説明

スキャナユニット、レーザー走査光学装置、および画像形成装置

【課題】装置を大型化することなく、かつ、防塵性を確保しつつ、装置内の温度上昇を抑制できるスキャナユニット、レーザー走査光学装置、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】このスキャナユニットは、ポリゴンミラー106と、ポリゴンミラー106を回転駆動するモータ120と、モータ120のコイル120c、およびモータ120の回転駆動を制御する半導体素子130が配置される基板102と、ポリゴンミラー106、モータ120、および基板102を防塵し収容する収容筐体101とを備え、基板102は、収容筐体101の内部空間において、基板102を境にしてモータ120が配置される第1空間A1と、モータ120が配置されない第2空間A2とに二分するように配置され、基板102は、モータ120が配置される第1空間A1により発生した熱を空間A2側に放熱する複数の放熱用穴104を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナユニット、レーザー走査光学装置、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザー走査光学装置の分野では、たとえば、特開2000−338439号公報(特許文献1)に示されるように、カバーで覆われた筐体内部の壁部で囲われた空間のうち、ポリゴンミラー、レンズ系等の光学素子が存在しない空間に対応するカバーの一部に、放熱用の穴を設ける構成が開示されている。また、筐体の壁部に穴、切欠等を設け、ポリゴンミラー、レンズ系等の光学素子が存在する空間が筐体の外部と通じている構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−338439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、レーザープリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置において、印刷速度の高速化が進んでいる。この高速化に対応するために、レーザー走査光学装置では、レーザーを偏向走査するためのポリゴンミラーを高速で回転させることになる。
【0005】
ポリゴンミラーを高速回転させると、これに伴いポリゴンモータの軸受け部およびコイル、ポリゴンモータの駆動半導体素子部での発熱量が多くなり、レーザー走査光学装置内の温度が上昇する。その結果、走査光学素子等の熱変形が発生し、感光体上でのビーム照射位置が変化して、画像形成装置における印刷画像の品質劣化が生じてしまうことが懸念される。
【0006】
特に、最近では高画質を得るために高解像度化し、1200dpi等の高い走査密度が要求されており、ビーム照射位置を高精度に維持する必要がある。このため、レーザー走査光学装置内の温度上昇を抑制して所望のビーム照射位置を維持することは重要である。
【0007】
上述した特開2000−338439号公報(特許文献1)に示されるレーザー走査光学装置では、ポリゴンミラー、レンズ系等の光学素子が存在しない空間に対応するカバーの一部に放熱用の穴を設けているため、放熱用の穴はポリゴンミラー、レンズ系等の光学素子が存在する領域の外側に配置されることになる。このため、レーザー走査光学装置が平面的に見て大型化する。
【0008】
また、ポリゴンミラー、レンズ系等の光学素子が存在する空間が筐体の壁部に設けられた穴や切欠によって外部と通じているため、外部から粉塵が進入してポリゴンミラー、レンズ系等の光学素子に埃等が付着してしまう。このため、感光体を照射するレーザー光の光量が低下し、画像形成装置における印刷画像の品質が劣化してしまう。
【0009】
本発明の目的は、装置を大型化することなく、かつ、防塵性を確保しつつ、装置内の温度上昇を抑制できるスキャナユニット、レーザー走査光学装置、および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に基づいたスキャナユニットにおいては、光源から発せられたレーザー光を偏向器により偏向するスキャナユニットであって、上記偏向器と、上記偏向器を回転駆動するモータと、上記モータのコイル、および上記モータの回転駆動を制御する半導体素子が配置される基板と、上記偏向器、上記モータ、および上記基板を防塵し収容する収容筐体とを備え、上記基板は、上記収容筐体の内部空間において、当該基板を境にして上記モータが配置される第1空間と、上記モータが配置されない第2空間とに二分するように配置され、上記基板は、上記モータが配置される上記第1空間により発生した熱を上記第2空間側に放熱する複数の放熱用穴を含む。
【0011】
他の形態では、上記収容筐体は、上記第1空間において、上記基板の上記コイルが配置される第1領域と上記半導体素子が配置される第2領域とに仕切る壁部を有し、上記第1領域に位置する上記基板に設けられる上記放熱用穴には、上記基板よりも熱伝導に優れた熱伝導部材が配置されている。
【0012】
他の形態では、上記基板を挟んで、上記第1領域とは反対側の上記第2空間には、上記放熱用穴を覆うように上記熱伝導部材が配置されている。
【0013】
他の形態では、上記第1領域に位置する上記基板に設けられる上記放熱用穴には、上記第1空間と上記第2空間とを連通する状態で、上記基板の両表面および端面を覆うように上記熱伝導部材が配置されている。
【0014】
他の形態では、上記第2空間が面する上記収容筐体の外表面に放熱部材がさらに配置されている。
【0015】
他の形態では、上記放熱用穴は、上記放熱部材が設けられる方向に沿って配置されている。
【0016】
この発明に基づいたレーザー走査光学装置においては、上記第2空間が面する上記収容筐体の外表面に放熱フィンがさらに設けられるスキャナユニットと、上記スキャナユニットを収容する本体筐体とを備え、上記本体筐体は、外部から空気を取り入れる空気流入口を含み、上記放熱部材によって形成される空気流れ経路の開口端が、上記空気流入口に面している。
【0017】
この発明に基づいた画像形成装置においては、上述のレーザー走査光学装置を有する。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、装置を大型化することなく、かつ、防塵性を確保しつつ、装置内の温度上昇を抑制できるスキャナユニット、レーザー走査光学装置、および画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態におけるスキャナユニットおよびレーザー走査光学装置を備えたカラープリンタを示す概略構成図である。
【図2】レーザー走査光学装置の断面図である。
【図3】レーザー走査光学装置の平面図である。
【図4】レーザー走査光学装置の底面図である。
【図5】実施の形態におけるスキャナユニットの第1斜視図である。
【図6】実施の形態におけるスキャナユニットの第2斜視図である。
【図7】実施の形態におけるスキャナユニットの平面図である。
【図8】図7中VIII−VIII線矢視断面図である。
【図9】実施の形態における放熱用穴周りの他の熱伝導構造を示す拡大部分断面図である。
【図10】他の実施の形態におけるスキャナユニットに設けられる放熱用穴の位置、放熱フィンの位置、および、レーザー走査光学装置に設けられる空気流入口の位置の関係を示す平面図である。
【図11】熱伝導部材材料の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に基づいた実施の形態におけるスキャナユニット、このスキャナユニットを備えたレーザー走査光学装置、さらに、このレーザー走査光学装置を備えた画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0021】
なお、以下においては、画像形成装置の一例として、一般的なフルカラー電子写真方式を採用しているカラープリンタについて説明しているが、本発明は、フルカラー電子写真方式にのみ限定されるものではなく、モノクロ画像のみを形成する1種(ブラック等)のレーザー走査光学装置を採用しているプリンタへの適用も可能である。また、プリンタだけでなく、複写機、FAX等の画像形成装置に対して、本発明に基づくスキャナユニットおよびレーザー走査光学装置を搭載することが可能である。
【0022】
(カラープリンタ1の全体構成、図1参照)
図1に、本発明に係るレーザー走査光学装置20を搭載したカラープリンタ1の概略構成を示す。このカラープリンタ1は、タンデム方式で4色の画像を合成するように構成されている。
【0023】
4つの画像形成ステーション2(2Y,2M,2C,2K)の直上に中間転写ベルト10が配置され、直下にレーザー走査光学装置20が配置されている。各画像形成ステーション2には、それぞれ、感光体ドラム3(3Y,3M,3C,3K)、現像器4(4Y,4M,4C,4K)、図示しない帯電器、残留トナーのクリーナなどが配置されている。なお、黒色の画像を形成するための画像形成ステーション2Kは大型に構成され、使用頻度の高いモノクロ画像を高速で形成できるようにしている。
【0024】
レーザー走査光学装置20は、Y,M,C,Kの画像データに基づいて放射される光束By,Bm,Bc,Bkによって各感光体ドラム3上に画像(静電潜像)を形成する。この潜像はトナーによって可視像化される。
【0025】
中間転写ベルト10は、駆動ローラ11および支持ローラ12に無端状に張り渡されている。中間転写ベルト10には、矢印Y方向への回転に基づいて上述の各感光体ドラム3上に形成された各色のトナー画像が順次1次転写され、合成される。
【0026】
記録用紙Pは、自動給紙カセット5に収納されており、1枚ずつ所定のタイミングで給紙される。記録用紙Pには、通紙経路6を経由して中間転写ベルト10から2次転写位置13にて合成トナー画像が2次転写される。2次転写された記録用紙Pは、定着装置15でトナーの加熱定着を施された後、排出ローラ16から排紙部9上に排出される。
【0027】
記録用紙Pへ両面プリントを行なう場合には、記録用紙Pは、スイッチバックローラ17からカラープリンタ1の外方に搬送され、スイッチバックされて反転経路7を経由して2次転写位置13に戻される。ここで裏面にトナー画像を2次転写された記録用紙Pは排出ローラ16から排紙部9上に排出される。
【0028】
(レーザー走査光学装置20の概略構成、図2〜図4参照)
図2は、レーザー走査光学装置20の断面図、図3は平面図、図4は底面図である。このレーザー走査光学装置20は、光源部21と、偏向器の一例としてポリゴンミラー106を含むスキャナユニット100と第1および第2結像レンズ31,32と、各光路ごとに設けた折返しミラー34,35,36および第3結像レンズ33と、これらの部材を保持する筐体27とを有する。スキャナユニット100の詳細構造は後述する。
【0029】
光源部21は、レーザーダイオード22(22Y,22M,22C,22K)と、合成ミラー23(23Y,23M,23C)と、折返しミラー24と、シリンドリカルレンズ25とで構成され、プレート26に搭載されている。
【0030】
レーザーダイオード22Kから放射された光束は折返しミラー24に導かれる。また、レーザーダイオード22C,22M,22Yからそれぞれ放射された光束は、合成ミラー23C,23M,23Yでそれぞれ反射し、折返しミラー24に導かれる。折返しミラー24で反射された各光束はシリンドリカルレンズ25で副走査方向Z(図2参照)に集光され、ポリゴンミラー106の同一面に副走査方向Zに所定の角度を有して導かれる。
【0031】
これらの光束はポリゴンミラー106の回転に基づいて主走査方向X(図3参照)に等角速度で偏向され、第1および第2結像レンズ31,32を透過する。光束Bkは第3結像レンズ33Kを透過して折返しミラー34Kで反射され、感光体ドラム3K上を露光および走査する。光束Bcは折返しミラー34C,35Cで反射されて第3結像レンズ33Cを透過し、さらに折返しミラー36Cで反射され、感光体ドラム3C上を露光および走査する。
【0032】
光束Bmは折返しミラー34Mで反射されて第3結像レンズ33Mを透過し、さらに折返しミラー35Mで反射され、感光体ドラム3M上を露光および走査する。光束Byは折返しミラー34Yで反射されて第3結像レンズ33Yを透過し、さらに折返しミラー35Yで反射され、感光体ドラム3Y上を露光および走査する。
【0033】
各感光体ドラム3上での各走査線の書出し位置を検出するため、即ち、主走査同期信号を得るため、ポリゴンミラー106で偏向された光束Bkの主走査方向上流側光束は、図3に示すように、検出用ミラー37で反射されてレンズ38で集光され、同期信号検出用受光センサ39に入射する。
【0034】
なお、筐体27は、カラープリンタ1の図示しないフレームに、3箇所の固定点Z1,Z2,Z3により、たとえば、ねじ止めにより固定されている(図3参照)。
【0035】
さらに、色ずれ調整(レジスト調整)として、図3に示すように、部分倍率調整機構45とスキュー調整機構50が設置されている。スキュー調整機構50は駆動源としてブラケット59を介して筐体27に固定されたステッピングモータ51を備えている。なお、部分倍率調整機構45およびスキュー調整機構50の詳細な説明は省略する。
【0036】
(スキャナユニット100)
次に、図5から図8を参照して、本実施の形態におけるスキャナユニット100について説明する。なお、図5および図6は、スキャナユニット100の第1および第2斜視図、図7は、スキャナユニット100の平面図、図8は、図7中VIII−VIII線矢視断面図である。
【0037】
スキャナユニット100は、光源であるレーザーダイオード22(22Y,22M,22C,22K)から発せられたレーザー光をポリゴンミラー106により偏向する。収容筐体101は、全体として立方体形状を有し、上面が開放した筒状の本体ケース101bと、ケースカバー101aとを有している。ケースカバー101aは、本体ケース101bに対して、その四角がネジ等を用いて固定される。収容筐体101は、本体ケース101bに設けられたフランジ部111fを用いて、筐体27にネジ止め固定される。
【0038】
本体ケース101bの長手方向の側面には、レーザー光が入射および出射する細長の開口部103が設けられている。ケースカバー101aの上面には、放熱部材の一例として、対角線方向に沿って延びる複数の放熱フィン101fが設けられている。この放熱フィン101fの形態は、図示する形態に限定されるものでなく、レーザー走査光学装置20に採用される空冷用の空気流れ方向に沿って、冷却効率が最も高まるように適宜設計される。なお、冷却効率を考慮して、放熱フィン101fが設けられない場合もある。
【0039】
本体ケース101bの内部には、基板102が収容されている。基板102は、収容筐体101の内部空間において、この基板102を境にして第1空間A1と、第2空間A2とに二分するように配置されている。具体的には、本体ケース101bの内部には、底面側から起立する壁部107が設けられ、この壁部107の頂部を利用して、基板102の位置決めが行なわれる。
【0040】
第1空間A1側(図示においては、基板102の下面側)にポリゴンミラー106を回転駆動するためのモータ120が配置される。また、基板102の第1空間A1側の表面には、モータ120を構成するコイル120cおよびモータ120の回転駆動を制御する半導体素子130が配置されている。
【0041】
略中央に位置する壁部107により、第1空間A1が、基板102のコイル120cが配置される第1領域A11と半導体素子130が配置される第2領域A12とに仕切られている。
【0042】
基板102には、モータ120および半導体素子130が配置される第1空間A1により発生した熱を第2空間A2側に放熱する複数の放熱用穴104が形成されている。この放熱用穴104により、図8中の矢印で示すように、モータ120(特に、軸受け部およびコイル120c)および半導体素子130で発生した熱は、第1空間A1よりも上側に位置する第2空間A2側に向けて放熱されることとなる。なお、放熱用穴104の穴径は、装置によって様々であるが、直径約1mm〜10mm程度である。
【0043】
なお、収容筐体101は、内部に収容するポリゴンミラー106への埃等の付着を防止(防塵)する必要があることから、開口部103には透明のガラス、樹脂部材が嵌め入れられており、また、ケースカバー101aは本体ケース101bに対して気密性を確保するように取り付けられている。
【0044】
本実施の形態では、第1領域A11に位置する基板102に設けられる放熱用穴104には、基板102よりも熱伝導に優れた熱伝導部材105が配置されている。具体的には、基板102を挟んで、第1領域A11とは反対側の第2空間A2には、放熱用穴104を覆うように熱伝導部材105が設けられている。
【0045】
基板102には、ガラスエポキシ樹脂が用いられ、その熱伝導率は、約0.35W/mk程度である。一方、熱伝導部材105には、基板102よりも熱伝導に優れた熱伝導シリコーンが用いられる。熱伝導シリコーンの具体的材料およびその熱伝導率を図11に示す。なお、図11は、熱伝導部材材料の一例を示す図である。
【0046】
このように、本実施の形態おけるスキャナユニット100を用いた場合には、基板102に複数の放熱用穴104が設けられているため、対流によって第1空間A1の内部で発生した熱を第2空間A2側に向けて放熱させることができる。
【0047】
また、放熱量が大きいと考えられる第1領域A11とは反対側の第2空間A2には、熱伝導部材105として熱伝導シリコーンが配置されることにより、ケースカバー101aの上面に設けられた放熱フィン101fに効率良く熱を伝えることができる。なお、必要に応じて、第2領域A12とは反対側の第2空間A2にも熱伝導部材105を設けることは可能である。
【0048】
また、ポリゴンミラー106が位置する第1領域A11に設けられた放熱用穴104は、熱伝導部材105により覆われているため、この放熱用穴104からの埃等の侵入を防止し、ポリゴンミラー106への埃等の堆積を防止することも可能となる。
【0049】
その結果、装置を大型化することなく、かつ、防塵性を確保しつつ、装置内の温度上昇を抑制できるスキャナユニット100、このスキャナユニット100を用いたレーザー走査光学装置20、さらには、このレーザー走査光学装置20を用いたカラープリンタ1を提供することが可能となる。
【0050】
なお、収容筐体101は気密性を確保するように設けられていることから、放熱用穴104からポリゴンミラー106が位置する第1領域A11への埃等の侵入が問題にならない場合も考えられる。
【0051】
この場合には、図9に示すように、熱伝導シリコーンに代わり放熱用穴104に第1空間A1と第2空間A2とを連通する状態で、基板102の両表面および端面を覆うように、基板102よりも熱伝導に優れた金属性の熱伝導部材108を設けるようにしても良い。金属材料の一例としては銅を用いる。熱伝導率は、398W/mk程度である。なお、図9は、放熱用穴104周りの他の熱伝導構造を示す拡大部分断面図である。
【0052】
これにより、放熱用穴104周りにおける伝熱量が増加し、対流によって第1空間A1の内部で発生した熱を第2空間A2側に向けて効率良く放熱させることができる。
【0053】
ここで、図10を参照して、他の実施の形態について説明する。なお、図10は、スキャナユニットに設けられる放熱用穴の位置、放熱フィンの位置、および、レーザー走査光学装置に設けられる空気流入口の位置の関係を示す平面図である。
【0054】
図10に示すように、基板102に設けられる複数の放熱用穴104の位置に関して、放熱用穴104を放熱フィン101fが設けられる方向に沿って配置することで、より効率良く放熱させることができる。図10に示す収容筐体101に設けられる放熱フィン101fの形態は、収容筐体101の長手方向の一辺から短手方向の1辺に向けて円弧形状部と直線形状部とを含むように形成されている。
【0055】
また、スキャナユニット100を収容するレーザー走査光学装置20の筐体27に放熱を促す構成を採用することも可能である。たとえば、図10に示すように、複数の放熱フィン101fによって形成される空気流れ経路101gの開口端101hが面する位置に、筐体27の一部を開放し外部から空気を取り入れる空気流入口27hを設ける。外部ファン114を用いて、空気流入口27hから筐体27の内部に空気(AF)を送り込むようにすることで、空気(AF)は、複数の放熱フィン101fによって形成される空気流れ経路101gを通過して、効率良く放熱させることが可能となる。
【0056】
なお、上記各実施の形態において、偏向器の一例としてポリゴンミラー106を用いた場合について説明したが、ポリゴンミラー106に代わり、レゾナントスキャナやガルバノミラー等を用いることも可能である。
【0057】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
1 カラープリンタ、2,2K 画像形成ステーション、3,3C,3K,3M,3Y 感光体ドラム、4 現像器、5 自動給紙カセット、6 通紙経路、7 反転経路、9 排紙部、10 中間転写ベルト、11 駆動ローラ、12 支持ローラ、13 2次転写位置、15 定着装置、16 排出ローラ、17 スイッチバックローラ、20 レーザー走査光学装置、21 光源部、22,22C,22M,22Y,22K レーザーダイオード、23,23C,23M,23Y 合成ミラー、24,34,35,36,34C,35C,34M,34Y 折返しミラー、25 シリンドリカルレンズ、26 プレート、27 筐体、27A ポリゴンミラー収容筐体、27h 空気流入口、31 第1結像レンズ、32 第2結像レンズ、33,33C,33K,33M,33Y 第3結像レンズ、34K,35M,35Y,36C ミラー、37 検出用ミラー、38 レンズ、39 同期信号検出用受光センサ、43 放熱フィン、45 部分倍率調整機構、50 スキュー調整機構、51 ステッピングモータ、59 ブラケット、100 スキャナユニット、101 収容筐体、101a ケースカバー、101b 本体ケース、101f 放熱フィン、101g 空気流れ経路、101h 開口端、102 基板、103 開口部、104 放熱用穴、105,108 熱伝導部材、106 ポリゴンミラー、107 壁部、111f フランジ部、114 外部ファン、120 モータ、120c コイル、130 半導体素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から発せられたレーザー光を偏向器により偏向するスキャナユニットであって、
前記偏向器と、
前記偏向器を回転駆動するモータと、
前記モータのコイル、および前記モータの回転駆動を制御する半導体素子が配置される基板と、
前記偏向器、前記モータ、および前記基板を防塵し収容する収容筐体と、を備え、
前記基板は、前記収容筐体の内部空間において、当該基板を境にして前記モータが配置される第1空間と、前記モータが配置されない第2空間とに二分するように配置され、
前記基板は、前記モータが配置される前記第1空間により発生した熱を前記第2空間側に放熱する複数の放熱用穴を含む、スキャナユニット。
【請求項2】
前記収容筐体は、前記第1空間において、前記基板の前記コイルが配置される第1領域と前記半導体素子が配置される第2領域とに仕切る壁部を有し、
前記第1領域に位置する前記基板に設けられる前記放熱用穴には、前記基板よりも熱伝導に優れた熱伝導部材が配置されている、請求項1に記載のスキャナユニット。
【請求項3】
前記基板を挟んで、前記第1領域とは反対側の前記第2空間には、前記放熱用穴を覆うように前記熱伝導部材が配置されている、請求項2に記載のスキャナユニット。
【請求項4】
前記第1領域に位置する前記基板に設けられる前記放熱用穴には、前記第1空間と前記第2空間とを連通する状態で、前記基板の両表面および端面を覆うように前記熱伝導部材が配置されている、請求項2に記載のスキャナユニット。
【請求項5】
前記第2空間が面する前記収容筐体の外表面に放熱部材がさらに配置されている、請求項1から4のいずれかに記載のスキャナユニット。
【請求項6】
前記放熱用穴は、前記放熱部材が設けられる方向に沿って配置されている、請求項5に記載のスキャナユニット。
【請求項7】
前記請求項5または6に記載のスキャナユニットと、
前記スキャナユニットを収容する本体筐体と、を備え、
前記本体筐体は、外部から空気を取り入れる空気流入口を含み、
前記放熱部材によって形成される空気流れ経路の開口端が、前記空気流入口に面している、レーザー走査光学装置。
【請求項8】
請求項7に記載のレーザー走査光学装置を有する、画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−168469(P2012−168469A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31183(P2011−31183)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】