説明

ナビゲーション装置、およびコンピュータ実行可能なプログラム

【課題】電話番号を含む情報からナビゲーション装置に設定する目的地あるいは経由地として適切なものを選択し、ナビゲーション装置に登録し、利用する。
【解決手段】電話番号とその電話番号の着信先を識別するための着信先情報とを含む電話番号情報を入力する入力手段と、入力手段から入力された電話番号情報が所定の条件を満足するか否かによってその電話番号情報を取得または廃棄する選別手段と、電話番号の着信先の地図上の地点情報を含む地点情報記録手段から、取得された電話番号情報に含まれる電話番号の電話の設置地点の地点情報を検索する検索手段と、設置地点を目的地として設定する設定手段と、を備えるナビゲーション装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号によって、走行時の目的地、経由地等を設定するナビゲーション装置およびコンピュータ実行可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーナビゲーション装置において、目的地あるいは経由地を指定する場合に、その目的地あるいは経由地に設置された電話の電話番号を指定するものが知られている。
【0003】
そして、電話番号入力を容易にするため、携帯電話の着信履歴情報等をカーナビゲーション装置に転送してデータベースに登録しておく技術も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの技術では、携帯電話から転送された電話番号を含む情報をデータベースに登録し、ユーザに検索させ、その電話番号の電話の設置された位置の位置データを目的地あるいは経由地として設定する。
【特許文献1】特開2000−298033号公報
【特許文献2】特開2004−184329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した技術では、携帯電話から転送された、着信履歴等のような電話番号を含む情報をそのまま検索対象として利用するため、ナビゲーション装置の目的地あるいは経由地として設定するには不適切なものが検索対象に含まれてしまうことがあった。例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)のように移動局として機能する端末装置に付与される電話番号を目的地あるいは経由地として検索対象に含めるのは、検索処理上は非効率である。また、これらの移動局の電話番号を目的地あるいは経由地としてナビゲーション装置に設定すると、操作ミスを引き起こす場合もある。
【0005】
本発明の目的は、着信履歴のような電話番号を含む情報からナビゲーション装置に設定する目的地あるいは経由地として適切なものを選択し、ナビゲーション装置に登録し、利用する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、記録された電話番号情報と地点情報とを関連付けて登録する登録手段を備えたカーナビゲーション装置において、地点情報を一義的に特定できる電話番号情報を選別する選別手段を備え、前記登録手段は、選別された電話番号情報と地点情報とを関連付けて登録することを特徴とするナビゲーション装置である。
【0007】
本発明によれば、地点情報を一義的に特定できる電話番号情報を選別する選別手段によって選別された電話番号情報と地点情報とを関連付けてカーナビゲーション装置に登録することができる。
【0008】
本ナビゲーション装置は、前記選別手段によって取得された電話番号情報を記憶手段に保存する記憶制御手段と、前記記憶手段から電話番号情報を読み出す読み出し手段と、をさらに備えるようにしてもよい。本発明によれば、上記のように、選別され、取得された電話番号を含む情報が保存される。
【0009】
また、本発明は、以上のいずれかの処理をコンピュータに実行させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリカード等であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着信履歴のような電話番号を含む情報からナビゲーション装置に設定する目的地あるいは経由地として適切なものを選択し、ナビゲーション装置に登録し、利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係るナビゲーション装置1について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
【0012】
<システム構成>
図1に、ナビゲーション装置1の機能ブロック図を示す。ナビゲーション装置1は、コンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を実行することによりナビゲーション装置1を制御し、ユーザに目的地あるいは経由地(以下、単に目的地という)へのナビゲーション機能を実現するナビマイコン11と、ナビマイコン11に実行されるプログラム、あるいは、ナビマイコン11に管理され、ナビゲーション時に利用されるデータを保持するメモリ12と、メモリ12に登録するデータを入力するインターフェースである受信機能13と、受信機能13を通じて受信されたデータからナビゲーション装置1で利用されるデータを選択し、ナビゲーション装置1で利用されないデータを廃棄するフィルタ15と、ナビマイコン11からの指令により外部の通信先にデータを送信する送信機能14とを有している。
【0013】
ナビゲーション装置1は、例えば、カーナビゲーション装置である。ナビゲーション装置1は、車載器に格納され、車両に組み込まれたものでもよいし、車両から取り外して持ち運び可能なものでもよい。ナビゲーション装置1は、いずれも不図示の表示装置と、音声出力装置と、操作部と、GPS(Global Positioning System)ユニットを有し、ナビ
マイコン11が実行するプログラムの制御により、ユーザを所望の目的地に誘導する。すなわち、ナビゲーション装置1は、操作部を通じて検出されるユーザの操作にしたがって、目的地を設定し、その目的地への地図を表示装置に表示する。そして、ナビゲーション装置1の移動にともなって現在地点を検知し、目的地に至る経路にしたがってユーザを画像と音声によって誘導する。
【0014】
ナビマイコン11は、例えば、CPU(Central Processing Unit )、MPU(Micro Processing Unit)と呼ばれるものであり、メモリ12に記憶されたプログラムを実行し
、ナビゲーション装置1の機能を実現する。
【0015】
メモリ12(本発明の記憶手段に相当)は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等であり、各種プログラム、あるいはデータを記憶する。なお、メモリ12として、ハードディスク装置を用いてもよい。また、以上のような各種装置を併用してもよい。
【0016】
メモリ12には、例えば、地図あるいは目的地への経路図を表示装置に表示するための地図データ、目的地の位置座標を含む地点データ、各地点の電話番号を示すデータ、ユーザの操作履歴、目的地にユーザを誘導するための音声を音声出力装置から出力するための音声データ等が記憶される。
【0017】
受信機能13(本発明の入力手段に相当)は、例えば、携帯電話2から電話番号を含む情報を受信するためのインターフェースである。受信機能13は、例えば、USB(Universal Serial Bus )インターフェース、無線LAN(Local Area Network )インターフェース、赤外線通信ユニット等である。ただし、受信機能13は、着脱可能な記録媒体、例えば、フラッシュメモリカード、あるいはCD−R、DVD等のディスク媒体とデータを入出力する入出力装置であっても構わない。受信機能13は、例えば、携帯電話2から電話番号を含む情報を受信し、フィルタ15に引き渡す。
【0018】
フィルタ15(本発明の選別手段に相当)は、例えば、ナビマイコン11で実行されるプログラムとして実現され、受信機能13を通じて入力された電話番号を含む情報から、不適切な情報を削除し、必要な情報を取得する。
【0019】
送信機能14は、例えば、無線LANインターフェース、携帯電話あるいはPHSとの基地局との通信インターフェースであり、インターネットのような公衆ネットワークに接続されたサーバ、携帯電話もしくはPHSを運用する通信事業者が提供するネットワークに接続されたサーバ、あるいは、特定の事業者が運営しその事業者と契約した会員にプライベートなサービスを提供するサーバにアクセスし、データを送信し、そのようなサーバが提供するサービスを受ける。例えば、送信機能14は、そのようなサーバにアクセスし、レストランの予約、ホテルの宿泊予約、商品購入の申込み等のサービスを実現する。
【0020】
図1には、ナビゲーション装置1に電話番号を含む情報を提供する携帯電話2の構成が例示されている。携帯電話2は、例えば、携帯電話2を制御し携帯電話2の機能を提供するマイコン21、着信履歴等の電話番号を含む情報を保持するメモリ22、およびナビゲーション装置1と通信し、電話番号を含む情報を送信するための送信機能23を有する。
【0021】
<データ構造>
図2から図4により、ナビゲーション装置1のメモリ12に格納される代表的なデータのデータ構造を説明する。ここでは、メモリ12に登録されたデータで、所定の構成要素からなるものをレコードと呼ぶ。また、そのようなレコードを複数登録し、管理するメモリ12の機能をデータベースと呼ぶ。また、レコードのデータ構造をデータベースの構成ともいう。
【0022】
図2は、電話番号登録データベースの構成を示す図である。電話番号登録データベースの各レコードは、電話番号、着信先名、シンボル、グループ、発信回数ランキング、および着信回数ランキングの各要素を含む。電話番号登録データベースは、各電話番号に付随する情報を関連付けて記憶する。電話番号登録データベースから電話番号を検索するナビマイコン11が本発明の検索手段に相当する。
【0023】
電話番号登録データベースの各レコードは、例えば、図1に示した受信機能13を介して、外部から入力された電話番号を含む情報である。ただし、電話番号登録データベースのレコードとしては、操作部を通じてユーザが手入力した情報が含まれていてもよい。
【0024】
電話番号は、電話の着信先の番号であり、電話番号登録データベースでは、各レコードをユニークに識別する。着信先名は、その電話番号の電話が着信する相手先をユーザに認識させるための情報である。着信先名は、例えば、個人名(例えば、山田宅等)、店舗の営業者の名称(例えば、レストランX等)が格納される。
【0025】
シンボルには、シンボルマーク(本発明の分類情報に相当)が格納される。シンボルマークは、その電話番号の種類をユーザに簡易に認識させるためのマークであり、例えば、
職場、自宅、携帯電話、固定電話等を示す記号、画像等である。
【0026】
グループは、その電話番号の分類を示す情報であり、例えば、職場、自宅、携帯電話、友人、得意先、取引先、上司、部下、業種(レストラン、ホテル、店舗等)を示す記号、文字列、あるいはそれらの分類を定義するデータへのポインタ等である。
【0027】
発信回数ランキングは、ユーザの所有する電話機(携帯電話等)からその電話番号へ発信した回数にしたがった順位である。発信回数ランキングは、例えば、個々の携帯電話におけるランキングを示している。ただし、発信回数ランキングは、過去の所定期間(または期間指定なし)におけるその電話番号への発信回数であってもよい。発信回数自体を格納する場合には、発信回数ランキングは、個々の携帯電話におけるランキングでなくても構わない。例えば、複数の携帯電話での発信回数を積算した回数であってもよい。積算は、例えば、電話番号を含む情報をメモリ12に登録するときに、ナビマイコン11が実行すればよい。
【0028】
着信回数ランキングは、その電話番号から受信した回数にしたがった順位である。着信回数ランキングは、例えば、個々の携帯電話におけるランキングを示している。ただし、着信回数ランキングは、過去の所定期間(または期間指定なし)におけるその電話番号からの受信回数であってもよい。受信回数自体を格納する場合には、着信回数ランキングは、個々の携帯電話におけるランキングでなくても構わない。例えば、複数の携帯電話でのその電話番号からの受信回数を積算した回数であってもよい。発信回数ランキングまたは着信回数ランキングが本発明の優先度情報に相当する。
【0029】
図3に、地点データベース(本発明の地点情報記録手段に相当)のデータ構造を示す。地点データベースは、例えば、ナビゲーション装置1において、目的地として電話番号が指定されたときに、その地点の地図上の位置を特定するために検索される。地点データベースは、それぞれの電話番号による電話の発信が着信する着信先の地点の情報を保持する。図3のように、地点データベースは、電話番号、経度、および緯度の各要素を有する。すなわち、経度および緯度は、その電話番号の電話が設置された地点の経度および緯度である。
【0030】
ただし、地点データベースとしては、経度および緯度に代えて、所定の基準点に対して、その電話番号の電話が設置された地点の座標を保持するようにしてもよい。基準点とは、例えば、各地図の右上点であり、この基準点に対するとする相対座標を経度および緯度に代えて用いてもよい。また、例えば、特定の地域ごと(国、都道府県、都市等)ごとに基準点を設けてもよい。
【0031】
図4に、施設データベースのデータ構造を示す。施設データベースは、例えば、ナビゲーション装置1において、目的地として電話番号が指定されたときに、その地点の施設にユーザ所望の連絡を送信するときに、参照される。例えば、目的地が、レストランであって、そのレストランに予約の電子メールを送信する場合である。また、目的地が、イベントの会場(例えば、スタジアム)であって、その会場に座席予約の電子メールを送信する場合である。
【0032】
図4のように、施設データベース(本発明の電子メールアドレスを記憶する手段に相当)は、電話番号、E−Mailアドレス、および備考の各要素を有している。ここで、E−Mailアドレスは、その電話番号の着信先の地点に関連付けられた電子メールアドレスである。すなわち、その着信先の店舗、レストラン、ホテル、イベント会場、その他の施設の電子メールアドレスである。
【0033】
備考は、その電話番号の着信先である施設をユーザに認識させるための情報である。例えば、ホテルの名称、レストランの名称等である。
【0034】
<処理フロー>
図5から図10により、ナビゲーション装置1で実行されるフィルタ処理の処理フローを説明する。ナビゲーション装置1のナビマイコン11は、受信機能13を通じて携帯電話2から電話番号を含む情報が入力されたときに図5の処理を実行する。図5の処理は、例えば、ナビマイコン11で実行されるプログラムの処理を示している。ナビマイコン11は、図5の処理を実行することにより、図1のフィルタ15に相当する機能を実現する。
【0035】
ナビゲーション装置1は、受信機能13を通じて携帯電話2から電話番号を含む情報を受信すると、その電話番号が所定の条件に該当するか否かを判定する(S1)。所定の条件とは、例えば、以下の条件である。
【0036】
(条件1)電話番号の上位3桁による移動体の判定である。
すなわち、電話番号の上位3桁が”090”、”080”、”070”、”050”、または”020”であるか、否かの判定である。
【0037】
電話番号の上位3桁がこれらのいずれかである場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が移動体通信の移動体の電話番号であると判定する(S2)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を廃棄し、メモリ12に登録しない(S3)。
【0038】
電話番号の上位3桁がこれらのいずれでもない場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が移動体通信の移動体の電話番号でないと判定する(S4)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を取得することとし、メモリ12に登録する(S5)。この処理を実行するナビマイコン11が本発明の記憶制御手段に相当する。なお、メモリ12に登録する場合に、ユーザに登録するかどうかを確認するようにしてもよい(S6)。
【0039】
(条件2)電話番号の上位4桁によるフリーダイヤルの判定である。
すなわち、電話番号の上位4桁が”0120”、または”0800”であるか、否かの判定である。
【0040】
電話番号の上位4桁がこれらのいずれかである場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号がフリーダイヤルの電話番号であると判定する(S2)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を廃棄し、メモリ12に登録しない(S3)。
【0041】
電話番号の上位3桁がこれらのいずれでもない場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号がフリーダイヤルの電話番号でないと判定する(S4)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を取得することとし、メモリ12に登録する(S5)。
【0042】
(条件3)電話番号の上位3桁による緊急ダイヤル、特定サービスの判定である。
すなわち、電話番号の上位3桁が”110”、”119”、”104”、”117”、または”177”であるか、否かの判定である。
【0043】
電話番号の上位3桁がこれらのいずれかである場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が緊急ダイヤル、あるいは特定サービスの電話番号であると判定する(S
2)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を廃棄し、メモリ12に登録しない(S3)。
【0044】
電話番号の上位3桁がこれらのいずれでもない場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が緊急ダイヤルおよび特定サービスの電話番号のいずれでもないと判定する(S4)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を取得することとし、メモリ12に登録する(S5)。
【0045】
(条件4)電話番号の桁数による判定である。
すなわち、電話番号の総桁数が3桁または11桁であるか、否かの判定である。
【0046】
電話番号の総桁数がこれらのいずれかである場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が移動体の電話番号、IP電話の電話番号、緊急ダイヤル、あるいは特定サービスの電話番号であると判定する(S2)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を廃棄し、メモリ12に登録しない(S3)。
【0047】
電話番号の上位3桁がこれらのいずれでもない場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が移動体の電話番号、IP電話の電話番号、緊急ダイヤル、および特定サービスの電話番号のいずれでもないと判定する(S4)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を取得することとし、メモリ12に登録する(S5)。
【0048】
(条件5)電話番号の上位1桁による判定である。
すなわち、電話番号の上位1桁が”*”、または”#”であるか、否かの判定である。
【0049】
電話番号の上位1桁がこれらのいずれかである場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が特定の携帯電話会社独自の短縮ダイヤルであると判定する(S2)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を廃棄し、メモリ12に登録しない(S3)。
【0050】
電話番号の上位1桁がこれらのいずれでもない場合には、ナビゲーション装置1は、これらの電話番号が特定の携帯電話会社独自の短縮ダイヤルでないと判定する(S4)。その場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を取得することとし、メモリ12に登録する(S5)。
【0051】
これらの条件は、ユーザ設定によって切り替えて使用するようにしてもよい。また、これらの条件を複数組み合わせて電話番号を含む情報を選択するようにしてもよい。例えば、以下の条件1から条件5のいずれにも該当しないものだけをメモリ12に登録するようにしてよい。
【0052】
図6に、ナビゲーション装置1の他のフィルタ処理(図5のS7の詳細)の処理フローを示す。図5の処理と、図6の処理とは、例えば、ユーザ設定によって切り替えて実行するようにしてもよい。また、図5の処理と図6の処理を組み合わせて電話番号を含む情報を選択するようにしてもよい。
【0053】
すなわち、ナビゲーション装置1は、受信機能13を通じて電話番号を含む情報が送信されると、その電話番号に付随するシンボルマークの種類を判定する。そして、そのシンボルマークの種類が固定電話である場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報を取得することとし、メモリ12に登録する。一方、そのシンボルマークの種類が固定電話でない(移動体電話である)場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番
号を含む情報を廃棄し、メモリ12に登録しない。
【0054】
図7に、ナビゲーション装置1の地点確認処理の処理フローを示す。図7の処理は、例えば、図5あるいは図6のようなフィルタ処理の後に実行される。すなわち、ナビゲーション装置1は、受信機能13を通じて電話番号を含む情報が送信されると、図5あるいは図6に示したようなフィルタ処理を実行する。以下、ここでは、フィルタ処理によって電話番号を含む情報が廃棄されない場合を考える。
【0055】
すると、次に、ナビゲーション装置1は、その電話番号に対応する位置の登録地点を照合する(S21)。すなわち、ナビゲーション装置1は、その電話番号による電話の発信が着信する地点を図5に示した地点データベースから検索する。そして、ナビゲーション装置1は、その電話番号に対応する位置が地点データベースに含まれているか否かを判定する。
【0056】
その電話番号に対応する位置が地点データベースに含まれていない場合には、次に、ナビゲーション装置1は、ユーザによる操作指示を受け付ける。すなわち、ユーザがその電話番号を含む情報を登録しないとの指示を入力した場合には、ナビゲーション装置1は、その情報をメモリ12に登録せず、処理を終了する(S23)。一方、ユーザがその電話番号を含む情報を登録するとの指示を入力した場合には、ナビゲーション装置1は、その情報をメモリ12に登録する(S24)。
【0057】
また、S21の判定で、その電話番号に対応する位置が地点データベースに含まれている場合には、ナビゲーション装置1は、その電話番号を含む情報をメモリ12に登録する(S25)。
【0058】
図8に、ナビゲーション装置1(ナビマイコン11)が目的地の設定を受け付ける処理の例を示す。この処理では、ユーザの入力により、例えば、メニューの中の”目的地設定”が選択される(S31)。すると、ナビゲーション装置1は、図2に示した電話番号登録データベースの発信回数ランキングまたは着信回数ランキング1位の情報を電話番号登録データベースから検索して表示する(S32)。この場合、発信回数ランキングによるか着信回数ランキングによるかは、ユーザの設定にしたがって処理すればよい。また、発信回数と着信回数を加算した値を評価したランキングを用いてもよい。このように、電話番号登録データベースから電話番号を含む情報を検索するナビマイコン11が本発明の読み出し手段に相当する。
【0059】
ユーザの目的地が上記ランキング1位の情報で示されるものと一致する場合には、ユーザは、その情報による目的地を設定する(S33)。ナビゲーション装置1は、その設定操作にしたがって目的地を設定する。この処理を実行するナビマイコン11が、本発明の設定手段に相当する。
【0060】
一方、ユーザの目的地が上記ランキング1位の情報で示されるものと一致しない場合には、ナビゲーション装置1は、ランキング第2位の情報または着信回数ランキング2位の情報を表示する(S34)。このようにして、ナビゲーション装置1は、発信回数ランキングまたは着信回数ランキングの順に、電話番号を含む情報をユーザに表示し、選択を受け付ける。
【0061】
図9に、ナビゲーション装置1が目的地の設定を受け付ける他の処理の例を示す。図8の処理と、図9の処理とは、ユーザの設定により、または、メニューの選択により、使い分けるようにすればよい。
【0062】
この処理では、ユーザの入力により、例えば、メニューの中の”目的地設定”が選択される(S41)。すると、ナビゲーション装置1は、図2に示した電話番号登録データベースの各グループを選択肢として含むメニューを表示する(S42)。そして、ナビゲーション装置1は、ユーザによるグループの選択を受け付ける(S43)。
【0063】
すると、ナビゲーション装置1は、その選択されたグループに該当する電話番号を含む情報を表示装置に表示する。そして、ナビゲーション装置1は、その表示された電話番号を含む情報から、目的地の選択を受け付ける(S44)。そして、ナビゲーション装置1は、その選択された目的地をナビゲーションの目的地に設定する(S45)。
【0064】
図10に、目的地の設定に付随する処理を示す。この処理では、目的地の設置とともに、ユーザ所望の情報が目的地に該当する電子メールアドレスに送信される。すなわち、この処理では、ナビゲーション装置1は、ユーザ操作にしたがって、目的地を設定する(S51)。
【0065】
そして、ナビゲーション装置1は、その目的地が図4に示した施設データベースに登録されているか否かを判定する(S52)。その目的地が施設データベースに登録されている場合には、ナビゲーション装置1は、施設データベースからのその目的地の電子メールアドレスを参照する。そして、ナビゲーション装置1は、その目的地の施設にユーザ所望の電子メール、例えば、お店の予約電子メールを送信するための画面を表示する。
【0066】
そして、ユーザの確認または所定情報の入力の後、ナビゲーション装置1は、電子メールをそのお店に送信する(S53)。これにより、ユーザがそのお店を予約する場合の支援処理を実行する。S53の処理を実行するナビマイコン11が本発明の電子メールを送信する手段に相当する。
【0067】
一方、S52の判定で、その目的地が施設データベースに登録されていない場合には、ナビゲーション装置1は、そのまま処理を終了する。
【0068】
<実施形態の効果>
以上述べたように、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、携帯電話2のメモリ22に記憶された電話番号を含む情報をナビゲーション装置1に入力する際に、所定の条件に該当するか否かのフィルタ処理を実行し、特定の電話番号に相当するもの、例えば、携帯電話、フリーダイヤル、緊急電話、特定の電話番号サービスを示す電話番号を廃棄した。したがって、携帯電話2のメモリ22から電話番号含む情報をナビゲーション装置1のメモリ12に登録する場合に、ナビゲーションの目的地として不適切な情報を排除することができる。その結果、ナビゲーション装置1のメモリ12を有効に利用するとともに、メモリ12に構築されたデータベースから目的地を検索する場合にも、効率的に検索することができる。さらに、そのような不適切な情報により目的地を設定し、操作ミスが生じることを防止できる。
【0069】
また、上記実施形態のナビゲーション装置1は、フィルタ処理の後、廃棄されなかった電話番号を含む情報について、その電話番号の着信地点が、地点データベースに登録されているか否かを判定する。そして、その着信地点が地点データベースに登録されていない場合には、ユーザにその電話番号を含む情報を登録するか否かを確認する。したがって、地点が不明な電話番号を含む情報の無制限の登録が回避され、不要データによるメモリ12の無駄な使用が低減される。一方、ユーザがその電話番号を含む情報を登録することを希望する場合には、その電話番号を含む情報をメモリ12に登録するように指定できる。したがって、ユーザの意図を柔軟に反映して、電話番号を含む情報を登録するか否かが決定される。
【0070】
また、上記実施形態のナビゲーション装置1は、携帯電話等での発信回数によるランキング順、着信回数によるランキング順、またはその両方を評価したランキング順に電話番号を表示し、ユーザに選択させる機能を実現する。したがって、ナビゲーション装置1は、ユーザが頻繁に電話連絡をする連絡先を優先して、ナビゲーションの目的地を設定させることができる。
【0071】
また、上記実施形態のナビゲーション装置1は、携帯電話等での電話番号のグループ分けにしたがって、電話番号を表示して、ユーザに目的地を設定させる。したがって、ユーザは、携帯電話で電話番号を含む情報、例えば、受信履歴、発信履歴、電話番号データベース等を表示するときと同様の操作感覚で、ナビゲーション装置1の目的地を設定できる。
【0072】
また、上記実施形態のナビゲーション装置1は、目的地の設定とともに、その目的地へユーザ所望の情報、例えば、目的地の施設等の予約情報の送信を支援する。したがって、ユーザは、目的地の設定とともに、その施設、店舗等を簡易に予約することができる。
【0073】
<変形例>
上記実施形態では、ナビゲーション装置1は、受信機能13を介して携帯電話2から電話番号を含む情報を入力した。しかし、本発明の実施は、このような構成には限定されない。例えば、電話番号を含む情報は、携帯電話2のメモリ22に代えて、他の固定電話の着信履歴、留守番電話の記録等を入力するようにしてもよい。
【0074】
上記実施形態では、電話番号の上位3桁によって識別される移動体の電話番号、上位4桁によって識別されるフリーダイヤルの電話番号、上位3桁よって識別される緊急ダイヤル・特定サービスの電話番号、桁数によって識別される移動体の電話番号・IP(Internet Protocol)電話の電話番号、電話番号の上位1桁で判定される短縮ダイヤル、シンボ
ルマークの付された電話番号等をフィルタ処理によって、ナビゲーション装置1のメモリへの登録から除外した。そして、そのようなフィルタ処理によって除外されなかった電話番号を含む情報をメモリ12に登録した。
【0075】
しかし、本発明の実施は、このような処理に限定されない。すなわち、このような種類の電話番号であっても、その電話番号に対応する地点情報を一義的に特定できるのであれば、上記フィルタ処理を適用せず、そのような電話番号を含む情報(例えば、電話番号とその電話番号が着信する相手を特定する名称、住所等)をメモリ12に登録してもよい。
【0076】
地点情報を一義的に特定できるとは、例えば、その電番号に対応する地点情報が地点データベースに登録されている場合である。すなわち、携帯電話のような移動体の電話番号であっても、その電話番号の所有者の住所と関連付けて地点データベースに登録すればよい。また、緊急ダイヤル・特定サービスの電話番号であっても、その緊急ダイヤルによる緊急出動元の住所、特定サービスの提供元の住所と関連付けて地点データベースに登録すればよい。また、IP電話の電話番号であっても、そのIP電話の契約者の住所と関連付けて地点データベースに登録すればよい。
【0077】
さらに、上記実施形態では、携帯電話2内に保持された電話番号をナビゲーション装置1に登録する場合のフィルタ処理について説明した。しかし、本発明の実施は、このような処理に限定されない。例えば、当初からナビゲーション装置1に内蔵されたハードディスクに電話番号情報が格納され、ユーザに提供にされている場合に、ユーザがその電話番号情報を利用して、目的地の住所あるいは地点を検索するときのフィルタ処理が実行されるようにしてもよい。また、ユーザが、電話番号情報が記録されたハードディスク、CD
−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)を含
む可搬型の記録媒体を購入して、電話番号を基に、住所、目的地を検索する場合にも、上記フィルタ処理を適用できる。また、インターネットに接続してインターネット上のサービスを提供するウェブサイトから電話番号を含む情報を検索し、住所、目的地を検索する場合にも、上記フィルタ処理を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の機能ブロック図である。
【図2】電話番号登録データベースの構成を示す図である。
【図3】地点データベースのデータ構造を示す図である。
【図4】施設データベースのデータ構造を示す図である。
【図5】フィルタ処理を示すフローチャートである。
【図6】他のフィルタ処理を示すフローチャートである。
【図7】地点確認処理を示すフローチャートである。
【図8】目的地の設定を受け付ける処理の例を示すフローチャートである。
【図9】目的地の設定を受け付ける他の処理の例を示すフローチャートである。
【図10】目的地の設定に付随する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 ナビゲーション装置
2 携帯電話
11 ナビマイコン
12 メモリ
13 受信機能
14 送信機能
15 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録された電話番号情報と地点情報とを関連付けて登録する登録手段を備えたカーナビゲーション装置において、
地点情報を一義的に特定できる電話番号情報を選別する選別手段を備え、
前記登録手段は、選別された電話番号情報と地点情報とを関連付けて登録することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記選別手段によって取得された電話番号情報を記憶手段に保存する記憶制御手段と、
前記記憶手段から電話番号情報を読み出す読み出し手段と、をさらに備える請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
電話番号情報を入力する入力ステップと、
前記入力された電話番号情報が所定の条件を満足するか否かによってその電話番号情報を取得または廃棄する選別ステップと、
前記電話番号による電話の発信が着信する着信先の地図上の地点情報を含む地点情報記録手段から、前記取得された電話番号情報に含まれる電話番号による電話の発信が着信する電話の設置地点の地点情報を検索する検索ステップと、
を実行させるコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−218684(P2007−218684A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38373(P2006−38373)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】