ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置
【課題】交通機関を用いて任意の出発地から目的地に至る最適経路または候補経路を探索する際に、目的地への到着時刻の範囲を指定して経路探索できるようにする。
【解決手段】ナビゲーションシステム１０は、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段２６と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段３６と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段３７と、案内経路ソート手段３３と、を備え、時刻条件シフト手段３７は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として案内経路ソート手段３３に記憶し、該案内経路ソート手段３３は、前記候補経路を経路探索条件により指定された順にソートして出力する。
【解決手段】ナビゲーションシステム１０は、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段２６と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段３６と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段３７と、案内経路ソート手段３３と、を備え、時刻条件シフト手段３７は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として案内経路ソート手段３３に記憶し、該案内経路ソート手段３３は、前記候補経路を経路探索条件により指定された順にソートして出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、徒歩や自動車あるいは公共交通機関を利用して、任意の出発地から目的地に至る候補経路を探索して案内するナビゲーションシステムに関するものであり、特に、交通機関を用いて任意の出発地から目的地に至る候補経路を探索する際に、目的地への到着時刻の範囲を指定して経路探索できるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【０００３】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路（乗車候補列車）を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【０００４】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献１（特開２００１−１６５６８１号公報）に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の１つとして経路探索する。
【０００５】
情報配信サーバは、地図データの道路（経路）をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報（距離や所要時間）をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献１には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【０００６】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ（乗換え）を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段（個々の電車や路線バス）を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路（出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段）の候補を１つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【０００７】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ（情報サイト）にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【０００８】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【０００９】
徒歩経路に加えて交通機関を用いた経路を探索するナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献２（特開２０００−２５８１８４号公報）に開示されている。この特許文献２に開示されたナビゲーションシステムは、出発地点から目的地点までの経路を、地点をノード、地点間をリンクとして交通ネットワークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により最短コスト条件下で探索する交通ネットワーク経路探索方法を用いるものである。
【００１０】
そして、出発地点および目的地点から利用する交通機関の駅までの経路として、出発地点および目的地点から利用する交通機関の駅までの直線距離、および目的地点から利用する交通機関の駅までの直線距離を緯度経度情報を用いて求め、該直線距離を変数として平均コストを算出し、前記平均コストが指定したコストの範囲内に含まれるすべての利用交通機関の駅を求め、歩行経路を決定し、求められた歩行経路を交通機関の交通ネットワーク経路に組み込んで総合交通ネットワークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により求めるコスト条件下で探索するように構成されている。
【００１１】
従って端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や乗車を案内するバス、電車、列車およびその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表などがそのまま、あるいは必要部分が画面表示できる表示データなどの形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では案内経路のデータや運行時刻表あるいは駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。
【００１２】
ナビゲーションシステムを用いて経路探索、経路の案内を受ける場合、出発地を出発する時刻を指定して目的地までの最適経路や複数の候補経路を探索するケースがある。また、目的地への到着時刻を設定し、出発地から目的地までの経路のうち、指定した時刻に目的地に到達できる最適経路や候補経路を探索するケースがある。後者においては、指定した時刻に目的地に到達するために出発地を何時に出発すればよいかがわかる。
【００１３】
例えば、到着地（目的地）への到着時刻を条件として経路探索するナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献３（特開２００２−３２４４３号公報）、特許文献４（特開平１０−３３４３８７号公報）に開示されている。
【００１４】
特許文献３に開示された経路案内システムは、出発地と、出発地の出発時間と、少なくとも１つの目的地と、最終到着地とを設定して、時刻表及び移動に要する平均所要時間を含む情報を格納するデータベースの情報と前記設定手段で設定された設定値に基づいて、最適経路探索プロセスを用いて出発地から最終到着地までの最適経路と料金を検索して、その検索結果を出力するようにしたものである。このシステムはまた、最終到着地の最終到着時刻を設定し、その設定値に基づいて、電車などの交通機関による移動時間以外の目的地における自由時間を計算して出力できるようにしている。
【００１５】
特許文献４に開示された最適乗継系列探索システムは、航空路線・新幹線・ＪＲ特急線の中から使用する路線を、運休や欠航などの不測の事態も考慮しながら平均移動時間をコストに最適乗り継ぎ系列を探索することのできる最適乗継系列探索システムにおいて、系列探索を短時間に処理できるように、出発地と目的地とからあらかじめ探索地域を限定することによって無駄な系列探索を省くようにしたものである。このシステムはまた、出発時刻を指定し、目的地に到着する最も遅い時刻を設定した経路探索ができるようにしている。
【００１６】
【特許文献１】特開２００１−１６５６８１号公報（図１、図２）
【特許文献２】特開２０００−２５８１８４号公報（図３、図３）
【特許文献３】特開２００２−３２４４３号公報（図１）
【特許文献４】特開平１０−３３４３８７号公報（図５、段落［００１５］）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１７】
到着時刻を指定して経路と出発時刻を求めることは、開催時刻が決まっているイベント等に参加する場合に便利な探索方法である。
しかし、到着時刻をそれほど厳密に決める必要が無い場合もある。例えば、イベントの前日に宿泊施設に着けば良く、具体的には旅館のチェックインタイムから夕食の時間までに着くという条件で最適な経路や交通機関を決めたい場合がある。
【００１８】
しかしながら、上記特許文献３や特許文献４に開示されたナビゲーションシステムにおいては、目的地への到着時間を条件として経路探索するものであり、目的地への到着時刻に幅を持たせたい場合には、ホテルのチェックインタイムや夕食の時間を考慮して、あるいは経路途中での寄り道時間を、個別に到着時刻に種々設定し経路探索を繰り返し試みて好みの経路を探す程度のことしかできなかった。
【００１９】
上記特許文献４には、出発地、目的地、出発希望時刻、探索時間範囲を指定して経路探索する旨の記載があるが、ここで言う探索時間範囲とは、特許文献４（公開公報）の段落
【００２０】
に記載されているように、出発時刻から探索の対象になる時間範囲を延べているだけで、到着時刻範囲の指定ではなく、このナビゲーションシステムでは、結局１７：３０を到着時刻とした候補経路を出発時刻の遅い順にソートして案内しているだけの構成である。
【００２１】
このような試行錯誤的な経路探索方法は、利用者にとっては経路探索の手間がかかるという問題点があった。また、このような経路探索方法では、到着時刻の指定のしかたによっては希望する時間帯に存在するさらに最適な条件の経路が見つからない可能性がある。例えば、３０分単位で到着時刻を変えて経路探索した場合と５分単位で到着時間を変えて経路探索した場合とでは探索される最適経路や候補経路が異なり、より最適な経路が探索から漏れる可能性が生じてしまう。
【００２２】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、目的地への到着時刻を範囲で設定し、到着時刻範囲の終わりの時刻から所定の時間間隔で到着時刻範囲の始めの時刻まで到着時刻の設定を順次変更して最適経路または複数の候補経路を探索して得られた複数の案内経路を指定された条件によりソートして提供するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【００２３】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、交通機関を用いて任意の出発地から目的地に至る最適経路または候補経路を探索する際に、目的地への到着時刻の範囲を指定して経路探索できるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【００２４】
前記課題を解決するために、本願の請求項１にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とする。
【００２５】
本願の請求項２にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする。
【００２６】
本願の請求項３にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００２７】
本願の請求項４にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００２８】
本願の請求項５にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする。
【００２９】
また、本願の請求項６にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求を経路探索サーバに送信し、経路探索サーバから受信した候補経路を表示する表示手段を備えた端末装置にネットワークを介して接続され、前記端末装置から受信した経路探索条件に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索サーバにおいて、
前記端末装置から送信される経路探索要求は、目的地への到着時刻の範囲を含み、
前記経路探索サーバは、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とする
【００３０】
本願の請求項７にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００３１】
本願の請求項８にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００３２】
本願の請求項９にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする。
【００３３】
また、本願の請求項１０にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段が、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更するステップと、前記経路探索手段が、前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶するステップと、該案内経路ソート手段が、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力するステップと、を有することを特徴とする。
【００３４】
本願の請求項１１にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする。
【００３５】
本願の請求項１２にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする。
【００３６】
本願の請求項１３にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする。
【００３７】
本願の請求項１４にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする。
【００３８】
また、本願の請求項１５にかかる発明は、
到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、出発地と目的地を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備え、前記操作入力手段により、目的地への到着時刻の範囲を入力するようになしたことを特徴とする。
【００３９】
本願の請求項１６にかかる発明は、請求項１５にかかる端末装置において、前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【００４０】
請求項１にかかる発明においては、時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力する。
【００４１】
このような構成によれば、目的地への到着時刻の範囲を指定するだけで、指定した到着時刻範囲に含まれる複数の候補経路を探索することができ、それらの候補経路を所望の条件の順にソートした案内経路の情報を得ることができるようになる。従って、利用者はその候補経路の中から自身の要求にあった経路を容易に選択することができるようになる。
【００４２】
請求項２にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含む。
【００４３】
このような構成によれば、経路探索条件として交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を指定して、目的地への到着時刻の範囲を設定した経路探索が行えるようになる。
【００４４】
請求項３にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更する。
【００４５】
このような構成によれば、経路探索手段は、時刻条件シフト手段が指定された到着時刻範囲内において、所定の時間間隔で変更した到着時刻に基づいて候補経路を探索することができるようになる。
【００４６】
請求項４にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更する。
【００４７】
このような構成によれば、経路探索手段は、時刻条件シフト手段が指定された到着時刻範囲内において、目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして変更した時刻条件に基づいて候補経路を探索することができるようになる。また、目的地の最寄り駅に到着する便数が少ない場合には、経路探索手段が候補経路を探索する回数を少なくすることができるようになる。
【００４８】
請求項５にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加される。
【００４９】
このような構成によれば、利用者はこの表示結果から、所望の条件に合致する経路を容易に選択することができるようになる。また、候補経路を選択することにより該当する候補経路の詳細情報を容易に知ることができるようになる。
【００５０】
また、請求項６〜請求項９にかかる発明においては、それぞれ請求項１、請求項３〜請求項５にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができ、請求項１０〜請求項１４にかかる発明においては、それぞれ請求項１〜請求項５にかかるナビゲーションシステムを実現するための経路探索方法を提供することができるようになる。また、請求項１５、請求項１６にかかる発明においては、それぞれ請求項１、請求項２にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００５１】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例１】
【００５２】
図１は、本発明にかかるナビゲーションシステム１０の構成を示すシステム構成図である。図１に示すようにナビゲーションシステム１０は、ネットワーク１２を介して接続される端末装置２０と経路探索サーバ３０を備えて構成されている。このナビゲーションシステム１０は、各種カテゴリに属するＰＯＩの所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するＰＯＩ情報配信サーバ５０、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ５１などを備えて構成されている。
【００５３】
経路探索サーバ３０はＰＯＩ情報配信サーバ５０や他の情報配信サーバ５１からネットワーク１２を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてＰＯＩ情報配信サーバ５０や他の情報配信サーバ５１に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【００５４】
本発明にかかるナビゲーションシステム１０は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ３０はナビゲーションサービス機能とともにＰＯＩ所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、端末装置２０も携帯電話を用いることができ、またＰＤＡや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）であってもよい。
【００５５】
図１に示す経路探索サーバ３０は、地図データベース３４、経路探索用ネットワークデータベース３５を備え、端末装置２０から経路探索要求があると、探索用ネットワークデータベース３５を参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路（推奨経路）を端末装置２０に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、端末装置２０から所望の地点やＰＯＩを指定して地図データの取得要求があると、地図データベース３４を参照して該当する地図データを読み出して端末装置２０に配信する。
【００５６】
一方、端末装置２０は、経路探索サーバ３０に目的地への到着時刻範囲を経路探索条件として経路探索を要求する到着時刻範囲指定経路探索モードを設定することができる。この到着時刻範囲指定経路探索モードが設定されない場合は、通常の経路探索の要求になる。到着時刻範囲とは、前述したように、イベントの前日に宿泊施設に着けば良く、具体的には旅館のチェックインタイムから夕食の時間までに着くという条件で最適な経路や交通機関を探索したい場合に用いるモードである。すなわち、このモードは、目的地への到着時刻に幅を持たせたい場合に用いる。到着時刻範囲指定経路探索モードを設定した場合、目的地への到着時刻範囲は「ＸＸ時ＹＹ分〜ＷＷ時ＺＺ分」のように指定する。
【００５７】
経路探索サーバ３０は、端末装置２０から、到着時刻範囲指定経路探索モードを設定した経路探索要求があると、指定された時刻範囲の一端（終了時刻または開始時刻）から所定の時間間隔でシフトしながら候補経路を探索する。経路探索が時刻範囲の他端を超過したら経路探索を終了し、各経路探索で得られた候補経路を指定された条件でソートして出力する。この時の経路探索は一般的なナビゲーションシステムで行われる到着時間指定の経路探索の手法で行うことができる。
【００５８】
このような経路探索を行えば、所望の時刻範囲の間に目的地に到着するための候補経路を得ることができ、端末装置２０の利用者は案内された複数の候補経路のうちから好みの経路を選択することができるようになる。
【００５９】
以下、具体例に基づいて本発明を説明するが、その前に本発明にかかるナビゲーションシステム１０の詳細な構成を説明する。図２は、図１のナビゲーションシステム１０の詳細な構成を示す図である。端末装置２０は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、制御手段２０１、通信手段２１、ＧＰＳ受信手段２２、探索要求手段２３、案内経路データ記憶手段２４、表示手段２５、操作入力手段２６を備えて構成される。
【００６０】
操作入力手段２６は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段２６１と、到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と、到着時刻範囲の終わりの時刻（終了時刻）を入力する第２入力手段２６２を含んでいる。第１入力手段２６１、第２入力手段２６２は数値キーを用いることができるが、後述する条件入力画面に設けたプルダウンメニューにより表示される数値を用いることもできる。その他の経路探索条件とは、例えば、交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間などである。
【００６１】
一方、経路探索サーバ３０は、制御手段３０１、通信手段３１、案内経路データ編集手段３２、案内経路ソート手段３３、地図データベース３４、経路探索用ネットワークデータベース３５、時刻範囲判別手段３６、時刻条件シフト手段３７を備えて構成される。時刻範囲判別手段は到着時刻範囲指定経路探索モードの経路探索要求が端末装置２０から送信された場合に指定された到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）を一時記憶し、経路探索の時刻範囲を判別する。
【００６２】
時刻条件シフト手段３７は、指定された時刻範囲の一端（終了時刻または開始時刻）から所定の時間間隔で到着時刻をシフトして経路探索手段３９に送る。案内経路ソート手段３３は、到着時刻をシフトして経路探索した結果として得られる候補経路を一時記憶し、指定された条件応じてソートする。ソートされた候補経路は端末装置２０に送信され、端末装置２０の表示手段２５に表示される。
【００６３】
端末装置２０において、制御手段２０１は、図示してはいないがＲＡＭ、ＲＯＭ、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ＲＯＭに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段２１はネットワーク１２を介して経路探索サーバ３０などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【００６４】
ＧＰＳ受信手段２２はＧＰＳ衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で算出する。操作入力手段２６は、キー、ダイヤル等からなり、端末装置２０を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの入力機能としても用いられる。表示手段２５は液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ３０から配信（送信）された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、表示手段２５はメニュー画面を表示し端末装置２０を操作するための入力手段としても機能する。
【００６５】
経路探索サーバ３０から端末装置２０に送信される最適経路や候補経路などの案内経路データは地図データとともに案内経路データ記憶手段２４に記憶され、案内経路データ記憶手段２４に記憶された候補経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段２５に表示される。
【００６６】
図３は、端末装置２０の外観を示す図であり、図３に示す端末装置２０は携帯電話を端末装置としたものである。端末装置２０は、液晶表示ユニットなどからなる表示手段２５、テンキーやダイヤル、ボタンなどを有する操作入力手段２６を備えている。経路探索サーバ３０から送信された地図データや案内経路データは案内経路データ記憶手段２４に記憶され、必要に応じて案内経路データ記憶手段２４から読み出され、表示手段２５の表示画面２５１に表示される。
【００６７】
図４は、表示画面２５１に表示される経路探索条件入力画面３１０の一例を示す図である。端末装置２０は、操作入力手段２６により入力された条件や操作に基づいて経路探索要求を経路探索サーバ３０に送信する。経路探索サーバ３０に経路探索要求する場合には、図４に示すように表示手段２５に表示されたメニューから、あるいは、操作入力手段２６から所望の出発地、目的地を設定して経路探索サーバ３０に送信する。
【００６８】
図４は、端末装置２０が到着時刻範囲指定経路探索モードに設定された場合に表示される経路探索条件入力画面３０１の例を示している。この経路探索条件入力画面３１０には、出発地入力欄３０２、目的地入力欄３０３、到着時刻範囲入力欄３０４、出力順（ソート条件）入力欄３０８、探索開始ボタン３０９が設けられている。
【００６９】
出発地と目的地の設定は、出発地入力欄３０２、目的地入力欄３０３に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、ＰＯＩ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ Ｉｎｔｅｒｅｓｔ）の名称などで設定することできる。また、出発地の入力には、ＧＰＳ受信手段２２で測位した端末装置２０の現在位置を用いるようにすることもできる。
【００７０】
また、プルダウンボタンを操作して、これまでに端末装置２０に登録した経路探索履歴や登録地点を呼び出して設定することもできる。到着時刻範囲入力欄３０４には到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）「ＸＸ時ＹＹ分」を入力し、次いで、到着時刻範囲の終わりの時刻（終了時刻）「ＷＷ時ＺＺ分」を入力して時刻範囲「ＸＸ時ＹＹ分〜ＷＷ時ＺＺ分」の入力が行われる。必要な条件設定を終え、探索開始ボタン３０９を操作すると、経路探索要求が端末装置２０から経路探索サーバ３０に送信される。
【００７１】
なお、通常の経路探索モードの場合の経路探索条件入力画面には、従来からの「出発」「到着」「終電」「始発」の従来の条件選択もプルダウンメニューで可能である。また、到着時刻範囲指定経路探索モードの選択機能を経路探索条件入力画面に設け、経路探索条件入力画面を通常モードの場合と共通にすることも可能である。
【００７２】
出力順は、その他の経路探索条件として交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れかが指定された場合には、指定された条件に適合するように決定することができる。例えば、経路探索条件として乗り換え回数が指定された場合には、複数の候補経路を乗り換え回数の少ない順にソートする。複数の条件が設定されている場合には出力順（ソート条件）入力欄３０８で出力順を指定すればよい。
【００７３】
経路探索サーバ３０は、端末装置２０から経路探索要求があると、これを探索要求記憶手段３８に一時記憶する。そして経路探索手段３９は、探索要求記憶手段３８に記憶した経路探索要求に従って経路探索用ネットワークデータベース３５を参照して出発地から目的地までの複数の候補経路を探索する。経路探索要求が通常の経路探索の要求である場合、経路探索の結果得られた案内経路のデータを地図データベース３４から読み出した地図データとともに端末装置２０に送信する。この経路探索の方法は通常のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバと同様の方法である。
【００７４】
一方、経路探索要求が到着時刻範囲指定経路探索モードの経路探索の要求である場合、先ず、時刻範囲判別手段３６は指定された到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）を一時記憶し、経路探索の時刻範囲を判別する。時刻条件シフト手段３７は時刻範囲判別手段３６が判別した到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）に基づいて、その一端の時刻、例えば、到着時刻範囲の初めの時刻を経路探索手段３９に送り、以後は、到着時刻範囲の終わり時刻（到着時刻範囲の他端の時刻）を超えるまで、到着時刻を所定の時間間隔（例えば、５分間隔）で順次シフトして経路探索手段３９に送る。
【００７５】
経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７から送られた到着時刻を目的地への到着時刻として候補経路を探索する。ここで探索する経路は所要時間の最も短い最適経路であってもよい。ここでは、最適経路を含めて候補経路ということとする。経路探索手段３９が探索した候補経路は案内経路ソート手段３３に一時記憶される。
【００７６】
時刻条件シフト手段３７は経路探索手段３９による経路探索が終了すると、更に所定の時間間隔で到着時刻をシフトし、経路探索手段３９に送り経路探索手段３９による候補経路探索を繰り返す。到着時刻のシフト処理は指定された時刻範囲の終わりの時刻（終了時刻）に達するまで行われ、時刻条件シフト手段３７によってシフトされた到着時刻が終了時刻を超えると時刻範囲判別手段３６がこれを検出して経路探索が終了する。
【００７７】
案内経路ソート手段３３には上記の経路探索によって得られた複数の候補経路が記憶されている。端末装置２０への候補経路（探索結果）の出力は、端末装置２０が設定したソート順に従ってソートして行われる。例えば、図４の条件入力画面に示したように出力順として「所要時間の短い順」が指定されている場合、案内経路ソート手段３３は、一時記憶している複数の候補経路を出発地から目的地までの所要時間が短い順にソートする。
【００７８】
案内経路ソート手段３３がソートした候補経路のデータは案内経路データ編集手段３２により端末装置２０に送信するためのデータに編集され通信手段３１を介して端末装置２０に送信される。端末装置２０は経路探索サーバ３０から受信した案内経路のデータ（ソート済の候補経路のデータ）を案内経路データ記憶手段２４に記憶し、必要により表示手段２５に表示する。
【００７９】
図５は、端末装置２０において表示手段２５に表示される到着時刻範囲の経路探索結果を示す出力画面の一例を示す画面構成図である。図５においては到着時刻範囲指定経路探索モード表示欄４０２に「ＯＮ」が表示される。案内経路表示欄４０３には、出発地と目的地および第１経路〜第Ｎ経路までの候補経路が表示される。各候補経路には出発地を出発すべき時刻と乗車駅（出発地の最寄り駅）、目的地までの所要時間が表示される。
【００８０】
図５において、第１経路は出発地を出発すべき時刻「１１：０５」、最寄り駅「Ａ駅」、出発地から目的地までの所要時間は「５時間０５分」である。図５は、各候補経路を「所要時間」の順にソートされた例を示しており、例えば、第６経路は出発地を出発すべき時刻「１０：０５」、最寄り駅「Ｃ駅」、出発地から目的地までの所要時間は「５時間４５分」である。
【００８１】
利用者はこの表示結果から、所望の経路を選択することができる。例えば、所要時間は余分にかかるとしても出発地駅を「Ｂ駅」としたい場合には第４経路または第５経路を選択することができる。途中立ち寄りたい中継地点がある場合には、経路探索条件に経由地を指定し、経由地における必要時間を考慮して目的地への到着時刻範囲を指定すればよい。コメント表示欄４０４には地図、経路表示の操作のしかたがコメントとして表示される。案内経路表示欄４０３の表示は必要に応じてスクロールすることができ、１画面に表示されていない経路も参照することができる。
【００８２】
なお、図５において表示画面４０１に表示する各経路にそれぞれ詳細な経路情報にリンクするためのリンク情報を関連付けておき、特定の候補経路がカーソルなどの選択手段で選択されると、その候補経路の詳細情報が表示されるようにすると便利である。候補経路の詳細情報を表示した後、コメント表示欄４０４にあるように地図表示キー（図示せず）が操作されたら該当する候補経路を含む地図表示を行う。
【００８３】
次に、経路探索サーバ３０における経路探索の概念について説明する。経路探索用ネットワークデータベース３５には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータが蓄積されている。経路探索手段３９は、この経路探索用ネットワークデータベース３５を参照して、徒歩や自動車による経路あるいは徒歩と交通機関を併用した経路を探索する。
【００８４】
道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図６に示すように道路Ａ、Ｂ、Ｃからなる場合、道路Ａ、Ｂ、Ｃの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ（ノードの緯度・経度）、リンクデータ（リンク番号）と各リンクのリンクコスト（リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間）をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【００８５】
すなわち、図６において、Ｎｎ（○印）、Ｎｍ（◎印）がノードを示し、Ｎｍ（◎印）は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線（実線、点線、２点鎖線）で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図６では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【００８６】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図６において出発地をノードＡＸ、目的地をノードＣＹとして経路探索を行う場合、ノードＡＸから道路Ａを走行して２つ目の交差点で右折して道路Ｃに入りノードＣＹにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【００８７】
図６ではノードＡＸからノードＣＹに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードＡＸからノードＣＹに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【００８８】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図７に示すように交通路線Ａ、Ｂ、Ｃからなる場合、各交通路線Ａ、Ｂ、Ｃに設けられた各駅（航空機の路線においては各空港）をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ（緯度・経度）、リンクデータ（リンク番号）をネットワークデータとしている。図７において、Ｎｎ（○印）、Ｎｍ（◎印）がノードを示し、Ｎｍ（◎印）は交通路線の乗り継ぎ点（乗換え駅など）を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線（実線、点線、２点鎖線）で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図７では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【００８９】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図７に示すように交通路線を運行する列車や航空機（以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する）が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており（時刻表データ、運行データで規定される）、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【００９０】
図７に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Ａの同じリンクに複数の交通手段（経路）Ａａ〜Ａｃ・・・、交通路線Ｃに複数の交通手段（経路）Ｃａ〜Ｃｃ・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段（個々の航空機や列車などの経路）の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【００９１】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用（乗車）できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【００９２】
例えば、図７において、出発地を交通路線ＡのノードＡＸとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線ＣのノードＣＹを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線Ａ上を運行する交通手段Ａａ〜Ａｃ・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Ｃへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線Ｃ上を運行する各交通手段Ｃａ〜Ｃｃ・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【００９３】
このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ３０は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置２０に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、目的地への到着時刻が指定されている場合には、目的地に指定時刻に到着するための出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置２０はこれらを表示手段２５に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗り換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することができる。
【００９４】
次に、本発明の実施例にかかる経路探索サーバ３０における経路探索の動作手順を、図８に示すフローチャートに基づいて説明する。端末装置２０において図示していないモード設定手段により到着時刻範囲指定経路探索モードが設定されているものとする。先ず、ステップＳ１０１の処理で端末装置２０において図４に示す経路探索条件の入力画面に従って、出発地、目的地、出力順が入力され、ステップＳ１０２で目的地への到着時刻範囲が入力される。入力された経路探索条件は経路探索サーバ３０に送信される。
【００９５】
経路探索サーバ３０は端末装置２０から到着時刻範囲を指定した経路探索要求を受信すると、ステップＳ１０３の処理において時刻条件シフト手段３７の到着時刻を初期化（クリア）するとともに時刻範囲判別手段３６が判別した到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）に基づいて、その一端の時刻、例えば、到着時刻範囲の終わりの時刻を経路探索手段３９に送る。図３に例示した経路探索条件では、この時刻は「１７：００」である。
【００９６】
経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７から送られた到着時刻を目的地への到着時刻としてステップＳ１０４の処理において経路探索を行い、得られた候補経路を案内経路ソート手段３３に送る。ステップＳ１０５の処理で案内経路ソート手段３３は経路探索手段３９から送られた候補経路のデータを一時記憶する。
【００９７】
なお、上記の経路探索手段３９による経路探索は一般の経路探索において用いられる到着時刻指定の経路探索であり、目的地への到着時刻を基準に出発地まで道路ネットワーク、交通路線ネットワークを逆に辿る経路探索である。この経路探索において、複数の候補経路が探索されても、すべて案内経路ソート手段３３に記憶しておく。なお、全ての経路探索の結果として得られた候補経路の出発時刻が、現在時刻より早い場合は、当該経路は物理的に利用不可能である。この場合、以後の経路探索は無駄なので経路探索を終了してステップＳ１０８の候補経路の条件ソート処理に進むようにしても良い。
【００９８】
ステップＳ１０５の処理で案内経路データが案内経路ソート手段３３に記憶されると、ステップＳ１０６の処理において時刻条件シフト手段３７は到着時刻を所定の時間だけシフトする。例えば、１０分刻みで到着時刻をシフトする。そして時刻条件シフト手段３７はステップＳ１０７の判別処理においてシフトした到着時刻が到着時刻範囲の他端の時刻、ここでは到着時刻範囲の始めの時刻を超過したか否かを判別する。
【００９９】
ステップＳ１０７の判別処理において、シフトした到着時刻が到着時刻範囲を超過したと判別されると経路探索処理は終了であり、ステップＳ１０８の処理に進む。シフトした到着時刻が到着時刻範囲を超過していなければ、時刻条件シフト手段３７がシフトした到着時刻が経路探索手段３９に送られ、ステップＳ１０４の経路探索の処理に戻る。
【０１００】
ステップＳ１０４からステップＳ１０７の処理を繰り返し、所定の時間間隔で到着時刻をシフトしながら到着時刻範囲に含まれる時刻を到着時刻とした経路探索が終了すると、ステップＳ１０７の判別処理で到着時刻範囲を超過したことが判別される。この後はステップＳ１０８の処理に進み、案内経路ソート手段３３は指定されたソート順に従って候補経路をソートし、ステップＳ１０９の処理においてソートした案内経路のデータを出力して処理を終了する。
【０１０１】
ステップＳ１０９のソート処理において、出力順の指定に応じて、以下のように候補経路を得ることができる。
「所要時間の短い順」：指定された到着時刻範囲を満たし、所要時間の短い順に経路が求まる。
「運賃の安い順」：指定された到着時刻範囲を満たし、運賃の安い順に経路が求まる。
「乗り換え回数の少ない順」：指定された到着時刻範囲を満たし、乗り換えの回数が少ない順に経路が求まる。
「徒歩区間の距離の小さい順」：指定された到着時刻範囲を満たし、徒歩経路が少ない順に経路が求まる。この場合、徒歩区間で経路が決定されるので、経路は固定される。その経路を用いた出発時刻の異なる経路が求まる。
【０１０２】
上記の実施例において、時刻条件シフト手段３７は目的地への到着時刻を到着時刻範囲の指定に基づいて、所定の時間間隔でシフトして経路探索手段３９に提供する例を説明した。本発明の到着時刻範囲を指定した経路探索はこの方法に限ることなく、時刻条件シフト手段３７において到着時刻範囲内で目的地に到着することのできる移動手段、例えば、交通機関の便（鉄道や航空機の便）を順次シフトして経路探索を行うように構成することもできる。もちろん最寄り駅が複数想定されるような場合は、各駅への到着便が全て対象となる。この方式を用いると、到着便が少ない目的地に対しては探索回数を少なくすることができるという効果がある。
【０１０３】
このような処理手順を図９に示すフローチャートに基づいて説明する。経路探索サーバ３０における経路探索の動作手順を説明する。端末装置２０において図示していないモード設定手段により到着時刻範囲指定経路探索モードが設定されているものとする。先ず、ステップＳ２０１の処理で端末装置２０において図４に示す経路探索条件の入力画面に従って、出発地、目的地、出力順が入力され、ステップＳ２０２で目的地への到着時刻範囲が入力される。入力された経路探索条件は経路探索サーバ３０に送信される。
【０１０４】
経路探索サーバ３０は端末装置２０から到着時刻範囲を指定した経路探索要求を受信すると、ステップＳ２０３の処理において時刻条件シフト手段３７の到着便を初期化（クリア）するとともに時刻範囲判別手段３６が判別した到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）に基づいて、目的地に当該到着時刻範囲の間に到着する交通機関の便（鉄道や航空機の便）を到着時刻順に順次シフトして経路探索手段３９に送る。
【０１０５】
経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７から送られた交通機関の便を起点にステップＳ２０４の処理において、目的地から出発地まで逆方向の経路探索を行う。ステップＳ２０４の経路探索処理により得られた候補経路は案内経路ソート手段３３に送られる。ステップＳ２０５の処理で案内経路ソート手段３３は経路探索手段３９から送られた候補経路のデータを一時記憶する。
【０１０６】
ステップＳ２０５の処理で案内経路データが案内経路ソート手段３３に記憶されると、ステップＳ２０６の処理において時刻条件シフト手段３７は交通機関の便（鉄道や航空機の便）を順次シフトする。そして時刻条件シフト手段３７はステップＳ２０７の判別処理においてシフトした便のほかに到着時刻範囲を満足する他の到着便があるか否かを判別する。
【０１０７】
ステップＳ２０７の判別処理において、他には到着時刻範囲を満足する到着便がないと判別されると経路探索処理は終了であり、ステップＳ２０８の処理に進む。他にも到着時刻範囲を満足する到着便があれば、時刻条件シフト手段３７がシフトした便が経路探索手段３９に送られ、ステップＳ２０４の経路探索の処理に戻る。
【０１０８】
ステップＳ２０４からステップＳ２０７の処理を繰り返し、到着時刻範囲を満足する到着便をシフトしながら到着時刻範囲に含まれる到着便の全てについて経路探索が終了すると、ステップＳ２０７の判別処理で他には到着便がなしと判別される。この後はステップＳ２０８の処理に進み、案内経路ソート手段３３は指定されたソート順に従って候補経路をソートし、ステップＳ１０９の処理においてソートした案内経路のデータを出力して処理を終了する。
【０１０９】
なお、本発明においては多くの経路を表示する可能性があるので、最初の結果表示は出発時刻、その他の条件の適合度などに限定した一覧にしておき、図４のように各探索結果に詳細経路表示へのリンクを付すようにすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【０１１０】
本発明においては、経路の探索回数が到着時間範囲に応じて多くなる。しかしながら、リアルタイムな使用はあまり想定されず、将来のある時間帯に目的地に到着することを念頭に置いた事前の計画で用いられる場合が殆どである。従って、ある程度の探索時間がかかっても、利用者は探索結果を待つことができるので実用上問題は無い。本発明による経路探索サービスを提供するサーバを、ＧＰＳ受信手段で現在地を取得して経路探索を行うための即時性が要求される経路探索サーバとは別のサーバとするようにしてもよい。
【０１１１】
また、経路探索条件は条件入力画面から入力するだけでなく、探索パラメータをメールでサーバに送って、サーバがメールで経路探索結果を返信するような構成にしても良い。
更に、到着時刻範囲を広く取れば、例えば１日の中で最も運賃の安い便の組み合わせを探すこともできる。（航空路線などに有効：便ごとに運賃が異なる）
また、本発明においては、全ての乗り継ぎの組み合わせが探索されるわけではないので、連絡接続の悪い乗り継ぎは除外されることがあるが、到着時刻のシフト量を小さくすれば多くの組み合わせを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１１２】
【図１】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図２】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図３】端末装置として用いられる携帯電話の外観を示す図である。
【図４】到着時刻範囲指定経路探索モードにおける経路探索条件の入力画面の一例を示す画面構成図である。
【図５】端末装置に表示される到着時刻範囲の経路探索結果を示す出力画面の一例を示す画面構成図である。
【図６】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図７】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図８】本発明の到着時刻範囲指定経路探索モードにおける経路探索の処理手順を示すフローチャートである。
【図９】本発明の到着時刻範囲指定経路探索モードにおける経路探索の他の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【０１１３】
１０・・・・ナビゲーションシステム
１２・・・・ネットワーク
２０・・・・端末装置
２０１・・・制御手段
２１・・・・通信手段
２２・・・・ＧＰＳ受信手段
２３・・・・探索要求手段
２４・・・・案内経路データ記憶手段
２５・・・・表示手段
２６・・・・操作入力手段
２６１・・・第１入力手段
２６２・・・第２入力手段
３０・・・・経路探索サーバ
３０１・・・制御手段
３１・・・・通信手段
３２・・・・案内経路データ編集手段
３３・・・・案内経路ソート手段
３４・・・・地図データベース
３５・・・・経路探索用ネットワークデータベース
３６・・・・時刻範囲判別手段
３７・・・・時刻条件シフト手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、徒歩や自動車あるいは公共交通機関を利用して、任意の出発地から目的地に至る候補経路を探索して案内するナビゲーションシステムに関するものであり、特に、交通機関を用いて任意の出発地から目的地に至る候補経路を探索する際に、目的地への到着時刻の範囲を指定して経路探索できるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【０００３】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路（乗車候補列車）を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【０００４】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献１（特開２００１−１６５６８１号公報）に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の１つとして経路探索する。
【０００５】
情報配信サーバは、地図データの道路（経路）をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報（距離や所要時間）をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献１には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【０００６】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ（乗換え）を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段（個々の電車や路線バス）を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路（出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段）の候補を１つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【０００７】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ（情報サイト）にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【０００８】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【０００９】
徒歩経路に加えて交通機関を用いた経路を探索するナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献２（特開２０００−２５８１８４号公報）に開示されている。この特許文献２に開示されたナビゲーションシステムは、出発地点から目的地点までの経路を、地点をノード、地点間をリンクとして交通ネットワークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により最短コスト条件下で探索する交通ネットワーク経路探索方法を用いるものである。
【００１０】
そして、出発地点および目的地点から利用する交通機関の駅までの経路として、出発地点および目的地点から利用する交通機関の駅までの直線距離、および目的地点から利用する交通機関の駅までの直線距離を緯度経度情報を用いて求め、該直線距離を変数として平均コストを算出し、前記平均コストが指定したコストの範囲内に含まれるすべての利用交通機関の駅を求め、歩行経路を決定し、求められた歩行経路を交通機関の交通ネットワーク経路に組み込んで総合交通ネットワークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により求めるコスト条件下で探索するように構成されている。
【００１１】
従って端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や乗車を案内するバス、電車、列車およびその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表などがそのまま、あるいは必要部分が画面表示できる表示データなどの形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では案内経路のデータや運行時刻表あるいは駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。
【００１２】
ナビゲーションシステムを用いて経路探索、経路の案内を受ける場合、出発地を出発する時刻を指定して目的地までの最適経路や複数の候補経路を探索するケースがある。また、目的地への到着時刻を設定し、出発地から目的地までの経路のうち、指定した時刻に目的地に到達できる最適経路や候補経路を探索するケースがある。後者においては、指定した時刻に目的地に到達するために出発地を何時に出発すればよいかがわかる。
【００１３】
例えば、到着地（目的地）への到着時刻を条件として経路探索するナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献３（特開２００２−３２４４３号公報）、特許文献４（特開平１０−３３４３８７号公報）に開示されている。
【００１４】
特許文献３に開示された経路案内システムは、出発地と、出発地の出発時間と、少なくとも１つの目的地と、最終到着地とを設定して、時刻表及び移動に要する平均所要時間を含む情報を格納するデータベースの情報と前記設定手段で設定された設定値に基づいて、最適経路探索プロセスを用いて出発地から最終到着地までの最適経路と料金を検索して、その検索結果を出力するようにしたものである。このシステムはまた、最終到着地の最終到着時刻を設定し、その設定値に基づいて、電車などの交通機関による移動時間以外の目的地における自由時間を計算して出力できるようにしている。
【００１５】
特許文献４に開示された最適乗継系列探索システムは、航空路線・新幹線・ＪＲ特急線の中から使用する路線を、運休や欠航などの不測の事態も考慮しながら平均移動時間をコストに最適乗り継ぎ系列を探索することのできる最適乗継系列探索システムにおいて、系列探索を短時間に処理できるように、出発地と目的地とからあらかじめ探索地域を限定することによって無駄な系列探索を省くようにしたものである。このシステムはまた、出発時刻を指定し、目的地に到着する最も遅い時刻を設定した経路探索ができるようにしている。
【００１６】
【特許文献１】特開２００１−１６５６８１号公報（図１、図２）
【特許文献２】特開２０００−２５８１８４号公報（図３、図３）
【特許文献３】特開２００２−３２４４３号公報（図１）
【特許文献４】特開平１０−３３４３８７号公報（図５、段落［００１５］）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１７】
到着時刻を指定して経路と出発時刻を求めることは、開催時刻が決まっているイベント等に参加する場合に便利な探索方法である。
しかし、到着時刻をそれほど厳密に決める必要が無い場合もある。例えば、イベントの前日に宿泊施設に着けば良く、具体的には旅館のチェックインタイムから夕食の時間までに着くという条件で最適な経路や交通機関を決めたい場合がある。
【００１８】
しかしながら、上記特許文献３や特許文献４に開示されたナビゲーションシステムにおいては、目的地への到着時間を条件として経路探索するものであり、目的地への到着時刻に幅を持たせたい場合には、ホテルのチェックインタイムや夕食の時間を考慮して、あるいは経路途中での寄り道時間を、個別に到着時刻に種々設定し経路探索を繰り返し試みて好みの経路を探す程度のことしかできなかった。
【００１９】
上記特許文献４には、出発地、目的地、出発希望時刻、探索時間範囲を指定して経路探索する旨の記載があるが、ここで言う探索時間範囲とは、特許文献４（公開公報）の段落
【００２０】
に記載されているように、出発時刻から探索の対象になる時間範囲を延べているだけで、到着時刻範囲の指定ではなく、このナビゲーションシステムでは、結局１７：３０を到着時刻とした候補経路を出発時刻の遅い順にソートして案内しているだけの構成である。
【００２１】
このような試行錯誤的な経路探索方法は、利用者にとっては経路探索の手間がかかるという問題点があった。また、このような経路探索方法では、到着時刻の指定のしかたによっては希望する時間帯に存在するさらに最適な条件の経路が見つからない可能性がある。例えば、３０分単位で到着時刻を変えて経路探索した場合と５分単位で到着時間を変えて経路探索した場合とでは探索される最適経路や候補経路が異なり、より最適な経路が探索から漏れる可能性が生じてしまう。
【００２２】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、目的地への到着時刻を範囲で設定し、到着時刻範囲の終わりの時刻から所定の時間間隔で到着時刻範囲の始めの時刻まで到着時刻の設定を順次変更して最適経路または複数の候補経路を探索して得られた複数の案内経路を指定された条件によりソートして提供するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【００２３】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、交通機関を用いて任意の出発地から目的地に至る最適経路または候補経路を探索する際に、目的地への到着時刻の範囲を指定して経路探索できるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【００２４】
前記課題を解決するために、本願の請求項１にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とする。
【００２５】
本願の請求項２にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする。
【００２６】
本願の請求項３にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００２７】
本願の請求項４にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００２８】
本願の請求項５にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする。
【００２９】
また、本願の請求項６にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求を経路探索サーバに送信し、経路探索サーバから受信した候補経路を表示する表示手段を備えた端末装置にネットワークを介して接続され、前記端末装置から受信した経路探索条件に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索サーバにおいて、
前記端末装置から送信される経路探索要求は、目的地への到着時刻の範囲を含み、
前記経路探索サーバは、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とする
【００３０】
本願の請求項７にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００３１】
本願の請求項８にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする。
【００３２】
本願の請求項９にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする。
【００３３】
また、本願の請求項１０にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段が、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更するステップと、前記経路探索手段が、前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶するステップと、該案内経路ソート手段が、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力するステップと、を有することを特徴とする。
【００３４】
本願の請求項１１にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする。
【００３５】
本願の請求項１２にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする。
【００３６】
本願の請求項１３にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする。
【００３７】
本願の請求項１４にかかる発明は、請求項１０にかかる経路探索方法において、前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする。
【００３８】
また、本願の請求項１５にかかる発明は、
到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、出発地と目的地を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備え、前記操作入力手段により、目的地への到着時刻の範囲を入力するようになしたことを特徴とする。
【００３９】
本願の請求項１６にかかる発明は、請求項１５にかかる端末装置において、前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【００４０】
請求項１にかかる発明においては、時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力する。
【００４１】
このような構成によれば、目的地への到着時刻の範囲を指定するだけで、指定した到着時刻範囲に含まれる複数の候補経路を探索することができ、それらの候補経路を所望の条件の順にソートした案内経路の情報を得ることができるようになる。従って、利用者はその候補経路の中から自身の要求にあった経路を容易に選択することができるようになる。
【００４２】
請求項２にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含む。
【００４３】
このような構成によれば、経路探索条件として交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を指定して、目的地への到着時刻の範囲を設定した経路探索が行えるようになる。
【００４４】
請求項３にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更する。
【００４５】
このような構成によれば、経路探索手段は、時刻条件シフト手段が指定された到着時刻範囲内において、所定の時間間隔で変更した到着時刻に基づいて候補経路を探索することができるようになる。
【００４６】
請求項４にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更する。
【００４７】
このような構成によれば、経路探索手段は、時刻条件シフト手段が指定された到着時刻範囲内において、目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして変更した時刻条件に基づいて候補経路を探索することができるようになる。また、目的地の最寄り駅に到着する便数が少ない場合には、経路探索手段が候補経路を探索する回数を少なくすることができるようになる。
【００４８】
請求項５にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加される。
【００４９】
このような構成によれば、利用者はこの表示結果から、所望の条件に合致する経路を容易に選択することができるようになる。また、候補経路を選択することにより該当する候補経路の詳細情報を容易に知ることができるようになる。
【００５０】
また、請求項６〜請求項９にかかる発明においては、それぞれ請求項１、請求項３〜請求項５にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができ、請求項１０〜請求項１４にかかる発明においては、それぞれ請求項１〜請求項５にかかるナビゲーションシステムを実現するための経路探索方法を提供することができるようになる。また、請求項１５、請求項１６にかかる発明においては、それぞれ請求項１、請求項２にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００５１】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例１】
【００５２】
図１は、本発明にかかるナビゲーションシステム１０の構成を示すシステム構成図である。図１に示すようにナビゲーションシステム１０は、ネットワーク１２を介して接続される端末装置２０と経路探索サーバ３０を備えて構成されている。このナビゲーションシステム１０は、各種カテゴリに属するＰＯＩの所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するＰＯＩ情報配信サーバ５０、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ５１などを備えて構成されている。
【００５３】
経路探索サーバ３０はＰＯＩ情報配信サーバ５０や他の情報配信サーバ５１からネットワーク１２を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてＰＯＩ情報配信サーバ５０や他の情報配信サーバ５１に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【００５４】
本発明にかかるナビゲーションシステム１０は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ３０はナビゲーションサービス機能とともにＰＯＩ所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、端末装置２０も携帯電話を用いることができ、またＰＤＡや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）であってもよい。
【００５５】
図１に示す経路探索サーバ３０は、地図データベース３４、経路探索用ネットワークデータベース３５を備え、端末装置２０から経路探索要求があると、探索用ネットワークデータベース３５を参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路（推奨経路）を端末装置２０に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、端末装置２０から所望の地点やＰＯＩを指定して地図データの取得要求があると、地図データベース３４を参照して該当する地図データを読み出して端末装置２０に配信する。
【００５６】
一方、端末装置２０は、経路探索サーバ３０に目的地への到着時刻範囲を経路探索条件として経路探索を要求する到着時刻範囲指定経路探索モードを設定することができる。この到着時刻範囲指定経路探索モードが設定されない場合は、通常の経路探索の要求になる。到着時刻範囲とは、前述したように、イベントの前日に宿泊施設に着けば良く、具体的には旅館のチェックインタイムから夕食の時間までに着くという条件で最適な経路や交通機関を探索したい場合に用いるモードである。すなわち、このモードは、目的地への到着時刻に幅を持たせたい場合に用いる。到着時刻範囲指定経路探索モードを設定した場合、目的地への到着時刻範囲は「ＸＸ時ＹＹ分〜ＷＷ時ＺＺ分」のように指定する。
【００５７】
経路探索サーバ３０は、端末装置２０から、到着時刻範囲指定経路探索モードを設定した経路探索要求があると、指定された時刻範囲の一端（終了時刻または開始時刻）から所定の時間間隔でシフトしながら候補経路を探索する。経路探索が時刻範囲の他端を超過したら経路探索を終了し、各経路探索で得られた候補経路を指定された条件でソートして出力する。この時の経路探索は一般的なナビゲーションシステムで行われる到着時間指定の経路探索の手法で行うことができる。
【００５８】
このような経路探索を行えば、所望の時刻範囲の間に目的地に到着するための候補経路を得ることができ、端末装置２０の利用者は案内された複数の候補経路のうちから好みの経路を選択することができるようになる。
【００５９】
以下、具体例に基づいて本発明を説明するが、その前に本発明にかかるナビゲーションシステム１０の詳細な構成を説明する。図２は、図１のナビゲーションシステム１０の詳細な構成を示す図である。端末装置２０は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、制御手段２０１、通信手段２１、ＧＰＳ受信手段２２、探索要求手段２３、案内経路データ記憶手段２４、表示手段２５、操作入力手段２６を備えて構成される。
【００６０】
操作入力手段２６は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段２６１と、到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と、到着時刻範囲の終わりの時刻（終了時刻）を入力する第２入力手段２６２を含んでいる。第１入力手段２６１、第２入力手段２６２は数値キーを用いることができるが、後述する条件入力画面に設けたプルダウンメニューにより表示される数値を用いることもできる。その他の経路探索条件とは、例えば、交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間などである。
【００６１】
一方、経路探索サーバ３０は、制御手段３０１、通信手段３１、案内経路データ編集手段３２、案内経路ソート手段３３、地図データベース３４、経路探索用ネットワークデータベース３５、時刻範囲判別手段３６、時刻条件シフト手段３７を備えて構成される。時刻範囲判別手段は到着時刻範囲指定経路探索モードの経路探索要求が端末装置２０から送信された場合に指定された到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）を一時記憶し、経路探索の時刻範囲を判別する。
【００６２】
時刻条件シフト手段３７は、指定された時刻範囲の一端（終了時刻または開始時刻）から所定の時間間隔で到着時刻をシフトして経路探索手段３９に送る。案内経路ソート手段３３は、到着時刻をシフトして経路探索した結果として得られる候補経路を一時記憶し、指定された条件応じてソートする。ソートされた候補経路は端末装置２０に送信され、端末装置２０の表示手段２５に表示される。
【００６３】
端末装置２０において、制御手段２０１は、図示してはいないがＲＡＭ、ＲＯＭ、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ＲＯＭに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段２１はネットワーク１２を介して経路探索サーバ３０などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【００６４】
ＧＰＳ受信手段２２はＧＰＳ衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で算出する。操作入力手段２６は、キー、ダイヤル等からなり、端末装置２０を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの入力機能としても用いられる。表示手段２５は液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ３０から配信（送信）された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、表示手段２５はメニュー画面を表示し端末装置２０を操作するための入力手段としても機能する。
【００６５】
経路探索サーバ３０から端末装置２０に送信される最適経路や候補経路などの案内経路データは地図データとともに案内経路データ記憶手段２４に記憶され、案内経路データ記憶手段２４に記憶された候補経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段２５に表示される。
【００６６】
図３は、端末装置２０の外観を示す図であり、図３に示す端末装置２０は携帯電話を端末装置としたものである。端末装置２０は、液晶表示ユニットなどからなる表示手段２５、テンキーやダイヤル、ボタンなどを有する操作入力手段２６を備えている。経路探索サーバ３０から送信された地図データや案内経路データは案内経路データ記憶手段２４に記憶され、必要に応じて案内経路データ記憶手段２４から読み出され、表示手段２５の表示画面２５１に表示される。
【００６７】
図４は、表示画面２５１に表示される経路探索条件入力画面３１０の一例を示す図である。端末装置２０は、操作入力手段２６により入力された条件や操作に基づいて経路探索要求を経路探索サーバ３０に送信する。経路探索サーバ３０に経路探索要求する場合には、図４に示すように表示手段２５に表示されたメニューから、あるいは、操作入力手段２６から所望の出発地、目的地を設定して経路探索サーバ３０に送信する。
【００６８】
図４は、端末装置２０が到着時刻範囲指定経路探索モードに設定された場合に表示される経路探索条件入力画面３０１の例を示している。この経路探索条件入力画面３１０には、出発地入力欄３０２、目的地入力欄３０３、到着時刻範囲入力欄３０４、出力順（ソート条件）入力欄３０８、探索開始ボタン３０９が設けられている。
【００６９】
出発地と目的地の設定は、出発地入力欄３０２、目的地入力欄３０３に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、ＰＯＩ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ Ｉｎｔｅｒｅｓｔ）の名称などで設定することできる。また、出発地の入力には、ＧＰＳ受信手段２２で測位した端末装置２０の現在位置を用いるようにすることもできる。
【００７０】
また、プルダウンボタンを操作して、これまでに端末装置２０に登録した経路探索履歴や登録地点を呼び出して設定することもできる。到着時刻範囲入力欄３０４には到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）「ＸＸ時ＹＹ分」を入力し、次いで、到着時刻範囲の終わりの時刻（終了時刻）「ＷＷ時ＺＺ分」を入力して時刻範囲「ＸＸ時ＹＹ分〜ＷＷ時ＺＺ分」の入力が行われる。必要な条件設定を終え、探索開始ボタン３０９を操作すると、経路探索要求が端末装置２０から経路探索サーバ３０に送信される。
【００７１】
なお、通常の経路探索モードの場合の経路探索条件入力画面には、従来からの「出発」「到着」「終電」「始発」の従来の条件選択もプルダウンメニューで可能である。また、到着時刻範囲指定経路探索モードの選択機能を経路探索条件入力画面に設け、経路探索条件入力画面を通常モードの場合と共通にすることも可能である。
【００７２】
出力順は、その他の経路探索条件として交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れかが指定された場合には、指定された条件に適合するように決定することができる。例えば、経路探索条件として乗り換え回数が指定された場合には、複数の候補経路を乗り換え回数の少ない順にソートする。複数の条件が設定されている場合には出力順（ソート条件）入力欄３０８で出力順を指定すればよい。
【００７３】
経路探索サーバ３０は、端末装置２０から経路探索要求があると、これを探索要求記憶手段３８に一時記憶する。そして経路探索手段３９は、探索要求記憶手段３８に記憶した経路探索要求に従って経路探索用ネットワークデータベース３５を参照して出発地から目的地までの複数の候補経路を探索する。経路探索要求が通常の経路探索の要求である場合、経路探索の結果得られた案内経路のデータを地図データベース３４から読み出した地図データとともに端末装置２０に送信する。この経路探索の方法は通常のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバと同様の方法である。
【００７４】
一方、経路探索要求が到着時刻範囲指定経路探索モードの経路探索の要求である場合、先ず、時刻範囲判別手段３６は指定された到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）を一時記憶し、経路探索の時刻範囲を判別する。時刻条件シフト手段３７は時刻範囲判別手段３６が判別した到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）に基づいて、その一端の時刻、例えば、到着時刻範囲の初めの時刻を経路探索手段３９に送り、以後は、到着時刻範囲の終わり時刻（到着時刻範囲の他端の時刻）を超えるまで、到着時刻を所定の時間間隔（例えば、５分間隔）で順次シフトして経路探索手段３９に送る。
【００７５】
経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７から送られた到着時刻を目的地への到着時刻として候補経路を探索する。ここで探索する経路は所要時間の最も短い最適経路であってもよい。ここでは、最適経路を含めて候補経路ということとする。経路探索手段３９が探索した候補経路は案内経路ソート手段３３に一時記憶される。
【００７６】
時刻条件シフト手段３７は経路探索手段３９による経路探索が終了すると、更に所定の時間間隔で到着時刻をシフトし、経路探索手段３９に送り経路探索手段３９による候補経路探索を繰り返す。到着時刻のシフト処理は指定された時刻範囲の終わりの時刻（終了時刻）に達するまで行われ、時刻条件シフト手段３７によってシフトされた到着時刻が終了時刻を超えると時刻範囲判別手段３６がこれを検出して経路探索が終了する。
【００７７】
案内経路ソート手段３３には上記の経路探索によって得られた複数の候補経路が記憶されている。端末装置２０への候補経路（探索結果）の出力は、端末装置２０が設定したソート順に従ってソートして行われる。例えば、図４の条件入力画面に示したように出力順として「所要時間の短い順」が指定されている場合、案内経路ソート手段３３は、一時記憶している複数の候補経路を出発地から目的地までの所要時間が短い順にソートする。
【００７８】
案内経路ソート手段３３がソートした候補経路のデータは案内経路データ編集手段３２により端末装置２０に送信するためのデータに編集され通信手段３１を介して端末装置２０に送信される。端末装置２０は経路探索サーバ３０から受信した案内経路のデータ（ソート済の候補経路のデータ）を案内経路データ記憶手段２４に記憶し、必要により表示手段２５に表示する。
【００７９】
図５は、端末装置２０において表示手段２５に表示される到着時刻範囲の経路探索結果を示す出力画面の一例を示す画面構成図である。図５においては到着時刻範囲指定経路探索モード表示欄４０２に「ＯＮ」が表示される。案内経路表示欄４０３には、出発地と目的地および第１経路〜第Ｎ経路までの候補経路が表示される。各候補経路には出発地を出発すべき時刻と乗車駅（出発地の最寄り駅）、目的地までの所要時間が表示される。
【００８０】
図５において、第１経路は出発地を出発すべき時刻「１１：０５」、最寄り駅「Ａ駅」、出発地から目的地までの所要時間は「５時間０５分」である。図５は、各候補経路を「所要時間」の順にソートされた例を示しており、例えば、第６経路は出発地を出発すべき時刻「１０：０５」、最寄り駅「Ｃ駅」、出発地から目的地までの所要時間は「５時間４５分」である。
【００８１】
利用者はこの表示結果から、所望の経路を選択することができる。例えば、所要時間は余分にかかるとしても出発地駅を「Ｂ駅」としたい場合には第４経路または第５経路を選択することができる。途中立ち寄りたい中継地点がある場合には、経路探索条件に経由地を指定し、経由地における必要時間を考慮して目的地への到着時刻範囲を指定すればよい。コメント表示欄４０４には地図、経路表示の操作のしかたがコメントとして表示される。案内経路表示欄４０３の表示は必要に応じてスクロールすることができ、１画面に表示されていない経路も参照することができる。
【００８２】
なお、図５において表示画面４０１に表示する各経路にそれぞれ詳細な経路情報にリンクするためのリンク情報を関連付けておき、特定の候補経路がカーソルなどの選択手段で選択されると、その候補経路の詳細情報が表示されるようにすると便利である。候補経路の詳細情報を表示した後、コメント表示欄４０４にあるように地図表示キー（図示せず）が操作されたら該当する候補経路を含む地図表示を行う。
【００８３】
次に、経路探索サーバ３０における経路探索の概念について説明する。経路探索用ネットワークデータベース３５には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータが蓄積されている。経路探索手段３９は、この経路探索用ネットワークデータベース３５を参照して、徒歩や自動車による経路あるいは徒歩と交通機関を併用した経路を探索する。
【００８４】
道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図６に示すように道路Ａ、Ｂ、Ｃからなる場合、道路Ａ、Ｂ、Ｃの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ（ノードの緯度・経度）、リンクデータ（リンク番号）と各リンクのリンクコスト（リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間）をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【００８５】
すなわち、図６において、Ｎｎ（○印）、Ｎｍ（◎印）がノードを示し、Ｎｍ（◎印）は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線（実線、点線、２点鎖線）で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図６では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【００８６】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図６において出発地をノードＡＸ、目的地をノードＣＹとして経路探索を行う場合、ノードＡＸから道路Ａを走行して２つ目の交差点で右折して道路Ｃに入りノードＣＹにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【００８７】
図６ではノードＡＸからノードＣＹに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードＡＸからノードＣＹに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【００８８】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図７に示すように交通路線Ａ、Ｂ、Ｃからなる場合、各交通路線Ａ、Ｂ、Ｃに設けられた各駅（航空機の路線においては各空港）をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ（緯度・経度）、リンクデータ（リンク番号）をネットワークデータとしている。図７において、Ｎｎ（○印）、Ｎｍ（◎印）がノードを示し、Ｎｍ（◎印）は交通路線の乗り継ぎ点（乗換え駅など）を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線（実線、点線、２点鎖線）で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図７では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【００８９】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図７に示すように交通路線を運行する列車や航空機（以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する）が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており（時刻表データ、運行データで規定される）、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【００９０】
図７に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Ａの同じリンクに複数の交通手段（経路）Ａａ〜Ａｃ・・・、交通路線Ｃに複数の交通手段（経路）Ｃａ〜Ｃｃ・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段（個々の航空機や列車などの経路）の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【００９１】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用（乗車）できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【００９２】
例えば、図７において、出発地を交通路線ＡのノードＡＸとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線ＣのノードＣＹを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線Ａ上を運行する交通手段Ａａ〜Ａｃ・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Ｃへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線Ｃ上を運行する各交通手段Ｃａ〜Ｃｃ・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【００９３】
このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ３０は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置２０に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、目的地への到着時刻が指定されている場合には、目的地に指定時刻に到着するための出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置２０はこれらを表示手段２５に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗り換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することができる。
【００９４】
次に、本発明の実施例にかかる経路探索サーバ３０における経路探索の動作手順を、図８に示すフローチャートに基づいて説明する。端末装置２０において図示していないモード設定手段により到着時刻範囲指定経路探索モードが設定されているものとする。先ず、ステップＳ１０１の処理で端末装置２０において図４に示す経路探索条件の入力画面に従って、出発地、目的地、出力順が入力され、ステップＳ１０２で目的地への到着時刻範囲が入力される。入力された経路探索条件は経路探索サーバ３０に送信される。
【００９５】
経路探索サーバ３０は端末装置２０から到着時刻範囲を指定した経路探索要求を受信すると、ステップＳ１０３の処理において時刻条件シフト手段３７の到着時刻を初期化（クリア）するとともに時刻範囲判別手段３６が判別した到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）に基づいて、その一端の時刻、例えば、到着時刻範囲の終わりの時刻を経路探索手段３９に送る。図３に例示した経路探索条件では、この時刻は「１７：００」である。
【００９６】
経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７から送られた到着時刻を目的地への到着時刻としてステップＳ１０４の処理において経路探索を行い、得られた候補経路を案内経路ソート手段３３に送る。ステップＳ１０５の処理で案内経路ソート手段３３は経路探索手段３９から送られた候補経路のデータを一時記憶する。
【００９７】
なお、上記の経路探索手段３９による経路探索は一般の経路探索において用いられる到着時刻指定の経路探索であり、目的地への到着時刻を基準に出発地まで道路ネットワーク、交通路線ネットワークを逆に辿る経路探索である。この経路探索において、複数の候補経路が探索されても、すべて案内経路ソート手段３３に記憶しておく。なお、全ての経路探索の結果として得られた候補経路の出発時刻が、現在時刻より早い場合は、当該経路は物理的に利用不可能である。この場合、以後の経路探索は無駄なので経路探索を終了してステップＳ１０８の候補経路の条件ソート処理に進むようにしても良い。
【００９８】
ステップＳ１０５の処理で案内経路データが案内経路ソート手段３３に記憶されると、ステップＳ１０６の処理において時刻条件シフト手段３７は到着時刻を所定の時間だけシフトする。例えば、１０分刻みで到着時刻をシフトする。そして時刻条件シフト手段３７はステップＳ１０７の判別処理においてシフトした到着時刻が到着時刻範囲の他端の時刻、ここでは到着時刻範囲の始めの時刻を超過したか否かを判別する。
【００９９】
ステップＳ１０７の判別処理において、シフトした到着時刻が到着時刻範囲を超過したと判別されると経路探索処理は終了であり、ステップＳ１０８の処理に進む。シフトした到着時刻が到着時刻範囲を超過していなければ、時刻条件シフト手段３７がシフトした到着時刻が経路探索手段３９に送られ、ステップＳ１０４の経路探索の処理に戻る。
【０１００】
ステップＳ１０４からステップＳ１０７の処理を繰り返し、所定の時間間隔で到着時刻をシフトしながら到着時刻範囲に含まれる時刻を到着時刻とした経路探索が終了すると、ステップＳ１０７の判別処理で到着時刻範囲を超過したことが判別される。この後はステップＳ１０８の処理に進み、案内経路ソート手段３３は指定されたソート順に従って候補経路をソートし、ステップＳ１０９の処理においてソートした案内経路のデータを出力して処理を終了する。
【０１０１】
ステップＳ１０９のソート処理において、出力順の指定に応じて、以下のように候補経路を得ることができる。
「所要時間の短い順」：指定された到着時刻範囲を満たし、所要時間の短い順に経路が求まる。
「運賃の安い順」：指定された到着時刻範囲を満たし、運賃の安い順に経路が求まる。
「乗り換え回数の少ない順」：指定された到着時刻範囲を満たし、乗り換えの回数が少ない順に経路が求まる。
「徒歩区間の距離の小さい順」：指定された到着時刻範囲を満たし、徒歩経路が少ない順に経路が求まる。この場合、徒歩区間で経路が決定されるので、経路は固定される。その経路を用いた出発時刻の異なる経路が求まる。
【０１０２】
上記の実施例において、時刻条件シフト手段３７は目的地への到着時刻を到着時刻範囲の指定に基づいて、所定の時間間隔でシフトして経路探索手段３９に提供する例を説明した。本発明の到着時刻範囲を指定した経路探索はこの方法に限ることなく、時刻条件シフト手段３７において到着時刻範囲内で目的地に到着することのできる移動手段、例えば、交通機関の便（鉄道や航空機の便）を順次シフトして経路探索を行うように構成することもできる。もちろん最寄り駅が複数想定されるような場合は、各駅への到着便が全て対象となる。この方式を用いると、到着便が少ない目的地に対しては探索回数を少なくすることができるという効果がある。
【０１０３】
このような処理手順を図９に示すフローチャートに基づいて説明する。経路探索サーバ３０における経路探索の動作手順を説明する。端末装置２０において図示していないモード設定手段により到着時刻範囲指定経路探索モードが設定されているものとする。先ず、ステップＳ２０１の処理で端末装置２０において図４に示す経路探索条件の入力画面に従って、出発地、目的地、出力順が入力され、ステップＳ２０２で目的地への到着時刻範囲が入力される。入力された経路探索条件は経路探索サーバ３０に送信される。
【０１０４】
経路探索サーバ３０は端末装置２０から到着時刻範囲を指定した経路探索要求を受信すると、ステップＳ２０３の処理において時刻条件シフト手段３７の到着便を初期化（クリア）するとともに時刻範囲判別手段３６が判別した到着時刻範囲の始めの時刻（開始時刻）と終わりの時刻（終了時刻）に基づいて、目的地に当該到着時刻範囲の間に到着する交通機関の便（鉄道や航空機の便）を到着時刻順に順次シフトして経路探索手段３９に送る。
【０１０５】
経路探索手段３９は時刻条件シフト手段３７から送られた交通機関の便を起点にステップＳ２０４の処理において、目的地から出発地まで逆方向の経路探索を行う。ステップＳ２０４の経路探索処理により得られた候補経路は案内経路ソート手段３３に送られる。ステップＳ２０５の処理で案内経路ソート手段３３は経路探索手段３９から送られた候補経路のデータを一時記憶する。
【０１０６】
ステップＳ２０５の処理で案内経路データが案内経路ソート手段３３に記憶されると、ステップＳ２０６の処理において時刻条件シフト手段３７は交通機関の便（鉄道や航空機の便）を順次シフトする。そして時刻条件シフト手段３７はステップＳ２０７の判別処理においてシフトした便のほかに到着時刻範囲を満足する他の到着便があるか否かを判別する。
【０１０７】
ステップＳ２０７の判別処理において、他には到着時刻範囲を満足する到着便がないと判別されると経路探索処理は終了であり、ステップＳ２０８の処理に進む。他にも到着時刻範囲を満足する到着便があれば、時刻条件シフト手段３７がシフトした便が経路探索手段３９に送られ、ステップＳ２０４の経路探索の処理に戻る。
【０１０８】
ステップＳ２０４からステップＳ２０７の処理を繰り返し、到着時刻範囲を満足する到着便をシフトしながら到着時刻範囲に含まれる到着便の全てについて経路探索が終了すると、ステップＳ２０７の判別処理で他には到着便がなしと判別される。この後はステップＳ２０８の処理に進み、案内経路ソート手段３３は指定されたソート順に従って候補経路をソートし、ステップＳ１０９の処理においてソートした案内経路のデータを出力して処理を終了する。
【０１０９】
なお、本発明においては多くの経路を表示する可能性があるので、最初の結果表示は出発時刻、その他の条件の適合度などに限定した一覧にしておき、図４のように各探索結果に詳細経路表示へのリンクを付すようにすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【０１１０】
本発明においては、経路の探索回数が到着時間範囲に応じて多くなる。しかしながら、リアルタイムな使用はあまり想定されず、将来のある時間帯に目的地に到着することを念頭に置いた事前の計画で用いられる場合が殆どである。従って、ある程度の探索時間がかかっても、利用者は探索結果を待つことができるので実用上問題は無い。本発明による経路探索サービスを提供するサーバを、ＧＰＳ受信手段で現在地を取得して経路探索を行うための即時性が要求される経路探索サーバとは別のサーバとするようにしてもよい。
【０１１１】
また、経路探索条件は条件入力画面から入力するだけでなく、探索パラメータをメールでサーバに送って、サーバがメールで経路探索結果を返信するような構成にしても良い。
更に、到着時刻範囲を広く取れば、例えば１日の中で最も運賃の安い便の組み合わせを探すこともできる。（航空路線などに有効：便ごとに運賃が異なる）
また、本発明においては、全ての乗り継ぎの組み合わせが探索されるわけではないので、連絡接続の悪い乗り継ぎは除外されることがあるが、到着時刻のシフト量を小さくすれば多くの組み合わせを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１１２】
【図１】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図２】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図３】端末装置として用いられる携帯電話の外観を示す図である。
【図４】到着時刻範囲指定経路探索モードにおける経路探索条件の入力画面の一例を示す画面構成図である。
【図５】端末装置に表示される到着時刻範囲の経路探索結果を示す出力画面の一例を示す画面構成図である。
【図６】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図７】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図８】本発明の到着時刻範囲指定経路探索モードにおける経路探索の処理手順を示すフローチャートである。
【図９】本発明の到着時刻範囲指定経路探索モードにおける経路探索の他の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【０１１３】
１０・・・・ナビゲーションシステム
１２・・・・ネットワーク
２０・・・・端末装置
２０１・・・制御手段
２１・・・・通信手段
２２・・・・ＧＰＳ受信手段
２３・・・・探索要求手段
２４・・・・案内経路データ記憶手段
２５・・・・表示手段
２６・・・・操作入力手段
２６１・・・第１入力手段
２６２・・・第２入力手段
３０・・・・経路探索サーバ
３０１・・・制御手段
３１・・・・通信手段
３２・・・・案内経路データ編集手段
３３・・・・案内経路ソート手段
３４・・・・地図データベース
３５・・・・経路探索用ネットワークデータベース
３６・・・・時刻範囲判別手段
３７・・・・時刻条件シフト手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項２】
前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項３】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項４】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項５】
前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項６】
出発地と目的地を含む経路探索要求を経路探索サーバに送信し、経路探索サーバから受信した候補経路を表示する表示手段を備えた端末装置にネットワークを介して接続され、前記端末装置から受信した経路探索条件に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索サーバにおいて、
前記端末装置から送信される経路探索要求は、目的地への到着時刻の範囲を含み、
前記経路探索サーバは、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項７】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
【請求項８】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
【請求項９】
前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
【請求項１０】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段が、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更するステップと、前記経路探索手段が、前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶するステップと、該案内経路ソート手段が、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力するステップと、を有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項１１】
前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１２】
前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１３】
前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１４】
前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１５】
到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、出発地と目的地を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備え、前記操作入力手段により、目的地への到着時刻の範囲を入力するようになしたことを特徴とする端末装置。
【請求項１６】
前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする請求項１５に記載の端末装置。
【請求項１】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項２】
前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項３】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項４】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項５】
前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
【請求項６】
出発地と目的地を含む経路探索要求を経路探索サーバに送信し、経路探索サーバから受信した候補経路を表示する表示手段を備えた端末装置にネットワークを介して接続され、前記端末装置から受信した経路探索条件に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索サーバにおいて、
前記端末装置から送信される経路探索要求は、目的地への到着時刻の範囲を含み、
前記経路探索サーバは、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項７】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
【請求項８】
前記時刻条件シフト手段は、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更することを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
【請求項９】
前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
【請求項１０】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路を含む最適経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、目的地への到着時刻の範囲を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段が、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更するステップと、前記経路探索手段が、前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶するステップと、該案内経路ソート手段が、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力するステップと、を有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項１１】
前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１２】
前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の一端の時刻から他端の時刻まで所定の時間間隔で到着時刻をシフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１３】
前記時刻条件シフト手段が時刻条件を変更するステップは、前記第２入力手段により入力された到着時刻範囲の時刻に前記目的地の最寄り駅に到着する移動手段の便を順次シフトして時刻条件を変更する処理を含むことを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１４】
前記案内経路ソート手段が出力する複数の案内経路のデータは、少なくとも出発時刻と前記その他の経路探索条件のうち指定されたソート条件でソートされた一覧データであり、それぞれの案内経路には詳細経路表示へのリンク情報が付加されることを特徴とする請求項１０に記載の経路探索方法。
【請求項１５】
到着時刻の範囲を判別する時刻範囲判別手段と、時刻条件をシフトする時刻条件シフト手段と、案内経路ソート手段と、を備え、
前記時刻条件シフト手段は、予め定められた条件に従って前記到着時刻範囲内において、前記時刻条件を順次異なる時刻条件に変更し、前記経路探索手段は前記時刻条件シフト手段が変更した時刻条件に基づいて最適経路を探索して候補経路として前記案内経路ソート手段に記憶し、該案内経路ソート手段は、前記候補経路を前記経路探索条件により指定された順にソートして出力する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、出発地と目的地を含む経路探索条件を入力する操作入力手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備え、前記操作入力手段により、目的地への到着時刻の範囲を入力するようになしたことを特徴とする端末装置。
【請求項１６】
前記操作入力手段は、出発地、目的地、その他の経路探索条件を入力する第１入力手段と、到着時刻範囲を入力する第２入力手段とからなり、前記第１入力手段により入力するその他の経路探索条件は、少なくとも交通機関を利用した経路の運賃、乗り換え回数、所要時間の何れか１つまたは複数を含むことを特徴とする請求項１５に記載の端末装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２００８−２３２６７１（Ｐ２００８−２３２６７１Ａ）
【公開日】平成２０年１０月２日（２００８．１０．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−６９４２６（Ｐ２００７−６９４２６）
【出願日】平成１９年３月１６日（２００７．３．１６）
【出願人】（５００１６８８１１）株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１０月２日（２００８．１０．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年３月１６日（２００７．３．１６）
【出願人】（５００１６８８１１）株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Ｆターム（参考）】
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