説明

デリバリーシステムおよびその製造方法

ポリマーマイクロ粒子に負荷された活性化合物を含み、負荷されたマイクロ粒子が、マイクロ粒子デリバリーシステムの約68重量%〜約99重量%を構成するマトリックス物質によって包まれる、活性化合物のためのマイクロ粒子デリバリーシステム。そのようなマイクロ粒子デリバリーシステムを含有する組成物、およびそのようなマイクロ粒子デリバリーシステムを製造する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は米国仮特許出願第60/832,880号(2006年7月24日出願;これは参照によって本明細書中に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
本発明は、配合物における活性化合物または補助的な化合物と、第2の活性化合物または補助的な化合物との間における相互作用、あるいは配合物キャリアとの相互作用が排除されるか、または最小限に抑えられるように、活性化合物または補助的な化合物を、化粧品配合物、パーソナルケア配合物または医薬品配合物において安定化する組成物および方法に関連する。1つの実施形態において、本発明は、貯蔵期間中の組成物の色に対する有害な影響を最小限にしつつ、セルフタンニング(self-tanning)組成物の日焼け色形成速度を高める組成物および方法に関連する。より具体的には、本発明は、マイクロ粒子デリバリーシステムを提供するために、(a)セルフタンニング化合物と、(b)(c)マイクロ粒子に負荷されたセルフタンニング増強剤とを含有し、負荷されたマイクロ粒子がマトリックス物質に包まれる日焼け色形成組成物に関連する。
【背景技術】
【0003】
活性化合物を配合物において安定化させることは、化粧品、パーソナルケア用品および医薬品の技術分野における研究者の重要な目標である。多くの活性化合物は、配合物中に存在するとき、反応性である(例えば、不安定である)か、あるいは場合により、配合物中に存在する他の活性成分または補助成分と相互作用し得る。活性化合物および全体としての配合物の改善された安定性が、これらの研究者の具体的な目標である。
【0004】
配合物において他の成分と相互作用し得る活性化合物の例には、レチノイド類、例えば、レチノイン酸、レチノール、レチンアルデヒド、およびこれらの化合物の誘導体などが含まれる。これらのレチノイド類は、配合物における他の化合物(例えば、酸など)によって、具体的には、α-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸、サリチル酸および関連化合物など)によって促進され得る酸化、配合物における他の成分との反応、および/またはダイマーもしくはより高次のオリゴマーの形成を特に受けやすい。相互反応し得る活性化合物の他の例には、脂溶性ビタミンおよび水溶性ビタミン、例えば、アスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体、ならびにビタミンKなどが含まれる。過酸化ベンゾイルなどの化合物もまた、配合物における他の成分との相互作用を防止するために安定化され得る。
【0005】
活性化合物の安定性および補助的化合物の安定性を、これらの化合物の効力を維持しながら改善するために、多くの異なる取り組みが行われている。今日まで、どの取り組みも、これらの化合物を完全に、または十分に安定化していない。
【0006】
比較的多くの人々によって広く使用される1つの具体的な化粧品配合物は、色の薄い皮膚を、化学物質に基づく日焼け色形成組成物の使用により濃色化するセルフタンニング組成物である。多くの人が、皮膚ガンの増大した危険性のために、太陽紫外線に不必要にさらされることを避けたいと望んでいる。従って、皮膚を濃色化する代替手段、すなわち、セルフタンニング組成物が人気を集めている。
【0007】
日焼け色を濃くするのに最も広く使用される方法の1つが、皮膚へのセルフタンニング化合物(例えば、好適な化粧品配合物におけるジヒドロキシアセトン(DHA)など)の局所適用による方法である。DHAは、水と接触したときにDHAのモノマー形態に変換するダイマー構造を形成する。モノマー状DHAは、皮膚タンパク質の遊離アミノ基と反応することによって、メイラード反応と類似する反応により皮膚を濃色化する。当初、DHAを適用した後で形成される皮膚の色は予測できず、また、多くの場合、所望される褐色ではなく、むしろ、オレンジ色の色相であった。より高度に精製されたDHA、およびDHAを含有する改善された配合物を使用することによって、セルフタンニング組成物は、所望される褐色の皮膚色をもたらすことにおいてより効果的である。
【0008】
DHAセルフタンニング法の1つの大きな欠点が、皮膚の明白な濃色化を認めるために要求される時間の長さである(例えば、4時間を超えて、12時間まで)。増強剤を日焼け色形成配合物に加えることを含めて、いくつかの異なる取り組みが、日焼け色形成プロセスの速度を改善するために試みられている。典型的には、増強剤は第一級アミノ含有化合物または第二級アミノ含有化合物である。DHAは、皮膚タンパク質との反応と類似した様式で増強剤と反応して、迅速に褐色の日焼け色をもたらす。増強剤の適切な選択および配合により、より自然な日焼け色をもたらすことができる。
【0009】
特許文献1は、ジヒドロキシアセトンと、ある種のアミノ酸またはその塩とを4未満のpHで局所用キャリアに含む人工日焼け色形成組成物を開示する。しかしながら、この組成物は約20%の日焼け色形成活性成分を室温での3ヶ月間の保存の後で失うことがある。DHAのこの少なからぬ喪失は、製品安定性の観点からは受け入れることができない。米国特許第3,177,120号は、DHAのような日焼け色形成活性成分をアミノ基含有化合物とともに1つの組成物に含むことの問題を開示する。黄色または褐色の組成物色が局所適用前の保存期間中に発生した。
【0010】
増強剤は、セルフタンニング結果を認めるための時間の長さを短縮するが、増強剤を含有する日焼け色形成組成物は、多くの場合、容器内での色形成に関して不安定である。消費者による受容の観点からは、このことは重大な美観的欠点である。さらには、増強剤と早期に反応するDHAが消費され、皮膚を日焼け色にするためにもはや利用することができず、従って、日焼け色形成組成物の有効性が低下する。
【0011】
日焼け色形成組成物における早すぎる色形成の問題を克服するためのいくつかの方法が提案されており、これらには、最初に増強剤の溶液を皮膚に塗布し、その後、DHA含有配合物を塗布すること、または逆に、最初にDHAを塗布し、その後、増強剤を塗布することが含まれる(特許文献2、特許文献3および特許文献4を参照のこと)。別の取り組みでは、一方の区画が、増強剤を組み込むエマルションを含有し、第2の区画が、DHAを組み込むエマルションを含有する2区画パッケージが利用される(特許文献5および特許文献6を参照のこと)。皮膚に適用されたとき、これら2つの区画の内容物が混合し、その結果、増強剤が、日焼け色形成の速度を高めるようにDHAを活性化する。この方法は非常に効果的であるが、二重区画包装を開発する費用、および消費者への費用が使用を思い止まらせ得る。従って、費用をあまりかけずに同じ結果を得る方法が大いに望まれる。
【0012】
特許文献7は、増強剤を、デリバリーシステムを提供するためにマイクロ粒子に負荷し、その後、ワックスまたはエステルを、負荷されたデリバリーシステムに被覆することによって、従来のセルフタンニング組成物に関連する欠点を克服する方法を開示する。被覆および負荷されたデリバリーシステムが、DHAまたは他のセルフタンニング化合物を含有するセルフタンニング組成物に含められ、それにより、配合物が皮膚に適用されるまで、増強剤がDHAと早期に反応することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,603,923号明細書
【特許文献2】米国特許第5,503,874号明細書
【特許文献3】米国特許第5,705,145号明細書
【特許文献4】米国特許第6,399,048号明細書
【特許文献5】米国特許第5,645,822号明細書
【特許文献6】米国特許第5,750,092号明細書
【特許文献7】国際公開第WO2005/030162号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
セルフタンニング組成物を改善するために、本発明は、日焼け色形速度を増大させる一方で、日焼け色形成組成物が皮膚に適用されるまでは、増強剤をセルフタンニング化合物との早期の反応から保護する単一配合物を提供することに関する。従って、強化された日焼け色形成組成物の早期の濃色化が回避され、このことは、製造物についての長期にわたる貯蔵寿命、ならびに顧客への改善された効力および美観を提供する。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、セルフタンニング増強剤が最初にマイクロ粒子に負荷され、その後、負荷されたマイクロ粒子が、増強剤を局所適用前のセルフタンニング化合物(例えば、DHAなど)との早期の反応から保護するためにマトリックス物質に包まれる。本発明のデリバリーシステムを含有する配合物が皮膚に適用された後、増強剤が放出され、セルフタンニング化合物および増強剤が反応して、日焼け色形成速度を向上させる。本発明のデリバリーシステムを含有する配合物は、例えば、局所適用のために、水中油型エマルション、油中水型エマルションまたはゲルの形態が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、化粧品配合物、パーソナルケア配合物または医薬品配合物、特に、活性化合物または補助的な化合物と相互作用し得る第2の活性化合物または補助的な化合物を含有する組成物における活性化合物または補助的な化合物の改善された安定性を有するデリバリーシステムおよび配合物に関する。本明細書中下記で使用される用語「活性化合物」は表現「活性化合物および/または補助的な化合物」と同じ意味であり、表現「活性化合物および/または補助的な化合物」と交換可能に使用される。
【0017】
本発明の1つの局面は、活性化合物がマイクロ粒子に負荷され、負荷されたマイクロ粒子が、デリバリーシステムを提供するためにマトリックス物質に包まれる安定な配合物を提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の局面は、負荷されたマイクロ粒子を、活性化合物の早期の相互作用または放出(すなわち、適用前の相互作用または放出)を避けるために十分な量のマトリックス物質に包むことによって、マイクロ粒子に負荷された活性化合物を第2の活性化合物との相互作用から保護する方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の局面は、水溶性の活性化合物を含む組成物で、エマルションの形態である組成物を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる局面は、油溶性の活性化合物を含む組成物で、エマルションの形態である組成物を提供することである。
【0021】
本発明の別の局面は、油溶性の活性化合物を含む組成物で、オイルのような非水性溶媒に基づく組成物を提供することである。
【0022】
本発明の別の局面は、スキンケア化合物、局所用薬物、抗酸化剤、色素、セルフタンニング化合物、蛍光増白剤、脱臭剤、香料、日焼け防止剤、農薬、薬物および類似した化合物、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される活性化合物を含有する組成物を提供することである。
【0023】
より具体的な局面において、本発明は、セルフタンニング化合物と、皮膚の日焼け色形成速度を高めるための保護されたセルフタンニング増強剤とを含む日焼け色形成組成物を提供する。
【0024】
別の具体的な局面において、本発明は、(a)セルフタンニング化合物と、(b)ポリマーマイクロ粒子に負荷されたセルフタンニング増強剤とを含み、前記負荷されたマイクロ粒子がマトリックス物質に包まれる色安定なセルフタンニング組成物を提供する。
【0025】
本発明のさらに別の局面は、ポリマーマイクロ粒子に負荷された増強剤を、増強剤が負荷されたマイクロ粒子をマトリックス物質に包むことによって、組成物におけるセルフタンニング化合物との相互作用から保護する方法を提供することである。
【0026】
本発明のこれらの新規な局面および他の新規な局面が、好ましい実施形態の下記の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のデリバリーシステムは、(a)ポリマーマイクロ粒子、(b)活性化合物、および(c)マトリックス物質を含む。マトリックス物質は、デリバリーシステムの約68重量%〜約99重量%を構成する。活性化合物は水溶性または油溶性であり得る。
【0028】
本明細書中で使用される用語「マイクロ粒子」は、活性化合物を負荷する前のポリマーマイクロ粒子を示す。用語「負荷されたマイクロ粒子」は、活性化合物を負荷した後のポリマーマイクロ粒子を示す。
【0029】
マトリックス物質は、活性化合物が負荷されたポリマーマイクロ粒子に適用される。マトリックス物質は、個々の負荷されたマイクロ粒子および/または複数の負荷されたマイクロ粒子を包む。活性化合物が水溶性であるならば、マトリックス物質は好ましくは疎水性である。活性化合物が油溶性であるならば、マトリックス物質は好ましくは親水性である。しかしながら、活性化合物がマトリックス物質にそれほど可溶性でないならば、活性化合物(親水性または疎水性)の任意の組合せをマトリックス物質(親水性または疎水性)とともに使用することができる。
【0030】
本明細書中で使用される用語「水溶性の化合物」は、水における溶解度が25℃において100グラムの水について少なくとも0.1g(グラム)である化合物として定義される。同様に、「油溶性の化合物」は、鉱油における溶解度が25℃において100グラムの鉱油または類似する非水性溶媒について少なくとも0.1gである化合物として定義される。用語「水分散性の」および用語「油分散性の」は、水またはオイルに懸濁または分散させることができる化合物としてそれぞれ定義される。
【0031】
本発明のデリバリーシステムは、半固体組成物または液体組成物を提供するために、他の成分とともに配合することができる。そのような組成物は、活性化合物が、その意図された機能を発揮するために適用後にデリバリーシステムから放出されるように、局所適用することができる。
【0032】
1つの実施形態において、本発明の配合物は、セルフタンニング増強剤が負荷された吸着剤ポリマーマイクロ粒子を含有する。その場合、負荷されたマイクロ粒子はマトリックス物質に包まれる。他の実施形態において、異なる活性化合物がマイクロ粒子に負荷され、その後、マトリックス物質によって包まれる。
【0033】
セルフタンニング実施形態において、日焼け色形成速度または日焼け色の濃さを増大させるために使用することができる増強剤には、一般に、アミノ含有化合物が含まれる。セルフタンニング増強剤には、天然アミノ酸(例えば、リシン、アルギニンおよびグリシン)およびそれらの塩、ならびにアミノ基を含有する化合物(例えば、ジアミン、トリアミンおよびそれより高次のアミン、例えば、1,2-エタンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、またはこれらのアミン化合物の誘導体もしくは異性体など)が含まれる。
【0034】
他の有用なアミン系増強剤には、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、N,N’-ジエチルエチレンジアミン、N,N’-ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’-ジ-n-プロピルエチレンジアミン、N,N’-ジ-n-ブチルエチレンジアミン、N,N’-ジ-n-ヘキシルエチレンジアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N,N’-ジ-(2-カルボキシエチル)-エチレンジアミン、N,N’-ジ-(2-ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、N-n-プロピルエチレンジアミン、N-イソプロピルエチレンジアミン、N-n-ブチルエチレンジアミン、N-secブチルエチレンジアミン、N-ヘキシルエチレンジアミン、N-フェニルエチレンジアミン、N-ベンジルエチレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン、N-(3-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、N-[3-トリヒドロキシシリル)-プロピル]-エチレンジアミン、N-[3-トリヒドロキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)-プロピル]-エチレンジアミンおよびN-ナフチルエチレンジアミンが含まれるが、これらに限定されない。他のジアミンおよびジアミンの誘導体が米国特許第5,750,092号および同第5,645,822号に開示される(これらはそれぞれが参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0035】
増強剤として有用なポリマー状アミノ含有化合物には、ペンダント状アミノ基を有するシロキサンポリマー、例えば、General Electric(Schenectady、NY)から入手可能なそのようなシロキサンポリマー(例えば、GE SF 1706またはGE SF 1708)、またはDow Corning Corp.(Midland、MI)から入手可能なそのようなシロキサンポリマー(例えば、DC 2-8566)などが含まれるが、これらに限定されない。これらのアミノ修飾シリコーンポリマーのそれぞれが、指定されたINCI名アモジメチコンによって知られている。メトキシアモジメチコン/シルセスキオキサンコポリマーもまた、増強剤として使用することができる。線状ポリエチレンイミン、または分枝状型の類似ポリマーもまた、樹枝状型のアミノポリマー(例えば、Dendritech, Inc.(Midland、MI)から入手可能なそのようなアミノポリマー(PAMANデンドリマー)、またはDSM(Galeen、オランダ)から入手可能なそのようなアミノポリマーなど)が使用され得るように、増強剤として使用することができる。式(CH2CH2NH)n(式中、nは30〜15,000の範囲である)のポリエチレンイミン、例えば、Aceto Corporation(Flushing、NY)から入手可能なEPOMIN(商標)製品、およびBASF Corporation(Parsippany、NJ)から入手可能なPOLYMIN(商標)製品などもまた増強剤である。加えて、ポリマー型のアミノ酸、例えば、ポリ(リシン)およびポリ(アルギニン)などもまた、増強剤として使用することができる。
【0036】
様々な吸着剤ポリマーマイクロ粒子が、パーソナルケア組成物および医薬組成物では広く使用される。そのようなポリマーマイクロ粒子は、高いオイル吸着性および高い水吸着性、あるいは高いオイル吸着性または高い水吸着性を有することができる。マイクロ粒子は、様々な問題(例えば、溶解性および美観など)に起因して、活性化合物の放出速度を制御するために、または活性化合物を分解から保護するために、または活性化合物の組成物への配合を容易にするために使用することができる。
【0037】
本発明において有用な吸着剤マイクロ粒子の1つのクラスがPOLY-PORE(登録商標)E200である(米国特許第5,677,407号、同第5,712,358号、同第5,777,054号、同第5,830,967号および同第5,834,577号を参照のこと;これらはそれぞれが参照によって本明細書中に組み込まれる)。これらのマイクロ粒子および関連した物質が、AMCOL International Corporation(Arlington Heights、IL)から市販されている。本発明において有用な吸着剤マイクロ粒子の別のクラスが、米国特許第5,830,960号に示されるようなPOLY-PORE(登録商標)L200であり、これもまた、AMCOL International Corporationから入手可能である。別の吸着剤ポリマーが、米国特許第4,962,170号および米国特許第4,962,133号(これらはそれぞれが参照によって本明細書中に組み込まれる)に開示されるようなPOLYTRAP(登録商標)であり、これもまた、AMCOL International Corporationから入手可能である。
【0038】
市販されている他の吸着剤ポリマーには、例えば、AMCOL International Corporationから入手可能であるMICROSPONGE(登録商標)(メチルメタクリラートおよびエチレングリコールジメチルアクリラートのコポリマー)、およびBiopore Corporation(Mountain View、California)から入手可能であるPoly-HIPEポリマー(例えば、2-エチルヘキシルアクリラート、スチレンおよびジビニルベンゼンのコポリマー)が含まれる。
【0039】
活性化合物(例えば、増強剤)は、マイクロ粒子上での化合物の均一な分布が達成されるような様式で化合物を直接的にマイクロ粒子に噴霧する、または加えることによって、吸着剤マイクロ粒子の表面または内部に取り込まれる(すなわち、負荷される)。本明細書中で使用されるように、活性化合物はデリバリーシステムに「負荷」され、すなわち、マイクロ粒子に吸着され、吸収され、および/または閉じ込められる。代替的に、活性化合物を最初に好適な溶媒に溶解させることができ、その後、得られた溶液がマイクロ粒子に噴霧または添加される。溶媒は、加熱、真空または両方によって除かれる。
【0040】
1つの実施形態において、活性化合物(例えば、アミノ含有増強剤)が最初にマイクロ粒子に負荷され、その後、マトリックス物質が、負荷されたマイクロ粒子に適用され、これにより、貯蔵期間中、およびセルフタンニング配合物が皮膚に適用される前でのマイクロ粒子からの化合物の放出速度が改変され、および/またはマイクロ粒子に負荷された増強剤が、配合物におけるセルフタンニング化合物(例えば、DHAなど)との貯蔵期間中における早期の反応から保護される。
【0041】
従って、本発明の別の局面は、活性化合物を配合物における他の成分との相互作用から保護する方法を提供することである。この利点を提供するために、日焼け色形成増強剤が負荷されたマイクロ粒子は、マイクロ粒子を包むマトリックス物質中に分散させられる。これらのマトリックス物質は、その溶融状態において、負荷されたマイクロ粒子に直接、マイクロ粒子上でのマトリックス物質の均一な分布が達成されるような様式で加えられる。別の方法は、活性化合物が負荷されたマイクロ粒子を最初にマトリックス物質に分散させ、その後、マイクロ粒子を当業者に知られている数多くの方法のいずれかによって再生し、続いて、負荷されたマイクロ粒子を包む溶融したマトリックス物質を冷却して、固体のマイクロ粒子を形成することである。得られる負荷されたマイクロ粒子/マトリックス粒子はさらに、付加された保護層を提供するために、例えば、Wursterコーターを使用して、第1のマトリックス物質と同一または異なる物質であり得る第2のマトリックス物質の層により被覆することができる。
【0042】
活性化合物を覆ってワックスまたはポリマー物質を被覆することによって矯味矯臭剤を安定化すること、または薬物放出を制御することが、製薬業界および食品加工業界では広く使用されている。噴霧乾燥または噴霧凝固が、活性化合物を固体マトリックスで被包する広く知られている技術である。米国特許第6,485,558号(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)は、ワックス層またはポリマー層により被覆された有機顔料顆粒を調製するための噴霧乾燥プロセスを記載する。
【0043】
噴霧凝固プロセスは、溶媒を用いない、環境に優しいプロセスである。典型的なプロセスでは、活性化合物およびキャリアが混合され、その後、液滴に霧状化される溶融混合物を作製するためにチャンバーにおいて加熱される。液滴が凝固して、マイクロ粒子を形成する。
【0044】
Passerini他(Journal of Controlled Release (2003)、88(2)、263〜275)は、ベラパミルHClのインビトロ放出を制御するために、ワックスを超音波噴霧凝固技術とともにマイクロ粒子の調製において使用することを議論した。適切なタイプおよび量のキャリアを選択することによって、球形で良好な被包効率を伴うマイクロ粒子が得られた。8時間にわたるゼロ次放出が、薬物の固体状態特性を変化させることなく、観測された。ドイツ国特許出願公開DE-A1-2940156および国際特許出願公開WO92/07912は、ワックス被覆された顔料粉末を、流動床プロセスを使用して製造するためのプロセスを開示する。加えて、国際特許出願公開WO2005/053656は、不安定な薬物と、キャリアとの溶融混合物を形成するために押出機を使用し、その後、溶融混合物をアトマイザーに通して霧状化して、多粒子状薬物粒子を製造する方法を開示する。そのような方法は、薬物の分解を低下させることを助ける。しかしながら、活性化合物の表面、特に、親水性の活性化合物の表面は、典型的には、ワックスによって完全には被覆されない。活性化合物の放出速度の制御もまた制限される。
【0045】
上記の吸着剤ポリマーマイクロ粒子のいくつかは、高いオイル吸着性および高い水吸着性の両方を有する。これらのマイクロ粒子は、親水性の活性化合物が最初に負荷されるための特異な能力を有しており、その後、負荷されたマイクロ粒子を疎水性のマトリックス物質に分散させることができる。代替的に、吸着剤ポリマーマイクロ粒子は、最初に、疎水性の活性化合物を負荷することができ、その後、親水性のマトリックス物質中に分散することができる。
【0046】
親水性のマトリックス物質または疎水性のマトリックス物質のどちらかにおける負荷されたマイクロ粒子の分散物は、数多くの広く知られている方法によって液滴に霧状化することができる。いくつかの霧状化方法を本発明において使用することができ、これらには、(1)単液ノズルの圧力による方法、(2)2つの流体ノズルによる方法、(3)遠心アトマイザーまたは回転盤アトマイザーによる方法、(4)超音波ノズルによる方法、および(5)機械的振動ノズルによる方法が含まれる。霧状化プロセスの詳細な説明が、Lefebvre、“Atomization and Sprays” (1989)、およびPerry’s “Chemical Engineering Handbook”(第7版、1997)に見出され得る。必要な場合には、負荷されたマイクロ粒子/マトリックス粒子はさらに、Wursterコーターまたは類似する流動床被覆技術によって第2のマトリックス物質の層により被覆することができる。第2のマトリックス物質は、第1のマトリックス物質と同一または異なり得る。Wurster技術では、被覆溶液が、流動化された粒子に噴霧され、その後、溶媒が使用されるならば、皮膜は乾燥させられ、または第2のマトリックス物質が溶融状態であるならば、冷却させられる。
【0047】
好ましくは、マトリックス物質は、活性化合物が水溶性であるときには疎水性である。逆に、マトリックス物質は好ましくは、活性化合物が油溶性であるときには親水性である。活性化合物およびマトリックス物質の好ましい組合せは、親水性のマトリックス物質を水溶性の活性薬剤とともに使用すること、または疎水性のマトリックス物質を油溶性の活性薬剤とともに使用することにより、組成物の性質が改善されるので、本発明にとって本質的ではない。
【0048】
マトリックス物質により、負荷されたマイクロ粒子が被覆され、包まれる。従って、マトリックス物質は、水または非水性溶媒による負荷されたマイクロ粒子からの活性化合物の迅速な置換を遅らせるか、または排除する。
【0049】
マトリックス物質の正体は特に限定されない。しかしながら、活性化合物が水溶性であるときには、マトリックス物質は水不溶性であること、すなわち、25℃で100ml(ミリリットル)の水において0.1g(グラム)以下の水溶性を有することが好ましい。活性化合物が油溶性であるときには、マトリックス物質はオイル不溶性であること、すなわち、25℃で100mlの鉱油において0.1g以下の油溶性を有することもまた好ましい。しかしながら、100mlの鉱油または水における20gまでの油溶性または水溶性をそれぞれ有するマトリックス物質を、水溶性の活性化合物および油溶性の活性化合物とともにそれぞれ使用することができる。
【0050】
マトリックス物質は、マトリックス物質が活性化合物に悪影響を及ぼさないように、例えば、活性化合物との反応性および相互作用を有しないように選択される。マトリックス物質は典型的には、室温において、すなわち、25℃において固体である。いくつかの実施形態において、マトリックス物質は、活性化合物との併用で発揮する化粧品特性または薬効特性を有する。
【0051】
好適なマトリックス物質の例には、低融点の(C8〜C20)アルコール、および1モル〜3モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された脂肪アルコールがある。脂肪アルコールおよびエトキシル化された脂肪アルコールの例には、ベヘニルアルコール、カプリルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、イソセチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、タローアルコール、ステアレス-2、セテス-1、セテアレス(cetearth)-3およびラウレス-2が含まれるが、これらに限定されない。さらなる脂肪アルコールおよびエトキシル化されたアルコールが“International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第10版、第3巻” (2004)の2127頁および2067頁〜2073頁(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)に列挙される。修飾用化合物の別のクラスがC8〜C20の脂肪酸であり、これには、ステアリン酸、カプリン酸、ベヘン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、タロー酸、オレイン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、および“International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第10版、第3巻” (2004)の2126頁〜2127頁(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)に列挙されるさらなる脂肪酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
マトリックス物質はまた、ポリデセン、パラフィン、ワセリン、植物由来ワセリンまたはイソパラフィンのような炭化水素であり得る。マトリックス物質の別のクラスがワックスであり、例えば、ミンクワックス、カルナウバワックスおよびカンデリラワックス、ならびに合成ワックス(例えば、シリコーンワックス、ポリエチレンおよびポリプロピレンなど)である。脂肪およびオイルもまた、有用な修飾用化合物であり得るし、これらには、ラノリン油、亜麻仁油、ココナツ油、オリーブ油、メンヘーデン油、ひまし油、ダイズ油、トール油、ナタネ油、パーム油および牛脚油、ならびに“International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第10版、第3巻” (2004)の2124頁〜2126頁に列挙されるさらなる脂肪およびオイルが含まれるが、これらに限定されない。他の有用なマトリックス物質は、少なくとも10個の炭素原子を有する水不溶性のエステルであり、好ましくは、10個〜約32個の炭素原子を有する水不溶性のエステルである。数多くのエステルが、“International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第10版、第3巻” (2004)の2115頁〜2123頁に列挙される。
【0053】
親水性のマトリックス物質もまた用いることができ、これには、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールまたはセルロース系物質が含まれる。
【0054】
本発明のセルフタンニング組成物は、水中油型エマルション(o/w)、油中水型エマルション(w/o)、シリコーン中水型エマルション(w/Si)、無水スティックおよび水性ゲルを含めて、様々な配合物タイプで調製することができる。本発明の負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムは、これらの配合物タイプのいずれかに組み込むことができる。例えば、o/w型エマルションを調製し、その後、好ましくは、保存剤および/または香料がエマルションに加えられるときに、増強剤が負荷され、マトリックス物質によって包まれたマイクロ粒子をエマルションに加えることができる。負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムが組成物に均一に混合されることを保証するために、エマルションは十分に攪拌される。類似する方法を、他の製造物タイプを調製するために使用することができる。
【0055】
本発明の日焼け色形成組成物は、セルフタンニング化合物を、所望される程度の日焼け色形成を達成するために十分な量で含有する。組成物におけるセルフタンニング化合物の量は、当業者には広く知られているが、典型的には、組成物の約0.1重量%〜約10重量%であり、好ましくは、組成物の約1重量%〜約7.5重量%であり、より好ましくは、組成物の約1重量%〜約5重量%である。
【0056】
組成物に含まれる日焼け色形成増強剤の量は、同じセルフタンニング化合物を同じ量で含有するが、増強剤が存在しない組成物よりも日焼け色形成の速度を高めるために十分である。典型的には、増強剤は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%の量で、好ましくは、組成物の約0.1重量%〜5重量%の量で、より好ましくは、組成物の約0.1重量%〜2重量%の量で日焼け色形成組成物中に存在する。
【0057】
増強剤は、ポリマーマイクロ粒子に負荷し、負荷されたマイクロ粒子を包んだ後で日焼け色形成組成物に配合される。組成物におけるマイクロ粒子の量は、組成物における増強剤の所望される量、およびマイクロ粒子に負荷される増強剤の量に関連している。典型的には、増強剤は、負荷されたマイクロ粒子が約2重量〜約80重量%(好ましくは約5重量〜約70重量%、より好ましくは約5重量〜約50重量%)の増強剤を含有するような量でポリマーマイクロ粒子に負荷される。
【0058】
負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムにおけるマトリックス物質の重量パーセントは、デリバリーシステムの約68重量%〜約99重量%であり、好ましくは、デリバリーシステムの約82重量%〜約95重量%であり、より好ましくは、デリバリーシステムの約84重量%〜約93重量%である。より具体的には、負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムは、約68重量%、69重量%、70重量%、71重量%、72重量%、73重量%、74重量%、75重量%、76重量%、77重量%、78重量%、79重量%、80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%または99重量%のマトリックス物質を含有する。
【0059】
負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムから皮膚表面への増強剤の放出機構は、デリバリーシステムからの増強剤の拡散、または日焼け色形成組成物を皮膚に塗布するという行為による負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムの物理的摩耗による増強剤の放出のいずれかに由来し得る。これらの機構は、組成物におけるDHA、L-エリテルロースまたは他のセルフタンニング化合物と反応するために、増強剤が皮膚表面に膜を形成することを可能にする。
【0060】
R. Jermann他(International Journal of Cosmetic Chemistry((2002)、24、1〜8)によって記載されるインビトロ技術により、日焼け色発生の速度が測定される。この方法では、その表面トポロジーが人の皮膚を効果的に模倣するので、VITRO-SKIN(商標)(IMS、Milford、CT)が基質として使用され、また、VITRO-SKINは、DHAと反応して褐色を形成するので、人の皮膚と類似する脂質成分およびタンパク質成分を有する。色の発生を、色度計(X-Rite、SP60)を使用することによって時間の関数として記録することができる。色度計では、L*、a*およびb*の色パラメーターが測定され、これらは、下記の式を使用して、元のVITRO-SKIN基質についての同じ値と比較することができる:
ΔE(t) = ((L*(0) - L*(t))2 + (a*(0) - a*(t))2+ (a*(0) - a*(t))2)1/2
式中、L*(0)は、日焼け色形成組成物が基質に塗布される前の時間0における輝度値であり、L*(t)は、組成物塗布後の時間tでの輝度値であり、a*およびb*も時間の関数としての同様の値である。日焼け色形成の速度は、時間の関数としてΔEによって測定されるように、増強剤を含む組成物については、コントロールの配合物と比較して、より迅速に増大することが見出され、また、他の場合では、最終的な皮膚の色もまた、ΔE値によって測定されたとき、より濃くなっていた。
【0061】
組成物の色に対する、増強剤を日焼け色形成組成物に加えることの影響もまた、色度計を使用して測定された。組成物に直接に加えられた同じ量のアモジメチコンまたはリシンとの比較において、増強剤が負荷されたマイクロスフェアを含有する組成物は、いくつかの場合には、日焼け色形成組成物がほんのわずかしか黄色い色を有しないほどに、ΔEまたはΔb*のどちらかの指標を使用したとき、色における著しい改善を示した。
【0062】
下記で明らかにされるように、増強剤がポリマーマイクロスフェアに負荷され、その後、このポリマーマイクロスフェアがマトリックス物質(例えば、ワックスまたはワックス混合物)によって包まれるので、本発明の組成物は色が安定している。具体的には、本発明の組成物は、負荷マイクロスフェア/マトリックスデリバリーシステムが存在しない同一の組成物と比較したとき、40℃での12週間の経時処理の後で約6以下のΔEを有する。
【0063】
セルフタンニングのインビボ測定が、皮膚の規定された領域を覆い、その領域における皮膚の色を色度計により測定し、その後、計量された量の試験配合物をその規定された領域に塗布することによって行われた。色度計が、皮膚の色を、試験配合物を塗布した後の時間の関数として記録するために使用された。
【実施例】
【0064】
実施例1:POLY-PORE(登録商標)E200中へのSF1708の負荷
GE SF 1708(General Electric Co.から入手可能な、ペンダント状アミノ基を有するシリコーン流体)(INCI名:アモジメチコン)を、最初にシリコーン流体を好適な溶媒(例えば、ヘプタン)に分散させ、その後、得られたシリコーン分散物を、撹拌下、段階的にPOLY-PORE(登録商標)E200に液滴状で加えることによってPOLY-PORE(登録商標)E200に負荷した。シリコーン分散物(50g)(ヘプタンにおける50重量%のSF1708)を50gのPOLY-PORE(登録商標)E200マイクロ粒子に負荷し、真空オーブンにおいて60℃で一晩乾燥させた。易流動性の粉末が得られ、このとき、SF1708の重量百分率は33.3%であった。
【0065】
実施例2:POLYTRAP(登録商標)6603表面へのSF1708の負荷
アモジメチコン(50g)を50gのヘプタンに分散させ、その後、100gの得られたシリコーン分散物を、混合物が均一になるまで、撹拌しながら50gのPOLYTRAP(登録商標)6603に負荷した。アモジメチコン負荷のマイクロ粒子を真空オーブンにおいて60℃で一晩乾燥させた。易流動性の粉末が得られ、このとき、SF1708の重量百分率は50%であった。
【0066】
実施例3:POLY-PORE(登録商標)E200表面へのリシンの負荷
リシン溶液を、40gのリシンを40gのDI(脱イオン)水に溶解することによって調製した。混合物を、リシンが完全に溶解するまで撹拌した。得られたリシン水溶液(30g)を段階的様式で撹拌しながら90gのPOLY-PORE(登録商標)E200マイクロ粒子に加えた。均一になるまで混合した後、リシンが負荷されたマイクロ粒子を60℃の真空オーブンに一晩入れて、水を除いた。14.3重量%のリシンを含有する易流動性の粉末が得られた。
【0067】
実施例4:POLY-PORE(登録商標)E200中へのリシン塩酸塩の負荷
リシン塩酸塩の溶液を、20gのリシン塩酸塩を40gのDI水に溶解することによって調製した。混合物を、リシン塩酸塩が完全に溶解するまで撹拌した。得られたリシン塩酸塩水溶液(60g)を撹拌しながら120gのPOLY-PORE(登録商標)E200マイクロ粒子に加えた。均一になるまで混合した後、マイクロ粒子を60℃の真空オーブンに一晩入れて、水を除いた。14重量%のリシン塩酸塩を含有する易流動性の粉末が得られた。
【0068】
実施例5:MICROSPONGE(登録商標)5640表面に2段階で負荷されたリシン塩酸塩
リシン塩酸塩(50g)を150gの水に溶解させた。混合物を透明になるまで撹拌した。リシン塩酸塩溶液(80g)を撹拌しながら段階的に180gのMICROSPONGE(登録商標)5640マイクロ粒子に加えた。撹拌を、混合物が均一になるまで続けた。負荷された粒子を60℃の真空オーブンに入れて、水を除いた。易流動性の粉末が得られた。さらに70gのリシン塩酸塩溶液(25重量%)を最初の負荷工程から得られた140gに段階的に加えた。この溶液を段階的に加え、得られた混合物を均一になるまで撹拌した。粒子を真空オーブンにおいて60℃で24時間乾燥させた。20重量%のリシン塩酸塩を含有する易流動性の粉末が得られた。
【0069】
実施例6:POLY-PORE(登録商標)E100中への3段階でのリシン塩酸塩の負荷
100グラムのリシン塩酸塩を300gのDI水に加えた。混合物を透明になるまで撹拌した。リシン塩酸塩溶液(80g)を撹拌しながら段階的に180gのPOLY-PORE(登録商標)E100マイクロ粒子に加えた。撹拌を、混合物が均一になるまで続けた。負荷された粒子を60℃の真空オーブンに一晩入れて、水を除いた。易流動性の粉末が得られた。次の負荷工程のために、25%のリシン塩酸塩溶液(70g)を最初の負荷工程から得られた140gの生成物に段階的に加えた。得られた混合物を均一になるまで撹拌した。粒子を真空オーブンにおいて60℃で24時間乾燥させた。易流動性の粉末が得られた。その後、80gの25%リシン塩酸塩溶液の3回目の負荷を2回目の負荷工程から得られた140gのマイクイロ粒子に加え、上記のように乾燥させた。30重量%のリシン塩酸塩を含有する易流動性の粉末が得られた。
【0070】
実施例7:POLY-PORE(登録商標)E100中への4段階でのリシン塩酸塩の負荷
負荷溶液を、120gのリシン塩酸塩を360gの水と80gのアセトンとの混合物に溶解することによって調製した。混合物を透明になるまで撹拌した。最初の負荷工程のために、リシン塩酸塩溶液(140g)を撹拌しながら180gのPOLY-PORE(登録商標)E100マイクロ粒子に段階的に加えた。撹拌を、混合物が均一になるまで続けた。負荷された粒子を60℃の真空オーブンに一晩入れて、水を除いた。易流動性の粉末が得られた。その後、負荷溶液の2回目の140gを最初の負荷で得られた生成物に段階的に加えた。溶液を段階的様式で加え、混合物を均一になるまで撹拌した。粒子を真空オーブンにおいて60℃で24時間乾燥させた。易流動性の粉末が得られた。その後、3回目の140gの溶液を加え、上記のように処理した。易流動性の粉末が得られた。最後に、4回目の140gの溶液を、混合物が均一になるまでリシン塩酸塩負荷のPOLY-PORE(登録商標)E100マイクロ粒子に加えて撹拌した。粒子を60℃の真空オーブンにおいて再び乾燥させた。40重量%のリシン塩酸塩を含有する易流動性の粉末が得られた。
【0071】
実施例8:POLY-PORE(登録商標)E100表面への5段階でのHYDROSIL(商標)2776の負荷
HYDROSIL(商標)2776(シラノール置換されたエチレンジアミンとしても知られ、Degussa(米国)から入手可能なアルコキシシラン)をPOLY-PORE(登録商標)E100表面に負荷した。最初の負荷工程のために、80gのHYDROSIL(商標)水溶液(10%)を撹拌しながら段階的に160gのPOLY-PORE(登録商標)E100マイクロ粒子に加えた。撹拌を、混合物が均一になるまで続けた。負荷された粒子を60℃の真空オーブンに一晩入れて、水を除いた。易流動性の粉末が得られた。その後、HYDROSIL(商標)溶液の2回目の80g部分を上記で得られた負荷物に段階的に加えた。再び、溶液を段階的に加え、混合物を均一になるまで撹拌した。粒子を真空オーブンにおいて60℃で24時間乾燥させた。易流動性の粉末が得られた。その後、3回目の80gの溶液を加え、前記のように乾燥させた。易流動性の粉末が得られた。4回目の80gの溶液を、均一な混合物が得られるまで、先に得られた負荷物に加えて撹拌した。負荷物を60℃の真空オーブンにおいて乾燥させた。最後に、HYDROSIL(商標)溶液(10重量%)の5回目の80g部分をHYDROSIL(商標)負荷のPOLY-PORE(登録商標)粒子に加え、均一になるまで撹拌した。粒子を再び、60℃の真空オーブンにおいて一晩乾燥させた。20重量%のHYDROSIL(商標)を含有する易流動性の粉末が得られた。
【0072】
実施例9:
40グラムの溶融したステアリルアルコールおよび60gの溶融したシアバターを均一になるまで混合した。実施例5の負荷されたマイクロ粒子(20重量%のリシン塩酸塩を含有する)の10グラムを撹拌しながら60℃で50gの溶融ワックス混合物に分散させた。得られた溶融混合物を2psi〜5psi(ポンド/平方インチ)の運転圧で2液ノズルに通して噴霧して、混合物を冷水浴の中に霧状化した。得られた固体マイクロ粒子をろ過し、その後、真空オーブンにおいて室温で乾燥させた。最終的な負荷されたマイクロ粒子は、3.3重量%のリシン塩酸塩、13.4重量%のMICROSPONGE(登録商標)、33.3重量%のステアリルアルコールおよび50.0重量%のシアバターを含有した。
【0073】
実施例10:
60グラムの溶融したステアリルアルコールおよび40gの溶融したシアバターを均一になるまで混合した。実施例6の負荷されたマイクロ粒子(30重量%のリシン塩酸塩を含有する)の10グラムを撹拌しながら60℃で70gの溶融ワックス混合物に分散させた。得られた溶融混合物を、混合物を2psi〜5psiの運転圧で2液ノズルに通して噴霧して、冷水浴の中に霧状化した。得られた固体粒子をろ過し、その後、真空オーブンにおいて室温で乾燥させた。最終的な負荷されたマイクロ粒子は、3.75重量%のリシンHCl、8.75重量%のPOLY-PORE(登録商標)、52.5重量%のステアリルアルコールおよび35.0重量%のシアバターを含有した。
【0074】
実施例11:
3.75重量%のリシン塩酸塩、8.75重量%のPOLY-PORE(登録商標)E100、43.75重量%のステアリルアルコールおよび43.75重量%のシアバターの最終的な組成を含有するマイクロ粒子を提供するために、ステアリアルアルコールおよびシアバターの1:1の重量混合物が使用されたことを除いて、実施例10を繰り返した。
【0075】
実施例12:
60グラムの溶融したステアリルアルコールおよび40gの溶融したシアバターを均一になるまで混合した。実施例7の負荷されたマイクロ粒子(40重量%のリシン塩酸塩を含有する)の10グラムを撹拌しながら60℃で56.6gの溶融ワックス混合物に分散させた。得られた溶融混合物を2psi〜5psiの運転圧で2液ノズルに通して噴霧して、混合物を冷水浴の中に霧状化した。得られた固体マイクロ粒子をろ過し、その後、真空オーブンにおいて室温で乾燥させた。最終的な負荷されたマイクロ粒子は、6.0重量%のリシンHCl、9.0重量%のPOLY-PORE(登録商標)、51.0重量%のステアリルアルコールおよび34.0重量%のシアバターを含有した。
【0076】
実施例13:
Dow Corning 2503ワックス(INCI名:ステアリルジメチコン、50g)を50gのDow Corning ST-Wax 30(ICNI名:C30-45アルキルメチコン)と混合した。得られたワックス混合物を70℃に加熱して溶融させ、その後、均一になるまで撹拌した。実施例8で得られたマイクロ粒子(20重量%のHYDROSIL(商標)を含有する)の10グラムを撹拌しながら70℃で60gの溶融ワックス混合物に分散させた。得られた混合物を、不活性ガスの流れを霧状化のために使用して、2液ノズルに通して小さい液滴にして噴霧した。冷水浴を、粒子を集めるために使用した。得られた粒子をろ過し、その後、真空オーブンにおいて室温で乾燥させた。最終的な生成物は、2.86重量%のHYDROSIL(商標)、11.44重量%のPOLY-PORE(登録商標)、42.85重量%のDC2503ワックスおよび42.85重量%のST-Wax30を含有した。
【0077】
実施例14:
ステアリルアルコールおよびシアバターの混合物がシロキサンワックス混合物の代わりに使用されたことを除いて、実施例13における実験を繰り返した。ステアリルアルコール対シアバターの重量比は3:2(重量比)であった。最終的なマイクロ粒子は、2.86重量%のHYDROSIL(商標)、11.44重量%のPOLY-PORE(登録商標)E100、51.42重量%のステアリルアルコールおよび34.28重量%のシアバターを含有した。
【0078】
実施例15:ジヒドロキシアセトン(DHA)の水中油型ローション
いくつかの実験において、DHAの水中油型ローションを、5%のDHAが50%水溶液から加えられ、その後、POLY-PORE(登録商標)またはPOLYTRAP(登録商標)のどちらかを含有する負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムが加えられた基剤として使用した。基剤の配合は下記の通りであった。
【0079】
【表1】

【0080】
製造プロセス:A成分を混ぜ、均一になるまでプロペラ攪拌機により混合する。B成分を混ぜ、均一になるまでプロペラ攪拌機により混合する。相Aおよび相Bを別々に75℃に加熱する。その後、相Bを、ホモジネートしながら相Aにゆっくり加え、40℃に冷却し、相Cおよび相Dを加え、一緒に混合する。
【0081】
実施例16:
負荷マイクロ粒子/マトリックスデリバリーシステムを、増強剤が負荷されたマイクロ粒子が日焼け色形成速度を高め得るか、また、配合物における色形成の有害な美観を最小限に抑え得るかを試験するために、DHAを含有する水中油(o/w)型エマルションに入れた。例えば、実施例9で得られた噴霧粒子(1g)を実施例15に記載されるDHA水中油型ローション(5g)に入れ、その後、50%DHA水溶液を0.67g加えた。コントロールを、10gの50%DHA水溶液を90gのDHA水中油型ローションに加えることによって作製した。アミン系増強剤が負荷されていないサンプルを、10gの10%リシン塩酸塩溶液を80gのDHA水中油型ローションおよび10gの50%DHA水溶液に加えることによって調製した。粒子添加後の日焼け色形成組成物の色発生をX-Rite比色計によって記録し、写真撮影した。すべての場合において、負荷されていないアミン含有増強剤、またはマトリックス物質により被覆されたマイクロ粒子に負荷された増強剤を、最終的な配合物における増強剤の最終濃度を同じにするために組成物に加えた。すべての組成物がまた、同じ量のDHAを含有した。組成物の色を、増強剤を組成物に加えた後、12週間にわたって毎週測定した。
【0082】
実施例17:
5%DHAゲルを様々な実験における基剤として使用した。このDHAゲルの配合は下記の通りであった。
【0083】
【表2】

【0084】
製造プロセス:DHAを脱イオン水に分散させ、得られた分散物を均一かつ透明になるまで撹拌した。CARBOMERを、激しく撹拌しながらDHA溶液にゆっくり加え、その後、分散物を20%水酸化ナトリウムにより中和し、最後に、フェノニプ(phenonip)を加え、均一になるまで混合した。
【0085】
実施例18:
実施例17で得られた5%DHAゲルの90gに実施例12で得られたマイクロ粒子(10g)を加えて、4.5%のDHAおよび0.6%のリシン塩酸塩を含有するゲルを調製した。コントロールサンプルを、10gの水を90gの5%DHAゲルに加えることによって調製した。第3のサンプルを、10gの6%リシンHCl溶液を90gの5%DHAゲルに加えることによって調製した。負荷されていないアミン系増強剤、またはマトリックス物質により被覆されたマイクロ粒子に負荷された増強剤を、最終的な配合物における増強剤の最終濃度を同じにするために組成物に加えた。すべての組成物がまた、同じ量のDHAを含有した。粒子を加えた後での日焼け色形成組成物の色発生をX-Rite比色計によって記録し、写真撮影した。
【0086】
実施例19:
いくつかの実験において、油中水型ローションを、DHAが、配合物における5%のDHAの最終濃度を提供するために50%DHA水溶液から加えられ、その後、POLY-PORE(登録商標)負荷またはPOLYTRAP(登録商標)負荷のどちらかを含有する噴霧粒子が加えられた基剤として使用した。基剤配合物は下記の通りであった。
【0087】
【表3】

【0088】
製造プロセス:相Aの成分を組み合わせ、50℃に加熱して成分を溶解させ、その後、混合物を室温に冷却する。相Bの成分を組み合わせ、均一になるまで2000rpm〜3000rpmでホモジネートする。相Aを、2000rpm〜3000rpmでホモジネートしながら相Bにゆっくり加え、その後、5000rpm〜6000rpmでのホモジネーションを10分間続ける。
【0089】
実施例20:
増強剤の負荷マイクロ粒子が日焼け色形成速度を高め得るか、また、配合物に対する有害な美観を最小限に抑え得るかを試験するために、負荷されたマイクロ粒子を、DHAを含有する油中水(w/o)型組成物に配合した。本実施例では、市販のセルフタンニング用ローションが使用された。例えば、実施例10で得られた噴霧粒子の10gを、5%のDHAを含有する市販のDHA油中水型ローション(65g)に入れた。最終的なローションは0.5重量%のリシンHClおよび4.33重量%のDHAを含有した。サンプルを安定性試験のために40℃のオーブンで貯蔵した。サンプルの色を、12週間にわたり毎週、比色計および写真によって記録した。12週間の経時処理を行ったサンプルの写真を、同じ量のDHAを含有するが、リシン塩酸塩を含まないコントロールサンプル、および10gの3.75%リシン塩酸塩溶液が、4.33%のDHAを含有する最終的なエマルション組成物を再び得るために65gDHAローションに直接に加えられた第2のサンプルと比較した。ワックス被覆されたマイクロ粒子を含有するサンプルは、明るい灰白色を発生させただけであった。この場合、同じ量のリシンHClを含有するが、負荷されたマイクロ粒子を含まないサンプルは、40℃での12週間の経時処理の後で暗い褐色を発生させた。サンプルを40℃で経時処理した後での組成物の色を下記にまとめる。ΔEおよびΔb*の値を、時間0(サンプルが新たに作製されたとき)に測定された色に関して計算した。より大きいΔE値は、サンプルの色における変化がより大きいことを示す。
【0090】
【表4】

【0091】
実施例21:効力測定
実施例20のサンプルのインビトロ効力をVITRO-SKIN(登録商標)(IMS, Inc.)で測定した。ローションの42mg部分をVITRO-SKIN(登録商標)の8.4cm2片にすり込んだ。VITRO-SKIN(登録商標)は、85%の水および15%のグリセリンを含有するチャンバーにおいて事前に水和された。ローションを塗布した後、Vitro-Skinを、20%の水および80%のグリセリンを含有する別のチャンバーに40℃で置いた。インビトロ皮膚の色を48時間測定した。結果を下記の表にまとめる。明らかに、サンプルのインビトロ効力はコントロールよりも大きい。増強剤により、DHAローションの日焼け色形成速度および日焼け色形成度合いが高められる。
【0092】
【表5】

【0093】
実施例22:
実施例19に記載される配合物基剤を使用して、5重量%のDHAを含有するコントロール配合物を調製した。5重量%のDHAと、6重量%のリシンHClが負荷され、51重量%のステアリルアルコールおよび34重量%のシアバターの混合物により被覆されたPOLY-PORE(登録商標)E100マイクロ粒子(20重量%)とを含有する第2の配合物を調製した。インビボ試験を、日焼け色形成組成物を人の皮膚に塗布したときの色の発生を測定するために行う。1人の被験者の前腕上で4つの9cm2の領域に、印をつける。皮膚の色を、X-Rite SP62色度計を使用して測定した。すべての領域を38mgの配合物により処置した。最初の2つの領域をコントロール配合物により処置し、それ以外の2つの領域を、リシン塩酸塩が負荷されたワックス被覆のPOLY-PORE(登録商標)E100ポリマー粒子を含有する配合物により処置した。皮膚の色を時間の関数として記録した。最初の日の終わりと、22時間の時点との間で、被験者は、正常として洗浄した。結果を、ローション塗布前の皮膚からの色変化(デルタE)に関して示す。
【0094】
【表6】

【0095】
実施例23:POLYTRAP(登録商標)6603表面へのリシンの負荷
リシン溶液を、70gのリシンを100gのDI水に溶解することによって調製した。混合物を、リシンが完全に溶解するまで撹拌した。この水溶液(34g)を、撹拌しながら液滴状で100gのPOLYTRAP(登録商標)6603マイクロ粒子に加えた。均一になるまで混合した後、リシンが負荷されたマイクロ粒子を60℃の真空オーブンに一晩入れて、水を除いた。12.3重量%のリシンを含有する易流動性の粉末が得られた。
【0096】
実施例24:
シアバター(100g)を溶融させ、その後、50℃に予熱された実施例23の負荷されたマイクロ粒子50gに加えた。マイクロ粒子を均一になるまで撹拌した。負荷されたマイクロ粒子におけるシアバターおよびリシンの最終的な重量百分率は、それぞれ66.7%および4.1%であった。
【0097】
実施例25:
本実施例では、市販のセルフタンニング油中水型ローションが使用された。前記の実施例22で得られた、リシンが負荷されたシアバター被覆のPOLYTRAP(登録商標)マイクロ粒子(9g)を、均一になるまでの撹拌のもと、4%のDHAを含有する市販の油中水型ローション(91g)に入れた。最終的なローションは0.37重量%のリシンおよび3.64重量%のDHAを含有した。サンプルを安定性試験のために40℃のオーブンに置いた。サンプルの色を毎週記録した。黄色い色が一晩の貯蔵の後で発生し、暗い褐色の色が40℃でほんの4週間の後で発生した。
【0098】
本発明の重要な特徴によれば、活性化合物は、水溶性または油溶性のどちらであっても、広範囲の様々な化合物のいずれもであり得る。多くの場合、活性化合物は、局所活性化合物である。従って、本発明のデリバリーシステムを含有する組成物は、皮膚に適用することができ、その後、活性化合物は、その意図された機能を発揮する。
【0099】
前記の議論は主にセルフタンニング化合物に関するが、活性化合物は、異なるタイプの化合物であり得、例えば、香料、農薬、または薬物および治療剤のような類似したタイプの活性化合物などであり得る。
【0100】
活性化合物は多くの場合、水溶性または水分散性の化合物であり、すなわち、親水性である。しかしながら、活性化合物は油溶性または油分散性であることが可能であり、すなわち、疎水性である。他の実施形態において、活性化合物は、化合物の混合物(すべてが親水性の化合物、またはすべてが親油性の化合物、または親水性の化合物と親油性の化合物との混合物のいずれか)である。
【0101】
従って、局所活性化合物は、化粧用化合物、医薬用の活性化合物、または皮膚もしくは毛髪に局所適用したときに有用である任意の他の化合物のいずれかであり得るか、あるいはそのような化合物の混合物であり得る。そのような局所活性化合物には、毛髪成長促進剤、脱臭剤、スキンケア化合物、抗酸化剤、毛染め剤、抗菌性化合物、抗真菌性化合物、抗炎症性化合物、局所麻酔剤、日焼け防止剤、ならびに他の化粧用および医薬用の局所的に効果的な化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
例えば、スキンコンディショナーは本発明の組成物の活性化合物であり得る。スキンコンディショナーには、湿潤剤(例えば、フルクトース、グルコース、グリセリン、プロピレングリコール、グリセレス-26、マンニトールおよび尿素など)、ピロリドンカルボン酸、加水分解レシチン、ココベタイン、システイン塩酸塩、グルカミン、PPG-15、グルコン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、オレイルベタイン、チアミン塩酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解タンパク質、加水分解ケラチン、アミノ酸、アミンオキシド、ビタミンA、ビタミンEおよびビタミンDの水溶性誘導体、アミノ官能シリコーン、エトキシル化グリセリン、α-ヒドロキシ酸およびその塩、脂肪オイル誘導体(例えば、PEG-24水素化ラノリンなど)、扁桃油、ブドウ種子油およびひまし油、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。数多くの他のスキンコンディショナーが、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第10版(T.E. Gottshalck他編、The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association (2004))(以降、CTFA Handbook)の2392頁〜2395頁に列挙される(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0103】
加えて、局所活性化合物は毛染め剤であり得、例えば、m-アミノフェノール塩酸塩、p-アミノフェノール硫酸塩、2,3-ジアミノフェノール塩酸塩、1,5-ナフタレンジオール、p-フェニレンジアミン塩酸塩、ピクラミン酸ナトリウム、カチオン性色素、アニオン性色素、FD&C色素(例えば、Blue No. 1、Blue No. 2、Red No. 3、Red No. 4またはRed No. 40など)、D&C色素(例えば、Yellow No. 10、Red No. 22またはRed No. 28など)、およびピロガロールなどであり得るが、これらに限定されない。数多くの他の毛染め剤がCTFA Handbookの2351頁〜2354頁に列挙される(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0104】
局所活性化合物はまた、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸またはエリソルビン酸)、または蛍光増白剤(fluorescent whitening agentまたはoptical brightener)(例えば、ジスチリルビフェニル誘導体、スチルベンもしくはスチルベン誘導体、ピラロジン誘導体またはクマリン誘導体)であり得る。加えて、毛髪成長促進剤は局所活性化合物であり得る。
【0105】
局所活性化合物はまた、脱臭剤化合物または制汗性化合物、例えば、収れん性の塩または生物活性化合物などであり得る。収れん性の塩には、アルミニウム、ジルコニウムおよび亜鉛の有機塩および無機塩、ならびにこれらの混合物が含まれる。収れん性の塩のアニオンは、例えば、スルファート、クロリド、クロロヒドロキシド、ミョウバン、ホルマート、ラクタート、ベンジルスルホナートまたはフェニルスルホナートであり得る。制汗性の収れん性塩の例示的なクラスには、ハロゲン化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシハライド、ジルコニルオキシハライド、ジルコニルヒドロキシハライドおよびこれらの混合物が含まれる。
【0106】
例示的なアルミニウム塩には、塩化アルミニウム、および一般式Al2(OH)xQy・XH2O(式中、Qは、塩素、臭素またはヨウ素である;xは約2〜約5である;x+yは約6であり、ただし、xおよびyは必ずしも整数ではない;Xは約1〜約6である)を有するアルミニウムヒドロキシハライドが含まれる。例示的なジルコニウム化合物には、ジルコニウムオキシ塩、ならびにジルコニル塩およびジルコニルヒドロキシ塩とも呼ばれ、一般的な経験式ZrO(OH)2-nzLz(式中、zは約0.9から約2まで変化し、必ずしも整数ではない;nはLの原子価である;2-nzは0以上である;Lは、ハライド、ニトラート、スルファマート、スルファートおよびこれらの混合物からなる群から選択される)によって表されるジルコニウムヒドロキシ塩が含まれる。
【0107】
従って、例示的な脱臭剤化合物には、アルミニウムブロモヒドラート、カリウムミョウバン、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクタート、硫酸アルミニウム、アルミニウムクロロヒドラート、アルミニウム−ジルコニウムテトラクロロヒドラート、グリセリンと複合体化されたアルミニウム-ジルコニウムポリクロロヒドラート、アルミニウム-ジルコニウムトリクロロヒドラート、アルミニウム-ジルコニウムオクタクロロヒドラート、アルミニウムセスキクロロヒドラート、アルミニウムセスキクロロヒドレクスPG、アルミニウムクロロヒドレクスPEG、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレクスグリシン複合体、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレクスグリシン複合体、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレクスグリシン複合体、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレクスグリシン複合体、アルミニウムクロロヒドレクスPG、ジルコニウムクロロヒドラート、アルミニウムジクロロヒドラート、アルミニウムジクロロヒドレクスPEG、アルミニウムジクロロヒドレクスPG、アルミニウムセスキクロロヒドレクスPG、塩化アルミニウム、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドラート、クロロフィリン銅複合体、CTFA Handbookにおいて2329頁〜2330頁(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)に列挙される数多くの他の有用な制汗性化合物、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。活性化合物はまた、悪臭を遮蔽することによって脱臭剤として作用する香料であり得る。数多くの香料化合物がCTFA Handbookの2345頁〜2346頁に列挙される(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0108】
加えて、他の化合物が、それらの意図された機能を発揮するために十分な量で、局所活性化合物として含まれ得る。例えば、組成物が、日焼け防止剤であることが意図されるならば、ベンゾフェノン-3、トリヒドロキシケイ皮酸および塩、タンニン酸、尿酸、キニン塩、ジヒドロキシナフトール酸、アントラニラート、ジエタノールアミンメトキシシンナマート、p-アミノ安息香酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、PEG-25、p-アミノ安息香酸またはトリエタノールアミンサリチラートなどの化合物を、活性化合物として使用することができる。
【0109】
さらに、様々な日焼け防止剤化合物、例えば、ジオキシベンゾン、4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサラート、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジマートO、レッドペトロラタム、二酸化チタン、4-メンチルベンジリデンショウノウ、ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-2、ベンゾフェノン-6、ベンゾフェノン-12、イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ゾトクリレンまたは酸化亜鉛などを活性化合物として使用することができる。他の日焼け防止剤化合物がCTFA Handbookの2397頁〜2399頁に列挙される(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0110】
同様に、抗真菌性化合物、抗菌性化合物、抗炎症性化合物、局所麻酔剤、皮膚発疹、皮膚疾患および皮膚炎の医薬品、ならびにかゆみ止め化合物および刺激軽減化合物のような局所活性化合物を、本発明の組成物における活性化合物として使用することができる。例えば、鎮痛剤、例えば、ベンゾカイン、塩酸ジクロニンおよびアロエベラなど;麻酔剤、例えば、ピクリン酸ブタンベン、塩酸リドカインおよびキシロカインなど;抗菌剤および消毒剤、例えば、ポビドン-ヨウ素、硫酸ポリミキシンb-バシトラシン、亜鉛-硫酸ネオマイシン-ヒドロコルチゾン、クロラムフェニコール、塩化エチルベンゼトニウムおよびエリスロマイシンなど;駆虫剤、例えば、リンデンなど;本質的にすべての外皮用剤、例えば、挫瘡用調製物(例えば、過酸化ベンゾイル、エリスロマイシン、リン酸クリンダマイシンおよび5,7-ジクロロ-8-ヒドロキシキノリンなど);抗炎症性薬剤、例えば、二プロピオン酸アルクロメタゾンおよび吉草酸ベタメタゾンなど;火傷緩和軟膏、例えば、o-アミノ-p-トルエンスルホンアミドモノアセタートなど;脱色剤、例えば、モノベンゾンなど;皮膚炎緩和剤、例えば、活性ステロイドのアムシノニド、二酢酸ジフロラゾンおよびヒドロコルチゾンなど;おむつかぶれ緩和剤、例えば、塩化メチルベンゼトニウムなど;皮膚軟化剤および保湿剤、例えば、ラノリンオイル、ワセリンおよびミネラルワックスなど;殺真菌剤、例えば、硝酸ブトコナゾール、ハロプロジンおよびクロトリマゾールなど;ヘルペス処置薬物、例えば、O-[(2-ヒドロキシメチル)-メチル]グアニンなど;掻痒医薬品、例えば、二プロピオン酸アクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾンおよびミリスチン酸イソプロピルMSDなど;乾癬薬剤、脂漏症薬剤および殺疥癬虫剤、例えば、アントラリン、メトキサレンおよびコールタールなど;ステロイド剤、例えば、2-(アセチルオキシ)-9-フルオロ-1’,2’,3’,4’-テトラヒドロ-11-ヒドロキシプレグナ-1,4-ジエノ-[16,17-b]ナフタレン-3,20-ジオンおよび21-クロロ-9-フルオロ-1’,2’,3’,4’-テトラヒドロ-11b-ヒドロキシプレグナ-1,4-ジエノ-[16,17-b]ナフタレン-3,20-ジオンなど。局所投与が可能である任意の他の医薬品、例えば、皮膚脱色剤、皮膚保護剤(例えば、アラントインなど)および抗挫瘡剤(例えば、サリチル酸など)もまた、その意図された機能を発揮するために十分な量で本発明の組成物に配合することができる。他の局所活性化合物が、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第17版、Merck Publishing Co. 、Easton、PA (1985)、773頁〜791頁および1054頁〜1058頁)(以降、Remington’s)(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)に列挙される。
【0111】
本発明のデリバリーシステムの調製において、活性化合物が最初にマイクロ粒子に負荷され、その後、マトリックス物質が、負荷されたマイクロ粒子に適用される。
【0112】
活性化合物はまた、口腔ケア化合物であり得る。様々な口腔ケア化合物をポリマーマイクロ粒子に配合することができる。そのような口腔ケア化合物には、下記のものが含まれるが、それらに限定されない:
(a)抗菌剤、例えば、ハロゲン化ジフェニルエーテル、例えば、2’,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(これはトリクロサンの商品名で知られている)および2,2’-ジヒドロキシ-5,5’-ジブロモジフェニルエーテル;2,2’-メチレンビス-4-4-クロロ-6-ブロモフェノール;ハロゲン化サリチルアニリド;ハロゲン化カルバニリド;トリポリリン酸ナトリウム;塩化セチルピリジニウム;塩化ベンザルコニウム;次亜塩素酸ナトリウム;ヘキサクロロフェン;チモール;クレゾール類;グアヤコール;オイゲノール;クレオソート;硫酸銅;銅-(エチル)マルトール;亜鉛塩および第一スズ塩、例えば、クエン酸亜鉛およびクエン酸亜鉛ナトリウムなど;ピロリン酸第一スズ;およびサンギナリン抽出物など;
(b)う食予防剤、例えば、フッ化物イオン供給源、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズおよびモノフルオロリン酸ナトリウム;塩化ナトリウム;および重炭酸ナトリウムなど;
(c)歯漂白剤、例えば、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ペルオキシ二リン酸カリウムおよび有機過酸など;
(d)歯垢防止剤、例えば、シリコーンポリマーなど;
(e)鎮痛剤、例えば、コデイン、アスピリン、アセトアミノフェン、プロポキシフェン、メペリジンおよびベンゾカインなど;
(f)矯味矯臭剤、例えば、スペアミント油、サリチル酸メチル、桂皮油、ハッカ油、チョウジ油、サッカリン、チモール、メントールおよびユーカリなど;
(g)界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の組成物はまた、化粧用組成物、医薬用組成物および他のそのような組成物に従来から含まれる、必要に応じて使用される様々な成分を含むことができる。必要に応じて使用されるこれらの成分には、色素、香料、保存剤、抗酸化剤、脱粘着剤、および類似するタイプの化合物が含まれるが、これらに限定されない。必要に応じて使用されるそのような成分は、それらの意図された機能を発揮するために十分な量で組成物に含まれる。
【0114】
明白ではあるが、本明細書中前記で示されるような本発明の多くの改変および変形を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができ、従って、添付された請求項によって示されるような限定のみが課される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)吸着剤ポリマーマイクロ粒子;
(b)負荷されたマイクロ粒子を提供するために前記吸着剤ポリマーマイクロ粒子に吸着された活性化合物;および
(c)負荷されたマイクロ粒子を包み、デリバリーシステムの総重量比で少なくとも68%〜約99%の量で存在するマトリックス物質
を含むデリバリーシステム。
【請求項2】
前記マトリックス物質がデリバリーシステムの総重量比で約82%〜約95%の量で存在する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項3】
前記マトリックス物質がデリバリーシステムの総重量比で約84%〜約93%の量で存在する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項4】
前記活性化合物が水溶性である、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項5】
前記マトリックス物質が油溶性である、請求項4に記載のデリバリーシステム。
【請求項6】
前記活性薬剤が油溶性である、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項7】
前記マトリックス物質が水溶性である、請求項6に記載のデリバリーシステム。
【請求項8】
前記活性化合物が、局所活性化合物、口腔ケア化合物、香料、農薬、薬物および治療剤からなる群から選択される、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項9】
前記局所活性化合物が、毛髪成長促進剤、脱臭剤、制汗性化合物、スキンケア化合物、抗酸化剤、毛染め剤、セルフタンニング化合物、抗菌性化合物、抗真菌性化合物、抗炎症性化合物、局所麻酔剤、日焼け防止剤、皮膚炎用医薬品または皮膚疾患用医薬品、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載のデリバリーシステム。
【請求項10】
前記局所活性化合物が、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン、アロエベラ、ピクリン酸ブタンベン、塩酸リドカイン、キシロカイン、ポビドン-ヨウ素、硫酸ポリミキシンb-バシトラシン、亜鉛-硫酸ネオマイシン-ヒドロコルチゾン、クロラムフェニコール、塩化エチルベンゼトニウム、エリスロマイシン、リンデン、過酸化ベンゾイル、エリスロマイシン、リン酸クリンダマイシン、5,7-ジクロロ-8-ヒドロキシキノリン、二プロピオン酸アクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、o-アミノ-p-トルエンスルホンアミドモノアセタート、モノベンゾン、アムシノニド、二酢酸ジフロラゾン、ヒドロコルチゾン、塩化メチルベンゼトニウム、ラノリンオイル、ワセリン、硝酸ブトコナゾール、ハロプロジン、クロトリマゾール、O-[(2-ヒドロキシメチル)メチル]グアニン、二プロピオン酸アクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ミリスチン酸イソプロピルMSD、アントラリン、メトキサレン、コールタール、2-(アセチルオキシ)-9-フルオロ-1’,2’,3’,4’-テトラヒドロ-11-ヒドロキシプレグナ-1,4-ジエノ-[16,17-b]ナフタレン-3,20-ジオン、21-クロロ-9-フルオロ-1’,2’,3’,4’-テトラヒドロ-11b-ヒドロキシプレグナ-1,4-ジエノ-[16z,17-b]ナフタレン-3,20-ジオン、アラントイン、サリチル酸、レチノール、パルミチン酸レチニル、トレチノインおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載のデリバリーシステム。
【請求項11】
前記活性化合物が、シリコーン、ミリスチン酸イソプロピル、酢酸ビタミンE、アスコルビン酸、レチノール、サリチル酸、亜鉛ピリチオン、ベンゾフェノン-3、酢酸ベンジル、香料、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェニル)フェノール、グリコール酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項12】
前記口腔ケア化合物が、抗菌剤、矯味矯臭剤、歯漂白剤、う食予防剤、歯垢防止剤、界面活性剤、鎮痛剤またはこれらの混合物を含む、請求項8に記載のデリバリーシステム。
【請求項13】
前記抗菌剤が、トリクロサン、塩化ベンザルコニウムまたは塩化セチルピリジニウムを含む、請求項12に記載のデリバリーシステム。
【請求項14】
前記歯漂白剤が、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ペルオキシ二リン酸カリウム、有機過酸またはこれらの混合物を含む、請求項12に記載のデリバリーシステム。
【請求項15】
前記口腔ケア化合物が、トリクロサン、トリポリリン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、ヘキサクロロフェン、オイゲノール、塩化ベンザルコニウム、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、シリコーンポリマー、矯味矯臭剤、着色剤、ベンゾカイン、メペリジンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載のデリバリーシステム。
【請求項16】
前記マトリックス物質が水不溶性であり、脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アルコール、C8〜C20脂肪酸、炭化水素、脂肪、オイル、シリコーンオイル、シリコーンワックス、水不溶性エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項17】
前記マトリックス物質が水溶性であり、ポリ(酸)、ポリオール、アルカノールアミド、水溶性ポリマー、生物学的ポリマー、ゴム、炭水化物、セルロース誘導体、ソルビタン誘導体およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項18】
(a)第1の活性化合物;および
(b)(i)ポリマーマイクロ粒子に負荷された第2の活性化合物;および
(ii)(i)の負荷されたポリマーマイクロ粒子を包むマトリックス物質
を含み、マトリックス物質が、マトリックス物質と負荷されたポリマーマイクロ粒子との総重量比で68%を超えて存在する、デリバリーシステム
を含む組成物。
【請求項19】
(a)第1の活性化合物がセルフタンニング化合物を含み、かつ
(b)第2の活性化合物が、ポリマーマイクロ粒子に負荷されたセルフタンニング増強剤を含む、
請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
重量比で約0.1%〜約10%の前記セルフタンニング化合物を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記セルフタンニング化合物がジヒドロキシアセトンを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記セルフタンニング化合物がL-エリスルロースを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記セルフタンニング化合物がジヒドロキシアセトンおよびL-エリスルロースの混合物を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記セルフタンニング増強剤が、アミノ酸、アミノ酸塩またはこれらの混合物を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項25】
前記セルフタンニング増強剤が、リシン、グリシン、アルギニンまたはこれらの塩、あるいはこれらの混合物を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記セルフタンニング増強剤が、ジアミン、トリアミンまたはこれらの混合物を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項27】
前記セルフタンニング増強剤がアミノ含有ポリマーを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項28】
前記アミノ含有ポリマーが、アモジメチコン、メトキシアモジメチコン/シルセスキオキサンコポリマー、線状ポリエチレンイミン、分枝状ポリエチレンイミン、樹枝状アミノポリマー、ポリ(リシン)、ポリ(アルギニン)またはこれらの混合物を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記ポリマーマイクロ粒子が、アリルメタクリラートおよびエチレングリコールジメタクリラートのコポリマー、エチレングリコールジメタクリラートおよびラウリルメタクリラートのコポリマー、またはこれらの混合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項30】
前記ポリマーマイクロ粒子が、アリルメタクリラートおよびエチレングリコールジメタクリラートのコポリマー、エチレングリコールジメタクリラートおよびラウリルメタクリラートのコポリマー、メチルメタクリラートおよびエチレングリコールジメタクリラートのコポリマー、2-エチルヘキシルアクリラート、スチレンおよびジビニルベンゼンのコポリマー、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項31】
前記セルフタンニング増強剤が、約2重量%〜約80重量%のセルフタンニング増強剤を含有する負荷されたマイクロ粒子を提供するための量でポリマーマイクロ粒子に負荷される、請求項19に記載の組成物。
【請求項32】
前記セルフタンニング増強剤が、約10重量%〜約60重量%のセルフタンニング増強剤を含有する負荷されたマイクロ粒子を提供するための量でポリマーマイクロ粒子に負荷される、請求項19に記載の組成物。
【請求項33】
前記セルフタンニング増強剤が、約20重量%〜約50重量%のセルフタンニング増強剤を含有する負荷されたマイクロ粒子を提供するための量でポリマーマイクロ粒子に負荷される、請求項19に記載の組成物。
【請求項34】
前記マトリックス物質が25℃において固体である、請求項18に記載の組成物。
【請求項35】
前記マトリックス物質が、C8〜C20アルコール、1モル〜3モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された脂肪アルコール、C8〜C20脂肪酸、炭化水素ワックス、オイル、少なくとも10個の炭素原子を含有するエステル、バター、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項36】
前記マトリックス物質が、(a)、(b)および(c)の総重量比で68%超〜約99%を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項37】
前記マトリックス物質が、(a)、(b)および(c)の総重量比で約82%〜約95%を含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記マトリックス物質が、(a)、(b)および(c)の総重量比で約84%〜約93%を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
油中水型エマルションである、請求項18に記載の組成物。
【請求項40】
水中油型エマルションである、請求項18に記載の組成物。
【請求項41】
シリコーン中水型エマルションである、請求項18に記載の組成物。
【請求項42】
水性ゲルである、請求項18に記載の組成物。
【請求項43】
非水性ゲルである、請求項18に記載の組成物。
【請求項44】
前記マトリックス物質を前記負荷されたポリマーマイクロ粒子に凝固プロセスにより加えることを含む、請求項1に記載されるデリバリーシステムを製造するためのプロセス。


【公表番号】特表2009−545530(P2009−545530A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521783(P2009−521783)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/016516
【国際公開番号】WO2008/013757
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500227358)アンコル インターナショナル コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】