説明

ナビゲーション装置およびプログラム

【課題】利用者の入力の負荷を減らすことができるナビゲーション装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】一方のナビゲーション装置10においては、装置本体から挿脱可能な記憶媒体20の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報および記憶媒体20の識別情報をデータ記憶部30に記憶する。他方のナビゲーション装置40においては、装置本体から挿脱可能な記憶媒体20から当該記憶媒体20の識別情報を取得し、取得した記憶媒体20の識別情報に基づき、データ記憶部30から目的地情報を取得する。これにより、一方のナビゲーション装置10においてユーザが設定した目的地情報を挿脱可能な記憶媒体20を介して他方のナビゲーション装置40に知らせることができるので、利用者の入力の負荷を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等によって自動車等の車両の走行位置を検出し、現在位置を道路地図上に表示して、出発地から目的地までの経路を案内するナビゲーションシステムが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなナビゲーションシステムによれば、目的地までの経路が未知の場合において、自動車に設置されたナビゲーションシステムに目的地を設定した後、ナビゲーションシステムにより案内される経路にしたがって目的地に向うことができる。
【0004】
また、近年においては、徒歩による目的地までの経路が未知の場合においても、携帯電話等に内蔵されたナビゲーションシステムに目的地を設定した後、ナビゲーションシステムにより案内される経路にしたがって目的地に向うことが可能になっている。
【0005】
すなわち、自動車と徒歩で目的地に向う場合には、まず、自動車に設置されたナビゲーションシステムに経由地を設定する。そして、自動車で経由地に到着後、携帯電話等に内蔵されたナビゲーションシステムに目的地を設定した後、ナビゲーションシステムの案内経路に従って徒歩で目的地に向うことになる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−134352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、自動車と徒歩で目的地に向う場合においては、上述したように、自動車に設置されたナビゲーションシステムと携帯電話等に内蔵されたナビゲーションシステムとの両方に目的地(経由地)を設定しなければならない。このような設定作業を2度も行うことは、利用者にとって非常に煩わしいものとなっている。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の入力の負荷を減らすことができるナビゲーション装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記記憶媒体の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報および前記記憶媒体の識別情報をデータ記憶部に記憶する識別情報記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2にかかる発明は、現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する第1情報取得手段と、前記第1情報取得手段で取得した前記記憶媒体の識別情報に基づき、前記記憶媒体の識別情報とユーザが設定した目的地情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部から前記目的地情報を取得する第2情報取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2記載のナビゲーション装置において、前記データ記憶部の住所および前記記憶媒体の識別情報を他のナビゲーション装置に対してEメールで送信するメール送信手段を更に備える、ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2または3記載のナビゲーション装置において、他のナビゲーション装置からEメールで送信された前記データ記憶部の住所および前記記憶媒体の識別情報を受信するメール受信手段と、前記データ記憶部の住所に基づいて前記データ記憶部にアクセスし、前記記憶媒体の識別情報に基づいて前記目的地情報を取得する第3情報取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5にかかる発明のプログラムは、現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置を制御するコンピュータを、装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記記憶媒体の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報および前記記憶媒体の識別情報をデータ記憶部に記憶する識別情報記憶手段と、として機能させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6にかかる発明のプログラムは、現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置を制御するコンピュータを、装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する第1情報取得手段と、前記第1情報取得手段で取得した前記記憶媒体の識別情報に基づき、前記記憶媒体の識別情報とユーザが設定した目的地情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部から前記目的地情報を取得する第2情報取得手段と、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一方のナビゲーション装置においては、装置本体から挿脱可能な記憶媒体の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報および記憶媒体の識別情報をデータ記憶部に記憶する。他方のナビゲーション装置においては、装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得し、取得した記憶媒体の識別情報に基づき、データ記憶部から目的地情報を取得する。これにより、一方のナビゲーション装置においてユーザが設定した目的地情報を挿脱可能な記憶媒体を介して他方のナビゲーション装置に知らせることができるので、例えば自動車と徒歩で目的地に向う場合において、自動車から降りて徒歩に切り替える経由地に到着したところで一方のナビゲーション装置から記憶媒体を取り外して他方のナビゲーション装置に挿入するだけで、他方のナビゲーション装置に目的地情報を設定することができ、従来は自動車に設置されたナビゲーション装置と携帯可能なナビゲーション装置の両方に目的地(経由地)を設定しなければならなかったのに比べて、一方のナビゲーション装置に目的地を設定すれば、記憶媒体の挿脱作業のみで他方のナビゲーション装置にも目的地を設定することができるので、利用者の入力の負荷を減らすことができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるナビゲーション装置およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明の実施の一形態を図1ないし図9に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の一形態にかかる位置情報確認システムの概要を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の位置情報確認システムは、ナビゲーション装置であるカーナビゲーション装置10と、データ記憶部であるサーバ30と、携帯可能なナビゲーション装置である携帯電話40とが、ネットワーク50で接続された構成となっている。なお、携帯可能なナビゲーション装置としては携帯電話40に限るものではなく、PHSや携帯型のナビゲーション装置などであっても良い。
【0018】
ネットワーク50は、例えばWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)に準拠した無線ネットワークによって構成できる。WiMAXは、高速で長い距離を伝送できる無線通信技術であり、数kmから数十kmまでの範囲で使用可能である。
【0019】
カーナビゲーション装置10は、概略的には、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等によって自動車等の車両の走行位置を検出し、現在位置を道路地図上に表示して、出発地から目的地までの経路を案内するものである。カーナビゲーション装置10は、各種アプリケーションプログラム、サーバ30の接続先URL、識別情報などの情報を記憶するUIM(User Identity Module)20を装置本体に対して挿脱することができる。なお、カーナビ10に対して挿脱可能な記憶媒体はUIM20に限られず、ICカード、SDカードなどのあらゆる記憶媒体を用いることができる。
【0020】
携帯電話40もカーナビゲーション装置10と同様に、GPS等によって電話利用者の位置を検出し、現在位置を道路地図上に表示して、出発地から目的地までの経路を案内するものである。携帯電話40もカーナビゲーション装置10と同様に、UIM20を装置本体に対して挿脱することができる。
【0021】
サーバ30は、ネットワーク50を介してカーナビゲーション装置10または携帯電話40から送信されるUIM20の識別情報、目的地情報、目的地情報の識別情報を記憶する。
【0022】
次に、カーナビゲーション装置10、サーバ30および携帯電話40の構成および機能の詳細について説明する。
【0023】
まず、カーナビゲーション装置10について詳述する。ここで、図2はカーナビゲーション装置10の構成を示すブロック図、図3は自動車内に設置されたカーナビゲーション装置10の概観斜視図である。
【0024】
図2および図3に示すように、カーナビゲーション装置10は、主なハードウェア構成として、入力部101と、GPSアンテナ102と、GPS受信部103と、車両センサ104と、RAM(Random Access Memory)105と、通信部106と、通信制御部107と、記憶部108と、UIMスロット109と、CPU(Central Processing Unit)110と、音声出力制御部111と、スピーカ112と、描画プロセッサ113と、VRAM(Video Random Access Memory)114と、表示部115と、を備えている。
【0025】
入力部101は、カーナビゲーション装置10に対する操作を入力するタッチパネル、リモコンなどである。GPSアンテナ102は、GPS衛星からの電波を受信する。GPS受信部103は、GPSアンテナ102が受信した電波から、カーナビゲーション装置10が搭載された車両の現在位置を計測する。車両センサ104は、車両の速度を計測する速度センサ、車両の傾きを計測するジャイロセンサなどである。
【0026】
RAM105は、ナビゲーション処理で用いる各種データを記憶する。RAM105は、データを一時的に記憶するDRAM(Dynamic Random Access Memory)、および電源が切られた場合にもデータを保持可能なフラッシュメモリなどを含む。
【0027】
通信部106は、ネットワーク50を介してサーバ30などの外部装置との間で無線通信を行う。本実施の形態では、通信部106は、WiMAXに準拠した方法で無線通信を実行するが、他の方法で通信するように構成してもよい。例えば、携帯電話を通信部106として利用し、当該携帯電話が使用する通信方法で通信するように構成してもよい。通信制御部107は、CPU110からの指示にしたがい通信部106による無線通信を制御する。
【0028】
記憶部108は、アプリケーションプログラムや地図情報などのナビゲーション処理に必要な情報を記憶する。記憶部108は、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカード、RAM(Random Access Memory)などの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
【0029】
UIMスロット109は、小型の携帯型デバイス(ICカード)であるUIM20を装置本体に対して挿脱可能な挿脱部である。UIM20がUIMスロット109に挿入されることにより、UIM20がカーナビゲーション装置10に装着される。
【0030】
CPU110は、カーナビゲーション装置10の全体の動作を制御する。例えば、CPU110は、記憶部108から各種アプリケーションプログラムを読み出して実行する処理を制御する。
【0031】
音声出力制御部111は、CPU110からの指示にしたがい、スピーカ112による音声出力処理を制御する。スピーカ112は、音声出力制御部111から入力された信号を音声として出力する。
【0032】
描画プロセッサ113は、CPU110からの指示にしたがい、指定された画像データを表示する処理を制御する。VRAM114は、表示する画像データを記憶する。表示部115は、描画プロセッサ113からの指示にしたがい画像データを表示する。
【0033】
次に、携帯電話40について説明する。図4は、携帯電話40の概略構成を示す正面図である。なお、図4に示したような携帯電話40の構成は一例であって、本発明を実現できる構成であれば、これに限定されるものではない。
【0034】
ロッドアンテナ402は、無線電話に用いるアンテナであって、通常の携帯電話が備えるものである。
【0035】
携帯電話40の筐体401の片面には、カラー液晶ディスプレイなどにより種々の情報を表示する表示部404が設けられている。表示部404と同一平面には、キーパッドや動作選択ボタン等が配列された入力部405が備えられていて、電源のオン−オフ、表示選択や動作決定、あるいは文字入力等が可能となっている。これらは、通常の携帯電話の機能と同様のものである。なお、特に図示しないが、当然のことながら、携帯電話40にはマイクやスピーカなどの携帯電話に必要な様々な要素が備わっている。
【0036】
加えて、携帯電話40は、UIM20を装置本体に対して挿脱自在に内蔵することができる。
【0037】
ここで、図5は携帯電話40の構成を示すブロック図である。図5に示すように、携帯電話40には、挿脱自在に内蔵されるUIM20と、携帯電話機能、Eメール送受信機能、インターネット閲覧機能などを発揮する携帯電話モジュール410と、表示部404と、入力部405と、通信用アンテナ403とが備えられている。携帯電話モジュール410には、各種のデータを記憶するメモリ411が備えられている。
【0038】
通信用アンテナ403は、電話用のロッドアンテナ402とは別に、例えばWiMAXであるネットワーク50に接続するためのアンテナである。携帯電話40は、通信用アンテナ403により、携帯電話の通常の無線通信とは異なる高速かつ長距離の無線通信を行う。
【0039】
加えて、携帯電話40には、GPS受信部450が搭載されている。GPS受信部450は、GPS衛星からの電波を定期的に受信し、携帯電話40自体の現在位置を計測することにより、位置情報を検出することができる。より詳細には、携帯電話40のGPS受信部450は、少なくとも3個のGPS衛星から乱数記号で変調された形の電波を受信し、GPS衛星とGPS受信部450との時間差を計測して位置情報を把握する。
【0040】
携帯電話40に挿脱自在に内蔵されるUIM20のICチップ201には、アプリケーションプログラムが格納されるアプリケーション部420と、アプリケーション部420の実行を制御するアプリケーションコントローラ部430と、アプリケーション部420に格納されるアプリケーションプログラムを実行する際に用いる各種データを格納するデータ記憶部440が備えられている。UIM20のデータ記憶部440には、識別情報441が記憶されている。
【0041】
本実施の形態においては、ICチップ201のアプリケーション部420に格納されるアプリケーションプログラムとして、携帯電話40をナビゲーション装置として使用するためのアプリケーションプログラムが格納されている。
【0042】
次に、サーバ30の構成について説明する。図6は、サーバ30のハードウェア構成図である。図6に示すように、サーバ30は、情報処理を行うCPU21などの制御装置と、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)22や各種データを書換え可能に記憶するRAM23などの記憶装置と、ネットワーク50を介して外部の他のコンピュータなどと通信により情報を伝達するための通信I/F24と、各種データベースとして機能するとともに各種のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部であるHDD(Hard Disk Drive)25と、CD(Compact Disc)ドライブ装置などの外部記憶装置26と、処理経過や結果等を操作者に表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置27と、操作者がCPU21に命令や情報等を入力するためのキーボードやマウスなどの入力装置28と、各部を接続するバス29を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0043】
次に、本実施の形態の特長的な処理について以下に説明する。
【0044】
図7は、位置情報確認システムの機能構成を示すブロック図である。図7に示すように、カーナビゲーション装置10は、CPU110が記憶部108に記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作することにより、識別情報取得部501と、ナビゲーション処理部502と、を実現する。
【0045】
識別情報取得部501は、識別情報取得手段として機能するものであって、UIM20のデータ記憶部440に記憶された識別情報441を取得する。
【0046】
ナビゲーション処理部502は、入力部101を介してユーザが設定した「目的地情報」に対して、GPS受信部103により車両の現在位置を計測し、現在位置を道路地図上に表示して、出発地から目的地までの経路を案内する。
【0047】
識別情報記憶部503は、識別情報記憶手段として機能するものであって、UIM20の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報およびUIM20の識別情報441をサーバ30に記憶する。
【0048】
図7に示すように、サーバ30は、CPU21がHDD25に記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作することにより、情報登録部511を実現する。
【0049】
情報登録部511は、カーナビゲーション装置10からネットワーク50を介して送信されたUIM20の識別情報441および目的地の識別情報を付した「目的地情報」を、HDD25に形成されたテーブル512に登録する。図8は、テーブル512のデータ構成を示す模式図である。
【0050】
また、図7に示すように、携帯電話40は、アプリケーションコントローラ部430がUIM20のアプリケーション部420に記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作することにより、第1情報取得部521と、第2情報取得部522と、ナビゲーション処理部523とを実現する。
【0051】
第1情報取得部521は、第1情報取得手段として機能するものであって、UIM20のデータ記憶部440に記憶された識別情報441を取得する。
【0052】
第2情報取得部522は、第2情報取得手段として機能するものであって、ネットワーク50を介してサーバ30にアクセスし、第1情報取得部521で取得した識別情報441に基づいて「目的地情報」を取得する。
【0053】
ナビゲーション処理部523は、入力部405を介してユーザが設定した「目的地情報」に対して、GPS受信部450により携帯電話40の現在位置を計測し、現在位置を道路地図上に表示して、出発地から目的地までの経路を案内する。
【0054】
次に、このように構成された本実施の形態の位置情報確認システムによるナビゲーション処理について図9を用いて説明する。図9は、位置情報確認システムによるナビゲーション処理の全体の流れを示すシーケンス図である。図9に示す例は、自動車及び徒歩(または、電車など)により目的地へ向う場合を示したものである。
【0055】
なお、UIM20には、WiMAXに準拠したネットワーク50に接続するためのアプリケーションプログラム、WiMAXネットワークの認証に用いる鍵情報または証明書などの認証データが記憶されているものとする。
【0056】
まず、ユーザがUIM20をカーナビゲーション装置10のUIMスロット109に挿入したことが検知されると(ステップS1001)、カーナビゲーション装置10の識別情報取得部501は、UIM20のデータ記憶部440に記憶された識別情報441を取得する(ステップS1002)。
【0057】
次いで、カーナビゲーション装置10のナビゲーション処理部502は、入力部101を介してユーザが設定した「目的地情報」に対して、GPS受信部103により車両の現在位置を計測し、現在位置を道路地図上に表示して、出発地から目的地までの経路を案内する(ステップS1003)。
【0058】
そして、カーナビゲーション装置10のナビゲーション処理部502は、自動車から降りて徒歩に切り替える経由地に到着したところで、ユーザが入力部101を介してUIM20の取り外しを指示したことを検出すると(ステップS1004)、ユーザが設定した「目的地情報」およびUIM20の識別情報441を、ネットワーク50を介してサーバ30に対して送信する(ステップS1005)。
【0059】
サーバ30の情報登録部511は、カーナビゲーション装置10からネットワーク50を介して送信されたUIM20の識別情報441およびユーザが設定した「目的地情報」を、HDD25に形成されたテーブル512に登録する(ステップS1006)。
【0060】
次いで、自動車から降りて徒歩(または、電車など)に切り替えたユーザがUIM20を携帯電話40に挿入したことを検知すると(ステップS1007)、アプリケーション部420に格納されたアプリケーションプログラムが起動され(ステップS1008)、携帯電話40の第1情報取得部521は、アプリケーションプログラムに従ってUIM20の識別情報441を取得する(ステップS1009)。また、携帯電話40の第2情報取得部522は、アプリケーションプログラムに従って、ネットワーク50を介してサーバ30にアクセスし、ステップS1009で取得したUIM20の識別情報441に基づいて「目的地情報」を取得する(ステップS1010)。
【0061】
そして、携帯電話40のナビゲーション処理部523は、GPS受信部450によって現在位置を計測して「現在位置情報」を取得し(ステップS1011)、取得した「目的地情報」および「現在位置情報」に基づいて目的地までの経路を案内する(ステップS1012)。
【0062】
このように本実施の形態によれば、カーナビゲーション装置10においては、装置本体から挿脱可能なUIM20の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報およびUIM20の識別情報441をサーバ30に記憶する。一方、携帯電話40においては、装置本体から挿脱可能なUIM20から当該UIM20の識別情報441を取得し、取得したUIM20の識別情報441に基づき、サーバ30から目的地情報を取得する。これにより、カーナビゲーション装置10においてユーザが設定した目的地情報を挿脱可能なUIM20を介して携帯電話40に知らせることができるので、例えば自動車と徒歩で目的地に向う場合において、自動車から降りて徒歩に切り替える経由地に到着したところでカーナビゲーション装置10からUIM20を取り外して携帯電話40に挿入するだけで、携帯電話40に目的地情報を設定することができ、従来は自動車に設置されたカーナビゲーション装置10と携帯電話40の両方に目的地(経由地)を設定しなければならなかったのに比べて、カーナビゲーション装置10に目的地を設定すれば、UIM20の挿脱作業のみで携帯電話40にも目的地を設定することができるので、利用者の入力の負荷を減らすことができる。
【0063】
なお、上述したUIM20を他人の携帯電話40に挿入した場合であっても、上述の処理を同様の処理を実行することが可能である。
【0064】
また、本実施の形態においては、自動車と徒歩で目的地に向う場合において、自動車から降りて徒歩に切り替える経由地に到着したところでカーナビゲーション装置10からUIM20を取り外して携帯電話40に挿入することについて説明したが、これに限るものではない。例えば、徒歩で経由地(例えば、レンタカーの営業所)に到着したところで携帯電話40からUIM20を取り外してカーナビゲーション装置10に挿入するようにしても良い。この場合、図10に示すように、携帯電話40は、アプリケーションコントローラ部430がUIM20のアプリケーション部420に記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作することにより、識別情報取得部501と、ナビゲーション処理部502と、識別情報記憶部503とを実現する。一方、カーナビゲーション装置10は、CPU110が記憶部108に記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作することにより、第1情報取得部521と、第2情報取得部522と、ナビゲーション処理部523とを実現する。
【0065】
なお、図11に示すように、自動車から降りて徒歩(または、電車など)に切り替えたユーザがUIM20を携帯電話40に挿入したことを検知すると(ステップS1007)、アプリケーションプログラムが起動され(ステップS1008)、携帯電話40の情報取得部521は、専用アプリケーションプログラムに従ってEメールを作成し(ステップS1013)、UIM20の識別情報441を取得し(ステップS1014)、友人が保持している他の携帯電話40に対し、サーバ30のURL及びUIM20の識別情報441をEメールで送信する(ステップS1015)、ようにしても良い。ここに、メール送信手段の機能が実現されている。
【0066】
Eメールを受け取った友人が保持している他の携帯電話40側においては、専用のアプリケーションがダウンロードされていることを条件として、アプリケーションプログラムを起動し(ステップS1016)、Eメールで送信されたサーバ30のURLに基づいてネットワーク50を介してサーバ30にアクセスし、Eメールで送信されたUIM20の識別情報441に基づいて「目的地情報」を取得する(ステップS1017)。ここに、メール受信手段の機能および第3情報取得手段の機能が実現されている。
【0067】
そして、友人が保持している他の携帯電話40のナビゲーション処理部523は、GPS受信部450によって現在位置を計測して「現在位置情報」を取得し(ステップS1018)、取得した「目的地情報」および「現在位置情報」に基づいて目的地までの経路を案内する(ステップS1019)。
【0068】
これにより、複数人で同じ目的地を共有することを可能とすることができるので、他人と別行動で同じ目的地へ移動する場合も、お互いに正しい目的地へ集合することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる位置情報確認システムの概要を示すブロック図である。
【図2】カーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】カーナビゲーション装置の概観斜視図である。
【図4】携帯電話の概略構成を示す正面図である。
【図5】携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図6】サーバのハードウェア構成図である。
【図7】位置情報確認システムの機能構成を示すブロック図である。
【図8】テーブルのデータ構成を示す模式図である。
【図9】位置情報確認システムによるナビゲーション処理の全体の流れを示すシーケンス図である。
【図10】位置情報確認システムの機能構成の変形例を示すブロック図である。
【図11】位置情報確認システムによるナビゲーション処理の全体の流れを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0070】
10,40 ナビゲーション装置
20 記憶媒体
30 データ記憶部
441 記憶媒体の識別情報
501 識別情報取得手段
502 識別情報記憶手段
521 第1情報取得手段
522 第2情報取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、
装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記記憶媒体の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報および前記記憶媒体の識別情報をデータ記憶部に記憶する識別情報記憶手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、
装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段で取得した前記記憶媒体の識別情報に基づき、前記記憶媒体の識別情報とユーザが設定した目的地情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部から前記目的地情報を取得する第2情報取得手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記データ記憶部の住所および前記記憶媒体の識別情報を他のナビゲーション装置に対してEメールで送信するメール送信手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
他のナビゲーション装置からEメールで送信された前記データ記憶部の住所および前記記憶媒体の識別情報を受信するメール受信手段と、
前記データ記憶部の住所に基づいて前記データ記憶部にアクセスし、前記記憶媒体の識別情報に基づいて前記目的地情報を取得する第3情報取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項2または3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置を制御するコンピュータを、
装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記記憶媒体の取り出しが指示された場合に、ユーザが設定した目的地情報および前記記憶媒体の識別情報をデータ記憶部に記憶する識別情報記憶手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
現在位置を地図上に表示して目的地までの経路を案内するナビゲーション装置を制御するコンピュータを、
装置本体から挿脱可能な記憶媒体から当該記憶媒体の識別情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段で取得した前記記憶媒体の識別情報に基づき、前記記憶媒体の識別情報とユーザが設定した目的地情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部から前記目的地情報を取得する第2情報取得手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−300370(P2009−300370A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157941(P2008−157941)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】