説明

シロキサン星形グラフトポリマー、それによりコーティングされたセラミック粉末、及びコーティングされたセラミック粉末を調製する方法

【課題】フラクタル性が制御されたポリマーによりコーティングされたセラミック粉末を提供すること。
【解決手段】複数のセラミック粒子とそれらの粒子の少なくとも一部を封入しているシロキサン星形グラフトコーティング用ポリマーを含んで成るコーティングされたセラミック粉末であって、前記コーティング用ポリマーが、
Si(w,x,y,z)
(式中、w、x、y及びzはそれぞれ4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性モノマー単位のモル%であり、w、x、y及びzはそれぞれ約45〜75、約5〜25、約5〜45及び約5〜10である)
を含んで成る、コーティングされたセラミック粉末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、1996年4月4日に出願された「セラミック粉末コーティング(Ceramic Powder Coatings )」と題された米国仮特許出願第60/014,838号に関連するものであって、その優先権の利益を享受する。
【0002】
本発明は概してセラミック粉末コーティングに関する。より詳細には、本発明はセラミック粉末をコーティングしてそのような粉末を油、ポリマー及び水中に分散させることができるシロキサン星形グラフトポリマーに関する。
【背景技術】
【0003】
セラミック粉末は、本来親水性の無機組成物であり、次の特徴のうちの1つ以上を付与するにはコーティングを必要とする:
(1) 表面を有機溶剤のような有機物質によりぬれるか又は有機溶剤のような有機物質と親和性であるものにするためにコーティングが必要とされる。表面のぬれはセラミック粉末/有機物分散液を調製するのに必要とされる。
(2) セラミック粉末の表面を皮膜で保護するのにコーティングが必要とされる。
(3) アナタース型チタニア(TiO2 )を光活性のないものにするのにコーティングが必要とされる。
(4) エポキシ基、カルボキシル基等のような特定の官能基がセラミック粉末表面上に必要な場合にコーティングが必要とされる。
(5) 相分離しない分散相水性イオン性ゲルを形成するのにコーティングが必要とされる。
【0004】
本明細書において使用する場合に、用語「セラミック」は、限定するわけではないが二酸化チタン(TiO2 ;往々にして「チタニア」と呼ばれる)、アルミナ(Al23 )、酸化亜鉛(ZnO)、及びγ−Fe23 (褐色)、α−Fe23 (赤色)及び四酸化三鉄(Fe34 ;黒色;往々にして「マグネタイト」と呼ばれる)等の酸化鉄を包含する金属酸化物、並びに限定するわけではないが二酸化ケイ素(SiO2 ;往々にして「シリカ」と呼ばれる)を包含する非金属酸化物を意味する。
【0005】
従来より無機表面は吸収、イオン交換及び共有結合形成により変性されてきた。吸収及びイオン交換による表面変性は、表面が適切な化学的特性を有していることを必要とする。無機表面への共有結合形成を可能にする反応は概してヒドロキシル性表面上への反応を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グラフト重合及び封入によっても無機表面をコーティングすることができる。懸濁粉末の存在下での粉末の沈降により又はその粉末を含むポリマー溶液の噴霧乾燥により無機粉末をコーティングすることができる。しかしながら、これらの慣用的方法によると、不均一なコーティングが生じ、コーティングされた凝集塊の形成が起こる。吸着された化学種により開始されるグラフト重合又は吸着された化学種の共重合を伴うグラフト重合は、均一なポリマーコーティングを与える。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシロキサン星形グラフトポリマーコーティングは、Sol-Gel Science, C.J. Brinker 及びG.W. Scherer, Academic Press,1990, 第3及び4章に記載されている酸触媒型シリケートゾルから誘導されるものである。そのような酸触媒型シリケートゾルはケイ素をベースとするフラクタルなポリマーであり、その構造は2次元的に図1に示されている。本発明のシロキサン星形グラフトポリマーは、出発点として、フラクタルな主鎖の特定部分に結合しているこのポリマー形態を3次元的にとり、それによって分子設計された無機表面/稀釈相互作用を用いてフラクタルな星形グラフトコポリマーを形成する。そのようなシロキサン星形グラフトポリマーを調製する本発明の方法に固有のことは、望ましいだけの枝分かれの確度を生じさせることによって種々のフラクタル性を制御することにある。そのような制御は、望ましい官能基及び反応性を有するモノマーの選択により実現される。
【0008】
ケイ素をベースとするポリマーは、本明細書では次の用語を使用して引用する:
Si(w,x,y,z)
(式中、w、x、y及びzは、ゾルを合成する際に使用される4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性モノマーのモル%をそれぞれ示す)。ケイ素の全モル数に対する水の全モル数の比(H2 O/Si)をRと呼ぶ。Rはポリマー分枝度の目安となる。
【0009】
本発明のシロキサン星形グラフトポリマーコーティングは、溶液中で特定のモノマーを反応させてシロキサンをベースとするポリマーを形成させることにより形成される。このコーティングは微粒子を封入する。
【0010】
コーティングされたセラミック粉末は、複数のセラミック粒子と、これらの粒子の少なくとも一部を封入しているシロキサン星形グラフトコーティング用ポリマーを含んで成る。このコーティング用ポリマーは、
Si(w,x,y,z)
(式中、w、x、y及びzはそれぞれ4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性モノマー単位のモル%であり、wは約20〜100 であり、x、y及びzはそれぞれ約0〜30、約0〜50及び約0〜10であり、x、y及びzのうちの少なくとも1つは0よりも大きい)
を含んで成る。
【0011】
好ましいコーティングされたセラミック粉末において、セラミックはTiO2 、Al23 、ZnO、酸化鉄又はSiO2 である。前記酸化鉄はγ−Fe23 、α−Fe23 又はFe34 である。
【0012】
セラミックがTiO2 である場合には、コーティングされたセラミック粉末は、TiO2 粉末中に表面欠陥を導入し、それによりコーティングされたTiO2 粉末を光活性のないものにするAl+3中心をさらに含む。
【0013】
好ましいコーティングされた粉末において、
wはテトラエチルオルトシリケートであり;
xは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びn−プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれ;
yは、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン及びn−オクチルメチルジメトキシシランからなる群から選ばれ;並びに
zは、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリエチルシラノール、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシランからなる群から選ばれる。
【0014】
上記コーティングされたセラミック粉末を調製する方法は、
(a) 4官能性シロキサンモノマーと、3官能性シロキサンモノマー、2官能性シロキサンモノマー及び単官能性シロキサンモノマーのうちの少なくとも1つとを重合させる工程;
(b) パージされた反応容器内に所定量のセラミック粉末を加える工程;
(c) 前記セラミック粉末の実質的に全てがぬれるのに十分な時間前記セラミック粉末を剪断混合する工程;
(d) 工程(a) において調製されたシロキサンポリマーを、剪断混合された前記セラミック粉末を含む前記反応容器に加える工程;
(e) 剪断混合された前記セラミック粉末と前記シロキサンポリマーとを十分な時間剪断混合し、シロキサンポリマーでコーティングされたセラミック粉末を形成させる工程;
(f) 前記反応容器内に残留している成分から前記コーティングされたセラミック粉末を分離する工程;
を含む。
【0015】
好ましい方法において、セラミックはTiO2 、Al23 、ZnO、Fe23 又はSiO2 である。
【0016】
セラミックがTiO2 である場合には、TiO2 粉末に表面欠陥を導入することによりTiO2 粉末を光活性のないものにするために、さらに所定量のアルミニウムトリ−sec −ブトキシドが工程(b) において任意に反応容器に加えられる。
【0017】
好ましい方法において、
前記4官能性シロキサンモノマーはテトラエチルオルトシリケートであり;
前記3官能性シロキサンモノマーは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びn−プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれ;
前記2官能性シロキサンモノマーは、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン及びn−オクチルメチルジメトキシシランからなる群から選ばれ;並びに
前記単官能性シロキサンモノマーは、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリエチルシラノール、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシランからなる群から選ばれる。
セラミック粒子をコーティング及び封入するためのシロキサン星形グラフトポリマーは、
Si(w,x,y,z)
(式中、w、x、y及びzはそれぞれ4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性モノマー単位のモル%であり、wは約20〜100 であり、x、y及びzはそれぞれ約0〜30、約0〜50及び約0〜10であり、x、y及びzのうちの少なくとも1つは0よりも大きい)
を含んで成る。
【0018】
好ましい星形グラフトコーティング用ポリマーにおいて、
wはテトラエチルオルトシリケートであり;
xは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びn−プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれ;
yは、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン及びn−オクチルメチルジメトキシシランからなる群から選ばれ;並びに
zは、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリエチルシラノール、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシランからなる群から選ばれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記ケイ素をベースとするポリマーにおけるw、x、y及びzの値は、それぞれ20〜100 、0〜30、0〜50及び0〜10の範囲に及ぶ。シロキサン主鎖のフラクタル性及びシロキサン主鎖の化学的性質、すなわちコーティング分子の特定の希釈剤との熱力学的親和度を制御するために種々の組み合わせが使用される。基の化学的な素性も広い範囲に及んでよい。同様に、Rは1〜6に及び、反応媒体の酸性は広い範囲に及ぶ。コーティング中に導入されてもよいモノマーの例には、限定するわけではないが、表1に掲載するものが含まれる。
【0020】
【表1】

【0021】
A.コーティング用ポリマーを調製するための一般手順
以下はSi(70, 13.275, 10, 5 )及びR=1.12により規定されるコーティング用ポリマーを調製するための一般手順である:
(1) 以下の化学物質を乾燥窒素によりパージされた反応容器に加え、攪拌する:
(a) 61mlの無水エタノール(Aldrich # 27764.9 又はその等価物);
(b) 43.04 mlのテトラエチルオルトシリケート(TEOS FW 208.33, Aldrich # 33385-9 又はその等価物);
(c) 15.45 mlのn−オクチルデシルトリメチルオキシシラン(n-ODTMS FW 374.68, Petrach # O9780又はその等価物);
(d) 3.84mlのジフェニルジメトキシシラン(DPDMS FW 244.36, Petrach # D6010又はその等価物);
(e) 2.15mlのトリメチルエトキシシラン(TMES FW 118.25, Petrach # T2970 又はその等価物);
(f) 3.67mlの脱イオン水;
(g) 2.0 mlの0.1 N塩酸(VWR カタログ番号第VW3200-1又はその等価物)。
(2) 混合物を60℃で1.5 時間加熱する。
(3) 調製されたゾルを5℃で貯蔵する。
【0022】
B.コーティングされたセラミックポリマーのための回分法
以下はコーティングされたセラミック粉末を10ガロンバッチ内で調製するための高剪断混合により最適化された方法についての説明である。
【0023】
(1) コーティング用ポリマーの調製
(a) 10リットル反応容器を乾燥窒素でパージし、攪拌する。
(b) 1527mlの無水エタノール、1039mlのテトラエチルオルトシリケート、387 mlのn−オクチルデシルトリメトキシシラン、156 mlのジフェニルジメトキシシラン、81mlのトリメチルエトキシシラン、93mlの脱イオン水、及び50mlの0.1 N塩酸を加える。
(c) 60℃で1.5 時間加熱する。
(d) 5℃で貯蔵する。
上記回分法により調製される生成物はおよそ15重量%(wt%)のコーティング用ポリマーを含む。
【0024】
(2) コーティングされたTiO2 ポリマーの調製
(a) 粉末をぬらす;Alアンダーコートを加える:
50リットル不動態化容器をアルゴンでパージし、攪拌する。
20リットルの適切な反応溶剤(例えば無水エタノール、エタノール及び/又はイソプロパノール)と5kgのTiO2 粉末を加える。
555 mlの適切な反応溶剤(例えば、無水エタノール、エタノール及び/又はイソプロパノール)、アルミニウムトリ−sec −ブトキシド(ASTB)とおよそ500 mlのイプロパノールを混合する。
アルゴン圧力置換によりカニューレを通じて小さな流れでASTB溶液を加える。ASTBの添加によって、TiO2 粉末中にAl+3中心の表面欠陥が導入され、それによって粉末が光反応性のないものとなる。
(b) 稀釈する;粉末をコーティングする;
4リットルの反応溶剤を加える。
7000rpm で30分間高剪断混合する。コーティング反応が進行するにつれて温度が上昇する。大規模反応は、温度が50℃を超えるようであれば冷却されることが必要である。
3333mlの15wt%のコーティング用ポリマーを加える。
7000rpm で30分間高剪断混合する。
(c) 分離及び精製する:
6リットルの脱イオン水を加える。
7000rpm で20分間高剪断混合する。
遠心分離により集める。
(d) 場合に応じて、手順(c) を繰り返すことにより洗浄する。
(e) 場合に応じて、湿潤ケークを乾燥させる。
【0025】
(3) 分散液の調製
乾燥粉末又は湿潤ケークを有機キャリアー流体、例えばFinsolvに加える。
必要であれば反応溶剤を除去する。
完全に混合する。
【0026】
C.特定のコーティング例
(1) サンスクリーン−Si(67.5, 13.275, 10, 7.5 )/テトラエチルオルトシリケート、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン;R=1.12, Δ60℃ 1.5時間。
(2) 水溶性−Si(70, 20, 5, 5)/テトラエチルオルトシリケート、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン;R=1.12, Δ60℃ 1.5時間、エポキシ官能側基を、例えばβ−アラニンのようなアミノ酸;例えばエチレンジアミンのようなジアミン;又は、例えば亜硫酸ナトリウム、又はアニオン−、カチオン−若しくは両性イオン官能基のような他の適切な官能基と反応させる。
(3) アクリレートポリマー−Si(60, 20, 15, 5 )/テトラエチルオルトシリケート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン;R=1.12, Δ60℃ 1.5時間。
(4) エポキシポリマー−Si(60, 20, 15, 5 )/テトラエチルオルトシリケート、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン;R=1.12, Δ60℃ 1.5時間。
(5) 疎水性油−Si(45, 13.275, 34.275, 7.5 )/テトラエチルオルトシリケート、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン;R=1.12,Δ60℃ 1.5時間;又はSi(45, 6.64, 40.91, 7.5)/テトラエチルオルトシリケート、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン;R=1.12,Δ60℃ 1.5時間。
【0027】
本発明の特定の要素、態様及び適用を示し説明したが、当業者が特に上記教示を鑑みて変更を加えることができるであろうから、当然のことながら本発明はこれらに限定されない。従って、添付の請求の範囲は、本発明の真意及び範囲に含まれる態様を導入するような変更をも包含する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、その構造を2次元的に表したフラクタルなケイ素をベースとするポリマーの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミック粒子とそれらの粒子の少なくとも一部を封入しているシロキサン星形グラフトコーティング用ポリマーを含んで成るコーティングされたセラミック粉末であって、前記コーティング用ポリマーが、
Si(w,x,y,z)
(式中、w、x、y及びzはそれぞれ4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性モノマー単位のモル%であり、w、x、y及びzはそれぞれ約45〜75、約5〜25、約5〜45及び約5〜10である)
を含んで成る、コーティングされたセラミック粉末。
【請求項2】
前記セラミックがTiO2 である請求項1記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項3】
前記TiO2 粉末に表面欠陥を導入することによりコーティングされた前記TiO2 粉末を光活性のないものにするAl+3中心をさらに含む請求項2記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項4】
前記セラミックがAl23 である請求項1記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項5】
前記セラミックがZnOである請求項1記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項6】
前記セラミックが酸化鉄である請求項1記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項7】
前記酸化鉄がγ−Fe23 である請求項6記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項8】
前記酸化鉄がα−Fe23 である請求項6記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項9】
前記酸化鉄がFe34 である請求項6記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項10】
前記セラミックがSiO2 である請求項1記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項11】
wがテトラエチルオルトシリケートであり;
xが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びn−プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれ;
yが、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン及びn−オクチルメチルジメトキシシランからなる群から選ばれ;並びに
zが、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリエチルシラノール、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシランからなる群から選ばれる請求項1記載のコーティングされたセラミック粉末。
【請求項12】
複数のセラミック粒子とそれらの粒子の少なくとも一部を封入しているシロキサン星形グラフトコーティング用ポリマーを含んで成るコーティングされたセラミック粉末の調製方法であって、
(a) 4官能性シロキサンモノマー、3官能性シロキサンモノマー、2官能性シロキサンモノマー及び単官能性シロキサンモノマーを重合させる工程;
(b) 反応容器内に所定量のセラミック粉末を加える工程;
(c) 前記セラミック粉末の実質的に全てがぬれるのに十分な時間前記セラミック粉末を剪断混合する工程;
(d) 工程(a) において調製されたシロキサンポリマーを、剪断混合された前記セラミック粉末を含む前記反応容器に加える工程;
(e) 剪断混合された前記セラミック粉末と前記シロキサンポリマーとを十分な時間剪断混合し、シロキサンポリマーでコーティングされたセラミック粉末を形成させる工程;
(f) 前記反応容器内に残留している成分から前記コーティングされたセラミック粉末を分離する工程;
を含む方法。
【請求項13】
前記セラミックがTiO2 である請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記TiO2 粉末に表面欠陥を導入することにより前記TiO2 粉末を光活性のないものにするために、さらに所定量のアルミニウムトリ−sec −ブトキシドが工程(b) において反応容器に加えられる請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記セラミックがAl23 である請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記セラミックがZnOである請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記セラミックが酸化鉄である請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記酸化鉄がγ−Fe23 である請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記酸化鉄がα−Fe23 である請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記酸化鉄がFe34 である請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記セラミックがSiO2 である請求項12記載の方法。
【請求項22】
前記4官能性シロキサンモノマーがテトラエチルオルトシリケートであり;
前記3官能性シロキサンモノマーが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びn−プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれ;
前記2官能性シロキサンモノマーが、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン及びn−オクチルメチルジメトキシシランからなる群から選ばれ;並びに
前記単官能性シロキサンモノマーが、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリエチルシラノール、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシランからなる群から選ばれる請求項12記載の方法。
【請求項23】
請求項12〜22のいずれか1項に記載の方法により調製されるコーティングされたセラミック粉末。
【請求項24】
セラミック粒子をコーティング及び封入するためのシロキサン星形グラフトポリマーであって、
Si(w,x,y,z)
(式中、w、x、y及びzはそれぞれ4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性モノマー単位のモル%であり、w、x、y及びzはそれぞれ約45〜75、約5〜25、約5〜45及び約5〜10である)
を含んで成るポリマー。
【請求項25】
wがテトラエチルオルトシリケートであり;
xが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びn−プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれ;
yが、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン及びn−オクチルメチルジメトキシシランからなる群から選ばれ;並びに
zが、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリエチルシラノール、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシランからなる群から選ばれる請求項24記載の星形グラフトポリマー。

【図1】
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【公開番号】特開2007−92063(P2007−92063A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−248645(P2006−248645)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【分割の表示】特願平9−536259の分割
【原出願日】平成9年3月28日(1997.3.28)
【出願人】(501066794)ナノフェイズ テクノロジーズ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】