説明

ナビゲーション装置

【課題】利用効率の高い有料道路を目的地までの経路に含めるにあたり、ユーザの利便性を向上させることが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、第1経路探索部42により探索した経路内に有料道路が含まれるかを有料道路判断部43により判断し、含まれる場合には、判定値算出部44によりその有料道路について判定値を算出する。第2経路探索部45は、判定値算出部44により算出された判定値と、基準値記憶部80に記憶される基準値を比較して、その有料道路が利用効率の高いものであるか否かを判断する。そして、第2経路探索部45は、利用効率が高くないと判断できる場合には、その有料道路を除外して再度経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの車両を目的地まで誘導するために経路を探索して表示するナビゲーション装置が知られている。また、ナビゲーション装置には、有料道路が経路に含まれる場合に、1kmあたりの料金を表示したり、1分短縮させるための料金を表示したりして、ユーザに有料道路を利用するか否かを選択させるものがある。このナビゲーション装置によれば、ユーザ自身が有料道路の利用効率を判断して、利用効率の高い有料道路を目的地までの経路に含めることができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−17169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のナビゲーション装置では、ユーザが有料道路を利用するか否かを選択する必要があり、ユーザにとっては選択操作が面倒となり、決して利便性が高いとはいえない。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、利用効率の高い有料道路を目的地までの経路に含めるにあたり、ユーザの利便性を向上させることが可能なナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のナビゲーション装置は、現在地から目的地までの経路を探索して、ユーザの車両を目的地まで誘導案内するナビゲーション装置であって、前記車両の走行時間が最も短くなる経路を探索する第1経路探索手段と、前記第1経路探索手段により探索された経路に有料道路を含むか否かを判断する有料道路判断手段と、前記有料道路判断手段により有料道路を含むと判断された場合、当該有料道路の利用効率を示す判定値を算出する判定値算出手段と、前記判定値が予め定められた基準値よりも高い場合に、当該有料道路の利用効率が悪いと判断して利用効率が悪い有料道路を除外し、前記車両の走行時間が最も短くなる経路を再探索する第2経路探索手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、探索された経路に有料道路を含む場合、当該有料道路の利用効率を示す判定値を算出し、算出した判定値が基準値よりも高い場合に、当該有料道路の利用効率が悪いと判断して利用効率が悪い有料道路を除外し、車両の走行時間が最も短くなる経路を再探索する。このため、ユーザ操作を要することなく、利用効率が悪い有料道路については除外されることとなり、利用効率の高い有料道路を目的地までの経路に含めるにあたり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。同図に示すナビゲーション装置1は、現在地から目的地までの経路を探索して、ユーザの車両を目的地まで誘導案内するものである。ここで、車両とは、自動4輪車のみならず、自動2輪車についても含む概念である。このようなナビゲーション装置1は、GPS(Global Positioning System)電波受信部10
と、地図データ記憶部20と、通信部30と、制御部40と、音声出力部50と、表示部
60と、操作部70とを備えている。
【0008】
GPS電波受信部10は、GPS衛星からの電波を受信するものである。地図データ記憶部20は、一般道路、有料道路等の車両が通行可能な各種道路、及び、周辺の建物等の情報を記憶したものである。通信部30は、電波ビーコンや光ビーコンと通信して、渋滞や通行止めなどの道路交通情報(いわゆるVICS(Vehicle Information and Communication)情報)を受信するものである。
【0009】
制御部40は、ナビゲーション装置1の全体を制御するものであり、特に、現在地から目的地までの経路を探索すると共に、ユーザの車両を目的地まで誘導案内する制御を実行するものである。音声出力部50は、例えば車両のスピーカ等によって構成され、音声により誘導案内するものである。表示部60は、液晶ディスプレイ等によって構成され、画像表示により誘導案内するものである。操作部70は、ユーザからの操作を受け付けるものであって、目的地の情報についての入力操作を受け付けるものである。また、操作部70は、後述する走行時間モードと利用効率モードとのいずれか一方を選択するためのものとしても機能する。
【0010】
ここで、制御部40は、現在値算出部41と、第1経路探索部(第1経路探索手段)42と、有料道路判断部43と、判定値算出部44と、第2経路探索部45と、基準値更新部46とを備えている。
【0011】
現在地算出部41は、GPS電波受信部10により受信されたGPS電波に基づいて車両の現在地を算出するものである。第1経路探索部42は、現在地算出部41によって算出された現在地と、操作部70を介して入力された目的地と、地図データ記憶部20に記憶される地図データとに基づいて、車両の走行時間が最も短くなる経路を探索するものである。また、第1経路探索部42は、通信部30によって取得された渋滞や通行止め等の情報についても考慮して経路を探索する。
【0012】
有料道路判断部43は、第1経路探索部42によって探索された経路に有料道路を含むか否かを判断するものである。ここで、有料道路とは走行に際して料金が発生する道路等であって、有料の橋なども含む概念である。
【0013】
判定値算出部44は、有料道路判断部43により有料道路を含むと判断された場合に、その有料道路の利用効率を示す判定値を算出するものである。具体的に判定値算出部44は、有料道路の走行に必要となる料金a、有料道路の走行区間の距離b、当該走行区間の法定最高時速c、当該走行区間を走行したときの予想平均時速dをした場合、F=α(a/b)×β(c/d)なる演算式から、判定値Fを算出する。
【0014】
すなわち、判定値算出部44は、(a/b)により距離あたりの単価を算出して金額的効率を求め、(c/d)により法定最高時速に対して、どの程度の平均速度で走行できるかを算出して速度的効率を求めている。そして、これらを掛け合わせることにより、総合的な利用効率を示す判定値Fを算出するようにしている。なお、上記演算式においてα及びβは通常「1」であるが、金額的効率に重きをおきたい場合や、速度的効率に重きをおきたい場合には、α及びβの値を変化させるようにすればよい。また、上記において予想平均時速dは、予め記憶された値であってもよいし、通信部30を介して受信された渋滞情報などを考慮して算出される値であってもよい。
【0015】
具体例を挙げて説明すると、判定値算出部44は、距離bが20kmの走行区間の料金aが700円であり、その区間の法定最高時速が100km/hであり、予想平均時速が80kmであった場合、判定値F=(700/20)×(100/80)≒43.8と算
出する。なお、この場合においてα及びβは「1」である。
【0016】
ここで、ナビゲーション装置1は、基準値記憶部80をさらに備えている。基準値記憶部80は、判定値Fと比較される基準値を記憶したものである。表1は、基準値記憶部80に記憶される基準値の一例を示す表である。
【0017】
【表1】

【0018】
表1に示すように、基準値記憶部80は、東名高速及び東北道について基準値を「80」と記憶し、首都高速3号線及び環状線について基準値を「90」と記憶している。このように、基準値記憶部80は、路線毎に定められた基準値を記憶している。なお、本実施形態において路線とは、首都高速などの有料道路全体を意味してもよいし、東名のある区間など有料道路の一部区間を意味してもよいものとする。
【0019】
第2経路探索部45は、判定値算出部44により算出された判定値Fと、基準値記憶部80に記憶された基準値とを比較し、判定値Fが基準値よりも高い場合に、有料道路の利用効率が悪いと判断するものである。ここで、金額的効率を示す(a/b)は、小さい値ほど効率が良い。(a/b)が小さいということは距離あたりの単価が安いことを示しているからである。また、速度的効率を示す(c/d)についても、小さい値ほど効率が良い。予想平均時速dは法定最高速度cを超えることがなく、(c/d)の最高値は1であり、予想平均時速dが小さくなって効率が悪くなるほど(c/d)の値は大きくなるからである。従って、判定値Fは小さい値であるほど良いといえ、第2経路探索部45は、判定値Fが基準値よりも高い場合に、有料道路の利用効率が悪いと判断する。
【0020】
また、第2経路探索部45は、有料道路の利用効率が悪いと判断した場合、その有料道路を除外して、車両の走行時間が最も短くなる経路を最探索する。これにより、利用効率が悪い有料道路を除いたうえで、目的地までの経路が案内されることとなる。
【0021】
基準値更新部46は、ユーザの車両による路線の利用頻度に応じて、基準値記憶部80に記憶される基準値を更新していくものである。表2は、更新後の基準値を示す表である。
【0022】
【表2】

【0023】
表2に示すように、基準値は、東名高速及び東北道について基準値を「58」となり、首都高速3号線について「70」となり、首都高環状線について基準値を「75」となっている。すなわち、ユーザの車両が東名高速、東北道、首都高3号線及び首都高環状線を当初の想定よりも利用せず、利用頻度が低かったことから、各基準値は表1の値よりも低下した値となっている。このように、基準値更新部46は、基準値を更新していき、ユーザの好みを反映した基準値を設定するようになっている。なお、利用頻度については、車両が実際に走行したか否かによって判断されてもよいし、探索されて表示部60に表示された経路をユーザが手動にて除外し表示されなくなったか否かによって判断されてもよい。
【0024】
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1において、操作部70は、走行時間が短くなることを優先して経路を探索する走行時間モードと、上記したような判定値を利用して経路を探索する利用効率モードとのいずれか一方を選択可能となっている。また、表示部60は、操作部70により走行時間モードが選択された場合、第1経路探索部42により探索された経路を表示し、操作部70により利用効率モードが選択された場合、第2経路探索部45により探索された経路を表示する。音声出力部50も同様に、操作部70により走行時間モードが選択された場合、第1経路探索部42により探索された経路についての音声を出力し、操作部70により利用効率モードが選択された場合、第2経路探索部45により探索された経路についての音声を出力する。
【0025】
次に、図2及び図3を参照して本実施形態に係るナビゲーション装置1の動作の概略を説明する。図2は、本実施形態に係るナビゲーション装置1の動作を説明する第1の図であり、(a)は第1経路探索部42によって探索された経路を示し、(b)は第2経路探索部45によって探索された経路を示している。なお、図2において細線の矢印は一般道を示し、太線の矢印は有料道路を示している。また、図2において点線の矢印は経路として含まれなかった道路を示し、実線の矢印は経路として含まれた道路を示している。
【0026】
上記したように、第1経路探索部42は、目的地まで最短となる経路を探索する。このため、横浜町田インターチェンジ(以下ICという)付近の出発地から、渋谷IC付近の目的地まで誘導案内する経路を、図2(a)に示すように探索する。すなわち、第1経路探索部42は、出発地から横浜町田ICまで一般道を通り、横浜町田ICで東名高速道路に乗り、東京ICで首都高速3号線に乗り、渋谷ICで降り、渋谷ICから一般道を通って目的地まで到達する経路を探索する。
【0027】
詳細に説明すると、横浜町田ICから東京ICの間では、渋滞が発生していない場合、約20kmを15分で走行することができる。これに対して、同区間を一般道で走行した場合、25kmを40分で走行することとなる。よって、第1経路探索部42は、同区間で25分の短縮となるように、東名高速道路を通る経路を算出することとなる。
【0028】
同様に、東京ICから渋谷ICの間では、渋滞が発生していない場合、約10kmを10分で走行することができる。これに対して、同区間を一般道で走行した場合、10kmを20分で走行することとなる。よって、第1経路探索部42は、同区間で10分の短縮となるように、首都高速3号線を通る経路を算出することとなる。
【0029】
従って、操作部70により走行時間モードが選択されている場合には、図2(a)に示す経路が表示等されて、誘導案内されることとなる。
【0030】
しかし、東京ICから渋谷ICのように、短い区間において700円の料金を支払って走行することは、利用効率が高いとはいえない。そこで、利用効率モードでは、有料道路の利用効率を判断して以下のような経路が探索される。
【0031】
まず、判定値算出部44は、横浜町田ICから東京ICの区間、及び、東京ICから渋谷ICの区間における判定値を算出する。上記関係式のα及びβを「1」とした場合、横浜町田ICから東京ICの区間の判定値F1は、(700/20)×(100/80)≒43.8となる。同様に、東京ICから渋谷ICの区間の判定値F2は、(700/10)×(80/60)≒93.3となる。
【0032】
ここで、基準値が表2に示したものであるとすると、横浜町田ICから東京ICの区間において判定値「43.8」は基準値「58」以下であり、第2経路探索部45は利用効率が良いと判断する。一方、東京ICから渋谷ICの区間において判定値「93.3」は基準値「70」よりも高く、第2経路探索部45は利用効率が悪いと判断する。そして、第2経路探索部45は、東京ICから渋谷ICの区間の有料道路を除外して、再度目的地まで最短となる経路を探索する。
【0033】
この結果、第2経路探索部45は、図2(b)に示す経路を探索することとなる。すなわち、利用効率モードにおいて第2経路探索部45は、出発地から横浜町田ICまで一般道を通り、横浜町田ICで東名高速道路に乗り、東京IC降り、東京ICから渋谷IC付近まで、及び、渋谷IC付近から目的地まで一般道を通って到達する経路を探索する。
【0034】
以上のように、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、利用効率モードにおいて利用効率が悪い有料道路を経路に含めないようになっている。
【0035】
図3は、本実施形態に係るナビゲーション装置1の動作を説明する第2の図であり、(a)は第1経路探索部42によって探索された経路を示し、(b)は第2経路探索部45によって探索された経路を示している。なお、矢印等については図2と同様である。また、図3では、一般道や有料道路に渋滞が発生している例を示す。
【0036】
上記したように、第1経路探索部42は、目的地まで最短となる経路を探索する。このため、横浜町田IC付近の出発地から、渋谷IC付近の目的地まで誘導案内する経路を、図3(a)に示すように探索する。すなわち、第1経路探索部42は、出発地から横浜町田ICまで一般道を通り、横浜町田ICで東名高速道路に乗り、東京ICで首都高速3号線に乗り、渋谷ICで降り、渋谷ICから一般道を通って目的地まで到達する経路を探索する。
【0037】
詳細に説明すると、横浜町田ICから東京ICの間では、渋滞が発生している場合、約20kmを50分で走行することができる。これに対して、同区間を一般道で走行した場合、25kmを60分で走行することとなる。よって、第1経路探索部42は、同区間で10分の短縮となるように、東名高速道路を通る経路を算出することとなる。
【0038】
同様に、東京ICから渋谷ICの間では、渋滞が発生している場合、約10kmを25分で走行することができる。これに対して、同区間を一般道で走行した場合、10kmを35分で走行することとなる。よって、第1経路探索部42は、同区間で10分の短縮となるように、首都高速3号線を通る経路を算出することとなる。
【0039】
従って、操作部70により走行時間モードが選択されている場合には、図3(a)に示す経路が表示等されて、誘導案内されることとなる。
【0040】
しかし、横浜町田ICから東京ICや東京ICから渋谷ICのように、渋滞が発生しており、一般道を走行しても時間的にあまり短縮できない場合にまで料金を支払って走行することは、利用効率が高いとはいえない。そこで、利用効率モードでは、有料道路の利用効率を判断して以下のような経路が探索される。
【0041】
まず、判定値算出部44は、横浜町田ICから東京ICの区間、及び、東京ICから渋谷ICの区間における判定値を算出する。上記関係式のα及びβを「1」とした場合、横浜町田ICから東京ICの区間の判定値F3は、(700/20)×(100/24)≒145.8となる。同様に、東京ICから渋谷ICの区間の判定値F4は、(700/10)×(80/24)≒233.3となる。
【0042】
ここで、基準値が表2に示したものであるとすると、横浜町田ICから東京ICの区間において判定値「145.8」は基準値「58」よりも高く、第2経路探索部45は利用効率が悪いと判断する。一方、東京ICから渋谷ICの区間において判定値「233.3」は基準値「70」よりも高く、第2経路探索部45は利用効率が悪いと判断する。そして、第2経路探索部45は、横浜町田ICから東京ICの区間、及び東京ICから渋谷ICの区間の有料道路を除外して、再度目的地まで最短となる経路を探索する。
【0043】
この結果、第2経路探索部45は、図3(b)に示す経路を探索することとなる。すなわち、利用効率モードにおいて第2経路探索部45は、出発地から目的地まで一般道を走行し続けて目的地まで到達する経路を探索する。
【0044】
以上のように、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、利用効率モードにおいて渋滞等により利用効率が悪くなった有料道路についても経路に含めないようになっている。
【0045】
図4は、本実施形態に係るナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。図4に示すように、本実施形態においてユーザが経路の探索を指示する操作を行ったとすると、第1経路探索部42は経路を仮探索する(S1)。ここで仮探索される経路は、目的地まで最短で到達する経路である。
【0046】
次に、制御部40は、現在利用効率モードが選択されているか否かを判断する(S2)。利用効率モードが選択されていないと判断した場合(S2:NO)、すなわち走行時間モードが選択されている場合、処理はステップS8に移行する。一方、利用効率モードが選択されていると判断した場合(S2:YES)、有料道路判断部43は、ステップS1において仮探索された経路内に有料道路が含まれているか否かを判断する(S3)。
【0047】
仮探索された経路内に有料道路が含まれていないと判断した場合(S3:NO)、処理はステップS8に移行する。一方、仮探索された経路内に有料道路が含まれていると判断した場合(S3:YES)、判定値算出部44は、その有料道路について判定値を算出する(S4)。なお、図2及び図3を参照して説明したように、複数の有料道路(路線)が含まれている場合、判定値算出部44はそれぞれの区間について判定値を算出する。
【0048】
次いで、第2経路探索部45は、ステップS4において算出された判定値が、基準値記憶部80に記憶される基準値よりも高いか否かを判断する(S5)。判定値が基準値よりも高くないと判断した場合(S5:NO)、処理はステップS8に移行する。一方、判定値が基準値よりも高いと判断した場合(S5:YES)、第2経路探索部45は、該当の有料道路(区間)を経路から除外する(S6)。
【0049】
その後、第2経路探索部45は、ステップS6において除外した有料道路(区間)を除き、経路を再度探索する(S7)。そして、ステップS8において、表示部60は探索された経路を表示すると共に、制御部40は目的地までの誘導処理を実行することとなる(S8)。
【0050】
このようにして、第1実施形態に係るナビゲーション装置1によれば、探索された経路に有料道路を含む場合、当該有料道路の利用効率を示す判定値を算出し、算出した判定値が基準値よりも高い場合に、当該有料道路の利用効率が悪いと判断して利用効率が悪い有料道路を除外し、車両の走行時間が最も短くなる経路を再探索する。このため、ユーザ操作を要することなく、利用効率が悪い有料道路については除外されることとなり、利用効率の高い有料道路を目的地までの経路に含めるにあたり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0051】
また、判定値は、有料道路の走行に必要となる料金、有料道路の走行区間の距離、走行区間を走行したときの予想平均時速から算出された値である。このため、利用効率が悪いか否かについては、料金、距離及び速度が考慮されるため、実際の運転においてユーザが考慮する内容が利用効率の判断として用いられることとなり、一層利便性を向上させることができる。
【0052】
また、基準値は、路線毎に定められているため、利用効率が悪いか否かを路線毎に判断することができる。
【0053】
また、ユーザの車両による当該路線の利用頻度に応じて前記基準値を更新するため、ユーザの好み等が考慮されることとなり、一層利便性を向上させることができる。
【0054】
また、走行時間モードが選択された場合、第1経路探索部42により探索された経路を表示し、利用効率モードが選択された場合、第2経路探索部45により探索された経路を表示する。このため、ユーザによって走行時間を優先するか、利用効率を優先するかを選択可能となり、一層利便性を向上させることができる。
【0055】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0056】
例えば、本実施形態では、操作部70を介した操作により走行時間モードと利用効率モードとの選択が可能となっているが、操作部70に限らず、音声入力により走行時間モードと利用効率モードとの選択が可能となっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。
【図2】本実施形態に係るナビゲーション装置の動作を説明する第1の図であり、(a)は第1経路探索部によって探索された経路を示し、(b)は第2経路探索部によって探索された経路を示している。
【図3】本実施形態に係るナビゲーション装置の動作を説明する第2の図であり、(a)は第1経路探索部によって探索された経路を示し、(b)は第2経路探索部によって探索された経路を示している。
【図4】本実施形態に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1…ナビゲーション装置
10…GPS電波受信部
20…地図データ記憶部
30…通信部
40…制御部
41…現在地算出部
42…第1経路探索部(第1経路探索手段)
43…有料道路判断部(有料道路判断手段)
44…判定値算出部(判定値算出手段)
45…第2経路探索部(第2経路探索手段)
46…基準値更新部(基準値更新手段)
50…音声出力部
60…表示部(表示手段)
70…操作部(選択手段)
80…基準値記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地までの経路を探索して、ユーザの車両を目的地まで誘導案内するナビゲーション装置であって、
前記車両の走行時間が最も短くなる経路を探索する第1経路探索手段と、
前記第1経路探索手段により探索された経路に有料道路を含むか否かを判断する有料道路判断手段と、
前記有料道路判断手段により有料道路を含むと判断された場合、当該有料道路の利用効率を示す判定値を算出する判定値算出手段と、
前記判定値が予め定められた基準値よりも高い場合に、当該有料道路の利用効率が悪いと判断して利用効率が悪い有料道路を除外し、前記車両の走行時間が最も短くなる経路を再探索する第2経路探索手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記判定値は、当該有料道路の走行に必要となる料金、当該有料道路の走行区間の距離、当該走行区間を走行したときの予想平均時速から算出された値である
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記基準値は、路線毎に予め定められている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ユーザの車両による当該路線の利用頻度に応じて前記基準値を更新する基準値更新手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
走行時間が短くなることを優先して経路を探索する走行時間モードと、前記判定値を利用して経路を探索する利用効率モードとのいずれか一方を選択可能な選択手段と、
探索された経路を表示する表示手段と、をさらに備え、
前記表示手段は、前記選択手段により走行時間モードが選択された場合、前記第1経路探索手段により探索された経路を表示し、前記選択手段により利用効率モードが選択された場合、前記第2経路探索手段により探索された経路を表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−107339(P2010−107339A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279348(P2008−279348)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】