説明

ステージ移動装置及び無接点充電器

【課題】可及的に安価で、モータ制御が簡単なステージ移動装置を提供する。
【解決手段】ステージ移動装置1を、1個の正・逆回転可能なモータ100と、互いに直角に交差して配置され、交差部分にステージ600を保持するX軸方向キャリッジ400X及びX軸方向キャリッジ400Xと、モータ100の回転力をX軸方向キャリッジ400XをX軸方向に移動させる経路に伝達するか、Y軸方向キャリッジ400YをY軸方向に移動させる経路に伝達するかをステージ600の移動目標に応じて切り替える動力伝達経路切替手段と、モータ100の回転軸の回転運動をX軸方向キャリッジ400Xの直線往復運動又はY軸方向キャリッジ400Yの直線往復運動に変換する運動方向変換手段と、X軸方向キャリッジ案内手段及びY軸方向キャリッジ案内手段と、ステージ600の移動目標に応じてモータ100の回転方向及び回転角度を制御するモータ制御装置とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、加工、検査、測定、撮影又は充電などの作用を行う物(以下、能動部材という。)又は上記作用を受ける物(以下、受動部材という。)を取付けたステージをX,Y座標軸で規定されたエリア内の指定された座標位置に移動させるためのステージ移動装置及びその装置を利用した無接点充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
能動部材又は受動部材を取付けたステージをX,Y座標軸で規定されたエリア内の指定された座標位置に移動させるための装置としては、特許文献1に記載の能動部材が被験レンズである場合のレンズ光学性能分布自動測定装置、特許文献2に記載の受動部材が被測定物である場合の自動形状測定装置、特許文献3に記載の受動部材が試料である場合の顕微鏡用伝動ユニットの制御装置、あるいは、特許文献4に記載の能動部材が基板検査用コンタクトピンである場合の基板検査装置のそれぞれにおいて用いられるステージ移動装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−20001号公報
【特許文献2】特開平9−198114号公報
【特許文献3】特開2005−91893号公報
【特許文献4】特開2011−28549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のステージ移動装置は、X駆動軸とそのX駆動軸を回転させる第1モータとX駆動軸の回転運動を受けてX軸方向に移動されるテーブルとからなるX軸駆動ユニットと、そのテーブル上に取付けられたY駆動軸とそのY駆動軸を回転させる第2モータとY駆動軸の回転運動を受けてY軸方向に移動されるステージとからなるY軸駆動ユニットとから構成され、そのステージに能動部材又は受動部材が取付けられるものである。そして、X駆動軸とY駆動軸には金属製ボールネジを用い、第1モータと第2モータにはいずれも正転・逆転が可能なサーボモータなどを用いている。
【0005】
従って、金属製ボールネジを2本用い、サーボモータを2個用いるので、ステージ移動装置が高額なものとなり、大型になるという問題があった。
【0006】
携帯電話機や携帯情報端末機などの携帯電子機器は、電源として充電可能なリチウムイオン電池などを用いている。この電池に充電するときは、ACアダプターから携帯電子機器の充電入力コネクタに接続して行うが、この接触型充電器のACアダプターは、携帯電子機器の機種によりコネクタの接続が不可能な場合があるので、適合可能なものを購入しなければならないという不便さがあった。また、充電するたびにコネクタへの抜き差しを行うため、小さいコネクタに接続することが困難であるとか、コネクタの破損や接続不良が発生するなどの問題があった。
【0007】
そこで、最近、充電パッドに携帯電子機器を載置するだけで充電される無接点式充電器が提案された。この無接点式充電器は、携帯電子機器よりも大きい面積を有する充電パッドの任意の位置に携帯電子機器を載置すると、座標位置センサがその載置位置を検知し、充電パッドの下側に設けてあるステージ移動装置が、充電用コイルを取付けてあるステージをその検知された座標位置に移動し、充電用コイルを充電パッド上の携帯電子機器の
受電用コイルと電磁結合させて充電するものである。
【0008】
この提案に係る無接点式充電器が用いるステージ移動装置は、螺旋方向が逆向きの2つの螺旋溝(往動カム溝と復動カム溝)を両端で繋いだ構造の往復螺旋溝(往復カム溝)を有する2つの軸をX駆動軸及びY駆動軸として用いる。また、直角に配置されたX駆動軸とY駆動軸のそれぞれの端部に、一方向にのみ回転する第1モータと第2モータの回転軸を、減速ギア列を介して結合している。そして、X駆動軸の往復カム溝に船形のフォロワを滑走可能に嵌合し、そのフォロワにX駆動軸にその軸方向に往復移動可能に保持させたX軸方向キャリッジを結合して、第1モータとX駆動軸とX軸方向キャリッジとでX軸駆動ユニットを構成している。また、Y駆動軸の往復カム溝に同様のフォロワを滑走可能に嵌合し、そのフォロワにY駆動軸にその軸方向に往復移動可能に保持させたY軸方向キャリッジを結合して、第2モータとY駆動軸とY軸方向キャリッジとでY軸駆動ユニットを構成している。そして、X軸方向キャリッジとY軸方向キャリッジの移動交差位置にステージを係合させ、そのステージに能動部材としての充電用コイルを取り付けている。
【0009】
上記構成により、第1モータが回転されるとX駆動軸が所定の一方向に回転されてX軸方向キャリッジがX軸方向に往復移動され、第2モータが回転されるとY駆動軸が所定の一方向に回転されてY軸方向キャリッジがY軸方向に往復移動される。従って、第1モータと第2モータの回転角度を制御することにより、充電用コイルを可動エリア内の任意の座標位置に移動させることができる。そして、ステージ移動装置の上側に設置した充電パッドに充電可能な電池を有する携帯電子機器を載置すると、充電パッドに設けてある座標位置センサがその載置位置を検知して座標位置信号をモータ制御装置に与えるので、モータ制御装置はその座標位置信号に基づいて第1モータと第2モータを制御して充電用コイルを携帯電子機器の載置位置、すなわち、指定された座標位置に移動させるように構成されている。
【0010】
しかしながら、上記提案に係る無接点式充電器が用いるステージ移動装置は、従来と同様に、2個のモータを用い、2本の金属製駆動軸を用いる。従って、無接点式充電器は重量が大きく、移動又は携帯に不便であり、2個のモータと2本の金属製駆動軸により製品価格が高くなり、また、モータ駆動のための電力消費量が多く、モータ制御装置のプログラムも複雑である。そのため、軽量、安価でモータ制御が簡単な無接点式充電器が求められていた。
【0011】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ステージをX,Y座標軸で規定されたエリア内の指定された座標位置に移動させることができる可及的に軽量、安価で、モータ制御が簡単なステージ移動装置を提供することを第1の目的とする。また、そのステージ移動装置を用いる可及的に軽量で安価な無接点式充電器を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記第1の目的を達成するため、能動部材(又は受動部材。以下、同じ。)をX,Y座標軸で規定された可動エリア内の指定された座標位置に移動させるためのステージ移動装置を、次のように構成したことを特徴とする。
すなわち、動力源としての1個の正・逆回転可能なモータと、互いに直交する方向に延在し、かつ、互いに直角に交差して配置され、交差部分にステージを相対移動可能に保持するX軸方向キャリッジ及びX軸方向キャリッジと、前記モータの動力(回転力)を、X軸方向キャリッジをX軸方向に移動させる経路に伝達するか、Y軸方向キャリッジをY軸方向に移動させる経路に伝達するかを、ステージの移動目標に応じて切り替える動力伝達経路切替手段と、前記モータの回転軸の回転運動を、X軸方向キャリッジの直線往復運動又はY軸方向キャリッジの直線往復運動に変換する運動方向変換手段と、X軸方向キャリッジのX軸方向の直線往復移動を案内するX軸方向キャリッジ案内手段及びY軸方向キャリッジのY軸方向の直線往復移動を案内するY軸方向キャリッジ案内手段と、ステージの移動目標に応じてモータの回転方向及び回転角度を制御するモータ制御装置とを有する(請求項1)。
【0013】
本発明の一実施の形態においては、前記動力伝達経路切替手段は、モータの回転軸に結合されたウォームギアと、互いに直交するX軸線とY軸線の交点に回転軸を有し、前記ウォームギアと噛合するウォームホイール及びフェイスギアを一体に有する伝動ギアと、回転軸線を前記X軸線と平行にした状態で設けられ、前記伝動ギアのフェイスギアに噛合する小歯車を駆動側に備えた第1の1方向クラッチであってモータの1方向回転時に駆動側を従動側に結合するもの及び回転軸線を前記Y軸線と平行にした状態で設けられ、前記伝動ギアのフェイスギアに噛合する小歯車を駆動側に備えた第2の1方向クラッチであってモータの他方向回転時に駆動側を従動側に結合するものとからなっており、前記運動方向変換手段は、前記X軸線とY軸線に沿って直角に配置され、一端に第1の1方向クラッチの従動側を接続したX駆動軸及び一端に第2の1方向クラッチの従動側を接続したY駆動軸と、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの外周面に形成された螺旋方向が逆向きの2つの螺旋状のカム溝の両端をカム溝で繋いだ構造の往復カム溝と、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの軸線に直交する軸に回転自在に設けられ、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの往復カム溝に滑走可能に嵌合されたフォロワとから構成され、前記X駆動軸及び前記Y駆動軸はそれぞれX軸方向キャリッジ案内手段及びY軸方向キャリッジ案内手段を兼ねていることを特徴としている(請求項2)。
【0014】
上記X駆動軸及びY駆動軸の往復カム溝の両端折り返し部近傍のリードは、その両端折り返し部以外の部分のリードよりも小さくすること、すなわち、往復カム溝の両端折り返し部近傍における各駆動軸の軸線に直交する直線に対する傾斜角度が、各駆動軸の中間部における傾斜角度よりも緩やかにすることが望ましい(請求項3)。
【0015】
上記第1及び第2の1方向クラッチには、針状コロ方式のクラッチを用い、X駆動軸及びY駆動軸は、いずれも合成樹脂製とすることが望ましい(請求項4)。この場合、X駆動軸及びY駆動軸の1方向クラッチから駆動力を受ける受動部の樹脂の外周に金属パイプを圧入することが望ましい(請求項5)。金属パイプに代えて、X駆動軸及びY駆動軸の1方向クラッチから駆動力を受ける受動部をX駆動軸及びY駆動軸の合成樹脂の端面に圧入した金属棒で構成しても良い(請求項6)。
【0016】
また、本発明の他の実施の形態においては、前記動力伝達経路切替手段は、前記モータにより駆動される太陽ギアと、その太陽ギアの回転軸を中心に揺動する揺動アームと、その揺動アームに軸支され前記太陽ギアと噛合っている衛星ギアとからなり、前記運動方向変換手段は、前記太陽ギアの中心において直交し、かつ、その太陽ギアの回転軸とも直交する2つの直線をX軸とY軸とし、そのX軸上及びY軸上にそれぞれ配置され、前記モータが一方向に回転することにより前記衛星ギアが前記太陽ギアの周りを一方向に回転移動してX軸上で噛合う第1X軸ドリブンギア及び前記モータが逆方向に回転することにより前記衛星ギアが前記太陽ギアの周りを逆方向に回転移動してY軸上で噛合う第1Y軸ドリブンギアと、X軸上に配置され、第1X軸ドリブンギアと対になる第2X軸ドリブンギア及びY軸上に配置され、第1Y軸ドリブンギアと対になる第2Y軸ドリブンギアと、前記第1X軸ドリブンギアと前記第2X軸ドリブンギアに巻装されるX軸タイミングベルト及び前記第1Y軸ドリブンギアと前記第2Y軸ドリブンギアに巻装されるY軸タイミングベルトと、前記X軸タイミングベルトの一点に結合され、前記X軸方向キャリッジの一端部に設けられたX軸方向と直交する長孔にその長軸方向に移動可能に挿通されたピン及び前記Y軸タイミングベルトの一点に結合され、前記Y軸タイミングベルトの一点に結合され、前記Y軸方向キャリッジの一端部に設けられたY軸方向と直交する長孔にその長手方向に移動可能に挿通されたピンとからなり、前記X軸方向キャリッジ案内手段は前記X軸タイミングベルトの背面に平行に設けられたX軸ガイドロッドからなり、前記Y軸方向キャリッジ案内手段は前記Y軸タイミングベルトの背面に平行に設けられたY軸ガイドロッドからなることを特徴としている(請求項7)。
【0017】
さらに、本発明に係るステージ移動装置は、その装置の上側に、ステージに取付けられている能動部材の作用を受ける受動部材を載置するパッドを設けるとともに、そのパッドに前記ステージの可動エリアに対応する位置に載置された受動部材の座標位置を検知する座標位置センサを設け、前記モータ制御装置を前記座標位置センサの出力する座標位置信号に応じてモータを制御するものとしたことを特徴とする(請求項8)。
【0018】
そして、本発明は、上記第2の目的を達成するため、上記ステージ移動装置のステージに能動部材としての充電用コイルを取付け、そのステージ移動装置の上側に少なくとも前記充電用コイルの可動エリアと等しい面積を有し、かつ受動部材としての携帯電子機器を載置した位置を検知する座標位置センサを備えた充電パッドを設けて、前記座標位置センサを前記携帯電子機器に備えてある受電用コイルを検知するものとして、携帯電子機器用充電器を構成したことを特徴とする(請求項9)。従って、受電用コイルを備えた携帯電子機器を充電パッドに載置すると、座標位置センサがその携帯電子機器の受電用コイルの位置を検知して座標位置信号をモータ制御装置に与えるので、ステージの充電用コイルがその座標位置まで移動され、充電用コイルと受電用コイルが電磁結合するため、携帯電子機器のバッテリに充電される。
【0019】
前記充電用コイルは、電源を直流化共振回路による高周波の発振を行い,磁束エネルギーを発生するトランス一次巻線であることを特徴とする(請求項10)。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、1個のモータを正回転又は逆回転させるだけで、X軸方向キャリッジ及びY軸方向キャリッジがX,Y軸方向に往復移動され、ステージを任意の座標位置に正確に移動させることができる。また、X軸方向キャリッジ及びY軸方向キャリッジをX,Y軸方向に往復移動させるために1個のモータを用い、複数の金属製ボールネジが不要であるので、製造コストの低減及び軽量化が可能であり、さらに、モータの制御が簡単である。
【0021】
請求項2の発明によれば、1個のモータだけでX駆動軸とY駆動軸とを各別に所定方向に所定角度回転させることにより、能動部材を取り付けたステージを任意の座標位置に移動させることができる。また、X駆動軸とY駆動軸を回転させるために1個のモータを用いるので、製造コストの低減が可能である。さらに、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの1方向回転により軸線方向に往復移動させる手段を介してX軸方向キャリッジ及びY軸方向キャリッジがX,Y軸方向に往復移動されるので、モータの制御が簡単である。
【0022】
請求項3の発明によれば、フォロワがカム溝を直進する時は往復動は速く、折返し部を通るときは緩やかに反転できるので、ステージの往復動作の安定と耐久性の向上が図れる。
【0023】
請求項4の発明によれば、小型の1方向クラッチが使用できるとともに、クラッチの被動軸を硬質合成樹脂で成形するので、X駆動軸及びY駆動軸を安価に製造できる。請求項5,6の発明によれば、クラッチの被動軸の一部に金属を使うので、耐久性の向上とコストダウンが図れる。
【0024】
請求項7の発明によれば、運動方向変換手段の構成が請求項1の発明よりも簡単になり、組み立てが容易にできる。
【0025】
請求項8の発明によれば、パッドに受動部材(又は能動部材。以下、同じ。)を載置すると、その受動部材の座標位置がセンサにより検知され、ステージ移動装置のモータがそのセンサからの座標位置信号に基づいてX駆動軸及びY駆動軸を駆動するので、ステージ移動装置のステージの能動部材がパッド上の受動部材と合致する位置まで自動的に移動される。
【0026】
請求項9の発明によれば、携帯電子機器を充電パッドに載置するだけで充電できるので、従来のように充電時にコネクタを抜き差しする必要がないから、小さいコネクタを探したり、接続するのに手間取ったりすることから解放される。また、コネクタの破損や接触不良などの障害が発生することもない。そして、モータ1個の正・逆回転でX軸及びY軸の2軸の駆動ができるので、軽量で安価な携帯電子機器用充電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステージ移動装置の平面図である。
【図2】同じく斜視図である。
【図3】駆動軸を1方向クラッチに結合された状態で示す一部断面側面図である。
【図4】図1のA―A線に沿った断面図である。
【図5】図4のB部の拡大図である。
【図6】フォロワの展開図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。
【図7】駆動軸のカム溝にキャリッジのフォロワが滑走可能に嵌合している状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は端面図である。
【図8】X軸方向キャリッジとY軸方向キャリッジとこれに保持されているステージとの係合関係を示す斜視図である。
【図8a】図8のステージのみを抽出して示す斜視図である。
【図9】モータ制御装置の一例を示すブロック図である。
【図10】本発明に係る携帯電子機器用充電器のステージを示す図であり、(a)は充電用コイルを取付けたステージの平面図、(b)は同じく正面図、 (c)は同じく右側面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るステージ移動装置の平面図である。
【図12】同じく斜視図である。
【図13】動力伝達経路切替手段の他の構成例を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は組み立てた状態の斜視図、(c)は同じく平面図、(A)は正面図である。
【図14】動力伝達経路切替手段の動作を説明する図であり、(a)は太陽ギアが反時計方向時の平面図、(b)は太陽ギアが時計方向回転時の平面図である。
【図15】ドリブンギアの斜視図である。
【図16】タイミングベルトとキャリッジとの連結構造を説明する平面図である。
【図17】同じく正面図である。
【図18】X軸方向キャリッジとY軸方向キャリッジとこれに保持されているステージとの連結構造を示す斜視図である。
【図19】ステージとこれに対する充電用コイルの取付状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(A)は下面を見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一般的概念について図面を参照しながら説明する。
本発明に係るステージ移動装置は、基本的構成要素として、動力源としての1個の正・逆回転可能なパルスモータ(以下、単にモータという。)100と、互いに直交する方向に延在し、かつ、互いに直角に交差して配置され、交差部分にステージ600を相対移動可能に保持するX軸方向キャリッジ400X及びY軸方向キャリッジ400Yと、モータ100の動力(回転力)を、X軸方向キャリッジをX軸方向に移動させる経路に伝達するか、Y軸方向キャリッジをY軸方向に移動させる経路に伝達するかを、ステージの移動目標に応じて切り替える動力伝達経路切替手段と、モータ100の回転軸の回転運動を、X軸方向キャリッジ400Xの直線往復運動又はY軸方向キャリッジ400Yの直線往復運動に変換する運動方向変換手段と、X軸方向キャリッジ400XのX軸方向の直線往復移動を案内するX軸方向キャリッジ案内手段及びY軸方向キャリッジ400YのY軸方向の直線往復移動を案内するY軸方向キャリッジ案内手段と、ステージ600の移動目標に応じてモータの回転方向及び回転角度を制御するモータ制御装置800(図9参照)とを有する。
【0029】
図1及び図2に、本発明に係るステージ移動装置Aの第1の実施の形態を示す。このステージ移動装置Aは、形状は任意であるが、好ましくは矩形の平板で形成されたベース1を有し、そのベース1の上面の一つの隅角部近傍に動力源として1個の正・逆回転可能なモータ100が設けられている。また、ベース1の上面には、前記隅角部近傍において直交する2本の直線に沿って直角に配置されたX駆動軸300X及びY駆動軸300Yがベース1に固着された軸受301により回転可能に支持され、それぞれの駆動軸300X,300YにX軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yとがそれぞれの一端部においてX駆動軸300X及びY駆動軸300YをガイドロッドとしてX軸方向及びY軸方向に往復移動可能に保持され、X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yの交差部分にステージ600が係合されている。
【0030】
そして、モータ100とX軸方向キャリッジ400X及びY軸方向キャリッジ400Yとの間に、次のような動力伝達経路切替手段と運動方向変換手段が設けられている。
【0031】
第1の実施の形態における動力伝達経路切替手段は、モータ100の回転軸に結合されたウォームギア230と、互いに直交するX軸線とY軸線の交点に回転軸を有し、ウォームギア230と噛合するウォームホイール240a及びフェイスギア240bを一体に有する伝動ギア240と、伝動ギア240のフェイスギア240bに噛合する小歯車251を駆動側に備えた第1の1方向クラッチ250Xと伝動ギア240のフェイスギア240bに噛合する小歯車251を駆動側に備えた第2の1方向クラッチ250Yとからなっている。
【0032】
第1の1方向クラッチ250Xは、回転軸線を前記X軸線と平行にした状態で設けられ、モータ100の1方向回転時に駆動側を従動側に結合するものであり、第2の1方向クラッチ250Yは、回転軸線を前記Y軸線と平行にした状態で設けられ、モータ100の他方向回転時に駆動側を従動側に結合するものである。これにより、モータ100の1方向回転によりX駆動軸300Xのみを回転させ、モータ100の逆方向回転によりY駆動軸300Yのみを回転させる。
【0033】
また、第1の実施の形態における運動方向変換手段は、前記X軸線とY軸線に沿って直角に配置され、一端に第1の1方向クラッチ250Xの従動側を接続したX駆動軸300X及び一端に第2の1方向クラッチ250Yの従動側を接続したY駆動軸300Yと、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの外周面に形成された螺旋方向が逆向きの2つの螺旋状のカム溝310a,310bの両端をカム溝310Cで繋いだ構造の往復カム溝310と、X駆動軸300X及びY駆動軸300Yのそれぞれの軸線に直交する軸に回転自在に設けられ、X駆動軸300X及びY駆動軸300Yのそれぞれの往復カム溝310に滑走可能に嵌合されたフォロワ320とから構成され、X駆動軸300X及びY駆動軸300YはそれぞれX軸方向キャリッジ案内手段700X及びY軸方向キャリッジ案内手段700Yを兼ねている。
【0034】
以下に、各構成部材について順次説明する。
X駆動軸300Xは、製造コスト低減のため、硬質合成樹脂で成形されている。図3にも詳細に示すように、X駆動軸の両端部を除く外周面には、螺旋方向が逆向きの2つの螺旋状のカム溝310a,310bの両端をカム溝310cで繋いだ構造の往復カム溝310が形成されている。図3に示すように、カム溝310a,310bのリードは、両端部の折り返し部近傍のリードL1,L2が中間部のリードL3よりも小さく(L3>L2>L1)設定されている。従って、カム溝310a,310bの両端を繋ぐカム溝310cの曲率が小さくされている。
【0035】
Y駆動軸300Yは、X駆動軸300Xと同一構成であるので、Y駆動軸についてはX駆動軸の部材の符号と類似の符号を付すに止め、詳細な説明を省略する。X駆動軸300XとY駆動軸300Yに共通する記述においては「駆動軸」の用語を用い、符号「300」を用いる。
【0036】
図1及び図2において、310aはモータ100に設けられたモータギア、310bはそのモータギアに噛合されたアイドルギアである。2個の1方向クラッチ250X,250Y(以下、250X,250Yに共通する記述においては符号250を用いる。)は、図3(a)に示すように、伝動ギア240側に突出された小歯車(ピニオン)251を有し、X駆動軸300X側に駆動力を与える筒部252を有し、その筒部の中に針状コロ253を備えた針状コロ方式の小型で安価なクラッチである。この小型のクラッチと合成樹脂製の駆動軸300の組み合わせが、ステージ移動装置Aの小型・軽量化及び廉価化を可能にしている。
【0037】
しかし、1方向クラッチ250X,250Yは金属製で硬いので、駆動軸300がクラッチから駆動力を受ける受動部が破損されることを防ぐため、図3(b)に示すように、駆動軸2の1方向クラッチ250から駆動力を受ける受動部の樹脂の外周に金属パイプ254を圧入することが望ましい。その代替手段として、図3(c)に示すように、駆動軸300の1方向クラッチ250から駆動力を受ける受動部を駆動軸300の合成樹脂の端面に圧入した金属棒255で構成しても良い。
【0038】
X駆動軸300Xの外周の一部には、Y駆動軸300Yと平行に伸びるX軸方向キャリッジ400Xの一端部が、ベース1の上面をX駆動軸の軸方向に往復滑動可能に保持されている。Y駆動軸300Yの外周の一部にも、X駆動軸と平行に伸びるY軸方向キャリッジ400Yの一端部が、ベース1の上面をY駆動軸の軸方向に滑動可能に保持されている。すなわち、この実施の形態においては、X駆動軸300XとY駆動軸300YがそれぞれX軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400YをX軸方向、Y軸方向に往復移動可能に案内するX軸方向キャリッジ案内手段700XとY軸方向キャリッジ案内手段700Yを兼ねている。X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yは構成が同じであるので、以下、両者に共通する記述においては「キャリッジ400」と表して、図4,5を用いて説明する。
【0039】
図5に例示するように、駆動軸300が回転される際に、キャリッジ400が図5において時計方向及び反時計方向に共回りすることを防止する手段として、ベース1の上面に設けた駆動軸300の軸方向に延びるキャリッジガイド701と、キャリッジ400の底面の両側とに、互いに滑動可能に係合する段部702,703を形成してある。X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yには、それぞれX軸方向、Y軸方向に貫通する孔401が設けてあり、その孔に駆動軸300X,300Yが滑動可能に挿通されている。また、孔401の近傍に後述されるフォロワホルダ402が設けてある。
【0040】
また、キャリッジ400には、駆動軸300の1方向回転に伴って各軸の軸線方向に直線往復移動させる手段として、図6に例示するように、底面が湾曲した舟形状に形成され、結合軸321の一端を接続されたフォロワ320を、図7に例示するように、キャリッジ400の前記フォロワホルダ402に結合軸321において回転可能に取付け、そのフォロワ320が駆動軸300のカム溝310に嵌合されている。従って、モータ100が所定方向に回転すると、駆動軸300が所定方向に回転されるため、フォロワ320がその回転運動を受けて往復カム溝310に沿って移動する。よって、キャリッジ400は駆動軸300の1方向回転に伴い、駆動軸300と平行な方向に往復移動することが可能である。
【0041】
X駆動軸及びY駆動軸の往復カム溝310の両端折り返し部近傍のリードL2,L1を中央側部分のリードL3・・よりも小さく設定してあり、カム溝310a,310bの両端を繋ぐカム溝310cの曲率も小さいので、フォロワ320がカム溝を直進する時は往復動が速く、折り返し位置及びその付近においてはキャリッジ400が緩速移動するため、フォロワ320がカム溝310a,310bの両端及びカム溝310c内を緩やかに反転するので、ステージ600の往復動作の安定性と耐久性の向上を図ることができる。
【0042】
上記モータ100、X駆動軸300X、1方向クラッチ250X、X軸方向キャリッジ400XによりX軸駆動ユニットXUが構成されている。また、上記モータ100、Y駆動軸300Y、1方向クラッチ250Y、Y軸方向キャリッジ400YによりY軸駆動ユニットYUが構成されている。
【0043】
図8に示すように、X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yは、一方が他方よりも若干高い位置に設けてあり、それぞれ支障なくその水平面に沿って往復移動が可能である。
【0044】
図1,2,8における600は、能動部材を取り付けるためのステージである。このステージ600は、その下面に備えられた抱持部材601,602によりX軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400YをそれぞれY軸方向、X軸方向に滑動自在に抱持している。従って、X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yの一方又は双方がX駆動軸及びY駆動軸の回転によりX軸方向及び/又はY軸方向に移動されると、ステージ600はX軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yの交差部分の移動に追随して移動する。
【0045】
ステージ600をX駆動軸とY駆動軸により規定される可動エリア内の任意の位置に移動させるため、X軸方向キャリッジ400Xのフォロワ320がX駆動軸の往復カム溝310のY駆動軸側の端部、すなわち、カム溝310cに到達したとき、X軸方向キャリッジ400XによりセンサXS1が動作され、その位置がステージ600のX座標の原点位置とされ、また、Y軸方向キャリッジ400Yのフォロワ320がY駆動軸の往復カム溝310のX駆動軸側の端部、すなわち、カム溝310cに到達したとき、Y軸方向キャリッジ400YによりセンサYS1が動作され、その位置がステージ600のY座標の原点位置とされる。
【0046】
例えば、ステージ600の上面の中心、すなわち、X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yの交点の真上の位置を目標位置とすると、後述するように、モータ制御装置800からモータ100の回転方向及び回転角度(供給パルス数)を指定することにより、その目標位置を原点位置から任意の座標位置まで移動することができる。
【0047】
また、フォロワ320がX駆動軸の反対側の端部のカム溝310cに到達した時、センサXS2がX軸方向キャリッジ400Xにより動作されて、その位置がX座標の終点位置とされ、フォロワ320がY駆動軸の反対側の端部のカム溝310cに到達した時、センサYS2がY軸方向キャリッジ400Yにより動作されて、その位置がY座標の終点位置とされる。
【0048】
図9は、上記ステージ移動装置Aにおいて、ステージ600に取付けた能動部材又は受動部材(図示せず)を原点位置から所定の座標位置まで移動させるためのモータ制御装置800の一例を示す。
【0049】
このモータ制御装置800は、入力部810と、記憶部820と、制御部830とを有する。入力部810は、ステージ600をそれに取付けられている能動部材、例えば、工作用加工ツール、検査用端子、測定用カメラなど(いずれも図示省略)を、このステージ移動装置Aの上側に設置されている受動部材、例えば、工作用ワーク、被検査物、被測定物など(いずれも図示省略)のピンポイントに移動させるための座標位置を指定する情報又は数値を入力するものである。
【0050】
記憶部820は、入力部810から入力された座標位置指定情報を、その座標位置指定情報に基づいてステージ600を原点位置から終点位置までの間の任意の指定された座標位置に移動させるためにモータ100に与えるべき回転方向及び回転角度を規定する信号(パルス数)に変換するための演算プログラムを記憶し、入力部810から座標位置指定情報が入力されたときの演算結果を一時的に記憶するものである。
【0051】
移動後の座標位置を次回の移動の原始位置とするために記憶し、その原始位置から次に指定される座標位置までのモータ制御量を演算する演算プログラムを付加することもできる。この場合は、1回ごとにステージ600を原点位置まで復帰させる必要が無い。
【0052】
制御部830には、図示されていないモータドライバを介してモータ100が接続されている。そして、入力部810から座標位置指定情報が入力されたとき、記憶部820から読み出した演算プログラムを用いて、原点位置(又は移動後の座標位置)に存在するステージ600を指定された座標位置まで移動させるためにモータ100を制御するための演算を行う。すなわち、ステージ600を指定された座標位置に移動させるために、X軸駆動ユニットXU及びY軸駆動ユニットYUに関してそれぞれモータドライバに与えるべき制御情報、すなわち、座標位置に関連付けされた回転方向指定信号とパルス信号数を決定する。
【0053】
制御部830は、上記演算結果を得ると、所定の制御情報に基づいてモータ100を所定方向に所定角度回転させることにより、ステージ600を原点位置(又は移動後の座標位置)から指定された座標位置まで移動させる。
【0054】
他の好ましい実施の形態においては、図9に鎖線で示すように、上記制御装置800の入力部810に代えて又は入力部810に加えて、ステージ移動装置Aの上側に設置された少なくともステージ600の可動エリアと同じ面積を有するパッドPに、受動部材の載置位置を検知する座標位置センサSを設け、その座標位置センサSから入力する座標位置信号を制御部830に入力するように構成されている。
【0055】
座標位置センサSは、例えば、水平面上に平行等間隔に配線されたX導体と、他の水平面上に平行等間隔に配線された多数のY導体を近接させたマトリックス回路からなり、各各導体の交差部に物体が存在するときに電磁誘導作用又は圧電作用による起電力によりその存在が検知されるものである。その物体がコイルを有するものである場合は、そのコイルの存在位置を検知することができる。座標位置センサSは、上記の例に限定されるものではなく、他の既知の座標位置センサを用いることができることは勿論である。
【0056】
このような座標位置センサSを上記制御装置800の制御部830に接続した場合は、そのセンサSからの座標位置信号に基づいてモータ100を制御することにより、ステージ600をパッドPに載置された物体の位置と合致する位置に移動させることができる。
【0057】
本発明に係る無接点充電装置は、上記ステージ移動装置Aのステージ600に図10に示すように、能動部材としての充電用コイルCCを取付け、前記パッドPを携帯電子機器の載置が可能な充電パッドとして用い、その充電パッドに設けられる座標位置センサSを携帯電子機器に備えられた受電用コイルを検知するものとしたことを特徴としている。
【0058】
図10の601aは抱持部材601により形成されたX軸方向キャリッジ挿入部であり、602aは抱持部材602により形成されたY軸方向キャリッジ挿入部である。充電用コイルCCは、電源を直流化共振回路による高周波発振を行い、磁束エネルギーを発生するトランス一次巻線で構成されている。
【0059】
従って、受電用コイルを有する携帯電子機器を、無接点充電装置を構成する上記ステージ移動装置Aの充電パッドPに載置し、モータ制御装置800の入力部810の付属構成要素である充電開始スイッチ(図示省略)をONすると、座標位置センサSがその携帯電子機器の受電用コイルの座標位置を検知し、その座標位置信号を制御部830に入力するので、その制御部830が座標位置信号に基づいてモータ100を制御する。これにより、充電用コイルCCがその座標位置と合致する位置まで移動されるので、充電用コイルCCと受電用コイルの間の電磁結合により携帯電子機器のバッテリが充電される。つまり、携帯電子機器を充電パッドPに載置するだけで充電が行われる。
【0060】
続いて、本発明の第2の実施の形態について、図11以下の図面に基づいて説明する。
先の実施の形態の構成部材と同一の部材には同一の符号を付し、相当の部材にはEを付加した同一の符号を付す。
【0061】
この実施の形態においては、動力伝達経路切替手段は、モータ100により駆動される太陽ギア240Eと、その太陽ギア240Eの回転軸を中心に揺動する揺動アーム250Eと、その揺動アームに軸支され、太陽ギア240Eと噛合っている衛星ギア251Eとからなっている。
【0062】
また、運動方向変換手段は、太陽ギア240Eの中心において直交し、かつ、その太陽ギア240Eの回転軸とも直交する2つの仮想直線をX軸とY軸とし、そのX軸上及びY軸上にそれぞれ配置され、モータ100が一方向に回転することにより衛星ギア251Eが太陽ギア240Eの周りを一方向に回転移動してX軸上で噛合う第1X軸ドリブンギア331X及びモータ100が逆方向に回転することにより衛星ギア251Eが太陽ギア240Eの周りを逆方向に回転移動してY軸上で噛合う第1Y軸ドリブンギア331Yと、X軸上に配置され、第1X軸ドリブンギア331Xと対になる第2X軸ドリブンギア332X及びY軸上に配置され、第1Y軸ドリブンギア331Yと対になる第2Y軸ドリブンギア332Yと、第1、第2X軸ドリブンギア331X、332Xに巻装されるX軸タイミングベルト333X及び第1、第2Y軸ドリブンギア331Y、332Yに巻装されるY軸タイミングベルト333Yと、X軸タイミングベルト333Xの一点に結合され、X軸方向キャリッジ400Xの一端部に設けられたX軸方向と直交する長孔にその長軸方向に移動可能に挿通されたピン334X及びY軸タイミングベルト333Yの一点に結合され、Y軸タイミングベルト333Yの一点に結合され、Y軸方向キャリッジ400Yの一端部に設けられたY軸方向と直交する長孔にその長手方向に移動可能に挿通されたピン334Xとからなっている。
【0063】
そして、X軸方向キャリッジ案内手段700XはX軸タイミングベルト333Xの背面に平行に設けられたX軸ガイドロッドからなり、Y軸方向キャリッジ案内手段700YはY軸タイミングベルト333Yの背面に平行に設けられたY軸ガイドロッドからなっている。
【0064】
上記太陽ギア240E、揺動アーム250E、衛星ギア251E、一対のXドリブンギア331X,332X、Xタイミングベルト333X、X軸方向ガイドロッド700XによりX軸駆動ユニットXUEが構成されている。また、上記太陽ギア240E、揺動アーム250E、衛星ギア251E、一対のYドリブンギア331Y,332Y、Yタイミングベルト333Y、Y軸方向ガイドロッド700YによりY軸駆動ユニットYUEが構成されている。
【0065】
図13に示すように、太陽ギア240Eは、上側にウォームホイール部g1を、下側にウォームホイール部よりも径が大きい平歯車部g2を同心円上に有し、ベース1の上面に起立された軸P1により回転可能に支持されている。そして、ウォームホイール部g1にモータ100のウオームギア230が噛合している。
【0066】
太陽ギア240Eの下側には揺動アーム250Eが設けられている。揺動アーム250Eは、一端側に中心に孔h1が形成された摩擦係数の大きい円盤部255を有し、他端側に起立された支軸256に衛星ギア251Eが備えられている。そして、支軸256を揺動アーム250Eの孔h1、フリクションワッシャWの孔h2、太陽ギア240Eの孔h3に順次貫通することにより、図13(b)に示すように、太陽ギア240Eの平歯車部g2に衛星ギア251Eが噛合し、図14に示すように、太陽ギア240Eが反時計方向又は時計方向に回転されると、揺動アーム250Eが同じ方向に揺動可能に支持されている。
【0067】
従って、モータ100が一方向に回転駆動されると、ウォームギア230とウォームホイール部g1を介して太陽ギア240Eが図14(a)に示すように反時計方向に回転され、これに連れて揺動アーム250Eも反時計方向に揺動される。また、モータ100が他方向に回転駆動されると、太陽ギア240Eが図14(b)に示すように時計方向に回転され、これに連れて揺動アーム250Eも時計方向に揺動される。
【0068】
一対のXドリブンギア331X、332Xは、ベース1の上面に突設された軸により回転可能に取付けられている。そのうち、少なくとも太陽ギア240E側の第1Xドリブンギア331Xは、図15に示すように、上側にプーリ部331aを、下側に平歯車部331bを有する。また、一対のYドリブンギア331Y,332Yも同様に、ベース1の上面に突設された軸により回転可能に取付けられ、そのうち、少なくとも太陽ギア240E側の第1Yドリブンギア331Yは、図示されていないが、第1Xドリブンギア331Xと同様に、上側にプーリ部を、下側に平歯車部を有する。第1Xドリブンギア331Xと第1Yドリブンギア331Yは、衛星ギア251Eの揺動面と共通の平面上に存在する。
【0069】
一対のXドリブンギア331X、332X及び一対のYドリブンギア331Y,332Yは、全て図15に示された第1Xドリブンギア331Xと同一の構造を有しても良いし、第2ドリブンギア332X、332Yには、上側にプーリ部331aのみを有するものを用いても良い。
【0070】
従って、モータ100が一方向に回転駆動されて、揺動アーム250Eが反時計方向に揺動されると、時計方向に回転される衛星ギア251Eが第1Xドリブンギア331Xに噛合して、揺動アーム250Eのそれ以上の反時計方向の揺動が止められるとともに、太陽ギア240Eの回転力が衛星ギア251Eを介して第1Xドリブンギア331Xに伝達されるため、Xタイミングベルト333Xが図11,14(a)において反時計方向に回転される。また、モータ100が他方向に回転駆動されて、揺動アーム250Eが時計方向に揺動されると、時計方向に回転される衛星ギア251Eが第1Yドリブンギア331Yに噛合して、揺動アーム250Eのそれ以上の時計方向の揺動が止められるとともに、太陽ギア240Eの回転力が衛星ギア251Eを介して第1Yドリブンギア331Yに伝達されるため、Yタイミングベルト333Yが図11,14(b)において時計方向に回転される。
【0071】
衛星ギア251Eが第1Xドリブンギア331Xに噛合したときに、揺動アーム250Eのそれ以上の反時計方向揺動を止め、衛星ギア251Eが第1Yドリブンギア331Yに噛合したときに、揺動アーム250Eのそれ以上の時計方向揺動を止めるには、図14に示すように、衛星ギア251Eが第1Xドリブンギア331X又は第1Yドリブンギア331Yに噛合したときに揺動アーム250Eに当って停止するストッパST1,ST2をベース1の上面に突設しても良いが、揺動アームの反時計方向の揺動又は時計方向の揺動により衛星ギア251Eが第1Xドリブンギア331X又は第1Yドリブンギア331Yに噛合したときの衛星ギア251Eの中心軸が、それぞれ太陽ギア240Eの中心軸と第1Xドリブンギア331Xの中心軸とを結ぶ直線よりも第1Yドリブンギア331Y側又は太陽ギア240Eの中心軸と第1Yドリブンギア331Yの中心軸とを結ぶ直線よりも第1Xドリブンギア331X側に存在するように噛合位置を設定すると、ストッパST1,ST2の配設が不要になる。
【0072】
図16及び図17に示すように、Y軸駆動ユニットYUE側のタイミングベルト333Yには、その所定位置において上方に突出するピン334Yが設けてある。Y軸方向キャリッジ400Yの一端部には、Y軸駆動ユニットYUEの一部を構成する連結部材410Yが取付けられている。この連結部材410Yは、ほぼL字形に形成され、L字の垂直辺に相当する第1連結部411YをY軸方向キャリッジ400Yの長手方向に対して直角の状態にしてそのY軸方向キャリッジ400Yに接続してあり、その第1連結部411Yの両端に軸受413Yが設けられている。そして、その軸受413Yにベース1の上面に取付けられたY軸方向ガイドロッド700Xが軸線方向に相対移動が可能なように挿入されている。また、連結部材410YのL字の水平辺に相当する第2連結部412Yは、タイミングベルト333Yの上側をそのタイミングベルトを直角に横断するように延在し、かつ、X軸方向の長軸を有する長孔414Yが形成してある。長孔414Yはタイミングベルトの両辺の間隔より僅かに長い長さを有する。そして、その長孔414Yにタイミングベルト333Yのピン334Yが長孔の長軸方向に移動可能に挿通されている。
【0073】
X軸駆動ユニットXU側にも同様に、タイミングベルト333Xにピン334Xが設けてあり、X軸方向キャリッジ400Xに連結部材410Yと同様のほぼL字形の連結部材410Xが取付けられ、L字の垂直辺に相当する第1連結部411XをX軸方向キャリッジ400Xの長手方向に対して直角の状態にしてそのX軸方向キャリッジ400Xに接続してあり、その第1連結部の両端に軸受413Xが設けられている。そして、その軸受413Xにベース1の上面に取付けられたX軸方向ガイドロッド700Xが軸線方向に相対移動が可能なように挿入されている。また、連結部材410XのL字の水平辺に相当する第2連結部412Xには、Y軸方向の長軸を有する長孔334Xが形成してあり、その長孔にタイミングベルト333Xのピン334Xが長軸方向に移動可能に挿通されている。
【0074】
X軸方向キャリッジ400XとY軸方向キャリッジ400Yの交差部分には、第1の実施の形態におけると同様の連結構造によりステージ600が連結されている。Bは携帯電子機器に充電するための充電用コイルである。
【0075】
上記構成において、X軸駆動ユニットXUEのタイミングベルトのピン334XがX軸方向キャリッジ400Xの第2連結部の長孔334Xのガイドロッド700X側の端部に存在し、YX駆動ユニットYUのタイミングベルトのピン334YがY軸方向キャリッジ400Yの第2連結部の長孔334Yのガイドロッド700Y側の端部に存在し、かつ、X軸駆動ユニットXUEのX軸方向キャリッジ600Xの第2連結部421X及びY軸駆動ユニットYUのY軸方向キャリッジ600Yの第2連結部421Yがいずれも太陽ギア240Eの上側において互いに最接近した位置に存在して、ステージ600が両ガイドロッド700X,700Yの基端部分で包囲された位置に存在する状態が、ステージ移動装置の初期状態であり、その時のステージ600の位置が原点位置とされる。
【0076】
そして、今、モータ100が一方向に回転されると、ウオームギア230、太陽ギア240E、揺動アーム250E、衛星ギア251E及び一対のX軸ドリブンギア331X、332Xを介してタイミングベルト333Xが図11,12において反時計方向に回転されるため、そのタイミングベルト333Xのピン334XがX軸方向キャリッジ400Xの第2連結部412XにX軸に沿って原点位置から離れる方向の力を加える結果、第1連結部411Xを介してX軸方向ガイドロッド700Xに案内されているX軸方向キャリッジ400Xは同方向に移動される。モータ100の一方向回転が継続され、タイミングベルトのピン334Xが第2X軸ドリブンギア332Xを周回すると、ピン334Xは第2連結部の長孔414Xのガイドロッド700Xと反対側の端部に移動する。従って、モータ100の一方向回転がさらに継続されると、ピン334XがX軸方向キャリッジ400Xの第2連結部412XにX軸に沿って原点位置に近づく方向の力を加えるため、X軸方向キャリッジ400Xは同方向に移動される。すなわち、モータ100を一方向に回転させることによりX軸駆動ユニットXUEによりX軸方向キャリッジ400XをX軸方向に往復移動させることができる。
【0077】
また、モータ100が他方向に回転されると、ウオームギア230、太陽ギア240E、揺動アーム250E、衛星ギア251E及び一対のY軸ドリブンギア331Y、332Yを介してタイミングベルト333Yが図11,12において時計方向に回転されるため、そのタイミングベルト333Yのピン334YがY軸方向キャリッジ400Yの第2連結部412YにY軸に沿って原点位置から離れる方向の力を加える結果、第1連結部411Yを介してY軸方向ガイドロッド700Yに案内されているY軸方向キャリッジ400Yは同方向に移動される。モータ100の他方向回転が継続され、ピン334Yが第2Y軸ドリブンギア332Yを周回すると、ピン334Yは第2連結部の長孔414Yのガイドロッド700Yと反対側の端部に移動する。従って、モータ100の他方向回転がさらに継続されると、ピン334YがY軸方向キャリッジ400Yの第2連結部412YにY軸に沿って原点位置に近づく方向の力を加えるため、Y軸方向キャリッジ400Yは同方向に移動される。すなわち、モータ100を一方向に回転させることによりY軸駆動ユニットYUEによりY軸方向キャリッジ400YをY軸方向に往復移動させることができる。
【0078】
従って、第2の実施の形態においても、モータ制御装置800からモータ100に回転方向及び回転角度を制御する信号を与えることにより、ステージ600を任意の指定位置に移動させることができる。そして、このステージ移動装置の上側に座標位置センサを備えた充電パッドを設けることにより、その充電パッド上の任意の位置に載置した携帯電子機器を座標位置センサにより検知し、ステージに取付けた充電用コイルをその載置した携帯電子機器の下側に移動させて、充電させることができる。
【符号の説明】
【0079】
A ステージ移動装置
1 ベース
100 モータ
210a,210b,210c ギア群
250X,250Y 1方向クラッチ
251 小歯車
253 針状ローラ
254 金属パイプ
255 金属棒
300X X駆動軸
300Y Y駆動軸
310 往復カム溝
310a 往動カム溝
310b 復動カム溝
310c 繋ぎカム溝
320 フォロワ
XU,XUE X軸駆動ユニット
YU,YUE Y軸駆動ユニット
400X X軸方向キャリッジ
400Y Y軸方向キャリッジ
600 ステージ(能動部材又は受動部材取付用ステージ)
700X X軸方向キャリッジ案内手段
700Y Y軸方向キャリッジ案内手段
800 モータ制御装置
S 座標位置センサ
P パッド(充電パッド)
CC 充電用コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源としての1個の正・逆回転可能なモータと、互いに直行する方向に延在し、かつ、互いに直角に交差して配置され、交差部分にステージを相対移動可能に保持するX軸方向キャリッジ及びX軸方向キャリッジと、前記モータの動力(回転力)を、X軸方向キャリッジをX軸方向に移動させる経路に伝達するか、Y軸方向キャリッジをY軸方向に移動させる経路に伝達するかを、ステージの移動目標に応じて切り替える動力伝達経路切替手段と、前記モータの回転軸の回転運動を、X軸方向キャリッジの直線往復運動又はY軸方向キャリッジの直線往復運動に変換する運動方向変換手段と、X軸方向キャリッジのX軸方向の直線往復移動を案内するX軸方向キャリッジ案内手段及びY軸方向キャリッジのY軸方向の直線往復移動を案内するY軸方向キャリッジ案内手段と、ステージの移動目標に応じてモータの回転方向及び回転角度を制御するモータ制御装置とを有することを特徴とするステージ移動装置。
【請求項2】
前記動力伝達経路切替手段は、モータの回転軸に結合されたウォームギアと、互いに直交するX軸線とY軸線の交点に回転軸を有し、前記ウォームギアと噛合するウォームホイール及びフェイスギアを一体に有する伝動ギアと、回転軸線を前記X軸線と平行にした状態で設けられ、前記伝動ギアのフェイスギアに噛合する小歯車を駆動側に備えた第1の1方向クラッチであってモータの1方向回転時に駆動側を従動側に結合するもの及び回転軸線を前記Y軸線と平行にした状態で設けられ、前記伝動ギアのフェイスギアに噛合する小歯車を駆動側に備えた第2の1方向クラッチであってモータの他方向回転時に駆動側を従動側に結合するものとからなり、
前記運動方向変換手段は、前記X軸線とY軸線に沿って直角に配置され、一端に第1の1方向クラッチの従動側を接続したX駆動軸及び一端に第2の1方向クラッチの従動側を接続したY駆動軸と、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの外周面に形成された螺旋方向が逆向きの2つの螺旋状のカム溝の両端をカム溝で繋いだ構造の往復カム溝と、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの軸線に直交する軸に回転自在に設けられ、X駆動軸及びY駆動軸のそれぞれの往復カム溝に滑走可能に嵌合されたフォロワとから構成され、
前記X駆動軸及び前記Y駆動軸はそれぞれX軸方向キャリッジ案内手段及びY軸方向キャリッジ案内手段を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載のステージ移動装置。
【請求項3】
上記X駆動軸及びY駆動軸の往復カム溝の両端折り返し部近傍のリードは、その両端折り返し部以外の部分のリードよりも小さくしてあることを特徴とする請求項2に記載のステージ移動装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のステージ移動装置において、1方向クラッチに針状コロ方式のクラッチを用い、X駆動軸及びY駆動軸は、いずれも合成樹脂製であることを特徴とするステージ移動装置。
【請求項5】
請求項4に記載のステージ移動装置において、X駆動軸及びY駆動軸の1方向クラッチから駆動力を受ける受動部の樹脂の外周に金属パイプを圧入したことを特徴とするステージ移動装置。
【請求項6】
請求項4に記載のステージ移動装置において、X駆動軸及びY駆動軸の1方向クラッチから駆動力を受ける受動部をX駆動軸及びY駆動軸の合成樹脂の端面に圧入した金属棒で構成したことを特徴とするステージ移動装置。
【請求項7】
前記動力伝達経路切替手段は、前記モータにより駆動される太陽ギア240Eと、その太陽ギア240Eの回転軸を中心に揺動する揺動アームと、その揺動アームに軸支され前記太陽ギア240Eと噛合っている衛星ギアとからなり、
前記運動方向変換手段は、前記太陽ギア240Eの中心において直交し、かつ、その太陽ギア240Eの回転軸とも直交する2つの直線をX軸とY軸とし、そのX軸上及びY軸上にそれぞれ配置され、前記モータが一方向に回転することにより前記衛星ギアが前記太陽ギア240Eの周りを一方向に回転移動してX軸上で噛合う第1X軸ドリブンギア及び前記モータが逆方向に回転することにより前記衛星ギアが前記太陽ギア240Eの周りを逆方向に回転移動してY軸上で噛合う第1Y軸ドリブンギアと、X軸上に配置され、第1X軸ドリブンギアと対になる第2X軸ドリブンギア及びY軸上に配置され、第1Y軸ドリブンギアと対になる第2Y軸ドリブンギアと、前記第1X軸ドリブンギアと前記第2X軸ドリブンギアに巻装されるX軸タイミングベルト及び前記第1Y軸ドリブンギアと前記第2Y軸ドリブンギアに巻装されるY軸タイミングベルトと、前記X軸タイミングベルトの一点に結合され、前記X軸方向キャリッジの一端部に設けられたX軸方向と直交する長孔にその長軸方向に移動可能に挿通されたピン及び前記Y軸タイミングベルトの一点に結合され、前記Y軸タイミングベルトの一点に結合され、前記Y軸方向キャリッジの一端部に設けられたY軸方向と直交する長孔にその長手方向に移動可能に挿通されたピンからなり、
前記X軸方向キャリッジ案内手段は前記X軸タイミングベルトの背面に平行に設けられたX軸ガイドロッドからなり、前記Y軸方向キャリッジ案内手段は前記Y軸タイミングベルトの背面に平行に設けられたY軸ガイドロッドからなることを特徴とする請求項1に記載のステージ移動装置。
【請求項8】
前記ステージに取付けられている能動部材の作用を受ける受動部材を載置するパッドを設けるとともに、そのパッドに前記ステージの可動エリアに対応する位置に載置された受動部材の座標位置を検知する座標位置センサを設け、前記モータ制御装置を前記座標位置センサの出力する座標位置信号に応じて前記モータを制御するものとしたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のステージ移動装置。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のステージ移動装置のステージに能動部材としての充電用コイルを取付け、そのステージ移動装置の上側に少なくとも前記充電用コイルの可動エリアと等しい面積を有し、かつ受動部材としての携帯電子機器を載置した位置を検知する座標位置センサを備えた充電パッドを設けて、前記座標位置センサを前記携帯電子機器に備えてある受電用コイルを検知するものとしたことを特徴とする携帯電子機器用充電器。
【請求項10】
充電用コイルは、電源を直流化共振回路による高周波の発振を行い,磁束エネルギーを発生するトランス一次巻線であることを特徴とする請求項9に記載の携帯電子機器用充電器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−54706(P2013−54706A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201003(P2011−201003)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(502038842)株式会社デジアイズ (18)
【Fターム(参考)】