説明

ナビゲーション装置

【課題】駐車場を有しない施設を除いて所望の施設を検索する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、地図上に検索範囲を設定し(ステップS40)、この検索範囲内に存在する施設のうち駐車場を有する施設を検索して(ステップS50、S80)、検索された各施設を一覧表示する(ステップS90)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の現在位置の周辺について、ガソリンスタンドなどの施設種類をユーザが指定すると、該当する施設を検索して地図上に表示するナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−89992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示される従来のナビゲーション装置によれば、駐車場を有しないために車両の立ち寄りが困難な施設までもが検索対象に含まれてしまう場合があるため、不便である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるナビゲーション装置は、地図上に検索範囲を設定する検索範囲設定手段と、検索範囲内に存在する施設のうち駐車場を有する施設を検索する施設検索手段と、施設検索手段により検索された各施設を一覧表示する表示制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、駐車場を有しない施設を除いて所望の施設を検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ルートサイドPOI検索結果の全件表示画面の一例である。
【図3】ルートサイドPOI検索結果の駐車場絞込み表示画面の一例である。
【図4】ルートサイドPOI検索のフローチャートである。
【図5】駐車場絞込み検索のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1は、車両に搭載されて使用されるものであり、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、GPS(Global Positioning System)受信部14、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)情報受信部15、表示モニタ16、スピーカ17および入力装置18を備える。
【0009】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10が行う処理により、自車両を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、自車両の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の音声出力処理などが実行される。また、後述するルートサイドPOI検索処理も制御部10によって実行される。
【0010】
振動ジャイロ11は、自車両の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、自車両の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両の位置移動量が求められ、それによって自車両の現在位置が検出される。
【0011】
HDD13は、記録されたデータを記憶保持することができる不揮発性の記録媒体である。HDD13には、上記の制御プログラムおよび地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されているこれらのデータは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。
【0012】
HDD13に記録された地図データは、経路計算データと、道路データと、背景データとを含む。経路計算データは、目的地までの推奨経路を探索する際などに用いられるデータである。道路データは、道路の形状や種別などを表すための描画データである。なお、地図データにおいて各道路の最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、地図データにおいて各道路は複数のリンクにより構成される。背景データは、地図の背景を表すデータである。なお、地図の背景とは、地図上に存在する道路以外の様々な構成物である。たとえば、河川、鉄道、緑地帯、各種構造物などが背景データによって表される。
【0013】
上記の地図データの中には、様々な種類の施設に関するPOI(Point Of Interest)データも含まれる。たとえば、旅館やホテル等の宿泊施設、レストラン、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの様々な施設について、その種類と位置の情報がPOIデータに記録されている。このPOIデータに基づいて、施設の種類に応じたアイコンが地図上に表示されると共に、ルートサイドPOI検索処理が行われる。
【0014】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、自車両の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両の現在位置と現在時刻を算出することができる。このGPS受信部14と、前述の振動ジャイロ11および車速センサ12により、自車両の現在位置が検出される。
【0015】
VICS情報受信部15は、VICSセンターからナビゲーション装置1に対して送信されるVICS情報を受信する。このVICS情報をVICS情報受信部15が受信することにより、渋滞情報を始めとする様々な道路交通情報がナビゲーション装置1において取得される。VICS情報受信部15により受信されたVICS情報は、制御部10に出力される。
【0016】
なお、VICSセンターからナビゲーション装置1へのVICS情報の送信は、主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって行われる。電波ビーコンや光ビーコンは、その設置地点付近を通過する車両に対して、電波あるいは光(赤外線)により局所的にVICS情報を送信するものである。これに対して、FM多重放送では比較的広い地域に対してVICS情報を送信することができる。
【0017】
表示モニタ16は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ16により、たとえば自車位置周辺の地図などが表示される。なお、表示モニタ16に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ16は、たとえば自車両のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。スピーカ17は、制御部10の制御により、ルート案内用の音声など様々な音声を出力する。
【0018】
入力装置18は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置18を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置18は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置18を表示モニタ16と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0019】
ユーザが入力装置18を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、自車両の現在位置を出発地として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、出発地から目的地までのルート探索を行う。このルート探索により求められた経路が、目的地までの推奨経路として設定される。こうして推奨経路が設定されると、他の道路とは異なる色を使用するなどの方法により、他の道路とは区別して推奨経路が地図上に表示される。これにより、ユーザは表示モニタ16に表示される地図において、推奨経路を容易に認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このようにして、目的地までのルート案内が行われる。
【0020】
次に、ナビゲーション装置1において実行されるルートサイドPOI検索処理について説明する。ナビゲーション装置1は、ユーザからルートサイドPOI検索処理の実行を指示されると、HDD13に記録された前述のPOIデータに基づいて、ユーザに指定された施設種類に該当する施設(POI)を自車両より前方の走行経路に沿って検索する。そして、検索された各施設を自車両の現在位置から近い順に一覧表示する。なお、ここでいう自車両の走行経路とは、目的地までの推奨経路が設定されている場合は、その推奨経路のことである。一方、推奨経路が設定されていない場合は、自車両が現在走行している道路およびその道路から道なりに続く各道路によって構成される経路である。
【0021】
図2は、上記のルートサイドPOI検索処理による検索結果を表示した画面例である。図2の画面例では、検索対象の施設種類としてコンビニエンスストアが指定されたときのルートサイドPOI検索の結果を全件表示した全件表示画面の例を示している。この画面において、符号21〜26に示す各表示項目は、検索された各施設(コンビニエンスストア)の名称および自車両の現在位置からの距離を、走行経路の左右に分けて、自車両より近いものから順にそれぞれ表している。つまり、走行経路の左側すなわち走行車線側の沿線には、「Sショップ」、「Fマート」および「Sショップ」が、自車両の現在位置より前方のおよそ50m、80mおよび150mの地点にそれぞれ存在していることが分かる。また、走行経路の右側すなわち対向車線側の沿線には、「Tチェーン」、「Lストア」および「Mストップ」が、自車両の現在位置より前方のおよそ100m、120mおよび200mの位置にそれぞれ存在していることが分かる。
【0022】
符号30、31にそれぞれ示す表示マークは、上記の表示項目21〜26に対応する各施設以外にも検索結果が存在することを示している。ユーザが画面上で表示マーク30を選択する操作を行うと、走行車線側の沿線においてさらに遠くに存在する施設が表示対象として選択され、当該表示対象の名称および自車位置からの距離が表示項目21〜23にかえて表示される。同様に、ユーザが画面上で表示マーク31を選択する操作を行うと、対向車線側の沿線においてさらに遠くに存在する施設が表示対象として選択され、当該表示対象の名称および自車位置からの距離が表示項目24〜26にかえて表示される。
【0023】
図2の画面においてユーザが駐車場絞込みボタン40を選択すると、上記のルートサイドPOI検索によって検索されたコンビニエンスストアのうち、駐車場を有するものへの絞込み検索が行われる。ここでは、駐車場を有するコンビニエンスストアとして、専用の駐車場が併設されているコンビニエンスストアに加えて、提携駐車場を有するコンビニエンスストアも検索対象とする。提携駐車場の種類には、たとえば時間貸し駐車場や、他の施設と共用の駐車場などがある。なお、このような駐車場に関する情報は、POI情報の中に含まれている。すなわち、POI情報に含まれる駐車場情報に基づいて駐車場絞込み検索が行われる。
【0024】
上記の駐車場絞込み検索では、さらに対向車線側の沿線の施設について、当該施設(駐車場が併設されている場合)または当該施設の提携駐車場が存在する場所において車両が走行経路を横断できないような場合は、当該施設を検索対象から除外する。すなわち、対向車線側の沿線に駐車場を有する施設が存在しても、車両が走行経路を横断できなければその施設に立ち寄ることができないため、当該施設を検索対象から除外して、検索結果において表示されないようにする。
【0025】
図3は、上記の駐車場絞込み検索が行われることによって表示される駐車場絞込み表示画面の例である。この画面において、符号21、23および25に示す各表示項目は、図2と同じものである。すなわち、これらの表示項目に対応する各施設はいずれも駐車場を有している。さらに、表示項目25に該当する「Lストア」が有する駐車場(ここでは提携駐車場)がある場所では、車両が走行経路を横断することができる。一方、図2において表示されていた符号22、24および26に示す各表示項目は、図3の画面では表示されていない。すなわち、これらの表示項目に対応する各施設は、駐車場を有していないか、またはその場所において車両が走行経路を横断できない(対向車線側沿線の表示項目24、26の場合)かのいずれか少なくとも一方に該当するため、検索対象から除外されていることが分かる。
【0026】
図3の画面では、さらに表示項目21、23および25に加えて、符号27、28および29に示す各表示項目が新たに表示されている。これらの表示項目は、図3において表示されていない上記の表示項目22、24および26にかえて、走行経路沿線の駐車場を有する施設であって、かつ車両が走行経路を横断可能な場所(対向車線側沿線の表示項目28、29の場合)にある施設について表示されたものである。すなわち、表示項目21、23、25、27、28および29により、走行経路に沿って存在する施設のうち、駐車場を有しており、かつ車両が立ち寄り可能な施設の情報が一覧表示されている。
【0027】
上記の各表示項目のうち、表示項目25および27には、提携駐車場を有する施設であることを示す提携マーク32、33が各々に付されて表示されている。これにより、表示項目25および27に対応する各施設は提携駐車場を有する一方で、それ以外の表示項目21、23、28および29に対応する各施設には駐車場が併設されていることが分かる。なお、提携マーク32、33の表示形態は、それぞれのマークに対応する施設と当該提携駐車場との距離に応じて変化される。たとえば、施設と提携駐車場との距離が50m以内の場合と、50m〜100mの場合と、100m以上の場合とで、それぞれ異なる表示形態の提携マークとする。これにより、提携マーク32と提携マーク33とは、図3に示すようにそれぞれ異なる表示形態で表示されている。
【0028】
なお、表示マーク30、31は、図2のものと同様に、図3の画面に表示されている表示項目21、23、25、27、28および29に対応する各施設以外にも検索結果が存在することを示している。すなわち、ユーザが画面上で表示マーク30を選択する操作を行うと、走行車線側の沿線においてさらに遠くに存在する駐車場を有する施設が表示対象として選択され、当該表示対象の名称および自車位置からの距離が表示項目21、23および27にかえて表示される。同様に、ユーザが画面上で表示マーク31を選択する操作を行うと、対向車線側の沿線においてさらに遠くに存在する、駐車場を有しておりかつ車両が立ち寄り可能な施設が表示対象として選択され、当該表示対象の名称および自車位置からの距離が表示項目25、28および29にかえて表示される。
【0029】
図3の画面においてユーザが全件表示ボタン41を選択すると、駐車場絞込み表示画面を終了し、図2の全件表示画面へと戻る。以上説明したようなルートサイドPOI検索処理がナビゲーション装置1において実行される。
【0030】
上記のルートサイドPOI検索処理の際にナビゲーション装置1において実行される処理のフローチャートを図4に示す。このフローチャートは、ユーザが入力装置18を用いて所定の操作を行うことにより、ルートサイドPOI検索の開始をナビゲーション装置1に対して指示したときに、ナビゲーション装置1の制御部10において実行されるものである。
【0031】
ステップS10において、制御部10は、検索対象とするPOIの種類を選択する。ここでは、たとえばコンビニエンスストアやレストラン、ガソリンスタンドなどのPOIの種類(ジャンル)がユーザの操作に応じて選択される。
【0032】
ステップS20において、制御部10は、前述のように振動ジャイロ11、車速センサ12およびGPS受信部14からの各出力に基づいて、自車位置すなわち自車両の現在位置を検出する。
【0033】
ステップS30において、制御部10は、前述したような方法により自車両の走行経路を設定する。すなわち、目的地までの推奨経路が設定されている場合は、その推奨経路を走行経路として設定する。一方、推奨経路が設定されていない場合は、自車両が現在走行している道路とその道路から道なりに続く各道路とによって構成される経路を走行経路として設定する。
【0034】
ステップS40において、制御部10は、ステップS20で検出した自車位置と、ステップS30で設定した走行経路とに基づいて、POI検索の対象とする検索範囲を地図上に設定する。ここでは、自車位置から前方の走行経路の沿線、すなわち走行車線側の沿線および対向車線側の沿線を検索範囲として設定する。
【0035】
ステップS50において、制御部10は、ステップS40で設定した検索範囲を対象にPOI検索を行う。ここでは、HDD13に記録されたPOIデータに基づいて、検索範囲内に存在する様々なPOIすなわち施設のうち、ステップS10で選択された種類に該当する全ての施設を検索する。
【0036】
ステップS60において、制御部10は、ステップS50で検索された各施設を表示モニタ16に一覧表示して、POI検索結果の全件表示を行う。これにより、図2のような全件表示画面が表示モニタ16において表示される。
【0037】
ステップS70において、制御部10は、ステップS50で行われたPOI検索の結果に対する駐車場絞込み検索を行うか否かを判定する。図2の画面例で説明したように、ステップS60で表示した全件表示画面において、ユーザが入力装置18を用いて駐車場絞込みボタン40を選択する操作を行うと、制御部10は駐車場絞込み検索を行うと判定してステップS80へ進む。一方、駐車場絞込みボタン40の選択操作が行われない場合、制御部10は駐車場絞込み検索を行わないと判定してステップS60へ戻り、全件表示画面の表示を継続する。
【0038】
ステップS80において、制御部10は、ステップS50のPOI検索結果に対して、前述したような駐車場絞込み検索を行う。この駐車場絞込み検索により、ステップS50の検索結果から駐車場を有しない施設が除外され、駐車場を有する施設のみに絞り込まれる。なお、ステップS80で行う駐車場絞込み検索の具体的な処理手順は、後で図5のフローチャートにより詳しく説明する。
【0039】
ステップS90において、制御部10は、ステップS80で検索された各施設を表示モニタ16に一覧表示して、POI検索結果の駐車場絞込み表示を行う。これにより、図3のような駐車場絞込み表示画面が表示モニタ16において表示される。
【0040】
ステップS100において、制御部10は、POI検索結果の全件表示を再び行うか否かを判定する。図3の画面例で説明したように、ステップS90で表示した駐車場絞込み表示画面において、ユーザが入力装置18を用いて全件表示ボタン41を選択する操作を行うと、制御部10は全件表示を再び行うものと判定する。この場合、制御部10はステップS60へ戻り、図2のような全件表示画面を再度表示モニタ16に表示する。一方、全件表示ボタン41の選択操作が行われない場合、制御部10は全件表示を再び行わないものと判定する。この場合、制御部10はステップS90へ戻り、駐車場絞込み表示画面の表示を継続する。
【0041】
次に、ステップS80で実行される駐車場絞込み検索の処理手順を図5のフローチャートにより説明する。ステップS110において、制御部10は、図4のステップS50で検索されたPOIのうちいずれか一つを選択する。ここで選択したPOIが続く各ステップにおける処理の対象とされる。以降ではこれを選択POIと称して各ステップの説明を行う。
【0042】
ステップS120において、制御部10は、選択POIに駐車場が併設されているか否かを判定する。駐車場が併設されていない場合はステップS130へ進み、併設されている場合はステップS140へ進む。
【0043】
ステップS130において、制御部10は、選択POIが提携駐車場を有するか否かを判定する。提携駐車場を有する場合はステップS140へ進み、有しない場合はステップS170へ進む。
【0044】
ステップS140において、制御部10は、選択POIが走行車線側に存在するか否かを判定する。走行車線側に存在しない場合、すなわち対向車線側に存在する場合はステップS150へ進み、走行車線側に存在する場合はステップS160へ進む。
【0045】
ステップS150において、制御部10は、選択POIまたは提携駐車場が存在する場所において車両が走行経路を横断可能であるか否かを判定する。ここでは、走行経路の対向車線の渋滞状況、走行経路の車線数、走行経路の中央分離帯の有無などに基づいて、車両が走行経路を横断可能であるか否かを判定することができる。たとえば、VICS情報受信部15において受信されたVICS情報に基づいて、選択POIまたは提携駐車場の位置において走行経路の対向車線が渋滞しているか否かを判断し、渋滞している場合は車両が走行経路を横断できないと判定する。また、HDD13に記録された地図データにおける道路データに基づいて、選択POIまたは提携駐車場の位置における走行経路の車線数を判断し、これが所定の車線数以上である場合は車両が走行経路を横断できないと判定する。さらに、HDD13に記録された地図データにおける道路データに基づいて、選択POIまたは提携駐車場の位置において走行経路が中央分離帯を有するか否かを判断し、中央分離帯を有する場合は車両が走行経路を横断できないと判定する。なお、これらの判定条件のいずれか少なくとも一つを組み合わせて用いてもよい。これにより、車両が走行経路を横断可能と判定した場合はステップS160へ進み、横断不可能と判定した場合はステップS170へ進む。
【0046】
ステップS160において、制御部10は、選択POIを駐車場絞込みの検索結果に含める。一方、ステップS170において、制御部10は、選択POIを駐車場絞込みの検索結果から除外する。ステップS160またはS170のいずれかを実行したら、制御部10はステップS180へ進む。
【0047】
ステップS180において、制御部10は、図4のステップS50で検索された全てのPOIをステップS110において選択済みであるか否かを判定する。未選択のPOIがある場合はステップS110へ戻り、未選択のPOIのうちいずれかをステップS110において選択した後、その選択POIに対して上記のような処理を繰り返す。一方、全てのPOIを選択済みである場合は、図5のフローチャートを終了する。
【0048】
以上説明した駐車場絞込み検索により、ルートサイドPOI検索によって検索された各施設の中から、駐車場を有する施設、すなわち専用の駐車場が併設されているか提携駐車場を有する施設が絞り込まれる。さらに、走行経路のうち対向車線側の沿線については、駐車場を有する施設であっても、走行経路が横断可能ではない部分の沿線に存在する施設は除外される。
【0049】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0050】
(1)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、地図上に検索範囲を設定し(ステップS40)、この検索範囲内に存在する施設のうち駐車場を有する施設を検索して(ステップS50、S80)、検索された各施設を表示モニタ16に一覧表示する(ステップS90)。このようにしたので、駐車場を有しない施設を除いて所望の施設を検索することができる。
【0051】
(2)ステップS80の駐車場絞込み検索では、駐車場を有する施設として、駐車場が併設されている施設および提携駐車場を有する施設を検索する(ステップS120、S130、S160、S170)。このようにしたので、駐車場を有する施設を確実に検索することができる。
【0052】
(3)ステップS90で駐車場絞込み検索の結果を表示する際、ナビゲーション装置1は、提携駐車場を有する施設に対して所定の提携マークを表示する。これにより、ユーザは提携駐車場を有する施設と駐車場が併設されている施設とを検索結果において容易に識別することができる。
【0053】
(4)さらに、上記のように提携マークを表示する際、ナビゲーション装置1は、駐車場絞込み検索によって検索された施設と提携駐車場との距離に応じてその表示形態を変化させる。したがって、ユーザは当該施設から提携駐車場がどの程度離れているのかを検索結果において容易に判断することができる。
【0054】
(5)ナビゲーション装置1は、自車両の位置を検出する(ステップS20)と共に、自車両の走行経路を設定する(ステップS30)。ステップS40では、この自車位置と走行経路を用いて、自車両の位置から前方の当該走行経路の沿線を検索範囲として設定する。このようにしたので、ルートサイドPOI検索において適切な検索範囲を設定することができる。
【0055】
(6)ナビゲーション装置1は、走行経路が横断可能であるか否かを判定する(ステップS150)。ステップS80の駐車場絞込み検索では、この判定結果を用いて、走行経路の対向車線側の沿線に存在する各施設のうち横断可能ではないと判定された部分の沿線に存在する施設を除外して、駐車場を有する施設を検索する(ステップS160、ステップS170)。このようにしたので、駐車場を有する施設であっても車両が立ち寄り不可能な施設を検索結果から除外することができる。
【0056】
(7)ステップS150では、走行経路の対向車線の渋滞状況、走行経路の車線数および走行経路の中央分離帯の有無のいずれか少なくとも一つに基づいて、走行経路が横断可能であるか否かを判定することができる。したがって、横断可能であるか否かの判定を正確に行うことができる。
【0057】
(8)ナビゲーション装置1は、POI検索の対象とする施設の種類を選択し(ステップS10)、その種類に該当する施設をステップS50において検索する。これにより、ステップS80の駐車場絞込み検索では、ステップS40で設定された検索範囲内に存在する施設のうち、ステップS10で選択された種類の施設であって駐車場を有する施設を検索する。このようにしたので、ユーザが希望する種類の施設のみを検索対象として、駐車場絞込み検索を行うことができる。
【0058】
なお、上記実施の形態では、先にステップS50においてルートサイドPOI検索を行い、その後にステップS80において駐車場絞込み検索を行う例を説明した。しかし、ルートサイドPOI検索と駐車場絞込み検索とを同時に実行してもよい。すなわち、車両の走行経路の沿線に存在する施設のうちで駐車場を有する施設のみを自動的に検索するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施の形態では、検索対象とするPOIの種類としてコンビニエンスストアを選択した際の例を説明したが、他の種類のPOI、たとえば宿泊施設、レストラン、ガソリンスタンド等を選択した場合にも、同様の処理とすることができる。
【0060】
上記実施の形態では、自車位置から前方の走行経路の沿線を検索範囲に設定した例を説明したが、他の検索範囲を設定してもよい。たとえば、現在の自車位置から所定距離以内の範囲や、所定の時刻における自車両の予想走行地点の周囲などを検索範囲に設定してもよい。
【0061】
上記実施の形態では、駐車場の混雑状況を考慮していないが、これを考慮に入れて駐車場絞込み検索を行ってもよい。たとえば、VICS情報の一部として提供される駐車場情報に基づいて、各施設が有する駐車場の混雑状況を判断する。その結果、駐車場が混雑または満車であると判断した場合は、その施設を検索結果から除外したり、ユーザに対して警告を行ったりしてもよい。
【0062】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記実施の形態と変形例とを組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1:ナビゲーション装置、10:制御部、11:振動ジャイロ、12:車速センサ、
13:HDD、14:GPS受信部、15:VICS情報受信部、16:表示モニタ、
17:スピーカ、18:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に検索範囲を設定する検索範囲設定手段と、
前記検索範囲内に存在する施設のうち駐車場を有する施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段により検索された各施設を一覧表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記施設検索手段は、前記駐車場を有する施設として、駐車場が併設されている施設および提携駐車場を有する施設を検索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記提携駐車場を有する施設に対して所定のマークを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記検索された施設と前記提携駐車場との距離に応じて前記マークの表示形態を変化させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
前記自車両の走行経路を設定する走行経路設定手段とをさらに備え、
前記検索範囲設定手段は、前記自車両の位置から前方の前記走行経路の沿線を前記検索範囲として設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記走行経路が横断可能であるか否かを判定する横断判定手段をさらに備え、
前記施設検索手段は、前記走行経路の対向車線側の沿線に存在する各施設のうち前記横断判定手段により横断可能ではないと判定された部分の沿線に存在する施設を除外して、前記駐車場を有する施設を検索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記横断判定手段は、前記走行経路の対向車線の渋滞状況、前記走行経路の車線数および前記走行経路の中央分離帯の有無のいずれか少なくとも一つに基づいて、前記走行経路が横断可能であるか否かを判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
施設の種類を選択する選択手段をさらに備え、
前記施設検索手段は、前記検索範囲内に存在する施設のうち、前記選択手段により選択された種類の施設であって駐車場を有する施設を検索することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−163950(P2011−163950A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27365(P2010−27365)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】