説明

ピクチャ暗号化/復号化装置

【課題】ピクチャ情報が容易に解読されないような暗号化方式を採用したピクチャ暗号化/復号化装置を提供する。
【解決手段】ビデオ信号をMPEG方式に基づいて符号化する場合、可変長符号化の前に、ビデオ信号のマクロブロックの種類に応じて、分類番号を決定し、複数のマクロブロックについて分類番号を演算する。この演算結果と可変長符号化後のビデオストリームのエンド・オブ・ブロックのアドレス情報とを暗号化鍵として用いて、ビデオ信号のピクチャのデータを暗号化する。暗号化する場合には、量子化されたビデオ信号と暗号化鍵とのXORをとる。復号化する場合には、XORを2回行うともとに戻る性質を用いて、符号化側とまったく同じ処理を可変長復号化後に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピクチャ暗号化/復号化装置に係り、特には、MPEG方式に基づいたビデオ信号の暗号化、および、復号化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MPEG方式に基づいたビデオ符号化装置において、生のデジタルビデオデータの流出を防止する目的で、符号化後のビットストリームに対して暗号化が施されることがある。しかしながら、デジタルデータの暗号化に用いられる最も一般的な手法である、“鍵データ”と実データとの論理演算(XOR演算等)では、“鍵データ”自身を盗まれてしまえば、容易に暗号化手法(アルゴリズム)が解読されてしまう恐れがある。
【0003】
したがって、たとえ“鍵データ”自身を盗まれてしまっても、容易に解読できないような暗号化手法が求められている。
図9および図10は、従来の、MPEG方式に基づく、ビデオ符号化/復号化装置について説明する図である。図10(a)に、MPEG方式に基づく一般的なビデオ符号化装置のブロック構成図を示す。
【0004】
入力したビデオ信号(元画像)は、DCT(Discrete Cosine Transform)部10でDCT変換処理が施され、量子化部11で量子化処理が施された後、可変長符号化部12で符号化処理が施されることでビデオストリームとして出力される。また量子化後の信号に逆量子化部13で逆量子化処理、逆DCT部14で逆DCT変換処理が施され、デコード画像としてフレームメモリ15に一時的に保存される。また、動き予測部16で、保存されたデコード画像に対し、演算により求めた動きベクトル分だけ移動させた再構築画像と元画像との差分を求め(動き予測処理)、その差分信号に対してDCT変換処理、量子化処理、符号化処理を施す場合もある。
【0005】
図10(b)に、MPEG方式に基づく一般的なビデオ復号装置のブロック構成図を示す。
入力したビデオストリームは、可変長復号化部17でDCT係数信号に戻され、逆量子化部18で逆量子化処理、逆DCT部19で逆DCT変換処理が施されることで、ビデオ信号に復元される。また逆DCT変換処理後のデコード画像を一時的にフレームメモリ20に保存し、動き補償部21において、これらデコード画像を動きベクトル分だけ移動させて再構築した画像と、デコード画像との加算結果をビデオ信号として出力する場合もある(動き補償処理)。
【0006】
図9に示されるように、MPEG方式に基づくビデオ符号化装置では、ビデオ信号を8×8 (=64画素)単位のブロックに分割し、DCT変換処理および量子化処理により映像信号の高周波領域成分を削除することで情報量の圧縮を図っている。またDCT係数にゼロランレングス符号を割り当てる可変長符号化部では、DCT係数を直流成分位置(1, 1)から交流高周波成分位置(8, 8)に向かってジグザグ順序で読み出し(ジグザグ走査)ながら符号化し、これ以上高周波領域にゼロ以外の係数が存在しない場合にEOB(エンド・オブ・ブロック)符号が割り当てられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本装置の課題は、ピクチャ情報が容易に解読されないような暗号化方式を採用したピクチャ暗号化/復号化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本ピクチャ暗号化/復号化装置は、画像信号をブロック単位で符号化あるいは復号化し、該ブロックを複数含むマクロブロック単位で画像圧縮/伸張を行う画像符号化/復号化システムにおけるピクチャ暗号化/復号化装置において、1つ前の画像に含まれるマクロブロックの種類から得られる分類番号を演算した結果と、該1つ前の画像の画像信号の符号化の終了位置のブロックのアドレス情報とから数値を演算する演算手段と、該演算された数値と、現在処理している画像信号との排他論理和を演算する排他論理和手段と、排他論理和演算の結果を暗号化あるいは復号化された画像信号として出力する出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本装置によれば、ピクチャ情報が容易に解読されないような暗号化方式を採用したピクチャ暗号化/復号化装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態では、従来手法の固定的な“鍵データ”の他に、ビットストリームの生成時(符号化時)に発生するランダム的な情報を用いることで、暗号化の強度向上を図る。また、上記ランダム的な情報として、ブロック内のDCT係数の符号化時のEOB(エンド・オブ・ブロック)アドレス情報を用いる。さらに、“鍵データ”とEOBアドレス情報との四則演算/論理演算等の結果を、“新たな鍵データ”として用いる。また、“新たな鍵データ”とDCT係数の直流成分との論理演算(XOR演算)により暗号化を実現し、DCT係数の交流成分に対しては論理演算(XOR演算)を行わないようにする。また、N番目のブロックのEOBアドレス情報が、(N+1)番目のブロックの暗号化で用いるようにする。ここで、暗号化するのは、画像であり、暗号化された画像を可変長符号化して送信し、受信側で可変長復号化した後、可変長符号化のパラメータを使って暗号化された画像を復号化するという構成である。
【0011】
図1(a)に、第1の実施形態におけるビデオ符号化装置のブロック構成図を示す。
図1(a)においては、可変長符号化部12からEOBアドレス情報を抽出し保持するEOBアドレス保持部30、外部から設定される鍵データを保持するOFFSETレジスタ部31、EOBアドレス保持部30から得られるEOBアドレス情報と、OFFSETレジスタ部31から得られるOFFSETレジスタ値にある特定の演算処理を施すEOBアドレス加工部32、量子化処理後のDCT係数とEOBアドレス加工部32から得られるEOBアドレス情報とのXOR演算を実施するXOR部33、量子化処理後のDCT係数とXOR部33から得られるXOR演算後のDCT係数とを選択出力するSEL(セレクタ)部34を新たに備えている。
【0012】
先ず、OFFSETレジスタ部31に、装置の外部から鍵データを設定する。符号化が進み、N番目のブロックのEOBアドレス情報が得られたら、EOBアドレス情報を保持する。符号化が進み、N+1番目のブロックの符号化に到達したら、OFFSETレジスタ値とEOBアドレス値とを、ある特定の演算処理(例えば加算処理)を施し、その演算後の値と量子化処理後のDCT係数とをXOR演算する。もし、現在のDCT係数の位置が直流成分の場合は、XOR演算後のDCT係数を可変長符号化部12に出力する。もし、現在のDCT係数の位置が交流成分の場合は、量子化処理後のDCT係数を可変長符号化部12に出力する。以上の処理を、ピクチャ画面を構成する全ブロックの符号化が完了するまで継続する。
【0013】
図1(b)に、第1の実施形態におけるビデオ復号化装置のブロック構成図を示す。
図1(b)においては、可変長復号化部17からEOBアドレス情報を抽出し保持するEOBアドレス保持部40、外部から設定される鍵データを保持するOFFSETレジスタ部41、EOBアドレス保持部40から得られるEOBアドレス情報と、OFFSETレジスタ部41から得られるOFFSETレジスタ値にある特定の演算処理を施すEOBアドレス加工部42、可変長復号化
処理後のDCT係数とEOBアドレス加工部42から得られるEOBアドレス情報とのXOR演算を実施するXOR部43、可変長復号化処理後のDCT係数とXOR部43から得られるXOR演算後のDCT係数とを選択出力するSEL部44を新たに備えている。
【0014】
先ず、OFFSETレジスタ部41に、送信装置と同じ鍵データを設定する。復号化が進み、N番目のブロックのEOBアドレス情報が得られたら、EOBアドレス情報を保持する。復号化が進み、N+1番目のブロックの復号化に到達したら、OFFSETレジスタ値とEOBアドレス値とを、ある特定の演算処理(例えば加算処理)を施し、その演算後の値と可変長復号化処理後のDCT係数とをXOR演算する。もし、現在のDCT係数の位置が直流成分の場合は、XOR演算後のDCT係数を逆量子化部18に出力する。もし、現在のDCT係数の位置が交流成分の場合は、可変長復号化処理後のDCT係数を逆量子化部18に出力する。
【0015】
上記で、ビデオ符号化装置においてXORして暗号化したピクチャを復号化する場合、ビデオ復号化装置で、やはりXORしているのは、信号を2回同じようにXORすると、元に戻るという性質があるからである。したがって、送信側でXORで暗号化した情報を、受信側で、まったく同様にXORすることにより、暗号化された情報を復号化することができる。
【0016】
第1の実施形態に基づく暗号化方式を用いると、ビットストリームの符号化時に発生するランダム的なEOBアドレス情報を“鍵データ”の一要素として使用している為、たとえ“鍵データ”自体が盗まれてしまった場合でも、容易には解読できない強固なビデオストリームの暗号化を実現できる。
【0017】
第1の実施形態では、固定的な“鍵データ”自体は装置の外部から供給する必要があるため、“鍵データ”を送受信する過程で“鍵データ”情報が外部に漏洩してしまうリスクが残っている。第2の実施形態では、第1の実施形態における固定的な“鍵データ”を装置の外部から供給するのではなく、ビットストリームの生成時(符号化時)に内部的に生じるピクチャ符号化情報を用いることで、暗号化の強度向上を図る。上記で用いるピクチャ符号化情報として、ピクチャ毎のMB(マクロブロック)の予測タイプ等の分布状態を用いることを特徴とする。マイクロブロックとは、符号化単位であるブロックを複数含むより大きな単位のブロックであって、画像圧縮処理の単位となるブロックのことである。また、ピクチャ毎のMB予測タイプを、指定されたMB列番号の分だけ抽出し、それらの四則演算(例えば加算)結果をピクチャ符号化情報と定義する。また、上記“指定されたMB列番号”や“四則演算のタイプ”は、1ピクチャ前のピクチャ符号化情報を用いて選択する。
【0018】
第2の実施形態による暗号化方式を用いると、第1の実施形態における固定的な“鍵データ”を装置の外部から供給する必要がなくなり、その結果として“鍵データ”情報の外部への漏洩を回避することができるようになるため、容易に解読できない強固なビデオストリームの暗号化を実現することができる。
【0019】
また、第2の実施形態では、ピクチャ毎のMB予測タイプを、指定されたスライス列番号の分だけ抽出し、それらの四則演算(例えば加算)結果をピクチャ符号化情報と定義する。また、上記“指定されたスライス列番号”や“四則演算のタイプ”は、1ピクチャ前のピクチャ符号化情報を用いて選択する。あるいは、ピクチャ毎のMB予測タイプを、指定されたMB番号から斜め方向に抽出し、それらの四則演算(例えば加算)結果をピクチャ符号化情報と定義する。このとき、上記“指定されたMB番号”や“四則演算のタイプ”は、1ピクチャ前のピクチャ符号化情報を用いて選択する。さらに、上記ピクチャ符号化情報の抽出パターンを、ピクチャ単位で切り替えて使用する。上記“ピクチャ符号化情報の抽出パターン”は、1ピクチャ前のピクチャ符号化情報を用いて選択する。
【0020】
図2(a)に、第2の実施形態におけるビデオ符号化装置のブロック構成図を示す。
第2の実施形態においては、第1の実施形態の符号化装置のブロック構成に加え、動き予測部16からMBタイプを抽出し、分類No.に変換してから保持するMBタイプ保持部50、MBタイプ保持部50で保持されている分類No.を、ピクチャの符号化処理が完了した時点で、ある特定のルールに従って集計し、ある特定の演算方法に従って加工した後でその演算結果をピクチャ符号化情報として保持し、次のピクチャ符号化処理の最初のタイミングで、OFFSETレジスタ部31に書き込み(更新)を行うピクチャ情報加工(演算)部51を備えている。MBタイプから分類No.への変換の仕方については、たとえば、表1または表2の例によって変換する。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
表1は、フレーム構造に関するMBタイプを分類No.に変換する表である。MBタイプとしては、スキップMB、イントラMB、フレーム予測、フィールド予測、DualPrime予測がある。表2は、フィールド構造に関するMBタイプを分類No.に変換する表である。MBタイプとしては、スキップMB、イントラMB、フィールド予測、16×8予測、DualPrime予測がある。これらのMBタイプは、MPEGにおいて規定されているものであり、分類No.は、本実施形態を利用するものが適宜設定すべきものである。
【0024】
図2(b)に、第2の実施形態におけるビデオ復号化装置のブロック構成図を示す。
※上記符号化装置の“動き予測部”を復号化装置の“可変長復号化部”に差し替えるだけで、ほとんど同じような構成であるため、説明は割愛させていただきます。
【0025】
第2の実施形態においては、第1の実施形態の復号化装置のブロック構成に加え、可変長復号化部17からMBタイプを抽出し、分類No.に変換してから保持するMBタイプ保持部52、MBタイプ保持部52で保持されている分類No.を、ピクチャの可変長復号化処理が完了した時点で、ある特定のルールに従って集計し、ある特定の演算方法に従って加工した後でその演算結果をピクチャ復号化情報として保持し、次のピクチャ復号化処理の最初
のタイミングで、OFFSETレジスタ部41に書き込み(更新)を行うピクチャ情報加工(演算)部53を備えている。MBタイプから分類No.への変換の仕方については、やはり、表1または表2の例によって変換する。ただし、MBタイプから分類No.への変換方法は送信側であるピクチャ符号化装置と受信側であるピクチャ復号化装置で同じものとする。
【0026】
図3〜図8は、第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図である。
具体的なケースとして、ピクチャの符号化処理がフレーム構造で行われる場合を想定すると、MBタイプから分類No.への変換は表1に従って行われる。一例として、1ピクチャ分の符号化処理が完了した時点での分類No.の分布状況を、1ピクチャ分マッピングした結果を図3に示す。図3では、縦方向が、スライス列であり、横方向がMB列である。
【0027】
一方、ある特定のルールに従った”分類No.”の集計方法としては、以下の三つのパターンが考えられる。
(1)ある特定のMB列における縦方向(スライス列方向)の全ての分類No.を集計する(図4参照)。
(2)ある特定のスライス列における横方向(MB列方向)の全ての分類No.を集計する(図5参照)。
(3)第一スライス列上のある特定のMB番号を先頭として、斜め方向の全ての分類No.を集計する(図6参照)。
【0028】
また、ある特定の演算方法に従った加工の例として、以下の3タイプが例として挙げられる。
(a)加算タイプ
ピクチャ符号化情報=
(1番目の分類No.)+(2番目の分類No.)+(3番目の分類No.)+ … +(N-1番目の分類No.)+(N番目の分類No.)
(b)加減算タイプ
ピクチャ符号化情報=
(1番目の分類No.)−(2番目の分類No.)+(3番目の分類No.)− … +(N-1番目の分類No.)−(N番目の分類No.)
(c)加減乗算タイプ
ピクチャ符号化情報=
(1番目の分類No.)×(2番目の分類No.)+(3番目の分類No.)− … −(N-1番目の分類No.)×(N番目の分類No.)
一例として、集計方法=(1)、演算方法=(a)を選択した場合は、図4より、
ピクチャ符号化情報=2+0+1+2+0+2+2+1+3=13
という演算結果が得られる。
【0029】
さらにその後、次のピクチャの符号化処理の開始時のタイミングで、OFFSETレジスタ部31に13という値を書き込み、さらに、MBタイプ保持部50に対してもフィードバックされ、抽出するMB列番号やスライス列番号、もしくは、演算タイプの選択信号として使用される。上記は、符号化処理についての説明であるが、上述したように、復号化処理においても、符号化処理とまったく同じ処理を行えばよいので、上記説明は、復号化処理についても同様に当てはまる。
【0030】
図7に示されるように、本実施形態は、前のピクチャのピクチャ符号化情報を、必ず次のピクチャの暗号化処理で用いるというアルゴリズムであるため、最初のピクチャの暗号化処理時だけはOFFSETレジスタ部31への設定値を用意できない。従って、最初のピクチャだけは、例えば、初期値として0x0000という固定値を、OFFSETレジスタ部31に設定したり、抽出するMB列番号やスライス列番号、もしくは、演算タイプの選択信号として使用したりすることができる。図7においては、最初のIピクチャは、OFFSETレジスタ部31の設定値を0x0000に固定し、後続のI、B、Pピクチャは、1ピクチャ前のピクチャ情報を使用する例を示している。ここで、Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャというのは、MPEGにおけるピクチャの種類であり、Iピクチャは、圧縮の際、他のピクチャを参照しないピクチャであり、Pピクチャは、1つ前のピクチャのみを参照し、Bピクチャは、1つ前と1つ後ろのピクチャを参照するピクチャである。
【0031】
また、図8に示されるように、万が一、ストリーム伝送中にストリームエラーが混入してしまった時に、デコード側でのエラー伝搬の悪影響をできるだけ抑える為に、Iピクチャの符号化時は、初期値として常に0x0000を用いるようにしてもよい。図8においては、Iピクチャのときの符号化時のOFFSETレジスタ部31の設定値を0x0000に固定し、BピクチャとPピクチャの場合には、1ピクチャ前のピクチャ情報を用いて符号化する例を示している。
【0032】
なお、上述したように、本第1および第2の実施形態では、送信側である符号化装置と受信側である復号化装置では、符号化装置で行う暗号化処理と、復号化装置で行う復号化処理は、まったく同じ処理を行う。したがって、上記符号化処理に関する説明は、復号化処理についてもまったく同様に適用される。
【0033】
上記実施形態のほかに、以下の付記を開示する。
(付記1)
画像信号をブロック単位で符号化あるいは復号化し、該ブロックを複数含むマクロブロック単位で画像圧縮/伸張を行う画像符号化/復号化システムにおけるピクチャ暗号化/復号化装置において、
1つ前の画像に含まれるマクロブロックの種類から得られる分類番号を演算した結果と、該1つ前の画像の画像信号の符号化の終了位置のブロックのアドレス情報とから数値を演算する演算手段と、
該演算された数値と、現在処理している画像信号との排他論理和を演算する排他論理和手段と、
排他論理和演算の結果を暗号化あるいは復号化された画像信号として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記2)
前記画像符号化/復号化システムは、MPEGであることを特徴とする付記1に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記3)
前記画像信号の符号化の終了位置は、エンド・オブ・ブロックの位置であることを特徴とする付記2に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記4)
Iピクチャについて暗号化あるいは復号化する場合、前記分類番号を演算した結果の代わりに、固定値を用いることを特徴とする付記2に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。(付記5)
画像信号の最初のピクチャについては、前記分類番号を演算した結果の代わりに、固定値を用いることを特徴とする付記1に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記6)
前記演算手段は、マクロブロックの種類と分類番号とを対応させて格納するテーブルを保持することを特徴とする付記1に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記7)
前記分離番号の演算は、複数のマクロブロックについて得られた分類番号を四則演算の組み合わせによって演算することを特徴とする付記1に記載のピクチャ暗号化/復号化装
置。
(付記8)
前記複数のマクロブロックは、マクロブロックをスライス例方向とマクロブロック列方向からなる2次元的に配置した場合の、特定のマクロブロック列に属するマクロブロックであることを特徴とする付記7に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記9)
前記複数のマクロブロックは、マクロブロックをスライス例方向とマクロブロック列方向からなる2次元的に配置した場合の、特定のスライス列に属するマクロブロックであることを特徴とする付記7に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記10)
前記複数のマクロブロックは、マクロブロックをスライス例方向とマクロブロック列方向からなる2次元的に配置した場合の、最初のスライス列に属する1つのマクロブロックから斜め方向に取得されたマクロブロックであることを特徴とする付記7に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
(付記11)
画像信号をブロック単位で符号化あるいは復号化し、該ブロックを複数含むマクロブロック単位で画像圧縮/伸張を行う画像符号化/復号化システムにおけるピクチャ暗号化/復号化方法において、
1つ前の画像に含まれるマクロブロックの種類から得られる分類番号を演算した結果と、該1つ前の画像の画像信号の符号化の終了位置のブロックのアドレス情報とから数値を演算し、
該演算された数値と、現在処理している画像信号との排他論理和を演算し、
排他論理和演算の結果を暗号化あるいは復号化された画像信号として出力する、
ことを特徴とするピクチャ暗号化/復号化方法。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1(a)】第1の実施形態におけるビデオ符号化装置のブロック構成図である。
【図1(b)】第1の実施形態におけるビデオ復号化装置のブロック構成図である。
【図2(a)】第2の実施形態におけるビデオ符号化装置のブロック構成図である。
【図2(b)】第2の実施形態におけるビデオ復号化装置のブロック構成図である。
【図3】第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図(その1)である。
【図4】第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図(その2)である。
【図5】第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図(その3)である。
【図6】第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図(その4)である。
【図7】第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図(その5)である。
【図8】第2の実施形態における暗号化の行い方の説明図(その6)である。
【図9】従来の、MPEG方式に基づく、ビデオ符号化/復号化装置について説明する図(その1)である。
【図10】従来の、MPEG方式に基づく、ビデオ符号化/復号化装置について説明する図(その2)である。
【符号の説明】
【0035】
10 DCT部
11 量子化部
12 可変長符号化部
13、18 逆量子化部
14、19 逆DCT部
15、20 フレームメモリ
16 動き予測部
17 可変長復号化部
21 動き補償部
30、40 EOBアドレス保持部
31、41 OFFSETレジスタ
32、42 EOBアドレス加工(演算)部
33、43 XOR部
34、44 SEL部(セレクタ部)
50、52 MBタイプ保持部
51、53 ピクチャ情報加工(演算)部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号をブロック単位で符号化あるいは復号化し、該ブロックを複数含むマクロブロック単位で画像圧縮/伸張を行う画像符号化/復号化システムにおけるピクチャ暗号化/復号化装置において、
1つ前の画像に含まれるマクロブロックから得られる分類番号を演算した結果と、該1つ前の画像の画像信号の符号化の終了位置に対するブロックのアドレス情報とから数値を演算する演算手段と、
該演算された数値と、現在処理している画像信号との排他論理和を演算する排他論理和手段と、
排他論理和演算の結果を暗号化あるいは復号化された画像信号として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするピクチャ暗号化/復号化装置。

【請求項2】
前記画像符号化/復号化システムは、MPEGであって、Iピクチャについて暗号化あるいは復号化する場合、前記分類番号を演算した結果の代わりに、固定値を用いることを特徴とする請求項1に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
【請求項3】
画像信号の最初のピクチャについては、前記分類番号を演算した結果の代わりに、固定値を用いることを特徴とする請求項1に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
【請求項4】
前記分離番号の演算は、複数のマクロブロックについて得られた分類番号を四則演算の組み合わせによって演算することを特徴とする請求項1に記載のピクチャ暗号化/復号化装置。
【請求項5】
画像信号をブロック単位で符号化あるいは復号化し、該ブロックを複数含むマクロブロック単位で画像圧縮/伸張を行う画像符号化/復号化システムにおけるピクチャ暗号化/復号化方法において、
1つ前の画像に含まれるマクロブロックの種類から得られる分類番号を演算した結果と、該1つ前の画像の画像信号の符号化の終了位置のブロックのアドレス情報とから数値を演算し、
該演算された数値と、現在処理している画像信号との排他論理和を演算し、
排他論理和演算の結果を暗号化あるいは復号化された画像信号として出力する、
ことを特徴とするピクチャ暗号化/復号化方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図10】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−244327(P2009−244327A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87599(P2008−87599)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】