説明

ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法

【課題】交差する2軸方向に移動体を駆動させるときに生じる反力により、移動体が振動することを抑制することが可能なステージ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】駆動手段212によってY方向に駆動されるY移動体202と駆動手段213によってX方向に駆動されるX移動体209と設置面60に防振手段208を介して設置される基板ステージ定盤208とから構成されるステージの本体と、この本体と所定の間隔を維持した状態で前記Y方向の駆動に同期して追従移動する補助ステージを備え、前記本体のY方向の駆動で生じる反力を設置面60に逃がすと共に、前記補助ステージは、前記本体のX方向の駆動で生じる反力を案内手段216、支持手段217を介して設置面60に逃がすように構成されたステージ装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージ装置、そのステージ装置を備えた露光装置、及びデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工対象物を保持して高精度な位置決めを行う必要があるステージ装置では、振動を抑制する必要がある。特に、ステージ装置の本体が、上記加工対象物を保持する移動体とステージ定盤によって構成され、上記移動体を駆動させて加工処理を行う場合、この駆動で付与される推力によって反力が生じる。この反力が、上記本体に伝達されると、本体を振動させることになるため、この反力をキャンセルさせる機構が必要になる。このようなステージ装置を備えたものとしては、たとえば、移動体上に保持された基板にマスクのパターンを投影する露光装置がある。以下、露光装置を例に説明する。
【0003】
上記露光装置としては、たとえば、ステップアンドリピート式の露光装置とステップアンドスキャン式の露光装置がある。前者は、移動体が所定の距離の移動と停止を繰り返し、停止中に露光光を一括照射して、マスクに描画されたパターンを基板上に転写するものである。また、後者は、スリット状の露光領域でのみ露光光を照射しながら、マスクステージと基板ステージからなる移動体を同期走査させて、マスクに描画されたパターンを基板上に転写するものである。
【0004】
いずれの露光装置においても、移動体の駆動手段として、たとえば、電磁式リニア駆動手段を採用する場合に、可動子に付与した推力に対応する反力が固定子に伝達される。固定子をステージ装置が設置されている同一の設置面に設置すると、この設置面を介してステージ装置に上記反力が伝達され、最終的にステージ装置の本体を振動させるように作用する。本体が、このような振動作用を受けると、光軸のズレなどにより、結像特性の劣化につながるという不都合があった。
【0005】
上記反力は、たとえば、ステップアンドスキャン式の露光装置の場合、マスクステージと基板ステージの同期走査により、同時に発生する。そこで、従来、上記各反力を移動体と離間した位置に設置された剛性部材に、伝達手段を介して伝達させるステージ装置が提案されていた(例えば特許文献1参照)。この各々の伝達手段によって、上記剛性部材に伝達された反力は、相互に相殺され、上記本体の振動は、抑制されていた。すなわち、上記反力をキャンセルする反力の受け構造を設けて、上記振動の抑制を補償していた。また、たとえば、可変の移動質量体を設けて移動体の駆動と逆方向の駆動をさせることで上記反力をキャンセルするカウンターマスによる補償も行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−216084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来技術は、走査方向の駆動によって生じる反力を相殺するものとして提案されていた。しかしながら、上記ステージ装置は、走査方向(スキャン方向)のほか、走査方向に直交する非走査方向(ステップ方向)にも駆動させるため、この場合にも反力が生じていた。ステップ方向の駆動によって生じる反力に起因して上記本体が振動した場合、整定時間の確保のための時間を要し、結果としてスループットを悪化させるという不都合があった。すなわち、ステップアンドリピート式の露光装置の場合、移動体が所望の位置に位置決めされるまで、露光操作を開始できなかった。また、ステップアンドスキャン式の露光装置の場合、マスクステージと基板ステージの同期整定を十分に確保しなければ、次の走査処理を行うことはできなかった。
【0008】
なお、上記ステップ方向の駆動によって生じる反力をキャンセルするために、上記スキャン方向の場合同様、反力の受け構造やカウンターマスなど別構造体を設けることにより、上記振動を抑制することは可能である。しかしながら、スキャン方向とステップ方向の双方に設けると、ステージ装置全体の構造を複雑化するという不都合があった。また、近年、装置の大型化、高加速度化に伴い、上記反力が大きくなっているため、大規模なアクチュエータが必要になり、高コスト化を招くという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、交差する2軸方向に移動体を駆動させるときに生じる反力により、移動体を含む本体が振動することを抑制することが可能なステージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、交差する第1の軸方向と第2の軸方向に移動可能な移動体とこの移動体を載置するステージ定盤とから構成される本体と、前記移動体を前記第1の軸方向に駆動する第1駆動手段と第2の軸方向に駆動する第2駆動手段とから構成される駆動手段とを有するステージ装置であって、
前記本体と本体の設置面との間に介在させる防振手段と、前記第2駆動手段が設置された補助ステージとを備え、前記補助ステージは、前記移動体に対して所定の間隔を維持した状態で、前記第1駆動手段によって、前記移動体の第1の軸方向への移動に同期して追従移動し、
前記本体と補助ステージとは、前記駆動手段によって移動するときに、前記駆動手段によって生じる反力に起因する振動に対して絶縁配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、駆動手段によって交差する2軸方向に移動体を駆動するときに生じる反力により、前記本体が振動することを抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るステージ装置の斜視図を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るステージ装置の走査方向から見た側面図を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るステージ装置の非走査方向から見た側面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面等を参照して説明する。なお、以下の説明では、具体的な構成、動作等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0014】
また、以下の実施形態では、本発明にかかるステージ装置をステップアンドスキャン式の露光装置に設けた例で説明するが、これに限定する趣旨ではない。従って、ステップアンドリピート式の露光装置に設けたステージ装置でもよく、また、交差する2軸方向に駆動させるものであればよく、基板ステージに限定する趣旨ではない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るステージ装置を備えたステップアンドスキャン方式の露光装置の構成を示す概略図である。
【0016】
図1にかかる露光装置は、主に、本体ベース60上に照明光学系40、マスクステージ30、投影光学系10、基板Wを保持するステージ装置20、干渉計50を配置して構成される。この露光装置は、投影光学系10を挟んで、マスクステージ30上で保持されたマスクMのパターンをステージ装置20上で保持されている基板Wに縮小投影する。この縮小投影は、マスクMに向けて照射する照明光学系40の光源の光を利用し、マスクMから発せられる回析光によって行われる。なお、照明光学系40とマスクMとの間には、観察光学系41が配置される。観察光学系41は、マスクMと投影光学系10によって基板W上に結像される像を観察することができる。
【0017】
マスクステージ30は、マスクステージ定盤31と移動ステージ32とを有し、マスクステージ定盤31の上に移動ステージ32が配置され、その上にマスクMが保持されている。移動ステージ32により、マスクMは、露光装置の設置面に対して水平方向に直交する2軸の方向(以下「X、Y方向」という)に移動可能である。また、X、Y方向の2軸で形成されるXY面内で回転する回転方向にも移動可能である。
【0018】
上記縮小投影により、マスクMから基板Wへのパターンの転写は、マスクMと基板Wの縮小倍率比と同じ速度比で同期走査することにより行われる。このマスクMの転写対象パターンが転写される基板W上の個々の領域をショットという。なお、基板W上には、各ショットとのアライメントに使用されるアライメントマークが形成されている(図示せず)。このアライメントマークは、上記観察光学系41で観察可能である。
【0019】
ステージ装置20は、電磁式リニア駆動手段(リニアモータ)を利用し、X、Y方向、回転方向及びXY面に直交する軸に平行なZ方向に移動可能であり、図示しないチャックを介して基板Wを保持して移動する移動体を備える。
【0020】
なお、干渉計50は、マスクステージ30とステージ装置20のそれぞれの位置を計測する。この干渉計50は、検出光の光源となるレーザヘッド51、ビームスプリッター52、折り曲げミラー53、検出光を反射するバーミラー54及び55から構成される。
【0021】
次に、図2乃至図4を使用して、本発明にかかるステージ装置20を説明する。上記した通り、本実施の形態では、ステップアンドスキャン方式の露光装置に搭載されたステージ装置を例に説明するが、これに限定する趣旨ではない。従って、図2乃至図4では、X、Y方向の2軸で説明しているが、交差する第1の軸方向と第2の軸方向であればよく、上記X、Y方向に限定するものではない。なお、図2乃至図4のX方向をステップ方向(非走査方向)とし、Y方向をスキャン方向(走査方向)とする。図2は、ステージ装置20の斜視図であり、図3は、ステージ装置20をY方向から見た側面図であり、図4は、ステージ装置20をX方向から見た側面図である。さらに、図2乃至図4では、X、Y方向の動作を説明する便宜上、ステージ装置20の回転方向、Z方向の動作に関する機構を省略している。
【0022】
ステージ装置20は、基板Wを基板ホルダー201で保持する。基板ホルダー201は、上記X方向及びY方向に移動可能な移動体の上に設置され、この移動体は、基板ステージ定盤203に載置されている。この移動体は、Y方向に移動するY移動体202とX方向に移動するX移動体209を含む。ステージ装置20の本体は、上記移動体と基板ステージ定盤203によって構成される。
【0023】
Y移動体202は、エアベアリング204を介して基板ステージ定盤203上に設けられたYガイド205に案内されて、Y方向に移動する。本実施の形態では、Yガイド205を2本設けているがこれに限定する趣旨ではない。なお、基板ステージ定盤203には、Y移動体202のヨーイングを規制するため、Yガイド205と並行してヨーガイド206が設けられている。なお、ヨーガイド206も、Yガイド205同様、エアベアリング207を介して、Y移動体202を案内する。ヨーガイド206は、基板ステージ定盤203上で、2本のYガイド205の略中間に設置されている。基板ステージ定盤203は、設置面60(上記露光装置では、本体ベース60)上に、防振手段208を介在させて設置される。防振手段208は、たとえば、バネ要素とダンピング要素を有し、設置面からの振動の伝達を遮断するマウントであればよい。また、マウントは、パッシブ型のほか、アクティブ制御されているものでもよく、基板ステージ定盤203への支持点数も特に限定はない。
【0024】
X移動体209は、Y移動体202の上に設けられ、エアベアリング211を介して、Y移動体202上に設けられたXガイド210に案内されて、X方向に移動する。
【0025】
Y移動体202とX移動体209を上記各軸方向に駆動する駆動手段は、本実施の形態では、可動子と固定子からなる電磁式リニア駆動手段(リニアモータ)を利用したもので説明する。この場合、好適には、可動子として永久磁石が用いられ、固定子としてコイルが用いられる。また、本実施の形態では、各軸方向には、それぞれ上記本体を挟んで1対の電磁式リニア駆動手段を設けているが、設置個数は、これに限定されるものではない。また、駆動手段は、電磁式リニア駆動手段に限定するものではなく、たとえば、ボールネジ方式など、他の駆動手段であってもよい。
【0026】
Y移動体202をY方向に駆動する駆動手段212(第1駆動手段)は、板状に形成された可動子212aと可動子212aの可動範囲を凹状の溝で形成した固定子212bから構成される。本実施の形態では、この可動子212aと固定子212bからなる駆動手段212は、Y移動体202と本体ベース60に、2つ設置されている。可動子212aは、Y方向から見てY移動体202の底面両端部から、設置面60に向かってそれぞれ延設されている。固定子212bは、Yガイド205と短手方向に並列するように、基板ステージ定盤203を挟んで、本体から離間した位置で設置面60に設置される。可動子212aは、固定子212bの上記凹状の溝に、わずかな隙間を介して接触しないように設置される。
【0027】
X移動体209をX方向に駆動する駆動手段213(第2駆動手段)も、駆動手段212同様、可動子213aと固定子213bから構成される。本実施の形態では、この可動子213aと固定子213bからなる駆動手段213は、X移動体209と補助ステージ214に、2つ設置されている。可動子213aは、X方向から見てX移動体209の底面両端部から、基板ステージ定盤203方向に向かってそれぞれ延設されている。固定子213bは、Xガイド210と短手方向に並列するように、上記移動体とは非接触に設置される。可動子213aは、固定子213bの凹状の溝に、わずかな隙間を介して接触しないように設置される。
【0028】
上記の通り、固定子213bを上記移動体から非接触に設置するために、固定子213bは、上記移動体に対して所定の間隔を維持した状態で移動体のY方向への移動に同期して追従移動する補助ステージ214に設置される。本実施の形態では、補助ステージ214は、上記移動体を非接触に挟んで対向配置された1対の板状体214aと214bとを備える。この1対の板状体214aと214bは、各対向面の両端部に設置された連結部材214cと214dによって連結されている。固定子213bは、本実施の形態にかかる補助ステージ214では、板状体214aと214bにそれぞれ設置されている。補助ステージ214を上記移動体のY方向への移動に同期して追従移動させるために、駆動手段218(第3駆動手段)を設けている。駆動手段218も、第1駆動手段、第2駆動手段同様、可動子218aと固定子218bから構成されている。可動子218aは、Y方向から見て板状体214a及び板状体214bの両端部にそれぞれ設置されている。固定子218bは、第1駆動手段の各固定子212bに並列して、上記本体と離間した位置に設置される。なお、補助ステージ214は、本体のY方向への移動に同期して追従移動すればよい。従って、部品点数を減らすためには、この第3駆動手段を設けずに、補助ステージ214も、第1駆動手段で駆動するように構成すればよい。
【0029】
上記追従移動の案内は、案内手段216によって行われる。案内手段216は、固定子218bと並行配置され、設置面60に設置された複数本の支持手段217によって支持されている。案内手段216には、リニアガイドナット215を介して板状体214a及び214bが載置されている。なお、本実施の形態では、支持手段217は、固定子212bと固定子218bとの間に設置されているが、これらの位置関係に限定されない。また、支持手段217、固定子212b、固定子218bは、いずれも、同一平面上の設置面60に設置されているが、上記本体と直接接触していなければよく、同一平面上に設置することに限定するものではない。従って、たとえば、固定子218bを側壁面に設置してもよい。さらに、本実施の形態では、支持手段217は、直接設置面60に設置されているが、基板ステージ定盤203と設置面60との間に介在させた防振手段208とは別の防振手段を介在させて設置してもよい。
【0030】
なお、可動子213aと固定子213bとの間のクリアランスは、本体と補助ステージ214との位置関係で決定される。本体と補助ステージ214との間の距離が変動した場合、可動子213aと固定子213bが接触する可能性もある。そこで、上記距離を測定する測定手段を設け、測定された距離を所定の距離に維持するために、補助ステージ214の位置を制御するフィードバック制御手段を設ければよい(図示せず)。上記測定手段としては、たとえば、干渉計を使用すればよい。
【0031】
次に、図2及び図3を参照して、駆動手段212及び駆動手段213によってステージ装置20を駆動した場合の作用について説明する。まず、Y方向、すなわち、スキャン方向(走査方向)に駆動した場合、駆動手段212の固定子212bに所定の位相で電流を流す。この電流により、可動子212aに含まれている磁石にローレンツ力が作用し、可動子212aに推力が発生する。この推力は、Y移動体202を所定の方向に駆動するが、同時に、固定子212bに反力が生じる。固定子212bは、設置面60に設置されているため、この反力は設置面60に伝達される。設置面60は、この反力に起因して振動する。しかし、Y移動体202を載置する基板ステージ定盤203は、設置面60との間に防振手段208を介在させているため、上記振動に対して絶縁配置されている。従って、上記振動によるエネルギーは減衰され、上記振動の影響は、Y移動体202及びステージ定盤203にはほとんど及ばない。
【0032】
なお、補助ステージ214を上記Y方向の駆動に同期して追従移動させる場合、駆動手段218の固定子218bに所定の位相で電流を流す。この電流により、上記同様、可動子218aに推力が発生し、補助ステージ214を追従移動させることができる。このとき固定子218bに生じる反力も、設置面60に伝達され、設置面60を振動させるが、上記同様、防振手段208により、Y移動体202、ステージ定盤203及び補助ステージ214は、この振動に対して絶縁配置されている。従って、この振動は、Y移動体202、ステージ定盤203及び補助ステージ214へはほとんど及ばない。
【0033】
次に、ステージ装置20をX方向、すなわち、ステップ方向(非走査方向)に駆動した場合、まず、駆動手段213の固定子213bに所定の位相で電流を流す。この電流により、可動子213aに含まれている磁石にローレンツ力が作用し、可動子213aに推力が発生する。図3を参照して、矢印のTは、推力が働く方向を示す。この推力Tには、X移動体209を所定の方向に駆動するが、同時に、固定子213bに反力が生じる。図3の矢印のRは、反力Rが働く方向を示す。反力Rは、図3で示す通り、補助ステージ214の板状体214a、案内手段216、支持手段217を介して設置面60に伝達される。設置面60は、この反力に起因して振動するが、上記Y方向の場合同様、この振動によるエネルギーは、防振手段208によってほとんど減衰される。従って、ステップ方向の駆動の場合も、X移動体209、ステージ定盤203は、絶縁配置されており、この振動は、X移動体209、ステージ定盤203へはほとんど及ばない。
以上より、上記振動は、X移動体209、Y移動体202、ステージ定盤203のステージ装置20本体及び補助ステージ214には、ほとんど及ばない。
【0034】
なお、上記の通り、支持手段217にも、設置面60との間に、別の防振手段を設けることにより、上記反力Rが設置面60に伝達される前にエネルギーが減衰されるので、防振手段208と相俟ってさらに良好な効果が得られる。
【0035】
次に、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、ウエハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程を経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、ウエハを現像する工程を含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)を含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、ガラス基板を現像する工程を含む。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
【符号の説明】
【0036】
20: ステージ装置
60: 設置面
201: 基板ホルダー
202: Y移動体
203: 基板ステージ定盤
204: エアベアリング
205: Yガイド
206: ヨーガイド
207: エアベアリング
208: 防振手段
209: X移動体
210: Xガイド
211: エアベアリング
212: 駆動手段(第1駆動手段)
213: 駆動手段(第2駆動手段)
214: 補助ステージ
215: リニアガイドナット
216: 案内手段
217: 支持手段
218: 駆動手段(第3駆動手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差する第1の軸方向と第2の軸方向に移動可能な移動体とこの移動体を載置するステージ定盤とから構成される本体と、前記移動体を前記第1の軸方向に駆動する第1駆動手段と第2の軸方向に駆動する第2駆動手段とから構成される駆動手段とを有するステージ装置であって、
前記本体と本体の設置面との間に介在させる防振手段と、前記第2駆動手段が設置された補助ステージとを備え、前記補助ステージは、前記移動体に対して所定の間隔を維持した状態で、前記第1駆動手段によって、前記移動体の第1の軸方向への移動に同期して追従移動し、
前記本体と補助ステージとは、前記駆動手段によって移動するときに、前記駆動手段によって生じる反力に起因する振動に対して絶縁配置されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
前記補助ステージは、前記第1の軸方向への移動を案内する案内手段と、この案内手段を支持する支持手段とを備え、この支持手段は、前記設置面に、前記防振手段とは別の防振手段を介在させて設置されていることを特徴とする請求項1記載のステージ装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記第1駆動手段に代えて前記補助ステージを追従移動させる第3駆動手段を有し、前記本体及び前記補助ステージとは、前記第3駆動手段によって前記補助ステージが移動するときに、第3駆動手段によって生じる反力に起因する振動に対して絶縁配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のステージ装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記移動体又は補助ステージを駆動する前記第1の軸方向又は第2の軸方向に並行して、前記本体を挟んで1対の電磁式リニア駆動手段によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のステージ装置。
【請求項5】
前記補助ステージは、前記移動体を非接触に挟んで対向配置された1対の板状体と、この1対の板状体の対向面の両端部を連結する連結部材とから構成され、前記1対の板状体に、前記第2の軸方向に前記移動体を駆動する1対の前記電磁式リニア駆動手段をそれぞれ設置したものであることを特徴とする請求項4記載のステージ装置。
【請求項6】
前記本体と前記補助ステージとの間の距離を測定する測定手段と、この測定手段によって測定された距離から、本体と補助ステージとの間の距離を所定の距離に維持するために、補助ステージの位置を制御するフィードバック制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のステージ装置。
【請求項7】
マスクのパターンを前記移動体の上に保持された基板に投影する露光装置であって、
前記第1の軸方向を走査方向とし、前記第2の軸方向を非走査方向とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のステージ装置を備えたことを特徴とする露光装置。
【請求項8】
請求項7記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、前記基板を現像する工程とを有することを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−249555(P2011−249555A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121147(P2010−121147)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】