説明

ピペット操作可能な物質を送達する装置

生物学的物質を処理するためにピペット操作可能な物質を受け取るための容器。容器は、ピペット操作可能な物質を含む容器の内部にアクセスするために穴を開けられ得る複数の開口部領域を有する壁、好ましくは蓋、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペット操作可能な物質を送達する(delivering)装置に関する。該装置は、たとえば、生化学、分子遺伝学、微生物学、医学診断学又は法医学における適用に好適である。
【背景技術】
【0002】
たとえば、化学、生物学、生化学、バイオテクノロジー、医学又は環境技術のような多数の技術分野において、生物学的な標的分子(たとえば、流動性の生物試料)を含有する物質を分析し、分離し、処理し、又は反応させることが必要である。この目的で、液体又は物質が、種々の方法によって、濾過され、冷却され、加熱され、その成分に分解され、洗浄され又はピペットで吸われ、及び/又はほかの方法によって処理される。生物材料を調製するために処理工程の長く且つ複雑な系列を経ることが必要であることが多い。処理する間に種々の試薬が添加される。試料の分析又は調製の性質によって、処理の間、様々な組み合わせの試薬が使用される。特に大量の試料については、処理は、通常自動化される。普通、処理するために必要とされる試薬は、充填済みの容器に保持され、試料の自動処理のために操作者によって装置内に設置される。試薬を取り出すために、装置には容器を開けるための手段、装置の装填の間にこれらが既に開けられていないとすれば、制御された取り外しのための手段が設けられている。同一のツール、たとえば、容器の穴あけ可能な蓋にカニューレを押し込み、次いで外部の吸引装置を用いて試薬を外に吸引することによって開口及び取り出しが行われてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
充填済み容器からピペット操作可能な物質を取り出すために多数の改良型が知られている。しかしながら、従来技術は、多数の改善の余地を残している。従って、本発明の目的は、処理の効率及び経済性を改善することを意図してこの種の装置を構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本発明は、生物学的物質を処理するためにピペット操作可能な物質を受け取るための容器(以後、チャンバー又は挿入物(insert)とも呼ぶ)に関するものであり、それは、外壁と、該外壁によって境界がつけられる(bounded)ピペット操作可能な物質を受け取るための隣接する物質の空間と、上記物質の空間にアクセスするために穴を開けられ得る複数の開口部領域を有する壁、通常、蓋(top)、を含む。開口部領域は、それらに、開口ツールによって少なくとも部分的に穴を開けることができるか、又はそれらを切断することができるように配置される。アクセスは通常、ピペットの先端によってなされる。
【0005】
容器は通常、ピペット操作可能な物質に対して透過性である1以上の中間壁要素を上記物質の空間に含み、これら中間壁要素は通常、開口部領域に対して実質的に垂直に配置される。
【0006】
同定の実現性(possibility)を改善するために、容器には、物質のための同定マーキングによる標識領域が設けられてもよい。同定マーキングは通常、バーコードであり、さらに通常では、二次元バーコード又はRFIDである。標識領域は、開口部領域に対して傾いた角度、通常、3°〜20°の間の角度にある。
【0007】
通常、容器は、生物学的な標的分子を含有する物質を処理し、精製し、及び/もしくは分析するために、並びに/又は生物学的な標的分子を処理し、及び/もしくは分析するためにピペット操作可能な物質によって充填される。
【0008】
通常、容器の蓋又は壁には、開口部領域の穴開け又は切断の間に発揮される力に対抗する少なくとも1つの補強(reinforcement)が設けられる。補強は通常、蓋の一部である。
【0009】
補強は通常、開口部領域の領域よりも厚い材料厚さを有する。それは追加的に又は代わりに開口部領域とは異なった材料から作られてもよい。
【0010】
通常、開口部領域は、通常環状の構成の補強された包囲部(surrounding part)によって少なくとも部分的に取り囲まれる。蓋又は壁は通常さらに、包囲部に接触している複数の補強隆起部(reinforcing ridges)を含む。
【0011】
補強隆起部は通常、開口部領域の中心に対して星形状に配置される。
【0012】
補強は通常さらに、2つの開口部領域の間で横に(transversely)延びる少なくとも1つの中間隆起部を含み、ここで、補強隆起部の少なくとも一部は、1つの中間隆起部若しくは複数の中間隆起部又は壁若しくは蓋の縁に接触する。
【0013】
通常、1以上の開口部領域の周りに設けられた補強は、通常、開口部領域に向かって次第に細くなる実質的に円錐状のガイドを提供して、開口ツールがその上に位置付けられるか、又はそれに適用される場合、開口ツールが中心に置かれることを可能にする。
【0014】
通常、開口部領域の少なくとも一部は、少なくとも1列に実質的に配置される。開口部領域の中心は通常、5〜12mm、さらに通常は、8〜10mm、最も通常は、9mmの整数倍で互いに間隔を空ける。特に、因数2以上の整数の倍数が好ましい。これらの寸法の使用は、相当するウエルの間隔を持つ標準のマルチウエルプレートに容易にアクセスできる複数のピペット操作ユニットによってアクセスが可能であるという利点を有する。
【0015】
通常、開口部領域(40)は、互いに独立して、円形、楕円形及び多角形を含む群から選択される形状を実質的に有してもよい。
【0016】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの開口部領域を有する蓋(top)によって密封された充填済み容器からピペット操作可能な物質を取り出すシステムであって、開口部領域の形状に実質的に相当する断面を有する管であって、遠位端にて該管の長手軸に対して実質的に傾いて延びる閉口部を含む管を有する開口ツールを含み、上記蓋に開口部が形成されるように、上記開口ツールが適用されるとき、開口部領域内に位置する蓋の一部を容器の方に動かす、前記システムに関する。さらに、使用後に容器に残るように設計された開口ツールは、輸送ツールのための攻撃点と、上記蓋を介して開口ツールを動かすための輸送ツールと、その一方の端をピペット操作可能な物質を容器の中から外に吸引するための吸引装置に接続することができ、開口ツールの使用位置で、上記管を介してその全長(length)の少なくとも一部が容器内に挿入されるように適合させたカニューレと、を有する。
【0017】
通常、開口部領域は実質的に、円形、楕円形又は多角形の中から選択される形状である。それはまた通常、以下の群から選択される1以上の特徴によって特徴付けられる:
開口部領域は実質的に蓋よりも小さい材料厚さを有する;
開口部領域は蓋とは異なる材料からなる;
開口部領域は実質的に蓋よりも小さい材料厚さを有する境界領域によって境界がつけられ、境界領域は通常異なった材料厚さの領域を有する;
開口部領域は蓋よりも大きい材料厚さの境界領域によって境界がつけられる。
【0018】
通常、開口ツールは、ピン、穴、細長い隙間(slot)、溝及び隆起部の中から選択される、容器上で正確な位置合わせを行うための少なくとも1つの位置合わせ要素を含む。
【0019】
通常、開口ツールの管の傾いた末端部は、その遠位端に点を有し、その背部端からその遠位端までの領域にわたって管の長手軸に対して少なくとも2つの異なった角度αを有する。通常、末端部の遠位端の領域における管の長手軸に対する管の末端部の傾斜の角度αは、末端部のほかの領域におけるものより実質的に小さい。
【0020】
通常、管の一方の端は、通常円錐の形状の構築によって、その適用された位置にて容器の蓋における管と開口ツールとの摩擦によって固定する(frictionally locking)かみ合いを確保する。管の台座(seating)は、最も通常では、ピペット操作可能な物質に対して流体不透性であり、気密性であり、及び/又は密封される。
【0021】
通常、複数の管がm×nのマトリクスに配置され、共通の要素によって接続される。通常、管の傾いた末端部の主面に対する垂線によって規定される空間方向は、管の少なくとも2つにおいて異なる。
【0022】
別の態様では、本発明は、それぞれ少なくとも1つの開口部を有する複数の同様の又は異なった形状のチャンバーと、該開口部を閉じるための少なくとも1つの蓋と、少なくとも1つの該蓋にて形成された円錐状のガイドと、を含む、ピペット操作可能な物質を提供するための容器に関する。
【0023】
通常、容器は、ピン、穴、細長い隙間、溝及び隆起部を含む群の中から選択される位置合わせ要素を含む。
【0024】
通常、容器の少なくとも1つの蓋には、少なくとも1つの開口部領域が設けられる。
【0025】
通常、容器の蓋の開口部領域は、円形、楕円形及び多角形の中から選択される形状を実質的に有する。開口部領域はさらに通常、以下の群から選択される1以上の特徴によって特徴付けられる。
開口部領域は実質的に蓋よりも小さい材料厚さを有する;
開口部領域は蓋とは異なる材料からなる;
開口部領域は実質的に蓋よりも小さい材料厚さを有する境界領域によって境界がつけられ、境界領域は通常異なった材料厚さの領域を有する;
開口部領域は蓋よりも大きい材料厚さの境界領域によって境界がつけられる。
【0026】
通常、予め定められた処理のために、特に、生物学的な標的分子を含有する材料を処理、精製及び/又は分析するために必要とされるすべての物質によって容器が実質的に満たされる。
【0027】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの開口部領域を有する蓋によって閉じられた充填済み容器のための開口ツールであって、開口部領域の形状に実質的に相当する断面を有する管であって、かつ遠位端にて該管の長手軸に対して実質的に傾いて延びる末端部を有する管を含み、上記蓋にこのように開口部が形成されるように前記開口ツールが適用されるとき、開口部領域内に位置する蓋の一部を容器の方に動かす開口ツールであって、前記傾いた末梢部は、その遠位端に点を有し、かつその背部端からその遠位端までの領域にわたって管の長手軸に対して少なくとも2つの異なった角度αを有する、前記開口ツール、に関する。
【0028】
通常、末端部の遠位端の領域における管の長手軸に対する末端部の傾斜の角度αは、末端部のほかの領域のものより実質的に小さい。
【0029】
通常、開口ツールの管は、通常、管を少なくとも部分的に取り囲む段部又は溝の形状の、容器に開口ツールを固定するための保持要素を含む。
【0030】
通常、管の一方の端は、その適用された位置にて蓋における管の開口ツールとの摩擦によって固定するかみ合いを確保し、管は通常、その全長の少なくとも一部にわたって円錐の形状である。
【0031】
通常、開口ツールの複数の管がmxnのマトリクスに配置され、共通の要素によって接続される。通常、管の傾いた末端部の主面に対する垂線によって規定される空間方向は、管の少なくとも2つで異なる。
【0032】
別の態様では、本発明は、以下の工程を含む、充填済みの容器からピペット操作可能な物質を取り出す方法に関する:
a)本発明に係るシステムと本発明に係る容器を提供することと、
b)本発明に係る開口ツールの容器の蓋への自動又は手動の適用と、
c)開口ツールの管が容器の蓋における開口部領域を少なくとも部分的に開け、管が容器の中にその全長の少なくとも一部にわたって貫通し、そこに固定されるように容器の蓋を介して開口ツールを動かすことと、
d)開口ツールの貫通開口部の上の位置にピペット操作ツールを配置し、貫通開口部の中及び下の管の中へ、管の遠位端から取り出される物質の中へピペット操作ツールの少なくとも一部が突き出るまで、ピペット操作ツールを下げることと
e)それに接続された吸引装置によってピペット操作ツールを介して、容器に含有されたピペット操作可能な物質を吸引すること。
【0033】
通常、上記方法は、開口ツールからカニューレを完全に引き出す工程として、追加の工程f)を含む。
【0034】
通常、同一の又は異なったカニューレを用いて、工程d)〜f)を数回繰り返す。
【0035】
通常、工程c)の動きには、容器と開口ツールとの間の、ピン−穴、ピン−細長い隙間及び溝−隆起部を含む群の中から選択される位置合わせ要素のかみ合いが伴われる。
【0036】
通常、工程d)〜f)は、同時に複数のピペット操作ツールを用いて実施される。
【0037】
通常、上記方法で使用される容器は、複数の別個のチャンバーを有し、そのそれぞれが蓋において関連した開口部領域を有する。通常、工程c)において、開口ツールが動くにつれて、複数の管が少なくとも部分的に複数の開口部領域を開口する。
【0038】
通常、上記方法は、適用された開口ツールを伴う容器が、開口ツール上に配置されたカバーによって閉じられる、さらなる工程g)を含む。
【0039】
通常、工程b)において、通常円錐状の形状のガイドによって開口ツールが蓋の上で中心に置かれる。
【0040】
上記所見に照らして、請求項1に係る容器が提供される。
【0041】
添付の図面を参照しながら、種々の態様を参照して以後、本発明をさらに完全に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1a〜1bは、一態様に係るシステムの模式図を示す。
【図2a】図2aは、一態様に係る、開口ツールなしの容器の斜視図を示す。
【図2b】図2bは、一態様に係る、開口ツールを有する容器の斜視図を示す。
【図3】図3a〜3bは、一態様に係る蓋の斜視図及び断面図を示す。
【図4】図4a〜4bは、一態様に係る開口ツールの斜視図及び断面図を示す。
【図5】図5a〜5bは、一態様に係る蓋と開口ツールを有する容器の、開口工程の前と後の断面図を示す。
【図6】図6は、一態様に係る蓋の開口部領域の模式平面図である。
【図7−1】図7a〜7dは、複数の態様に係る開口ツールの管の斜視図及び断面図である。
【図7−2】図7a〜7dは、複数の態様に係る開口ツールの管の斜視図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下の本発明の種々の態様の記載では、異なった態様の機能的に類似する特徴には同一の参照番号が与えられている。
【0044】
図1aは、本発明に係るシステムの好ましい態様を模式的に示す。ピペット操作可能な物質(試薬)を充填済みの容器(20)は蓋(30)によって閉じられる。この蓋は少なくとも1つの開口部領域(40)を有する。開口ツール(100)は、開口部領域の形状に実質的に相当する断面と、その遠位端(120)にて管の長手軸に対して実質的に斜めに延びる末端部(140)(以下、切縁(cutting edge)とも呼ぶ)を有する少なくとも1つの管(110)を含む。開口ツールの適用を準備するには、後者を、管(110)の末端部が開口部領域上で静止しているように容器の蓋の上に置く。それを開けるために、通常、開口ツール上の攻撃点(150)の少なくとも1つ及び/又は容器をかみ合わせる輸送ツール(200)によって、開口ツールと容器(20)が一緒にプレスされる。この種の輸送ツールの典型的な態様は当業者には既知である。
【0045】
特に、開口ツール(100)及び/又は容器(20)にはそれぞれ、輸送ツール(200)上で正確に位置を合わせるために少なくとも1つの位置合わせ要素が備えられてもよい。通常、当該要素はピン、穴、細長い隙間、溝及び隆起部を含む群から選択される。輸送ツール(200)の1以上の位置合わせ要素は、プレス工程の間、相手方として容器及び/又は蓋(30)に提供される相手側(mating)位置合わせ要素とかみ合う。対応する可能性のある対は、ピンと穴、ピンと細長い隙間、溝と隆起部、又はピンと溝であるが、そのほかの要素の組み合わせも本発明の範囲内に入るとみなされてもよい。
【0046】
開口の間、管の末端部の容器(20)に向かう圧力によって開口部領域(40)内に位置する蓋(30)の一部が動かされ、このように、蓋(30)において開口が行われる。図3a及び図3bは、蓋の好ましい態様を示す。同時に、管は、開口部を通って容器の内部に貫通する。上述の開口工程の後、開口ツール(100)は容器(20)上に残る。
【0047】
多数の異なった方法によって容器におけるツールの安定した位置合わせを確保することができる。好ましい態様では、機械的な摩擦のあるかみ合いによって開口ツールが容器(20)の蓋(30)にとどまる。特に通常、開口ツールは、開口ツールと容器の間の接合部が、ピペット操作可能な物質に対して流体不透性であり、気密性であり、及び/又は密閉されているように容器(20)にとどまる。別の改良型は、保持要素、たとえば、管の外側を取り囲み、容器(20)の蓋(30)とかみ合う段部(175)又は溝を含む。明瞭さの理由で、段部(175)及びそのほかの詳細は図1a及び1bには示さず、例示としての段部(175)の図は図7c及び7dに見い出されることになっている。段部又は溝は連続的に延びてもよいし、又は管の外の一部のみにわたって延びてもよい。
【0048】
充填済みの物質を取り出すために、次いで、ピペット操作ツール(250)の少なくとも一部が管の遠位(低い)端(120)を突き出し、取り出される物質に届くまで、開口ツールの管(110)の貫通開口部(190)を通って容器(20)の内部に、その全長の少なくとも一部にわたってピペット操作ツールを挿入する。容器(20)の内部からピペット操作可能な物質を吸引するように設計される吸引装置(300)にピペット操作ツールを接続する。通常自動制御によって操作される作動装置及び手動の双方によってピペット操作ツールを挿入することができ、これはまた、容器又は管からのピペット操作ツールの後での引き出しにも適用される。図1bは、適用された開口ツール(100)と、容器に挿入されたピペット操作ツール(250)を伴ったシステムを模式的に示す。
【0049】
充填済みの容器(20)内にてピペットで吸われることになっている物質の中にその端が突き出すピペット操作ツールを用いて、その後、吸引装置(300)によって容器から物質を取り出す。1回の操作で、容器の内容物の一部又はすべてを取り出すことができる。たとえば、ピペット操作ツールを用いて内容物の一部を取り出すことができ、ピペット操作ツールを容器から完全に引き出し(たとえば、引っ込める)、たとえば、停止位置に動かすことができる。その後になって、同一の又は異なったピペット操作ツールを用いて、さらに多くの容器の内容物を取り出すことができる。
【0050】
従来技術における既知のシステムを超える本発明の利点は、蓋を開ける工程とピペット操作可能な物質の取り出しが別々に実施されることである。これによって、従来技術から知られたシステムで蓋に穴を開けるのに使用されるピペット操作ツールの鋭い端が遮断される又は損傷されるのが防がれる。同時に、蓋を開けるのに必要とされる力を伝えなくてもよいので、ピペット操作ツールの機械的安定性から来る要求が軽減される。さらに、開口ツールとピペット操作ツールを分離することによって、ピペット操作ツールが引き出された後でさえ、開口部は依然としてそこにあるので、開口部を介して容器に残っているピペット操作可能な物質のレベルを検出することも可能である。本発明のそのほかの態様は、さらに容易な、信頼できる開口を可能にする開口ツールと蓋のさらなる特徴に関する。
【0051】
1以上の取り出し工程の後、容器からピペット操作ツールが完全に取り出され、この段階で取り出すべきさらなる物質がないならば、充填済みの物質の汚染や蒸発を防ぐためにカバーによって、その上に設置された開口ツール(100)と共に容器(20)を任意に再密封することができる。カバーは開口ツールの上に配置される。カバーの性質は特に限定されず、従来技術から知られた多数の可能性のある態様、たとえば、ホイルや、柔軟性のある又は硬い材料、たとえば、プラスチック、金属などで出来たカバーがある。カバーは、1回使用及び繰り返し使用の双方が意図されてもよい。
【0052】
図2aは、本発明の一態様に係る容器(20)を示す。容器は、互いに分離するように 構築され、同一の又は異なった形状の、少なくとも1つの開口部を有する複数のチャンバー又は挿入物(inserts)(70)を含んでもよい。図面では、例として、チャンバー(70)を点線によって模式的に表す。本発明の典型的な適用では、容器(20)は幾つか(この場合7個)のチャンバー又は挿入物(70)を含み、それらは、特定の処理操作、特に生物学的な標的分子を含有する材料を処理し、分離し、及び/又は分析するのに必要とされるすべての物質が実質的に充填される。これらには、たとえば、溶解溶液、洗浄溶液、溶出溶液、緩衝液、結合溶液、たとえば、磁気ビーズ、酵素、プローブ、マーカーの懸濁液のようなピペット操作可能な形態での分離材料、PCR、アレイ及び/又はアッセイなどのような下流の適用のための出発材料が含まれる。
【0053】
記載された態様では、チャンバー又は挿入物(70)には通常、以後さらに詳細に記載される蓋(30)が設けられる。本発明に係る工程又はシステムを用いてその内容物が取り出されるチャンバーに加えて、容器は、通常計画された工程を実行するための材料も含有するが、その際、本発明に係る工程又はシステムによって内容物が取り出されない、さらなるチャンバー及び/又は挿入物(65、75)を含んでもよい。従って、例として、上記の材料の一部は、チャンバー又は挿入物(70)に位置してもよいが、ほかの必要とされる物質は、容器の残りのチャンバー及び/又は挿入物に導入されることが有利である。1以上の溶解溶液、洗浄溶液、溶出溶液、結合溶液及び/又は緩衝液がチャンバー(70)に含有されるのであれば、それは特に有利である。
【0054】
容器に導入し、再び取り出すことができる挿入物の使用は、たとえば、冷蔵庫に入れなければならない酵素のような特別な処理を必要とする材料、又は使用直前に再び均質にしなければならない懸濁液が、ほかの材料及び全体としての容器とは無関係に特別な処理を受けることができるという利点を有する。
【0055】
図2bで示される態様におけるチャンバーにはそれぞれ、開口ツール(100)が適用される蓋(30)が設けられる。図面では、チャンバー(70)は例として点線によって模式的に示される。開口ツールによって作られた貫通開口部(190)によってピペット操作ツールをチャンバー又は挿入物(70)に導入することができる。図2bはまた、例として蓋の1つにのみ適用されるカバー(350)も示す。カバーは繰り返し有利に使用されてもよく、通常弾力性のあるプラスチック材から作られる。
【0056】
図3aは一態様に係る容器(70)のための蓋(30)の斜視図を示す。図3bはこの蓋(30)を通る断面図を示す。開口部領域(40)の上の通常円錐状の形状のガイド(35)は、蓋に適用された際、開口ツールが中心に置かれるように、開口ツール(100)の管(110)に対するガイド機能を有する。蓋(30)における1以上の開口部領域(40)が、容器(20)の1以上の下にあるチャンバー(70)をそれらに結びつけている。示された態様では、1つのチャンバーにつき4つの開口部領域が提供される。設計によって、同一の物質を1つのチャンバーから取ることができ、及び/又は蓋の幾つかの開口部を介して同時に複数のピペット操作ツールを用いて、異なった若しくは同一の物質を複数のチャンバーから取ることができる。複数のピペット操作ツールの場合、吸引装置(300)の相当する適合が必要とされることもあり、又は多数の吸引装置を使用してもよい。
【0057】
好ましい態様では、蓋(30)には、開口部領域(40)の少なくとも部分的な穴開け又は切断の間に適用される力に対抗する少なくとも1つの補強(33)が設けられる。補強は通常、開口部領域(40)の領域よりも厚い材料厚さを有する。それは、追加的に又は代わりに開口部領域とは異なった材料で作られてもよい。開口部領域(40)は、環状の構成の補強された包囲部(34)によって少なくとも部分的に取り囲まれる。蓋はさらに、包囲部(34)に接触する複数の補強隆起部(35)を含む。補強隆起部(35)は、開口部領域(40)の中心に対して星形状に配置される。補強(33)は、2つの開口部領域の間で横に延びる少なくとも1つの中間隆起部(36)を含み、補強隆起部(35)の少なくとも一部は、1つの中間隆起部若しくは複数の中間隆起部(36)又は蓋の縁(37)と接触する。
【0058】
1以上の開口部領域の周りに配置された補強(33)は、開口部領域(40)に向かって先細る、通常実質的に円錐状のガイドを提供し、それによって、開口ツール(100)が、適用されるか又は位置に置かれる際に中心に置かれる。
【0059】
開口部領域(40)の少なくとも一部は、少なくとも1列に実質的に配置される。開口部領域(40)の中心は通常では、5〜12mm、さらに通常では8〜10mm、最も通常では9mmの整数倍、離れて間隔を空ける。
【0060】
図4aは、m×nのマトリクスに配置され、要素(180)によって接続される複数の管(110)を含む開口ツール(100)の好ましい態様を示す。開口ツールの管(110)は通常、それらの長手軸に対して異なった角度の位置にある。言い換えると、管(110)の傾いた末端部(140)の主面に対する垂線によって規定される空間方向が、個別の管ごとに異なる。主面とは、当業者の理解では、末端部の方向を表すのに最も好適である面を意味する。
【0061】
通常、個々の管の間の垂線の角度位置は90°の倍数で異なり、4つの可能性のある異なった角度位置を与える。これによって、通常円錐状の形状のガイド(35)によって蓋(30)に適用又は設置される際、開口ツールをガイドし、中心に置くことが確保される。
【0062】
図4bは、直線(stretch)A−Aに沿った図4aの開口ツールを通る断面を示し、ここで、異なった角度位置の結果である、管の異なった断面の輪郭が示される。
【0063】
本発明の一態様では、開口ツール(100)の管(110)は、円形以外である断面形状、たとえば(非限定例として)、楕円形又は多角形又は所望の変異形の断面形状を有してもよい。さらに、管(110)は、実質的に管状のみであるが、管形状から逸脱する構造を有してもよい。これらには、たとえば、壁構造における失われた断片又は異なって成形された開口部が含まれ得る。
【0064】
図5aは、好ましい態様に係る、その関連する蓋(30)及びその上に設置された開口ツール(100)を伴った容器(20)を示す。管(110)の先端は蓋(30)の開口部領域(40)に位置する。配置された開口ツールが蓋の開口部領域を偶然損傷するか、又はそこに穴を開けるのを防ぐように、技術的な対策が取られてもよい。円錐状のガイド(35)が管(110)を、故に開口ツール(100)を蓋に関して中心に置く。図5bは、開口ツール(100)が蓋(30)を介してプレスされた後の位置を示す。切縁(140)によって切り出された開口部領域(40)は図5bには示されていない。
【0065】
すでに示したように、開口部領域の方向で開口ツールが動かされ、またはプレスされるので、開口部領域(40)内に位置する蓋(30)の一部は容器方向に動かされ、このように開口部が蓋に作られる。切縁として機能する管(110)の傾いた末端部(140)が開口部領域で力を発揮する。本発明の一態様では、開口工程を円滑にするために、開口部領域(40)全体が蓋(30)の残りの部分よりも実質的に薄い材料厚さを有する。別の態様では、たとえば、当該分野で既知である2C(2成分)射出成形工程を用いて実施することができる工程である切断開口を助けるために、開口部領域は、異なった、通常蓋の残りの部分よりも軟らかい材料で作られる。開口部領域はまた、ホイル又はフィルムの形態であってもよい。
【0066】
特に、本発明の好ましい態様は、図2a、図2b及び図5aと図5bで示されるように、以後、容器と呼ばれるチャンバー又は挿入物(70)に関する。容器は、生物学的な物質を処理するためのピペット操作可能な物質を保持するのに役立ち、外壁(72)と、外壁(72)によって規定される、ピペット操作可能な物質を受け取るための隣接する物質の空間(74)と、通常、蓋(30)の形態であり、又は上述のような特徴を有する、複数の開口部領域(40)を伴った壁、を含む。たとえば、ピペットの先端によって物質の空間(74)にアクセスするように、これらは設計される。この目的で、開口部領域は、開口ツール(100)によってそれらに穴を開けることができるか、又はそれらを切断することができるように設計される。開口部領域(40)は、互いに独立して、実質的に円形、楕円形又は多角形の中から選択される形態であってもよい。蓋の好ましい態様は図3aに示される。
【0067】
容器は、ピペット操作可能な物質に対して透過性である1以上の中間壁要素(76)を物質空間(74)に含み、これらの中間壁要素(76)は通常、開口部領域(40)に対して実質的に垂直に配置される。
【0068】
同定の実現性を改善するために、容器には、物質のための同定マーキングによる標識領域(79)が設けられてもよい。同定マーキングは通常、バーコードであり、さらに通常では、二次元バーコード又はRFIDである。標識領域(79)は、開口部領域に対して傾いた角度、通常、3°〜20°の間の角度にある。
【0069】
図6は、本発明の好ましい態様に係る容器(20)の蓋(30)の詳細を示す。開口部領域(40)は境界領域(50)によって境界がつけられる。境界領域は、一種の壊れ易い点又は弱化された点として作用し、それに沿って切縁によって開口部領域と蓋の接続が壊されることになっている。この目的で、切縁を用いて容易な分離が保証されるように境界領域は設計される。これは、様々な方法で達成され得る。
【0070】
好ましい改良型では、境界領域は、異なった、通常、蓋(30)の残りの部分より薄い材料厚さを有するように構築される。別の態様では、境界領域(50)自体が異なった材料厚さの領域を有する。非限定例として、円形の境界領域(50)では、円形の半分が、取り囲む蓋の厚さの4分の1に相当する材料厚さを有する一方で、他の半分が取り囲む蓋の厚さの70%の材料厚さを有する。
【0071】
別の態様では、境界領域は、蓋の残りとは異なる材料で作られ、それは、たとえば、当該分野で既知である2C射出成形を用いて達成されてもよい。境界領域はまた、たとえば、ホイル又はフィルムの形態であってもよい。
【0072】
より薄い材料厚さの領域によって開口部領域に境界をつけることによって、本発明に係る手段を用いて開口することがさらに容易になる。変化する厚さの境界領域(50)を伴った上記態様では、追加の効果が達成される。より薄い厚さの領域によって管(110)の末端部(140)による最初の貫通または切断を容易にすることができる。管が容器にますます貫入するにつれて、傾いた末端部(140)によって境界領域(50)がますます切断される。望ましくは、開口部領域は蓋の残りから全体的に切断されるべきではない、そうでなければ切断された部分が容器の中に落ちる可能性があるからである。蓋の切断された部分がピペット操作ツールの開口部の前にあったら、ピペット操作の間、これが問題をもたらす可能性がある。境界領域のむしろ厚い領域は、境界領域が完全に切断されるのを妨げるのに役立つ。その結果、開口部領域の切り取られた部分はこの点で蓋の残りに連結したままであり、容器(20)の中に落ちない。
【0073】
最小限の力で蓋を開け、開口部領域の全体の切断を防ぐという目的は、既に上述したように本発明の以下の態様によっても達成される。多数の開口部領域が同時に開けられるべきであり、蓋がたとえば、溶接によって容器に堅固に取り付けられるならば、必要とされる力は特に大きい。さらに、ポリエチレンのような従来の閉鎖材料を用いて蓋を形成する場合、かなりの力が必要とされる。
【0074】
図7aは、本発明の一態様に係る開口ツールの管(110)を示す。管(110)は、背面端(125)と遠位端(120)を有する。斜めの末端部(140)(切縁)も背面端(160)と遠位端(170)を有する。この態様では、傾斜(140)の角度は一定である。
【0075】
図7bは、側面図における本発明の態様を示し、ここで、管(110)の末端部(140)の傾斜は、末端部の背面端(160)から遠位端(170)までの領域で、管の長手軸に対して少なくとも2つの異なる角度αを有する。通常、小さい方の角度が遠位端(170)の領域にあり、大きい方の角度が背面端(160)の領域にあるように末端部が構築される。これによって、一定の傾斜角度を有する末端部に比べて、軽減された力を適用して切断又は貫通を行うことができる。寸法が好適に選択されるならば、背面端(160)におけるより大きな角度の結果、この領域における管の傾斜している末端部(140)の切断作用が軽減され、その結果、境界領域(50)の一部が切り開かれない。従って、管の末端部(140)はこの点で切縁としてではなく、圧縁(pressing edge)として作用し、すでに切り取られた開口部領域の一部は、容器の内部に向かってプレスされる。
【0076】
図7cは、側面図における本発明の好ましい態様を示し、ここで、環状の構成は上記で概説された目的に特に有利である。製造のために又はほかの理由で、上述の構成よりも遠位端(170)のすぐ近傍の短い区分にわたって幾分大きいことが傾斜角度に好都合でありこともある。このことは本発明の範囲内であるとみなされ、図7c(参照番号170の下の傾斜角度の拡大)で説明される。
【0077】
図7dは、管(110)を通る断面図として本発明の別の好ましい態様を示す。遠位端(170)にて、開口部領域又は境界領域の切開又は分離の開始を助ける点(135)が形成される。その点(135)は、相当する点を有さない末端部に比べて軽減された力の適用で境界領域を切開又は貫通することを可能にする。有利には、点(135)を、図7dに示されるように先に態様(図7b、図7cから)の1つと組み合わせる。しかしながら、本発明に従って、たとえば、一定の傾斜角度αを持つ末端部を有する点に当該態様を組み合わせることも可能である。
【0078】
蓋の残りの部分から開口部領域を完全に切り取る、本発明に係る態様を有することも可能である。蓋は容器の中に落ちてもよく、又はほかの手段によって容器から取り出されてもよい。
【0079】
好ましい態様では、管(110)の背面端(125)は、開口ツール(100)が適用された位置にある場合、管の端が容器(20)の蓋(30)にて摩擦によるかみ合いによってとどまることを確実にする。管の台座は、最も通常では、ピペット操作可能な物質に対して流体不透性であり、気密性であり及び/又は密封される。この目的で、管の上端は、通常約0.5〜5°、さらに通常約0.7〜4°最も通常約1〜3°の角度を伴ったやや円錐形状である。この円錐は多数の目的に役立つ。それは、切断輪郭を幾分広げることによって切縁によって生じ、開口部領域への切開の間に生じる切断輪郭における凸凹を平らにする。このように、管(110)又は開口ツール(100)は、容器(20)の蓋(30)と共に同時に封止を形成し、それはアルコールのような揮発性試薬の場合、蒸発を少なくとも部分的に防止又は軽減する。最終的に、摩擦によるかみ合いが、蓋又は容器における管の安定した機械的な嵌め込み(fit)をもたらし、その結果、上記で簡単に記載されたかみ合いなどのための位置合わせ要素又は類似の要素が必要なくなる。
【0080】
上述の摩擦によって固定する嵌め込みに比べて一層さらに大きな安定性が必要とされるならば、開口ツール(100)に容器(20)上で正確に位置合わせするための少なくとも1つの位置合わせ要素が備えられてもよい。通常、要素は、ピン、穴、細長い隙間、溝及び隆起部を含む群から選択される。プレス動作の間、位置合わせ要素は、相手方として容器又は蓋(30)に設けられた相手側位置合わせ要素とかみ合う。ほかの要素の組み合わせも本発明の範囲内で考慮に入れられてもよいが、対応する可能性のある対は、ピンと穴、ピンと細長い隙間、溝と隆起部又はピンと溝からなる。
【0081】
本発明はまた、開示された方法を実施するための装置に関し、記載された方法工程を実施するための装置成分を含む。これらの方法工程は、ハードウエア成分、好適なソフトウエアでプログラムされたコンピュータ、又はそれら2つの組み合わせを用いて、又はそのほかの手段によって実施されてもよい。さらに、本発明はまた、それによって記載された装置が操作される方法にも関する。それは、装置の各機能を実施するための方法工程を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的物質を処理するためにピペット操作可能な物質を受け取るための容器であって、
−外壁(72)、
−外壁(72)によって境界がつけられる、ピペット操作可能な物質を受け取るための隣接する物質の空間(74)、
−物質の空間(74)にアクセスするために穴を開けられ得る複数の開口部領域(40)を有する壁、好ましくは、蓋(30)、
を含む、前記容器。
【請求項2】
1以上の開口部領域(40)の穴開けの際の力に対抗するように作られた補強(33)を更に含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
補強(33)は、開口部領域(40)とは異なる材料厚さ、及び/又は、より厚い材料厚さを有する、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項4】
補強(33)は、
−各開口部領域(40)を少なくとも部分的に取り囲む補強された包囲部(34);および、
−包囲部(34) に接触している複数の補強隆起部(35)、
を含む、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項5】
補強隆起部(35)は、開口部領域の中心の周りに実質的に星形状に配置される、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項6】
補強(33)は、2つの開口部領域の間で横に延びる少なくとも1つの中間隆起部(36)を含み、かつ補強隆起部(35)の少なくとも一部は、1つの中間隆起部若しくは複数の中間隆起部(36)又は壁の縁、通常、蓋の縁(37)に接触する、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項7】
開口部領域の周りに設けられた補強(33)は、通常、開口部領域に向かって次第に細くなる実質的に円錐状のガイドを提供する、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項8】
開口部領域(40)は、少なくとも部分的に開口部領域(40)よりも小さい材料厚さを有する境界領域(50)によって境界がつけられる、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項9】
開口部領域(40)は、互いに独立して、実質的に円形、楕円形及び多角形を含む群から選択される形態を有する、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項10】
開口部領域(40)の少なくとも一部は、少なくとも1列に実質的に配置され、かつ、開口部領域(40)の中心は通常、9mmの整数倍で互いに間隔を空けている、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項11】
物質のための同定マーキングによる標識領域(79)を更に含む、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項12】
同定マーキングはバーコードであり、通常、二次元バーコード、又はRFIDである、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項13】
標識領域(79)は、開口部領域に対して傾いた角度、通常、3°〜20°の間の角度で配置される、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項14】
ピペット操作可能な物質に対して透過性である1以上の中間壁要素(76)を物質の空間(74)に含み、1以上の中間壁要素は、通常、開口部領域(40)に対して実質的に垂直に配置されるか、及び/又は、蓋(20)まで延びている、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。
【請求項15】
生物学的な標的分子を含有する物質を処理し、精製し、及び/もしくは分析するために、並びに/又は生物学的な標的分子を処理し、及び/もしくは分析するためにピペット操作可能な物質によって充填されている、先行する請求項のうちの1項に記載の容器。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【公表番号】特表2010−536332(P2010−536332A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520600(P2010−520600)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060811
【国際公開番号】WO2009/024560
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(599072611)キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (83)
【Fターム(参考)】