スイッチユニット及び画像形成装置。
【課題】 押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押圧手段の押し込み量に変動があっても、スイッチを切りかえることができるとともに、スイッチの破損を抑制することができるドアスイッチユニット、及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 スイッチを少なくとも押圧手段の押圧方向に対して移動可能としているので、押圧手段の押し込み量が押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも増大しても、スイッチが押圧方向に増大分だけ移動できる。このため、押圧手段のスイッチへの押し圧力を軽減することができ、スイッチの破損を抑制できる。また、弾性部材によって、スイッチを押圧手段の押圧方向と反対方向に付勢しているので、スイッチが押圧手段と弾性的に当接し、押圧手段からスイッチのON/OFFが切り換わる程度の押し圧力がスイッチに付与される。
【解決手段】 スイッチを少なくとも押圧手段の押圧方向に対して移動可能としているので、押圧手段の押し込み量が押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも増大しても、スイッチが押圧方向に増大分だけ移動できる。このため、押圧手段のスイッチへの押し圧力を軽減することができ、スイッチの破損を抑制できる。また、弾性部材によって、スイッチを押圧手段の押圧方向と反対方向に付勢しているので、スイッチが押圧手段と弾性的に当接し、押圧手段からスイッチのON/OFFが切り換わる程度の押し圧力がスイッチに付与される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の筐体を開閉するドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFが切り換わるドアスイッチユニット、及びドアスイッチユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の画像形成装置では、ジャム処理等を行うためのドアが設けられている。この種の画像形成装置に設けられるスイッチユニットの一例としては、安全上、ドアが開いている状態のときは画像形成装置の動作が行われないよう、ドアの開放動作に連動して画像形成装置の電源を遮断するインターロックスイッチが知られている(特許文献1)。
【0003】
図13は、従来のインターロックスイッチ1100の一例を示す図である。従来のインターロックスイッチ1100は、図13に示すように、2つのネジ1420、1410によって装置本体の側壁720に固定されている。インターロックスイッチ1100のドア側側面1110aには、ドア側に付勢されたボタン1110と、このボタン1110と当接するレバー1120を備えている。このレバー1120を押し込むことで、ボタン1110がスイッチ内部に移動し、スイッチがON状態となる。ドアスイッチ1100には、端子1130が設けられており、装置の電源回路と接続されている。また、図示しないドアには、押圧手段としての押し当て棒500を有している。
ドアを閉めていくと、押し当て棒500が図中a方向に移動してレバー1120と当接する。更にドアを閉めていくと、押し当て棒500がレバー1120を装置本体側へ押し込んでいく。レバー1120が装置本体側へ押し込まれると、ボタン1110がレバー1120によってスイッチ内部へ押し込まれ、インターロックスイッチ1100がOFF状態からON状態に切り換わる。このように、ボタン1110がレバー1120によってスイッチ内部へ押し込まれインターロックスイッチ1100がON状態でドアが閉じられる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−116668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のインターロックスイッチ1100では、押し当て棒500の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押し当て棒500のレバー1120を押し込む量が基準の押し込み量よりも減少すると、レバーが押し込まれずに、インターロックスイッチ1100がOFF状態のままでドアが閉じられてしまう問題があった。
そこで、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、スイッチ1100が押し当て棒500によって押圧されるようにスイッチを配置することも考えられる。しかしながら、従来のインターロックスイッチ1100は、図13に示すように、2つのネジ1420、1410によって装置本体の側壁720に固定されている。このため、押し当て棒500のレバー1120を押し込む量が基準の押し込み量より増大すると、レバー1120が必要以上に押圧されて変形したり、インターロックスイッチ1100が破損したりする問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押圧手段の押し込み量に変動があっても、スイッチを切りかえることができるとともに、スイッチの破損を抑制することができるドアスイッチユニット、及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、筐体または、該筐体を開閉するドアの一方にスイッチを備え、他方に該スイッチを押圧する押圧手段を備え、該ドアの開閉動作によって該押圧手段が該スイッチを押圧することで、該スイッチのON/OFFが切り換わるドアスイッチユニットにおいて、該スイッチを少なくとも該押圧手段の押圧方向に対して移動可能に構成し、該押圧手段の押圧方向と反対方向に該スイッチを付勢する弾性部材を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のスイッチユニットにおいて、上記弾性部材を絶縁体で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのスイッチユニットにおいて、上記筐体またはドアのどちらか一方に取り付けられ、上記スイッチを支持するブラケットを備え、該ブラケットは、上記押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面に対向する背面部を備え、該背面部と、該押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面との間に上記弾性部材が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットにおいて、上記筐体またはドアのうち、上記スイッチが取り付けられる方には、該スイッチを取り付けるための軸孔または、軸を備え、該スイッチは、該軸孔または軸に押圧方向に対して回転自在に取り付けられることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、筐体を開閉するドアの開閉動作によって装置内の所定の電源をON/OFFするスイッチ手段を備えた画像形成装置において、該スイッチ手段として請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットを用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1乃至6の発明によれば、スイッチを少なくとも押圧手段の押圧方向に対して移動可能に構成している。このため、押圧手段の押し込み量が押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも増大しても、スイッチが押圧方向に増大分だけ移動することができる。このため、押圧手段のスイッチへの押し圧力を軽減することができ、スイッチの破損を抑制することができる。また、弾性部材によって、スイッチを押圧手段の押圧方向と反対方向に付勢しているので、スイッチが押圧手段と弾性的に当接し、押圧手段からスイッチのON/OFFが切り換わる程度の押し圧力がスイッチに付与される。これにより、ドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを良好に切りかえることができる。
また、押圧手段の押し込み量が押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、上記スイッチが押圧手段によって押圧方向に移動するような位置にスイッチを配置しておけば、以下のような効果を有することができる。すなわち、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、確実に押圧手段がスイッチを押し圧することができる。その結果、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、ドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを確実に切りかえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置について説明する。
まず、本画像形成装置の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【0010】
この画像形成装置1は、画像を形成するための画像形成ユニット2、装置本体1の前面側(図1中手前側)から抜き差し可能で、多数枚の用紙Pを積載して収納する給紙カセット41を備えている。また、装置本体1の上方には、原稿を読み取る画像読取部11が配設されている。
【0011】
上記画像形成ユニット2は、キャリッジ23、キャリッジ23をガイドするキャリッジガイド21を備えている。また、キャリッジ23には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B−1(ブラック)、B−2(ブラック)色のそれぞれインク液を用紙に吐出する吐出口を備えた図示しないヘッドがそれぞれ設けられている。
【0012】
上記画像形成ユニット2は、搬送ベルト31を備えており、この搬送ベルト31は、駆動ローラ32及び従動ローラ33に適当なテンションで掛け渡されている。駆動ローラ32は、図示しない駆動モータによって所定の回転速度で回転駆動され、それに伴い搬送ベルト31も所定の速度で回転する。また、搬送ベルト31表面を帯電させる帯電ローラ34を有しており、帯電ローラ34には図示しない高圧電源から電圧が印加されている。また、この画像形成ユニット2は、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするガイド部材(プラテン)35と、用紙Pを駆動ローラ32に対向する位置で搬送ベルト31に押し付ける押さえコロ36とを備えている。
画像形成ユニット2は、装置本体から着脱可能に設けられている。
【0013】
また、装置本体内には、インクカートリッジ34C、34B−1、34B−2、34M、34Yを収容したカートリッジ装填部35を有している。各インクカートリッジ34C、34B−1、34B−2、34M、34Yは、図示しない供給ポンプに接続しており、供給ポンプを適宜駆動して、インクカートリッジ34内のインク液を、キャリッジ23に供給している。また、各色のインクカートリッジ34は、カートリッジ装填部35に対し着脱可能に取り付けられている。
【0014】
上記画像読取部11は、コンタクトガラス12上に載置された原稿(不図示)の読み取り走査を行うための、原稿照明用光源13とミラー14よりなる第1走行体15と、2つのミラー16、17からなる第2走行体18とが往復移動自在に配設されている。読み取り走行体15、18により走査された画像情報は、レンズ19の後方に設置されているCCDなどの画像読み取り素子20に画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。画像処理された信号に基づいて、上記画像形成部2により、用紙Pに画像が形成される。
【0015】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データを外部の機器から通信ケーブル或いはネットワークを介して受信可能であり、受信した画像データを処理して画像形成することができる。画像形成部2で形成する画像データを入力する外部機器としては、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取装置、デジタルカメラなどの撮像装置などが挙げられる。
【0016】
次に、本実施形態の画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
まず、画像読取部11のコンタクトガラス12上に原稿をセットし、不図示のスタートスイッチを押す。すると、第1走行体15および第2走行体18が走行して、第1走行体15で光源13から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体18に向ける。第2走行体18に向けられた原稿面からの反射光は、第2走行体18のミラーで反射され、レンズ19を通して画像読み取り素子20に入れられ、原稿内容が読み取られ、画像データが生成される。または、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部機器から通信ケーブル等を介して画像情報である画像データが送られる。
【0017】
次に、給紙カセット41から用紙Pを繰り出し、分離ローラ42及びフリクションパッド43で1枚ずつ分離して搬送する。搬送された用紙は、給紙ローラ対49で画像形成ユニット2へ搬送される。画像形成ユニット2へ搬送された用紙Pは、押さえコロ36により搬送ベルト31に押さえつけられる。搬送ベルト31の表面は帯電ローラ34によって帯電されており、用紙Pを静電的に吸着させる。静電的に吸着させられた用紙Pは、搬送ベルト31によってキャリッジ23と対向する位置へ搬送させられる。用紙Pがキャリッジ23と対向する位置まできたら、搬送ベルト31の移動を停止して、キャリッジ23が画像データに応じて主走査線方向に往復移動しながら、停止した用紙の所定箇所に所定のインク液を吐出して1ライン分の画像を用紙Pに記録する。ここで、1ラインとは、用紙Pを停止させた状態で、図示しないヘッドが用紙Pへ記録可能な副走査線方向の範囲を言う。主走査線方向に1ライン分の記録が終了したら、搬送ベルト31を所定時間駆動させ、用紙を1ライン分移動させて停止する。そして、上述同様、キャリッジ23が画像データに応じて主走査線方向に往復移動しなが1ライン分の画像を記録する。このような工程を所定回数繰り返し行い、用紙に所望の画像を形成する。所望の画像が形成された用紙Pは、排紙ローラと拍車とからなる排紙ローラ対74、75、76、77によって排紙トレイ7へ搬送される。
【0018】
この画像形成装置1は、開閉可能な開閉ドアを複数備えている。開閉ドアは、用紙搬送路内で用紙詰まりが検知されたとき、開閉可能な開閉扉を開いて、外部から用紙搬送路に詰まった用紙を取り除くようになっている。また、インクカートリッジ34のインクが無くなったことが検知されたとき、開閉ドアを開いて、新たなインクカートリッジ34と交換できるようになっている。
【0019】
図2(a)は、画像形成装置の開閉ドアの位置を示す図であり、図2(b)は、開閉ドアが開いた状態を示す図である。
図2(a)に示すように、画像形成装置は、画像形成装置の右側側面に第1の開閉ドア50、左側側面に第2の開閉ドア51を備えている。また、排紙トレイ7には、第3の開閉ドア52、第4の開閉ドア53が設けられている。また、画像形成装置の正面には、第5の開閉ドア54が設けられている。図2(b)に示すように、第1および第2の開閉ドア50、51は、画像形成装置側面に対して下側へ回動することで、開くようになっている。また、第3の開閉ドア52は、排紙トレイ7に対して上側へ回動することで開くようになっており、第4の開閉ドア53は、排紙トレイ7に対して図中右側へ水平移動させることで開くようになっている。用紙搬送路内で用紙詰まりが検知されたときに、これら第1〜第4の開閉ドアを開いて、画像形成装置内から詰まった用紙を排出する。
第5の開閉ドア54は、図中手前側へ回動することで開くようになっており、新たなインクカートリッジ34と交換できるようになっている。
【0020】
これら開閉ドアには、それぞれ画像形成装置の電源をON/OFFするためのインターロックスイッチが設けらており、開閉ドアが開いた状態ときに、スイッチがOFFとなり、画像形成装置の電源が切れるようになっている。
以下、第1開閉ドアの開閉によって、電源がON/OFFされるインターロックスイッチ100について説明するが、各開閉ドアに設けられるインターロックスイッチ100は、第1開閉ドアに設けられるインターロックスイッチ100と同様の構成を有している。
【0021】
図3は、第1開閉ドア50の斜視図であり、図4は、孔部60周辺の拡大図である。図3、図4に示すように、第1開閉ドア50が開いたときに第1開閉ドア50の姿勢を保持する保持部材62が固定されている面62aには、孔部60とインターロックスイッチユニット100が内側から取り付けられる取り付け部61が設けられている。また、図3に示すように、保持部材62が固定されている面62aには、第1開閉ドア50の開閉を検知する検知部材63が取り付けられている。この検知部材63は、保持部材62が固定されている面62aから突出するボタン63aが設けられている。第1開閉ドア50が閉まった状態のとき、このボタン63aと第1開閉ドア50とが当接して、ボタン63aを装置内側へ押し込む。これにより、検知部材63は、第1開閉ドアが閉まった状態であると検知することができる。なお、本実施形態では、インターロックスイッチユニット100とは別に、第1開閉ドア50の開閉を検知する検知部材63が取り付けられているが、インターロックスイッチユニット100で、電源をON/OFFする機能と第1開閉ドアが閉まった状態であると検知する機能とを兼用させるようにしても良い。
【0022】
図5は、インターロックスイッチユニット100の斜視図である。図5に示すように、インターロックスイッチユニット100は、ブラケット120にインターロックスイッチ110と、弾性部材130とが取り付けられている。
インターロックスイッチ110は、図示しない軸孔を備え、この軸孔にネジ140を挿入してインターロックスイッチ110をブラケット120の側板121に回転自在に取り付ける。インターロックスイッチ110のドア側側面110aには、ドア側に付勢されたボタン111と、このボタン111と当接するレバー112を備えている。ボタン111がスイッチ内部にあるときは、スイッチがON状態となり、このボタン111がスイッチ110から突出している状態のときは、スイッチがOFF状態となる。また、レバー112は、このボタン111と当接して、ボタン111を容易にドアスイッチ内部へ移動させるために設けられている。このレバー112を押し込むことで、ボタン111がスイッチ内部に移動し、スイッチがON状態となる。ドアスイッチ110の装置本体側側面110bには、端子113が設けられており、装置の電源回路と接続されている。
【0023】
弾性部材130は、ブラケット120の側板121から延びてドアスイッチ110の装置本体側側面と対向する背面部122に取り付けられており、ドアスイッチ110の装置本体側側面110bと当接している。これにより、装置本体に開閉ドア50と対向する壁面71が形成されていなくても、インターロックスイッチ110を押し圧棒50a側へ付勢することができる。
【0024】
弾性部材130の弾性係数は、ボタン111の弾性係数よりも高く設定されており、ボタン111がレバー112によってスイッチ内部に移動した後に、弾性部材130が変形するようになっている。
【0025】
図6(a)、(b)は、インターロックスイッチユニット100の動作を説明する図である。図6(a)に示すように、第1開閉ドア50には、押し当て棒50aを有している。図6(a)に示す矢印a方向に第1開閉ドア50を移動させて、第1開閉ドア50を閉めていくと、押し当て棒50aが孔部60を貫通してレバー112と当接する。更に矢印a方向に第1開閉ドア50を移動させて、第1開閉ドア50を閉めていくと、レバー112が押し当て棒50aによって装置本体側へ移動させられる。レバー112が装置本体側へ移動すると、ボタン111がレバー112によってスイッチ内部へ移動する。そして、レバー112がボタン111をスイッチ内部へ約半分くらい押し込んだところで、インターロックスイッチ110がOFF状態からON状態に切り換わる。さらに、第1開閉ドア50を閉めていくと、図6(b)に示すように、レバー112がインターロックスイッチ110のドア側側面110aと当接して、ボタン111を完全にスイッチ内部に埋没させる。この状態から、さらに第1開閉ドア50を閉めていくと、インターロックスイッチ110が弾性部材130を変形させながら、図中b方向に回転移動する。そして、図6(b)に示すように、弾性部材130が変形した状態で第1開閉ドア50が閉じた状態となる。
【0026】
押し当て棒50aのインターロックスイッチ110の押し込み量は、押し当て棒50aの寸法誤差や、第1開閉ドア50の組付け誤差などによって変動する。押し込み量が最小となったときでも弾性部材が1[mm]以上圧縮するように、インターロックスイッチユニット100の組付け位置が設定されている。これにより、押し当て棒の寸法誤差や、第1開閉ドアの組付け誤差などがあっても、第1開閉ドアを閉じたとき、確実にインターロックスイッチ110がOFF状態からON状態に切り換えることができる。また、弾性部材130の厚みは、押し込み量が最大となったときでも押し込み量を吸収できるような厚みに設定されている。これにより、押し当て棒50aによってレバー112などが変形するのを防止することができる。本実施形態においては、弾性部材130の厚みを6[mm]としている。
【0027】
また、図5に示すように、インターロックスイッチ110の装置側側面110bには、接続端子113が設けられている。このため、インターロックスイッチ110の装置側側面110bと当接する弾性部材130と接続端子とが近い位置に配置される。弾性部材130を非絶縁性の材質で構成した場合、何かのはずみで弾性部材130と接続端子113とが接触すると、ショートして装置やインターロックスイッチが故障するなどの不具合を発生するおそれがある。このため、弾性部材130は、非絶縁性の材質で構成するのが好ましい。
【0028】
さらに、弾性部材130は、圧縮残留歪みが低く、長期に渡り反発性が維持できる部材で構成するのが好ましい。弾性部材130が圧縮残留歪みの高い部材である場合、弾性部材130のへたりによって、反発性が維持できなくなってしまう。弾性部材130の反発性が得られなくなってしまうと、弾性部材130のドア側への付勢力がボタン111のドア側への付勢力よりも小さくなってしまう。弾性部材130のドア側への付勢力がボタン111のドア側への付勢力よりも小さくなってしまうと、押し当て棒50aでレバーを押し圧したとき、レバーによってボタンがスイッチ内部へ移動せずに、インターロックスイッチ全体が回転してしまう。その結果、ドアを閉じた状態でも、ボタンがスイッチ内部へ移動せずに、スイッチがON状態に切り換わらない不具合が生じる。
また、上述したように、第1開閉ドア50が閉じた状態のとき、弾性部材130は圧縮している。第1開閉ドア50は、ほとんどが閉じた状態であるため、弾性部材130は、長期間圧縮した状態となっている。弾性部材130が圧縮残留歪みの高い部材である場合、弾性部材130がへたってきて、反発性が維持できなくなってしまう。すると、ドアが閉じた状態で、インターロックスイッチ110のボタン111の付勢力によって、インターロックスイッチ本体が装置本体側へ回転する。すると、ボタン111がインターロックスイッチの本体から突出して、インターロックスイッチ110のスイッチがON状態からOFF状態になってしまう。その結果、画像が形成できない状態となってしまう。しかし、弾性部材130を圧縮残留歪みが低く、長期に渡り初期の厚みを維持することができる部材で構成すれば、経時にわたり弾性部材130の反発性を維持することができ、上記不具合が生じることを抑制することができる。
【0029】
弾性部材130の圧縮永久歪みは、JIS−K6410の条件に従って求めたものである。具体的には、50%圧縮後70℃×22時間放置し、その後解放する。そして、解放してから30分径過後の厚み変化を求めた値である。弾性部材130の圧縮永久歪みは、(1/2)(1[mm]/弾性部材の厚み[mm])×100[%]以下のものが好ましい。弾性部材130の圧縮永久歪みが(1/2)(1[mm]/弾性部材の厚み[mm])×100[%]以上の場合、押し込み量が最小のときに経時にわたり十分な反発力が得られず、上記のような不具合が発生してしまう。なお、本実施形態においては、弾性部材の厚みを6[mm]としているので、圧縮永久歪みは、(1/2)(1/6)×100=8[%]以下が好ましい。
【0030】
上述したように、本実施形態に用いられる弾性部材130としては、圧縮永久歪みが8[%]以下で、絶縁性のものが好ましく、高密度マイクロセルウレタンフォームやシリコンフォームからなる発泡体が好ましい。具体的には、PORON(商標)や、ナンネックス(商標)のBF−1000や、HT−800シリーズが好ましい。
【0031】
次に、インターロックスイッチユニット100は、上述に限らず、種々変更可能である。例えば、図7に示すように弾性部材130をバネで構成するようにしても良い。この場合、バネは、絶縁性の材料で構成したり、金属などの非絶縁性の部材に絶縁性の材料をコーテイングしたりする等して、バネを絶縁性とすることが好ましい。これにより、端子113との接触によるショートを防ぐことができる。
【0032】
また、図8や、図9に示すように、インターロックスイッチユニット100を回動自在に装置本体に取り付けて、押し当て棒50aの押し込みを吸収するようにしてもよい。この場合は、図8、図9に示すように、インターロックスイッチ110を2つのネジ141、142によってブラケット120に固定する。ブラケットの側面板121は、装置本体の側壁72にネジ125によって回動自在に取り付けられる。そして、ブラケット120の背面板122に弾性部材130を取り付けて、装置本体の開閉ドア50と対向する壁面71と当接させる。なお、図8は、弾性部材130を発泡体としており、図9は、弾性部材130をバネとしている。
図8、図9に示すように、開閉ドアを閉めていくと、開閉ドア50に設けられた押し当て棒50aがレバー112と当接して、インターロックスイッチ110のボタン111をスイッチ内部へ押し込む。レバー112がインターロックスイッチのドア側側面110aと当接した状態から、さらに押し当て棒50aで押し込むと、ブラケット120が、装置本体の側壁72に取り付けられた所を中心として矢印c方向に回動する。すると、弾性部材130が弾性変形して、ブラケット120をドア側へ付勢する。そして、弾性部材130の反発力によってブラケット120がドア側へ付勢された状態で開閉ドアが閉じられる。図8、図9に示すインターロックスイッチユニット100においても、押し当て棒50aの押し込み量を吸収することができ、インターロックスイッチ110の破損を抑制できる。また、弾性部材130によって、ブラケット120とともにインターロックスイッチ110をドア側へ付勢しているので、押し当て棒50aがインターロックスイッチ110を押し込んだときに、押し当て棒の押し圧により、インターロックスイッチ110のスイッチをOFF状態からON状態に切りかえることができる。
【0033】
また、図10、図11に示すように、インターロックスイッチ110を直接装置本体の側壁72に回動自在に取り付けて、ブラケット120を無くすこともできる。このように、ブラケット120を無くすことができるので、部品点数が減り、インターロックスイッチユニット100を安価にすることができる。
図10、図11に示すインターロックスイッチユニット100は、インターロックスイッチ110がネジ141によって装置本体の側壁72に回動自在に取り付けられている。インターロックスイッチ110の装置本体側側面110bには、弾性部材130が取り付けられており、装置本体の開閉ドアと対向する壁面71と当接させている。なお、図10は、弾性部材130を発泡体としており、図11は、弾性部材130をバネとしている。図11に示すインターロックスイッチ110は、接続端子113がバネと接触してショートを起こさないよう、接続端子をインターロックスイッチの上面に設けている。
図10、図11に示すインターロックスイッチユニット100は、上述同様、開閉ドアに設けられた押し当て棒50aによってレバーが押し込まれて、インターロックスイッチがON状態となった状態からさらに押し当て棒50aによって押し込まれると、インターロックスイッチ110が、ネジ125を中心として装置本体側へ回動する。すると、弾性部材130が弾性変形して、インターロックスイッチ110をドア側へ付勢する。そして、弾性部材130の反発力によってインターロックスイッチ110がドア側へ付勢された状態で開閉ドアが閉じられる。これにより、押し当て棒50aの押し込み量を吸収することができ、インターロックスイッチ110の破損を抑制できる。また、弾性部材130によって、インターロックスイッチ110をドア側へ付勢しているので、押し当て棒50aがインターロックを押し込んだときに、押し当て棒の押し圧により、インターロックスイッチ110のスイッチをOFF状態からON状態に切りかえることができる。
【0034】
さらに、図12に示すように、インターロックスイッチ110を弾性部材130を介して装置本体の開閉ドアと対向する壁面71に取り付けるようにしても良い。この場合は、インターロックスイッチ110の装置本体側側面に接着材などを介して弾性部材130の一方の面と固定する。そして、弾性部材130の他方の面を接着材などを介して装置本体の開閉ドアと対向する壁面71に固定する。これにより、インターロックスイッチユニット100をネジ等で装置本体に取り付ける必要がなくなり、インターロックスイッチユニット100の取り付けを容易に行うことができる。
図12に示すインターロックスイッチユニット100は、押し当て棒50aによってレバー112が押し込まれて、スイッチがON状態となった状態からさらに押し当て棒50aが押し込まれると、インターロックスイッチ110全体が弾性部材130を変形させながら装置本体側へ移動する。このように、図12に示すインターロックスイッチユニット100においても、弾性部材130によって、押し当て棒50aの押し込み量を吸収することができる。また、インターロックスイッチ110をドア側へ付勢しているので、押し当て棒50aがインターロックを押し込んだときに、押し当て棒の押し圧により、インターロックスイッチ110のスイッチをOFF状態からON状態に切りかえることができる。
【0035】
本実施形態においては、装置本体側にインターロックスイッチを設けた例について説明したが、インターロックスイッチをドア側に設け、装置本体側に押し当て棒を備えた構成であってもよい。また、本実施形態においては、インターロックスイッチユニットを例に説明したが、これに限らず、上記ドアの開閉を検知する検知部材63に本発明のスイッチユニットを用いることも可能である。また、画像形成装置に限らず、種々の開閉ドアに本実施形態のスイッチユニットを用いることができる。
【0036】
(1)
以上、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、押圧手段としての押し当て棒50aの寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押し当て棒50aの押し込み量に変動があっても、インターロックスイッチを切りかえることができるとともに、インターロックスイッチの破損を抑制することができる。
(2)
また、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、上記弾性部材130を絶縁体で構成している。これにより、接続端子113と弾性部材とがなんらかのはずみで接触しても、ショートすることがない。このため、ショートによって、装置やインターロックスイッチが故障する等の不具合を抑制することができる。
(3)
また、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、JIS−K6401に基づく圧縮残留歪み試験(弾性部材を50[%]圧縮して70[℃]、22時間放置した後、解放し30分径過後の圧縮残留歪み)によって求められる弾性部材130の圧縮残留歪みを8[%]以下としている。これにより、長期にわたり弾性部材のドア側への付勢力をボタン111のドア側への付勢力以上に保つことができる。その結果、押し当て棒50aでインターロックスイッチ110を押圧したとき、インターロックスイッチ110のボタン111がスイッチ内部に押し込まれずに、弾性部材のみが変形してドアが閉じられてしまうことを長期に渡って抑制することができる。よって、長期に渡りドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを行うことができる。
(4)
また、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、インターロックスイッチの押し当て棒50aと対向する面と反対側の面に対向する背面部をブラケット120に設け、背面部とインターロックスイッチ110の押し圧棒50aと対向する面の反対側の面との間に上記弾性部材を設けている。これにより、インターロックスイッチの押し圧棒50aと対向する面の反対側の面と対向する壁面が装置本体になくても、インターロックスイッチの押し圧棒50aと対向する面の反対側の面からインターロックスイッチ110を押し圧棒50a側へ弾性部材130で付勢することができる。
(5)
また、図12のように、インターロックスイッチ110を弾性部材130を介して装置本体側に取り付ける場合、取り付け誤差によってインターロックスイッチ110が装置本体に対して奥行方向または上下方向に大きくずれてしまう場合がある。このように奥行方向や上下方向にインターロックスイッチ110が大きくずれてしまうと、押し当て棒がインターロックスイッチ110のレバーと当接することができずに、ドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを行うことができなくなってしまうおそれがある。しかし、本実施形態のドアスイッチユニットは、装置本体に軸孔または軸を設け、この軸孔または軸にインターロックスイッチを押圧方向に対して回転自在に取り付けている。このように、インターロックスイッチを装置本体の軸孔または軸に取り付けることで、大きな取り付け誤差を生じることなく、押し当て棒がインターロックスイッチ110のレバーと当接する位置にインターロックスイッチを取り付けることができる。
(6)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(5)の特徴点を有するドアスイッチユニットを用いることで、押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押圧手段の押し込み量に変動があっても、スイッチを切りかえることができるとともに、スイッチの破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す正面図。
【図2】(a)は、画像形成装置の各開閉ドアの位置を示す図であり、(b)は、各開閉ドアが開いた状態を示す図。
【図3】第1開閉ドアの斜視図でる。
【図4】第1開閉ドアと対向する装置側面に設けられた孔部周辺の拡大図である。
【図5】インターロックスイッチユニットの概略斜視図。
【図6】インターロックスイッチユニットの動作を説明する図。
【図7】インターロックスイッチユニットの弾性部材をバネとした例を示す図。
【図8】インターロックスイッチユニットを回動自在に装置本体に取り付けた例を示す図。
【図9】回動自在に装置本体に取り付けたインターロックスイッチユニットの弾性部材をバネとした例を示す図。
【図10】インターロックスイッチを直接装置本体の側壁に回動自在に取り付けた例を示す図。
【図11】インターロックスイッチを直接装置本体の側壁に回動自在に取り付けたインターロックスイッチユニットの弾性部材をバネとした例を示す図。
【図12】インターロックスイッチを弾性部材を介して装置本体の開閉ドアと対向する壁面に取り付けた例を示す図。
【図13】従来のインターロックスイッチユニットの概略構成図。
【符号の説明】
【0038】
1 画像形成装置
7 排紙トレイ
11 画像読取部
23 キャリッジ
41 給紙カセット
50 第1開閉ドア
100 インターロックスイッチユニット
110 インターロックスイッチ
111 ボタン
112 レバー
113 接続端子
120 ブラケット
130 弾性部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の筐体を開閉するドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFが切り換わるドアスイッチユニット、及びドアスイッチユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の画像形成装置では、ジャム処理等を行うためのドアが設けられている。この種の画像形成装置に設けられるスイッチユニットの一例としては、安全上、ドアが開いている状態のときは画像形成装置の動作が行われないよう、ドアの開放動作に連動して画像形成装置の電源を遮断するインターロックスイッチが知られている(特許文献1)。
【0003】
図13は、従来のインターロックスイッチ1100の一例を示す図である。従来のインターロックスイッチ1100は、図13に示すように、2つのネジ1420、1410によって装置本体の側壁720に固定されている。インターロックスイッチ1100のドア側側面1110aには、ドア側に付勢されたボタン1110と、このボタン1110と当接するレバー1120を備えている。このレバー1120を押し込むことで、ボタン1110がスイッチ内部に移動し、スイッチがON状態となる。ドアスイッチ1100には、端子1130が設けられており、装置の電源回路と接続されている。また、図示しないドアには、押圧手段としての押し当て棒500を有している。
ドアを閉めていくと、押し当て棒500が図中a方向に移動してレバー1120と当接する。更にドアを閉めていくと、押し当て棒500がレバー1120を装置本体側へ押し込んでいく。レバー1120が装置本体側へ押し込まれると、ボタン1110がレバー1120によってスイッチ内部へ押し込まれ、インターロックスイッチ1100がOFF状態からON状態に切り換わる。このように、ボタン1110がレバー1120によってスイッチ内部へ押し込まれインターロックスイッチ1100がON状態でドアが閉じられる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−116668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のインターロックスイッチ1100では、押し当て棒500の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押し当て棒500のレバー1120を押し込む量が基準の押し込み量よりも減少すると、レバーが押し込まれずに、インターロックスイッチ1100がOFF状態のままでドアが閉じられてしまう問題があった。
そこで、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、スイッチ1100が押し当て棒500によって押圧されるようにスイッチを配置することも考えられる。しかしながら、従来のインターロックスイッチ1100は、図13に示すように、2つのネジ1420、1410によって装置本体の側壁720に固定されている。このため、押し当て棒500のレバー1120を押し込む量が基準の押し込み量より増大すると、レバー1120が必要以上に押圧されて変形したり、インターロックスイッチ1100が破損したりする問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押圧手段の押し込み量に変動があっても、スイッチを切りかえることができるとともに、スイッチの破損を抑制することができるドアスイッチユニット、及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、筐体または、該筐体を開閉するドアの一方にスイッチを備え、他方に該スイッチを押圧する押圧手段を備え、該ドアの開閉動作によって該押圧手段が該スイッチを押圧することで、該スイッチのON/OFFが切り換わるドアスイッチユニットにおいて、該スイッチを少なくとも該押圧手段の押圧方向に対して移動可能に構成し、該押圧手段の押圧方向と反対方向に該スイッチを付勢する弾性部材を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のスイッチユニットにおいて、上記弾性部材を絶縁体で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのスイッチユニットにおいて、上記筐体またはドアのどちらか一方に取り付けられ、上記スイッチを支持するブラケットを備え、該ブラケットは、上記押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面に対向する背面部を備え、該背面部と、該押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面との間に上記弾性部材が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットにおいて、上記筐体またはドアのうち、上記スイッチが取り付けられる方には、該スイッチを取り付けるための軸孔または、軸を備え、該スイッチは、該軸孔または軸に押圧方向に対して回転自在に取り付けられることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、筐体を開閉するドアの開閉動作によって装置内の所定の電源をON/OFFするスイッチ手段を備えた画像形成装置において、該スイッチ手段として請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットを用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1乃至6の発明によれば、スイッチを少なくとも押圧手段の押圧方向に対して移動可能に構成している。このため、押圧手段の押し込み量が押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも増大しても、スイッチが押圧方向に増大分だけ移動することができる。このため、押圧手段のスイッチへの押し圧力を軽減することができ、スイッチの破損を抑制することができる。また、弾性部材によって、スイッチを押圧手段の押圧方向と反対方向に付勢しているので、スイッチが押圧手段と弾性的に当接し、押圧手段からスイッチのON/OFFが切り換わる程度の押し圧力がスイッチに付与される。これにより、ドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを良好に切りかえることができる。
また、押圧手段の押し込み量が押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、上記スイッチが押圧手段によって押圧方向に移動するような位置にスイッチを配置しておけば、以下のような効果を有することができる。すなわち、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、確実に押圧手段がスイッチを押し圧することができる。その結果、ドアの組付け誤差などによって基準の押し込み量よりも押し込み量が減少した場合でも、ドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを確実に切りかえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置について説明する。
まず、本画像形成装置の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【0010】
この画像形成装置1は、画像を形成するための画像形成ユニット2、装置本体1の前面側(図1中手前側)から抜き差し可能で、多数枚の用紙Pを積載して収納する給紙カセット41を備えている。また、装置本体1の上方には、原稿を読み取る画像読取部11が配設されている。
【0011】
上記画像形成ユニット2は、キャリッジ23、キャリッジ23をガイドするキャリッジガイド21を備えている。また、キャリッジ23には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B−1(ブラック)、B−2(ブラック)色のそれぞれインク液を用紙に吐出する吐出口を備えた図示しないヘッドがそれぞれ設けられている。
【0012】
上記画像形成ユニット2は、搬送ベルト31を備えており、この搬送ベルト31は、駆動ローラ32及び従動ローラ33に適当なテンションで掛け渡されている。駆動ローラ32は、図示しない駆動モータによって所定の回転速度で回転駆動され、それに伴い搬送ベルト31も所定の速度で回転する。また、搬送ベルト31表面を帯電させる帯電ローラ34を有しており、帯電ローラ34には図示しない高圧電源から電圧が印加されている。また、この画像形成ユニット2は、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするガイド部材(プラテン)35と、用紙Pを駆動ローラ32に対向する位置で搬送ベルト31に押し付ける押さえコロ36とを備えている。
画像形成ユニット2は、装置本体から着脱可能に設けられている。
【0013】
また、装置本体内には、インクカートリッジ34C、34B−1、34B−2、34M、34Yを収容したカートリッジ装填部35を有している。各インクカートリッジ34C、34B−1、34B−2、34M、34Yは、図示しない供給ポンプに接続しており、供給ポンプを適宜駆動して、インクカートリッジ34内のインク液を、キャリッジ23に供給している。また、各色のインクカートリッジ34は、カートリッジ装填部35に対し着脱可能に取り付けられている。
【0014】
上記画像読取部11は、コンタクトガラス12上に載置された原稿(不図示)の読み取り走査を行うための、原稿照明用光源13とミラー14よりなる第1走行体15と、2つのミラー16、17からなる第2走行体18とが往復移動自在に配設されている。読み取り走行体15、18により走査された画像情報は、レンズ19の後方に設置されているCCDなどの画像読み取り素子20に画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。画像処理された信号に基づいて、上記画像形成部2により、用紙Pに画像が形成される。
【0015】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データを外部の機器から通信ケーブル或いはネットワークを介して受信可能であり、受信した画像データを処理して画像形成することができる。画像形成部2で形成する画像データを入力する外部機器としては、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取装置、デジタルカメラなどの撮像装置などが挙げられる。
【0016】
次に、本実施形態の画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
まず、画像読取部11のコンタクトガラス12上に原稿をセットし、不図示のスタートスイッチを押す。すると、第1走行体15および第2走行体18が走行して、第1走行体15で光源13から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体18に向ける。第2走行体18に向けられた原稿面からの反射光は、第2走行体18のミラーで反射され、レンズ19を通して画像読み取り素子20に入れられ、原稿内容が読み取られ、画像データが生成される。または、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部機器から通信ケーブル等を介して画像情報である画像データが送られる。
【0017】
次に、給紙カセット41から用紙Pを繰り出し、分離ローラ42及びフリクションパッド43で1枚ずつ分離して搬送する。搬送された用紙は、給紙ローラ対49で画像形成ユニット2へ搬送される。画像形成ユニット2へ搬送された用紙Pは、押さえコロ36により搬送ベルト31に押さえつけられる。搬送ベルト31の表面は帯電ローラ34によって帯電されており、用紙Pを静電的に吸着させる。静電的に吸着させられた用紙Pは、搬送ベルト31によってキャリッジ23と対向する位置へ搬送させられる。用紙Pがキャリッジ23と対向する位置まできたら、搬送ベルト31の移動を停止して、キャリッジ23が画像データに応じて主走査線方向に往復移動しながら、停止した用紙の所定箇所に所定のインク液を吐出して1ライン分の画像を用紙Pに記録する。ここで、1ラインとは、用紙Pを停止させた状態で、図示しないヘッドが用紙Pへ記録可能な副走査線方向の範囲を言う。主走査線方向に1ライン分の記録が終了したら、搬送ベルト31を所定時間駆動させ、用紙を1ライン分移動させて停止する。そして、上述同様、キャリッジ23が画像データに応じて主走査線方向に往復移動しなが1ライン分の画像を記録する。このような工程を所定回数繰り返し行い、用紙に所望の画像を形成する。所望の画像が形成された用紙Pは、排紙ローラと拍車とからなる排紙ローラ対74、75、76、77によって排紙トレイ7へ搬送される。
【0018】
この画像形成装置1は、開閉可能な開閉ドアを複数備えている。開閉ドアは、用紙搬送路内で用紙詰まりが検知されたとき、開閉可能な開閉扉を開いて、外部から用紙搬送路に詰まった用紙を取り除くようになっている。また、インクカートリッジ34のインクが無くなったことが検知されたとき、開閉ドアを開いて、新たなインクカートリッジ34と交換できるようになっている。
【0019】
図2(a)は、画像形成装置の開閉ドアの位置を示す図であり、図2(b)は、開閉ドアが開いた状態を示す図である。
図2(a)に示すように、画像形成装置は、画像形成装置の右側側面に第1の開閉ドア50、左側側面に第2の開閉ドア51を備えている。また、排紙トレイ7には、第3の開閉ドア52、第4の開閉ドア53が設けられている。また、画像形成装置の正面には、第5の開閉ドア54が設けられている。図2(b)に示すように、第1および第2の開閉ドア50、51は、画像形成装置側面に対して下側へ回動することで、開くようになっている。また、第3の開閉ドア52は、排紙トレイ7に対して上側へ回動することで開くようになっており、第4の開閉ドア53は、排紙トレイ7に対して図中右側へ水平移動させることで開くようになっている。用紙搬送路内で用紙詰まりが検知されたときに、これら第1〜第4の開閉ドアを開いて、画像形成装置内から詰まった用紙を排出する。
第5の開閉ドア54は、図中手前側へ回動することで開くようになっており、新たなインクカートリッジ34と交換できるようになっている。
【0020】
これら開閉ドアには、それぞれ画像形成装置の電源をON/OFFするためのインターロックスイッチが設けらており、開閉ドアが開いた状態ときに、スイッチがOFFとなり、画像形成装置の電源が切れるようになっている。
以下、第1開閉ドアの開閉によって、電源がON/OFFされるインターロックスイッチ100について説明するが、各開閉ドアに設けられるインターロックスイッチ100は、第1開閉ドアに設けられるインターロックスイッチ100と同様の構成を有している。
【0021】
図3は、第1開閉ドア50の斜視図であり、図4は、孔部60周辺の拡大図である。図3、図4に示すように、第1開閉ドア50が開いたときに第1開閉ドア50の姿勢を保持する保持部材62が固定されている面62aには、孔部60とインターロックスイッチユニット100が内側から取り付けられる取り付け部61が設けられている。また、図3に示すように、保持部材62が固定されている面62aには、第1開閉ドア50の開閉を検知する検知部材63が取り付けられている。この検知部材63は、保持部材62が固定されている面62aから突出するボタン63aが設けられている。第1開閉ドア50が閉まった状態のとき、このボタン63aと第1開閉ドア50とが当接して、ボタン63aを装置内側へ押し込む。これにより、検知部材63は、第1開閉ドアが閉まった状態であると検知することができる。なお、本実施形態では、インターロックスイッチユニット100とは別に、第1開閉ドア50の開閉を検知する検知部材63が取り付けられているが、インターロックスイッチユニット100で、電源をON/OFFする機能と第1開閉ドアが閉まった状態であると検知する機能とを兼用させるようにしても良い。
【0022】
図5は、インターロックスイッチユニット100の斜視図である。図5に示すように、インターロックスイッチユニット100は、ブラケット120にインターロックスイッチ110と、弾性部材130とが取り付けられている。
インターロックスイッチ110は、図示しない軸孔を備え、この軸孔にネジ140を挿入してインターロックスイッチ110をブラケット120の側板121に回転自在に取り付ける。インターロックスイッチ110のドア側側面110aには、ドア側に付勢されたボタン111と、このボタン111と当接するレバー112を備えている。ボタン111がスイッチ内部にあるときは、スイッチがON状態となり、このボタン111がスイッチ110から突出している状態のときは、スイッチがOFF状態となる。また、レバー112は、このボタン111と当接して、ボタン111を容易にドアスイッチ内部へ移動させるために設けられている。このレバー112を押し込むことで、ボタン111がスイッチ内部に移動し、スイッチがON状態となる。ドアスイッチ110の装置本体側側面110bには、端子113が設けられており、装置の電源回路と接続されている。
【0023】
弾性部材130は、ブラケット120の側板121から延びてドアスイッチ110の装置本体側側面と対向する背面部122に取り付けられており、ドアスイッチ110の装置本体側側面110bと当接している。これにより、装置本体に開閉ドア50と対向する壁面71が形成されていなくても、インターロックスイッチ110を押し圧棒50a側へ付勢することができる。
【0024】
弾性部材130の弾性係数は、ボタン111の弾性係数よりも高く設定されており、ボタン111がレバー112によってスイッチ内部に移動した後に、弾性部材130が変形するようになっている。
【0025】
図6(a)、(b)は、インターロックスイッチユニット100の動作を説明する図である。図6(a)に示すように、第1開閉ドア50には、押し当て棒50aを有している。図6(a)に示す矢印a方向に第1開閉ドア50を移動させて、第1開閉ドア50を閉めていくと、押し当て棒50aが孔部60を貫通してレバー112と当接する。更に矢印a方向に第1開閉ドア50を移動させて、第1開閉ドア50を閉めていくと、レバー112が押し当て棒50aによって装置本体側へ移動させられる。レバー112が装置本体側へ移動すると、ボタン111がレバー112によってスイッチ内部へ移動する。そして、レバー112がボタン111をスイッチ内部へ約半分くらい押し込んだところで、インターロックスイッチ110がOFF状態からON状態に切り換わる。さらに、第1開閉ドア50を閉めていくと、図6(b)に示すように、レバー112がインターロックスイッチ110のドア側側面110aと当接して、ボタン111を完全にスイッチ内部に埋没させる。この状態から、さらに第1開閉ドア50を閉めていくと、インターロックスイッチ110が弾性部材130を変形させながら、図中b方向に回転移動する。そして、図6(b)に示すように、弾性部材130が変形した状態で第1開閉ドア50が閉じた状態となる。
【0026】
押し当て棒50aのインターロックスイッチ110の押し込み量は、押し当て棒50aの寸法誤差や、第1開閉ドア50の組付け誤差などによって変動する。押し込み量が最小となったときでも弾性部材が1[mm]以上圧縮するように、インターロックスイッチユニット100の組付け位置が設定されている。これにより、押し当て棒の寸法誤差や、第1開閉ドアの組付け誤差などがあっても、第1開閉ドアを閉じたとき、確実にインターロックスイッチ110がOFF状態からON状態に切り換えることができる。また、弾性部材130の厚みは、押し込み量が最大となったときでも押し込み量を吸収できるような厚みに設定されている。これにより、押し当て棒50aによってレバー112などが変形するのを防止することができる。本実施形態においては、弾性部材130の厚みを6[mm]としている。
【0027】
また、図5に示すように、インターロックスイッチ110の装置側側面110bには、接続端子113が設けられている。このため、インターロックスイッチ110の装置側側面110bと当接する弾性部材130と接続端子とが近い位置に配置される。弾性部材130を非絶縁性の材質で構成した場合、何かのはずみで弾性部材130と接続端子113とが接触すると、ショートして装置やインターロックスイッチが故障するなどの不具合を発生するおそれがある。このため、弾性部材130は、非絶縁性の材質で構成するのが好ましい。
【0028】
さらに、弾性部材130は、圧縮残留歪みが低く、長期に渡り反発性が維持できる部材で構成するのが好ましい。弾性部材130が圧縮残留歪みの高い部材である場合、弾性部材130のへたりによって、反発性が維持できなくなってしまう。弾性部材130の反発性が得られなくなってしまうと、弾性部材130のドア側への付勢力がボタン111のドア側への付勢力よりも小さくなってしまう。弾性部材130のドア側への付勢力がボタン111のドア側への付勢力よりも小さくなってしまうと、押し当て棒50aでレバーを押し圧したとき、レバーによってボタンがスイッチ内部へ移動せずに、インターロックスイッチ全体が回転してしまう。その結果、ドアを閉じた状態でも、ボタンがスイッチ内部へ移動せずに、スイッチがON状態に切り換わらない不具合が生じる。
また、上述したように、第1開閉ドア50が閉じた状態のとき、弾性部材130は圧縮している。第1開閉ドア50は、ほとんどが閉じた状態であるため、弾性部材130は、長期間圧縮した状態となっている。弾性部材130が圧縮残留歪みの高い部材である場合、弾性部材130がへたってきて、反発性が維持できなくなってしまう。すると、ドアが閉じた状態で、インターロックスイッチ110のボタン111の付勢力によって、インターロックスイッチ本体が装置本体側へ回転する。すると、ボタン111がインターロックスイッチの本体から突出して、インターロックスイッチ110のスイッチがON状態からOFF状態になってしまう。その結果、画像が形成できない状態となってしまう。しかし、弾性部材130を圧縮残留歪みが低く、長期に渡り初期の厚みを維持することができる部材で構成すれば、経時にわたり弾性部材130の反発性を維持することができ、上記不具合が生じることを抑制することができる。
【0029】
弾性部材130の圧縮永久歪みは、JIS−K6410の条件に従って求めたものである。具体的には、50%圧縮後70℃×22時間放置し、その後解放する。そして、解放してから30分径過後の厚み変化を求めた値である。弾性部材130の圧縮永久歪みは、(1/2)(1[mm]/弾性部材の厚み[mm])×100[%]以下のものが好ましい。弾性部材130の圧縮永久歪みが(1/2)(1[mm]/弾性部材の厚み[mm])×100[%]以上の場合、押し込み量が最小のときに経時にわたり十分な反発力が得られず、上記のような不具合が発生してしまう。なお、本実施形態においては、弾性部材の厚みを6[mm]としているので、圧縮永久歪みは、(1/2)(1/6)×100=8[%]以下が好ましい。
【0030】
上述したように、本実施形態に用いられる弾性部材130としては、圧縮永久歪みが8[%]以下で、絶縁性のものが好ましく、高密度マイクロセルウレタンフォームやシリコンフォームからなる発泡体が好ましい。具体的には、PORON(商標)や、ナンネックス(商標)のBF−1000や、HT−800シリーズが好ましい。
【0031】
次に、インターロックスイッチユニット100は、上述に限らず、種々変更可能である。例えば、図7に示すように弾性部材130をバネで構成するようにしても良い。この場合、バネは、絶縁性の材料で構成したり、金属などの非絶縁性の部材に絶縁性の材料をコーテイングしたりする等して、バネを絶縁性とすることが好ましい。これにより、端子113との接触によるショートを防ぐことができる。
【0032】
また、図8や、図9に示すように、インターロックスイッチユニット100を回動自在に装置本体に取り付けて、押し当て棒50aの押し込みを吸収するようにしてもよい。この場合は、図8、図9に示すように、インターロックスイッチ110を2つのネジ141、142によってブラケット120に固定する。ブラケットの側面板121は、装置本体の側壁72にネジ125によって回動自在に取り付けられる。そして、ブラケット120の背面板122に弾性部材130を取り付けて、装置本体の開閉ドア50と対向する壁面71と当接させる。なお、図8は、弾性部材130を発泡体としており、図9は、弾性部材130をバネとしている。
図8、図9に示すように、開閉ドアを閉めていくと、開閉ドア50に設けられた押し当て棒50aがレバー112と当接して、インターロックスイッチ110のボタン111をスイッチ内部へ押し込む。レバー112がインターロックスイッチのドア側側面110aと当接した状態から、さらに押し当て棒50aで押し込むと、ブラケット120が、装置本体の側壁72に取り付けられた所を中心として矢印c方向に回動する。すると、弾性部材130が弾性変形して、ブラケット120をドア側へ付勢する。そして、弾性部材130の反発力によってブラケット120がドア側へ付勢された状態で開閉ドアが閉じられる。図8、図9に示すインターロックスイッチユニット100においても、押し当て棒50aの押し込み量を吸収することができ、インターロックスイッチ110の破損を抑制できる。また、弾性部材130によって、ブラケット120とともにインターロックスイッチ110をドア側へ付勢しているので、押し当て棒50aがインターロックスイッチ110を押し込んだときに、押し当て棒の押し圧により、インターロックスイッチ110のスイッチをOFF状態からON状態に切りかえることができる。
【0033】
また、図10、図11に示すように、インターロックスイッチ110を直接装置本体の側壁72に回動自在に取り付けて、ブラケット120を無くすこともできる。このように、ブラケット120を無くすことができるので、部品点数が減り、インターロックスイッチユニット100を安価にすることができる。
図10、図11に示すインターロックスイッチユニット100は、インターロックスイッチ110がネジ141によって装置本体の側壁72に回動自在に取り付けられている。インターロックスイッチ110の装置本体側側面110bには、弾性部材130が取り付けられており、装置本体の開閉ドアと対向する壁面71と当接させている。なお、図10は、弾性部材130を発泡体としており、図11は、弾性部材130をバネとしている。図11に示すインターロックスイッチ110は、接続端子113がバネと接触してショートを起こさないよう、接続端子をインターロックスイッチの上面に設けている。
図10、図11に示すインターロックスイッチユニット100は、上述同様、開閉ドアに設けられた押し当て棒50aによってレバーが押し込まれて、インターロックスイッチがON状態となった状態からさらに押し当て棒50aによって押し込まれると、インターロックスイッチ110が、ネジ125を中心として装置本体側へ回動する。すると、弾性部材130が弾性変形して、インターロックスイッチ110をドア側へ付勢する。そして、弾性部材130の反発力によってインターロックスイッチ110がドア側へ付勢された状態で開閉ドアが閉じられる。これにより、押し当て棒50aの押し込み量を吸収することができ、インターロックスイッチ110の破損を抑制できる。また、弾性部材130によって、インターロックスイッチ110をドア側へ付勢しているので、押し当て棒50aがインターロックを押し込んだときに、押し当て棒の押し圧により、インターロックスイッチ110のスイッチをOFF状態からON状態に切りかえることができる。
【0034】
さらに、図12に示すように、インターロックスイッチ110を弾性部材130を介して装置本体の開閉ドアと対向する壁面71に取り付けるようにしても良い。この場合は、インターロックスイッチ110の装置本体側側面に接着材などを介して弾性部材130の一方の面と固定する。そして、弾性部材130の他方の面を接着材などを介して装置本体の開閉ドアと対向する壁面71に固定する。これにより、インターロックスイッチユニット100をネジ等で装置本体に取り付ける必要がなくなり、インターロックスイッチユニット100の取り付けを容易に行うことができる。
図12に示すインターロックスイッチユニット100は、押し当て棒50aによってレバー112が押し込まれて、スイッチがON状態となった状態からさらに押し当て棒50aが押し込まれると、インターロックスイッチ110全体が弾性部材130を変形させながら装置本体側へ移動する。このように、図12に示すインターロックスイッチユニット100においても、弾性部材130によって、押し当て棒50aの押し込み量を吸収することができる。また、インターロックスイッチ110をドア側へ付勢しているので、押し当て棒50aがインターロックを押し込んだときに、押し当て棒の押し圧により、インターロックスイッチ110のスイッチをOFF状態からON状態に切りかえることができる。
【0035】
本実施形態においては、装置本体側にインターロックスイッチを設けた例について説明したが、インターロックスイッチをドア側に設け、装置本体側に押し当て棒を備えた構成であってもよい。また、本実施形態においては、インターロックスイッチユニットを例に説明したが、これに限らず、上記ドアの開閉を検知する検知部材63に本発明のスイッチユニットを用いることも可能である。また、画像形成装置に限らず、種々の開閉ドアに本実施形態のスイッチユニットを用いることができる。
【0036】
(1)
以上、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、押圧手段としての押し当て棒50aの寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押し当て棒50aの押し込み量に変動があっても、インターロックスイッチを切りかえることができるとともに、インターロックスイッチの破損を抑制することができる。
(2)
また、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、上記弾性部材130を絶縁体で構成している。これにより、接続端子113と弾性部材とがなんらかのはずみで接触しても、ショートすることがない。このため、ショートによって、装置やインターロックスイッチが故障する等の不具合を抑制することができる。
(3)
また、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、JIS−K6401に基づく圧縮残留歪み試験(弾性部材を50[%]圧縮して70[℃]、22時間放置した後、解放し30分径過後の圧縮残留歪み)によって求められる弾性部材130の圧縮残留歪みを8[%]以下としている。これにより、長期にわたり弾性部材のドア側への付勢力をボタン111のドア側への付勢力以上に保つことができる。その結果、押し当て棒50aでインターロックスイッチ110を押圧したとき、インターロックスイッチ110のボタン111がスイッチ内部に押し込まれずに、弾性部材のみが変形してドアが閉じられてしまうことを長期に渡って抑制することができる。よって、長期に渡りドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを行うことができる。
(4)
また、本実施形態のドアスイッチユニットによれば、インターロックスイッチの押し当て棒50aと対向する面と反対側の面に対向する背面部をブラケット120に設け、背面部とインターロックスイッチ110の押し圧棒50aと対向する面の反対側の面との間に上記弾性部材を設けている。これにより、インターロックスイッチの押し圧棒50aと対向する面の反対側の面と対向する壁面が装置本体になくても、インターロックスイッチの押し圧棒50aと対向する面の反対側の面からインターロックスイッチ110を押し圧棒50a側へ弾性部材130で付勢することができる。
(5)
また、図12のように、インターロックスイッチ110を弾性部材130を介して装置本体側に取り付ける場合、取り付け誤差によってインターロックスイッチ110が装置本体に対して奥行方向または上下方向に大きくずれてしまう場合がある。このように奥行方向や上下方向にインターロックスイッチ110が大きくずれてしまうと、押し当て棒がインターロックスイッチ110のレバーと当接することができずに、ドアの開閉動作によってスイッチのON/OFFを行うことができなくなってしまうおそれがある。しかし、本実施形態のドアスイッチユニットは、装置本体に軸孔または軸を設け、この軸孔または軸にインターロックスイッチを押圧方向に対して回転自在に取り付けている。このように、インターロックスイッチを装置本体の軸孔または軸に取り付けることで、大きな取り付け誤差を生じることなく、押し当て棒がインターロックスイッチ110のレバーと当接する位置にインターロックスイッチを取り付けることができる。
(6)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(5)の特徴点を有するドアスイッチユニットを用いることで、押圧手段の寸法誤差や、ドアの組付け誤差などによって、押圧手段の押し込み量に変動があっても、スイッチを切りかえることができるとともに、スイッチの破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す正面図。
【図2】(a)は、画像形成装置の各開閉ドアの位置を示す図であり、(b)は、各開閉ドアが開いた状態を示す図。
【図3】第1開閉ドアの斜視図でる。
【図4】第1開閉ドアと対向する装置側面に設けられた孔部周辺の拡大図である。
【図5】インターロックスイッチユニットの概略斜視図。
【図6】インターロックスイッチユニットの動作を説明する図。
【図7】インターロックスイッチユニットの弾性部材をバネとした例を示す図。
【図8】インターロックスイッチユニットを回動自在に装置本体に取り付けた例を示す図。
【図9】回動自在に装置本体に取り付けたインターロックスイッチユニットの弾性部材をバネとした例を示す図。
【図10】インターロックスイッチを直接装置本体の側壁に回動自在に取り付けた例を示す図。
【図11】インターロックスイッチを直接装置本体の側壁に回動自在に取り付けたインターロックスイッチユニットの弾性部材をバネとした例を示す図。
【図12】インターロックスイッチを弾性部材を介して装置本体の開閉ドアと対向する壁面に取り付けた例を示す図。
【図13】従来のインターロックスイッチユニットの概略構成図。
【符号の説明】
【0038】
1 画像形成装置
7 排紙トレイ
11 画像読取部
23 キャリッジ
41 給紙カセット
50 第1開閉ドア
100 インターロックスイッチユニット
110 インターロックスイッチ
111 ボタン
112 レバー
113 接続端子
120 ブラケット
130 弾性部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体または、該筐体を開閉するドアの一方にスイッチを備え、他方に該スイッチを押圧する押圧手段を備え、該ドアの開閉動作によって該押圧手段が該スイッチを押圧することで、該スイッチのON/OFFが切り換わるドアスイッチユニットにおいて、
該スイッチを少なくとも該押圧手段の押圧方向に対して移動可能に構成し、該押圧手段の押圧方向と反対方向に該スイッチを付勢する弾性部材を備えたことを特徴とするスイッチユニット。
【請求項2】
請求項1のスイッチユニットにおいて、
上記弾性部材を絶縁体で構成したことを特徴とするスイッチユニット
【請求項3】
請求項1または2のスイッチユニットにおいて、
JIS−K6401に基づく圧縮残留歪み試験(上記弾性部材を50[%]圧縮して70[℃]、22時間放置した後、解放し30分径過後の圧縮残留歪み)によって求められる上記弾性部材の圧縮残留歪みを8[%]以下としたことを特徴とするスイッチユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかのスイッチユニットにおいて、
上記筐体またはドアのどちらか一方に取り付けられ、上記スイッチを支持するブラケットを備え、該ブラケットは、上記押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面に対向する背面部を備え、該背面部と、該押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面との間に上記弾性部材が設けられていることを特徴とするスイッチユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットにおいて、
上記筐体またはドアのうち、上記スイッチが取り付けられる方には、該スイッチを取り付けるための軸孔または、軸を備え、該スイッチは、該軸孔または軸に押圧方向に対して回転自在に取り付けられることを特徴とするスイッチユニット。
【請求項6】
筐体を開閉するドアの開閉動作によって装置内の所定の電源をON/OFFするスイッチ手段を備えた画像形成装置において、
該スイッチ手段として請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
筐体または、該筐体を開閉するドアの一方にスイッチを備え、他方に該スイッチを押圧する押圧手段を備え、該ドアの開閉動作によって該押圧手段が該スイッチを押圧することで、該スイッチのON/OFFが切り換わるドアスイッチユニットにおいて、
該スイッチを少なくとも該押圧手段の押圧方向に対して移動可能に構成し、該押圧手段の押圧方向と反対方向に該スイッチを付勢する弾性部材を備えたことを特徴とするスイッチユニット。
【請求項2】
請求項1のスイッチユニットにおいて、
上記弾性部材を絶縁体で構成したことを特徴とするスイッチユニット
【請求項3】
請求項1または2のスイッチユニットにおいて、
JIS−K6401に基づく圧縮残留歪み試験(上記弾性部材を50[%]圧縮して70[℃]、22時間放置した後、解放し30分径過後の圧縮残留歪み)によって求められる上記弾性部材の圧縮残留歪みを8[%]以下としたことを特徴とするスイッチユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかのスイッチユニットにおいて、
上記筐体またはドアのどちらか一方に取り付けられ、上記スイッチを支持するブラケットを備え、該ブラケットは、上記押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面に対向する背面部を備え、該背面部と、該押圧手段と対向する該スイッチの面と反対側の面との間に上記弾性部材が設けられていることを特徴とするスイッチユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットにおいて、
上記筐体またはドアのうち、上記スイッチが取り付けられる方には、該スイッチを取り付けるための軸孔または、軸を備え、該スイッチは、該軸孔または軸に押圧方向に対して回転自在に取り付けられることを特徴とするスイッチユニット。
【請求項6】
筐体を開閉するドアの開閉動作によって装置内の所定の電源をON/OFFするスイッチ手段を備えた画像形成装置において、
該スイッチ手段として請求項1乃至4いずれかのスイッチユニットを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−164918(P2006−164918A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358851(P2004−358851)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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