ナビゲーション装置及び経路案内方法
【課題】ユーザの意思を尊重しつつユーザに負担をかけずに、複数の誘導経路から1の誘導経路を選択する。
【解決手段】ユーザの現在位置から目的地までの誘導経路を算出する経路算出手段10と、複数の誘導経路が算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する経路走行負荷算出手段20と、経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断する負荷判断手段30と、経路走行負荷の差が第1の所定値未満である場合、各誘導経路を選択候補の中から1の誘導経路を選択するユーザの選択命令に基づいて一の誘導経路を選択する経路選択手段40とを有する。
【解決手段】ユーザの現在位置から目的地までの誘導経路を算出する経路算出手段10と、複数の誘導経路が算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する経路走行負荷算出手段20と、経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断する負荷判断手段30と、経路走行負荷の差が第1の所定値未満である場合、各誘導経路を選択候補の中から1の誘導経路を選択するユーザの選択命令に基づいて一の誘導経路を選択する経路選択手段40とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び経路案内方法に関し、特に、現在地から目的地に至る経路が複数存在する場合、ユーザの操作負担を増加させることなくユーザの意思を反映させた経路を選択する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同じ目的地へ至る経路が複数ある場合に、経路を自動的に選択するナビゲーション装置がある。この種の装置に関し、登録地近傍で使用者が利用する道路を予め記憶し、所定の条件下において所定の推奨経路(登録地近傍にいる使用者が通常良く使う道路を含めた推奨経路)を提示する装置(特許文献1参照)が知られている。
【0003】
また、同じ目的地へ至る経路が複数ある場合に、経路をユーザに選択させるナビゲーション装置がある。この種の装置に関し、所定の条件下において所定の推奨経路(過去に走行した走行経路)を併せて表示する装置(特許文献2参照)が知られている。これら従来の装置によれば、所定条件下において所定の経路を自動的に提示することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、現在位置から目的地に至る経路として経路A及び経路Bがある場合、経路A及びBの走行時間に有意差が無く、他の要因に基づいて選択可能な状況であっても自動的に経路が選択されてしまうため、状況に応じたユーザの意図を反映させる余地がないという不都合があった。また、特許文献2の装置では、経路A及びBの走行時間に大きな差があるなど、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザに選択肢を示して判断を要求するため、ユーザに煩わしさを与えるという不都合があった。
【特許文献1】特開平09−287972号公報
【特許文献2】特開平08−082527号公報
【発明の開示】
【0005】
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、目的地に至る経路が複数存在する場合において、ユーザの操作負担を増加させることなく、ユーザの意図を反映させた経路を選択することを目的とする。
【0006】
本発明によれば、ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来の位置から目的地までの誘導経路を算出し、誘導経路が複数算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出し、算出された経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断し、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、当該経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示し、選択候補から1の誘導経路を選択するユーザの選択命令を受け付け、受け付けたユーザの選択命令に基づいて複数の誘導経路から一の誘導経路を選択し、選択された誘導経路を提示するナビゲーション装置及び経路案内方法が提供される。
【0007】
本発明では、所定の観点から各経路の走行負荷を評価し、その評価の差に応じて自動的に経路を選択し又はユーザの意図を受け付けるため、ユーザに煩わしさを与えることなく、状況に応じて変化するユーザの意図を反映させた経路を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置100を説明する。ナビゲーション装置100は、ユーザが搭乗する車両に搭載され、ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来のユーザの位置から目的までの誘導経路を算出し、最適な経路を選択し、選択した経路をユーザに向けて提示する。
【0009】
図1に本実施形態のナビゲーション装置100の構成を示した。図1に示すように、自車位置検出装置200と地図データベース300とを有する。本例ではナビゲーション装置100内部にこれらを設けたが、有線又は無線の車載LAN等で通信可能なように接続し、情報の授受が可能であれば物理的に分割して設けてもよい。
【0010】
本実施形態のナビゲーション装置100は、現在地点から目的地に至る経路が複数算出された場合における経路決定手法に特徴を有し、経路探索手段10と、経路走行負荷算出手段20と、負荷判断手段30と、経路選択手段40と、提示手段50とを有する。具体的に、経路を探索し、経路走行負荷を算出し、負荷に基づいて経路を選択するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)等と、このROM等に格納されたプログラムを実行することで、経路探索手段10、経路走行負荷算出手段20、負荷判断手段30、及び経路選択手段40として機能するCPU(Central Processing Unit)等と、アクセス可能な記憶手段として機能するRAM(Random Access Memory)等とを備えている。以下、図1に示した各構成について説明する。
【0011】
「自車位置検出装置200」は、GPS機能(Global Positioning System)、自律航法等を利用して自車両の位置及び自車両の走行方向を検出する。
【0012】
「地図データベース300」は、ノード、リンクなどの道路情報を含み、誘導経路の算出に用いられる電子地図データを、経路探索手段10がアクセス可能なように記憶する。
【0013】
「経路探索手段10」は、現在のユーザの位置又は移動が予測される将来のユーザ位置から目的地までの誘導経路を算出する。経路探索の手法は特に限定されず、出願時において利用可能な手法を用いることができる。
【0014】
本実施形態の経路算出手段10は、判断地点検出部11と、タイミング判断部12とを有する。本実施形態の判断地点検出部11は、まず、算出された複数の誘導経路の分岐地点を検出する。ユーザの現在地点から目的地までの経路が複数検出された場合、これら複数の経路は現在位置から目的地までの経路上に存在するいずれかの分岐地点において分岐する。1の分岐地点においては2又は3以上の誘導経路が分岐するため、2つの経路が算出された場合は1つの分岐地点を検出し、n本の経路が算出された場合は、n−1以下の分岐地点を検出する。各経路に関する情報は、分岐地点より手前(自車両側)において提示されることが好ましい。判断地点検出部11は経路の選択を行なうのに適したタイミングを地点により定義する。具体的に、本実施形態の判断地点検出部11は、算出された複数の誘導経路の分岐地点のうちユーザの現在位置に最も近い分岐地点と所定の位置関係にある所定の地点を判断地点として検出する。分岐地点と判断地点との位置関係は特に限定されないが、判断地点から分岐地点に至る間に、経路の選択処理を行ない、選択した経路をユーザに提示し、提示された経路をユーザが認識することができる時間に基づいて定義することが好ましい。判断地点を定義するにあたり、分岐地点から判断地点へ至る経路(道路)の車両走行平均速度、交通事情等を参照してことが好ましい。本例では、分岐地点から自車両の現在位置方向に経路を辿って600m離隔した地点を判断地点とした。本実施形態のタイミング判断部12は、判断地点検出部11により検出された判断地点と、自車位置検出装置200により検出された現在位置とを比較して、ユーザが判断地点を通過するタイミングを判断する。このタイミングは、ユーザの現在位置から判断地点までの経路長(走行距離)、および自車両の平均走行速度に基づいて判断される。VICS等の渋滞情報その他の交通情報を考慮した平均速度に基づいてタイミングを判断してもよい。
【0015】
「経路走行負荷算出手段20」は、経路算出手段10により算出された複数の経路について各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する。経路走行負荷は、ユーザが誘導経路を通過するために要する時間的負荷、精神的負荷、労力的負荷、金銭的負荷などの観点から任意に定義することができる。第1実施形態では、誘導経路を通過するのに要する通過所要時間を経路走行負荷として定義した。
【0016】
「負荷判断手段30」は、経路走行負荷算出手段20により算出された経路走行負荷の差の絶対値を算出し、当該算出した経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断する。第1の所定値は適宜定義することができる。また、本実施形態の負荷判断手段30は、経路走行負荷算出手段20により算出された経路走行負荷の差の絶対値を算出し、当該算出した経路走行負荷の差が予め設定された第2の所定値以上であるか否かを判断する。第2の所定値は適宜定義することができる。第1の所定値と第2の所定値とは異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。本実施形態では第1の所定値と第2の所定値とを同じ値に設定した。
【0017】
「経路選択手段40」は、選択肢提示指令出力部41と、選択指令受付部42と、指定経路選択部43とを有し、負荷判断手段30が経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、分岐地点において分岐する複数の誘導経路の中から、ユーザの意思に基づいて誘導経路を選択する。これは、通過所要時間などの経路走行負荷の差が小さい場合、ユーザは経路走行負荷の大小の観点からだけではなく、ユーザ自身の嗜好、ユーザ自身の状況、ユーザ自身の都合などによって自らの意思で選択したいと希望する傾向が強いとの観点に基づく処理である。具体的に、選択肢提示指令出力部41は、経路走行負荷に係る各誘導経路、すなわち分岐地点において分岐する誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示する指令を提示手段50へ送出する。提示手段であるディスプレイ50は分岐地点において分岐する誘導経路を提示する。選択指令受付部42は、装置外部に設けられた入力デバイス400を介してユーザの選択命令を受け付ける。ユーザから受け付ける選択命令は、提示した選択候補の中から特定の誘導経路を選択する旨の命令である。指定経路選択部43は、入力デバイス400に入力されたユーザの選択命令に基づいて複数の誘導経路から一の誘導経路を選択する。
【0018】
また、「経路選択手段40」は自動選択部44を有する。自動選択部44は、負荷判断手段30が経路走行負荷の差が予め設定された第2の所定値以上であると判断した場合、分岐地点において分岐する複数の誘導経路の中から、経路走行負荷が最も小さいと評価できる(負荷が軽いと評価できる)誘導経路を自動的に選択する。これは、通過所要時間などの経路走行負荷の差が大きい場合、ユーザは経路走行負荷が小さいと評価できる経路を最も優先し、ユーザ自身にとって経路走行負荷が最も小さいと評価できる経路を装置に自動的に選択させたいと希望する傾向が強いとの観点に基づく処理である。
【0019】
本処理における経路走行負荷が小さいと評価される基準は、経路走行負荷ごとにそれぞれ定義することが好ましい。つまり、経路走行負荷の値が大きい場合に、経路走行における負荷が小さいと評価するか、経路走行負荷の値が小さい場合に、経路走行における負荷が小さいと評価するかを予め定義しておくことが好ましい。経路走行負荷の「値」の大小とユーザが評価する負荷の大小(軽重)とは、必ずしも一致するものではないからである。
【0020】
「提示手段50」は、経路選択手段40により選択された経路に係る情報をユーザへ向けて提示する。本実施形態の提示手段50は画像情報を提示するディスプレイである。
【0021】
本実施形態のナビゲーション装置100の動作を、図2〜図5に基づいて説明する。図2はナビゲーション装置100の動作手順を示すフローチャート図である。
【0022】
まず、経路探索手段10は、自車位置検出装置200から取得した自車両の現在位置と、ユーザ側から入力された目的地とに基づいて、地図データベース300の地図情報を参照して、現在位置又は移動が予測される将来のユーザ位置から目的地までの誘導経路を算出する(S1)。算出された誘導経路が複数あるか否かを判断する(S2)。判断地点検出部11は、1の経路が複数の誘導経路へ分岐する分岐地点のうち最も現在位置に近い分岐地点から所定距離手前(現在位置側)の所定の地点を判断地点として検出する。また、タイミング判断部12は、自車両の現在位置を継続的に取得し、判断地点に接近する自車両Pが判断地点を通過するタイミングを検出する(S3)。
【0023】
判断地点を通過するタイミングにおいて(S3でY)、経路走行負荷算出手段20は各誘導経路の経路走行負荷の算出を行う(S4)。負荷判断手段30は、S4において算出された経路走行負荷の差の絶対値を算出する(S5)。負荷判断手段30は、算出した経路走行負荷の差が第1の所定値未満であるか否かを判断する(S6)。本例では第1の所定値と第2の所定値とは同じ値であるから、第2の所定値以上であるか否かを判断してもよい。負荷判断手段30が経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合(S6でY)、S7へ進む。経路選択手段40の選択肢提示指令出力部41は、この第1の所定値未満の経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてディスプレイ50を介してユーザに提示する(S7)。選択命令受付部42は、入力デバイス400を介して入力されたユーザからの選択命令を受け付ける(S8)。指定経路選択部43は、受け付けたユーザの選択指令に基づいて提示した複数の誘導経路から一の誘導経路を選択する(S9)。提示手段50は、誘導経路を案内する案内情報を編集し(S10)、誘導経路情報を提示する(S11)。
【0024】
ステップ6に戻り、経路走行負荷値の差が第1の所定値未満ではない(第2の所定値以上)と判断した場合(S6でN)、自動選択部44は、S5にて差が算出された経路のうち、走行経路負荷が最も小さいと評価される経路を選択する(S12)。
【0025】
分岐する各誘導経路の経路走行負荷に有意な差がないとき、最速(通過時間の最も短い)ルートを選択するユーザもいれば、通過時間が少しかかっても運転し易い道路を選択するユーザもある。また、同じユーザであっても、そのときのユーザの状態、その場の状況に応じてユーザが選択する誘導経路が異なる場合もある。例えば、ユーザが所定時間に開始される会議のために目的地に向かう場合、経路Aと経路Bの通過時間に有意な差が無い場合、走行当初は少しでも早く目的地に到着するために少々運転し難くても最速でいける経路を選択する傾向があるが、途中で予定時間に間に合うという確信が得られれば、少し時間がかかっても運転がし易い道路を選択する傾向が見られる。このように、本実施形態では、各経路の経路走行負荷に有意な差がない場合、目的地へ向かうユーザは、ユーザの経験、嗜好、気分、状況などに基づいて個々具体的な経路の選択を希望するという点に着目し、経路走行負荷の差が所定値未満である場合にはユーザの意思を確認して、確認したユーザの意思に基づいて誘導経路を選択する。また、本実施形態では、各経路の経路走行負荷に有意な差がある場合、目的地へ向かうユーザは、経路走行負荷が低いと評価できる経路を選択する傾向が強いという点に着目し、経路走行負荷の差が所定値以上である場合にはユーザの意思を確認することなく経路走行負荷の軽重に基づいて自動的に誘導経路を選択する。本実施形態によれば、ユーザが個別具体的な判断をする場面においてはユーザの意思を尊重するとともに、ユーザが画一的な判断をする場面においてはユーザに代わって自動的に処理を行なうことができる。
【0026】
図3に示した経路を例にして本処理を説明する。経路算出手段10は、ユーザが現在位置から目的地に向かって走行する間に、現在地から目的地に至る2本の経路を算出する。特に限定されないが、本例では、「走行距離が最短の経路」と「到着時間が最速の経路」という異なる2つの条件に基づいて2本の経路を算出する。距離が最も短い(最短の)経路と距離が次に短い経路の2本を算出してもよい。同様に到達が最も速い経路と次に速い経路の2本を算出してもよい。図3は、経路算出手段10により算出された、現在位置、目的地、及び現在位置から目的地に至る複数の誘導経路を模式的に示す。図3に示すように自車両の現在位置から目的地に至る経路は、経路Aと経路Bとが存在し、自車両Pは現在位置から判断地点を経て分岐地点へ向かう。
【0027】
判断地点検出部11は、現在位置から目的地へ至る経路中に、算出した2本の経路が分岐する分岐地点及び判断地点を検出する。この分岐地点にユーザが接近しているかどうか判断する。具体的に、タイミング判断部12は分岐地点と所定の位置関係にある判断地点を通過するタイミングを判断する。
【0028】
ユーザが判断地点を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地までの経路走行負荷をそれぞれ算出する。本例の経路走行負荷は算出された各誘導経路を通過するのに要する通過所要時間である。その結果を図4(A)に示した。図4(A)に示すように、経路Aの経路走行負荷は30分であり、経路Bの経路走行負荷は35分である。ここでは、分岐地点から目的地までの誘導経路における経路走行負荷を対象としたが、分岐地点から次の分岐地点又は合流地点までの経路走行負荷であってもよい。
【0029】
負荷判断手段30は、経路Aの経路走行負荷と経路Bの経路走行負荷との差の絶対値を算出する。本例では|30−35|=5となる。本例では第1の所定値を10分と定義する。経路A及びBの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は5<10となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。この判断に基づき、経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路A及び経路Bの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図4(B)に示した。特に限定されないが、図4(B)に示すように、各経路の経路名称及び経路走行負荷に係る情報を編集して地図情報中に提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路A又は経路Bのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0030】
本実施形態では、走行所要時間(経路走行負荷)に有意差が無い場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、経路走行時間の差が所定時間(例えば10分)未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、走行所要時間に有意差が無い場合に限ってユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0031】
図3に関する他の経路の例を図5(A)及び(B)に示した。図5(A)に示すように、経路Aの経路走行負荷は30分であり、経路Bの経路走行負荷は50分となった場合、負荷判断手段30は、経路Aの経路走行負荷と経路Bの経路走行負荷との差の絶対値を算出する。本例では|30−50|=20となる。本例においては第1の所定値を10分と定義する(第2の所定値として定義してもよい)。経路A及びBの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は20≧10となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。本装置においては、経路走行負荷である走行所要時間に所定時間(例えば10分)以上の差がある場合、各経路の通過時間の差はあきらかであり、ユーザは走行経路負荷に基づく自動的な経路選択を希望すると推測する。この判断に基づき経路選択手段40は、自動的に経路走行負荷のより小さいと評価される経路Aを選択し、経路Aに関する情報をユーザに向けて提示する。この提示例を図5(B)に示した。
【0032】
本実施形態では、走行所要時間(経路走行負荷)に有意差がある場合、ユーザは走行所要時間の短い経路又は走行所要時間の長い経路のいずれか一方が自動的に選択されることを希望するという観点から、経路走行時間の差が所定時間(例えば10分)以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、走行所要時間に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0033】
<第2実施形態>
第2実施形態を図6〜図8に基づいて説明する。本実施形態は、経路走行負荷が所定形状の道路の存在比率である点を特徴とし、所定形状の道路の存在比率の差に応じた手法により経路を選択する。経路走行負荷の内容が異なる点以外は第1実施形態と共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
【0034】
図6に示すように、経路算出手段10は現在地から目的地に至る経路Cと経路Dとを算出する。経路Cと経路Dは、所定形状の道路を含む経路である。本実施形態の「所定形状の道路」は所定の曲率以上のカーブを有する道路(誘導経路の一部)である。「所定形状の道路の存在比率」は誘導経路の全長に対する、所定の形状の道路の長さである。「所定形状の道路の存在比率」の算出手法は特に限定されないが、本例では、誘導経路上の所定曲率以上のカーブの長さを全て足した値を、経路の全体の長さで除したものとした。例えば、誘導経路に3kmのカーブ形状道路、2kmの直進道路、さらに5kmのカーブ道路が含まれている場合、誘導経路上のカーブの長さを全て足した値は(3+5)=8kmであり、誘導経路の全体の長さは(3+2+5)=10kmである。したがって、本例における「カーブ(所定形状の道路)の存在比率」は8/10=0.8となる。
【0035】
ユーザが判断地点(分岐地点から経路に沿って現在位置方向に600mの位置)を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地までの所定形状の道路の存在比率をそれぞれ算出する。
【0036】
図7(A)に示した例において、経路Cの所定カーブの存在比率は0.8であり、経路Dの所定カーブの存在比率は0.05である。負荷判断手段30は、経路Cの所定カーブの存在比率と経路Dの所定カーブの存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.05−0.8|=0.75となる。本例では第1の所定値(第2の所定値として定義してもよい)を0.1と定義する。経路C及びDの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.75≧0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。経路選択手段40は、所定カーブの存在比率の低い経路Dを経路走行負荷が低い経路と評価し、自動的に選択する。ここで、経路走行負荷が小さいという意義は、本装置を利用するユーザを基準として定義することが好ましい。走行に関する負荷の評価は絶対的なものではなくユーザによって異なる場合があるからである。たとえば、車両を運転するにあたり、カーブの多い道路の運転の方が、カーブの少ない道路の運転よりも得意又は楽しいと感じるユーザもおり、坂道が多い道路の方が、坂道が少ない道路の運転よりも得意又は楽しいと感じるユーザもいる。したがって、経路走行負荷の高低を評価するにあたっては、ユーザごとに予め設定することが好ましい。また、第1の所定値及び第2の所定値についても、各ユーザの嗜好又は運転技術を考慮して、ユーザごとに設定することが好ましい。ディスプレイ50は図7(B)に示すように選択された経路Dの名称を含む、編集された地図情報をユーザにむけて提示する。
【0037】
本実施形態では、所定形状の道路の存在比率に有意差がある場合、ユーザは所定形状の道路の存在比率の低い経路が自動的に選択されることを希望するという観点から、所定形状の道路の存在比率の差が所定割合以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、所定形状の道路の存在比率に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0038】
ちなみに、本実施形態では、経路走行負荷を所定の道路種別の道路の存在比率としてもよい。「道路種別」は高速道路、有料道路、国道、県道、又は細街路などの区分である。「所定の道路種別の存在比率」は誘導経路の全長に対する、所定の区分に属する道路の長さである。「所定の道路種別の存在比率」の算出手法は特に限定されないが、本例では、誘導経路上の高速道路又は有料道路(所定の道路種別)の長さを全て足した値を、経路の全体の長さで除したものとした。以下、「所定形状の道路の存在比率」を例に説明するが、「所定形状の道路の存在比率」に代えて「所定の道路種別の存在比率」を適用することも可能である。道路種別の内容及び経路走行負荷が小さいか否かの基準はユーザごとに定義されることが好ましい。車両を運転するにあたり、高速道路、有料道路、国道などの道路種別に属する道路で運転したいと希望するユーザもおり、市街地の細街路に属する道路で運転したいと希望する感じるユーザもいるからである。
【0039】
図8(A)に示した例では、経路Cの所定カーブの割合は0.8であり、経路Dの所定カーブの存在比率は0.85である。負荷判断手段30は、経路Cの所定カーブの存在比率と経路Dの所定カーブの存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.85−0.8|=0.05となる。本例では第1の所定値を0.1と定義した。
【0040】
経路C及びDの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.05<0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路C及び経路Dの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図8(B)に示した。特に限定されないが、図8(B)に示すように、各経路の経路名称及び各経路の周辺地域を示す情報を提示することが好ましい。経路Cと経路Dのカーブの存在率が同じくらいある場合、ユーザは、景色、走行経験の有無などに基づいて誘導経路を選択することが予測されるため、誘導経路の選択肢を提示する際には、道路名称、方面情報、山又は海などの地形情報を提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路C又は経路Dのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0041】
本実施形態では、所定形状の道路の存在比率(経路走行負荷)又は所定種別の道路の存在比率に有意差が無い場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、経路走行時間の差が所定割合未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、経路走行負荷に有意差が無い場合に限ってユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態を図9〜図11に基づいて説明する。本実施形態は、経路走行負荷が所定道路形状の存在比率、具体的には所定勾配以上の坂道の存在比率である点を特徴とし、所定勾配以上の坂道の存在比率の差に応じた手法により経路を選択する。この点以外は第2実施形態と共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
【0043】
図9に示すように、経路算出手段10は現在地から目的地に至る経路Eと経路Fとを算出する。経路Eと経路Fは、所定の勾配以上の坂道を有する道路形状である。
【0044】
ユーザが判断地点(分岐地点から経路に沿って現在位置方向に600mの位置)を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地までの所定形状の道路の存在比率をそれぞれ算出する。「所定形状の道路の存在比率」の算出手法は特に限定されないが、誘導経路上の所定勾配以上の坂道の長さを全て足した値を、経路の全体の長さで除したものとした。例えば、誘導経路に4km坂道、2kmの直進道路、さらに8km坂道が含まれている場合、誘導経路上の坂道の長さを全て足した値は(4+8)=12kmであり、誘導経路全体の長さは(4+2+8)=14kmである。したがって、本例における「坂道(所定形状の道路)の存在比率」は12/14=0.86となる。図10(A)に示した例において、経路Eの所定坂道の存在比率は0.3であり、経路Fの所定坂道の存在比率は0である。
【0045】
負荷判断手段30は、経路Eの所定坂道の存在比率と経路Fの所定坂道の存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.3−0|=0.3となる。本例では第1の所定値を0.1と定義した。したがって経路E及びFの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.3≧0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。経路選択手段40は各誘導経路のうち経路走行負荷が最も小さい誘導経路を選択する。本例においては、坂道の運転を得意とし又は坂道の運転を好むユーザを基準として経路走行負荷の大小を定義する。つまり、本例においては、坂道の存在比率の高い経路を経路走行負荷が小さい(運転時の負荷が低い)と評価し、坂道の存在比率の低い方を経路走行負荷が高いと評価する。したがって、経路選択手段40は、このような評価基準の下で所定坂道の存在比率の高い経路Eを自動的に選択する。ディスプレイ50は図10(B)に示すように選択された経路Eの名称を提示する。
【0046】
本実施形態では、複数の経路に所定形状の道路の存在比率(経路走行負荷)に有意差がある場合、ユーザは所定形状の道路の存在比率が高い又は低い経路が自動的に選択されることを希望する傾向があるという観点から、経路走行時間の差が所定割合以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、経路に所定形状の道路の存在比率に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0047】
図11(A)に示した例では、経路Eの所定坂道の割合は0.3であり、経路Fの所定坂道の存在比率は0.35である。負荷判断手段30は、経路Eの所定坂道の存在比率と経路Dの所定坂道の存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.35−0.3|=0.05となる。本例では第1の所定値を0.1と定義した。したがって、経路E及びFの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.05<0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路E及び経路Fの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図11(B)に示した。特に限定されないが、図11(B)に示すように、各経路の経路名称及び各経路の周辺地域を示す情報を提示することが好ましい。経路Eと経路Fのカーブの存在率が同じくらいある場合、ユーザは、景色、走行経験の有無などに基づいて誘導経路を選択することが予測されるため、誘導経路の選択肢を提示する際には、道路名称、方面情報、山又は海などの地形情報を提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路E又は経路Fのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0048】
本実施形態では、所定形状の道路の存在比率に有意差がない場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、所定形状の道路の存在比率の差が所定割合未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、所定形状の道路の存在比率に有意差が無い場合に限って、ユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0049】
<第4実施形態>
第4実施形態を図12〜図16に基づいて説明する。本実施形態は、経路走行負荷が誘導経路を通過するのに要する料金である点を特徴とし、所要料金の金額の差に応じた手法により経路を選択する。この点以外は第1実施形態と共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
【0050】
図12に示すように、経路算出手段10は現在地から目的地に至る経路Gと経路Hとを算出する。経路Gと経路Hは、有料道路を含む。
【0051】
ユーザが判断地点(分岐地点から経路に沿って現在位置方向に600mの位置)を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地に至るまでに要する料金をそれぞれ算出する。図13(A)に示した例において、経路Gの所要料金は2000円であり、経路Hの所要料金は0円である。
【0052】
負荷判断手段30は、経路Gの所要料金と経路Hの所要料金との差の絶対値を算出する。本例では|2000−0|=2000円となる。本例では第2の所定値を500円と定義した。したがって経路G及びHの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値(第2の所定値として定義してもよい)の関係は2000≧500となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。経路選択手段40は各誘導経路のうち経路走行負荷が最も小さい誘導経路を選択する。本例においては、高速道路などの有料道路を利用する方が運転の負荷が低く、かつ料金を支払うことについて負担ではないというユーザを基準として経路走行負荷の大小を定義する。つまり、本例においては、所要料金が高い経路を経路走行負荷が小さい(運転時の負荷が低い)と評価し、所要料金が低い方を経路走行負荷が高いと評価する。したがって、経路選択手段40は、このような評価基準の下で所要料金が高い経路Gを自動的に選択する。ディスプレイ50は図13(B)に示すように選択された経路Gの名称を提示する。もちろん、金銭的な走行負担を重視して所要料金の低い方を経路走行負荷が低いと評価してもよい。
【0053】
本実施形態では、所要料金に有意差がある場合、ユーザは所要料金の高い又は低い経路のいずれか一方が自動的に選択されることを希望するという観点から、所要料金の差が所定金額以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、所要料金に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0054】
図14(A)に示した例では、経路Gの所要料金は2000円であり、経路Hの所要料金は1800円である。負荷判断手段30は、経路Gの所要料金と経路Hの所要料金との差の絶対値を算出する。本例では|2000−1800|=200となる。本例では第1の所定値を500円と定義した。したがって、経路G及びHの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は200<500となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路G及び経路Hの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図14(B)に示した。特に限定されないが、図14(B)に示すように、各経路の所領料金、経路名称及び各経路の周辺地域を示す情報を提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路G又は経路Hのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0055】
本実施形態では、通過に要する所要料金の金額に有意差がない場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、所要料金の存在比率の差が所定割合未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、所定形状の道路の存在比率に有意差が無い場合に限って、ユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0056】
以上の第1実施形態から第4実施形態に説明した走行負荷は、単独又は組み合わせ手用いることができる。
【0057】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1実施形態のナビゲーション装置のブロック構成図である。
【図2】第1実施形態のナビゲーション装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【図3】第1実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図4】(A)は図3の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図5】(A)は図3の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図6】第2実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図7】(A)は図6の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図8】(A)は図6の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図9】第3実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図10】(A)は図9の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図11】(A)は図9の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図12】第4実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図13】(A)は図12の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図14】(A)は図12の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【符号の説明】
【0059】
100…ナビゲーション装置
10…経路算出手段
11…判断地点検出部11
12…タイミング判断部
20…経路走行負荷算出手段
30…負荷判断手段
40…経路選択手段
41…選択肢提示指令出力部
42…選択指令受付部
43…指定経路選択部
44…自動選択部
50…提示手段
200…自車位置検出装置
300…地図データベース
400…入力デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び経路案内方法に関し、特に、現在地から目的地に至る経路が複数存在する場合、ユーザの操作負担を増加させることなくユーザの意思を反映させた経路を選択する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同じ目的地へ至る経路が複数ある場合に、経路を自動的に選択するナビゲーション装置がある。この種の装置に関し、登録地近傍で使用者が利用する道路を予め記憶し、所定の条件下において所定の推奨経路(登録地近傍にいる使用者が通常良く使う道路を含めた推奨経路)を提示する装置(特許文献1参照)が知られている。
【0003】
また、同じ目的地へ至る経路が複数ある場合に、経路をユーザに選択させるナビゲーション装置がある。この種の装置に関し、所定の条件下において所定の推奨経路(過去に走行した走行経路)を併せて表示する装置(特許文献2参照)が知られている。これら従来の装置によれば、所定条件下において所定の経路を自動的に提示することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、現在位置から目的地に至る経路として経路A及び経路Bがある場合、経路A及びBの走行時間に有意差が無く、他の要因に基づいて選択可能な状況であっても自動的に経路が選択されてしまうため、状況に応じたユーザの意図を反映させる余地がないという不都合があった。また、特許文献2の装置では、経路A及びBの走行時間に大きな差があるなど、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザに選択肢を示して判断を要求するため、ユーザに煩わしさを与えるという不都合があった。
【特許文献1】特開平09−287972号公報
【特許文献2】特開平08−082527号公報
【発明の開示】
【0005】
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、目的地に至る経路が複数存在する場合において、ユーザの操作負担を増加させることなく、ユーザの意図を反映させた経路を選択することを目的とする。
【0006】
本発明によれば、ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来の位置から目的地までの誘導経路を算出し、誘導経路が複数算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出し、算出された経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断し、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、当該経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示し、選択候補から1の誘導経路を選択するユーザの選択命令を受け付け、受け付けたユーザの選択命令に基づいて複数の誘導経路から一の誘導経路を選択し、選択された誘導経路を提示するナビゲーション装置及び経路案内方法が提供される。
【0007】
本発明では、所定の観点から各経路の走行負荷を評価し、その評価の差に応じて自動的に経路を選択し又はユーザの意図を受け付けるため、ユーザに煩わしさを与えることなく、状況に応じて変化するユーザの意図を反映させた経路を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置100を説明する。ナビゲーション装置100は、ユーザが搭乗する車両に搭載され、ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来のユーザの位置から目的までの誘導経路を算出し、最適な経路を選択し、選択した経路をユーザに向けて提示する。
【0009】
図1に本実施形態のナビゲーション装置100の構成を示した。図1に示すように、自車位置検出装置200と地図データベース300とを有する。本例ではナビゲーション装置100内部にこれらを設けたが、有線又は無線の車載LAN等で通信可能なように接続し、情報の授受が可能であれば物理的に分割して設けてもよい。
【0010】
本実施形態のナビゲーション装置100は、現在地点から目的地に至る経路が複数算出された場合における経路決定手法に特徴を有し、経路探索手段10と、経路走行負荷算出手段20と、負荷判断手段30と、経路選択手段40と、提示手段50とを有する。具体的に、経路を探索し、経路走行負荷を算出し、負荷に基づいて経路を選択するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)等と、このROM等に格納されたプログラムを実行することで、経路探索手段10、経路走行負荷算出手段20、負荷判断手段30、及び経路選択手段40として機能するCPU(Central Processing Unit)等と、アクセス可能な記憶手段として機能するRAM(Random Access Memory)等とを備えている。以下、図1に示した各構成について説明する。
【0011】
「自車位置検出装置200」は、GPS機能(Global Positioning System)、自律航法等を利用して自車両の位置及び自車両の走行方向を検出する。
【0012】
「地図データベース300」は、ノード、リンクなどの道路情報を含み、誘導経路の算出に用いられる電子地図データを、経路探索手段10がアクセス可能なように記憶する。
【0013】
「経路探索手段10」は、現在のユーザの位置又は移動が予測される将来のユーザ位置から目的地までの誘導経路を算出する。経路探索の手法は特に限定されず、出願時において利用可能な手法を用いることができる。
【0014】
本実施形態の経路算出手段10は、判断地点検出部11と、タイミング判断部12とを有する。本実施形態の判断地点検出部11は、まず、算出された複数の誘導経路の分岐地点を検出する。ユーザの現在地点から目的地までの経路が複数検出された場合、これら複数の経路は現在位置から目的地までの経路上に存在するいずれかの分岐地点において分岐する。1の分岐地点においては2又は3以上の誘導経路が分岐するため、2つの経路が算出された場合は1つの分岐地点を検出し、n本の経路が算出された場合は、n−1以下の分岐地点を検出する。各経路に関する情報は、分岐地点より手前(自車両側)において提示されることが好ましい。判断地点検出部11は経路の選択を行なうのに適したタイミングを地点により定義する。具体的に、本実施形態の判断地点検出部11は、算出された複数の誘導経路の分岐地点のうちユーザの現在位置に最も近い分岐地点と所定の位置関係にある所定の地点を判断地点として検出する。分岐地点と判断地点との位置関係は特に限定されないが、判断地点から分岐地点に至る間に、経路の選択処理を行ない、選択した経路をユーザに提示し、提示された経路をユーザが認識することができる時間に基づいて定義することが好ましい。判断地点を定義するにあたり、分岐地点から判断地点へ至る経路(道路)の車両走行平均速度、交通事情等を参照してことが好ましい。本例では、分岐地点から自車両の現在位置方向に経路を辿って600m離隔した地点を判断地点とした。本実施形態のタイミング判断部12は、判断地点検出部11により検出された判断地点と、自車位置検出装置200により検出された現在位置とを比較して、ユーザが判断地点を通過するタイミングを判断する。このタイミングは、ユーザの現在位置から判断地点までの経路長(走行距離)、および自車両の平均走行速度に基づいて判断される。VICS等の渋滞情報その他の交通情報を考慮した平均速度に基づいてタイミングを判断してもよい。
【0015】
「経路走行負荷算出手段20」は、経路算出手段10により算出された複数の経路について各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する。経路走行負荷は、ユーザが誘導経路を通過するために要する時間的負荷、精神的負荷、労力的負荷、金銭的負荷などの観点から任意に定義することができる。第1実施形態では、誘導経路を通過するのに要する通過所要時間を経路走行負荷として定義した。
【0016】
「負荷判断手段30」は、経路走行負荷算出手段20により算出された経路走行負荷の差の絶対値を算出し、当該算出した経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断する。第1の所定値は適宜定義することができる。また、本実施形態の負荷判断手段30は、経路走行負荷算出手段20により算出された経路走行負荷の差の絶対値を算出し、当該算出した経路走行負荷の差が予め設定された第2の所定値以上であるか否かを判断する。第2の所定値は適宜定義することができる。第1の所定値と第2の所定値とは異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。本実施形態では第1の所定値と第2の所定値とを同じ値に設定した。
【0017】
「経路選択手段40」は、選択肢提示指令出力部41と、選択指令受付部42と、指定経路選択部43とを有し、負荷判断手段30が経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、分岐地点において分岐する複数の誘導経路の中から、ユーザの意思に基づいて誘導経路を選択する。これは、通過所要時間などの経路走行負荷の差が小さい場合、ユーザは経路走行負荷の大小の観点からだけではなく、ユーザ自身の嗜好、ユーザ自身の状況、ユーザ自身の都合などによって自らの意思で選択したいと希望する傾向が強いとの観点に基づく処理である。具体的に、選択肢提示指令出力部41は、経路走行負荷に係る各誘導経路、すなわち分岐地点において分岐する誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示する指令を提示手段50へ送出する。提示手段であるディスプレイ50は分岐地点において分岐する誘導経路を提示する。選択指令受付部42は、装置外部に設けられた入力デバイス400を介してユーザの選択命令を受け付ける。ユーザから受け付ける選択命令は、提示した選択候補の中から特定の誘導経路を選択する旨の命令である。指定経路選択部43は、入力デバイス400に入力されたユーザの選択命令に基づいて複数の誘導経路から一の誘導経路を選択する。
【0018】
また、「経路選択手段40」は自動選択部44を有する。自動選択部44は、負荷判断手段30が経路走行負荷の差が予め設定された第2の所定値以上であると判断した場合、分岐地点において分岐する複数の誘導経路の中から、経路走行負荷が最も小さいと評価できる(負荷が軽いと評価できる)誘導経路を自動的に選択する。これは、通過所要時間などの経路走行負荷の差が大きい場合、ユーザは経路走行負荷が小さいと評価できる経路を最も優先し、ユーザ自身にとって経路走行負荷が最も小さいと評価できる経路を装置に自動的に選択させたいと希望する傾向が強いとの観点に基づく処理である。
【0019】
本処理における経路走行負荷が小さいと評価される基準は、経路走行負荷ごとにそれぞれ定義することが好ましい。つまり、経路走行負荷の値が大きい場合に、経路走行における負荷が小さいと評価するか、経路走行負荷の値が小さい場合に、経路走行における負荷が小さいと評価するかを予め定義しておくことが好ましい。経路走行負荷の「値」の大小とユーザが評価する負荷の大小(軽重)とは、必ずしも一致するものではないからである。
【0020】
「提示手段50」は、経路選択手段40により選択された経路に係る情報をユーザへ向けて提示する。本実施形態の提示手段50は画像情報を提示するディスプレイである。
【0021】
本実施形態のナビゲーション装置100の動作を、図2〜図5に基づいて説明する。図2はナビゲーション装置100の動作手順を示すフローチャート図である。
【0022】
まず、経路探索手段10は、自車位置検出装置200から取得した自車両の現在位置と、ユーザ側から入力された目的地とに基づいて、地図データベース300の地図情報を参照して、現在位置又は移動が予測される将来のユーザ位置から目的地までの誘導経路を算出する(S1)。算出された誘導経路が複数あるか否かを判断する(S2)。判断地点検出部11は、1の経路が複数の誘導経路へ分岐する分岐地点のうち最も現在位置に近い分岐地点から所定距離手前(現在位置側)の所定の地点を判断地点として検出する。また、タイミング判断部12は、自車両の現在位置を継続的に取得し、判断地点に接近する自車両Pが判断地点を通過するタイミングを検出する(S3)。
【0023】
判断地点を通過するタイミングにおいて(S3でY)、経路走行負荷算出手段20は各誘導経路の経路走行負荷の算出を行う(S4)。負荷判断手段30は、S4において算出された経路走行負荷の差の絶対値を算出する(S5)。負荷判断手段30は、算出した経路走行負荷の差が第1の所定値未満であるか否かを判断する(S6)。本例では第1の所定値と第2の所定値とは同じ値であるから、第2の所定値以上であるか否かを判断してもよい。負荷判断手段30が経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合(S6でY)、S7へ進む。経路選択手段40の選択肢提示指令出力部41は、この第1の所定値未満の経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてディスプレイ50を介してユーザに提示する(S7)。選択命令受付部42は、入力デバイス400を介して入力されたユーザからの選択命令を受け付ける(S8)。指定経路選択部43は、受け付けたユーザの選択指令に基づいて提示した複数の誘導経路から一の誘導経路を選択する(S9)。提示手段50は、誘導経路を案内する案内情報を編集し(S10)、誘導経路情報を提示する(S11)。
【0024】
ステップ6に戻り、経路走行負荷値の差が第1の所定値未満ではない(第2の所定値以上)と判断した場合(S6でN)、自動選択部44は、S5にて差が算出された経路のうち、走行経路負荷が最も小さいと評価される経路を選択する(S12)。
【0025】
分岐する各誘導経路の経路走行負荷に有意な差がないとき、最速(通過時間の最も短い)ルートを選択するユーザもいれば、通過時間が少しかかっても運転し易い道路を選択するユーザもある。また、同じユーザであっても、そのときのユーザの状態、その場の状況に応じてユーザが選択する誘導経路が異なる場合もある。例えば、ユーザが所定時間に開始される会議のために目的地に向かう場合、経路Aと経路Bの通過時間に有意な差が無い場合、走行当初は少しでも早く目的地に到着するために少々運転し難くても最速でいける経路を選択する傾向があるが、途中で予定時間に間に合うという確信が得られれば、少し時間がかかっても運転がし易い道路を選択する傾向が見られる。このように、本実施形態では、各経路の経路走行負荷に有意な差がない場合、目的地へ向かうユーザは、ユーザの経験、嗜好、気分、状況などに基づいて個々具体的な経路の選択を希望するという点に着目し、経路走行負荷の差が所定値未満である場合にはユーザの意思を確認して、確認したユーザの意思に基づいて誘導経路を選択する。また、本実施形態では、各経路の経路走行負荷に有意な差がある場合、目的地へ向かうユーザは、経路走行負荷が低いと評価できる経路を選択する傾向が強いという点に着目し、経路走行負荷の差が所定値以上である場合にはユーザの意思を確認することなく経路走行負荷の軽重に基づいて自動的に誘導経路を選択する。本実施形態によれば、ユーザが個別具体的な判断をする場面においてはユーザの意思を尊重するとともに、ユーザが画一的な判断をする場面においてはユーザに代わって自動的に処理を行なうことができる。
【0026】
図3に示した経路を例にして本処理を説明する。経路算出手段10は、ユーザが現在位置から目的地に向かって走行する間に、現在地から目的地に至る2本の経路を算出する。特に限定されないが、本例では、「走行距離が最短の経路」と「到着時間が最速の経路」という異なる2つの条件に基づいて2本の経路を算出する。距離が最も短い(最短の)経路と距離が次に短い経路の2本を算出してもよい。同様に到達が最も速い経路と次に速い経路の2本を算出してもよい。図3は、経路算出手段10により算出された、現在位置、目的地、及び現在位置から目的地に至る複数の誘導経路を模式的に示す。図3に示すように自車両の現在位置から目的地に至る経路は、経路Aと経路Bとが存在し、自車両Pは現在位置から判断地点を経て分岐地点へ向かう。
【0027】
判断地点検出部11は、現在位置から目的地へ至る経路中に、算出した2本の経路が分岐する分岐地点及び判断地点を検出する。この分岐地点にユーザが接近しているかどうか判断する。具体的に、タイミング判断部12は分岐地点と所定の位置関係にある判断地点を通過するタイミングを判断する。
【0028】
ユーザが判断地点を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地までの経路走行負荷をそれぞれ算出する。本例の経路走行負荷は算出された各誘導経路を通過するのに要する通過所要時間である。その結果を図4(A)に示した。図4(A)に示すように、経路Aの経路走行負荷は30分であり、経路Bの経路走行負荷は35分である。ここでは、分岐地点から目的地までの誘導経路における経路走行負荷を対象としたが、分岐地点から次の分岐地点又は合流地点までの経路走行負荷であってもよい。
【0029】
負荷判断手段30は、経路Aの経路走行負荷と経路Bの経路走行負荷との差の絶対値を算出する。本例では|30−35|=5となる。本例では第1の所定値を10分と定義する。経路A及びBの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は5<10となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。この判断に基づき、経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路A及び経路Bの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図4(B)に示した。特に限定されないが、図4(B)に示すように、各経路の経路名称及び経路走行負荷に係る情報を編集して地図情報中に提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路A又は経路Bのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0030】
本実施形態では、走行所要時間(経路走行負荷)に有意差が無い場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、経路走行時間の差が所定時間(例えば10分)未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、走行所要時間に有意差が無い場合に限ってユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0031】
図3に関する他の経路の例を図5(A)及び(B)に示した。図5(A)に示すように、経路Aの経路走行負荷は30分であり、経路Bの経路走行負荷は50分となった場合、負荷判断手段30は、経路Aの経路走行負荷と経路Bの経路走行負荷との差の絶対値を算出する。本例では|30−50|=20となる。本例においては第1の所定値を10分と定義する(第2の所定値として定義してもよい)。経路A及びBの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は20≧10となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。本装置においては、経路走行負荷である走行所要時間に所定時間(例えば10分)以上の差がある場合、各経路の通過時間の差はあきらかであり、ユーザは走行経路負荷に基づく自動的な経路選択を希望すると推測する。この判断に基づき経路選択手段40は、自動的に経路走行負荷のより小さいと評価される経路Aを選択し、経路Aに関する情報をユーザに向けて提示する。この提示例を図5(B)に示した。
【0032】
本実施形態では、走行所要時間(経路走行負荷)に有意差がある場合、ユーザは走行所要時間の短い経路又は走行所要時間の長い経路のいずれか一方が自動的に選択されることを希望するという観点から、経路走行時間の差が所定時間(例えば10分)以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、走行所要時間に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0033】
<第2実施形態>
第2実施形態を図6〜図8に基づいて説明する。本実施形態は、経路走行負荷が所定形状の道路の存在比率である点を特徴とし、所定形状の道路の存在比率の差に応じた手法により経路を選択する。経路走行負荷の内容が異なる点以外は第1実施形態と共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
【0034】
図6に示すように、経路算出手段10は現在地から目的地に至る経路Cと経路Dとを算出する。経路Cと経路Dは、所定形状の道路を含む経路である。本実施形態の「所定形状の道路」は所定の曲率以上のカーブを有する道路(誘導経路の一部)である。「所定形状の道路の存在比率」は誘導経路の全長に対する、所定の形状の道路の長さである。「所定形状の道路の存在比率」の算出手法は特に限定されないが、本例では、誘導経路上の所定曲率以上のカーブの長さを全て足した値を、経路の全体の長さで除したものとした。例えば、誘導経路に3kmのカーブ形状道路、2kmの直進道路、さらに5kmのカーブ道路が含まれている場合、誘導経路上のカーブの長さを全て足した値は(3+5)=8kmであり、誘導経路の全体の長さは(3+2+5)=10kmである。したがって、本例における「カーブ(所定形状の道路)の存在比率」は8/10=0.8となる。
【0035】
ユーザが判断地点(分岐地点から経路に沿って現在位置方向に600mの位置)を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地までの所定形状の道路の存在比率をそれぞれ算出する。
【0036】
図7(A)に示した例において、経路Cの所定カーブの存在比率は0.8であり、経路Dの所定カーブの存在比率は0.05である。負荷判断手段30は、経路Cの所定カーブの存在比率と経路Dの所定カーブの存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.05−0.8|=0.75となる。本例では第1の所定値(第2の所定値として定義してもよい)を0.1と定義する。経路C及びDの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.75≧0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。経路選択手段40は、所定カーブの存在比率の低い経路Dを経路走行負荷が低い経路と評価し、自動的に選択する。ここで、経路走行負荷が小さいという意義は、本装置を利用するユーザを基準として定義することが好ましい。走行に関する負荷の評価は絶対的なものではなくユーザによって異なる場合があるからである。たとえば、車両を運転するにあたり、カーブの多い道路の運転の方が、カーブの少ない道路の運転よりも得意又は楽しいと感じるユーザもおり、坂道が多い道路の方が、坂道が少ない道路の運転よりも得意又は楽しいと感じるユーザもいる。したがって、経路走行負荷の高低を評価するにあたっては、ユーザごとに予め設定することが好ましい。また、第1の所定値及び第2の所定値についても、各ユーザの嗜好又は運転技術を考慮して、ユーザごとに設定することが好ましい。ディスプレイ50は図7(B)に示すように選択された経路Dの名称を含む、編集された地図情報をユーザにむけて提示する。
【0037】
本実施形態では、所定形状の道路の存在比率に有意差がある場合、ユーザは所定形状の道路の存在比率の低い経路が自動的に選択されることを希望するという観点から、所定形状の道路の存在比率の差が所定割合以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、所定形状の道路の存在比率に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0038】
ちなみに、本実施形態では、経路走行負荷を所定の道路種別の道路の存在比率としてもよい。「道路種別」は高速道路、有料道路、国道、県道、又は細街路などの区分である。「所定の道路種別の存在比率」は誘導経路の全長に対する、所定の区分に属する道路の長さである。「所定の道路種別の存在比率」の算出手法は特に限定されないが、本例では、誘導経路上の高速道路又は有料道路(所定の道路種別)の長さを全て足した値を、経路の全体の長さで除したものとした。以下、「所定形状の道路の存在比率」を例に説明するが、「所定形状の道路の存在比率」に代えて「所定の道路種別の存在比率」を適用することも可能である。道路種別の内容及び経路走行負荷が小さいか否かの基準はユーザごとに定義されることが好ましい。車両を運転するにあたり、高速道路、有料道路、国道などの道路種別に属する道路で運転したいと希望するユーザもおり、市街地の細街路に属する道路で運転したいと希望する感じるユーザもいるからである。
【0039】
図8(A)に示した例では、経路Cの所定カーブの割合は0.8であり、経路Dの所定カーブの存在比率は0.85である。負荷判断手段30は、経路Cの所定カーブの存在比率と経路Dの所定カーブの存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.85−0.8|=0.05となる。本例では第1の所定値を0.1と定義した。
【0040】
経路C及びDの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.05<0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路C及び経路Dの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図8(B)に示した。特に限定されないが、図8(B)に示すように、各経路の経路名称及び各経路の周辺地域を示す情報を提示することが好ましい。経路Cと経路Dのカーブの存在率が同じくらいある場合、ユーザは、景色、走行経験の有無などに基づいて誘導経路を選択することが予測されるため、誘導経路の選択肢を提示する際には、道路名称、方面情報、山又は海などの地形情報を提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路C又は経路Dのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0041】
本実施形態では、所定形状の道路の存在比率(経路走行負荷)又は所定種別の道路の存在比率に有意差が無い場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、経路走行時間の差が所定割合未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、経路走行負荷に有意差が無い場合に限ってユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態を図9〜図11に基づいて説明する。本実施形態は、経路走行負荷が所定道路形状の存在比率、具体的には所定勾配以上の坂道の存在比率である点を特徴とし、所定勾配以上の坂道の存在比率の差に応じた手法により経路を選択する。この点以外は第2実施形態と共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
【0043】
図9に示すように、経路算出手段10は現在地から目的地に至る経路Eと経路Fとを算出する。経路Eと経路Fは、所定の勾配以上の坂道を有する道路形状である。
【0044】
ユーザが判断地点(分岐地点から経路に沿って現在位置方向に600mの位置)を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地までの所定形状の道路の存在比率をそれぞれ算出する。「所定形状の道路の存在比率」の算出手法は特に限定されないが、誘導経路上の所定勾配以上の坂道の長さを全て足した値を、経路の全体の長さで除したものとした。例えば、誘導経路に4km坂道、2kmの直進道路、さらに8km坂道が含まれている場合、誘導経路上の坂道の長さを全て足した値は(4+8)=12kmであり、誘導経路全体の長さは(4+2+8)=14kmである。したがって、本例における「坂道(所定形状の道路)の存在比率」は12/14=0.86となる。図10(A)に示した例において、経路Eの所定坂道の存在比率は0.3であり、経路Fの所定坂道の存在比率は0である。
【0045】
負荷判断手段30は、経路Eの所定坂道の存在比率と経路Fの所定坂道の存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.3−0|=0.3となる。本例では第1の所定値を0.1と定義した。したがって経路E及びFの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.3≧0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。経路選択手段40は各誘導経路のうち経路走行負荷が最も小さい誘導経路を選択する。本例においては、坂道の運転を得意とし又は坂道の運転を好むユーザを基準として経路走行負荷の大小を定義する。つまり、本例においては、坂道の存在比率の高い経路を経路走行負荷が小さい(運転時の負荷が低い)と評価し、坂道の存在比率の低い方を経路走行負荷が高いと評価する。したがって、経路選択手段40は、このような評価基準の下で所定坂道の存在比率の高い経路Eを自動的に選択する。ディスプレイ50は図10(B)に示すように選択された経路Eの名称を提示する。
【0046】
本実施形態では、複数の経路に所定形状の道路の存在比率(経路走行負荷)に有意差がある場合、ユーザは所定形状の道路の存在比率が高い又は低い経路が自動的に選択されることを希望する傾向があるという観点から、経路走行時間の差が所定割合以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、経路に所定形状の道路の存在比率に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0047】
図11(A)に示した例では、経路Eの所定坂道の割合は0.3であり、経路Fの所定坂道の存在比率は0.35である。負荷判断手段30は、経路Eの所定坂道の存在比率と経路Dの所定坂道の存在比率との差の絶対値を算出する。本例では|0.35−0.3|=0.05となる。本例では第1の所定値を0.1と定義した。したがって、経路E及びFの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は0.05<0.1となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路E及び経路Fの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図11(B)に示した。特に限定されないが、図11(B)に示すように、各経路の経路名称及び各経路の周辺地域を示す情報を提示することが好ましい。経路Eと経路Fのカーブの存在率が同じくらいある場合、ユーザは、景色、走行経験の有無などに基づいて誘導経路を選択することが予測されるため、誘導経路の選択肢を提示する際には、道路名称、方面情報、山又は海などの地形情報を提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路E又は経路Fのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0048】
本実施形態では、所定形状の道路の存在比率に有意差がない場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、所定形状の道路の存在比率の差が所定割合未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、所定形状の道路の存在比率に有意差が無い場合に限って、ユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0049】
<第4実施形態>
第4実施形態を図12〜図16に基づいて説明する。本実施形態は、経路走行負荷が誘導経路を通過するのに要する料金である点を特徴とし、所要料金の金額の差に応じた手法により経路を選択する。この点以外は第1実施形態と共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
【0050】
図12に示すように、経路算出手段10は現在地から目的地に至る経路Gと経路Hとを算出する。経路Gと経路Hは、有料道路を含む。
【0051】
ユーザが判断地点(分岐地点から経路に沿って現在位置方向に600mの位置)を通過するタイミングにおいて、経路走行負荷算出手段20は、各誘導経路の分岐地点から目的地に至るまでに要する料金をそれぞれ算出する。図13(A)に示した例において、経路Gの所要料金は2000円であり、経路Hの所要料金は0円である。
【0052】
負荷判断手段30は、経路Gの所要料金と経路Hの所要料金との差の絶対値を算出する。本例では|2000−0|=2000円となる。本例では第2の所定値を500円と定義した。したがって経路G及びHの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値(第2の所定値として定義してもよい)の関係は2000≧500となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値以上であると判断する。経路選択手段40は各誘導経路のうち経路走行負荷が最も小さい誘導経路を選択する。本例においては、高速道路などの有料道路を利用する方が運転の負荷が低く、かつ料金を支払うことについて負担ではないというユーザを基準として経路走行負荷の大小を定義する。つまり、本例においては、所要料金が高い経路を経路走行負荷が小さい(運転時の負荷が低い)と評価し、所要料金が低い方を経路走行負荷が高いと評価する。したがって、経路選択手段40は、このような評価基準の下で所要料金が高い経路Gを自動的に選択する。ディスプレイ50は図13(B)に示すように選択された経路Gの名称を提示する。もちろん、金銭的な走行負担を重視して所要料金の低い方を経路走行負荷が低いと評価してもよい。
【0053】
本実施形態では、所要料金に有意差がある場合、ユーザは所要料金の高い又は低い経路のいずれか一方が自動的に選択されることを希望するという観点から、所要料金の差が所定金額以上である場合、ユーザの選択指令を待ち受けることなく、自動的又は画一的に経路を選択する。これにより、所要料金に有意差が有る場合に限って、自動的に経路を選択するため、ユーザの選択傾向が明らかな場合にまでユーザの意思確認をすることがなく、ユーザに煩わしさを与えない。
【0054】
図14(A)に示した例では、経路Gの所要料金は2000円であり、経路Hの所要料金は1800円である。負荷判断手段30は、経路Gの所要料金と経路Hの所要料金との差の絶対値を算出する。本例では|2000−1800|=200となる。本例では第1の所定値を500円と定義した。したがって、経路G及びHの経路走行負荷の絶対値差と第1の所定値の関係は200<500となる。負荷判断手段30は、経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断する。経路選択手段40は経路走行負荷の差に係る経路G及び経路Hの両方を選択候補としてユーザに向けて提示する。この提示例を図14(B)に示した。特に限定されないが、図14(B)に示すように、各経路の所領料金、経路名称及び各経路の周辺地域を示す情報を提示することが好ましい。ユーザはこの提示を見て経路G又は経路Hのいずれの経路を選択するか判断し、その選択命令を入力デバイス400に入力する。経路選択手段40は、ユーザからの選択命令受け付け、選択命令に基づいて経路を選択する。
【0055】
本実施形態では、通過に要する所要料金の金額に有意差がない場合、ユーザは経験、嗜好、気分、状況などに基づいて総合的な経路選択を希望するという観点から、所要料金の存在比率の差が所定割合未満である場合、自動的又は画一的に経路を選択せずに、ユーザの選択指令に基づいて選択を行なうようにした。これにより、所定形状の道路の存在比率に有意差が無い場合に限って、ユーザの意思を確認するため、ユーザに煩わしさを与えることなくユーザの希望を尊重することができる。
【0056】
以上の第1実施形態から第4実施形態に説明した走行負荷は、単独又は組み合わせ手用いることができる。
【0057】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1実施形態のナビゲーション装置のブロック構成図である。
【図2】第1実施形態のナビゲーション装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【図3】第1実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図4】(A)は図3の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図5】(A)は図3の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図6】第2実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図7】(A)は図6の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図8】(A)は図6の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図9】第3実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図10】(A)は図9の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図11】(A)は図9の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図12】第4実施形態のナビゲーション装置によって処理を受ける経路を説明するための図である。
【図13】(A)は図12の示す経路の一例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【図14】(A)は図12の示す経路の他の例を示す図、(B)は(A)に示す経路を案内するために表示された表示例である。
【符号の説明】
【0059】
100…ナビゲーション装置
10…経路算出手段
11…判断地点検出部11
12…タイミング判断部
20…経路走行負荷算出手段
30…負荷判断手段
40…経路選択手段
41…選択肢提示指令出力部
42…選択指令受付部
43…指定経路選択部
44…自動選択部
50…提示手段
200…自車位置検出装置
300…地図データベース
400…入力デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来の位置から目的地までの誘導経路を算出する経路算出手段と、
前記経路算出手段により複数の誘導経路が算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する経路走行負荷算出手段と、
前記経路走行負荷算出手段により算出された経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断する負荷判断手段と、
前記負荷判断手段が前記経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、当該経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示し、前記ユーザの選択命令を受け付けるとともに、当該受け付けたユーザの選択命令に基づいて前記複数の誘導経路から一の誘導経路を選択する経路選択手段と、
前記経路選択手段により選択された誘導経路を提示する提示手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記負荷判断手段は、前記経路走行負荷算出手段により算出された経路走行負荷の差が予め設定された第2の所定値以上であるか否かを判断し、
前記経路選択手段は、前記負荷判断手段が前記経路走行負荷の差が第2の所定値以上であると判断した場合、当該走行負荷の差に係る各誘導経路のうち経路走行負荷が最も小さいと評価される誘導経路を選択する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路算出手段は、算出した複数の誘導経路の分岐地点のうちユーザの現在位置に最も近い分岐地点と所定の位置関係にある所定の地点を判断地点として検出する判断地点検出部と、前記判断地点検出部により検出された判断地点を前記ユーザが通過するタイミングを判断するタイミング判断部と、を備え、
前記経路走行負荷算出手段は、前記タイミング判断部により判断されたタイミングにおいて、前記算出手段により算出された複数の各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路を通過するのに要する通過所要時間に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路における所定形状の道路の存在比率に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路における所定道路種別の道路の存在比率に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路を通過するのに要する料金に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来の位置から目的地までの誘導経路を算出するステップと、
前記誘導経路が複数算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出するステップと、
前記算出された経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断するステップと、
前記経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、当該経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示するステップと、
前記選択候補から1の誘導経路を選択するユーザの選択命令を受け付けるステップと、
当該受け付けたユーザの選択命令に基づいて前記複数の誘導経路から一の誘導経路を選択するステップと、
前記選択された誘導経路を提示するステップと、を有する経路案内方法。
【請求項1】
ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来の位置から目的地までの誘導経路を算出する経路算出手段と、
前記経路算出手段により複数の誘導経路が算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する経路走行負荷算出手段と、
前記経路走行負荷算出手段により算出された経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断する負荷判断手段と、
前記負荷判断手段が前記経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、当該経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示し、前記ユーザの選択命令を受け付けるとともに、当該受け付けたユーザの選択命令に基づいて前記複数の誘導経路から一の誘導経路を選択する経路選択手段と、
前記経路選択手段により選択された誘導経路を提示する提示手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記負荷判断手段は、前記経路走行負荷算出手段により算出された経路走行負荷の差が予め設定された第2の所定値以上であるか否かを判断し、
前記経路選択手段は、前記負荷判断手段が前記経路走行負荷の差が第2の所定値以上であると判断した場合、当該走行負荷の差に係る各誘導経路のうち経路走行負荷が最も小さいと評価される誘導経路を選択する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路算出手段は、算出した複数の誘導経路の分岐地点のうちユーザの現在位置に最も近い分岐地点と所定の位置関係にある所定の地点を判断地点として検出する判断地点検出部と、前記判断地点検出部により検出された判断地点を前記ユーザが通過するタイミングを判断するタイミング判断部と、を備え、
前記経路走行負荷算出手段は、前記タイミング判断部により判断されたタイミングにおいて、前記算出手段により算出された複数の各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路を通過するのに要する通過所要時間に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路における所定形状の道路の存在比率に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路における所定道路種別の道路の存在比率に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記経路走行負荷は、前記誘導経路を通過するのに要する料金に基づいて定義されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
ユーザの現在位置又はユーザの移動が予測される将来の位置から目的地までの誘導経路を算出するステップと、
前記誘導経路が複数算出された場合、各誘導経路の経路走行負荷をそれぞれ算出するステップと、
前記算出された経路走行負荷の差が予め設定された第1の所定値未満であるか否かを判断するステップと、
前記経路走行負荷の差が第1の所定値未満であると判断した場合、当該経路走行負荷の差に係る各誘導経路を選択候補としてユーザに向けて提示するステップと、
前記選択候補から1の誘導経路を選択するユーザの選択命令を受け付けるステップと、
当該受け付けたユーザの選択命令に基づいて前記複数の誘導経路から一の誘導経路を選択するステップと、
前記選択された誘導経路を提示するステップと、を有する経路案内方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−113964(P2007−113964A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303578(P2005−303578)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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