説明

シリンジポンプ

【課題】シリンジポンプの小型軽量化を図り、ニードルから反応容器内壁に沿うように微量の試薬を注入することが可能で、有機合成実験での使用に最適なシリンジポンプを提供する。
【解決手段】シリンダボディ11aを保持するシリンダボディ保持部材15と、シリンダボディ保持部材から延設されたガイド部材16と、ガイド部材に設けられたシリンダボディ装着位置規制部材17と、ガイド部材に沿って移動可能に設けられたプランジャ摘み部保持部材18と、ガイド部材に平行に配置されてプランジャ摘み部保持部材に設けられた歯合部材20に歯合する雄ねじ部材20と、雄ねじ部材を回転駆動するモータ21と、シリンダボディ装着位置規制部材に設けられてプランジャ摘み部保持部材の上死点側移動限を検出するリミットスイッチ22と、モータ、リミットスイッチ及びエンコーダ23に信号ケーブル13を介して接続された操作ユニット14とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジポンプに関し、詳しくは、注射器又はマイクロシリンジから液体を送出するポンプであって、特に、有機合成実験において、微量の液体試料をマイクロシリンジから反応容器内に添加注入する際に最適なシリンジポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
注射器に吸引した薬液等を自動的に患者等に向けて送出するための機器として、従来からシリンジポンプが用いられている。一般的なシリンジポンプは、シリンダボディを固定するための固定機構と、プランジャを押動するための押動機構と、押動機構の動作を制御する制御部とが一体化されたものであり、注射器等をセットしたシリンジポンプを机上に配置し、患者等の送液先とはチューブで接続するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−24874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、有機合成実験の試薬添加作業では、作業者がマイクロシリンジを手に持った状態で試薬を反応容器内に注入しているのが実情である。この際、マイクロシリンジのニードル先端が反応容器の内壁に接するように持ち、プランジャの押し具合を手加減しながら試薬を注入している。
【0004】
このとき、従来のシリンジポンプを利用することもあるが、シリンジポンプを使用すると、ポンプと実験装置との距離が離れてしまうことが多く、シリンジポンプにセットしたマイクロシリンジのニードル先端に細いチューブを接続し、このチューブを実験装置の反応容器まで配管する必要があった。このような長い配管は、マイクロシリンジの吸引精度や送液精度に悪影響を及ぼし、配管内の液体が無駄になるといった問題がある。
【0005】
このため、シリンジポンプを反応容器の近くに設置し、配管の長さを最小限に抑えるという工夫も考えられるが、主に医療用として開発された従来のシリンジポンプは、その重量や操作性等を含めて有機合成実験に適したものとはいえず、微量の試薬を反応容器の内壁に沿うようにして正確に注入する必要がある有機合成実験での使用は困難である。
【0006】
また、各種検査を行う際に、一定量の試料や試薬を吸引して吐出するものも知られているが、これらはシリンジ内に吸引した液体の全量を反応容器内に単に吐出するだけのものであり、前述のように微量の試薬を僅かずつ添加する有機合成実験の試薬添加作業に使用することはできなかった。
【0007】
そこで本発明は、シリンジポンプの小型軽量化を図ることにより、シリンジポンプにセットしたマイクロシリンジのニードル先端から反応容器の内壁に沿うようにして微量の試薬を僅かずつ確実に注入することが可能で、有機合成実験での使用に最適なシリンジポンプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のシリンジポンプは、マイクロシリンジのシリンダボディを着脱可能に保持するシリンダボディ保持部材と、該シリンダボディ保持部材の一側から延設されたガイド部材と、該ガイド部材の基部側に移動可能に設けられたシリンダボディ装着位置規制部材と、該シリンダボディ装着位置規制部材より先端側の前記ガイド部材に沿って移動可能に設けられたプランジャ摘み部保持部材と、前記ガイド部材に平行に配置されて前記プランジャ摘み部保持部材に設けられた歯合部材に歯合する雄ねじ部材と、該雄ねじ部材を回転駆動するモータと、前記シリンダボディ装着位置規制部材に設けられて前記プランジャ摘み部保持部材の上死点側移動限を検出する検出手段と、前記モータ及び前記検出手段に信号ケーブルを介して接続され、前記モータの動作を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明のシリンジポンプは、前記シリンダボディ保持部材に、スタンド、三脚、自在アームの少なくとも一つに装着される支持部材装着部を設けたことを特徴とし、また、前記プランジャ摘み部保持部材に設けられた前記歯合部材は、前記雄ねじ部材に歯合する半割状雌ねじ部を有する雌ねじ部材と、該雌ねじ部材の前記雌ねじ部を前記雄ねじ部材との歯合位置と非歯合位置とに移動可能に保持するガイド部と、雌ねじ部の歯合位置方向に向かって前記雌ねじ部材を付勢するスプリングとを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシリンジポンプによれば、シリンダボディ装着位置規制部材に位置規制させた状態のマイクロシリンジをシリンダボディ保持部材により保持し、プランジャの摘み部をプランジャ摘み部保持部材に保持した状態でモータを作動させ、雄ねじ部材を回転させることによって、マイクロシリンジのニードル先端から反応容器内に液体試料(試薬)の注入を行うことができる。注入終了は、検出手段でプランジャ摘み部保持部材の上死点側移動限を検出することによって検出することができ、検出手段からの信号で制御手段がモータを停止させることにより、自動運転が可能になるとともに、自動停止することによってマイクロシリンジ等に大きな力が加わることもない。
【0011】
特に、制御手段をケーブル接続としてマイクロシリンジを装着する部分とは別体に形成することにより、マイクロシリンジを装着する部分の小型軽量化を図ることができ、適宜な支持手段、例えば、実験用の各種スタンド、撮影機材用の三脚、照明器具等に用いられている自在アームでマイクロシリンジを装着する部分を支持するとともに、ニードル先端が反応容器の内壁に接した状態にセットすることができる。
【0012】
また、雄ねじ部材に歯合する雌ねじ部を半割部材に形成し、この半割部材をスプリングにより雄ねじ部材に付勢させることにより、何らかの理由でプランジャ摘み部保持部材の動きが停止した場合でも、スプリングの付勢力に抗して半割部材が移動し、雄ねじ部材との歯合状態が解除されるので、プランジャ摘み部保持部材や雄ねじ部材、モータ等に無理な力が加わることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図は本発明のシリンジポンプの一形態例を示すもので、図1はポンプ本体を自在アームに装着した使用状態の一例を示す説明図、図2はポンプ本体の正面図、図3は同じく平面図、図4は図2のIV−IV断面図、図5は図2のV−V断面図、図6は図2のVI−VI断面図、図7は図2のVII−VII断面図である。
【0014】
本形態例に示すシリンジポンプは、マイクロシリンジ11を装着するポンプ本体12と、該ポンプ本体12に信号ケーブル13を介して電気的に接続した制御手段である操作ユニット14とで形成されている。マイクロシリンジ11は、有機合成実験で数マイクロリットルから数ミリリットル程度の微量の試薬を反応容器に僅かずつ注入する際に用いられる周知のマイクロシリンジであって、シリンダボディ11aの外径が6〜9mm程度、プランジャ11bのストロークが最大で70mm程度の市販のマイクロシリンジを使用できるようにしている。操作ユニット14の操作パネルには、各種設定を行うためのテンキー14aや動作確認のための表示灯(LED)14b、作動状態等を表示する表示部14c、スタートボタン等のスイッチ14dが設けられ、内部には、演算手段や記憶手段、入出力手段等の制御部が収納されている。
【0015】
ポンプ本体12は、マイクロシリンジ11のシリンダボディ11aを着脱可能に保持するシリンダボディ保持部材15と、該シリンダボディ保持部材15の一側から一対の丸棒材16a,16aを所定間隔で平行に延設したガイド部材16と、該ガイド部材16の基部側(シリンダボディ保持部材15側)に移動可能に設けられたシリンダボディ装着位置規制部材17と、該シリンダボディ装着位置規制部材17より先端側の前記ガイド部材16に沿って移動可能に設けられたプランジャ摘み部保持部材18と、前記ガイド部材16に平行に配置されて前記プランジャ摘み部保持部材18に設けられた歯合部材19に歯合してネジ送り機構を構成する雄ねじ部材20と、該雄ねじ部材20を回転駆動するモータ21と、前記シリンダボディ装着位置規制部材17に設けられて前記プランジャ摘み部保持部材18の上死点側移動限を検出する検出手段であるリミットスイッチ22と、前記モータ21に設けられたエンコーダ23とを有している。
【0016】
シリンダボディ保持部材15は、偏平な直方体形状を有する保持部材本体15aの一端面に設けられたV字溝15bと、該V字溝15bと平行な回動軸15cを中心として回動可能に設けられたクランプアーム15dと、V字溝15bに対向する端面から挿入されて先端がクランプアーム15dの基部に設けた係合ピン15eに係止したネジ棒15fと、該ネジ棒15fに歯合するロックナット15gとで形成され、V字溝15bの反対面には、実験用のスタンドやカメラ用三脚、自在アーム等に取り付ける際に使用する支持部材装着部としての雌ねじ孔15hが設けられている。
【0017】
なお、支持部材装着部は、支持部材の構造、形状に応じた任意の構造、形状で形成することができ、クランプやクリップ等で挟み込んで支持させることも可能である。例えば、スタンド31に取り付けた自在アーム32の先端に設けたボールジョイント33に支持部材としてクランプ34を取り付けるとともに、保持部材本体15aの下部両側面にクランプ34が係止する係止溝35を設け、さらに、クランプ34を所定位置で固定状態とするためのボールプランジャ36を設けておくことにより、ポンプ本体12を簡単なスライド操作でワンタッチで着脱でき、しかも、使用時にはボールプランジャ36により所定位置に保持しておくことができる。このように形成しておくことにより、マイクロシリンジ11をポンプ本体12と共に簡単に交換することが可能となり、装置の移動やメンテナンス等の作業も容易に行うことができる。
【0018】
クランプアーム15dは、シリンダボディ11aを保持する先端側が回動軸15cから次第に離れる方向の円弧状に形成されており、係合ピン15eは、回動軸15cを挟んで円弧状部の反対側に設けられ、この係合ピン15eと係合することによってネジ棒15fが回り止めされている。ロックナット15gをねじ緩め方向に回転させると、これに歯合しているネジ棒15fがV字溝15bに近付く方向に移動し、この移動に伴って係合ピン15eがV字溝15b方向に移動することにより、クランプアーム15dは、回動軸15cを中心として図4において時計回りに回動し、クランプアーム15dの先端がV字溝15bの上方から外れた解放位置(図4に想像線で示す位置)に移動する。
【0019】
上記クランプアーム15dの解放位置でV字溝15bにマイクロシリンジ11のシリンダボディ11aを載置し、ロックナット15gをネジ締め方向に回転させると、これに歯合しているネジ棒15fがV字溝15bから離れる方向に移動し、この移動に伴って係合ピン15eが反V字溝15b方向に移動することにより、クランプアーム15dは、回動軸15cを中心として図4において反時計回りに回動し、クランプアーム15dの先端がV字溝15bの上方に回動し、V字溝15bとクランプアーム15dとでシリンダボディ11aを挟み込んで固定した固定位置(図4に実線で示す位置)に移動する。また、ロックナット15gの締め付け方向には皿バネ15iが挿入されており、適度な締め付け力でシリンダボディ11aを保持するとともに、ロックナット15gが緩まないようにしている。
【0020】
したがって、ロックナット15gを回動操作するだけでマイクロシリンジ11をシリンダボディ保持部材15に着脱することができる。また、シリンダボディ保持部材15は、マイクロシリンジ11の全体を保持することなく、シリンダボディ11aの中間部を挟んで保持するように形成しているので、シリンダボディ11aの全長よりも短く、例えば、保持部材本体15aの長さ(V字溝15bの長さ)は数十mm程度、溝幅は10mmで十分であり、ネジ棒15fの長さも数十mm程度で十分であるから、シリンダボディ保持部材15の小型軽量化を図れる。
【0021】
ガイド部材16は、シリンダボディ保持部材15の一側、前記V字溝15bの一端と直交する位置にある保持部材本体15aの一端面からV字溝15bの軸線と平行な方向に延設されており、各丸棒材16a,16aの基端部は、保持部材本体15aの前記一つの端面に固着されたモータ固定板24の一対の保持孔24a内にそれぞれ挿入され、保持孔24aの側方からねじ込まれた固定ボルト24bによって固定されている。また、各丸棒材16a,16aの先端部は、エンド部材16bで保持されている。
【0022】
前記モータ固定板24は、前記丸棒材16aの固定とともに、モータ21を所定位置に固定するためのものであって、保持部材本体15aに対して、前記クランプアーム15dが解放位置にあるときの突出方向とは逆方向の位置にモータ固定用通孔24cが設けられている。
【0023】
モータ21には、駆動軸の回転数(回転角度)を制御可能な小型ステッピングモータあるいは小型DCモータが用いられており、駆動軸側には減速用のギアヘッド21aが装着され、反駆動軸側には駆動軸の回転数を検出するための前記エンコーダ23が装着された一体的なユニット構造を有している。ギアヘッド21aから突出した軸部にはカップリング21bを介して前記雄ねじ部材20が連結されており、ギアヘッド21aの端部をモータ固定板24のモータ固定用通孔24cに挿入してネジ止めすることにより、保持部材本体15aに隣接した状態でモータ21が固定される。カップリング21bに基端部が連結された雄ねじ部材20は、先端部がエンド部材16bで保持されることにより、その軸線がV字溝15bの軸線及びガイド部材16と互いに平行な状態となる。また、エンコーダ23によってモータ21の回転数を計測することにより、雄ねじ部材20の回転数を正確に算出することができ、これによってプランジャ摘み部保持部材18の位置や移動量を把握することで高精度な吸引及び送液を可能としている。
【0024】
ガイド部材16の基部に設けられたシリンダボディ装着位置規制部材17は、各丸棒材16aを挿通する一対の挿通孔17aを有する板状体からなるものであって、該挿通孔17aに丸棒材16aをそれぞれ挿通した状態で、挿通孔17aの側方からねじ込まれる固定ネジ17bによってガイド部材16の任意の位置で固定できるように形成されている。このシリンダボディ装着位置規制部材17の一側方には、シリンダボディ11aの後端に設けられているフランジ11cの外端面が当接する規制面17cが形成されており、この規制面17cにフランジ11cの外端面を当接させた状態でシリンダボディ11aを前記シリンダボディ保持部材15に保持させることにより、マイクロシリンジ11のシリンダボディ11aを一定の位置に取り付けられるようにしている。
【0025】
通常、シリンダボディ装着位置規制部材17の位置は、規制面17cにフランジ11cの外端面を当接させたときに、シリンダボディ保持部材15やエンコーダ23よりもニードル11dが十分に突出するように、例えば、ニードル11dの基部がシリンダボディ保持部材15やエンコーダ23よりも突出した状態になるように設定される。
【0026】
また、シリンダボディ装着位置規制部材17には、前記リミットスイッチ22を取り付けるための通孔が設けられており、外周にねじ部22aを設けたリミットスイッチ22が通孔を挿通して装着され、シリンダボディ装着位置規制部材17を挟んでねじ部22aに螺着した一対のナット22b,22bを操作することにより、リミットスイッチ22の軸方向の位置調整が行えるように形成されている。
【0027】
プランジャ摘み部保持部材18は、ガイド部材16の一方の丸棒材16aが挿通されるガイド孔18aと、プランジャ11bの摘み11eを保持する摘み保持部18bと、前記雄ねじ部材20に歯合する歯合部材19と、前記リミットスイッチ22の操作子22cを押動するスイッチ当接面18cとを有している。このプランジャ摘み部保持部材18は、ガイド孔18aに挿通した丸棒材16aにガイドされて移動し、その最大移動範囲は、ガイド部材16の先端に固着されたエンド部材16bとシリンダボディ装着位置規制部材17との間となる。
【0028】
摘み保持部18bは、前記V字溝15bにマイクロシリンジ11を載置するときの摘み11eの動きを考慮したもので、図1において上方が開口した溝状に形成され、V字溝15b側の側壁にはプランジャ11bの軸部を避ける切欠部18dが設けられている。また、摘み保持部18bの位置は、プランジャ摘み部保持部材18とシリンダボディ装着位置規制部材17とが当接したときに、シリンダボディ装着位置規制部材17によって位置規制されたシリンダボディ11aにプランジャ11bが最後まで押し込まれた上死点となるように設定されている。
【0029】
スイッチ当接面18cは、プランジャ摘み部保持部材18がシリンダボディ装着位置規制部材17方向に移動した上死点側移動限で操作子22cを押動し、リミットスイッチ22を作動させるものであって、リミットスイッチ22の作動によってモータ21を停止させ、プランジャ11bが上死点を超えて前進しないように設定されている。なお、プランジャ11bの上死点において、フランジ11cと摘み11eとの間隔が異なるマイクロシリンジ11に対しては、リミットスイッチ22の位置調整によって対応することができる。
【0030】
歯合部材19は、雄ねじ部材20に歯合する半割状雌ねじ部19aを有する雌ねじ部材19bと、該雌ねじ部材19bの雌ねじ部19aを雄ねじ部材20との歯合位置と非歯合位置とに移動可能に保持するガイド部19cと、雌ねじ部19aの歯合位置方向に向かって雌ねじ部材19bを付勢するスプリング19dとを備えており、雌ねじ部材19bの外面には、スプリング19dの付勢力に対抗して雌ねじ部19aを雄ねじ部材20との非歯合位置に移動させる際に使用する押しボタン部19eが設けられている。
【0031】
ガイド部19cは、プランジャ摘み部保持部材18の一側から突出する一対の突片からなるものであって、この一対の突片間に挟まれた状態で雌ねじ部材19bが移動できるように形成されている。また、ガイド部19cとなる各突片には、雄ねじ部材20を挿通するための通孔が設けられている。
【0032】
雌ねじ部材19bは、通常は、前記スプリング19dの付勢力によって雌ねじ部19aが雄ねじ部材20と歯合した状態となっており、雄ねじ部材20の回転に伴って歯合部材19が雄ねじ部材20の軸方向に移動し、歯合部材19と一体的に形成されているプランジャ摘み部保持部材18がガイド部材16に沿って移動することにより、摘み11eを介してプランジャ11bをシリンダボディ11a方向に前進あるいはその逆方向に後退させる。
【0033】
何らかの原因でプランジャ11bやプランジャ摘み部保持部材18の移動抵抗が異常に上昇した場合には、ネジ斜面の効果によってスプリング19dの付勢力に対抗して雌ねじ部材19bが非歯合方向に移動し、雌ねじ部19aと雄ねじ部材20との歯合状態が解放されるので、プランジャ11bやプランジャ摘み部保持部材18等に無理な力が加わることがなくなり、マイクロシリンジ11を含めたポンプ本体12の破損を未然に防止できる。
【0034】
そして、押しボタン部19eを押し込んで雌ねじ部材19bを非歯合方向に移動させることにより、雌ねじ部19aと雄ねじ部材20と歯合状態を解除してプランジャ摘み部保持部材18をガイド部材16に沿って任意の位置に移動させることができるので、摘み保持部18bの位置を、シリンダボディ11aから引き出したプランジャ11bの摘み11eの位置に対応した位置に手動で簡単に移動させることができる。また、押しボタン部19eによってプランジャ摘み部保持部材18を自由に移動できることにより、ポンプ本体12にマイクロシリンジ11を装着した状態で、液体の吸入や吐出を手動で行うことができ、例えば、シリンジ内部の洗浄を行ったりすることができ、また、送液運転中に手動で緊急停止させることもできる。
【0035】
このように形成したシリンジポンプは、シリンダボディ保持部材15をシリンダボディ11aよりも短く形成でき、従来のようにマイクロシリンジ全体を保持するのに比べて小型化することができる。また、ガイド部材16は、市販の金属製細棒材、例えば外径6mmのアルミロッドに簡単な加工を施すだけでよく、電機部品関係等を除く各部材をアルミニウムやエンジニアリングプラスチックで形成することにより、従来に比べて大幅な軽量化を図ることができる。
【0036】
特に、操作ユニット14をポンプ本体12とは別体に形成することにより、マイクロシリンジ11を保持するポンプ本体12を大幅に軽量化することができる。また、比較的重量のあるモータ21等をシリンダボディ保持部材15に沿うように配設してシリンダボディ保持部材15の部分あるいはその近傍に重心が位置するように形成したことにより、マイクロシリンジ11を装着したポンプ本体12を簡単な構造、機構のスタンドや三脚、自在アーム等の支持手段を利用し、さらに、ボールジョイントを併用することにより、マイクロシリンジ11を任意の位置に任意の姿勢で安定した状態でセットすることが可能となる。
【0037】
また、シリンダボディ装着位置規制部材17によってシリンダボディ保持部材15やエンコーダ23よりもニードル11dが十分に突出するようにマイクロシリンジ11を装着することにより、小さな反応容器を使用するときでもニードル11dの先端を反応容器の内壁に接した状態とすることができる。加えて、操作ユニット14は、手近な机上に置いて操作できるので、ポンプ本体12の位置に関係なく良好な操作性が得られる。
【0038】
そして、雄ねじ部材20としてJIS規格の長ネジ、例えば、M3×P0.5の転造ネジを用いることにより、雌ねじ部材19bとのネジ送り機構が簡素で、かつ、安価に形成できるだけでなく、十分な精度を得ることができる。さらに、転造ネジは、ネジ面の粗度が良好なため、雌ねじ部19aとの摺動状態が円滑になるなどの利点を有していることから、精度、寿命、価格に関して大きなメリットが得られ、吸引、吐出操作を高精度で、かつ、長期にわたって安定して行うことができる。
【実施例1】
【0039】
使用するマイクロシリンジ11は、ポンプ本体12の寸法に応じて市販の各種マイクロシリンジを使用可能であるが、シリンダボディ11aの胴部外径がクランプアーム15dの把持範囲内、例えば、φ6〜φ9の範囲であり、プランジャ11bのストロークがプランジャ摘み部保持部材18の移動範囲内、例えば70mm以下であることが条件となる。また、図1に示すように、スタンド31に取り付けた自在アーム32の先端のボールジョイント33によりポンプ本体12を支持し、ポンプ本体12及びマイクロシリンジ11の位置、姿勢を調節可能とする。
【0040】
シリンダボディ装着位置規制部材17の固定ネジ17bを操作し、モータ固定板24との距離が適当な位置、例えば10mmとなる位置に固定する。続いて、クランプアーム15dを開いた状態で、フランジ11cの外端面をシリンダボディ装着位置規制部材17の規制面17cに当接させるようにしてシリンダボディ11aをV字溝15bに載置するとともに、プランジャ11bの引き出し長さを調節して摘み11eを摘み保持部18bに嵌め込み、ロックナット15gを締め付けてマイクロシリンジ11をポンプ本体12に装着する。このとき、シリンダボディ11aに設けられている目盛が視認できるようにしておくことが好ましい。
【0041】
押しボタン部19eを押し込んだ状態でプランジャ摘み部保持部材18をガイド部材16に沿って前後させ、スムーズな動きを確認したら、プランジャ摘み部保持部材18をプランジャ11bの上死点まで移動させる。この状態でナット22b,22bを操作し、リミットスイッチ22の位置調整を行う。リミットスイッチ22の位置調整は、操作ユニット14に設けたリミットスイッチ作動確認灯(表示灯14b)の点灯状態を確認しながら行うことができ、上死点での点灯を確認した位置でナット22b,22bを締め付けてリミットスイッチ22を固定する。
【0042】
ニードル11dの先端を、送液する液体(試薬)中に挿入した状態で、操作ユニット14を操作してモータ21により雄ねじ部材20を逆回転させ、プランジャ摘み部保持部材18をガイド部材16に沿って後退させることにより試薬を吸引する。このときの液量の確認は、シリンダボディ11aの目盛によって行うことができる。また、送液量と同量の試薬を吸引する必要はなく、送液量よりも多めに試薬を吸引するようにしてもよい。例えば、100μlのマイクロシリンジ11に70μl吸引したものから40μlだけを吐出し、残りの30μlは廃棄するようにしてもよく、第一段階で40μl吐出し、第二段階で残りを吐出するようにしてもよい。さらに、試薬の吸引をモータ21の作動により行っているので、操作ユニット14では、エンコーダ23からの信号により、吸引開始からの雄ねじ部材20の回転数をカウントして記憶する。
【0043】
吸引した試薬の全量を所定の流量で送液する場合は、操作ユニット14に送液時間を入力する。例えば、試薬を70μl吸引した状態で送液時間として「1時間」を入力すれば、試薬を70μl/時間の流量で送液する状態となる。すなわち、使用するマイクロシリンジ11のサイズに関係なく、操作ユニット14では、リミットスイッチ22が作動している位置から現在の位置へプランジャ11bを引き出すまでの雄ねじ部材20の回転数を記憶しているので、この回転数を時間で除した速度で雄ねじ部材20を正回転させることにより、その時間内で試薬の全量を吐出して送液することができる。
【0044】
例えば、ハミルトン社製の100μlのマイクロシリンジで70μl吸引した場合を考えると、現在のプランジャ摘み部保持部材18の位置はリミットスイッチ22の作動点(上死点)から約42.5mm後退した点にあり、雄ねじ部材20のピッチが0.5mmの場合の回転数は85回転となる。したがって、吸引した70μlの全量を1時間かけて吐出するということになれば、雄ねじ部材20を85(回転)/60(分)=約1.41rpmで回転させればよいことになる。
【0045】
ポンプ本体12の位置を調節し、ニードル11dの先端を反応容器の内壁に接した状態とし、操作ユニット14を操作して送液を開始する。送液が終了してプランジャ11bが上死点に達すると、スイッチ当接面18cが操作子22cを押動し、リミットスイッチ22が作動してモータ21は自動的に停止する。したがって、送液開始後は、所定流量での所定量の試薬の添加を自動的に行うことができる。
【実施例2】
【0046】
あらかじめ所定量の試薬を吸引した状態のマイクロシリンジ11をポンプ本体12に装着する場合は、前述の手順により、あらかじめシリンダボディ装着位置規制部材17及びリミットスイッチ22の位置調整を行った後、ポンプ本体12からマイクロシリンジ11を取り外し、手動操作によって所定量の試薬をマイクロシリンジ11に吸引する。
【0047】
試薬を吸引したマイクロシリンジ11のシリンダボディ11aをV字溝15bに載置しながら、フランジ11cの外端面をシリンダボディ装着位置規制部材17の規制面17cに当接させるとともに、摘み11eを摘み保持部18bに嵌め込んだ後、ロックナット15gを締め付けてマイクロシリンジ11を固定する。
【0048】
このとき、プランジャ摘み部保持部材18は、モータ21で雄ねじ部材20を逆回転させてあらかじめ求めておいた所定位置に移動させておく。例えば、実施例1と同様に、70μlの試薬を送液しようとする場合には、雄ねじ部材20を逆方向に85回転させて上死点から約42.5mm後退した位置に移動させておく。すなわち、押しボタン部19eを押し込んでプランジャ摘み部保持部材18を移動させると、操作ユニット14で雄ねじ部材20の回転数に基づいて記憶しているプランジャ摘み部保持部材18の位置と、現在のプランジャ摘み部保持部材18の位置とが異なってしまうため、実施例1のような送液操作は行えないことになる。
【0049】
上述のようにしてマイクロシリンジ11をポンプ本体12に装着した後、吸引した全量を送液する場合は、実施例1と同様に操作ユニット14に送液時間をセットして送液を開始する。プランジャ摘み部保持部材18があらかじめ設定された位置にあるので、実施例1と同様にリミットスイッチ22が作動するまで送液が行われ、所定量の試薬を所定流量で送液することができる。
【実施例3】
【0050】
まず、前述のようにしてシリンダボディ装着位置規制部材17及びリミットスイッチ22の位置調整を行う。なお、本実施例では、リミットスイッチ22の作動点は、前記同様に上死点に合わせてもよいが、上死点より手前でリミットスイッチ22が作動するように設定しておくこともできる。
【0051】
まず、プランジャ11bの上死点と下死点の設定を行う。上死点の設定は、モータ21を作動させてプランジャ11bを前進させ、目視によりプランジャ11bが上死点に達したことを確認した位置で停止させる。そして、この位置が演算上の上死点であることを操作ユニット14に入力する。続いてモータ21を逆回転させ、プランジャ11bを後退させてプランジャ11bを目盛のフルスケールの位置で停止させ、この位置を演算上の下死点であることを操作ユニット14に入力する。これにより、上死点から下死点までの雄ねじ部材20の回転数が操作ユニット14に記憶される。操作ユニット14では、これらの値をもとにして雄ねじ部材20の回転数と送液量(プランジャ11bの移動量)との関係を演算する。
【0052】
そして、プランジャ11bを上死点に移動させた後、モータ21を作動させて試薬の吸引を行う。このときの吸引量は、プランジャ11bを下死点まで後退させたフルスケールの液量であってもよく、任意の位置までとしてもよい。例えば、100μlのマイクロシリンジ11に全量を吸引する場合は、吸引液量として「100」を入力すると、100μlの試薬が吸引される。
【0053】
次に、操作ユニット14に送液流量を入力して設定した後、所望の送液量又は送液時間を入力する。例えば、流量を「70μl/時間」に設定した後、送液量として「70」を、あるいは、送液時間として「1時間」を入力すると、70μl/時間の流量で、70μlの試薬が、1時間をかけて送液されることになる。また、送液量と送液時間とを操作ユニット14に入力して送液することもできる。例えば、送液量として「70μl」を、送液時間として「1時間」を入力すると、1時間をかけて70μlの試薬が送液されることになる。このときの送液流量は70μl/時間となる。
【0054】
なお、フルスケールの液量を入力するにあたり、そのマイクロシリンジ11の実際の量を別に計測しておき、この値を入力すれば、より正確に送液することができる。また、リミットスイッチ22の作動点を上死点より手前に設定した場合は、プランジャ11bが上死点まで前進する前にリミットスイッチ22が作動してモータ21が停止するので、フルスケールの全量を送液することはできないが、これによって送液量等が変化することはない。
【実施例4】
【0055】
まず、使用するマイクロシリンジ11のプランジャ11bの外径を計測し、計測したプランジャ11bの外径を操作ユニット14に入力する。また、前述のようにしてシリンダボディ装着位置規制部材17及びリミットスイッチ22の位置調整を行う。本実施例においても、リミットスイッチ22の作動点を実施例1,2と同様にプランジャ11bの上死点に合わせた設定としてもよいが、上死点より手前でリミットスイッチ22が作動するように設定しておくこともできる。
【0056】
プランジャ11bを上死点(リミットスイッチ22の作動点)に移動させ、操作ユニット14に吸引液量を入力して試薬の吸引を行う。マイクロシリンジ11への吸引液量は、プランジャ11bの断面積とその移動量とから求めることができ、プランジャ11bの移動量は、雄ねじ部材20のネジピッチから求めることができる。例えば、プランジャ11bの外径が約1.4mmで、雄ねじ部材20のネジピッチが0.5mmとすれば、100μlを吸引するときの雄ねじ部材20の回転数は、約120回転となる。
【0057】
次に、操作ユニット14に所望の送液流量を設定し、送液量又は送液時間を操作ユニット14に入力してスタートさせる。例えば、送液流量を70μl/時間に設定し、送液量として「70」を、あるいは、送液時間として「1時間」を入力すると、70μl/時間の流量で、70μlの試薬が、1時間をかけて送液されることになる。このときの雄ねじ部材20の回転速度は、前記同様に約1.41rpmとなり、雄ねじ部材20は、1時間かけて約85回転することにとなる。吸引した試薬の全量を送液する場合は、送液流量を設定してスタートさせれば、本例では、70μl/時間の送液流量で、吸引した100μlの全量が送液され、リミットスイッチ22が作動したときに停止することになる。
【実施例5】
【0058】
実施例1と同様にしてマイクロシリンジ11をポンプ本体12に装着した後、押しボタン部19eを押した状態でプランジャ摘み部保持部材18をプランジャ11bの上死点付近まで移動させる。続いてモータ21を作動させ、プランジャ11bの上死点の僅かに手前まで前進させた後、この状態でリミットスイッチ22の位置調整を行う。このように、上死点の僅か手前でリミットスイッチ22が作動するように設定することにより、マイクロシリンジ11の破損をより確実に防止することができる。
【0059】
プランジャ摘み部保持部材18を後退させた状態でマイクロシリンジ11を取り外し、試薬を所要量より過剰に吸引する。このように試薬を過剰に吸引しておくことにより、ポンプ本体12にマイクロシリンジ11を取り付ける際にプランジャ11bが移動して吸引した試薬が僅かに押し出されたとしても、マイクロシリンジ11には所要量以上の試薬が吸引された状態で残っていることになる。例えば、プランジャ摘み部保持部材18を下死点近くまで後退させてからマイクロシリンジ11を取り外し、所要量70μlに対して、プランジャ11bの下死点近くまで、例えば100μlを吸引しておくことにより、30μlの余裕を見込むことができる。
【0060】
そして、プランジャ11bの外径を操作ユニット14に入力すると、現在のプランジャ摘み部保持部材18の位置、すなわち、マイクロシリンジ11を取り外す前に回転させた雄ねじ部材20の回転数とプランジャ11bの外径とに基づいて、マイクロシリンジ11内の液量が算出され、操作ユニット14の表示部14cに表示される。ここで、試薬の所要量を入力すると、例えば「70μl」と入力すると、それに対するプランジャ摘み部保持部材18の位置、すなわち雄ねじ部材20の回転数が算出され、液量が70μlに対応した位置になるまで雄ねじ部材20が回転し、プランジャ11bを前進させて余剰の試薬、例えば約30μlを排出する。このとき、マイクロシリンジ11内に吸引したかもしれないエアを同時に排出することができる。これにより、リミットスイッチ22が作動するまでに70μlを送液できる状態となる。
【0061】
なお、プランジャ11bの外径は、一つひとつ正確に計測するようにしてもよいが、主なマイクロシリンジについては操作ユニット14に型番と共に記憶させておき、これを呼び出すようにしてもよく、取扱説明書に記載した数値を入力するようにしてもよい。
【0062】
送液は、実施例4と同様に、操作ユニット14に所望の送液流量を設定し、送液量又は送液時間を操作ユニット14に入力してスタートさせることにより行うことができる。また、この場合、送液量として「70μl」と入力してもよく、「全量」と入力してもよい。また、70μlより少ない送液量を入力した場合は、例えば送液量として「50μl」と入力すると、70μl/時間の送液流量で50μlが送液された時点でモータ21が停止し、送液が終了することになる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ポンプ本体を自在アームに装着した使用状態の一例を示す説明図である。
【図2】ポンプ本体の正面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図2のV−V断面図である。
【図6】図2のVI−VI断面図である。
【図7】図2のVII−VII断面図である。
【符号の説明】
【0064】
11…マイクロシリンジ、11a…シリンダボディ、11b…プランジャ、11c…フランジ、11d…ニードル、11e…摘み、12…ポンプ本体、13…信号ケーブル、14…操作ユニット、14a…テンキー、14b…表示灯、14c…表示部、14d…スイッチ、15…シリンダボディ保持部材、15a…保持部材本体、15b…V字溝、15c…回動軸、15d…クランプアーム、15e…係合ピン、15f…ネジ棒、15g…ロックナット、15h…雌ねじ孔、15i…皿バネ、16…ガイド部材、16a…丸棒材、16b…エンド部材、17…シリンダボディ装着位置規制部材、17a…挿通孔、17b…固定ネジ、17c…規制面、18…プランジャ摘み部保持部材、18a…ガイド孔、18b…摘み保持部、18c…スイッチ当接面、18d…切欠部、19…歯合部材、19a…半割状雌ねじ部、19b…雌ねじ部材、19c…ガイド部、19d…スプリング、19e…押しボタン部、20…雄ねじ部材、21…モータ、21a…ギアヘッド、21b…カップリング、22…リミットスイッチ、22a…ねじ部、22b…ナット、22c…操作子、23…エンコーダ、24…モータ固定板、24a…保持孔、24b…固定ボルト、24c…モータ固定用通孔、31…スタンド、32…自在アーム、33…ボールジョイント、34…クランプ、35…係止溝、36…ボールプランジャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロシリンジのシリンダボディを着脱可能に保持するシリンダボディ保持部材と、該シリンダボディ保持部材の一側から延設されたガイド部材と、該ガイド部材の基部側に移動可能に設けられたシリンダボディ装着位置規制部材と、該シリンダボディ装着位置規制部材より先端側の前記ガイド部材に沿って移動可能に設けられたプランジャ摘み部保持部材と、前記ガイド部材に平行に配置されて前記プランジャ摘み部保持部材に設けられた歯合部材に歯合する雄ねじ部材と、該雄ねじ部材を回転駆動するモータと、前記シリンダボディ装着位置規制部材に設けられて前記プランジャ摘み部保持部材の上死点側移動限を検出する検出手段と、前記モータ及び前記検出手段に信号ケーブルを介して接続され、前記モータの動作を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするシリンジポンプ。
【請求項2】
前記シリンダボディ保持部材には、スタンド、三脚、自在アームの少なくとも一つに装着される支持部材装着部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のシリンジポンプ。
【請求項3】
前記プランジャ摘み部保持部材に設けられた前記歯合部材は、前記雄ねじ部材に歯合する半割状雌ねじ部を有する雌ねじ部材と、該雌ねじ部材の前記雌ねじ部を前記雄ねじ部材との歯合位置と非歯合位置とに移動可能に保持するガイド部と、雌ねじ部の歯合位置方向に向かって前記雌ねじ部材を付勢するスプリングとを備えていることを特徴とする請求項1記載のシリンジポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−139719(P2007−139719A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337486(P2005−337486)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(591245543)東京理化器械株式会社 (36)
【Fターム(参考)】