説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】ユーザが表示画面を凝視することなく自車から案内地点までの距離を把握することのできるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、経路探索手段と、表示手段と、制御手段より構成される。経路探索手段は、目的地までの経路を探索する。表示手段は、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、移動体の位置から案内地点までの距離を示すバーグラフを表示画面に表示する。制御手段は、移動体の位置から案内地点までの距離を基にバーグラフの長さを変えると共に、移動体の位置から案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、バーグラフの表示色を変える。これにより、ユーザは、バーグラフの表示色を見るだけで、移動体の位置から案内地点までの大まかな距離を把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに目的地までの経路を示すナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置は、車両などの移動体の現在位置を中心として所定の範囲の地図情報を表示装置に表示する。ユーザは、表示された地図情報を見ることにより、自車の現在位置を知ることができる。
【0003】
下記の特許文献1には、自車が経路上の右折又は左折をすべき交差点(以下、単に「案内交差点」と称す)に近づいた場合において、表示画面上に当該案内交差点の拡大表示を行うと共に、自車の位置から当該案内交差点までの距離を示すバーグラフを表示する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−326333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザは、自車の位置から案内交差点までの距離を把握するために、ナビゲーション装置の表示画面を凝視して、長さが変化していくバーグラフを見続ける必要がある。そのため、ユーザは、注意が散漫になり、運転に集中できなくなるという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題には、上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、ユーザが表示画面を凝視することなく自車から案内交差点などの案内地点までの距離を把握することのできるナビゲーション装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動体のナビゲーション装置であって、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段と、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段と、を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、移動体のナビゲーション方法であって、目的地までの経路を探索する経路探索工程と、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示工程と、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御工程と、を備える。
【0009】
請求項4に記載の発明は、コンピュータを備える移動体のナビゲーション装置により実行されるナビゲーションプログラムであって、目的地までの経路を探索する経路探索手段、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段、として前記コンピュータを機能させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、移動体のナビゲーション装置は、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段と、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段と、を備える。
【0011】
上記のナビゲーション装置は、車両などの移動体のナビゲーション装置などに好適に適用されるものであり、経路探索手段と、表示手段と、制御手段より構成される。経路探索手段は、目的地までの経路を探索する。表示手段は、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する。ここでいう案内地点とは、代表的な例として、経路上の右折又は左折をすべき案内交差点が挙げられ、さらに、高速道路や有料道路の出入口、インターチェンジ、その他、車両の進行方向を変更する必要がある地点をも含む。制御手段は、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える。これにより、ユーザは、バーグラフの表示色を見るだけで、移動体の位置から案内地点までの大まかな距離を把握することができ、表示画面を凝視する必要がなくなる。
【0012】
上記のナビゲーション装置の一態様は、前記所定距離は、第1の所定距離、及び前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離であり、前記制御手段は、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が前記第2の所定距離よりも長い場合には、前記バーグラフの表示色を緑色で表示し、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が前記第2の所定距離以内で前記第1の所定距離よりも長くなる場合には、前記バーグラフの表示色を黄色で表示し、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が第1の所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を赤色で表示する。例えば、第1の所定距離は100m、第2の所定距離は200mに夫々設定される。このように、案内地点に近づくにつれて、緑色から黄色、黄色から赤色へと前記バーグラフの表示色を変えることで、ユーザに対し、案内地点にどのくらい近づいているのか、についての注意を喚起しやすくすることができる。
【0013】
本発明の他の観点では、移動体のナビゲーション方法は、目的地までの経路を探索する経路探索工程と、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示工程と、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御工程と、を備える。この方法によっても、ユーザは、バーグラフの表示色を見るだけで、表示画面を凝視することなく自車から案内地点までの大まかな距離を把握することができる。
【0014】
本発明の更なる他の観点では、コンピュータを備える移動体のナビゲーション装置により実行されるナビゲーションプログラムは、目的地までの経路を探索する経路探索手段、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段、として前記コンピュータを機能させる。このナビゲーションプログラムをナビゲーション装置内のコンピュータに実行させることにより、上記のナビゲーション装置を実現することができる。また、このナビゲーションプログラムは、記憶媒体に記憶した状態で取り扱うことができる。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用のナビゲーション装置に適用した例を示す。
【0016】
(ナビゲーション装置)
図1に、ナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0017】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0018】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0019】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0020】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0021】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0022】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0023】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。なお、地図データの詳細については後述する。
【0024】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。
【0025】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0026】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0027】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0028】
本発明のナビゲーション装置は、ディスプレイ44が表示手段として機能する。また、本発明のナビゲーション装置は、ナビゲーション装置1のCPU22が、予めROM23などに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。従って、CPU22は本発明における制御手段として機能する。
【0029】
[ナビゲーション処理]
本発明のナビゲーション装置が行うナビゲーション処理の方法について具体的に説明する。図2はナビゲーション処理を示すフローチャートであり、図3はナビゲーション処理の各工程においてディスプレイ44の表示画面に示される地図情報の例を示す。
【0030】
まず、CPU22は、経路設定、即ち、ユーザにより目的地が設定され、当該目的地までの経路が設定されたか否かについて判定する(ステップS11)。CPU22は、経路設定がされたと判定するまで、この動作を続ける(ステップS11:No)。
【0031】
ここで、経路設定を行う具体的な方法について簡単に述べる。経路設定を行う場合、ユーザは、入力装置60を操作することにより、目的地の設定を行い、経路探索指示をナビゲーション装置1に対して行う。CPU22は、データ記憶ユニット36より必要なリンク、ノード情報を取り込み、経路計算を行う。そして、CPU22は、バッファメモリ42に必要な地図情報と共に経路情報を記憶して、ディスプレイ44の表示画面に地図及び目的地までの経路を表示する。従って、CPU22は、本発明における経路探索手段としても機能する。
【0032】
CPU22は、当該目的地までの経路が設定されたと判定した場合には(ステップS11:Yes)、自車が経路上の右折又は左折すべき案内交差点に接近したか否かについて判定する(ステップS12)。具体的には、CPU22は、自車の位置から当該案内交差点までの距離が所定距離以内(例えば300m以内)となっているか否かについて判定し、自車の位置から案内交差点までの距離が所定距離以内となっていると判定した場合には、案内交差点に接近していると判定する。CPU22は、自車が案内交差点に接近していると判定するまで、この動作を続ける(ステップS12:No)。なお、この所定距離の値は、予めRAM24などのメモリに記憶されている。
【0033】
CPU22は、自車が案内交差点に接近していると判定した場合には(ステップS12:Yes)、案内交差点の拡大地図と、自車の位置から案内交差点までの距離を示すバーグラフを表示する(ステップS13)。
【0034】
図3(a)に、このようにして表示された案内交差点の拡大地図70を示す。当該地図上の矢印73は、拡大地図70上における経路を示す。図3(a)に示す矢印73より、ユーザは、案内交差点において、右折する必要があることが分かる。拡大地図70の右側には、自車の位置から案内交差点までの距離を示すバーグラフ71が表示されている。拡大地図70の上側には、数字表示部72が設けられ、当該数字表示部72には、自車の位置から案内交差点までの距離が数字で表示されている。CPU22は、本処理が行われている期間中、自車の位置から案内交差点までの距離を基にバーグラフ71の長さを変える。例えば、本実施例のナビゲーション装置1では、CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が短くなるに伴い、バーグラフ71の長さも短くして表示する。ユーザは、バーグラフ71の長さを見ることによって、自車の位置から案内交差点までの距離を把握することができる。このとき、本実施例のナビゲーション装置1では、CPU22は、バーグラフ71の表示画面上における表示色を、例えば緑色で表示することとする。
【0035】
次に、CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が200m以内となっているか否かについて判定する(ステップS14)。CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が200m以内となっていると判定するまで、この動作を続ける(ステップS14:No)。CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が200m以内となっていると判定した場合には(ステップS14:Yes)、図3(b)に示すように、バーグラフ71の表示画面上における表示色を変える。例えば、本実施例のナビゲーション装置1では、このとき、CPU22は、バーグラフ71の表示画面上における表示色を黄色で表示することとする(ステップS15)。
【0036】
次に、CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が100m以内となっているか否かについて判定する(ステップS16)。CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が100m以内となっていると判定するまで、この動作を続ける(ステップS16:No)。CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が100m以内となっていると判定した場合には(ステップS16:Yes)、図3(c)に示すように、バーグラフ71の表示画面上における表示色を更に変える。例えば、本実施例のナビゲーション装置1では、このとき、CPU22は、バーグラフ71の表示画面上における表示色を赤色で表示することとする(ステップS17)。なお、図3(c)において、三角印74は、自車の位置を示している。自車の位置が案内交差点に近づいていることから、三角印74が拡大地図70上に表示される。
【0037】
そして、CPU22は、自車が案内交差点を右折又は左折したか否かについて判定し(ステップS18)、自車が案内交差点を右折又は左折をしたと判定するまで、この動作を続ける(ステップS18:No)。一方、CPU22は、自車が案内交差点を右折又は左折したと判定した場合には(ステップS18:Yes)、案内交差点の拡大地図及びバーグラフを消去した後(ステップS19)、処理を終了する。図3に示した例では、CPU22は、自車が案内交差点を右折したと判定するまで、ステップS18の動作を続け、自車が案内交差点を右折したと判定した場合には、案内交差点の拡大地図70及びバーグラフ71を消去した後、処理を終了する。
【0038】
本実施例のナビゲーション装置1では、例として、CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が200mよりも長い場合には、バーグラフの表示色を緑色で表示し、自車の位置から案内交差点までの距離が200以内で100mよりも長くなる場合には、バーグラフの表示色を黄色で表示し、自車の位置から案内交差点までの距離が100m以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を赤色で表示している。即ち、本実施例のナビゲーション装置1は、案内交差点に近づくにつれて、バーグラフの表示色を、緑色から黄色へ、黄色から赤色へと変えている。なお、この200mや100mといったバーグラフの表示色を変える基準となる距離の値は、予めRAM24などのメモリに記憶されている。このようにすることで、ユーザは、バーグラフの表示色を見るだけで、自車の位置から案内交差点までの大まかな距離を認識することができ、表示画面を凝視する必要がなくなる。
【0039】
また、緑色から黄色へ、黄色から赤色へのバーグラフの表示色の変化は、信号機の信号の色の変化と同じであり、緑色には「安全」、黄色には「注意」、赤色には「要注意」といった概念が含まれると考えられる。従って、ナビゲーション装置1は、緑色から黄色へ、黄色から赤色へとバーグラフの表示色を変化させることにより、ユーザに対し、案内交差点にどのくらい近づいているのか、についての注意を喚起しやすくすることができる。なお、バーグラフの表示色としては、上述したものに限られないのは言うまでもない。
【0040】
さらに、本実施例において、案内交差点とは、案内地点の一例を示すものに過ぎず、案内交差点の代わりに、他の案内地点、例えば、高速道路や有料道路の出入口、インターチェンジ、その他、車両の進行方向を変更する必要がある地点においても同様に本発明を適用することができるのは言うまでもない。
【0041】
以上述べたように、本発明のナビゲーション装置は、移動体のナビゲーション装置であって、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段と、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段と、を備える。このようにすることで、ユーザは、バーグラフの表示色を見るだけで、自車から案内地点までの大まかな距離を把握することができ、表示画面を凝視する必要がなくなる。
【0042】
[変形例]
上述の実施例では、CPU22は、自車の位置から案内交差点までの距離が300m以内となったときに、案内交差点に接近しているとして、拡大地図及びバーグラフの表示を行うこととし、拡大地図及びバーグラフの表示が行われてから、自車の位置から案内交差点までの距離が200m以内、100m以内となる毎に、即ち、自車が100m進む毎にバーグラフの表示色を変えることとしている。しかし、拡大地図及びバーグラフの表示のタイミング、バーグラフの表示色を変えるタイミング、バーグラフの表示色を変える回数は、これに限られるものではないのはいうまでもない。CPU22は、例えば、自車が50m進む毎にバーグラフの表示色を変えることとしても良いし、又は、例えば、当該案内交差点までの距離をより正確にユーザに認識させるために、案内交差点に近づくほど、バーグラフの表示色を変える回数を増やすとしても良い。また、更には、拡大地図及びバーグラフの表示のタイミング、バーグラフの表示色を変えるタイミングをユーザ自身が設定することができるとしても良い。
【0043】
また、上述の実施例では、CPU22は、自車が案内交差点に接近した場合に、案内交差点の拡大地図を表示することとしているが、これに限られるものではなく、代わりに、表示画面に元々表示されている地図上に案内交差点が既に表示されている場合には、当該案内交差点の拡大地図を表示せずに、バーグラフのみを直接表示することとしても良い。
【0044】
さらに、本発明のナビゲーション装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置に限られるものではなく、代わりに、GPS機能を有し、地図情報を表示することのできる携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)においてプログラムを実行することによって実現されるとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例に係るナビゲーション処理のフローチャートである。
【図3】本実施例に係るナビゲーション処理における地図情報の表示の例を示す。
【符号の説明】
【0046】
1・・・ナビゲーション装置
22・・・CPU
23・・・ROM
24・・・RAM
36・・・データ記憶ユニット
44・・・ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体のナビゲーション装置であって、
目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段と、
前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所定距離は、第1の所定距離、及び前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離であり、
前記制御手段は、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が前記第2の所定距離よりも長い場合には、前記バーグラフの表示色を緑色で表示し、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が前記第2の所定距離以内で前記第1の所定距離よりも長くなる場合には、前記バーグラフの表示色を黄色で表示し、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が第1の所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を赤色で表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
移動体のナビゲーション方法であって、
目的地までの経路を探索する経路探索工程と、
ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示工程と、
前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御工程と、を備えることを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項4】
コンピュータを備える移動体のナビゲーション装置により実行されるナビゲーションプログラムであって、
目的地までの経路を探索する経路探索手段、ユーザが経路上の右折又は左折をすべき案内地点の地図情報を表示画面に表示すると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を示すバーグラフを前記表示画面に表示する表示手段、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離を基に前記バーグラフの長さを変えると共に、前記移動体の位置から前記案内地点までの距離が所定距離以内となる場合には、前記バーグラフの表示色を変える制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−263708(P2007−263708A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88434(P2006−88434)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】