説明

タービンガイドベーンの位置を制御するためのシステム、方法および装置

【課題】タービンガイドベーンの位置を制御するためのシステム、方法および装置を提供すること。
【解決手段】本発明の例示的実施形態によれば、少なくとも1つのタービンガイドベーンを制御するための方法が提供される。本方法は、少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連する基準信号(602)を受信するステップと、少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連するアクチュエータ位置(622)および角度位置(624)を測定するステップと、角度位置(624)に少なくとも部分的に基づいて不感帯信号(621)を生成するステップと、不感帯信号(621)および基準信号(602)に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にタービンに関し、詳細には、タービンガイドベーンの位置を制御するためのシステム、方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タービン圧縮機は、タービンの入口内の調節可能なガイドベーンを利用して、ある動作範囲にわたって空気流および圧力を制御することが多い。ガイドベーンは、通常、圧縮機ケーシングの固定(非回転)部に列をなして配置されており、場合によっては、40から60枚、またはそれ以上のベーンが各タービン上で使用されている。ベーンブレードの軸端部は、通常、圧縮機ケーシングを貫通して延在しており、各個々のベーンブレードを同時に回転させるリンク装置に取り付けられていることもある。例えば、「単一中心リング」を使用し、リングが圧縮機入口ケーシングの周囲で円周方向に回転する際、各個々のベーンブレードを回転させることができる。これらのベーンの一列が制御されるか、それとも複数の列が制御されるかに応じて、リンク装置要素をひとまとめにし、ベーンの列を同時に制御してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7422414(B2)号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リンク装置を動かしてガイドベーンを調節するために、通常、油圧アクチュエータを含むサーボシステムが使用される。例えば、リゾルバ、線形可変差動変圧器(LVDT:linear variable differential transformer)または線形可変差動磁気抵抗(LVDR:linear varibale differential reluctance)デバイスなどのトランスデューサを使用して、油圧アクチュエータの位置を監視し、サーボシステム内のコントローラにフィードバックすることができる。そのようなシステムに関する複雑な問題の1つは、幾何学的かつ回転的変換ばかりでなくリンク装置の製造公差および磨耗にも起因して、ベーンブレードのトランスデューサ測定値と実際の角度との間に複雑な非線形関係があり得ることである。ガイドベーンおよび/または可変ステータベーンの位置決めにおける正確さを欠くと、それに応じて機械を通る流れの制御における正確さを欠くことになり、おそらくは出力または効率性またはその両方の損失がもたらされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の必要性のいくつかまたは全ては、本発明のある実施形態により対処することができる。本発明のある実施形態が、例えば圧縮機入口ベーンおよび可変ステータベーンなど、タービンガイドベーンの位置を制御するためのシステム、方法および装置を含んでいてもよい。
【0006】
本発明の例示的実施形態によれば、少なくとも1つのタービンガイドベーンを制御するための方法が提供される。本方法は、少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連する基準信号を受信するステップと、少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連するアクチュエータ位置および角度位置を測定するステップと、角度位置に少なくとも部分的に基づいて不感帯信号を生成するステップと、不感帯信号および基準信号に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作するステップとを含む。
【0007】
別の例示的実施形態によれば、タービン内の空気流を制御するためのシステムが提供される。そのシステムは、ガスタービンと、タービン軸方向空気流を制御するように動作可能な少なくとも1つのガイドベーンと、コントローラとを含む。コントローラは、少なくとも1つのガイドベーンに関連する基準信号を受信し、少なくとも1つのガイドベーンに関連するアクチュエータ位置および角度位置を測定し、角度位置に少なくとも部分的に基づいて不感帯信号を生成し、不感帯信号および基準信号に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つのガイドベーンを操作するように構成されている。
【0008】
別の例示的実施形態によれば、タービン内の空気流を制御するための装置が提供される。装置は、タービン軸方向空気流を制御するように動作可能な少なくとも1つのガイドベーンと、コントローラとを含む。コントローラは、少なくとも1つのガイドベーンに関連する基準信号を受信し、少なくとも1つのガイドベーンに関連するアクチュエータ位置および角度位置を測定し、角度位置に少なくとも部分的に基づいて不感帯信号を生成し、不感帯信号および基準信号に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つのガイドベーンを操作するように構成されている。
【0009】
本発明の他の実施形態および態様が、本明細書に詳細に記載されており、本特許請求する発明の一部と考えられる。以下の詳細な説明、添付図面、および特許請求の範囲を参照すると、他の実施形態および態様を理解することができる。
【0010】
ここで、添付の表および図面を参照するが、それらは必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の例示的実施形態による直接ベーン角度制御システムに使用されている機器のブロック図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による例示的直接ベーン制御システムのブロック図である。
【図3】例示的制御システムのブロック図である。
【図4】例示的な架空のガイドベーン角度対コマンドのグラフである。
【図5】本発明の例示的実施形態によるリンク装置ヒステリシスを有する例示的ガイドベーン角度対コマンドのグラフである。
【図6】本発明の例示的実施形態による例示的複合不感帯制御システムのブロック図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による例示的ガイドベーン基準位置のグラフである。
【図8】本発明の例示的実施形態による例示的方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明の実施形態についてより完全に述べる。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載されている実施形態に限定されると見なされるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全なかつ完結したものとなるように、かつ当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供されている。全体を通じて、類似の数字は類似の要素を指している。
【0013】
本発明のある実施形態により、圧縮機入口ベーンおよび可変ステータベーンの角度位置制御が可能になり、したがって、タービン内の空気流制御が向上し得る。ある例示的実施形態によれば、リゾルバまたはエンコーダなどの回転角度測定デバイスの使用およびフィードバック制御システムにおけるそれらの使用を用いて、軸流圧縮機のための入口ガイドベーンおよび可変ステータベーンの角度位置の直接検知および直接制御を実現してもよい。例示的実施形態によれば、本発明は、ヒステリシスを有するシステムの直接フィードバック制御におけるどんな問題をも軽減するために、直接ベーン角度位置測定(direct angular vane position measurement)と従来の線形的アクチュエータ位置測定(linear actuator position measurement)の機構を組み合わせる制御アルゴリズムを含んでいてもよい。
【0014】
本発明の例示的実施形態は、圧縮機システムで使用するための入口ベーンまたは可変ステータベーンの直接回転角度測定を可能にする。例示的実施形態によれば、その測定値は、向上した精度および再現性でガスタービンまたは圧縮機システムのガイドベーンを位置決めするために、フィードバック制御システムに使用されてもよい。
【0015】
次に、本発明の例示的実施形態による、ガイドベーンの位置を制御するための種々の構成要素、リンク装置、センサ、およびサーボシステム構成について、添付図面を参照して述べる。
【0016】
図1は、本発明の例示的実施形態による、直接ベーン角度制御システムに使用される機器の例示的ブロック図を示す。本発明の例示的実施形態によれば、図1に示されている構成要素が、ガスタービン上の軸流圧縮機の入口ガイドベーン(IGV:inlet guide vane)および可変ステータベーン(VSV:variable stator vane)を制御するのに利用されてもよい。本発明の例示的実施形態によれば、油圧サーボ102を使用し、ガイドベーンアクチュエータ110を操作してもよい。ガイドベーンアクチュエータは、集合的にガイドベーンリンク装置システム114と呼ばれる(例えば引締めねじ、トルクチューブ、ユニゾンリング、レバー等などの)任意の数の構成要素に接続されていてもよい。本発明の例示的実施形態によれば、ガイドベーンリンク装置システム114の構成要素が、アクチュエータ110の直線運動をガイドベーン作動リング116の回転運動に変換するのに利用されてもよい。個々のベーンはレバーを介してベーン作動リング116に接続されていてもよく、ベーンは、ベーン作動リング116の運動に従って回転してもよい。本発明の例示的実施形態によれば、図1に示されている通り、線形可変差動トランスデューサ(LVDT:linear variable differential transducer)などの線形平行移動検知デバイス(linear translation sensing device)112が、ガイドベーンアクチュエータ110のラムまたはピストンの線形位置を監視するのに利用されてもよい。本発明の例示的実施形態によれば、また、(例えばリゾルバ、回転可変差動トランスデューサ(RVDT:rotational variable differential transducer)、またはエンコーダなどの)回転角度検知デバイス118が、個々のガイドベーンの回転を直接測定するのに使用されてもよい。
【0017】
図2は、本発明の例示的実施形態による例示的直接ベーン制御システム200のブロック図を示す。制御システム200は、コントローラ202を含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、コントローラ202は、メモリ204と、1つまたは複数のプロセッサ206と、1つまたは複数の入出力インターフェース208とを含んでいてもよい。本発明のある実施形態は、1つまたは複数のネットワークインターフェース210を含み得る。メモリ204は、オペレーティングシステム212とデータ214とを含んでいてもよい。本発明の例示的実施形態によれば、メモリ204は、112などの線形平行移動検知デバイスおよび118などの回転角度検知デバイスから受信された入力に基づいて、図1の110などの油圧アクチュエータを制御するための1つまたは複数の専用モジュールを用いて構成またはプログラムされていてもよい。例えば、メモリは、サーボモジュール216と、不感帯モジュール218とを含んでいてもよく、それらについて以下にさらに詳細に述べる。
【0018】
図3は、典型的な制御システムのブロック図を示す。この図は、本発明のある実施形態を使用することにより克服される可能性がある問題を示すために含まれている。図3の制御システム300は、例えば、ガスタービン圧縮機上の入口ガイドベーンまたは可変ステータベーンの位置制御のための機械的リンク装置を介して作動している油圧サーボシステムに利用されてもよい。例えば、位置コマンドまたは位置基準302がフィードバック304と加算されて、誤差306を生じてもよい。制御利得308が誤差306に適用されて、サーボ310への入力を供給し、それによりアクチュエータ312を制御してもよい。アクチュエータ位置320は、線形位置センサ318により(例えば、LVDT位置センサにより)測定され、フィードバック304に使用されてもよい。この場合、ガイドベーン位置324は、線形位置センサ318に基づいて調節されてもよく、線形位置センサ318は、リンク装置314により実際のガイドベーンから分離されていてもよい。本制御システム300を使用してリンク装置314の出力を調節し、基準302の出力に一致させてもよい。リンク装置314が適切でありかつ線形位置センサ318が適切に較正されると仮定すれば、線形位置センサ318の出力は、フィードバック制御目的でガイドベーン位置を予測するのに十分である可能性がある。
【0019】
図4は、前述の架空の状態を示し、そこでは、図1の114などのリンク装置は適切であり(例えば、ヒステリシスまたは遊びがなく)、図1の112などの線形平行移動検知デバイスは、適切に較正される。例えば、図4は、ガイドベーン角度402対ガイドベーンコマンド404の関数としてプロットされている理想的なトラッキングライン406を示す。トラッキングライン406は、この理想的な完全なシステムにおける理想的な応答408に従っており、そのような場合には、図3の300などの単純な制御システムが、そのような適切なシステムを制御するのに適している可能性がある。
【0020】
しかし、油圧アクチュエータのラムの直線運動を個々のガイドベーンの回転運動に変換するのに使用される任意の実際の機械的リンク装置では、リンク装置構成要素間の種々の嵌合における製造公差の累積により生起する、小さいがゼロでない量のスロップまたは遊びが必然的に存在している可能性がある。このスロップまたは遊びは、ベーン位置決めシステムに2つの望ましくない影響をもたらすおそれがある。すなわち(1)絶対位置決め精度が不足し得ること、および(2)ヒステリシスなどの影響により、再現性が不足し得ることになるおそれがある。本発明の例示的実施形態は、これらの影響をどちらも軽減することができる。
【0021】
図5は、本発明の例示的実施形態による、リンク装置ヒステリシスを有する例示的ガイドベーン角度対コマンド500のグラフを示す。この図では、ガイドベーン角度502は、ガイドベーンコマンド504の関数としてプロットされている。図4の場合と同様に、理想的なトラッキングライン506は、2つの変数(502、504)間の線形関係として示されている。しかし、図1の114などのリンク装置が不完全である場合、実際のガイドベーン角度508は、理想的なトラッキングライン506に従わず、代わりに、位置決め誤差510を有する可能性がある。
【0022】
既存の制御方法から脱却して、本発明の例示的実施形態によれば、図1の114などのリンク装置システムにおける遊び、非線形性等によるガイドベーンの位置決めにおける誤差が、図1の112などの線形平行移動検知デバイスを使用して、図1の110などのアクチュエータで測られた測定値と、図1の118などの回転角度検知デバイスを使用してガイドベーンで測られた測定値とを組み合わせることにより、少なくとも部分的に補償する、または低減することができる。
【0023】
図6は、本発明の例示的実施形態による複合不感帯制御システムのブロック図600を示しており、この複合不感帯制御システムは、ガイドベーンアクチュエータ位置622およびガイドベーン角度位置624をフィードバックとして利用し、また付加的に不感帯プロセス620またはモジュールを利用して、ガイドベーン制御における位置決め精度および再現性を向上させることができる。
【0024】
本発明の例示的実施形態によれば、公称ガイドベーン基準信号602を、制御システム600への入力として使用することができる。公称ガイドベーン基準信号602は、加算合流部604で不感帯信号621と加算されて、ガイドベーン基準信号606を生成してもよい。例示的実施形態では、測定されたガイドベーンアクチュエータ位置フィードバック信号619が、ガイドベーン基準信号606から差し引かれてもよく、結果として生じる誤差信号は、内部フィードバックループ626内で利用されてもよい。例示的実施形態によれば、内部フィードバックループ626は、制御利得608と、サーボ610と、(可動制限を有する)油圧アクチュエータ612と、ガイドベーンアクチュエータ位置センサ618とを含んでいてもよい。本発明の例示的実施形態によれば、ガイドベーンアクチュエータ位置センサ618は、以下に記載される内部フィードバックループ626および外部フィードバックループ628の両方の内部で使用するためのガイドベーンアクチュエータ位置フィードバック信号619を供給してもよい。
【0025】
本発明の例示的実施形態によれば、外部フィードバックループ628は、ガイドベーンアクチュエータ位置622を受信してもよく、このガイドベーンアクチュエータ位置は、(ヒステリシスを有する)リンク装置システム614を制御するのに利用されてもよく、ガイドベーンアクチュエータ位置センサ616により測定されてもよいガイドベーンアクチュエータ位置624をもたらす。例示的実施形態では、結果として生じる測定されたガイドベーン角度位置フィードバック信号617は、(内部フィードバックループ626により生成される)測定されたガイドベーンアクチュエータ位置フィードバック信号619から差し引かれてもよく、結果として生じる誤差は、不感帯プロセス620またはモジュール内に供給されてもよい。例示的実施形態によれば、不感帯プロセス620またはモジュールは、公称ガイドベーン基準信号602に付加されてもよい不感帯信号621を生成してもよい。
【0026】
例示的実施形態によれば、不感帯プロセス620は、不感帯プロセス620への関連する入力信号が所定の大きさを超過していない限り、約ゼロである不感帯信号621を生成することができる。例示的実施形態によれば、出力信号621は、入力信号が所定の大きさを超過しているとき、不感帯プロセス620の入力信号に線形的に関連している可能性がある。例えば、不感帯信号621は、関連する入力信号が最大測定限界の約0.05%を超過していない限り、約ゼロの出力信号を含んでいる可能性がある。入力信号が最大測定限界の約0.05%を超過しているとき、不感帯出力信号621は、不感帯プロセス620の入力信号に線形的に関連している可能性がある。本発明の例示的実施形態によれば、所定の限界が、必要に応じて設定または調節されてもよく、リンク装置システムおよび他の要素の条件によって、例えば最大測定限界の約0.01パーセントから最大測定限界の約10パーセントまで変動してもよい。例示的実施形態によれば、不感帯出力信号621は、ガイドベーンアクチュエータ(線形)位置622とガイドベーンアクチュエータ角度位置624との差に基づいていてもよい。
【0027】
図7は、本発明の例示的実施形態の、時間の関数としてのガイドベーン基準位置のグラフである。本グラフの実曲線は、例示的公称ガイドベーン基準位置702を表し、この例示的公称ガイドベーン基準位置は、図6の602などの制御システムへの入力として使用されてもよい。図1の114などの機械的リンク装置が遊びおよび/またはヒステリシスを含む場合、かつ図3の300などの制御システムが図3の304などの線形アクチュエータからのフィードバックのみが用いられる所で利用される場合、ガイドベーン位置が、例示的公称ガイドベーン位置702に正確に従わない可能性がある。そのような場合が、図7に704と表示された曲線に示されている。しかし、(ヒステリシスを有する)比較的類似した機械的システムでは、図6にあるものなどの複合不感帯制御システム600が利用される場合、線形および角度アクチュエータフィードバックを用いる実際のガイドベーン位置706は、公称ガイドベーン基準位置702により正確に従う可能性がある。
【0028】
次に、少なくとも1つのタービンガイドベーンを制御するための例示的方法800について、図8のフローチャートを参照して述べる。方法800はブロック802で開始し、そこでは、本発明の例示的実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連する基準信号を受信するステップを含む。ブロック804では、方法800は、少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連するアクチュエータ位置と角度位置とを測定するステップを含む。ブロック806では、方法800は、角度位置に少なくとも部分的に基づいて、不感帯信号を生成するステップを含む。ブロック808では、方法800は、不感帯信号および基準信号に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作するステップを含む。方法800は、ブロック808の後に終了する。
【0029】
したがって、本発明の例示的実施形態は、向上した精度でガスタービンまたは圧縮機システムのガイドベーンを位置決めすることを実現する、あるシステムおよび方法を作り出す技術的効果をもたらすことができる。本発明の例示的実施形態は、向上した精度でガスタービンまたは圧縮機システムのガイドベーンを位置決めするためのシステムおよび方法を実現するさらなる技術的効果をもたらすことができる。
【0030】
本発明の例示的実施形態では、直接ベーン制御システム100、200および複合不感帯制御システム600は、実行されて動作のいずれかを促進する任意の数のソフトウェアアプリケーションおよび/またはハードウェアアプリケーションを含んでいてもよい。
【0031】
例示的実施形態では、1つまたは複数のI/Oインターフェースが、直接ベーン制御システム100、200および複合不感帯制御システム600と、1つまたは複数の入出力デバイスとの間の通信を促進してもよい。例えば、USBポート、シリアルポート、ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、および/またはディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、コントロールパネル、タッチスクリーンディスプレイ、マイクロホン等などの1つまたは複数のユーザインターフェースデバイスが、直接ベーン制御システム100、200および複合不感帯制御システム600とのユーザ相互作用を促進してもよい。1つまたは複数のI/Oインターフェースは、多種多様な入力デバイスからデータおよび/または取扱説明書を受信するかまたは収集するのに利用されてもよい。受信されたデータは、本発明の種々の実施形態で所望される1つまたは複数のコンピュータプロセッサにより処理されてもよいかつ/または1つまたは複数のメモリデバイス内でソートされてもよい。
【0032】
1つまたは複数のネットワークインターフェースが、直接ベーン制御システム100、200および複合不感帯制御システム600の入力/出力を1つまたは複数の適切なネットワークおよび/または接続部、例えばシステムに関連付けられた任意の数のセンサとの通信を容易にする接続部に接続することを容易にすることができる。1つまたは複数のネットワークインターフェースは、1つまたは複数の適切なネットワーク、例えば外部デバイスおよび/または外部システムとの通信のための、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インターネット、セルラーネットワーク、無線周波数ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)が使用可能なネットワーク、ワイファイ(登録商標)が使用可能なネットワーク、衛星を利用したネットワーク、任意の有線ネットワーク、任意の無線ネットワーク等、への接続をさらに促進してもよい。
【0033】
所望に応じて、本発明の実施形態が、図1、2および6に示されている構成要素のおおよそを有する、直接ベーン制御システム100、200と、複合不感帯制御システム600とを含んでいてもよい。
【0034】
本発明は、本発明の例示的実施形態によるシステム、方法、装置および/またはコンピュータプログラムのブロック図ならびに流れ図を参照して記載されている。当然のことながら、ブロック図および流れ図の1つまたは複数のブロック、ならびにブロック図および流れ図それぞれのブロックの組合せを、コンピュータ実行可能プログラム命令により実施することができる。同様に、本発明のいくつかの実施形態によれば、ブロック図および流れ図のいくつかのブロックが、必ずしも示されている順番で実施される必要がない可能性があるか、または全く実施される必要がない可能性がある。
【0035】
これらの実行可能プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラム可能なデータ処理装置上にロードされて、コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行する命令が流れ図の単数または複数のブロックに明記されている1つまたは複数の機能を実行するための手段を作り出すような、特別のマシンを作り出してもよい。これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に命令して、コンピュータ可読メモリ内に格納されている命令が、流れ図の単数または複数のブロックに明記されている1つまたは複数の機能を実行する命令手段を含む製品を作り出すような特定の方法で機能するコンピュータ可読メモリ内に格納されていてもよい。例として、本発明の実施形態が、内部で実施されるコンピュータ可読プログラムコードまたはプログラム命令を有するコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータプログラムを提供してもよく、前記コンピュータ可読プログラムコードは、実行されて、流れ図の単数または複数のブロックに明記されている1つまたは複数の機能を実施するようになされている。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上にロードされて、一連の動作要素またはステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実施されて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令が、流れ図の単数または複数のブロックに明記されている機能を実施するための要素またはステップを実現するような、コンピュータ実施型プロセスを作り出してもよい。
【0036】
したがって、ブロック図および流れ図のブロックが、明記された機能を実施するための手段の組合せ、明記された機能を実施するための要素またはステップと明記された機能を実施するためのプログラム命令手段との組合せをサポートする。また、当然のことながら、ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組合せは、明記された機能、要素もしくはステップ、または専用のハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実施する、専用のハードウェアベースのコンピュータシステムにより実施することができる。
【0037】
本発明を、現在最も実践的かつ多様な実施形態と考えられるものに関連して記載したが、本発明は開示された実施形態に限定されるべきではなく、逆に、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる種々の修正形態および等価の装置を包含するものと理解すべきである。本明細書に特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ記述的な意味で使用されているに過ぎず、限定目的ではない。
【0038】
本記述は、例を使用して、最良の形態を含めて本発明を開示しており、また、任意のデバイスまたはシステムを作製し使用することおよび任意の援用されている方法を実施することを含めて、いずれの当業者も本発明を実践することができるようにしている。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲に記載されており、当業者に思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言と僅かにしか異ならない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあるものとされる。
【符号の説明】
【0039】
100、200 直接ベーン制御システム
102 油圧サーボ(システム)
110 ガイドベーンアクチュエータ
112 線形平行移動検知デバイス(LVDT)
114 リンク装置システム
116 ガイドベーン作動リング
118 回転角度検知デバイス(RVDT)
202 コントローラ
204 メモリ
206 プロセッサ(単数または複数)
208 入出力インターフェース(単数または複数)
210 ネットワークインターフェース(単数または複数)
212 オペレーティングシステム
214 データ
216 サーボモジュール
218 不感帯モジュール
300 制御システム
302 位置基準
304 フィードバック
306 誤差
308、608 制御利得
310、610 サーボ
312 アクチュエータ
314 リンク装置
318 線形位置センサ
320 アクチュエータ位置
324 ガイドベーン位置
402、502 ガイドベーン角度
404、504 ガイドベーンコマンド
406、506 理想的なトラッキングライン
408 理想的な応答
500 リンク装置ヒステリシスを有する例示的ガイドベーン角度対コマンド
508 実際のガイドベーン角度
510 位置決め誤差
600 (複合不感帯)制御システム
602 公称ガイドベーン基準信号
604 加算合流部
606 ガイドベーン基準信号
612 (位置限界を有する)油圧アクチュエータ
614 (ヒステリシスを有する)リンク装置システム
616 ガイドベーンアクチュエータ位置センサ
617 ガイドベーン角度位置フィードバック信号
618 ガイドベーンアクチュエータ位置センサ
619 ガイドベーンアクチュエータ位置フィードバック信号
620 不感帯プロセス
621 不感帯信号
622 ガイドベーンアクチュエータ(線形)位置
624 ガイドベーンアクチュエータ角度位置
626 内部フィードバックループ
628 外部フィードバックループ
702 公称ガイドベーン(基準)位置
704 線形アクチュエータフィードバックのみを用いたガイドベーン位置
706 線形および角度アクチュエータフィードバックを用いたガイドベーン位置
800 方法
802、804、806、808 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのタービンガイドベーンを制御するための方法であって、
前記少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連する基準信号(602)を受信するステップと、
前記少なくとも1つのタービンガイドベーンに関連するアクチュエータ位置(622)および角度位置(624)を測定するステップと、
前記角度位置(624)に少なくとも部分的に基づいて不感帯信号(621)を生成するステップと、
前記不感帯信号(621)および前記基準信号(602)に少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記不感帯信号(621)を生成する前記ステップが、前記アクチュエータ位置(622)と前記角度位置(624)との差にさらに基づく、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記不感帯信号(621)を生成する前記ステップが、関連する入力信号が所定の大きさを超過していない限り、約ゼロの出力信号を生成することを含み、前記入力信号が前記所定の大きさを超過しているとき、前記出力信号が前記入力信号に線形的に関連している、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記不感帯信号(621)を生成する前記ステップが、関連する入力信号が最大測定限界の約0.05パーセントを超過していない限り、約ゼロの出力信号を生成することを含み、前記入力信号が前記最大測定限界の約0.05パーセントを超過しているとき、前記出力信号が連続的、かつ前記入力信号に線形的に関連している、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作する前記ステップが、前記アクチュエータ位置(622)にさらに基づく、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作する前記ステップが、前記アクチュエータ位置(622)に少なくとも部分的に基づくフィードバックを含む内部フィードバックループ(626)にさらに基づく、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのタービンガイドベーンを操作する前記ステップが、前記角度位置(624)を含む外部フィードバックループ(628)にさらに基づく、請求項1記載の方法。
【請求項8】
タービン内の空気流を制御するためのシステムであって、
ガスタービンと、
タービン軸方向空気流を制御するように動作可能な少なくとも1つのガイドベーンと、
コントローラとを備え、前記コントローラが、
前記少なくとも1つのガイドベーンに関連する基準信号(602)を受信し、
前記少なくとも1つのガイドベーンに関連するアクチュエータ位置(622)および角度位置(624)を測定し、
前記角度位置(624)に少なくとも部分的に基づく不感帯信号(621)を生成し、
前記不感帯信号(621)および前記基準信号(602)に少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも1つのガイドベーンを操作する
ように構成されている、システム。
【請求項9】
前記不感帯信号(621)が、前記アクチュエータ位置(622)と前記角度位置(624)との差にさらに基づく、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記不感帯信号(621)が、関連する入力信号が所定の大きさを超過していない限り、約ゼロの出力信号を含み、前記入力信号が前記所定の大きさを超過しているとき、前記出力信号が前記入力信号に線形的に関連している、請求項8記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−231764(P2011−231764A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96658(P2011−96658)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】