説明

トナーホッパ、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

【課題】簡単な構成にて安定して新旧か否かを検知することが可能なトナーホッパ、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1からの回転動力で駆動するトナー攪拌部材及び/またはトナー搬送部材である回転駆動体Sを具備したトナーホッパである。画像形成装置側に配置されたホッパ新品検知機構50が操作される操作機構23を具備する。この操作機構23は、回転駆動体Sの駆動によって、ホッパ新品検知機構50を操作するための動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタ等の画像形成装置、画像形成装置に用いられるトナーホッパ、現像装置、およびプロセスカートリッジに関する。このトナーホッパには、トナーボトルやトナーカートリッジ等を含む。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタ等の画像形成装置では、その装置本体に対してトナーが収容されているカートリッジ(トナーホッパ)が着脱可能に装着されている。このような画像形成装置としては、装着されたカートリッジが未だ使用されていない新品のカートリッジであるか、或いは既に或る程度使用され、ないしは寿命となったカートリッジであるかを判別する必要がある。
【0003】
このため、従来には、一方向に不可逆的に回転可能な回転体と、この回転体の回転に伴って移動する移動体と、回転体の回転に応じた移動体の移動を検知する検知手段と、検知手段で検知する移動体の移動の有無に応じてカートリッジが新品であるか否かを判断する判断手段を備えたものがある(特許文献1)。
【0004】
すなわち、この特許文献1における新品仕様検知装置は、検知手段として、光センサと、検出用アームと、コイルばね等を備え、判断手段として制御装置を備える。この場合、新品の高容量現像カートリッジが装着された場合には、延出部(回転部材に連設された延出部)が検知用アームに当接し、検知用アームが揺動して光センサがオンされる。これによって、駆動装置が駆動され、ガラ回し動作が実行され、前記延出部が検知用アームから離間して、検知用アームが元の位置に復帰することにより、光センサがオフされる。これに対して、旧品が装着された場合には、延出部が検知用アームに係合しない状態となる。そのため、旧品が装着された場合には、光センサはオフされたままの状態に維持される。
【0005】
また、ピニオンアンドラック機構と、フォトセンサ等を備えたものがある(特許文献2)。この特許文献2では、可動部に設けられたラックにギア(ピニオンアンドラック機構のピニオン)が噛合し、このギアの回動に伴って可動部がその軸方向に移動する。そして可動部のラックがギアから開放されれば、ばね部材によって、可動部をギアから離間する方向に弾発される。これによって、可動部のラックとギアとの再度の噛合を防止している。この状態では、この可動部に設けられた反射板は、窓の位置から外れる。このように、反射板が窓から外れれば、装置本体側のフォトセンサにてこれの検知ができなくなるようにしている。
【0006】
電気的に通電状態と非通電状態とを検出して、新品か再使用品かを判断するものがある(特許文献3)。この場合、交換部材が新品である場合、交換部品の底面に取り付けられた回転部材と、装置本体側に設けた電流伝達部とが接触し、通電する。これによって部品が新品であるかが検知される。また、一度使用した部品を再使用した場合には、回転部材が、交換部品の底面の切欠に固定されて通電されない。これによって、部品が新品であることの検知が行われない。
【0007】
さらに、特許文献4においても、新品プロセスカートリッジ検出手段を備えた画像形成装置が記載されている。この場合の新品プロセスカートリッジ検出手段は、プロセスカートリッジ側のギアカムと、装置側のフィラー及び新品検知センサとを備える。新品のプロセスカートリッジが装着されれば、ギアカムに設けられた凸部がフィラーを押す。凸部がフィラーを押すと、フィラーの爪が新品検知センサへ押し込まれるので、新品検知センサが爪を検知し、CPUへその情報を伝える。これにより、新品のプロセスカートリッジが画像形成装置に取り付けられたことをCPUが認識する。
【0008】
また、プロセスユニットの孔部に装着される舌片状の新旧判断部材を備えたものもある(特許文献5)。旧プロセスユニットを画像形成装置本体内にセットするときは、既にその新旧判別部材は破断されているため、可動部材が画像形成装置本体の奥側に押されてスイッチを作動させることはない。このように、旧プロセスユニットを画像形成装置本体に装填したときは、スイッチは作動せず、従ってカウンタがリセットされることはない。スイッチのレバーが押されず、プロセスユニットが新品ではなく旧プロセスユニットであることが検知されるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1に記載のものでは、検知手段として、光センサと、検出用アームと、コイルばね等を必要とし、また、判断手段として制御装置を必要とする。すなわち、特許文献1では、多くの部品を必要として、全体構成が複雑化し、コスト高となっている。
【0010】
前記特許文献2に記載のものでは、光学的な検知であるため、フォトセンサ等にゴミ等が付着したりすれば、誤動作を起すおそれがあり、精度的に問題がある。また、特許文献3に記載のものでは、回転部材を交換部品の底面に取り付ける必要があり、新旧検出機構の配置位置に制約があり、設計性に劣ることになっていた。
【0011】
前記特許文献4に記載のものにおいても、前記特許文献1と同様、多くの部品を必要として、全体構成が複雑化し、コスト高となっている。また、特許文献5に記載のものでは、一度使用されれば、新旧判別部材は破断され、このプロセスユニットのケースの再度の利用が不可となって、高コストとなっていた。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑み、簡単な構成にて安定して新旧か否かを検知することが可能なトナーホッパ、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のトナーホッパは、画像形成装置からの回転動力で駆動するトナー攪拌部材及び/またはトナー搬送部材である回転駆動体を具備したトナーホッパにおいて、前記画像形成装置側に配置されたホッパ新品検知機構が操作される操作機構を具備し、この操作機構は、回転駆動体の駆動によって、ホッパ新品検知機構を操作するための動作を行うものである。
【0014】
本発明のトナーホッパによれば、ホッパ新品検知機構を動作させるための機構、つまり操作機構に対する駆動手段等を別途設ける必要がなく、装置全体の簡略化を図ることができる。
【0015】
操作機構は、前記回転駆動体の回転を許容した状態でこの回転駆動体への連設が可能な被係合体と、被係合体の回転駆動体への連設状態で前記操作機構を非動作状態とする操作体とを備え、回転駆動体の駆動によって被係合体の連設状態が解除されて操作体によるホッパ新品検知機構が動作状態となるように設定するのが好ましい。
【0016】
回転駆動体との連設状態では、回転駆動体はその回転が許容されている。この状態では、ホッパ新品検知機構を非動作状態としている。そして、回転駆動体を駆動すれば、被係合体の連設状態が解除され、この解除状態が維持される。この解除状態では、ホッパ新品検知機構が動作状態となる。ここで、非動作状態とは、ホッパ新品検知機構が動作しない状態であり、動作状態とはホッパ新品検知機構が動作する状態である。
【0017】
回転駆動体と被係合体との連設は、ねじ機構による結合であっても、ラック・アンド・ピニオン機構による結合であってもよい。また、前記操作体は、操作機構に対する非動作状態でホッパ筐体の外部へ突出し、操作機構に対する動作状態でホッパ筐体内に収納されるものであってもよい。
【0018】
前記操作体のホッパ筐体内への収納力を付与する弾性部材を備えたものが好ましい。この弾性部材の弾発力によって安定して操作体をホッパ筐体に収納される。
【0019】
回転駆動体は、回転駆動体と被係合体との連設状態での軸心廻りの回転に伴った軸方向の移動が可能であり、その移動が許容される長さ、回転駆動体の軸方向端部に配置されるシール部材の許容圧潰量であり、その許容圧潰量を(G1−G2)とし、被係合体の回転駆動体との係合長さをLとしたときに、(G1−G2)≧Lとするのが好ましい。
【0020】
(G1−G2)≧Lとすることによって、被係合体の回転駆動体との係合長さ分を安定して移動することができ、回転駆動体と被係合体との連設状態からの安定して非連設状態となる。しかも、回転駆動体の軸方向移動量も最小限にとどめることが可能であり、回転駆動体の両端部に配置されるシール部材が損傷しない許容圧潰量とすることができる。
【0021】
回転駆動体は画像形成装置側の歯車に噛合するホッパ側歯車を備え、ホッパ側歯車の歯幅をd1とし、画像形成装置側の歯車の歯幅をd2としたときに、(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとするのが好ましい。
【0022】
(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとすることによって、回転駆動体と被係合体との連設状態からの非連設状態となっても、ホッパ側歯車と画像形成装置側の歯車との噛合状態が維持される。
【0023】
回転駆動体と被係合体との連設状態における回転駆動体の軸方向の移動方向上流端と、この移動方向上流端に対向するホッパ筐体の内壁との間の寸法をDとしたときに、D>(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとするものであってもよい。
【0024】
D>(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとすることによって、回転駆動体が軸方向に移動した際に、回転駆動体がホッパ筐体の内壁に接触することがなく、安定した軸方向移動が可能となる。
【0025】
被係合体における非動作状態からの動作状態となる際の移動量をaとし、回転駆動体と被係合体との連設状態での非動作状態からの動作状態となる方向の被係合体の上流端と係合部の下流端との差をbとしたときに、a>bとするのが好ましい。
【0026】
a>bとすることによって、非動作状態からの動作状態となる新品検知動作後において、回転駆動体の回転の妨げにならない。
【0027】
操作体の移動方向上に回転駆動体側の係合部が配置されていないのが好ましい。このように配置することによって、操作体と回転駆動体側の係合部とが相互に干渉しない。
【0028】
回転駆動体に回転駆動力を伝達する動力伝達部を備え、この動力伝達部がホッパ筐体の外部に配置するようにできる。これによって、画像装置側の回転駆動体を稼動させる動作で新品検知機構を操作することができる。
【0029】
画像形成装置側の歯車の回転を規制する安全機構を備え、この安全機構により回転規制が解除された後、回転駆動体と被係合体との連設状態を解除させるのが好ましい。このように設定することによって、安全機構により回転規制が解除されなければ、回転駆動体と被係合体との連設状態が解除されない。
【0030】
回転駆動体と被係合体との連設状態の解除は、画像形成の準備動作および画像形成動作が可能になってから動作するものであっても、新品検知機構への通電が行われる状態になってから動作するようにしてもよい。
【0031】
本発明の現像装置は、前記トナーホッパを備えたものである。本発明のプロセスカートリッジは、前記トナーホッパを備えたものである。本発明の画像形成装置は、前記記載のトナーホッパを備えたものである。
【発明の効果】
【0032】
本発明では、ホッパ新品検知機構を動作させるための機構の簡略化を図ることができる。このため、部品点数の減少を図ることができ、製作コストおよび工程作業量の低減を達成できる。
【0033】
回転駆動体を駆動すれば、被係合体の連設状態が解除され、この解除状態が維持される。このため、一旦使用して、この解除状態となれば、再度連設状態となることがない。すなわち、使用して旧品となったトナーホッパを、再度装置側へ装着しても、この解除状態が維持されたままである。従って、この解除状態で回転駆動体が回転しても、操作機構を操作することがなく、旧品であることが分かる。また、操作機構を操作することがない状態において、操作体がホッパ筐体内に収納されるものであれば、一目で旧品であることが分かる。
【0034】
回転駆動体と被係合体との連設は、ねじ機構による結合であっても、ラック・アンド・ピニオン機構による結合であってもよく、簡単な機構で構成することができる。
【0035】
弾性部材を用いたものでは、弾発力によって安定して操作体をホッパ筐体に収納させることができ、新品であるか旧品であるかの判断が安定する。
【0036】
(G1−G2)≧Lとすることによって、回転駆動体の両端部に配置されるシール部材が損傷しない許容圧潰量とすることができ、ホッパ内部のトナーが外部に漏れず、しかも、回転駆動体を回転自在に支持している軸受等の損傷を防止できる。
【0037】
(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとすることによって、常に、ホッパ側歯車と画像形成装置側の歯車との噛合状態が維持され、ホッパ内での回転駆動体の回転駆動が安定し、ホッパ内でのトナーの攪拌やトナーの搬送を確実に行える。
【0038】
D>(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとすることによって、回転駆動体がホッパ筐体の内壁に接触することがなく、安定した軸方向移動が可能となり、ホッパ内でのトナーの攪拌やトナーの搬送を一層確実に行える。
【0039】
a>bとすることによって、非動作状態からの動作状態となる新品検知動作後において、回転駆動体の回転の妨げにならない。このため、ホッパ内でのトナーの攪拌やトナーの搬送を一層確実に行える。
【0040】
操作体の移動方向上に回転駆動体側の係合部が配置されていないように配置することによって、操作体と回転駆動体側の係合部とが相互に干渉せず、安定した機能を発揮する。動力伝達部をホッパ筐体の外部に配置したものでは、トナーホッパ全体のコンパクト化、及び軽量化を図ることができる。
【0041】
安全機構により回転規制が解除された後、回転駆動体と被係合体との連設状態を解除させるものでは、安全機構が解除されたことにより、操作体が突出した状態つまり新品のトナーホッパが装着されることで、画像形成装置は新品検知機構に挿し込まれたことを認識する。そして、トナーホッパ稼動動作を行うと、係合状態の解除がされることにより新品検知機構から抜け出たこと、つまり動作状態となったことを認識でき、さらにはその動作タイミングを判断して、新品トナーホッパが装着されたことを確定させて、安定した画像を印刷するためのトナーを補給できる。
【0042】
回転駆動体と被係合体との連設状態の解除は、画像形成の準備動作および画像形成動作が可能になってから動作するものでは、画像形成の準備動作および画像形成動作が可能となったことにより、操作体が突出した状態つまり新品のトナーホッパが装着されることで、画像形成装置は新品検知機構に挿し込まれたことを認識する。そして、トナーホッパ稼動動作を行うと、動作状態となったことを認識でき、さらにはその動作タイミングを判断して、新品トナーホッパが装着されたことを確定させて、安定した画像を印刷するためのトナーを補給できる。
【0043】
回転駆動体と被係合体との連設状態の解除が、新品検知機構への通電が行われる状態になってから動作するものであれば、操作体が突出した状態つまり新品のトナーホッパが装着されることで、画像形成装置は新品検知機構に挿し込まれたことを認識する。そして、トナーホッパ稼動動作を行うと、動作状態となったことを認識でき、さらにはその動作タイミングを判断して、新品トナーホッパが装着されたことを確定させて、安定した画像を印刷するためのトナーを補給できる。
【0044】
本発明の現像装置、本発明のプロセスカートリッジ、及び本発明の画像形成装置は、前記記載のトナーホッパを備えたものであるので、装着されたトナーホッパが旧品であるかの判定を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す簡略図である。
【図2】前記画像形成装置に用いられたトナーホッパの断面図である。
【図3】ホッパ新品検知機構が動作状態となる直前のトナーホッパの断面図である。
【図4】ホッパ新品検知機構を示し、(a)が非動作状態である操作機構の断面図であり、(b)は動作状態である操作機構の断面図である。
【図5】操作機構が動作状態であるトナーホッパの断面図である。
【図6】操作機構が動作状態であるトナーホッパの断面図である。
【図7】他の実施形態を示すトナーホッパの断面図である。
【図8】前記図7に示すトナーホッパの操作機構を示す断面図である。
【図9】他の実施形態を示すトナーホッパの断面図である
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図に示す実施例による本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例】
【0047】
図1は画像形成装置であるカラー電子写真画像形成装置1を示している。この画像形成装置1は、機枠体のほぼ中央部に作像ユニット6(6K,6C,6M,6Y)を配置し、この作像ユニット6の上方にはトナーを補給するトナーホッパ60(60K,60C,60M,60Y)が配置される。トナーホッパ60の上方には、感光ドラム6aに潜像を形成するための露光装置5を配置している。
【0048】
作像ユニット6の下側には中間転写体である中間転写ベルト3を設置し、中間転写ベルト3の周囲に、第二転写装置11と中間転写体清掃装置14を配置している。また、中間転写ベルト3の下側には記録媒体7を積載・収容する給紙カセット8が配置される。給紙装置9にて給紙された記録媒体7は中間転写ベルト3と第二転写装置11との間を通り、定着装置12へ導かれて記録媒体7にトナー像を熱定着させる。
【0049】
作像ユニット6が中間転写ベルト3と接する位置に第一転写ローラ3aが設置されており、第一転写ローラ3aに高電位を印加することによって感光ドラム6aと中間転写ベルト3に電位差を設けて感光ドラム6a表面に形成されたトナー像を転写する。
【0050】
各作像ユニット6にてこれら色毎のトナー像が順次中間転写ベルト3に転写され、中間転写ベルト3上に単色トナー像を重ね合わせた複数色のカラートナー像が形成される。
【0051】
用紙やOHPシート等の記録媒体7はタイミングをとって給紙装置9と用紙搬送装置10から第二転写装置11に供給され、中間転写ベルト3の表面に形成されている単色あるいはカラートナー像は、第二転写装置11に高電位を印加することによって中間転写ベルト3と第二転写装置11に電位差を設けて中間転写ベルト3表面に形成されたトナー像を記録媒体7上に転写される。
【0052】
トナー像が転写された記録媒体7は、中間転写ベルト3から剥離され、定着装置12によってトナー像を記録媒体7に溶融定着し、排紙装置13によりカラー電子写真画像形成装置1の上面の排紙トレーに排紙される。
【0053】
記録媒体7へトナー像を転写した後の中間転写ベルト3の表面に残っている余剰トナーは中間転写体清掃装置14により清掃され、トナー回収装置15に回収される。清掃された中間転写ベルト3は、次のトナー像の転写に備える。
【0054】
記録媒体7の給紙から排紙までの搬送経路をできる限り簡略化し、搬送経路の曲率半径を大きくすることにより、搬送途中での紙詰まりを防止し、信頼性を向上させることができる。また、紙詰まり発生時の解消処理操作も簡単に行うことができ、更に、厚紙等も使用する多種記録媒体方式のカラー電子写真画像形成装置にも対応することもできる。
【0055】
この実施形態では、記録媒体搬送経路を略円弧状に形成し、中間転写ベルト3と作像ユニット6と露光装置5を前記記録媒体搬送経路の内側に配置することにより、機枠体内の空間を有効利用して小型化し、搬送経路を簡略化し、画像面を下向きにして記録媒体7を排出する構成とした。
【0056】
この構成により搬送経路を簡略化することができ、且つ、殆どの構成ユニットを搬送経路よりも内側に配置したことによって、搬送経路が機枠体に近くなり、搬送経路を開放し易くなるために、紙詰まり発生時の解消処理操作も簡単になる。また、記録媒体7が画像面を下向きにしてカラー電子写真画像形成装置1上に排出されることにより、カラー電子写真画像形成装置1上に積み重なった記録媒体7は、画像面側が上を向くように取り出すと、上側から下側に印刷順に並ぶように積み重なる利点がある。
【0057】
なお、図1での右側を正面となるよう構成すれば、紙詰まり発生時の解消処理操作もより簡単になる。消耗品であるトナーホッパ60は、カラー電子写真画像形成装置1の上方または正面から交換用カバーが開閉できるようにしてあり、オペレータにより交換される。
【0058】
図2は本発明に係るトナーホッパ60を示し、このトナーホッパ60は、ホッパ筐体20と、このホッパ筐体20内に収容されるトナー搬送部材としてのトナー搬送スクリュ21と、画像形成装置側に配置されたホッパ新品検知機構50が操作される操作機構23とを備える。
【0059】
ホッパ筐体20には、筐体本体22と、操作機構23が配置される機構収納室24と、回転駆動体Sとしての搬送スクリュ21の回転駆動力を伝達する動力伝達部25を収容する副ケーシング26とを備える。
【0060】
機構収納室24の壁部24aには、搬送スクリュ21の一方の端部側を支持する軸受部材27が配置され、また、筐体本体22の副ケーシング26側の壁22aには、搬送スクリュ21の他方の端部側を支持する軸受部材28が配置されている。これによって、搬送スクリュ21はその軸心(水平軸心)廻りに回転自在となっている。
【0061】
また、搬送スクリュ21は、軸部21aと、軸部21aの外周に配置されるスパイラル21bとを備える。そして、軸部21aの一方の端部端には雄ねじ部30が設けられるとともに、この雄ねじ部30の近傍におけるスパイラル21b側に鍔部(フランジ)31が設けられている。鍔部31と壁部24aとの間に、弾性材からなるシール部材32が配置される。搬送スクリュ21の軸部21aの他方の端部には、鍔部(フランジ)33が設けられ、鍔部33と壁部22aとの間に、弾性材からなるシール部材34が配置される。
【0062】
操作機構23は、図2〜図4に示すように、矩形平板体からなる被係合体35と、この被係合体35から突設される軸部材からなる操作体36とを備える。被係合体35は、壁部24aと所定間隔をもって平行に配設されるとともに、ねじ孔37が設けられている。また、図4に示すように、機構収納室24内には、被係合体35を鉛直方向への往復動を案内する案内機構38が設けられている。この案内機構38は、機構収納室24の相対面する内面に設けられる一対のガイド溝38a、38bを備える。すなわち、ガイド溝38a、38bに被係合体35の短辺35a,35aに設けられる係合部59、59が嵌合している。これによって、被係合体35はガイド溝38a、38bにガイドされて機構収納室24内を矢印B1、B2(図2参照)のように往復動が可能となっている。
【0063】
操作体36は、被係合体35の下面35bに付設されるボス部36aと、このボス部36aから垂下される軸本体36bとからなり、コイルスプリングからなる弾性部材42が外嵌されている。この場合、ボス部36aは、大径部40と、小径部41とからなり、ボス部36aの大径部40にて弾性部材42の上端を受けている。また、機構収納室24の底壁24bには貫通孔45が設けられ、この貫通孔45を介して、操作体36に軸本体36bが外部へ突出可能となっている。底壁24bの内面側において、貫通孔45の外周縁には周方向鍔部46が設けられ、この周方向鍔部46に、弾性部材42の下端部が外嵌され、底壁24bの内面にて弾性部材42の下端を受けている。
【0064】
また、トナーホッパ60が新品状態(初期状態)では、図4(a)に示すように、搬送スクリュ21の雄ねじ部30が被係合体35のねじ孔37に螺合している。このように、螺合している状態では、弾性部材42が圧縮されて、操作体36が機構収納室24の底壁24bの下面(外面)から所定寸だけ突出している。図4(b)に示すように、搬送スクリュ21の雄ねじ部30が被係合体35のねじ孔37から外れた状態となれば、弾性部材42の弾性力によって、被係合体35は、その上辺35cが機構収納室24の上壁24cの内面に当接するまで、上昇する。この際、操作体36は機構収納室24に収納された状態となっている。つまり、操作体36はホッパ筐体20から突出しない状態となる。
【0065】
ホッパ新品検知機構50は図2と図3に示すようにスイッチ51を有し、操作体36が機構収納室24の底壁24bの下面(外面)から所定寸だけ突出している状態で、図2等に示すように、操作体36がスイッチ51を押圧して、非動通状態(非動作状態)となっている。また、図4(b)に示すように、操作体36が機構収納室24に収納された状態となれば、操作体36によるスイッチ51の押圧が解除され、動通状態(動作状態)となる。
【0066】
ところで、図4(b)に示すように、操作体36の移動方向上に回転駆動体S側の係合部(雄ねじ30)が配置されていない。すなわち、搬送スクリュ21の雄ねじ部30が被係合体35のねじ孔37から外れた状態となった場合においても、操作体36の上下動に操作体36が妨げとならない。
【0067】
動力伝達部25は、副ケーシング26内に突入される回転駆動体の他方の軸端部に外嵌固定される第1歯車52と、この第1歯車52に噛合する第2歯車53とを備える。そして、この第1歯車52が、装置側の駆動用歯車54に噛合する。
【0068】
このため、駆動用歯車54が回転駆動すれば、第1歯車52が回転して、回転駆動体Sとしての搬送スクリュ21がその軸心廻りに回転する。これによって、このトナーホッパ60内のトナーが搬送される。
【0069】
ところで、このトナーホッパ60は、以下のような寸法設定とされる。図4(a)に示すように、操作体36が機構収納室24の底壁24bの下面(外面)から所定寸だけ突出している状態において、被係合体35の上辺35cと、機構収納室24の上壁24cの内面との間の寸法をaとし、搬送スクリュ21と被係合体35との連設状態での非動作状態からの動作状態となる方向の被係合体35の上流端35bと係合部30の下流端との差をbとしたときに、a>bとする。
【0070】
図2に示すように、搬送スクリュ21の雄ねじ部30が被係合体35のねじ孔37に螺合している状態において、鍔部31と壁部24aとの間の隙間、及び鍔部33と壁部22aとの間の隙間をG1とし、図3に示すように、搬送スクリュ21の雄ねじ部30が被係合体35のねじ孔37から螺退して外れた状態において、鍔部31と壁部24aとの間の隙間(圧潰されたシール部材32の厚さ寸法)、及び鍔部33と壁部22aとの間の隙間(圧潰されたシール部材34の厚さ寸法)をG2とし、雄ねじ部30のねじ孔37との軸方向係合長さ(螺合長さ)をLとしたとき、(G1−G2)≧Lとする。
【0071】
第1歯車52の歯幅をd1とし、駆動用歯車54の歯幅をd2としたとき、(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとする。さらに、搬送スクリュ21の他方の端縁55と、この端縁55に対向(対面)する副ケーシング26の外壁26aの内面56との間の隙間をDとしたときに、D>(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとする。
【0072】
ところで、このトナーホッパ60を新品として工場から出荷する際には、図2に示すように、搬送スクリュ21の雄ねじ部30がねじ孔37に噛合した状態であって、操作体36がホッパ筐体20から突出した状態となっている。この状態では、トナーホッパ60をこの装置1に装着すれば、操作体36がスイッチ51を押圧して、非動通状態(非動作状態)となっている。
【0073】
次に前記のように構成されたトナーホッパ60の動作について説明する。この場合、雄ねじ部30が右ねじであれば、駆動用歯車54が図3の矢印αの方向に回転するように設定される。このように、駆動用歯車54が矢印αの方向に回転すれば、この駆動用歯車54と噛合している第1歯車52が矢印βの方向に回転し、回転駆動体である搬送スクリュ21が矢印βの方向に回転する。
【0074】
このように、搬送スクリュ21は、矢印βの方向に回転すれば、前記したように、雄ねじ部30が右ねじであるので、雄ねじ部30がねじ孔37に対して螺退して図3の矢印A方向に移動する。
【0075】
そして、矢印A方向に移動して、図3に示すように、雄ねじ部30がねじ孔37から外れた状態になれば、図4(b)や図5に示すように、弾性部材42の弾性力によって、被係合体35が矢印B1方向に上昇する。これによって、操作体36がホッパ筐体20に収納された状態となって、図5に示すように、操作体36によるスイッチ51の押圧が解除され、動通状態(動作状態)となる。
【0076】
このように、雄ねじ部30がねじ孔37から外れた状態になれば、圧縮されたシール部材32、34の復元力(反発力)Fsで搬送スクリュ21は図6に示す矢印C方向に移動する。この際、図4(b)に示すように、操作体36の移動方向上に回転駆動体側の係合部(雄ねじ30)が配置されていない。このため、搬送スクリュ21の矢印C方向の移動が妨げられない。
【0077】
このように、図6に示すように、雄ねじ部30がねじ孔37から外れた状態になれば、図5(b)の仮想線で示すように、雄ねじ部30がねじ孔37に螺合する状態にもどらず、操作体36によるスイッチ51の押圧が解除され、ホッパ新品検知機構50は動通状態(動作状態)となったままである。
【0078】
この図6に示す状態では、搬送スクリュ21が矢印β方向に回転していてもこの搬送スクリュ21は軸方向に移動することがなく、その位置で軸心廻りに回転し、トナー搬送状態となっている。
【0079】
ところで、構成された画像形成装置では、トナーホッパ60を交換および設置する際に、画像形成装置の装置ケーシングの一部を開閉することによって行うことができる。しかしながら、装置ケーシングの一部を開閉するとトナーホッパ60の動力伝達部25と噛合する駆動用歯車54に、取扱者が触手可能となる。このため、装置ケーシングの一部を開けると安全装置が働き、駆動用歯車54の回転を規制するようにしている。そこで、本発明では、トナーホッパ60を画像形成装置に装着して、装置ケーシングの一部を閉じることで、安全装置が解除されるようにしている。
【0080】
トナーホッパ60が新品であった場合には、操作体36がトナーホッパ60の筐体20から外側に突出した部分が、画像形成装置の新品検知を行うスイッチ51を押した状態で安全装置が解除される。画像形成装置の駆動用歯車54が駆動することで、トナーホッパ60の筐体から突出していた操作体36はトナーホッパ60の筐体内に収納される。これにより新品検知を行うスイッチ51は、駆動用歯車54が動作する前と操作体36がスイッチ51を操作するまで駆動用歯車54が動くことで、押された状態から開放された状態となり、その情報から新品を検知することができる。
【0081】
このように、安全機構により回転規制が解除された後、回転駆動体と被係合体との連設状態を解除させるものでは、安全機構が解除されたことにより、操作体36が突出した状態つまり新品のトナーホッパが装着されることで、画像形成装置は新品検知機構に挿し込まれたことを認識する。そして、トナーホッパ稼動動作を行うと、係合状態の解除がされることにより新品検知機構から抜け出たこと、つまり動作状態となったことを認識でき、さらにはその動作タイミングを判断して、新品トナーホッパが装着されたことを確定させて、安定した画像を印刷するためのトナーを補給できる。
【0082】
回転駆動体Sである搬送スクリュー21と被係合体35との連設状態の解除は、画像形成の準備動作および画像形成動作が可能になってから動作するものであってもよい。このように設定すれば、画像形成の準備動作および画像形成動作が可能となったことにより、操作体36が突出した状態つまり新品のトナーホッパが装着されることで、画像形成装置は新品検知機構に挿し込まれたことを認識する。そして、トナーホッパ稼動動作を行うと、動作状態となったことを認識でき、さらにはその動作タイミングを判断して、新品トナーホッパが装着されたことを確定させて、安定した画像を印刷するためのトナーを補給できる。
【0083】
回転駆動体Sと被係合体35との連設状態の解除が、新品検知機構50への通電が行われる状態になってから動作するものであってもよい。このようなものでは、通電が行われる状態になってから動作することにより、操作体36が突出した状態つまり新品のトナーホッパが装着されることで、画像形成装置1は新品検知機構に挿し込まれたことを認識する。そして、トナーホッパ稼動動作を行うと、係合状態の解除がされることにより新品検知機構50から抜け出たこと、つまり動作状態となったことを認識でき、さらにはその動作タイミングを判断して、新品トナーホッパが装着されたことを確定させて、安定した画像を印刷するためのトナーを補給できる。
【0084】
操作体36がトナーホッパ60の筐体20内に収納されているトナーホッパ60が新品ではないときは、図6に示す状態であるので、操作体36がスイッチ51を操作することがない。これによって、新品でないことが判断できる。また操作体36がスイッチ51を操作するまで駆動用歯車54が動いているのに操作体36がトナーホッパ60の筐体20内に収納されず、スイッチ51を押し続けていると異常であると検知することもできる。
【0085】
このように、本トナーホッパでは、ホッパ新品検知機構50を動作させるための機構、つまり操作機構23に対する駆動手段等を別途設ける必要がなく、装置全体の簡略化を図ることができる。すなわち、部品点数の減少を図ることができ、製作コストおよび工程作業量の低減を達成できる。
【0086】
回転駆動体Sとしての搬送スクリュ21が駆動すれば、被係合体35の連設状態が解除され、この解除状態が維持される。このため、一旦使用して、この解除状態となれば、再度連設状態となることがない。すなわち、使用して旧品となったトナーホッパを、再度装置側へ装着しても、この解除状態が維持されたままである。従って、この解除状態で回転駆動体Sが回転しても、操作機構23を操作することがなく、旧品であることが分かる。また、操作機構23を操作することがない状態において、操作体36がホッパ筐体20内に収納されるものであれば、一目で旧品であることが分かる。
【0087】
弾性部材42を用いたものでは、弾発力によって安定して操作体36をホッパ筐体20に収納させることができ、新品であるか旧品であるかの判断が安定する。
【0088】
(G1−G2)≧Lとすることによって、回転駆動体Sの両端部に配置されるシール部材32、34が損傷しない許容圧潰量とすることができ、ホッパ内部のトナーが外部に漏れず、しかも、回転駆動体Sを回転自在に支持している軸受部材27、28の損傷を防止できる。
【0089】
(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとすることによって、常に、ホッパ側歯車52と画像形成装置側の歯車54との噛合状態が維持され、ホッパ内での回転駆動体Sの回転駆動が安定し、ホッパ内でのトナーの攪拌やトナーの搬送を確実に行える。
【0090】
D>(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとすることによって、回転駆動体Sがホッパ筐体20の内壁に接触することがなく、安定した軸方向移動が可能となり、ホッパ内でのトナーの攪拌やトナーの搬送を一層確実に行える。
【0091】
a>bとすることによって、非動作状態からの動作状態となる新品検知動作後において、回転駆動体Sの回転の妨げにならない。これによって、ホッパ内でのトナーの攪拌やトナーの搬送を一層確実に行える。
【0092】
操作体36の移動方向上に回転駆動体S側の係合部が配置されていないように配置することによって、操作体36と回転駆動体S側の係合部(雄ねじ部30)とが相互に干渉せず、安定した機能を発揮する。
【0093】
安全機構により回転規制が解除された後、回転駆動体Sと被係合体との連設状態を解除させるようにしているので、新品が装着されたことの判断性の向上を図ることができる。
【0094】
前記実施形態では、回転駆動体Sとしての搬送スクリュ21と被係合体35との連設は、ねじ機構Mによる結合であったが、図7に示すように、ラック・アンド・ピニオン機構M1による結合であってもよい。
【0095】
搬送スクリュ21の一方の軸端にピニオン57を設けるとともに、被係合体35にラック58を設ける。この場合の被係合体35は、図8に示すように、前記図2等に示す被係合体35よりも幅寸法が小さく、ピニオン57の対応辺35a2に前記ラック58が設けられている。また、他方の対応辺35a1には、ガイド溝38aに嵌合する係合部59、59が設けられ、対応辺35a2には、ガイド溝38aに嵌合する延長部61が設けられている。
【0096】
図8に示すように、ピニオン57がラック58に噛合している状態から、搬送スクリュ21がその軸心廻りに回転することによって、被係合体35が順次上昇していき、この噛合が外れた状態となれば、弾性部材42の弾性力によって、被係合体35が、その上辺35cが上壁24cの内面に当接するまで、上昇する。これによって、操作体36が収納室に収納されることになる。また、一旦、ピニオン57とラック58との噛合が解除されれば、再度噛合することはない。
【0097】
この図7と図8に示すトナーホッパ60における他の構成は、図2等に示すトナーホッパ60と同様であるので、図2等に示すトナーホッパ60と同一部材を同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
【0098】
このため、この図7と図8に示すように、ラック・アンド・ピニオン機構M1を用いたものであっても、図2等に示すようにねじ機構Mを用いたものと同様の作用効果を奏する。
【0099】
このように、回転駆動体Sと被係合体35との連設は、ねじ機構Mによる結合であっても、ラック・アンド・ピニオン機構M1による結合であってもよく、簡単な機構で構成することができる。
【0100】
次に、図9に示すトナーホッパ60は、図2に示すトナーホッパ60において副ケーシングを有さないものである。このため、動力伝達部25が外部に露出することになるが、このようなものであっても、図2等に示すものと同様の作用効果を奏する。
【0101】
図9に示すように、副ケーシングを有さないものでは、トナーホッパ60全体のコンパクト化、及び軽量化を図ることができる。
【0102】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、回転駆動体として前記実施形態では、トナー搬送部材としての搬送スクリュであったが、トナー攪拌部材であっても、例えば可撓性シートを具備したアジテータ(トナーを攪拌させるもの)を備えたトナーホッパであってもよい。
【0103】
また、回転駆動体Sと被係合体35との連設としてのねじ機構M等を、回転駆動体Sとしての搬送スクリュ21の端部に設けることなく、ホッパ筐体20の本体22内にこのようなねじ機構Mを設けたものであってもよい。すなわち、このようなねじ機構Mやラック・アンド・ピニオン機構M1等の配置位置は、トナー搬送装置やレイアウト等により種々変更することができる。
【0104】
前記実施形態における画像形成装置は安全装置を備え、この安全装置に連動するものであったが、画像形成の準備動作または画像形成動作が可能な状態となれば、安全装置と関係なく、動作させるようにできる。このため、安全装置を有しないものであっても、画像形成の準備動作または画像形成動作が無くても、新品か旧品かの判断を行うことができる。
【0105】
本発明としては、現像ローラや規制ブレードなどを具備する現像装置やトナーカートリッジ、また、作像ユニットまでを含んだプロセスカートリッジにも応用することができる。さらには、新品検知としての機能としてはサプライ品として交換するユニットを持つ画像形成装置に適用することができる。なお、画像形成装置は、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等がある。
【0106】
また、前記実施形態では、搬送スクリュ21の雄ねじ部30が右ねじであったが、この雄ねじ部30が左ねじであってもよい。このように左ねじとした場合、搬送スクリュ21の回転方向が前記実施形態の回転方向と反対となるように、動力伝達部25を構成する必要がある。
【0107】
1 画像形成装置
20 ホッパ筐体
23 操作機構
32、34 シール部材
35 被係合体
36 操作体
42 弾性部材
50 ホッパ新品検知機構
52 歯車
54 駆動用歯車
M ねじ機構
M1 ラック・アンド・ピニオン機構
S 回転駆動体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0108】
【特許文献1】特開2008−216393号公報
【特許文献2】特開2006−163304号公報
【特許文献3】特開2005−241034号公報
【特許文献4】特開2003−241590号公報
【特許文献5】特開2000−39828号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置からの回転動力で駆動するトナー攪拌部材及び/またはトナー搬送部材である回転駆動体を具備したトナーホッパにおいて、
前記画像形成装置側に配置されたホッパ新品検知機構が操作される操作機構を具備し、この操作機構は、回転駆動体の駆動によって、ホッパ新品検知機構を操作するための動作を行うことを特徴とするトナーホッパ。
【請求項2】
操作機構は、前記回転駆動体の回転を許容した状態でこの回転駆動体への連設が可能な被係合体と、被係合体の回転駆動体への連設状態で前記操作機構を非動作状態とする操作体とを備え、回転駆動体の駆動によって被係合体の連設状態が解除されて操作体によりホッパ新品検知機構が動作状態となるとともに、その後においてはこの解除状態が維持されることを特徴とする請求項1に記載のトナーホッパ。
【請求項3】
回転駆動体と被係合体との連設は、ねじ機構による結合であることを特徴とする請求項2に記載のトナーホッパ。
【請求項4】
回転駆動体と被係合体との連設は、ラック・アンド・ピニオン機構による結合であることを特徴とする請求項2に記載のトナーホッパ。
【請求項5】
前記操作体は、操作機構に対する非動作状態でホッパ筐体の外部へ突出し、操作機構に対する動作状態でホッパ筐体内に収納されることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項6】
前記操作体のホッパ筐体内への収納力を付与する弾性部材を備えたことを特徴とする請求項5に記載のトナーホッパ。
【請求項7】
回転駆動体は、回転駆動体と被係合体との連設状態での軸心廻りの回転に伴った軸方向の移動が可能であり、その移動が許容される長さが、回転駆動体の軸方向端部に配置されるシール部材の許容圧潰量であり、その許容圧潰量を(G1−G2)とし、被係合体の回転駆動体との係合長さをLとしたときに、(G1−G2)≧Lとしたことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項8】
回転駆動体は画像形成装置側の歯車に噛合するホッパ側歯車を備え、ホッパ側歯車の歯幅をd1とし、画像形成装置側の歯車の歯幅をd2としたときに、(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとしたことを特徴とする請求項7に記載のトナーホッパ。
【請求項9】
回転駆動体と被係合体との連設状態における回転駆動体の軸方向の移動方向上流端と、この移動方向上流端に対向するホッパ筐体の内壁との間の寸法をDとしたときに、D>(d2−d1)>(G1−G2)≧Lとしたことを特徴とする請求項8に記載のトナーホッパ。
【請求項10】
被係合体における非動作状態からの動作状態となる際の移動量をaとし、回転駆動体と被係合体との連設状態での非動作状態からの動作状態となる方向の被係合体の上流端と係合部の下流端との差をbとしたときに、a>bとしたことを特徴とする請求項2〜請求項9のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項11】
操作体の移動方向上に回転駆動体側の係合部が配置されていないことを特徴とする請求項2〜請求項10のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項12】
回転駆動体に回転駆動力を伝達する動力伝達部を備え、この動力伝達部がホッパ筐体の外部に配置したことを特徴とする請求項2〜請求項11のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項13】
画像形成装置側の歯車の回転を規制する安全機構を備え、この安全機構により回転規制が解除された後、回転駆動体と被係合体との連設状態を解除させることを特徴とする請求項2〜請求項11のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項14】
回転駆動体と被係合体との連設状態の解除は、画像形成の準備動作および画像形成動作が可能になってから動作することを特徴とする請求項2〜請求項13のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項15】
回転駆動体と被係合体との連設状態の解除は、新品検知機構への通電が行われる状態になってから動作することを特徴とする請求項2〜請求項14のいずれか1項に記載のトナーホッパ。
【請求項16】
前記請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のトナーホッパを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項17】
前記請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のトナーホッパを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項18】
前記請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のトナーホッパを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−75986(P2011−75986A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229580(P2009−229580)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】