説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション装置の誘導方法

【課題】 従来、ナビゲーション装置において、誘導が必要な場所に近づくと、詳細な誘導を行うための情報を提示する技術があるが、ナビゲーション装置の画面が小さい場合や交差点形状が複雑な場合に、詳細な誘導内容を理解するのは難しい場合がある。
本発明の目的は、誘導経路を見誤らないように誘導情報を提示する技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明のナビゲーション装置は、推奨経路上の次の交差点までの距離を算出し、交差点において進行すべき方向を特定し、交差点の特性に対応付けて、交差点までの距離が所定の距離よりも短い場合に、進行すべき方向に応じて表示を変化させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の誘導に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置において、誘導が必要な場所に近づくと、詳細な誘導を行うための情報を提示する技術がある。
【0003】
特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−296774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなナビゲーション技術では、ナビゲーション装置の画面が小さい場合や交差点形状が複雑な場合に、詳細な誘導内容を理解するのは難しい場合がある。
【0006】
本発明の目的は、誘導経路を見誤らないように誘導情報を提示する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、画像を表示する表示領域を備えた表示手段と、推奨経路上の次の交差点までの距離を算出する交差点距離算出手段と、前記推奨経路を走行するために前記交差点において進行すべき方向である進行方向を特定する進行方向特定手段と、前記進行方向を提示するために前記画像よりも外側に備えられた指示方向出力手段と、前記交差点距離算出手段により算出した距離が所定の距離よりも短い場合に、前記進行方向特定手段により特定した前記進行方向に応じて前記指示方向出力手段の表示を変化させる表示変化手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、画像を表示する表示領域を備えた表示手段と、推奨経路上の次の交差点までの距離を算出する交差点距離算出手段と、前記推奨経路を走行するために前記交差点において進行すべき方向である進行方向を特定する進行方向特定手段と、前記交差点の特性に対応付けて、前記表示領域のうち前記画像の外周の一部を分割した複数の分割領域を設ける分割領域設定手段と、前記交差点距離算出手段により算出した距離が所定の距離よりも短い場合に、前記進行方向特定手段により特定した前記進行方向に応じた前記分割領域の表示を変化させる表示変化手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る誘導方法は、ナビゲーション装置の誘導方法であって、ナビゲーション装置は、画像を表示する表示領域を備えた表示手段を備え、推奨経路上の次の交差点までの距離を算出する交差点距離算出ステップと、前記推奨経路を走行するために前記交差点において進行すべき方向である進行方向を特定する進行方向特定ステップと、前記交差点の特性に対応付けて、前記表示領域のうち前記画像の外周の一部を分割した複数の分割領域を設ける分割領域設定ステップと、前記交差点距離算出ステップにより算出した距離が所定の距離よりも短い場合に、前記進行方向特定ステップにより特定した前記進行方向に応じた前記分割領域の表示を変化させる表示変化ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ナビゲーション装置のハードウェア構成図である。
【図2】図2は、演算処理部の機能構成図である。
【図3】図3は、リンクテーブルの構成例を示す図である。
【図4】図4は、交差点分割情報テーブルの構成例を示す図である。
【図5】図5は、交差点案内処理の流れを示す図である。
【図6】図6は、交差点案内処理による画面遷移例を示す図である。
【図7】図7は、交差点案内処理による画面遷移例を示す図である。
【図8】図8は、ディスプレイ装置の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態を適用したナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。
【0013】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0014】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0015】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0016】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0017】
図2は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0018】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、交差点接近検知部104と、進行方向特定部105と、進行方向提示部106と、を有する。
【0019】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、GPS受信装置9等の情報に基づき、現在位置を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0020】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。また、地図表示画面をスクロールする方向と、スクロール速度を指定する情報と、に関する入力を受け付ける。
【0021】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。例えば、主制御部101により決定された表示領域に含まれる地図情報等をディスプレイ2に描画させる。
【0022】
交差点接近検知部104は、主制御部101により案内されている推奨経路上で、ナビゲーション装置100が搭載された車両(以降、「自車」とする。)が次に接近する交差点または分岐点までの距離を計測し、所定の距離内に近づいているか否かを判定する。また、当該交差点または分岐点を通過した場合には、通過済みであると判定する。また、交差点接近検知部104は、併せて、当該交差点または分岐点までの距離、または当該距離に応じた情報の出力を行うものであってもよい。
【0023】
進行方向特定部105は、主制御部101により案内されている推奨経路上で、自車が次に接近する交差点または分岐点において、進行すべき方向を特定する。例えば、次に接近する交差点で左折を行う経路が推奨経路に含まれている場合、当該交差点の進行方向を「左」として特定する。
【0024】
進行方向提示部106は、主制御部101が交差点の詳細の案内(例えば拡大表示)を行う際に、画面の外縁部から所定の幅(例えば1センチ)だけ内側に方向提示領域を設け、当該方向提示領域を交差点の特性(形状や交差する道路の数等)または進行方向等に応じて強調表示するよう出力処理部103に指示することで、進行方向を使用者に一目瞭然に提示する。
【0025】
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、交差点接近検知部104、進行方向特定部105、進行方向提示部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0026】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0027】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0028】
図1の説明に戻る。
【0029】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0030】
記憶装置3は、HDDや不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0031】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、交差点の進入道路ごとに方向提示領域を分割する形状を決定するための交差点分割情報テーブル250と、が記憶されている。
【0032】
図3は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0033】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、リンクを通行することができるか否かを示す通行可否226、リンクを含む道路の通称(例えば、「環八通り」等)を示す通称227、などを含んでいる。
【0034】
このうち、道路種別223は、例えば、有料道路または高速道路と一般道路とを区別する情報である。もしくは、一般道路のうちさらに国道、県道等の種類を区別する情報である。
【0035】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0036】
図4は、交差点分割情報テーブル250の構成を示す図である。交差点分割情報テーブル250は、進行方向を提示するための方向提示領域を分割する態様(形状、数等)を特定する情報を格納するテーブルである。
【0037】
交差点分割情報テーブル250は、交差点を特定する交差点ノード251と、交差点ノード251で特定される交差点に進入する道路を特定する進入リンク252と、進入リンク252で特定される道路から交差点ノード251で特定される交差点へ進入する場合に方向提示領域を分割する形状を特定する分割形状253と、を含んでいる。
【0038】
すなわち、交差点分割情報テーブル250には、交差点と、その交差点への進入道路に応じて、方向提示領域の分割形状を特定することのできる情報が格納される。
【0039】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0040】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0041】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0042】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0043】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0044】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0045】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0046】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0047】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0048】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0049】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0050】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
<動作の説明>
次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0051】
図5は、ナビゲーション装置100が、推奨経路の経路案内を行っている場合に、交差点において詳細な誘導情報を提示する際に実施される交差点案内処理の処理フロー図である。
【0052】
まず、ナビゲーション装置100は、自車の現在位置が誘導情報を提示するべき交差点に接近しているか否かを判定する(ステップS001)。
【0053】
具体的には、ナビゲーション装置100の交差点接近検知部104は、主制御部101から自車の現在位置を取得し、推奨経路上にある次の交差点までの距離を算出する。算出した距離が所定の距離(例えば一般道であれば交差点から200m、有料道路等の車両専用道路であれば分岐から500m等。)内にあるか否かを判定する。
【0054】
算出した距離が所定の距離内にない場合(ステップS001にて「No」)、主制御部101は、ステップS001から処理を再度実施する。
【0055】
算出した距離が所定の距離内にある場合(ステップS001にて「Yes」)、進行方向提示部106は、ディスプレイ2に表示されている画面のうち、外縁から内側に所定の幅(例えば1センチ)を有する方向提示領域を設け、ディスプレイ2に表示させる(ステップS002)。
【0056】
次に、進行方向提示部106は、交差点の特性、特に形状に応じて、方向提示領域を複数の領域に分割する(ステップS003)。
【0057】
具体的には、進行方向提示部106は、ステップS001にて接近を検知した交差点を特定する交差点ノードと、当該交差点へ進入する道路のリンクを特定する情報を取得する。そして、交差点分割情報テーブル250を読み出して、取得した交差点ノードと当該交差点ノードに進入するリンクとに対応する分割形状253を取得する。そして、進行方向提示部106は、ステップS002において設定した方向提示領域を分割形状253に応じて複数の領域に分割して、ディスプレイ2に表示させる。
【0058】
次に、進行方向特定部105は、経路案内をしている推奨経路上で、ステップS001で接近を検知した交差点を進行する方向を特定する。そして、進行方向提示部106は、進行方向特定部105が特定した方向に対応する方向提示領域の分割領域を強調表示する(ステップS004)。
【0059】
例えば、進行方向提示部106は、分割領域を強調表示する方法として、所定の色を有する図形(例えば、青色に表示される矩形)を分割領域に表示するようにする。
【0060】
また例えば、進行方向提示部106は、進行する方向にある道路の種別(有料道路、高速道路、一般道、国道、県道、市道等)に応じて、分割領域に表示させる当該図形の色を特定するようにしてもよい。
【0061】
また例えば、進行方向提示部106は、分割領域を強調表示する際に、分割領域に表示させる位置に応じて所定の色の階調を変化させて表示することで、グラデーションを表示するようにしてもよい。
【0062】
また例えば、進行方向提示部106は、分割領域を強調表示する際に、進行する方向に応じて、所定の色を有する図形を分割領域に表示してもよい。右折時は青、左折時は緑、等の所定の色の図形である。
【0063】
次に、交差点接近検知部104は、ステップS001にて接近を検知した交差点を通過したか否かを判定する(ステップS005)。
【0064】
交差点を通過した場合(ステップS005にて「Yes」)、主制御部101は、交差点案内処理を終了する。
【0065】
交差点を通過していない場合(ステップS005にて「No」)、進行方向提示部106は、ステップS004を再度実行する。
【0066】
以上が、交差点案内処理の内容である。
【0067】
交差点案内処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、交差点で進行方向に対応する方向提示領域を目立たせることができるため、使用者は複雑な交差点でも進行方向を一目の元に把握しやすくなる。
【0068】
図6、図7は、交差点案内処理において出力される画面の表示例を示す図である。
【0069】
図6(a)は、自車位置を示す自車マーク301が地図上に重畳されて表示される画面300の例を示す図である。画面300においては、自車マーク301の進行方向前方にある五叉路交差点302が示されている。なお、ナビゲーション装置100が経路案内を行っている推奨経路では、五叉路交差点302にて、右前方に進行する経路が設定されている。
【0070】
図6(b)は、図6(a)の状況から五叉路交差点302に接近した際に示される詳細案内画面350の例を示す図である。詳細案内画面350は、画面の外縁部から内側に所定の幅で表示される方向提示領域360と、詳細案内表示領域370と、を有する。
【0071】
方向提示領域360は、さらに、五叉路交差点302の形状に応じて、4方向以上の方向を示すことができるように、左方表示領域360Lと、左前方表示領域360LFと、前方表示領域360Fと、右前方表示領域360RFと、右方表示領域360Rと、の分割領域を有する。
【0072】
各分割領域は、それぞれ独立した色、形状を備える画像を表示することができる。もちろん、分割した領域をまたがって一つまたは複数の画像を表示させることも可能である。
【0073】
詳細案内表示領域370は、地図表示領域380と、交差点案内表示領域390と、を有する。
【0074】
地図表示領域380は、自車の位置を示す自車マーク381を、地図画像に重畳させた画像を表示する。
【0075】
交差点案内表示領域390は、自車の前方にある交差点の形状を示す図と、当該交差点において推奨経路上で走行すべき道路を示す図である矢印391と、を表示する。なお、交差点の形状を示す図は、上方から見下ろした図でもよいし、鳥瞰図的を用いて地図を立体的に表示させる図であってもよい。
【0076】
図6(b)においては、五叉路交差点302を右前方に進行するのが推奨経路であるから、右前方表示領域360RFが強調表示され、他の分割領域は黒色表示される。
【0077】
図7(a)は、自車位置を示す自車マーク401が地図上に重畳されて表示される画面400の例を示す図である。画面400においては、自車マーク401の進行方向前方にある三叉路交差点402が示されている。なお、ナビゲーション装置100が経路案内を行っている推奨経路では、三叉路交差点402にて、右方(県道55号方面)の道路に進行する経路が設定されている。
【0078】
図7(b)は、図7(a)の状況から三叉路交差点402に接近した際に示される詳細案内画面450の例を示す図である。詳細案内画面450は、画面の外縁部から内側に所定の幅で表示される方向提示領域460と、詳細案内表示領域470と、を有する。
【0079】
方向提示領域460は、さらに、三叉路交差点402の形状に応じて、2方向以上の方向を示すことができるように、前方表示領域460Fと、右前方表示領域460RFと、の分割領域を有する。この場合、前方(国道6号方面)の道路と前方表示領域460Fとが対応づけられ、右方(県道55号方面)の道路と右前方表示領域460RFとが対応付けられている。
【0080】
各分割領域は、それぞれ独立した色、形状を備える画像を表示することができる。もちろん、分割した領域をまたがって一つまたは複数の画像を表示させることも可能である。
【0081】
詳細案内表示領域470は、地図表示領域480と、交差点案内表示領域490と、を有する。
【0082】
地図表示領域480は、自車の位置を示す自車マーク481を、地図画像に重畳させた画像を表示する。
【0083】
交差点案内表示領域490は、自車の前方にある交差点の形状を示す図と、当該交差点において推奨経路上で走行すべき道路を示す図である矢印491と、を表示する。なお、交差点の形状を示す図は、上方から見下ろした図でもよいし、鳥瞰図的を用いて地図を立体的に表示させる図であってもよい。
【0084】
図7(b)においては、三叉路交差点402を右方に進行するのが推奨経路であるから、右方の道路に対応する右前方表示領域460RFが強調表示され、他の分割領域は黒色表示される。
【0085】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0086】
本発明の一実施形態によると、ナビゲーション装置100は、経路案内する交差点の進行方向を、画面の外縁部に直感的に表示することができるため、運転者は、運転中にディスプレイ2に表示される画面を一見するだけで、進行すべき方向がわかるようになる。
【0087】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0088】
例えば、上記実施形態の交差点案内処理は、ナビゲーション装置100が詳細案内画面以外の画面、例えばオーディオ情報の表示画面など推奨経路と関係ない画面を表示している場合に、方向提示領域をオーディオ画面の周囲に表示させて方向を提示するようにしてもよい。
【0089】
このようにすることで、使用者が地図情報を表示させていない場合においても、使用者は推奨経路に沿って走行することが可能となる。
【0090】
また、上記実施形態の交差点案内処理のステップS004において、例えば点滅表示等時間の経過に沿って表示内容が変化するような強調表示を行うようにしてもよい。例えば、交差点までの到着予想時間を主制御部101にて算出し、当該予想時間に応じて点滅頻度を高くするようにしてもよい。
【0091】
また、強調表示する分割領域の一部のみを強調表示させ、当該強調表示させた一部を強調表示する分割領域内で時間の経過に応じて移動させることでフラッシャーのように強調表示してもよい。
【0092】
また、交差点までの距離が近くなるにしたがって、強調表示する分割領域の表示の輝度を上げたり、コントラストを上げたり、シャープネスを高めたりするようにしてもよい。
【0093】
また、交差点までの距離が近くなるにしたがって、強調表示する分割領域の幅を太くするようにしてもよい。
【0094】
このようにすることで、強調の度合いを高めることができ、使用者はより表示に気づき易くなり、より素早く進行すべき方向を把握できるようになる。
【0095】
また、上記実施形態においては、ディスプレイ2の画面表示の領域に方向提示領域を設けているが、これに限られない。例えば、ディスプレイ2の画面表示領域以外の筐体の外面等にLEDなどの発光部材を設けて、当該発光部材を発光させて強調表示するようにしてもよい。
【0096】
図8は、このような変形によるナビゲーション装置100のディスプレイ装置500の外観を示す図である。図8(a)は、ディスプレイ装置500の外観の斜視図である。なお、ディスプレイ装置500の画像表示面501が、向かって左手前に配置するようにしている。図8(b)は、ディスプレイ装置500を用いて強調表示を行っている状態を示す正面図である。
【0097】
なお、以下において、「右」及び「左」は、ディスプレイ装置500の画像表示面501を手前にして置いたときを基準とする。
【0098】
図8(a)に示すように、ディスプレイ装置500は、画像表示面501を形成する表示パネル502と、外側筐体503と、を有する。
【0099】
表示パネル502は、例えばナビゲーションを行うのに必要となる画像等を表示する液晶パネルまたは有機ELパネル等を有し、ナビゲーション装置100の出力処理部103等により出力指示された情報を画像として表示する。
【0100】
外側筐体503は、画像表示面501を正面とする扁平直方体形状の部材であり、右側面510と、左側面520と、天面530と、底面(図示しない)と、背面(図示しない)とを備える。なお、外側筐体503は、樹脂、あるいはカーボンや金属等により形成されている。
【0101】
外側筐体503の右側面510と、左側面520と、には、LEDなどの発光素子が組み込まれた発光部材511、521、がそれぞれ取り付けられている。また、天面530には、左から順に、発光部材531L、531F、531Rが取り付けられている。
【0102】
発光部材511、521、531L、531F、531Rのそれぞれは、発光タイミングや輝度についての出力処理部103等からの指示を受けて、指示に応じて発光する。
【0103】
図5における交差点案内処理のステップS003において、進行方向提示部106が、交差点の特性、特に形状に応じて、発光させる発光部材511、521、531L、531F、531Rを特定する。
【0104】
そして、交差点案内処理のステップS004において、進行方向提示部106が、進行方向特定部105が特定した方向に対応する発光部材511、521、531L、531F、531Rを発光させる。なお、発光の態様として、点灯、点滅、弱く発光、強く発光する等様々な態様が可能である。
【0105】
図8(b)には、表示パネル502に交差点の進行方向(右前方)を示す画面が示され、当該進行方向(右前方)に応じた発光部材531Rが点滅して発光している状態のディスプレイ装置500の例が示されている。
【0106】
このようにすることで、ディスプレイ装置500の表示領域である表示パネル502の外側の部分を用いて使用者に曲がるべき方向を提示することができるため、表示領域を狭めることがない。つまり、詳細案内表示領域370、470の表示面積が小さくなりすぎることを回避することができる。
【0107】
また例えば、上記実施形態においては、交差点案内処理のステップS002〜S004にて、交差点を直進する場合には、方向提示領域を表示しないようにしてもよい。
【0108】
このようにすることで、特に車両の進行方向を変える必要がない場合には、使用者の視覚をいたずらに刺激することなく推奨経路を案内することができる。
【0109】
以上が、変形の例である。
【0110】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用のナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・交差点接近検知部、105・・・進行方向特定部、106・・・進行方向提示部、200・・・リンクテーブル、250・・・交差点分割情報テーブル、500・・・ディスプレイ装置、511、521、531L、531F、531R・・・発光部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示領域を備えた表示手段と、
推奨経路上の次の交差点までの距離を算出する交差点距離算出手段と、
前記推奨経路を走行するために前記交差点において進行すべき方向である進行方向を特定する進行方向特定手段と、
前記進行方向を提示するために前記画像よりも外側に備えられた指示方向出力手段と、
前記交差点距離算出手段により算出した距離が所定の距離よりも短い場合に、前記進行方向特定手段により特定した前記進行方向に応じて前記指示方向出力手段の表示を変化させる表示変化手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
画像を表示する表示領域を備えた表示手段と、
推奨経路上の次の交差点までの距離を算出する交差点距離算出手段と、
前記推奨経路を走行するために前記交差点において進行すべき方向である進行方向を特定する進行方向特定手段と、
前記交差点の特性に対応付けて、前記表示領域のうち前記画像の外周の一部を分割した複数の分割領域を設ける分割領域設定手段と、
前記交差点距離算出手段により算出した距離が所定の距離よりも短い場合に、前記進行方向特定手段により特定した前記進行方向に応じた前記分割領域の表示を変化させる表示変化手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記分割領域設定手段は、前記表示領域の外縁から内側に所定の幅を有する領域を分割対象として前記分割領域とする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のナビゲーション装置であって、
前記分割領域設定手段は、前記交差点の形状に応じて前記分割領域を設ける、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記対応付け手段は、前記交差点の分岐の数に応じて前記分割領域の数を決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示変化手段は、前記進行方向の道路の種類に応じて表示を変化させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示変化手段は、前記進行方向の道路の種類が一般道路であるか有料道路であるかに応じて表示を変化させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示変化手段は、さらに、前記交差点距離算出手段により算出した距離に応じて表示を変化させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示変化手段は、さらに、時間の経過とともに表示を変化させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示変化手段は、進行方向に応じて表示を変化させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項2〜10のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示変化手段は、さらに、前記分割領域以外の前記表示領域に、前記交差点の進行方向を案内する画像を表示させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、ディスプレイ装置により構成され、
前記指示方向出力手段は、前記ディスプレイ装置の外周に設けられた発光部材により構成される、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
ナビゲーション装置の誘導方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
画像を表示する表示領域を備えた表示手段を備え、
推奨経路上の次の交差点までの距離を算出する交差点距離算出ステップと、
前記推奨経路を走行するために前記交差点において進行すべき方向である進行方向を特定する進行方向特定ステップと、
前記交差点の特性に対応付けて、前記表示領域のうち前記画像の外周の一部を分割した複数の分割領域を設ける分割領域設定ステップと、
前記交差点距離算出ステップにより算出した距離が所定の距離よりも短い場合に、前記進行方向特定ステップにより特定した前記進行方向に応じた前記分割領域の表示を変化させる表示変化ステップと、
を実施することを特徴とする誘導方法。
【請求項14】
請求項13に記載の誘導方法であって、
前記分割領域設定ステップでは、前記表示領域の外縁から内側に所定の幅を有する領域を分割対象として前記分割領域とする、
ことを特徴とする誘導方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載の誘導方法であって、
前記分割領域設定ステップでは、前記交差点の形状に応じて前記分割領域を設ける、
ことを特徴とする誘導方法。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一項に記載の誘導方法であって、
前記分割領域設定ステップでは、前記交差点の分岐の数に応じて前記分割領域の数を決定する、
ことを特徴とする誘導方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれか一項に記載の誘導方法であって、
前記表示変化ステップでは、前記進行方向の道路の種類に応じて表示を変化させる、
ことを特徴とする誘導方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−43473(P2011−43473A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193337(P2009−193337)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】