説明

ナビゲーション装置

【課題】交通情報リストに表示されている誘導地点のうちの現在の交通情報と異なる交通情報を有している地点を認識できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】衛星ラジオ受信機110で受信した交通情報を受信メモリ111に記憶し、そのうち誘導地点の交通情報をルート上データメモリ112に記憶する。ルート上データメモリ112の交通情報を30秒ごとにリスト表示データメモリ113に記憶する。5秒ごとにルート上データメモリ112の更新状況をモニタし、更新が検出されると、リスト表示データメモリ113の交通情報を受信メモリ111の交通情報と照合する。2つの交通情報同士が一致していない誘導ポイントのリスト表示欄をハッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した交通情報をリスト表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、受信した交通情報に基づいて所定の地点の交通情報をリスト表示するナビゲーションシステムが知られている。このナビゲーションシステムでは、リストの中から所望の地点が選択されると、その地点周辺の地図とともに、その地点周辺の交通情報を表示モニタに表示することができる(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−11693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のナビゲーションシステムでは、交通情報のリストを所定周期で更新する必要があるが、地点数が多い場合には、更新時間が数十秒かかることもある。そのため、交通情報リストで渋滞情報が表示されている地点を選択したとき、選択された地点の渋滞が既に解消されている場合には、表示モニタ上の地点周辺の地図に渋滞情報が表示されず、ユーザが違和感を覚えるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1のナビゲーション装置は、外部からの交通情報を受信する受信機と、受信した交通情報を記憶する第1記憶手段と、所定の地点の交通情報を第1記憶手段から読み出し、各地点の交通情報として記憶する第2記憶手段と、第2記憶手段に記憶されている各地点の交通情報を、地点ごとにリスト表示するためのリスト表示データとして記憶する第3記憶手段と、第1記憶手段に記憶した交通情報が更新されると、第2記憶手段に記憶した各地点の交通情報を更新する更新手段と、更新手段により各地点の交通情報が更新されると、第3記憶手段に記憶しているリスト表示データを第1記憶手段の交通情報と照合する照合手段と、リスト表示データに基づいて交通情報リストを表示モニタに表示するとともに、照合により交通情報と一致しないデータを有する地点のデータ表示欄の表示形態を、一致しているデータ表示欄の表示形態と異なるように表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、表示モニタに表示されているリスト表示データ内の所定の地点を指定すると、当該地点の周辺地図を表示するとともに、第1記憶手段の交通情報を参照して取得した交通情報を地図に重畳して表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、データ表示欄の表示形態が変更された地点が指定されたとき、その指定を無効と判定して地図表示を行わないことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、第3記憶手段のリスト表示データは、第2記憶手段の各地点の交通情報を用いて第1の時間間隔で更新し、照合手段は、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で照合を行うことを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、地点は、推奨経路上に設定されている誘導ポイントであることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、受信機は、衛星経由で配信される交通情報を受信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、受信した交通情報と表示画面上の交通情報リストの交通情報とを照合し、交通情報が異なる地点のデータ欄の表示態様を他のデータ欄の表示形態と異なるようにした。したがって、交通情報リストから要求した周辺地図上の交通情報との齟齬が発生することを抑制して、ユーザに違和感を抱かせるおそれを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、人工衛星から送信された衛星ラジオ情報を受信し、複数地点の交通情報を取得することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、衛星ラジオ受信部110、受信メモリ111、ルート上データメモリ112、リスト表示データメモリ113,およびディスクドライブ114を有している。ディスクドライブ114には、地図データが記憶されたDVD−ROM115が装填されている。
【0007】
ディスクドライブ114は、DVD−ROM115から、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む地図データを読み出す。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM115以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM115に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは、車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは、車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上に自車位置マークとしてその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納するVRAMである。画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM115に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。また、後述する交通情報のリスト表示画像は、リスト表示データメモリ113に記憶したリスト表示データに基づいて作成され、画像メモリ15に格納されて表示モニタ16に表示される。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を手動で操作することにより、目的地を設定する。
【0012】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、推奨経路データとして所定の記憶領域に記憶され、また、誘導ポイントにおける進行方向などで構成される誘導データも所定の記憶領域に記憶される。推奨経路は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、上述した誘導データに基づいて、各誘導ポイントにおいて、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0013】
衛星ラジオ受信部110は、図示しない衛星ラジオ局から人工衛星を介して供給される衛星ラジオ情報を受信し、制御回路11に出力する。衛星ラジオ情報には、渋滞、混雑などの渋滞情報、事故や故障車などの交通障害情報、通行止めや閉鎖などの交通規制情報などといった交通情報が含まれる。これらの交通情報は、交差点など主要の地点に対応付けられている。
【0014】
受信メモリ111は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成され、衛星ラジオ受信部110によって受信した交通情報を記憶する。たとえば5分ごとに最新の交通情報が配信され、衛星ラジオ受信部110によって受信した最新の交通情報にしたがって、受信メモリ111が5分ごとに更新される。更新処理は30秒程度要する。受信メモリ111には、図2(a)に示すように、地点名称ごとに、地点の緯度経度、接続リンク番号、渋滞内容、交通規制などのデータが記憶される。なお、このデータ構造は一例であり、種々の形態で受信メモリ111を構築することができる。
【0015】
ルート上データメモリ112は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成され、受信メモリ111に記憶されている交通情報から推奨経路上に設定されている誘導ポイントの交通情報を抽出して記憶する。ルート上データメモリ112には、図2(b)に示すように、誘導ポイント名称ごとに、交通情報、自車位置から誘導ポイントまでの距離を示すデータが記憶される。受信メモリ111に記憶されている交通情報が更新されると、ルート上データメモリ112も受信メモリ111の更新データにより更新される。
【0016】
リスト表示データメモリ113は、ルート上データメモリ112内に記憶した誘導ポイントの交通情報を、たとえば30秒ごとにコピーしてリスト表示データとして記憶する。したがって、リスト表示データメモリ113には、図2(b)に示すように、誘導ポイント名称ごとに、交通情報、自車位置から誘導ポイントまでの距離を示すデータが記憶される。制御装置11のCPUは、リスト表示データに基づいて誘導ポイントの交通情報リストの画像データを作成して表示モニタ16に表示する。
【0017】
ルート上データメモリ112のデータの更新状況は5秒間隔で検出され、いずれかのデータの更新が発生すると、リスト表示データメモリ113の交通情報と受信メモリ111の交通情報を照合する。照合結果により、データが一致しない交通情報の存在が判定されている場合、表示モニタ16に表示する交通情報リストの該当データ欄にはハッチングを付して表示する(図6参照)。
【0018】
なお、この実施の形態では、リスト表示データメモリ113のデータは、ルート上データメモリ112のデータをコピーして記憶し更新するので、ルート上データメモリ112のデータ更新が検出されても、その都度更新せず、30秒ごとに更新する。
【0019】
上述した交通情報リストについて、図3を参照して詳細に説明する。入力装置18を操作して、所定のメニューを選択すると図3に示す交通情報表示画面20が表示モニタ16に表示される。交通情報表示画面20には、ルート上データメモリ112に記憶されている交通情報が交通情報リスト21として表示される。すなわち、ユーザから交通情報のリスト表示要求が入力されると、リスト表示データメモリ113のリスト表示データに基づいて、図3に示す交通情報リスト21の画像データが作成される。このリスト表示画像データが画像メモリ15に展開され、表示モニタ16に交通情報リスト21として表示される。
【0020】
図3に示すとおり、交通情報リスト21には、渋滞など交通情報を有する場所の地点名22、交通情報23、および自車位置からの距離24が含まれる。入力装置18を操作して、交通情報リスト21に表示されている地点名22の中から所望の地点(誘導ポイント)名を選択すると、その地点の交通情報の詳細情報が、交通情報を表示した地図として表示される。たとえば、図3に示すように、「○○交差点」の表示欄25を選択すると、制御装置11のCPUは受信メモリ111の該当する地点の詳細交通情報を読み出し、図4に示すように「○○交差点」周辺の地図30を表示するとともに、地図30に重ねて交通情報を矢印32a〜32hとして表示する。ここで、矢印32a〜32hは渋滞を表示する赤色の矢印である。これにより、ユーザは「○○交差点」の交通情報の詳細情報を認識できる。上述したように、渋滞表示線32a〜32hは、受信メモリ111に記憶されている交通情報に基づいて、地図データ上に重畳されて描画される。
【0021】
次に、本発明の実施形態における交通情報リスト表示処理について図5および図7のフローチャートを参照して説明する。図5および7の処理は、ナビゲーション装置の電源が投入されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0022】
ステップS501では、衛星ラジオ受信部110より新たに交通情報を受信したか否かを判定する。ステップS501が肯定されるとステップS502に進み、受信した新たな交通情報に基づいて受信メモリ111に記憶されている交通情報を更新する。ステップS503では、探索された推奨経路データが記憶されているか否かを判定し、肯定判定されるとステップS504に進む。推奨経路データが無い場合はこの処理を終了する。ステップS504では、受信メモリ111に記憶されている交通情報のうち、推奨経路上に設定した誘導ポイントの交通情報を抽出し、抽出した交通情報に基づいて、ルート上データメモリ112に誘導ポイントの交通情報リストとして記憶し更新する。
【0023】
ステップS505では、ルート上データメモリ112の交通情報リストをそのまま交通情報リスト表示データとしてリスト表示データメモリ113に記憶する。ステップS506では、5秒タイマと30秒タイマをセットする。
【0024】
ステップS507では、5秒タイマがカウントアップしたか否かを判定することにより、交通情報リストを作成もしくは更新してから5秒経過したか否かを判定する。5秒経過したらステップS508において、ルート上データメモリ112の交通情報が更新されたか否かを判定する。更新された場合、ステップS509において、リスト表示データメモリ113に記憶されている誘導ポイントの交通情報と、受信メモリ111の該当する地点の交通情報とを比較照合する。ステップS510において、比較照合結果が一致するか否かを判定し、一致しないと判定されるとステップS511に進み、一致しない誘導ポイントの交通情報リスト表示のデータ欄をハッチングする処理を実行する。その結果、交通情報リスト表示画面は、図6に示すように、「○○交差点」のデータ欄がハッチングされる。
【0025】
照合結果が一致する場合はステップS510が肯定され、ステップS512で5秒タイマを再度セットする。そして、ステップS513において30秒タイマがカウントアップしたか否かを判定することにより、交通情報リストを作成もしくは更新してから30秒経過したか否かを判定する。30秒経過していなければステップS507に戻り、ステップS507〜ステップS512を繰り返す。
【0026】
30秒タイマがカウントアップしてステップS513が肯定されると、ステップS514において、ルート上データメモリ112のデータ内容によりリスト表示データメモリ113を更新する。その後、ステップS515において、5秒タイマをリセットしてステップS501に戻る。
【0027】
図7は、交通情報をリスト表示する要求がユーザから入力されたときに割り込みで実行されるプログラムを示すフローチャートである。ステップS701において、リスト表示データメモリ113のデータに基づいて交通情報リスト画像を作成し、画像メモリ15に格納して表示モニタ16に交通情報リスト(図3参照)を表示する。ステップS702では、リスト表示画面上から詳細情報が要求されているか否かを判定する。肯定判定されると、ステップS703において、要求された地点の交通情報を受信メモリ111から取得する。ステップS704において、要求された地点周辺の地図を表示モニタ16に表示するとともに、取得した交通情報に基づいて渋滞線などを地図に重畳表示する(図4参照)。
【0028】
このようなリスト表示処理を行うナビゲーション装置による利点について以下説明する。
上述したとおり、受信メモリ111とルート上データメモリ112は、5分ごとに更新されて配信される交通情報に基づいて更新される。交通情報リスト表示画像はリスト表示データメモリ113のリスト表示データに基づいて作成され、このリスト表示データは、ルート上データメモリ112に記憶した交通情報に基づいて30秒ごとに更新される。そのため、この30秒の間に、交通情報リスト表示されている誘導ポイントの交通情報が変化している場合、表示モニタ16に表示されている交通情報リストの交通情報と、実際の誘導ポイントでの交通情報、たとえば渋滞情報が一致しないことが生じる。この場合、ユーザがかかる誘導ポイントの詳細情報を要求すると、表示されている交通情報と地図上に表示される交通情報とが一致せず、違和感を覚える。
【0029】
そこで、この実施の形態では、30秒ごとに更新されるリスト表示データでありながら、最短5秒ごとに、リスト表示データメモリ113の交通情報を、最新の交通情報を記憶する受信メモリ111の交通情報と照合し、一致しない場合は、リスト表示画面の該当誘導ポイントのデータ欄をハッチングしてユーザに注意を喚起するようにした。ルート上データメモリ112は、受信メモリ111が更新されると更新されるので、上記実施の形態では、5秒ごとにルー上データメモリ112の更新状況をモニタし、更新があった場合、上述したように、リスト表示データメモリ113の交通情報と受信メモリ111の交通情報との照合を行って、不一致の誘導ポイントを識別するようにした。
【0030】
なお、ルー上データメモリ112の更新状況に応じてリアルタイムでリスト表示データメモリ113を更新する構成を採用する場合、CPUの負荷が重くなり、システムのコストアップの要因となる。換言すると、以上説明したリスト表示処理によりシステムコストを抑えつつ、ユーザに違和感を与えないリスト表示処理を提供することができる。
【0031】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)交通情報リスト21として表示されている誘導ポイントのうち、受信メモリ111の交通情報と一致しない地点のデータ欄についてハッチングを施したが、一致する地点の表示形態と異なる態様で表示すれば、ハッチングに限定されない。たとえば、ハッチングに代えて網かけをしたり、色を変えて表示するようにしてもよい。この場合、交通情報リスト21を作成し直すより処理時間が短いことが好ましい。
【0032】
(2)交通情報リスト21として表示されている誘導ポイントのうち、受信メモリ111の交通情報と一致しない地点のデータ欄についてハッチングを施してユーザに注意を喚起するようにした。しかしながら、ハッチングされている地点について詳細情報が指定されてもその周辺地図を表示しない、すなわち、渋滞線などの詳細な交通情報を表示しないようにその指定を無効としてもよい。この場合、ハッチングをしなくてもよいが、逆にユーザが違和感を覚えるおそれがあるので、ハッチングなどの表示形態による報知もユーザインターフェース上、十分に考慮する必要がある。
【0033】
(3)受信する交通情報の情報量が多い場合は、分割して受信するようにしてもよい。たとえば、全ての交通情報を受信するのに30秒かかる場合、10秒ごとに交通情報を受信し、受信メモリ111の交通情報を順次書き換えるようにしてもよい。
【0034】
(4)ルート上データメモリ112に記憶した交通情報のうち、車両が通過した地点の交通情報を順次削除するのが好ましい。処理するデータ量を少なくなるので、交通情報リストを作成する処理時間などが短くなる。
【0035】
(5)ルート上データメモリ112およびリスト表示データメモリ113に記憶する交通情報は実施の形態に限定されず、必要に応じてリスト表示する情報内容を選択すればよい。経路探索による推奨経路の誘導ポイントに限らず、他の手法により設定した経路上の主要交差点などの地点の交通情報をリスト表示するものでもよい。
【0036】
(6)推奨経路上の交通情報のほかに、車両の現在地から所定距離内の地点についての交通情報をリスト表示してもよい。推奨経路上を走行していないときも、車両の周辺の交通情報を認識することができ、便利である。
【0037】
(7)交通情報を衛星ラジオから配信するものとしたが、いわゆるVICS情報配信センタからFM多重放送、各種ビーコン経由で配信される交通情報を受信するナビゲーション装置にも本発明を適用することができる。
【0038】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0039】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の受信機は衛星ラジオ受信部110に対応し、第1記憶手段は受信メモリ111に対応し、第2記憶手段はルート上データメモリ112に対応し、第3記憶手段はリスト表示データメモリ113に対応し、更新手段、照合手段および表示制御手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】メモリのデータ構造を示す図である。
【図3】交通情報リスト表示の一例を示す図である。
【図4】交通情報リストから選択された地点の交通情報の詳細情報の表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における交通情報リスト表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】ハッチングが施されたデータ欄を有する交通情報リスト表示の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における詳細情報の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 ナビゲーション装置 11 制御回路
15 画像メモリ 16 表示モニタ
18 入力装置 21 交通情報リスト
32a〜32h 渋滞を示す矢印 110 衛星ラジオ受信部
111 受信メモリ 112 ルート上データメモリ
113 リスト表示データメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの交通情報を受信する受信機と、
受信した前記交通情報を記憶する第1記憶手段と、
所定の地点の交通情報を前記第1記憶手段から読み出し、各地点の交通情報として記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段に記憶されている前記各地点の交通情報を、前記地点ごとにリスト表示するためのリスト表示データとして記憶する第3記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶した前記交通情報が更新されると、前記第2記憶手段に記憶した前記各地点の交通情報を更新する更新手段と、
前記更新手段により前記各地点の交通情報が更新されると、前記第3記憶手段に記憶しているリスト表示データを前記第1記憶手段の交通情報と照合する照合手段と、
前記リスト表示データに基づいて交通情報リストを表示モニタに表示するとともに、前記照合により前記交通情報と一致しないデータを有する地点のデータ表示欄の表示形態を、一致しているデータ表示欄の表示形態と異なるように表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記表示モニタに表示されている前記リスト表示データ内の所定の地点を指定すると、当該地点の周辺地図を表示するとともに、前記第1記憶手段の交通情報を参照して取得した交通情報を前記地図に重畳して表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記データ表示欄の表示形態が変更された地点が指定されたとき、その指定を無効と判定して地図表示を行わないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記第3記憶手段の前記リスト表示データは、前記第2記憶手段の前記各地点の交通情報を用いて第1の時間間隔で更新し、前記照合手段は、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で前記照合を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記地点は、推奨経路上に設定されている誘導ポイントであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記受信機は、衛星経由で配信される交通情報を受信することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−145217(P2008−145217A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331557(P2006−331557)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】