説明

シリコン酸化膜の製造装置

【課題】 良質のシリコン酸化膜を狭いスペース内に低温で形成できるようにする。
【解決手段】 本実施形態は、シラザン結合を有するポリマーを有機溶媒に溶解した溶液を回転塗布してポリマー膜を形成するスピンコーティングユニットと、前記スピンコーティングユニットにより前記ポリマー膜が形成された基板を当該ポリマー膜に触れることなく酸化ユニット内に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により基板が搬送されると、前記ポリマー膜に過酸化水素を含む加熱した水溶液への浸漬処理、過酸化水素を含む加熱した水溶液の噴霧処理、及び、過酸化水素蒸気を含む反応ガスへの曝露処理、の何れかを行うことにより前記ポリマー膜をシリコン酸化膜に転換する酸化ユニットと、を備え、前記スピンコーティングユニットによるポリマー膜の形成処理および前記酸化ユニットによる前記ポリマー膜のシリコン酸化膜への転換処理を1装置内にて完了することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シリコン酸化膜の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、高集積化による素子の性能向上(動作速度向上及び低消費電力化)及び製造コストの抑制を目的として急速に微細化されている。このような急激な半導体装置の微細化のためには、トランジスタや配線の微細化が重要であるが、微細化に伴い素子間を絶縁する素子分離領域の形成工程の困難度も急激に増している。なぜならば、トランジスタ等の素子の微細化を行う場合には、素子間のスペースの微細化も当然行われるが、微細なスペースに良好な絶縁特性をもつ絶縁膜を埋め込むこと自体が微細化に伴い困難度を増しているからである。
【0003】
微細な素子分離領域の埋込技術としては、SOG(Spin On Glass)の一種であるポリシラザン塗布膜が適用されるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。ポリシラザン膜は(SiH2−NH)nの分子構造をもつ無機化合物であり、シリコン酸化膜に転換するためには水蒸気を含む酸化性雰囲気中での高温熱処理(少なくとも220[℃]以上)が不可欠であった。
【0004】
しかし、素子の微細化に伴い、水蒸気を含む酸化性雰囲気中での熱処理は困難であったり、更なる低温化が余儀なくされており、良質の絶縁膜を狭スペース内に形成することは非常に難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4331133号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
良質のシリコン酸化膜を狭いスペース内に低温で形成できるようにしたシリコン酸化膜の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態のシリコン酸化膜の製造装置は、シラザン結合を有するポリマーを有機溶媒に溶解した溶液を回転塗布してポリマー膜を形成するスピンコーティングユニットと、前記スピンコーティングユニットにより前記ポリマー膜が形成された基板を当該ポリマー膜に触れることなく酸化ユニット内に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により基板が搬送されると、前記ポリマー膜に過酸化水素を含む加熱した水溶液への浸漬処理、過酸化水素を含む加熱した水溶液の噴霧処理、及び、過酸化水素蒸気を含む反応ガスへの曝露処理、の何れかを行うことにより前記ポリマー膜をシリコン酸化膜に転換する酸化ユニットと、を備え、前記スピンコーティングユニットによるポリマー膜の形成処理および前記酸化ユニットによる前記ポリマー膜のシリコン酸化膜への転換処理を1装置内にて完了することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係る製造装置の内部の平面構成図
【図2】第1実施形態に係る基板保持部分の構造図((a)は基板の搬送状態を模式的に示す斜視図、(b)は基板のベベル部が搬送機構に接触する保持部分を示す模式的な断面図
【図3】第1実施形態に係る酸化ユニットの縦断面構造図
【図4】第1実施形態中に示した実施例の処理シーケンスと当該処理シーケンスに基づく膜質の結果を表す図
【図5】第2実施形態に係る図2相当図
【図6】第3実施形態に係る図1相当図
【図7】第3実施形態に係る図3相当図
【図8】第3実施形態に係る気化器の構造図
【図9】第3実施形態中の実施例の処理シーケンスと当該処理シーケンスに基づく膜質の結果を表す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1ないし図4を用いて説明する。本実施形態では、過水素化シラザンポリマー膜を過酸化水素水溶液に浸漬することでシリコン酸化膜に転換するシリコン酸化膜の製造装置1の実施形態を示す。
【0010】
このシリコン酸化膜の製造装置1は、基板(例えばシリコン基板などの半導体基板)3にトランジスタのアクティブエリアを分離する数10nm幅のSTI(Shallow Trench Isolation)による素子分離溝を形成した後、狭い素子分離溝内に塗布膜を流し込み、当該塗布膜をシリコン酸化膜に転換することで素子分離溝内に絶縁膜を形成し、これによりアクティブエリアを素子分離する半導体デバイスを製造するための製造装置である。
【0011】
図1は、製造装置の内部構成図を平面的に示している。この製造装置1は、FOUP(Front Opening Unified Pod)が設置されるI/Oポート2、基板3を搬送する搬送機構4、過水素化シラザン溶液を回転塗布するためのスピンコーティングユニット5、酸化ユニット6を各々内部の所定の配置場所に備える。これらの各部2、4〜6は1つの製造装置1内に納められており、当該製造装置1内にてシリコン酸化膜の形成工程は完結する。この製造装置1は、レジストやSOGの塗布処理に用いられる塗布装置に類似の構造となっている。
I/Oポート2には、基板3が搭載されたFOUPが受け入れられる。搬送機構4は、I/Oポート2のFOUPに搭載された基板3をスピンコーティングユニット5に搬送する。
【0012】
スピンコーティングユニット5は、シラザン結合を有する過水素化シラザン(パーハイドロシラザン)のポリマーを有機溶媒に溶解させた過水素化シラザンポリマー溶液(以下、ポリマー溶液)を基板3上に回転塗布することで過水素化シラザンポリマー膜3b(図2(b)参照:以下、ポリマー膜)を所望の膜厚で基板3上に形成する。このときのポリマー膜3bの塗布膜厚は、スピンコーティングユニット5のスピン回転数とポリシラザン溶液の濃度とを調整することで制御できる。搬送機構4は、スピンコーティングユニット5にてポリマー膜3bを塗布した基板3を酸化ユニット6に搬送する。
【0013】
このとき基板3を搬送する搬送機構4は、基板3上にポリマー膜3bが塗布されているため当該ポリマー膜3bに触れないように基板3を搬送できることが求められる。特に、ポリマー膜3bが塗布された後、150℃程度以上の温度条件でソフトベークなどの処理が行われないと、当該ポリマー膜3bは軟らかいままであり不安定なためである。
【0014】
図2は、搬送機構の基板保持部分の構造図を示している。図2(a)は基板の搬送状態を模式的な斜視図により示している。また、図2(b)は基板のベベル部が搬送機構に接触する接触部分を模式的な断面図により示している。
【0015】
図2(a)に示すように、搬送機構4は、当該搬送機構4が駆動する基端部4aと、この基端部4aから複数水平に枝分かれした水平アーム4b、これらの水平アーム4bの上部に構成された支持ピン4cを具備する先端構造部4dを備える。この先端構造部4dは、基板3の外形とほぼ同じ大きさに成形されている。
【0016】
この水平アーム4bの上部には複数の支持ピン4cが構成されており、当該複数の支持ピン4cが基板3の下面の複数点において基板3のベベル部3aを支持する。したがって、基板3はその下面のベベル部3aのみで搬送機構4の先端構造部4dと接触し保持されることになる。
【0017】
図2(b)に示すように、ポリマー膜3bは通常1〜3[mm]程度だけ基板3の周縁部において事前にエッジカット処理が行われるため、基板3のベベル部3a周辺に支持ピン4cが触れたとしても全く問題を生じることはない。搬送機構4は、基板3の上面を水平に保持した状態で、スピンコーティングユニット5から酸化ユニット6に基板3を搬送する。
【0018】
酸化ユニット6は、ポリマー膜3bを過酸化水素水溶液に浸漬処理するためのユニットである。図3は、酸化ユニットの縦断面構造図を模式的に示している。
酸化ユニット6は、その内壁部6aの内面が全てテフロン(登録商標)系の樹脂によりコーティングされている。なお、酸化ユニット6の壁面が樹脂成形されていても良い。酸化ユニット6の壁面は80℃(所定温度)で保持されている。この酸化ユニット6の内壁部6aの内壁面温度保持は例えば酸化ユニット6の壁面に内蔵されたヒータ、熱媒の循環などにより行うことができる。
【0019】
酸化ユニット6の前面には扉部6bが構成されている。ポリマー膜3bが形成された基板3は、扉部6bの開放状態において酸化ユニット6内のホルダ7に挿入され、扉部6bは閉じられる。このホルダ7は、5枚(複数枚)の基板3を水平に縦方向に離間して積載できる。
【0020】
酸化ユニット6の下部には薬液のインレット8が過酸化水素水供給機構、リンス洗浄液供給機構として形成されている。このインレット8には、仕切弁8aが構成されており、薬液などの液体の流路を開閉可能になっている。さらに、酸化ユニット6の上部にはパージガスのインレット9が形成されている。このインレット9には仕切弁9aが構成されておりガス流路を開閉可能になっている。また、酸化ユニット6の下部には基板3を処理した後の排液を排出するためのドレーン10が排出機構として形成されている。ドレーン10には仕切弁11が接続されており、排液の流路を開閉可能になっている。酸化ユニット6内における処理後には仕切弁11を開状態とすることで当該酸化ユニット6内に残留した排液を当該ドレーン10から排出できるようにしている。また、酸化ユニット6の上部には排気用の酸排気ダクト12が形成されている。
【0021】
なお、前述では、搬送機構4がI/Oポート2からスピンコーティングユニット5に基板3を搬送するようにしているが、搬送機構4がI/Oポート2からスピンコーティングユニット5に基板3を搬送する前に、一旦、図示しない恒温プレート上に載置し、温度調整機構(例えばチラー)で基板3の温度を所定温度に保持するための工程を設けても良い。この場合、恒温プレートは製造装置1内の所定位置に設置されていると良い。
【0022】
本実施形態の製造装置1を適用することによって装置数、工程数を削減できるとともに、得られるシリコン酸化膜において、低い不純物濃度、低い膜収縮量、低い界面固定電荷密度を達成することができる。
【0023】
以下、上記構造を適用した処理シーケンスの実施例について図4を参照しながら説明する。
<実施例1>
実施例1では、ポリマー膜3bの形成処理を以下のように行った。平均分子量が1500〜5500の過水素化シラザンポリマー[(SiH2−NH)n]をキシレン、ジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解してポリマー溶液を生成し、そのポリマー溶液を基板3上に塗布した。この場合、基板3は、5秒間の加速回転によって回転速度を1000[rpm]で安定化した状態で保持され、基板3上の中心位置にポリマー溶液を滴下量1[cc/min]で2秒間吐出し、基板3の全面に均一にポリマー溶液を塗布した。更に、基板3を20秒間回転させることでポリマー溶液に含有した溶媒を蒸散させ、これにより均一な過水素化シラザンのポリマー膜3bを形成した。
【0024】
なお、基板3のベベル部3aに塗布されたポリマー膜3bは搬送時に膜剥がれを生じないようにシンナー等を用いて適宜エッジカットしている。これにより、ポリマー膜3bの膜剥がれが発塵源となることを防止できる。
【0025】
前記の状態においては、塗布されたポリマー膜3b中には溶媒起因の炭素あるいは炭化水素が不純物として数パーセント〜十数パーセント程度含まれる。また、過水素化シラザンのポリマーに起因する窒素が数十パーセント残留している。そこで、ポリマー膜3bからこれらの不純物を除去することで当該ポリマー膜3bをシリコン酸化膜に転換する。
【0026】
搬送機構4は、ポリマー膜3bが形成された基板3をスピンコーティングユニット5から酸化ユニット6のホルダ7に搬送する。基板3をホルダ7に積載した後、仕切弁11を閉状態とし、酸化ユニット6の内部にインレット8から90℃に加熱された30%過酸化水素水溶液を注入した。過酸化水素水の典型的な供給速度は200[sccm]である。これにより基板3が30%過酸化水素水溶液に浸漬される。
【0027】
15分間の浸漬後、インレット8から80℃の温純水をリンス洗浄液として注入しながら仕切弁11を開状態にすることによって酸化ユニット6内の過酸化水素水溶液を純水で置換し、排液をドレーン10から排出した。この純水置換処理を5分間行った。次に、温純水リンスの供給を停止し、仕切弁11を開状態にしたままインレット9から150℃のホット窒素(N2)を供給し基板3を乾燥させた。このような工程を適用することにより、ポリマー膜3bがシリコン酸化膜に転換する過程において、炭素や窒素の不純物の基板3側への拡散を抑制できることが確認された。
【0028】
これらの一連の工程を適用することで、プロセスの最高温度は150℃に留めることができるため、溶媒起因の炭素あるいは炭化水素不純物を基板3とシリコン酸化膜との界面まで拡散させることなく、その濃度を1020[atoms/cc]未満、過水素化シラザンのポリマーに起因する窒素の濃度を1021[atoms/cc]未満まで低下できることが確認された。
【0029】
また、このシリコン酸化膜はトランジスタのアクティブエリア間を分離する素子分離領域に埋め込まれるので、素子分離領域の基板3との界面に固定電荷が蓄積すると電気的特性に影響が生じてしまうが、この一連の製造方法を適用することで素子分離領域と基板3との界面における固定電荷発生を抑制できるようになる。
【0030】
<実施例2>
実施例2では、実施例1のホット窒素(N2)による乾燥に代えて、IPA(イソプロピルアルコール)による乾燥処理を行った。この実施例2でも炭素あるいは炭化水素不純物の濃度を1020[atoms/cc]未満、過水素化シラザンのポリマーに起因する窒素の濃度を1021[atoms/cc]未満まで低下させられることが確認された。
【0031】
<実施例3>
実施例3では、実施例1の80℃温純水置換処理に代えて、120℃純水蒸気洗浄処理を行った。この実施例3でも炭素あるいは炭化水素不純物の濃度を1020[atoms/cc]未満、過水素化シラザンのポリマーに起因する窒素の濃度を1021[atoms/cc]未満まで低下させられることが確認された。
【0032】
図4は、これらの実施例1〜実施例3の処理シーケンスと、それらの処理結果に基づく膜質の結果(炭素不純物の濃度、窒素不純物の濃度、固定電荷密度、850℃の不活性ガス中における熱処理後の膜収縮量)とを対応して示している。
【0033】
また、図4には、比較例として、ポリマー膜3bを形成した後、拡散炉にて350℃水蒸気75%雰囲気で30分間酸化することでシリコン酸化膜に転換した比較例1の結果を示している。また、比較例1の処理シーケンスの後、210℃の高温SPM(硫酸過酸化水素水混合液)中でウェット酸化処理を施した比較例2の結果を記載している。なお、膜収縮量は、基板3からの膜剥がれやクラックの発生に影響する指標であり、膜収縮量が小さいほど当該悪影響が生じにくくなるため望ましい。
【0034】
この図4に示すように、全ての実施例1〜実施例3において比較例1および比較例2と比べて低い不純物濃度、低い膜収縮量、低い固定電荷密度を達成できることが確認された。また、実施例2、実施例3を比較すると、窒素不純物の抑制には温純水洗浄処理よりも高温純水水蒸気洗浄処理が優れていることがわかる。
【0035】
また、比較例2では、スピンコーティング処理を行った後、ソフトベーク処理を行い、水蒸気酸化処理を行い、高温SPMウェット酸化処理、IPA乾燥処理を順に行うため、これらの一連の処理を完了するためには、スピンコーター、拡散炉およびウェット装置の合計3種類の装置が別々に用意される。また、比較例1の処理を行うときにも、スピンコーティング処理を行った後、ソフトベーク処理を行い、水蒸気酸化処理を行うため、これらの一連の処理を完了するためには、スピンコーターおよび拡散炉の2種類の装置が用意される。
【0036】
本実施形態の実施例1〜実施例3にて説明した製造方法では、製造装置1の1装置内にてシリコン酸化膜の形成処理を完了することができる。
なお、本実施形態の実施例1〜実施例3の製造方法では、過水素化シラザンコーターにてソフトベーク処理を行わないためポリマー膜3bが十分に硬化しない。したがって、FOUPにポリマー膜3bを形成した基板3を積載して搬送する場合、ポリマー膜3bがFOUPと接触して膜剥がれや発塵を生じたり、ポリマー膜3bに傷が生じたりするなどの虞があるが、本実施形態では、ポリマー膜3bがシリコン酸化膜に転換完了するまで1台の製造装置1内で行うことができるためその虞もなくなる。また、プロセスの最高温度を低く抑えることができ、さらに、低分子のポリシラザンポリマー成分の昇華脱離をほぼ完全に抑制することができる。
【0037】
すなわち、ポリマー膜3bは細い溝に対する優れた埋込性を実現するため、故意に膜中に低分子の過水素化シラザン成分を含ませるが、低分子の過水素化シラザンポリマー成分は昇華温度が低い。したがって、例えば比較例1、比較例2のようなプロセスを採用すると、コーターによるソフトベーク処理(150℃)や、拡散炉によるヒートリカバリー処理(350℃)の加熱処理を行っている間に膜中から低分子の過水素化シラザンポリマー成分が昇華脱離してしまうことが判明している。また、同様の蒸散は減圧下で顕著に生じるが、本製造装置1では酸化処理までの処理シーケンスは常圧で行われるため減圧による低分子量成分の蒸散も発生しない。
【0038】
なお、本実施形態ではポリマー膜3bを高温の過酸化水素水中に浸漬したが、これに代えて、過酸化水素水を高温のガス、例えば高温の水蒸気を含むキャリアガスで霧化してインレット8から基板3上に噴霧することで反応させるようにしても良い。この場合、前述した浸漬処理に比較して少量の過酸化水素水によって同等のシリコン酸化膜の転換効果を達成することができる。この場合、キャリアガスは、酸素、窒素、アルゴン等のガスを適用できる。
【0039】
本実施形態では、シリコン酸化膜を形成する製造装置1が、基板3上にシラザン結合を有するポリマーを有機溶媒等に溶解して塗布することでポリマー膜3bを形成するスピンコーティングユニット5と、該ポリマー膜3bを例えば70℃以上100℃以下の過酸化水素水溶液中に浸漬することにより、該ポリマー膜3bをシリコン酸化膜に転換する酸化ユニット6とを有している。
【0040】
ポリマー膜3bに起因した不純物の除去処理を最高温度150℃程度以下で行うことができるようになるので、不純物の基板3の下層への拡散を完全に抑制することが可能になると共にポリシラザン中の低分子ポリマー成分が昇華することによる膜収縮を抑制できる。シリコン酸化膜の転換処理が完了するまで最高温度を150℃に抑制できるので、ポリシラザンの酸化工程でのバーズビーク酸化発生のようなデバイス特性に影響を与えかねない副作用を最小限に抑えることができる。
【0041】
なお、本実施形態の酸化ユニット6ではインレット8にキャリアガスとしてホット窒素(N2)を導入することにより温純水を気化させて高温の水蒸気の形態で供給することもでき、高温水蒸気を用いることで処理時間の短縮が可能となる。
【0042】
本実施形態における製造装置1を適用すると、ポリマー溶液を塗布することでポリマー膜3bを形成するため、基板3の数10nmの狭い溝に対する埋込性及び均一性に優れた膜を成膜できる。しかも、300mm径以上の基板3上にも±2%程度の高い均一性を確保して形成することができる。また、埋込性に優れた良質なシリコン酸化膜を比較的低温にて形成することができる。これにより、性能の良い電子デバイスを提供できる。
シラザン結合を有するポリマー膜3bから高温のアニール工程を用いずに不純物の少ない良質の酸化膜を形成することができるので、下地構造の酸化/熱劣化を防ぐことができる。
【0043】
製造装置1が、ポリマー膜3bの塗布処理からシリコン酸化膜への転換処理まで1装置のみで完了できるので装置数、製造工程数を削減することができる。ポリマー膜3bの過酸化水素水溶液への浸漬、過酸化水素水溶液の排出、リンス洗浄、乾燥を一つの製造装置1内で完了できる。
【0044】
過酸化水素は金属との反応性が強くまた人体への毒性も強いが、加熱した過酸化水素水溶液でポリマー膜3bを加熱することにより、過酸化水素と接触する懸念が生じる基板3の加熱機構が不要になる。
【0045】
過酸化水素の残液を純温水リンスにより洗浄してドレーン10(排出機構)から排出することで、ウエット洗浄装置の安全機構を利用することが可能になり安全性確保が容易になる。
【0046】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、基板を搬送するための搬送機構の先端構造にある。前述実施形態と同一または類似の部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0047】
前述実施形態で示したように、ソフトベーク処理を行わないポリマー膜3bは軟らかく構造的に不安定な膜質であるため、製造装置1内においてポリマー膜3bに触れないように搬送することが求められる。
【0048】
図5(a)および図5(b)は、図2に示す搬送機構4に代わる搬送機構14の要部を示している。図5(a)は要部の斜視図を示し、図5(b)は要部の縦断面図を示している。この搬送機構14は、先端構造部4dに代わる先端構造部14dを備える。この先端構造部14dは、基端部14aから基板3の外周側部に沿って延設するアーム14b、このアーム14bの内周面に位置して内方にそれぞれ突起する複数の支持部14cを備える。
【0049】
図5(b)の縦断面図に示すように、搬送機構14が基板3を搬送するときには、複数の支持部14cが基板3の下面のベベル部3aを支持し、アーム14bが基板3の側面を水平状態に把持するため基板3の上面は水平状態に保持される。この場合、基板3の上面にはポリマー膜3bが形成されているものの、当該ポリマー膜3bは1〜3mm程度、基板3の周縁部において事前にエッジカット処理が行われるため、基板3のベベル部3a周辺に支持部14cが触れたとしても問題を生じることはない。
このような実施形態においても、搬送機構14の先端構造部14dがポリマー膜3bに触れることはなくなり、前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0050】
(第3実施形態)
図6ないし図9は、第3実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、過酸化水素水の浸漬処理、噴霧処理に代えて、ポリマー膜を過酸化水素水蒸気に曝露処理してシリコン酸化膜に転換する製造装置に適用したところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0051】
図6は、製造装置1に代わる本実施形態に係る製造装置15の構造図を模式的に示している。この図6に示すように、製造装置15は、搬送機構4に代わる搬送機構14を具備し、酸化ユニット6に代わる酸化ユニット16を具備している。
【0052】
図7は、酸化ユニットの縦断面構造図を図3に代えて示している。
この酸化ユニット16は、ポリマー膜3bを過酸化水素水蒸気に曝露処理するためのユニットである。この酸化ユニット16の上部には薬液および純水蒸気のインレット17が、過酸化水素水供給機構、リンス洗浄液供給機構として構成されている。また、酸化ユニット16の側部には基板3の乾燥用IPAのインレット18が構成されている。また、酸化ユニット16の下部には排液を排出するためのドレーン19が構成されている。また、酸化ユニット16の上部には、排気用の酸排気ダクト20、IPA排気のための有機ダクトに接続された乾燥用の真空排気ダクト21が構成されている。
【0053】
これらのインレット17、18、ドレーン19、酸排気ダクト20、真空排気ダクト21には、それぞれ、仕切弁17a、18a、19a、20a、21aが構成されている。これらの酸排気ダクト20および真空排気ダクト21は何れか一方を選択して接続できる。
【0054】
酸化ユニット16の内壁部16aの内面は全てテフロン(登録商標)系の樹脂によりコーティングされている。酸化ユニット16の内壁部16aの内面が樹脂成形されていても良い。酸化ユニット16の壁面は120℃(所定温度)で保持されている。この酸化ユニット16の壁面温度保持処理は例えば酸化ユニット16の壁面に内蔵されたヒータ、熱媒の循環などにより行うことができる。
【0055】
インレット17には気化器22が接続されている。インレット17に供給される過酸化水素蒸気は、30%の過酸化水素水溶液を液体MFC(マスフローコントローラ)で流量制御し、高温の気化器(生成器)22が気化させることで蒸気を生成する。
【0056】
図8は、気化器の構造例を示している。
この気化器22は、過酸化水素水のインレット23、渦巻管状に成形された熱交換管24、オリフィズ25、気化後の過酸化水素蒸気のアウトレット26を備えた熱交換器により構成される。過酸化水素水はインレット23に供給される。過酸化水素水の典型的な供給速度は200[sccm]である。この過酸化水素水は熱交換管24を通過する。熱交換管24の周囲にはランプヒータ27が配設されており、このランプヒータ27が熱交換管24を加熱することで過酸化水素水を気化する。オリフィズ25は配管内で突沸を抑制するため過酸化水素水を昇圧可能に設けられている。これにより、過酸化水素蒸気はアウトレット26から高温の蒸気またはミストとして放出されるようになる。このように過酸化水素水を最終段階にて気化させて蒸気として用いることで過酸化水素の熱分解を最小限に抑制することができる。
【0057】
図7に戻って、気化器22が気化した過酸化水素蒸気はシャワーノズル28を通じてサセプタ(ホルダ)29上に保持された基板3の上全面にほぼ均等に噴射される。この噴射された過酸化水素蒸気のうち凝縮した薬液はドレーン19を通じて酸化ユニット16外に排出される。また、過酸化水素を含有する気体は酸排気ダクト20から排出される。また、純水蒸気の凝縮した液体はドレーン19を通じて酸化ユニット16の外に排出される。以上の構造が酸化ユニット16として構成されている。
【0058】
なお、30%の過酸化水素水溶液を液体MFCで流量制御し高温に加熱したキャリアガスと混合して気化して蒸気を生成器により生成し、蒸気やガスを噴霧する噴霧機構がインレット17に接続されており、噴霧機構が蒸気を基板3上に吹き付けるようにしても良い。この場合のキャリアガスは窒素あるいは酸素を適用できる。そしてパージ用のガスを基板3上に吹き付ける吹付機構が構成されており、この吹付機構がパージ用のガスを吹き付けるようにすると良い。
【0059】
以下、この酸化ユニット16を適用した酸化処理について図9を参照して説明する。図9は、下記実施例4〜実施例8の処理シーケンスを示している。
<実施例4>
ポリマー膜3bの形成工程は実施例1に示した通りである。ポリマー膜3bが形成された基板3は酸化ユニット16内のサセプタ29に保持される。実施例4では、サセプタ29が基板3を保持した後、酸化ユニット16の内部にインレット17から150℃の過酸化水素蒸気を含む水蒸気を基板3上に噴射した。これにより、基板3を加温すると共に過酸化水素と反応させた。5分間の過酸化水素蒸気曝露後、インレット17から120℃の純水蒸気(リンス洗浄液)を2分間噴射し、過酸化水素を洗浄除去した。
【0060】
純水蒸気は過酸化水素水と同様に液体の状態で流量制御し最終段階で気化を行った。純水の典型的な供給速度は10[slm]である。噴射された純水蒸気のうち凝縮した液体はドレーン19を通じて酸化ユニット16の外部に排出される。次に、純水蒸気の供給を停止し、ドレーン19の仕切弁19aを閉止し、インレット18からIPA蒸気を供給し、基板3の表面の水分をIPA置換し、真空排気ダクト21からIPA蒸気および水分を排気することで基板3を乾燥させた。
【0061】
<実施例5>
実施例5では、実施例4の150℃の過酸化水素蒸気を含む水蒸気に代えて、180℃の過酸化水素蒸気を含む水蒸気を基板3上に噴射し、3分間過酸化水素蒸気に曝露した。その他の工程は実施例4と同一である。
【0062】
<実施例6>
純水は過酸化水素水と異なり排水の環境に対する悪影響がないため大流量にしても良いという利点がある。したがって、以下に説明する実施例6〜8では、スピンコーティング処理を行った後、過酸化水素蒸気を用いて基板3に加温する前に、純水蒸気を基板3の予熱に用いることで素早く昇温するようにしている。基板3を加温するために温純水に浸漬して予備加熱、または純水蒸気を噴射して予備加熱した。その他の工程は実施例4と同一である。
【0063】
<実施例7>
実施例7では、スピンコーティング処理を行い予備加熱した後、実施例5と同様に180℃の過酸化水素水蒸気を基板3上に噴射し、3分間過酸化水素蒸気に曝露した。その他の工程は実施例4と同一である。
【0064】
<実施例8>
実施例8では、スピンコーティング処理を行い予備加熱した後、実施例6、7の過酸化水素水蒸気曝露処理に代えて、150℃の30%過酸化水素蒸気に120℃の純水蒸気を混合して噴射し、3分間曝露した。その他の工程は実施例4と同一である。
【0065】
図9は、これらの実施例4〜実施例8の処理シーケンスと、それらの処理結果に基づく膜質の結果(炭素不純物の濃度、窒素不純物の濃度、固定電荷密度、850℃の不活性ガス中における熱処理後の膜収縮量)とを対応して示している。
【0066】
このような実施例4〜実施例8の処理シーケンスを適用することで、ポリマー膜3bはシリコン酸化膜に転換し溶媒起因の炭素あるいは炭化水素不純物の濃度を1020[atoms/cc]未満、過水素化シラザンのポリマーに起因する窒素の濃度を1021[atoms/cc]未満まで低下できることが確認されている。
【0067】
これらの実施例4〜実施例8では、それぞれ、比較例1または比較例2と比べて低い不純物濃度、低い膜収縮量、低い基板3の界面固定電荷密度を達成できることがわかる。ただし、第1実施形態の実施例1〜3では膜収縮量が第3実施形態の実施例4、5に比較して低くなっている。これは、過酸化水素蒸気のみを噴きつける場合、流量が少ないために基板3が昇温して酸化が進行する前に基板3の昇温によりポリマー膜3bから低分子ポリマー成分の一部が蒸散したためと考えられる。
【0068】
他方、最終的に得られるシリコン酸化膜中の不純物濃度は、第3実施形態の実施例4〜8において第1実施形態の実施例1〜3に比較して低くなっている。これは、過酸化水素蒸気処理は、過酸化水素水の浸漬処理と比較しても効率的な酸化および不純物除去が可能であることを示している。
【0069】
低分子ポリマー成分の蒸散は実施例6、7に示されるように、ポリマー膜3bを事前に温純水にて処理することでポリマー成分を温水と反応させて酸化定着し低分子ポリマー成分の昇華を抑制すると共に基板3の昇温速度を高めることが有効となっている。また、30%過酸化水素水蒸気はもともと水蒸気を含むが、実施例8に示すように、高温の水蒸気を混合することで、更に不純物(特に窒素不純物)を抑制できることがわかる。
【0070】
過酸化水素、ポリシラザンのポリマー及び膜中炭素不純物は、次の化学式に示すように、Si−H結合をSi−O結合に転換する。
【0071】
【化1】

【0072】
また、ポリシラザンのポリマーおよび水は、次の化学式に示すように、Si−N結合をSi−O結合に転換する。
【0073】
【化2】

【0074】
したがって、過酸化水素は活性酸素の供給源として炭素(C)やSi−H結合と反応するのに対し、水は主にSi−N結合と反応する。このため、炭素不純物や窒素不純物を含む過水素化シラザンポリマー膜3bをシリコン酸化膜に効率的に転換するには、過酸化水素、水の双方を供給すると良い。
【0075】
なお、前述実施形態と同様に、第3実施形態の実施例4〜8の何れの製造工程を採用しても、製造装置15はスピンコーティング処理からシリコン酸化膜の転換処理まで1台の装置で完了させることができる。すなわち、比較例1〜2に比較して装置数、工程数を削減できる。また、ポリマー膜3bの塗布形成処理からシリコン酸化膜への転換処理までを1台の製造装置15内で行い、ポリマー膜3bを形成した基板3の表面に触れることなく処理を連続的に行うことができる。
【0076】
さらに、本実施形態の製造装置15を採用することで、埋込性に優れた良質なシリコン酸化膜を比較的低温形成でき、低分子の過水素化シラザンポリマー成分の昇華脱離をほぼ完全に抑制しながら性能の良い電子デバイスを提供することができる。
【0077】
すなわち、本実施形態では、シリコン酸化膜を形成する製造装置15が、100℃以上200℃以下の過酸化水素蒸気を噴出することにより該ポリマー膜3bをシリコン酸化膜に転換する酸化ユニット16を備えている。
【0078】
ポリマー膜3bに過酸化水素蒸気を200℃以下(特には150℃以下)で反応させてシリコン酸化膜に転換させることで、ポリマー膜3bに含まれる低分子量成分の昇華による蒸散を防ぎ、低分子成分を膜中に保持できるので、空孔の少ない緻密なシリコン酸化膜形成が可能になり、高温工程での膜収縮を抑制することができる。
【0079】
本実施形態の製造装置15を用いると、ポリマー膜3bの過酸化水素水蒸気との反応処理、過酸化水素水の排液の排出、洗浄、乾燥を1台の製造装置15内で完了することができる。過酸化水素水溶液を噴霧することで少量の薬液で効率的な改質ができると共に過酸化水素の除去、乾燥が容易になる。
【0080】
過酸化水素の残液を純水蒸気により洗浄してドレーン19(排出機構)から排出することでウエット洗浄装置の安全機構を利用することが可能になり安全性確保が容易になる。
前述実施形態と同様に過酸化水素と接触する懸念のある基板加熱機構が不要になる。
【0081】
反応性の高い過酸化水素蒸気を安定な過酸化水素水溶液から生成することで過酸化水素の分解を最小限に抑えることができ、ポリマー膜3bをシリコン酸化膜へ効率的に転換できる。
【0082】
実施例8に示すように、過酸化水素蒸気に純水蒸気を混合して同時に気化させた反応ガスにポリマー膜3bを曝露することにより、ポリマー膜3bをシリコン酸化膜へ効率的に転換できる。過酸化水素のみで反応処理を行うのに比較して不純物濃度を低下させることができ、シリコン酸化膜への転換処理を効率的に行うことができる。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、各実施形態1〜3に示したユニット構成、プロセス条件に限定されることはなく、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
図面中、1、15は製造装置(シリコン酸化膜の製造装置)、3bはポリマー膜、4、14は搬送機構、5はスピンコーティングユニット、6、16は酸化ユニット、7はホルダ、8はインレット(過酸化水素水供給機構、リンス洗浄液供給機構)、10はドレーン(排出機構)、22は気化器(生成器)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シラザン結合を有するポリマーを有機溶媒に溶解した溶液を回転塗布してポリマー膜を形成するスピンコーティングユニットと、
前記スピンコーティングユニットにより前記ポリマー膜が形成された基板を当該ポリマー膜に触れることなく酸化ユニット内に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により基板が搬送されると、前記ポリマー膜に過酸化水素を含む加熱した水溶液への浸漬処理、過酸化水素を含む加熱した水溶液の噴霧処理、及び、過酸化水素蒸気を含む反応ガスへの曝露処理、の何れかを行うことにより前記ポリマー膜をシリコン酸化膜に転換する酸化ユニットと、を備え、
前記スピンコーティングユニットによるポリマー膜の形成処理および前記酸化ユニットによる前記ポリマー膜のシリコン酸化膜への転換処理を1装置内にて完了することを特徴とするシリコン酸化膜の製造装置。
【請求項2】
前記酸化ユニットが前記ポリマー膜を過酸化水素を含む加熱した水溶液へ浸漬して酸化するユニットであり、
前記酸化ユニットは、
前記搬送機構により搬送された基板を保持するホルダと、
加熱された過酸化水素を含む水溶液を前記基板に供給する過酸化水素水供給機構と、
前記基板を処理した後の排液を排出する排出機構とを具備することを特徴とする請求項1記載のシリコン酸化膜の製造装置。
【請求項3】
前記酸化ユニットが過酸化水素を含む加熱した水溶液を噴霧処理して前記ポリマー膜を酸化するユニットであり、
前記酸化ユニットは、
前記搬送機構により搬送された基板を保持するホルダと、
過酸化水素水をキャリアガスで霧化して前記基板上に噴霧する噴霧機構と、
前記基板を処理した後の排液を排出する排出機構とを具備することを特徴とする請求項1記載のシリコン酸化膜の製造装置。
【請求項4】
前記酸化ユニットが前記ポリマー膜を過酸化水素蒸気を含む反応ガスに曝露処理して酸化するユニットであり、
前記酸化ユニットは、
前記搬送機構により搬送された基板を保持するホルダと、
過酸化水素を気化させた蒸気を基板上に噴霧する噴霧機構と、
パージ用のガスを前記基板上に吹き付けるための吹付機構と、
前記基板を処理した後の排液を排出する排出機構とを具備することを特徴とする請求項1記載のシリコン酸化膜の製造装置。
【請求項5】
前記酸化ユニットは、
過酸化水素水溶液を熱交換器で加熱して気化させるか、または、過酸化水素水溶液を加熱したキャリアガスと混合することで気化させ、前記過酸化水素の蒸気を生成する生成器をさらに具備し、
前記噴霧機構は、前記生成器により生成された蒸気を基板上に噴霧することを特徴とする請求項4記載のシリコン酸化膜の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−60000(P2012−60000A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203040(P2010−203040)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】