説明

トナーカートリッジ及びこれを用いた画像形成装置

【課題】トナーの流動性が変化してもトナー補給量が変化しないこと。
【解決手段】トナー排出口を有するトナー袋収容器と、トナーを収容した複数のトナー収容空間を有し前記トナー袋収容器に収容されるトナー収容袋と、前記トナー収容袋のトナー収容空間を順次開封して前記トナー排出口からトナーを排出させる開封部材とを備えるトナーカートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式の画像形成装置に使用されるトナーカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
二成分現像剤を用いる画像形成装置においては、現像装置内のトナーが画像形成により消費されて少なくなると、現像剤中のトナー濃度を所定値以上に保持するため、トナーカートリッジから現像装置内にトナーが補給されるようになっている。
【0003】
そのようなトナーカートリッジとしては、補給用トナーを収容するトナー貯蔵部と、トナーを現像装置に向けて排出するトナー排出口と、トナー貯蔵部からトナー排出口へとトナーを搬送するトナー搬送スクリュー(オーガスクリュー)で構成されているトナーカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−235255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的に、トナーカートリッジでは、長距離の輸送や長時間の放置などによってトナーが環境温度などの影響を受け、その流動性が低下する傾向がある。流動性が低下すると、トナー搬送スクリューを用いてトナーを搬送するトナーカートリッジでは、搬送能力が低下しトナー補給量が少なくなるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、複雑な機構を用いることなく、常に一定量のトナー補給を可能にしたトナーカートリッジ及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、トナー排出口を有するトナー袋収容器と、トナーを収容した複数のトナー収容空間を有し前記トナー袋収容器に収容されるトナー収容袋と、前記トナー収容袋のトナー収容空間を順次開封して前記トナー排出口からトナーを排出させる開封部材とを備えるトナーカートリッジを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、トナー収容袋の複数のトナー収容空間に収容されたトナーがトナー開封部材により順次開封されてトナー排出口へ排出されるので、トナーカートリッジはトナーの流動性に関係なく一定量のトナーを補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】この発明に係るトナーカートリッジの側面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】図3のB−B矢視断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】図5のC−C矢視断面図である。
【図7】この発明に係るトナー収容袋製造装置の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明のトナーカートリッジは、トナー排出口を有するトナー袋収容器と、トナーを収容した複数のトナー収容空間を有し前記トナー袋収容器に収容されるトナー収容袋と、前記トナー収容袋のトナー収容空間を順次開封して前記トナー排出口からトナーを排出させる開封部材とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記トナー収容袋は、前記複数のトナー収容空間が区画形成されるように重ねて接合された第1および第2シートからなり、前記開封部材は前記第1および第2シートを巻き取って前記トナー収容空間を開封するシート巻取り部材を備えてもよい。
【0012】
前記第1および第2シートがテープ状であり、前記トナー収容袋は、第1および第2シートが長手方向に重ねられて接合され、前記複数のトナー収容空間が直列に等間隔で区画形成されていてもよい。
【0013】
前記第1および第2シートが、熱可塑性樹脂製であり加熱溶融により接合されてもよい。
【0014】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンであってもよい。
【0015】
前記シート巻取部材とトナー排出口とは、トナーが開封されたトナー収容空間から自重でトナー排出口へ落下するように配置されてもよい。
【0016】
この発明は、別の観点から表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナーカートリッジと、感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、前記トナーカートリッジが、この発明のトナーカートリッジからなることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0017】
以下、図面に示す実施形態を用いてこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
画像形成装置100は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム21a〜21dと、感光体ドラム21a〜21d表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置22a〜22dと、現像装置22a〜22dにトナー補給パイプ26a〜26dを介してトナーを補給するトナーカートリッジ25a〜25dを内蔵するトナーカートリッジユニット20と、中間転写ベルト11を介して感光体ドラム21a〜21dの表面のトナー像を用紙に転写する二次転写ローラ(転写装置)14と、トナー像を用紙に定着させる定着装置15とを備える。
【0018】
画像形成装置100は、通信ネットワーク等を介して外部から送信された画像データ等の入力コマンドに含まれる画像データに基づいて、所定のシート(記録用紙)に多色あるいは単色の画像を可視画像として形成するものである。
【0019】
画像形成装置100は、さらに、露光ユニットE、帯電ローラ23a〜23d、クリーニングユニット24a〜24d、一次転写ローラ13a〜13d、用紙搬送路P1,P2,P3、給紙カセット16、手差し給紙トレイ17、排紙トレイ18、およびトナーカートリッジユニット20等を備えている。
【0020】
画像形成装置100において扱われるカラー画像の画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の4色の各色相に対応したものであり、その画像データを用いて、画像形成部55a〜55dで可視画像の形成を行う。
【0021】
従って、現像装置22a〜22d、感光体ドラム21a〜21d、帯電ローラ23a〜23d、クリーニングユニット24a〜24dは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように設けられている。
【0022】
画像形成部55a〜55dの各々は、同様の構成であり、例えば、ブラックの画像形成部55aは、感光体ドラム21a、現像装置22a、帯電ローラ23a、転写ローラ13a、およびクリーニングユニット24a等から構成される。
【0023】
画像形成部55a〜55dは、中間転写ベルト11の移動方向(副走査方向)に一列に配列されている。なお、上記の添字a〜dは、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応し、これらの添字によって区別された上記の各手段により、4つの画像ステーションが構成されている。
【0024】
露光装置である露光ユニットEは、図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラー4、第1反射ミラー7、および第2反射ミラー8等を備えており、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色相の画像データによって変調されたレーザビーム等の光ビームのそれぞれを感光体ドラム21a〜21dのそれぞれに照射する。感光体ドラム21a〜21dのそれぞれには、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色相の画像データによる静電潜像が形成される。
【0025】
この実施形態では、露光ユニットEは、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いる手法のものであるが、発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いる手法のものを使用してもよい。
【0026】
感光体ドラム21a〜21dは、露光ユニットEの上方に配設された略円筒形状の像担持体であり、不図示の駆動手段と制御手段により所定方向に回転するように制御される。感光体ドラム21a〜21dは、基材上に光導電層が形成されて構成されている。例えば、アルミニウム等で製作された金属ドラムを基材として、その外周面に、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)や有機光半導体(OPC)等の光導電層が薄膜状に形成されている。
【0027】
帯電ローラ23a〜23dは、感光体ドラム21a〜21dの表面を所定の電位に均一に帯電させる接触方式の帯電器である。この実施形態では、帯電器として接触型の帯電ローラを使用しているが、チャージャー型やブラシ型の帯電器で代用してもよい。
【0028】
現像装置22a〜22dは、静電潜像が形成された感光体ドラム21a〜21dの表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像する。現像装置22a〜22dのそれぞれは、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色相のトナーを収納しており、感光体ドラム21a〜21dのそれぞれに形成された各色相の静電潜像をブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色相のトナー像に顕像化する。
【0029】
クリーニングユニット24a〜24dは、現像・画像転写後における感光体ドラム21a〜21d上の表面に残留したトナーを潤滑剤等によって除去・回収する。
感光体ドラム21a〜21dの上方に配置されている中間転写ベルト11は、駆動ローラ11aと従動ローラ11bとの間に張架されてループ状の移動経路を形成している。中間転写ベルト11の外周面は、感光体ドラム21d、感光体ドラム21c、感光体ドラム21bおよび感光体ドラム21aにこの順に対向する。
【0030】
この中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム21a〜21dに対向する位置に、一次転写ローラ13a〜13dが配置されている。中間転写ベルト11が感光体ドラム21a〜21dに対向する位置のそれぞれが一次転写位置である。この中間転写ベルト11は、厚さ100〜150μm程度のフィルムで無端状に形成されている。
【0031】
一次転写ローラ13a〜13dには、感光体ドラム21a〜21dの表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト11上に転写するために、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム21a〜21dに形成された各色相のトナー像は、中間転写ベルト11の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト11の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
【0032】
但し、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4つの感光体ドラム21a〜21dのうち、入力された画像データの色相に対応する一部の感光体ドラムのみにおいて、静電潜像およびトナー像の形成が行われる。
【0033】
例えば、モノクロ画像形成時には、ブラックの色相に対応した感光体ドラム21aのみにおいて静電潜像の形成およびトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト11の外周面には、ブラックのトナー像のみが転写される。
【0034】
一次転写ローラ13a〜13dの各々は、直径8〜10mmの金属(例えば、ステンレス)を素材とする軸の表面を導電性の弾性材(例えば、EPDM等)により被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト11に均一に高電圧を印加する。本実施形態では、転写電極として一次転写ローラ13a〜13dを使用しているが、それ以外にブラシなども使用可能である。
【0035】
各一次転写位置において、中間転写ベルト11の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト11の回転によって、二次転写ローラ14との対向位置である二次転写位置に搬送される。二次転写ローラ14は、画像形成時において、内周面が駆動ローラ11aの周面に接触する中間転写ベルト11の外周面に所定のニップ圧で圧接されている。
【0036】
当該ニップ圧を定常的に得るために、二次転写ローラ14若しくは中間転写ベルト駆動ローラ11aの何れか一方は、金属等の硬質材料からなり、他方は、弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)からなる。
【0037】
給紙カセット16または手差し給紙トレイ17から給紙された用紙が二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間を通過する際に、二次転写ローラ14にトナーの帯電極性(−)とは、逆極性(+)の高電圧が印加される。このように、各感光体ドラム21a〜21d上の静電潜像は、各色相に応じたトナーにより顕像化されて、それぞれトナー像となり、これらトナー像は、中間転写ベルト11上において積層される。
【0038】
その後、積層されたトナー像は、中間転写ベルト11の回転によって、搬送されて来た用紙と中間転写ベルト11との接触位置に移動し、この位置に配置されている二次転写ローラ14によって、中間転写ベルト11の外周面から用紙上にトナー像が転写される。
【0039】
中間転写ベルト11と感光体ドラム21との接触により中間転写ベルト11に付着したトナー、および中間転写ベルト11から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに、中間転写ベルト11上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、中間転写ベルトクリーニングユニット12によって除去されて回収される。
【0040】
中間転写ベルトクリーニングユニット12には、中間転写ベルト11に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられている。このクリーニングブレードが接触する部分の中間転写ベルト11は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ11bにて支持されている。
【0041】
可視画像としてトナー像が転写された用紙は、加熱ローラ15aと加圧ローラ15bを備える定着装置15に導かれ、加熱ローラ15aと加圧ローラ15bとの間を通過して、加熱および加圧処理を受ける。これによって、可視画像となるトナー像が用紙の表面に堅牢に定着する。トナー像が定着した用紙は、排紙ローラ18aによって排紙トレイ18上に排出される。
【0042】
画像形成装置100には、用紙カセット16に収納されている用紙を二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間および定着装置15を経由して排紙トレイ18に送るための略垂直方向の用紙搬送路P1が設けられている。
【0043】
用紙搬送路P1には、用紙カセット16内の用紙を一枚ずつ用紙搬送路P1内に繰り出すピックアップローラ16a、繰り出された用紙を上方に向けて搬送する搬送ローラr10、搬送されてきた用紙を所定のタイミングで2次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間に導くレジストローラ19、および、用紙を排紙トレイ18に排出する排紙ローラ18aが配置されている。
【0044】
また、画像形成装置100の内部には、手差し給紙トレイ17からレジストローラ19に至る間に、ピックアップローラ17aおよび搬送ローラr10を配置した用紙搬送路P2が形成されている。さらに、排紙ローラ18aから用紙搬送路P1におけるレジストローラ19の上流側に至る間には、用紙搬送路P3が形成されている。
【0045】
排紙ローラ18aは、正逆両方向に回転自在にされており、用紙の片面に画像を形成する片面画像形成時、および用紙の両面に画像を形成する両面画像形成における第2面画像形成時に正転方向に駆動されて用紙を排紙トレイ18に排出する。
【0046】
一方、両面画像形成における第1面画像形成時には、排紙ローラ18aは、用紙の後端が定着装置15を通過するまで正転方向に駆動された後、用紙の後端部を挟持した状態で逆転方向に駆動されて用紙を用紙搬送路P3内に導く。これによって、両面画像形成時に片面のみに画像が形成された用紙は、表裏面および前後端を反転した状態で用紙搬送路P1に導かれる。
【0047】
レジストローラ19は、用紙カセット16若しくは手差し給紙トレイ17から給紙され、または用紙搬送路P3を経由して搬送された用紙を中間転写ベルト11の回転に同期したタイミングで2次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間に導く。
【0048】
このため、レジストローラ19は、感光体ドラム21や中間転写ベルト11の動作開始時には、回転を停止しており、中間転写ベルト11の回転に先立って給紙または搬送された用紙は、前端をレジストローラ19に当接させた状態で用紙搬送路P1内における移動を停止する。
【0049】
この後、レジストローラ19は、2次転写ローラ14と中間転写ベルト11とが圧接する位置で用紙の前端部と中間転写ベルト11上に形成されたトナー像の前端部とが対向するタイミングで回転を開始する。
【0050】
なお、画像形成部55a〜55dの全てにおいて、画像形成が行われるフルカラー画像形成時には、一次転写ローラ13a〜13dが中間転写ベルト11を感光体ドラム21a〜21dの全てに圧接させる。一方、画像形成部55aのみにおいて、画像形成が行われるモノクロ画像形成時には、一次転写ローラ13aのみが中間転写ベルト11を感光体ドラム21aに圧接させる。
【0051】
次に、この実施形態のトナーカートリッジ25a〜25dの構成について図面を参照して詳細に説明する。
トナーカートリッジ25a〜25dは、図1に示すようにトナーカートリッジユニット20に内蔵され、トナーカートリッジユニット20は画像形成装置100に交換可能に装填されるようになっている。トナーカートリッジ25a〜25dはそれぞれ同じ構造を有するので、以下ではトナーカートリッジ25aのみについて説明する。
【0052】
図2はトナーカートリッジ25aの側面図を示し、図3は図2におけるトナーカートリッジ25aのA−A’矢視断面図を示す。図4は図3におけるB−B矢視断面図を示し、図5は図4の部分拡大図を示し、図6は図5のC−C矢視断面図を示す。
【0053】
トナーカートリッジ25aは、図4に示すように、角柱状のトナー袋収容器101と、トナー袋収容器101に内蔵されたトナー収容袋103と、第1シート巻取部材105と、第2シート巻取部材106とを備える。トナー袋収容器101は、トナー収容袋103を上下に配列する仕切り板107と、仕切り板107の先端に設けられトナー収容袋103を案内する案内ローラ107aを備える。トナー袋収容器101の底部の一端には、トナー排出口102が設けられ、トナー排出口102から排出されたトナーがトナー補給パイプ26a(図1)を介して現像装置22aへ補給されるようになっている。
【0054】
トナー収容袋103は、図5,図6に示すように、テープ状の第1シート103aと第2シート103bが、縦方向接着部104aと横方向接着部104bで接合区画される複数のトナー収容空間103cを有する。
【0055】
トナー収容袋103においては、複数のトナー収容空間103cが直列に等間隔で区画されており、それぞれのトナー収容空間103c(縦40mm,横30mm、最大厚み15mm)には所定量(2グラム)の補給トナーが収容されている。
【0056】
図4に示す第1シート巻取部材105は、図3に示すように、軸受け105d,105eに支持された第1回転軸105aと、第1回転軸105aに固定される円柱状の第1ローラ105bと、回転軸105aの一端に設けられる第1ギア105cを有し、図示しない駆動モータにより回転駆動され、図4に示すように第1シート103aを巻き取るようになっている。
【0057】
また、図4に示す第2シート巻取部材106は、図3に示すように、軸受け106d,106eに支持された第2回転軸106aと、第2回転軸106aに固定される円柱状の第2ローラ106bと、回転軸106aの一端に設けられる第2ギア106cを有し、図示しない駆動モータにより回転駆動され、図4に示すように第2シート103bを巻き取るようになっている。
【0058】
第1シート103aおよび第2シート103bが、図4に示す第1シート巻取部材105および第2シート巻取部材106によって別々に巻き取られると、図6に示す縦方向接着部104aと横方向接着部104bが剥離されてトナー収容空間103cに収容されたトナーが自重によってトナー排出口102へ落下し、トナー排出口102(図4)からトナー補給パイプ26a(図1)へ排出される。
【0059】
図7はトナー収容袋103の製造装置を示す説明図である。同図に示すように、テープ状の第1シート103aと第2シート103bは、予め材料巻取りローラ201,202にそれぞれ巻き取られている。
【0060】
製造時には、第1シート103aと第2シート103bが、それぞれ一組の補助ローラ207〜209と、一組の補助ローラ210〜212とを介して一対の縦ヒータローラ205a,205bへ供給される。
【0061】
縦ヒータローラ205a,205bは、その間に第1および第2シート103a,103bを挟み、それらを溶融温度以上に加熱しながら回転すると、図6に示す縦方向接着部104aが形成される。
【0062】
縦方向接着部104aが形成された第1および第2シート103a,103bは、次に一対の横ヒータローラ206a,206bへ供給される。
横ヒータローラ206a,206bは、その間に第1および第2シート103a,103bを挟み、それらを溶融温度以上に加熱しながら回転すると、図6に示す横方向接着部104bが形成される。この時、材料収容ホッパー203に収容されたトナーが電磁弁204の間欠動作により所定量だけ、第1シート103と第2シート103bとの間に供給される。
【0063】
この動作がくり返されることにより、図6に示すように縦方向接着部104aと横方向接着部104bによって区画された各トナー収容空間103cにトナーが順次充填され、トナー収容袋103が完成する。なお、縦ヒータローラ205a,205bおよび横ヒータローラ206a,206bの加熱には、熱伝導加熱、誘電加熱、超音波加熱又は高周波加熱を用いることができる。
【0064】
第1および第2シート103a,103bの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂シートが好ましく、中でもトナーが融着しにくく柔軟性と強度を兼ね備えるという理由からポリエチレンシートが最も好ましい。
また、このような材料の厚さは、0.08〜0.15mmであることが加工性や強度の点から好ましい。なお、トナー収容袋製造装置は、図7に示す装置に限定されず、市販の粉体自動包装機を用いることができる。
【符号の説明】
【0065】
4 ポリゴンミラー
7 第1反射ミラー
8 第2反射ミラー
11 中間転写ベルト
11a 駆動ローラ
11b 従動ローラ
12 クリーニングユニット
13a〜13d 一次転写ローラ
14 二次転写ローラ
15 定着装置
15a 加熱ローラ
15b 加圧ローラ
16 給紙カセット
16a ピックアップローラ
17 手差し給紙トレイ
17a ピックアップローラ
18 排紙トレイ
18a 排紙ローラ
19 レジストローラ
20 トナーカートリッジユニット
21a〜21d 感光体ドラム
22a〜22d 現像装置
23a〜23d 帯電ローラ
24a〜24d クリーニングユニット
25a〜25d トナーカートリッジ
26a〜26d トナー補給パイプ
55a〜55d 画像形成部
100 画像形成装置
101 トナー袋収容器
102 トナー排出口
103 トナー収容袋
103a 第1シート
103b 第2シート
103c トナー収容空間
104a 縦方向接着部
104b 横方向接着部
105 第1シート巻取部材
105a 第1回転軸
105b 第1ローラ
105c 第1ギア
105d 軸受け
105e 軸受け
106 第2シート巻取部材
106a 第2回転軸
106b 第2ローラ
106c 第2ギア
106d 軸受け
106e 軸受け
107 仕切り板
107a 案内ローラ
201,202 材料巻取りローラ
203 材料収容ホッパー
204 電磁弁
205a,205b 縦ヒータローラ
206a,206b 横ヒータローラ
207〜212 補助ローラ
E 露光ユニット
P1〜P3 用紙搬送路
r10 搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー排出口を有するトナー袋収容器と、トナーを収容した複数のトナー収容空間を有し前記トナー袋収容器に収容されるトナー収容袋と、前記トナー収容袋のトナー収容空間を順次開封して前記トナー排出口からトナーを排出させる開封部材とを備えるトナーカートリッジ。
【請求項2】
前記トナー収容袋は、前記複数のトナー収容空間が区画形成されるように重ねて接合された第1および第2シートからなり、前記開封部材は前記第1および第2シートを巻き取って前記トナー収容空間を開封するシート巻取り部材を備える請求項1記載のトナーカートリッジ。
【請求項3】
前記第1および第2シートがテープ状であり、前記トナー収容袋は、第1および第2シートが長手方向に重ねられて接合され、前記複数のトナー収容空間が直列に等間隔で区画形成されていることを特徴とする請求項2に記載のトナーカートリッジ。
【請求項4】
前記第1および第2シートが、熱可塑性樹脂製であり加熱溶融により接合されることを特徴とする請求項2または3に記載のトナーカートリッジ。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンであることを特徴とする請求項4に記載のトナーカートリッジ。
【請求項6】
前記シート巻取部材とトナー排出口とは、開封されたトナー収容空間からトナーが自重でトナー排出口へ落下するように配置されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のトナーカートリッジ。
【請求項7】
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナーカートリッジと、感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、
前記トナーカートリッジが、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーカートリッジからなることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54309(P2013−54309A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194235(P2011−194235)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】