説明

スルホピロール

本発明は、Rがアリール、アラルキル又はヘテロアリール、Rがアリール又はヘテロアリール、及びRがアリール、ヘテロアリール又は置換されていてもよいアミノメチルを表す式(I)


の化合物、その様な化合物の合成方法、式(I)の化合物を含む医薬組成物、腫瘍性及び自己免疫性疾患の治療のための医薬組成物の製造のための、式(I)の化合物の使用、並びに式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含む医薬組成物を使用する、腫瘍性及び自己免疫性疾患の治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な置換スルホピロール、その製造工程、この新規な置換スルホピロールを含む医薬組成物、腫瘍性疾患及び自己免疫性疾患の治療のための医薬的に活性な1以上の他の化合物と併用してもよいその使用、及びその様な疾患の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景技術
癌は、ヒトにおける主要な死因の一つである。腫瘍性疾患に対する種々の薬剤が開発され、手術や放射線治療といった種々の技術が可能となっているが、代わりうるべき及び改善された腫瘍性疾患の治療方法が未だ必要とされている。
【0003】
自己免疫性疾患は、リンパ球の活性化及び増殖の終結を欠く結果として起こるリンパ球の異常増殖に関連している。その様な疾患はしばしば、リウマチ性関節炎、インシュリン依存性糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデスなどといった炎症に関連している。その様な疾患の治療は、多くの場合に重篤な副作用を示す抗炎症性及び免疫抑制薬剤に集中している。従って、より少ない副作用を示す、新しい作用機序の代替薬が必要とされている。
【0004】
アポトーシスとは、プログラム細胞死をもたらす一連の細胞現象を述べるために用いられる用語である。種々のアポトーシスの経路が存在し、幾つかの経路は特徴付けられている一方、その他の経路は解明されずにいる。細胞分裂とアポトーシスとの間のバランスが乱された場合、癌、自己免疫疾患、神経変性及び循環器系疾患を含む重篤な疾患が起こり得る。
【0005】
近年、プログラム細胞死 (アポトーシス)が、多細胞生物の健康にとって、細胞分裂と同様に重要であることが明らかになりつつある。発生若しくは組織修復を通じて、細胞分裂及び分化を繰り返すことにより、過剰な、若しくは有害な細胞さえも生み出される。組織恒常性を維持するために、これらの細胞は除去又は死滅させられるべきである。生体内における細胞増殖とアポトーシスとの間の繊細な関係は、個々の細胞が細胞分裂を起こすか、細胞周期を停止するか、又はプログラム細胞死に委ねるかを決定する、複雑な分子バランスを反映している。
【0006】
細胞増殖の調節不全又は適切な細胞死の欠如は、広義に渡る臨床的な意味を有する。その様な調節不全に関連する多くの疾患は、過剰増殖、炎症、組織の再構築及び修復を伴う。このカテゴリーにおける一般的な適応症としては、癌、再狭窄、新生内膜過形成、血管新生、子宮内膜症、リンパ性増殖疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)(移植片拒絶)、ポリープ症、組織再構築の場合における神経機能の欠失などが挙げられる。その様な細胞は細胞分裂の通常の調節統制を失い、また適切な細胞死を起こし損ない得る。
【0007】
増殖性の腫瘍性疾患の多くの型において、アポトーシスが阻害又は遅延されているため、アポトーシスの誘導が、特に古典的な化学療法、放射線照射及び免疫療法に対して抵抗性を示す癌類型における癌治療の選択肢となる (Apoptosis and Cancer Chemotherapy, Hickman and Dive, eds., Blackwell Publishing, 1999)。 また、自己免疫性及び移植関連性の疾患並びに病態において、アポトーシスを誘導する化合物は通常の細胞死過程を修復するために使用され得、それゆえ諸症状を根絶することができ、疾患を治療し得る。
再狭窄、すなわち動脈壁中の血管平滑筋細胞の集積において、並びにバクテリア及びウイルス感染細胞の根絶に失敗することによる持続性感染において、アポトーシスを誘導する化合物のさらなる利用が存在し得る。さらに、上皮細胞、内皮細胞、筋細胞及び細胞外マトリックスとの接触を失った他の細胞において、アポトーシスが誘導又は復旧され得る。これらの細胞は潜在的に他の組織に潜入することができ、それゆえ腫瘍症、子宮内膜症などの様な病態を発生し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の要旨
式(I)のスルホピロールは癌細胞において選択的にアポトーシスを誘導し、腫瘍性及び自己免疫性疾患の治療に使用され得る。本発明は、本明細書で後述する式(I)の新規化合物、該化合物の合成方法、式(I)の化合物の医薬としての使用、式(I)の化合物を含む医薬組成物、腫瘍性及び自己免疫性疾患の治療のための医薬組成物の製造のための式(I)の化合物の使用、並びに式(I)の該化合物もしくは式(I)の該化合物を含む医薬組成物を使用する、腫瘍性及び自己免疫性疾患の治療方法、に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、
は、アリール、アラルキル及びアリールアルケニル中のアリール並びにヘテロアリールが、低級アルキル、シクロアルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、低級アルキニルオキシ、置換されていてもよいフェノキシ、ジアルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン、シアノ及びニトロから独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得;及び、2個の隣接した置換基がアリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリール、アラルキル、アリールアルケニル又はヘテロアリールを表し;
【0012】
は、アリール又はヘテロアリールが、
【0013】
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、
【0014】
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
【0015】
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは、窒素上の二つの置換基が、窒素と一緒になって、ヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル若しくはアミノ−低級アルキルアミノ;
【0016】
低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、
【0017】
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、シアノ、
【0018】
メルカプト、低級アルキルメルカプト、置換されていてもよいフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
【0019】
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
【0020】
は、
【0021】
非置換のアリール;
【0022】
ホルミル、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ−低級アルキルカルボニル、アルコキシ−低級アルキルカルボニル、アミノ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(heterocycyl)、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
【0023】
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
【0024】
シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基により置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
【0025】
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいヘテロアリールであって;置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ヘテロアリール;
【0026】
或いは基CHNRを表し;
【0027】
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
【0028】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0029】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表し;
【0030】
は、
水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル又はアミノアルキルカルボニル;置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニル;
【0031】
非置換のアリール;
【0032】
ホルミル、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ−低級アルキルカルボニル、アルコキシ−低級アルキルカルボニル、アミノ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(heterocycyl)、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、アリール;
【0033】
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
【0034】
シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基により置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基、により置換されていてもよい、アリール;或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ヘテロアリールを表し;
【0035】
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニル又は低級アルコキシスルホニルを表し;
【0036】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す; )
の化合物及びその塩に関する。
【0037】
本明細書中で上述及び後述して用いた一般的な用語は、他に示さない限り、好ましくはこの開示の文面中、以下の意味を有する。
【0038】
接頭辞"低級"は、7個までの炭素原子を有して最大7個の炭素原子を含む、特に4個までの炭素原子を有して最大4個の炭素原子を含む基、直鎖状か若しくは複数の枝分かれでの分枝鎖状かの当該基を示す。
【0039】
複数の形が化合物(compounds)、塩(salts)などに用いられる場合は、単一の化合物、塩などもまた意味すると解する。
【0040】
原則として、二重結合はE−又はZ−配置を有し得る。それゆえ本発明の化合物は、異性体混合物、又は単一の異性体として存在し得る。特定されていない場合、両方の異性体型が意図される。
【0041】
(R)−、(S)−又は(R, S)−配置、好ましくは(R)−又は(S)−配置において、幾つかの不斉炭素原子が存在し得る。従って、該化合物は異性体の混合物又は純異性体として、好ましくはエナンチオマー−純ジアステレオマーとして、存在し得る。
【0042】
本発明はまた、式(I)の化合物の、可能性のある互変異性体に関する。
【0043】
アルキルは、1〜12個、好ましくは1〜7個の炭素原子を有し、直鎖状又は分枝状である。アルキルは、好ましくは低級アルキルである。
【0044】
低級アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルといったブチル、n−プロピル若しくはイソプロピルといったプロピル、エチル又はメチルである。好ましくは、低級アルキルはメチル又はエチルである。
【0045】
シクロアルキルは、好ましくは 3〜7個の環炭素原子を有し、非置換であるか、例えば低級アルキル若しくは低級アルコキシによって置換され得る。シクロアルキルは、例えばシクロヘキシル、シクロペンチル若しくはメチルシクロペンチルである。
【0046】
アリールは、フェニル、1−ナフチル又は2−ナフチルといった5〜10個の炭素原子を有する単環又は二環式の縮合環芳香族基、或いはまた、インダニル、ジヒドロ又はテトラヒドロナフチルといった、フェニル基を含む、部分的に飽和した二環式の縮合環を表す。
【0047】
置換されていてもよいフェニルにおいて、置換基は、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、メチレンジオキシ、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ又はニトロである。
【0048】
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族基を表し、単環又は二環である。単環のヘテロアリールは、窒素、硫黄及び酸素から選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む5又は6員のヘテロアリール基を含む。二環のヘテロアリールは、9又は10員の縮合環ヘテロアリール基を含む。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル, イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びインドリル、ベンズイミダゾリル若しくはベンゾフリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル又はプリニルといった、このような単環ヘテロアリール基のベンゾ縮合誘導体が挙げられる。
【0049】
置換されていてもよいヘテロアリールにおいて、置換基は、好ましくは低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、1又は2個の置換基低級アルキル及び1個の置換基低級アルキルカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、ハロ或いはニトロである。
【0050】
アルケニルは、1以上の、例えば2又は3の二重結合を含み、好ましくは、1−若しくは2−ブテニル、1−プロペニル、アリル又はビニルといった低級アルケニルである。アリールアルケニルは、好ましくは2−アリールビニルである。
【0051】
アルキニルは、好ましくは、プロパルギル又はアセチレニルといった低級アルキニルである。
【0052】
置換されていてもよいアルケニル又はアルキニルにおいて、置換基は、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ若しくはジ(低級アルキル)アミノであり、アルケニル若しくはアルキニルの飽和炭素原子、又はアルケニルの不飽和炭素原子と結合している。
【0053】
ヘテロシクリルは、好ましくは、飽和、部分的に飽和、又は不飽和の、別段特徴付けられない限り炭素又は窒素が結合し得る、窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む4〜10個の原子を含む単環式或いは二環式の環であって、環窒素原子が低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル及びアシルから選択される基によって置換されていてもよく、環炭素原子が低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ヒドロキシ又はオキソによって置換され得る環、を示す。ヘテロシクリルの例は、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル及びテトラヒドロピラニルである。
【0054】
アシルは、例えばアルキルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、アリールカルボニル、アリール−低級アルキルカルボニル又はヘテロアリールカルボニルを示す。低級アシルは、好ましくは低級アルキルカルボニルであり、特にプロピオニル若しくはアセチルである。置換されていてもよいアルキルカルボニルは、好ましくはヒドロキシ、アルコキシ又はアミノにより置換される。
【0055】
ヒドロキシアルキルは、特にヒドロキシ−低級アルキル、好ましくはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル又は2−ヒドロキシ−2−プロピルである。
【0056】
ハロアルキルは、好ましくはフルオロアルキル、特にトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル又は3,3,3−トリフルオロエチルである。
【0057】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0058】
低級アルコキシは、特にメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ又はtert−ブチルオキシである。
【0059】
アリールアルキルは、上記に定義されたようなアリール及びアルキルを含み、例えば、ベンジル、1−フェネチル又は2−フェネチルである。
【0060】
ヘテロアリールアルキルは、上記に定義されたようなヘテロアリール及びアルキルを含み、例えば、2−ピリジル−メチル、3−ピリジル−メチル、4−ピリジル−メチル、1−若しくは2−ピロリル−メチル、1−イミダゾリル−メチル、2−(1−イミダゾリル)−エチル又は3−(1−イミダゾリル)−プロピルである。
【0061】
アリール又はヘテロアリールの原子と共に5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る二つの隣接した置換基は、例えば、プロピレン、1−若しくは2−オキソプロピレン、1−若しくは2−オキサプロピレン、1−オキサプロピリデン、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、1−若しくは2−アザプロピレン、1−若しくは2−アザプロピリデン、1,2−若しくは1,3−ジアザプロピリデン、1,3−ジアザ−2−オキソプロピレン、ブチレン、1−若しくは2−オキサブチレン、エチレンジオキシ、1−若しくは2−アザブチレン又は1−若しくは2−アザブタジエニリデン、ペンチレン、1−、2−若しくは3−オキサペンチレン、プロピレンジオキシ、1−、2−若しくは3−アザペンチレン又は上記に定義されたようなさらなる置換基を有するこのような基である。
【0062】
置換アミノにおいて、置換基は、好ましくは置換基R及びRとして挙げられる。特に、置換アミノはアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノ又は置換されていてもよいアリールアルキルアミノである。
【0063】
及びRにおける、アリール並びにヘテロアリール上の置換基に対し定義され、カルボニル、カルボキシ及びカルボキシの誘導体、ヘテロアリール、ヘテロシクリル若しくはスルファモイルをアリール又はヘテロアリール基に結合するスペーサーは、低級アルキリデン、例えば、nが1と7、好ましくは1と4の間である残基−(CH)−(例、メチレン、1,2−エチレン、又は1,3−プロピレン)、酸素、すなわちエーテル架橋−O−;オキシメチル、すなわちエーテル架橋−OCH−、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、すなわちRが水素又は低級アルキルである二級又は三級アミン架橋−NR−、或いはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチル、すなわちRが水素又は低級アルキルである二級若しくは三級アミン架橋−NR−CH−である。置換基アミノ又はアミノカルボニルアミノをアリール又はヘテロアリール基に結合するスペーサーは、上記で定義された低級アルキリデンである。
【0064】
塩は、特に式(I)の化合物の医薬的に許容される塩である。
【0065】
その様な塩は、好ましくは有機若しくは無機酸を用いて塩基性の窒素原子を有する式(I)の化合物から、例えば酸付加塩として、特に医薬的に許容される塩として、形成される。適切な無機酸は、例えば、塩酸の様なハロゲン酸、硫酸、若しくはリン酸である。適切な有機酸は、例えばカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、又はスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸若しくはアスパラギン酸の様なアミノ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタン(adamantine)−カルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル−酢酸、マンデル酸、ケイ皮酸、メタン−若しくはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレン−スルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−、3−若しくは4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−若しくはN−プロピル−スルファミン酸、又はアスコルビン酸の様な他の有機プロトン酸である。
【0066】
単離又は精製の目的で、医薬的に許容されない塩、例えば、ピクリン酸塩若しくは過塩素酸塩を使用することがまた可能である。治療上の使用には、医薬的に許容される塩若しくは遊離化合物のみが利用され(医薬製剤の形で適用される)、それゆえこれらが好ましい。
【0067】
遊離型にある新規化合物と、中間体として用いられ得るそれらの塩を含む、それらの塩の型にある新規化合物との間の近い関係の点から見て、例えば新規化合物の精製又は同定において、上記及び下記の遊離化合物へのあらゆる言及が、適切かつ都合よい場合、対応する塩もまた言及すると理解されるべきである。
【0068】
式(I)の化合物は、ヒト又は動物体中で分解して式(I)の化合物を与える、プロドラッグの形で投与され得る。プロドラッグの例としては、式(I)の化合物の、in vivoで加水分解性のエステル及びアミドが挙げられる。考えられる特定のプロドラッグは、天然に存在するアミノ酸のエステル及びアミド、並びに短ペプチド、特に5個までの、好ましくは2若しくは3個のアミノ酸からなる短ペプチドのエステル又はアミドである。プロドラッグエステルは、アミノ酸又はペプチドのC末端の酸性基、及び式(I)の化合物中の適切なヒドロキシ基から形成される。プロドラッグアミドは、アミノ酸又はペプチドのN末端のアミノ基、及び式(I)の化合物中の適切なカルボキシ基から形成される。
【0069】
式(I)の化合物は、種々の薬理学的特性を有する。本発明はまた、上記で定義されたように、医薬としての使用のための、式(I)の化合物に関する。
【0070】
癌細胞における、アポトーシスの誘導に関する本発明の化合物の有効性は、次のように示され得る:
緑色蛍光タンパク質(GFP)がトランスフェクトされた適切な癌細胞株の相対的蛍光活性を、本発明の化合物及び標準的な癌薬剤の存在下、WO 99/35493に記載された方法を使用して測定する。適切な癌細胞株は、A20.2J(BALB/c B細胞リンパ腫)、PB−3c(IL−3依存的なDBA/2マウスの骨髄から単離された非腫瘍原性マスト細胞株)、Jurkat(ヒト急性T細胞白血病細胞株)、K562(ヒト慢性骨髄性白血病細胞株)、HL60(ヒト急性前骨髄球性白血病細胞株)、Ramos及びRaji(ヒトB細胞リンパ腫細胞株)、H9及びHut78(ヒトT−細胞リンパ腫細胞株)、HeLa及びKB(ヒト扁平上皮癌細胞株)、MCF7、SK−BR−3、PC3、HBL−100、SW480、H460及びH1792(ヒト腺癌細胞株)並びにHT−1080(ヒト繊維芽細胞種細胞株)である。
【0071】
比較のための化合物として好ましい標準薬剤は、:a)5−フルオロウラシル (ICN)、ゲムシタビン塩酸(Gemzar(商標)、Eli Lilly)といった代謝拮抗剤、b)オキサリプラチン(Eloxantin(商標)、Sanofi−Synthelabo)、ダカルバジン(Detimedac(商標)、Medac)、シクロホスファミド(Endoxan(商標)、Asta)及びカルボプラチン(Paraplatin(商標)、Bristol−Meyers Squibb)といったアルキル化剤、c)ビノレルビン(Navelbine(商標)、Robapharm)、ビンブラスチン(Velbe(商標)、Eli Lilly)、ドセタキセル(Taxotere(商標)、Aventis)といった細胞周期阻害剤、d)ドキソルビシン塩酸 (Adriblastin(商標)、Pharmacia−Upjohn)、ブレオマイシン(Asta−Medica)、イリノテカン(Campto(商標)、Aventis)、リン酸エトポシド(Etopophos(商標)、Bristol−Meyers Squibb)、トポテカン塩酸(Hycamtin(商標)、GIaxoSmithKline)といったDNA切断剤(トポイソメラ−ゼ阻害剤、インターカレーター、ストランド切断剤)、e)それらの混合物、f)カスパーゼ活性修飾剤、細胞死レセプタ−のアゴニスト及びアンタゴニスト、イマチニブメシレート (Gleevec(商標),Novartis)、デキサメタゾン、ホルボール−ミスチレート−アセテート、シクロースポリA、ケルセチン、タモキシフェン(Alexis Corporation,Switzerland)といったヌクレアーゼ、ホスファターゼ及びキナーゼの修飾剤、といったシグナル伝達経路を妨げる化合物である。
【0072】
アポトーシスは、蛍光プレートリーダーを用いた1次スクリーニング、次いでFACS(fluorescence activated cell scanning)を用いた2次スクリーニングにおいて決定される。さらなる試験及び性質決定のために、実質的な細胞毒性副作用なしにアポトーシスを引き起こす化合物が、以下の良く確立されたアッセイの組み合わせを使用することで選択される。:A) アポトーシスの特徴である核形態及びDNA断片化についての情報を提供する、Hoechst 33342色素での核染色。B)細胞の代謝活性を測定するMTS増殖アッセイ。生細胞は代謝的に活性であり、一方呼吸鎖が損なわれた細胞はこの試験において減少した活性を示す。C)原形質膜の外側の脂質二重層のフォスファチジルセリン量を反映する、アネキシンV 結合アッセイ。この現象はアポトーシスの初期の特徴と考えられている。D)細胞周期段階の分布のために、細胞周期の異なる段階間の分布におけるあらゆる変化を示すPI染色。細胞周期の停止点が決定され得る。E)ブロモデオキシウリジン(BrdU)を取り込むことによってDNA合成をモニターする増殖アッセイ。成長/増殖における阻害効果が直接決定され得る。F)システインプロテイナーゼ依存性、カスパーゼ依存性はそれぞれ、特異的インヒビターを使用することで決定される。このことは、その機構における特異的プロテアーゼの関与の可能性についての情報を提供する。
【0073】
これらの研究に基づいて、本発明による式(I)の化合物は、特に腫瘍性疾患及び自己免疫性疾患に対する治療上の有効性を示す。特に、本発明の化合物は悪性腫瘍、例えば上皮腫、扁平上皮細胞腫、基底細胞腫、移行細胞パピロ−マ及びカルシノ−マ、アデノ−マ及びアデノカルシノ−マ、付属器(adnexal)及び皮膚付属器(appendage)腫瘍、粘膜表皮性腫、嚢胞性腫、粘液性及び漿液腫、管−、小葉及び髄質性腫、腺房細胞腫、複合上皮腫、特定化された性腺腫、傍神経節腫及び糸球小体腫、母斑(naevi)及びメラノーマ、軟組織腫及び肉腫、線維腫性腫瘍、粘液腫性腫瘍, 脂肪腫性腫瘍、筋腫性腫瘍、複合混合型及び間質性腫、線維上皮性腫, 滑膜様腫、中皮腫、胚細胞性腫瘍、栄養膜腫、中腎腫、血管腫、リンパ管腫、骨及び軟骨腫性腫瘍、巨大細胞腫、種々の骨腫、歯原性腫、グリオーマ、神経−上皮腫性腫瘍、髄膜腫、神経鞘腫、顆粒細胞腫及び肺胞軟部肉腫、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、他のリンパ網状腫瘍、血漿細胞腫、マスト細胞腫、免疫増生性疾患、白血病、種々の骨髄増殖性疾患、リンパ増殖性疾患並びに骨髄異形性症候群に対して活性である。
【0074】
本発明の化合物は、自己免疫疾患、例えば、全身性、円板状若しくは亜急性皮膚エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、抗リン脂質抗体症候群、CREST、汎発性強皮症、混合性結合組織疾患 (Sharp症候群)、Reiter症候群、若年性関節炎、寒冷凝集疾患、必須混合クリオグロブリン血症、リウマチ熱、強直性脊椎炎、慢性多発関節炎、重症筋無力症、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄多発性神経炎、ギラン−バレー症候群、皮膚筋炎/多発性筋炎、 自己免疫性溶血性貧血症、血小板減少性紫斑病(thrompocytopenic purpura)、好中球減少症、I型糖尿病、甲状腺炎 (橋本病及びグレーブス病を含む)、 アジソン病、多腺性症候群, 天疱瘡(尋常性, 落葉状, 皮脂性及び増殖型)、水胞性及び瘢痕性類天疱瘡、妊娠性疱疹、後天性表皮水疱症、線状IgA疾患、硬化性萎縮性苔癬、Duhring病、尋常性乾癬、滴状の、全身膿疱性及び局在的膿疱性乾癬、白斑症、限局性脱毛症、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、全ての型の糸球体腎炎、肺性出血(グッドパスチャー症候群)、IgA腎症、悪性貧血症及び自己免疫性胃炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む)、ベーチェット病、セリアック・スプルー(Celic-Sprue)病、自己免疫性ブドウ膜炎, 自己免疫性心筋炎, 肉芽腫性睾丸炎、睾丸炎なしの精子形成欠如症、特発性(idiopatic)及び続発性の肺性線維症、自己免疫性発病(pathogensesis)の可能性を有する炎症性疾患、例えば、壊疽性膿皮症(pyoderma gangrensosum)、紅色苔癬、サルコイドーシス(レフグレン型及び皮膚性/皮下性型を含む)、環状肉芽腫、アレルギー性I型及びIV型免疫反応(immunolgical reaction)、気管支喘息、花粉症、アトピー、接触及び風媒性の皮膚炎、大血管の血管炎(巨大細胞及び高安動脈炎)、中血管の血管炎 (結節性多発性動脈炎、川崎病)、小血管の血管炎(ウェゲナー肉芽腫症、チャーグストラウス症候群、微視的な多発性血管炎(polangiitis)、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、必須クリオグロブリン血症性血管炎、皮膚性(leukoklastic)脈管炎)、過感受性症候群、毒性表皮壊死症 (スチーブンジョンソン症候群、多形紅斑)、薬物副作用による疾患、I−VI型 (Coombs分類) の反応の免疫型による皮膚性の、組織特異的な、及び全身性の影響の全ての形態、全組織(皮膚、心臓、腎臓、骨髄、眼、肝臓、脾臓、肺、筋、中枢及び末梢神経系、結合組織、骨、血管及びリンパ管、生殖器−泌尿器系、耳、軟骨、骨髄、リンパ節、胸腺を含む一次及び二次リンパ系、口−咽頭、食道(esophageus)、胃、小腸、大腸及び直腸を含む胃腸管、上記記載の組織の一部分から単一細胞レベル及び下部構造(例えば幹細胞)に到るまでを含む)に関与する急性及び慢性的な移植片対宿主病、及び宿主対移植片病といった、移植関連症状(transplantation related pathology)に対して同様に活性である。
【0075】
式(I)の化合物は、単独で、又は1以上の他の治療剤との併用によって投与され得、可能な併用治療は、固定された併用、或いは互い違いであるか又は互いに独立して与えられる本発明の化合物及び1以上の他の治療剤の投与、或いは固定された併用及び1以上の他の治療剤の併用投与の形態を採る。その他に(又はその上)式(I)の化合物は、特に化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的処置、或いはこれらの併用、を併用する癌治療のために投与され得る。上述したように長期間の治療は、他の治療戦略と関連して、免疫賦活剤治療と同等に可能である。他の可能な治療は、腫瘍退行後の患者の状態を維持するための治療であり、又は例えば、危険な状態にある患者における化学防御治療でさえある。特に好ましいものは放射線療法と併用した式(I)の化合物の使用である。
【0076】
併用可能な治療剤は、特に1以上の細胞分裂停止若しくは細胞毒性化合物、例えば、インダルビシン(indarubicin)、シタラビン、インターフェロン、ヒドロキシ尿素、ビスルファン(bisulfan)又はポリアミン生合成の阻害剤、プロテインキナーゼ、特にプロテインキナーゼCの様なセリン/スレオニンプロテインキナーゼ、若しくは上皮成長因子レセプタ−チロシンキナーゼといったチロシンプロテインキナーゼの阻害剤、サイトカイン、TGF−β若しくはIFN−βといった負の成長制御因子、アロマターゼ阻害剤、古典的な細胞分裂停止剤、リン酸化タンパク質とSH2ドメインの相互作用阻害剤、Bcl−2阻害剤並びにBax、Bid、Bad、Bim、Nip3及び BH3−のみのタンパク質といったBcl−2ファミリーメンバーの修飾因子を含む群から選択される1つ又は幾つかの化学治療剤である。
【0077】
本発明による化合物は (予防的な、好ましくは治療的な) ヒトの対応のためだけでなく、他の温血動物、例えば市販の有用な動物、例えばマウス、ウサギ若しくはラット又はモルモットといったげっ歯類の治療のためでもある。その様な化合物はまた、上述した試験系において、他の化合物との比較を可能とするために参照標準として用いられ得る。
【0078】
後述する好ましい式(I)の化合物の群とともに、上述した一般的な定義からの置換基の定義が、例えば、より特別な定義、或いは特に好ましいものとして特徴付けられる定義で、より一般的な限定を置換するために当然に用いられ得る。
【0079】
詳細には、本発明は式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン、シアノ及びニトロから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
【0080】
は、アリール又はヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、
【0081】
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
【0082】
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは窒素上の二つの置換基が、窒素と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル又はアミノ−低級アルキルアミノ;
【0083】
低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、シアノ、
【0084】
メルカプト、低級アルキルメルカプト、置換されていてもよいフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
【0085】
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
【0086】
は、基CHNRを表し;
【0087】
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルフォニルを表し;
【0088】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0089】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表し;
【0090】
は、
水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル若しくはアミノアルキルカルボニル;置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニル;
【0091】
或いは、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、アリール;
【0092】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
【0093】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基で置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、アリール;
【0094】
或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ヘテロアリールを表し;
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニル又は低級アルコキシスルホニルを表し;
【0095】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩に関する。
【0096】
より詳細には、本発明は、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
【0097】
は、アリール又はヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルキニル、
【0098】
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
【0099】
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される 1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは、窒素上の二つの置換基が、窒素と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル若しくはアミノ−低級アルキルアミノ;
【0100】
ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
【0101】
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって、5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
【0102】
は、基CHNRを表し;
【0103】
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、窒素が低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキルを表し;
【0104】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0105】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表し;
【0106】
は、
水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニル;
【0107】
或いは、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0108】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0109】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0110】
或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって各々が置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル或いはイソキノリニルを表し;
【0111】
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニル又は低級アルコキシスルホニルを表し;
【0112】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す;)
の化合物及びその塩に関する。
【0113】
好ましくは、本発明は、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル, ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
【0114】
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、ジアルキルアミノ、カルバモイル、スルファモイル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル及びハロゲン;
【0115】
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
【0116】
並びに2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
【0117】
は、基CHNRを表し;
【0118】
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、窒素が低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキルを表し;
【0119】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0120】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表し;
【0121】
は、水素、低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;
【0122】
或いは、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、 フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0123】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、及びアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0124】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0125】
或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ及びハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピリジルを表し;
【0126】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0127】
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す;)
の化合物及びその塩に関する。
【0128】
より好ましくは、本発明は、式(I)
(式中、
は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される2個までの置換基によって置換されるフェニルを表し;
【0129】
は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく;並びに2個の隣接した置換基がアリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリールであり;
【0130】
は、基CHNRを表し;
【0131】
は、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、窒素が低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキルを表し;
【0132】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0133】
或いはR及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表し;
は、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、又はアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得る、フェニル;
【0134】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、フェニル;
【0135】
或いは、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル若しくはスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピリジルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表す;
の化合物及びその塩に関する。
【0136】
他の態様によると、本発明は、式(I)
(式中、
は、アリール、アラルキル中のアリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン、シアノ及びニトロから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール、アラルキル又はヘテロアリールを表し;
【0137】
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、
【0138】
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
【0139】
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換される、或いは窒素上の二つの置換基が窒素と一緒になってヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル又はアミノ−低級アルキルアミノ;
【0140】
低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、
【0141】
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、シアノ、
【0142】
メルカプト、低級アルキルメルカプト、置換されていてもよいフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得;
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリール又はヘテロアリールであり;
【0143】
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、又はアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、フェニル;
【0144】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0145】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0146】
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル又はイソキノリニルを表し;
【0147】
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
【0148】
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩に関する。
【0149】
好ましくは、本発明は、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
【0150】
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルキニル、
【0151】
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
【0152】
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換されるか、或いは窒素上の二つの置換基が窒素と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル又はアミノ−低級アルキルアミノ;
【0153】
ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
【0154】
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリール又はヘテロアリールであり;
【0155】
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0156】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0157】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0158】
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル若しくはイソキノリニル、を表し;
【0159】
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
【0160】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0161】
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩に関する。
【0162】
より好ましくは、本発明は、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
【0163】
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルキニル、
【0164】
低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
【0165】
低級アルキル及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは、窒素上の二つの置換基が窒素と一緒になってヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、アミノ;
【0166】
ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
【0167】
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
【0168】
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、 直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0169】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0170】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0171】
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよい、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル若しくはイソキノリニルを表し;
【0172】
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
【0173】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0174】
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩に関する。
【0175】
より具体的には、本発明は、式(I)
(式中、
は、低級アルキル、低級アルコキシ 低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ 低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される2個までの置換基によって置換されるフェニルを表し;
【0176】
は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく;並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリールであり;
【0177】
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、又はアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0178】
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONR、から選択される1個の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0179】
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
【0180】
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよい、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル若しくはイソキノリニルを表し;
【0181】
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル又は低級アルキルスルホニルを表し;
【0182】
は、水素又は低級アルキルを表し;
【0183】
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表す;
の化合物及びその塩に関する。
【0184】
最も好ましいものは、実施例の化合物である。特に、実施例6、55、56、57、58、60、63、64、65、68、71、76、94、100、101及び104の化合物並びにそれらの塩である。
【0185】
特に、本発明は、腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患の治療のための医薬組成物の製造のための、式(I)の化合物、その様な化合物のプロドラッグ又は薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0186】
さらに、本発明は腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患の治療方法であって、上記疾患に対する有効量における、基及び記号が上に定義された意味を有する式(I)の化合物、そのプロドラッグ又は医薬的に許容される塩を、その様な治療を要する温血動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0187】
製造方法
本発明の化合物は、本質的に公知であるが、本発明の新規化合物にはこれまで利用されていない工程により製造され得る。特に、
【0188】
A)RがCHNRである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(II)
【0189】
【化2】

【0190】
のアルデヒド、又は官能基が保護型であるそれらの誘導体を、還元剤の存在下、不活性塩基及び/又は適当な触媒の任意の存在下並びに不活性溶媒の任意の存在下、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(III)
HNR (III)
のアミン、その塩又は官能基が保護型であるその誘導体と反応させ、並びに式(I)の化合物の保護誘導体中のいかなる保護基をも除去する工程;或いは
【0191】
B)RがCHNRである式(I)の化合物の製造のため、R、R、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(IV)
【0192】
【化3】

【0193】
のカルボキサミド、又は官能基が保護型であるその誘導体を、適当な触媒の任意の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、還元剤で処理し、並びに式(I)の化合物の保護誘導体においていかなる保護基をも除去する工程;
【0194】
C)Rがアリール又はヘテロアリール 置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在し、並びにQが塩素、臭素又はヨウ素である式(V)
【0195】
【化4】

【0196】
の化合物、或いは官能基が保護型であるその誘導体を、適当な触媒の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、Rが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(VI)
−B(OH) (VI)
のボロン酸、そのエステル、その塩、又は官能基が保護型であるその誘導体と反応させ;並びに式(I)の化合物の保護誘導体においていかなる保護基をも除去する工程;或いは
【0197】
D)Rが置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する、式(VII)
【0198】
【化5】

【0199】
のボロン酸、そのエステル、その塩、又は官能基が保護型であるその誘導体を、適当な触媒の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、Rが式(I)の化合物で定義されたものとして存在し、及びQが塩素、臭素又はヨウ素である、式(VIII)
−Q (VIII)
の化合物、そのエステル、その塩、或いは官能基が保護型であるその誘導体と反応させ;並びに式(I)の化合物の保護誘導体においていかなる保護基をも除去する工程;
E)Rが置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する、式(IX)
【0200】
【化6】

【0201】
のピロールを、適当な触媒の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、Rが式(I)の化合物で定義されたものであり、及びQは塩素又は臭素である、式(X)
−SO−Q (X)
のスルホン酸ハライド、或いは官能基が保護型であるその誘導体と反応させ;並びに式(I)の化合物の保護誘導体においていかなる保護基をも除去する工程;
【0202】
並びに、所望であれば、得られ得る式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に、式(I)の遊離化合物を塩に、式(I)の化合物の得られ得る塩を遊離化合物又は他の塩に変換し、及び/又は式(I)の異性体化合物の混合物を個々の異性体に分割する。
【0203】
式(II)のピロールカルボキサルデヒドと式(III)のアミンとの反応は、還元アミノ化で用いられる慣習的反応条件下で行われる。例えば、約pH3からpH6のpH範囲で、例えば酢酸といった有機酸の存在下、式(II)のカルボキサルデヒドを式(III)のアミンと混合し、及びin situで形成されたイミンを、金属水素化物、例えば水素化ホウ素、特に水素化ホウ素ナトリウム又は、好ましくはシアノ水素化ホウ素ナトリウム若しくはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムで還元する。あるいは、in situで形成されたイミンはまた、適切な活性化型におけるパラジウム若しくは白金といった適切な不均一貴金属触媒、例えば10%パラジウム炭素の存在下、又は均一水素化触媒の存在下、加圧下において、例えば水素ガスとの触媒的水素化によって還元され得る。
【0204】
反応は、通常、適切な溶媒、例えばメタノールの様な極性溶媒、又はジメチルホルムアミドなどの様な双極性非プロトン溶媒の存在下、冷却又は加熱して、例えばおよそ−30℃からおよそ+150℃の温度範囲、特におよそ室温付近で、本質的に公知の方法で行われ得る。
【0205】
式(IV)の化合物の還元は、アミド還元で用いられる慣習的反応条件下で行われる。適切な還元剤は例えばメタルハイドライドであり、例えば、ボロンハイドライド、またトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート、塩化コバルト若しくはトリフルオロ酢酸といった活性化触媒の存在下でのナトリウムボロハイドライド、或いは好ましくはアルミニウムハイドライド、特にリチウムアルミニウムハイドライド又は部分的にアルコキシ化されたリチウムアルミニウムハイドライド、例えばリチウムトリメトキシアルミニウムハイドライド若しくはリチウム tert−ブトキシアルミニウムハイドライドである。あるいは、アミドはまたトリクロロシランによっても還元され得る。
【0206】
反応は、通常、適切な溶媒、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフランの様なエーテルの存在下、本質的に公知の方法で行われうる。ナトリウムボロハイドライド還元は、好ましくはエタノールの様なアルコール中で行われる。反応は、冷却又は加熱して、例えばおよそ−30℃からおよそ+150℃の温度範囲、特におよそ室温付近で行われ得る。
【0207】
式(V)のブロモ若しくはヨ−ド置換されたピロールの、適切な式(VI)のボロン酸又は対応するボロン酸エステルとの反応は、鈴木反応として知られており、好ましくは鈴木反応のために本質的に公知な条件下で行われる。ピロールの反応と同様に、式(VII)のボロン酸又は対応するボロン酸エステル、例えば2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオ−ルとの環状(cylic)エステルと、対応する式(VIII)のハライドとの反応が行われる。好ましくはジメチルホルムアミドの様な双極性非プロトン溶媒、又は極性エーテル、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン若しくはジメトキシエタンが用いられ、反応は、適度の加熱、例えばおよそ+30℃からおよそ+150℃の温度範囲、特におよそ40℃から80℃付近で、可溶性パラジウム(0)又は関連する金属触媒、例えばテトラキス (トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下で行われる。あるいは、該反応はまた、Qが塩素である式(V)又は(VIII)の化合物と行われ得る。考慮されるさらなる触媒は、テトラキス (トリメトキシホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム又はジクロロビス (トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)及びまたニッケル触媒、例えばジクロロビス (トリエチルアミン)ニッケル(II)である。該反応は、好ましくは塩基、例えば炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、水酸化カリウム又はリン酸カリウムの固体又は水溶液の存在下で行われる。
【0208】
式(IX)のピロールは、塩基、好ましくは三級(teriary)アミン、例えばジメチルアニリン若しくはジエチルイソプロピルアミンの存在下、スルホニルクロライド又は式(X)のブロミドでスルホニル化され得る。
【0209】
1以上の他の官能基、例えばカルボキシ、ヒドロキシ又はアミノが、該反応に関与すべきでないため、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)及び(X)の化合物において保護され、又は保護を必要とする場合、 これらは、アミドの合成、特にペプチド化合物、セファロスポリン、ペニシリン、核酸誘導体及び糖において通常適用されるような保護基である。
【0210】
保護基は、前駆体において既に存在してもよく、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解及び類似反応といった望外の二次反応に対し関与する官能基を保護すべきである。保護基の特性は、容易に、すなわち望外の二次反応無しに、典型的には加溶媒分解、還元、光分解によって、又は例えば生理的条件に類似した条件下での酵素活性によってまた、除去するのに向いていること並びに最終生成物には存在しないことである。専門家は、どの保護基が上述及び後述した反応に適切であるかを知り、又は容易に確立することができる。
【0211】
上記保護基による上記官能基の保護、保護基自体及びそれらの除去反応は、例えば、ペプチド合成における標準的な参考書及びJ. F. W. McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press, London and New York 1973、“Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben- Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、及びT. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New Yorkといった保護基に関する専門書に記載されている。
【0212】
所望により行う追加工程段階において、該反応に関与すべきでない出発化合物の官能基は、非保護型で存在し得、又は例えば、上述の“保護基”によって記載される1以上の保護基により保護され得る。次いで保護基は、完全又は部分的に、そこに記載された方法の一つに基づいて除去される。
【0213】
得られ得る式(I)の化合物の、他の式(I)の化合物への変換において、アミノ基はアルキル化又はアシル化され得、対応する置換化合物を与える。アルキル化は、アルキルハライド又は活性化アルキルエステルで行われ得る。メチル化には、ジアゾメタンが用いられ得る。アルキル化はまた、還元条件下、アルデヒドで行われうる。アシル化には対応する塩化アシルが好まれる。あるいは酸無水物が用いられ得、又はアシル化は、適切な触媒又は補助試薬の任意の存在下、ペプチド化学において本質的に公知の、アミド形成に用いられる条件下、遊離酸、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの様なカルボキシ基に対する活性化剤で達成され得る。
【0214】
対応するアミノ基を与えるための、ニトロ置換されたアリール又はヘテロアリール基中のニトロ基の還元は、例えば、アルコール中の鉄粉末又は他の還元剤によりなされる。
【0215】
カルボキシ置換されたアリール又はヘテロアリール基中のカルボキシ基は、適切な触媒又は補助試薬の任意の存在下、ペプチド化学において本質的に公知のアミド形成に用いられる条件下、例えば対応するアミン及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの様なカルボキシ基に対する活性化剤でアミド化され得る。
【0216】
アリール若しくはヘテロアリール基中のブロモ又はヨード置換基は、鈴木反応における適切なフェニルボロン酸の反応によって、フェニル又はフェニル誘導体により、好ましくはジメチルホルムアミドの様な双極性非プロトン溶媒或いは極性エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジメトキシエタン中、可溶性パラジウム(0)又は関連した金属触媒、例えばテトラキス (トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下で、置換され得る。
【0217】
塩形成基と式(I)の化合物との塩は、本質的に公知の方法で製造されうる。従って、式(I)の化合物の酸付加塩は、例えば酸又は適切なアニオン交換試薬での処理により得られ得る。
【0218】
例えば、適切な塩基剤(例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭化水素塩、又はアルカリ金属水酸化物、典型的には炭酸カリウム若しくは水酸化ナトリウム)での処理により、通常、塩は遊離化合物に変換することができる。
【0219】
この章に記載された変換に類似する反応がまた、妥当な中間体のレベルにおいても起こり得ることは強調されるべきである。
【0220】
本明細書中に述べる全ての工程段階は、公知の反応条件下、好ましくは特に述べられた条件下、好ましくは用いる試薬に不活性であって、これらを溶解し得るような溶媒若しくは希釈剤の非存在下又は一般的には存在下、減温、常温又は昇温、例えば−100℃から約190℃、好ましくは約−80℃から約150℃の範囲、例えば−80〜+60℃、−20〜+40℃、室温又は使用される該溶媒の沸点において、大気圧下、或いは適切な圧力下にある、及び/又は不活性雰囲気、例えばアルゴン若しくは窒素下にある、閉塞管内での、反応及び/又は反応体の型に依存して、例えばH型の、触媒、縮合剤、又は中和剤、例えばイオン交換体、典型的にはカチオン交換体の非存在下又は存在下、行うことが可能である。
【0221】
塩は、これらが塩形成基を有する限り、全ての出発化合物及び過渡体に存在し得る。塩はまた、その様な化合物の反応の間にも存在し得、それにより反応は阻害されない。
【0222】
全ての反応段階において、発生する異性体混合物は、それらの個々の異性体、例えばジアステレオマー若しくはエナンチオマー、又は異性体の任意の混合物、例えばラセミ体若しくはジアステレオ異性混合物に分離することができる。
【0223】
当該発明はまた、任意の段階において過渡体として得られ得る化合物から開始して、欠けている段階を実施するか、又は、任意の段階における工程を打ち切るか、又は当該反応条件下で出発物質を形成するか、又は上記出発物質を反応性誘導体若しくは塩の形態で使用するか、又は本発明に従う工程の手段によって得られ得る化合物を製造し、この化合物をin situでさらに処理する工程の形態に関する。好ましい実施態様において、好ましい場合、特に好ましい場合、第一に好ましい場合、及び/又はとりわけ好ましい場合、上記した化合物を導く出発材料から開始する。
【0224】
好ましい実施態様においては、式(I)の化合物は、実施例において定義される工程又は工程段階に従って、或いは類似の方法で製造される。
【0225】
それらの塩を含む式(I)の化合物はまた、水和物の形で得られ得、又はそれらの結晶は例えば結晶化に用いた溶媒を含み得、すなわち溶媒和化合物として存在し得る。
【0226】
新規の出発物質及び/又は中間体は、その製造過程と同様に、さらに本発明の対象である。好ましい実施態様においてはそのような出発物質が用いられ、好ましい化合物を得ることが可能となるように反応条件が選択される。
【0227】
式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)又は(X)の出発物質は公知であり、市販され又は当該分野で公知の方法に従って、或いは類似の方法で合成され得る。例えば、式(II)のピロールカルボキサルデヒドは、好ましくは適切な不活性溶媒及び/又は過剰量の試薬ジメチルホルムアミドの存在下、対応する式(V)の3−ハロピロール(R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在し、Qが塩素、臭素若しくはヨウ素)又は官能基が保護型であるその誘導体と、第一にブチルリチウムとを反応させてQがリチウムを表す対応する式(V)の金属化ピロールを形成し、次いでジメチルホルムアミド又は他の適切なホルムアミドと反応させることによって調製される。
【0228】
式(V)の化合物は公知であり、又はTh. Masquelin and D. Obrecht, Synthesis 1995,276に記載された反応条件と類似の方法で合成することができる。
【0229】
式(IV)のアミドは、式(XI)
【0230】
【化7】

【0231】
の対応するピロールカルボン酸又はその活性化された誘導体と、式(III)のアミンとの反応によって調製される。好ましい反応条件はペプチド化学で公知のアミド形成のそれであり、例えば、縮合剤として、カルボジイミド誘導体、適切なヒドロキシイミド、1−ヒドロキシベンズトリアゾ−ルなどを使用する。
【0232】
式(XI)の化合物は公知であり、又は、例えば、式(V)の3−ハロピロール化合物とブチルリチウムとの反応とその後の二酸化炭素によるカルボキシル化による、公知の反応と類似した方法で合成できる。
【0233】
式(VI)及び(VII)のボロン酸誘導体は公知であり、又はブチルリチウムとの反応とその後のトリ−イソプロポキシボレートとの反応及び加水分解によって、対応するハライドから或いは適切なパラジウム触媒の存在下で対応するハライド及びジボレートから、合成され得る。例えば環状ボロン酸ネオペンチルグリコールエステルは、ジクロロ [1,1’ビス (ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムの存在下、対応するブロミドと、ビス(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオキシ)ジボロンとから形成される。
【0234】
式(IX)のピロール及び式(X)のスルホン酸誘導体は公知であり、又は公知反応と類似の方法で合成し得る。
【0235】
医薬の調製、方法及び使用
本発明はまた、式(I)の化合物を活性成分として含み、特に冒頭に記載した疾患の治療に使用され得る医薬組成物に関する。温血動物、特にヒトへの、経鼻、頬側、直腸、若しくは特に経口投与といった経腸投与、及び静脈内、筋肉内若しくは皮下投与といった非経口投与のための組成が特に望ましい。該組成物は、活性成分を単独で、又は好ましくは医薬的に許容される担体と共に含む。活性成分の投薬量は、治療される疾患並びに種、その年齢、体重、及び個々の状態、並びに個々の薬物動態学的データ、及び投与の方法に依存する。
【0236】
本発明は、特に、式(I)の化合物、互変異性体、プロドラッグ、若しくは医薬的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物、及び少なくとも一つの医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物に関する。
【0237】
本発明はまた、ヒト又は動物身体の、予防的又は特に治療的対応のための方法、特に腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患、特に上記記載の疾患を治療する方法における使用のための、医薬組成物に関する。
【0238】
本発明はまた、式(I)の化合物を活性構成成分(活性成分)として含む医薬製品の調製のための、工程及び式(I)の化合物の使用に関する。
【0239】
このような治療を必要とする温血動物、特にヒト又は商業的に有用な哺乳類の、腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患の予防的又は特に治療的対応のための、新規な式(I)の化合物を、予防的に若しくは特に治療的に上記疾患に対して活性である量において、活性成分として含む医薬組成物が、同様に好ましい。
【0240】
該医薬組成物は、約1%〜約95%の活性成分を含み、単一用量の投与形態は、好ましい実施態様において約20%〜約90%の活性成分を含み、単一用量型ではない形態は、好ましい実施態様において約5%〜約20%の活性成分を含む。単位剤型は、例えば、被膜された及び被膜されていない錠剤、アンプル、バイアル、坐剤、又はカプセルである。さらなる投与剤型は、例えば、軟膏、クリーム、ペースト、泡、チンキ、リップスティック、ドロップ、スプレー、分散剤などである。例は、約0.05g〜約1.0gの活性成分を含むカプセルである。
【0241】
本発明の医薬組成物は、本質的に公知の方法、例えば従来の混合、顆粒化、被膜、溶解又は凍結乾燥工程によって調製される。
【0242】
活性成分の溶液及びまた懸濁液又は分散液の使用、特に、例えば活性成分を単独若しくは担体(例えばマンニトール)と共に含む凍結乾燥組成物の場合、使用の前に製造され得る等張の水性の溶液、分散液、又は懸濁液の使用が好まれる。該医薬組成物は滅菌され得、並びに/或いは賦形剤、例えば防腐剤、安定剤、湿剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調整するための塩、及び/又は緩衝液を含み得、本質的に公知の方法、例えば従来の溶解及び凍結乾燥工程によって調製される。上記溶液又は懸濁液は、粘性増加剤、典型的にはカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、若しくはゼラチン、又は可溶化剤、例えばTween 80(登録商標) (ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸塩)を含み得る。
【0243】
油中の懸濁液は、油成分として、注入目的のために一般的な植物、合成、又は半合成の油を含む。そのような点で、酸成分として8から22、特に12から22の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含む液体脂肪酸エステルの特別な言及がなされ得る。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は最大6の炭素原子を有し、一価又は多価であり、例えば、一価、二価又は三価のアルコール、特にグリコール及びグリセロールである。脂肪酸エステルの混合物として、綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油及びピーナツ油といった植物性油が特に有用である。
【0244】
注入可能な製剤の製造は通常滅菌条件下において行われ、例えば、アンプル又はバイアルへ充填し、容器を密封する。
【0245】
適切な担体は、特に糖のような賦形剤であり、例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトール若しくはソルビトール、セルロース調製物、及び/又はリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウム若しくはリン酸水素カルシウム、また並びにスターチのような結合剤、例えば、コーン、コムギ、ライス若しくはポテトスターチ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン、及び/又は、所望ならば、上記記載のスターチ、またカルボキシメチルスターチ、架橋されたポリビニルピロリドン、アルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムのようなその塩といった崩壊剤である。追加の賦形剤は、特に流動調節剤(flow conditioner)及び滑沢剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウムといったその塩、及び/又は ポリエチレングリコール、又はその誘導体である。
【0246】
錠核には特に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタンを含む濃縮された糖溶液、或いは適切な有機溶媒又は溶媒混合物中のコーティング溶液、或いは、腸溶コーティングの調製のための、フタル酸アセチルセルロース又はフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースといった適切なセルロース調製物の溶液の使用を通じた、適切な、腸溶性でもよい被膜化が提供され得る。色素又はピグメントは、例えば、識別目的若しくは活性成分の投薬量の違いを示すために、錠剤又は錠剤被膜に添加され得る。
【0247】
経口投与のための医薬組成物はまた、ゼラチンからなる硬カプセル、及びまたゼラチン及びグリセロール又はソルビトールといった可塑剤からなる軟密封カプセルを包含する。硬カプセルは、例えばコーンスターチのような賦形剤、結合剤及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムといった流動促進剤(glidants)、及び任意の安定剤の混合物中に、顆粒剤型で活性成分を含み得る。軟カプセルにおいては、活性成分は、安定剤及び界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、がまた加えられていてもよい、脂肪性油、パラフィン油又は液体ポリエチレングリコール、エチレン若しくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルといった適切な賦形剤中に、好ましくは溶解又は懸濁されている。
【0248】
直腸投与に適切な医薬組成物は、例えば、活性成分及び坐剤基剤の併用からなる坐剤である。適切な坐剤基剤は、例えば、天然の又は合成したトリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコール又は高級アルカノールである。
【0249】
非経口投与のためには水溶性型、例えば水溶性塩、の活性成分の水溶液、又は粘度増加物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストラン、及び所望であれば安定剤を含む水性注入懸濁液が特に適切である。活性成分は、賦形剤と一緒であってもよく、また凍結乾燥物の形で存在し得、非経口投与前に適切な溶媒の添加によって溶液にされ得る。
【0250】
例えば、非経口投与に用いられるような溶液はまた、注入溶液としても利用され得る。
【0251】
好ましい保存剤は、例えばアスコルビン酸のような抗酸化物、又はソルビン酸若しくは安息香酸といった殺菌剤である。
【0252】
本発明はさらに、腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患に対する有効量において、遊離基及び記号が式(I)について上に定義された意味を有する式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、その様な治療を必要とする温血動物に投与することを含む、上記疾患の治療方法に関する。式(I)の化合物は、好ましくは上記疾患に対する有効量において、予防的又は治療的に、その様な治療を要する温血動物、例えばヒトに、そのまま又は特に医薬組成物の剤型で投与され得る。約70kgの体重を有する個体の場合、毎日の投与量は、本発明の化合物約0.05gから約5g、好ましくは約0.25gから約1.5gである。
【0253】
本発明は特にまた、1以上の上記疾患、特に腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患の治療的及びまた予防的対応のために、そのまま又は少なくとも一の医薬的に許容される担体と共にある医薬製剤の剤型での、式(I)の化合物、又は医薬的に許容されるその塩、特に好ましいと言及された式(I)の化合物、又は医薬的に許容されるその塩の使用、に関する。
【0254】
各々の場合において使用されるべき医薬剤型(医薬)の好ましい投与量、組成及び調製は、上述されている。
【実施例】
【0255】
以下の実施例で本発明を説明するが、これにより本発明の範囲が制限されることはない。
【0256】
実施例
略語:
DMF=ジメチルホルムアミド;
DMSO=ジメチルスルホキシド;
HMPA=ヘキサメチルリン酸アミド;
THF=テトラヒドロフラン;
eq.=当量;
h=時間;
min=分;
MS=マススペクトル;
r.t.= 室温;
RT=保持時間(分);
【0257】
分析用HPLC保持時間 (分)は、Develosil RP Aqueous 4.6x 50mmカラムNo. 1610101 (Phenomenex社製)を用い、以下のグラジェントによって決定した。:
【0258】
プログラム1:10%CHCN;90%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ;
プログラム2:20%CHCN;80%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ;
プログラム3:30%CHCN;70%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ;
プログラム4:40%CHCN;60%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ;
プログラム5:60%CHCN;40%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ。
プログラム6:5%CHCN;95%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速 1.5 ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ。
プログラム7:15%CHCN;85%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速 1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ。
プログラム8:50%CHCN;50%HO+0.1%トリフルオロ酢酸;流速 1.5ml/minで2分間;5分以内で100%CHCNへ。
【0259】
[実施例1]4−(N−2,4−ジメトキシフェニル−N−エチルアミノメチル)−2−(2−チエニル)−1−(p−トルエンスルホニル)−ピロール
2−(2−チエニル)−1−(p−トルエンスルホニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド (80 mg, 0.24 mmol) を、THF (2 ml)に溶解する。THF中の1M酢酸溶液及び2,4−ジメトキシ−N−エチル−アニリン(71μl, 0.48 mmol) を加え、室温で15分間攪拌する。次いでNaBH(OAc)(153 mg, 0.72 mmol,)を加え、該溶液を室温で12時間攪拌する。該溶液を、メチレンクロライドと炭酸水素ナトリウム水溶液との間で分配する。有機層を、セライト/MgSOのパッド上でろ過し、最後に分取HPLCによって精製する。
RT (プログラム3) 3.35。MS: 467.0。
【0260】
[実施例1a]2−(2−チエニル)−1−(p−トルエンスルホニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド
ペンタン中のブチルリチウム溶液 (1.7 M, 23.1 ml, 39.3 mmol)を、乾燥ジエチルエーテル(160 ml)中の4−ブロモ−2−(2−チエニル)−1−(p−トルエンスルホニル)−ピロール (12.0 g, 31.4 mmol) [T. Masquelin and D. Obrecht, Synthesis 1995, 276-284]溶液に、−78℃で滴下して加える。該混合物を−75℃で15分間攪拌する。乾燥ジエチルエーテル (140 ml)中のDMF (12.2 ml, 157 mmol)の溶液を滴下して加える。該混合物を−78℃で2.5時間攪拌し、次いで0℃に温め、1N HCl (200 ml)及び酢酸エチル (600 ml)の混合液に注ぐ。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせ洗浄(飽和 NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液)、乾燥(NaSO)、ろ過及び留去する。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 1:4)により、純アルデヒドを得る。
MS: 332.0。
【0261】
[実施例2]4−(N−[3−ジメチルアミノプロピル]−アミノメチル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−(p−トルエンスルホニル)−ピロール
2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−l−(p−トルエンスルホニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド(80 mg、0.22 mmol、実施例1aに類した方法で調製)を、THF(2 ml)に溶解する。THF中の1M酢酸溶液及び3−ジメチルアミノ−1−プロピルアミン(54μl, 0.44 mmol)を加え、室温で15分間攪拌する。次いでNaBH(OAc)(138 mg, 0.66 mmol)を加え、該溶液を室温で12時間攪拌する。該溶液をCHCl/飽和NaHCOで抽出し、セライト/MgSOパッド上でろ過し、分取HPLCで精製する。
RT: 3.6, MS: 456.1。
【0262】
ジヒドロクロライドの調製のために、1mlエタノール中のこのジアミン (40 mg, 87.7μmol) をジオキサン中の4M HClの10滴で処理する。該混合物を減圧下で留去する。残渣をエタノール/酢酸エチル(1:10)中で懸濁し、ろ過及び乾燥して、表題化合物のジヒドロクロライドを無色結晶性固体として得る。
【0263】
[実施例3]4−(N−[3−{4−メチルピペラジニル}−プロピル]−アミノメチル)−1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド及び1−(3−アミノプロピル)−4−メチルピペラジンを縮合し、実施例2の手順に従ってNaBH(OAc)で還元する。
HPLC: RT (プログラム 1) 2.93, MS: 557.0。
1H-NMR : (DMSO-d6, 300 MHz): 7.53-7.26 (m, 5H), 6.39 (s, 2H), 6.24 (s, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.69 (s, 6H), 3.48 (br. s, 2H), 2.50 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.30-2.25 (m, 10H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (br. s, 1 H), 1.53 (m, 2H)。
【0264】
[実施例3a]1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド
乾燥エチルエーテル(20 ml)中の4−ブロモ−1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(2.33 g, 5.0 mmol)の攪拌溶液に、tert−ブチルリチウム溶液 (3.82 ml, 1.3 当量, ペンタン中 1.7 M) を−78℃で加える。反応混合液を−78℃(-78o)で15分間攪拌する。DMF(1.93 ml, 5 当量)を加え、−78℃で2時間攪拌を続ける。該反応混合液を緩徐に4℃に導き、冷1N HCl水溶液及び酢酸エチルでクエンチする。有機層をブラインで抽出し, MgSOで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をヘキサン/酢酸エチル (2:1から1:1)のグラジェントにてクロマトグラフィーに供し、表題化合物を緑色がかった固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 9.9 (s, 1H); 8.13 (d, J=2.0Hz, 1H); 7.3-7. 1 (m, 4H); 6.57 (d, J=2.0Hz, 1H); 3.36 (s, 2H); 6.36 (s, 2H); 3.92 (s, 3H); 3.76 (s, 6H); 2.39 (s, 3H)。
【0265】
[実施例3b]4−ブロモ−1−(p−トルエンスルホニル)− (3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
CHCl(40 ml)中の3−(p−トルエンスルホニルアミノ)−1−プロピニル3,4,5−トリメトキシフェニルケトン(4.03 g, 10.0 mmol)の攪拌溶液に、33% HBr/酢酸溶液(2.63 ml, 15.0 mmol)を4℃で10分以内に滴下して加える。該反応混合液を4℃で1時間攪拌し、CHCl及び 1N HCl水溶液で抽出する。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をSiO上のヘキサン/酢酸エチル (4:1から3:1) のグラジェントにてクロマトグラフィーに供し、表題化合物を灰色がかった固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.49 (d, J=2.0Hz, 1H) ; 7.3-7.2; 7.2-7.1 (2m, 4H); 6.38 (s, 2H); 6.17 (d, J=2.0Hz, 1H) ; 3.92 (s, 3H); 3.77 (s, 6H); 2.38 (s, 3H)。
【0266】
[実施例3c]3−(p−トルエンスルホニルアミノ)−1−プロピニル 3,4,5−トリメトキシフェニルケトン
乾燥THF(30 ml)及びHMPA(5 ml)中のプロパルギル p−トルエンスルホンアミン(2.09 g, 10.0 mmol)の攪拌溶液に、THF(11.0 ml, 22.0 mmol)中のリチウムジイソプロピルアミドの2M溶液を、アルゴン下−78℃で加える。該反応混合液を−78℃で2時間攪拌する。3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(13.0 mmol, 1.3当量)を加え、該反応混合液を−78℃で30分間攪拌し、緩徐に4℃に導き、4℃でさらに1時間攪拌し、1N HCl水溶液、氷及び酢酸エチルの混合物に注ぐ。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をSiO上のヘキサン/酢酸エチル (1:1から1:3) のグラジェントにてクロマトグラフィーに供し、中間体アルコールを淡黄色オイルとして得る。このオイルをCHCl(20 ml)に溶解し、CHCl(120 ml)中のMnO (26 g, 30 当量) の攪拌懸濁物に4℃で緩徐に加える。この反応混合液を4℃で30分間攪拌し、MgSOのプラグ上でろ過し、ろ液を留去する。残渣を減圧下で乾燥し、得られた固体をヘキサン/酢酸エチル(1:8)中に懸濁し、ろ過及び乾燥して表題化合物をベージュ色固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.85-7.75; 7.4-7.25 (2m, 6H); 5.0-4.95 (m, 1H) ; 4.11 (d, J=6.2Hz, 2H); 3.96 (s, 3H); 3.94 (s, 6H); 2.35 (s, 3H)。
【0267】
[実施例4]1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4−(N−[3−{4−メチルピペラジニル}−プロピル]−アミノメチル)−ピロール
1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド及び1−(3−アミノプロピル)−4−メチルピペラジンを縮合し、及び実施例2の手順に従ってNaBH(OAc)で還元する。
HPLC: RT (プログラム 1) 3.26, MS: 531.0。
【0268】
[実施例4a]1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール−4−カルボキサルデヒド
表題化合物は、4−ブロモ−1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール、tert−ブチルリチウム及びDMFから、実施例3aの手順に従って調製する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 9.89 (s, 1H) ; 8.08 (d, J=2. 0Hz, 1H) ; 7.6-7.5 (m, 1 H) ; 7.4-7.25 (m, 4H); 6.8-6.7 (m, 1H) ; 6.65-6.55 (m, 1H) ; 6.55 (d, J=2.0, 1 H) ; 6.05 (s, 2H)。
【0269】
[実施例4b]4−ブロモ−1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール
表題化合物は、酢酸中の3−(m−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−1−プロピニル 3,4−メチレンジオキシフェニルケトン及びHBrから、実施例3bの手順に従って調製する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.6-7.5 (m, 1H); 7.54 (d, J=2.0Hz, 1H); 7.4-7.3 (m, 3H); 6.8-6.7 (m, 1H); 6.7-6.6 (m, 2H); 6.16 (d, J=2.0Hz, 1H); 6.05 (s, 2H)。
【0270】
[実施例4c]3−(m−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−1−プロピニル3,4−メチレンジオキシフェニルケトン
表題化合物は、リチオ化されたプロパルギル m−クロロベンゼンスルホンアミド及び3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドから、その後実施例3cの手順に従ってMnOによって酸化して、調製する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.94 (〜s, 1H) ;7.9-7.8; 7.6-7.35 (2m, 5H); 6.9-6.8 (m, 1H); 6.10 (s, 2H); 5.1-4.95 (br. m, H); 4.20 (d, J=6.2Hz, 2H)。
【0271】
[実施例4d]プロパルギル m−クロロベンゼンスルホンアミド
CHCl(30 ml)中のプロパルギルアミン (0.78 ml, 12.0 mmol)及びピリジン (3.0 ml)の攪拌溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(122 mg, 1.0 mmol)及びCHCl中のm−クロロベンゼンスルホニルクロライド(2.11 g, 10.0 mmol)溶液を4℃で加える。該反応混合液を4℃で30分間及び室温で12時間攪拌する。該反応混合液をCHCl及び1N HCl水溶液で抽出し、有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を留去し、固体残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:8)の混合液に懸濁し、ろ過し、減圧下で乾燥して表題化合物をベージュ色固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.95-7.9; 7.9-7.75; 7.65-45 (3m, 4H); 4.85 (br. s, 1H); 3.95-3.9 (m, 2H); 2.14 (t, J=2.5Hz, 1H)。
【0272】
[実施例5]p−(1−[m−クロロベンゼンスルホニル]−2−[3,4−メチレンジオキシフェニル]−4−ピロリル)−ベンズアミド
1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルエステル(100 mg, 0.2 mmol)、p−ブロモベンズアミド(0.18 mmol)、KPO (145 mg, 0.7 mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30 mg)の混合物を減圧下15分間乾燥させる。1,2−ジメトキシエタン (2.5 ml)をアルゴン雰囲気下で加え、該混合物を80℃で16時間攪拌し、次いで室温に冷却し、酢酸エチル及び半飽和NaHCO水溶液で抽出する。有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮する。粗製残渣をヘキサン/酢酸エチルを用いるクロマトグラフィーによって精製し、純表題化合物を得る。
HPLC: RT (プログラム 1) 4.86。MS: 481.0。1H-NMR: (DMSO−d6, 300 MHz): 8.10 (d, J=1.9Hz, 1H), 7.96 (br, s, 1H), 7.89 (d, J=8.5Hz, 2H), 7.80-7.77 (m, 3H), 7.68−7.50 (m, 3H), 7.43 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.42 (br, s, 1H), 6.93 (d, J=8.0Hz, 1 H), 6.83 (d, J=1.9Hz, 1H), 6.77 (d, J=1.6Hz, 1H), 6.68 (dd, J=1.7及び8.0Hz, 1H), 6.10 (s, 2H)。
【0273】
[実施例5a]1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルエステル
4−ブロモ−1−(m−クロロベンゼンスルホニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピロール(実施例4b, 2.20 g, 5.0 mmol)、ビス(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオキシ)ジボロン(2.26 g, 10.0 mmol)、酢酸カリウム(2.94 g, 30.0 mmol)及びジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム (Pd(dppf)ClxCHCl, 408 mg, 0.5 mmol)の混合物を、高減圧下で1時間乾燥する。脱気したジオキサン(25 ml)を加え、該反応混合液を80℃で24時間攪拌し、室温に冷却し、ブライン、水及び酢酸エチルで抽出する。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を留去し、残渣を不活性化したSiO(ジエチルエーテル中のトリエチルアミンの5%溶液で処理)上、酢酸エチル/ヘキサン(1:3〜1:1〜3:1)のグラジェントでクロマトグラフィーに供し、表題化合物を無色泡沫として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) : 7.8-7.75 (m, 1H); 7.67 (d, J=2.0Hz, 1H); 7.6-7.5 (m, 1H); 7.5-7.4 (m, 1H); 7.35-7.25 (m, 1H); 6.9-6.85 (m, 1H); 6.65 (s, 2H); 6.5-6.45 (m, 1H); 6.27 (d, J=2.0, 1H); 6.08 (s, 2H); 3.69 (s, 4H); 0.94 (s, 6H)。
【0274】
[実施例6]p−1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ベンズアミド
1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルエステルを、KPO及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下、実施例5の手順に従ってp−ブロモベンズアミドと反応させる。
HPLC: RT (プログラム 1) 4.58, MS: 482.0。
【0275】
[実施例6a]1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルエステル
4−ブロモ−1−(p−トルエンスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(実施例3b)を、Pd(dppf)ClxCHClの存在下、実施例5aの手順に従って、ビス(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオキシ)ジボロンと処理する。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) : 7.61 (d, J=2.0Hz, 1H); 7.29 (s, 4H); 6.35 (s, 2H); 6.31 (d, J=2.0, 1H); 3.71 (s, 4H); 3.68 (s, 3H); 3.66 (s, 2x3H); 2.34 (s, 3H); 0.95 (s, 6H)。
【0276】
以下の化合物を実施例1に従って合成する。
【0277】
【表1】

【0278】
以下の化合物は実施例2に従って合成する。:
【0279】
【表2−1】

【0280】
【表2−2】

【0281】
【表2−3】

【0282】
【表2−4】

【0283】
以下の化合物は実施例5に従って調製する。
【0284】
【表3】

【0285】
以下の化合物は実施例5に従って調製する。
【0286】
【表4】

【0287】
以下の化合物はそれぞれ実施例3及び6に従って調製する。
【0288】
【表5−1】

【0289】
【表5−2】

【0290】
【表5−3】

【0291】
以下の化合物は実施例4及び5に従って調製する。
【0292】
【表6】

【0293】
[実施例76]1−p−メトキシフェニルスルホニル−4−(3−ピリジル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
乾燥DMF又はTHF(1.5 ml)中の4−(3−ピリジル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(155 mg, 0.5 mmol, 実施例76a) の攪拌溶液に、NaH分散液(dispersion)(48 mg, 2当量)及びp−メトキシフェニルスルホニルクロライド(103 mg, 0.5 mmol)を窒素気流下4℃で加えた。続いて、該反応混合液を室温で12〜18時間攪拌し、飽和NaHCO水溶液及び酢酸エチルで抽出する。有機層を乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー及び分取HPLCで精製する。
RT (プログラム 1) 3.79。MS: 480.7。
【0294】
[実施例76a]4−(3−ピリジル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
4−ブロモ−1−tert−ブトキシカルボニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(2.0 g, 5.0 mmol, 実施例 76b)、Pd(PPh)(290 mg, 0.25 mmol)及びピリジン−3−ボロン酸(614 mg, 5.0 mmol)の混合物を、10分間排気(evacuated)し、アルゴン雰囲気下に設置して、次いで脱気したジメトキシエタン(DME, 10 ml)及び2M NaCO水溶液(10 ml)を添加する。該反応混合液を80℃で20時間加熱し、室温に冷却し、水及び酢酸エチルで希釈する。有機層を乾燥(MgSO)、ろ過し、溶媒を留去する。 残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を用いたクロマトグラフィーに供し、第1に1−tert−ブトキシカルボニル−4−(3−ピリジル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(280 mg, 12%) を黄色がかった無定形固体として、及び次いで表題化合物(700 mg, 45%)を黄色がかった固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): 11.52 (br. s, 1H) ; 7.88 (br. s, 1H) ; 8.33 (br. d;J=6.0, 1H) ; 8.0-7.95 (m, 1H) ; 7.48 (br. s, 1H) ; 7.35-7.3 (m, 1H) ; 7.07 (br. s, 1H) ; 7.02 (s, 2H); 3.85 (s, 2MeO) ; 3.67 (s, MeO)。
【0295】
tert−ブトキシカルボニル保護基を含む副生成物は、以下の方法を用いて表題化合物に変換することができる:該化合物をCHCl(2 ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸 (2 ml)を0℃で加え、該混合物を室温で1時間攪拌する。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル中に再溶解して飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)する。フラッシュクロマトグラフィー(cormatography)(酢酸エチル/ヘキサン、1:1)で精製し、表題化合物を90%の収率で得る。
【0296】
[実施例76b]4−ブロモ−1−tert−ブトキシカルボニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
CHCl(10 ml)中の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−プロピニル 3,4,5−トリメトキシフェニルケトン(1.0 g, 2.78 mmol, 実施例76c)の攪拌溶液に、HBrの溶液(732μl, 1.5当量, 酢酸中33%)を4℃で加える。この反応混合液を4℃で45分間攪拌し、氷、飽和NaHCO水溶液及び酢酸エチル上に注ぐ。有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を留去して、残渣をSiO上の酢酸エチル/ヘキサン(1:3)を用いたクロマトグラフィーに供し、表題化合物 (1.0 g, 89.9%)を白色固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): 7.45 (d, J=2.0, 1H); 6.66 (s, 2H); 6.38 (d, J=2.0, 1H); 3.77 (s, 2MeO); 3.67 (s, MeO); 1.33 (s, tBu)。
【0297】
[実施例76c]3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−プロピニル 3,4,5−トリメトキシフェニルケトン
乾燥THF(120 ml)中のプロパルギル tert−ブトキシカルボニルアミド(5.0 g, 32.3 mmol)の攪拌溶液に、リチウム ジイソプロピルアミド溶液(35.5 ml, 2.2 当量, THF中2M)をアルゴン下−78℃で加える。反応混合液を−78℃で1時間攪拌し、その後3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(7.44 g, 38.8 mmol, 1.2当量)を加え、次いで再度−78℃で30分間攪拌し、4℃に到達させる。4℃で1時間攪拌した後、該反応混合液を氷、飽和塩化アンモニウム溶液及び酢酸エチルに注ぐ。有機層をブラインで抽出し、乾燥し(MgSO)、溶媒を留去して残渣をSiO上の酢酸エチル/ヘキサン(1:1から2:1)を用いたクロマトグラフィーに供し、中間体アルコール(9.55g, 84%)をわずかに黄色いオイルとして得る。CHCl(100 ml)中のMnO(70.88 g, 0.82 mol)の攪拌懸濁物に、CHCl (30 ml)中の上記中間体(9.55 g)の溶液を4℃で加える。この反応混合液を4℃で1時間攪拌し、MgSOのプラグ上でろ過する。フィルターを数回CHCl及び酢酸エチルで洗浄し、混合ろ液を留去し、残渣を減圧下で乾燥して、表題化合物(9.1 g, 96%)を白色固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.41 (s, 2H); 4.92 (br. s, 1H); 4.22 (d, J=5.8, 2H); 3.95 (s, MeO); 3.94 (s, 2MeO); 1.48 (s, tBu)。
【0298】
以下の化合物は、対応するスルホニルクロライドRSOClを用い、実施例76に従って調製する。:
【0299】
【表7−1】

【0300】
【表7−2】

【0301】
[実施例94]1−p−メトキシフェニルスルホニル−4−p−モルホリノフェニルアミノメチル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
THF(1 ml)中の、1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−カルバルデヒド(50 mg, 0.12 mmol, 実施例94a)の攪拌溶液に、酢酸(21 mg, 3 当量)、4−モルホリノアニリン(21 mg, 1.05 当量)及びNaBH(OAc)(61 mg, 2.5 当量)を加える。反応混合液を室温で16時間攪拌し、1M NaCO水溶液及び酢酸エチルで希釈する。有機層を乾燥し(MgSO)、フラッシュクロマトグラフィー及び分取HPLCで精製する。
RT (プログラム 2) 3.52。MS: 593.7。
【0302】
[実施例94a]1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−カルバルデヒド
エチルエーテル/THF(5 ml, 1:1 v/v)中の4−ブロモ−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(0.30 g, 0.62 mmol, 実施例94b)攪拌溶液に、tert−ブチルリチウム(1.5当量, ペンタン中1.7 M) を−78℃で加える。この反応混合液を−78℃で20分間攪拌し、DMF(255 mg, 5当量) を滴下して加える。該反応混合液を−78℃で1時間保ち、4℃に到達させ、氷、1M HCl水溶液及び酢酸エチルに注ぐ。有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を留去して、残渣を、SiO上の酢酸エチル/ヘキサンを用いたクロマトグラフィーに供し、表題化合物(0.196 g, 73%) 淡黄色固体として得る。
1H−NMR (300 MHz, DMSO−d6): 9.86 (s, CHO); 8.44 (d, J=1.9, 1H); 7.38 (d, J=9.0, 2H); 7.01 (d, J=9.0, 2H); 6.56 (d, J=1.9, 1H); 6.36 (s, 2H); 3.82 (s, MeO); 3.72 (s, MeO); 3.67 (s, 2MeO)。
【0303】
[実施例94b]4−ブロモ−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
CHCl (10 ml)中の3−(p−メトキシフェニルスルホニルアミノ)−1−プロピニル 3,4,5−トリメトキシフェニルケトン(2.02 g, 2.78 mmol, 実施例94c)の攪拌溶液に、HBrの溶液(732μl, 1.5当量, 酢酸中33%)を4℃で加える。該反応混合液を4℃で45分間攪拌し、氷、飽和NaHCO水溶液及び酢酸エチルに注ぐ。有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を留去して、残渣をSiO上の酢酸エチル/ヘキサン (1:3)を用いたクロマトグラフィーに供し、表題化合物(2.0 g, 86.3%)を桃色固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): 7.65 (d, J=1.9, 1H); 7.38 (d, J=9.0, 2H); 7.02 (d, J=9.0, 2H); 6.40 (m, 3H); 3.82 (s, MeO); 3.72 (s, MeO); 3.69 (s, 2MeO)。
【0304】
[実施例94c]3−(p−メトキシフェニルスルホニルアミノ)−1−プロピニル 3,4,5−トリメトキシフェニルケトン
乾燥THF (15 ml)中のプロパルギル p−メトキシフェニルスルホニルアミド(1.13 g, 5.0 mmol, 実施例94d)の攪拌溶液に、リチウム ジイソプロピルアミド溶液(5.5 ml, 2.2当量, THF中2M)をアルゴン下−78℃で加える。この反応混合液を−78℃で1時間攪拌し、その後3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(1.15 g, 6 mmol, 2当量)を加え、次いで−78℃で30分間再攪拌し、4℃に到達させる。4℃で1時間及び室温で1時間攪拌した後、該反応混合液を氷、飽和塩化アンモニウム溶液及び酢酸エチルに注ぐ。有機層をブラインで抽出し、乾燥し(MgSO)、溶媒を留去して残渣をSiO上の酢酸エチル/ヘキサン (1:1〜2:1)を用いたクロマトグラフィーに供し、中間体アルコールをわずかに黄色いオイルとして得る。CHCl(20 ml)中のMnO (13.0 g)の攪拌懸濁物に、CHCl (5 ml)中の上記中間体の溶液を4℃で加える。反応混合液を4℃で1時間攪拌し、MgSOのプラグ上でろ過する。フィルターを数回CHCl及び酢酸エチルで洗浄し、混合ろ液を留去し、残渣を減圧下で乾燥して、表題化合物(1.51g, 71.9%)をわずかに茶色がかった固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.85 (d, J=8.9, 2H); 7.32 (s, 2H); 6.95 (d, J=8.9, 2H); 5.01 (t, J=6.2, 1H); 4.10 (d, J=6.2, 2H); 3.96 (s, MeO); 3.94 (s, 2MeO); 3.80 (s, MeO)。
【0305】
[実施例94d]プロパルギル p−メトキシフェニルスルホニルアミド
CHCl (100 ml)中の、p−メトキシフェニルスルホニルクロライド(8.0 g, 38.71 mmol)及びピリジン (7.82 ml, 2.5当量)の攪拌溶液に、プロパルギルアミン(2.73 ml, 1.1当量)を4℃で加える。該反応混合液を室温で6時間攪拌し、1N HCl水溶液及びCHClに注ぐ。有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を留去する。 残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1:8)中に懸濁し、1時間攪拌し、ろ過し、固体残渣を酢酸エチル/ヘキサン (1:8)で洗浄し、減圧下で乾燥して、表題化合物 (6.1 g, 71 %)を淡黄色がかった固体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : 7.86 (d, J=8.9, 2H); 7.00 (d, J=8.9, 2H); 4.65 (br. s, 1H) ; 3.89 (s, MeO) ; 3.84 (〜d, J=2.3, 2H) ; 2.12 (〜t, J=2.3, 1H)。
【0306】
以下の化合物は実施例94に従って調製される。:
【0307】
【表8】

【0308】
[実施例100]4−(2−アミノピリド−5−イル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロプ−1,3−ジイルエステル(50 mg, 0.1 mmol, 実施例100a)、Pd(PPh)(115 mg, 0.1 当量)、KPO(41 mg, 3当量)及び2−アミノ−5−ブロモピリジン(17 mg, 1.0 当量)の混合物を、20分排気(evacuated)し、アルゴン雰囲気下に設置して、その後脱気したジメトキシエタン(DME, 1 ml)を添加する。該反応混合液を80℃で16時間加熱し、室温に冷却し、水及び酢酸エチルで希釈する。有機層を乾燥し(MgSO)、フラッシュクロマトグラフィー及び分取HPLCで精製する。
RT (プログラム 1) 3.84. MS : 495.8。
【0309】
[実施例100a]1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロプ−1,3−ジイルエステル
4−ブロモ−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール(46 mg, 0.9 mmol, 実施例100b)、ビス(ネオペンチルグリコレート)ジボロン(37 mg, 1.8当量)、酢酸カリウム(274 mg, 3.1 当量)及びPdCl(DPPF)([1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加体, 74 mg, 0.1当量)の混合物を、10分間排気 (evacuated)し、アルゴン雰囲気下に設置して、その後脱気したジオキサン(8 ml)を添加する。該反応混合液を80℃で17時間加熱し、室温に冷却して、水及び酢酸エチルで希釈する。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、溶媒を留去する。残渣を酢酸エチル/ヘキサンを用いたクロマトグラフィーに供し、表題化合物 (0.3 g, 70%)を白色泡沫として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): 7.61 (d, J=1.7, 1H); 7.33 (d, J=9.0, 2H); 6.99 (d, J=9.0, 2H); 6.36 (s, 2H); 6.30 (d, J=1.7, 1H); 3.80 (s, MeO); 3.71 (s, MeO); 3.70 (s, 2CH2); 3.67 (s, 2MeO); 0.95 (s, 2CH3)。
【0310】
以下の化合物は実施例100に従って調製する。:
【0311】
【表9】

【0312】
[実施例104]4−(3−アミノカルボニルピリド−5−イル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール
1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール−4−ボロン酸 2,2−ジメチルプロプ−1,3−ジイルエステル(50 mg, 0.1 mmol, 実施例100a)、Pd(PPh(11 mg, 0.1 当量)、KPO(40 mg, 3当量)及び5−ブロモニコチンアミド(19 mg, 1.0 当量)の混合物を20分間排気(evacuated)し、アルゴン雰囲気下に設置して、その後脱気したジメトキシエタン(DME, 1 ml)を添加する。該反応混合液を80℃で16時間加熱し、室温に冷却して、水及び酢酸エチルで希釈する。有機層を乾燥し(MgSO)、フラッシュクロマトグラフィー及び分取HPLCで精製する。
RT (プログラム 1) 3.87; MS: 523.7。
【0313】
以下の化合物は実施例104に従って調製する。:
【0314】
【表10】

【0315】
[実施例108]細胞培養及び細胞株
細胞株は、5%又は10%のウシ胎児血清、0.05mM 2−メルカプトエタノール、2mMグルタミン及びペニシリン/ストレプトマイシン50μg/mlを含むRPMI−1640組織培養培地(完全培地)(Sigma, Buchs, Switzerland)中で培養する。通常の生育条件は、37℃及び7.5%COである。
【0316】
以下のマウス細胞株(EGFPがトランスフェクションされている、又はされていない)を使用している:A20.2J (ATCC: TIB-208)、MC57G (ATCC: CRL-2295)。
【0317】
以下のヒト細胞株(EGFPがトランスフェクションされている、又はされていない) を使用している:HeLa (ATCC: CCL-2)、KB (ATCC: CCL-17)、MCF7 (ATCC: HTB-22)、SK-BR-3 (ATCC: HTB-30)、SK-Mel 1 (ATCC: HTB-67)、SK-Mel 28 (ATCC: HTB-72)、PC-3 (ATCC: CRL-1435)、SW 480 (ATCC: CCL-228)、NCI-H460 (ATCC: HTB-177)、NCI-H1792 (ATCC: CRL-5895)、HT1080 (ATCC: CCL-21)、Jurkat (ATCC: TIB-152)、Ramos (ATCC: CRL-1596)、Raji (ATCC: CCL-86)、H9 (ATCC: HTB-176)、Hut78 (ATCC: TIB-161)、K562 (ATCC: CCL 243)、HL-60 (ATCC: CCL 240)、U-87MG (ATCC: HTB-14)、HepG2 (ATCC: HB-8065)、U-2 OS (ATCC: HTB-96)、Saos-2 (ATCC: HTB-85)、U937 (ATCC: CRL 1593)、Hs 578T (ATCC: HTB 126)、HBL-100 (ATCC: HTB 124)、Molt-4 (ATCC: CRL 1582)。
【0318】
[実施例109]一次スクリーニングセットアップ
全ての操作は、無菌条件下で行う。該アッセイは、組織培養技術に適切な、市販の96又は384ウェル平底透明マイクロタイタープレート (Greiner, Germany)をそれぞれ用いて行われる。決められた数の、EGFPをトランスフェクションされた接着実験細胞 (96ウェルプレート: 10〜10、384ウェルプレート : 1500〜2×10)を、適当な細胞伸展を確保するため、処理の24時間前に、1ウェル当たり75μl (96ウェルプレート)又は60μl(384ウェルプレート) の完全培地中で播種する。この目的のために、ぜん動ポンプ(例えば、Multidrop Thermo-Labsystems, Finland) 又は他の適切な装置を用いる。懸濁液中の細胞を同様の手順に従って処理の1時間前に播腫する。播種と処理又は化合物の添加との間に、細胞を7.5%CO下、37℃でインキュベートする。次いで調査中の化合物を定められた濃度(最大4%のDMSOを含む25μl(96ウェルプレート) 又は20μl(384ウェルプレート)の完全培地中40〜80μM) で、適切な装置 (例えば液体ハンドリングシステム、マルチチャンネルピペット等)で加え、テストウェルにおいて、最大1%のDMSO中、終濃度10〜20μMの化合物とする。
【0319】
蛍光活性を正規化できるようにするため、細胞への該化合物の添加の後直ちに蛍光のゼロ値(zero fluorescence value)(t=0時間)を、蛍光マイクロプレートリーダーを用いて決定する。その後テストプレートをさらに合計48時間、7.5%CO下37℃でインキュベートし、8時間、24時間及び48時間でそれぞれ測定目的のためにだけ、短時間取り出す。
【0320】
[実施例110]一次スクリーニングの測定及び定量
コントロール細胞及び標準的薬剤で処理された細胞に関して、化合物処理されたテスト細胞のEGFPの相対的蛍光活性は、485nm/520nmでの励起/発光のためのフィルター対を備えたBMG Fluostar マイクロプレート蛍光リーダーを用いて測定する。最適な信号対ノイズ比は、20μ秒の遅延及び1ミリ秒の積分時間での測定の時間分解型モードを用いて検出する。ゲインは、コントロール細胞が最大の90%の蛍光活性を生じる様な方法で調整する。t=0時間、8時間、24時間及び48時間における相対的蛍光活性を測定して速度論を実施する。異なる細胞数及び該実験化合物の種々の光学活性/プレート−ウェルのために、粗蛍光活性をt=8時間、24時間及び48時間からのそれぞれの値をt=0時間の値で割ることにより個々に正規化してE(8)、E(24)及びE(48)値を得る。次いで、E(x)値を積E(8)×E(24)×E(48)の逆関数(Q値)を形成することでさらに加工して、数値が>1ならば化合物のアポトーシス/ネクローシス活性を示し、数値が<1ならば化合物の増殖活性を示す。コントロール(未処理)は1に近い値を示す。Q値が>2を示す化合物はアポトーシス/ネクローシス活性の点で適切であると考えられ、次いで二次スクリーニングセットアップにて試験される。
【0321】
[実施例111]二次スクリーニングセットアップ
全ての操作は、無菌条件下で行う。該アッセイは市販の24ウェル平底組織培養プレート(Greiner, Germany)中の接着細胞及びポリプロピレンチューブ (P-Tube)1.4ml(Matrix, UK)中の浮遊細胞の場合にそれぞれ行われる。
【0322】
接着試験細胞:0.5ml完全培地中、2×10〜4×10個のEGFPがトランスフェクションされた細胞を処理24時間前に播腫する。t=0において培地を除去し、450μlの新しい完全培地を加える。次いで最大5%のDMSO中試験化合物を含む50μlの完全培地を加え、試験化合物の終濃度をそれぞれ20μM、10μM、3μM、1μM、及び0.3μMにする。48時間のインキュベートの後、細胞を回収し、fluorescence activated cell scanning device (FACSCalibur(商標)、BD Biosciences)を用い、標準的手順に従って分析する。
浮遊細胞:450μlの完全培地中の10個の試験細胞をピペットでP−Tubeに入れる。該化合物(接着細胞参照)を含む50μlの完全培地を直ちに加える。48時間のインキュベートの後、試験細胞を直接FACSCalibur(商標)で分析する。
【0323】
[実施例112] 二次スクリーニングの定量
FACSCalibur(商標)でFL1におけるEGFP蛍光活性をモニターすることによって、同じ細胞集団における増殖細胞、アポトーシス細胞及びネクローシス細胞間を区別することが可能である。増殖細胞は高いGFP蛍光活性を示し、アポトーシス細胞集団は中間の蛍光活性を示し、一方ネクローシス細胞は見せかけのトランスフェクション細胞に匹敵する、残留する蛍光活性を示す。CeliQuest Software(BD Biosciences)を用いて、ヒストグラム中3つの領域が定義される:増殖している細胞を含むM1、アポトーシス細胞集団を含むM2及びネクローシス細胞集団を含むM3。読み出された情報として、M1、M2又はM3のいずれかに属する細胞の相対的な存在量が表される。M2の値が>50%、及びM3の値が<30%を誘導する化合物は適切であると考えられ、三次の/高度なスクリーニングセットアップでさらに試験し、特徴付けられる。
【0324】
[実施例113]三次スクリーニングセットアップ
A)Hoechst 33342核染色
このアッセイは、96ウェル組織培養プレート中で行われる。適切な数の細胞(接着細胞:3〜5×10個、浮遊細胞:8〜10×10個)を80μlの完全培地中に播腫する。試験化合物の添加前に、適当な伸展のために接着細胞を24時間インキュベートし、一方浮遊細胞は播腫の後直ちに試験化合物で処理する。試験化合物は、最大5%のDMSOを含む20μlの完全培地中に加える。該アッセイにおける化合物の終濃度はそれぞれ10μM、3μM、1μM、及び0.3μMである。培養条件において24時間又は48時間インキュベートした後、Hoechst 33342色素(Sigma B-2261)を2〜5μg/mlで含む10μlの培地を各ウェルに加える。次いでさらに該試験プレートを30分間インキュベートし、その後標準的倒立蛍光顕微鏡(standard inverted fluorescence microscope)で分析する。
【0325】
読み出された情報は、処理の関数として、アポトーシス性核の画分と同様に、アポトーシスに特徴的な他の形態的な規準の決定を可能とする。結果を表11に示す。 次のスコアが用いられる:0は活性無しに関する。1は細胞の50%未満を含む弱い活性に関し、スコア2は細胞の50%より多くを含む強い活性に関する。
【0326】
【表11−1】

【0327】
【表11−2】

【0328】
【表11−3】

【0329】
【表11−4】

【0330】
【表11−5】

【0331】
【表11−6】

【0332】
【表11−7】

【0333】
【表11−8】

【0334】
【表11−9】

【0335】
B)MTS増殖アッセイ
このアッセイは、96ウェル組織培養プレート中で行われる。該細胞 (範囲:1.5×10〜10個)を、化合物処理の24時間前に80μlの完全培地中に播腫する。試験化合物は、最大5%のDMSOを含む20μlの完全培地中に加える。該アッセイにおける化合物の終濃度はそれぞれ10μM、3μM、1μM、及び0.3μMである。試験プレートを培養条件で72時間インキュベートする。MTS試薬を製造者のプロトコル(Promega G1111)にしたがって調製する。20μlのMTS試薬を各ウェルに加え、試験プレートを素早く遠心し(spin)、培養条件下でさらに3時間インキュベートする。次いで、該プレートを短時間振盪(shacked)し、マイクロプレートリーダーを用いて492nmで吸光度を測定する。IC50値を図式解析(graphical analysis)によって決定し、μM濃度にて表12に示す。
【0336】
【表12−1】

【0337】
【表12−2】

【0338】
【表12−3】

【0339】
C)アネキシンV/7−AAD染色
接着細胞 (1〜2×10個) を化合物処理の24時間前に、24ウェル組織培養プレート中に播種する。浮遊細胞は処理の直前にピペットでポリプロピレンチューブ(P-Tube)に入れる。試験化合物を加え、10μMの終濃度に導く。24時間の処理後、(接着細胞の場合はトリプシン処理により)細胞を回収し、FACSチューブ(BD Biosciences)に移す。遠心及び上清の除去後、アネキシンV−GST(10μg)を含む100μlの完全培地を加え、混合して4℃で30分間インキュベートする。次いで該細胞を培地で一回洗浄し、培地で1:500に希釈した抗GST Alexa 488(Molecular Probes A-11131)100μlと4℃で30分間インキュベートする。次いで細胞を一回洗浄して250μlの培地中、1 μg/mlの7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD) (Molecular Probes A−1310)で染色し、FACSCalibur(商標)で分析する。アネキシンVはFL1で測定し、一方7−AADはFL3で測定する。
【0340】
D)細胞周期分布についてのPI染色
1〜2×10個の細胞を24ウェル組織培養プレート中に播種し、化合物添加前に24時間インキュベートする。化合物は3μM又は10μMの終濃度で24時間加える。接着細胞をトリプシン処理で回収する。細胞懸濁液は、2部(part)の氷冷エタノール100%を加えることで、ボルテックスしながら固定する。該サンプルを−20℃で2時間より長く保存する。次いで該細胞をPBSで一回洗浄し、50μg/mlのPI(Calbiochem # 537059)を含む250μlのPBSで再懸濁し、該サンプルを37℃で30分間インキュベートし、次いでFACSCalibur(商標)で分析してFL2における直線性(linear)PI蛍光活性をモニターする。読み出された情報は、細胞周期に対する試験化合物の起こり得る直接又は間接的な影響の検出を可能とする。次の現象が起こり得る:a)DNA断片化を示すサブG1ピークの発生、b)G2M期で停止した細胞集団の増加。両現象は、弱い発生は1で、強い発生は2でスコア化される。0は全く発生していないことを示す。表13で幾つかの試験化合物の影響が示される。
【0341】
【表13】

【0342】
E)BrdU取り込み (増殖)
接着細胞を、処理24時間前に24ウェル組織培養プレート中に2〜4×10細胞/ウェル/mlで播腫する。浮遊細胞は24ウェルプレート中に2×10細胞/ml/ウェルで播腫する。化合物を加え、それぞれ3μM及び10μMの終濃度に導く。次いでBrdU(Molecular Probes #B−23151)を10μMの終濃度で加え、該プレートを48時間インキュベートする。インキュベートの後、細胞を標準的手順で処理する。取り込まれたBrdUの検出を抗ブロモデオキシウリジン単クローン抗体PRB−1、Alexa Fluor 660コンジュゲート(Molecular Probes #A−21306)で行う。分析はFACSCalibur(商標)でFL3における蛍光活性をモニターすることによって行う。読み出された情報は、増殖の特徴であるDNA合成を反映している。
【0343】
F)カスパーゼ依存性
カスパーゼ依存性は化合物処理と汎カスパーゼ阻害剤zVAD又はそのコントロールペプチドzFA(ICN Pharmaceuticals、それぞれ#FK009及び#FK029)との併用により評価される。両ペプチドは20μMの濃度にて使用される。カスパーゼ依存性の場合、全てのアポトーシス試験において特別に読み出された情報の明らかな阻害が検出されるはずである。zVAD及びzFAで処理されたサンプルの読み出された情報をコントロール化合物(compound control)と比較することにより、カスパーゼ応答性の、システインプロテイナーゼ依存性の検出が可能となる。zFAではなくzVADによる阻害の場合、明らかなカスパーゼ依存性が明白である。zVADと同様にzFAによる阻害はアポトーシスカスケードにおけるシステインプロテイナーゼの関与を示している。
【0344】
[実施例114]軟カプセル
各々が前述の実施例で述べた式(I)の化合物の一つの0.05gを活性成分として含む、5000個の軟ゼラチンカプセルは以下のように調製される:250gの微粉砕された活性成分を2リットルのLauroglykol(登録商標)(ラウリン酸プロピレングリコール、Gattefosse S. A., Saint Priest, France)中に懸濁し、湿微粉砕機(wet pulverizer)で約1〜3μmの粒子サイズを生成するように粉砕する。次いで混合物の0.419gの部分をカプセル充填装置を用いて軟ゼラチンカプセルに導入する。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


(式中、
は、アリール、アラルキル及びアリールアルケニル中のアリール並びにヘテロアリールが、低級アルキル、シクロアルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、低級アルキニルオキシ、置換されていてもよいフェノキシ、ジアルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン、シアノ及びニトロから独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得;及び、2個の隣接した置換基がアリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリール、アラルキル、アリールアルケニル又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは、窒素上の二つの置換基が、窒素と一緒になって、ヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル若しくはアミノ−低級アルキルアミノ;
低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、シアノ、メルカプト、低級アルキルメルカプト、置換されていてもよいフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
は、
非置換のアリール;
ホルミル、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ−低級アルキルカルボニル、アルコキシ−低級アルキルカルボニル、アミノ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(heterocycyl)、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される1個の置換基により置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいヘテロアリールであって;置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ヘテロアリール;
或いは基CHNRを表し;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表し;
は、
水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル又はアミノアルキルカルボニル;置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニル;
非置換のアリール;
ホルミル、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ−低級アルキルカルボニル、アルコキシ−低級アルキルカルボニル、アミノ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(heterocycyl)、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、アリール;
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される1個の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基により置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基、により置換されていてもよい、アリール;或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ヘテロアリールを表し;
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニル又は低級アルコキシスルホニルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す; )
の化合物及びその塩。
【請求項2】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン、シアノ及びニトロから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは窒素上の二つの置換基が、窒素と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル又はアミノ−低級アルキルアミノ;
低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、シアノ、
メルカプト、低級アルキルメルカプト、置換されていてもよいフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
は、基CHNRを表し;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルフォニルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表し;
は、
水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル若しくはアミノアルキルカルボニル;置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニル;
或いは、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、アリール;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基により置換されるアリールであって、アリール上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、アリール;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基で置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、アリール;
或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ヘテロアリールを表し;
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニル又は低級アルコキシスルホニルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩。
【請求項3】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルキニル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは、窒素上の二つの置換基が、窒素と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル若しくはアミノ−低級アルキルアミノ;
ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって、5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
は、基CHNRを表し;
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、窒素が低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表し;
は、
水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニル;
或いは、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって各々が置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル或いはイソキノリニルを表し;
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニル又は低級アルコキシスルホニルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す;)
の化合物及びその塩。
【請求項4】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、ジアルキルアミノ、カルバモイル、スルファモイル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル及びハロゲン;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
並びに2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
は、基CHNRを表し;
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、窒素が低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表し;
は、水素、低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;
或いは、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、 フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、及びアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ及びハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピリジルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の基によって置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す;)
の化合物及びその塩。
【請求項5】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される2個までの置換基によって置換されるフェニルを表し;
は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく;並びに2個の隣接した置換基がアリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリールであり;
は、基CHNRを表し;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、窒素が低級アルキル及び低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いはR及びRは、窒素と一緒になって結合し、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、オキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表し;
は、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、又はアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得る、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、フェニル;
或いは、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル若しくはスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピリジルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表す;)
の化合物及びその塩。
【請求項6】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、アリール、アラルキル中のアリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン、シアノ及びニトロから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール、アラルキル又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換される、或いは窒素上の二つの置換基が窒素と一緒になってヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル又はアミノ−低級アルキルアミノ;
低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、シアノ、
メルカプト、低級アルキルメルカプト、置換されていてもよいフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得;
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリール又はヘテロアリールであり;
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、又はアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基により置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル又はイソキノリニルを表し;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩。
【請求項7】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルキニル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
各々の場合において、窒素原子は非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換されるか、或いは窒素上の二つの置換基が窒素と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクリルを形成する、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アミノ−低級アルキル又はアミノ−低級アルキルアミノ;
ハロ−低級アルキルスルフィニル、置換されていてもよいフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ−低級アルキルスルホニル、置換されていてもよいフェニルスルホニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキルスルホニル、ハロゲン及びシアノ;から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリール又はヘテロアリールであり;
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ及びニトロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基によって置換されていてもよく;並びに置換基カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル又はスルファモイルが、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、及びアミノ窒素が低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル若しくはアミノカルボニルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに置換基アミノ及びアミノカルボニルアミノが、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得る、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル若しくはイソキノリニル、を表し;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩。
【請求項8】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、アリール及びヘテロアリールが、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、低級アルコキシ、フェノキシ、ジアルキルアミノ、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノから選択される1〜5個の置換基で置換され得る、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し;
は、アリール又はヘテロアリールが、
低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−低級アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、置換されていてもよいアルキニル、
低級アルコキシ、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ、置換されていてもよいフェニルオキシ、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキル−カルボニルオキシ、
低級アルキル及び低級アルキルカルボニルから選択される1若しくは2個の置換基によって置換され、或いは、窒素上の二つの置換基が窒素と一緒になってヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、アミノ;
ハロ−低級アルキルスルフィニル、ハロゲン及びシアノ;
から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され得、
並びに、2個の隣接した置換基が、アリール又はヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、
アリール又はヘテロアリールであり;
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、 直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、若しくはアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよい、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル若しくはイソキノリニルを表し;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリール−低級アルキル、ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいフェニルカルボニル、低級アルキルスルホニル、又は置換されていてもよいフェニルスルホニルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル若しくは低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩。
【請求項9】
請求項1記載の、式(I)
(式中、
は、低級アルキル、低級アルコキシ 低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ 低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される2個までの置換基によって置換されるフェニルを表し;
は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換されていてもよいアルキニルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−低級アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく;並びに、2個の隣接した置換基が、アリール若しくはヘテロアリールの原子と一緒になって5、6又は7員の炭素環又は複素環を形成し得る、アリールであり;
は、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルバモイル基CONR及びスルファモイル基SONRから選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデン、酸素、オキシメチル、低級アルキルによって置換されていてもよい窒素、又はアミノ窒素が低級アルキルによって置換されていてもよいアミノメチルから選択されるスペーサーを介して結合し得;並びに、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、並びにアミノカルボニルアミノ基NHCONR、から選択される一の置換基によって置換されるフェニルであって、フェニル上の該置換基が、直接、又は低級アルキリデンスペーサーを介して結合し得;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、シアノ、シアノメチル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、ヒドロキシ−低級アルコキシスルホニル、低級アルコキシ−低級アルコキシスルホニル及び置換されていてもよいフェニル−低級アルコキシスルホニルから選択される一の置換基によって置換され;並びに低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ及びハロから選択される1又は2個のさらなる置換基で置換されていてもよい、フェニル;
或いは、各々が、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル基CONR、スルファモイル基SONR
低級アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル及び置換されていてもよいアルキルカルボニルから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニルアミノ基NHCONR、シアノ並びにハロから選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよい、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル若しくはイソキノリニルを表し;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、窒素が低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルから選択される2個までの置換基によって置換され得るアミノアルキル;ヘテロシクリル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、低級アルキルカルボニル又は低級アルキルスルホニルを表し;
は、水素又は低級アルキルを表し;
或いは、R及びRは窒素と一緒になって結合して、部分的に若しくは完全に不飽和であり得、並びにオキソ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルコキシから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、5、6又は7員の複素環を表す)
の化合物及びその塩。
【請求項10】
p−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ベンズアミド;
(p−1−イミダゾリルフェニル)−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミン;
5−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ニコチンアミド;
p−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ベンゼンスルホンアミド;
3−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−5−アミノメチル−ピリジン;
3−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−5−(N−アセチルアミノメチル)−ピリジン;
N−(1−ヒドロキシ−2−プロピル)−5−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ニコチンアミド;
N−(2−モルホリノエチル)−5−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ニコチンアミド;
N−(3−メトキシプロピル)−5−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ニコチンアミド;
(p−1,2,4−トリアゾリルフェニル)−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミン ;
(p−モルホリノフェニル)−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミン;
4−(3−ピリジル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール;
(p−モルホリノフェニル)−(1−[p−メトキシフェニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミン;
4−(2−アミノピリド−5−イル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール;
4−(2−アミノピリド−5−イル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピロール;及び
5−(1−[p−メトキシフェニルスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ニコチンアミド、
からなる群から選択される、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
(p−1−イミダゾリルフェニル)−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミン;
4−(3−ピリジル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール;
(p−モルホリノフェニル)−(1−[p−メトキシフェニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミン;
4−(2−アミノピリド−5−イル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ピロール;
4−(2−アミノピリド−5−イル)−1−p−メトキシフェニルスルホニル−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピロール;及び
5−(1−[p−メトキシフェニルスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリル)−ニコチンアミド、
からなる群から選択される、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
(p−1−イミダゾリルフェニル)−(1−[p−トルエンスルホニル]−2−[3,4,5−トリメトキシフェニル]−4−ピロリルメチル)−アミンである、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
医薬としての使用のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
A)RがCHNRである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(II)
【化2】


のアルデヒド、又は官能基が保護型であるそれらの誘導体を、還元剤の存在下、不活性塩基及び/又は適当な触媒の任意の存在下並びに不活性溶媒の任意の存在下、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(III)
HNR (III)
のアミン、その塩又は官能基が保護型であるその誘導体と反応させ、並びに式(I)の化合物の保護誘導体中のいかなる保護基をも除去し;或いは
B)RがCHNRである式(I)の化合物の製造のため、R、R、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(IV)
【化3】


のカルボキサミド、又は官能基が保護型であるそれらの誘導体を、適当な触媒の任意の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、還元剤で処理し、並びに式(I)の化合物の保護誘導体中のいかなる保護基をも除去し;
C)Rがアリール又はヘテロアリール 置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在し、並びにQが塩素、臭素又はヨウ素である式(V)
【化4】


の化合物、或いは官能基が保護型であるその誘導体を、適当な触媒の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、Rが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する式(VI)
−B(OH) (VI)
のボロン酸、そのエステル、その塩、又は官能基が保護型であるその誘導体と反応させ;並びに式(I)の化合物の保護誘導体中のいかなる保護基をも除去し;或いは
D)Rが置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する、式(VII)
【化5】


のボロン酸、そのエステル、その塩、又は官能基が保護型であるその誘導体を、適当な触媒の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、Rが式(I)の化合物で定義されたものとして存在し、及びQが塩素、臭素又はヨウ素である、式(VIII)
−Q (VIII)
の化合物、そのエステル、その塩、或いは官能基が保護型であるその誘導体と反応させ;並びに式(I)の化合物の保護誘導体中のいかなる保護基をも除去し;
E)Rが置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物の製造のため、R及びRが式(I)の化合物で定義されたものとして存在する、式(IX)
【化6】


のピロールを、適当な触媒の存在下及び不活性溶媒の任意の存在下、Rが式(I)の化合物で定義されたものであり、及びQは塩素又は臭素である、式(X)
−SO−Q (X)
のスルホン酸ハライド、或いは官能基が保護型であるその誘導体と反応させ;並びに式(I)の化合物の保護誘導体中のいかなる保護基をも除去し;
並びに、所望であれば、得られ得る式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に、式(I)の遊離化合物を塩に、式(I)の化合物の得られ得る塩を遊離化合物又は他の塩に変換し、及び/又は式(I)の異性体化合物の混合物を個々の異性体に分割する、請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患の治療のための医薬組成物の製造のための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、該化合物のプロドラッグ、若しくは該化合物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項17】
治療上有効量の、請求項1〜13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又は該化合物のプロドラッグ、若しくは該化合物の医薬的に許容される塩をその必要に応じて患者に投与することを含む、腫瘍性疾患、自己免疫性疾患、移植関連症状(transplantation related pathology)及び/又は変性疾患の治療方法。


【公表番号】特表2007−500204(P2007−500204A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530708(P2006−530708)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001818
【国際公開番号】WO2004/103968
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】