説明

ナビゲーション装置、及びナビゲーション用プログラム

【課題】検索対象を表す表示文字列の視認性を高める。
【解決手段】ナビゲーション装置は、ユーザから地点名称の読みを受け付けると、地点名称データファイル59を用いることにより、当該読みに対応する部分を強調して当該読みに該当する地点名称を表示する。地点名称データファイル59では、地点名称を表示するための表示文字列が記憶されており、当該表示文字列に対して、意味をなす部分単位ごとに読みが記憶されている。そして、キーワード範囲によって、読みと、表示文字列のうち、当該読みに対応する部分が対応づけられている。ナビゲーション装置1は、入力された読みの一部から、当該読みに対応し、かつ、意味を成す部分を強調して地点名称を表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、及びプログラムに関し、例えば、検索対象を表示するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning System)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
【0003】
そして、ナビゲーション装置は、地図を用いて経路案内するために、例えば、施設名、施設の位置といった地理的な情報を地点情報として記憶している。
地点情報を用いた地点の検索には、例えば、50音検索を用いたものがあり、これは、ユーザが施設などの名称の50音読みを検索語として入力すると、ナビゲーション装置が、これに一致する地点を検索するものである。
【0004】
このような50音読みを用いて名称の検索を行うナビゲーション装置として、次の特許文献1の「ナビゲーション装置及びこの装置に用いられる記憶媒体」がある。
この技術は、名称を所定の基準で絞り込み、絞り込まれた名称を上位に表示し、絞り込みに漏れた名称を下位に表示することにより、ユーザが結果を特定しやすくするものである。
【特許文献1】特開2002−310712公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ナビゲーション装置で名称を50音検索した場合、検索語と一致する名称が表示されるが、どの部分が検索語と対応するのかユーザにとって分かりにくいという問題があった。
例えば、検索語として「トウキ」を入力し、「△△陶器教室」や「○○登記事務所」が検索された場合、「陶器」と「登記」の部分が「トウキ」に対応しているということが分かりにくかった。
【0006】
なお、インターネット検索サービスでは、入力した文字列が強調表示されるものもあるが、検索結果は、入力した文字と必ず一致しており、日本語のように仮名漢字交じりの言語においては正しい表記で入力しない限り強調表示されない(より厳密には検索自体されない)。
例えば、「トウキ」をインターネット検索サービスに入力すると、カタカナ「トウキ」を含む「トウキの生態」、「製薬トウキ」が検索され、文字列「トウキ」が強調表示されるが、「陶器」や「登記」などの文字列は検索すらされない。
【0007】
そこで、本発明は、検索対象を表す表示文字列の視認性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、検索対象を表示するための表示文字列を記憶する表示文字列記憶手段と、検索語の入力を受け付ける検索語受付手段と、前記受け付けた検索語に対応する表示文字を含む表示文字列を前記表示文字列記憶手段から取得する表示文字列取得手段と、前記取得した表示文字列において、前記検索語に対応する表示文字を含み、かつ、意味を成す文字列部分を特定する部分特定手段と、前記特定した文字列部分を他の表示文字から識別可能に表示する表示手段と、を具備したことを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、表示文字と、当該表示文字の読みと、の対応を記憶した対応記憶手段を具備し、前記検索語受付手段は、読みにて検索語の入力を受け付け、前記表示文字列取得手段は、前記記憶した対応を用いて、前記検索語に対応する表示文字を取得することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記対応記憶手段は、意味を成す文字列部分単位の読みを記憶しており、前記部分特定手段は、前記文字列部分単位によって前記文字列部分を特定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、検索対象を表示するための表示文字列を記憶する表示文字列記憶手段を備えたコンピュータを、検索語の入力を受け付ける検索語受付手段と、前記受け付けた検索語に対応する表示文字を含む表示文字列を前記表示文字列記憶手段から取得する表示文字列取得手段と、前記取得した表示文字列において、前記検索語に対応する表示文字を含み、かつ、意味を成す文字列部分を特定する部分特定手段と、前記特定した文字列部分を他の表示文字から識別可能に表示する表示手段と、して機能させるためのナビゲーション用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検索対象を表す表示文字列の表示形態を他の文字から識別可能に表示することにより、視認性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)実施の形態の概要
ナビゲーション装置は、ユーザから地点名称の読みを受け付けると、地点名称データファイル59(図2)を用いることにより、当該読みに対応する部分を強調して当該読みに該当する地点名称を表示する。
【0011】
地点名称データファイル59では、地点名称を表示するための表示文字列(例えば、「陶芸・陶器教室」)が記憶されており、当該表示文字列に対して、意味をなす部分単位ごとに(例えば、「トウゲイ」、「トウキ」、「キョウシツ」)読みが記憶されている。
そして、キーワード範囲によって、読み(例えば、「トウキ」)と、表示文字列のうち、当該読みに対応する部分(例えば、「陶器」)が対応づけられている。
【0012】
また、ナビゲーション装置1は、入力された読みと、地点名称データファイル59の読みを前方一致にて照合し、例えば、「トウキ」などと読みの一部を入力しても、「トウキョウ」などと、意味単位で読みを検索することが可能である。
このため、ナビゲーション装置1は、入力された読みの一部から、当該読みに対応し、かつ、意味を成す部分を強調して地点名称を表示することができる。
【0013】
(2)実施の形態の詳細
図1は本実施形態が適用されるナビゲーション装置1のシステム構成図である。
ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、この図に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを備えている。
まず、現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。
絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両が何れの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方向を検出する手段であればよい。
【0014】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリュームあるいは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。
つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0015】
GPS(Global Positioning System)受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。
特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
このように、ナビゲーション装置1は、現在位置取得(検出)手段を備えている。
【0016】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。
例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
【0017】
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43またはスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0018】
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置1全体の総括的な演算及び制御を行う。
第1ROM22は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、目的地までの経路を案内するのに必要な地点情報の検索、及び検索した地点情報を画像表示や音声出力するためにRAM24などに出力したり、地点名称データファイル59を用いて地点の名称を読みから検索したりするナビゲーションプログラムを格納している。
センサ入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
【0019】
RAM24は、目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、または情報記憶装置50から読み込まれた地図情報(地点情報も含まれる)を格納するための記憶手段である。
通信インターフェイス25は、現在位置検出装置10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0020】
第2ROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。
画像プロセッサ27は、CPU21で処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
時計28は、時刻を刻む。
画像メモリ29は、画像プロセッサ27により処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0021】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像や検索結果などを表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。
入力装置41は、例えば、タッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
【0022】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、地点情報データファイル58、地点名称データファイル59、その他のデータファイルを格納している。
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、各種半導体メモリなどの各種情報記憶媒体で構成してもよい。
なお、書き換えが必要な情報については、書き換え可能なハードディスク、フラッシュメモリなどで構成し、その他の固定的な情報についてはCD−ROM、DVD−ROMなどのROMを使用するようにしてもよい。
【0023】
地図データファイル51には、全国道路地図、任意地域の道路地図または住宅地図等の地図データが記憶されている。
道路地図は、主要幹線道路、高速道路、細街路(比較的狭い道路)等の各道路と地上目標物(施設等)から構成される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形、及び道路名称等が表示される市街図である。
【0024】
交差点データファイル52には、交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが記憶されている。
ノードデータファイル53には、地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が記憶される。
道路データファイル54には、道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが記憶されている。
【0025】
写真データファイル55には、各種施設や観光地、または主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データやコンピュータグラフィックス画像データなどが記憶されている。
目的地データファイル56には、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地になる可能性の高い場所や施設等の位置と名称等のデータが記憶されている。
案内地点データファイル57には、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等の案内が必要とされる地点の案内データが記憶されている。
【0026】
地点情報データファイル58は、地点情報を格納したファイルである。地点情報は、POI(Point of Interest)情報とも呼ばれ、例えば、競技場、劇場、レストランやデパートなどの店舗、学校、行政施設、福祉施設、民間会社の本支社や営業所、観光地など、ユーザが経路案内などで興味を持つと考えられる地点の、地点の表示名称、表示名称の読み、座標、住所、電話番号、その他の事項に関する情報である。
【0027】
地点名称データファイル59には、地点名称を表示するための表示文字列や、その読み、及び、表示文字列と読みの対応など、地点名称を検索するためのデータが格納されている。
ナビゲーション装置1は、地点名称データファイル59を用いて地点名称を検索すると、検索結果を一覧表示し、ユーザが検索結果の何れかを選択すると、当該地点名称に該当する地点情報を地点情報データファイル58から取得してユーザに提供する。
【0028】
図2は、地点名称データファイル59の論理的な構成の一例を示した図である。
なお、地点名称データファイル59のデータ量は膨大であるため、図2では、読み「トウキ」に対応するもののうちの一部を示している。
地点名称データファイル59は、項目「地点名称」と、当該項目に対応する「読み」、「キーワード数」、「キーワード範囲」、「電話番号」、その他の項目から構成されている。
【0029】
項目「地点名称」には、地点名称を表す文字列が文字コード(図では文字で表してある)により記憶されており、ナビゲーション装置1は、この文字列をディスプレイ42に検索結果として表示する。
なお、この地点名称を表示するための文字列を表示文字列と呼び、表示文字列を構成する文字を表示文字と呼ぶことにする。
【0030】
表示文字は、漢字、仮名、英数字のほかに、記号や絵文字、ギリシャ文字なども含まれる。即ち、文字コードが付与されているデータであれば表示文字として用いることができる。
このように、地点名称データファイル59は、検索対象(地点名称)を表示するための表示文字列を記憶する表示文字列記憶手段として機能している。
【0031】
項目「読み」には、地点名称の読みをカタカナで表したものが記憶されている。
地点名称の読みは、例えば、地点名称「陶芸・陶器教室」に対して「トウゲイ/トウキ/キョウシツ」などと、地点名称の意味を成す文字列部分単位に区切られて、ブロック化されている。
【0032】
文字列部分単位は、ナビゲーション装置1が地点名称を検索する際のキーワードとして使用される。
例えば、「トウゲイ/トウキ/キョウシツ」では、「トウゲイ」、「トウキ」、「キョウシツ」のそれぞれがキーワードとして、検索語と照合される。
このように、地点名称データファイル59は、表示文字と、当該表示文字の読みと、の対応を記憶した対応記憶手段として機能し、当該対応記憶手段は、意味を成す文字列部分単位の読みを記憶している。
【0033】
なお、このキーワードごとの区切りは、読みのデータにおいて、キーワードごとの分割を示す区切り文字(例えば「/」)を設定することにより実現することができる。即ち、読みを表す文字列で、区切りの位置に区切り文字を挿入することにより、読みをキーワード単位に区切ることができる。
【0034】
項目「キーワード数」は、読みに含まれるキーワードの個数である。
例えば、「トウゲイ/トウキ/キョウシツ」では、「トウゲイ」、「トウキ」、「キョウシツ」の3つのキーワードが含まれるため、キーワード数は3となる。
【0035】
項目「キーワード範囲」は、キーワードと、表示文字列との対応を規定する項目であって、更に、「1」、「2」、・・・、「n」(nは自然数)といったように、1からnまでの番号を項目名とするサブ項目を備えている。
これらサブ項目の項目名は、何番目のキーワードであるかを表しており、サブ項目には、表示文字列のうち、何番目の表示文字から何番目の表示文字までが、キーワードに対応しているかを表すデータが格納されている。
即ち、読みに対応したキーワードの、表示文字列における範囲が表示文字列の文字数ベースで設定されている。
【0036】
例えば、地点名称「陶芸・陶器教室」では、サブ項目「1」が「1−2」となっている。
これは、1番目のキーワード「トウゲイ」が、表示文字列「陶芸・陶器教室」の1番目から2番目までの表示文字、即ち、「陶芸」に対応していることを示している。
また、サブ項目「2」が「4−5」となっている。
これは、2番目のキーワード「トウキ」が、表示文字列「陶芸・陶器教室」の4番目から5番目までの表示文字、即ち、「陶器」に対応していることを示している。
このほか、項目「電話番号」には、地点名称に対応する電話番号が格納されている。
【0037】
なお、検索語とキーワードの完全一致を以て、地点名称を検索してもよいが、ナビゲーション装置1は、検索語と前方一致するキーワードを検索するようになっている。
これによって、例えば、「トウキ」が入力された場合、「トウキ」、「トウキョウ」、「トウキョウエキ」などが前方一致で検索される。
このように、読みの一部を検索語として入力しても、キーワードとして、意味を成す単位が特定されるため、ユーザは、読みの全てを入力する必要が無くなり、ユーザの入力労力を低減することができる。
【0038】
このように、「キーワード範囲」によってキーワードと表示文字の対応を得ることができるため、ナビゲーション装置1は、検索語に対応する表示文字を強調して表示することができる。
表示文字の強調は、例えば、ハイライトしたり、太字や斜体字にしたり、フォントを変えたり、あるいは文字サイズを大きくしたりして表示形態を変化させることにより行うことができる。
【0039】
例えば、検索語が「トウキ」の場合、表示文字列「陶芸・陶器教室」については、「陶器」の部分が強調表示され、「東京駅インフォメーションセンター」については、「東京駅」が強調表示される。
このように、ナビゲーション装置1は、「トウキ」と入力した場合でも、前方一致によりキーワードを検索するため、表示文字を意味を成す単位で強調することができる。
【0040】
また、図示しないが、地点名称データファイル59では、地点名称に、例えば、「愛知県」など、地点が所在するエリアや、「レストラン」、「ホテル」など、施設や地所が属するジャンルが対応づけられている。
これらは、後述するように地点名称を絞り込む際に使用される。
【0041】
図3は、地点名称検索画面60が検索されたディスプレイ42の外観の一例を示した図である。
ディスプレイ42の表面には、入力装置41(図1)を構成するタッチパネルが形成されており、ユーザがディスプレイ42に表示されたボタンなどをタッチすると、当該ボタンに対応する情報をナビゲーション装置1に入力することができるようになっている。
【0042】
読み入力欄61は、地点名称を検索するための読みを入力する欄である。読み入力欄61に入力された読みが検索語として使用される。
図示しないが、ディスプレイ42は、50音入力するための文字ボタンを表示し、ユーザがこれをタッチすることにより読みを入力できるようになっている。
図の例では、ユーザは「トウキ」と入力し、読み入力欄61には、読み「トウキ」が表示されている。
読み修正ボタン72は、地点名称の読みを入力した後にこれを修正する際にタッチするボタンである。
読み修正ボタン72をタッチすると、読み入力欄61に入力した読みが修正可能となる。
【0043】
エリア入力欄62は、地点名称を検索する検索エリアを設定する欄である。エリアには、例えば、全国を検索エリアとする「全エリア」や、都道府県を検索エリアとする「大阪府」、「愛知県」、「東京都」、・・・などがある。
図示しないが、地点名称検索画面60は、検索エリア設定メニューを備えており、ユーザが所望の検索エリアを選択できるようになっている。
【0044】
ナビゲーション装置1は、エリア入力欄62で設定されたエリアにて地点名称の検索を行う。
エリア修正ボタン73は、エリア入力欄62に設定された検索エリアを修正する際にタッチするボタンである。
エリア修正ボタン73をタッチすると、エリア入力欄62に設定されている検索エリアが修正可能となる。
【0045】
ジャンル入力欄64は、地点名称を検索するジャンルを設定する欄である。ジャンルには、例えば、「レストラン」、「ホテル」、「遊園地」、「観光地」、・・・などがある。
図示しないが、地点名称検索画面60は、ジャンル設定メニューを備えており、ユーザが所望のジャンルを選択できるようになっている。
【0046】
ナビゲーション装置1は、ジャンル入力欄64で設定されたジャンルにて地点名称の検索を行う。
ジャンル修正ボタン63は、ジャンル入力欄64に設定されたジャンルを修正する際にタッチするボタンである。
ジャンル修正ボタン63をタッチすると、ジャンル入力欄64に設定されているジャンルが修正可能となる。
以上のように、ナビゲーション装置1は、エリアとジャンルを用いて、検索対象とする地点名称を絞り込んでから検索を行うことにより、検索処理量を低減している。
【0047】
検索結果表示欄66は、検索された地点名称を一覧表示するための欄である。図の例では、一度に5件まで表示することができる。
検索結果表示欄66に表示される地点名称は、キーワードに対応する表示文字が強調表示されている。
このため、ユーザは、自己が入力した検索語に対して、地点名称のどの部分が一致したのかを容易に認識することができる。
【0048】
詳細ボタン67は、地点名称ごとに表示され、ユーザが所望の地点名称の詳細ボタン67をタッチすると、ナビゲーション装置1は、当該地点名称に対応する地点情報を地点情報データファイル58から検索してディスプレイ42に表示する。
前ボタン74、次ボタン77は、それぞれ、検索結果表示欄66の地点名称を1件ずつスクロールダウン、スクロールアップするためのボタンである。
ページボタン75、76は、それぞれ、検索結果表示欄66の地点名称をページ単位でスクロールダウン、スクロールアップするためのボタンである。
【0049】
スクロールバー71は、全検索結果のうち、現在表示している結果の位置を表すと共に、スクロールバー71をタッチしてドラッグすることにより、スクロールアップやスクロールダウンを行うことができる。
件数表示欄65には、検索された地点名称の件数が表示される。
【0050】
次に、図4のフローチャートを用いてナビゲーション装置1の地点名称検索手順について説明する。
以下の処理は、ナビゲーション装置1のCPU21が所定のプログラムに従って行うものである。
まず、ナビゲーション装置1は、読み入力欄61(図3)にて、例えば、「トウキ」などと、読みによって検索語の入力を受け付ける(ステップ5)。
このように、ナビゲーション装置1は、検索語の入力を受け付ける検索語受付手段を備えている。
【0051】
次に、ナビゲーション装置1は、地点名称データファイル59に格納されているデータのうち、図3のエリア入力欄62、及びジャンル入力欄64で設定されているエリアとジャンルに属するものを絞り込む。以降、ナビゲーション装置1は、絞り込んだデータを対象に検索を行う。
【0052】
次に、ナビゲーション装置1は、地点名称データファイル59(図2)の項目「読み」に格納されている各キーワードについて、入力された検索語を前方一致にて検索する(ステップ10)。
例えば、読み「トウキ」に対して、「トウキ」、「トウキョウ」、「トウキョウエキ」などのキーワードがヒットする。
【0053】
次に、ナビゲーション装置1は、地点名称データファイル59にて、読みがヒットした地点名称を取得する(ステップ15)。
例えば、キーワード「トウキ」に対しては、「陶芸・陶器教室」や「○○登記事務所」を特定し、「トウキョウ」に対しては「△△販売 東京サービスセンター」を特定し、「トウキョウエキ」に対しては「東京駅インフォメーションセンター」を特定する。
【0054】
このように、ナビゲーション装置1は、検索語に対応する表示文字を含む表示文字列を表示文字列記憶手段(地点名称データファイル59)から取得する表示文字列取得手段を備えている。
そして、当該表示文字列取得手段は、表示文字と、当該表示文字の読みと、の対応を記憶した対応記憶手段(地点名称データファイル59)を用いて、検索語に対応する表示文字を取得している。
【0055】
次に、ナビゲーション装置1は、地点名称データファイル59の「キーワード範囲」を参照することにより、地点名称の表示文字列で強調する範囲を特定する(ステップ20)。
例えば、「○○登記事務所」の場合、検索でヒットしたキーワード「トウキ」が2番目のキーワードであるため、ナビゲーション装置1は、項目「キーワード範囲」のサブ項目「2」を参照する。
そして、サブ項目「2」は、「3−4」となっているため、ナビゲーション装置1は、表示文字列「○○登記事務所」の3番目から4番目までの表記文字、即ち、「登記」を強調する範囲として特定する。
【0056】
このように、ナビゲーション装置1は、前記対応記憶手段(地点名称データファイル59)によって、意味を成す文字列部分単位の読み(キーワード)を記憶しており、文字列部分単位によって文字列部分(キーワードに対応する表示文字の範囲)を特定することにより、検索語に対応する表示文字を含み、かつ、意味を成す文字列部分を特定する部分特定手段を備えている。
【0057】
次に、ナビゲーション装置1は、ステップ15で特定した地点名称の表示文字列のうち、ステップ20で特定した範囲の表示文字を、例えば、ハイライトしたり、フォントを変化させるなどして強調する(ステップ25)。
次に、ナビゲーション装置1は、強調が設定された表示文字列を検索結果表示欄66(図3)に表示する(ステップ30)。
このように、ナビゲーション装置1は、キーワードによって特定した文字列部分を他の表示文字から識別可能に表示する表示手段を備えている。
表示文字列は、「陶器」、「登記」、「東京」、「東京駅」など、ユーザが入力した読みに対応する部分が意味単位で強調されるため、ユーザは、ヒットしたキーワード部分を容易に視認することができる。
【0058】
以上に説明した本実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)検索語として読みを入力すると、当該読みに対応し、かつ、意味を成す文字列部分を強調して検索結果を表示するため、検索語との一致部分の視認性を向上させることができ、ユーザの認識性が向上すると共にユーザに安心感を与えることができる。
(2)表示文字列の読みを意味単位で構成することにより、表示文字を意味単位で強調表示することができる。
(3)入力された読みとキーワードを前方一致で照合するため、読みがキーワードの先頭部分の一部であっても、キーワード全体を検索することができ、更に、このキーワードを含む地点名称を検索することができる。
(4)キーワードごとに前方一致を行うため、地点名称の先頭文字より後に意味を成す表示文字がある場合であっても、これを検索することができる。
【0059】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
図5は、本変形例に係る地点名称検索画面60aの外観の一例を示した図である。
地点名称検索画面60aは、地点名称検索画面60(図3)に漢字選択ボタン81を追加したものである。
【0060】
漢字選択ボタン81には、検索結果表示欄66で強調されている表示文字がボタンとして表示される。
ユーザが何れかのボタンをタッチすると、ナビゲーション装置1は、検索された地点名称のうち、当該表示文字が強調されているものを絞り込み、検索結果表示欄66に表示する。
【0061】
このように、本変形例では、強調されている文字によって地点名称を絞り込むことができる。
なお、漢字選択ボタン81に表示する文字は、検索結果表示欄66の表示とは関係なく、検索された地点名称において、頻度が高いものを表示するように構成してもよい。
以上のように、本変形例では、所望の文字をユーザが指定することにより、同じ読みによって検索された不要な地点名称を除外することができる。
【0062】
次に、他の変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る地点名称データファイル59aの論理的な構成の一例を示した図である。
地点名称データファイル59aは、地点名称データファイル59(図2)の項目「読み」を項目「文字」としたものである。
【0063】
先に説明した本実施の形態では、「トウキ」と読みで検索語を入力したが、本変形例では、「陶器」などと表示文字で入力する。
このため、ナビゲーション装置1は、仮名漢字変換機能を備えており、ユーザが、仮名で検索語を入力すると、ナビゲーション装置1は、これを表示文字に変換して検索語の入力を受け付ける。
【0064】
項目「文字」では、表示文字が意味単位で区分されており、ここでは、これを文字列単位と呼ぶことにする。
ナビゲーション装置1は、地点名称データファイル59のキーワードと同様に、検索語を文字列単位と前方一致にて検索する。
その他の処理、例えば、キーワード範囲の特定、キーワード範囲の表示文字の強調などは、先に説明した実施の形態と同様である。
以上のように、本変形例では、表示文字によって検索を行うため、同じ読みで異なる表示文字を含む地点名称を除外することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図2】地点名称データファイルの論理的な構成の一例を示した図である。
【図3】地点名称検索画面の一例を示した図である。
【図4】地点名称検索手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】地点名称検索画面の変形例を示した図である。
【図6】地点名称データファイルの変形例を示した図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ナビゲーション装置
10 現在位置検出装置
20 情報処理制御装置
21 CPU
40 入出力装置
41 入力装置
50 情報記憶装置
58 地点情報データファイル
59 地点名称データファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象を表示するための表示文字列を記憶する表示文字列記憶手段と、
検索語の入力を受け付ける検索語受付手段と、
前記受け付けた検索語に対応する表示文字を含む表示文字列を前記表示文字列記憶手段から取得する表示文字列取得手段と、
前記取得した表示文字列において、前記検索語に対応する表示文字を含み、かつ、意味を成す文字列部分を特定する部分特定手段と、
前記特定した文字列部分を他の表示文字から識別可能に表示する表示手段と、
を具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
表示文字と、当該表示文字の読みと、の対応を記憶した対応記憶手段を具備し、
前記検索語受付手段は、読みにて検索語の入力を受け付け、
前記表示文字列取得手段は、前記記憶した対応を用いて、前記検索語に対応する表示文字を取得することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記対応記憶手段は、意味を成す文字列部分単位の読みを記憶しており、
前記部分特定手段は、前記文字列部分単位によって前記文字列部分を特定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
検索対象を表示するための表示文字列を記憶する表示文字列記憶手段を備えたコンピュータを、
検索語の入力を受け付ける検索語受付手段と、
前記受け付けた検索語に対応する表示文字を含む表示文字列を前記表示文字列記憶手段から取得する表示文字列取得手段と、
前記取得した表示文字列において、前記検索語に対応する表示文字を含み、かつ、意味を成す文字列部分を特定する部分特定手段と、
前記特定した文字列部分を他の表示文字から識別可能に表示する表示手段と、
して機能させるためのナビゲーション用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−8505(P2009−8505A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169493(P2007−169493)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】