説明

ナビゲーション装置

【課題】施設を検索する際に毎回検索条件を指定する必要がなく、ユーザの手間を省くことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ユーザに選択された施設ジャンルや地域を検索条件に追加していくことで、施設の検索条件をユーザからの入力に基づいて設定し(ステップS6)、検索条件登録ボタンが押されると、その時点における検索条件の設定履歴を登録する(ステップS16、S19)。そして、過去に登録された検索条件の設定履歴を呼び出し(ステップS20)、その内容に基づいて検索条件を設定して(ステップS22)、設定された検索条件に該当する施設を検索する(ステップS9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路に従って自車両を目的地まで案内する車載ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが指定した施設ジャンルに該当する施設を地図データから検索し、その中から選択された施設を目的地に設定するナビゲーション装置が広く知られている(たとえば、非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】特許庁 標準技術集 「カーナビゲーション装置のユーザーインターフェイス」主分類3−C
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に開示されるような従来のナビゲーション装置では、施設を検索する際に毎回検索条件を指定する必要があるため、ユーザにとって手間がかかっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、施設ジャンルと地域を少なくとも含む検索条件をユーザからの入力に基づいて設定する第1の条件設定手段と、第1の条件設定手段により設定された検索条件の設定履歴を登録する登録手段と、登録手段により過去に登録された検索条件の設定履歴に基づいて検索条件を設定する第2の条件設定手段と、第1または第2の条件設定手段により設定された検索条件に該当する施設を検索する検索手段とを備えるものでる。
請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、登録手段によって検索条件の設定履歴を登録する際に、その登録内容に基づいて名称を付与する名称付与手段をさらに備えるものである。
請求項3の発明は、請求項2のナビゲーション装置において、第1の条件設定手段は、検索条件を施設ジャンルと地域についてそれぞれ複数に階層分けして設定し、名称付与手段は、第1の条件設定手段により検索条件として最下位階層に設定された施設ジャンル名と地域名をそれぞれ抽出し、その抽出された施設ジャンル名と地域名に基づいて名称を付与するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、施設の検索条件をユーザからの入力に基づいて設定し、設定された検索条件の設定履歴を登録する。そして、過去に登録された検索条件の設定履歴に基づいて検索条件を設定し、設定された検索条件に該当する施設を検索することとした。このようにしたので、施設を検索する際に毎回検索条件を指定する必要がなく、ユーザの手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は車両に搭載されて使用され、ユーザから設定された検索条件に該当する施設を検索して、その施設の中から選択された施設を目的地としてルート案内を行うものである。さらに、ユーザが検索条件を設定する手間を省くことができるように、過去に登録された検索条件の設定履歴を記憶しておき、その設定履歴により検索条件を設定して施設検索を行うこともできる。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、およびディスクドライブ18を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11において、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、後で説明するような施設検索処理や、設定された目的地までの推奨経路の探索処理などが行われる。
【0009】
現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方位を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車両の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、道路地図を表示するための道路地図描画用データや各種の図形データ等からなり、制御回路11において、DVD−ROM19に記録されている地図データに基づいて作成される。この画像メモリ15に格納された画像データを用いて、表示モニタ16に道路地図が表示される。
【0011】
入力装置17は、ユーザが施設検索条件の設定や検索された施設の中から目的地とする施設を選択するための各種入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコンなどによって実現される。すなわち、ユーザは表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を操作することにより、検索条件をナビゲーション装置1に入力してその検索条件に該当する施設を検索させるとともに、検索された施設の中からいずれかを選択して目的地に設定することができる。
【0012】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より、道路地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、目的地までのルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0013】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0014】
ナビゲーション装置1に施設検索処理を実行させる場合、ユーザは最初に入力装置17を操作して検索条件を入力するか、または登録されている検索条件の設定履歴を呼び出すことにより、検索条件の設定を行う。ここでは、検索条件として施設ジャンルと地域がそれぞれ設定される。この検索条件は、施設ジャンルと地域についてそれぞれ複数に階層分けして設定される。
【0015】
検索条件を入力する場合、ユーザは上位から下位の階層へと検索条件を順番に入力していく。施設ジャンルについては、たとえば最初に上位階層の検索条件として、「観光」、「買い物」、「飲食」などの旅行目的の中からいずれかを選択する。次に、上位階層でたとえば「飲食」を選択した場合に、中位階層の検索条件として、「ファミリーレストラン」、「ファーストフード」などの飲食店分類の中からいずれかを選択する。最後に、中位階層でたとえば「ファーストフード」を選択した場合に、下位階層の検索条件として、「Kフライドチキン」、「Tアイスクリーム」などのファーストフードチェーン名の中からいずれかを選択する。このように、階層ごとに表示される様々な検索条件の中からユーザが順に選択していくことにより、施設ジャンルの検索条件が上位階層から下位階層まで順番に入力される。
【0016】
また地域については、たとえば最初に上位階層の検索条件として、都道府県名の中からいずれかを選択する。次に、上位階層で選択した都道府県について、中位階層の検索条件として、その都道府県にある市町村名の中からいずれかを選択する。最後に、下位階層の検索条件として、中位階層で選択した市町村にある町名や字名の中からいずれかを選択する。このように、階層ごとに表示される地域名の中からユーザが順に選択していくことにより、地域の検索条件が上位階層から下位階層まで順番に入力される。
【0017】
なお、上記のようにして施設ジャンルと地域の検索条件をユーザに入力させる際には、たとえば施設ジャンルの検索条件が上位階層から下位階層まで全て入力された後に地域の検索条件の入力を開始するなど、それぞれを個別に入力できるようにしてもよい。あるいは、予め定められた順序にしたがって順次入力させてもよい。たとえば、施設ジャンルの上位階層と中位階層の検索条件が入力された後に地域の上位階層の検索条件を入力させ、その後に施設ジャンルの下位階層の検索条件と、地域の中位階層および下位階層の検索条件とを順番に入力させるようにしてもよい。さらには、ユーザが任意に設定した順序で入力できるようにしてもよい。後で図2〜7を用いて説明する具体例では、この入力順序が予め定められているものとする。
【0018】
また、たとえば地域の検索条件のうち下位階層の町名や字名を省略したり、施設ジャンルの検索条件のうち下位階層のチェーン店名を省略したりするなど、いずれかの階層を省略してもよい。後で図2〜7を用いて説明する具体例では、地域の検索条件のうち下位階層に当たる町名や字名については省略されており、中位階層の市町村名までがユーザによって入力されるものとする。
【0019】
ナビゲーション装置1は、ユーザの操作に応じて、上記のようにして入力された検索条件の設定履歴を任意の設定段階で登録しておくことができる。これにより、ユーザは過去に登録された検索条件の設定履歴を呼び出すことで、同じ検索条件を再度入力しなくても設定することができる。
【0020】
上記のようにして施設ジャンルと地域の検索条件が設定されると、その検索条件に該当する施設がナビゲーション装置1において検索される。そして、検索された施設の中からユーザが選択した施設が目的地に設定され、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までの推奨経路が探索される。
【0021】
上記のようにして設定された推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して道路地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された道路地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより自車両を誘導する。このようにして推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0022】
次に、検索条件を設定して該当する施設を検索するとともに、その検索条件の設定履歴を登録するときのナビゲーション装置1における具体的な動作例について説明する。ユーザがナビゲーション装置1に対して入力装置17の操作により検索条件の入力開始を指示すると、最初に図2のような画面が表示モニタ16に表示される。この画面内には、リスト表示欄21、検索条件表示欄22、施設検索開始ボタン23および検索条件登録ボタン24が表示されている。
【0023】
リスト表示欄21には、ユーザがその時点で選択できる施設ジャンルと地域のいずれかの検索条件が項目ごとにリスト表示されている。ここにリスト表示される項目は、それまでに入力された検索条件の内容にしたがって変化する。図2では、最初にユーザに入力させる検索条件として、施設ジャンルの上位階層に当たる「観光」、「買い物」、「飲食」、「宿泊」および「交通機関」の各項目がリスト表示されている。また、表示されているのが施設ジャンルであることが分かるように、「ジャンル選択」の文字が表示されている。このリスト中から、ユーザは入力装置17の操作によっていずれかを選択することができる。図2では、「飲食」が選択されている様子を示している。
【0024】
検索条件表示欄22には、それまでにユーザが設定した施設検索条件の履歴が表示される。なお、図2の時点ではまだ検索条件が何も設定されていないため、検索条件表示欄22には何も表示されていない。
【0025】
施設検索開始ボタン23は、施設検索を開始するためのボタンである。ユーザが入力装置17の操作によってこのボタンを押すと、それまでにユーザによって設定された施設の検索条件に基づいて、施設検索処理が開始される。
【0026】
検索条件登録ボタン24は、それまでに設定された施設検索条件の設定履歴を登録するためのボタンである。ユーザが入力装置17の操作によってこのボタンを押すと、検索条件表示欄22に表示されている検索条件の設定履歴がナビゲーション装置1において登録される。このようにして以前に登録された設定履歴を呼び出すことにより、ユーザは検索条件を入力せずに設定することができる。なお、図2の時点ではまだ検索条件が何も設定されていないため、検索条件登録ボタン24を押しても検索条件の設定履歴を登録することはできない。
【0027】
図2の画面において、リスト表示欄21に表示されている施設ジャンルの上位階層の検索条件のうち「飲食」をユーザが選択すると、次に図3のような画面が表示モニタ16に表示される。この画面において検索条件表示欄22には、前の図2の画面で選択された検索条件「飲食」が表示されている。このとき施設検索開始ボタン23を押すと、施設ジャンル「飲食」を検索条件として、日本全国の飲食店に該当する施設が検索される。また検索条件登録ボタン24を押すと、施設ジャンル「飲食」が検索条件の設定履歴として登録され、その登録名が自動的に付与される。ここでは、施設ジャンル「飲食」しか施設検索条件に設定されていないため、そのまま「飲食」が登録名として付与される。
【0028】
図3の画面のリスト表示欄21には、次にユーザに入力させる検索条件として、「ファミリーレストラン」、「ファーストフード」、「和風飲食店」、「洋風・中華飲食店」および「酒場・喫茶店」の各項目がリスト表示されている。これらの各項目は、施設ジャンルの中位階層に当たる検索条件であり、施設ジャンルの上位階層の検索条件が「飲食」である場合に対応している。これらの検索条件の中から、ユーザは入力装置17の操作によっていずれかを選択することができる。図3では、「ファーストフード」が選択されている様子を示している。
【0029】
図3の画面において、リスト表示欄21に表示されている施設ジャンルの中位階層の検索条件のうち「ファーストフード」をユーザが選択すると、次に図4のような画面が表示モニタ16に表示される。この画面において検索条件表示欄22には、検索条件「飲食」に加えて、前の図3の画面で選択された検索条件「ファーストフード」が表示されている。このとき施設検索開始ボタン23を押すと、施設ジャンル「飲食」および「ファーストフード」を検索条件として、日本全国の飲食店のうちファーストフードに該当する施設が検索される。
【0030】
また検索条件登録ボタン24を押すと、施設ジャンル「飲食」および「ファーストフード」が検索条件の設定履歴として登録され、その登録名が自動的に付与される。このとき、施設ジャンルの検索条件に階層の異なる「飲食」および「ファーストフード」が設定されているため、その中で最下位層の検索条件、すなわち「ファーストフード」のみが登録名として付与される。このようにすることで、後で検索条件の設定履歴を呼び出すときにユーザにとって分かりやすい登録名とすることができる。
【0031】
図4の画面のリスト表示欄21には、次にユーザに入力させる検索条件として、「茨城県」、「岩手県」、「愛媛県」、「大分県」および「大阪府」の各項目がリスト表示されている。これらの各項目は、地域の上位階層に当たる都道府県の検索条件である。また、表示されているのが地域であることが分かるように、「地域選択」の文字が表示されている。これらの検索条件の中から、ユーザは入力装置17の操作によっていずれかを選択することができる。図4では、「茨城県」が選択されている様子を示している。
【0032】
図4の画面において、リスト表示欄21に表示されている地域の上位階層の検索条件のうち「茨城県」をユーザが選択すると、次に図5のような画面が表示モニタ16に表示される。この画面において検索条件表示欄22には、検索条件「飲食」および「ファーストフード」に加えて、前の図4の画面で選択された検索条件「茨城県」が表示されている。このとき施設検索開始ボタン23を押すと、施設ジャンル「飲食」および「ファーストフード」と地域「茨城県」とを検索条件として、茨城県内の飲食店のうちファーストフードに該当する施設が検索される。
【0033】
また検索条件登録ボタン24を押すと、施設ジャンル「飲食」および「ファーストフード」と地域「茨城県」とが検索条件の設定履歴として登録され、その登録名が自動的に付与される。このとき、施設ジャンルの検索条件については、階層の異なる「飲食」および「ファーストフード」が設定されているため、その中で最下位層の検索条件、すなわち「ファーストフード」のみが登録名に用いられる。また、地域の検索条件については、「茨城県」が登録名に用いられる。これらを合わせて、「茨城県、ファーストフード」が登録名として付与される。
【0034】
図5の画面のリスト表示欄21には、次にユーザに入力させる検索条件として、「Kフライドチキン」、「Tアイスクリーム」、「Mハンバーガー」、「Sバーガー」および「牛丼Y」の各項目がリスト表示されている。これらの各項目は、施設ジャンルの下位階層に当たる検索条件であり、施設ジャンルの中位階層の検索条件が「ファーストフード」である場合に対応している。これらの検索条件の中から、ユーザは入力装置17の操作によっていずれかを選択することができる。図5では、「Mハンバーガー」が選択されている様子を示している。
【0035】
図5の画面において、リスト表示欄21に表示されている施設ジャンルの下位階層の検索条件のうち「Mハンバーガー」をユーザが選択すると、次に図6のような画面が表示モニタ16に表示される。この画面において検索条件表示欄22には、検索条件「飲食」、「ファーストフード」および「茨城県」に加えて、前の図5の画面で選択された検索条件「Mハンバーガー」が表示されている。このとき施設検索開始ボタン23を押すと、施設ジャンル「飲食」、「ファーストフード」および「Mハンバーガー」と、地域「茨城県」とを検索条件として、茨城県内のMハンバーガーの各支店に該当する施設が検索される。
【0036】
また検索条件登録ボタン24を押すと、施設ジャンル「飲食」、「ファーストフード」および「Mハンバーガー」と地域「茨城県」とが検索条件の設定履歴として登録され、その登録名が自動的に付与される。このとき、施設ジャンルの検索条件については、階層の異なる「飲食」、「ファーストフード」および「Mハンバーガー」が設定されているため、その中で最下位層の検索条件、すなわち「Mハンバーガー」のみが登録名に用いられる。また、地域の検索条件については、「茨城県」が登録名に用いられる。これらを合わせて、「茨城県、Mハンバーガー」が登録名として付与される。
【0037】
図6の画面のリスト表示欄21には、次にユーザに入力させる検索条件として、「真壁町」、「水海道市」、「水戸市」、「美野里町」および「美浦村」の各項目がリスト表示されている。これらの各項目は、地域の中位階層に当たる市町村の検索条件であり、地域の上位階層の検索条件が「茨城県」である場合に対応している。これらの検索条件の中から、ユーザは入力装置17の操作によっていずれかを選択することができる。図6では、「水戸市」が選択されている様子を示している。
【0038】
図6の画面において、リスト表示欄21に表示されている地域の中位階層の検索条件のうち「水戸市」をユーザが選択すると、施設ジャンルおよび地域の全階層の検索条件が設定されたことになる。すると、これ以上の検索条件を設定することができないため、自動的にそれまで設定された検索条件、すなわち施設ジャンル「飲食」、「ファーストフード」および「Mハンバーガー」と、地域「茨城県」および「水戸市」とにより、施設検索が行われる。その結果、水戸市内のMハンバーガーの各支店に該当する施設が検索される。
【0039】
上記の検索条件による施設検索が完了すると、図7のような画面が表示モニタ16に表示される。この画面では、リスト表示欄21に検索された各施設、すなわち水戸市内のMハンバーガーの各支店である「118水戸中河内店」、「50号バイパス水戸店」、「50号水戸赤塚店」、「50号水戸大塚店」および「51号大洗インター店」が表示されている。また、表示されているのが施設検索の結果であり、この中から目的地を選択することが分かるように、「目的地選択」の文字が表示されている。この各施設の中から、ユーザは入力装置17の操作によっていずれかを選択することができる。図7では、「50号バイパス水戸店」が選択されている様子を示している。
【0040】
このように検索された各施設のいずれかを選択した後、経路探索開始ボタン25を押すと、その施設が目的地に設定されて、推奨経路の探索が行われる。すなわち、「50号バイパス水戸店」を目的地とした推奨経路が探索される。その後、探索された推奨経路に基づいて、目的地である「50号バイパス水戸店」までのルート案内が行われる。なお図7の画面では、既に施設検索が完了していることから、図2〜6の各画面において表示されていた施設検索開始ボタン23は不要であるため表示されていない。
【0041】
検索条件表示欄22には、施設検索の際に検索条件とされた「飲食」、「ファーストフード」、「茨城県」、「Mハンバーガー」および「水戸市」が表示されている。ここで検索条件登録ボタン24を押すと、この検索条件の設定履歴が登録され、その登録名が自動的に付与される。このとき、施設ジャンルの検索条件については、階層の異なる「飲食」、「ファーストフード」および「Mハンバーガー」が設定されているため、その中で最下位層の検索条件、すなわち「Mハンバーガー」のみが登録名に用いられる。また、地域の検索条件についても、階層の異なる「茨城県」および「水戸市」が設定されているため、その中で最下位層の検索条件、すなわち「水戸市」のみが登録名に用いられる。これらを合わせて、「水戸市、Mハンバーガー」が登録名として付与される。
【0042】
以上説明したようにして、検索条件を入力して該当する施設を検索するとともに、その検索条件の設定履歴を登録することができる。このようにして登録された検索条件の設定履歴は、その登録名を指定して施設検索処理を開始するときに呼び出すことができる。これにより、ユーザは再度同じ検索条件を入力しなくても、呼び出した設定履歴により検索条件を設定することができる。
【0043】
上記のようにして検索条件を設定して該当する施設を検索し、検索条件の設定履歴を登録するときに、制御回路11において実行される処理のフローチャートを図8に示す。ステップS1では、ユーザの操作に応じて、登録されている目的地検索条件の設定履歴を呼び出すか否かを判定する。呼び出す場合はステップS20へ進み、この場合は、過去に登録された検索条件の設定履歴に基づいて、現在の検索条件が設定される。呼び出さない場合はステップS2へ進む。以下、ステップS2へ進んだ場合から説明する。
【0044】
ステップS2では、前述の図2〜6で説明した画面のリスト表示欄21にユーザに選択させる検索条件をリスト表示するときに、施設ジャンルと地域のどちらを表示するか判定する。施設ジャンルをリスト表示する場合はステップS3へ進み、ステップS3において施設ジャンルを並べたジャンルリストをリスト表示欄21に表示して、次のステップS5へ進む。これにより、たとえば「飲食」、「ファーストフード」、「Mハンバーガー」などの施設ジャンル名をそれぞれ含むジャンルリストが表示される。一方、地域をリスト表示する場合はステップS4へ進み、ステップS4において地域名を並べた地域リストをリスト表示欄21に表示して、次のステップS5へ進む。これにより、「茨城県」、「水戸市」などの地域名をそれぞれ含む地域リストが表示される。
【0045】
なお、ステップS2では、前述したように予め定められた順番にしたがってジャンルリストと地域リストのいずれを表示するか判定する。あるいは、ユーザにジャンルリストと地域リストのどちらを表示するか選択させ、その選択結果にしたがっていずれを表示するか判定してもよい。
【0046】
ステップS3またはS4においてジャンルリストまたは地域リストを表示する際には、前述したように上位の階層から順に表示していく。たとえば、ジャンルリストであれば最初に「観光」、「買い物」、「飲食」、「宿泊」、「交通機関」などの旅行目的ごとのリストを表示し、そのうち「飲食」が選択されると、次に「ファミリーレストラン」、「ファーストフード」、「和風飲食店」、「洋風・中華飲食店」、「酒場・喫茶店」などの飲食店の種類のリストを表示する。そして、「ファーストフード」が選択されると、最後に「Kフライドチキン」、「Tアイスクリーム」、「Mハンバーガー」、「Sバーガー」、「牛丼Y」などの具体的なファーストフードチェーン名を表示する。また、たとえば地域リストであれば、最初に「茨城県」、「岩手県」、「愛媛県」、「大分県」、「大阪府」などの都道府県名のリストを表示し、そのうち「茨城県」が選択されると、「真壁町」、「水海道市」、「水戸市」、「美野里町」、「美浦村」などの市町村名のリストを表示する。
【0047】
ステップS5では、ステップS3で表示したジャンルリスト、またはステップS4で表示した地域リストの中から、いずれかがユーザによって選択されたか否かを判定する。いずれかが選択された場合はステップS6へ進み、選択されない場合はステップS8へ進む。以下、ステップS6へ進んだ場合から先に説明する。
【0048】
ステップS6では、ステップS5で選択された施設ジャンルまたは地域のいずれかを検索条件に追加する。これにより、たとえば「飲食」、「ファーストフード」、「Mハンバーガー」などの施設ジャンルや、「茨城県」、「水戸市」などの地域が検索条件にそれぞれ加えられ、検索条件が設定される。次のステップS7では、これまでに実行したステップS3およびS4において、施設ジャンルと地域の全階層のリストを既に表示したか否かを判定する。全階層のリストを既に表示済みである場合は、後で説明するステップS9へ進む。一方、まだ表示していない階層がある場合は、ステップS2へ戻って上記の処理を繰り返す。なお、このときステップS3またはS4では、それまでに表示したリストよりも一つ下の階層のリストを表示する。
【0049】
次に、ステップS5からステップS8へ進んだ場合を説明する。ステップS8では、図2〜6に示す施設検索開始ボタン23が押されたか否かを判定する。押された場合はステップS9へ進み、押されない場合はステップS17へ進む。以下、ステップS9へ進んだ場合から先に説明する。
【0050】
ステップS9では、それまでに実行されたステップS6において設定された施設検索条件に基づいて、その検索条件に該当する施設を地図データから検索する。次のステップS10では、ステップS9において検索された施設をリスト表示する。これにより、図7のリスト表示欄21に施設の検索結果がリスト表示され、たとえば水戸市内のMハンバーガーの各支店名が表示される。
【0051】
ステップS11では、図7に示す経路探索開始ボタン25が押されたか否かを判定する。押された場合はステップS12へ進み、そのときリスト表示欄21の中で選択されている施設を目的地に設定する。そして、次のステップS13において、設定された目的地までの推奨経路を地図データに基づいて探索する。ステップS13を実行したら、図8のフローチャートを終了する。その後は、探索された推奨経路にしたがって、設定された目的地までのルート案内が行われる。
【0052】
一方、ステップS11において経路探索開始ボタン25が押されない場合はステップS14へ進み、検索条件登録ボタン24が押されたか否かを判定する。押された場合はステップS15へ進み、検索条件の設定履歴を登録するために以下のような処理を実行する。押されていない場合はステップS11へ戻る。
【0053】
ステップS15では、それまでにステップS6において設定された検索条件の設定履歴、すなわち図7の検索条件表示欄22に表示されている各検索条件から、最下位階層に設定された施設ジャンル名と地域名をそれぞれ抽出する。たとえば、施設ジャンルの検索条件として「飲食」、「ファーストフード」および「Mハンバーガー」が設定されており、地域の検索条件として「茨城県」および「水戸市」が設定されている場合には、「Mハンバーガー」と「水戸市」をそれぞれ抽出する。次のステップS16では、ステップS15で抽出された施設ジャンル名と地域名を付与して検索条件の設定履歴を登録する。登録された検索条件の設定履歴はナビゲーション装置1において記憶され、後でユーザが検索条件の設定をするときに、ステップS20において呼び出すことができる。これにより、ユーザが過去に一度設定した検索条件については、再び設定する手間を省くことができる。ステップS16を実行したら、ステップS11へ戻る。
【0054】
次に、ステップS8からステップS17へ進んだ場合を説明する。ステップS17では、図2〜6に示す検索条件登録ボタン24が押されたか否かを判定する。押された場合はステップS18へ進み、それまでに設定された検索条件の設定履歴を登録するため、以下に説明するような処理を実行する。一方、検索条件登録ボタン24が押されていない場合は、ステップS5へ戻って既に説明したような処理を繰り返す。
【0055】
ステップS18では、それまでにステップS6において設定された検索条件の設定履歴、すなわち図2〜6の検索条件表示欄22に表示されている各検索条件から、その中で最も下位の階層のジャンル名と地域名をステップS15と同様にして抽出する。次のステップS19では、ステップS16と同様に、ステップS18で抽出した施設ジャンル名と地域名を付与して検索条件の設定履歴を登録する。ステップS19を実行した後は、ステップS5へ戻って上記で説明した処理を繰り返す。
【0056】
一方、ステップS1からステップS20へ進んだ場合、ステップS20では、それまでに実行されたステップS16またはステップS19によって登録されている検索条件の設定履歴を呼び出して表示する。このとき、登録時に付与された名称を表示することにより、その設定履歴の内容が一目で分かるようにする。ステップS21では、ステップS20で表示した検索条件の設定履歴のいずれかがユーザによって選択されたか否かを判定する。いずれかが選択されると、次のステップS22へ進み、その設定履歴を検索条件に設定する。
【0057】
ステップS23では、ユーザからの操作内容に応じて、ステップS22で設定された検索条件に新たな検索条件を追加するか否かを判定する。ユーザが検索条件の追加を選択している場合はステップS2へ進み、前述したようなステップS2以降の処理を実行する。これにより、ユーザに呼び出された過去の設定履歴によって設定された検索条件に、新たに入力された検索条件が加えられて、検索条件の設定が行われる。一方、ユーザが検索条件の追加を選択していない場合はステップS9へ進み、前述したようなステップS9以降の処理を実行する。これにより、登録された検索条件の設定履歴にしたがって施設検索が行われる。以上説明したようにして、過去に登録された検索条件の設定履歴に基づいて現在の検索条件を設定し、それに該当する施設を検索できる。
【0058】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザに選択された施設ジャンルや地域を検索条件に追加していくことで、施設の検索条件をユーザからの入力に基づいて設定し(ステップS6)、検索条件登録ボタン24が押されると、その時点における検索条件の設定履歴を登録する(ステップS16、S19)。そして、過去に登録された検索条件の設定履歴を呼び出し(ステップS20)、その内容に基づいて検索条件を設定して(ステップS22)、設定された検索条件に該当する施設を検索することとした(ステップS9)。このようにしたので、施設を検索する際に毎回検索条件を指定する必要がなく、ユーザの手間を省くことができる。
【0059】
(2)検索条件の設定履歴を登録する際に、その登録内容に基づいて名称を付与することとした。具体的には、検索条件として最下位階層に設定された施設ジャンル名と地域名をそれぞれ抽出し(ステップS15、S18)、その抽出された施設ジャンル名と地域名により、登録時の名称を付与することとした(ステップS16、S19)。このようにしたので、後で検索条件の設定履歴を呼び出すときにユーザにとって分かりやすい名称を付与することができる。
【0060】
なお、上記の実施の形態では、検索条件として施設ジャンルと地域を設定していたが、これ以外の条件、たとえば現在地からの距離などを検索条件に加えてもよい。施設ジャンルと地域を少なくとも含んでいれば、どのような検索条件を設定してもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、ナビゲーション装置において、DVD−ROMなどの記憶メディアに記録された地図データに基づいて目的地候補を検索する例について説明しているが、本発明はこの内容には限定されない。たとえば、携帯電話などによる無線通信を用いて、地図データを情報配信センターからダウンロードする通信ナビゲーション装置などにおいても、本発明を適用できる。
【0062】
その場合、上記に説明したような検索条件の設定や登録、過去に登録された設定履歴の呼び出しなどの処理をナビゲーション装置において行い、設定された検索条件をナビゲーション装置から情報配信センターに送信する。この情報に基づいて、情報配信センターにおいて設定された検索条件に該当する施設を検索し、その検索結果のリストをナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置では、情報配信センターから送信された施設の検索結果のリストを表示してユーザに選択させ、その選択結果を情報配信センターに送信する。その後、情報配信センターにおいて選択された施設までの経路探索を行い、その経路に沿った地図をナビゲーション装置に配信する。このようにして、本発明を適用することができる。すなわち、ナビゲーション装置は、検索条件を設定および登録する手段と、過去に登録された検索条件の設定履歴により検索条件を設定する手段とを有し、情報配信センターは、ナビゲーション装置において設定された検索条件に該当する手段とを有している。
【0063】
上記の実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段を制御回路11の処理によって実現しているが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も、本発明の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】検索条件を入力する際に最初に表示される画面の例である。
【図3】図2の画面の次に表示される画面の例である。
【図4】図3の画面の次に表示される画面の例である。
【図5】図4の画面の次に表示される画面の例である。
【図6】図5の画面の次に表示される画面の例である。
【図7】施設検索が完了したときに表示される画面の例である。
【図8】検索条件を設定して該当する施設を検索し、検索条件の設定履歴を登録するときに実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
21 リスト表示欄
22 検索条件表示欄
23 施設検索開始ボタン
24 検索条件登録ボタン
25 経路探索開始ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設ジャンルと地域を少なくとも含む検索条件をユーザからの入力に基づいて設定する第1の条件設定手段と、
前記第1の条件設定手段により設定された検索条件の設定履歴を登録する登録手段と、
前記登録手段により過去に登録された検索条件の設定履歴に基づいて検索条件を設定する第2の条件設定手段と、
前記第1または第2の条件設定手段により設定された検索条件に該当する施設を検索する検索手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記登録手段によって検索条件の設定履歴を登録する際に、その登録内容に基づいて名称を付与する名称付与手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2のナビゲーション装置において、
前記第1の条件設定手段は、前記検索条件を施設ジャンルと地域についてそれぞれ複数に階層分けして設定し、
前記名称付与手段は、前記第1の条件設定手段により検索条件として最下位階層に設定された施設ジャンル名と地域名をそれぞれ抽出し、その抽出された施設ジャンル名と地域名に基づいて名称を付与することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−194817(P2006−194817A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8847(P2005−8847)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】