説明

スクリプタイドアイソスター(SCRIPTAIDISOSTERES)およびその治療における使用

本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩は、式(I)の化合物であって;式中:...は二重結合であり、かつXはCであり;または...は単結合であり、かつXはN、CHまたはCQRであり;式中:nは1〜10であり;RはHまたはQRであり;各R’は独立にHおよびQRより選択され;各Qは独立に、結合、CO、NH、S、SO、SOまたはOより選択され;各Rは独立に炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール、アシル、炭素数1〜10のシクロアルキル、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキルアリールまたは炭素数1〜10のヘテロシクロアルキルより選択され;Lは窒素含有ヘテロアリールであり;およびWは亜鉛キレート残基である。本化合物は治療において有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤として作用し、故に治療的有用性を示す新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
HDACはアセチル化されたリジン残基の加水分解を触媒する亜鉛金属酵素である。これは、ヒストンにおいてリジンをプロトン化状態に戻す、真核生物の転写制御において広範に見られるメカニズムであり、それによりDNAがヌクレオソーム内に密にパッケージングされる。さらに、可逆的リジンアセチル化は非ヒストンタンパク質にとって重要な調節過程である。従って、HDACを改変しうる化合物は治療において重要な可能性を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下の式の化合物、またはその薬理学的に許容される塩:
【化1】


式中:
【数1】


は二重結合であり、かつXはCであり;または
【数2】


は単結合であり、かつXはN、CHまたはCQRであり;
式中:
nは1〜10であり;
RはHまたはQRであり;
各R’は独立にHおよびQRより選択され;
各Qは独立に、結合、CO、NH、S、SO、SOまたはOより選択され;
各Rは独立に炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール、アシル、炭素数1〜10のシクロアルキル、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキルアリールまたは炭素数1〜10のヘテロシクロアルキルより選択され;
Lは窒素含有ヘテロアリールであり;および
Wは亜鉛キレート残基である。
【0004】
本発明の化合物はHDACの阻害剤として有用でありうる。
【発明を実施するための形態】
【0005】
別途定義されていない限り、本明細書で用いられる「アルキル」という語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル部位を表し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびデシルを含む。好ましくは、直鎖または分岐鎖であり得る炭素数1〜6のアルキル基または部位である。典型的には、炭素数1〜4のアルキル基または部位、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルが挙げられる。好ましい例としては、メチル、i−プロピルおよびt−ブチルなどが挙げられる。
【0006】
「アルケニル」という語は、2〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル部位であって、適用できる場合はE型またはZ型いずれかの立体化学(stereochemistry)の、1個の二重結合を更に有するものを表す。好ましくは、直鎖または分岐鎖であり得る炭素数2〜6のアルケニル基または部位である。典型的には、炭素数2〜4個のアルケニル基または部位である。前記アルケニル基(radical)はモノまたは二不飽和であることが好ましく、より好ましくはモノ不飽和である。例としてビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、および2−ブテニル、および2−メチル−2−プロペニルなどが挙げられる。
【0007】
「アルキニル」という語は、2〜10個の炭素原子を有し、1個の三重結合を更に有する、直鎖または分岐鎖アルキル部位を表す。好ましくは、炭素数2〜6のアルキニル、より好ましくは炭素数2〜4のアルキニルである。この語には、例えばエチニル、1−プロパルギル、ならびに、1−および2−ブチニルが包含される。
【0008】
「アリール」という語は、任意に置換されていてよいフェニルまたはナフチル基を表し、ベンゾ縮合系を包含する。
【0009】
「ヘテロアリール」という語は、5〜12個の環原子の芳香族系であって、該原子のうち少なくとも1個の原子がO、NおよびSから選択されるものを表す。前記の語はベンゾ縮合系を包含する。この語は、例えばピリジル、ピロリル、ピリジニル、ジアゾリル、ジアジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾ縮合フラニル、チオフェニル、ピリジル、ピロリル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ベンゾ縮合ピリジル、インドリル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニルおよびキナゾリニルを包含する。このような環は炭素または窒素のいずれかを介して連結され得る。「ヘテロアリール」は任意に置換されていてよい。
【0010】
「ヘテロシクロアルキル」という語は、「ヘテロアリール」の、部分的または完全に飽和した任意の類似体を意味する。「複素環式」はヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルを包括する。「シクロアルキル」は複素環の炭素環式類似体、例えばシクロペンチルまたはシクロヘキシルを意味する。「シクロアルケニル」はシクロアルキルに関するが、1または複数個の二重結合を環内に含む。
【0011】
「ヘテロアルキル」という語は、1または複数個の炭素原子が、N、OまたはSのようなヘテロ原子によって置換されているアルキル鎖を表し、ただし、このようなヘテロ原子が1個よりも多く存在する場合、これらは少なくとも2個の炭素原子によって分離されている。
【0012】
アリールおよびヘテロアリールのような、上記で定義された基のいくつかは、「任意に置換され」ていてよい。このような置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびヘテロアリール等が挙げられ、このような基としては、N、OまたはSのようなヘテロ原子、および例えばFまたはClといったハロゲンが含まれる。
【0013】
好ましい一実施形態において、少なくとも1つのLはピリジルまたはベンゾ縮合ピリジルより選択される。より好ましい一実施形態において、少なくとも1つのLは以下から選択される:
【化2】

【0014】
基Wは亜鉛キレート残基である。好ましくは、これはHDACの活性部位の亜鉛に結合することのできる金属親和物(metallophile)である。適した金属親和物は当業者に公知である。
【0015】
好ましい一実施形態において、Wは以下より選択される:
【化3】

【0016】
好ましくは、Wは、−COOH、−CONHOH、CONHSOCH、−CONHNHSOCH、−CONHNH、−CONH(2−ピリジル)または−NHCONHOHである。より好ましくは、Wは−CONHOHである。
【0017】
好ましくは、nは3〜6である。
【0018】
好ましい一実施形態において、少なくとも1つのR’は、H、炭素数1〜10のアルキルまたはO−(炭素数1〜10のアルキル)である。好ましくは、少なくとも1つのR’は、置換もしくは非置換のアリール、またはO−(置換もしくは非置換のアリール)である。好ましくは、少なくとも1つのR’はアリールまたはO−アリールであって、それぞれがハロゲン、アミノまたは炭素数1〜10のアルキルで置換されていてよい。前記アリールは任意の位置で置換されていて良い。前記アリールは、一、二、または三置換されていてよい。
【0019】
R’はL基、すなわち窒素含有ヘテロアリール基の、環原子のいずれと置換されても良い。
【0020】
本発明の医薬組成物は上記定義の化合物、および医薬的に許容される担体もしくは希釈剤、を含む。本発明の医薬組成物は典型的には本発明の化合物を85重量%まで含有する。より典型的には、本発明の化合物を50重量%まで含有する。好ましい医薬組成物は無菌でありかつ発熱物質を含まない。さらに、本発明により提供される医薬組成物は、典型的には、実質的に純粋な光学異性体である本発明の化合物を含む。好ましくは、該医薬組成物は、本発明の化合物の、医薬的に許容される塩の形態を含む。
【0021】
本明細書で用いられる医薬的に許容される塩とは、医薬的に許容される酸または塩基との塩である。医薬的に許容される酸は、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸または硝酸のような無機酸;ならびに、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸のような有機酸;の両者を含む。医薬的に許容される塩基は、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物;ならびにアルキルアミン類、アリールアミン類または複素環式アミン類のような有機塩基を含む。
【0022】
誤解を避けるために述べると、本発明は生体内で反応して本発明の化合物を生ずるプロドラッグも包含する。
【0023】
本発明の化合物はHDACの阻害剤であることが分かる。従って、本発明の化合物はHDAC活性によって影響される疾患の治療において治療的に有用である。
【0024】
本発明の化合物は当業者に明白であろう合成経路により、例えば実施例に基づいて、調製されてよい。
【0025】
本発明の化合物はHDACの阻害剤であることが分かる。従って、本発明の化合物は治療的に有用である。
【0026】
本発明の化合物、およびそれらを含む組成物は、各種の剤形で投与されてよい。一実施形態において、本発明の化合物を含む医薬組成物は、経口、経腸、非経口、鼻腔内、もしくは経皮投与、または吸入もしくは坐剤による投与に適した形態に製剤されてよい。投与の典型的な経路は、非経口、鼻腔内もしくは経皮投与、または吸入による投与である。
【0027】
本発明の化合物は経口的に、例えば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁剤、分散(dispersible)粉末剤または顆粒剤として、投与可能である。本発明の好ましい医薬組成物は、経口投与に適した組成物、例えば錠剤およびカプセル剤である。
【0028】
本発明の化合物は非経口的に、皮下にも、静脈内にも、筋肉内にも、胸骨内にも、経皮的にも、または輸液法によっても投与されてよい。該化合物は坐剤として投与されてももよい。
【0029】
本発明の化合物は吸入により投与されてもよい。吸入薬剤の利点は、経口経路で摂取される多くの薬物と比べ、血液供給に富む領域に直接送達されることである。従って、肺胞が莫大な表面積と豊富な血液供給とを有するために吸収が非常に速く、かつ初回通過代謝が回避される(bypassed)。さらなる利点は、吸入によって、薬物が治療を要する細胞近傍まで送達されるような、肺系統の疾患の治療であり得る、。
【0030】
本発明はこのような医薬組成物を含む吸入装置も提供する。典型的には該装置は、薬物を吸入器から押し出すための、医薬的に許容される化学的高圧ガス(chemical propellant)を有する定量吸入器(MDI)である。
【0031】
本発明の化合物は鼻腔内投与により投与されてもよい。鼻腔の高度に透過性の組織は薬物に対して非常に受容性があり、錠剤型の薬物と比べ、薬物を速やかにかつ効率的に吸収する。経鼻的なドラッグデリバリーは注射よりも苦痛が少なく、低侵襲的であるため、患者の不安がより少ない。この方法によれば吸収が非常に速く、通常は初回通過代謝が回避され、そのため患者間でのばらつきが減少する。さらに、本発明はこのような医薬組成物を含む鼻腔内投与装置(intranasal device)も提供する。
【0032】
本発明の化合物は経皮投与により投与されてもよい。本発明は従って、本発明の化合物を含む経皮パッチも提供する。
【0033】
本発明の化合物は舌下投与により投与されてもよい。本発明は従って、本発明の化合物を含む舌下錠も提供する。
【0034】
本発明の化合物は、抗菌剤;あるいは、患者中に、または患者上もしくは患者内部に生息する共生(commensural)もしくは寄生生物内に、存在する可能性があって該化合物を分解しうるプロテアーゼ酵素の阻害剤;のような、患者の正常な代謝以外の過程によって前記物質が分解されるのを減少させる薬剤とともに製剤されてもよい。
【0035】
経口投与のための分散液(Liquid dispersion)は、シロップ剤、乳剤および懸濁剤であってよい。
【0036】
懸濁剤および乳剤は、担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有していてよい。筋肉内注射のための懸濁剤または溶液は、活性化合物とともに、医薬的に許容される担体、例えば滅菌水;オリーブオイル;オレイン酸エチル;グリコール類、例えばプロピレングリコール;および、所望により、適量の塩酸リドカインを含んでいてもよい。
【0037】
注射または輸液のための溶液は、担体として、例えば滅菌水を含んでいてよく、または好ましくは、それらは無菌の、水性の、等張食塩水の形態であってよい。
【0038】
一実施形態において、本発明の化合物は、SAHAのようなHDACの他の公知の阻害剤と組み合わせて使用されてよい。この実施形態において、この組み合わせ製品はそれぞれの薬物を同時に、別個に、または順次使用することを含むように製剤されてよい。
【0039】
本発明の化合物は、癌の治療および予防の両者において使用することができ、単独療法または併用療法において使用することができる。併用療法において使用する場合、本発明の化合物は典型的には、白金錯体のような小化学化合物、代謝拮抗物質、DNAトポイソメラーゼ阻害剤、放射線、抗体治療(たとえば、ハーセプチンおよびリツキシマブ)、抗癌ワクチン接種、遺伝子治療、細胞治療、ホルモン治療またはサイトカイン治療とともに使用する。
【0040】
本発明の一実施形態において、本発明の化合物は、癌の治療において、他の化学療法剤または抗腫瘍薬と組み合わせて使用する。このような他の化学療法剤または抗腫瘍薬の例として、シスプラチンおよびカルボプラチン等を含む白金錯体;ミトキサントロン;例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン等のビンカアルカロイド類;例えばダウノルビシンおよびドキソルビシン等のアントラサイクリン系抗生物質;例えばクロラムブシルおよびメルファラン等のアルキル化剤;例えばパクリタキセル等のタキサン類;例えばメトトレキサートおよびトムデックス等の葉酸拮抗薬;例えばエトポシド等のエピポドフィロトキシン類;例えばイリノテカン等のカンプトテシン類およびその活性代謝物SN38;ならびに例えば国際公開第02/085400号に開示されるDNAメチル化阻害剤等のDNAメチル化阻害剤;などが挙げられる。
【0041】
従って、本発明によると、本発明の化合物および他の化学療法剤または抗腫瘍薬を含有する製品が、癌の緩和における、同時の、別個の、または順次の使用のための、組み合わせ製剤として提供される。また、本発明により提供されるのは、他の化学療法剤または抗腫瘍薬との同時投与による癌の緩和における使用のための薬物の製造における、本発明の化合物の使用である。本発明の化合物および前記の他の薬剤はどのような順番で投与されてもよい。この両者のケースにおいて、本発明の化合物および他の薬剤は一緒に、または、別々の場合には医師が決定したどのような順番においても、投与してよい。
【0042】
HDACはいくつかの異なる疾患の病理および/または症状の一因となっていると考えられており、HDACの阻害による、患者におけるHDACの活性の減少は、これらの病態の治療上の取り組みに用いてもよい。本発明のHDAC阻害剤を用いて治療してもよい各種疾患の例を本明細書に記載する。
【0043】
本発明のHDAC阻害剤を治療に用いてもよい適応症の一群として、望ましくない、または制御されない細胞増殖を伴うものが挙げられる。このような適応症の例としては、良性腫瘍;原発腫瘍および腫瘍転移のようなの各種癌;再狭窄(例えば、冠動脈、頸動脈および脳の病変);内皮細胞の異常刺激(アテローム性動脈硬化症);手術による生体組織に対する傷害;異常な創傷治癒;異常血管形成;組織の線維化を引き起こす疾患;反復動作疾患(repetitive motion disorder);血管が高度に発達しない組織の疾患;ならびに臓器移植と関連した増殖反応を含む。HDAC阻害剤のより具体的な適応症は、前立腺癌、肺癌、急性白血病、多発性骨髄腫、膀胱癌、腎癌、乳癌、結腸直腸癌、神経芽細胞腫および黒色腫を含むが、これらに限定されない。
【0044】
一実施形態において、望ましくない、または制御されない細胞増殖と関連した疾患を治療するための方法が提供される。該方法は、制御されない細胞増殖に罹患している患者に治療的有効量の本発明のHDAC阻害剤を投与し、この制御されない細胞増殖を減少させることを含む。用いられる阻害剤の具体的投与量は、病状の重篤度、投与経路、および主治医により決定されうる関連要因に依存するであろう。一般に、許容される有効な1日量は、制御されない細胞増殖を効果的に減速させるか、または排除するのに十分な量である。
【0045】
本発明のHDAC阻害剤は、望ましくない、および制御されない細胞増殖を阻害する他の薬剤と併せて用いてもよい。本発明のHDAC阻害剤と合わせて用いてよい他の抗細胞増殖剤の例としては、レチノイド酸およびその誘導体、2−メトキシエストラジオール、アンギオスタチン(登録商標)タンパク質、エンドスタチン(登録商標)タンパク質、スラミン、スクアラミン、メタロプロテイナーゼ−I 組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ−2 組織阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−2、軟骨由来阻害剤、パクリタキセル、血小板第4因子、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイガニ殻から調製)、硫酸化多糖類ペプチドグリカン複合体(sp−pg)、スタウロスポリン、マトリックス代謝のモジュレーター、例えばプロリン類似体((1−アゼチジン−2−カルボン酸(LACA)、シスヒドロキシプロリン、d,l−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン)、β−アミノプロピオニトリルフマレート、4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン−血清、chimp−3、キモスタチン、β−シクロデキストリンテトラデカサルフェート、エポネマイシン;フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d−ペニシラミン(CDPT)、β−1−抗コラゲナーゼ−血清、α2−抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリット2ナトリウム、n−(2−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸2ナトリウム、すなわち「CCA」、サリドマイド;アンゴスタチックステロイド(angostatic steroid)、カルボキシアミノイミダゾール;BB94のようなメタロプロテイナーゼ阻害剤などが挙げられるがこれらに限定されない。用いてもよい他の抗血管新生剤の他の例としては、抗体、好ましくはこれらの血管新生促進因子:bFGF、aFGF、FGF−5、VEGFアイソフォーム、VEGF−C、HGF/SFおよびAng−1/Ang−2に対するモノクローナル抗体が挙げられる。Ferrara N. and Alitalo, K. “Clinical application of angiogenic growth factors and their inhibitors” (1999) Nature Medicine 5:1359−1364。
【0046】
一般に、良性腫瘍の細胞は分化した特徴を保持しており、完全に制御されない様式では分裂しない。良性腫瘍は通常局所的であり、かつ非転移性である。本発明のHDAC阻害剤を用いて治療出来る良性腫瘍の具体的な種類の例としては、血管腫、肝細胞腺腫、海綿状血管腫、限局性結節性過形成、聴神経腫、神経繊維腫、胆管腺腫、胆管嚢胞腺腫(bile duct cystanoma)、線維腫、脂肪腫、平滑筋腫、中皮腫、奇形腫、粘液腫、結節性再生性過形成、トラコーマおよび化膿性肉芽腫が挙げられる。
【0047】
悪性腫瘍の場合においては、細胞は未分化となり、生体の成長制御シグナルに対して反応せず、制御されない様式で増殖する。悪性腫瘍は浸潤性であり、離れた部位に広がりうる(転移)。悪性腫瘍は一般に2つのカテゴリーに分かれる:原発性および二次性である。原発性腫瘍はそれが見出される組織から直接生ずる。二次性腫瘍、すなわち転移腫瘍は、生体の他の場所で発生し、今や離れた器官へと広がった腫瘍である。転移の一般的な経路は隣接する組織への直接的な増殖、脈管系またはリンパ系を介した拡散、および組織表面や体内の空間(腹水、脳脊髄液等)に沿った拡散(tracking)である。
【0048】
原発性・二次性を問わず、本発明のHDAC阻害剤を用いて治療しうるガンまたは悪性腫瘍の具体的な種類としては、白血病;乳癌;皮膚癌;骨癌;前立腺癌;肝癌;肺癌;脳腫瘍;喉頭、胆嚢、膵臓、直腸、副甲状腺、甲状腺、副腎、神経組織、頭頸部、大腸、胃、気管支、腎臓、の癌;基底細胞癌;潰瘍性および乳頭状の両者の扁平上皮癌;転移性皮膚癌;骨肉腫;ユーイング肉腫、ベティキュラム(veticulum)細胞腫;骨髄腫;巨細胞腫;小細胞肺癌;胆石;島細胞腫;原発性脳腫瘍;急性および慢性リンパ細胞腫および顆粒細胞腫;毛様細胞腫(hairy−cell tumour);腺腫;過形成;髄様癌;褐色細胞腫;粘膜神経腫;腸神経節細胞腫;過形成角膜神経腫瘍;マルファン症候群様体質腫瘍(marfanoid habitus tumour);ウィルムス腫;セミノーマ;卵巣腫瘍;リオミオマテル腫(leiomyomater tumour);子宮頸部形成異常および上皮内癌(in situ carcinoma);神経芽腫;網膜芽細胞腫;軟部肉腫;悪性カルチノイド;局所性皮膚病変;菌状息肉腫;横紋筋肉腫;カポジ肉腫;骨原性および他の肉腫;悪性高カルシウム血症;腎細胞腫瘍;真性赤血球増加症;腺癌;多形性膠芽腫;白血病;リンパ腫;悪性黒色腫;類表皮癌;ならびに他の癌および肉腫;が挙げられるがこれらに限定されない。
【0049】
本発明のHDAC阻害剤は、手術中の生体組織の損傷による異常な細胞増殖を治療するのに用いてもよい。これらの損傷は関節手術、腸手術およびケロイド瘢痕化のような、各種の外科的処置の結果生じる可能性がある。本発明のHDAC阻害剤を用いて治療してもよい線維性組織を生成する疾患は、気腫を含む。本発明を用いて治療してもよい反復動作疾患は、手根管症候群を含む。本発明を用いて治療してもよい細胞増殖性疾患の例としては骨腫瘍が挙げられる。
【0050】
本発明のHDAC阻害剤を用いて治療してもよい、臓器移植と関連した増殖反応は、潜在的な臓器拒絶反応または関連する合併症の原因となる増殖反応を含む。具体的には、これらの増殖反応は心臓、肺、肝臓、腎臓および他の生体器官または器官系の移植の際に起こりうる。
【0051】
本発明を用いて治療してもよい異常血管形成は、関節リウマチ;脳浮腫および損傷に関連した虚血再灌流;皮質虚血;卵巣過形成および血管過多;多嚢胞性卵巣症候群;子宮内膜症;乾癬;糖尿病性網膜症、ならびに未熟児網膜症(水晶体後線維増殖症)のような他の眼の脈管形成疾患;黄斑変性;角膜移植拒絶;ニューロスキュラー グラウコーマ(neuroscular glaucoma)およびOster−Webber症候群に付随するものを含む。
【0052】
本発明により治療されてもよい、制御されない血管新生と関連した疾患の例としては、網膜/脈絡膜血管新生および角膜血管新生が挙げられるが、これらに限定されない。網膜/脈絡膜血管新生の一部の要素を含んだ疾患の例としては、ベスト病、近視、視神経乳頭小窩、シュタルガルト病(Stargart’s disease)、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、鎌状赤血球貧血、サルコイド、梅毒、弾性線維性仮黄色腫(pseudoxanthoma elasticum)頚動脈閉塞性疾患(carotid apo structive disease)、慢性ブドウ膜炎/硝子体炎(vitritis)、マイコバクテリア感染、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、イールズ病、糖尿病性網膜症、黄斑変性、ベーチェット病、網膜炎または脈絡膜炎(chroiditis)を引き起こす感染、推定眼ヒストプラスマ症、扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷およびレーザー後合併症(trauma and post−laser complication)、ルベシス(rubesis)に関連する疾患(隅角の血管新生)、ならびに線維血管組織または線維組織の異常増殖によって生ずる、すべての形態の増殖性硝子体網膜症を含む疾患が挙げられるが、これらに限定されない。角膜血管新生の例としては、流行性角結膜炎、ビタミンA欠乏症、コンタクトレンズの過度の使用(overwear)、アトピー性角膜炎、上輪部角膜炎、翼状片乾燥角膜炎(pterygium keratitis sicca)、シェーグレン、酒さ性ざ瘡、フリクテン症(phylectenulosis)、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植拒絶、モーレン潰瘍、テリエン辺縁変性、辺縁性表皮剥離(marginal keratolysis)、多発性動脈炎、Wegenerサルコイドーシス、強膜炎、ペリフィゴイド(periphigoid)放射状角膜切開、血管新生緑内障および水晶体後線維増殖、梅毒、マイコバクテリア感染、脂質変性、化学的熱傷、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染、帯状ヘルペス感染、原虫感染ならびにカポジ肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
制御されない血管新生と関連した慢性炎症性疾患も本発明のHDAC阻害剤を用いて治療されてもよい。慢性炎症は毛細血管の芽(sprout)が連続的に形成されて炎症細胞の流入が維持されることに依存している。炎症細胞の流入および存在により肉芽腫が産生され、そのため慢性炎症状態が維持される。HDAC阻害剤を単独で、または他の抗炎症剤と併せて用い、血管新生を阻害することで、肉芽腫の形成を防止し、従って疾患を軽減することが出来る。慢性炎症性疾患の例としては、クローン病および潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、ならびに関節リウマチが挙げられるがこれらに限定されない。
【0054】
クローン病および潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患は、消化管の各種部位における慢性炎症および血管新生を特徴とする。例えば、クローン病は最も一般的には回腸末端部および大腸を冒す慢性貫壁性(transmural)炎症性疾患として発生するが、口から肛門までの消化管および肛門周囲領域のいずれの部位においても発生しうる。クローン病患者は一般に、腹痛を伴う慢性下痢、発熱、食欲不振、体重減少および腹部膨満を有する。潰瘍性大腸炎も慢性、非特異的、炎症性の、結腸粘膜で生ずる潰瘍性疾患であり、血性下痢の存在を特徴とする。これらの炎症性腸疾患は一般に、炎症細胞の筒に囲まれた新たな毛細血管の芽を伴う、消化管全体にわたる慢性肉芽腫性炎により引き起こされる。これら阻害剤による血管新生の阻害により、この芽の形成が阻害され、肉芽腫の形成が防止される。炎症性腸疾患は皮膚病変等の腸管外症状も呈する。このような病変は炎症および血管新生を特徴とし、消化管以外の多くの部位で生じ得る。本発明のHDAC阻害剤による血管新生の阻害によって炎症細胞の流入を減少させ、症状の形成を防止することが出来る。
【0055】
他の慢性炎症性疾患であるサルコイドーシスは、多臓器肉芽腫性疾患として特徴付けられる。この疾患の肉芽腫は生体内のいずれの部位にも形成されうる。従って、症状は該肉芽腫の部位、および該疾患が活動性であるかによって異なる。該肉芽腫は、炎症細胞の恒常的な供給を提供する新生毛細血管芽(angiogenic capillary sprout)により生成される。本発明によるHDAC阻害剤を用いて血管新生を阻害することにより、このような肉芽腫形成を阻害することが出来る。同じく慢性で再発性の炎症性疾患である乾癬は、各種サイズの丘疹および斑により特徴付けられる。これらの阻害剤を単独で、または他の抗炎症剤と併せて用いる治療により、特徴的病変を維持するのに必要な新生血管の形成を防止し、患者に症状の緩和を提供する。
【0056】
関節リウマチ(RA)も慢性炎症性疾患であり、末梢関節の非特異的炎症によって特徴付けられる。関節の滑膜表層の血管に血管新生が起こるとされている。新生血管網が形成されることに加え、内皮細胞がパンヌス増殖および軟骨破壊をもたらす因子および活性酸素種を放出する。血管新生に関与する因子は関節リウマチの慢性的炎症状態に活発に寄与し、その維持を補助する場合がある。本発明によるHDAC阻害剤を単独で、または他の抗RA剤と併せて用いる治療により、慢性炎症を維持するのに必要な新生血管網の形成が防止されうる。
【0057】
本発明の化合物はさらに、肥大、高血圧、心筋梗塞、再灌流、虚血性心疾患、狭心症、アリトメアス(arryhtmias)、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症および脳卒中等の心臓/脈管系疾患の治療において用いることが出来る。前記化合物はさらに、脳卒中、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症およびアルツハイマー病を含む急性および慢性神経系疾患等の神経変性疾患/CNS疾患の治療に用いることが出来る。
【0058】
本発明の化合物は抗微生物剤、例えば抗菌剤としても用いることが出来る。本発明は従って細菌感染の治療における使用のための化合物も提供する。本発明の化合物はウイルス、細菌、真菌および寄生虫感染に対する抗感染症化合物として用いることが出来る。感染の例としては原生動物寄生感染(マラリア原虫、クリプトスポリジウムパルバム、トキソプラズマ原虫、サルコシスティス・ニューロナおよびアイメリア属sp.等)が挙げられる。
【0059】
本発明の化合物は、特に望ましくないまたは制御されない細胞増殖の治療に、好ましくは良性腫瘍/過形成および悪性腫瘍の治療に、より好ましくは悪性腫瘍の治療に、最も好ましくは慢性リンパ球性白血病(CCL)、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、中皮腫およびT細胞リンパ腫の治療に適している。
【0060】
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、癌、心肥大、慢性心不全、炎症状態、循環器疾患、異常血色素症、サラセミア、鎌状赤血球病、CNS障害、自己免疫疾患、移植臓器拒絶、糖尿病、骨粗しょう症、MDS、前立腺肥大、口腔白板症、遺伝的に関連のある代謝障害、感染、Rubens−Taybi、脆弱X症候群、もしくはα−1アンチトリプシン欠損症を緩和するために、または創傷治癒の促進もしくは毛包保護に使用するための、または免疫抑制剤として、用いられる。
【0061】
典型的には、前記炎症状態は皮膚炎症状態(例えば、乾癬、座瘡、湿疹)、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチ(RA)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病または大腸炎である。
【0062】
典型的には、前記癌は慢性リンパ球性白血病、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、中皮腫、またはT細胞リンパ腫である。
【0063】
典型的には、前記循環器疾患は高血圧、心筋梗塞(MI)、虚血性心疾患(IHD)(再灌流)、狭心症、不整脈、高コレステロール血症、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、心筋炎、うっ血性心不全、原発性および続発性、すなわち拡張型(うっ血性)心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、末梢血管疾患、頻脈、高血圧または血栓症である。
【0064】
典型的には、前記の遺伝的に関連のある代謝障害は嚢胞性線維症(CF)、ペルオキシソーム欠損症または副腎白質ジストロフィである。
【0065】
典型的には、本発明の化合物は臓器移植後の免疫抑制剤として用いられる。
【0066】
典型的には、前記感染はウイルス、細菌、真菌または寄生虫感染、特にS.aureus、P.acne、CandidaまたはAspergillusによる感染である。
【0067】
典型的には、前記CNS障害はハンチンドン病(Huntingdon’s disease)、アルツハイマー病、多発性硬化症または筋萎縮性側索硬化症である。
【0068】
本実施形態において、本発明の化合物は癌、心肥大、慢性心不全、炎症状態、循環器疾患、異常血色素症、サラセミア、鎌状赤血球病、CNS障害、自己免疫疾患、糖尿病または骨粗しょう症を緩和するために用いてよく、または免疫抑制剤として用いられる。
【0069】
本発明の化合物は慢性リンパ球性白血病(CLL)、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、中皮腫、T細胞リンパ腫、心肥大、慢性心不全または皮膚炎症状態、特に乾癬、座瘡または湿疹を緩和するために用いてもよい。
【0070】
本発明の化合物は動物の治療に、好ましくは哺乳動物の治療に、より好ましくはヒトの治療に用いることが出来る。
【0071】
本発明の化合物は、適宜、このような症状の発生を減少させるために予防的に用いてよい。
【0072】
使用の際には、治療的有効量の本発明の化合物が患者に投与される。典型的な投与量は体重1kgあたり約0.001〜50mgであり、具体的な化合物の活性;治療を受ける患者の年齢、体重および症状;疾患の種類および程度;ならびに投与の頻度および経路による。
【0073】
本発明の化合物のHDAC阻害活性に関して、任意の適したアッセイ、例えば国際公開第2008/062201号に記載されたアッセイにより試験されてよい。このアッセイによると、実施例の化合物はそれぞれ1M未満のIC50値を有する。
【0074】
以下の実施例で本発明を説明する。
【0075】
実施例1:N−ヒドロキシ−7,7−ジ(ピリジン−2−イル)ヘプト−6−エナミド
【化4】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.95μM
IC50,HDAC1=0.158μM
IC50,HDAC6=0.068μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.6μM
【0076】
実施例2:6−(ジピリジン−2−イルアミノ)−N−ヒドロキシヘキサンアミド
【化5】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=2.49μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=2.34μM
【0077】
実施例3:7−(ジピリジン−2−イルアミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド
【化6】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.245μM
IC50,HDAC1=0.458μM
IC50,HDAC2=1.54μM
IC50,HDAC3=0.710μM
IC50,HDAC4=0.307μM
IC50,HDAC5=0.458μM
IC50,HDAC6=0.009μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.466μM
IC50,TNFα阻害(LPS−刺激ヒトPBMC)=0.1μM
【0078】
実施例4:N−ヒドロキシ−7−(ピリジン−2−イル(キノリン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化7】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.081μM
IC50,HDAC1=0.071μM
IC50,HDAC2=0.212μM
IC50,HDAC3=0.062μM
IC50,HDAC4=0.545μM
IC50,HDAC5=0.123μM
IC50,HDAC6=0.016μM
IC50,HDAC7=0.157μM
IC50,HDAC8=0.312μM
IC50,HDAC9=0.090μM
IC50,HDAC10=0.126μM
IC50,HDAC11=0.112μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.146μM
【0079】
実施例5:N−ヒドロキシ−8,8−ジ(ピリジン−2−イル)オクト−7−エナミド
【化8】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.415μM
IC50,HDAC1=0.642μM
IC50,HDAC6=0.022μM
【0080】
実施例6:N−ヒドロキシ−8,8−ジ(ピリジン−2−イル)オクト−7−エナミド
【化9】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.396μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.445μM
【0081】
実施例7:N−ヒドロキシ−7−((4−メチルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化10】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.778μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.448μM
【0082】
実施例8:N−ヒドロキシ−7−((4−フェニルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化11】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.493μM
IC50,HDAC1=0.116μM
IC50,HDAC6=0.019μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=1.05μM
【0083】
実施例9:N−ヒドロキシ−7−((5−メチルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化12】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.337μM
IC50,HDAC1=0.453μM
IC50,HDAC2=1.137μM
IC50,HDAC6=0.031μM
IC50,HDAC9=0.759μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.697μM
【0084】
実施例10:7−((5−(ベンジルオキシ)ピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド
【化13】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.07μM
IC50,HDAC1=0.182μM
IC50,HDAC6=0.057μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.285μM
【0085】
実施例11:N−ヒドロキシ−7−((5−メトキシピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化14】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.406μM
IC50,HDAC1=0.182μM
IC50,HDAC2=0.883μM
IC50,HDAC6=0.013μM
IC50,HDAC9=0.759μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.292μM
【0086】
実施例12:N−ヒドロキシ−7−((5−フェニルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化15】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.310μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.081μM
【0087】
実施例13:7−((5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド
【化16】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.521μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.357μM
【0088】
実施例14:7−(イソキノリン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化17】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.337μM
IC50,HDAC1=0.064μM
IC50,HDAC2=0.306μM
IC50,HDAC6=0.002μM
IC50,HDAC9=0.145μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.169μM
【0089】
実施例15:7−[(4−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化18】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.26μM
IC50,HDAC1=0.151μM
IC50,HDAC2=0.612μM
IC50,HDAC6=0.003μM
IC50,HDAC9=0.423μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.411μM
【0090】
実施例16:7−[(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化19】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.076μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=1.09μM
【0091】
実施例17:7−[(4−エトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化20】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.598μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.456μM
【0092】
実施例18:7−[(4−プロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化21】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.822μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.574μM
【0093】
実施例19:7−[(4−イソプロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化22】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.326μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.478μM
【0094】
実施例20:7−(ピリジン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化23】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.539μM
【0095】
実施例21:7−{[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化24】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.08μM
【0096】
実施例22:7−{[4−(4−アミノ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化25】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=0.298μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.039μM
【0097】
実施例23:7−[ピリジン−2−イル−(4−p−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化26】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.06μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.077μM
【0098】
実施例24:7−[ピリジン−2−イル−(4−o−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化27】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.62μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.20μM
【0099】
実施例25:7−{[4−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化28】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.08μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.21μM
【0100】
実施例26:7−{[4−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化29】


IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.20μM
【0101】
実施例27:7−[ピリジン−2−イル−(4−m−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化30】


IC50,総HDAC(HeLa核抽出物)=1.68μM
IC50,MCF7乳癌細胞増殖阻害=0.081μM
【0102】
調製方法および分析データ
実施例1:N−ヒドロキシ−7,7−ジ(ピリジン−2−イル)ヘプト−6−エナミド
【化31】

【0103】
メチル 6−トリフェニルホスホニウムブロミドヘキサノエート(II)
メチル 6−ブロモヘキサノエート,I、(500mg、2.38mmol)およびPPh(624mg、2.38mmol)をアセトニトリル(15mL)に加え、該混合物をAr(g)雰囲気下、還流下で22時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧留去によって除去し、得られたホスホニウムブロミド誘導体IIを高真空下で乾燥した。
【0104】
7,7−ジ−ピリジン−2−イル−ヘプト−6−エン酸メチルエステル(III)
NHMDS (2.26mL、2.26mmol)をTHF中の溶液として、THF(8mL)中のメチル 6−トリフェニルホスホニウムブロミドヘキサノエートII(1.072g、2.38mmol)に0℃にてAr(g)雰囲気下で加えた。15分後、THF(4mL)中のジ−ピリジン−2−イル−メタノン(220mg、1.2mmol)を加え;該反応混合物を1時間撹拌し、室温まで昇温させた。20時間の撹拌後、水(15mL)およびEtOAc(15mL)を添加し、相を分離し、水相をEtOAc(2×10mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:0.5〜100:2)を溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(155mg、44%)。
【表1】


LCMS(ES):297.3[MH]であるとわかった。
【0105】
7,7−ジ−ピリジン−2−イル−ヘプト−6−エン酸(IV)
水(0.2mL)中のLiOH(10mg、0.42mmol)を、THF(0.8mL)中のIII(25mg、0.085mmol)に室温で加えた。19時間後、前記反応混合物を2N HClで中和し、食塩水(2mL)上に注ぎ、EtOAc(3mL)を加えた。相を分離し、水相をEtOAc(2×3mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣をCHCl/MeOH(100:2〜100:4)を溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(11.3mg、46%)。
【表2】


LCMS(ES):283.3[MH]であるとわかった。
【0106】
7,7−ジ−ピリジン−2−イル−ヘプト−6−エン酸ヒドロキシアミド(V)
HONH(50%水溶液、0.3mL)をDMF(0.3mL)およびTHF(0.3mL)中のIV(32mg、0.1mmol)に0℃で加えた。該反応混合物を室温で17時間撹拌し、その後、食塩水(3mL)およびEtOAc(3mL)を加えた。相を分離し、水相をEtOAc(2×3mL)で抽出した。その後、有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣をCHCl/MeOH(100:3〜100:10)を溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Vを無色油として供給した(9.6mg、30%)。
【表3】


LCMS(ES):298.0[MH]であるとわかった。
【0107】
実施例2:6−(ジピリジン−2−イルアミノ)−N−ヒドロキシヘキサンアミド
【化32】

【0108】
6−(ジ−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘキサン酸メチルエステル(II)
NaH(112mg、2.92mmol)をDMF(10mL)中のジ−ピリジン−2−イル−アミン(500mg、2.92mmol)に室温で加えた。10分後、KI(485mg、2.92mmol)およびメチル 6−ブロモヘキサノエート,I(0.464mL、2.92mmol)を加え、該反応混合物を90℃で21時間撹拌した。その後、食塩水(200mL)およびEtOAc(200mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(100mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣をCHCl/MeOH(100:0.5〜100:1)を溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(206mg、24%)。
【表4】

LCMS(ES):300.3[MH],322.3[MNa]+であるとわかった。
【0109】
6−(ジ−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘキサン酸(III)
水(0.3mL)中のLiOH(12mg、0.50mmol)を、THF(0.8mL)中のII(33mg、0.11mmol)に室温で加えた。2時間後、前記反応混合物を2N HClで中和し、その後食塩水(5mL)上に注ぎ、EtOAc(5mL)を加えた。相を分離し、水相をEtOAc(2×2mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣をCHCl/MeOH(100:1〜100:4)を溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(18.1mg、58%)。
【表5】


LCMS(ES):286.3[MH],284.3[MH]であるとわかった。
【0110】
6−(ジ−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、0.3ml)をDMF(0.3mL)およびTHF(0.3mL)中のII(32mg、0.1mmol)に0℃で加えた。該反応混合物を室温で17時間撹拌した。食塩水(3mL)およびEtOAc(3mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(2×3mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。残渣をCHCl/MeOH(100:3〜100:10)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(9.6mg、30%)。
【表6】


LCMS(ES):301.2[MH],323.1[MNa]であるとわかった。
【0111】
実施例3:7−(ジピリジン−2−イルアミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド
【化33】

【0112】
7−(ジ−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸エチルエステル(II)
NaH(112mg、2.92mmol)をDMF(10mL)中のジ−ピリジル−2−イル−アミン,I(500mg、2.92mmol)に室温で加えた。10分後、KI(727mg、4.38mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.854mL、4.38mmol)を加え、該反応混合物を90℃で18時間撹拌した。0.1M Na水溶液(100mL)およびEtOAc(100mL)を加え、相を分離し、有機相を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜75:25)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(490mg、51%)。
【表7】


LCMS(ES):327.9[MH]であるとわかった。
【0113】
7−(ジ−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のII(524mg、1.60mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×10mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(425.79mg、85%)。
【表8】


LCMS(ES):315.2[MH]であるとわかった。
【0114】
実施例4:N−ヒドロキシ−7−(ピリジン−2−イル(キノリン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化34】

【0115】
ピリジン−2−イル−キノリン−2−イル−アミン(II)
2−ブロモキノリン,I(500mg、2.40mmol)、2−アミノピリジン(249mg、2.64mmol)、tBuOK(404mg、3.60mmol)、(±)−BINAP(6mg、0.01mmol)およびPd(dba)(5.5mg、0.006mmol)をトルエン(10mL)中で90℃にて、Ar(g)雰囲気下、21時間撹拌した。次いで前記反応混合物をCHCl(10mL)で希釈し、シリカを加え、その後溶媒を減圧下で除去した。得られた乾燥ロード材料(dry load material)を、CHCl/MeOH(100:1、その後100:2)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(344mg、45%)。
【表9】


LCMS(ES):222.1[MH]であるとわかった。
【0116】
7−(ピリジン−2−イル−キノリン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸エチルエステル(III)
NaH(35mg、0.91mmol)をDMF(5mL)中のII(344mg、0.91mmol)に室温で加えた。10分後、KI(227mg、1.37mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.267mL,1.37mmol)を加えた。前記反応混合物を90℃で19時間撹拌し、その後、0.1M Na(50mL)およびEtOAc(50mL)を加え;相を分離し、水相をEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜85:15)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(189mg、55%)。
【表10】


LCMS(ES):378.2[MH]であるとわかった。
【0117】
7−(ピリジン−2−イル−キノリン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(90mg、0.24mmol)に室温で加えた。該反応混合物を48時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×10mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(66.43mg、76%)。
【表11】


LCMS(ES):365.2[MH]であるとわかった。
【0118】
実施例5:N−ヒドロキシ−8,8−ジ(ピリジン−2−イル)オクト−7−エナミド
【化35】

【0119】
(6−エトキシカルボニル−ヘキシル)−トリフェニル−ホスホニウムブロミド(I)
エチル−7−ブロモヘプタノエート(2.5g、10.54mmol)およびPPh(2.764g、10.54mmol)をアセトニトリル(50mL)に加え、該混合物をAr(g)雰囲気下、還流下で18時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧留去によって除去し、得られたホスホニウムブロミド誘導体Iを高真空下で乾燥した。
MW:499.42。LCMS(ES):419.2[MH]であるとわかった。
【0120】
8,8−ジ−ピリジン−2−イル−オクト−7−エン酸エチルエステル(II)
NaHMDSのTHF溶液(10.01mL、10.01mmol)を、THF(40mL)中の(6−エトキシカルボニル−ヘキシル)−トリフェニル−ホスホニウムブロミドI(10.54mmol)に、−78℃にてAr(g)雰囲気下で加えた。30分後、THF(5mL)中のジ−ピリジン−2−イル−メタノン(1.437g、7.81mmol)を加え、該反応物を2時間撹拌し、その後室温まで昇温させた。17時間後、NHCl飽和水溶液(250mL)およびEtOAc(150mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:0.5〜100:2)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを薄茶色の油として供給した(990mg、40%)。
MW:324.42。LCMS(ES):325.2[MH]であるとわかった。
【0121】
8,8−ジ−ピリジン−2−イル−オクト−7−エン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、0.5mL)を、MeOH(0.5mL)中のII(68mg、0.21mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×5mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:1〜100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(12mg、18%)。
【表12】


LCMS(ES):312.1[MH]であるとわかった。
【0122】
実施例6:N−ヒドロキシ−8,8−ジ(ピリジン−2−イル)オクト−7−エナミド
【化36】

【0123】
エチル 8,8−ビス(ピリジン−2−イル)オクタノエート(II)
NaBH(43mg、1.14mmol)およびNiCl・6HO(135mg、0.57mmol)を、THF(4mL)中のI(124mg、0.38mmol;調製の概略は上記実施例5に示す)に0℃、Ar(g)雰囲気下で加えた。0℃で2時間撹拌後、反応物を1N HCl(2mL)で注意しつつクエンチし、飽和NaHCOで中和し、EtOAc(10mL)を加えた。相を分離し、水相をEtOAc(10mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(20:80)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(34mg、27%)。
【表13】


LCMS(ES):327.2[MH]であるとわかった。
【0124】
N−ヒドロキシ−8,8−ジ(ピリジン−2−イル)オクト−7−エナミド(III)
HONH(50%水溶液、1mL)を、MeOH(1mL)中のII(34mg、0.1mmol)に室温で加えた。該反応混合物を48時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×5mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:3〜100:5)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(16mg、52%)。
【表14】


LCMS(ES):314.2[MH]であるとわかった。
【0125】
実施例7:N−ヒドロキシ−7−((4−メチルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化37】

【0126】
(4−メチル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミン(I)
2−ブロモ−4−メチルピリジン(0.195mL,1.74mmol)、2−アミノピリジン(180mg、1.91mmol)、カリウム tert−ブトキシド(293mg、2.61mmol)、(±)−BINAP(4.3mg、6.96mmol)およびPd(dba)(4mg、4.35mmol)をトルエン(2.5mL)中で90℃にてAr(g)雰囲気下で撹拌した。17時間の撹拌後、前記反応混合物をCHCl(2.5mL)で希釈し、シリカを加えた。溶媒を減圧下で除去し、得られた乾燥ロード材料(dry loaded material)を、CHCl/MeOH(100:1〜100:2)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Iを黄色固体として供給した(249mg、77%)。
【表15】


LCMS(ES):186.1[MH]であるとわかった。
【0127】
7−[(4−メチル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
NaH(53mg、1.34mmol)をDMF(5mL)中のI(249mg、1.34mmol)に室温で加えた。10分後、KI(335mg、2.02mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.40mL,2.02mmol)を加え、該反応混合物を90℃で22時間撹拌した。0.1M Na水溶液(50mL)およびEtOAc(50mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜75:25)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(101mg、22%)。
【表16】


LCMS(ES):342.2[MH]であるとわかった。
【0128】
N−ヒドロキシ−7−((4−メチルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)をMeOH(2mL)中のII(101mg、0.3mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×5mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:3〜100:7)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(46mg、47%)。
【表17】


LCMS(ES):329.2[MH]であるとわかった。
【0129】
実施例8:N−ヒドロキシ−7−((4−フェニルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化38】

【0130】
(4−フェニル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミン(I)
2−ブロモ−4−フェニルピリジン(280mg、1.19mmol)、2−アミノピリジン(124mg、1.31mmol),カリウム tert−ブトキシド(201mg、1.79mmol)、(±)−BINAP(3mg、0.05mmol)およびPd(dba)(2.7mg、0.03mmol)を、トルエン(2.5mL)中で90℃にてAr(g)雰囲気下で撹拌した。17時間の撹拌後、前記反応混合物をCHCl(2.5mL)で希釈し、シリカを加えた。溶媒を減圧下で除去し、得られた乾燥ロード材料(dry loaded material)を、CHCl/MeOH(100:2)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Iを黄色固体として供給した(183mg、62%)。
【表18】


LCMS(ES):248.1.[MH]であるとわかった。
【0131】
7−[(4−フェニル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
NaH(29mg、0.73mmol)をDMF(7.5mL)中のI(180mg、0.73mmol)に室温で加えた。10分後、KI(183mg、1.1mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.21mL,1.1mmol)を加え、該反応混合物を90℃で16時間撹拌した。0.1M Na水溶液(50mL)およびEtOAc(30mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(30mL)で抽出した。その後、有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(85:15〜80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(169mg、57%)。
【表19】


LCMS(ES):404.2[MH]であるとわかった。
【0132】
N−ヒドロキシ−7−((4−フェニルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド(III)
HONH(50%水溶液、4mL)をMeOH(4mL)およびDMF(2mL)中のII(120mg、0.3mmol)に室温で加えた。該反応混合物を24時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(3×5mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:2〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを黄色油として供給した(28mg、23%)。
【表20】


LCMS(ES):391.2[MH]であるとわかった。
【0133】
実施例9:N−ヒドロキシ−7−((5−メチルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化39】

【0134】
(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミン(I)
2−ブロモ−5−メチルピリジン(300mg、1.74mmol)、2−アミノピリジン(180mg、1.91mmol)、カリウム tert−ブトキシド(293mg、2.61mmol)、(±)−BINAP(4.3mg、0.07mmol)およびPd(dba)(4mg、0.05mmol)をトルエン(4mL)中で90℃にてAr(g)雰囲気下で撹拌した。17時間の撹拌後、前記反応物をCHCl(5mL)で希釈し、シリカを加えた。溶媒を減圧下で除去し、得られた乾燥ロード材料(dry loaded material)を、CHCl/MeOH(100:2)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Iを黄色固体として供給した(187mg、58%)。
【表21】


LCMS(ES):186.1[MH]であるとわかった。
【0135】
7−[(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
NaH(38mg、1.0mmol)をDMF(7.5mL)中のI(187mg、1.0mmol)に室温で加えた。10分後、KI(250mg、1.5mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.29mL,1.5mmol)を加え、該反応混合物を90℃で17時間撹拌した。0.1M Na水溶液(30mL)およびEtOAc(25mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(25mL)で抽出した。その後有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:1)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(236mg、70%)。MW:341.45。LCMS(ES):342.2[MH]であるとがわかった。
【0136】
N−ヒドロキシ−7−((5−メチルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド(III)
HONH(50%水溶液、1mL)をMeOH(1mL)およびDMF(0.5mL)中のII(50mg、0.15mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(3×5mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:2〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを薄茶色の油として供給した(37mg、75%)。
【表22】


LCMS(ES):329.2[MH]であるとわかった。
【0137】
実施例10:7−((5−(ベンジルオキシ)ピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド
【化40】

【0138】
5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−ピリジン(I)
DMF(3mL)中の2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(347mg、2mmol)を、0℃、Ar(g)雰囲気下、NaH(88mL、2.3mmol)のDMF懸濁液(2mL)に10分間かけて滴下した。その後、該反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで再び0℃に冷却し、臭化ベンジル(0.25mL,2.1mmol)を加えた。該反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、その後、食塩水(20mL)上に注ぎ、EtOAc(20mL)を加えた。相を分離し、水相をEtOAc(20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン:EtOAc(95:5〜90:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Iを無色油として供給した(380mg、72%)。
【表23】


LCMS(ES):265.0[MH]であるとわかった。
【0139】
(5−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミン(II)
化合物I(370mg、1.40mmol)、2−アミノピリジン(145mg、1.54mmol)、tBuOK(235mg、2.10mmol)、(±)−BINAP(35mg、0.01mmol)およびPd(dba)(32mg、0.006mmol)を、トルエン(5mL)中で、90℃にて、Ar(g)雰囲気下17時間撹拌した。その後、該反応混合物をCHCl(5mL)で希釈し、シリカを加え、次いで減圧下で溶媒を除去した。得られた乾燥ロード材料(dry load material)を、ヘキサン/EtOAc(60:40、その後50:50)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(355mg、91%)
【表24】


LCMS(ES):278.1[MH]であるとわかった。
【0140】
7−[(5−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
NaH(48mg、1.266mmol)を、室温でDMF(6mL)中のII(350mg、1.26mmol)に加えた。10分後、KI(314mg、1.89mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.370mL,1.89mmol)を加えた。該反応混合物を90℃で18.5時間撹拌し、その後0.1M Na(50mL)およびEtOAc(50mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(80:20、その後70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(308mg、56%)。
【表25】


LCMS(ES):434.2[MH]であるとわかった。
【0141】
7−((5−(ベンジルオキシ)ピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド(IV)
HONH(50%水溶液、0.5mL)をDMF(0.2mL)およびMeOH(0.5mL)中のIII(26mg、0.06mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×10mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(18.66mg、74%)。
【表26】


LCMS(ES):421.2[MH]であるとわかった。
【0142】
実施例11:N−ヒドロキシ−7−((5−メトキシピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化41】

【0143】
7−[(5−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
Pd(OH)(42mg、0.06mmol)、1,4−シクロヘキサジエン(0.112mL,1.2mmol)およびI(105mg、0.24mmol;調製の概略は上記実施例10に示す)をEtOHabs(5mL)中で80℃にて3時間撹拌した。該反応混合物をシリカを通して濾過し、その後減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(60:40〜40:60)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(75mg、91%)。
【表27】


LCMS(ES):344.1[MH]であるとわかった。
【0144】
7−[(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
CO(12mg、0.087mmol)をDMF(2mL)中の化合物II(20mg、0.058mmol)に室温でAr(g)雰囲気下で加えた。15分後、CHI(0.004mL,0.058mmol)を加え、反応物を50℃で3.5時間撹拌した。食塩水(15mL)およびEtOAc(15mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(2×5mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(80:20〜70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(11.65mg、56%)。
【表28】


LCMS(ES):358.1[MH]であるとわかった。
【0145】
7−[(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシルアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(11.65mg、0.033mmol)に室温で加えた。該反応混合物を28時間撹拌し、その後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×10mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4、その後100:6)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(6.76mg、60%)。
【表29】


LCMS(ES):345.1[MH]であるとわかった。
【0146】
実施例12:N−ヒドロキシ−7−((5−フェニルピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)ヘプタンアミド
【化42】

【0147】
7−[ピリジン−2−イル−(5−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
TEA(27μL、0.2mmol)およびN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(50mg、0.14mmol)をCHCl(2mL)中のI(44mg、0.13mmol;調製の概略は上記実施例11に示す)に、室温でAr(g)雰囲気下加えた。17時間の撹拌後、前記反応混合物を減圧留去し、得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(95:5〜75:25)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(53mg、86%)。
【表30】

LCMS(ES):476.1[MH]であるとわかった。
【0148】
7−[(5−フェニル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
化合物II(22mg、0.046mmol)、Pd(PPh(1.6mg、0.0014mmol)、フェニルボロン酸(11.2mg、0.092mmol)および炭酸カリウム(9.5mg、0.07mmol)を、トルエン(2mL)中、90℃で密閉チューブ内において20時間撹拌した。その後、該反応混合物をセライトで濾過し、減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、16mgのIIIを出発原料との混合物中に供給した。
MW:403.52。LCMS(ES):404.2[MH]であるとわかった。
【0149】
7−[(5−フェニル−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(16mg)の前記クルードバッチに室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×3mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:8、その後100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(1.36mg、2工程全体で7%)。
【表31】


LCMS(ES):391.1[MH]であるとわかった。
【0150】
実施例13:7−((5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド
【化43】

【0151】
7−{[5−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸エチルエステル(II)
化合物I(13mg、0.027mmol;調製の概略は上記実施例12に示す)、Pd(PPh(3.5mg、0.003mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(7.6mg、0.055mmol)および炭酸カリウム(15mg、0.108mmol)をトルエン(1.5mL)および水(0.7mL)中で120℃にてマイクロ波(300W)照射下で20分間撹拌した。その後、該反応混合物を食塩水(5mL)上に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10、その後85:15)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(2.5mg、22%)。
【表32】


LCMS(ES):422.2[MH]であるとわかった。
【0152】
7−((5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)(ピリジン−2−イル)アミノ)−N−ヒドロキシヘプタンアミド(III)
HONH(50%水溶液、0.5mL)をDMF(0.2mL)およびMeOH(0.5mL)中のII(2.5mg、0.006mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:6)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(1.63mg、70%)。
【表33】


LCMS(ES):409.2[MH]であるとわかった。
【0153】
実施例14:7−(イソキノリン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化44】

【0154】
イソキノリン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミン(I)
2−アミノ−イソキノリン(301mg、2.09mmol)、2−ブロモピリジン(181μL,1.90mmol)、tBuOK(320mg、2.55mmol)、(±)−BINAP(47mg、0.08mmol)およびPd(dba)(43mg、0.05mmol)をトルエン(3mL)中で90℃にて、Ar(g)雰囲気下、17時間撹拌した。次いで前記反応混合物をCHCl(5mL)で希釈し、シリカを加え、その後溶媒を減圧下で除去した。得られた乾燥ロード材料(dry loaded material)を、ヘキサン/EtOH(80:20、その後70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Iを白色固体として供給した(252mg、60%)。
【表34】


LCMS(ES):222.1[MH]であるとわかった。
【0155】
7−(イソキノリン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸エチルエステル(II)
NaH(44mg、1.13mmol)をDMF(6mL)中のI(250mg、1.13mmol)に室温で加えた。10分後、KI(282mg、1.70mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.330mL,1.70mmol)を加えた。前記反応混合物を90℃で18時間撹拌し、その後、0.1M Na(50mL)およびEtOAc(50mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(50mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10、その後80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(221mg、52%)。
【表35】


LCMS(ES):378.2[MH]であるとわかった。
【0156】
7−(イソキノリン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、1mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(1mL)中のII(40mg、0.1mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:3〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(19mg、54%)。
【表36】


LCMS(ES):365.1[MH]であるとわかった。
【0157】
実施例15:7−[(4−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化45】

【0158】
4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−ピリジン(I)
NaH(761mg、19.83mmol)を、DMF(50mL)中の2−ブロモ−4−ヒドロキシピリジン(3g、17.24mmol)に、何度かに分けて、0℃でAr(g)雰囲気下加えた。その後、該反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで再び0℃で冷却し、臭化ベンジル(2.15mL,18.10mmol)を加えた。該反応物を室温で4時間撹拌し、その後、食塩水(200mL)上に注ぎ、EtOAc(200mL)を加えた。相を分離し、有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン:EtOAc(90:10〜80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Iを白色固体として供給した(2.331g、51%)。
【表37】


LCMS(ES):265.9[MH]であるとわかった。
【0159】
(4−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミン(II)
化合物I(2.325mg、8.80mmol)、2−アミノピリジン(911mg、9.68mmol)、tBuOK(1.481g、13.20mmol)、(±)−BINAP(219mg、0.35mmol)およびPd(dba)(201mg、0.22mmol)をトルエン(35mL)中で90℃にて、Ar(g)雰囲気下、17時間撹拌した。次いで前記反応混合物をCHCl(20mL)で希釈し、シリカを加え、その後溶媒を減圧下で除去した。得られた乾燥ロード材料(dry loaded material)を、ヘキサン/EtOAc(60:40、その後50:50)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを黄色油として供給した(1.773g、73%)。
【表38】


LCMS(ES):278.1[MH]であるとわかった。
【0160】
7−[(4−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
NaH(245mg、6.38mmol)をDMF(25mL)中のII(1.77g、6.38mmol)に室温で加えた。15分後、KI(1.588g、9.57mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(1.86mL,9.57mmol)を加え、該反応混合物を90℃で17時間撹拌した。0.1M Na水溶液(100mL)およびEtOAc(100mL)を加え、相を分離した。有機相を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを黄色油として供給した(1.321g、48%)。
【表39】


LCMS(ES):434.2[MH]であるとわかった。
【0161】
7−[(4−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、1mL)をDMF(0.2mL)およびMeOH(0.5mL)中のIII(47mg、0.11mmol)に室温で加えた。該反応混合物を72時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:5)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(19mg、41%)。
【表40】


LCMS(ES):421.2[MH]であるとわかった。
【0162】
実施例16:7−[(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化46】

【0163】
7−[(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
Pd(OH)(515mg、0.72mmol)、1,4−シクロヘキサジエン(1.37mL,14.69mmol)および化合物I(1.274g、2.94mmol;上記実施例15に概説する方法を用いて調製)をEtOHabs(25mL)中、80℃で2.5時間撹拌した。その後、該反応混合物をシリカを通して濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:3〜100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(728mg、72%)。
【表41】


LCMS(ES):344.1[MH]であるとわかった。
【0164】
7−[(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
CO(15mg、0.11mmol)を、DMF(2mL)中のII(25mg、0.073mmol)に室温でAr(g)雰囲気下、加えた。15分後、CHI(5μL,0.073mmol)を加え、反応物を70℃で22時間撹拌した。食塩水(30mL)およびEtOAc(30mL)を加え、その後、相を分離し、水相をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(60:40)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(10mg、40%)。
【表42】


LCMS(ES):358.2[MH]であるとわかった。
【0165】
7−[(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(10mg、0.028mmol)に室温で加えた。該反応混合物を17時間撹拌後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:3〜100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(8mg、84%)。
【表43】


LCMS(ES):345.1[MH]であるとわかった。
【0166】
実施例17:7−[(4−エトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化47】

【0167】
7−[(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
Pd(OH)(515mg、0.72mmol)、1,4−シクロヘキサジエン(1.37mL,14.69mmol)および化合物I(1.274g、2.94mmol;上記実施例15に概説する方法を用いて調製)を、EtOHabs(25mL)中で、80℃にて2.5時間撹拌した。その後、該反応混合物をシリカを通して濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:3〜100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(728mg、72%)。
【表44】


LCMS(ES):344.1[MH]であるとわかった。
【0168】
7−[(4−エトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
CO(21mg、0.15mmol)をDMF(2mL)中のII(31mg、0.10mmol)に室温でAr(g)雰囲気下加えた。15分後、ヨードエタン(9μL,0.11mmol)を加え、反応物を70℃で26時間撹拌した。食塩水(50mL)およびEtOAc(25mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(25mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(60:40)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(16mg、43%)。
【表45】


LCMS(ES):372.2[MH]であるとわかった。
【0169】
7−[(4−エトキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(16mg、0.045mmol)に室温で加えた。該反応混合物を17時間撹拌後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:3〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(12mg、75%)。
【表46】


LCMS(ES):359.1[MH]であるとわかった。
【0170】
実施例18:7−[(4−プロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化48】

【0171】
7−[(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸エチルエステル(II)
Pd(OH)(515mg、0.72mmol)、1,4−シクロヘキサジエン(1.37mL,14.69mmol)およびI(1.274g、2.94mmol;上記実施例15に概説する方法を用いて調製)を、EtOHabs(25mL)中で、80℃にて2.5時間撹拌した。その後、該反応混合物をシリカを通して濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:3〜100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(728mg、72%)。
【表47】


LCMS(ES):344.1[MH]であるとわかった。
【0172】
7−[(4−プロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
CO(21mg、0.15mmol)を、DMF(2mL)中のII(31mg、0.10mmol)に、室温でAr(g)雰囲気下加えた。15分後、ヨードプロパン(11μL,0.11mmol)を加え、反応物を70℃で17時間撹拌した。食塩水(50mL)およびEtOAc(25mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(25mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(28mg、80%)。
【表48】


LCMS(ES):386.2[MH]であるとわかった。
【0173】
7−[(4−プロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(16mg、0.045mmol)に室温で加えた。該反応混合物を22.5時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:5〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(14mg、50%)。
【表49】

LCMS(ES):373.2[MH]であるとわかった。
【0174】
実施例19:7−[(4−イソプロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化49】

【0175】
7−[(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
Pd(OH)(515mg、0.72mmol)、1,4−シクロヘキサジエン(1.37mL,14.69mmol)および化合物I(1.274g、2.94mmol;上記実施例15に概説する方法を用いて調製)をEtOHabs(25mL)中で80℃にて2.5時間撹拌した。その後、該反応混合物をシリカを通して濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:3〜100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(728mg、72%)。
【表50】


LCMS(ES):344.1[MH]であるとわかった。
【0176】
7−[(4−イソプロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
CO(32mg、0.23mmol)をDMF(2mL)中のII(53mg、0.15mmol)に室温でAr(g)雰囲気下加えた。15分後、2−ヨードプロパン(16μL,0.165mmol)を加え、反応物を70℃で3時間撹拌した。食塩水(50mL)およびEtOAc(25mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(25mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(70:30)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(23mg、40%)。
【表51】


LCMS(ES):386.2[MH]であるとわかった。
【0177】
7−[(4−イソプロポキシ−ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(23mg、0.06mmol)に室温で加えた。該反応混合物を26時間撹拌後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:5〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(14mg、65%)。
【表52】


LCMS(ES):373.2[MH]であるとわかった。
【0178】
実施例20:7−(ピリジン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化50】

【0179】
ピリジン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミン(I)
2−ブロモピリジン(0.3mL,3.16mmol)、3−アミノピリジン(327mg、3.48mmol)、tBuOK(532mg、4.74mmol)、(±)−BINAP(79mg、0.126mmol)およびPd(dba)(72mg、0.079mmol)を、トルエン(5mL)中で、90℃にて、Ar(g)雰囲気下、19時間撹拌した。該反応混合物をCHCl(5mL)で希釈し、シリカを加え、その後減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:3〜100:6)にで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、Iを褐色油として供給した(483mg、90%)。
【表53】


LCMS(ES):172.1[MH]であるとわかった。
【0180】
7−(ピリジン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸エチルエステル(II)
NaH(107mg、2.8mmol)をDMF(10mL)中のII(480mg、2.8mmol)に室温で加えた。15分後、KI(697mg、4.2mmol)およびエチル 7−ブロモヘプタノエート(0.825mL、4.2mmol)を加え、該反応混合物を90℃で17時間撹拌した。0.1M Na水溶液(100mL)およびEtOAc(100mL)を加え、相を分離した。有機相を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、CHCl/MeOH(100:1〜100:3)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを褐色油として供給した(141mg、15%)。
【表54】


LCMS(ES):328.2[MH]であるとわかった。
【0181】
7−(ピリジン−3−イル−ピリジン−2−イル−アミノ)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のII(140mg、0.43mmol)に室温で加えた。該反応混合物を24時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:25)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを黄色油として供給した(31mg、23%)。
【表55】


LCMS(ES):315.1[MH]であるとわかった。
【0182】
実施例21:7−{[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化51】

【0183】
7−[ピリジン−2−イル−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
TEA(345μL,2.56mmol)およびN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(673mg、1.88mmol)を、CHCl(10mL)中のI(588mg、1.71mmol;上記実施例16に概説する方法を用いて調製)に、室温にて、Ar(g)雰囲気下加えた。27時間の撹拌後、該反応混合物を減圧留去し、得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(653mg、80%)。
【表56】


LCMS(ES):476.1[MH]であるとわかった。
【0184】
7−{[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸エチルエステル(III)
化合物II(54mg、0.113mmol)、Pd(PPh(13mg、0.011mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(32mg、0.23mmol)および炭酸カリウム(63mg、0.45mmol)を、トルエン(1.5mL)および水(0.7mL)中で、120℃にてマイクロ波照射(300W)下で30分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(5mL)上に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10、その後80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(34mg、71%)。
【表57】


LCMS(ES):422.2[MH]であるとわかった。
【0185】
7−{[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(34mg、0.08mmol)に室温で加えた。該反応混合物を23時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:3〜100:6)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(18mg、54%)。
【表58】


LCMS(ES):409.2[MH]であるとわかった。
【0186】
実施例22:7−{[4−(4−アミノ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化52】

【0187】
7−[ピリジン−2−イル−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
TEA(345μL,2.56mmol)およびN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(673mg、1.88mmol)をCHCl(10mL)中のI(588mg、1.71mmol;上記実施例16に概説する方法を用いて調製)に、室温にて、Ar(g)雰囲気下加えた。27時間の撹拌後、該反応混合物を減圧留去し、得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(80:20)にで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(653mg、80%)。
【表59】


LCMS(ES):476.1[MH]であるとわかった。
【0188】
7−{[4−(4−アミノ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸エチルエステル(III)
化合物II(52mg、0.109mmol)、Pd(PPh(12mg、0.011mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(48mg、0.218mmol)および炭酸カリウム(60mg、0.44mmol)を、トルエン(3mL)および水(1.5mL)中で、120℃にてマイクロ波照射(300W)下で30分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(50mL)上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10、その後0:100)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを褐色油として供給した(32mg、70%)。
【表60】


LCMS(ES):419.2[MH]であるとわかった。
【0189】
7−{[4−(4−アミノ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)をDMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(30mg、0.072mmol)に室温で加えた。該反応混合物を22時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:10)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを黄色油として供給した(7mg、24%)。
【表61】


LCMS(ES):406.2[MH]であるとわかった。
【0190】
実施例23:7−[ピリジン−2−イル−(4−p−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化53】

【0191】
7−[ピリジン−2−イル−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
TEA(345μL,2.56mmol)およびN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(673mg、1.88mmol)を、CHCl(10mL)中のI(588mg、1.71mmol;上記実施例16に概説する方法を用いて調製)に、室温にて、Ar(g)雰囲気下で加えた。27時間の撹拌後、該反応混合物を減圧留去し、得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(653mg、80%)。
【表62】


LCMS(ES):476.1[MH]であるとわかった。
【0192】
7−[ピリジン−2−イル−(4−p−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(III)
化合物II(56mg、0.117mmol)、Pd(PPh(12mg、0.011mmol)、p−トリルボロン酸(32mg、0.235mmol)および炭酸カリウム(65mg、0.47mmol)を、トルエン(3mL)および水(1.5mL)中で120℃にてマイクロ波(300W)照射下で30分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(30mL)上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10、その後80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(43mg、88%)。
【表63】


LCMS(ES):418.2[MH]であるとわかった。
【0193】
7−[ピリジン−2−イル−(4−p−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(IV)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のIII(43mg、0.10mmol)に、室温で加えた。該反応混合物を17時間撹拌後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:7)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IVを無色油として供給した(16mg、38%)。
【表64】


LCMS(ES):405.2[MH]であるとわかった。
【0194】
実施例24:7−[ピリジン−2−イル−(4−o−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化54】

【0195】
7−[ピリジン−2−イル−(4−o−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
化合物I(65mg、0.136mmol;上記実施例21に対して概説する方法を用いて調製)、Pd(PPh(16mg、0.014mmol),o−トリルボロン酸(37mg、0.273mmol)および炭酸カリウム(75mg、0.54mmol)を、トルエン(3mL)および水(1.5mL)中で、120℃にてマイクロ波照射(300W)下で30分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(50mL)上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(37mg、64%)。
【表65】


LCMS(ES):418.2[MH]であるとわかった。
【0196】
7−[ピリジン−2−イル−(4−o−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のII(37mg、0.09mmol)に、室温で加えた。該反応混合物を22時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを黄色油として供給した(20mg、55%)。
【表66】


LCMS(ES):405.2[MH]であるとわかった。
【0197】
実施例25:7−{[4−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化55】

【0198】
7−{[4−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸エチルエステル(II)
化合物I(55mg、0.116mmol;上記実施例21に対して概説する方法を用いて調製)、Pd(PPh(14mg、0.012mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(36mg、0.231mmol)および炭酸カリウム(64mg、0.46mmol)を、トルエン(3mL)および水(1.5mL)中で、120℃にてマイクロ波照射(300W)下で30分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(50mL)上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(19mg、38%)。
【表67】


LCMS(ES):438.2[MH]であるとわかった。
【0199】
7−{[4−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のII(19mg、0.043mmol)に、室温で加えた。該反応混合物を22時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:7)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを淡青色の油として供給した(8mg、44%)。
【表68】


LCMS(ES):425.1[MH]であるとわかった。
【0200】
実施例26:7−{[4−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化56】

【0201】
7−{[4−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸エチルエステル(II)
化合物I(56mg、0.117mmol;上記実施例21に対して概説する方法を用いて調製)、Pd(PPh(13mg、0.012mmol)、2−フルオロフェニルボロン酸(33mg、0.235mmol)および炭酸カリウム(65mg、0.47mmol)を、トルエン(3mL)および水(1.5mL)中で、120℃にてマイクロ波照射(300W)下で40分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(50mL)上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜85:15)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(20mg、41%)。
【表69】


LCMS(ES):422.2[MH]であるとわかった。
【0202】
7−{[4−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル−アミノ}−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のII(30mg、0.07mmol)に、室温で加えた。該反応混合物を22時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:7)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを白色のワックスとして供給した(15mg、79%)。
【表70】


LCMS(ES):409.2[MH]であるとわかった。
【0203】
実施例27:7−[ピリジン−2−イル−(4−m−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
【化57】

【0204】
7−[ピリジン−2−イル−(4−m−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸エチルエステル(II)
化合物I(56mg、0.117mmol;上記実施例21に対して概説する方法を用いて調製)、Pd(PPh(14mg、0.013mmol)、m−トリルボロン酸(32mg、0.235mmol)および炭酸カリウム(65mg、0.47mmol)を、トルエン(3mL)および水(1.5mL)中で、120℃にてマイクロ波照射(300W)下で30分間撹拌した。該反応混合物を食塩水(30mL)上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/EtOAc(90:10〜80:20)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIを無色油として供給した(41mg、84%)。
【表71】


LCMS(ES):418.2[MH]であるとわかった。
【0205】
7−[ピリジン−2−イル−(4−m−トリル−ピリジン−2−イル)−アミノ]−ヘプタン酸ヒドロキシアミド(III)
HONH(50%水溶液、2mL)を、DMF(0.5mL)およびMeOH(2mL)中のII(31mg、0.074mmol)に、室温で加えた。該反応混合物を24時間撹拌し、その後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(2×2mL)で溶解および同時留去し、次いでCHCl/MeOH(100:4〜100:7)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IIIを無色油として供給した(18mg、62%)。
【表72】


LCMS(ES):405.2[MH]であるとわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【化1】


式中:
【数1】


は二重結合であり、かつXはCであり;または
【数2】


は単結合であり、かつXはN、CHまたはCQRであり;
式中:
nは1〜10であり;
RはHまたはQRであり;
各R’は独立にHおよびQRより選択され;
各Qは独立に、結合、CO、NH、S、SO、SOまたはOより選択され;
各Rは独立に炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール、アシル、炭素数1〜10のシクロアルキル、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキルアリールまたは炭素数1〜10のヘテロシクロアルキルより選択され;
Lは窒素含有ヘテロアリールであり;および
Wは亜鉛キレート残基である。
【請求項2】
Lの少なくともひとつがピリジルまたはベンゾ縮合ピリジルより選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Wが:
【化2】


より選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Wが、−COOH、−CONHOH、−CONHSOCH、−CONHNHSOCH、−CONHNH、−CONH(2−ピリジル)または−NHCONHOHである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Wが−CONHOHである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R’の少なくともひとつが、H、炭素数1〜10のアルキル、またはO−(炭素数1〜10のアルキル)である、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
R’の少なくともひとつが、置換もしくは非置換のアリール、またはO−(置換もしくは非置換のアリール)である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
R’の少なくともひとつが、ハロゲン、アミノもしくは炭素数1〜10のアルキルで置換されたアリールであるか、または、ハロゲン、アミノもしくは炭素数1〜10のアルキルで置換されたO−アリールである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
nが3〜6である、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
【数3】


がC=である、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
【数4】


がN−である、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
本明細書に例示されている、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
治療において使用するための、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)により媒介される疾患の治療または予防において使用するための、上記請求項のうちいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
前記疾患が、癌、心肥大、慢性心不全、炎症状態、循環器疾患、異常血色素症、サラセミア、鎌状赤血球病、中枢神経系(CNS)障害、自己免疫疾患、糖尿病、骨粗しょう症、骨髄異形成症候群(MDS)、良性前立腺増殖症、子宮内膜症、口腔白板症、遺伝的に関連のある代謝障害、感染、Rubens−Taybi、脆弱X症候群、またはα−1アンチトリプシン欠損症である、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
前記疾患が、慢性リンパ球性白血病、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、中皮腫、T細胞リンパ腫、心肥大、慢性心不全、皮膚炎症状態(特に乾癬、座瘡もしくは湿疹)、筋骨格炎症状態(特に関節リウマチ、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎もしくは変形性関節症)、または消化管の炎症状態(特に炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎もしくは過敏性腸症候群)である、請求項14または請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
創傷治癒の促進もしくは毛包保護に使用するための、または免疫抑制剤として使用するための、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物、および、医薬的に許容される担体もしくは希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項19】
経口、経腸、非経口、鼻腔内、もしくは経皮投与、または吸入もしくは坐剤による投与に適した形態である、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
顆粒剤または錠剤(好ましくは舌下錠)、カプセル剤、トローチ剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁剤、または分散粉末剤の形態である、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)により媒介される疾患の治療または予防に使用するための医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項22】
前記疾患が請求項13〜15のいずれかに定義されるものである、請求項21記載の使用。
【請求項23】
(a)請求項1〜12のいずれかに記載の化合物および(b)ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の他の阻害剤を含む、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)により媒介される疾患の治療または予防において、同時に、別々に、または順次使用するための、製品。
【請求項24】
(a)請求項1〜12のいずれかに記載の化合物および(b)他の化学療法剤または抗腫瘍薬を含む、癌の治療または予防において、同時に、別々に、または順次使用するための、製品。

【公表番号】特表2012−516317(P2012−516317A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546968(P2011−546968)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050116
【国際公開番号】WO2010/086646
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(511183940)カルス セラピューティクス リミテッド (2)
【Fターム(参考)】