け、右眼球部58Rの2軸のそれぞれの角度を制御する2つのモータ(図3では、まとめて「右眼球モータ」と示す。)74の回転角度を制御する。同様に、モータ制御ボード68は、CPU62からの制御データを受け、左眼球部58Lの2軸のそれぞれの角度を制御する2つのモータ(図3では、まとめて「左眼球モータ」と示す。)76の回転角度を制御する。
【0039】
また、モータ制御ボード68は、CPU62からの制御データを受け、右肩関節38Rの直交する3軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータと右肘関節42Rの角度を制御する1つのモータとの計4つのモータ(図3では、まとめて「右腕モータ」と示す。)78の回転角度を調節する。同様に、モータ制御ボード68は、CPU62からの制御データを受け、左肩関節38Lの直交する3軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータと左肘関節42Lの角度を制御する1つのモータとの計4つのモータ(図3では、まとめて「左腕モータ」と示す。)80の回転角度を調節する。
【0040】
さらに、モータ制御ボード68は、CPU62からの制御データを受け、首関節50の直交する3軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータ(図3では、まとめて「頭部モータ」と示す。)82の回転角度を制御する。さらにまた、モータ制御ボード68は、CPU62からの制御データを受け、車輪22を駆動する2つのモータ(図3では、まとめて「車輪モータ」と示す。)26の回転角度を制御する。
【0041】
なお、この実施例では、車輪モータ26を除くモータは、制御を簡素化するために、ステッピングモータ或いはパルスモータを用いるようにしてある。ただし、車輪モータ26と同様に、直流モータを用いるようにしてもよい。
【0042】
センサ入力/出力ボード70もまた、同様に、DSPで構成され、各センサからの信号を取り込んでCPU62に与える。すなわち、赤外線距離センサ30のそれぞれからの反射時間に関するデータがこのセンサ入力/出力ボード70を通してCPU62に入力される。また、全方位カメラ34からの映像信号が、必要に応じてこのセンサ入力/出力ボード70で所定の処理を施された後、CPU62に入力される。眼カメラ60からの映像信号も、同様にして、CPU62に入力される。また、上述した複数の接触センサ(図3では、まとめて「接触センサ48」と示す。)からの信号がセンサ入力/出力ボード70を介してCPU62に与えられる。
【0043】
音声入力/出力ボード72もまた、同様に、DSPで構成され、CPU62から与えられる音声合成データに従った音声または声がスピーカ54から出力される。たとえば、後述する噂の要旨や噂に関して知りたいことなどが音声または声としてスピーカ54から発せられる。また、マイク56からの音声入力が、音声入力/出力ボード56を介してCPU62に取り込まれる。たとえば、後述する人間への取材時に当該人間が発話した内容がマイク56から取り込まれる。
【0044】
また、CPU62は、バス64を介して通信LANボード84および無線タグ読取装置88に接続される。通信LANボード84は、DSPで構成され、CPU62から送られる送信データを無線通信装置86に与え、無線通信装置86から送信データを、たとえば、無線LANのようなネットワーク100を介して外部コンピュータ(サーバ102など)に送信する。また、通信LANボード84は、無線通信装置86を介してデータを受信し、受信したデータをCPU62に与える。つまり、この通信LANボード84および無線通信装置86によって、ロボット10は外部コンピュータなどと無線通信を行うことができる。
【0045】
無線タグ読取装置88は、図1に示した人間12が所持等する無線タグ16から送信される識別情報の重畳された電波を、アンテナを介して受信し、電波信号を増幅し、当該電波信号から識別情報を分離し、当該情報を復調(デコード)してCPU62に与える。
【0046】
なお、図1に示したように、ロボット10が配置される現場(或る会社や学校など)に存在する人間12はそれぞれ、無線タグ16を所持ないし装着している。無線タグ16としては、たとえばRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。図示は省略するが、RFIDタグは、識別情報を記憶するためのメモリや通信用の制御回路などを備えるICチップおよびアンテナなどを含む。この実施例では、後述するように、ロボット10は、出会った人間12を検出し、当該人間12から噂の検証情報を取得する(人間12に取材する)ので、たとえば、通信距離の比較的長い電磁誘導方式(最大1m程度)またはマイクロ波方式(最大5m程度)のRFIDタグを使用することが望ましい。
【0047】
また、通信距離の比較的短い静電結合方式(数mm程度)や電磁結合方式(数cm程度)のRFIDタグなどを使用することもできるが、これらの場合には、ロボット10は人間12に接近して、無線タグ読取装置88を当該人間(厳密には無線タグ16)に近づけたり、逆に人間に無線タグ16を無線タグ読取装置88に近づけてもらうように依頼したりする必要がある。また、無線タグ16は、電池内蔵の能動型(アクティブタイプ)、電池無しの受動型(パッシブタイプ)のどちらでもよい。
【0048】
このような構成のロボット10は、上述したように、或る会社や学校などに配置され、たとえばその配置された場所に流れている噂の検証情報を取得する(噂を検証する)。このロボット10が検証する噂は、図1に示した人間14によって登録される。たとえば、或る噂(たとえば、コミュニケーションロボットが配置される或る会社や学校内での噂)を聞いた人間や噂の基となるような事実(或る状況や或る現象など)を目撃(取得)した人間によって噂が登録される。人間14は、たとえば、自身の所有するパーソナルコンピュータなどの端末106からネットワーク100を介してアクセスできるサーバ102内に在る噂登録掲示板108を介して噂を登録する。噂登録掲示板108は、人間14が噂を登録するための掲示板である。たとえば、サーバ102にアクセスすることによって、端末106には、GUIとして、図4に示すような噂登録掲示板108が表示される。人間14は、この噂登録掲示板108に自身の取得した噂(真相を知りたい噂)を入力し、サーバ102に送信することによって噂を登録する。噂登録掲示板108には、いつ、どこで、誰が、噂の要旨、知りたいことおよび噂登録者名などを入力するための入力欄が設けられる。「いつ」の入力欄108aには、当該噂の基となった事実が発生した日付と時刻とが入力される。たとえば、「12/15 23:00」などと入力されてよい。また、西暦などの年情報も入力されてよい。「どこで」の入力欄108bには、当該噂の基となった事実が発生した場所(噂の現場)が入力される。たとえば、「オフィスの3F」などと入力されてよい。「誰が」の入力欄108cには、当該噂の基となった人間(噂の当事者)の名前が入力される。たとえば、「山田太郎」などと入力されてよい。なお、噂に人間が関係しない場合、「誰が」の入力欄108cには入力がされなくてもよい。また、「いつ」、「どこで」および「誰が」を示す情報が当該噂を登録する人間(登録者)にとって不明であるときは、その情報を入力する欄には入力がされなくてもよい。ただし、ロボット10は、後述するように、「どこで」或いは「誰が」を示す情報に基づいて自律移動するため、「どこで」および「誰が」を示す情報の少なくとも一方は噂登録掲示板108に入力される必要がある。
【0049】
「噂の要旨」の入力欄108dには、当該噂の概要が入力される。たとえば、「12月15日の夜11時にオフィス3FのAルームで山田太郎さんが怒鳴っていたらしい」などと入力されてよい。「知りたいこと」の入力欄108eには、当該噂の登録者が当該噂について知りたいこと(たとえば、噂の当事者に聞きたいこと)が入力される。たとえば、「いつもおとなしい山田太郎さんがどうしてこんな時間に大声を上げたのだろう?」などと入力されてよい。なお、「知りたいこと」の入力欄108eは、必ずしも入力される必要は無く、また、当該噂の対象が人間の場合(人間が関係する噂の場合)にのみ入力するようにしてもよい。「噂登録者」の入力欄108fには、当該噂を入力した(登録する)人間の名前が入力される。たとえば、「海川次郎」などと入力されてよい。なお、入力される情報は、これらに限定されず、適宜な情報(たとえば、「何を」、「何故」および「どのように」を示す情報など、噂を検証するために用いる情報)を入力するようにしてよい。
【0050】
また、噂登録掲示板108には、「送信」ボタン108gおよび「キャンセル」ボタン108hが設けられる。「送信」ボタン108gは、上述の入力欄に入力した内容(噂)をサーバ102に送信するためのボタンである。また、「キャンセル」ボタン108hは、当該入力した噂をキャンセルする(取り消す)ためのボタンである。したがって、「送信」ボタン108gが選択されると、登録者によって入力された噂がネットワーク100を介してサーバ102に送信される。また、「キャンセル」ボタン108hが選択されると、当該入力した内容が取り消される。なお、たとえばこの「キャンセル」ボタン108hによって、自身が過去に登録した(或いは他人によって登録された)噂を取り消す(消去する)ことができるようにしてもかまわない。人間は、噂が登録(開示)されていることを苦痛と感じる場合もあるからである。
【0051】
なお、後述するように、ロボット10は自律移動して噂の検証情報を取得するので、人間14によって登録される噂は、ロボット10が実際に移動できる範囲内のもの(たとえば、ロボット10がメモリ66に記憶している地図データの範囲内に存在する場所や人間に関する噂)に限定することが望ましい。ただし、ロボット10は、登録された噂の中からロボット10が実際に移動できる範囲内の噂を選択するようにして、当該噂に関する検証情報を取得(取材)するようにしてもよい。
【0052】
人間によって噂がサーバ102に送信されると、当該噂に関する情報は、サーバ102内或いはサーバ102と通信可能に設けられた外部コンピュータの噂情報データベース(以下「噂DB」という。)104に記録(登録)される。ただし、この噂DB104は、ロボット10に設けるようにしてもかまわない。
【0053】
噂DB104は、図5に示すような噂に関する情報(以下、「噂情報」という。)を記録するデータベースである。噂情報には、噂IDに対応付けて、登録日時、上述した噂登録掲示板108に入力された内容(登録者名、いつ、どこで、誰が、噂の要旨、知りたいこと)および検証などの情報が記載される。噂IDは、登録された噂ごとに与えられるID(識別番号)である。登録日時を示す情報としては、登録者が当該噂を登録した日付と時刻(図5では、簡単のため、t1,t2,・・・と表示)が記載される。登録者名、いつ、どこで、誰が、噂の要旨および知りたいことを示す情報としては、上述したものと同様の内容が記載される。検証を示す情報としては、当該噂に関する検証情報が既に取得されているか否かが記載される。たとえば、既に検証情報を取得している場合は「済」と記載され、未だ検証情報を取得していない場合は「未」と記載される。なお、図示は省略するが、ロボット10が噂の検証情報を取得したときは、当該検証情報(後述する、開示可能な音声データや映像データ)も噂IDに対応付けて、噂DB104に記憶される。
【0054】
たとえば、図5に示す噂情報からは、噂IDがAの噂は、日時t1に海川次郎によって登録された噂であり、12月15日の23時に発生し、オフィス3FのAルームおよび山田太郎に関係する噂であることが分かる。また、当該噂の要旨は、「12月15日の夜11時にオフィス3FのAルームで山田太郎さんが怒鳴っていたらしい」であり、登録者海川次郎の知りたいことは、「いつもおとなしい山田太郎さんがどうしてこんな時間に大声を上げたのだろう?」であることが分かる。さらに、当該噂の検証情報は既に取得済みであることがわかる。
【0055】
また、噂IDがBの噂は、日時t2に赤井三郎によって登録された噂であり、12月27日の2時に発生し、倉庫に関係する噂であることが分かる。また、誰がを示す情報の欄が空欄であるので、当該噂には人間が関係しない、もしくは誰が関係するのか不明であることが分かる。また、当該噂の要旨は、「深夜2時に倉庫でラップ音がなっていたらしい。幽霊かな?」であることが分かる。さらに、当該噂の検証情報は未だに取得されていないことが分かる。なお、知りたいことを示す欄は空欄であるので、不明である。
【0056】
ロボット10は、噂DB104から噂(噂に含まれる情報)を取得する(読み出す)ことによって、噂の検証を開始する。たとえば、噂DB104に新たな噂が記録されると、当該噂に含まれる情報、すなわち、噂に関する人間(図5に示す噂情報を参照して、「誰が」情報)もしくは噂に関する場所(図5に示す噂情報を参照して、「どこで」情報)の情報を読み出す。そして、この読み出した情報に基づいて移動する。たとえば、新たに記録された噂に「誰が」情報が含まれていた(登録されていた)場合には、ロボット10は、当該「誰が」情報を読み出し、当該情報に基づいて人間12を探索する。上述したように、たとえばメモリ66には、ロボット10が配置される環境(或る会社や学校など)の地図データが予め記憶されている。また、この地図データには、各人間12について、存在する確率の高い場所(その人間12のデスクが在る場所やその人間12が休憩する場所など)が予め記憶されている。ロボット10は、読み出した噂の「誰が」情報に基づいて、当該噂に関係する人間(噂の当事者)12を特定し、地図データを参照して、当該人間12の存在する確率の高い場所まで移動する。すなわち、噂の当事者を探索する。また、たとえば、ロボット10が配置される環境内に設けた環境センサ(床センサや天井カメラ)などによって、各人間12の存在する場所を検出するようにしてもよい。ロボット10は、「誰が」情報に基づいて噂の当事者を特定すると、当該当事者の存在する場所を環境センサなどから取得し、当該当事者の存在する場所まで移動するというようにしてもよい。
【0057】
また、「誰が」情報に基づいて移動した後、人間12を検出した(人間12に出会った)場合は、当該人間12が噂の当事者(「誰が」情報に記載された人間)であるかどうかを判断する。具体的には、当該人間12が所持等する無線タグ16の識別情報を検出すると、人間12に出会ったと判断し、当該識別情報が「誰が」情報に対応する人間の識別情報であるか否かを判定することによって、当該出会った人間12が噂の当事者であるかどうか判断する。ただし、上述の環境センサに基づいて移動する場合は、既に人間12の識別がされているので、検出された人間をそのまま噂の当事者であると判断することが可能である。
【0058】
上述した探索によって噂に関係する人間(噂の当事者)12を発見すると、ロボット10は、当該人間12から検証情報の取得を試みる。つまり、噂の当事者に対して当該噂に関する取材を試みる。たとえば、ロボット10は、噂の当事者を発見すると、センサ情報の記録を開始する。すなわち、眼カメラ60から取得される映像および/またはマイク56から取得される音声の記録を開始する。この映像や音声は、たとえばメモリ66に記録される。ただし、映像は、眼カメラ60の代わりに、或いは眼カメラ60とともに、全方位カメラ34からのものを記録するようにしてもよい。
【0059】
センサ情報の記録を開始すると、ロボット10は、たとえば、上述した噂DB104に記憶された噂情報の「噂の要旨」をスピーカ54から音声出力する。さらに、「知りたいこと」を音声出力してもよい。これによって、ロボット10から取材を受ける人間(噂の当事者)12は、どのような噂が流れているのかを知ることができる。ロボット10は、噂の内容を人間12に伝えると、この噂に関して取材をしてもよいかどうかを質問する。そして、取材の許可を得た場合にのみセンサ情報の記録を続け、当該人間12に対して当該噂に関する意見を尋ねる。これによって、人間12は、当該噂に関する意見や反論(たとえば、噂の真相)などを述べることができる。上述したように、当該人間12の発話内容は音声記録され、当該人間12の様子は映像記録される。なお、この実施例では、人間12が取材に応じない場合は、当該噂の検証を終了するようにしてあるが、所定時間が経過した後、再度取材を行うようにしてもよい。
【0060】
また、ロボット10は、たとえば、噂DB104に新しく記録された噂に「誰が」情報が含まれていない場合や「誰が」情報によって特定した人間12が発見できなかった場合などには、当該噂の「どこで」情報に基づいて自律移動する。すなわち、噂DB104に記録された噂の「どこで」情報に基づいて、噂に関する場所を特定し、メモリ66に記憶した地図データを参照して当該特定した場所まで自律移動する。なお、「どこで」情報に基づいて自律移動する場合、さらに当該噂に「いつ」情報が記録されているときには、当該「いつ」情報を参照して当該噂に関する時刻を特定し、当該時刻にその場所まで自律移動するようにしてもよい。また、移動した後、その時刻になるまで待つようにしてもよい。これによって、より有用な検証情報を得ることができる。
【0061】
噂に関する場所まで自律移動すると、ロボット10は、センサ情報の記録を開始する。すなわち、眼カメラ60や全方位カメラ34によって取得される映像および/またはマイク56によって取得される音声のたとえばメモリ66への記録を開始する。つまり、ロボット10は、噂の現場となった場所まで移動し、当該現場の様子を記録する。また、ロボット10は、当該噂の現場となった場所で人間12を検出した場合には、当該人間12から検証情報を取得(取材)してよい。人間12への取材は上述したものと同様に行われる。ただし、当該取材は、当該自律移動した現場に関する噂に、検出した人間12が関係するか否かに関わらず(図5に示す、「誰が」情報に記載された人間12であるか否かに関わらず)行うようにしてもよい。つまり、当該噂の現場で検出された人間12は、当該噂に関係が有る或いは当該噂に関する何らかの事実を知っていると推定して、取材してもよい。もちろん、検出した人間12を個人識別し、噂DB104の「誰が」情報を参照して、当該噂に関係する人間であると判断した場合にのみ取材するというようにしてもよい。なお、詳細は省略するが、ロボット10は、たとえば赤外線距離センサ30の検出結果とメモリ66に記憶された地図データとに基づいて、人間を検出することができるので、たとえば無線タグ16を所持していない人間12と出会っても、人間12を検出したと判断することができる。
【0062】
検証情報の取得(取材)が終了すると、ロボット10は、取材が終了した旨をネットワーク100上のサーバ102に送信し、噂DB104に記録(登録)する。つまり、噂DB104の噂情報テーブルの「検証」を示す欄(図5参照)には、「済」が記載される。これによって、後述する噂検証結果掲示板110の「検証」表示欄110a(図6参照)には、「済」が表示されるようになる。また、ロボット10は、上述の取得した検証情報(記録した映像や音声)をサーバ102に送信し、噂DB104に登録する。検証情報が噂DB104に登録されると、後述するように、人間14は、端末106から噂検証結果掲示板110にアクセスすることによって、当該登録された検証情報を取得(確認)できるようになる。つまり、ロボット10は、取得した噂の検証情報を開示する。
【0063】
ただし、噂の検証情報を人間12から取得した場合には、ロボット10は、当該噂の検証情報(取材内容)を開示してもよいかどうかを当該取材した人間12に対して質問する。すなわち、メモリ66などに記録された発話内容や映像を他の人間14に開示してもよいかどうか質問し、取材内容の開示の許可を求める。そして、開示の許可を得ることができた場合にのみ、当該取材内容を噂DB104に登録し、噂検証結果掲示板110を介して開示する。具体的には、ロボット10は、「今、記録した内容を他の人に伝えてもいいですか?」や「取材内容を開示してもいいですか?」などと発話することによって、取材内容の開示の許可を要求する。ロボット10は、この質問に応じた人間12の返答が肯定的なもの(たとえば、「はい」や「開示していいよ」)であることを音声認識したとき、開示の許可を得たと判断する。また、取材内容の開示の許可を得たかどうかの判断は、音声認識によって判断する代わりに(或いは併用して)、人間12に対して特定の行動を示してもらうように要求し、それを検出することによって判断するようにしてもよい。たとえば、「取材内容を開示してもよい場合は、私の肩に触れてください」などと発話して取材内容の開示の許可を求め、これに応じて人間12がロボット10の肩に触れると(つまり、肩部の接触センサ48がオンになると)、当該人間12から取材内容の開示の許可を得たと判断するようにしてもよい。なお、取材内容の開示許可は、取得した検証情報(音声或いは映像)毎に得るようにしてもよい。たとえば、音声記録された取材内容は、開示許可を得て開示可能であるが、映像記録された(噂の当事者の顔が認識できる)取材内容は、開示許可を得られず開示不可であるというようにしてもよい。また、開示許可を得ることができなかった検証情報(上述の取材許可を得ることができなかった場合のセンサ情報を含む)は、たとえば直ぐに(或いは所定時間が経過した後に)消去するようにしてもよい。これは、個人のプライバシに関することであるからである。なお、噂の検証情報を人間から得ていない場合は、開示許可を得る対象が存在しないので、取得した全ての検証情報をそのまま開示するようにしてもよい。
【0064】
噂検証結果掲示板110は、ロボット10が取得した噂の検証情報を開示するための掲示板である。噂検証結果掲示板110には、上述した噂登録掲示板108と同様に、複数の人間14が端末16からアクセスできる。人間14は、噂検証結果掲示板110にアクセスすることによって、噂の内容および噂の検証情報を確認(取得)することができる。図6に示すように、噂検証結果掲示板110には、噂IDに対応付けて、当該噂の検証情報を取得済みであるか否かを表示する表示欄(「検証」表示欄)110aが設けられる。たとえば、この「検証」表示欄110aには、既に検証情報を取得している場合は「済」と表示され、まだ検証情報を取得していない場合は「未」と表示される。また、噂検証結果掲示板110には、噂IDに対応付けて、「噂」ボタン110b、「音声」ボタン110c、「画像」ボタン110dおよび「OK」ボタン110eなどが設けられる。「OK」ボタン110eは他のボタンの選択を確定するためのボタンである。「噂」ボタン110bは、当該噂を表示するためのボタンである。「噂」ボタン110bが選択された後、「OK」ボタン110eが選択されると、当該噂IDに対応する噂の内容、すなわち、上述した噂登録掲示板108に入力された内容(たとえば、当該噂を入力済みの噂登録掲示板108)が表示される。したがって、人間14は、「噂」ボタン110bを選択することによって、現在どのような噂が存在するのかを確認することができる。「音声」ボタン110cおよび「画像」ボタン110dは、検証情報を出力するためのボタンである。「音声」ボタン110cが選択された後、「OK」ボタン110eが選択されると、マイク56によって取得された音声(たとえば、噂の当事者が発話した内容)が端末16のスピーカから出力される。また、「画像」ボタン110dが選択された後、「OK」ボタン110eが選択されると、眼カメラ60或いは全方位カメラ34によって取得された画像或いは映像(たとえば、噂の当事者が発話している様子や噂の現場の様子)が端末16のディスプレイに表示される。したがって、人間14は、「音声」ボタン110cや「画像」ボタン110dを選択することによって、ロボット10が取得した噂の検証情報を確認することができる。すなわち、噂の当事者の意見を聞いたり、噂の現場の様子を見たりすることができる。
【0065】
なお、検証情報を未だ得ていない場合や検証情報を開示する許可を得られなかった場合など、検証情報を開示できない場合は、噂検証結果掲示板110には、その旨が適宜な方法で示される。たとえば、図6に示すように、検証情報を開示できない場合は、「音声」ボタン110cおよび「画像」ボタン110dに表示される文字を、開示できる場合(たとえば、黒色で表示)とは異なる色(たとえば、灰色で表示)で表示するようにしてもよい。また、たとえば「開示不可」などと文字で明示するようにしてもよい。
【0066】
たとえば、図6に示す噂検証結果掲示板110からは、噂IDがAの噂は、既に検証情報を取得済みであり、その検証情報は開示されていることが分かる。また、噂IDがBの噂は、未だ検証情報を取得しておらず、したがってその検証情報は開示されていないということが分かる。さらに、噂IDがCの噂は、既に検証情報を取得済みであるが、その検証情報は開示されていない(つまり、検証情報を開示する許可を得られなかった)ということが分かる。また、噂IDがDの噂は、既に検証情報を取得済みであり、音声情報は開示されている。しかし、画像情報は開示されていないということが分かる。
【0067】
このように、ロボット10が取得した噂の検証情報は、噂検証結果掲示板110によって一般に開示(公開)される。ただし、検証情報を確認できる人間を一部に限定するようにしてもよい。つまり、噂検証結果掲示板110にアクセスすることができる人間を特定の人間に限定して開示するようにしてもよい。たとえば、ロボット10が配置される現場(或る会社や学校)に属する人間に限定するようにしてもよいし、当該噂を登録した人間のみに限定するようにしてもよい。これは、噂やその検証情報が必要以上に流出することが望ましくない場合もあるからである。
【0068】
上述のようなロボット10の動作をフロー図に従って説明する。具体的には、図3に示したCPU62が図7に示すフロー図に従って全体処理を実行する。図7を参照して、CPU62は、全体処理を開始すると、ステップS1で、噂DB104(図5参照)に新しい噂が登録されているか否かを判断する。すなわち、人間14によって噂登録掲示板108(図4参照)に噂が新たに書き込まれ、噂DB104に噂が新たに登録(記録)されたか否かを判断する。ステップS1で“NO”のとき、すなわち、新しい噂が登録されていない場合は、そのまま全体処理を終了する。一方、ステップS1で“YES”のとき、すなわち、新しい噂が登録されている場合は、ステップS3に進む。
【0069】
ステップS3では、新しく登録された噂に「誰が」情報が含まれているか否かを判断する。つまり、当該噂に人間が関係しているか否(或いは不明)かを判断する。ステップS3で“NO”のとき、すなわち、当該噂には人間が関係していない、或いは人間が関係しているかどうか不明である場合には、ステップS13に進む。一方、ステップS3で“YES”のとき、すなわち、当該噂に人間が関係している場合は、ステップS5に進む。
【0070】
ステップS5では、「誰が」情報に基づき、噂の当事者を所定時間探索する。すなわち、噂DB104から、新しく登録された噂に含まれる「誰が」情報を読み出して、当該噂の当事者を特定し、上述したように、当該当事者の探索を行う。次のステップS7では、噂の当事者を発見したか否かを判断する。ステップS7で“NO”のとき、すなわち、噂の当事者を発見できなかった場合は、ステップS13に進む。一方、ステップS7で“YES”のとき、すなわち、噂の当事者を発見した場合は、ステップS9に進む。
【0071】
ステップS9では、センサ情報の記録を開始する。たとえば、マイク56から入力される音声や眼カメラ60から入力される映像の記録を開始する。次のステップS11では、後述する、噂に関する取材処理(図8)を実行し、ステップS25に進む。
【0072】
また、ステップS13では、新しく登録された噂に「どこで」情報が含まれているか否かを判断する。すなわち、当該噂に場所が関係しているか否かを判断する。ステップS13で“NO”のとき、すなわち、当該噂に場所が関係しない場合は、ステップS1に戻る。一方、ステップS13で“YES”のとき、すなわち、当該噂に場所が関係する場合は、ステップS15に進む。
【0073】
ステップS15では、「どこで」情報に基づき、噂の現場(噂に関係する場所)に移動する。すなわち、噂DBから、新しく登録された噂に含まれる「どこで」情報を読み出して、当該噂の現場を特定し、メモリ66に記憶された地図データを参照して、当該噂の現場まで移動する。
【0074】
次のステップS17では、センサ情報の記録を開始する。すなわち、噂の現場へ移動した後、当該現場の様子を音声で記録したり、映像で記録したりする。ステップS19では、所定時間の待機を行う。つまり、所定時間(たとえば、数分程度)、当該現場の様子の記録を続け、ステップS21に進む。ステップS21では、ステップS19での待機中に、人間12が発見されたか否かを判断する。なお、上述したように、ここでの人間12は、当該噂の当事者であるかどうかを考慮しなくてもよいし、考慮してもよい。ステップS21で“YES”のとき、すなわち、人間12を検出した場合は、ステップS11に進み、後述する、噂に関する取材処理(図8)を実行する。一方、ステップS21で“NO”のとき、すなわち、人間12を発見しなかった場合は、ステップS23でセンサ情報の記録を終了し、ステップS25に進む。
【0075】
ステップS25では、噂の検証が終了したことを示す終了情報をサーバ102に送信し、噂DB104に登録する。つまり、噂DB104の噂情報テーブルの「検証」を示す欄に「済」を登録する。なお、当該「検証」を示す欄に「済」が登録されることによって、ロボット10は、当該噂についての検証は終了したと判断し、以降、この噂に関する検証は行わなくなる。
【0076】
次のステップS27では、検証情報(音声データや画像データ)をサーバ102に送信し、噂DB104に登録する。これによって、噂検証結果掲示板110の「音声」ボタン110cや「画像」ボタン110dは選択可能となり、人間14はこれらのボタンを選択することによって、検証情報を確認することができるようになる。ただし、取材した人間12から検証情報の開示許可を得られず、後述する図8に示すステップS49で当該情報を消去した場合は、該当する「音声」ボタンや「映像」ボタンは選択不可のままとなる。ステップS27の処理を終了すると、ステップS1に戻る。
【0077】
なお、図7に示した処理では、「どこで」情報に基づいて噂の現場に移動するときには、時刻に関係なく移動するようにしたが、これに限定されない。たとえば、ロボット10が検証する噂に「いつ」情報が含まれていれば、当該「いつ」情報に記載された時刻にその現場まで移動するようにしてもよいし、現場まで移動した後、当該時刻まで待機して、センサ情報の記録を開始するようにしてもよい。具体的には、図7のフロー図において、ステップS13で、新しい噂に「どこで」情報が登録されているか否か判断するときに、さらに「いつ」情報も登録されているか否かを判断する。そして、「いつ」情報も登録されているときには、ステップS15で、「いつ」情報に登録されている時刻(厳密には少し前の時刻)に当該現場に到着するように移動してもよい。或いは、ステップS15で現場に移動した後、「いつ」情報に登録されている時刻まで待機し、当該時刻からステップS17でセンサ情報の記録を開始するようにしてもよい。ただし、「いつ」情報が含まれているか否かを判断する現在時刻と「いつ」情報に登録されている時刻とが離れている(その時刻になるまで時間がある)場合には、たとえば、その時刻になるまでの間に、他の噂の検証を行うようにしてもよい。
【0078】
図8は、図7に示したステップS11の噂に関する取材処理の動作の一例を示すフロー図である。図8を参照して、CPU62は、噂に関する取材処理を開始すると、ステップS31で、「噂の要旨」および「知りたいこと」を音声出力する。すなわち、噂DB104から、新しく登録された噂に含まれる「噂の要旨」および「知りたいこと」を示す情報を読み出して、当該情報の音声を合成し、スピーカ54から音声出力する。
【0079】
次のステップS33では、ステップS31で音声出力した噂について取材してもよいかどうかを人間12に対して質問する。たとえば、「このような噂が在るのですが、取材してもいいですか?」とスピーカ54から音声出力し、当該噂に関する取材の許可を求める。ステップS35では、取材の許可が有るか否かを判断する。たとえば、ステップS33での質問に対する人間12の返答が、肯定的なもの(たとえば、「はい」)であった場合に取材の許可が有ると判断してよい。また、たとえば、ステップS33での質問に対する人間12の返答が否定的なもの(たとえば、「だめ」や「あっちへ行って」)であった場合や所定時間(人間12が返答内容を考える時間を考慮して、たとえば10秒程度)人間12からの音声入力が無かった場合、人間12がロボット10から離れた場合などは、取材の許可が無いと判断してよい。ステップS35で“NO”のとき、すなわち、取材許可が無い場合は、ステップS45に進む。一方、ステップS35で“YES”のとき、すなわち、取材許可が有る場合は、ステップS37に進む。
【0080】
ステップS37では、噂に関する意見を聞く。たとえば、「この噂に関して何か意見はありますか?」とスピーカ54から音声出力し、人間12に対して意見を求める。次のステップS39では、所定時間(たとえば、10秒)待機する。すなわち、人間が噂に関する意見や反論を述べている間は、その場で待機する。
【0081】
ステップS41では、取材が終了したか否かを判断する。すなわち、人間12の発話が終了したかどうかを判断する。たとえば、人間12からの音声入力が当該判断時から遡って所定時間(たとえば、数秒程度)途切れていたときに、「以上でしょうか?」などと発話する。そして、それに応じた人間12からの肯定的な返事(たとえば、「はい」)を音声認識した場合に取材は終了したと判断してもよい。ステップS41で“NO”のとき、すなわち、まだ取材が終了していない場合は、ステップS39に戻る。一方、ステップS41で“YES”のとき、すなわち、取材が終了した場合は、ステップS43に進む。
【0082】
ステップS43では、当該取材によって取得した情報(検証情報)を開示してもよいか否かを人間12に尋ねる。すなわち、検証情報(人間12の発話内容の音声記録や取材時の状況の映像記録など)の開示許可を求める。なお、開示許可については、上述したように、取得した情報ごとに求めることもできる。ステップS45では、センサ情報の記録を終了し、ステップS47に進む。
【0083】
ステップS47では、検証情報に開示許可が有るかどうかを判断する。すなわち、ステップS43での開示許可の要求に応じて、取材の対象である人間12から、検証情報を開示するための許可を得たか否かを判断する。なお、ステップS35で取材の許可を得られなかった場合、ステップS47では、全て開示許可が無いと判断する。ステップS47で“NO”のとき、すなわち、開示許可が無い場合(一部の情報についてのみ開示許可が無い場合も含む)は、ステップS49で、該当する検証情報(開示許可の無い音声や映像など)を消去し、噂に関する取材処理を図7の全体処理にリターンする。一方、ステップS47で“YES”のとき、すなわち、全ての情報について開示許可が有る場合は、そのまま当該処理を図7の全体処理にリターンする。
【0084】
この実施例によれば、人間によって登録された噂に関する検証情報を取得し、当該検証情報を開示するので、噂に基づく人間の不安や疑問を解消させ、また、人間の好奇心を満足させることができる。
【0085】
なお、上述の実施例では、無線タグ16から送信される識別情報に基づいて人間を個々に識別するようにしたが、これに限定されない。たとえば、人間12の顔画像を予めデータベース(顔画像データベース)に記憶しておき、検出した人間12の顔画像を眼カメラ60で撮影して顔画像データベースと照合することによって、人間12を個々に識別してもよい。これらの他にも、個人を個々に識別する方法は、適宜採用され得る。
【0086】
また、上述の各実施例では、噂に関係する人間12(噂の当事者)を発見すると直ぐにセンサ情報の記録を開始し、噂の要旨や知りたいことを音声出力することによって当該噂の内容を人間に伝えてから取材の許可を得るようにしたが、これに限定されない。たとえば、取材の許可を得た後に、センサ情報の記録を開始するようにしてもよい。また、取材の許可を要求する前に、所定のコミュニケーションを行うようにしてもよい。たとえば、「こんにちは」と話しかけて、人間12から返事が有った場合に「こんな噂があるんだけど、取材してもいいかな?」などと取材の許可を要求し、当該許可を得た後にセンサ情報の記録を開始し、噂の要旨や知りたいことを音声出力するようにしてもよい。
【0087】
さらに、上述の各実施例では、新しい噂が噂DB104に登録されたときにこれを読み出し、検証情報の取得を開始するようにしたが、これに限定されず、たとえば、検証情報を取得していない噂(未検証の噂)を定期的に読み出すようにして、検証情報の取得を開始するようにしてもよい。この際、複数の未検証の噂がある場合は、たとえばその中からランダムに噂を取得するようにしてもよいし、たとえば登録された日時が1番古い(或いは新しい)噂を取得するようにしてもよい。
【0088】
また、上述の各実施例では、噂登録掲示板108には、人間14によって、噂という形式で情報が登録されるようにしたが、登録される内容は噂という形式に限定されない。たとえば、ロボット10に調査して欲しいことや取材して欲しいことなどが適宜な形式で登録されてもかまわない。
【0089】
また、上述の各実施例では、簡単のため、人間12が関係する噂の検証情報を取得するときに、当該人間(噂の当事者)12が発見されなかった場合でも、噂の現場の様子を取得することによって、検証を終了した(噂DB104の「検証」項目を「済」にした)が、噂の当事者を発見した場合(或いは、噂の当事者から検証情報を得た場合)にのみ、検証を終了するようにしてもよい。
【0090】
また、上述の各実施例では、人間から検証情報を取得したとき、開示許可を得られなかった場合(或いは取材を拒否された場合)は、当該検証情報を消去するようにしたが、一定期間保存するようにしてもよい。
【0091】
また、上述の各実施例では、噂の当事者を探索する場合、噂DBに記憶された「誰が」情報によって特定した人間12の存在する場所を直接目指して移動するようにしたが、これに限定されない。たとえば、ロボット10は、配置された環境内を巡回(もしくは、自由に移動)して出会った人間12を検出するようにし、当該検出した人間12が噂の当事者であるか否かを判定することによって、噂の当事者を探索してもよい。つまり、巡回中に人間12を検出(偶然発見)すると、噂DB104から未だ検証していない噂情報の「誰が」情報を取得して、当該人間12が或る噂の当事者であるか否かを「誰が」情報に基づいて判定し、或る噂の当事者であることが判定されたときに当該人間12に対して当該噂に関する取材を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】この発明の一実施例のコミュニケーションロボットおよび当該コミュニケーションロボットが適用されるシステムの一実施例を示す図解図である。
【図2】図1に示すコミュニケーションロボットの外観を正面から見た図解図である。
【図3】図1に示すコミュニケーションロボットの電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す端末に表示される噂登録掲示板の内容の一例を示す図解図である。
【図5】図1に示す噂DBに記憶される噂情報テーブルの内容の一例を示す図解図である。
【図6】図1に示す端末に表示される噂検証結果掲示板の内容の一例を示す図解図である。
【図7】図3に示すCPUの全体処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図8】図3に示すCPUの噂に関する取材処理の動作の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0093】
10 …コミュニケーションロボット
12 …人間(取材を受ける人間)
14 …人間(噂を登録或いはその検証情報を確認する人間)
16 …無線タグ
22 …車輪
30 …赤外線距離センサ
34 …全方位カメラ
54 …スピーカ
56 …マイク
60 …眼カメラ
62 …CPU
66 …メモリ
86 …無線通信装置
88 …無線タグ読取装置
100 …ネットワーク
102 …サーバ
104 …噂データベース
106 …端末
108 …噂登録掲示板
110 …噂検証結果掲示板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体動作および音声の少なくとも一方を用いて人間との間でコミュニケーションを実行可能なコミュニケーションロボットであって、
人間によって登録される、人間および場所の少なくとも一方の情報を含む噂情報を取得する噂取得手段、
前記噂取得手段によって取得された噂情報に基づいて移動する移動手段、
前記移動手段によって移動した後、前記噂情報に関する検証情報を取得する噂検証情報取得手段、および
前記噂検証情報取得手段によって取得された検証情報を開示する開示手段を備える、コミュニケーションロボット。
【請求項2】
人間を個々に識別する個人識別手段、および
前記個人識別手段によって識別された人間が前記噂取得手段によって取得された噂情報に関わる人間であるか否かを判断する当事者判断手段をさらに備え、
前記噂検証情報取得手段は、前記当事者判断手段によって噂情報に関わる人間であることが判断されたとき、当該人間から当該噂情報に関する検証情報の取得を試みる、請求項1記載のコミュニケーションロボット。
【請求項3】
前記噂検証情報取得手段は、前記検証情報を音声によって記録する音声記録手段および映像によって記録する映像記録手段の少なくとも一方を含む、請求項1または2記載のコミュニケーションロボット。
【請求項4】
前記検証情報を人間から取得したとき、当該人間に対して当該検証情報の開示の可否を質問する開示可否質問手段、および
前記開示可否質問手段による質問に対する人間の反応に基づいて、前記検証情報の開示の可否を判定する開示可否判定手段をさらに備え、
前記開示手段は、前記開示可否判定手段によって開示してもよいことが判定されたとき、前記検証情報を開示する、請求項1ないし3のいずれかに記載のコミュニケーションロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−260864(P2007−260864A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91142(P2006−91142)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年4月1日付け、支出負担行為担当官 総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発(ネットワークロボットの技術)」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】