説明

ナビゲーション装置

【課題】車両の走行状況に応じて好適なヘディングアップ方式による地図表示制御を行うナビゲーション装置を提供することにある。
【解決手段】表示制御手段(CPU11、表示制御プログラム16b6)によって、進行方向算出手段(CPU11、進行方向算出プログラム16b3)により算出された進行方向と、道路方向算出手段(CPU11、道路方向算出プログラム16b4)により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合、道路方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、進行方向算出手段により算出された進行方向と、道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、進行方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)や自律航法により車両の現在位置を検出し、当該検出した車両の現在位置を地図情報とともに、表示画面上に表示するナビゲーション装置が知られている。また、地図の表示形態として、地図上で、進行方向が常に上向きとなるヘディングアップ方式が知られている。
【0003】
このようなナビゲーション装置には、例えば、地図情報から現在走行中の道路に対応する道路リンクを取得し、取得された道路リンクを参照してマップマッチングを行う際、自車位置がマッピングされる位置を所定の条件に応じて道路リンクから所定の距離だけ実際の走行位置側に移動させて表示するナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−221427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術の場合、ヘディングアップ方式による地図表示は、GPS受信機により受信された自車位置の履歴情報に基づいて自車の進行方向を算出し、算出された進行方向が上向きとなるように表示する方法や、地図情報に含まれる道路情報に基づいて現在位置における道路方向を算出し、算出された道路方向が上向きとなるように表示する方法等を画一的に用いて、ヘディングアップ方式による地図表示を行っていた。
このため、例えば、急カーブの道路を走行している場合において、GPS受信機により受信された自車位置の履歴情報に基づいて自車の進行方向を算出し、算出された進行方向が上向きとなるように表示するヘディングアップ方式を用いると、地図表示による見え方と、実際の見え方とが異なってしまい、ユーザに地図表示の認識をし難くさせてしまう虞がある。また、交差点を徐行しながら右折するような場合において、地図情報に含まれる道路情報に基づいて現在位置における交差点の道路方向を算出し、算出された交差点での道路方向が上向きとなるように表示するヘディングアップ方式を用いると、車両が右折しかかると、当該右折する道路の進行方向へ、急に地図表示が切り替わるため、ユーザに地図表示の認識をし難くさせてしまう虞がある。
【0005】
本発明の課題は、車両の走行状況に応じて好適なヘディングアップ方式による地図表示制御を行うナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
自車位置を検出する検出手段と、
道路の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記検出手段により検出された自車位置を、予め設定された許容範囲内に存在する所定の道路上の位置に一致させるマップマッチング手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置を、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とともに表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えるナビゲーション装置において、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置の履歴を記憶する自車位置履歴記憶手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記自車位置履歴記憶手段に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出する進行方向算出手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出する道路方向算出手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合、前記道路方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、前記進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別する判別手段を備え、
前記表示制御手段は、前記判別手段により、前記現在の自車位置が、前記交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別された場合、前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合であっても、前記進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
自車位置を検出する検出手段と、
道路の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記検出手段により検出された自車位置を、予め設定された許容範囲内に存在する所定の道路上の位置に一致させるマップマッチング手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置を、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とともに表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えるナビゲーション装置において、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置の履歴を記憶する自車位置履歴記憶手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記自車位置履歴記憶手段に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出する進行方向算出手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出する道路方向算出手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別する判別手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合であって、前記判別手段により、前記現在の自車位置が、前記交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別されない場合、前記現在の自車位置を前記表示部の中心に且つ前記道路方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させる一方、前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、又は前記判別手段により、前記現在の自車位置が、前記交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別された場合、前記現在の自車位置を前記表示部の中心に且つ前記進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検出手段によって自車位置を検出することができ、地図情報記憶手段によって、道路の位置情報を含む地図情報を記憶することができ、マップマッチング手段によって、地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、検出手段により検出された自車位置を、道路上の位置に一致させることができ、自車位置履歴記憶手段によって、マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置の履歴を記憶することができ、進行方向算出手段によって、マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、自車位置履歴記憶手段に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出することができ、道路方向算出手段によって、地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出することができ、表示制御手段によって、進行方向算出手段により算出された進行方向と、道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合、道路方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、進行方向算出手段により算出された進行方向と、道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることができる。
従って、車両の走行状況に応じて好適なヘディングアップ方式による地図表示制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図を参照して、本発明にかかるナビゲーション装置の最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
まず、ナビゲーション装置1の構成について、図1を参照して説明する。
ナビゲーション装置1は、例えば、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、GPS測位部12と、電源部13と、表示部14と、RAM(Random Access Memory)15と、記憶部16と、等を備えて構成される。なお、各部は、バス10によって接続されている。
【0012】
CPU11は、記憶部16に記憶されたナビゲーション装置1用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0013】
GPS測位部12は、例えば、地球低軌道に打ち上げられた少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、当該受信したGPS信号に基づき、現在位置を測位し、測位情報をCPU11に出力する。これにより、GPS測位部12は、検出手段として機能する。
【0014】
電源部13は、例えば、車両に設置されているシガレット電源に接続され、エンジンの始動及び停止に連動して作動する。
【0015】
表示部14は、例えば、液晶表示機器から構成され、CPU11から入力される表示信号に従って所定の表示処理を行う。
具体的には、表示部14は、例えば、現在位置を地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示する。
【0016】
RAM15は、例えば、CPU11によって実行される処理プログラム等を展開するためのプログラム領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域等を備える。
【0017】
記憶部16は、例えば、ナビゲーション装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU11によって演算処理された処理結果のデータ等を記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部16に記憶されている。
【0018】
具体的には、記憶部16は、例えば、図1に示すように、地図情報データベース16a1と、自車位置履歴データテーブル16a2と、検出プログラム16b1と、マップマッチングプログラム16b2と、進行方向算出プログラム16b3と、道路方向算出プログラム16b4と、判別プログラム16b5と、表示制御プログラム16b6と、等を記憶している。
【0019】
地図情報データベース16a1は、例えば、地図情報記憶手段として、所定の地域内(例えば、日本全土)を表現したカーナビゲーション用の道路地図に関する地図情報を記憶する。かかる地図情報は、例えば、道路の位置情報(ノード情報、リンク情報等)等を含む道路情報や、地図上の各施設や地形等を表示する背景情報等を備えている。
【0020】
自車位置履歴データテーブル16a2は、CPU11がマップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた自車位置の履歴として、緯度・経度情報等を記憶する。
記憶部16は、かかる自車位置履歴データテーブル16a2を記憶することで、自車位置履歴記憶手段として機能する。
【0021】
検出プログラム16b1は、CPU11に、GPS測位部12によって測位された測位情報に基づき、現在位置を検出する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、CPU11は、検出プログラム16b1を実行することにより、例えば、GPS測位部12から出力された測位情報に基いて、ナビゲーション装置1の絶対的な2次元の現在位置(緯度、経度)を検出する。
CPU11は、かかる検出プログラム16b1を実行することにより、検出手段として機能する。
【0022】
マップマッチングプログラム16b2は、CPU11に、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、検出プログラム16b1の実行により検出された自車位置を、道路上の位置に一致させる機能を実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、図2(a)に示すように、CPU11は、マップマッチングプログラム16b2を実行することにより、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、検出プログラム16b1の実行により検出された自車位置P1、P2、P3、P4、P5が道路上の位置に一致するように、自車位置P1、P2、P3、P4、P5夫々における緯度・経度情報の補正を行う。これにより、自車位置P1、P2、P3、P4、P5夫々は、道路上の位置に一致させたR1、R2、R3、R4、R5へ補正される。
CPU11は、かかるマップマッチングプログラム16b2を実行することにより、マップマッチング手段として機能する。
【0023】
進行方向算出プログラム16b3は、CPU11に、マップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、自車位置履歴データテーブル16a2に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、図2(a)に示すように、CPU11は、進行方向算出プログラム16b3を実行することにより、マップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた現在の自車位置R5における緯度・経度情報と、自車位置履歴データテーブル16a2に記憶された直前の自車位置R4における緯度・経度情報とに基づいて、自車の進行方向V1の方位角度を算出する。
CPU11は、かかる進行方向算出プログラム16b3を実行することにより、進行方向算出手段として機能する。
【0024】
道路方向算出プログラム16b4は、CPU11に、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、図3(a)に示すように、CPU11は、道路方向算出プログラム16b4を実行することにより、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置R8における道路の中心線の接線方向を道路方向V4として算出する。
CPU11は、かかる道路方向算出プログラム16b4を実行することにより、道路方向算出手段として機能する。
【0025】
判別プログラム16b5は、CPU11に、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とに基づいて、現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、CPU11は、判別プログラム16b5を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に含まれる道路のノード情報とに基づいて、現在の自車位置が、交差点の中心位置から半径rの範囲に位置するか否かを判別する。
より具体的には、例えば、図4(a)に示すように、現在の自車位置がR9に位置する場合、交差点の中心位置から半径rの範囲に位置しないと判別され、現在の自車位置がR10、R11、R12、又はR13に位置する場合、交差点の中心位置から半径rの範囲に位置すると判別されることとなる。
CPU11は、かかる判別プログラム16b5を実行することにより、判別手段として機能する。
【0026】
表示制御プログラム16b6は、CPU11に、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた自車位置を、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示部14に表示させる機能を実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、図2(a)に示すように、CPU11がマップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた現在の自車位置がR5に位置する場合において、CPU11による進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向V1と、CPU11による道路方向算出プログラム16b4の実行により算出された道路方向V2とのなす角度が所定の閾値以上の場合、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、図2(b)に示すように、現在の自車位置R5を表示部14の中心に且つ道路方向V2が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させるとともに、当該現在の自車位置R5を地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示させ、CPU11による進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向V1と、CPU11による道路方向算出プログラム16b4により算出された道路方向V2とのなす角度が所定の閾値未満の場合、図2(c)に示すように、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、現在の自車位置R5を表示部14の中心に且つ進行方向V1が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させるとともに、当該現在の自車位置R5を地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示させる。
より具体的には、例えば、閾値が「10°」に設定されており、図3(a)に示すように、CPU11がマップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた現在の自車位置がR8に位置する場合、CPU11による進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向V3と、CPU11による道路方向算出プログラム16b4の実行により算出された道路方向V4とのなす角度が、「52.44°」であり、閾値「10°」以上なので、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、図3(b)に示すように、現在の自車位置R8を表示部14の中心に且つ道路方向V4が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させるとともに、当該現在の自車位置R8を地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示させる。
また、例えば、図4(a)に示すように、CPU11がマップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた現在の自車位置がR13に位置する場合、CPU11が判別プログラム16b5を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置R13と、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に含まれる道路のノード情報とに基づいて、現在の自車位置R13が、交差点の中心位置から半径rの範囲に位置すると判別された場合、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、図4(b)に示すように、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、現在の自車位置R13を表示部14の中心に且つ進行方向V5が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させるとともに、当該現在の自車位置R13を地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示させる。
CPU11は、かかる表示制御プログラム16b6を実行することにより、表示制御手段として機能する。
【0027】
<ヘディングアップ表示処理>
次に、ナビゲーション装置1における、ヘディングアップ表示処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
まず、自車の走行中において、CPU11は、検出プログラム16b1を実行することによって、自車の現在位置の検出を行う(ステップS1)。
【0029】
次いで、ステップS2で、CPU11は、マップマッチングプログラム16b2を実行することにより、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、検出プログラム16b1の実行により検出された自車位置を、道路上の位置に一致させる(ステップS2)。
【0030】
次いで、ステップS3で、CPU11は、進行方向算出プログラム16b3を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2を実行することにより道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、自車位置履歴データテーブル16a2に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出する(ステップS3)。
【0031】
次いで、ステップS4で、CPU11は、道路方向算出プログラム16b4を実行することによって、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出する(ステップS4)。
【0032】
次いで、ステップS5で、CPU11は、判別プログラム16b5を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とに基づいて、現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別し、当該現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別された場合(ステップS5;Yes)、ステップS6へ進む。
【0033】
次いで、ステップS6で、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することによって、現在の自車位置を表示部14の中心に且つ進行方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、本処理を終了する。ここで、表示部14に表示される現在の自車位置は、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示される。
【0034】
一方、ステップS5で、CPU11が、判別プログラム16b5を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とに基づいて、現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別し、当該現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置しないと判別した場合(ステップS5;No)、ステップS7へ進む。
【0035】
次いで、ステップS7で、CPU11は、進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向と、道路方向算出プログラム16b4の実行により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上であるか否かを判断し、進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向と、道路方向算出プログラム16b4により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満であると判断された場合(ステップS7;No)、ステップS6へ進み、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、現在の自車位置を表示部14の中心に且つ進行方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、本処理を終了する。ここで、表示部14に表示される現在の自車位置は、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示される。
【0036】
一方、ステップS7で、CPU11が、進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向と、道路方向算出プログラム16b4により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上であると判断した場合(ステップS7;Yes)、ステップS8へ進む。
【0037】
次いで、ステップS8で、CPU11は、表示制御プログラム16b6を実行することにより、現在の自車位置を表示部14の中心に且つ道路方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、本処理を終了する。ここで、表示部14に表示される現在の自車位置は、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報とともに表示される。
【0038】
以上説明した本発明にかかるナビゲーション装置1によれば、CPU11が、検出プログラム16b1を実行することによって自車位置を検出することができ、地図情報データベース16a1によって、道路の位置情報を含む地図情報を記憶することができ、マップマッチングプログラム16b2を実行することによって、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、検出プログラム16b1の実行により検出された自車位置を、予め設定された許容範囲内に存在する所定の道路上の位置に一致させることができ、自車位置履歴データテーブル16a2によって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた自車位置の履歴を記憶することができ、CPU11が、進行方向算出プログラム16b3を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、自車位置履歴記憶手段に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出することができ、CPU11が、道路方向算出プログラム16b4を実行することによって、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に基づいて、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出することができ、進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向と、道路方向算出プログラム16b4の実行により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合、CPU11が、表示制御プログラム16b6を実行することによって、道路方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向と、道路方向算出プログラム16b4の実行により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、CPU11が、表示制御プログラム16b6を実行することによって、進行方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることができる。
従って、車両の走行状況に応じて好適なヘディングアップ方式による地図表示制御を行うことができる。
また、CPU11が、判別プログラム16b5を実行することによって、マップマッチングプログラム16b2の実行により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、地図情報に記憶された地図情報データベース16a1とに基づいて、現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別することができ、判別プログラム16b5の実行により、現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別された場合、進行方向算出プログラム16b3の実行により算出された進行方向と、道路方向算出プログラム16b4の実行により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合であっても、CPU11が、表示制御プログラム16b6を実行することによって、進行方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることができる。
従って、交差点で右折又は左折するような場合には、徐行運転することとなり、自車の進行方向が急激に変化することがないことから、交差点の周囲所定の範囲に位置する場合には、進行方向が表示部14の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることにより、車両の走行状況に応じて、より好適なヘディングアップ方式による地図表示制御を行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、表示制御プログラム16b6を実行する際の「所定の閾値」は、ユーザにより、所望の数値に設定変更できる設計であっても良い。
また、判別プログラム16b5において、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別する際の交差点の中心位置からの半径の長さrは、地図情報データベース16a1に記憶された地図情報に含まれる当該交差点の道路幅情報に応じて設定される設計であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明にかかるナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明におけるヘディングアップ表示の1例を示す図である。
【図3】急カーブを走行している際のヘディングアップ表示の1例を示す図である。
【図4】交差点を走行している際のヘディングアップ表示の1例を示す図である。
【図5】本発明におけるヘディングアップ表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 ナビゲーション装置
11 CPU(検出手段、マップマッチング手段、進行方向算出手段、道路方向算出手段、判別手段、表示制御手段)
12 GPS測位部(検出手段)
13 電源部
14 表示部
15 RAM
16 記憶部
16a1 地図情報データベース(地図情報記憶手段)
16a2 自車履歴データテーブル(自車履歴記憶手段)
16b1 検出プログラム(検出手段)
16b2 マップマッチングプログラム(マップマッチング手段)
16b3 進行方向算出プログラム(進行方向算出手段)
16b4 道路方向算出プログラム(道路方向算出手段)
16b5 判別プログラム(判別プログラム)
16b6 表示制御プログラム(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する検出手段と、
道路の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記検出手段により検出された自車位置を、予め設定された許容範囲内に存在する所定の道路上の位置に一致させるマップマッチング手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置を、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とともに表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えるナビゲーション装置において、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置の履歴を記憶する自車位置履歴記憶手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記自車位置履歴記憶手段に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出する進行方向算出手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出する道路方向算出手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合、前記道路方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させ、前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、前記進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別する判別手段を備え、
前記表示制御手段は、前記判別手段により、前記現在の自車位置が、前記交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別された場合、前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合であっても、前記進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
自車位置を検出する検出手段と、
道路の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記検出手段により検出された自車位置を、予め設定された許容範囲内に存在する所定の道路上の位置に一致させるマップマッチング手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置を、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とともに表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えるナビゲーション装置において、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた自車位置の履歴を記憶する自車位置履歴記憶手段と、
前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置と、前記自車位置履歴記憶手段に記憶された直前の自車位置とに基づいて、自車の進行方向を算出する進行方向算出手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づいて、前記マップマッチング手段により道路上の位置に一致させた現在の自車位置における道路の中心線の接線方向を道路方向として算出する道路方向算出手段と、
前記マップマッチング手段により道路上に一致させた現在の自車位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記現在の自車位置が、交差点の周囲所定の範囲に位置するか否かを判別する判別手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値以上の場合であって、前記判別手段により、前記現在の自車位置が、前記交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別されない場合、前記現在の自車位置を前記表示部の中心に且つ前記道路方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させる一方、前記進行方向算出手段により算出された進行方向と、前記道路方向算出手段により算出された道路方向とのなす角度が所定の閾値未満の場合、又は前記判別手段により、前記現在の自車位置が、前記交差点の周囲所定の範囲に位置すると判別された場合、前記現在の自車位置を前記表示部の中心に且つ前記進行方向が前記表示部の左右方向に直交する上方向を向くようにヘディングアップ表示させることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−268013(P2008−268013A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111944(P2007−111944)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】