説明

ハロゲン酸素酸、その塩及び誘導体含有、マイクロエレクトロニクス洗浄組成物

【課題】 マイクロエレクトロニクス基板の洗浄のためのマイクロエレクトロニクス洗浄組成物、特にAlまたはAl(Cu)金属被覆基板と同様に、二酸化珪素、高感度低κおよび高κの誘電体、および、銅、タングステン、タンタル、ニッケル、金、コバルト、パラジウム、白金、クローム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ハフニウム、チタン、モリブデン、錫、及びその他の金属被覆が特色であり、かつ相互接続技法が進んだものである、マイクロエレクトロニクス基板との適合性を改良した、それらの洗浄に有用な洗浄組成物を提供する。
【解決手段】 ハロゲン酸素酸、それらの塩および誘導体を含むマイクロエレクトロニクス洗浄組成物を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、マイクロエレクトロニクス基板の洗浄方法及び洗浄用組成物に関し、特に基板の二酸化珪素、高感度低κおよび高κの誘電体、および、銅、タングステン、タンタル、ニッケル、金、コバルト、パラジウム、白金、クローム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ハフニウム、チタン、モリブデン、錫、及びその他の金属被覆、並びに、AlまたはAl(Cu)金属被覆が特色であり、かつ相互接続技法が進んだものである、マイクロエレクトロニクス基板との適合性を改良した、それらの洗浄に有用な洗浄組成物に関する。本発明はまた、フォトレジストのストリッピング、および、有機、有機金属および無機化合物生成プラズマ工程由来の残渣の洗浄、および化学的機械的研磨(CMP)などの平坦化工程由来の残渣の洗浄等への、かかる洗浄組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス分野で製造ラインの下流または後端の洗浄剤として、使用するための多数のフォトレジストストリッパーおよび残渣除去剤が提唱されてきた。これらの製造工程では、フォトレジストの薄膜をウエーハー基板に堆積させ、回路設計を薄膜上で画像化する。焼付けに続き、非重合レジストをフォトレジスト現像剤で除去する。次いで、生じる画像を、反応性プラズマエッチングガスまたは化学腐食液により、一般的に誘電性または金属である下層の材料に転写する。腐食ガスまたは化学腐食液は、基板のフォトレジスト非保護領域を選択的に攻撃する。プラズマエッチング工程の結果、フォトレジスト、エッチングガスおよびエッチングされた材料の副産物は、基板のエッチングされた開口部の側壁周辺または側壁上に残渣として堆積する。
【0003】
加えて、エッチング段階の終了に続き、このレジストマスクをウエーハーの保護領域から除去し、最終仕上げ操作を実施できるようにしなければならない。これは、適合するプラズマ灰化ガスまたは湿式化学ストリッパーを使用して、プラズマ灰化段階で達成できるが、金属回路構成に、悪影響(例えば、腐食、溶出または鈍化)を与えずにこのレジストマスク材料を除去するのに適合する洗浄組成物を見出すことには、問題が多いことが明らかにされてきた。
【0004】
マイクロエレクトロニクス製造の集積化レベルが高まり、パターン化されたマイクロエレクトロニクス素子の大きさが小さくなるにつれて、銅金属被覆、低κおよび高κの誘電体を採用することが当分野でますます一般的になってきた。これらの材料は、許容し得る洗浄組成物を見出すためのさらなる挑戦に直面させた。Al/SiOまたはAl(Cu)/SiO構造を含有する「伝統的」または「常套の」半導体素子のために以前に開発されてきた多数の工程技法組成物は、銅、タングステン、タンタル、ニッケル、金、コバルト、パラジウム、白金、クローム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ハフニウム、チタン、モリブデン、錫、及びその他の金属被覆された低κまたは高κ誘電体構造には採用できない。例えば、ヒドロキシルアミンベースのストリッパーまたは残渣除去組成物は、Al金属被覆素子の洗浄には成功裏に使用されるが、銅およびその他金属被覆のものには実用上適合しない。同様に、多数の銅金属被覆/低κストリッパーは、相当の組成調整をしなければ、Al金属被覆素子には適合しない。
【0005】
プラズマエッチングおよび/または灰化工程に続くこれらのエッチングおよび/または灰化残渣の除去には、問題が多いことがわかってきた。これらの残渣の完全な除去または中性化に失敗すると、湿分を吸収し、金属構造の腐食を招く望まざる材料の生成を引き起こし得る。これらの回路構成材料は望まざる材料によって腐食され、回路構成配線中の非連続と、望まざる電気抵抗の増大をもたらす。
【0006】
現在の後端洗浄剤は、ある種の高感度誘電体および金属被覆には、総合的に許容できないものからやっと満足できるものまで広範囲にわたり適合性を示す。現在のストリッパーまたは残渣洗浄剤の多くは、多孔性で低κの誘電体並びに銅金属被覆などの高度に相互接続した材料には許容され得ない。加えて、典型的に採用されるアルカリ性洗浄液は、多孔性で低κの並びに高κの誘電体および/または銅金属被覆に対して過剰に攻撃的である。さらに、これらのアルカリ性洗浄組成物の多くは、製品不安定性を、特に高いpH範囲および高い工程温度で、示す有機溶媒を含有する。
【0007】
酸化剤は、従来、主として水性形態の洗浄組成物中で使用されてきた。酸化剤、例えば汎用されている過酸化水素や過酸類は、特にストリップ用組成物中で一般的に採用されてきた有機溶媒マトリックス中で速やかに反応するかまたは容易に分解することが知られている。そのような場合、酸化剤は消費し尽くされ、意図した用途に対して利用し得なくなる。加えて、酸化剤含有マイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、特に10重量%またはそれ以上の相当量の有機溶媒が存在する場合に、そして高pHおよび高工程温度において、しばしば低い製品安定性を示す。さらに、多くの組成物中では、安定化剤および溶媒の使用が、しばしば酸化剤とタイアップして、洗浄工程で利用する有効な酸化/還元反応の達成能力を失わせる結果を生じる。米国特許第6116254号において発明者らは、タンク内の純水中へ塩素ガスを導入してクロリドイオン、次亜塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、および塩素酸イオンを純水中に発生させること、およびそれから基板を当該純水溶液中に浸積して洗浄することを教示している。そのような洗浄スキームは、何日にもわたる期間中良好に制御されないかあるいは安定ではなく、さらに環境には非友好的であり、かつ毒性であることが確かである。加えて、水中に溶解し得る塩素ガス量の限界があるため、溶解塩素の量は0.3%を超えないところに制限される。その上、溶解塩素ガスを有する純水溶液は常に酸性の混合物であるから、アルカリ性の洗浄溶液が要望されているかまたは必要とされている状況においては使用できない。さらに、そのような洗浄溶液は、包装されたり、製造場所から遠隔の場所での使用のために移送したりされ得る予製製品とはならない。また、ある場合には、この溶解塩素ガスを含有する純水溶液への可視および/またはUV光線照射を遮蔽することが、分解の発生を防ぐために必要となる。この溶解塩素ガス含有純水溶液は、温度感受性でもあるので、調製中および使用に供される間際まで、一般的に10℃に保持される。これらの欠点は全て、この洗浄システムを極めて望ましくなく、厳しく使用が制限されるものとしている。
【特許文献1】米国特許第6116254号明細書
【発明の開示】
【0008】
それ故、後端洗浄操作に好適なマイクロエレクトロニクス洗浄組成物が要望されている。そのような組成物は、有効な洗浄剤であり、かつフォトレジストのストリッピングに適用可能なものであり、また、プラズマ工程で生成された有機、有機金属および無機材料に由来する残渣の洗浄、およびCMP(化学機械研磨)などの平坦化工程由来の残渣の洗浄などに適用可能なものであり、さらに、銅及びその他の金属被覆を利用する高度な相互接続材料[それらは、タングステン、タンタル、ニッケル、金、コバルト、パラジウム、白金、クローム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ハフニウム、チタン、モリブデンおよび錫金属被覆(が含まれるが、それらに限定されない)、あるいは、多孔性または非多孔性の低κ(即ち、κ値が3またはそれ以下である)または高κ(即ち、κ値が20またはそれ以上である)の誘電体を使用するものである]に使用できるものであるとともに、在来の素子、例えば、二酸化珪素、低κまたは高κ誘電体を含有する、アルミニウムまたはアルミニウム(銅)金属被覆を有するものの洗浄にも有用なものである。さらに、前記した米国特許第6116254号に開示された洗浄システムの障害および欠点を回避した洗浄組成物に対する要望もある。本発明はまた、広範なpH条件にわたるあらゆる素子の洗浄にも一般的に有効な洗浄剤組成物にも関する。
【0009】
本発明により、マイクロエレクトロニクス基板の洗浄に有効なマイクロエレクトロニクス洗浄組成物、特に二酸化珪素、高感度低κまたは高κの誘電体及び銅、タングステン、タンタル、ニッケル、金、コバルト、パラジウム、白金、クローム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ハフニウム、チタン、モリブデン、錫、及びその他の金属被覆、並びに、AlまたはAl(Cu)金属被覆基板が特徴的でありかつ相互接続技術が進化したものである、マイクロエレクトロニクス基板との適合性を増進させた、それらの洗浄に有用な組成物、が、ハロゲン酸素酸類、該酸の塩類、およびそれらの誘導体(これらの誘導体は、ハロゲン化イソシアネート類、二酸化塩素、一酸化塩素、および次亜塩素酸塩−亜燐酸塩複合体から選択されるものである)から選択される酸化剤を含有するマイクロエレクトロニクス洗浄組成物(但し、酸化剤が次亜塩素酸である場合、洗浄組成物もまたアンモニウムを生成しないアルカリ性塩基を必ず含有する)により提供されることが判明した。これらの洗浄組成物は、多種の高感度基板と驚くべく良好な適合性があり、改善されかつ優れた洗浄および残渣除去を提供する。このような金属−不含ハロゲン酸素酸類およびそれらの塩を含むマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、マイクロエレクトロニクス洗浄への適用に特に有利な性能を示す。
【0010】
本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、高度に水性のものから半水性ないし非水性(有機)のもの、即ち非−反応性有機溶媒(僅かに非−反応性の有機溶媒を含む)ベースの組成物、として製剤化できる(但し、ハロゲン酸素酸の有機塩が次亜塩素酸アルキルである場合、溶媒はアミド、スルホン、スルホレン、セレノンまたは飽和アルコール溶媒ではない)。本発明の洗浄組成物は、フォトレジストのストリッピング、および有機、有機金属および無機の化合物を生成するプラズマ工程由来の残渣の洗浄に適し、二酸化珪素、高感度低κまたは高κ誘電体の、および、銅、タングステン、タンタル、ニッケル、金、コバルト、パラジウム、白金、クローム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ハフニウム、チタン、モリブデン、錫およびその他の金属被覆の基板、並びに、AlまたはAl(Cu)金属被覆の基板を特徴とし、かつ、進化した相互接続技術のものであるマイクロエレクトロニクス基板との適合性が増進されたものである。加えて、他の高度に攻撃的な試薬、例えばHF、ヒドロキシルアミンおよび強アルカリ性溶液などでは、しばしば必要なまたは所望の洗浄を果たせずまたそうするのに許容され得る基板適合性を有しなかったのと対比して、本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、非常に頑固なプラズマエッチングおよび灰残渣、さらには銅/低κおよび高κの誘電体構造を生成する製造工程で発生する固化した(例えば、重合した)フォトレジスト、を含有する、困難な試料の洗浄に特に適している。本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、単独でも、他の洗浄溶液と組み合わせてでも使用することができる。さらには、本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、所望により、マイクロエレクトロニクス洗浄組成物中に採用し得る他の成分をも含有することができ、それらの成分には、アルカリ塩基、非−アンモニウム塩基、酸、有機または無機金属キレート化または錯体化試薬や、洗浄効果を増強する金属イオン−不含珪酸塩、金属腐食阻害剤、フッ化物、および界面活性剤などの添加剤が含まれる(がそれらに限定はされない)。
【0011】
本発明の他の特長として、本発明に有用な金属−不含ハロゲン酸素酸類、それらの塩類および誘導体が、それらの利用可能なハロゲンについて、トリアゾール、チアゾール、テトラゾールまたはイミダゾールのような安定化成分を一緒に使用することによって安定化されることが判明したことが含まれる。この安定化特性は、特にハロゲン酸素酸、ハロゲン酸素酸の有機塩、特に次亜塩素酸の有機塩、とりわけ、次亜塩素酸アルキルおよび次亜塩素酸テトラアルキルアンモニウム、から選択される酸化剤、を含有する本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物に適用できる。
【0012】
本発明の新規な後部端マイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、ハロゲン酸素酸、それらの無機および有機塩および誘導体から選択される酸化剤の1種またはそれ以上を含むものである。それらの中で誘導体とは、ハロゲン化イソシアネート類、二酸化塩素、一酸化塩素、および次亜塩素酸塩−亜燐酸塩複合体から選択される(但し、酸化剤が次亜塩素酸である場合、洗浄組成物はアンモニウムを生成しないアルカリ性塩基をも必ず含有する)ものである。ハロゲン酸素酸、該酸の塩およびそれらの誘導体には、ハロゲンが塩素、フッ素、臭素およびヨウ素である、殊に塩素、臭素およびフッ素である、とりわけ、塩素である化合物が含まれる。本発明の組成物中、これらのハロゲン酸素酸、該酸の塩およびそれらの誘導体を、一般に、組成物の全重量に対して約0.001%ないし約30%の量で、好ましくは約0.001%ないし約15%の量で、さらに好ましくは約0.001%ないし約8%の量で存在させる。本発明の組成物は、一般に該組成物中に、約0.001%ないし約30%の利用可能なハロゲン、好ましくは約0.001%ないし約15%の、そしてより好ましくは約0.001%ないし約8%の利用可能なハロゲンを提供するようなものである。そして、これらの利用可能なハロゲンは、ヨウドメトリー滴定法で測定する。
【0013】
本発明のハロゲン酸素酸には、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸、およびVIA族元素S、SeおよびTeのハロゲン含有オキシ酸、が含まれる、がそれらには限定されない。特に有用なハロゲン酸素酸の例には、亜塩素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸塩、塩素酸、過塩素酸、および、一塩基フッ素含有オキシ酸、例えば、HOSOF、HOSOCF、HOSF、HOSeFおよびHOTeFが含まれる。
【0014】
上記のハロゲン酸素酸の任意の適切な無機塩が、本発明の組成物に利用できる。これらのハロゲン酸素酸の無機および有機塩には、有機または無機の次亜塩素酸塩および次亜臭素酸塩などの次亜ハロゲン酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩および過塩素酸塩が含まれる、がそれらには限定されない。無機塩は、好ましくはアルカリおよびアルカリ土類金属塩殊にNa、K、Li、Ca、Sr、およびBa塩であり、特に亜塩素酸塩および次亜塩素酸塩、殊に次亜塩素酸塩、とりわけ、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムおよび亜塩素酸ナトリウムである。特に有用なものは、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムおよび亜塩素酸ナトリウムである。
【0015】
上記のハロゲン酸素酸の任意の適切な有機塩が、本発明の組成物に利用できる。それらの有機塩には、亜塩素酸アルキルおよび次亜塩素酸アルキル、亜塩素酸テトラアルキルアンモニウムおよび次亜塩素酸テトラアルキルアンモニウム、亜塩素酸−置換トリアルキルアンモニウムおよび次亜塩素酸−置換トリアルキルアンモニウム、亜塩素酸テトラアルキルホスホニウムおよび次亜塩素酸テトラアルキルホスホニウム、および亜塩素酸ベンズオキソニウムおよび次亜塩素酸ベンズオキソニウム、が含まれるがそれらには限定されない。それらの好ましい金属−不含含有塩の例には、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム、グリシジルトリメチルアンモニウム、クロロヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウムおよびベンズオキソニウムの各塩が含まれる。特に好ましい金属−不含含有塩は、次亜塩素酸t−ブチルおよび次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムである。
【0016】
本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物中で採用し得るハロゲン酸素酸の誘導体には、ハロゲン化イソシアネート類、殊に塩化イソシアネート類、二酸化塩素、一酸化塩素、および次亜塩素酸塩−亜燐酸塩複合体が含まれる。
【0017】
本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物での使用に特に好ましいものは、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸アルキル例えば次亜塩素酸t−ブチル、および次亜塩素酸テトラアルキルアンモニウム例えば次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムである。本発明のある実施態様においては、本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、当該組成物中の利用可能なハロゲンのレベルを維持するため、安定化剤を含有するであろう。そのような安定化剤は、任意の適切なトリアゾール、チアゾール、テトラゾールおよびイミダゾールであり得る。そのような安定化剤には、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、5−メチル−1(H)−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボキシ酸、5−ニトロベンゾトリアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−1H−テトラゾール−5−チオール、および5−フェニル−1H−テトラゾールが含まれるが、それらに限定はされない。好ましい安定化剤はベンゾトリアゾールである。本発明で採用されるそのような安定化剤の量は、任意の適切な量であり得るが、一般的には、本発明の組成物の全重量に基づいて、約0.5重量%またはそれ以下、一般的には約0.2%またはそれ以下、そして好ましくは約0.01%ないし約0.2重量%であろう。安定化剤は、当該組成物に、ハロゲン酸素酸、それらの塩または誘導体と一緒に添加するか、または、多くの場合それが好ましいが、ハロゲン酸素酸、それらの塩または誘導体がその中で生成される反応混合物中に添加してもよい。特に、金属−不含有機塩例えば次亜塩素酸t−ブチルまたは次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムに対しては、その中に該反応生成物が生成する反応混合物中に安定化剤特にベンゾトリアゾールを使用し、該反応生成物からの利用可能なハロゲンのレベルを維持するか、またはその減少を少なくとも実質的に弱めるかまたは阻止するようにする。
【0018】
本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、水性組成物として製剤化でき、かつそれが好ましいが、半水性ないし非反応性(僅かに非−反応性を含む)の有機溶媒ベース組成物としても製剤化できる。一般的には、好ましい溶媒は水である。水は、他の成分の水性部分の一部として、および/または、付加的な添加水として存在し得る。しかしながら、本発明の組成物は、採用される特定のハロゲン酸素酸、それらの塩または誘導体に応じて選択される、非−反応性有機溶媒により製剤化することもできる。それらの適切な非−反応性有機溶媒の例としては、スルホラン(テトラヒドロチオペン−1,1−ジオキシド)、3−メチルスルホラン、n−プロピルスルホン、n−ブチルスルホン、スルホレン(2,5−ジヒドロチオペン−1,1−ジオキシド)、3−メチルスルホレン、アミド類例えば1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン(HEP)、ジメチルピペリドン(DMPD)、N−メチルピロリジノン(NMP)、およびジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、および飽和アルコール類例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびヘキサフルオロイソプロパノール、アルキルニトリル類例えばアセトニトリル、ハロゲン化アルカン類(C2n+2−z)、但し、Yはハロゲンでありnは1ないし6の整数である、例えば、CCl、CClおよびC、があげられるが、それらに限定はされない。上記ハロゲン酸素酸の有機塩は、一般に、非−反応性有機溶媒−ベース製剤中に製剤化されるものである。しかしながら、当該有機塩が次亜塩素酸アルキルである場合、非−反応性有機溶媒は、アミド、スルホン、スルホレン、セレノンまたは飽和アルコール溶媒ではない。本発明の組成物中の溶媒の量は、溶媒が水、水および非−反応性有機溶媒、または非−反応性有機溶媒のいずれであろうとも、該組成物中で組成物全重量基準約70重量%ないし約99.999重量%の量で一般的に採用されるであろう。
【0019】
本発明のマイクロエレクトロニクス洗浄組成物は、所望により、マイクロエレクトロニクス洗浄組成物中に見られる他の成分を含有することができる。そのような他の任意的成分には、アルカリ塩基および特に非−アンモニウム塩基、酸、有機および無機金属キレート化剤または錯体化剤、洗浄効果増強添加剤(金属イオン−不含珪酸塩、金属腐食阻害剤、フッ化物、および界面活性剤が含まれる)が含まれるがそれらに限定はされない。
【0020】
アルカリ塩基は、アンモニウムを生成しない塩基であり、組成物全重量基準0%ないし約30%の量で、一般的には0.1%ないし約30%の量で、好ましくは約0.1%ないし約10%の量で、最も好ましくは約0.1%ないし約5%の量で、存在させ得る。任意の適切なアルカリ塩基を当該洗浄組成物中で採用し得る。アンモニウムを発生しない適切な塩基の例としては、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、例えば、式ROHのもの(但し、各Rは独立して、好ましくは炭素原子1ないし22の、より好ましくは炭素原子1ないし4の置換もしくは非置換アルキル基である)のものがあげられる。当該組成物中で有用なこれらのアンモニウムを生成しない塩基には、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラアルキルホスホニウム、例えば、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、ベンズオキソニウムヒドロキシドおよび類似物がある。無機塩基、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび類似物も、アルカリ塩基として使用できる。
【0021】
本発明の組成物は、所望により、任意の適切な無機酸または有機酸を含有することもできる。もし何かの酸を採用する場合、一般的には無機酸を採用するのが好ましい。これらの酸は、低いpHの組成物が望ましい場合にそれを生成させるために採用することができ、ハロゲン酸素酸とカップルさせるために採用することができる。適切な酸の例には、塩化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、燐酸および酢酸が含まれるが、それらに限定はされない。これらの酸は、本発明の組成物中で、組成物全重量基準、0%ないし約30%の量で、一般的には0.01%ないし約10%の量で、好ましくは約0.01%ないし約5%の量で、存在し得る。
【0022】
有機または無機のキレート化剤または金属錯体化剤は、要求されるものではないが、実質的な利点、例えば、増進された製品安定性を提供する。適切なキレート化剤または錯体化剤の例には、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CyDTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、錫酸塩類、ピロ燐酸塩類、アルキリデン−ジホスホン酸誘導体(例えば、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸塩)、エチレンジアミン含有ホスホン酸塩類、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミン官能性部分[例えば、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)]が含まれるが、それらに限定はされない。所望によるキレート化剤は、本発明の組成物中で、組成物全重量基準、0%ないし約10%の、好ましくは約0.1%ないし約2%の量で存在するであろう。
【0023】
本発明の洗浄組成物は、所望により、本発明の組成物に対する洗浄効果増強添加剤、例えば、カテコール、ピロガロール、没食子酸、レゾルシノールおよび類似物、および特に金属イオン−不含珪酸塩安定化剤をも含有することができる。本発明の組成物には、任意の適切な金属イオン−不含珪酸塩を使用することができる。これらの珪酸塩は、好ましくは第4級アンモニウム珪酸塩類、例えば、テトラアルキルアンモニウム珪酸塩類(ヒドロキシ−およびアルコキシ−含有のアルキル基を含み、一般的に該アルキルまたはアルコキシ基中の炭素原子が1ないし4個である)である。最も好ましい金属イオン−不含珪酸塩成分は、テトラメチルアンモニウム珪酸塩、テトラエチルオルト珪酸塩、およびテトラキス(2−ヒドロキシエチル)オルト珪酸塩である。これらの洗浄効果増強添加剤は、本発明の組成物中で、組成物全重量基準、約0%ないし30%の量で、好ましくは約0.1%ないし約5%の量で存在することができる。
【0024】
本発明の洗浄組成物は、所望により、金属腐食阻害剤、例えば、トリアゾール、チアゾール、テトラゾールおよびイミダゾール安定化剤をも含有することができる。これらの金属腐食阻害剤は、本発明の組成物中で、組成物全重量基準、0%ないし約30%の量で、一般的には0.1%ないし約5%の量で、好ましくは約0.1%ないし約3%の量で、使用されよう。
【0025】
本発明の洗浄組成物は、所望により、適切な界面活性剤をも含有することができる。適切な界面活性剤の例には、ジメチルヘキシノール[サーフィノール(Surfynol)−61]、エトキシル化テトラメチルデシンジオール[サーフィノール(Surfynol)−465]、ポリテトラフルオロエチレンセトキシプロピルベタイン[ゾニール(Zonyl)FSK]、ゾニール(Zonyl)FSH、および類似物が含まれるが、それらには限定されない。これらの界面活性剤は、本発明の組成物中で、一般的に組成物全重量基準、0%ないし約5%の、好ましくは0.001%ないし約5%の、そしてより好ましくは約0.001%ないし約0.3%の量で、存在するであろう。
【0026】
本発明の洗浄組成物は、所望により、アンモニウムを生成しない適切なフッ化物をも含有することができる。そのような適切なフッ化物の例は、フッ化テトラメチルアンモニウム、およびフッ化テトラブチルアンモニウムを含むが、それらに限定はされない。他の適切なフッ化物には、例えば、フルオロ硼酸塩、テトラブチルアンモニウムフルオロ硼酸塩、アルミニウムヘキサフルオライド、フッ化アンチモニーおよび類似物が含まれる。これらのフッ化物成分は、本発明の組成物中で、一般的に組成物全重量基準、0%ないし約30%の、好ましくは約0.01%ないし30%の、そしてより好ましくは約0.01%ないし約10%の量で、存在するであろう。
【0027】
本発明の洗浄組成物は、工程/操作の広範なpHおよび温度条件にわたって使用でき、またフォトレジスト、プラズマ後のエッチング/灰残渣、犠牲的光吸収材料、および抗−反射性被覆(ARC)を効果的に除去するのに使用できる。加えて、清浄化が極めて困難な試料、例えば、高度に架橋したまたは固まったフォトレジストおよびチタン含有構造(例えば、チタン、酸化チタンおよび窒化チタン)またはタンタル類(例えば、タンタル、酸化タンタルおよび窒化タンタル)を、本発明の洗浄組成物により容易に清浄化できることが分かった。
【実施例】
【0028】
金属ハロゲン酸素酸、それらの塩および誘導体を含有する本発明の洗浄組成物の例を、下記表1および2に記載する。下記表1および2中において採用した略記は下記のとおりである。
NaOCl=5.25%NaOCl(水性)
NaOCl−溶液A=12.9%の利用可能な塩素を有する水性NaOCl溶液
NaOCl−溶液B=12.3%の利用可能な塩素を有する水性NaOCl溶液
HClO=塩素酸
TMAH=25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(水性)
CyDTA=トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸
EHDP=1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
EG=エチレングリコール
水=各成分の水溶液由来の水に加えての添加水
ゾニールFSH=界面活性剤
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
本発明の上記マイクロエレクトロニクス洗浄組成物の洗浄能力を、以下の各試験で例証した。これらの試験では、下記構造のシリコンウエーハーを含むマイクロエレクトロニクス構造物、即ち、フォトレジスト(PR)/カーボンドープオキサイド(CDO)/窒化物/銅バイア(vias)を洗浄した。最初の試験では、このマイクロエレクトロニクス構造物を、まず市販のCLk-888洗浄剤/残渣除去剤(Mallinckrodt Baker, Inc)と30%過酸化水素の10:1溶液に75℃で30分間浸積し、次に、第2段階において、表1の組成物A中で浸積し、それからこの構造物を水洗した。組成物Aは、全PR(バルクPRおよび強固な“スキン”)および頑固なバイア残渣の97%ないし99%を除去した。組成物Aは、また、CDOエッチングが全くなかったことから、優秀な基板適合性をも示した。同様に、表2の組成物Gを採用する第2の試験では、下記構造のシリコンウエーハーを含む第1のマイクロエレクトロニクス構造物、PR/CDOバイアを表2の組成物G中に30分間40℃で浸積し、次いで水洗し、そして同一組成の第2マイクロエレクトロニクス構造物を表2の組成物I中に30分間40℃で浸積し、次いで水洗した。組成物Gおよび組成物Iは、いずれも全PR(バルクPRおよび強固な“スキン”)の97%ないし99%および頑固なバイア残渣の100%を除去した。組成物Gおよび組成物Iは、また、CDOエッチングが全くなかったことから、優秀な基板適合性をも示した。
【0032】
金属−不含ハロゲン酸素酸、それらの塩および誘導体を含有する本発明の洗浄組成物の例を以下に記載する。但し:
TMAOCl−溶液A=下記製剤Aで調製した次亜塩素酸テトラメチルアンモニウム(ベンゾトリアゾール安定化剤不含)、そして
TMAOCl−溶液B=下記製剤Bで調製した次亜塩素酸テトラメチルアンモニウム(ベンゾトリアゾール安定化剤約0.1%含有)
溶液81=利用可能塩素7.8%の次亜塩素酸テトラメチルアンモニウム溶液(ベンゾトリアゾール安定化剤約0.1%含有)
TMAF=20%フッ化テトラメチルアンモニウム(水性)
TMACl=テトラメチルアンモニウムクロリド
スルホラン=テトラヒドロチオペン−1,1−ジオキシド
【0033】
製剤A
250ml容エルレンマイヤーフラスコに、25%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)152.8gを加えた。塩素ガスをゆっくりしたバブリング率で約6分間導入して、黄色溶液(重量増加18.25g)を得た。この取得した黄色溶液に、25%TMAHを別に33.8g追加し、中間体溶液を得た。pH測定のために3.5gを除去した後、残りの溶液に25%TMAHを別に3.1g追加して、TMAOCl(次亜塩素酸テトラメチルアンモニウム)混合物の黄色溶液を得た。この混合物を計量すると下記各成分:15.2%(wt)TMAOCl、13.2%TMACl、0.9%TMAH、および70.8%水、を含有していた。利用可能な塩素は約8.6%であると計算された。上記混合物160g、水160g、およびゾニールFSH界面活性剤0.155gを混合し、本発明の洗浄組成物を調製した。従って、この製剤は、下記:TMAOCl7.6%(wt)、TMACl6.6%、TMAH0.43%、水85.3%、およびゾニールFSH0.05%を含有すると計算された。利用可能な塩素は約4.3%であると計算された。この製剤をTMAOCl−溶液Aと名付けた。
【0034】
製剤B
250ml容エルレンマイヤーフラスコに、25%TMAH113.4gおよびベンゾトリアゾールg0.13gを入れた。塩素ガス(10.2g)をゆっくりしたバブリング率で11分間導入して、透明な黄色溶液を得た(TMAHの92.2%が反応したと計算された)。この取得したTMAOCl溶液は、下記利用可能な塩素分析値を与えた:8.1%(当初<合成2時間後);8.1%(室温放置1日経過後);8.1%(6日経過後);8.0%(14日経過後);7.5%(70日経過後)。本発明の洗浄組成物は、この反応生成物から、十分量の水、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)およびゾニールFSH界面活性剤を加えて、最終的に利用可能な塩素3.5%、TMAH0.5%、ゾニールFSH0.025%およびベンゾトリアゾール0.1%を有する製剤溶液として調製した。10%水溶液のpHは、25℃において約pH13であった。この製剤をTMAOCl−溶液Bと名付けた。この製剤Bにより、利用可能な塩素レベルを維持するベンゾトリアゾールの安定化効果が例証された。
【0035】
当該TMAOCl−溶液A組成物およびTMAOCl−溶液B組成物に加えて、金属−不含ハロゲン酸素酸塩の組成物のさらなる例には、表3の組成物J、K、LおよびMが含まれるが、それらに限定はされない。
【表3】

【0036】
本発明の上記のような金属−不含ハロゲン酸素酸塩の組成物の優れた洗浄効果および基板適合性は、下記実験結果により例証される。本発明の洗浄組成物の、銅、タンタルおよびタングステンエッチング率は、下記表4中のエッチング率データによって例証される。このエッチング率は、TMAOCl−溶液B組成物について、下記試験操作を利用して測定した。銅、タンタルおよびタングステンフォイルの各約13×50mmの小片を使用した。それら各フォイルの重量を測定した。各フォイル片を2−プロパノール、蒸留水およびアセトンで洗浄した後、各フォイル片を乾燥用オーブン中で乾燥した。これらの洗浄し、乾燥した各フォイル片を、次いで、予熱した本発明のTMAOCl−溶液B洗浄組成物のゆるく蓋をした瓶中に入れ、2ないし24時間、指示温度の真空オーブン中に置いた。処置後、これらの洗浄した各フォイルをオーブンおよび瓶から取り出し、大量の蒸留水で洗い、乾燥用オーブン中で約1時間乾燥し、次いで室温まで放冷し、それから重量損失または重量変化に基づいてエッチング率を測定した。
【表4】

【0037】
多様な誘電体およびバリヤーに対する本発明のTMAOCl−溶液B組成物の誘電体およびバリヤーエッチング率を、下記試験操作によって評価した。ウエーハー片のフィルム厚を、ルドルフ干渉計および/またはエリプソメーターを用いて測定した。各ウエーハー片(シリコンウエーハー上に誘電体またはバリヤー材料を沈着させてある)を、指定した洗浄組成物中に45℃で30分間浸積し、続いて脱−イオン水で洗い、さらに窒素気流中で乾燥した。該処理に引き続いて厚みを再測定し、それから、当該指定処理により生じたフィルム厚の変化に基づいてエッチング率を計算した。TMAOCl−溶液B組成物による誘電体またはバリヤーエッチング率は、表5に記載したとおりであった。
【表5】

【0038】
本発明の金属−不含ハロゲン酸素酸塩含有組成物、TMAOCl−溶液AおよびTMAOCl−溶液B、の洗浄効果を、表6中に詳記した多様なマイクロエレクトロニクス構造のシリコンウエーハーの洗浄に本発明の洗浄組成物を使用し、該表中に記載した洗浄結果により例証した。
【表6】

SARC=犠牲的抗−反射性被覆
TMAH=テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
EDTMP=エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)
EG=エチレングリコール
【0039】
本明細書中では本発明をその特定の実施態様群を参照して記述しているが、本明細書中に開示した本発明の発明的コンセプトの精神および範囲から逸脱することなく改変、修飾、および変形がなされ得ることが理解されるであろう。従って、それら全ての改変、修飾、および変形を、添付特許請求の範囲の精神および範囲内のものとして包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用可能なハロゲンの量について組成物を安定化させる方法であって、該組成物が、
(a)ハロゲン酸素酸、該酸の塩、またはそれらの誘導体から成る群から選択される酸化剤、但し、ここで誘導体とは、ハロゲン化イソシアネート類、二酸化塩素、一酸化塩素、および次亜塩素酸塩−亜燐酸塩複合体から成る群から選択されるものである、および
(b)成分(a)に対する溶媒、
を含有するものであり、
該方法が、該組成物にトリアゾール類、チアゾール類、テトラゾール類およびイミダゾール類から成る群から選択される安定化剤を添加することを含む、方法。
【請求項2】
当該安定化剤がトリアゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該安定化剤がベンゾトリアゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
当該酸化剤成分(a)が、次亜塩素酸アルキルおよび次亜塩素酸テトラアルキルアンモニウムから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
当該酸化剤成分(a)が、次亜塩素酸t−ブチルおよび次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
当該酸化剤成分(a)が、次亜塩素酸t−ブチルおよび次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
当該安定化剤を、当該酸化剤成分(a)の合成中に当該成分(a)と混合する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
当該安定化剤を、当該酸化剤成分(a)の合成中に当該成分(a)と混合する、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
当該安定化剤を、当該酸化剤成分(a)の合成中に当該成分(a)と混合する、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
当該安定化剤を、当該酸化剤成分(a)の合成中に当該成分(a)と混合する、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
当該安定化剤を、当該酸化剤成分(a)の合成中に当該成分(a)と混合する、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
当該安定化剤を、当該酸化剤成分(a)の合成中に当該成分(a)と混合する、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
利用可能なハロゲンの量について安定化した組成物であって、
(a)ハロゲン酸素酸、該酸の塩、またはそれらの誘導体から成る群から選択される酸化剤、但し、ここで誘導体とは、ハロゲン化イソシアネート類、二酸化塩素、一酸化塩素、および次亜塩素酸塩−亜燐酸塩複合体から成る群から選択されるものである、および
(b)安定化に有効量の、トリアゾール類、チアゾール類、テトラゾール類およびイミダゾール類から成る群から選択される安定化剤を含む、組成物。
【請求項14】
当該安定化剤がトリアゾールである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
当該安定化剤がベンゾトリアゾールである、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
当該酸化剤成分(a)が、次亜塩素酸アルキルおよび次亜塩素酸テトラアルキルアンモニウムから成る群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
当該酸化剤成分(a)が、次亜塩素酸t−ブチルおよび次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムから成る群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
当該酸化剤成分(a)が、次亜塩素酸t−ブチルおよび次亜塩素酸テトラメチルアンモニウムから成る群から選択される、請求項15に記載の組成物。

【公開番号】特開2008−156654(P2008−156654A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4620(P2008−4620)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【分割の表示】特願2004−349905(P2004−349905)の分割
【原出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(503077143)マリンクロッド・ベイカー・インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】MALLINCKRODT BAKER, INC.
【Fターム(参考)】