説明

ナビゲーション装置及び該装置における地点登録方法

【課題】常に目的地を適切に表わす撮影画像を登録することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るナビゲーション装置は、GPS処理回路2、カメラ6、ディスプレイ7、記憶装置8及び制御回路1を具えている。制御回路1は、目的地に到達するまでの地点及び目的地にてカメラ6によって撮影した複数枚の撮影画像を記憶装置8に格納すると共に、少なくとも目的地にてGPS処理回路2から得られる位置情報を記憶装置8に格納する。又、制御回路1は、前記複数枚の撮影画像の中から1枚の撮影画像を選択するための画像選択画面をディスプレイ7に表示した後、ユーザによる前記撮影画像の選択指示に応じて、記憶装置8から位置情報と前記選択された1枚の撮影画像とを読み出し、読み出した位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて記憶装置8に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置本体の現在位置を検出する位置検出手段から得られた位置情報と撮像手段によって撮影された画像とを互いに関連付けて登録する地点登録が可能なナビゲーション装置及び該装置における地点登録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の現在位置を検出する位置検出回路と自動車に配備されたカメラとを具え、位置検出回路から得られた位置情報とカメラによって撮影された画像とを互いに関連付けて登録する地点登録が可能な種々のカーナビゲーション装置が知られている。
この種のカーナビゲーション装置においては、例えば、該装置が搭載された自動車が目的地に到達して駐車された時点で位置検出回路から得られる位置情報とカメラによって撮影された撮影画像とが内蔵メモリに格納される。自動車が目的地に到達して駐車される度にこの動作が行なわれることによって、複数の地点(目的地)についての位置情報及び撮影画像が登録されることになる。その後、ユーザが目的地を設定する際には、内蔵メモリから複数の地点についてそれぞれ格納されている複数枚の撮影画像が読み出され、読み出された撮影画像を含む地点選択画面がディスプレイに表示される。この状態で、ユーザが前記複数の地点の中から目的地として設定せんとする地点を選択する操作を行なうと、内蔵メモリから選択された地点についての位置情報が読み出された後、該位置情報と自動車の現在位置を表わす位置情報とに基づいて自動車の現在位置から目的地までの経路が探索され、その探索結果がディスプレイに表示されることになる。
上記カーナビゲーション装置によれば、登録されている複数の地点の中から目的地として設定すべき地点を選択する際、各地点にて撮影された画像がディスプレイに表示されるので、各地点を容易に認識することが出来る。
【0003】
尚、デジタルカメラとナビゲーション装置とから構成され、デジタルカメラは互いに関連付けられて記録されている位置データ及び画像データに対して誘導識別子を付与し、ナビゲーション装置は誘導識別子が付与されている位置データに基づいて目的地の登録を行なうナビゲーションシステムが提案されている(特許文献1参照)。
又、所望の位置を撮像予定の位置として設定することが可能であって、自動車が設定されている撮像予定の位置に到達したときに車載カメラによって撮像された画像がメモリに記憶されるカーナビゲーション装置が提案されている(特許文献2参照)。
更に、カメラによって撮影された画像から位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションを行なうナビゲーション機能付携帯通信端末が提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−267479号公報
【特許文献2】特開2003−50130号公報
【特許文献3】特開2005−291885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のカーナビゲーション装置においては、常に自動車が目的地に到達して駐車された時点で撮影された画像が登録されるため、上述の如くその後に目的地を設定する際にディスプレイに表示される撮影画像が目的地を適切に表わす画像であるとは限らない問題があった。例えば、目的地がファミリーレストランであって、自動車が後部をファミリーレストランに向けて駐車された場合には、撮影方向を自動車の前方に向けて配備されているカメラによっては駐車場が撮影されることとなり、ファミリーレストランについて駐車場を表わす撮影画像がディスプレイに表示されることになる。
そこで本発明の目的は、常に目的地を適切に表わす撮影画像を登録することが可能なナビゲーション装置及び該装置における地点登録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るナビゲーション装置は、
ナビゲーション装置本体の現在位置を検出する位置検出手段と、
撮像手段と、
撮影画像及び位置情報を格納するための格納手段と、
目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び目的地にて前記撮像手段によって撮影した複数枚の撮影画像及び少なくとも目的地にて前記位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納する格納制御手段と、
表示装置と、
位置情報と少なくとも1枚の撮影画像とが記録される記録手段と、
前記複数枚の撮影画像の中から少なくとも1枚の撮影画像を選択するための画像選択画面を前記表示装置に表示する表示制御手段と、
ユーザによる前記撮影画像の選択指示に応じて、前記格納手段から位置情報と前記選択された撮影画像とを読み出し、読み出した位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて前記記録手段に記録する記録制御手段
とを具えている。
【0006】
上記ナビゲーション装置は、移動体に搭載され或いはユーザに携帯され、位置検出手段によって、ナビゲーション装置本体の現在位置、即ち移動体の現在位置或いはユーザの現在位置が検出される。又、上記ナビゲーション装置が移動体に搭載される場合には、撮像手段は撮影方向を移動体の外側に向けて配備される。
上記本発明に係るナビゲーション装置においては、目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び目的地にて撮像手段によって撮影された複数枚の撮影画像が格納手段に格納されると共に、少なくとも目的地にて位置検出手段から得られる位置情報が該格納手段に格納される。目的地に到達するまでは、例えば、ナビゲーション装置本体(移動体或いはユーザ)の移動速度が所定速度以上変化したとき、ナビゲーション装置本体(移動体或いはユーザ)の進行方向が変更されたとき、及び/又はナビゲーション装置本体(移動体或いはユーザ)が前回の撮影位置から所定距離だけ移動したときに、撮像手段によって撮影した画像を格納手段に格納する動作が実行される。尚、ユーザ操作が行なわれたときや一定の時間間隔で該動作を実行する構成を採用することも可能である。そして、例えば上記ナビゲーション装置が移動体に搭載されている場合には、移動体のアクセサリー電源がオフに設定されたとき、或いは移動体のエンジンが停止したときに、目的地に到達したとして、撮像手段によって撮影した画像を格納手段に格納する動作及び位置検出手段から得られる位置情報を格納手段に格納する動作が実行される。尚、移動体或いはユーザが停止してから一定時間が経過したときやユーザ操作が行なわれたときにそれらの動作を実行する構成を採用することも可能である。
【0007】
その後、ユーザによる所定操作に応じて或いは自動的に、上述の如く目的地を含む複数の地点で撮影された複数枚の撮影画像の中から少なくとも1枚の撮影画像を選択するための画像選択画面が表示装置に表示される。続いて、ユーザがそれら複数枚の撮影画像の中から少なくとも1枚の撮影画像を選択する操作を行なうと、格納手段から位置情報と選択された少なくとも1枚の撮影画像とが読み出され、読み出された位置情報と撮影画像とが互いに関連付けられて記録手段に記録される。ここで、位置情報としては、目的地にて位置検出手段から得られた位置情報、或いは目的地周辺にて位置検出手段から得られた位置情報(例えば、ユーザにより選択された撮影画像が撮影された位置にて得られた位置情報)が記録手段に記録される。
上記本発明に係るナビゲーション装置においては、上述の如く、目的地を含む複数の地点で撮影された複数枚の撮影画像の中から登録せんとする撮影画像を選択することが出来るので、常に目的地を適切に表わす撮影画像を登録することが出来る。
【0008】
具体的には、前記格納制御手段は、1つの目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び該目的地にて撮影した複数枚の撮影画像を1つの画像グループとして前記格納手段に格納するものであり、更に、前記表示制御手段は、前記格納手段に格納されている1或いは複数の画像グループの中から1つの画像グループを選択するためのグループ選択画面を前記表示装置に表示し、ユーザによる前記画像グループの選択指示に応じて、選択された画像グループに属する複数枚の撮影画像を含む画像選択画面を前記表示装置に表示する。
【0009】
上記具体的構成においては、1つの目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び該目的地にて撮影された複数枚の撮影画像が1つの画像グループとして格納手段に格納され、その後、画像グループ毎に各画像グループに属する複数枚の撮影画像を含む画像選択画面が表示装置に表示されるので、目的地毎に複数枚の撮影画像の中から適切な撮影画像を容易に選択することが出来る。
【0010】
本発明に係る地点登録方法は、ナビゲーション装置本体の現在位置を検出する位置検出手段と、撮像手段と、撮影画像及び位置情報を格納するための格納手段と、表示装置と、位置情報と少なくとも1枚の撮影画像とが記録される記録手段とを具えたナビゲーション装置において、位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて登録する方法であって、
目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び目的地にて前記撮像手段によって撮影した複数枚の撮影画像及び少なくとも目的地にて前記位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納するステップと、
前記複数枚の撮影画像の中から少なくとも1枚の撮影画像を選択するための画像選択画面を前記表示装置に表示するステップと、
ユーザによる前記撮影画像の選択指示に応じて、前記格納手段から位置情報と前記選択された撮影画像とを読み出し、読み出した位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて前記記録手段に記録するステップ
とを具えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るナビゲーション装置及び該装置における地点登録方法によれば、常に目的地を適切に表わす撮影画像を登録することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す本発明に係るカーナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)測位機能を有しており、GPS処理回路(2)では、図示省略するGPSアンテナによって受信された信号に基づいて自動車の現在位置の経度及び緯度が測定され、その測定結果を表わす位置情報が制御回路(1)に供給される。又、ジャイロスコープ(3)により自動車の角速度が検出されて、その検出信号が制御回路(1)に供給されると共に、車速検出回路(4)により自動車の走行速度が検出されて、その検出信号が制御回路(1)に供給される。
【0013】
制御回路(1)には、複数の操作スイッチからなる操作スイッチ群(5)、撮影方向を自動車の前方に向けて配備されたカメラ(6)、地図や撮影画像等の種々の情報を表示するためのディスプレイ(7)、及びハードディスクドライブ装置や不揮発性メモリからなる記憶装置(8)が接続されており、該記憶装置(8)には、地図データ、住所データ、設定データ等の各種の情報が格納されている。
制御回路(1)は、GPS処理回路(2)から得られる位置情報に応じた地図データを記憶装置(8)から読み出し、該地図データをディスプレイ(7)に表示すると共に、GPS処理回路(2)から得られる位置情報、ジャイロスコープ(3)から得られる角速度検出信号及び車速検出回路(4)から得られる速度検出信号に基づいて、自動車の現在位置を前記地図データ上に表示する。
【0014】
本発明に係るカーナビゲーション装置においては、GPS処理回路(2)から得られた位置情報とカメラ(6)によって撮影された複数枚の撮影画像の中からユーザにより選択された1枚の撮影画像とを互いに関連付けて登録することが可能であって、上記記憶装置(8)には、自動車の走行開始後、図2に示す地点情報テーブルが作成されて格納されると共に、ユーザ操作に応じて、図3に示す地点登録テーブルが作成されて格納される。
【0015】
ユーザが自動車に走行を開始させる際にアクセサリー電源をオンに設定すると、その後、後述のタイミングでカメラ(6)による画像撮影が行なわれ、これによって得られる画像データとそのときにGPS処理回路(2)から得られる位置情報とが図2に示す地点情報テーブルに書き込まれる。ここで、画像撮影は、自動車の走行速度が所定速度(例えば20km/h)以上低下したとき、自動車が右折或いは左折したとき、及び自動車が前回の撮影位置から所定距離(例えば500m或いは1km)だけ移動したときに行なわれる。
その後、自動車が目的地に到達してユーザが自動車のアクセサリー電源をオフに設定すると、その時点でカメラ(6)による画像撮影が行なわれ、これによって得られる画像データとそのときにGPS処理回路(2)から得られる位置情報とが図2に示す地点情報テーブルに書き込まれる。
【0016】
地点情報テーブルには、m(m>1)個のグループ(Group 1〜Group m)について夫々、n(n>1)個の地点(Point 1〜Point n)の位置情報及び画像データを書き込むための書込み欄が設けられており、上述の如く自動車のアクセサリー電源がオンに設定されてからオフに設定されるまでに得られる位置情報及び画像データは、1つのグループについての地点1の書込み欄から地点nの書込み欄まで順番に書き込まれ、地点nの書込み欄まで書き込まれると、再び同じグループについての地点1の書込み欄から地点nの書込み欄まで順番に上書きされる。
次に自動車のアクセサリー電源がオンに設定されたときには、位置情報及び画像データは、グループ番号が前記グループよりも1だけ大きいグループについての地点1の書込み欄から地点nの書込み欄まで順次繰り返し書き込まれる。以下同様にして、自動車のアクセサリー電源がオンに設定される度に、位置情報及び画像データはグループ番号が1だけ大きいグループについての書込み欄に書き込まれ、グループmについての書込み欄まで書き込まれると、再びグループ1についての書込み欄に上書きされる。
【0017】
その後、ユーザが地点登録を行なうべく図1に示す操作スイッチ群(5)に対して複数のメニューの中から地点登録メニューを選択する操作を行なうと、上述の地点情報テーブルから1或いは複数のグループについて夫々、最新の位置情報、即ち自動車のアクセサリー電源がオフに設定されたときにGPS処理回路(2)から得られた位置情報及び複数の全ての画像データが読み出され、読み出された位置情報に応じた住所と複数の画像データがそれぞれ表わす複数枚の撮影画像とを含む図9に示すグループ選択画面がディスプレイ(7)に表示される。尚、全てのグループについての住所及び複数枚の撮影画像を一度にディスプレイ(7)に表示できない場合には、操作スイッチ群(5)に対するユーザ操作に応じて順次スクロール表示することが出来る。
グループ選択画面がディスプレイ(7)に表示されている状態で、ユーザが操作スイッチ群(5)に対して前記1或いは複数のグループの中から1つのグループを選択する操作を行なうと、地点情報テーブルから選択されたグループについての複数の全ての画像データが読み出され、読み出された複数の画像データがそれぞれ表わす複数枚の撮影画像のサムネイル画像を含む図10に示す画像選択画面がディスプレイ(7)に表示される。
【0018】
画像選択画面がディスプレイ(7)に表示されている状態で、ユーザが操作スイッチ群(5)に対して前記複数枚の撮影画像の中から1枚の撮影画像を選択する操作を行なうと、地点情報テーブルから前記選択されたグループについての最新の位置情報及び選択された撮影画像を表わす画像データが読み出され、読み出された位置情報及び画像データが図3に示す地点登録テーブルに書き込まれる。
【0019】
地点登録テーブルには、登録番号と位置情報と画像データの書込み欄が設けられており、登録番号の書込み欄には、該テーブルに登録される順番に従って1から始まる連続番号が書き込まれる。位置情報及び画像データの書込み欄にはそれぞれ、上述の如く地点情報テーブルから読み出された位置情報及び画像データが書き込まれる。
本発明に係るカーナビゲーション装置においては、上述の如く、自動車のアクセサリー電源がオフに設定されたときにGPS処理回路(2)から得られた位置情報、即ち目的地の位置情報と、自動車が目的地に到達するまでの地点及び目的地にて撮影されたn枚の撮影画像の中からユーザにより選択された1枚の撮影画像の画像データとが地点登録テーブルに登録されることになる。
【0020】
その後、ユーザが目的地の設定を行なうべく操作スイッチ群(5)に対して複数のメニューの中から目的地設定メニューを選択する操作を行なうと、上記地点登録テーブルから1或いは複数の地点についての位置情報及び画像データが読み出され、各地点について読み出された位置情報に応じた住所と画像データが表わす撮影画像とを含む図11に示す目的地選択画面がディスプレイ(7)に表示される。この状態で、ユーザが操作スイッチ群(5)に対して複数の地点の中から目的地とする1つの地点を選択する操作を行なうと、地点登録テーブルから選択された地点についての位置情報が読み出され、該位置情報とその時点でGPS処理回路(2)から得られる位置情報とに基づいて現在位置から目的地までの経路が探索されて、経路探索の結果がディスプレイ(7)に表示される。
【0021】
図5及び図6は、上記制御回路(1)によって実行される地点情報テーブル書込み手続きを表わしており、先ず図5のステップS1にて、ユーザにより自動車のアクセサリー電源をオンに設定する操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合は手続きを終了する一方、イエスと判断された場合はステップS2に移行して、地点情報テーブルに設けられている複数の地点についての書込み領域の内、位置情報及び画像データを書き込むべき書込み領域の地点番号Npを1に初期化した後、ステップS3にてカメラによる画像撮影を行なうと共にGPS処理回路から位置情報を取得する。
【0022】
続いてステップS4では、前記地点番号Npが地点情報テーブルに1つのグループについて書込み可能な最大地点数(=n)よりも大きいか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS6にて、地点情報テーブルに設けられている複数のグループについての書込み領域の内、位置情報及び画像データを書き込むべき書込み領域のグループ番号Ngが該地点情報テーブルに書込み可能な最大グループ数(=m)よりも大きいか否かを判断する。ここでノーと判断された場合は、ステップS8に移行して、地点情報テーブルに設けられている複数のグループについての複数の地点の書込み領域の内、グループ番号Ng及び地点番号Npの書込み領域に上記ステップS3にて画像撮影により得られた画像データ及び取得した位置情報を書き込んだ後、ステップS9にて地点番号Npを1だけカウントアップする。
【0023】
続いて図6のステップS10では、前回検出された走行速度と車速検出回路から得られる速度検出信号とに基づいて自動車の走行速度が所定速度以上低下したか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS11に移行して、前回検出された角速度とジャイロスコープから得られる角速度検出信号とに基づいて自動車が右折或いは左折したか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS12に移行して、その時点で地点情報テーブルに格納されている最新の位置情報とGPS処理回路から得られる位置情報とに基づいて自動車がステップS3にて前回画像撮影が行なわれた地点から所定距離だけ移動したか否かを判断する。ステップS12にてノーと判断された場合は、ステップS13にて、ユーザにより自動車のアクセサリー電源をオフに設定する操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS10に戻る。
自動車の走行速度が所定速度以上低下してステップS10にてイエスと判断された場合、自動車が右折或いは左折してステップS11にてイエスと判断された場合、及び自動車が前回画像撮影の行なわれた地点から所定距離だけ移動してステップS12にてイエスと判断された場合には、図5のステップS3に戻って、カメラによる画像撮影を行なうと共にGPS処理回路から位置情報を取得した後、ステップS4乃至ステップS13の手続きが実行される。ステップS3乃至ステップS13の手続きが繰り返される過程で、地点番号Npがnを上回ってステップS4にてイエスと判断された場合は、ステップS5にて地点番号Npを1に初期化した後、ステップS6に移行する。
【0024】
その後、ユーザによりアクセサリー電源をオフに設定する操作が行なわれて図6のステップS13にてイエスと判断された場合は、ステップS14に移行して、カメラによる画像撮影を行なうと共にGPS処理回路から位置情報を取得した後、ステップS15では、地点番号Npが地点情報テーブルに1つのグループについて書込み可能な最大地点数(=n)よりも大きいか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS17に移行する一方、イエスと判断された場合は、ステップS16にて地点番号Npを1に初期化した後、ステップS17に移行する。
【0025】
ステップS17では、地点情報テーブルに設けられている複数のグループについての複数の地点の書込み領域の内、グループ番号Ng及び地点番号Npの書込み領域に、ステップS14にて画像撮影によって得られた画像データ及び取得した位置情報を書き込んだ後、ステップS18では、グループ番号Ngを1だけカウントアップして、上記の地点情報テーブル書込み手続きを終了する。
上記の地点情報テーブル書込み手続きは、アクセサリー電源がオンに設定される度に実行され、その度にステップS18にてグループ番号Ngは1ずつカウントアップされることになるが、該グループ番号Ngが地点情報テーブルに書込み可能な最大グループ数(=m)を上回って図5のステップS6にてイエスと判断された場合は、ステップS7にて地点番号Np及びグループ番号Ngを1に初期化した後、ステップS8に移行する。
【0026】
上記手続きによれば、自動車のアクセサリー電源がオンに設定されてからオフに設定されるまでの間、自動車の走行速度が所定速度以上低下したとき、自動車が右折或いは左折したとき、自動車が前回の撮影位置から所定距離だけ移動したとき、及びアクセサリー電源がオフに設定されたときに、カメラによる画像撮影が行なわれると共にGPS処理回路から位置情報が取得され、これによって得られる複数枚の撮影画像を表わす複数の画像データ及び複数の位置情報が、図2に示す地点情報テーブルに1つのグループとして地点毎に順次書き込まれることになる。
【0027】
図7は、上記制御回路(1)によって実行される地点登録手続きを表わしており、先ずステップS21にて、複数のメニューの中から地点登録メニューが選択されたか否かを判断し、ユーザにより地点登録メニューを選択する操作が行なわれてイエスと判断された場合は、ステップS22に移行して、地点情報テーブルから1或いは複数のグループについて夫々、最新の位置情報及び全ての画像データを読み出した後、記憶装置に格納されている住所データの中から読み出した位置情報に応じた住所データを検索し、検索の結果得られた住所データと読み出した画像データとに基づいて図9に示すグループ選択画面をディスプレイに表示する。
次に図7のステップS23では、前記1或いは複数のグループの中から1つのグループが選択されたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS23にて同じ判断を繰り返す。一方、ユーザにより1つのグループを選択する操作が行なわれた場合には、ステップS23にてイエスと判断されてステップS24に移行し、地点情報テーブルから選択されたグループについての複数の全ての画像データを読み出し、読み出した複数の画像データに基づいて図10に示す画像選択画面をディスプレイに表示する。
【0028】
続いて図7のステップS25では、ディスプレイに表示されている複数枚の撮影画像の中から1枚の撮影画像が選択されたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS25にて同じ判断を繰り返す。一方、ユーザにより1枚の撮影画像を選択する操作が行なわれた場合には、ステップS25にてイエスと判断されてステップS26に移行し、地点情報テーブルから選択されたグループについての最新の位置情報及び選択された撮影画像を表わす画像データを読み出し、読み出した位置情報及び画像データを図3に示す地点登録テーブルに書き込む。
【0029】
上記手続きによれば、ユーザが複数のメニューの中から地点登録メニューを選択する操作を行なうと、図9に示すグループ選択画面がディスプレイに表示され、この状態でユーザが地点登録を行なわんとする1つのグループを選択する操作を行なうと、選択されたグループについての図10に示す画像選択画面がディスプレイに表示される。その後、この状態でユーザが登録せんとする所望の1枚の撮影画像を選択する操作を行なうと、前記選択されたグループについての最新の位置情報、即ち目的地の位置情報と選択された撮影画像の画像データとが地点登録テーブルに書き込まれることになる。
【0030】
図8は、上記制御回路(1)によって実行される目的地設定手続きを表わしており、先ずステップS31にて複数のメニューの中から目的地設定メニューが選択されたか否かが判断され、ユーザにより目的地設定メニューを選択する操作が行なわれてイエスと判断された場合は、ステップS32に移行して、地点登録テーブルから1或いは複数の地点についての位置情報及び画像データを読み出した後、記憶装置に格納されている住所データの中から読み出した位置情報に応じた住所データを検索し、検索の結果得られた住所データと読み出した画像データとに基づいて図11に示す目的地選択画面をディスプレイに表示する。
次にステップS33では、ディスプレイに表示されている複数の地点の中から1つの地点が選択されたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS33にて同じ判断を繰り返す。一方、ユーザにより1つの地点を選択する操作が行なわれた場合には、ステップS33にてイエスと判断されてステップS34に移行し、目的地設定処理を実行して手続きを終了する。目的地設定処理においては、地点登録テーブルから選択された地点についての位置情報を読み出し、該位置情報とその時点でGPS処理回路から得られる位置情報とに基づいて現在位置から目的地までの経路を探索した後、経路探索の結果をディスプレイに表示する。
【0031】
上記手続きによれば、ユーザが複数のメニューの中から目的地設定メニューを選択する操作を行なうと、図11に示す目的地選択画面がディスプレイに表示され、この状態でユーザが自動車で向おうとする1つの目的地を選択する操作を行なうと、現在位置から目的地までの経路がディスプレイに表示されることになる。
【0032】
本発明に係るカーナビゲーション装置においては、自動車が目的地に到達するまでの地点及び目的地にて撮影された複数枚の撮影画像の中から登録せんとする撮影画像を選択することが出来るので、常に目的地を適切に表わす撮影画像を地点登録テーブルに登録することが出来る。従って、その後に目的地を設定する際には、地点登録テーブルに登録されている1或いは複数の地点について夫々、各地点を適切に表わす撮影画像を表示させることが出来、各地点を容易に認識することが出来る。
例えば、自動車が図4に示すA地点〜H地点を順次通過してI地点に到達し、I地点にて駐車された場合、従来のカーナビゲーション装置においては、I地点での撮影画像とI地点の位置情報とが登録されることになるが、カメラは撮影方向を自動車の前方に向けて配備されているので、該撮影画像は目的地ではなく駐車場を表わすものとなる。これに対し、本発明に係るカーナビゲーション装置においては、A〜I地点での撮影画像の中から目的地を適切に表わす撮影画像、例えば目的地の看板が写っているC地点やD地点での撮影画像、或いは目的地が写っているE地点やF地点での撮影画像を登録することが出来る。
【0033】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
上記実施の形態においては、ユーザにより選択された1枚の撮影画像を地点登録テーブルに登録しているが、複数枚の撮影画像を登録する構成を採用することも可能である。
又、図6に示す如く、自動車の走行速度が所定速度以上低下したとき、自動車が右折或いは左折したとき、及び自動車が前回の撮影位置から所定距離だけ移動したときに画像撮影を行なっているが、ユーザ操作が行なわれたときや一定の時間間隔で画像撮影を行なう構成を採用することも可能である。
更に、図6に示す如く、アクセサリー電源がオフに設定されたときに画像撮影を行なっているが、これに限らず、エンジンがオフに設定されたとき、自動車が停車されてから一定時間が経過したとき、或いはユーザ操作が行なわれたときに画像撮影を行なう構成を採用することも可能である。
更に又、本発明はカーナビゲーション装置に限らず、自動車以外の移動体のナビゲーション装置、ナビゲーション機能付携帯電話機等の種々のナビゲーション装置に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るカーナビゲーション装置の構成を表わすブロック図である。
【図2】地点情報テーブルを表わす図である。
【図3】地点登録テーブルを表わす図である。
【図4】上記カーナビゲーション装置においてカメラによる撮影動作が行なわれる複数の地点を表わす図である。
【図5】地点情報テーブル書込み手続きの前半を表わすフローチャートである。
【図6】上記手続きの後半を表わすフローチャートである。
【図7】地点登録手続きを表わすフローチャートである。
【図8】目的地設定手続きを表わすフローチャートである。
【図9】地点登録を行なう際にディスプレイに表示されるグループ選択画面を表わす図である。
【図10】地点登録を行なう際にディスプレイに表示される画像選択画面を表わす図である。
【図11】目的地の設定を行なう際にディスプレイに表示される目的地選択画面を表わす図である。
【符号の説明】
【0035】
(1) 制御回路
(2) GPS処理回路
(3) ジャイロスコープ
(4) 車速検出回路
(5) 操作スイッチ群
(6) カメラ
(7) ディスプレイ
(8) 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する位置検出手段と、
撮像手段と、
撮影画像及び位置情報を格納するための格納手段と、
目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び目的地にて前記撮像手段によって撮影した複数枚の撮影画像及び少なくとも目的地にて前記位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納する格納制御手段と、
表示装置と、
位置情報と少なくとも1枚の撮影画像とが記録される記録手段と、
前記複数枚の撮影画像の中から少なくとも1枚の撮影画像を選択するための画像選択画面を前記表示装置に表示する表示制御手段と、
ユーザによる前記撮影画像の選択指示に応じて、前記格納手段から位置情報と前記選択された撮影画像とを読み出し、読み出した位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて前記記録手段に記録する記録制御手段
とを具えているナビゲーション装置。
【請求項2】
前記格納制御手段は、1つの目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び該目的地にて撮影した複数枚の撮影画像を1つの画像グループとして前記格納手段に格納するものであり、更に、前記表示制御手段は、前記格納手段に格納されている1或いは複数の画像グループの中から1つの画像グループを選択するためのグループ選択画面を前記表示装置に表示し、ユーザによる前記画像グループの選択指示に応じて、選択された画像グループに属する複数枚の撮影画像を含む画像選択画面を前記表示装置に表示する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
移動速度を検出する速度検出手段を具えており、前記格納制御手段は、該速度検出手段から得られる速度検出信号に基づいて移動速度が所定速度以上変化したか否かを判断する手段と、移動速度が所定速度以上変化したと判断されたときに撮像手段によって撮影した画像を前記格納手段に格納する手段とを具えている請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
進行方向を検出する進行方向検出手段を具えており、前記格納制御手段は、該進行方向検出手段から得られる進行方向検出信号に基づいて進行方向が変更されたか否かを判断する手段と、進行方向が変更されたと判断されたときに撮像手段によって撮影した画像を前記格納手段に格納する手段とを具えている請求項1乃至請求項3の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記格納制御手段は、撮像手段によって撮影した画像を前記格納手段に格納する度に位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納するものであって、前記格納手段に格納されている最新の位置情報と位置検出手段から得られる位置情報とに基づいて前回の撮影位置から所定距離だけ移動したか否かを判断する手段と、前回の撮影位置から所定距離だけ移動したと判断されたときに撮像手段によって撮影した画像を前記格納手段に格納すると共に位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納する手段とを具えている請求項1乃至請求項4の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
移動体に搭載されるべきものであって、前記格納制御手段は、移動体のアクセサリー電源がオフに設定されたとき、或いは移動体のエンジンが停止したときに、目的地に到達したとして、撮像手段によって撮影した画像を前記格納手段に格納すると共に位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納する請求項1乃至請求項5の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
現在位置を検出する位置検出手段と、撮像手段と、撮影画像及び位置情報を格納するための格納手段と、表示装置と、位置情報と少なくとも1枚の撮影画像とが記録される記録手段とを具えたナビゲーション装置において、位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて登録する方法であって、
目的地に到達するまでの少なくとも1つの地点及び目的地にて前記撮像手段によって撮影した複数枚の撮影画像及び少なくとも目的地にて前記位置検出手段から得られる位置情報を前記格納手段に格納するステップと、
前記複数枚の撮影画像の中から少なくとも1枚の撮影画像を選択するための画像選択画面を前記表示装置に表示するステップと、
ユーザによる前記撮影画像の選択指示に応じて、前記格納手段から位置情報と前記選択された撮影画像とを読み出し、読み出した位置情報と撮影画像とを互いに関連付けて前記記録手段に記録するステップ
とを具えていることを特徴とする地点登録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−210269(P2009−210269A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50393(P2008−50393)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】