説明

シクロブトキシ基を含むヒスタミンH3受容体リガンド

本発明は、シクロブトキシ基を含む化合物、それらを調製するための方法、前記化合物を含む医薬組成物、及び医薬品としてのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロブトキシ基を含む化合物、それらの製造方法、前記化合物を含む医薬組成物及び医薬品としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミンH受容体は、数年前から知られており、Arrang,J.M.らによって1983年に薬理作用が確認された(Nature 1983、302、832〜837)。1999年にヒトヒスタミンH受容体がクローン化されて以来、ヒスタミンH受容体は、ラット、モルモット、マウス及びサルを含む様々な生物種から配列相同によって次々にクローン化された。
【0003】
ヒスタミンH受容体アゴニスト、アンタゴニスト及びインバースアゴニストは、例えば、Stark,H.(Exp.Opin.Ther.Patents 2003、13、851〜865)及びLeurs Rら(Nature Review Drug Discovery 2005、4、107〜120)による文献に記載されているように潜在的な治療への応用を示した。
【0004】
ヒスタミンH受容体は、主として哺乳動物の中枢神経系に発現されるが、自律神経系にも見いだされ得る。ヒスタミンH受容体は、内因性ヒスタミン又はH受容体アゴニストの不存在下で生じる高度な恒常的な活性を発揮する事実が示された。したがって、ヒスタミンH受容体アンタゴニスト及び/又はインバースアゴニストは、この活性を阻害し得る。
【0005】
受容体サブタイプを含むヒスタミンH受容体の全般的な薬理作用が、Hancock,A.A(Life Sci.2003、73、3043〜3072)によって検討された。ヒスタミンH受容体は、ヒスタミン作動性ニューロン上のシナプス前自己受容体と考えられるだけでなく、非ヒスタミン作動性ニューロン上のヘテロ受容体とも考えられる(Barnes,Wら、Eur.J.Pharmacol.2001、431、215〜221)。実際、ヒスタミンH受容体は、ヒスタミンだけでなく、アセチルコリン、ドーパミン、セロトニン、ノレピネフリン及びγ−アミノ酪酸(GABA)を含む他の重要な神経伝達物質の放出も調節することが示された。
【0006】
したがって、ヒスタミンH受容体は、新しい治療薬の開発に向けて現在関心が持たれており、新規のヒスタミンH受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、認知障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性異常(ADHD)、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、てんかん、発作若しくは痙攣、睡眠/覚醒障害、睡眠発作、疼痛及び/又は肥満を含む疾患又は病的状態の治療及び予防に有用であり得ることが文献に示唆されている。
【0007】
Morisset,Sら(Eur.J.Pharmacol.1996、315、R1〜R2)によって報告されているように、単独又はアセチルコリンステラーゼ阻害薬と組み合わせたH受容体リガンドもコリン作用欠損障害、軽度認知障害及びアルツハイマー病の治療に有用であり得る。
【0008】
McLeod,R.ら(J.Pharmacol.Exp.ther.2003、305、1037〜1044)によって報告されているように、単独又はH受容体アンタゴニストと組み合わせたH受容体リガンドは、上気道アレルギー障害の治療に有用であり得る。
【0009】
J.M.ら(Bioorg.Med.Chem.Lett.2007、17、702〜706)によって報告されているように、単独又はセロトニン再取込み阻害薬と組み合わせたH受容体リガンドは、鬱病の治療に有用であり得る。
【0010】
国際特許出願WO02/072093に記載されているように、単独又はムスカリン受容体リガンド、特にムスカリンM受容体アンタゴニストと組み合わせたH受容体リガンドは、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥多動性異常の治療に有用であり得る。
【0011】
Passani,M.B.ら(Trends Pharmacol.Sci.2004、25(12)、618〜625)によれば、H受容体リガンドは、過剰睡眠及び睡眠発作等の睡眠/覚醒及び喚起/目覚め障害の治療に有用であり得る。
【0012】
Hancock,A.A及びFox,G.B.(Expert Opin.Invest.Drugs 2004、13、1237〜1248)によって論述されているように、概して、H受容体リガンド、特にH受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、すべてのタイプの認知関連障害の治療に有用であり得る。
【0013】
特に、ヒスタミンH受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、非精神刺激薬として、軽度認知障害、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群などの疾患における認知機能障害の治療、並びに注意欠陥多動性異常(ADHD)の治療に有用であり得る(例えば、Witkin,J.M.ら、Pharmacol.Ther.2004、103(1)、1〜20参照)。
【0014】
受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、統合失調症、偏頭痛、肥満などの摂食障害、炎症、疼痛、不安、ストレス、鬱病及び心臓血管障害、特に急性心筋梗塞などの精神病性障害の治療にも有用であり得る。
【0015】
したがって、潜在的にH受容体リガンドとして作用することができる新しい化合物を製造することが必要である。
【0016】
初期の文献レポート(例えば、Ali,S.M.ら、J.Med.Chem.1999、42、903〜909及びStark,H.ら、Drugs Fut.1996、21、507〜520)には、高親和性ヒスタミンH受容体リガンドにイミダゾール機能が不可欠であることが記載されている。これは、例えば、H受容体アンタゴニスト又は二重ヒスタミンH受容体及びH受容体アンタゴニスト活性を有する置換イミダゾール化合物に関する米国特許US6,506,756B2、US6,518,287B2、US6,528,522B2及びUS6,762,186B2によって裏づけられている。
【0017】
国際特許出願WO02/12214は、ヒスタミン受容体によって媒介される障害及び状態の治療のための非イミダゾールアリールオキシアルキルアミンに関する。
【0018】
国際特許出願WO02/074758は、アミン成分を含み、H受容体リガンドとして報告された二環式複素環式誘導体に関する。
【0019】
国際特許出願WO2004/056369は、神経障害の治療のためのベンゾジアゼピン誘導体に関する。
【0020】
国際特許出願WO2005/007644は、ヒスタミン受容体Hアンタゴニスト又はインバースアゴニスト活性を発揮するヘテロアリールオキシ窒素性飽和複素環式誘導体に関する。
【0021】
国際特許出願WO03/089409には、ラクタム成分を含み、5HT2C受容体に親和性を有する化合物が記載されている。
【0022】
ラクタム成分を含む化合物は、J.L.Neumeyerら、J.Med.Chem.1967、10、615〜620に合成中間体として記載されている。
【0023】
Selvakumar N.ら、Bioorg.Med.Chem.Lett.2003、13、4169〜4172には、抗菌剤としてのオキサゾリジノン誘導体が記載されている。
【0024】
国際特許出願WO2006/136924には、H受容体アンタゴニストとしての一群のフェノキシシクロブチル誘導体が記載されている。米国特許出願US2005/171181には、H受容体モジュレータとしてのシクロブチルアリールアミンが開示されている。
【0025】
国際特許出願WO2006/132914及び米国特許出願US第2007/0066588号には、H受容体モジュレータとしてのシクロブチルアミン誘導体が記載されている。
【0026】
ここで、驚いたことには、式(I)の化合物は、H受容体リガンドとして作用することができるため、以下に記載する1つ又は複数の病状に対する治療特性を発揮し得ることが見いだされた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、式(I’)及び(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩並びにそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化1】


式中、
は、CH、C−ハロゲン又はNであり;
は、酸素又は硫黄であり;
Xは、O、S、NH又はN(C1〜4アルキル)であり;
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり;
2aは、水素、置換又は非置換のC1〜6アルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のC2〜6アルケニル、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換のC3〜8シクロアルキル、置換又は非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のアシル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアリール、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロアリール、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシカルボニル、置換又は非置換のアミノカルボニル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアシル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアルコキシ、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアルコキシカルボニル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアシルアミノ、置換又は非置換のC1〜6−アルキルウレイド、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニルチオ、置換又は非置換のC1〜6−アルキルカルバメート、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノ、置換又は非置換のC3〜8−シクロアルキルアミノ、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヒドロキシ又はシアノであり;
2bは、水素、C1〜8アルキル又はC3〜8シクロアルキルであり;或いは
2a及びR2bは、一緒になって、置換又は非置換のC3〜8シクロアルキル、或いは置換又は非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキルを形成し;
Aは、アミノ窒素を介してシクロブチル基に結合した置換又は非置換の脂肪族又は環式アミノ基であり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
9aは、水素又はC1〜8アルキルであり;
9bは、C1〜6−アルキルアリール又はC1〜8アルキルであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0又は1に等しい整数であり;
zは、0、1、2又は3に等しい整数である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
「アルキル」という用語は、本明細書に使用されているように、直鎖状(非分枝状)若しくは分枝状の成分、又はそれらの組合せを有し、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む飽和一価炭化水素基を表す基であり;より好ましくは、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する。
【0029】
通常、本発明によれば、アルキル基は置換されていない。本発明による好適な当該アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルである。
【0030】
いくつかのアルキル基を1から5個のハロゲン原子で置換することができる。当該アルキル基の例は、トリフルオロメチル及びトリフルオロエチルである。
【0031】
「ハロゲン」という用語は、本明細書に使用されているように、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の原子を指す。好適なハロゲンは、塩素及びフッ素である。
【0032】
「ヒドロキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−OHの基を指す。
【0033】
「C1〜6−アルキルヒドロキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、ヒドロキシで置換された、以上に定義したアルキルを指す。好適な「C1〜6−アルキルヒドロキシ」基としては、ヒドロキシメチル及び2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0034】
「C3〜8シクロアルキル」という用語は、本明細書に使用されているように、飽和環式炭化水素から誘導された3から8個の炭素原子の一価の基を指す。本発明による典型的なC3〜8シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。同様に、「C3〜14シクロアルキル」という用語は、飽和環式炭化水素から誘導された3から14個の炭素原子の一価の基を指す。
【0035】
「C1〜6−アルキルシクロアルキル」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義したシクロアルキル置換基を有するC1〜6アルキルを指す。本発明による「C1〜6−アルキルシクロアルキル」の例は、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル及びシクロヘキシルメチルである。
【0036】
「アルキレン」という用語は、本明細書に使用されているように、式−(CH)x(xは、2から6、好ましくは3から6である)の基を指す。
【0037】
「メチレン」という用語は、本明細書に使用されているように、−CH−の基を指す。
【0038】
「C2〜6アルケニル」という用語は、好ましくは、2から6個の炭素原子を有し、少なくとも1又は2つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を指す。好適なアルケニル基としては、エテニル(ビニル、−CH=CH)及びn−2−プロペニル(アリル、−CH−CH=CH)などが挙げられる。
【0039】
「C2〜6アルキニル」という用語は、好ましくは、2から6個の炭素原子を有し、少なくとも1から2つのアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を指す。好適なアルキニル基としては、エチニル(−C≡CH)及びプロパルギル(−CH−C≡CH)などが挙げられる。
【0040】
「アリール」という用語は、本明細書に使用されているように、単一環(例えばフェニル)又は多重縮合環(例えばナフチル)を有する6から14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を指す。「アリール」基は、非置換であっても、本明細書に定義されているハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシから独立に選択される置換基で置換されていてもよい。好適なアリール基としては、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−メトキシフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−メチルフェニル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル及び4−クロロフェニルが挙げられる。
【0041】
「C1〜6−アルキルアリール」という用語は、本明細書に使用されているように、式−R−アリール(RはC1〜6アルキルである)の基を指す。本発明による「C1〜6−アルキルアリール」の例は、ベンジル、4−フルオロベンジル及び4−クロロベンジルである。
【0042】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書に使用されているように、1つ又は複数の炭素原子が本明細書に定義されているヘテロ原子で置換された、以上に定義されているアリール基を指す。複素環式芳香族基の例は、ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル及びチアゾリルなどである。
【0043】
「C1〜6−アルキルヘテロアリール」という用語は、以上に定義されているヘテロアリール置換基を有するC1〜6アルキルを指す。例としては、2−フリルメチル、(2−メチル−1H−イミダゾール−1イル)メチル及び(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルが挙げられる。
【0044】
「アルコキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−OR(Rは、以上に定義されているアルキル又はアリール基である)の基を指す。通常、本発明によれば、アルコキシ基のアルキル基は置換されていない。アルコキシ基の例は、メトキシ、4−フルオロフェノキシ及び3,4−ジフルオロフェノキシである。
【0045】
「C1〜6−アルキルアルコキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアルコキシ置換基を有するC1〜6アルキル基を指す。「C1〜6−アルキルアルコキシ」の例は、(4−フルオロフェノキシ)メチル及び(3,4−ジフルオロフェノキシ)メチルである。
【0046】
「カルボニル」という用語は、本明細書に使用されているように、式−(C=O)−の基を指す。
【0047】
「アシル」という用語は、本明細書に使用されているように、式−C(−O)R(Rは、以上に定義されているアルキル、C3〜8シクロアルキル又はアリール基である)の基を指す。好適なアシル基は、アセチル又はシクロプロピルカルボニルである。「アリールカルボニル」という用語は、本明細書に使用されているように、Rが以上に定義されているアリール基である、以上に定義されているアシル基を指す。
【0048】
「C1〜6−アルキルアシル」という用語は、本明細書に使用されているように、3−オキソブチルなどを含む、以上に定義されているアシル置換基を有するC1〜6アルキルを指す。
【0049】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書に使用されているように、1個、2個又は3個の炭素原子が、1個、2個若しくは3個のO、S又はNで置換されている、以上に定義されているシクロアルキルを指す。特に、ヘテロシクロアルキルは、3から14員、好ましくは3から8員ヘテロシクロアルキル、即ちシクロアルキルがC3〜14シクロアルキル、好ましくはC3〜8シクロアルキルであるヘテロシクロアルキルである。ヘテロシクロアルキルは、非置換であっても、アルキル、アミノ、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アリール及びハロゲンから選択される1つ又は複数、典型的には1つ、2つ又は3つの成分を含むが、それらに限定されない任意の好適な基で置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキルの例は、ピペリジニル、4,4−ジフルオロピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、3,3−ジフルオロピロリジニル、3−(ジメチルアミノ)ピロリジニル及び4−シクロブチルピペラジニル並びにアゼパニル、4−(シクロヘキシルメチル)−ピペラジニル、4−(シクロペンチル)ピペラジニル、4−(イソプロピル)−ピペラジニル、2,6−ジメチルピペリジニル、2−メチルピペリジニル、(2S)−2−メチルピロリジニル、(2R)−2−メチルピロリジニル、4−メチルピペリジニル、2−メチルピロリジニル、1−ベンジルピロリジニル、4−ベンジルピペリジニル、3−フェニルピペリジニル、(2−ヒドロキシメチル)ピロリジニル、(4aR,8aS)−オクタヒドロイソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、2,6−ジメチルモルホリニル、シス−2,6−ジメチルモルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル、1−アセチルピロリジニル、(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジニル、アザスピロ[4,4]ノニル、アザスピロ[5,5]ウンデシル、アゾカニル及び3,5−ジメチルピペリジニルである。
【0050】
「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているヘテロシクロアルキルで置換されたC1〜6アルキルを指す。本発明による「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」の例は、ピペリジン−1−イルメチル、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル及び(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル並びにアゼパン−1−イルメチル、[4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル]メチル、[4−(シクロペンチル)ピペラジン−1−イル]メチル、2−[4−(シクロペンチル)ピペラジン−1−イル]エチル、(4−(イソプロピル)ピペラジン−1−イル)メチル、2−ピペリジン−1−イルエチル、(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)メチル、(2−メチルピペリジン−1−イル)メチル、(4−メチルピペリジン−1−イル)メチル、(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル、(4aR,8aS)−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル、(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)メチル、[シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル]メチル、チオモルホリン−4−イルメチル及び(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)メチルである。
【0051】
「ヘテロシクロアルキルアシル」という用語は、以上に定義されているアシル置換基を有するヘテロシクロアルキル基を指す。
【0052】
「アミノ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−NR(R及びRは、独立に、水素、「C1〜6アルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3〜8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルアリール」、「C1〜6−アルキルヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルシクロアルキル」又は「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」基である)の脂肪族基;或いは式−NR(R及びRは、Nと一緒になって、以上に定義されている3から14員、好ましくは3から8員ヘテロシクロアルキルを形成する)の環式基を指す。
【0053】
「アミノ」基の例は、ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル、(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ、(2,2,2−トリフルオロエチル)(メチル)アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロブチルアミノ、(4−フルオロフェニル)アミノ、(4−フルオロフェニル)(メチル)アミノ並びにシクロヘキシルメチルアミノ、(シクロヘキシルメチル)(シクロプロピルメチル)アミノ、(シクロプロピルメチル)(プロピル)アミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロペンチルアミノ、アニリノ、(4−フルオロベンジル)アミノ、(シクロヘキシルメチル)(シクロプロピルカルボニル)−アミノ、(2−フルオロフェニル)アミノ、(3−フルオロフェニル)アミノ、(2,4−ジフルオロ−フェニル)アミノ、(3−メトキシフェニル)アミノ、[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ、(4−メチル−フェニル)アミノ、(3,4−ジフルオロフェニル)アミノ、(3,5−ジフルオロフェニル)アミノ、1,3−ベンゾジオキソール−5−イルアミノ、(4−フルオロフェニル)(メチル)アミノ、ジベンジルアミノ、アミノ、アセチルアミノ、アゼパン−1−イル、4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル、4−(シクロペンチル)ピペラジン−1−イル、4−(イソプロピル)ピペラジン−1−イル、2,6−ジメチルピペリジン−1−イル、2−メチルピペリジン−1−イル、(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル、(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、2−メチルピロリジン−1−イル、4−ベンジルピペリジン−1−イル、3−フェニルピペリジン−1−イル、(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル、(4aR,8aS)−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、2,6−ジメチルモルホリン−4−イル、シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル、(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル、1−アザスピロ[4,4]ノン−1−イル、2−アザスピロ[5,5]ウンデス−2−イル、アゾカン−1−イル及び3,5−ジメチルピペリジン−1−イルである。
【0054】
「C1〜6−アルキルアミノ」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアミノ基で置換されたC1〜6アルキル基を指す。本発明による「C1〜6−アルキルアミノ」の例は、ピペリジン−1−イルメチル、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル、(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]メチル並びに[(シクロヘキシルメチル)アミノ]メチル、[(シクロヘキシル−メチル)(シクロプロピルメチル)アミノ]メチル、[(シクロプロピルメチル)(プロピル)アミノ]メチル、(シクロブチルアミノ)メチル、(シクロヘキシルメチルアミノ)メチル、(シクロペンチル−アミノ)メチル、(ジエチルアミノ)メチル、アニリノメチル、[(4−フルオロベンジル)アミノ]メチル、[(4−フルオロフェニル)−アミノ]メチル、[(シクロヘキシルメチル)(シクロプロピルカルボニル)アミノ]メチル、[(2−フルオロフェニル)−アミノ]−メチル、[(3−フルオロフェニル)アミノ]メチル、[(2,4−ジフルオロフェニル)−アミノ]メチル、[(3−メトキシフェニル)アミノ]メチル、{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}メチル、[(4−メチル−フェニル)アミノ]メチル、[(3,4−ジフルオロフェニル)アミノ]メチル、[(3,5−ジフルオロフェニル)−アミノ]メチル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]メチル、[1,3−ベンゾジオキソール−5−イルアミノ]メチル、[(4−フルオロフェニル)−(メチル)アミノ]メチル、(ジベンジルアミノ)メチル、アミノメチル、(アセチルアミノ)−メチル、アゼパン−1−イルメチル、[4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル]メチル、[4−(シクロペンチル)−ピペラジン−1−イル]メチル、2−[4−(シクロペンチル)ピペラジン−1−イル]エチル、(4−(イソプロピル)ピペラジン−1−イル)メチル、2−ピペリジン−1−イルエチル、(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)メチル、(2−メチルピペリジン−1−イル)メチル、(4−メチル−ピペリジン−1−イル)メチル、(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル、(4aR,8aS)−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル、(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)メチル、[シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル]メチル、チオモルホリン−4−イルメチル及び(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)メチルである。
【0055】
「アミノカルボニル」という用語は、本明細書に使用されているように、式−C(O)NR(R及びRは、アミノ基について以上に定義されている通りである)の基を指す。「アミノカルボニル」の例としては、(ジエチルアミノ)カルボニル、(シクロブチルアミノ)カルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]カルボニル、[メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]カルボニル、[(4−フルオロフェニル)アミノ]カルボニル、[(4−フルオロフェニル)(メチル)アミノ]カルボニル、モルホリン−4−イルカルボニル及び(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニルが挙げられる。
【0056】
「C1〜6アルキルアミノカルボニル」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアミノカルボニルで置換されたC1〜6アルキルを指す。
【0057】
「C3〜8シクロアルキルアミノ」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアミノ基で置換されたC3〜8シクロアルキル基を指す。
【0058】
「アシルアミノ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−NRC(O)R(R及びRは、アミノ基について以上に定義されている通りである)の基を指す。
【0059】
「C1〜6−アルキルアシルアミノ」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアシルアミノで置換されたC1〜6アルキルを指す。
【0060】
「カルボキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−COOHの基を指す。
【0061】
「C1〜6−アルキルカルボキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、2−カルボキシエチルなどを含むカルボキシ基で置換されたC1〜6アルキルを指す。
【0062】
「シアノ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−CNの基を指す。
【0063】
「アルコキシカルボニル」という用語は、Rが、「C1〜6アルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3〜8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルアリール」又は「C1〜6−アルキルヘテロアリール」、「C2〜6−アルキルシクロアルキル」、「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」を含む基−C(O)ORを指す。アルコキシカルボニルの例は、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルである。
【0064】
「C1〜6−アルキルアルコキシカルボニル」という用語は、置換基として以上に定義されているアルコキシカルボニルを有するC1〜6アルキルを指す。
【0065】
「ウレイド」という用語は、本明細書に使用されているように、式−NRC(O)NR(Rは、R又はRについて以上に定義されている通りであり、R及びRは、アミノ基について以上に定義されている通りである)の基を指す。Rは、典型的には、水素又はC1〜4アルキルである。「ウレイド」の例としては、(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ及びメチル(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノが挙げられる。
【0066】
「C1〜6−アルキルウレイド」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているウレイドで置換されたC1〜6アルキルを指す。「C1〜6−アルキルウレイド」の例としては、[(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]メチル及び[メチル(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]メチルが挙げられる。
【0067】
「カルバメート」という用語は、本明細書に使用されているように、式−NRC(O)OR(R及びRは、アミノ基について以上に定義されている通りである)の基を指す。
【0068】
「C1〜6−アルキルカルバメート」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているカルバメートで置換されたC1〜6アルキルを指す。
【0069】
「アミノカルボニルオキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−OC(O)NR(R及びRは、アミノ基について以上に定義されている通りである)の基を指す。「アミノカルボニルオキシ」の例としては、(ピロリジン−1−イルカルボニル)オキシ、(ピペリジン−1−イルカルボニル)オキシ、(モルホリン−4−イルカルボニル)オキシ、[(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]オキシ及び[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]オキシが挙げられる。
【0070】
「C1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシ」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアミノカルボニルオキシで置換されたC1〜6アルキルを指す。「C1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシ」の例としては、[(ピロリジン−1−イルカルボニル)オキシ]メチル、[(ピペリジン−1−イルカルボニル)オキシ]メチル、[(モルホリン−4−イルカルボニル)オキシ]メチル、{[(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]オキシ}メチル及び{[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]オキシ}メチルが挙げられる。
【0071】
「アミノカルボニルチオ」という用語は、本明細書に使用されているように、式−SC(O)NR(R及びRは、アミノ基について以上に定義されている通りである)の基を指す。
【0072】
「C1〜6−アルキルアミノカルボニルチオ」という用語は、本明細書に使用されているように、以上に定義されているアミノカルボニルチオで置換されたC1〜6アルキルを指す。
【0073】
「オキソ」という用語は、本明細書に使用されているように、=Oを指す。
【0074】
「スルホニル」は、Rが、H、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜6アルキル」(例えば−SO−CF基)、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3〜8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルアリール」又は「C1〜6−アルキルヘテロアリール」、「C2〜6−アルケニルアリール」、「C2〜6−アルケニルヘテロアリール」、「C2〜6−アルキニルアリール」、「C2〜6−アルキニルヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルシクロアルキル」、「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される基「SO−R」を指す。
【0075】
「スルフィニル」は、Rが、H、「C1〜6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜6アルキル」(例えば−SO−CF基)、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3〜8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルアリール」又は「C1〜6−アルキルヘテロアリール」、「C2〜6−アルケニルアリール」、「C2〜6−アルケニルヘテロアリール」、「C2〜6−アルキニルアリール」、「C2〜6−アルキニルヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルシクロアルキル」、「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される基「S(O)−R」を指す。
【0076】
「スルファニル」は、Rが、H、「C1〜6アルキル」、ハロゲンで場合により置換された「C1〜6アルキル」(例えば−S−CF基)、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3〜8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルアリール」又は「C1〜6−アルキルヘテロアリール」、「C2〜6−アルケニルアリール」、「C2〜6−アルケニルヘテロアリール」、「C2〜6−アルキニルアリール」、「C2〜6−アルキニルヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルシクロアルキル」、「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」を含む基−S−Rを指す。好ましいスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニル及びエチルスルファニルなどが挙げられる。
【0077】
「置換又は非置換の」は、本明細書に使用されているように、個々の置換基の定義によって他に制約される場合を除いて、「C1〜6アルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」などの以上に示された基が、「C1〜6アルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「C1〜6−アルキルアリール」、「C1〜6−アルキルヘテロアリール」、「C1〜6−アルキルシクロアルキル」、「C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル」、「アミノ」、「アンモニウム」、「アシル」、「アシルオキシ」、「アシルアミノ」、「アミノカルボニル」、「アルコキシカルボニル」、「ウレイド」、「カルバメート」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「スルフィニル」、「スルホニル」、「アルコキシ」、「スルファニル」、「ハロゲン」、「カルボン酸」、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ及びニトロなどからなる群から選択される1から5つの置換基で場合により置換されていてよいことを意味するものとする。具体的な置換基は、ハロゲン(例えばフルオロ若しくはクロロ)又はトリフルオロメチルのようなハロゲン化アルキル基である。
【0078】
具体的な実施形態において、本発明の化合物は、式(I)による化合物である。
【化2】

【0079】
一般に、Aは、CH、C−F又はNであってよい。特定の実施形態において、Aは、CHである。
【0080】
具体的な実施形態において、Aは、酸素である。
【0081】
一実施形態において、Xは、O、S、NH又はNCHである。より具体的な実施形態において、Xは、O又はSである。さらなる実施形態において、Xは、Oである。
【0082】
一実施形態において、Rは、水素又はハロゲンである。極めて具体的な実施形態において、Rは、水素である。
【0083】
一実施形態において、R2aは、水素、置換又は非置換のC1〜6アルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノ、置換又は非置換のC1〜6−アルキルウレイド、或いは置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシ、並びに置換又は非置換のアミノカルボニルである。
【0084】
より具体的な実施形態において、R2aは、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノ、置換又は非置換のアミノカルボニル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルウレイド、或いは置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシである。
【0085】
さらなる実施形態において、R2aは、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、或いは置換又は非置換のC1〜6アルキルアミノである。
【0086】
別の実施形態において、R2aは、置換又は非置換のシクロヘキシルメチル、置換又は非置換のピペリジン−1−イルメチル、置換又は非置換のモルホリン−4−イルメチル、置換又は非置換のピロリジン−1−イルメチル、置換又は非置換の(エチル)アミノメチル、置換又は非置換の[(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]メチル、置換又は非置換の[(メチル)(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]メチル、置換又は非置換の[(ピロリジン−1−イルカルボニル)オキシ]メチル、置換又は非置換の[(ピペリジン−1−イルカルボニル)オキシ]メチル、置換又は非置換の[(モルホリン−4−イルカルボニル)オキシ]メチル、置換又は非置換の(ジエチルアミノ)カルボニル、置換又は非置換の(シクロブチルアミノ)カルボニル、置換又は非置換のピペリジン−1−イルカルボニル、置換又は非置換のエチルアミノカルボニル、置換又は非置換の(メチル)(エチル)アミノ−カルボニル、置換又は非置換の(フェニル)アミノカルボニル、置換又は非置換の[(フェニル)(メチル)アミノ]カルボニル、置換又は非置換のモルホリン−4−イルカルボニル及び置換又は非置換のピロリジン−1−イルカルボニルである。
【0087】
極めて具体的な実施形態において、R2aは、シクロヘキシルメチル、さらに置換されていてよいピペリジン−1−イルメチル、例えば(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、さらに置換されていてよいピペリジン−1−イルメチル、例えば(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]メチル、[(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]メチル、[メチル(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]メチル、[(ピロリジン−1−イルカルボニル)オキシ]メチル、さらに置換されていてよい[(ピペリジン−1−イルカルボニル)オキシ]メチル、例えば{[(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]オキシ}メチル又は{[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−メチル、[(モルホリン−4−イルカルボニル)オキシ]メチル、(ジエチルアミノ)カルボニル、(シクロブチルアミノ)−カルボニル、さらに置換されていてよいピペリジン−1−イルカルボニル、例えば(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]−カルボニル、[メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]カルボニル、[(4−フルオロフェニル)アミノ]カルボニル、[(4−フルオロフェニル)(メチル)−アミノ]カルボニル、モルホリン−4−イルカルボニル及び(3,3−ジフルオロピロリジン−イル−)カルボニルである。
【0088】
より具体的な実施形態において、R2aは、シクロヘキシルメチル、ピペリジン−1−イルメチル、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル、(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]メチル、[(モルホリン−4−イルカルボニル)オキシ]メチル、ピペリジン−1−イルカルボニル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル及びモルホリン−4−イルカルボニルである。
【0089】
さらにより具体的なさらなる実施形態において、R2aは、ピペリジン−1−イルメチル、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル及び(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチルである。
【0090】
特定の実施形態において、R2aは、ピペリジン−1−イルメチル及びピロリジン−1−イルメチルであり、R2bは、水素である。
【0091】
別の特定の実施形態において、R2aは、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル及びモルホリン−4−イルメチルであり、R2bは、水素である。
【0092】
1つの特定の実施形態において、R2bは、水素である。
【0093】
さらなる実施形態において、Aは、式−NR(R及びRは、独立に、置換又は非置換のC1〜6アルキル、置換又は非置換のC2〜6アルケニル、置換又は非置換C2〜6アルキニル、置換又は非置換のC3〜8シクロアルキル、置換又は非置換のヘテロシルクアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアリール、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロアリール、置換又は非置換のC1〜6アルキルシクロアルキル、或いは置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル基である)の基を表し;或いはAは、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員の置換又は非置換のヘテロシクロアルキルである。
【0094】
具体的な実施形態において、Rは、C1〜6−アルキルシクロアルキル又はC1〜6−アルキルアリールを含む、置換されていても非置換であってもよいC1〜6アルキルである。
【0095】
さらなる具体的な実施形態において、Rは、C1〜6アルキルである。
【0096】
一実施形態において、Rは、C1〜6アルキルである。好適な例としては、メチル又はエチルが挙げられる。
【0097】
別の実施形態において、Aは、R及びRが、独立に、C1〜6アルキルである基−NRであり;又はAは、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員ヘテロシクロアルキルである。
【0098】
さらなる特定の実施形態において、Aは、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員ヘテロシクロアルキルである。
【0099】
別の特定の実施形態において、Aは、置換又は非置換のピペリジン−1−イル、置換又は非置換のモルホリン−4−イル、置換又は非置換のピロリジン−1−イル及び置換又は非置換のピペラジン−1−イルから選択される3から8員ヘテロシクロアルキルである。
【0100】
Aの典型的な例としては、ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、(3R)−3−(ジメチルアミノ)−ピロリジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、3−アゼパン−1−イル、3−チオモルホリン−4−イル、2−メチルピロリジン−1−イル、(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル及び(2R)−2−メチルピロリジン−1−イルが挙げられる。
【0101】
Aの典型的な例としては、特に、ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、(3R)−3−(ジメチルアミノ)−ピロリジン−1−イル、3−アゼパン−1−イル、3−チオモルホリン−4−イル、2−メチルピロリジン−1−イル、(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル及び(2R)−2−メチルピロリジン−1−イルが挙げられる。
【0102】
さらなる実施形態において、Aは、置換又は非置換のピペリジン−1−イル、置換又は非置換のモルホリン−4−イル、置換又は非置換のピロリジン−1−イルから選択される3から8員ヘテロシクロアルキルを表す。
【0103】
1つの特定の実施形態において、Aは、置換又は非置換のピペリジン−1−イル及び置換又は非置換のピロリジン−1−イルから選択される3から8員ヘテロシクロアルキルである。
【0104】
さらに特定の実施形態において、Aはピペリジン−1−イルであり、さらなる実施形態において、Aは、2−メチルピロリジン−1−イル、(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル及び(2S)−2−メチルピロリジン−1−イルである。
【0105】
一実施形態において、R9aは、水素又はC1〜8アルキルである。
【0106】
一実施形態において、R9bは、C1〜6−アルキルアリール又はC1〜8アルキルである。
【0107】
一実施形態において、n+v+m+zの合計は、1から5である。
【0108】
一実施形態において、nは0である。
【0109】
別の実施形態において、nは1である。
【0110】
一実施形態において、vは0である。
【0111】
別の実施形態において、vは1である。
【0112】
一実施形態において、mは0である。
【0113】
一実施形態において、zは1である。
【0114】
1つの特定の実施形態において、nは1であり、vは0であり、mは0であり、zは1である。
【0115】
別の実施形態において、nは1であり、vは1であり、mは0であり、zは1である。
【0116】
さらなる実施形態において、nは0であり、vは1であり、mは0に等しく、zは1である。
【0117】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化3】


式中、
は、CH、C−ハロゲン又はNであり;
は、酸素又は硫黄であり;
Xは、O、S、NH又はN(C1〜4アルキル)であり;
は、水素又はハロゲン、例えばフッ素であり;
2aは、水素、置換又は非置換のC1〜6アルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノ、アミノカルボニル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルウレイド或いは置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシであり;
2bは、水素であり;
Aは、基−NRであり、R及びRは、独立に、置換又は非置換のC1〜6アルキル、置換又は非置換のC2〜6アルケニル、置換又は非置換のC2〜6アルキニル、置換又は非置換のC3〜8シクロアルキル、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアリール、置換又は非置換のアルキルヘテロアリール、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル或いは置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル基であり;或いはAは、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員の置換又は非置換のヘテロシクロアルキルであり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
9aは、水素又は非置換のC1〜8アルキルであり;
9bは、C1〜6−アルキルアリール又は非置換のC1〜8アルキルであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0又は1に等しい整数であり;
zは、0、1、2又は3に等しい整数であり;
n+v+m+zの合計は、1から5である。
【0118】
第2の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化4】


式中、
は、CH、C−F又はNであり;
は、酸素であり;
Xは、O、S、NH又はNCHであり;
は、水素であり;
2aは、置換又は非置換のC1〜6−アルキルシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノ、アミノカルボニル、置換又は非置換のC1〜6−アルキルウレイド或いは置換又は非置換のC1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシであり;
2bは、水素であり;
Aは、基−NRであり、R及びRは、独立に、置換又は非置換のC1〜6アルキルであり;或いはAは、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員の置換又は非置換のヘテロシクロアルキルであり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
9aは、水素又はC1〜8アルキルであり;
9bは、C1〜6−アルキルアリール又はC1〜8アルキルであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0に等しく;
zは、1に等しい。
【0119】
さらなる実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化5】


式中、
は、CHであり;
は、酸素であり;
Xは、Oであり;
は、水素であり;
2aは、C1〜6−アルキルシクロアルキル、C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、C1〜6−アルキルアミノであり;
2bは、水素であり;
Aは、置換又は非置換のピペリジン−1−イル、置換又は非置換のモルホリン−4−イル、置換又は非置換のピロリジン−1−イル及び置換又は非置換のピペラジン−1−イルから選択される、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員の置換又は非置換のヘテロシクロアルキルであり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0に等しく;
zは、1に等しい。
【0120】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化6】


式中、
は、CHであり;
は、酸素であり;
Xは、Oであり;
は、水素であり;
2aは、シクロヘキシルメチル、ピペリジン−1−イルメチル、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル、(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル、[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]メチル、[(モルホリン−4−イルカルボニル)オキシ]メチル、ピペリジン−1−イルカルボニル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル及びモルホリン−4−イルカルボニルであり;
2bは、水素であり;
Aは、ピペリジン−1−イル、2−メチルピロリジン−1−イル、(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル及び(2S)−2−メチルピロリジン−1−イルであり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0に等しく;
zは、1に等しい。
【0121】
具体的な実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化7】


式中、
は、CHであり;
は、酸素であり;
Xは、Oであり;
は、水素であり;
2aは、ピペリジン−1−イルメチル又はピロリジン−1−イルメチルであり;
2bは、水素であり;
Aは、置換又は非置換のピペリジン−1−イル或いは置換又は非置換のピロリジン−1−イルであり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0に等しく;
zは、1に等しい。
【0122】
具体的な実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化8】


式中、
は、CHであり;
は、酸素であり;
Xは、Oであり;
は、水素であり;
2aは、(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル、(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル及びモルホリン−4−イルメチルであり;
2bは、水素であり;
Aは、置換又は非置換のピペリジン−1−イル或いは置換又は非置換のピロリジン−1−イルであり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0に等しく;
zは、1に等しい。
【0123】
一態様において、本発明は、式(Ia)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化9】


式中、A、A、X、R、R2a、R2b、L及びnは、本明細書に定義されている通りである。
【0124】
式(I)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b、L及びnについて以上に記載されている実施形態は、式(Ia)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b、L及びnにも当てはまる。
【0125】
別の態様において、本発明は、式(Ib)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化10】


式中、A、A、X、R、R2a、R2b、A及びvは、本明細書に定義されている通りである。
【0126】
式(I)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b、A及びvについて以上に記載されている実施形態は、式(Ib)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b、A及びvにも当てはまる。
【0127】
別の態様において、本発明は、式(Ic)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化11】


式中、A、A、X、R、R2a、R2b及びvは、本明細書に定義されている通りである。
【0128】
式(I)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b及びvについて以上に記載されている実施形態は、式(Ic)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b及びvにも当てはまる。
【0129】
別の態様において、本発明は、式(Id)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化12】


式中、A、A、X、R、R2a、R2b、L及びnは、本明細書に定義されている通りである。
【0130】
式(I)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b及びvについて以上に記載されている実施形態は、式(Id)の化合物におけるA、A、X、R、R2a、R2b及びvにも当てはまる。
【0131】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の具体的な実施形態の化合物によれば、A−シクロブチル−X成分におけるシクロブチルに結合したA及びX基は、トランス型配置である。
【0132】
さらなる態様において、本発明は、式(I.I)の化合物、それらの幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物に関する。
【化13】


式中、A、X、A、A、R、R2a、R2b、L及びnは、本明細書に定義されている通りである。
【0133】
式(I)の化合物におけるA、X、A、A、R、R2a、R2b、L及びnについて以上に記載されている実施形態は、式(I.I)の化合物におけるA、X、A、A、R、R2a、R2b、L及びnにも当てはまる。
【0134】
本発明による化合物の例は、
(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−(シクロヘキシルメチル)−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}モルホリン−3−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}ピロリジン−2−オン;
(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−{[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]メチル}−ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−ピロリジン−2−オン;
(5S)−1−{3−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン;
(5R)−5−(シクロヘキシルメチル)−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン;
[(2S)−5−オキソ−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}ピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレート;
(4R)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4R)−4−(シクロヘキシルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4R)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]フェニル}ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]−フェニル}ピロリジン−2−オン;
(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4S)−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4S)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−(4−{[トランス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル]オキシ}フェニル)ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−(4−{[トランス−3−((2R)−2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル]オキシ}フェニル)ピロリジン−2−オン;及び
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−(4−{[トランス−3−((2S)−2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル]オキシ}フェニル)ピロリジン−2−オンである。
【0135】
本発明の化合物は、ヒスタミンH−受容体リガンドである。一実施形態において、それらは、ヒスタミンH−受容体アンタゴニストであり;別の実施形態において、それらは、ヒスタミンH−受容体インバースアゴニストである。
【0136】
一実施形態において、本発明の化合物は、特に好適な薬物特性を有する。即ち、それらは、H−受容体に対する親和性が良好である一方、他の受容体又はタンパク質に対する親和性が低い。それらは、好適な薬物動態及び薬力学的特性を有する一方、副作用、例えば、心毒性などの毒性がほとんどない。薬物化合物の心臓血管リスクを判断することが知られている多くの方法の1つは、hERGチャネルに対する試験化合物の結合の評価を行うことである。
【0137】
本発明の化合物は、hERGチャネル上で低い親和性を示す(pIC50が6未満であり、好ましくは(IC50hERG)/(IC50)比が1000を超える)。
【0138】
本発明による「医薬として許容し得る塩」としては、式(I)の化合物が形成できる治療活性を有する無毒性酸塩形態が挙げられる。
【0139】
塩基としてその遊離形態で存在する式(I’)又は(I)の化合物の酸付加塩形態を、遊離塩基を無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸など;又は例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸及びパルモイン酸などの有機酸などの適切な酸で処理することによって得ることができる。
【0140】
逆に、前記塩形態を適切な塩基で処理することによって遊離形態に変換することができる。
【0141】
式(I’)又は(I)の化合物及びそれらの塩は、本発明の範囲内に含まれる溶媒和物の形態であり得る。当該溶媒和物としては、例えば、水和物及びアルコラートが挙げられる。
【0142】
式(I’)又は(I)の化合物の多く、及びそれらの中間体のいくつかは、それらの構造に少なくとも1つの不斉中心を有する。この不斉中心は、R又はS構造に存在していてよく、前記R及びS記号は、Pure Appl.Chem.1976、45、11〜30に記載されている規則に対応して用いられる。
【0143】
本発明は、また、式(I’)又は(I)の化合物の鏡像異性体及びジアステレオ異性体などのすべての立体異性体、或いは(立体異性体のすべての可能な混合物を含む)それらの混合物に関する。
【0144】
本発明に関して、1つ又は複数の化合物の言及は、特定の異性体が具体的に言及されていない限り、その可能な異性体形態及びそれらの混合物の各々における化合物を包含することを意図する。
【0145】
本発明による化合物は、様々な多形形態で存在し得る。以上の式では明記していないが、当該形態は本発明の範囲に含まれる。
【0146】
本発明は、また、式(I)及び(I’)の化合物のプロドラッグ形態並びにその様々なサブ範囲及びサブ群をその範囲内に含む。
【0147】
「プロドラッグ」という用語は、本明細書に使用されているように、例えば、血液中の加水分解によって本発明による親化合物にインビボで迅速に変換される化合物形態を含む。プロドラッグは、それらの薬理作用を発揮する前に生体内変換によって除去される基を担持する化合物である。当該基は、それを担持する化合物からインビボで容易に開裂する成分を含み、開裂後の該化合物は、薬理活性を維持するか、又は薬理活性になる。代謝開裂性の基は、当業者に良く知られている一群の基を形成する。それらには、アルカノイル(即ち、アセチル、プロピオニル及びブチリルなど)、非置換又は置換炭素環式アロイル(ベンゾイル、置換ベンゾイル並びに1−及び2−ナフトイルなど)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルなど)、トリアルキルシリル(トリメチル及びトリエチルシリルなど)、ジカルボン酸で形成されたモノエステル(スクシニルなど)、リン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、スルホニル及びスルフィニルなどが含まれるが、それらに限定されない。代謝開裂性の基を担持する化合物は、代謝開裂性の基の存在により親化合物に付与された溶解性及び/又は吸収速度の向上の結果として生物可用性の向上を示すことができるという利点を有する(T.Higuchi及びV.Stella、「新規な送達系としてのプロドラッグ(Pro−drugs as Novel Delivery System)」、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;「薬物設計における生体可逆性担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987)。
【0148】
本発明による式(I’)又は(I)の化合物を合成有機化学の当業者に良く知られている従来の方法に従って調製することができる。
【0149】
A.一実施形態によれば、一般式(I)(式中、Aは、CH又はC−ハロゲンである)を有するいくつかの化合物を、式(II)の化合物と式(III)の化合物とを式:
【化14】


[式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、Halは、ハロゲン、好ましくは臭素又はヨウ素であり、A、A、R、R2a、R2b、R、R及びLは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって調製することができる。
【0150】
この反応を、25℃から120℃の温度範囲及び不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、塩基(リン酸カリウム又はナトリウムtert−ブチレートなど)の存在下で、不活性溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド又はトルエンなど)中にて1,2−ジアミン(例えばトランス−1,2−ジアミンオシクロヘキサン)、ホスフィン(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又は2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル)又はアミノ酸(例えばグリシン)などのリガンドとともに、ヨウ化銅又は酢酸パラジウムなどの触媒を使用して実施することができる。
【0151】
或いは、この反応をKlapars A.ら、J.Am.Chem.Soc.2002、124、7421〜7428に記載されている手法に従って実施することができる。式(II)の化合物を以下の方法のいずれか1つに従って調製することができる。
【0152】
(a1)式(II)(式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、XはOである)の化合物を、式(IV)の化合物と式(V)の化合物とを式:
【化15】


[式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、XはOであり、Halは、臭素又はヨウ素であり、YはOHであり、A及びRは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって調製することができる。
【0153】
この反応を、不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、25℃から120℃の温度範囲にて、水素化ナトリウム/ジメチルホルムアミド、水素化ナトリウム/ジメチルアセトアミド又はtert−酪酸カリウム/ジメチルスルホキシドなどの塩基/溶媒系を使用して、或いは当業者に知られている任意の従来の方法に従って実施することができる。
【0154】
式(IV)の化合物を、式(VI)の化合物と塩化p−トルエンスルホニルとを式:
【化16】


[式中、XはOであり、Aは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって調製することができる。
【0155】
この反応を、不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、0℃から25℃の温度範囲にて、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中で、トリエチルアミン又はn−メチルイミダゾールなどの塩基を使用して、或いは当業者に知られている任意の従来の方法に従って実施することができる。
【0156】
式(V)の化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って調製され得る。
【0157】
式(VI)(式中、XはOである)の化合物は、商業的に入手可能であり得るか、又は式:
【化17】


[式中、XはOであり、Aは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って式(VII)の化合物から調製され得る。
【0158】
この反応を、不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、0℃から60Cの温度範囲にて、エタノールなどのプロトン性溶媒中で、ホウ化水素ナトリウムなどの還元剤を使用して、或いは当業者に知られている任意の従来の方法に従って実施することができる。
【0159】
式(VII)の化合物は、商業的に入手可能であり得るか、又は式:
【化18】


[式中、Aは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って、式AHのアミンと反応させることによってシクロブタン−1,3−ジオンから調製され得る。
【0160】
AHの例は、ピペリジン、4,4−ジフルオロピペリジン、モルホリン、ピロリジン、2−メチルピロリジン、(2R)−2−メチルピロリジン、(2S)−2−メチルピロリジン、(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン、4−イオプロピルピペラジン、アゼパン及びチオモルホリンである。
【0161】
この反応を、不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、0℃から30℃の温度範囲にて、ジオキサンなどの不活性溶媒中で、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って実施することができる。シクロブタン−1,3−ジオンは、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って調製され得る。
【0162】
(a2)式(II)(式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、XはSである)の化合物を、式(V)の化合物と式(VI)の化合物とを式:
【化19】


[式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、XはSであり、Halは、臭素又はヨウ素であり、Yはフッ素であり、A及びRは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって調製することができる。
【0163】
この反応をKwong,F.Y.及びBuchwald,S.L.、Org.Lett.2002、4、3517〜3520に記載されている方法、即ち不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、25℃から100℃の温度範囲にて、共溶媒(例えばエチレングリコール)の存在下で、プロトン性溶媒(例えば2−プロパノール)中にて塩基(例えば炭酸カリウム)、触媒(例えばヨウ化銅)を使用する方法に従って実施することができる。
【0164】
式(VI)(式中、XはSである)の化合物を、式:
【化20】


[式中、XはSであり、Aは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って式(IV)の化合物から調製することができる。
【0165】
この反応をOh,C.−H.及びSho,J.−H、Eur.J.Med.Chem.2006、41、50〜55に記載されている方法、即ち不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、0℃から100℃の温度範囲にて、塩基(例えば水素化ナトリウム)及び不活性溶媒(例えばジメチルホルムアミド)の存在下でトリフェニルメチルチオールを使用し、続いてトリフルオロ酢酸/トリエチルシラン還元系を使用してトリフェニルメチル基の脱保護を行う方法に従って実施することができる。或いは、この反応スキームを当業者に知られている任意の他の従来の方法に従って実施することができる。
【0166】
(a3)式(II)(式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、Xは、NH又はN(C1〜6アルキル)である)の化合物を、式(VII)の化合物と式(V’)の化合物とを式:
【化21】


[式中、Aは、CH又はC−ハロゲンであり、Xは、NH又はN(C1〜6アルキル)であり、Halは、臭素又はヨウ素であり、Yは、塩素、フッ素又はトリフルオロメチルスルホネートであり、A及びRは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって調製することができる。
【0167】
この反応を、酢酸中で室温にてシアノホウ化水素ナトリウムなどの還元剤を使用して、又は当業者に知られている任意の他の従来の方法に従って実施することができる。
【0168】
式(III)の化合物は、商業的に入手可能であり得るか、又は以下の方法のいずれか1つに従って調製され得る。
【0169】
(a.4)式(III)(式中、R2aはC1〜6−アルキルアミノであり、R2bは水素である)の化合物を、式(IX)の化合物と一級又は二級アミン、好ましくは環式アミンとを式:
【化22】


[式中、R10は、脱離基で置換されたC1〜6−アルキルであり、R2aはC1〜6−アルキルアミノであり、R2bは水素であり、L、A及びnは、式(I)の化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって得ることができる。
【0170】
「脱離基」という用語は、本明細書に用いられているように、「高等有機化学:反応、メカニズム及び構造(Advanced Organic Chemistry:reactions,mechanisms and structure)」−第3版、Jerry March、John Wiley及びSons編;1985、179頁に規定されているように当業者が理解するのと同じ意味を有する。
【0171】
脱離基の例は、スルホン酸塩、例えばメチルスルホン酸塩、及びハロゲン、例えば塩素、臭素又はヨウ素である。
【0172】
「スルホン酸塩」という用語は、本明細書に使用されているように、式−O−SO−R(式中、Rは、本明細書において以上に定義されているC1〜4アルキル又はアリールである)の基を指す。
【0173】
この反応を、Kenda,B.ら、J.Med.Chem.2004、47、530〜549に記載されている方法に従って、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って実施することができる。
【0174】
式G−Hのアミンは、商業的に入手可能であり得るか、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って調製され得る。
【0175】
(a.5)式(III)(式中、R2a及びR2bは、一緒になって、C3〜8シクロアルキル又は3〜8員ヘテロシクロアルキルを形成する)の化合物を、Cignarella,Gら、J.Heterocycl.Chem.1993、30、1357〜1359に記載されている方法;Smith,Paul W.ら、J.Med.Chem.1995、38、3772〜3779に記載されている方法に従って;又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って調製することができる。
【0176】
(a.6)式(III)(式中、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは1であり、nは0である)の化合物を、式:
【化23】


[式中、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは1であり、nは0であり、R2a、R2b、m、R9a、R9b及びzは、式(I)の化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って式(X)の対応するアミノ−アルコールを環化することによって得ることができる。この反応を、Ding,Kら、Tetrahedron Lett.2004、45、1027〜1029に記載されている方法に従って炭酸ビス−トリクロロメチルエステル(又はトリホスゲン)の存在下で;又はTomioka,K、Tetrahedron 1993、49、1891〜1900に記載されている方法に従って炭酸ジエチルエステルの存在下で;又は当業者に知られている任意の他の従来の方法に従って実施することができる。
【0177】
式(X)の化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従って調製され得る。
【0178】
(a.7)式(III)(式中、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは0であり、mは1であり、nは0である)の化合物を、Davies,S.B.ら、Tetrahedron Asym.2002、13、647〜658に記載されている手順を用いて得ることができる。
【0179】
(a.8)式(III)(式中、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは0である)の化合物を、式:
【化24】


[式中、Rは、水素又はC1〜4アルキルであり、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは0であり、n、R2a及びR2bは、式(I)の化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って式(XI)の対応するアミノ酸又はアミノ−エステルを環化することによって得ることができる。
【0180】
この反応をLopez−Garcia,Mら、J.Org.Chem 2003、68、648〜651に記載されている方法に従って、又は当業者に知られている任意の他の従来の方法に従って実施することができる。
【0181】
式(XI)の化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られている任意の従来の方法に従ってニトロ基を水素化分解することによって対応するニトロ−エステルから調製することができる。
【0182】
(a.9)式(III)(式中、AはOであり、nは0又は1であり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは1である)の化合物を、以下の式:
【化25】


[式中、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは1である]に従って、式(XII)の対応する化合物を環化することによって得ることができる。
【0183】
特に、nが1であるときは、この反応を、0℃から100℃の温度範囲にて、2−プロパノールなどのプロトン性溶媒中tert−酪酸カリウムなどの塩基を使用して:又はNormanら、J.Org.Chem 1996、61、4990〜4998に記載されているようにテトラヒドロフラン中水素化ナトリウムを使用して、又は当業者に知られている任意の他の従来の方法に従って実施することができる。
【0184】
式(XII)の化合物を、0℃から100℃の温度範囲、好ましくは室温にて、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランと水の混合物などの不活性溶媒中塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下で、式(X)の化合物と塩化クロロアセチルを反応させることによって;或いは当業者に知られている任意の他の従来の方法に従って得ることができる。
【0185】
(a.10)式(III)(式中、AはOであり、nは0であり、L1は−OCH−であり、R2bはHであり、R2aは置換アミノカルボニルである)の化合物を、当業者に知られている従来の方法によって商業的に入手可能な4−カルベトキシオキサゾリジン−2−オンから調製することができる。
【0186】
B.別の実施形態によれば、一般式(I)(式中、AはNである)を有するいくつかの化合物を、式(XIII)の化合物と式(VI)の化合物とを式:
【化26】


[式中、AはNであり、Halは、ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素であり、A、X、A、R、R2a、R2b、n及びLは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって調製することができる。
【0187】
この反応を、Penning,T.D.ら、J.Med.Chem.2000、43、721〜735又はWestland,R.D.ら、J.Med.Chem.1973、16、319〜327に記載されている方法に従って、25℃から120℃の温度範囲にて、リガンド(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又は2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル)とともにパラジウム又は銅系触媒の存在下で、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン)中塩基(例えば、tert−酪酸カリウム、炭酸セシウム又は水素化ナトリウム)の存在下で実施することができる。
【0188】
式(XIII)(式中、AはOであり、Lは、−(O)−(CR9a9b−(CH−であり、vは1である)の化合物を、式(XIV)の化合物と式(III)の化合物とを式:
【化27】


[式中、Halは、ハロゲン、好ましくは臭素又はヨウ素であり、Halは、ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素であり、A、R、R2a、R2b、n及びLは、式Iの化合物について以上に記載されているのと同じ定義を有する]に従って反応させることによって得ることができる。
【0189】
この反応を、25℃から120℃の温度範囲及び不活性雰囲気(アルゴン又は窒素)下において、塩基(リン酸カリウム又はtert−酪酸ナトリウム)の存在下で、1,2−ジアミン(例えばトランス−1,2−ジアミンオシクロヘキサン)、ホスフィン(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又は2−(ジクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル)又はアミノ酸(例えばグリシン)などのリガンドとともに、ヨウ化銅又は酢酸パラジウムなどの触媒を使用して実施することができる。
【0190】
或いは、この反応を、Klapars A.ら、J.Am.Chem.Soc.2002、124、7421〜7428に記載されている手法に従って調製することができる。
【0191】
式(XIV)の化合物は、商業的に入手可能であるか、当業者に知られている任意の従来の方法に従って調製され得る。
【0192】
式(I.I)の化合物は、(I)と同様に調製することができる。
【0193】
さらなる実施形態において、本発明は、式(II)の合成中間体、幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体に関する。
【化28】


式中、A、A、X及びRは、以上に定義されている通りであり、Halはハロゲンである。
【0194】
式(II)の化合物は、式(I)の化合物の合成に特に有用である。
【0195】
特に式(II)の合成中間体の例は、
3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブト−2−エン−1−オン;
3−モルホリン−4−イルシクロブト−2−エン−1−オン;
3−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)シクロブト−2−エン−1−オン;
3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロブト−2−エン−1−オン;
3−アゼパン−1−イルシクロブト−2−エン−1−オン;
3−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]シクロブト−2−エン−1−オン;
3−チオモルホリン−4−イルシクロブト−2−エン−1−オン;
シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブタノール;
シス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブタノール;
シス−3−モルホリン−4−イルシクロブタノール;
シス−3−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)シクロブタノール;
シス−3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロブタノール;
シス−3−ピロリジン−1−イルシクロブタノール;
シス−3−アゼパン−1−イルシクロブタノール;
シス−3−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]シクロブタノール;
シス−3−チオモルホリン−4−イルシクロブタノール;
シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル4−ブロモベンゼンスルホネート;
シス−3−モルホリン−4−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−ピロリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−アゼパン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−チオモルホリン−4−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
1−[トランス−3−(4−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジン;
1−[トランス−3−(3−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジン;
1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジン;
1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジン;
(2R)−1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジン;
(2S)−1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジン;
(5S)−5−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
2−クロロ−N−[(1S)−2−シクロヘキシル−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アセトアミド;
(5S)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オン;
(5R)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オン;
[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレート;
(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
プロパン−2−イル5−オキソモルホリン−3−カルボキシレート;
5−(ヒドロキシメチル)モルホリン−3−オン;
(5−オキソモルホリン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート;
5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]モルホリン−3−オン;
1−[トランス−3−(トリチルスルファニル)シクロブチル]ピペリジン;
トランス−3−[ブチル(エチル)アミノ]シクロブタンチオール;
1−{トランス−3−[(4−ヨードフェニル)スルファニル]シクロブチル}ピペリジン;
tert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート;
tert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート;
tert−ブチル(4S)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート;
(2S)−2−アミノ−1−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシプロパン−1−オン塩酸塩;
(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4S)−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;及び
(4S)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンである。
【0196】
ここで、本発明による式(I)及び(I’)の化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩は、様々な医学的障害に有用であることが見いだされた。
【0197】
例えば、本発明による化合物は、軽度認知障害、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、認知障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性異常、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、てんかん、発作、痙攣、過眠症及び睡眠発作などの睡眠/覚醒並びに喚起/不眠障害、疼痛及び/又は肥満を含む中枢神経系の疾患又は病的状態の治療及び予防に有用である。
【0198】
また、単独又は抗てんかん薬(AED)と組み合わせた本発明による化合物は、てんかん、発作又は痙攣の治療に有用であり得る。H−受容体リガンドとAEDの組合せは、不眠症、鎮静又は認知の問題の軽減などの副作用の低減とともに効能に対する付加的な相乗効果をもたらし得ることが文献から知られている。
【0199】
また、単独又はヒスタミンHアンタゴニストと組み合わせた本発明の化合物を、上気道アレルギー障害の治療に使用することもできる。
【0200】
本発明の特定の実施形態において、単独又はムスカリン受容体リガンド、特にムスカリンMアンタゴニストと組み合わせた本発明の化合物は、認知障害、アルツハイマー病及び注意欠陥多動性異常の治療に有用であり得る。
【0201】
特に、単独又は窒素酸化物(NO)放出剤と組み合わせた、NO供与体特性を示す一般
式(I)又は(I’)の化合物は、認知機能障害の治療に有用であり得る。
【0202】
一般式(I)又は(I’)の化合物を多発性硬化症(MS)の治療及び予防に使用することもできる。
【0203】
通常、一般式(I)の化合物をすべての種類の認知関連障害の治療及び予防に使用することができる。
【0204】
一実施形態において、一般式(I)又は(I’)の化合物を、軽度認知障害、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群などの疾患における認知機能障害の治療及び予防、並びに注意欠陥多動性異常の治療に使用することができる。
【0205】
別の実施形態において、一般式(I)又は(I’)の化合物を、統合失調症などの精神病性障害の治療及び予防;又は肥満などの摂食障害の治療;又は炎症及び疼痛の治療;又は不安、ストレス及び鬱病の治療;又は心臓血管障害、例えば心筋梗塞の治療;又は多発性硬化症(MS)の治療及び予防に使用することもできる。
【0206】
一実施形態において、本発明による式(I)又は(I’)の化合物を医薬品として使用することができる。
【0207】
さらなる実施形態において、本発明は、軽度認知障害、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、注意欠陥多動性異常、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、てんかん、発作、痙攣、睡眠/覚醒障害、認知機能障害、睡眠発作、過眠症、肥満、上気道アレルギー障害、ダウン症候群、不安、ストレス、血管障害、炎症、疼痛又は多発性硬化症の治療及び予防のための式(I)若しくは(I’)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、或いは有効量の前記化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
【0208】
別の実施形態において、本発明は、軽度認知障害、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群などの疾患における認知機能障害の治療、並びに注意欠陥多動性異常の治療のための医薬品の製造のための式(I)若しくは(I’)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、或いは有効量の前記化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
【0209】
本発明の方法は、上記の状態又は障害にかかっている哺乳動物(好ましくはヒト)に対して、本発明による化合物を、該障害又は状態を改善又は予防するのに十分な量で投与することを含む。
【0210】
化合物は、好都合には、限定はされないが、1単位剤形当たり3から3000mgの活性成分を含む単位剤形を含む任意の好適な単位剤形で投与される。
【0211】
「治療」という用語は、本明細書に使用されているように、治癒的治療及び予防的治療を含む。
【0212】
「治癒的」とは、障害又は状態の現行の症状の発症を治療する上での効能を指す。
【0213】
「予防的」とは、障害又は状態の発生又は再発の防止を指す。
【0214】
「認知障害」という用語は、本明細書に使用されているように、知覚、学習及び推理、言い換えれば情報を選択的に取得、記憶及び再生する生理的(精神的/神経的)過程を包含する認知の障害を指す。
【0215】
「注意欠陥多動性異常」(ADHD)という用語は、本明細書に使用されているように、不注意、過敏性、衝撃性、又はこれらの組合せによる問題を指す。ADHDと診断されるこれらの問題では、それらは、子供の年齢及び発育についての正常な範囲を逸脱するはずである。「注意欠陥障害」(ADD)という用語も同じ障害について共通的に使用される。
【0216】
「アルツハイマー病」(AD)という用語は、本明細書に使用されているように、脳における異常凝集(アミロイド斑)、及び場違いのタンパク質で構成された線維の錯綜束(神経原線維変化)によって特徴づけられる進行性の神経変性疾患を指す。年齢が、ADの最も重要なリスク要因である。その疾患を有する人の数は、65歳を越えると5年毎に倍増する。早期発症(家族性)ADを引き起こす3つの遺伝子が発見された。アミロイドタンパク質の過剰蓄積を引き起こす他の遺伝子突然変異が、年齢関連(散発性)ADに対応づけられる。ADの症状としては、記憶喪失、言語障害、視覚情報を精神的に操作する能力の障害、判断力低下、混乱、不穏及び気分変動が挙げられる。究極的に、ADは、認知、人格及び機能力を破壊する。健忘及び集中力低下を含むADの初期症状は、自然な老化兆候に似ているため、しばしば見過ごされる。
【0217】
「パーキンソン病」(PD)という用語は、本明細書に使用されているように、ドーパミン生成脳細胞の欠損の結果である運動系障害と呼ばれる一群の状態を指す。PDの4つの一次的症状は、振戦、又は手、腕、足、顎及び顔の震え;肢及び胴の剛直;運動緩徐、若しくは動きの緩慢さ;並びに姿勢不安定、又は均衡及び協調障害である。これらの症状がより顕著になるに従って、患者は、歩行、会話又は他の簡単な作業の完成が困難になり得る。通常、50歳以上の人がPDにかかる。PDの初期症状は、微妙で、徐々に発生する。人によっては、他の人より疾患の進行が速い。疾患が進行するに従って、PD患者の多くが経験する震え又は振戦が始まって、日常の活動が妨げられ得る。他の症状としては、鬱病及び他の情動的変化;嚥下、咀嚼及び会話の困難;排尿の問題又は便秘;皮膚の問題;並びに睡眠阻害を挙げることができる。
【0218】
「ダウン症候群」という用語は、本明細書に使用されているように、通常は21番目の染色体の過剰複製による染色体異常を指す。この症状は、常にではないが通常は、精神延滞及び他の状態をもたらす。「精神延滞」という用語は、18歳未満で生じる順応行動の欠如に伴う平均一般知能未満の能力を指す。
【0219】
「軽度認知障害」という用語は、本明細書に使用されているように、正常な老化と早期アルツハイマー病の間の認知障害の過渡的な段階を指す。それは、特に、記憶障害であるが、他は十分に機能し、認知症の臨床基準を満たさない個人の臨床的状態を指す。
【0220】
「肥満」という用語は、本明細書に使用されているように、30kg/mを超える体重指数(BMI)を指す。
【0221】
「認知症」という用語は、本明細書に使用されているように、脳機能の進行性障害を含む一群の症状を指す。米国老年医学会は、認知症を、精神的機能、特に記憶力が低下した状態と呼んでいる。認知症になった人は、小切手帳の記帳、安全運転又は食事の準備のようなかつて可能であったことが困難になる。その人は、適切な言葉を見いだすのがしばしば困難になり、一度にあまりにも多くのことが与えられると混乱し得る。認知症の人は、人格も変わり、攻撃的、妄想的又は鬱になり得る。
【0222】
「統合失調症」という用語は、本明細書に使用されているように、6カ月より長い期間続く思考、知覚、注意、愛情、行動及びコミュニケーションの障害によって特徴づけられる一群の精神病性障害を指す。それは、人が現実の経験と非現実的な経験とを区別すること、論理的に考えること、他人に対して正常な情動的応答を行うこと、社会的状況の中で正常に行動することを困難にする疾患である。
【0223】
「不安」という用語は、本明細書に使用されているように、心配又は恐怖の感情を指す。不安は、攣縮若しくは震え、筋肉の緊張、頭痛、発汗、口渇、嚥下困難及び/又は腹痛を含む身体的症状がしばしば伴う。
【0224】
「睡眠発作」という用語は、本明細書に使用されているように、抑制不可能な眠気及び高頻度の昼間睡眠を伴う睡眠障害を指す。
【0225】
「鬱病」という用語は、本明細書に使用されているように、気分の障害を指し、通常の日常活動における関心又は満足の欠如によって特徴づけられる。抑鬱の人は、1回に数週間、数カ月、ときには数年にもわたって憂鬱になり得る。以下の症状のいくつかは、鬱病の症状であり得る。悲嘆、不安又は「空虚な」気分の持続;絶望感、悲観;罪悪感、無価値感、無力感;性交を含む、かつては楽しんでいた趣味及び活動への興味又は関心の欠如;活力の低下、疲労、「緩慢」、集中、暗記、決断の困難;不眠症、早朝覚醒又は過眠症;食欲及び/又は体重の低下、或いは過食及び体重増加;死又は自殺考想;自殺の企て;不穏、過敏;頭痛、消化障害及び慢性疼痛などの治療に応答しない身体的症状の持続。
【0226】
「てんかん」という用語は、本明細書に使用されているように、脳における神経細胞又はニューロンの集団が時々異常なシグナル伝達を行う脳障害を指す。てんかんにおいては、神経活動の正常なパターンが乱されて、奇妙な感覚、情動及び行動、又はときには痙攣、筋痙攣及び意識不明を引き起こす。てんかんは、多くの可能な原因を有する障害である。病気から脳損傷、そして異常な脳の発達に至るニューロン活動の正常なパターンを乱すあらゆるものが、発作をもたらし得る。てんかんは、脳配線の異常、神経伝達物質と呼ばれる神経シグナル伝達化学物質の不均衡、又はこれらの要因の何らかの組合せにより生じ得る。発作を起こすことは、人がてんかんを持っていることを必ずしも意味するものではない。人が2回以上発作を起こした場合に、その人がてんかんを持っていると見なされる。
【0227】
「発作」という用語は、本明細書に使用されているように、脳ニューロンの集団の無秩序的、同期的及び律動発火による行動の一過性の変調を指す。
【0228】
「偏頭痛」という用語は、本明細書に使用されているように、強さ、頻度及び持続時間が大きく変動する頭痛の反復的発作によって特徴づけられる。偏頭痛の痛みは、頭の一部分における強い脈動又は拍動痛であると説明されることが多い。それは、光及び音に対する極度の感応、吐き気並びに嘔吐を伴う。個人によっては、偏頭痛の前に「前兆」、閃光として現れる視覚障害、千鳥線又は一次的な視力喪失が生じるため、偏頭痛の発症を予測することができる。偏頭痛を有する人は、食物又は睡眠不足、露光又はホルモン不整(女性のみ)によって誘発される反復的発作を起こす傾向がある。不安、ストレス又はストレス後弛緩も誘発要因であり得る。長年の間、偏頭痛は、頭の血管の膨張及び収縮に関係があると科学者は考えていた。現在では、偏頭痛は、脳における特定の細胞集団の活動を制御する遺伝子の遺伝的異常によって引き起こされると研究者は考えている。国際頭痛学会(IHS、1998)は、偏頭痛を、主たる種類の偏頭痛として、前兆を伴う偏頭痛(古典的偏頭痛)と、前兆を伴わない偏頭痛(一般的偏頭痛)とに分類している。
【0229】
「多発性硬化症」(MS)という用語は、本明細書に使用されているように、脳若しくは脊髄又はその両方全体を通じてミエリンの破壊がゆるやかに所々に生じて、神経経路を妨害する中枢神経系の慢性疾患である。影響される神経が増加するにつれて、患者は、視覚、会話、歩行、筆記及び記憶などの、中枢神経系によって制御される機能に対する進行的妨害を経験する。
【0230】
勿論、特定の徴候について、且つ/又は全体的な臨床試験の設計において当業者に知られている方法で好適な臨床試験を実施することによって、上記徴候のいずれかにおける活動を確認することができる。
【0231】
疾患を治療するために、式(I)若しくは(I’)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩を有効な日投与量で採用し、医薬組成物の形で投与することができる。
【0232】
したがって、本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩の有効量を医薬として許容し得る希釈剤又は担体と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0233】
本発明による医薬組成物を調製するために、式(I)若しくは(I’)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩の1種又は複数種が、熟練した実務者に知られている従来の医薬混合技法に従って、医薬希釈剤又は担体と均一に混合される。
【0234】
好適な希釈剤及び担体は、所望の投与経路、例えば、経口、直腸、非経口又は鼻内投与に応じて広範な形をとることができる。
【0235】
本発明による化合物を含む医薬組成物を、例えば、経口、非経口、即ち静脈内、筋肉内若しくは皮下、クモ膜下腔内、吸入又は鼻内投与することができる。
【0236】
経口投与に好適な医薬組成物は、固体又は液体であり、例えば、錠剤、丸剤、糖剤、ゼラチンカプセル剤、液剤、シロップ剤及びチューインガムなどの形であり得る。
【0237】
この目的で、活性成分を不活性希釈剤、又はデンプン若しくはラクトースなどの無毒性の医薬として許容し得る担体と混合することができる。場合により、これらの医薬組成物は、微結晶セルロース、トラガカントゴム若しくはゼラチンなどの結着剤、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、コロイダル二酸化珪素などの滑剤、スクロース若しくはサッカリンなどの甘味料、或いは着色剤、又はペパーミント若しくはサリチル酸メチルなどの香料を含むこともできる。
【0238】
本発明は、活性物質を制御的に放出できる組成物をも想定する。非経口投与に使用できる医薬組成物は、一般にはアンプル、ディスポーザブルシリンジ、ガラス若しくはプラスチックバイアル又は注入容器に含まれた水性若しくは油性溶液又は懸濁液などの従来の形である。
【0239】
活性成分に加えて、これらの溶液又は懸濁液は、注射用水、生理食塩水、油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒などの無菌希釈剤、ベンジルアルコールなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤、エチレンジアミン−テトラ−酢酸などのキレート化剤、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝剤、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの浸透圧調節剤を場合により含むこともできる。
【0240】
これらの医薬形態は、薬剤師によって日常的に用いられる方法を用いて調製される。
【0241】
医薬組成物における活性成分の量は、広い濃度範囲内に存在することができ、患者の性別、年齢、体重及び医学的状態などの広範な要素、並びに投与方法に左右される。したがって、経口投与用組成物における式(I)又は(I’)の化合物の量は、組成物の全重量に対して少なくとも0.5重量%であり、80重量%までであり得る。
【0242】
好適な経口組成物では、日投与量は、式(I)又は(I’)の化合物の3から3000ミリグラム(mg)の範囲である。
【0243】
非経口投与のための組成物において、存在する式(I)又は(I’)化合物の量は、組成物の全重量に対して少なくとも0.5重量%であり、33重量%までであり得る。好適な非経口組成物では、投与量単位は、式(I)又は(I’)の化合物の3mgから3000mgの範囲である。
【0244】
日投与量は、式(I)又は(I’)の化合物の広い投与量単位の範囲内に存在することができ、一般には3から3000mgの範囲である。しかし、具体的な投与量は、医師の裁量により個々の用件に応じた特定の事例に適用され得ることを理解されたい。
【0245】
以下の実施例は、式(I)又は(I’)によって網羅される化合物をどのようにして合成できるかを示す。それらは、例示のみを目的として示されているものであり、いかなる場合も本発明を限定することを意図しておらず、そのように見なされるべきではない。本発明の主旨又は範囲を超えることなく、以下の実施例の慣例的な変更及び修正を加えることができることを当業者なら理解するであろう。
【0246】
XWIN NMR3.5ソフトウェアを駆動するLinuxワークステーション及び5mmインバース1H/BBプローブヘッドが装備されたBRUKER AVANCE 400NMR分光計、又はXWIN NMR2.6ソフトウェアを駆動するSG Fuel及び5mmインバースジオメトリH/13C/19F三重プローブヘッドが装備されたBRUKER DRX400NMR分光計でNMRスペクトルを記録する。313K又は300Kのプローブ温度及び10mg/mlの濃度にてd−ジメチルスルホキシド(又はd−クロロホルム)溶液中で化合物を調べる。装置は、d−ジメチルスルホキシド(又はd−クロロホルム)の重水素シグナルに固定する。化学シフトは、内部標準として採取されるTMS(テトラメチルシラン)からダウンフィールドにおいてppmで示される。
【0247】
以下のシステムの1つを使用してHPLC分析を実施する。
−INERTSIL ODS3C18、DP5μm、250×4.6mmカラムが装着されたAgilent1100シリーズHPLCシステム。勾配は、100%Bにおける保持時間を4分間として、6分間で100%溶媒A(アセトニトリル、水、リン酸(5/95/0.001、v/v/v))から100%溶媒B(アセトニトリル、水、リン酸(95/5/0.001、v/v/v))までである。流量は、2.5ml/分に設定される。クロマトグラフィーは、35℃で実施される。
−HPLC Waters Symetry C18、250×4.6mmカラムが装着されたHP1090シリーズHPLCシステム。勾配は、100%Bにおける保持時間を10分間として、10分間で100%溶媒A(メタノール、水、リン酸(15/85/0.001M、v/v/M))から100%溶媒B(メタノール、水、リン酸(85/15/0.001M、v/v/M))までである。流量は、1ml/分に設定される。クロマトグラフィーは、40℃で実施される。
【0248】
LC/MSモードの質量分光測定を以下のように実施する。
HPLC条件
INERTSIL ODS3、DP5μm、250×4.6mmカラムが装着されたWATERS Alliance HPLCシステムを使用して分析を実施する。
【0249】
勾配は、100%Bにおける保持時間を4分間として、7分間で100%溶媒A(アセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸(10/90/0.1、v/v/v))から100%溶媒B(アセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸(90/10/0.1、v/v/v))までである。流量は、2.5ml/分に設定され、APIソースの直前に1/25のスプリットが使用される。
【0250】
MS条件
サンプルをアセトニトリル/水、70/30(v/v)に約250μg/mlの濃度で溶解させる。FINNIGAN LCQイオントラップ質量分析計を使用してAPIスペクトル(+又は−)を実施する。APCIソースは450℃で動作し、キャピラリーヒータは160℃で動作する。ESIソースは3.5kVで動作し、キャピラリーヒータは210℃で動作する。
【0251】
DIP/EIモードの質量分光測定を以下のように実施する。プローブを5分間で50℃から250℃に加熱することによってサンプルを気化させる。FINNIGAN TSQ700タンデム型四重極質量分析計を使用して、EI(電子衝撃)スペクトルを記録する。ソース温度は、150℃に設定される。
【0252】
スプリット/スプリットレスインジェクター及びJ&W Scientific社のDB−5MS溶融シリカカラム(15m×0.25mm内径、1μm)を装着したガスクロマトグラフ型式3400(Varian)を用いて、GC/MSモードのTSQ700タンデム型四重極質量分析計(Finnigan MAT)上の質量分光測定を実施する。ヘリウム(純度99.999%)をキャリヤガスとして使用する。インジェクター(CTC A200Sオートサンプラー)及びトランスファーラインは、それぞれ290及び250℃で動作する。サンプル(1μl)をスプリットレスモードで注入し、オーブン温度を以下のようにプログラムする。5分間50℃に維持し、(23℃/分で)280℃まで昇温させ、10分間保持する。TSQ700質量分析計は、電子衝撃(EI)モード又は化学電離(Cl/CH)モード(質量レンジ33〜800、走査時間1.00秒)で動作する。ソース温度は、150℃に設定される。
【0253】
比旋光度をPerkin−Elmer341旋光計で記録する。回転角度を、589nmにおいて、1%メタノール溶液に対して25℃で記録する。
【0254】
溶融点をBuchi535又は545Tottoli型融合計で測定し、補正しないか、又はPerkin−Elmer DSC7における開始温度によって測定する。
【0255】
分取クロマトグラフ分離を、シリカゲル60Merk、粒径15〜40μm、リファレンス1.15111.9025で、Novasep軸圧縮カラム(内径80mm)を使用して、流量70から150ml/分で実施する。シリカゲル及び溶媒混合物の量は、個々の手順において記載されている通りである。
【0256】
分取キラルクロマトグラフ分離を、DAICEL Chiralpak AD20μm、100500mmカラムで、内蔵計測器を使用し、低級アルコールとC5からC8の直鎖状、分枝状又は環式アルカンとの様々な混合物を用いて、±350ml/分で実施する。溶媒混合物は、個々の手順において記載されている通りである。
【0257】
実験
(実施例1:(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン1の合成)
【化29】


1.1 3−ピペリジン−1−イルシクロブチル−2−エン−1−オンa2の合成
トリフルオロ酢酸(64ml、0.825mol、1.1当量)を、ジオキサン(1l)中N−シクロヘキシルシクロヘキサンアミニウム3−オキソシクロブト−1−エン−1−オレートa1(200g、0.75mol、1当量)の撹拌懸濁液に10分間にわたって添加する。室温で4時間撹拌した後、得られた懸濁液を濾過し、ジオキサン(300ml)で洗浄する。次いで、濾液を室温で撹拌し、添加(20分間)を通じて水浴で温度を30℃未満に維持しながらピペリジン(96ml、0.975mol、1.3当量)で点滴のように処理する。該混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、ジオキサンを減圧下で除去し、得られた油をジクロロメタン(400ml)に吸収させる。有機層を1N塩酸水溶液(400ml)、水(400ml)、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(400ml)及び食塩水(400ml)で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、90.7gの赤色固体を得て、それをシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア98:1.8:0.2)で精製して、74.8gの3−ピペリジン−1−イルシクロブト−2−エン−1−オンa2を得る(収率:66%)。
H NMR δ(CDCl):4.47(s,1H)、3.22(m,4H)、2.95(s,2H)、1.53(m,6H)。
【0258】
同じ方法に従って以下の化合物を調製することができる。
【表1】

【0259】
1.2 シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブタノールa3の合成
3−ピペリジン−1−イルシクロブト−2−エン−1−オンa2(10g、66.1mmol、1当量)をエタノール(200ml)に溶解させた溶液を複数部の水素化ホウ素ナトリウム(8.76g、231mmol、3.5当量)で処理する。添加終了時に、該混合物を50℃で12時間撹拌し、20℃まで冷却し、アセトン(20ml)で処理する。溶媒を減圧下で除去して、黄色油を残し、それを酢酸エチル(200ml)で希釈する。この有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(100ml)、水(100ml)及び食塩水(100ml)で洗浄し、次いで減圧下で濃縮する。残留油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア95:4.5:0.5)で精製して、白色固体として8gのシス−3−ピペリジン−1−イルシクロブタノールa3を得る(収率:78%)。
H NMR δ(CDCl):3.81(m,3H)、2.38(m,2H)、2.06(m,4H)、1.69(m,2H)、1.43(m,4H)、1.29(bs,2H)。
【表2】

【0260】
1.3 シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネートa4の合成
シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブタノールa3(1.0g、6.44mmol、1.0当量)及びN−メチルイミダゾール(1.03ml、12.88mmol、2.0当量)をジクロロメタン(10ml)に溶解させた溶液を塩化p−トルエンスルホニル(2.1g、10.95mmol、1.7当量)で処理する。該混合物を20℃で48時間撹拌する。得られた混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(10ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、1.8gの赤色油を得る。この油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア99:0.9:0.1)で精製して、橙色の固体として1.1gのシス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネートa4を得る(収率:55%)。LC−MS(MH):310。
【表3】

【0261】
1.4 式IIの化合物の合成
1.4.1 1−[トランス−3−(4−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa5の合成
4−ブロモフェノール(0.45g、2.58mmol、1当量)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解させた溶液をアルゴン雰囲気下において水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.21g、5.16mmol、2当量)で処理する。15分後、シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネートa4(0.80g、2.58mmol、1当量)を添加し、該混合物を80℃で終夜撹拌する。該混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(20ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で2回洗浄する。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール98:2)で精製して、橙色の油として1−[トランス−3−(4−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa5(0.415g)を得る(収率:52%)。LC−MS(MH):310/312。
1−[トランス−3−(3−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa41(LC−MS(MH):310/312)を同じ方法に従って合成することができる。
【0262】
1.4.2 1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa42の合成
4−ヨードフェノール(15.4g、70.3mmol、1.5当量)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(65ml)に溶解させた溶液をアルゴン雰囲気下において水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液、2.0g、84.3mmol、1.8当量)で処理する。30分後、シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネートa4(14.5g、46.9mmol、1当量)を添加し、該混合物を70℃で2日間撹拌する。該混合物を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄する。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン100%からジクロロメタン/エタノール/アンモニア97:2.7:0.3)で精製して、橙色の固体として1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa42(11.5g)を得る(収率:69%)。LC−MS(MH):358。
1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジンa43(LC−MS(MH):358)を同じ方法に従って合成することができる。その鏡像異性体をキラルクロマトグラフィー(Chiralcel OJ−Hカラム;イソプロパノール/ベンゼン/ジエチルアミン10/90/0.1)によって分離することができる。
【表4】

【0263】
1.5 ピロリジン−2−オン誘導体の合成
1.5.1 (5S)−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オンa7の合成
【化30】


ピペリジン(0.7g、8.3mmol、1.5当量)をアセトニトリル(50ml)中[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネートa6(1.5g、5.56mmol、1当量)及び炭酸カリウム(1.5g、11.1mmol、2当量)の懸濁液に添加し、該混合物を終夜還流させながら撹拌する。炭酸カリウムを濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣を最小限のジクロロメタンに溶解させ、有機層を超音波処理し、加熱して白色固体を析出させ、それを濾過する。濾液を真空下で濃縮して、黄色油として1gの(5S)−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オンa7を得る(収率:100%)。LC−MS(MH):183。
以下の化合物を同じ方法に従って合成することができる。
【表5】

【0264】
1.5.2 (5S)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オンa15の合成
【化31】


(i)(2S)−2−アミノ−3−シクロヘキシルプロパン−1−オール塩酸塩a13(1.25g、6.45mmol、1.0当量)を、炭酸カリウム(2.67g、19.35mmol、3.0当量)をテトラヒドロフランと水の1:1混合物(24ml)に溶解させた撹拌溶液に添加する。該混合物を氷浴で0℃まで冷却し、塩化クロロアセチル(720μl、9.03mmol、1.4当量)を一滴ずつ添加する。氷浴を除去し、該混合物を20℃で30分間撹拌する。次いで、該混合物を酢酸エチル(30ml)に注ぎ込み、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄する。水層を酢酸エチル(30ml)で逆抽出する。一緒にした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、無色油として1.53gの2−クロロ−N−[(1S)−2−シクロヘキシル−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アセトアミドa14を得て、それをさらに精製することなく次の工程で使用する(収率:100%)。LC−MS(MH):234/236。
【0265】
(ii)2−クロロ−N−[(1S)−2−シクロヘキシル−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アセトアミドa14(1.53g、6.45mmol、1.0当量)をイソプロパノール(5ml)に溶解させた溶液をイソプロパノール(10ml)中カリウムtert−ブトキシド(1.81g、16.12mmol、2.5当量)の撹拌懸濁液に一滴ずつ添加する。該混合物を20℃で1時間撹拌し、4℃で終夜保管し(反応は1時間後に終了する)、次いで1N塩酸水溶液(5.2ml)で処理し、減圧下で濃縮する。得られた水性懸濁液を水(20ml)で希釈し、ジクロロメタン(2×30ml)で抽出する。一緒にした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、白色固体として1.05gの(5S)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オンa15を得る(収率:83%)。LC−MS(MH):198。
(5R)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オンa46を同じ方法に従って調整することができる。LC−MS(MH):198。
【0266】
1.5.3 (5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オンa9及び[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレートa47の合成
【化32】


モルホリン(2.43g、27.85mmol、1.5当量)をアセトニトリル(200ml)中[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネートa6(5g、18.57mmol、1当量)及び炭酸カリウム(5.13g、37.13mmol、2当量)の懸濁液に添加し、該混合物を終夜還流させる。炭酸カリウムを濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣を最小限のジクロロメタンに溶解させ、次いで有機層を超音波処理し、加熱して、白色固体として析出させ、それを濾過する。濾液を真空下で濃縮して、6gの(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オンa9と[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレートa47の混合物を得る。
【0267】
該混合物をテトラヒドロフラン(50ml)と5N塩酸水溶液(5ml)の混合物に溶解させる。析出物を形成させ、濾過する。該固体をジクロロメタンに吸収させ、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、3.5gの(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オンa9を得る。濾液をジクロロメタンに吸収させ、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、0.2gの[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレートa47を得る。
(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オンa9:
収率(粗製物):96%
LC−MS(MH):185
[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレートa47:
収率(粗製物):4%
LC−MS(MH):229
【0268】
1.6(5S)−1−{4−[(3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン1の合成
ジオキサン(15m)中1−[トランス−3−(4−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa5(0.41g、1.32mmol、1当量)、リン酸カリウム(0.56g、2.64mmol、2当量)、ヨウ化銅(5.0mg、0.01mmol、1mol%)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(8.0mg、0.07mmol、10mol%)及び(5S)−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オンa7(0.20g、1.59mmol、1.2当量)の懸濁液をアルゴン雰囲気下で密封管に入れ、110で3日間加熱する。該混合物をジクロロメタンで希釈し、1Mの水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、279mgの褐色油を得る。この油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/エタノール/アンモニア95:5:0.5)で精製して、淡黄色固体として(5S)−1−{4−[(3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン1(102mg)を得る(収率17%)。LC−MS(MH):412。
化合物2、3、4、5、6、7、8、10、11、21、22及び23を同じ方法で合成することができる。
【0269】
(実施例2:(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン13の合成)
【化33】


2.1 (4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa49の合成
炭酸カリウム(406mg、2.94mmol、2当量)及びモルホリン(195μl、2.21mmol、1.5当量)を、[(4S)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネートa48(400mg、1.47mmol、1当量)をアセトニトリル(15ml)に溶解させた溶液に添加し、該混合物を還流温度で終夜加熱する。該混合物を濾過し、真空下で濃縮する。残渣を高温ジクロロメタンに吸収させる。残留する不溶存固体を濾過除去し、濾液を真空下で濃縮する。この残渣をジクロロメタン/ジエチルエーテル/ヘキサンの高温混合物に吸収させ、固体画分を再び廃棄する。濾液を真空下で濃縮して、黄色油として251mgの(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa49を得る(収率:92%)。LC−MS(MH):187。
【0270】
2.3 (4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン13の合成
ジオキサン(7ml)中リン酸カリウム(573mg、2.7mmol、2当量)、ヨウ化銅(3mg、0.014mmol、1mol%)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(16mg、0.14mmol、10mol%)、1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa42(482mg、1.35mmol、1当量)及び(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa49(251mg、1.35mmol、1当量)の懸濁液をアルゴン雰囲気下で密封管に入れ、100℃で2日間加熱する。該混合物を100℃で2日間加熱する。該混合物を酢酸エチルで希釈し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄する。水相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、615mgの褐色油を得る。該油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア94:6:0.6)で精製して、黄色油として390mgの(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン13を得る(収率:70%)。LC−MS(MH):416。
化合物12及び15を同じ方法に従って合成することができる。
【0271】
(実施例3:5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン9の合成)
【化34】


3.1 ベンジル(2S)−2−[(クロロアセチル)アミノ]−3−ヒドロキシプロパノエートa51の合成
クロロアセチルクロリド(2.9ml、36mmol、1.7当量)を、炭酸カリウム(8.95g、65mmol、3当量)及びL−セリンベンジルエステル塩酸塩a50(5g、21mmol、1当量)を1:1テトラヒドロフラン−水混合物(80ml)を溶解させた溶液に0℃で一滴ずつ添加する。該混合物を室温で1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄する。水相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、白色固体として5.59gのベンジル(2S)−2−[(クロロアセチル)アミノ]−3−ヒドロキシプロパノエートa51を得る(収率:98%)。LC−MS(MH):272/274。
【0272】
3.2 プロパン−2−イル5−オキソモルホリン−3−カルボキシレートa52の合成
ベンジル(2S)−2−[(クロロアセチル)アミノ]−3−ヒドロキシプロパノエートa51の溶液(30ml)をイソプロパノール(32ml)中カリウムtert−ブトキシド(5.77g、50mmol、2.5当量)の懸濁液に一滴ずつ添加する。該混合物を室温で1時間撹拌し、次いで5Nの塩酸水溶液(17.4ml)を0℃で添加し、減圧下でアルコールを除去する。水を添加し、水相を酢酸エチルで2回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、3.33gの橙色の油を得る。残渣をヘキサンに吸収させ、加熱する。ヘキサンをピペットで除去し、残渣を高真空下で乾燥させて、橙色の油としての2.55gのプロパン−2−イル5−オキソモルホリン−3−カルボキシレートa52を得る(収率68%)。LC−MS(MH):188。
【0273】
3.3 5−(ヒドロキシメチル)モルホリン−3−オンa53の合成
プロパン−2−イル5−オキソモルホリン−3−カルボキシレートa52(1.4g、7.48mmol、1当量)をエタノール(15ml)に溶解させた溶液を0℃にて複数部の水素化ホウ素ナトリウム(297mg、7.85mmol、1.05当量)で処理する。添加終了時に、該混合物を室温で5時間撹拌し、塩化アンモニウムの飽和溶液(439mg、8.22mmol、1.1当量)を添加する。該混合物を30分間撹拌する。析出物を濾過除去し、濾液を真空下で濃縮して、半固体として1.36gの5−(ヒドロキシメチル)モルホリン−3−オンa53を得る。LC−MS(MH):132。
【0274】
3.4 (5−オキソモルホリン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネートa54の合成
p−トルエンスルホニルクロリド(2.2g、11.52mmol、1.54当量)を、粗5−(ヒドロキシメチル)モルホリン−3−オンa53(1.36g、7.48mmol(理論値)、1当量)をピリジン(3ml)に溶解させた溶液に0℃で添加する。ジクロロメタンを添加して、透明溶液を得て、該混合物を室温で終夜撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をジクロロメタンに吸収させ、1Nの塩酸水溶液で2回洗浄する。水相をジクロロメタンで抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、563mgの褐色油を得る。この油をジクロロメタンに吸収させ、ヘキサンを添加する。析出物を濾過し、乾燥させて、褐色固体として300mgの(5−オキソモルホリン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネートa54を得る(収率:14%)(2工程)。LC−MS(MH):286。
【0275】
3.5 5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]モルホリン−3−オンa55の合成
炭酸カリウム(363mg、2.62mmol、2.5当量)及び4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(247mg、1.58mmol、1.5当量)を、(5−オキソモルホリン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネートa54(300mg、1.05mmol、1当量)をアセトニトリル(10ml)に溶解させた溶液に添加し、該混合物を還流下で終夜加熱する。該混合物を濾過し、真空下で濃縮する。残渣をジクロロメタンに吸収させ、加熱し、濾過し、真空下で濃縮して、褐色油として180mgの5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]モルホリン−3−オンa55を得る(収率:73%)。LC−MS(MH):235。
【0276】
3.6 5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン9の合成
ジオキサン(4ml)中リン酸カリウム(327mg、1.54mmol、2当量)、ヨウ化銅(1mg、0.008mmol、1mol%)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(9mg、0.08mmol、10mol%)、1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa42(274mg、0.77mmol、1当量)及び5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]モルホリン−3−オンa55(180mg、0.77mmol、1当量)の懸濁液をアルゴン雰囲気下で密封管に入れ、100℃で2日間加熱する。該混合物を酢酸エチルで希釈し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄する。水相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、412mgの褐色油を得る。該油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア96:4:0.4、次いで95:5:0.5)で精製し、次いで逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸5:95:0.1)で精製して、トリフルオロ酢酸塩及び無色ラッカーとして140mgの5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン9を得る。この塩を0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に吸収させ、ジクロロメタンで3回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させて、白色固体として50mgの5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン9を得る(収率:14%)。LC−MS(MH):464。
【0277】
(実施例4:(4R)−4−(シクロヘキシルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン14の合成)
【化35】


ジオキサン(10ml)中リン酸カリウム(753mg、3.55mmol、2当量)、ヨウ化銅(4mg、0.018mmol、1mol%)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(20mg、0.18mmol、10mol%)、1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジンa42(634mg、1.77mmol、1当量)及び(4R)−4−(シクロヘキシルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa56(325mg、1.77mmol、1当量)の懸濁液をアルゴン雰囲気下で密封管に入れ、110℃で6日間加熱する。該混合物を酢酸エチルで希釈し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄する。水相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、842mgの褐色油を得る。該油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア94:6:0.6)で精製して、橙色のラッカーとして180mgの(4R)−4−(シクロヘキシルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン14を得る(収率:29%)。LC−MS(MH):413。
【0278】
(実施例5:(5S)−5−(モルホリン−1−イルメチル)−1−{4−[(3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]フェニル}ピロリジン−2−オン16の合成)
【化36】


5.1 1−[トランス−3−(トリチルスルファニル)シクロブチル]ピペリジンa57の合成
トリフェニルメタンチオール(4.60g、16.64mmol、1.3当量)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解させた溶液をアルゴン雰囲気下で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、620mg、15.50mmol、1.2当量)で処理する。15分後、シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネートa4(4.0g、12.93mmol、1当量)をN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解させた溶液を添加し、該混合物を50℃で終夜撹拌する。水を添加し、該混合物をジクロロメタンで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア98.5:1.35:0.15)で精製して、褐色油として4.25gの1−[トランス−3−(トリチルスルファニル)シクロブチル]ピペリジンa57を得る(収率:79%)。LC−MS(MH):414。
【0279】
5.2 トランス−3−[ブチル(エチル)アミノ]シクロブタンチオールa58の合成
トリエチルシラン(1.8ml、11.27mmol、1.1当量)及びトリフルオロ酢酸(20ml、269mmol、26当量)を、1−[トランス−3−(トリチルスルファニル)シクロブチル]ピペリジンa57(4.25g、10.27mmol、1当量)をジクロロメタン(20ml)に溶解させた溶液に5℃で連続的に添加する。反応混合物を室温で1時間30分撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。残渣を酢酸エチルで希釈し、10%の炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗製物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア97:2.7:0.3)で精製して、橙色の油として800mgのトランス−3−[ブチル(エチル)アミノ]シクロブタンチオールa58を得る(収率:45%)。
H NMR(CDCl)δ 3.50(m,1H)、3.09(五重線,J=7.3Hz,1H)、2.50(m,1H)、2.24(m,4H)、2.06(m,2H)、1.86(d,J=6.1Hz,2H)、1.58(m,4H)、1.45(m,2H)。
【0280】
5.3 1−{トランス−3−[(4−ヨードフェニル)スルファニル]シクロブチル}ピペリジンa59の合成
トランス−3−[ブチル(エチル)アミノ]シクロブタンチオールa58(774mg、4.52mmol、1当量)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(14ml)に溶解させた溶液をアルゴン雰囲気下で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、200g、5.0mmol、1.1当量)で処理する。15分後、4−フルオロ−1−ヨードベンゼン(1.0ml、8.67mmol、1.9当量)を添加し、該混合物を60℃で3時間撹拌する。水を添加し、該混合物をジクロロメタンで抽出する。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗製物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア98:2:0.2)で精製して、ベージュ色の固体として680mgの1−{トランス−3−[(4−ヨードフェニル)スルファニル]シクロブチル}ピペリジンa59を得る(収率:40%)
H NMR(DMSO)δ 7.63(d,J=8.4Hz,2H)、6.98(d,J=8.4Hz,2H)、3.83(m,1H)、2.94(m,1H)、2.39(m,2H)、2.17(m,4H)、1.96(m,2H)、1.47(m,4H)、1.35(m,2H)。
【0281】
5.4 (5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]フェニル}ピロリジン−2−オン16の合成
ジオキサン(15ml)中1−{トランス−3−[(4−ヨードフェニル)スルファニル]シクロブチル}ピペリジンa59(300mg、0.80mmol、1当量)、リン酸カリウム(761mg、3.60mmol、4.5当量)、ヨウ化銅(29mg、0.15mmol、1.9mol%)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(20μL、0.17mmol、2.1mol%)及び(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オンa9(327mg、1.77mmol、2当量)をアルゴン雰囲気下で密封管に入れ、100℃で終夜加熱する。該混合物をジクロロメタンで希釈し、1Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、600mgの褐色油を得る。この油をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール96:4から94:6)で精製して、ベージュ色の固体として280mgの(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]フェニル}ピロリジン−2−オン16を得る(収率:81%)。LC−MS(MH):430。
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]フェニル}ピロリジン−2−オン17を同じ方法に従って合成することができる。
【0282】
(実施例6:(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン18の合成)
【化37】


6.1(4S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−4−カルボン酸a61の合成
水酸化リチウム(277mg、11.5mmol、1当量)を、メチル3−tert−ブチル4−メチル(4S)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3,4−ジカルボキシレートa60(3g、11.5mmol、1当量)をテトラヒドロフラン/水混合物(23ml/11ml)に溶解させた溶液に添加する。混合物を室温で2日間撹拌し、1Nの塩酸水溶液で酸性化してpH4とし、酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、黄色油として2.79gの(4S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−4−カルボン酸a61を得る(収率:99%)。LC−MS(MH):246。
【0283】
6.2 tert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートa62の合成
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(740mg、3.86mmol、1.1当量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(522mg、3.86mmol、1.1当量)を、(4S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−4−カルボン酸a61(860mg、3.50mmol、1当量)及びモルホリン(336μl、3.86mmol、1.1当量)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解させた低温溶液(0℃)に添加する。該混合物を室温で6時間撹拌し、濃縮して乾固させる。残渣を0.5Nの塩酸水溶液に溶解させ、ジクロロメタンで3回抽出する。一緒にした有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、黄色固体として991mgのtert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートa62を得る(収率:90%)。LC−MS(MH):315。
以下の化合物を同じ方法に従って合成することができる。
【表6】

【0284】
6.3 (2S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−1−(モルホリン−4−イル)プロパン−1−オン塩酸塩a65の合成
トリフルオロ酢酸(1.97ml、26.5mmol、10当量)を、tert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートa62(833mg、2.65mmol、1当量)をジクロロメタンに溶解させた溶液に0℃で添加する。該混合物を室温で終夜撹拌し、濃縮して乾固させる。残渣を5Nの塩酸水溶液に溶解させ、該混合物を65℃で終夜加熱する。該混合物を真空下で濃縮して、444mgの(2S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−1−(モルホリン−4−イル)プロパン−1−オン塩酸塩a65を得る(収率:79%)。LC−MS(MH):175。
以下の化合物を同じ方法に従って合成することができる。
【表7】

【0285】
6.4 (4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa68の合成
トリホスゲン(311mg、1.05mmol、0.5当量)を、(2S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−1−(モルホリン−4−イル)プロパン−1−オン塩酸塩a65(444mg、2.1mmol、1当量)及びジイソプロピルエチルアミン(1.56ml、8.96mmol、4.25当量)をジクロロメタン(20ml)に溶解させた溶液に0℃で添加し、該混合物を終夜撹拌する。水(0.5ml)を添加し、該混合物を1時間撹拌し、シリカゲル及び硫酸マグネシウムで濾過して(ジクロロメタン100%、次いでジクロロメタン/メタノール/アンモニア90:10:1)、ジイソプロピルエチルアミン塩をも含む黄色固体として、1.64gの粗(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa68を得る。この混合物を次の工程に持ち越す。LC−MS(MH):201。
以下の化合物を同じ方法に従って合成することができる。
【表8】

【0286】
6.5 (4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン18の合成
ジオキサン(20ml)中リン酸カリウム(2.10g、9.9mmol、4.7当量)、ヨウ化銅(10mg、0.05mmol、2mol%)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(57mg、0.5mmol、20mol%)、4−ヨード−1−[(3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]ベンゼン(1.77g、4.95mmol、2.3当量)及び粗(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンa68(1.64g、2.1mmol(理論値)、1当量)の懸濁液をアルゴン雰囲気下で密封管に入れ、100℃で5日間加熱する。該混合物を酢酸エチルで希釈し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、2.21gの褐色固体を得る。該固体をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア97:3:0.3)で精製して、黄色固体として(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン18を得る(収率:40%(2工程))。LC−MS(MH):430。
化合物19及び20を同じ方法に従って合成することができる。
【0287】
表Iは、一般式(I)のいくつかの化合物の特徴を示す。前記表は、「配置」の見出し欄における立体化学情報を示す。第1の欄は、化合物が不斉中心(アキラル)を有していないかどうか、純粋な鏡像異性体(純粋)であるかどうか、ラセミ体(rac)であるかどうか、又は恐らくは不均等な割合の2つの立体異性体の混合物(混合物)であるかどうかを示す。第2の欄は、「IUPAC名」欄に使用されているIUPAC番号付けに従う、認識された中心についての立体化学の割当を含む。単独の番号は、その中心における両配置の存在を示す。「R」又は「S」がその後に続く番号は、その中心における既知の絶対配置を示す。「!」がその後に続く番号は、その中心における唯一の未知の絶対配置の存在を示す。前の文字(A、B)は、同じ構造の様々な鏡像異性体を区別する手段である。
【0288】
表Iは、化合物のIUPAC名、質量分析で観察されるイオンピーク及びH NMR記述、並びに鏡像異性体として純粋な化合物の場合の旋光度をも示す。「鏡像異性体として純粋な」という表現は、本明細書に用いられているように、95%を超える鏡像異性体過剰を有する化合物を指す。
表1:実施例の化合物の物理特性
【表9−1】


【表9−2】


【表9−3】


【表9−4】


【表9−5】


【表9−6】

【0289】
(実施例7:ヒスタミンH−受容体に対する親和性;逆アゴニズム、アンタゴニズム及びアゴニズム活性:[35S]GTPγS−結合アッセイヒトヒスタミンH−受容体)
材料及び方法
試薬
試薬及び基準化合物は、分析グレードであり、それらを様々な商業的供給源から入手することができる。[H]−N−α−メチルヒスタミン(80〜85Ci/mmol)及び[35S]−GTPγS(1250Ci/mmol)をPerkin Elmer社(ベルギー)から購入する。細胞培養試薬をCambrex社(ベルギー)から購入する。
【0290】
試験及び基準化合物を100%DMSOに溶解させて、1mMの原液を得る。アッセイにおける最終DMSO濃度は、1%を超えない。非スプライス全長(445AA)ヒトHヒスタミン受容体を発現するCHO細胞系を例えばEuroscreen S.A.社(ベルギー)から入手することができる。
【0291】
細胞培養
10%牛胎児血清、100IU/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、1%ピルビン酸ナトリウム及び400μg/mlのゲンタマイシンを含むHAM−F12培地で細胞を成長させる。細胞を95%の空気及び5%のCOで構成される加湿雰囲気中で37℃に維持する。
【0292】
メンブレンの調製
コンフルエント細胞をPBS/EDTA0.02%中37℃における10分間のインキュベーションによって脱離させる。細胞懸濁液を1500×gにて4℃で10分間遠心する。2mMのMgCl、0.3mMのEDTA、1mMのEGTAを含む15mMのTris−HCl緩衝剤(pH7.5)(緩衝剤A)中でペレットを均質化する。粗ホモジネートを液体窒素で凍結させ、解凍する。次いで、DNアーゼ(1μ/ml)を添加し、ホモジネートを25℃で10分間さらにインキュベートしてから、40000×gにて4℃で25分間遠心する。ペレットを緩衝剤Aに再懸濁させ、同じ条件下でさらに洗浄する。最終的なメンブレンペレットを、12.5mMのMgCl、0.3mMのEDTA、1mMのEGTA及び250mMのスクロースで強化された7.5mMのTris−HCl緩衝剤(pH7.5)に1〜3mg/mlのタンパク質濃度で再懸濁させ、使用するまで液体窒素中で保管した。
【0293】
結合アッセイ
H]−N−α−メチルヒスタミン結合アッセイ
化合物のヒトヒスタミンH受容体に対する親和性を[H]−N−α−メチルヒスタミンとの競合によって測定することができる。この結合アッセイを、ヒト又はヒト以外において、任意のH3配列で実施することができる。手短に述べると、ヒトHヒスタミン受容体を発現するメンブレン(20〜40μgタンパク質)を、2mMのMgCl、0.2nMの[H]−N−α−メチル−ヒスタミン及び漸増濃度の薬物を含む0.5mlの50mMのTris−HCl緩衝剤(pH7.4)中にて25℃でインキュベートする。非特異的結合(NSB)を10μMのチオペラミド又はヒスタミンの存在下で観察される残留結合と定義する。メンブレンに結合した遊離放射性リガンドを、0.1%PEIに予め浸漬させたガラス繊維フィルタによる高速濾過によって分離する。サンプル及びフィルタを少なくとも6mlの氷冷した50mMのTris−HCl緩衝剤(pH7.4)で濯ぐ。全濾過手順は、サンプル毎に10秒間を超えない。フィルタ上にトラップされた放射活性をベーター計数器における液体シンチレーションによって計数する。
【0294】
35S]−GTPγS結合アッセイ
ヒトHヒスタミン受容体を発現するメンブレンに結合する[35S]−GTPγSの刺激(アゴニスト)又は阻害(逆アゴニスト)を、いくつかの修正を加えながらLorenzenら(Mol.Pharmacol.1993、44、115〜123)によって記載されているように測定する。手短に述べると、ヒトHヒスタミン受容体を発現するメンブレン(10〜20μgタンパク質)を、3mMのMgCl、50mMのNaCl、1μMのGDP、2μgのサポニン及び漸増濃度の薬物を含む0.2mlの50mMのTris−HCl緩衝剤(pH7.4)中にて25℃でインキュベートする。15分間のプレインキュベーション後に、0.2nMの[35S]−GTPγSをサンプルに添加する。非特異的結合(NSB)を100μMのGpp(NH)pの存在下で観察される残留結合と定義する。メンブレンに結合した遊離放射性リガンドをガラス繊維フィルタによる高速濾過によって分離する。サンプル及びフィルタを少なくとも6mlの氷冷した50mMのTris−HCl緩衝剤(pH7.4)で濯ぐ。全濾過手順は、サンプル毎に10秒間を超えない。フィルタ上にトラップされた放射活性をベーター計数器における液体シンチレーションによって計数する。
【0295】
データ解析
pI50/pKi/pEC50/pEC50INVの決定
解析
生データを、以下の一般式に従って、XLfit(商標)(IDBS、英国)を使用して非線形回帰によって解析する。
B=MIN+[(MAX−MIN)/(1+(((10)/(10−pX50))nH))]
式中、
Bは、非標識化合物の存在下で結合する放射性リガンド(dpm)であり、
MINは、観察される最小結合(dpm)であり、
MAXは、観察される最大結合(dpm)であり、
Xは、非標識化合物の濃度(logM)であり、
pX50(−logM)は、その最大効果(放射性結合の阻害又は刺激)の50%を生じる非標識化合物の濃度である。それは、[H]−N−α−メチルヒスタミンを用いた結合試験における受容体に対する化合物の親和性を測定する場合はpIC50を表し、[35S]−GTPγS(アゴニスト)の結合を刺激する化合物ではpEC50を表し、[35S]−GTPγS(逆アゴニスト)の結合を阻害する化合物ではpEC50INVを表す。
Hは、ヒル係数である。
【0296】
以下の式を適用することによってpKiを得ることができる(Cheng及びPrusoff、1973、Biochem.Pharmacol.、22:3099〜3108)。
pKi=pIC50+log(1+L/Kd)
式中、
pKiは、非標識化合物の平衡解離定数(−logM)であり、
Lは、放射性リガンド濃度(nM)であり、
Kdは、放射性リガンドの平衡解離定数(nM)である。
【0297】
本発明による式(I)の化合物は、ヒスタミンH受容体に対して、少なくとも6.5、より好ましくは少なくとも8又は9、典型的には7.5を超えるpIC50値を示す。
【0298】
本発明による式(I)の化合物は、ヒスタミンH受容体に対して、典型的には7.5を超えるpEC50INV値を示す。
【0299】
(実施例8:アンタゴニズム活性:整調単離モルモット腸筋神経叢−電場刺激アッセイ)
材料及び方法
試薬
試験する化合物の原液(10−2M)及びさらなる希釈物をDMSO(WNR社、Leuven、ベルギー)で新たに調製する。すべての他の試薬(R(−)−α−メチルヒスタミン、メピラミン、ラニチジン、プロプラノロール、ヨヒンビン及びクレブ溶液の化合物)は、分析グレードであり、従来の商業的供給源から入手される。
【0300】
動物
生後4週間の雄のダンキン−ハートレーモルモット(200〜300g)をCharles River社(Sultfeld、ドイツ)から調達する。すべての動物を順序づけ、UCB医薬品倫理委員会に承認された「orgisol−GP」プロトコルに従って使用する。動物を12匹ずつのグループでステンレス鋼ケージ(75×50×30cm)に入れてUCB動物施設に収容し、試験に含める前に最低1週間にわたって順応させる。室温を20から24℃に維持し、相対湿度を40から70%とする。12時間の明暗サイクルを適用する。動物は、食物及び水を自由に摂取する。
【0301】
器官調製
方法をMenkveldら、Eur.J.Pharmacol.1990、186、343〜347に記載されている方法から適応する。縦腸筋神経叢を単離モルモット回腸から調製する。10−7Mのメピラミン、10−5Mのラニチジン、10−5Mのプロプラノロール及び10−6Mのヨヒンビンを含む改質クレブ溶液を含む20mlの器官浴に組織を仕込む。浴液を37℃に維持し、95%O〜5%COで気体処理する。組織を0.5gの静止張力及び電場刺激(実験全体を通じて5〜20V、1ms及び0.1Hzのパルスを引加する)の下で60分間平衡させる。当該刺激は、安定的且つ再現的な攣縮を誘発する。等長収縮を、(i)自動データ取得、(ii)所定時間又は信号安定時における電磁弁による自動流体循環による浴洗浄及び(iii)所定時間又は信号安定時における浴中の薬物の自動希釈/注入を制御することが可能なコンピュータシステム(EMKA Technologies社)に接続された増幅器に連結された力−変位変換器によって測定する。
【0302】
プロトコル
60分の安定化時間後、組織を30分間隔で10−6MR(−)−α−メチルヒスタミンで2回刺激する。溶媒又はアンタゴニスト試験化合物の存在下における60分のインキュベーション時間後、R(−)−α−メチルヒスタミンに対する累積濃度−応答を導く(10−10から10−4M)。各組織についてただ1つの濃度のアンタゴニストを試験する。
【0303】
データ解析
漸増アンタゴニスト濃度の不存在下又は存在下で観察された曲線群を調べることによって、アゴニストとアンタゴニストの相互作用を適切に推定することができる。各濃度−応答曲線の各該当パラメータの値(pD及びEmax)を、実験データを4つのパラメータ論理式に適合させる反復計算ソフトウェア(XLfit、IDBS社、Guildford、英国)によって計算する。試験物質のアンタゴニスト活性をVan Rossumら、Arch、Int.Pharmacodyn,Ther.1963、143、299及び/又はArunlakshana&Schild、Br.J.Pharmacol 1959、14、48に記載されている方法に従って、pD’及び/又はpA値の計算によって推定する。結果を平均値±SDで表す。観察の回数をnで示す。
【0304】
本発明による式(I)の化合物は、ヒスタミンH受容体について典型的には7.5以上のpA値を示す。
【0305】
(実施例9:hERG試験)
これは、hERG cDNAで安定的に形質転換されたHEK293細胞から記録されたヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子(hERG)コードチャネル末端電流に対する試験化合物の潜在的な影響を評価するためのインビトロ電気生理学的パッチクランプ試験である。細胞が接種されたカバーガラスを記録室に仕込み、生理食塩水で灌流する。末端電流を電圧パッチクランプモードで記録する。基準物質、例えばE−4031を使用して、観察された電流を既知のhERGチャネル遮断薬で阻害できることを確認する(Zhou,Z.ら、Biophys.J.、1998、74、230〜241)。
【0306】
本発明の化合物は、典型的には、弱いhERGチャネル親和性(一般には1μM以上)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I’)の化合物、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩及びそれらのすべての可能な混合物
【化1】


[式中、
は、CH、C−ハロゲン又はNであり;
は、酸素又は硫黄であり;
Xは、O、S、NH又はN(C1〜4アルキル)であり;
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり;
2aは、水素、C1〜6アルキル、C1〜6−アルキルシクロアルキル、アリール、C2〜6アルケニル、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクロアルキル、アシル、C1〜6−アルキルアリール、C1〜6−アルキルヘテロアリール、C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1〜6−アルキルアシル、C1〜6−アルキルアルコキシ、C1〜6−アルキルアルコキシカルボニル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル、C1〜6−アルキルアシルアミノ、C1〜6−アルキルウレイド、C1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシ、C1〜6−アルキルアミノカルボニルチオ、C1〜6−アルキルカルバメート、C1〜6−アルキルアミノ、C3〜8−シクロアルキルアミノ、C1〜6−アルキルヒドロキシ又はシアノであり;
2bは、水素、C1〜8アルキル又はC3〜8シクロアルキルであり;或いは
2a及びR2bは、結合することにより、C3〜8シクロアルキル、又は3〜8員ヘテロシクロアルキルを形成し;
Aは、アミノ窒素を介してシクロブチル基に結合した置換又は非置換の脂肪族又は環式アミノ基であり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
9aは、水素又はC1〜8アルキルであり;
9bは、C1〜6−アルキルアリール又はC1〜8アルキルであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0又は1に等しい整数であり;
zは、0、1、2又は3に等しい整数である]。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の化合物
【化2】


[式中、
は、CH、C−ハロゲン又はNであり;
は、酸素又は硫黄であり;
Xは、O、S、NH又はN(C1〜4アルキル)であり;
は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル又はC1〜4アルコキシであり;
2aは、水素、C1〜6アルキル、C1〜6−アルキルシクロアルキル、アリール、C2〜6アルケニル、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクロアルキル、アシル、C1〜6−アルキルアリール、C1〜6−アルキルヘテロアリール、C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1〜6−アルキルアシル、C1〜6−アルキルアルコキシ、C1〜6−アルキルアルコキシカルボニル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル、C1〜6−アルキルアシルアミノ、C1〜6−アルキルウレイド、C1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシ、C1〜6−アルキルアミノカルボニルチオ、C1〜6−アルキルカルバメート、C1〜6−アルキルアミノ、C3〜8−シクロアルキルアミノ、C1〜6−アルキルヒドロキシ又はシアノであり;
2bは、水素、C1〜8アルキル又はC3〜8シクロアルキルであり;或いは
2a及びR2bは、結合することにより、C3〜8シクロアルキル、又は3〜8員ヘテロシクロアルキルを形成し;
Aは、アミノ窒素を介してシクロブチル基に結合した置換又は非置換の脂肪族又は環式アミノ基であり;
は、−(O)−(CR9a9b−(CHであり;
9aは、水素又はC1〜8アルキルであり;
9bは、C1〜6−アルキルアリール又はC1〜8アルキルであり;
nは、0又は1に等しい整数であり;
vは、0又は1に等しい整数であり;
mは、0又は1に等しい整数であり;
zは、0、1、2又は3に等しい整数である]。
【請求項3】
が、CH、C−F又はNである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が酸素である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
XがO又はSである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素又はハロゲンである、請求項1から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
2bが水素である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
2aが、水素、C1〜6アルキル、C1〜6−アルキルシクロアルキル、C1〜6−アルキルヘテロシクロアルキル、C1〜6−アルキルアミノ、アミノカルボニル、C1〜6−アルキルウレイド又はC1〜6−アルキルアミノカルボニルオキシである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Aが、窒素原子を介してシクロブチル基に結合した3から8員ヘテロシクロアルキルである、請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Aが、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル及びピペラジン−1−イルから選択される3から8員ヘテロシクロアルキルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Aが、ピペリジン−1−イル、2−メチルピロリジン−1−イル、(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル及び(2S)−2−メチルピロリジン−1−イルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の式(Ib)の化合物
【化3】


[式中、A、A、X、R、R2a、R2b、A及びvは、請求項1に定義されている通りである]。
【請求項13】
(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−(シクロヘキシルメチル)−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}モルホリン−3−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}ピロリジン−2−オン;
(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
(5S)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−{[(2,2,2−トリフルオロエチル)−アミノ]メチル}−ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−ピロリジン−2−オン;
(5S)−1−{3−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−5−(ピペリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)−オキシ]フェニル}モルホリン−3−オン;
(5R)−5−(シクロヘキシルメチル)−4−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−モルホリン−3−オン;
[(2S)−5−オキソ−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}ピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレート;
(4R)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)−オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4R)−4−(シクロヘキシルメチル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4R)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(5S)−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)チオ]フェニル}−ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)−チオ]−フェニル}ピロリジン−2−オン;
(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]−フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4S)−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4S)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]−3−{4−[(トランス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル)−オキシ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−(4−{[トランス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル]オキシ}フェニル)ピロリジン−2−オン;
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−(4−{[トランス−3−((2R)−2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル]オキシ}フェニル)ピロリジン−2−オン;及び
(5S)−5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1−(4−{[トランス−3−((2S)−2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル]オキシ}フェニル)ピロリジン−2−オン
からなる群から選択される請求項1から12までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の化合物又はその医薬として許容し得る塩の有効量を医薬として許容し得る希釈剤又は担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項15】
医薬品として使用するための請求項1から13までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
軽度認知障害、アルツハイマー病、学習及び記憶障害、注意欠陥多動性異常、パーキンソン病、統合失調症、認知症、鬱病、てんかん、発作障害、痙攣、睡眠/覚醒障害、認知機能障害、睡眠発作、過眠症、肥満、上気道アレルギー障害、ダウン症候群、不安、ストレス、心臓血管障害、炎症及び疼痛を治療及び予防するための1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
式(II)の合成中間体、その幾何異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、医薬として許容し得る塩、及びそれらのすべての可能な混合物
【化4】


[式中、A、A、X及びRは、請求項1に定義されている通りであり、Halは、ハロゲンである]。
【請求項18】
3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブト−2−エン−1−オン;
3−モルホリン−4−イルシクロブト−2−エン−1−オン;
3−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)シクロブト−2−エン−1−オン;
3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロブト−2−エン−1−オン;
3−アゼパン−1−イルシクロブト−2−エン−1−オン;
3−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]シクロブト−2−エン−1−オン;
3−チオモルホリン−4−イルシクロブト−2−エン−1−オン;
シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブタノール;
シス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブタノール;
シス−3−モルホリン−4−イルシクロブタノール;
シス−3−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)シクロブタノール;
シス−3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロブタノール;
シス−3−ピロリジン−1−イルシクロブタノール;
シス−3−アゼパン−1−イルシクロブタノール;
シス−3−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]シクロブタノール;
シス−3−チオモルホリン−4−イルシクロブタノール;
シス−3−ピペリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)シクロブチル4−ブロモベンゼンスルホネート;
シス−3−モルホリン−4−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−ピロリジン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−アゼパン−1−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]シクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
シス−3−チオモルホリン−4−イルシクロブチル4−メチルベンゼンスルホネート;
1−[トランス−3−(4−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジン;
1−[トランス−3−(3−ブロモフェノキシ)シクロブチル]ピペリジン;
1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]ピペリジン;
1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジン;
(2R)−1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジン;
(2S)−1−[トランス−3−(4−ヨードフェノキシ)シクロブチル]−2−メチルピロリジン;
(5S)−5−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
2−クロロ−N−[(1S)−2−シクロヘキシル−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アセトアミド;
(5S)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オン;
(5R)−5−(シクロヘキシルメチル)モルホリン−3−オン;
[(2S)−5−オキソピロリジン−2−イル]メチルモルホリン−4−カルボキシレート;
(4R)−4−(モルホリン−4−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
プロパン−2−イル5−オキソモルホリン−3−カルボキシレート;
5−(ヒドロキシメチル)モルホリン−3−オン;
(5−オキソモルホリン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート;
5−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]モルホリン−3−オン;
1−[トランス−3−(トリチルスルファニル)シクロブチル]ピペリジン;
トランス−3−[ブチル(エチル)アミノ]シクロブタンチオール;
1−{トランス−3−[(4−ヨードフェニル)スルファニル]シクロブチル}ピペリジン;
tert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート;
tert−ブチル(4S)−2,2−ジメチル−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート;
tert−ブチル(4S)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート;
(2S)−2−アミノ−1−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシプロパン−1−オン塩酸塩;
(4S)−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
(4S)−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン;及び
(4S)−4−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)カルボニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン
からなるリストから選択される、特に請求項17に記載の合成中間体。

【公表番号】特表2010−524881(P2010−524881A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503473(P2010−503473)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054496
【国際公開番号】WO2008/128919
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(507073918)ユセベ ファルマ ソシエテ アノニム (70)
【Fターム(参考)】