説明

タスクスキルによるボルト組付け装置

【課題】
位置誤差にロバストで様々なサイズのボルトをナットに組付ける人の器用さをロボットに実装するためのボルト組付けタスクスキルを実装するタスクスキルによるボルトの組付け装置を実現する。
【解決手段】
ボルト12の組付け作業をタスクスキルに基き実行する。タスクスキルの動作手順として、動作手順をタスクスキルのモデルである初期条件、タスクスキル動作、終了条件に基づいて作動させる。また、タスクスキル動作にはインピーダンスと力のハイブリッド制御、またはインピーダンス制御を制御装置11に実装した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は器用な作業のひとつであるナットにボルトを組付ける作業を実現するタスクスキルを実装したボルト組付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの生産現場では、製品の組立てに多くのボルトを利用している。コストの削減と工期の短縮を実現するために、ボルトの組付けには、ボルトの組付け機能を有する生産ロボットが多く使用されている。
【0003】
しかし、生産ロボットは予め決められた軌道を位置制御で動作しているため、組付け先となるナットを極めて正確に配置しなければならないという欠点があった。
【0004】
組立て作業において、この欠点は大きな障害である。具体的には、ナットの位置に誤差があると、組付けが失敗するだけでなく、最悪の場合ボルトやナットを含む部品を破壊してしまうという問題があった。
【0005】
この改善策として、精度の良いカメラシステムや特殊な冶具によりナットの位置誤差を減らす手法が採用されているが、非常に費用と手間がかかるだけでなく、完全に位置誤差を無くすこともできない。さらに、組立て現場の環境が変化するとカメラの再設定が必要となり、ボルトのサイズが変わると新しい冶具が必要となる。また、力制御ロボットによりナットの位置誤差を吸収する手法があるが、ロボット、力センサ、ハンド以外に特別な機構を有する部品を使用する必要があった(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開昭57−1670号公報
【特許文献2】特開平2002−331428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、ナットの位置誤差にロバストな特性とボルトのサイズに対するロバストな特性を有するボルト組付けタスクスキルの具体的な記述と、ボルト組付けタスクスキルを実装したボルト組付け装置の確立である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
【0008】
タスクスキルによるボルト組付け装置は、ロボットと、力センサと、ハンドと、カメラと、ロボットを制御する制御装置と、力センサ情報を取得する装置と、ハンドを制御する制御装置と、カメラを制御する制御装置と、インピーダンスと力のハイブリッド制御を利用したタスクスキルを実装するタスクスキル実装装置と、を有する。
【0009】
タスクスキルによるボルト組付け装置は、ロボットと、力センサと、ハンドと、カメラと、ロボットを制御する制御装置と、力センサ情報を取得する装置と、ハンドを制御する制御装置と、カメラを制御する制御装置と、インピーダンス制御を利用したタスクスキルを実装するタスクスキル実装装置と、を有する。
【0010】
前記タスクスキルによるボルト組付け装置のロボットは多関節方式であり、ロボットを駆動するモータの電流を利用して力センサの代わりに利用することができることを特徴とするタスクスキルによるボルト組付け装置。
【0011】
前記ボルト組付けは、環境に固定されたナットに対して、ボルトを組付ける作業であり、ボルトの全サイズに対応し、ボルトの中心軸とナットの中心軸に位置と姿勢の誤差があっても、前記ボルト組付けを実現することを特徴とするタスクスキルによるボルト組付け装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るタスクスキルによるボルト組付け装置によれば、組付け先のナットの位置を位置誤差無しに正確に設置する必要が無くなり、精度の良いカメラシステムや特殊な冶具が不必要となり、コスト削減に貢献するだけでなく、組付けの失敗が無くなりボルトやナットを含む部品を破壊することも無くなり、安全にしかも位置誤差にロバストにボルトの組付け作業が実行できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は前記課題を解決するために、前記タスクスキルを利用する。前記タスクスキルは、ロボットがある基本動作を実行できるだけでなく、上位言語のレベルから再利用可能なモジュールであり、該タスクスキルのモデルは、初期条件、タスクスキル動作、終了条件からなる一連の状態遷移を実現するものであることを特徴とする。ボルトの組付けタスクスキルでは、タスクスキル動作に、インピーダンスと力のハイブリッド制御、またはインピーダンス制御が実装される。
【0014】
タスクスキル動作にインピーダンスと力のハイブリッド制御を実装することにより、自由空間での軌道追従性を確保し、対象物や環境との位置誤差に対しても過大な力が発生することを防ぎ、位置と姿勢のそれぞれ軸に対して操作者の意図に合わせてインピーダンス制御と力制御を適用できることを最も主な特徴とする。
【0015】
タスクスキル動作にインピーダンス制御を実装することにより、自由空間での軌道追従性を確保し、対象物や環境との位置誤差に対しても過大な力が発生することを防ぐことを最も主な特徴とする。
さらに、タスクスキル動作にインピーダンスと力のハイブリッド制御を実装する場合、ひとつの軸においてインピーダンス制御から力制御あるいは力制御からインピーダンス制御に切り替えるときの制御の安定化問題が生じるが、タスクスキル動作にインピーダンス制御を実装すると制御の切り替え問題がなくなることを最も主な特徴とする。
【0016】
本発明に係るタスクスキルによるボルト組付け装置を実施するための最良の形態を、タスクスキル動作にインピーダンスと力のハイブリッド制御を利用した実施例1に基づいて、図面を参照して、以下説明する。
【0017】
本発明に係るタスクスキルによるボルト組付け装置を実施するための最良の形態を、タスクスキル動作にインピーダンス制御を利用した実施例2に基づいて、図面を参照して、以下説明する。なお、図面は、図3、5は実施例1を説明する図であり、図6、7は実施例2を説明する図であるが、それ以外の図は共通であり同じ図面で説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に関わるタスクスキル動作にインピーダンスと力のハイブリッド制御を利用したタスクスキルによるボルト組付け装置1の全体構成図である。タスクスキル実行け装置10は、ロボット2(本実施例1ではロボットアーム)、力センサ3、ハンド4、カメラ5、ロボット制御装置6、ハンド制御装置7、力センサ情報取得装置8、カメラ制御装置9を有する。
【0019】
ロボット2は、多関節方式であり、ロボット制御装置6により位置制御で動作する。さらに、ロボット2を駆動するモータの電流を利用して力センサ3の代わりに利用することもできる。ハンド4の手先位置は、ロボット2の関節に設置されている関節角度計測装置(例、ポテンショメータ)により計算できることは周知技術である。
【0020】
ハンド4は、多指ハンドであり、ハンド制御装置7により指先が位置制御で動作する。
【0021】
タスクスキル実行装置10は、ロボット制御装置6に送信するロボット2の目標手先位置指令値とハンド制御装置7に送信するハンド4の目標指位置指令値をタスクスキル実装装置11から受信し、ロボット制御装置6で計算されるロボット2の現在手先位置情報と力センサ情報取得装置8で取得する力センサ3の情報とハンド制御装置7で計算されるハンド4の現在指位置情報とカメラ制御装置9で取得するカメラ5の映像をタスクスキル実装装置11へ送信する。
【0022】
タスクスキル実装装置11は、ボルト組付けタスクスキルが実装される。タスクスキルは、初期条件、タスクスキル動作、終了条件からなる一連の状態遷移を実現し、初期条件および終了条件はロボット2の位置、力センサ3の値、ハンド4の位置、カメラ5の映像情報で記述され、タスクスキル動作はインピーダンスと力のハイブリッド制御で記述される。
【0023】
タスクスキル動作が記述されるインピーダンスと力のハイブリッド制御において、インピーダンス制御での慣性ゲインをすべて 0.5 [kg]、ダンピングゲインを並進軸 200.0 [Ns/m]、 回転軸10.0 [Nm/(rad/s)]、剛性ゲインを並進軸500.0 [N/m]、 回転軸5.0 [Nm/rad]とし、力制御でのゲインを並進軸 0.0005 [m/N]、回転軸 0.05 [rad/Nm]とする。
【0024】
図2は、ナット13にボルト12を組付ける作業の概要図である。ナット13は環境に固定されており、ボルト12はタスクスキル実行装置10のハンド4に把持される。Σbはボルト12に固定されたボルト座標系であり、点0が原点である。Σnはナット13に固定されたナット座標系であり、点Nが原点である。ロボット2の手先座標系は、ボルト12のボルト座標系Σbと一致する。
ボルト12を動かすタスクスキル動作は、タスクスキル動作座標系Σsで記述され、制御点はボルト12の点Oとするため、ボルト12に力、モーメントが作用しない場合には、ボルト12の点Oがボルト12のインピーダンス中心となる。Σsは、Σbを基準として決定され、原点も点Oと一致する。ここで、ボルト12が移動すると同時にΣbも移動するため、ある時点でのΣbをΣsと設定し、Σbが引き続き移動したとしてもΣsは設定された時点の位置に固定される。また、一度ΣsがΣbにより設定され、Σsを基準にしてΣbが移動したとしても、移動後のΣbを利用してΣsを新規に再設定できる。
【0025】
タスクスキル動作に実装されるインピーダンスと力のハイブリッド制御では、個々の制御軸(x、y、z軸、roll、pitch、yaw軸)に対してインピーダンス制御と力制御のどちらかの制御を設定する必要がある。
【0026】
ボルト組付けタスクスキルの動作手順と個々の軸に対する制御方法は、
(1) ナット13への接近、接触動作(全軸インピーダンス制御)
(2) ナット13への押付け動作(z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御)
(3) ナット13への軸合せ動作(z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御)
(4) ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の力解除動作(z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御)
(5) ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の離脱動作(全軸インピーダンス制御)
(6) ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の回転動作(全軸インピーダンス制御)
(7) ナット13への組付け動作(z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御)
と記述する。図3にボルト組付けタスクスキルの動作手順のブロック図を示す。
【0027】
(1)ナット13への接近、接触動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述する。
・初期条件:Σbのz軸とΣnのz軸軸がある程度一致しており、動作開始時ΣbをΣsと設定する。z軸方向でのボルトとナットの距離は 0.1 [m]以内とする。
・タスクスキル動作:全軸インピーダンス制御で、インピーダンス中心をz軸方向に0.01 [m/s] で移動させる。目標位置はボルトとナットの距離よりも大きく設定し、0.1 [m]とする。
・終了条件:z軸方向に-7.5[N] 発生した時点で終了する。この時点でのΣbをΣsと再設定する。
【0028】
(2)ナット13への押付け動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述する。
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする。
・タスクスキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御で、z軸方向に 7.5 [N/s] で-7.5 [N] で押付ける。
・終了条件:4.0 [s]間押付けた時点で終了する。
【0029】
ボルト12をナット13に組付ける場合、ボルト12のΣbのz軸がナット13のΣnのz軸に対して一直線上に存在しないと、組付けを実現することはできない。そこで、(3)ナット13への軸合せ動作では、ボルト12のΣbのz軸をナット13のΣnのz軸と一直線上に設定するための、軸合せ動作手順と軸合せ評価基準を設定する。軸合せ動作は、ボルト12をナット13に押付けたまま、コンプライアンス中心の姿勢を変化させることである。軸合せが成功した場合には、ボルト12に大きなモーメントが発生するため、このモーメントに注目しながら、軸合せを実施する必要がある。
【0030】
図4にボルト12の面をΣsに関してxy平面で8分割した図を示す。ナット13への軸合せ動作では、インピーダンス中心を図4に示された AA'(pitch軸周り)、BB’、CC’(roll軸周り)、DD’方向に順次姿勢を変化させ軸合せを実施する。ナット13への軸合せ動作は、タスクスキルモデルを使って以下のように記述する。
【0031】
(3−1)図4のAA'(pitch軸周り)方向での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御とする。
z軸方向の力は -7.5 [N]を維持する。
インピーダンス中心をx軸方向に0.005 [m/s]で0.0 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にpitch軸周り(図4中AA'方向)に0.07 [rad/s] で 0.0 [rad] から-0.3 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をx軸方向に0.005 [m/s]で -0.005 [m] から0.005 [m]に移動させると同時にpitch軸周り(図4中AA'方向)に0.07 [rad/s] で -0.3 [rad] から0.3 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をx軸方向に0.005 [m/s]で 0.005 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にpitch軸周り(図4中AA'方向)に0.07 [rad/s] で 0.3 [rad] から0.0 [rad]に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−2)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−2)へ移行する。
【0032】
(3−2)図4のBB'方向での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御とする。
z軸方向の力は -7.5 [N]を維持する。
インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0 [m] から-0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中BB'方向となる roll軸周りに0.05 [rad/s] で 0.0 [rad] から0.21 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で0.0 [rad] から -0.21 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で -0.0035 [m] から0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で-0.0035 [m] から 0.0035 [m] に移動させると同時に図4中BB'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で0.21 [rad] から -0.21 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で -0.21 [rad] から0.21 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0035 [m] から-0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0035 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中BB'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で-0.21 [rad] から 0.0 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で 0.21 [rad] から0.0 [rad]に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−3)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−3)へ移行する。
【0033】
(3−3)図4のCC'(roll軸周り)方向での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御とする。
z軸方向の力は -7.5 [N]を維持する。
インピーダンス中心を y軸方向に0.005 [m/s]で0.0 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にroll軸周り(図4中CC'方向)に0.07 [rad/s] で 0.0 [rad] から0.3 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をy軸方向に0.005 [m/s]で -0.005 [m] から0.005 [m]に移動させると同時にroll軸周り(図4中CC'方向)に0.07 [rad/s] で 0.3 [rad] から-0.3 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をy軸方向に0.005 [m/s]で 0.005 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にroll軸周り(図4中CC'方向)に0.07 [rad/s] で -0.3 [rad] から0.0 [rad]に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−4)へ移行する。ただし、0.4 [Nm] 以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−4)へ移行する。
【0034】
(3−4)図4のDD方向'での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御とする。
z軸方向の力は -7.5 [N]を維持する。
インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0 [m] から0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中DD'方向となる roll軸周りに0.05 [rad/s] で 0.0 [rad] から0.21 [rad]、 pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で0.0 [rad] から 0.21 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0035 [m] から-0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で-0.0035 [m] から 0.0035 [m] に移動させると同時に図4中DD'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で0.21 [rad] から -0.21 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で 0.21 [rad] から-0.21 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で -0.0035 [m] から0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で 0.0035[m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中DD'方向となる roll軸周りに0.05 [rad/s] で -0.21 [rad] から0.0 [rad]、 pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で-0.21 [rad] から 0.0 [rad] に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−1)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−1)へ移行する。
ここで、ナット13の軸合せ動作の終了条件は、軸合せの評価基準を4回満たすまで軸合せ動作を繰り返し、4回発生した時点と設定する。
【0035】
(4)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の力解除動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする。
・タスクスキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御とする。z軸方向に 7.5 [N/s] で0.0 [N]で押し付ける。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0036】
(5)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の離脱動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:z軸方向に0.0[N] 発生状態とする。
・タスクスキル動作:全軸インピーダンス制御とする。インピーダンス中心をz軸方向に0.003 [m/s] で -0.015 [m]まで移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0037】
(6)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の回転動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:なし。
・タスクスキル動作:全軸インピーダンス制御とする。インピーダンス中心をz軸周りに0.1 [rad/s] で 3.14/2 [rad]まで回転させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0038】
(7)ナット13への組付け動作は、タスクスキルモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:z軸方向に-6.0[N] 発生状態とする。
・作業スキル動作:z軸力制御、その他の軸インピーダンス制御で、z軸方向の力は -6.0 [N]を維持したまま、インピーダンス中心をz軸回りに 0.1 [rad/s] で3.14 [rad]回転させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0039】
図5にボルト組付けタスクスキルを実装したボルト組付け装置によるボルト組付け作業の実行結果を示す。使用したボルト12はM20である。図5(a)はボルト12の点Oに作用する力、図5(b)はボルト12の点Oに作用するモーメント、図5(c)はボルト12の点Oの位置、図5(d)はボルト12の点Oの姿勢、図5(e)はインピーダンス中心の位置、図5(f)はインピーダンス中心の姿勢である。動作手順は図3の(1)、(2)、(3)、(7)となっている。位置誤差は、並進で5 [mm]、姿勢で10 [deg] 設定した。位置誤差がある状況でボルト組付け作業は問題なく実行されている。また、M8、M10、M12、M14、M16、M18、M20、M22、M24、M26、M28、M30においても、問題なくボルト組付け作業が実行できた。
【実施例2】
【0040】
図1は、本発明に関わるタスクスキル動作にインピーダンス制御を利用したタスクスキルによるボルト組付け装置1の全体構成図である。タスクスキル実行け装置10は、ロボット2(本実施例2ではロボットアーム)、力センサ3、ハンド4、カメラ5、ロボット制御装置6、ハンド制御装置7、力センサ情報取得装置8、カメラ制御装置9を有する。
【0041】
ロボット2は、多関節方式であり、ロボット制御装置6により位置制御で動作する。さらに、ロボット2を駆動するモータの電流を利用して力センサ3の代わりに利用することもできる。ハンド4の手先位置は、ロボット2の関節に設置されている関節角度計測装置(例、ポテンショメータ)により計算できることは周知技術である。
【0042】
ハンド4は、多指ハンドであり、ハンド制御装置7により指先が位置制御で動作する。
【0043】
タスクスキル実行装置10は、ロボット制御装置6に送信するロボット2の目標手先位置指令値とハンド制御装置7に送信するハンド4の目標指位置指令値をタスクスキル実装装置11から受信し、ロボット制御装置6で計算されるロボット2の現在手先位置情報と力センサ情報取得装置8で取得する力センサ3の情報とハンド制御装置7で計算されるハンド4の現在指位置情報とカメラ制御装置9で取得するカメラ5の映像をタスクスキル実装装置11へ送信する。
【0044】
タスクスキル実装装置11は、ナットの組付けタスクスキルが実装される。タスクスキルは、初期条件、タスクスキル動作、終了条件からなる一連の状態遷移を実現し、初期条件および終了条件はロボット2の位置、力センサ3の値、ハンド4の位置、カメラ5の映像情報で記述され、タスクスキル動作はインピーダンス制御で記述される。
【0045】
タスクスキル動作が記述されるインピーダンス制御において、インピーダンス制御での慣性ゲインをすべて 0.5 [kg]、ダンピングゲインを並進軸 200.0 [Ns/m]、 回転軸10.0 [Nm/(rad/s)]、剛性ゲインを並進軸500.0 [N/m]、 回転軸5.0 [Nm/rad]とする。
【0046】
図2は、ナット13にボルト12を組付ける作業の概要図である。ナット13は環境に固定されており、ボルト12はタスクスキル実行装置10のハンド4に把持される。Σbはボルト12に固定されたボルト座標系であり、点0が原点である。Σnはナット13に固定されたナット座標系であり、点Nが原点である。ロボット2の手先座標系は、ボルト12のボルト座標系Σbと一致する。
ボルト12を動かすタスクスキル動作は、タスクスキル動作座標系Σsで記述され、制御点はボルト12の点Oとするため、ボルト12に力、モーメントが作用しない場合には、ボルト12の点Oがボルト12のインピーダンス中心となる。Σsは、Σbを基準として決定され、原点も点Oと一致する。ここで、ボルト12が移動すると同時にΣbも移動するため、ある時点でのΣbをΣsと設定し、Σbが引き続き移動したとしてもΣsは設定された時点の位置に固定される。また、一度ΣsがΣbにより設定され、Σsを基準にしてΣbが移動したとしても、移動後のΣbを利用してΣsを新規に再設定できる。
【0047】
ボルト組付けタスクスキルの動作手順と個々の軸に対する制御方法は、
(1)ナット13への接近、接触動作
(2)ナット13への押付け動作
(3)ナット13への軸合せ動作
(4)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の離脱動作
(5)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の回転動作
(6)ナット13への組付け動作
と記述する。図6にボルトの組付けタスクスキルの動作手順のブロック図を示す。
【0048】
(1)ナット13への接近、接触動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述する。
・初期条件:Σbのz軸とΣnのz軸軸がある程度一致しており、動作開始時ΣbをΣsと設定する。z軸方向でのナットとボルトの距離は 0.1 [m]以内とする。
・タスクスキル動作:インピーダンス中心をz軸方向に0.01 [m/s] で移動させる。目標位置はボルトとナットの距離よりも大きく設定し、0.1 [m]とする。
・終了条件:z軸方向に-7.5[N] 発生した時点で終了する。この時点でのΣbをΣsと再設定する。
【0049】
(2)ナット13への押付け動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述する。
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする。
・タスクスキル動作:インピーダンス中心を固定し -7.5 [N] 発生させる。
・終了条件:4.0 [s]間押付けた時点で終了する。
【0050】
ボルト12をナット13に組付ける場合、ボルト12のΣbのz軸がナット13のΣnのz軸に対して一直線上に存在しないと、組付けを実現することはできない。そこで、(3)ナット13への軸合せ動作では、ボルト12のΣbのz軸をナット13のΣnのz軸と一直線上に設定するための、軸合せ動作手順と軸合せ評価基準を設定する。軸合せ動作は、ボルト12をナット13に押付けたまま、コンプライアンス中心の姿勢を変化させることである。軸合せが成功した場合には、ボルト12に大きなモーメントが発生するため、このモーメントに注目しながら、軸合せを実施する必要がある。
【0051】
図4にボルト12の面をΣsに関してxy平面で8分割した図を示す。ナット13への軸合せ動作では、インピーダンス中心を図4に示された AA'(pitch軸周り)、BB’、CC’(roll軸周り)、DD’方向に順次姿勢を変化させ軸合せを実施する。ナット13への軸合せ動作は、タスクスキルモデルを使って以下のように記述する。
【0052】
(3−1)図4のAA'(pitch軸周り)方向での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:インピーダンス中心をx軸方向に0.005 [m/s]で0.0 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にpitch軸周り(図4中AA'方向)に0.07 [rad/s] で 0.0 [rad] から-0.3 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をx軸方向に0.005 [m/s]で -0.005 [m] から0.005 [m]に移動させると同時にpitch軸周り(図4中AA'方向)に0.07 [rad/s] で -0.3 [rad] から0.3 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をx軸方向に0.005 [m/s]で 0.005 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にpitch軸周り(図4中AA'方向)に0.07 [rad/s] で 0.3 [rad] から0.0 [rad]に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−2)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−2)へ移行する。
【0053】
(3−2)図4のBB'方向での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作: インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0 [m] から-0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中BB'方向となる roll軸周りに0.05 [rad/s] で 0.0 [rad] から0.21 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で0.0 [rad] から -0.21 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で -0.0035 [m] から0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で-0.0035 [m] から 0.0035 [m] に移動させると同時に図4中BB'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で0.21 [rad] から -0.21 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で -0.21 [rad] から0.21 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0035 [m] から-0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0035 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中BB'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で-0.21 [rad] から 0.0 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で 0.21 [rad] から0.0 [rad]に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−3)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−3)へ移行する。
【0054】
(3−3)図4のCC'(roll軸周り)方向での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:インピーダンス中心を y軸方向に0.005 [m/s]で0.0 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にroll軸周り(図4中CC'方向)に0.07 [rad/s] で 0.0 [rad] から0.3 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をy軸方向に0.005 [m/s]で -0.005 [m] から0.005 [m]に移動させると同時にroll軸周り(図4中CC'方向)に0.07 [rad/s] で 0.3 [rad] から-0.3 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をy軸方向に0.005 [m/s]で 0.005 [m] から-0.005 [m]に移動させると同時にroll軸周り(図4中CC'方向)に0.07 [rad/s] で -0.3 [rad] から0.0 [rad]に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−4)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−4)へ移行する。
【0055】
(3−4)図4のDD方向'での軸合せ動作
・初期条件:z軸方向に-7.5 [N] 発生状態とする
・タスクスキル動作:インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0 [m] から0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中DD'方向となる roll軸周りに0.05 [rad/s] で 0.0 [rad] から0.21 [rad]、 pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で0.0 [rad] から 0.21 [rad]に移動させる。
次に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で 0.0035 [m] から-0.0035 [m]、y軸方向に 0.0035 [m/s] で-0.0035 [m] から 0.0035 [m] に移動させると同時に図4中DD'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で0.21 [rad] から -0.21 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で 0.21 [rad] から-0.21 [rad]に移動させる。
最後に、インピーダンス中心をx軸方向に0.0035 [m/s] で -0.0035 [m] から0.0035 [m] 、y軸方向に 0.0035 [m/s] で0.0035 [m] から -0.0035 [m] に移動させると同時に図4中DD'方向となる roll軸周りに 0.05 [rad/s] で-0.21 [rad] から 0.0 [rad]、pitch軸周りに 0.05 [rad/s] で -0.21 [rad] から0.0 [rad] に移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とし(3−1)へ移行する。ただし、0.4 [Nm]以上のモーメントが1.0[s]以上発生した(軸合せの評価基準を満たした)時点でも終了とし、この時点でのΣbをΣsと再設定して(3−1)へ移行する。
ここで、ナット13の軸合せ動作の終了条件は、軸合せの評価基準を4回満たすまで軸合せ動作を繰り返し、4回発生した時点と設定する。
【0056】
(4)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の離脱動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:z軸方向に0.0[N] 発生状態とする。
・タスクスキル動作:インピーダンス中心をz軸方向に0.005 [m/s] で -0.03 [m]まで移動させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0057】
(5)ナット13への軸合せ動作が失敗した場合の回転動作は、タスクスキルのモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:なし。
・タスクスキル動作:インピーダンス中心をz軸周りに0.1 [rad/s] で 3.14/2 [rad]まで回転させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0058】
(6)ナット13への組付け動作は、タスクスキルモデルを使って以下のように記述できる。
・初期条件:z軸方向に-7.5[N] 発生状態とする。
・作業スキル動作:インピーダンス中心をz軸回りに0.1 [rad/s] で 3.14 [rad]回転させる。
・終了条件:タスクスキル動作が完了した時点で終了とする。
【0059】
図7にボルト組付けタスクスキルを実装したボルト組付け装置によるボルト組付け作業の実行結果を示す。使用したボルトはM20である。図7(a)はボルト12の点Oに作用する力、図7(b)はボルト12の点Oに作用するモーメント、図7(c)はボルト12の点Oの位置、図7(d)はボルト12の点Oの姿勢、図7(e)はインピーダンス中心の位置、図7(f)はインピーダンス中心の姿勢である。動作手順は図6の(1)、(2)、(3)、(6)となっている。位置誤差は、並進で5 [mm]、姿勢で10 [deg] 設定した。位置誤差がある状況でボルト組付け作業は問題なく実行されている。また、M8、M10、M12、M14、M16、M18、M20、M22、M24、M26、M28、M30においても、問題なくボルト組付け作業が実行できた。
【0060】
以上、本発明に関わるボルト組付けタスクスキルによるボルト組付け装置を実施するための最良の形態を実施例1、実施例2に基づいて説明した。既に本発明を利用し、実施例で示したタスクスキルによるボルト組付け作業を実行した。このタスクスキルによるボルト組付け装置は、異なるサイズのボルト12や位置・姿勢誤差を含んだ様々な環境下でボルト組付け作業をすべて実現することができ、実際に使用できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0061】
これまでナット13とボルト12間に位置誤差があると、組付け作業が遂行できなかったが、本発明では前記のように位置誤差があっても問題なくボルト組付け作業を実現することができる。したがって、生産ロボットが使用されている生産現場だけでなく様々な環境で、ボルト組付け作業を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明であるタスクスキルによるボルト組付け装置の全体構成図である(実施例1、2)。
【図2】本発明でのナットとボルトの概要図である(実施例1、2)。
【図3】本発明でのタスクスキル動作にインピーダンスと力のハイブリッド制御を使用したボルト組付けタスクスキル動作手順である(実施例1)。
【図4】ボルトの面をロボットが動作するタスクスキル座標系のxy平面で8分割した図である(実施例1、2)。
【図5】本発明でのタスクスキル動作にインピーダンスと力のハイブリッド制御を使用したボルト組付けタスクスキルを実装したボルト組付け装置による実行結果である(実施例1)。
【図6】本発明でのタスクスキル動作にインピーダンス制御を使用したボルト組付けタスクスキル動作手順である(実施例2)。
【図7】本発明でのタスクスキル動作にインピーダンス制御を使用したボルト組付けタスクスキルを実装したボルト組付け装置による実行結果である(実施例2)。
【符号の説明】
【0063】
1 タスクスキルによるボルト組付け装置
2 ロボット
3 力センサ
4 ハンド
5 カメラ
6 ロボット制御装置
7 ハンド制御装置
8 力センサ情報取得装置
9 カメラ制御装置
10 タスクスキル実行装置
11 タスクスキル実装装置
12 ボルト
13 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットと、力センサと、ハンドと、カメラと、ロボットを制御する制御装置と、力センサ情報を取得する装置と、ハンドを制御する制御装置と、カメラを制御する制御装置と、インピーダンスと力のハイブリッド制御を利用したタスクスキルを実装するタスクスキル実装装置と、を有するタスクスキルによるボルト組付け装置。
【請求項2】
ロボットと、力センサと、ハンドと、カメラと、ロボットを制御する制御装置と、力センサ情報を取得する装置と、ハンドを制御する制御装置と、カメラを制御する制御装置と、インピーダンス制御を利用したタスクスキルを実装するタスクスキル実装装置と、を有するタスクスキルによるボルト組付け装置。
【請求項3】
前記タスクスキルによるボルト組付け装置のロボットは多関節方式であり、ロボットを駆動するモータの電流を利用して力センサの代わりに利用することができることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタスクスキルによるボルト組付け装置。
【請求項4】
前記ボルト組付けは、環境に固定されたナットに対して、ボルトを組付ける作業であり、ボルトの全サイズに対応し、ボルトの中心軸とナットの中心軸に位置と姿勢の誤差があっても、前記ボルト組付けを実現することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタスクスキルによるボルト組付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−212743(P2006−212743A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−28700(P2005−28700)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度、経済産業省原子力試験研究委託費「原子力ロボットの実環境技能蓄積技術に関する研究」、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】