デバイス及びその制御方法、並びにプログラム
【課題】ホストがデバイスに装着されたメモリカードへのアクセスを終えた後、他のホストから該メモリカードへのアクセスを確実に防止できるようにする。
【解決手段】ホストがデバイスに装着されたメモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持するアンマウント状態保持部を設ける。ホストがアンマウント処理を実行した直後からメモリカードの着脱が検知されるまでの期間は、ホストアンマウント状態保持部の値がtrue(有効)を保持する。trueの期間は他のホストからのホストマウント要求を拒否する。これにより、ホストがデバイスに装着されたメモリカードへのアクセス処理を終えた後、メモリカードを装着したままの状態では他のホストからメモリカードの内容を読み書きできないようになる。
【解決手段】ホストがデバイスに装着されたメモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持するアンマウント状態保持部を設ける。ホストがアンマウント処理を実行した直後からメモリカードの着脱が検知されるまでの期間は、ホストアンマウント状態保持部の値がtrue(有効)を保持する。trueの期間は他のホストからのホストマウント要求を拒否する。これにより、ホストがデバイスに装着されたメモリカードへのアクセス処理を終えた後、メモリカードを装着したままの状態では他のホストからメモリカードの内容を読み書きできないようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複合機などのデバイス及びその制御方法、並びに、前記制御方法を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のホストコンピュータ(単にホストと記す)で1台のデジタル複合機(MPF:Multi Function Peripherals)などのデバイスを共有する無線通信システムは従来より一般的に知られている。デジタル複合機は、コピー、ファクシミリ、プリンタ、スキャナ、メモリカードリーダライタなどの複数の機能を1台に集約した機器をいう。
【0003】
このような無線通信システムにおいて、デバイスに備える着脱可能なメモリカードをホストがファイルシステムとして使用することがあった。即ち、デバイスに装着されたメモリカードの内容を、通信接続を確立したホストがファイルシステムとして使用する技術である。ホストの利用者が、メモリカードのリーダ・ライタを備えたデバイスに、メモリカードを装着してその内部データの読み書き処理を行うことができる。
【0004】
上記のような無線通信システムにおいて、メモリカードの内部データに対するセキュリティ技術としては、例えば、特許文献1に記載される技術がある。この特許文献1の技術では、メモリカードの内部にアクセスするホストを特定する情報(特定情報)を予め格納しておく。そして、デバイスがメモリカードの装着を検出した際に、メモリカードから前記特定情報を取得し、これをアクセス制御情報として、前記特定情報に対応するホストからメモリカードへのアクセスだけを許可するように制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−210154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のような、メモリカードに対するアクセス制御の構成を備えた無線通信システムでは、次のような問題点がある。
【0007】
ホストを特定する情報(特定情報)をメモリカード内部に予め格納しておく必要があり、そのためにユーザは煩雑な作業を強いられる。また、使用するメモリカードに前記特定情報が格納されていない場合も想定され、このような場合には、メモリカードに対して特別なアクセス制御の仕組みを備えていないデバイスと同様の問題が発生する。即ち、ホストの利用者がメモリカードをデバイスに装着してその内部データの読み書き処理を終了させた直後からメモリカードを取り外すまでの間は、他のホストの利用者が当該メモリカードをアクセスすることが可能な状態となる。そのため、メモリカード内の情報に対するセキュリティ面で問題となっていた。
【0008】
この点について、図15のシーケンス図を参照して具体的に説明する。
【0009】
ホスト1がデジタル複合機に装着されたメモリカードに対してアクセスしている最中に、他のホスト2が他人のメモリカードへのアクセスを試みるため、該デジタル複合機に対してメモリカードジョブ処理要求(図15のT310)を発行することを想定する。
【0010】
ホスト1は、デジタル複合機に対して、メモリカードのファイルシステムとして使用を終えるべくメモリファイルアンマウントを発行することにより(T304)、メモリカードへのアクセスを完了する。しかし、メモリカードがデジタル複合機に装着されたままであると、デジタル複合機が他のホスト2からのメモリカードジョブを受け付けてしまう。つまり、他のホスト2から発行されたメモリカードジョブ処理要求(T310)に対してデジタル複合機が、メモリファイルマウント(T312)やメモリファイル操作(T313)などのホスト2からのメモリジョブに対してそのまま応答することになる。
【0011】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、次のような、デバイス及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。即ち、外部装置がデバイスに装着されたメモリカードへのアクセスを終えた後、他の外部装置から該メモリカードへのアクセスを確実に防止できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のデバイスは、外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスにおいて、前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付ける手段と、前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持するアンマウント状態保持手段と、前記アンマウント状態保持手段に保持されている情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御するアクセス制御手段とを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部装置がデバイスに装着されたメモリカードへのアクセスを終えた後、他の外部装置から該メモリカードへのアクセスを確実に防止することができ、デバイスに装着されたメモリカード内の情報に対するセキュリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態における無線通信システムの構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態におけるデジタル複合機及びコントローラユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態におけるデジタル複合機のソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態におけるホストのコントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態におけるホストのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態における処理シーケンスを示すシーケンス図である。
【図7】第1の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図8】ホストに対するメモリカードマウント拒否通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図9】デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローを示すフローチャートである。
【図10】ホスト側のメモリカードマウント許可受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図11】ホスト側のメモリカードマウント拒否受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図12】第2の実施の形態におけるデジタル複合機のソフト構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図14】第2の実施の形態におけるデジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理を示すフローチャートである。
【図15】従来の無線通信システムの処理シーケンスを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
<実施の形態における無線通信システム>
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムの構成を示す模式図である。
【0017】
この無線通信システムは、複数のホスト1,2で1台のデジタル複合機(デバイス)20を共有する構成であり、ホスト1,2とデジタル複合機20は、一対一の無線USB通信の接続の確立が行われる。本例では、デジタル複合機20に対してホスト1,2からそれぞれ印刷データを送信する場合を示している。
【0018】
ホスト1は、プリントジョブ処理要求としてビーコンBCaをデジタル複合機20に送信し、無線通信接続を確立する。そして無線通信接続の確立後、ホスト1は印刷データをデジタル複合機20に送信し、デジタル複合機20は印刷データを処理する。印刷データの処理終了後は、ホスト1又はデジタル複合機20から無線接続を切断する。
【0019】
一方、ホスト2はプリントジョブ処理要求としてビーコンBCbをデジタル複合機20に送信する。そのとき、デジタル複合機20はホスト1と無線通信を確立している。そのため、デジタル複合機20は、ホスト1の印刷データを処理した後に無線通信を切断し、その後にホスト2と無線通信接続を確立する。そして、デジタル複合機20はホスト2の印刷データを処理し、印刷データの処理終了後は、ホスト2又はデジタル複合機20から無線接続を切断する。
【0020】
<デジタル複合機(デバイス)の構成>
図2は、実施の形態におけるデバイスの一例であるデジタル複合機の構成、特にコントローラユニットの構成を示すブロック図である。
【0021】
(A)コントローラユニットのハード構成
デジタル複合機20は、コントローラユニット200、プリンタ210、スキャナ220、及び操作ユニット230などを備えている。
【0022】
コントローラユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ220や画像出力デバイスであるプリンタ210と接続し、一方では無線通信制御部1600を通じてホストと接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。
【0023】
コントローラユニット200には、CPU1100、RAM1110、ROM1120、プリンタI/F1300、スキャナI/F1400、操作部I/F1500、及び無線通信制御部1600を備えている。さらに、実施の形態に特徴的な構成モジュールとして、メモリカードリーダライタユニット(以下、単にカードリーダライタと記す)1700、及びカード着脱検知部1710を備えている。これら各構成モジュールは、内部バス1000に接続されている。
【0024】
CPU1100は、システム全体を制御するコントローラである。RAM1110はCPU1100が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM1120は、プログラム格納ROMであり、システムのブートプログラム及びシステムアプリケーションが格納されている。
【0025】
プリンタI/F1300は、プリンタ210と接続して、プリンタ210のCPUとそれぞれ通信を行うほか、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナI/F1400は、スキャナ220と接続して、スキャナ220のCPUとそれぞれ通信を行うほか、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0026】
操作部I/F1500は、操作ユニット(UI)230とのインターフェース部であり、操作ユニット230に表示する画像データを操作ユニット230に対して出力する。また、操作ユニット230から本システム使用者が入力した情報を、CPU1100に伝える役割をする。無線通信制御部1600は、アンテナ21を介してホストに接続し、出力用画像データの入出力や機器制御に関わる情報の入出力を行う。
【0027】
カードリーダライタ1700は、着脱自在なメモリカード240の内容をリードライト制御するものである(メモリカード制御手段の一例)。メモリカード240には、画像データ等のファイルを格納することを想定し、スキャナ220で読み取った画像を格納したり、格納済みの画像をプリンタ210で印刷することが可能である。また、無線通信制御部1600を通じて無線接続したホストが、メモリカード240をファイルシステムとしてマウント(使用)しファイル操作を行うことも可能である。
【0028】
なお、メモリカード240は、デジタル複合機20に着脱可能な構成とする。カード着脱検知部1710は、メモリカードの着脱を検知するものである。つまり、メモリカード240がカードリーダライタ1700に装着又は取り外されたことを検知するものである。具体的な例としては、メモリカードを装着するためのコネクタに装備される検知手段であり、メモリカードの着脱により電気信号を発生するものである。
(B)デジタル複合機のソフト構成
図3は、本実施の形態におけるデジタル複合機20のソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【0029】
デジタル複合機20に搭載されるソフトウェアには、画像処理や、プリント・スキャン処理、ホストとの通信処理などの機器全般の制御を行うコントローラOS300が配備されている。コントローラOS300は、デジタル複合機20のCPU1100及びRAM1110で実行されるものである。
【0030】
コントローラOS300は、第1の実施の形態における特徴的な部分を成す、無線制御デバイスドライバ310とメモリカードデバイスドライバ320を備えている。無線制御デバイスドライバ310は、無線通信制御部1600の制御処理を行うためのドライバであり、メモリカードデバイスドライバ320は、カードリーダライタ1700とカード着脱検知部1710の制御処理を行うためのドライバである。
【0031】
無線通信制御デバイスドライバ310は、無線通信制御部1600のハードウェア制御を行うための無線通信ハード入出力部311を備えている。また、メモリカードデバイスドライバ320は、リーダライタハード入出力部321、ホストアンマウント状態保持部322、及びマウントステータス通知部323を備えている。
【0032】
リーダライタハード入出力部321は、カードリーダライタ1700のハード制御を行うためのモジュールである。ホストアンマウント状態保持部322は、カードリーダライタ1700に装着されたメモリカードに対するホストのアンマウント処理状態をフラグ値として保持するためのモジュールである。マウントステータス通知部323は、ホストに対してメモリファイルシステムのマウントステータスを通知するためのモジュールである。
【0033】
具体的には、ホストアンマウント状態保持部322は、無線通信制御部1600に無線接続されたホストがアンマウント処理(つまり、メモリカードへのアクセスを終えるための処理)を実行すると、保持するフラグ値をtrue(有効)に設定する。そして、カード着脱検知部1710がメモリカードの着脱を検知すると、フラグ値がfalse(無効)に設定されるような構成とする。即ち、ホストがアンマウント処理を実行した直後からメモリカードの着脱が検知されるまでの期間は、ホストアンマウント状態保持部322の値がtrueを保持する。そして、ホストアンマウント状態保持部322のフラグ値がfalseの期間は、ホストからのホストマウント要求を許可し、trueの期間はホストからのホストマウント要求を拒否するものである。
【0034】
マウントステータス通知部323は、ホストアンマウント状態保持部322に保持された値の状態を判断し、無線通信制御部1600を通じてホストに対して、カードリーダライタ1700に装着されたメモリカード240へのアクセスの可否を通知する。
【0035】
<ホストの構成>
(A)コントローラのハード構成
図4は、実施の形態におけるホストのコントローラ(ホストコントローラ)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0036】
ホストコントローラ100は、ディスプレイ101や、図示しないキーボード及びマウスなどと接続し、一方ではホスト用無線USBアンテナ11を介して無線USB通信の制御を行うコントローラである。
【0037】
このホストコントローラ100は、CPU102、ROM103、RAM104、HDD105、表示制御部106、各種IOI/F107、及び無線通信制御部108を備え、これらがシステムバス109に接続されている。
【0038】
CPU102は、システム全体を制御するコントローラであり、コントローラ内部で行われる各種処理について統括的に制御する。ROM103は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。RAM104は、CPU102が動作するためのシステムワークメモリであり、また、印刷データ等の画像データを一時記憶するための画像メモリとしても使用する。
【0039】
HDD105は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することを可能とする。表示制御部106は、ディスプレイ101に表示する画像データをディスプレイ101に対して出力する。各種IO I/F107は、図示しないキーボードやマウスなどの入出力I/Fの制御部であり、有線USBなどの制御部になる。また、図示しないLANなどの通信網などとの制御部でもある。無線通信制御部108は、外部に無線USB通信を行うデバイスがある場合に、ホスト用無線USBアンテナ11を介して無線USB通信の制御を行う。
【0040】
(B)ホストのソフト構成
図5は、実施の形態におけるホストのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0041】
ホストOS150は、本実施の形態の特徴的な部分である、ファイルシステム管理部160と複合機デバイスドライバ170を備えている。ホストOS150は、ホスト1,2のCPU102、RAM104、ROM103、及びHDD105で実行されるものであり、機器全体の制御を行う。
【0042】
ファイルシステム管理部160は、ホストのファイルシステムを管理するものであり、機器内部のHDDのみならず、機器外部に接続される記憶装置をファイルシステムとして管理するものである。本実施の形態においては、デジタル複合機20が備えるメモリカードをファイルシステムとして利用する場合の管理処理を行うことを想定している。
【0043】
複合機デバイスドライバ170は、無線通信制御部108を介してデジタル複合機を制御するためのドライバであり、次のような各モジュールで構成されている。即ち、無線通信ハード入出力部171、ファイルマウント制御通知部172、ステータス受信処理部173、及びファイルシステム入出力部174で構成されている。
【0044】
無線通信ハード入出力部171は、無線通信制御部108のハード制御を行うためのモジュールであり、ファイルマウント制御通知部172は、デジタル複合機に対してファイルシステムのマウント要求を通知するためのモジュールである。また、ステータス受信処理部173は、デジタル複合機から受信したファイルマウントステータスに応じてファイルシステム管理部160に対してファイルシステムのマウントが成功したか許可されなかったかを通知するためのモジュールである。ファイルシステム入出力部174は、デジタル複合機20とファイルシステム間のファイルデータの転送を行うためのモジュールである。
【0045】
<デバイス側の処理>
(A)実施の形態における処理シーケンス
図6は、実施の形態における処理シーケンスを示すシーケンス図である。このシーケンス図は、前述した従来技術における図15のシーケンス図に対応するものであり、図15との対比を明確にするために、共通する要素には同一の符号が付されている。
【0046】
本実施の形態で特徴的なシーケンスは、デジタル複合機20(デバイス)が発行するメモリファイルマウント許可通知(T321)とメモリファイルマウント拒否通知(T331)である。いずれの通知も、デジタル複合機20からホストに対して発行する、メモリファイルシステムの使用可否を示すマウントステータス通知である。
【0047】
即ち、デジタル複合機20が初期状態ではホストに対して、メモリファイルマウント許可通知を発行する。その後、メモリカードアンマウント後にメモリカードを取り外さなければ、他のホストからのメモリファイルマウント要求に対してメモリファイルマウント拒否通知を発行する。このシーケンスにより、メモリカードジョブの実行後にメモリカードをデジタル複合機20本体から取り外すまでの間、他のホストからのメモリカードに対するアクセスを制限することが可能となる。
【0048】
図6に沿って具体的に説明する。デジタル複合機20は、ホスト1からメモリカードジョブ処理要求(T300)を受けると、接続要求をホスト1に出し(T301)、ホスト1から、メモリカードのファイルシステムとしての使用を要求するメモリファイルマウントを受ける(T302)。
【0049】
メモリファイルマウントを受けたデジタル複合機20は、マウントステータス通知部323により、メモリカードのファイルシステムとしての使用を許可するか拒否するかのステータスとしてメモリファイルマウントステータスを返送する(T321)。本例では、ホスト1のユーザが装着したメモリカードに初めてアクセスする場合を示しており、メモリカードのファイルシステムとしての使用を許可すべくメモリファイルマウント許可通知を発行する。
【0050】
その後、ホスト1のユーザは、メモリファイル操作(T303)を行った後、メモリカードに対するアクセスを終えるべくメモリファイルアンマウントを発行する(T304)。デジタル複合機20はメモリカードジョブ終了を確認して通信を切断するために切断要求(T305)を出してジョブを終了する。このとき、メモリカードはデジタル複合機20に装着されたままの状態を想定する。
【0051】
一方、ホスト2はホスト1のユーザがメモリファイル操作(T303)している最中に、他人のメモリカード240へのアクセスを試みるためメモリカードジョブ処理要求(T310)を発行する。すると、デジタル複合機20はホスト1とのメモリカードジョブ処理を終了後、ホスト2に対して接続要求(T311)を出し、ホスト2からメモリファイルマウントを受ける(T312)。
【0052】
メモリファイルマウントを受けたデジタル複合機20は、マウントステータス通知部323により、ホスト2に対して、メモリファイルへのアクセスを許可するか拒否するかのステータスとしてメモリファイルマウントステータスを返送する(T331)。本例では、デジタル複合機20にホスト1のユーザのメモリカードが装着されたままであるため、ホスト2に対してはメモリファイルマウント拒否を通知する。
【0053】
デジタル複合機20としては、メモリファイルマウントを拒否通知したことでメモリカードジョブを完了することができるため、ホスト2に対して切断要求(T315)を出してジョブを終了する。
【0054】
(B)ホストに対するメモリカードマウント許可通知制御
次に、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御について、図7を参照して説明する。
【0055】
本項で説明する内容は、図6で説明した、ホスト1が実行するメモリカードジョブ処理のうち次の3点に相当する。即ち、メモリファイルマウント(T302)とメモリファイルマウント許可通知(T321)、メモリファイルアンマウント(T304)に起因するデジタル複合機側の内部処理に対応する。
【0056】
図7は、第1の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。ホストアンマウント状態保持部322の状態に応じた処理を説明するために、無線通信制御部1600と各デバイスドライバ310,320の処理関係をシーケンスに従い説明する。本例は、ホストアンマウント状態保持部322が、falseの状態である場合、つまりホストからのホストマウント要求を許可する場合である。
【0057】
ホストによるホストマウント要求(T400)を無線通信制御部1600が受信すると、無線通信制御デバイスドライバ310からメモリカードデバイスドライバ320に対してメモリカードマウント許可確認(T401)を発行する。メモリカードデバイスドライバ320は、ホストアンマウント状態保持部322がfalseの状態であるので、マウントステータス通知部323を用いて無線通信デバイスドライバへメモリカードマウント許可(T402)を通知する。すると、無線通信制御デバイスドライバ310は無線通信制御部1600を制御しホストに対してホストマウント許可(T403)を送信する。ここまでの処理で、ホストはメモリカードをファイルシステムとしてマウントすることができたので、メモリカード240の内容を読み書きすることが可能になる。
【0058】
ホストは、メモリカード240の内容を読み書きする処理を終了すると、メモリファイルのアンマウントを行う。ホストによるホストアンマウント指示(T404)を無線通信制御部1600が受信すると、無線通信制御デバイスドライバ310からメモリカードデバイスドライバ320に対してメモリカードアンマウントを発行する(T405)。メモリカードデバイスドライバ320は、メモリカード240をファイルシステムとしてアンマウントすると共にホストアンマウント状態保持部322をtrueの状態にセットする。
【0059】
(C)ホストに対するメモリカードマウント拒否通知制御
次に、ホストに対するメモリカードマウント拒否通知に関わる制御について、図8を参照して説明する。
【0060】
本項で説明する内容は、図6で説明した、ホスト2が実行するメモリカードジョブ処理の中で、メモリファイルマウント(T312)とメモリファイルマウント拒否通知(T331)に起因するデジタル複合機側の内部処理に対応する。
【0061】
図8は、ホストに対するメモリカードマウント拒否通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0062】
ホストアンマウント状態保持部322の状態に応じた処理を説明するために、無線通信制御部1600と各デバイスドライバ310,320の処理関係をシーケンスに従い説明する。本例は、ホストアンマウント状態保持部322がtrueの状態、即ちホストからのホストマウント要求を拒否する場合である。
【0063】
ホストによるホストマウント要求を無線通信制御部1600が受信すると(T410)、無線通信制御デバイスドライバ310からメモリカードデバイスドライバ320に対してメモリカードマウント許可確認を発行する(T411)。メモリカードデバイスドライバ320は、ホストアンマウント状態保持部322がtrueの状態であるので、マウントステータス通知部323を用いて無線通信制御デバイスドライバ310へメモリカードマウント拒否を通知する(T412)。その結果、無線通信制御デバイスドライバ310は無線通信制御部1600を制御しホストに対してホストマウント拒否を送信する(T413)。
【0064】
以上の処理でホストは、メモリカード240のマウントを拒否されたことを認識し処理を終了する。
【0065】
(D)メモリファイルマウントステータス通知のフロー
次に、デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローについて、図9を参照して説明する。
【0066】
図9は、デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローを示すフローチャートである。同図は、図7、図8のシーケンスにおいて、デジタル複合機内部での処理内容を示すものである。処理は全てデジタル複合機20のコントローラOS300で処理するものとする。
【0067】
まずステップS100において、コントローラOS300は、ホストと無線USB(WUSB)通信の接続を確立しステップS101へ進む。ステップS101では、ホストからのメモリカードマウント要求があればステップS102へ進み、メモリカードマウント要求が無ければ処理を終了する。
【0068】
ステップS102において、コントローラOS300は、メモリカードが装着されているか確認し、装着されていればステップS103へ進み、装着されていなければステップS109へ進む。ステップS109では、メモリカードの装着待ちを行い、ステップS102へ処理を戻す。これにより、ユーザがメモリカードをデジタル複合機20本体に装着するのを待つことができる。
【0069】
ステップS103では、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態を確認し、有効(true)であればステップS110へ進む。ステップS110では、コントローラOS300は、マウントステータス通知部323により、ホストに対してメモリカード240のマウント拒否を通知し、処理を終了する。
【0070】
ステップS103で、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態が有効でなければ、つまり無効(false)であればステップS104に処理を進める。ステップS104では、コントローラOS300は、マウントステータス通知部323により、ホストに対してメモリカード240のマウント許可を通知する。次のステップS105では、ホストからのメモリカード240へのアクセス処理を受け付け、ステップS106へ進む。
【0071】
ステップS106では、コントローラOS300は、ホストからのアンマウント要求を受信し、次のステップS107で、ホストアンマウント状態保持部322の状態を有効(true)にセットしステップS108へ進む。ステップS108では、ホストとの無線USB通信を切断し処理を終了する。
【0072】
<ホスト側の処理>
(A)メモリカードマウント許可受信制御
次に、ホストが、メモリカードマウント許可通知を受信した場合の制御について、図10を参照して説明する。
【0073】
本項で説明する内容は、図6で説明したホスト1が実行するメモリカードジョブ処理のうち次の3点に相当する。即ち、メモリファイルマウント(T302)、メモリファイルマウント許可通知(T321)、及びメモリファイルアンマウント(T304)に起因するホスト側の内部処理に対応する。
【0074】
図10は、ホスト側のメモリカードマウント許可受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0075】
ファイルマウント制御通知部172の動作状況を説明するために、無線通信制御部1600、複合機デバイスドライバ170、及びファイルシステム管理部160の処理関係をシーケンスに従い説明する。
【0076】
ホストによるファイルシステム管理部160のマウント指示が複合機デバイスドライバ170に通知される(T500)。すると、ファイルマウント制御通知部172が、無線通信ハード入出力部171を介して無線通信制御部108からデジタル複合機20に、ファイルマウント要求を通知する(T501)。
【0077】
複合機デバイスドライバ170が無線通信ハード入出力部171を介してファイルマウント許可を受信する(T502)。すると、ステータス受信処理部173がファイルシステム管理部160にマウント成功を通知する(T503)。その後、ファイルシステム管理部160は、ファイルシステム入出力部174を介して、デジタル複合機20に装着されたメモリカードの内容をファイルシステムとして直接読み書きすることが可能になる。
【0078】
ホストとデジタル複合機20と間でのメモリカード240を用いたファイルシステムアクセスを終了する場合、ファイルシステム管理部160は、デジタル複合機20に装着されたメモリカード240を開放するためにファイルシステムをアンマウントする。即ち、ホストによるファイルシステム管理部160のアンマウント指示(T504)が複合機デバイスドライバ170に通知される。
【0079】
ファイルマウント制御通知部172が無線通信ハード入出力部171を介して無線通信制御部108からデジタル複合機に、ファイルアンマウント指示を通知する(T505)。
【0080】
(B)メモリカードマウント拒否受信制御
次に、ホストがメモリカードマウント拒否通知を受信した場合の制御について、図11を参照して説明する。
【0081】
本項で説明する内容は、図6で説明したホスト2が実行するメモリカードジョブ処理の中で、メモリファイルマウント(T312)とメモリファイルマウント拒否通知(T331)に起因するホスト側の内部処理に対応する。
【0082】
図11は、ホスト側のメモリカードマウント拒否受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0083】
ファイルマウント制御通知部172の動作状況を説明するために、無線通信制御部1600、複合機デバイスドライバ170、及びファイルシステム管理部160の処理関係をシーケンスに従い説明する。
【0084】
ホストにおけるファイルシステム管理部160のマウント指示が複合機デバイスドライバ170に通知される(T510)。すると、ファイルマウント制御通知部172が無線通信ハード入出力部171を介して無線通信制御部108からデジタル複合機に、ファイルマウント要求を通知する(T511)。
【0085】
次に、複合機デバイスドライバ170が無線通信ハード入出力部171を介してファイルマウント拒否を受信する(T512)。すると、ステータス受信処理部172がファイルシステム管理部160にマウント不許可を通知する(T513)。ファイルシステム管理部160は、ファイルシステム入出力部174を介してデジタル複合機20に装着されたメモリカード240の内容をファイルシステムとしてマウントできなかったことを認識する。これは、メモリカードの内容読み書きは許可されなかったことを意味する。
【0086】
<第1の実施の形態に係る利点>
第1の実施の形態によれば、ホスト1が、デジタル複合機20に装着されたメモリカード240へのアクセスを終えた後、メモリカード240を装着したままの状態では他のホスト2から該メモリカードの内容の読み書きができないようになる。これにより、デジタル複合機20に装着されたメモリカード240内の情報に対するセキュリティが向上する。
【0087】
また、メモリカード240へのアクセス以外の機能、例えばプリント出力は制限しない。したがって、メモリカード以外の機能に関して複数のホストで一つのデバイスを共有する利点を維持したままで、メモリカード240へのアクセス制御が可能になる。
【0088】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、デジタル複合機20が、メモリファイルシステムをアンマウントしたホストのホストIDを記憶する。そして、ホストアンマウント状態保持部322が有効であった場合に新たに接続したホストのホストIDと、前記記憶したホストIDとが一致した場合には、メモリファイルシステムのマウント許可通知を発行するように構成する。
【0089】
本構成を採用することにより、同一ホストからデジタル複合機20への再接続時には常にメモリファイルシステムのマウントが許可されるようになる。以下、かかる第2の実施の形態について説明する。
【0090】
<デジタル複合機のソフト構成>
図12は、第2の実施の形態におけるデジタル複合機20のソフト構成を示すブロック図である。
【0091】
第2の実施の形態におけるデジタル複合機20に搭載されるソフトウェアには、図12に示すように、コントローラOS300が配備されている。このコントローラOS300は、図3で説明した第1の実施の形態とは異なる構成の無線通信制御デバイスドライバ310とメモリカードデバイスドライバ320を備えている。即ち、無線通信制御デバイスドライバ310には、無線通信ハード入出力部311に加えて、カレントホストID保持部312が設けられている。メモリカードデバイスドライバ320には、リーダライタハード入出力部321、ホストアンマウント状態保持部322、及びマウントステータス通知部323に加えて、アンマウント処理実行ホストID保持部324が設けられている。
【0092】
無線通信制御デバイスドライバ310のカレントホストID保持部312は、無線接続中のホストのホストID情報を保持するものであり、通信中のホストを特定するために設けられている(第2の特定情報格納手段の一例)。無線通信を確立すると接続相手のホストのホストIDをセットし、無線通信未接続時には保持情報をクリアする構成にする。
【0093】
メモリカードデバイスドライバ320のアンマウント処理実行ホストID保持部324は、メモリファイルシステムのアンマウント処理を実行したホストのホストID情報を保持するものである(第1の特定情報格納手段の一例)。
【0094】
デジタル複合機20は、カレントホストID保持部312とアンマウント処理実行ホストID保持部324に格納された2つの情報を基に、新たに再接続したホストがメモリファイルシステムのアンマウントを実行したホストと同一であるかを判断する。ホストが同一であると判断したならば、メモリカードの着脱を検知していない場合でもメモリファイルシステムのマウントを許可する。同一でないと判断した場合は、第1の実施の形態と同様に他のホストからのマウント要求であるためマウントを拒否する。
【0095】
アンマウント処理実行ホストID保持部324は、無線通信制御部1600に接続されたホストからのメモリカードに対するアンマウント指示により、カレントホストID保持部312の保持情報をセットする。そして、カード着脱検知部1710の検知状態によりその保持情報をクリアする。具体的には、アンマウント処理実行ホストID保持部324は、ホストからのアンマウント処理を実行するとカレントホストID保持部312の内容をセットし、カード着脱検知部1710がメモリカードの着脱を検知するとその内容をクリアする構成とする。即ち、ホストからアンマウント処理を実行後、メモリカードの着脱を検知する期間に亘って、アンマウント処理を実行したホストのホストIDを保持するものである。
【0096】
<ホストに対するメモリカードマウント許可通知制御>
次に、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御について、図13を参照して説明する。本項で説明する内容は、デジタル複合機20内部で処理されるものである。
【0097】
図13は、第2の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0098】
本例における一連のシーケンスの間、デジタル複合機20には、メモリカードが装着されたままとする。
【0099】
T500からT505までの処理は、図7で説明したそれぞれT400からT405までの処理(メモリカードジョブ処理)と同一である。これは、ホスト1の要求ジョブである。
【0100】
T510は、ホスト2から要求ジョブであるプリントジョブを示す。メモリカードジョブではないのでメモリファイルシステムのマウント処理は関与しない。
【0101】
また、T520からT525までの処理も、図7で説明したそれぞれT400からT405までの処理(メモリカードジョブ処理)と同一である。これもホスト1の要求ジョブである。
【0102】
本例のシーケンスにおいて特徴的であるのは、メモリカードを装着した状態であっても、T504で指示されたホストアンマウント指示がホスト1からであるので、T523においてホスト1に対してホストマウント許可を送信している点である。
【0103】
<デジタル複合機20内部のメモリファイルマウントステータス通知フロー>
次に、デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローについて、図14を参照して説明する。
【0104】
図14は、第2の実施の形態におけるデジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理を示すフローチャートである。
【0105】
同図は、図13のシーケンスにおいて、デジタル複合機内部での処理内容を示すものである。処理は全てデジタル複合機20のコントローラOS300で処理するものとする。
【0106】
ステップS300からステップS303までの処理は、図9で説明したそれぞれステップS100からステップS103までの処理と同じであり、またステップS310の処理も、図9のステップS109の処理と同一である。
【0107】
本実施の形態におけるステップS303では、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態を確認し、有効(true)であればステップS311へ進む。ステップS311では、コントローラOS300は、カレントホストID保持部312とアンマウント処理実行ホストID保持部324との内容を比較し(判定手段)、内容が一致すればステップS304へ進む。内容が不一致であればばステップS312の処理へ進む。ステップS312では、コントローラOS300は、ホストに対してメモリカードのマウント拒否を通知し、処理を終了する。
【0108】
ステップS304からステップS307までの処理は、図9で説明したそれぞれステップS104からステップS107の処理と同じである。本実施の形態におけるステップS307では、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態を有効(true)にセットし、ステップS308へ進む。ステップS308では、カレントホストID保持部312のホストID情報をアンマウント処理実行ホストID保持部324に格納し、ステップS309で、ホストとの無線USB通信を切断し処理を終了する。
【0109】
<第2の実施の形態に係る利点>
第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の利点を得ることができるとともに、次のような特有の利点を有する。
【0110】
即ち、第2の実施の形態によれば、デジタル複合機20にメモリカードが装着されているときに、ホストアンマウント状態保持部322の状態を確認する。そして、その状態が有効であれば(ステップS303)、無線通信で接続しているホストのホストID情報と、メモリファイルシステムのアンマウント処理を実行したホストのホストID情報とが一致しているか否かを判断する。そして、一致していれば、ホストに対してメモリカードのマウントを許可する。このような処理により、同一ホストからデジタル複合機20への再接続時には常にメモリファイルシステムのマウントが許可されるため、ユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0111】
[他の実施の形態]
なお、本発明の実施の形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0112】
1,2 ホスト
20 デジタル複合機
240 メモリカード
1700 カードリーダライタ
1710 カード着脱検知部
300 コントローラOS
312 カレントホストID保持部
322 ホストアンマウント状態保持部
324 アンマウント処理実行ホストID保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複合機などのデバイス及びその制御方法、並びに、前記制御方法を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のホストコンピュータ(単にホストと記す)で1台のデジタル複合機(MPF:Multi Function Peripherals)などのデバイスを共有する無線通信システムは従来より一般的に知られている。デジタル複合機は、コピー、ファクシミリ、プリンタ、スキャナ、メモリカードリーダライタなどの複数の機能を1台に集約した機器をいう。
【0003】
このような無線通信システムにおいて、デバイスに備える着脱可能なメモリカードをホストがファイルシステムとして使用することがあった。即ち、デバイスに装着されたメモリカードの内容を、通信接続を確立したホストがファイルシステムとして使用する技術である。ホストの利用者が、メモリカードのリーダ・ライタを備えたデバイスに、メモリカードを装着してその内部データの読み書き処理を行うことができる。
【0004】
上記のような無線通信システムにおいて、メモリカードの内部データに対するセキュリティ技術としては、例えば、特許文献1に記載される技術がある。この特許文献1の技術では、メモリカードの内部にアクセスするホストを特定する情報(特定情報)を予め格納しておく。そして、デバイスがメモリカードの装着を検出した際に、メモリカードから前記特定情報を取得し、これをアクセス制御情報として、前記特定情報に対応するホストからメモリカードへのアクセスだけを許可するように制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−210154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のような、メモリカードに対するアクセス制御の構成を備えた無線通信システムでは、次のような問題点がある。
【0007】
ホストを特定する情報(特定情報)をメモリカード内部に予め格納しておく必要があり、そのためにユーザは煩雑な作業を強いられる。また、使用するメモリカードに前記特定情報が格納されていない場合も想定され、このような場合には、メモリカードに対して特別なアクセス制御の仕組みを備えていないデバイスと同様の問題が発生する。即ち、ホストの利用者がメモリカードをデバイスに装着してその内部データの読み書き処理を終了させた直後からメモリカードを取り外すまでの間は、他のホストの利用者が当該メモリカードをアクセスすることが可能な状態となる。そのため、メモリカード内の情報に対するセキュリティ面で問題となっていた。
【0008】
この点について、図15のシーケンス図を参照して具体的に説明する。
【0009】
ホスト1がデジタル複合機に装着されたメモリカードに対してアクセスしている最中に、他のホスト2が他人のメモリカードへのアクセスを試みるため、該デジタル複合機に対してメモリカードジョブ処理要求(図15のT310)を発行することを想定する。
【0010】
ホスト1は、デジタル複合機に対して、メモリカードのファイルシステムとして使用を終えるべくメモリファイルアンマウントを発行することにより(T304)、メモリカードへのアクセスを完了する。しかし、メモリカードがデジタル複合機に装着されたままであると、デジタル複合機が他のホスト2からのメモリカードジョブを受け付けてしまう。つまり、他のホスト2から発行されたメモリカードジョブ処理要求(T310)に対してデジタル複合機が、メモリファイルマウント(T312)やメモリファイル操作(T313)などのホスト2からのメモリジョブに対してそのまま応答することになる。
【0011】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、次のような、デバイス及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。即ち、外部装置がデバイスに装着されたメモリカードへのアクセスを終えた後、他の外部装置から該メモリカードへのアクセスを確実に防止できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のデバイスは、外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスにおいて、前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付ける手段と、前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持するアンマウント状態保持手段と、前記アンマウント状態保持手段に保持されている情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御するアクセス制御手段とを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部装置がデバイスに装着されたメモリカードへのアクセスを終えた後、他の外部装置から該メモリカードへのアクセスを確実に防止することができ、デバイスに装着されたメモリカード内の情報に対するセキュリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態における無線通信システムの構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態におけるデジタル複合機及びコントローラユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態におけるデジタル複合機のソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態におけるホストのコントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態におけるホストのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態における処理シーケンスを示すシーケンス図である。
【図7】第1の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図8】ホストに対するメモリカードマウント拒否通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図9】デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローを示すフローチャートである。
【図10】ホスト側のメモリカードマウント許可受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図11】ホスト側のメモリカードマウント拒否受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図12】第2の実施の形態におけるデジタル複合機のソフト構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【図14】第2の実施の形態におけるデジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理を示すフローチャートである。
【図15】従来の無線通信システムの処理シーケンスを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
<実施の形態における無線通信システム>
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムの構成を示す模式図である。
【0017】
この無線通信システムは、複数のホスト1,2で1台のデジタル複合機(デバイス)20を共有する構成であり、ホスト1,2とデジタル複合機20は、一対一の無線USB通信の接続の確立が行われる。本例では、デジタル複合機20に対してホスト1,2からそれぞれ印刷データを送信する場合を示している。
【0018】
ホスト1は、プリントジョブ処理要求としてビーコンBCaをデジタル複合機20に送信し、無線通信接続を確立する。そして無線通信接続の確立後、ホスト1は印刷データをデジタル複合機20に送信し、デジタル複合機20は印刷データを処理する。印刷データの処理終了後は、ホスト1又はデジタル複合機20から無線接続を切断する。
【0019】
一方、ホスト2はプリントジョブ処理要求としてビーコンBCbをデジタル複合機20に送信する。そのとき、デジタル複合機20はホスト1と無線通信を確立している。そのため、デジタル複合機20は、ホスト1の印刷データを処理した後に無線通信を切断し、その後にホスト2と無線通信接続を確立する。そして、デジタル複合機20はホスト2の印刷データを処理し、印刷データの処理終了後は、ホスト2又はデジタル複合機20から無線接続を切断する。
【0020】
<デジタル複合機(デバイス)の構成>
図2は、実施の形態におけるデバイスの一例であるデジタル複合機の構成、特にコントローラユニットの構成を示すブロック図である。
【0021】
(A)コントローラユニットのハード構成
デジタル複合機20は、コントローラユニット200、プリンタ210、スキャナ220、及び操作ユニット230などを備えている。
【0022】
コントローラユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ220や画像出力デバイスであるプリンタ210と接続し、一方では無線通信制御部1600を通じてホストと接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。
【0023】
コントローラユニット200には、CPU1100、RAM1110、ROM1120、プリンタI/F1300、スキャナI/F1400、操作部I/F1500、及び無線通信制御部1600を備えている。さらに、実施の形態に特徴的な構成モジュールとして、メモリカードリーダライタユニット(以下、単にカードリーダライタと記す)1700、及びカード着脱検知部1710を備えている。これら各構成モジュールは、内部バス1000に接続されている。
【0024】
CPU1100は、システム全体を制御するコントローラである。RAM1110はCPU1100が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM1120は、プログラム格納ROMであり、システムのブートプログラム及びシステムアプリケーションが格納されている。
【0025】
プリンタI/F1300は、プリンタ210と接続して、プリンタ210のCPUとそれぞれ通信を行うほか、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナI/F1400は、スキャナ220と接続して、スキャナ220のCPUとそれぞれ通信を行うほか、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0026】
操作部I/F1500は、操作ユニット(UI)230とのインターフェース部であり、操作ユニット230に表示する画像データを操作ユニット230に対して出力する。また、操作ユニット230から本システム使用者が入力した情報を、CPU1100に伝える役割をする。無線通信制御部1600は、アンテナ21を介してホストに接続し、出力用画像データの入出力や機器制御に関わる情報の入出力を行う。
【0027】
カードリーダライタ1700は、着脱自在なメモリカード240の内容をリードライト制御するものである(メモリカード制御手段の一例)。メモリカード240には、画像データ等のファイルを格納することを想定し、スキャナ220で読み取った画像を格納したり、格納済みの画像をプリンタ210で印刷することが可能である。また、無線通信制御部1600を通じて無線接続したホストが、メモリカード240をファイルシステムとしてマウント(使用)しファイル操作を行うことも可能である。
【0028】
なお、メモリカード240は、デジタル複合機20に着脱可能な構成とする。カード着脱検知部1710は、メモリカードの着脱を検知するものである。つまり、メモリカード240がカードリーダライタ1700に装着又は取り外されたことを検知するものである。具体的な例としては、メモリカードを装着するためのコネクタに装備される検知手段であり、メモリカードの着脱により電気信号を発生するものである。
(B)デジタル複合機のソフト構成
図3は、本実施の形態におけるデジタル複合機20のソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【0029】
デジタル複合機20に搭載されるソフトウェアには、画像処理や、プリント・スキャン処理、ホストとの通信処理などの機器全般の制御を行うコントローラOS300が配備されている。コントローラOS300は、デジタル複合機20のCPU1100及びRAM1110で実行されるものである。
【0030】
コントローラOS300は、第1の実施の形態における特徴的な部分を成す、無線制御デバイスドライバ310とメモリカードデバイスドライバ320を備えている。無線制御デバイスドライバ310は、無線通信制御部1600の制御処理を行うためのドライバであり、メモリカードデバイスドライバ320は、カードリーダライタ1700とカード着脱検知部1710の制御処理を行うためのドライバである。
【0031】
無線通信制御デバイスドライバ310は、無線通信制御部1600のハードウェア制御を行うための無線通信ハード入出力部311を備えている。また、メモリカードデバイスドライバ320は、リーダライタハード入出力部321、ホストアンマウント状態保持部322、及びマウントステータス通知部323を備えている。
【0032】
リーダライタハード入出力部321は、カードリーダライタ1700のハード制御を行うためのモジュールである。ホストアンマウント状態保持部322は、カードリーダライタ1700に装着されたメモリカードに対するホストのアンマウント処理状態をフラグ値として保持するためのモジュールである。マウントステータス通知部323は、ホストに対してメモリファイルシステムのマウントステータスを通知するためのモジュールである。
【0033】
具体的には、ホストアンマウント状態保持部322は、無線通信制御部1600に無線接続されたホストがアンマウント処理(つまり、メモリカードへのアクセスを終えるための処理)を実行すると、保持するフラグ値をtrue(有効)に設定する。そして、カード着脱検知部1710がメモリカードの着脱を検知すると、フラグ値がfalse(無効)に設定されるような構成とする。即ち、ホストがアンマウント処理を実行した直後からメモリカードの着脱が検知されるまでの期間は、ホストアンマウント状態保持部322の値がtrueを保持する。そして、ホストアンマウント状態保持部322のフラグ値がfalseの期間は、ホストからのホストマウント要求を許可し、trueの期間はホストからのホストマウント要求を拒否するものである。
【0034】
マウントステータス通知部323は、ホストアンマウント状態保持部322に保持された値の状態を判断し、無線通信制御部1600を通じてホストに対して、カードリーダライタ1700に装着されたメモリカード240へのアクセスの可否を通知する。
【0035】
<ホストの構成>
(A)コントローラのハード構成
図4は、実施の形態におけるホストのコントローラ(ホストコントローラ)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0036】
ホストコントローラ100は、ディスプレイ101や、図示しないキーボード及びマウスなどと接続し、一方ではホスト用無線USBアンテナ11を介して無線USB通信の制御を行うコントローラである。
【0037】
このホストコントローラ100は、CPU102、ROM103、RAM104、HDD105、表示制御部106、各種IOI/F107、及び無線通信制御部108を備え、これらがシステムバス109に接続されている。
【0038】
CPU102は、システム全体を制御するコントローラであり、コントローラ内部で行われる各種処理について統括的に制御する。ROM103は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。RAM104は、CPU102が動作するためのシステムワークメモリであり、また、印刷データ等の画像データを一時記憶するための画像メモリとしても使用する。
【0039】
HDD105は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することを可能とする。表示制御部106は、ディスプレイ101に表示する画像データをディスプレイ101に対して出力する。各種IO I/F107は、図示しないキーボードやマウスなどの入出力I/Fの制御部であり、有線USBなどの制御部になる。また、図示しないLANなどの通信網などとの制御部でもある。無線通信制御部108は、外部に無線USB通信を行うデバイスがある場合に、ホスト用無線USBアンテナ11を介して無線USB通信の制御を行う。
【0040】
(B)ホストのソフト構成
図5は、実施の形態におけるホストのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0041】
ホストOS150は、本実施の形態の特徴的な部分である、ファイルシステム管理部160と複合機デバイスドライバ170を備えている。ホストOS150は、ホスト1,2のCPU102、RAM104、ROM103、及びHDD105で実行されるものであり、機器全体の制御を行う。
【0042】
ファイルシステム管理部160は、ホストのファイルシステムを管理するものであり、機器内部のHDDのみならず、機器外部に接続される記憶装置をファイルシステムとして管理するものである。本実施の形態においては、デジタル複合機20が備えるメモリカードをファイルシステムとして利用する場合の管理処理を行うことを想定している。
【0043】
複合機デバイスドライバ170は、無線通信制御部108を介してデジタル複合機を制御するためのドライバであり、次のような各モジュールで構成されている。即ち、無線通信ハード入出力部171、ファイルマウント制御通知部172、ステータス受信処理部173、及びファイルシステム入出力部174で構成されている。
【0044】
無線通信ハード入出力部171は、無線通信制御部108のハード制御を行うためのモジュールであり、ファイルマウント制御通知部172は、デジタル複合機に対してファイルシステムのマウント要求を通知するためのモジュールである。また、ステータス受信処理部173は、デジタル複合機から受信したファイルマウントステータスに応じてファイルシステム管理部160に対してファイルシステムのマウントが成功したか許可されなかったかを通知するためのモジュールである。ファイルシステム入出力部174は、デジタル複合機20とファイルシステム間のファイルデータの転送を行うためのモジュールである。
【0045】
<デバイス側の処理>
(A)実施の形態における処理シーケンス
図6は、実施の形態における処理シーケンスを示すシーケンス図である。このシーケンス図は、前述した従来技術における図15のシーケンス図に対応するものであり、図15との対比を明確にするために、共通する要素には同一の符号が付されている。
【0046】
本実施の形態で特徴的なシーケンスは、デジタル複合機20(デバイス)が発行するメモリファイルマウント許可通知(T321)とメモリファイルマウント拒否通知(T331)である。いずれの通知も、デジタル複合機20からホストに対して発行する、メモリファイルシステムの使用可否を示すマウントステータス通知である。
【0047】
即ち、デジタル複合機20が初期状態ではホストに対して、メモリファイルマウント許可通知を発行する。その後、メモリカードアンマウント後にメモリカードを取り外さなければ、他のホストからのメモリファイルマウント要求に対してメモリファイルマウント拒否通知を発行する。このシーケンスにより、メモリカードジョブの実行後にメモリカードをデジタル複合機20本体から取り外すまでの間、他のホストからのメモリカードに対するアクセスを制限することが可能となる。
【0048】
図6に沿って具体的に説明する。デジタル複合機20は、ホスト1からメモリカードジョブ処理要求(T300)を受けると、接続要求をホスト1に出し(T301)、ホスト1から、メモリカードのファイルシステムとしての使用を要求するメモリファイルマウントを受ける(T302)。
【0049】
メモリファイルマウントを受けたデジタル複合機20は、マウントステータス通知部323により、メモリカードのファイルシステムとしての使用を許可するか拒否するかのステータスとしてメモリファイルマウントステータスを返送する(T321)。本例では、ホスト1のユーザが装着したメモリカードに初めてアクセスする場合を示しており、メモリカードのファイルシステムとしての使用を許可すべくメモリファイルマウント許可通知を発行する。
【0050】
その後、ホスト1のユーザは、メモリファイル操作(T303)を行った後、メモリカードに対するアクセスを終えるべくメモリファイルアンマウントを発行する(T304)。デジタル複合機20はメモリカードジョブ終了を確認して通信を切断するために切断要求(T305)を出してジョブを終了する。このとき、メモリカードはデジタル複合機20に装着されたままの状態を想定する。
【0051】
一方、ホスト2はホスト1のユーザがメモリファイル操作(T303)している最中に、他人のメモリカード240へのアクセスを試みるためメモリカードジョブ処理要求(T310)を発行する。すると、デジタル複合機20はホスト1とのメモリカードジョブ処理を終了後、ホスト2に対して接続要求(T311)を出し、ホスト2からメモリファイルマウントを受ける(T312)。
【0052】
メモリファイルマウントを受けたデジタル複合機20は、マウントステータス通知部323により、ホスト2に対して、メモリファイルへのアクセスを許可するか拒否するかのステータスとしてメモリファイルマウントステータスを返送する(T331)。本例では、デジタル複合機20にホスト1のユーザのメモリカードが装着されたままであるため、ホスト2に対してはメモリファイルマウント拒否を通知する。
【0053】
デジタル複合機20としては、メモリファイルマウントを拒否通知したことでメモリカードジョブを完了することができるため、ホスト2に対して切断要求(T315)を出してジョブを終了する。
【0054】
(B)ホストに対するメモリカードマウント許可通知制御
次に、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御について、図7を参照して説明する。
【0055】
本項で説明する内容は、図6で説明した、ホスト1が実行するメモリカードジョブ処理のうち次の3点に相当する。即ち、メモリファイルマウント(T302)とメモリファイルマウント許可通知(T321)、メモリファイルアンマウント(T304)に起因するデジタル複合機側の内部処理に対応する。
【0056】
図7は、第1の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。ホストアンマウント状態保持部322の状態に応じた処理を説明するために、無線通信制御部1600と各デバイスドライバ310,320の処理関係をシーケンスに従い説明する。本例は、ホストアンマウント状態保持部322が、falseの状態である場合、つまりホストからのホストマウント要求を許可する場合である。
【0057】
ホストによるホストマウント要求(T400)を無線通信制御部1600が受信すると、無線通信制御デバイスドライバ310からメモリカードデバイスドライバ320に対してメモリカードマウント許可確認(T401)を発行する。メモリカードデバイスドライバ320は、ホストアンマウント状態保持部322がfalseの状態であるので、マウントステータス通知部323を用いて無線通信デバイスドライバへメモリカードマウント許可(T402)を通知する。すると、無線通信制御デバイスドライバ310は無線通信制御部1600を制御しホストに対してホストマウント許可(T403)を送信する。ここまでの処理で、ホストはメモリカードをファイルシステムとしてマウントすることができたので、メモリカード240の内容を読み書きすることが可能になる。
【0058】
ホストは、メモリカード240の内容を読み書きする処理を終了すると、メモリファイルのアンマウントを行う。ホストによるホストアンマウント指示(T404)を無線通信制御部1600が受信すると、無線通信制御デバイスドライバ310からメモリカードデバイスドライバ320に対してメモリカードアンマウントを発行する(T405)。メモリカードデバイスドライバ320は、メモリカード240をファイルシステムとしてアンマウントすると共にホストアンマウント状態保持部322をtrueの状態にセットする。
【0059】
(C)ホストに対するメモリカードマウント拒否通知制御
次に、ホストに対するメモリカードマウント拒否通知に関わる制御について、図8を参照して説明する。
【0060】
本項で説明する内容は、図6で説明した、ホスト2が実行するメモリカードジョブ処理の中で、メモリファイルマウント(T312)とメモリファイルマウント拒否通知(T331)に起因するデジタル複合機側の内部処理に対応する。
【0061】
図8は、ホストに対するメモリカードマウント拒否通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0062】
ホストアンマウント状態保持部322の状態に応じた処理を説明するために、無線通信制御部1600と各デバイスドライバ310,320の処理関係をシーケンスに従い説明する。本例は、ホストアンマウント状態保持部322がtrueの状態、即ちホストからのホストマウント要求を拒否する場合である。
【0063】
ホストによるホストマウント要求を無線通信制御部1600が受信すると(T410)、無線通信制御デバイスドライバ310からメモリカードデバイスドライバ320に対してメモリカードマウント許可確認を発行する(T411)。メモリカードデバイスドライバ320は、ホストアンマウント状態保持部322がtrueの状態であるので、マウントステータス通知部323を用いて無線通信制御デバイスドライバ310へメモリカードマウント拒否を通知する(T412)。その結果、無線通信制御デバイスドライバ310は無線通信制御部1600を制御しホストに対してホストマウント拒否を送信する(T413)。
【0064】
以上の処理でホストは、メモリカード240のマウントを拒否されたことを認識し処理を終了する。
【0065】
(D)メモリファイルマウントステータス通知のフロー
次に、デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローについて、図9を参照して説明する。
【0066】
図9は、デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローを示すフローチャートである。同図は、図7、図8のシーケンスにおいて、デジタル複合機内部での処理内容を示すものである。処理は全てデジタル複合機20のコントローラOS300で処理するものとする。
【0067】
まずステップS100において、コントローラOS300は、ホストと無線USB(WUSB)通信の接続を確立しステップS101へ進む。ステップS101では、ホストからのメモリカードマウント要求があればステップS102へ進み、メモリカードマウント要求が無ければ処理を終了する。
【0068】
ステップS102において、コントローラOS300は、メモリカードが装着されているか確認し、装着されていればステップS103へ進み、装着されていなければステップS109へ進む。ステップS109では、メモリカードの装着待ちを行い、ステップS102へ処理を戻す。これにより、ユーザがメモリカードをデジタル複合機20本体に装着するのを待つことができる。
【0069】
ステップS103では、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態を確認し、有効(true)であればステップS110へ進む。ステップS110では、コントローラOS300は、マウントステータス通知部323により、ホストに対してメモリカード240のマウント拒否を通知し、処理を終了する。
【0070】
ステップS103で、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態が有効でなければ、つまり無効(false)であればステップS104に処理を進める。ステップS104では、コントローラOS300は、マウントステータス通知部323により、ホストに対してメモリカード240のマウント許可を通知する。次のステップS105では、ホストからのメモリカード240へのアクセス処理を受け付け、ステップS106へ進む。
【0071】
ステップS106では、コントローラOS300は、ホストからのアンマウント要求を受信し、次のステップS107で、ホストアンマウント状態保持部322の状態を有効(true)にセットしステップS108へ進む。ステップS108では、ホストとの無線USB通信を切断し処理を終了する。
【0072】
<ホスト側の処理>
(A)メモリカードマウント許可受信制御
次に、ホストが、メモリカードマウント許可通知を受信した場合の制御について、図10を参照して説明する。
【0073】
本項で説明する内容は、図6で説明したホスト1が実行するメモリカードジョブ処理のうち次の3点に相当する。即ち、メモリファイルマウント(T302)、メモリファイルマウント許可通知(T321)、及びメモリファイルアンマウント(T304)に起因するホスト側の内部処理に対応する。
【0074】
図10は、ホスト側のメモリカードマウント許可受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0075】
ファイルマウント制御通知部172の動作状況を説明するために、無線通信制御部1600、複合機デバイスドライバ170、及びファイルシステム管理部160の処理関係をシーケンスに従い説明する。
【0076】
ホストによるファイルシステム管理部160のマウント指示が複合機デバイスドライバ170に通知される(T500)。すると、ファイルマウント制御通知部172が、無線通信ハード入出力部171を介して無線通信制御部108からデジタル複合機20に、ファイルマウント要求を通知する(T501)。
【0077】
複合機デバイスドライバ170が無線通信ハード入出力部171を介してファイルマウント許可を受信する(T502)。すると、ステータス受信処理部173がファイルシステム管理部160にマウント成功を通知する(T503)。その後、ファイルシステム管理部160は、ファイルシステム入出力部174を介して、デジタル複合機20に装着されたメモリカードの内容をファイルシステムとして直接読み書きすることが可能になる。
【0078】
ホストとデジタル複合機20と間でのメモリカード240を用いたファイルシステムアクセスを終了する場合、ファイルシステム管理部160は、デジタル複合機20に装着されたメモリカード240を開放するためにファイルシステムをアンマウントする。即ち、ホストによるファイルシステム管理部160のアンマウント指示(T504)が複合機デバイスドライバ170に通知される。
【0079】
ファイルマウント制御通知部172が無線通信ハード入出力部171を介して無線通信制御部108からデジタル複合機に、ファイルアンマウント指示を通知する(T505)。
【0080】
(B)メモリカードマウント拒否受信制御
次に、ホストがメモリカードマウント拒否通知を受信した場合の制御について、図11を参照して説明する。
【0081】
本項で説明する内容は、図6で説明したホスト2が実行するメモリカードジョブ処理の中で、メモリファイルマウント(T312)とメモリファイルマウント拒否通知(T331)に起因するホスト側の内部処理に対応する。
【0082】
図11は、ホスト側のメモリカードマウント拒否受信に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0083】
ファイルマウント制御通知部172の動作状況を説明するために、無線通信制御部1600、複合機デバイスドライバ170、及びファイルシステム管理部160の処理関係をシーケンスに従い説明する。
【0084】
ホストにおけるファイルシステム管理部160のマウント指示が複合機デバイスドライバ170に通知される(T510)。すると、ファイルマウント制御通知部172が無線通信ハード入出力部171を介して無線通信制御部108からデジタル複合機に、ファイルマウント要求を通知する(T511)。
【0085】
次に、複合機デバイスドライバ170が無線通信ハード入出力部171を介してファイルマウント拒否を受信する(T512)。すると、ステータス受信処理部172がファイルシステム管理部160にマウント不許可を通知する(T513)。ファイルシステム管理部160は、ファイルシステム入出力部174を介してデジタル複合機20に装着されたメモリカード240の内容をファイルシステムとしてマウントできなかったことを認識する。これは、メモリカードの内容読み書きは許可されなかったことを意味する。
【0086】
<第1の実施の形態に係る利点>
第1の実施の形態によれば、ホスト1が、デジタル複合機20に装着されたメモリカード240へのアクセスを終えた後、メモリカード240を装着したままの状態では他のホスト2から該メモリカードの内容の読み書きができないようになる。これにより、デジタル複合機20に装着されたメモリカード240内の情報に対するセキュリティが向上する。
【0087】
また、メモリカード240へのアクセス以外の機能、例えばプリント出力は制限しない。したがって、メモリカード以外の機能に関して複数のホストで一つのデバイスを共有する利点を維持したままで、メモリカード240へのアクセス制御が可能になる。
【0088】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、デジタル複合機20が、メモリファイルシステムをアンマウントしたホストのホストIDを記憶する。そして、ホストアンマウント状態保持部322が有効であった場合に新たに接続したホストのホストIDと、前記記憶したホストIDとが一致した場合には、メモリファイルシステムのマウント許可通知を発行するように構成する。
【0089】
本構成を採用することにより、同一ホストからデジタル複合機20への再接続時には常にメモリファイルシステムのマウントが許可されるようになる。以下、かかる第2の実施の形態について説明する。
【0090】
<デジタル複合機のソフト構成>
図12は、第2の実施の形態におけるデジタル複合機20のソフト構成を示すブロック図である。
【0091】
第2の実施の形態におけるデジタル複合機20に搭載されるソフトウェアには、図12に示すように、コントローラOS300が配備されている。このコントローラOS300は、図3で説明した第1の実施の形態とは異なる構成の無線通信制御デバイスドライバ310とメモリカードデバイスドライバ320を備えている。即ち、無線通信制御デバイスドライバ310には、無線通信ハード入出力部311に加えて、カレントホストID保持部312が設けられている。メモリカードデバイスドライバ320には、リーダライタハード入出力部321、ホストアンマウント状態保持部322、及びマウントステータス通知部323に加えて、アンマウント処理実行ホストID保持部324が設けられている。
【0092】
無線通信制御デバイスドライバ310のカレントホストID保持部312は、無線接続中のホストのホストID情報を保持するものであり、通信中のホストを特定するために設けられている(第2の特定情報格納手段の一例)。無線通信を確立すると接続相手のホストのホストIDをセットし、無線通信未接続時には保持情報をクリアする構成にする。
【0093】
メモリカードデバイスドライバ320のアンマウント処理実行ホストID保持部324は、メモリファイルシステムのアンマウント処理を実行したホストのホストID情報を保持するものである(第1の特定情報格納手段の一例)。
【0094】
デジタル複合機20は、カレントホストID保持部312とアンマウント処理実行ホストID保持部324に格納された2つの情報を基に、新たに再接続したホストがメモリファイルシステムのアンマウントを実行したホストと同一であるかを判断する。ホストが同一であると判断したならば、メモリカードの着脱を検知していない場合でもメモリファイルシステムのマウントを許可する。同一でないと判断した場合は、第1の実施の形態と同様に他のホストからのマウント要求であるためマウントを拒否する。
【0095】
アンマウント処理実行ホストID保持部324は、無線通信制御部1600に接続されたホストからのメモリカードに対するアンマウント指示により、カレントホストID保持部312の保持情報をセットする。そして、カード着脱検知部1710の検知状態によりその保持情報をクリアする。具体的には、アンマウント処理実行ホストID保持部324は、ホストからのアンマウント処理を実行するとカレントホストID保持部312の内容をセットし、カード着脱検知部1710がメモリカードの着脱を検知するとその内容をクリアする構成とする。即ち、ホストからアンマウント処理を実行後、メモリカードの着脱を検知する期間に亘って、アンマウント処理を実行したホストのホストIDを保持するものである。
【0096】
<ホストに対するメモリカードマウント許可通知制御>
次に、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御について、図13を参照して説明する。本項で説明する内容は、デジタル複合機20内部で処理されるものである。
【0097】
図13は、第2の実施の形態における、ホストに対するメモリカードマウント許可通知に関わる制御を示すシーケンス図である。
【0098】
本例における一連のシーケンスの間、デジタル複合機20には、メモリカードが装着されたままとする。
【0099】
T500からT505までの処理は、図7で説明したそれぞれT400からT405までの処理(メモリカードジョブ処理)と同一である。これは、ホスト1の要求ジョブである。
【0100】
T510は、ホスト2から要求ジョブであるプリントジョブを示す。メモリカードジョブではないのでメモリファイルシステムのマウント処理は関与しない。
【0101】
また、T520からT525までの処理も、図7で説明したそれぞれT400からT405までの処理(メモリカードジョブ処理)と同一である。これもホスト1の要求ジョブである。
【0102】
本例のシーケンスにおいて特徴的であるのは、メモリカードを装着した状態であっても、T504で指示されたホストアンマウント指示がホスト1からであるので、T523においてホスト1に対してホストマウント許可を送信している点である。
【0103】
<デジタル複合機20内部のメモリファイルマウントステータス通知フロー>
次に、デジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理フローについて、図14を参照して説明する。
【0104】
図14は、第2の実施の形態におけるデジタル複合機内部のメモリファイルマウントステータスをホストに通知する処理を示すフローチャートである。
【0105】
同図は、図13のシーケンスにおいて、デジタル複合機内部での処理内容を示すものである。処理は全てデジタル複合機20のコントローラOS300で処理するものとする。
【0106】
ステップS300からステップS303までの処理は、図9で説明したそれぞれステップS100からステップS103までの処理と同じであり、またステップS310の処理も、図9のステップS109の処理と同一である。
【0107】
本実施の形態におけるステップS303では、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態を確認し、有効(true)であればステップS311へ進む。ステップS311では、コントローラOS300は、カレントホストID保持部312とアンマウント処理実行ホストID保持部324との内容を比較し(判定手段)、内容が一致すればステップS304へ進む。内容が不一致であればばステップS312の処理へ進む。ステップS312では、コントローラOS300は、ホストに対してメモリカードのマウント拒否を通知し、処理を終了する。
【0108】
ステップS304からステップS307までの処理は、図9で説明したそれぞれステップS104からステップS107の処理と同じである。本実施の形態におけるステップS307では、コントローラOS300は、ホストアンマウント状態保持部322の状態を有効(true)にセットし、ステップS308へ進む。ステップS308では、カレントホストID保持部312のホストID情報をアンマウント処理実行ホストID保持部324に格納し、ステップS309で、ホストとの無線USB通信を切断し処理を終了する。
【0109】
<第2の実施の形態に係る利点>
第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の利点を得ることができるとともに、次のような特有の利点を有する。
【0110】
即ち、第2の実施の形態によれば、デジタル複合機20にメモリカードが装着されているときに、ホストアンマウント状態保持部322の状態を確認する。そして、その状態が有効であれば(ステップS303)、無線通信で接続しているホストのホストID情報と、メモリファイルシステムのアンマウント処理を実行したホストのホストID情報とが一致しているか否かを判断する。そして、一致していれば、ホストに対してメモリカードのマウントを許可する。このような処理により、同一ホストからデジタル複合機20への再接続時には常にメモリファイルシステムのマウントが許可されるため、ユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0111】
[他の実施の形態]
なお、本発明の実施の形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0112】
1,2 ホスト
20 デジタル複合機
240 メモリカード
1700 カードリーダライタ
1710 カード着脱検知部
300 コントローラOS
312 カレントホストID保持部
322 ホストアンマウント状態保持部
324 アンマウント処理実行ホストID保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスにおいて、
前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付ける手段と、
前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持するアンマウント状態保持手段と、
前記アンマウント状態保持手段に保持されている情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御するアクセス制御手段とを設けたことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記メモリカード制御手段に対するメモリカードの着脱を検知する検知手段を有し、
前記アンマウント状態保持手段は、
前記通信手段に接続された外部装置が前記アンマウント処理を実行したことにより保持情報を有効に設定し、前記検知手段の検知状態により保持情報を無効に設定することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードに対して前記アンマウント処理を実行した外部装置を特定する情報を格納する第1の特定情報格納手段と、
前記通信手段により通信中の外部装置を特定する情報を格納する第2の特定情報格納手段とを有し、
前記アクセス制御手段は、
前記アンマウント状態保持手段の保持情報が有効に設定されている場合に、前記アンマウント処理を実行した外部装置を特定する情報と通信中の外部装置を特定する情報との一致、不一致を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定の結果に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御する手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の特定情報格納手段は、前記通信手段に接続された外部装置が前記アンマウント処理を実行したことにより前記第2の特定情報格納手段の保持情報を格納し、前記検知手段の検知状態により保持情報をクリアすることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記通信手段は、無線USB通信を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスの制御方法であって、
前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付ける工程と、
前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持する保持手段の保持情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御する工程とを有することを特徴とするデバイスの制御方法。
【請求項7】
外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスの制御方法を実行するための、コンピュータで読み取り可能なプログラムであって、
前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付けるステップと、
前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持する保持手段の保持情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスにおいて、
前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付ける手段と、
前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持するアンマウント状態保持手段と、
前記アンマウント状態保持手段に保持されている情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御するアクセス制御手段とを設けたことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記メモリカード制御手段に対するメモリカードの着脱を検知する検知手段を有し、
前記アンマウント状態保持手段は、
前記通信手段に接続された外部装置が前記アンマウント処理を実行したことにより保持情報を有効に設定し、前記検知手段の検知状態により保持情報を無効に設定することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードに対して前記アンマウント処理を実行した外部装置を特定する情報を格納する第1の特定情報格納手段と、
前記通信手段により通信中の外部装置を特定する情報を格納する第2の特定情報格納手段とを有し、
前記アクセス制御手段は、
前記アンマウント状態保持手段の保持情報が有効に設定されている場合に、前記アンマウント処理を実行した外部装置を特定する情報と通信中の外部装置を特定する情報との一致、不一致を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定の結果に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御する手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の特定情報格納手段は、前記通信手段に接続された外部装置が前記アンマウント処理を実行したことにより前記第2の特定情報格納手段の保持情報を格納し、前記検知手段の検知状態により保持情報をクリアすることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記通信手段は、無線USB通信を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスの制御方法であって、
前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付ける工程と、
前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持する保持手段の保持情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御する工程とを有することを特徴とするデバイスの制御方法。
【請求項7】
外部装置と通信を行う通信手段と、メモリカードを着脱自在に装着して該メモリカードの動作を制御するメモリカード制御手段とを有するデバイスの制御方法を実行するための、コンピュータで読み取り可能なプログラムであって、
前記通信手段に接続された外部装置からの、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへのアクセス処理を受け付けるステップと、
前記外部装置が前記メモリカードへのアクセス処理を終えるためのアンマウント処理の状態を保持する保持手段の保持情報に基づいて、前記メモリカード制御手段に装着されたメモリカードへの外部装置からのアクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−118580(P2011−118580A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274369(P2009−274369)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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