説明

ソフトウェア管理装置

【課題】 複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行すること。
【解決手段】車載装置のソフトウェアのバージョンをバージョン管理部21によって管理するとともに、ソフトウェア間の依存関係を依存関係データD2として管理する。更新確認処理部22が更新可能なソフトウェアを検出した場合には、依存関係データD3から協働して動作する他のソフトウェアのインストール状況を確認し、更新に必要なデータを更新用データとして記憶部13に記憶した後、更新処理部が各車載装置のソフトウェアを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の車載装置のソフトウェアを管理するソフトウェア管理装置に関し、特にソフトウェアの更新を適切に実行するソフトウェア管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の動作はソフトウェアによって制御されることが多く、このソフトウェアを更新することで、たとえば動作における不具合の解消や、動作内容の向上などを実現可能となっている。
【0003】
具体的には、ソフトウェアにはバージョン情報か設定されており、より新しいバージョンのソフトウェアに書き換えることで更新を実行する。
【0004】
そして近年、ネットークを介してより新しいバージョンのソフトウェアの有無、すなわち更新が可能であるか否かの確認や、新しいバージョンのソフトウェアの取得(ダウンロード)を実行することが可能となっている。
【0005】
たとえば、特許文献1は、エアコンECUの修正プログラムをナビゲーション装置のハードディスクドライブにダウンロードし、実行時にはハードディスクドライブに格納したプログラムを実行してエアコン制御を行う技術を開示している。
【0006】
また、特許文献2は、タイマーにより所定時間になった場合に、車載装置のソフトウェアをインストールする技術を、特許文献3は、ソフトウェアの更新を自動実行する時間帯をユーザが指定可能とする技術を開示している。
【0007】
さらに、特許文献4は、旧プログラムを所定記憶手段に退避させておくことで、更新したプログラムに異常がある場合に退避させた旧プログラムを再度読みだして実行することができるようにする技術を開示している。
【0008】
【特許文献1】特開2002−211227号公報
【特許文献2】特開2003−196098号公報
【特許文献3】特開2000−207219号公報
【特許文献4】特開2000−207681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年、車両に搭載される装置が増加し、車両の動作制御、例えばエンジン制御やブレーキ制御を電子制御装置が担っている。さらに、各種装置が協働させることで、より高度な車両の動作制御が実現されている。
【0010】
したがって、たとえば1つの車載装置のソフトウェアを更新したとしても、協働する車載装置のソフトウェアを更新しなければ、その機能を充分に発揮することができないという問題が生じていた。
【0011】
また、多数の車載装置がそのソフトウェアを独自に更新することとすると、ユーザに対して更新状態を管理する労力を課することとなるという問題点があった。
【0012】
そこで、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行可能なソフトウェア管理装置の実現が重要な課題となっていた。
【0013】
この発明は、上述した従来技術における問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するソフトウェア管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係るソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理するソフトウェア管理装置であって、前記複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係を記憶する依存関係記憶手段と、前記依存関係に基づいて前記車載装置のソフトウェアの更新可否および/または更新順序を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この請求項1の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係を記憶し、記憶した依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定する。
【0016】
また、請求項2の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項1の発明において、前記判定手段は、複数のソフトウェアが更新可能である場合に、当該更新の危険度が大きいソフトウェアを後から更新するように前記更新順序を定めることを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明によればソフトウェア管理装置は、複数のソフトウェアが更新可能である場合に、更新の危険度が大きいソフトウェアを後から更新するように更新順序を定める。
【0018】
また、請求項3の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項1または2の発明において、前記依存関係記憶手段は、前記複数の車載装置が協働して所定の動作を実行する場合に、当該動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいて前記依存関係を定めることを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置が協働して所定の動作を実行する場合に、その動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定する。
【0020】
また、請求項4の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項3の発明において、前記所定の動作は、ナビゲーション装置が出力する地図情報に基づいたエンジン制御装置によるエンジン制御動作および/または変速機制御装置による変速機制御動作であることを特徴とする。
【0021】
この請求項4の発明によればソフトウェア管理装置は、エンジン制御装置や変速機制御装置が、ナビゲーション装置によって出力される地図情報に基づいて動作制御を行う場合に、この動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定する。
【0022】
また、請求項5の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項3または4の発明において、前記所定の動作は、安定性制御装置が出力する車体安定性情報に基づいたエンジン制御装置によるエンジン制御動作および/または変速機制御装置による変速機制御動作であることを特徴とする。
【0023】
この請求項5の発明によればソフトウェア管理装置は、エンジン制御装置や変速機制御装置が、安定性制御装置によって出力される車体安定性情報に基づいて動作制御を行う場合に、この動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定する。
【0024】
また、請求項6の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項3,4または5の発明において、前記所定の動作は、減速制御装置が出力する減速状態情報に基づいたエンジン制御装置によるエンジン制御動作および/または変速機制御装置による変速機制御動作であることを特徴とする。
【0025】
この請求項6の発明によればソフトウェア管理装置は、減速制御装置によって出力される減速状態情報に基づいて動作制御を行う場合に、この動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定する。
【0026】
また、請求項7の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項1〜6の発明において、自車両の経路設定および経路誘導を行うナビゲーション手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
この請求項7の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定する。
【0028】
また、請求項8の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項7の発明において、前記依存関係記憶手段に、前記ナビゲーション手段が使用する地図情報をさらに記憶したことを特徴とする。
【0029】
この請求項8の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係とナビゲーションに用いる地図情報とを同一の記憶媒体に記憶する。
【0030】
また、請求項9の発明に係るソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理するソフトウェア管理装置であって、前記複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、当該更新に使用する更新用データを取得する更新用データ取得手段と、前記更新用データを記憶する更新用データ記憶手段と、を備えたことを特徴とする。
【0031】
この請求項9の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶する。
【0032】
また、請求項10の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項9の発明において、前記更新用データを用いて前記車載装置のソフトウェアの更新を実行する更新処理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0033】
この請求項10の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶し、記憶した更新用データを用いて車載装置のソフトウェアの更新を実行する。
【0034】
また、請求項11の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項9または10の発明において、自らのソフトウェアを更新する機能を有する車載装置に対し、前記更新用データを提供する更新用データ提供手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0035】
この請求項11の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶し、記憶した更新用データを車載装置に提供する。
【0036】
また、請求項12の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項9,10または11の発明において、前記更新用データ記憶手段は、前記複数の車載装置のうち更新に要するデータ容量が最も大きい車載装置の、当該データ容量以上の容量を有することを特徴とする。
【0037】
この請求項12の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得し、複数の車載装置のうち更新に要するデータ容量が最も大きい車載装置のデータ容量以上の容量を有する更新用データ記憶手段に記憶する。
【0038】
また、請求項13の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項12の発明において、前記更新用データ記憶手段は、ハードディスクドライブであることを特徴とする。
【0039】
この請求項13の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得し、ハードディスクドライブに記憶する。
【0040】
また、請求項14の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項9〜13の発明において、自車両の経路設定および経路誘導を行うナビゲーション手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0041】
この請求項14の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶する。
【0042】
また、請求項15の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項14の発明において、前記依存関係記憶手段に、前記ナビゲーション手段が使用する地図情報をさらに記憶したことを特徴とする。
【0043】
この請求項15の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得してナビゲーション用の地図情報と同一の記録媒体に記憶する。
【0044】
また、請求項16の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項1〜15の発明において、前記ソフトウェアの更新を変速機状態がパーキングもしくはニュートラルである場合に実行することを特徴とする。
【0045】
この請求項16の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理し、変速機状態がパーキングもしくはニュートラルである場合にソフトウェアの更新を実行する。
【0046】
また、請求項17の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項1〜16の発明において、前記ソフトウェアの更新をバッテリー残量が所定量以上である場合に実行することを特徴とする。
【0047】
この請求項17の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理し、バッテリー残量が所定量以上である場合にソフトウェアの更新を実行する。
【0048】
また、請求項18の発明に係るソフトウェア管理装置は、請求項1〜17の発明において、前記ソフトウェアの更新中は電源供給を保持することを特徴とする。
【0049】
この請求項18の発明によればソフトウェア管理装置は、ユーザ操作などによって電源オフが指示された場合であっても、ソフトウェアの更新を実行中である間は電源の供給を維持する。
【発明の効果】
【0050】
請求項1の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係を記憶し、記憶した依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0051】
また、請求項2の発明によればソフトウェア管理装置は、複数のソフトウェアが更新可能である場合に、更新の危険度が大きいソフトウェアを後から更新するように更新順序を定めるので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を安全に実行するソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0052】
また、請求項3の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置が協働して所定の動作を実行する場合に、その動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定するので、協働する複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0053】
また、請求項4の発明によればソフトウェア管理装置は、エンジン制御装置や変速機制御装置が、ナビゲーション装置によって出力される地図情報に基づいて動作制御を行う場合に、この動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定するので、協働する複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0054】
また、請求項5の発明によればソフトウェア管理装置は、エンジン制御装置や変速機制御装置が、安定性制御装置によって出力される車体安定性情報に基づいて動作制御を行う場合に、この動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定するので、協働する複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0055】
また、請求項6の発明によればソフトウェア管理装置は、減速制御装置によって出力される減速状態情報に基づいて動作制御を行う場合に、この動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいてソフトウェア間の依存関係を定め、依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定するので、協働する複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0056】
また、請求項7の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係に基づいてソフトウェアの更新可否や更新順序を判定するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するナビゲーション機能を備えたソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0057】
また、請求項8の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係とナビゲーションに用いる地図情報とを同一の記憶媒体に記憶するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を適切に実行するナビゲーション機能を備えた簡易な構成のソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0058】
また、請求項9の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理する簡易な構成のソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0059】
また、請求項10の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶し、記憶した更新用データを用いて車載装置のソフトウェアの更新を実行するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新処理を実行する簡易な構成のソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0060】
また、請求項11の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶し、記憶した更新用データを車載装置に提供するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、他の車載装置における自律的な更新処理を支援する簡易な構成のソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0061】
また、請求項12の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得し、複数の車載装置のうち更新に要するデータ容量が最も大きい車載装置のデータ容量以上の容量を有する更新用データ記憶手段に記憶するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理する簡易で低コストの構成のソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0062】
また、請求項13の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得し、ハードディスクドライブに記憶するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理する簡易な構成で汎用性の高いソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0063】
また、請求項14の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得して更新用データ記憶手段に記憶するので、簡易な構成で複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理するナビゲーション機能を備えたソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0064】
また、請求項15の発明によればソフトウェア管理装置は、ナビゲーション装置と一体化され、複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、更新に使用する更新用データを取得してナビゲーション用の地図情報と同一の記録媒体に記憶するので、簡易な構成かつ低コストで複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理する、ナビゲーション機能を備えたフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0065】
また、請求項16の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理し、変速機状態がパーキングもしくはニュートラルである場合にソフトウェアの更新を実行するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を安全に実行可能なソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0066】
また、請求項17の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理し、バッテリー残量が所定量以上である場合にソフトウェアの更新を実行するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を確実に実行可能なソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【0067】
また、請求項18の発明によればソフトウェア管理装置は、複数の車載装置のソフトウェアを管理し、ユーザ操作などによって電源オフが指示された場合であっても、ソフトウェアの更新を実行中である間は電源の供給を維持するので、複数の車載装置のソフトウェアの更新状態を統合管理し、更新を安全かつ確実に実行可能なソフトウェア管理装置を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るソフトウェア管理装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【実施例】
【0069】
図1は、ナビゲーション装置にソフトウェア管理装置の機能を持たせた場合の車載システムの概要構成を説明する説明図である。同図に示すように、ナビゲーション装置1は、通信装置2、車内通知系3、エンジン制御装置4、安定性制御装置5、減速制御装置6、およびシフト制御装置7と接続している。
【0070】
通信装置2は、車両と外部との通信を行なう装置であり、具体的には、インターネットなどのネットワークを介した車外のサーバとの通信や、電話回線を介した所定の連絡先との通信などを行う。
【0071】
車内通知系3は、車内の乗員に対して通知を実行する装置群であり、具体的には、表示出力を行なう車内ディスプレイ31、音声出力を行なう車内スピーカ32などを有する。この車内通知系3は、ナビゲーション装置1をはじめ、オーディオ装置など各種車載機器で共用することが一般的である。
【0072】
エンジン制御装置4は、エンジンの噴射制御を行なう、いわゆるEFIであり、ソフトウェアA2によって動作する。また、安定性制御装置5は、走行時の車体の安定性を制御する、いわゆるVSCであり、ソフトウェアA3によって動作する。
【0073】
同様に、減速制御装置6は、減速処理を制御してタイヤのロックを防止する、いわゆるABSであり、ソフトウェアA4によって動作する。さらに、シフト制御部7は走行速度やエンジンの状態などに基づいてシフトの切り替えをおこなう変速機の制御装置であり、ソフトウェアA5によって動作する。
【0074】
ナビゲーション装置1は、その内部にナビゲーション処理部11、ソフトウェア管理部12およびハードディスク等からなる記憶部13を有する。
【0075】
ナビゲーション処理部11は、自車両の走行経路の設定および誘導を行なう処理部であり、ソフトウェアA1によって動作する。具体的には、ナビゲーション装置11は、図示しないGPS通信部によって自車両の現在位置を取得し、地図データを用いて自車両が走行している道路を特定し、車内通知系3を用いて経路誘導を実行する。
【0076】
ソフトウェア管理部12は、車載システムにおける各種ソフトウェア(ソフトウェアA1〜A5)の更新を統合管理する処理部である。具体的には、ソフトウェア管理部12は、その内部にバージョン情報管理部21、更新確認処理部22、依存関係判定部23、車両状態判定部24、更新処理部25を有する。
【0077】
バージョン管理部21は、ナビゲーション処理部11、エンジン制御装置4、安定性制御装置5、減速制御装置6、シフト制御装置7のソフトウェアA1〜A5について、そのバージョン情報を管理する。具体的には、バージョン管理部21は、図2に示すように、ソフトウェアA1〜A5のバージョンデータと、そのバージョンが作成された日付を記憶している。
【0078】
図2では、ソフトウェアA1は、「バージョン6.17」であり、このバージョンは「2004年4月5日」に作成されている。また、ソフトウェアA2は、「バージョン2.00」であり、このバージョンは「2003年11月6日」に作成されている。
【0079】
同様に、ソフトウェアA3は、「バージョン2.32」であり、このバージョンは「2002年1月23日」に作成されている。また、ソフトウェアA4は、「バージョン1.00」であり、このバージョンは「2000年8月11日」に作成されている。さらに、ソフトウェアA5は、「バージョン1.81」であり、このバージョンは「2004年4月9日」に作成されている。
【0080】
更新確認処理部22は、通信装置2を利用し、車載装置のソフトウェアが更新可能であるか否か、すなわち自車両の車載装置にインストールされているバージョンよりも新しいバージョンが公開されているか否かを確認する処理をおこなう。
【0081】
依存関係判定部23は、車載装置のソフトウェアについて、その依存関係を判定し、記憶部13に依存関係データD2として記憶する。複数の装置が協働して所定の動作を実行する場合、それぞれの車載装置のソフトウェアがその機能を有する必要がある。
【0082】
例えば、地図情報に基づいて、エンジンやシフトを予測制御する(カーブ手前で予めエンジンブレーキをかける、スロットルを閉じる、シフトを落とすなどの制御をする)場合、ナビゲーション処理部11のソフトウェアA1がエンジン制御装置4やシフト制御装置7に地図情報を提供する機能を持つ必要があり、エンジン制御装置4のソフトウェアA2や、シフト制御装置7のソフトウェアA5が地図情報に基づいた制御を実行する機能を持つ必要がある。
【0083】
同様に、走行時の車体の安定性を確保する際にエンジン制御を利用する場合、エンジン制御装置4のソフトウェアA2が安定性制御装置5からの要求に基づいてエンジン制御を行う機能を有する必要があり、安定性制御装置5のソフトウェアA3は、エンジン制御装置4に必要なエンジン制御を要求する機能を有する必要がある。
【0084】
また、車両の減速時におけるタイヤのロックを回避する際にエンジン制御を利用する場合、エンジン制御装置4のソフトウェアA2が減速制御装置6からの要求に基づいてエンジン制御を行う機能を有する必要があり、減速制御装置6のソフトウェアA4は、エンジン制御装置4に必要なエンジン制御を要求する機能を有する必要がある。
【0085】
このように、高度な車両制御においては、複数の装置が協働する必要があるので、他の装置がその機能を有するか否かに依存して実行可能な制御内容が異なる。そして各装置のソフトウェアは、予めその機能を有していない場合であっても、ソフトウェアの更新などによって機能追加し、他の装置との協働が可能となるのである。
【0086】
ソフトウェアの更新状態は、バージョンとして管理されるので、所定の制御を実現するためには、協働する装置のソフトウェアが所定のバージョン以上であることが必要となる。換言するならば、ある装置がソフトウェアの更新によって所定の制御に対応したとしても、協働する装置かその制御に対応していなければ目的の制御を実行することができないこととなる。
【0087】
そこで、依存関係判定部23は、ソフトウェアの更新を行なう場合、依存関係データD2を参照し、他の装置と協働して実現する制御について、他の装置に必要なソフトウェアのバージョンが満たされているか否かを判定する。
【0088】
この依存関係データD2の具体例を図3に示す。同図では、エンジン制御装置4のソフトウェアA2のバージョン「2.1」について、地図情報を利用したエンジン制御を実行するためには、ナビゲーション処理部11のソフトウェアA1がバージョン「5.0」以上である必要があることを示している。また、VSCと協働したエンジン制御を実行するためには安定性制御装置5のソフトウェアA3がバージョン「2.1」以上である必要があり、ABSと協働したエンジン制御を実行するためには減速制御装置6のソフトウェアA4がバージョン「1.3」以上である必要があることを示している。
【0089】
同様に、シフト制御装置7のバージョン「1.5」について、地図情報を利用したシフト制御を実行するためにはナビゲーション処理部11のソフトウェアA1がバージョン「5.0」以上である必要があることを示している。
【0090】
このようにソフトウェア間の依存関係を管理することで、更新によって向上する機能が他の装置に依存しているか否かを判定し、他のソフトウェアの更新が必要である場合にはそのソフトウェアの更新を併せて行う、統合的な更新管理を実現することができる。
【0091】
なお、依存関係データは、外部のサーバから取得してもよいし、各ソフトウェアに依存関係に関する情報を持たせてもよい。また、依存関係判定部23がソフトウェア間の依存関係を確認して依存関係データD2を作成することとしてもよい。
【0092】
車両状態判定部24は、自車両の状態を判定する処理部であり、その内部にシフト状態取得部24a、電源状態取得部24bを有する。シフト状態取得部24aは、自車両のシフトの状態を取得し、電源状態取得部24bは、車載システムの電源、すなわちバッテリーの残量を取得する。
【0093】
更新処理部25は、車載システムにおける各種ソフトウェア(ソフトウェアA1〜A5)の更新処理を実行する処理部である。具体的には、更新処理部25は、更新に使用するデータを取得し、記憶部13に更新用データD3として記憶させる。その後、記憶部13から更新用データD3を読み出して目的の装置にインストールし、更新を完了する。
【0094】
ここで、更新に使用するデータの取得方法は、通信装置2を利用して外部のサーバからダウンロードしてもよいし、CDやDVDなど、所定の記録媒体から読みだしてもよい。また、ディーラーなど、所定の場所で取得してもよい。なお、更新に使用するデータとは、例えば更新処理を自動実行するプログラムであってもよい。
【0095】
また、更新処理部25は、更新用データD3を記憶部13に一旦記憶し、記憶部13から読みだして使用するので、各装置にそれぞれ更新用のデータ記憶領域を持たせる必要がなく、車載システム全体を簡略かつ低コストで構築することができる。
【0096】
さらに、ソフトウェア間に依存関係がある場合など、複数のソフトウェアをインストールする場合には、その全てをダウンロードして記憶部13に記憶した後、インストールを実行することができる。そのため、通信状態の悪化などによって更新の失敗や中断を生じることなく、安全かつ確実にソフトウェアの更新を完了することができる。
【0097】
ここで、複数のソフトウェアを更新する場合、更新処理部25は、そのインストール順序を判定し、定めた順序にしたがって随時インストールを行う。このインストール順序は、具体的には、更新の危険度が大きいソフトウェアを後から更新するように設定する。
【0098】
例えば、ナビゲーション処理部11のソフトウェアA1とエンジン制御装置4のソフトウェアA2をインストールする場合、車両の走行に直接影響するソフトウェアA2のインストールは、ソフトウェアA1のインストールに比して危険度が大きい。
【0099】
そこで、更新処理部25は、まずソフトウェアA1を更新し、更新が正常に完了した場合にソフトウェアA2のインストールを実行する。そのため、何らかの要因によってインストールが正常に終了できない場合であっても、車両の走行に与える影響度を最小限に抑えることができる。
【0100】
このソフトウェアの更新を正常に、かつ安全に完了させるためには、車両の停止中にインストールを実行すること、およびインストールの完了までの間、電源が確保可能であること、が重要となる。
【0101】
そこで、更新処理部25は、車両状態判定部24による判定結果に基づき、シフトがニュートラルもしくはパーキングに入った状態で、かつバッテリー残量が所定値以上である場合に、更新処理を実行する。あるいは、更新する時刻を予約しておき、その時刻になると更新するようにしてもよい。また、更新中はエンジンの再始動やイグニッションスイッチのオン操作の受付を禁止する。
【0102】
ところで、ここでは更新処理部25が各装置のソフトウェアをインストールしているが、たとえばインストールを更新される装置自体が実行することとし、更新処理部25は各装置に対して更新に必要なデータを提供する構成としてもよい。
【0103】
記憶部13は、既に述べた依存関係データD2や更新用データD3、また、ナビゲーション処理部11が使用する地図データD1などを記憶する記憶手段であり、ハードディスクドライブなどの記録媒体によって実現される。この記憶部13は、車載システムにおいて汎用的に使用され、例えば音楽データなどの他のデータの記憶にも使用可能である。
【0104】
つぎに、このソフトウェア管理部12の処理動作について説明する。図4は、ソフトウェア管理部12の処理動作を説明するフローチャートであり、ナビゲーション装置1の電源投入時に繰り返し実行される処理である。
【0105】
同図に示すように、まず、更新確認処理部22が、通信装置2を利用して車載装置のソフトウェアが更新可能であるか否かを確認する処理をおこなう(ステップS101)。その結果、更新可能なソフトウェアがない場合(ステップS102,No)、処理を終了する。
【0106】
一方、更新可能なソフトウェアがある場合(ステップS102,Yes)、つぎに、依存関係判定部23が依存関係データD2を確認し、更新可能なソフトウェアに依存関係があるソフトウェアを確認する(ステップS103)。
【0107】
つぎに、バージョン情報管理部21は、依存関係のあるソフトウェアが全てインストール済みであるか否かを判定する(ステップS104)。その結果、依存関係のあるソフトウェアのうち、インストールされていないソフトウェアがある場合(ステップS104,No)、更新処理部25は、依存関係のあるソフトウェアが全てダウンロードされているか、すなわち、記憶部13更新用データD3として格納されているか、を確認する(ステップS105)。
【0108】
依存関係のあるソフトウェアのうち、ダウンロードされていないソフトウェアがある場合(ステップS105,No)、ユーザにダウンロードが必要であることを通知し、ダウンロードを許可するか否かを問い合わせる。
【0109】
そして、ユーザの許可を受け付けたならば(ステップS106,Yes)、関連するソフトウェアをダウンロードし(ステップS108)、再度ステップS105に移行する。
【0110】
そして、関連するソフトウェアを全てダウンロードしたならば(ステップS105,Yes)、更新処理部25かソフトウェアのインストール順序を決定する(ステップS109)。
【0111】
インストール順序の決定(ステップS109)後、もしくは関連するソフトウェアが全てインストール済みである場合(ステップS104,Yes)、更新処理部25は指定されたソフトウェアをダウンロードし(ステップS110)、インストール処理を実行(複数のソフトウェアをインストールする場合は、決定した順序で実行)する(ステップS111)。インストール処理を実行するにあたっては、メインリレーを保持、すなわち自電源をオンで保持し、実行にかかる電力を供給し続ける。
【0112】
インストール処理(ステップS111)の終了後、もしくは関連するソフトウェアのダウンロードをユーザが許可しなかった場合(ステップS106,No)、ユーザに対して処理結果を通知して(ステップS107)、処理を終了する。なお、車載装置(ECU)間通信などを行なう通信部のファームを書き換えた場合、ECUノード間のソフトウェアバージョンの整合がとれていないと、通信エラーなどが発生するため、通信ソフトバージョンを書き換え終了後にチェックし、不整合の場合は整合するバージョンのダウンロードを自動的に実施する。この整合が取れるまではエンジン始動、イグニッションスイッチのオン操作を受け付けないようにしても良い。
【0113】
上述してきたように、本実施例にかかる車載システムでは、ナビゲーション装置1にソフトウェア管理部12を持たせ、車載装置のソフトウェアの更新状態をバージョン情報管理部21で管理すると共に、ソフトウェア間の依存関係を依存関係データD2として管理し、ソフトウェアの更新時に協働して動作する他のソフトウェアについてもその更新可否を判定するので、複数の車載装置のソフトウェアを統合管理し、更新を適切に実行することができる。
【0114】
また、記憶部13に更新用データD3を格納し、更新時に読み出して使用することで、各車載装置に個別に更新用の記憶容量を持たせることなく、簡略かつ低コストの車載システムを構築することができる。
【0115】
さらに、複数のソフトウェアを更新する場合に、必要なデータの全てを予めダウンロードすることで、通信状態の悪化などによって更新の失敗や中断を生じることなく、安全かつ確実にソフトウェアの更新を完了することができる。
【0116】
また、複数のソフトウェアを更新する場合に、更新の危険度が大きいソフトウェアを後から更新するようにインストールを実行することで、インストールの異常終了時に、車両の走行への影響を最小限に抑えることができる。
【0117】
さらに、シフトがニュートラルもしくはパーキングに入った状態で、かつバッテリー残量が所定値以上である場合に、更新処理を実行することで、ソフトウェアの更新を安全かつ確実に実行することができる。
【0118】
ところで、本実施例ではナビゲーション装置1にソフトウェア管理部12を持たせた車載システムについて説明したが、本発明の利用はこれに限定されるものではなく、任意の構成で利用することができる。
【0119】
本発明における車載システムの他の構成例を図5に示す。同図に示した車載システムでは、独立した装置であるソフトウェア管理装置8によってソフトウェアを統合管理している。また、ナビゲーション装置9は、ナビゲーション処理を実行する装置として、エンジン制御装置4、安定性制御装置5、減速制御装置6、シフト制御装置7などと同様に、ソフトウェア管理装置8に接続している。
【0120】
ソフトウェア管理装置8は、その内部に主制御部81、依存関係データ記憶部82、更新用データ記憶部83を備えている。主制御部81は、図1に示したソフトウェア管理部12と同様の処理を実行する。また、依存関係データ記憶部82は、依存関係データを記憶する記憶部であり、更新用データ記憶部83は、更新用データを記憶する記憶部である。
【0121】
更新用データ記憶部83は、他の装置がソフトウェアの格納用に有する記憶容量のうち、最も大きい記憶容量以上の容量を有する。また、複数のソフトウェアの更新用データを予め記憶する場合には、さらに大きい記憶容量を備えることが望ましい。
【0122】
その他の構成および動作は、図1に示した車載システムと同様であるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0123】
以上のように、本発明にかかるソフトウェア管理装置は、車載装置のソフトウェアの管理に有用であり、特に互いに関連する複数のソフトウェアの管理や更新に適している。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施例にかかる車載システムの概要構成を示す概要構成図である。
【図2】図1に示したバージョン情報管理部が管理する情報について説明する説明図である。
【図3】図1に示した依存関係データの具体例について説明する説明図である。
【図4】図1に示したソフトウェア管理部の処理動作について説明する説明図である。
【図5】本発明の実施例にかかる他の車載システムの構成例を示す概要構成図である。
【符号の説明】
【0125】
1,9 ナビゲーション装置
2 通信装置
3 車内通知系
4 エンジン制御装置
5 安定性制御装置
6 減速制御装置
7 シフト制御装置
8 ソフトウェア管理装置
11 ナビゲーション処理部
12 ソフトウェア管理部
13 記憶部
21 バージョン情報管理部
22 更新確認処理部
23 依存関係判定部
24 車両状態判定部
24a シフト状態取得部
24b 電源状態取得部
25 更新処理部
31 車内ディスプレイ
32 車内スピーカ
81 依存関係データ記憶部
82 更新用データ記憶部
A1〜A5 ソフトウェア
D1 地図データ
D2 依存関係データ
D3 更新用データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車載装置のソフトウェアを管理するソフトウェア管理装置であって、
前記複数の車載装置のソフトウェア間における依存関係を記憶する依存関係記憶手段と、
前記依存関係に基づいて前記車載装置のソフトウェアの更新可否および/または更新順序を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、複数のソフトウェアが更新可能である場合に、当該更新の危険度が大きいソフトウェアを後から更新するように前記更新順序を定めることを特徴とする請求項1に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項3】
前記依存関係記憶手段は、前記複数の車載装置が協働して所定の動作を実行する場合に、当該動作を実現するソフトウェア上の機能の有無に基づいて前記依存関係を定めることを特徴とする請求項1または2に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項4】
前記所定の動作は、ナビゲーション装置が出力する地図情報に基づいたエンジン制御装置によるエンジン制御動作および/または変速機制御装置による変速機制御動作であることを特徴とする請求項3に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項5】
前記所定の動作は、安定性制御装置が出力する車体安定性情報に基づいたエンジン制御装置によるエンジン制御動作および/または変速機制御装置による変速機制御動作であることを特徴とする請求項3または4に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項6】
前記所定の動作は、減速制御装置が出力する減速状態情報に基づいたエンジン制御装置によるエンジン制御動作および/または変速機制御装置による変速機制御動作であることを特徴とする請求項3,4または5に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項7】
自車両の経路設定および経路誘導を行うナビゲーション手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のソフトウェア管理装置。
【請求項8】
前記依存関係記憶手段に、前記ナビゲーション手段が使用する地図情報をさらに記憶したことを特徴とする請求項7に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項9】
複数の車載装置のソフトウェアを管理するソフトウェア管理装置であって、
前記複数の車載装置のソフトウェアのいずれかが更新可能である場合に、当該更新に使用する更新用データを取得する更新用データ取得手段と、
前記更新用データを記憶する更新用データ記憶手段と、
を備えたことを特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項10】
前記更新用データを用いて前記車載装置のソフトウェアの更新を実行する更新処理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項11】
自らのソフトウェアを更新する機能を有する車載装置に対し、前記更新用データを提供する更新用データ提供手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9または10に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項12】
前記更新用データ記憶手段は、前記複数の車載装置のうち更新に要するデータ容量が最も大きい車載装置の、当該データ容量以上の容量を有することを特徴とする請求項9,10または11に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項13】
前記更新用データ記憶手段は、ハードディスクドライブであることを特徴とする請求項12に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項14】
自車両の経路設定および経路誘導を行うナビゲーション手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載のソフトウェア管理装置。
【請求項15】
前記依存関係記憶手段に、前記ナビゲーション手段が使用する地図情報をさらに記憶したことを特徴とする請求項14に記載のソフトウェア管理装置。
【請求項16】
前記ソフトウェアの更新を変速機状態がパーキングもしくはニュートラルである場合に実行することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載のソフトウェア管理装置。
【請求項17】
前記ソフトウェアの更新をバッテリー残量が所定量以上である場合に実行することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載のソフトウェア管理装置。
【請求項18】
前記ソフトウェアの更新中は電源供給を保持することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載のソフトウェア管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−11647(P2006−11647A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185349(P2004−185349)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】