説明

コンテンツ再生装置

【課題】個々の移動体のユーザが個別に必要とするコンテンツだけを的確に且つ容易に再生できるようにする。
【解決手段】
713はコンテンツデータベース707に蓄積されたコンテンツのメタデータを蓄積するメタデータのデータベース、714は視聴条件情報データベースで、各移動体の視聴者の嗜好や視聴目的などの視聴条件が予め蓄積され、715はコンテンツガイドデータベースで、予め登録された移動端末ごとに後述するコンテンツガイドの詳細情報が蓄積されている。これらメタデータのデータベース713、視聴条件情報データベース714及びコンテンツガイドデータベース715は、夫々データ制御装置712に接続され、該データ制御装置712は、各移動体の視聴条件情報を基にコンテンツのメタデータを参照してコンテンツガイドを生成し、コンテンツガイドデータベース715へ蓄積するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の移動体に搭載された車載機が、DSRCを介して接続された通信サービス局から受信したデジタルコンテンツとデジタル放送を受信して得られたデジタルコンテンツとを再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体のコンテンツ再生装置としては「狭域情報提供転送方法」(特許文献1)に、情報提供システムから端末装置へDSRCを活用して情報を配信し、端末装置で再生する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−315070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、端末装置への情報配信は、ひとつの情報提供システムから複数の端末装置へ同一の情報を均一に配信する。従って、端末装置の位置や時刻等、端末装置の置かれた状況、あるいは自動車の搭乗者や端末装置を持った人が求める最適なコンテンツだけを再生することができないという問題点がある。また、端末装置の側から情報提供システムに対して必要な情報だけをリクエストすることができるものの、配信された数多くのコンテンツのなかから必要とするコンテンツだけを選択して再生するには多大な時間と努力を必要とするという問題点がある。
また、配信される多くのコンテンツを個々に識別して再生する仕組みがないので、多くのコンテンツ群の中から最適なコンテンツだけを容易に選択できないという問題点がある。特に、自動車の走行中は、運転者が安全運転をしなければならないため、必要なコンテンツを受け取って再生するために操作上の大きな制約があり、この制約を考慮したコンテンツ再生装置が求められている。
【0004】
本発明は係る課題に鑑みてなされたもので、個々の移動体のユーザが個別に必要とするコンテンツだけを的確に且つ容易に再生できるようにすることを目的とする。特に自動車等の移動体において、安全運転を最大限考慮したコンテンツの再生装置を提案するものである。
また、移動体が通信手段によってコンテンツを受信する場合とデジタル放送を受信して取得した場合のどちらの場合でも最適な再生ができるようにするコンテンツ再生装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のコンテンツ再生装置は、
複数のデジタルコンテンツ供給手段と、
該デジタルコンテンツ供給手段から通信ネットワークを介して供給される多数のデジタルコンテンツを収集し蓄積する蓄積手段を有し、デジタルコンテンツを編成して配信する編成配信局と、
該編成配信局と通信ネットワークを介して接続され、該編成配信局で編成して配信されるデジタルコンテンツを蓄積する蓄積手段を有し、複数設置されたDSRC基地局と、
デジタル放送受信手段とDSRC基地局と通信するDSRC手段とを有し、受信したデジタルコンテンツを蓄積する蓄積手段と再生表示手段と入力手段とを搭載した複数の移動端末とからなり、
該移動端末は、デジタルコンテンツのメタデータで特定されるコンテンツ内容と予め設定された視聴条件とに基づき個別に編成されたコンテンツガイドに従って、編成配信局から配信されるデジタルコンテンツとデジタル放送受信手段で受信するデジタル放送コンテンツとを自動受信し、蓄積し、再生することを特徴とする。
【0006】
このように構成されたコンテンツ再生装置によれば、編成配信局から配信されるデジタルコンテンツとデジタル放送受信手段で受信するデジタル放送コンテンツとがひとつのコンテンツガイドに集約され、しかも使用者の設定する視聴条件でデジタルコンテンツの内容を特定でき、コンテンツ内容が最適化されるので、個々の移動体のユーザが個別に必要とするコンテンツだけを的確に且つ容易に再生できる。
【0007】
ここでDSRCとは、Dedicated Short Range Communicationの略であり、「専用狭域通信」と訳される。ITSの世界では、この通信方式を用いて路上機(路上に設置された無線装置)と車載器(車両に搭載された無線装置)の間で無線通信を行う。現在、既にETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が実用化されており、今後さらに様々なサービスが実現することが予想される。特に、ITSで活用されるDSRCでは他の多くの通信システムと異なり、自動車用道路とそこを通行する移動体との間に最適な通信システムとして実用化されるため、アンテナは移動体が通常に通行する地域ごとに別々に多数設置されるという特性があり、また指向性は極めて狭く設定されているという特性があり、移動体が移動中に最も必要とするコンテンツだけを、アンテナ毎に最適化し、また個々の移動体ごとに最適化して車載機へ配信する必要がある。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のコンテンツ再生装置において、コンテンツガイドは、移動端末の視聴者の嗜好や視聴目的に応じて編成配信局に登録された視聴条件情報とデジタルコンテンツのメタデータとに基づき、編成配信局で編成され移動端末へ配信することを特徴とする。
【0009】
このように構成されたコンテンツ再生装置によれば、移動端末の視聴者が必要とするコンテンツだけが編成配信局で自動的に選別され且つ編成され、端末へコンテンツガイドとして配信されるので、視聴者は一度設定するだけで、後は「コンテンツガイドにお任せ」状態で最適なコンテンツの再生が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載のコンテンツ再生装置において、コンテンツガイドは、移動端末の視聴者の嗜好や視聴目的に応じて移動端末に個々に登録された視聴条件情報とデジタルコンテンツのメタデータとに基づき移動端末内で編成されることを特徴とする。
【0011】
このように構成されたコンテンツ再生装置によれば、移動端末の視聴者が必要とするコンテンツだけが移動端末で自動的に選別され且つ編成され、コンテンツガイドとして表示されるので、視聴者は一度設定するだけで、後は「コンテンツガイドにお任せ」状態で最適なコンテンツの再生が可能となる。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置において、移動端末は、視聴条件の変更状況検出手段を有し、視聴条件の変更に従って受信表示中の放送コンテンツ表示を中断して蓄積し、予め蓄積済みのデジタルコンテンツに切り替えて表示し、視聴条件の回復にともなって中断した放送コンテンツを引き続き再生することを特徴とする。
【0013】
このように構成されたコンテンツ再生装置によれば、視聴条件の変化に応じて視聴中の放送コンテンツを一時中断し、その後視聴条件の回復にともなって引き続きコンテンツを再生することができる。例えば、自動者の運転者が駐車場で放送コンテンツを受信再生していて、運転再開によって再生を中断し蓄積に移り、その後目的地に到着して運転を停止すると、先ほどの放送コンテンツは中断されたところから蓄積された内容が引き続き再生される。こうした一連の手順が何の操作もなく自動的に行われるので、運転は極めて安全にすることができる。
【0014】
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれかに記載のコンテンツ再生装置において、デジタルコンテンツのメタデータは、デジタルコンテンツの放送履歴情報または配信履歴情報を表すデータと、内容情報を表すデータと、著作権情報を表すデータと、放送時または配信時のスポンサー情報を表すデータと、該スポンサーのCM情報を表すデータとの全部または一部の組み合わせで構成したことを特徴とする。
【0015】
このように構成されたコンテンツ再生装置によれば、デジタルコンテンツの放送履歴、配信履歴、コンテンツ内容、著作権、スポンサー及びCM情報がメタデータとして一覧把握され、このメタデータから視聴者の嗜好や視聴目的に合ったコンテンツだけを的確に選別することができ、視聴者にとって価値の高いコンテンツガイドを提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、本発明のコンテンツ再生装置は、編成配信局から配信されるデジタルコンテンツとデジタル放送受信手段で受信するデジタル放送コンテンツとがひとつのコンテンツガイドに集約され、しかも使用者の設定する視聴条件でデジタルコンテンツの内容を特定でき、コンテンツ内容が最適化されるので、個々の移動体のユーザが個別に必要とするコンテンツだけを的確に且つ容易に再生できる。
また、移動端末の視聴者が必要とするコンテンツだけが編成配信局または個別の移動端末で自動的に選別され且つ編成され、コンテンツガイドとして表示されるので、視聴者は一度設定するだけで、後は「コンテンツガイドにお任せ」状態で最適なコンテンツの再生が可能となる。
また、視聴条件の変化に応じて視聴中の放送コンテンツを一時中断し、その後視聴条件の回復にともなって引き続きコンテンツを再生することができる。
さらに、デジタルコンテンツの放送履歴、配信履歴、コンテンツ内容、著作権、スポンサー及びCM情報がメタデータとして一覧把握され、このメタデータから視聴者の嗜好や視聴目的に合ったコンテンツだけを的確に選別することができ、視聴者にとって価値の高いコンテンツガイドを提供することができ、自動車の安全運転を最大限考慮したコンテンツの再生装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図1〜図6に基づいて説明する。まず、図1は本発明を適用したコンテンツ再生装置へコンテンツを配信するための通信システムの概略を示す概念図である。通信制御装置は、複数のコンテンツサーバ100、編成配信局300、複数のDSRC基地局400および複数の自動車の移動端末500から構成される。コンテンツサーバ100は、専用イントラネットやゲートウェイを介して公衆インターネットに接続される通信ネットワーク201を介して編成配信局300へ接続され、コンテンツの種類や運営会社等により、101〜104と複数存在し、編成配信局300へ夫々異なったデジタルコンテンツを供給する。編成配信局300、DSRC基地局400および移動端末500は、いずれも内部にCPU、RAM、ROMおよび入出力装置からなる周知のコンピュータシステムを構成している。
【0018】
編成配信局301は、前記コンテンツサーバ100から供給された多数のデジタルコンテンツを収集して蓄積するデータベース302を有している。DSRC基地局400は、401、404、407のように複数存在し道路の路側やパーキングエリア等、道路に沿って多数設置され、夫々DSRC通信用アンテナ403、406、409と前記編成配信局300から配信されたデジタルコンテンツを蓄積するデータベース402、405、408を有し、インターネット等の通信ネットワーク202を介して編成配信局300へ接続されている。
【0019】
移動端末500は、501や505のように複数存在し、GPS機能を有するカーナビゲーションシステムを搭載した自動車に搭載され、夫々の目的に従って道路上を移動する。また、前記DSRC基地局400とDSRC通信するための端末502、506、通信用アンテナ504、508と、DSRC通信によって受信したデジタルコンテンツを蓄積するデータベース503、507を夫々有している。移動端末502が道路に沿って移動し、DSRC基地局401の通信可能区域に入ると通信用アンテナ403と504との間で自動的にDSRC通信が開始され、通信可能区域から出ると通信が終了するように構成されている。
【0020】
図2に移動端末501の概略を示す概念図を示す。移動端末501の操作面には液晶表示素子等で構成されるディスプレイ510と、操作ボタン511が設置され、ディスプレイ510は表示画面の表示、図2ではコンテンツの目次513や操作アイコン514、515、516等を手で軽くタッチすることで選択入力できるようにタッチパネル等の入力手段となっている。また、移動端末501は自動車の現在位置を検出するGPS機能を有し、GPS用アンテナ512が前記DSRC通信用アンテナ504とは別に設けられ、カーナビゲーションシステムとなっている。ディスプレイ510は、該カーナビゲーションシステムの表示および入力操作用となっているとともに、前記DSRC通信を介して受信し、データベース503に蓄積した多数のデジタルコンテンツ群を再生表示する。また、ディスプレイ510のタッチパネル入力と操作ボタン511の操作による入力情報は、DSRC通信を介してDSRC基地局400および編成配信局300へ車載機入力情報として伝達される。517は地上デジタル放送の受信アンテナで、移動端末501にデジタル放送受信装置が内蔵され、受信再生は前記DSRC通信で受信したコンテンツと同様にディスプレイ510で表示され、受信蓄積はデータベース503で行われる。また、518は視聴条件の変更状況検出手段で、この実施例では車速センサーとし、自動車が走行中であるか否かを検出することができる。なお、視聴条件の変更状況検出手段518は他のセンサーであってもよい。
【0021】
図3に編成配信局の構成図を示す。700は編成配信局、800はDSRC基地局の一つを、900は移動体の一つを示し、図中の矢印は夫々信号やデータの遷移を示している。701は管理情報の入出力装置で、外部の複数のデータベース1000と接続され、編成配信条件を管理するさまざまなデータを編成配信局700内へ取り込み、編成システム702へ入力する。703は編成システム702で編成されたコンテンツ編成データを一時記憶する編成データユニット、704は外部の複数のコンテンツサーバ1001からさまざまなコンテンツデータを取り込むコンテンツ入出力装置で、コンテンツデータ検索システム708を介してデジタルコンテンツデータベース707へコンテンツデータを蓄積する。706はデータフォーマット変換装置で、編成システム702で編成されたコンテンツ編成データをデータベースフォーマットに変換して、コンテンツデータベース707へ蓄積する。709はアーカイブデータベースで、コンテンツデータベース707のコンテンツデータを蓄積し、コンテンツデータ検索システム708で容易に検索できるように蓄積される。705は配信要求制御装置で、編成システム702で作られたコンテンツ編成データから配信要求事項を整理統合し、配信制御装置710へ配信要求信号を出力する。711は優先スケジューラで、配信スケジュールを制御する。
【0022】
713はコンテンツデータベース707に蓄積されたコンテンツのメタデータを蓄積するメタデータのデータベース、714は視聴条件情報データベースで、各移動体の視聴者の嗜好や視聴目的などの視聴条件が予め蓄積され、715はコンテンツガイドデータベースで、予め登録された移動端末ごとに後述するコンテンツガイドの詳細情報が蓄積されている。これらメタデータのデータベース713、視聴条件情報データベース714及びコンテンツガイドデータベース715は、夫々データ制御装置712に接続され、該データ制御装置712は、各移動体の視聴条件情報を基にコンテンツのメタデータを参照してコンテンツガイドを生成し、コンテンツガイドデータベース715へ蓄積するように構成されている。
【0023】
コンテンツガイドデータベース715に蓄積されたコンテンツガイドは、配信制御装置710を介してデジタルコンテンツデータと同様に移動体へ配信できるように構成されている。
【0024】
デジタルコンテンツデータとコンテンツガイドのデータは、配信用コンテンツメディア変換装置717へ送られ、配信に最適な信号へとメディア変換され、配信サーバ718によって、DSRC基地局800の受配信制御装置801へと配信される。DSRC基地局の配信条件信号に基づき、まだ配信すべき時期がこないコンテンツは、一旦配信用データベース719に蓄積される。720は配信サーバ718に接続されたコンテンツ著作権管理用ユニットで、各デジタルコンテンツの著作権管理を行う。DSRC基地局800の受配信制御装置801には、DSRCデバイス803とコンテンツキャッシュサーバ802とが接続され、受配信制御装置801が移動端末への配信条件信号またはDSRC基地局の蓄積条件信号を読み取って、コンテンツの種別によってコンテンツデータを移動体900へ配信したり、コンテンツキャッシュサーバ802へ蓄積できるように構成されている。また、DSRCデバイス803から配信されたコンテンツは、図示しないアンテナを介して移動体900のDSRCデバイスを有する移動端末901へ送信される。該移動端末901は、前記移動体の蓄積条件信号または入出力条件信号を読み取って移動端末901のキャッシュサーバ902へ蓄積したり、出力装置へ自動的に出力したり、入力装置からの入力を促すことができるように構成されている。
【0025】
移動体900から入力された視聴条件情報やコンテンツ配信要求情報は、DSRC通信の双方向通信機能によってDSRC基地局から編成配信局700のユーザ入力装置724を介してデータ制御装置712へ伝達され、視聴条件情報であれば視聴条件情報データベース714を制御し、コンテンツ配信要求情報であれば配信制御装置710を制御できるように構成されている。
【0026】
図4は、メタデータの構成表で、デジタル放送の場合の放送履歴情報として、番組コード、番組名、サブタイトル、放送局コード、放送局名、開始日と時刻及び終了日と時刻で構成されている。番組コードはデジタル放送等ではSI−EPG(番組イベントID信号)と表記されることもある。この放送履歴情報は、コンテンツが編成配信局から配信される場合には配信履歴情報となる。
コンテンツの内容情報は、ジャンルコード、ジャンル、番組内容のテキストデータ、出演者、シリーズコード、シリーズ名、番組URL及び関連コンテンツコードから構成される。著作権情報は、著作権コード及び著作権者で構成される。また、当該コンテンツが広告付きの無料放送または無料配信の場合は、スポンサー情報としてスポンサーコード及びスポンサー名が、そして該スポンサーのCM情報としてCM素材コード及び広告ターゲット指定コードが付加される。
このように構成されたコンテンツのメタデータを活用すると、膨大な量のコンテンツ群から視聴条件に合ったコンテンツ内容を容易に特定することができる。
【0027】
放送番組は、各放送局が放送予定として予め編成した番組表(EPG:Electric Program Guide、電子番組ガイドと表記されることもある)に基づいて順に放送され、放送後にEPGデータを基にして実際に放送された結果で放送履歴データを記録する。EPGデータには、ジャンルコード、ジャンル、出演者、シリーズコード、シリーズ名、番組URL及び関連コンテンツコード、著作権コード及び著作権者、スポンサーコード及びスポンサー名、CM素材コード及び広告ターゲット指定コードが含まれる。
番組が放送されると、音声認識装置によって音声がテキストデータ化され、またテレビ番組であれば放送中に字幕認識装置によって字幕スーパーがテキストデータ化され、これら音声テキストデータと字幕テキストデータとによって番組内容のテキストデータが構成され、前記EPGデータに付加されてメタデータが構成される。
【0028】
編成配信局から配信されたデジタルコンテンツを移動端末で受信、蓄積した場合は、端末側でメタデータを構成してもよい。この場合は、編成配信局で予めデジタルコンテンツのジャンルコード、ジャンル、出演者、シリーズコード、シリーズ名、番組URL及び関連コンテンツコード、著作権コード及び著作権者、スポンサーコード及びスポンサー名、CM素材コード及び広告ターゲット指定コードを含むデータをコンテンツデータに付加し、端末に音声認識機能や字幕認識機能を持たせて、番組内容のテキストデータを構成することができる。
【0029】
図5は、移動端末のディスプレイ510の表示例を示したもので、表示画面の右半分には通常のカーナビ地図が表示され、左半分に目次情報を表示するとともに、簡易操作釦を表示した例である。目次情報と簡易操作釦は、ユーザごとに設定された通信サービスに応じて編成配信局で編成され、データとして車載機側に送信されたものである。車載機のディスプレイ510の右半分には、通常のカーナビゲーションシステムの地図600が表示され、左半分には目次情報601が表示され、タッチパネル機能によって、目次情報601の夫々の項目をワンタッチで選択入力され、選択されたコンテンツ詳細が画面として表示され、また音声案内情報として音声出力されるように構成されている。ディスプレイ510の下段には、簡易操作釦602〜608が表示され、目次情報601と同様にワンタッチで選択入力できる。602は「コンテンツナビ」釦で、この釦を選択すると、「コンテンツナビゲータ」としてコンテンツガイドが表示される。603は「詳しく見る」釦で、目次情報601の選択操作で出力される情報を元に更に詳しい情報をワンタッチ操作で受信することができる。604は「保存する」釦で、一度出力された情報を蓄積し、607は「戻る」、608は「スキップ」で、夫々の簡易操作釦は設定したサービスレベルに応じて編成される。
【0030】
図6は、コンテンツガイドを表示したもので、この例ではコンテンツナビゲータ610として表現され、時刻表示611、地上デジタル放送612、配信局サービス・蓄積再生613の欄が設けられている。視聴者はこのコンテンツガイドに従って12時に「○○○ニュース」を自動受信し、停車中であれば映像と音声を視聴、また運転中であれば後部座席では映像と音声を、運転者は音声のみを視聴する。この時視聴者の都合で、配信局サービス・蓄積再生を選択すれば、「沿線名物料理店案内」を蓄積コンテンツから再生することができる。13時になるとデジタル放送の「昼のワイドショー」は蓄積となり、コンテンツガイドの勧める「特選お奨め情報」を自動再生し視聴、視聴者の都合でデジタル放送を選択することもできる。
【0031】
視聴条件をドライブとし、その目的地を入力すれば、コンテンツガイドは目的地に至る過程の地域に合わせたコンテンツを選んで提供することができる。また、視聴者が特定のタレントのファンであれば、デジタル放送メタデータの出演者データから番組を特定して放送時刻とともにコンテンツガイドに表示するので、リアルタイムに視聴することができ、この時刻に運転中であれば受信して蓄積し、後ほど再生することができる。さらに前記の視聴条件の変更状況検出手段518として車速センサーを併用すれば、運転中は受信して蓄積し、停車とともに再生することが可能となる。
【0032】
前記実施例では、コンテンツガイドを編成配信局で編成して移動端末へ配信する例を説明したが、別の実施例として、移動端末501のデータベース503へ視聴条件情報を登録し、編成配信局からコンテンツのメタデータを取得してデータベース503へ蓄積し、移動端末501内のコンピュータシステムによってコンテンツガイドを編成し表示することもできる。
【0033】
移動体900で受信されたコンテンツは、前記メタデータのSI-EPGなどで特定することができるので、視聴または再生情報として編成配信局700のユーザ入力装置724を介して収集することができる。多数の移動体から収集した視聴・再生情報を編成配信局で統計処理することによって視聴率として活用することができる。また、蓄積されたコンテンツが再生された履歴も同様に収集できるので、この情報の統計処理によって、再生視聴率として活用することができる。
【0034】
以上のように、コンテンツ再生装置により、移動体のユーザは個別に必要とするコンテンツだけを自動的に受信し再生することができる。特に自動車において、予め視聴条件を設定するだけで望むコンテンツが自動受信、再生され、運転中の操作が必要ないので安全運転を最大限考慮したコンテンツ再生装置を提供することができる。
また、通信手段によってコンテンツを受信する場合とデジタル放送を受信して取得した場合のどちらの場合でも意識することなく最適な再生が可能となる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り、様々な態様で実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用したコンテンツ再生装置へコンテンツを配信するための通信システムの概略を示す概念図である。
【図2】移動端末501の概略を示す概念図である。
【図3】編成配信局の構成図である。
【図4】メタデータの構成表である。
【図5】移動端末のディスプレイ510の表示例である。
【図6】コンテンツガイドの表示例である。
【符号の説明】
【0037】
100 コンテンツサーバ
300 編成配信局
400 DSRC基地局
500 移動端末
510 移動端末のディスプレイ
610 コンテンツガイド
713 メタデータのデータベース
714 視聴条件情報データベース
715 コンテンツガイドデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデジタルコンテンツ供給手段と、
該デジタルコンテンツ供給手段から通信ネットワークを介して供給される多数のデジタルコンテンツを収集し蓄積する蓄積手段を有し、デジタルコンテンツを編成して配信する編成配信局と、
該編成配信局と通信ネットワークを介して接続され、該編成配信局で編成して配信されるデジタルコンテンツを蓄積する蓄積手段を有し、複数設置されたDSRC基地局と、
デジタル放送受信手段とDSRC基地局と通信するDSRC手段とを有し、受信したデジタルコンテンツを蓄積する蓄積手段と再生表示手段と入力手段とを搭載した複数の移動端末とからなり、
該移動端末は、デジタルコンテンツのメタデータで特定されるコンテンツ内容と予め設定された視聴条件とに基づき個別に編成されたコンテンツガイドに従って、編成配信局から配信されるデジタルコンテンツとデジタル放送受信手段で受信するデジタル放送コンテンツとを自動受信し、蓄積し、再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
コンテンツガイドは、移動端末の視聴者の嗜好や視聴目的に応じて編成配信局に登録された視聴条件情報とデジタルコンテンツのメタデータとに基づき、編成配信局で編成され移動端末へ配信されることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
コンテンツガイドは、移動端末の視聴者の嗜好や視聴目的に応じて移動端末に個々に登録された視聴条件情報とデジタルコンテンツのメタデータとに基づき移動端末内で編成されることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
移動端末は、視聴条件の変更状況検出手段を有し、視聴条件の変更に従って受信表示中の放送コンテンツ表示を中断して蓄積し、予め蓄積済みのデジタルコンテンツに切り替えて表示し、視聴条件の回復にともなって中断した放送コンテンツを引き続き再生することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
デジタルコンテンツのメタデータは、デジタルコンテンツの放送履歴情報または配信履歴情報を表すデータと、内容情報を表すデータと、著作権情報を表すデータと、放送時または配信時のスポンサー情報を表すデータと、該スポンサーのCM情報を表すデータとの全部または一部の組み合わせで構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−259012(P2007−259012A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80095(P2006−80095)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(394025924)株式会社博報堂 (14)
【出願人】(505173625)株式会社ARU (4)
【出願人】(505173636)
【Fターム(参考)】