説明

ピペリジン化合物およびその製法

【課題】 優れたタキキニン受容体拮抗活性を有するピペリジン化合物を提供する。
【解決手段】 一般式〔I〕
【化1】


(式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
は水素原子またはアミノ基の置換基を表す。
は水素原子、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有しているカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
Zは酸素原子または−N(R)−で示される基を表す。
は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
4a及びR4bは、同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、または末端で互いに結合してアルキレン基を形成している基を表す。)
で示されるピペリジン化合物またはその薬理的に許容しうる塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたタキキニン受容体拮抗活性を有するピペリジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
タキキニンとは、一群の神経ペプチドの総称であり、哺乳類ではサブスタンスP(以下、SP)、ニューロキニンA、ニューロキニンBが知られており、これらのペプチドは生体内に存在するそれぞれの受容体(ニューロキニン1、ニューロキニン2、ニューロキニン3)に結合することによって、様々な生物活性を発揮することが知られている。その中で、SPは神経ペプチドの中でももっとも歴史が長く詳細に研究されているものの1つであり、1931年にウマ腸管抽出物中に存在が確認され、1971年に構造決定されたアミノ酸11個からなるペプチドである。
【0003】
SPは中枢および末梢の神経系に広く分布しており、一次知覚ニューロンの伝達物質としての機能の他、血管拡張作用、血管透過性亢進作用、平滑筋収縮作用、神経細胞興奮作用、唾液分泌作用、利尿亢進作用、免疫作用などの生理活性を有する。特に、痛みインパルスにより脊髄後角の終末から遊離されたSPが2次ニューロンに痛み情報を伝えること、末梢終末より遊離されたSPがその受容体に炎症反応を惹起することが知られている。このようなことから、SPは種々の病態(例えば、痛み、炎症、アレルギー、頻尿、尿失禁、気道疾患、精神病、うつ病、不安、嘔吐など)に関与していると考えられており、またSPはアルツハイマー型痴呆にも関与していると考えられている〔総説:フィジオロジカル・レビューズ(Physiological Reviews)、73巻、229−308頁(1993年)(非特許文献1)、ジャーナル・オブ・オートノミック・ファーマコロジー(Journal of Autonomic Pharmacology)、13巻、23−93頁(1993年)(非特許文献2)〕。
【0004】
【非特許文献1】フィジオロジカル・レビューズ(Physiological Reviews)、73巻、229−308頁(1993年)。
【0005】
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・オートノミック・ファーマコロジー(Journal of Autonomic Pharmacology)、13巻、23−93頁(1993年)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、前記種々病態(特に嘔吐、うつ病または排尿異常など)の治療薬として、優れたタキキニン受容体拮抗作用(特にSP受容体拮抗作用)を有し、かつ安全性、持続性(代謝、体内動態、吸収性)などの点から十分に満足できる化合物は未だ見出されていない。そこで、優れたタキキニン受容体拮抗作用を有し、該病態の治療薬として臨床上の効果が十分に満足できる化合物の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般式〔I〕
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
は水素原子またはアミノ基の置換基を表す。
は水素原子、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有しているカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
Zは酸素原子または−N(R)−で示される基を表す。
は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
4a及びR4bは、同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、または末端で互いに結合してアルキレン基を形成している基を表す。)
で示されるピペリジン化合物またはその薬理的に許容しうる塩に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、優れたタキキニン受容体拮抗作用を有し、かつ安全性、特に持続性(代謝、体内動態、吸収性)などの点から臨床上十分に満足できる化合物を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、ベンゼン環の置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基またはアルコキシ基が挙げられる。環Aはこれら置換基を同一または異なって1〜3個有していてもよい。
【0012】
本発明において、環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、ベンゼン環の置換基としては、ハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基、アルキル基、保護されていてもよい水酸基またはアルコキシ基が挙げられる。環Bはこれら置換基を同一または異なって1〜3個有していてもよい。
【0013】
本発明の化合物における環Aおよび環Bの好ましい例としては、例えば、環Aが、式:
【0014】
【化2】

【0015】
で示されるベンゼン環であり、環Bが、式:
【0016】
【化3】

【0017】
で示されるベンゼン環であり、A、AおよびAは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、保護されていてもよい水酸基またはアルコキシ基であり、B、BおよびBは、同一または異なって、水素原子、ハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基、アルキル基、保護されていてもよい水酸基またはアルコキシ基である化合物が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子などが挙げられる。ハロアルキル基としては、ハロゲン原子が同一または異なって、1〜3個置換されたアルキル基が挙げられ、例えば、トリハロゲノアルキル基が挙げられる。トリハロゲノアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基またはトリクロロメチル等が挙げられる。ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基としては、例えば、テトラゾリル基が挙げられる。
【0018】
本発明において、保護されていてもよい水酸基の保護基としては、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいシリル基、アシル基等の慣用の保護基が挙げられる。このうち好ましいものとしては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のアリールアルキル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等の置換基を有しているシリル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、マロニル基、アクリロイル基、ベンゾイル基等のアシル基が挙げられる。
【0019】
本発明において、Rは水素原子またはアミノ基の置換基を表し、Rにおけるアミノ基の置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有しているカルボニル基、置換基を有しているスルフィニル基、置換基を有しているスルホニル基または置換基を有していてもよい複素環式基が挙げられる。
【0020】
このうち、Rとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有しているカルボニル基、置換基を有しているスルホニル基または置換基を有していてもよい複素環式基が好ましく、さらにRとしては、置換基を有しているカルボニル基、置換基を有しているスルホニル基または置換基を有していてもよい複素環式基が好ましい。
【0021】
本発明において、Rの置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、アルコキシカルボニル基、モルホリノカルボニル基、アルキル基部分が水酸基で置換されていてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい複素環式基、水酸基、ヒドロキシアルキルアミノカルボニルオキシ基、アルキルピペラジノカルボニル基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、ピロリジニルスルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基またはアルカノイルアミノ基が挙げられる。当該アルキル基の置換基は、アルキル基に1〜3個置換していてもよい。当該アルキル基の置換基である複素環式基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、アルキル基またはオキソ基が挙げられる。当該複素環式基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基等が挙げられる。
【0022】
本発明において、Rの置換基を有していてもよいシクロアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキレンジオキシ基またはオキソ基等が挙げられる。
【0023】
本発明において、Rの置換基を有していてもよいアリール基の置換基としては、水酸基、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。当該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはフェナトレニル基等が挙げられる。
【0024】
本発明において、Rの置換基を有していてもよいアミノ基の置換基としては、
(1)置換基を有していてもよいアルキル基、
(2)置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
(3)置換基を有していてもよいアリール基もしくは、
(4)ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基であって、当該複素環式基は置換基を有していてもよい基
が挙げられる。
【0025】
上記(1)置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、ジアルキルアミノカルボニル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、モルホリノ基、ピリジル基またはハロゲン原子が挙げられる。
【0026】
上記(2)置換基を有しているシクロアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0027】
上記(3)置換基を有していてもよいアリール基の置換基としては、水酸基、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。当該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはフェナトレニル基等が挙げられる。
【0028】
上記(4)ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。これら複素環式基の中でも、ピリジル基、ピロリル基、ピペラジニル基、キノリル基、ピペリジニル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、ピラジニル基、モルホリノ基、インドリル基、シンノリニル基、フリル基、チエニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基などが好適に用いられる。当該複素環式基の置換基としては、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキル基、アルコキシ基、オキソ基、水酸基またはハロゲン原子等が挙げられる。
【0029】
本発明において、Rの置換基を有していてもよい水酸基の置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。当該置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、置換基を有していてもよい水酸基、ジアルキルアミノ基またはヘテロ原子として硫黄原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する単環複素環式基(当該単環複素環式基は置換基を有していてもよい。)が挙げられる。当該置換基を有していてもよい水酸基の置換基としては、アルキル基、アルキルスルホニル基またはテトラヒドロピラニル基が挙げられる。当該単環複素環式基としては、ピリジル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、イソキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基またはイミダゾリジニル基が挙げられる。当該単環複素環式基の置換基としては、アルキル基およびフェニル基が挙げられる。
【0030】
本発明において、Rの置換基を有しているカルボニル基の置換基としては、
(1)置換基を有していてもよいアルキル基、
(2)置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
(3)置換基を有していてもよいアリール基、
(4)置換基を有していてもよい複素環式基、
(5)置換基を有していてもよいアミノ基、
(6)置換基を有していてもよいアルコキシ基または
(7)置換基を有していてもよい水酸基
が挙げられる。
【0031】
上記(1)置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、
(I)水酸基、
(II)置換基を有しているカルボニルアミノ基、
(III)置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、
(IV)アルカノイル基、
(V)アルキルスルホニル基、
(VI)置換基を有していてもよい複素環式基または
(VII)アミノ基
が挙げられる。
【0032】
上記(II)の置換基を有しているカルボニルアミノ基の置換基としては、(i)水酸基、(ii)置換基を有していてもよいアルキル基または(iii)置換基を有していてもよい複素環式基等が挙げられる。上記(ii)の置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基またはヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基であって、当該複素環式基は置換基を有していてもよい基が挙げられる。当該複素環式基の置換基としては、オキソ基、水酸基、アルカノイル基またはアルキル基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。上記(iii)の置換基を有していてもよい複素環式基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、オキソ基または水酸基等が挙げられる。当該複素環式基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。
【0033】
上記(III)の置換基を有していてもよいアミノカルボニル基の置換基としては、(i)置換基を有していてもよいアルキル基または(ii)置換基を有していてもよい複素環式基等が挙げられる。上記(i)の置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基またはヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基であって、当該複素環式基は置換基を有していてもよい基が挙げられる。当該複素環式基の置換基としては、オキソ基、水酸基、アルカノイル基またはアルキル基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。上記(ii)の置換基を有していてもよい複素環式基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、オキソ基または水酸基等が挙げられる。当該複素環式基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。
【0034】
上記(VI)の置換基を有していてもよい複素環式基の置換基としては、オキソ基またはアルキル基などが挙げられる。当該複素環式基の置換基は、複素環式基に1〜2個置換していてもよい。当該複素環式基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。
【0035】
上記(2)置換基を有してもよいシクロアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキル基、オキソ基、アルコキシカルボニル基、オキソピロリジニル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。当該シクロアルキル基の置換基は、シクロアルキル基に1〜2個置換されていてもよい。
【0036】
上記(3)置換基を有していてもよいアリール基の置換基としては、水酸基、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。当該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはフェナトレニル基等が挙げられる。
【0037】
上記(4)置換基を有していてもよい複素環式基の置換基としては、
(I)オキソ基、
(II)置換基を有していてもよいアルカノイル基
(III)置換基を有していてもよいアルキル基、
(IV)水酸基、
(V)アルコキシカルボニル基、
(VI)アルキルスルホニル基、
(VII)ピリミジニル基、
(VIII)シアノ基または
(IX)ジアルキルアミノカルボニル基
が挙げられる。当該複素環式基の置換基は、複素環式基に1〜3個置換していてもよい。当該複素環式基としては、ヘテロ原子として硫黄原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する単環複素環式基が挙げられる。当該単環複素環式基としては、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピリジル基、テトラゾリジル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基またはアゼチジニル基等が挙げられる。
【0038】
上記(II)の置換基を有していてもよいアルカノイル基の置換基としては、水酸基等が挙げられる。
【0039】
上記(III)の置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基またはヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基であって、当該複素環式基は置換基を有していてもよい基が挙げられる。当該アルキル基の置換基は、アルキル基に1〜3個置換していてもよい。当該複素環式基の置換基としては、オキソ基、水酸基、アルカノイル基またはアルキル基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。
【0040】
上記(5)置換基を有していてもよいアミノ基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルキル基、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基であって、当該複素環式基は置換基を有していてもよい基などが挙げられる。当該複素環式基の置換基としては、オキソ基、水酸基、アルカノイル基またはアルキル基等が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。当該アミノ基の置換基は、アミノ基に1〜2個置換していてもよい。
【0041】
上記(6)置換基を有していてもよいアルコキシ基の置換基としては、水酸基が挙げられる。
【0042】
上記(7)の置換基を有していてもよい水酸基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基であって、当該複素環式基は置換基を有していてもよい基などが挙げられる。当該複素環式基の置換基としては、オキソ基、水酸基、アルカノイル基またはアルキル基等が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、テトラヒドロピラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。
【0043】
本発明において、Rの置換基を有しているスルフィニル基の置換基としては、水酸基または置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基が挙げられる。
【0044】
本発明において、Rの置換基を有しているスルホニル基の置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基またはアルカノイルオキシ基が挙げられる。
【0045】
本発明において、Rが置換基を有していてもよい複素環式基の置換基としては、置換基を有していてもよいアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有しているシクロアルキル基、アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキル基、ジアルキルアミノカルボニル基、水酸基、オキソ基または置換基を有しているピリジル基などが挙げられる。当該置換基を有していてもよいアルカノイル基の置換基としては、水酸基が挙げられる。当該置換基を有しているシクロアルキル基の置換基としては、水酸基が挙げられる。当該置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。当該置換基を有しているピリジル基の置換基としては、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキル基部分が水酸基で置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基、アミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基またはモルホリノカルボニル基が挙げられる。当該Rの複素環式基の置換基は、複素環式基に1〜3個置換していてもよい。当該複素環式基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子を1乃至4個含有する複素環式基が挙げられる。当該複素環式基としては、飽和もしくは不飽和単環または二環複素芳香環式基が挙げられ、例えば、チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、オキサゾリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ジオキサニル基、アゼチジニル基、チエタニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、プテリジニル基、ピリドピリミジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、テトラヒドロキノキサリニル基、ジヒドロフタラジニル基などが挙げられる。これら複素環式基の中でも、ピペリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピロリジニル基、オキサゾリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ジオキサニル基、アゼチジニル基またはチエタニル基などが好適に用いられる。
【0046】
本発明において、Rとしては、水素原子、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有しているカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
【0047】
本発明において、Rの置換基を有していてもよい水酸基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルキル基が挙げられる。
【0048】
本発明において、Rの置換基を有していてもよいアミノ基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルキル基が挙げられる。
【0049】
本発明において、Rの置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルコキシ基または水酸基が挙げられる。
【0050】
本発明において、Rの置換基を有しているカルボニル基の置換基としては、水酸基、水酸基で置換されていてもよいアルコキシ基または水酸基で置換されていてもよいアルキルアミノ基が挙げられる。
【0051】
本発明において、Zとしては、酸素原子または−N(R)−で示される基が挙げられる。
【0052】
本発明において、Rとしては、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。Rの置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基、アルカノイル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアルキルアミノ基が挙げられる。
【0053】
本発明において、R4a及びR4bとしては、同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、または末端で互いに結合してアルキレン基を形成している基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水酸基などが挙げられる。
【0054】
本発明の化合物としては、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であるものが好ましい。当該アルキル基の置換基としては、アルキル基部分が水酸基で置換していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、モルホリノカルボニル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、アルキルイミダゾリル基、アルキルピラゾリニル基、シアノ基、カルボキシル基、ピロリジニルスルホニル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、オキサジアゾリル基、ジアルキルイソオキサゾリル基、アルキル基で置換されていてもよいオキソピリジル基またはアルカノイルアミノ基が好ましい。
【0055】
本発明の化合物としては、Rが置換基を有しているシクロアルキル基であるものが好ましい。当該シクロアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキレンジオキシ基またはオキソ基が好ましい。
【0056】
本発明の化合物としては、Rが置換基を有しているカルボニル基であるものが好ましい。当該カルボニル基の置換基としては、ヒドロキシアルキル基;アルカノイルアルキル基;ヒドロキシシクロアルキル基;アルキルスルホニルアルキル基;オキソピロリジニルアルキル基;アルキル基で置換されているオキソピリジニルアルキル基;モルホリノアルキル基;チオモルホリノアルキル基;アミノアルキル基;テトラヒドロピラニルオキシ基;アルカノイルピペリジニル基;アルコキシカルボニルピペリジニル基;アルキルスルホニルピペリジニル基;ピリミジニルピペリジニル基;アルキルオキシピペリジニル基;ヒドロキシピペリジニル基;オキソピペラジノ基;アルキルピペラジノ基:アルカノイルピペラジノ基;アルコキシカルボニルピペラジノ基;ヒドロキシアルキルピペラジノ基;モルホリノ基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換されていてもよいチオモルホリノ基;ヒドロキシアルキルピロリジニル基;アルキルオキソピロリジニル基;ジオキソピロリジニル基;テトラヒドロチオピラニル基;硫黄原子がオキソ基で2個置換されていてもよいテトラヒドロチオピラニル基;ヒドロキシアルキルアミノ基;水酸基でアルキル部分が置換されていてもよいジアルキルアミノ基;オキソピリジル基;シアノピリジル基;アルカノイルアゼチジニル基;アルコキシカルボニルアゼチジニル基;ジアルキルアミノカルボニルアゼチジニル基;アルキルスルホニルアゼチジニル基;または水酸基で置換されていてもよいアルコキシ基が好ましい。
【0057】
本発明の化合物としては、Rが置換基を有しているスルフィニル基であるものが好ましい。当該スルフィニル基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルキル基または水酸基が好ましく、さらに、水酸基で置換されていてもよいアルキル基が好ましい。
【0058】
本発明の化合物としては、Rが置換基を有しているスルホニル基であるものが好ましい。当該スルホニル基の置換基としては、アルキル基が好ましい。
【0059】
本発明の化合物としては、Rが置換基を有していてもよい複素環式基が好ましい。当該複素環式基としては、ピペリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピロリジニル基、オキサゾリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ジオキサニル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ピリジル基、アゼチジニル基またはチエタニル基が好ましい。また、当該複素環式基の置換基としては、水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基、アミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、モルホリノカルボニル基、水酸基で置換されているシクロアルキル基、アルキル基、トリハロゲノアルキル基、水酸基またはオキソ基などが好ましい。当該複素環式基の置換基は、複素環式基に1〜3個置換していてもよい。
【0060】
本発明の化合物〔I〕としては、環Aが、式:
【0061】
【化4】

【0062】
で示されるベンゼン環であり、環Bが、式:
【0063】
【化5】

【0064】
で示されるベンゼン環であり、Aが水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基であり、Aが水素原子またはハロゲン原子であり、Aが水素原子であり、Bが水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基またはトリハロゲノアルキル基であり、Bが水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基またはトリハロゲノアルキル基であり、Bが水素原子であり、Rが水素原子;アルキル基部分が水酸基で置換していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、モルホリノカルボニル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、モルホリノアミノカルボニル基、ヒドロキシアルキルアミノカルボニルオキシ基、アルキルピペラジノカルボニル基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、アルキルイミダゾリル基、アルキルピラゾリニル基、シアノ基、カルボキシル基、ピロリジニルスルホニル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、オキサジアゾリル基、ジアルキルイソオキサゾリル基、アルキル基で置換されていてもよいオキソピリジル基、アルカノイルアミノ基もしくはヒドロキシアルキルアミノカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基;トリハロゲノアルキル基;水酸基、アルキレンジオキシ基もしくはオキソ基で置換されていてもよいシクロアルキル基;カルボキシル基;水酸基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、オキソピロリジニル基、アルキル基及びオキソ基で置換されているピロリジニル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基もしくはアミノ基で置換されていてもよいアルカノイル基;水酸基で置換されていてもよいアルコキシカルボニル基;テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基;ピリミジニルアミノカルボニル基;水酸基もしくはシアノ基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が1〜2個置換されていてもよいジアルキルアミノカルボニル基;水酸基でピリジル基部分が置換されているピリジルアミノカルボニル基;アルキルピリドニル基およびアルキル基で置換されているアミノカルボニル基;アルカノイル基、水酸基、オキソ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ピリミジニル基もしくはアルキル基で1〜2個置換されているピペリジニルカルボニル基;オキソ基、アルキル基、ピリミジニル基、アルキルスルホニル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されているピペラジノカルボニル基;モルホリノカルボニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換されていてもよいチオモルホリノカルボニル基;ヒドロキシアルキル基もしくは水酸基で置換されているピロリジニルカルボニル基;水酸基、アルキル基、オキソ基、アルコキシカルボニル基もしくはオキソピロリジニル基で1〜2個置換されているシクロアルキルカルボニル基;アルキル基もしくはオキソ基で置換されていてもよいオキソピロリジニルカルボニル基;テトラヒドロピラニルカルボニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていもよいテトラヒドロチオピラニルカルボニル基;オキソ基もしくはシアノ基で置換されているピリジルカルボニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基もしくはトリハロゲノアルキル基で置換されているアゼチジニルカルボニル基;水酸基で置換されていてもよいアルキルスルフィニル基;ヒドロキシスルフィニル基;水酸基もしくはアルカノイルオキシ基で置換されていてもよいアルキルスルホニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているピぺリジニル基;テトラヒドロピラニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換されていてもよいテトラヒドロチオピラニル基;ジアルキルジオキサニル基;ジオキソチオモルホリノ基;オキソ基でジ置換されていてもよいモルホリノ基;オキソピロリジニル基;アルキル基で置換されていてもよいジオキソピロリジニル基;水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、トリハロゲノアルキル基、または水酸基で置換されているシクロアルキル基で置換されているアゼチジニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換しているチエタニル基;ピラジニル基;ピリミジニル基;オキソオキサゾリジニル基;またはジアルキルアミノカルボニル基、水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基、アミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基およびモルホリノカルボニル基から選ばれる基で置換されているピリジル基であり、Rが水素原子であり、Zが酸素原子または−N(R)−で示される基であり、Rが水酸基で置換されていてもよいアルキル基であり、R4aが水素原子または水酸基で置換されていてもよいアルキル基であり、R4bが水素原子または水酸基で置換されていてもよいアルキル基である化合物が挙げられる。
【0065】
このうち、環Aが、式:
【0066】
【化6】

【0067】
で示されるベンゼン環であり、環Bが、式:
【0068】
【化7】

【0069】
で示されるベンゼン環であり、Aが水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基であり、Aが水素原子またはハロゲン原子であり、Aが水素原子であり、Bがトリハロゲノアルキル基、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、Bが水素原子、トリハロゲノアルキル基、アルキル基、またはハロゲン原子であり、Bが水素原子またはハロゲン原子であり、Rが水素原子;アルキル基部分が水酸基で置換していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、モルホリノカルボニル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、アルキルイミダゾリル基、アルキルピラゾリニル基、シアノ基、カルボキシル基、ピロリジニルスルホニル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、オキサジアゾリル基、ジアルキルイソオキサゾリル基、アルキル基で置換されていてもよいオキソピリジル基もしくはアルカノイルアミノ基で置換されていてもよいアルキル基;トリハロゲノアルキル基;水酸基、アルキレンジオキシ基もしくはオキソ基で置換されていてもよいシクロアルキル基;水酸基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、オキソピロリジニル基、アルキル基及びオキソ基で置換されているピロリジニル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基もしくはアミノ基で置換されているアルカノイル基;水酸基で置換されていてもよいアルコキシカルボニル基;テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が1〜2個置換されていてもよいジアルキルアミノカルボニル基;アルカノイル基、水酸基、オキソ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ピリミジニル基もしくはアルキル基で1〜2個置換されているピペリジニルカルボニル基;オキソ基、アルキル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されているピペラジノカルボニル基;モルホリノカルボニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換されていてもよいチオモルホリノカルボニル基;ヒドロキシアルキル基もしくは水酸基で置換されているピロリジニルカルボニル基;水酸基、アルキル基、オキソ基、アルコキシカルボニル基もしくはオキソピロリジニル基で1〜2個置換されているシクロアルキルカルボニル基;アルキル基もしくはオキソ基で置換されていてもよいオキソピロリジニルカルボニル基;テトラヒドロピラニルカルボニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていもよいテトラヒドロチオピラニルカルボニル基;オキソ基もしくはシアノ基で置換されているピリジルカルボニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているアゼチジニルカルボニル基;アルキルスルフィニル基;アルキルスルホニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているピぺリジニル基;テトラヒドロピラニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていてもよいテトラヒドロチオピラニル基;ジアルキルジオキサニル基;ジオキソチオモルホリノ基;オキソ基でジ置換されていてもよいモルホリノ基;オキソピロリジニル基;アルキル基で置換されていてもよいジオキソピロリジニル基;水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、トリハロゲノアルキル基および水酸基で置換されているシクロアルキル基から選ばれる基で置換されているアゼチジニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換しているチエタニル基;ピラジニル基;ピリミジニル基;オキソオキサゾリジニル基;またはジアルキルアミノカルボニル基、水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基、アミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基およびモルホリノカルボニル基から選ばれる基で置換されているピリジル基であり、Rが水素原子、Zが−N(R)−で示される基であり、Rがアルキル基であり、R4aが水素原子またはアルキル基であり、R4bが水素原子またはアルキル基である化合物が好ましい。
【0070】
さらに、環Aが、式:
【0071】
【化8】

【0072】
で示されるベンゼン環であり、環Bが、式:
【0073】
【化9】

【0074】
で示されるベンゼン環であり、Aが水素原子またはアルキル基であり、Aがハロゲン原子であり、Aが水素原子であり、Bがトリハロゲノメチル基であり、Bがトリハロゲノメチル基であり、Bが水素原子であり、Rがアルキル基で置換されていてもよいオキソピリジル基、ジアルキルアミノカルボニル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されているアルキル基;水酸基で置換されているアルカノイル基;水酸基で置換されているアルコキシカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているピペリジニルカルボニル基;アルカノイル基で置換されているピペラジノカルボニル基;水酸基およびアルキル基で置換されているシクロアルキルカルボニル基;テトラヒドロピラニルカルボニル基;アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているアゼチジニルカルボニル基;アルカノイル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されているピペリジニル基;テトラヒドロピラニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていてもよいテトラヒドロチオピラニル基;ジオキソチオモルホリノ基;オキソピロリジニル基;ジオキソピロリジニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基もしくはジアルキルアミノカルボニル基で置換されているアゼチジニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換しているチエタニル基;またはオキソオキサゾリジニル基であり、Rが水素原子、Zが−N(R)−で示される基であり、Rがアルキル基であり、R4aが水素原子またはアルキル基であり、R4bが水素原子またはアルキル基である化合物が好ましい。
【0075】
さらに本発明の化合物において、好ましい化合物としては、以下の(A)〜(BD)の中から選ばれる化合物またはその薬理的に許容し得る塩である。
【0076】
(A)(3S,4S)−1−(アセチルピペリジン−4−イル)カルボニル−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(B)(3S,4S)−1−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(C)(3S,4S)−1−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(D)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチリル)ピペリジン、
(E)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{3−(S)−ヒドロキシブチリル}ピペリジン、
(F)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{3−(S)−ヒドロキシブチリル}ピペリジン、
(G)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(H)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(I)(3S,4S)−1−(1−プロピオニルピペリジン−3−イル)カルボニル−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(J)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−3−イル)ピペリジン、
(K)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−3−イル)ピペリジン、
(L)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−ヒドロキシアセチルピペリジン、
(M)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ピペリジン、
(N)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{2−(R)−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル}ピペリジン、
(O)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{2−(S)−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル}ピペリジン、
(P)(3S,4S)−1−(4−アセチルピペラジノカルボニル)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(Q)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)ピペリジン、
(R)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)ピペリジン、
(S)(3S,4S)−1−(1−アセチルアゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(T)(3S,4S)−1−(1−アセチルアゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(U)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−プロピオニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(V)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−プロピオニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(W)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(X)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(Y)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メタンスルホニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(Z)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メタンスルホニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(AA)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−ジメチルアミノカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(AB)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−ジメチルアミノカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(AC)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキソチエタン−3−イル)ピペリジン、
(AD)(3S,4S)−4−{N−(R)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1,1−ジオキソチエタン−3−イル)ピペリジン、
(AE)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1,1−ジオキソチエタン−3−イル)ピペリジン、
(AF)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロチオピラン−4−イル)ピペリジン、
(AG)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)ピペリジン、
(AH)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)ピペリジン、
(AI)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキシピリジン−4−イル)メチルピペリジン、
(AJ)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキシピリジン−4−イル)メチルピペリジン、
(AK)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−メチル−1−オキシピリジン−5−イル)メチルピペリジン、
(AL)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジン、
(AM)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−オキソ−オキゾリジン−3−イル)ピペリジン、
(AN)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2,4−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AO)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2,4−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AP)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AQ)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AR)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(トランス−4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)ピペリジン、
(AS)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(トランス−4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)ピペリジン、
(AT)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イルカルボニル)ピペリジン、
(AU)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イルカルボニル)ピペリジン、
(AV)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−エチルアミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AW)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メチルエチルアミノカルボニル)ピペリジン、
(AX)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチロキシカルボニル)ピペリジン、
(AY)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−ジメチルアミノカルボニルメチル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AZ)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−ジメチルアミノカルボニルエチル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(BA)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)ピペリジン、
(BB)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{1−(2−メチルプロピオニル)ピペリジン−4−イルカルボニル}ピペリジン、
(BC)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニルピペリジン、および
(BD)(3S,4S)−4−{N−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{(R)−1−メトキシカルボニルエチル}ピペリジン。
【0077】
またさらに、本発明の化合物において、別の好ましい化合物としては、以下の(a)〜(c)の中から選ばれる化合物またはその薬理的に許容し得る塩である。
【0078】
(a)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチリル)アゼチジン−3−イル}ピペリジン、
(b)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチリル)アゼチジン−3−イル}ピペリジン、
(c)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アゼチジン−3−イル}ピペリジン。
【0079】
本発明の化合物〔I〕は、遊離の形でも、また薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途に使用することができる。
【0080】
本発明の化合物〔I〕の薬理的に許容し得る塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩の如き無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩の如き有機酸塩等が挙げられる。
【0081】
また、本発明の化合物〔I〕またはその薬理的に許容しうる塩とは、その分子内塩やそれらの溶媒和物あるいは水和物等をいずれも含む。
【0082】
本発明の化合物〔I〕は、不斉原子に基づく光学異性体として存在しうるが、本発明はこれらの光学異性体およびその混合物のいずれも含むものである。本発明においては、これら光学異性体の中でも、ピペリジン環の3位(環Aの接続位)がS配置の化合物が好ましく、特に、ピペリジン環の3位(環Aの接続位)がS配置、ピペリジン環の4位がS配置の化合物が好ましい。
【0083】
本発明の化合物〔I〕またはその薬理的に許容し得る塩は、優れたタキキニン受容体拮抗作用、特にSP受容体拮抗作用を有し、哺乳動物(例えば、マウス、モルモット、スナネズミ、フェレット、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対する、炎症もしくはアレルギー性疾患(例えば、アトピー、皮膚炎、ヘルペス、乾癬、喘息、気管支炎、喀痰、鼻炎、リューマチ関節炎、変形性関節炎、骨粗鬆症、多発性硬化症、結膜炎、眼炎、膀胱炎など)、疼痛、偏頭痛、神経痛、掻痒、咳、さらに中枢神経系の疾患〔例えば、精神分裂症、パーキンソン病、うつ病、不安、心身症、モルヒネ依存症、痴呆(例えば、アルツハイマー病など)など〕、消化器疾患[例えば、過敏性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ウレアーゼ陽性のラセン状グラム陰性菌(例えば、ヘリコバクター・ピロリなど)に起因する異常(例えば、胃炎、胃潰瘍など)など]、悪心、嘔吐、排尿異常(例えば、頻尿、尿失禁など)、循環器疾患(例えば、狭心症、高血圧、心不全、血栓症など)および免疫異常などの安全な予防、治療薬として有用である。とりわけ、本発明の有効成分である化合物〔I〕またはその薬理的に許容し得る塩は、脳内移行性が高く、且つ毒性発現に繋がる可能性が低く(安全性が高く)、副作用を殆ど示さないため、嘔吐、うつ病などの中枢神経系疾患、頻尿などの排尿異常の予防、治療薬として有用である。
【0084】
本発明の化合物またはその薬理的に許容し得る塩は、例えば、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)254巻、221−227頁(1994年)記載の方法に準じて、ニューロキニン−1受容体結合作用を測定することができ、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)265巻、179−183頁(1994年)記載の方法に準じて、ニューロキニン−1受容体作動誘発に対する作用を測定することができ、また、ジャーナル・オブ・ウロロジー(Journal of Urology)、155巻、1号、355−360頁(1996年)記載の方法に準じて、頻尿抑制作用を測定することができる。
【0085】
本発明の化合物〔I〕およびその薬理的に許容しうる塩は、経口的にも非経口的にも投与することができ、経口もしくは非経口投与に通常用いられる医薬担体を用いて、適当な製剤とすることができる。かかる医薬担体としては、例えば、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン等)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ等)、崩壊剤(バレイショデンプン等)および湿潤剤(ラウリル無水硫酸ナトリウム等)等をあげることができる。また、これら医薬製剤は、経口投与する場合には、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤の如き固形製剤であってもよく、溶液、懸濁液、乳液の如き液体製剤であってもよい。一方、非経口投与する場合には、例えば、注射用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液等を用いて注射剤や点滴剤として、あるいは坐剤等とすることができる。
【0086】
本発明の化合物〔I〕またはその薬理的に許容しうる塩の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態あるいは疾患の程度によって異なるものの、通常、1日あたりの投与量は、経口投与の場合には、0.1〜20mg/kg、とりわけ0.1〜10mg/kg、非経口投与の場合には、0.01〜10mg/kg、とりわけ0.01〜1mg/kgであるのが好ましい。
〔A法〕
本発明の化合物の一般式〔I〕
【0087】
【化10】

【0088】
(式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
は水素原子またはアミノ基の置換基を表す。
は水素原子、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有しているカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
Zは酸素原子または−N(R)−で示される基を表す。
は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
4a及びR4bは、同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、または末端で互いに結合してアルキレン基を形成している基を表す。)
で示される化合物は、例えば、一般式〔II〕
【0089】
【化11】

【0090】
(式中、環A、RおよびRは前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と一般式〔III〕
【0091】
【化12】

【0092】
(式中、環B、Z、R4aおよびR4bは前記と同一意味を有する。)
で示される化合物とを反応させることにより製することができる。
【0093】
この〔A法〕は、以下のようにして実施することができる。
〔A法〕
化合物〔II〕と化合物〔III〕との反応は、縮合剤の存在下、溶媒中で反応させるか、化合物〔II〕の反応性誘導体(酸ハライド、酸無水物、活性アミド、活性エステル、混合酸無水物等)と化合物〔III〕とを、塩基の存在下または非存在下、溶媒中で反応させるか、または、化合物〔II〕の活性エステルと化合物〔III〕とを、縮合剤の存在下、溶媒中で反応させることにより製することもできる。塩基としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等を用いることができる。縮合剤としては、1,1’−カルボニルジイミダゾール、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、プロパンホスホン酸無水物等を用いることができる。溶媒としては、反応に悪影響を与えるものでなければいずれのものでも使用することができ、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを用いることができる。本反応は、例えば、−20℃〜60℃、とりわけ5℃〜60℃で好適に進行する。化合物〔II〕の活性エステルとしては、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはp−ニトロフェノールとのエステル等を用いることができる。化合物〔II〕の酸ハライドとしては、酸塩化物、酸臭化物等を好適に用いることができる。また化合物〔II〕の活性アミドとしては、イミダゾール等とのアミドを用いることができる。
【0094】
本発明の目的化合物〔I〕は、上記の如くして得られる化合物の基Rを目的とする他の置換基へ変換することによっても製造することができる。このような置換基の変換方法は、目的とする置換基の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、次の(a法)〜(p法)の如く実施することができる。
【0095】
(a法):一般式〔I〕において、基Rが水素原子である目的化合物〔I〕は、基Rがアミノ基の保護基である対応化合物〔I〕から当該保護基を除去することにより製することができる。当該保護基の除去は常法(例えば、酸処理、塩基処理、接触還元等)によって実施することができる。本反応のうち、酸処理による反応は、例えば、5℃〜120℃、塩基処理による反応は5℃〜40℃、接触還元による反応は、10℃〜40℃で実施することができる。
【0096】
(b法):一般式〔I〕において、基Rが置換基を有しているカルボニル基である目的化合物〔I〕は、基Rが水素原子である対応化合物〔I〕と対応するカルボン酸化合物、その活性エステルまたはカルボン酸ハライドとを縮合剤の存在下、または非存在下反応させることにより製することができる。縮合剤としては、カルボン酸とアミンからアミド結合形成反応に通常用いられる、1,1’−カルボニルジイミダゾール、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸イソブチルまたはN−メチルモルホリン等を用いることができる。カルボン酸化合物の活性エステルとしては、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはp−ニトロフェノールとのエステル等を用いることができる。本反応は、例えば、−20℃〜50℃で実施することができる。
【0097】
(c法):一般式〔I〕において、基Rが置換基を有していてもよい複素環式基である目的化合物〔I〕は、基Rが水素原子である対応化合物〔I〕と対応するオキソ基を持った複素環式基とを還元的縮合反応に付すことにより製造することができる。還元的縮合反応は、例えば、(a)テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、31巻、5595頁、1990年、(b)ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、28巻、3259頁、1963年等に記載の方法に従い、還元剤の存在下、適当な溶媒中で好適に実施することができる。還元剤としては、還元的アミノ化に好適に使用することができるものであればいずれも使用することができる。そのような還元剤としては、金属還元剤、例えば、金属水素化物〔ボラン水素化物(ジボラン等)〕、金属水素化物錯体〔水素化リチウムアルミニウム、ナトリウムボロヒドリド等〕、有機金属錯体〔ボラン−メチルサルファイド、9−ボラビシクロノナン(9−BBN)、トリエチルシラン、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、ナトリウムシアノボロヒドリド等〕等を使用することができる。さらに必要により、ルイス酸(チタンテトラクロライド等)を添加剤として使用することができる。また、還元的縮合反応において、還元剤を存在させるかわりに、接触水素化条件下で実施することもできる。例えば、白金触媒、パラジウム−炭素等の適当な触媒を用いて、適当な溶媒中、水素気流下に実施することもできる。また、還元的縮合反応には、酸類を触媒量添加することが好ましく、そのような酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸等の有機酸、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸があげられる。本反応は、冷却下から加熱下、好ましくは0℃〜100℃、より好ましくは10℃〜50℃で好適に実施することができる。
【0098】
(d法):一般式〔I〕において、基Rが置換基を有しているカルボニル基である目的化合物〔I〕がウレア結合を有している化合物の場合、基Rが水素原子である対応化合物〔I〕と対応するアミン化合物とをウレア化剤を用いて反応することにより製することができる。ウレア化剤としては、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲンのようなものが好ましく、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、トリホスゲンまたはホスゲン等のカルボニルジハライドを用いることができる。本反応は、例えば、0℃〜80℃、好ましくは、0℃〜50℃で実施することができる。また、本反応は、特開平10−195037号記載の方法に準じることにより製することができる。
【0099】
(e法):一般式〔I〕において、基Rにおける置換基の硫黄原子がオキソ基で2つ置換された基を含有する基(例えば、スルホニル基等)である目的化合物〔I〕は、基Rがチオ基を含有している基である対応化合物〔I〕を酸化剤(例えば、3−クロロ過安息香酸、過酢酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン等)で処理することにより製することができる。本反応は、例えば、−80℃〜150℃、とりわけ0℃〜40℃で好適に進行する。
【0100】
また、基Rが置換基を有しているスルホニル基である目的化合物〔I〕は、基Rが水素原子である対応化合物〔I〕と対応化合物であるハロゲノスルホニル化合物とを塩基の存在下、反応することにより製することができる。塩基としては、トリエチルアミンなどが用いることができる。さらに、本反応は、例えば、0℃〜50℃で実施することができる。
【0101】
(f法):一般式〔I〕において、基Rがアミノ基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rに保護されているアミノ基である対応化合物〔I〕から当該保護基を除去することにより製することができる。当該保護基の除去は常法(例えば、酸処理、塩基処理、接触還元等)によって実施することができる。本反応のうち、酸処理による反応は、例えば、5℃〜120℃、塩基処理による反応は5℃〜40℃、接触還元による反応は、10℃〜40℃で実施することができる。
【0102】
また、一般式〔I〕において、基Rがアミノ基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rがニトロ基を含有している対応化合物〔I〕を還元することにより製することができる。還元は、酸の存在下、二塩化スズ、亜鉛等を反応させることにより、実施できる。本反応は、例えば、溶媒を加熱還流下にて行うことができる。
【0103】
さらに、一般式〔I〕において、基Rがアミノ基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rがカルボキシル基を含有している対応化合物〔I〕をクルチウス転移反応等に付すことにより製することができる。クルチウス転移反応は、例えばアドバンスド オーガニック ケミストリー(Advanced Organic Chemistry)第4版、1054頁記載の方法により実施できる。すなわち、カルボキシル基をチオニルクロライド等により、酸クロライドにし、次いでアジ化ナトリウム等によりアジド化した後、加水分解することにより実施することができる。
【0104】
(g法):一般式〔I〕において、基Rが置換基を有しているカルボニルアミノ基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rがアミノ基を含有している対応化合物と対応するカルボン酸化合物またはその活性エステルとを縮合剤の存在下、または非存在下反応させることにより製することができる。縮合剤としては、カルボン酸とアミンからアミド結合形成反応に通常用いられる、1,1’−カルボニルジイミダゾール、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸イソブチルまたはN−メチルモルホリン等を用いることができる。カルボン酸化合物の活性エステルとしては、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはp−ニトロフェノールとのエステル等を用いることができる。本反応は、例えば、−20℃〜50℃で実施することができる。
【0105】
(h法):一般式〔I〕において、目的化合物〔I〕の基Rを増炭する場合、グリニァール反応を用いて行うことができる。例えば、対応するアルキルマグネシウムクロリドなどのグリニャール試薬と反応することにより製することができる。本反応は、−50℃〜0℃で実施することができる。
【0106】
(i法):一般式〔I〕において、基Rが置換基を有しているアミノ基を含有する置換基である目的化合物〔I〕は、基Rにアミノ基を含有した対応化合物を常法により、アミノ基の置換基(例えば、tert−ブトキシカルボニル基の如きアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の如きアリールアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基等の如きアルカノイル基、メチル基、エチル基、プロピル基等の如きアルキル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等の如きアルキルスルホニル基、ビニルスルホニル基等の如きアルケニルスルホニル基、ピリジル基等の如く複素環式基等)で置換することにより製するか、またはN,N’−サクシンイミジルカルボネート等の如きカルバメート合成用試薬を用い、例えばアルコキシアルキルアルコール等と反応することにより製することができる。置換は、置換基の種類に応じて、アルキル化、アシル化、スルホニル化、アリル化等の常法で適宜実施することができる。さらにアミノ基の水素原子を置換基により置換することにより、ジ置換体とすることもできる。本反応は、−20℃〜50℃で実施することができる。
【0107】
(j法):一般式〔I〕において、基Rが遊離カルボキシル基を含有する目的化合物〔I〕は、基Rがエステル化されたカルボキシル基を含有している対応化合物〔I〕を常法により、脱エステル化(例えば、エステル残基の種類に応じて水酸化ナトリウム等の塩基による加水分解、トリフルオロ酢酸、塩化水素、臭化水素等による酸処理、水素雰囲気下、パラジウム(黒)、パラジウム炭素等を用いた還元等)することにより製することができる。本脱エステル化反応のうち、例えば、塩基による加水分解反応は5℃〜70℃、酸処理は5℃〜80℃、還元は10℃〜40℃で実施することができる。
【0108】
(k法):一般式〔I〕において、基Rがアミド結合を含有する目的化合物〔I〕は、基Rが遊離のカルボキシル基を含有している対応化合物〔I〕またはRがカルボン酸エステル基を含有している対応化合物〔I〕と対応するアミン化合物、または基Rが遊離のアミノ基を含有している対応化合物〔I〕と対応するカルボン酸化合物とを縮合剤の存在下、または非存在下反応させることにより製することができる。縮合剤としては、カルボン酸とアミンからアミド結合形成反応に通常用いられる、1,1'−カルボニルジイミダゾール、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸イソブチルまたはN−メチルモルホリン等を用いることができる。本反応は、例えば、−20℃〜50℃で実施することができる。
【0109】
(l法):一般式〔I〕において、基Rが水酸基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rが保護されている水酸基を含有している対応化合物〔I〕から当該保護基を常法により除去することにより製することができる。当該保護基の除去は、保護基の種類に応じて、酸処理、塩基処理、接触還元等によって実施することができる。本反応は、例えば、0℃〜80℃、とりわけ5℃〜50℃で好適に進行する。
【0110】
また、一般式〔I〕において、基Rが水酸基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rがホルミル基を含有している対応化合物〔I〕を還元することにより製することができる。還元は、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在下、反応させることにより、実施できる。本反応は、例えば、−80℃〜80℃、とりわけ−70℃〜20℃で好適に進行する。
【0111】
さらに、一般式〔I〕において、基Rが水酸基を含有している目的化合物〔I〕は、基Rがエステルやカルボキシル基を含有している対応化合物〔I〕を還元することにより製することができる。還元は、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤の存在下、反応させることにより、実施できる。本反応は、例えば、−50℃〜200℃、とりわけ、−20℃〜60℃で好適に進行する。
【0112】
(m法):一般式〔I〕において、基Rにおける置換基の硫黄原子がオキソ基で一つ置換された基を含有する基(例えば、スルフィニル基等)である目的化合物〔I〕は、基Rがチオ基を含有している基である対応化合物〔I〕を酸化剤(例えば、3−クロロ過安息香酸、過酢酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン等)で処理することにより製することができる。本反応は、例えば、−80℃〜150℃、とりわけ0℃〜40℃で好適に進行する。
【0113】
また、一般式〔I〕において、基Rにおける置換基の硫黄原子がオキソ基で2つ置換された基を含有する基(例えば、スルホニル基等)である目的化合物〔I〕は、基Rがチオ基を含有している基である対応化合物〔I〕を酸化剤(例えば、3−クロロ過安息香酸、過酢酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン等)で処理することにより製することができる。本反応は、例えば、−80℃〜150℃、とりわけ0℃〜40℃で好適に進行する。
【0114】
(n法):一般式〔I〕において、基Rがアミノ基である目的化合物〔I〕は、基Rが水素原子である対応化合物〔I〕にアミノ化剤(例えば、亜硝酸tert−ブチルなど)を反応することにより製することができる。本反応は、例えば、室温〜加熱還流下で実施することができる。
【0115】
また、基Rが置換基を有しているアミノ基である対応化合物から、常法により、保護基を除去することにより製することができる。
【0116】
(o法):一般式〔I〕において、基Rが環化化合物(例えば、オキソピロリジニル基、オキソオキサゾリジノ基など)である目的化合物〔I〕は、対応化合物〔I〕を環化反応することにより、製することができる。本反応は、−50℃〜200℃、とりわけ、−20℃〜60℃で好適に進行する。
【0117】
(p法):一般式〔I〕において、基Rが置換されていてもよいアルキル基である目的化合物〔I〕は、基Rが水素原子である対応化合物〔I〕を常法により、アルキル化することにより製することができる。本反応は、20℃〜80℃で実施することができる。
【0118】
上記(a法)〜(p法)に記載の反応に用いる溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば、特に限定されず、例えば、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホラアミド、ベンゼン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アルコール、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、酢酸、ジエチルエーテル、メトキシエタン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水またはこれらの混合溶媒を適宜選択して用いることができる。
【0119】
なお、本発明の原料化合物〔II〕は新規化合物であり、例えば、下式化学反応式のようにして製造することができる。
【0120】
【化13】

【0121】
(式中、R51はアルキル基を表し、Xは脱離基を表し、Xは脱離基を表し、環AおよびRは前記と同一意味を有する。)
つまり、ピリジン化合物〔IV〕をアニリンと縮合して、化合物〔V〕を得、次いでハロゲン化を行うことにより、化合物〔VI〕を得た後、アニリンを脱離して化合物〔VII〕を得る。さらに化合物〔VII〕のカルボキシル基をエステル化するか、または、化合物〔VIII〕を増炭反応に付すか、または、化合物〔IV〕のアシル基をエステル化した後にハロゲン化を行うことにより、化合物〔IX〕を得る。得られる化合物〔IX〕と化合物〔X〕をカップリングするか、化合物〔VI〕と化合物〔X〕をカップリングした後、化合物〔XI〕からアニリンを脱離、次いでエステル化することにより、化合物〔XII〕を得、得られる化合物〔XII〕を還元反応に付し、ついでアミノ基の置換基を導入することにより、化合物〔XIII〕を得る。得られる化合物〔XIII〕のエステル基をカルボキシル基に変換することにより、化合物〔II〕を得る。
【0122】
化合物〔II〕は、不斉炭素を有しており、当該不斉炭素に基づく光学異性体が存在するが、例えば、シス体及びトランス体が混合物として得られた場合は、シリカゲルクロマトグラフィー等の常法によりシス体及びトランス体をそれぞれ得ることができる。また、化合物〔II〕の光学異性体は、例えば、化合物〔XIII〕のRが水素原子である化合物または化合物〔II〕のラセミ混合物を常法により、光学分割することにより得ることができる。
【0123】
化合物〔XIII〕のRが水素原子である化合物の場合、光学分割は、例えば、化合物〔XIII〕とN−アシル−光学活性アミノ酸、N−スルホニル−光学活性アミノ酸または光学活性カルボン酸を作用させ、生成する2種のジアステレオマー塩の溶解度差を利用して、一方のジアステレオマー塩を分離・採取することことにより実施することができる。N−アシル−光学活性アミノ酸のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基もしくはベンジルオキシカルボニル基またはN−スルホニル光学活性アミン酸のスルホニル基としては、例えば、トシル基もしくはメシル基が挙げられ、光学活性アミノ酸としては、例えば、L−フェニルアラニン、L−ロイシン、L−グルタミン、L−メチオニン、L−バリン、L−トレオニン、D−フェニルアラニンまたはD−フェニルグリシンが挙げられる。また、光学活性カルボン酸としてはマンデル酸、リンゴ酸または酒石酸誘導体等が挙げられる。当該酒石酸誘導体としては、L−酒石酸ジベンゾイル、L−酒石酸ジ−p−トルオイル、D−酒石酸ジベンゾイル、D−酒石酸ジ−p−トルオイル等が挙げられる。
【0124】
また、化合物〔II〕の場合、光学分割は、例えば、化合物〔II〕とO−アルキル−光学活性アミノ酸または光学活性アミン誘導体を作用させ、生成する2種のジアステレオマー塩の溶解度差を利用して、一方のジアステレオマー塩を分離・採取することことにより実施することができる。光学活性アミノ酸としては、例えば、L−フェニルアラニン、L−ロイシン、L−グルタミン、L−メチオニン、L−バリン、L−トレオニン、D−フェニルアラニンまたはD−フェニルグリシンが挙げられる。O−アルキル−光学活性アミノ酸のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。光学活性アミン誘導体としては、ブルシン、キニジン、(S)−1−フェネチルアミン、(R)−1−フェネチルアミン、(R)−(−)−1−シクロヘキシルエチルアミン、(S)−(+)−1−シクロヘキシルエチルアミン等が挙げられる。
【0125】
さらに、本発明の目的化合物および原料化合物の製造に際し、原料化合物ないし各中間体化合物が官能基を有する場合、上記で示した以外にも合成化学の常法により各官能基に適切な保護基を導入し、また、必要がなければ、それら保護基を、適宜、除去してもよい。
【0126】
例えば、本明細書において、アミノ基の保護基としては、通常、反応に付すときにアミノ基を保護するのに用いられる保護基が挙げられるが、具体的には、例えば、tert−ブトキシカルボニル基の如きアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の如きアリールアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
【0127】
本明細書において、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基等、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味し、好ましくは炭素数1〜4のものを意味する。アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基等、炭素数2〜7の直鎖または分岐鎖のアルケニル基を意味し、好ましくは炭素数2〜5のものを意味する。アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味し、好ましくは炭素数1〜4のものを意味する。アルカノイル基とは、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、tert−ブチルカルボニル基等、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルカノイル基を意味し、好ましくは炭素数1〜4のものを意味する。アルキレン基とは、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等、炭素数2〜7の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を意味し、好ましくは炭素数2〜5のものを意味する。シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等、炭素数3〜8のシクロアルキル基を意味し、好ましくは炭素数3〜6のものを意味する。さらに、ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素が挙げられる。
【実施例】
【0128】
実施例1
1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン2.7gと(R)−1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−1−メチルアミン2.72gのN,N−ジメチルホルムアミド50ml溶液に1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩1.92gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.53gを加え、室温で16時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと食塩水を加えて分液し、得られた有機層を重炭酸水素ナトリウム水溶液と水とで洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、下記第1表記載の(a)(3S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−[N−{1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル}−N−メチル]アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン730mgおよび(b)(3S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−[N−{1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル}−N−メチル]アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン680mgを得た。
【0129】
実施例2−5
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理することにより、下記第1表〜第3表記載の化合物を得た。
【0130】
実施例6
トランス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン1.2gに4M塩酸の酢酸エチル溶液10mlを加えて1時間攪拌した後、減圧濃縮した。残渣に4M炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮することにより、下記第4表記載のトランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン600mgを得た。
【0131】
実施例7−12
対応原料化合物を用いて、実施例6と同様に処理することにより、下記第4表記載の化合物を得た。
【0132】
実施例13
トランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン90mgと3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸24mgのN,N−ジメチルホルムアミド溶液3mlに1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩40mgと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール31mgを加えて室温で16時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと食塩水を加えて分液、有機層を重炭酸水素ナトリウム水溶液と水とで順次洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第5表記載のトランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチリル)ピペリジン75mgを得た。
【0133】
実施例14−26
対応原料化合物を用いて、実施例13と同様に処理することにより、下記第5表〜第7表記載の化合物を得た。
【0134】
実施例27
トランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン143mg、1−アセチル−4−ピペリドン45mgおよび酢酸0.01mlのジクロロメタン3ml溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド110mgを加えて室温で16時間攪拌した。反応液に炭酸ナトリウムを加えて1時間攪拌した後、クロロホルムを加えて分液、水層から再度クロロホルムで抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第8表記載のトランス−1−(1−アセトキシピペリジン−4−イル)−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン120mgを得た。
【0135】
実施例28−31
対応原料化合物を用いて、実施例27と同様に処理することにより、下記第8表記載の化合物を得た。
【0136】
実施例32
トランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン145mgのテトラヒドロフラン2.5ml溶液に1,1'−カルボニルジイミダゾール42mgを加え、50℃で1時間攪拌した。反応液を濃縮後、アセトニトリル5mlとヨウ化メチル0.5mlを順次加えて70℃で1時間攪拌した。反応液を再度濃縮してテトラヒドロフラン5mlに溶解した後、2−アミノエタノール120mgとトリエチルアミン0.04mlを加え、40℃で16時間攪拌した。反応液に水と酢酸エチルを加えて分液、有機層を2回水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第9表記載のトランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル}ピペリジン103mgを得た。
【0137】
実施例33−34
対応原料化合物を用いて、実施例32と同様に処理することにより、下記第9表記載の化合物を得た。
【0138】
実施例35
トランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン100mgのテトラヒドロフラン4ml溶液にトリエチルアミン0.3mlと塩化メタンスルホニル0.16mlを加え、室温で16時間攪拌した。反応終了後、水と酢酸エチルを加えて分液、有機層を水洗した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第9表記載のトランス−4−{N−(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−メタンスルホニルピペリジン93mgを得た。
【0139】
実施例36
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理することにより、下記第10表記載の化合物を得た。
【0140】
実施例37
(1)(3S,4S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン0.80gのテトラヒドロフラン80ml溶液に触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル0.56gを加え、室温で16時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣のジクロロメタン20ml溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン0.26gとN−{1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−メチル−エチル}−N−メチルアミン0.94gを加え、室温で2日間攪拌した。反応液にクロロホルムと水を加えて分液した。有機層を飽和クエン酸水溶液、食塩水で順次洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→2:1)で精製することにより、下記第10表記載の(3S,4S)−1−ベンジロキシカルボニル−4−[N−{1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−メチルエチル}−N−メチル]アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン0.17gを得た。
【0141】
(2)上記(1)で得られた化合物0.16gのメタノール3ml溶液に10%パラジウム炭素25mgを加えて、水素雰囲気下に室温で16時間攪拌し、さらに水酸化パラジウム20mgと6M塩酸水溶液0.2mlを加えて水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応液をメンブランフィルターでろ過し、ろ液を減圧濃縮することにより、下記第10表記載の(3S,4S)−4−[N−{1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−メチルエチル}−N−メチル]アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン0.11gを得た。
【0142】
実施例38−103
対応原料化合物を用いて、実施例13と同様に処理することにより、下記第11表〜第19表記載の化合物を得た。
【0143】
実施例104
(1)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン400mgと1−tert−ブトキシカルボニル−3−アゼチジンカルボン酸180mgのN,N−ジメチルホルムアミド5ml溶液に1−ヒドロキシベンズトリアゾール180mg、1−{3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル}−3−エチルカルボジイミド塩酸塩224mgを加え、室温で一終夜攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで分液した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→50:50)で精製することにより、(3S,4S)−1−{(1−tert−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)カルボニル}−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン539mg得た。
【0144】
(2)上記(1)で得られた化合物539mgの酢酸エチル2ml溶液に4Mの塩化水素の酢酸エチル溶液を6ml加え、室温で一終夜攪拌後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製することにより、(3S,4S)−1−{(アゼチジン−3−イル)カルボニル}−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジンを195mg得た。
【0145】
(3)上記(2)で得られた化合物36mgのジクロロメタン1.5ml溶液に室温でトリエチルアミン11μlを加え、0℃でアセチルクロリドの1.0Mテトラヒドロフラン溶液を75μl滴下後、室温で1終夜攪拌した。反応液をろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製することにより、下記第19表記載の(3S,4S)−1−{(1−アセチルアゼチジン−3−イル)カルボニル}−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン27mgを得た。
【0146】
実施例105−115
対応原料化合物を用いて、実施例104と同様に処理することにより、下記第19表〜第21表記載の化合物を得た。
【0147】
実施例116
実施例55で得た化合物100mgのテトラヒドロフラン3ml溶液を−20℃に冷却した後、1.0Mメチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液1mlを滴下し、1時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第22表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシー4−メチルペンタノイル)ピペリジン100mgを得た。
【0148】
実施例117
対応原料化合物を用いて、実施例116と同様に処理することにより、下記第22表記載の化合物を得た。
【0149】
実施例118
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、および2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルプロピオン酸を用いて実施例13と同様に処理した後、4M塩酸−酢酸エチル溶液で処理することにより、下記第22表記載の(3S,4S)−1−(2−アミノ−2−メチルプロピオニル)−4−{N−(R)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジンを得た。
【0150】
実施例119
実施例87で得た化合物60mgのN,N−ジメチルホルムアミド2ml溶液に水素化ナトリウム(40% in oil)10mgとヨウ化メチル0.05mlを0℃で加え、2時間攪拌した。攪拌終了後、食塩水と酢酸エチルを加えて分液、有機層を食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第22表記載の(3S,4S)−1−(アゼチジン−3−イル)カルボニル−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン45mgを得た。
【0151】
実施例120−124
対応原料化合物を用いて、実施例119と同様に処理することにより、下記第22表記載の化合物を得た。
【0152】
実施例125−159
対応原料化合物を用いて、実施例27と同様に処理することにより、下記第23表〜第26表記載の化合物を得た。
【0153】
実施例160
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン30mgをメタノール1.5mlに溶解させ、室温にてアクリロニトリル12μlを加え30分間静置する。反応液をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で溶出)で精製した後、tert−ブタノール用いて凍結乾燥することにより、下記第26表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2−シアノエチル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン27mgを得た。
【0154】
実施例161−170
対応原料化合物を用いて、実施例160と同様に処理することにより、下記第26表および第27表記載の化合物を得た。
【0155】
実施例171
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン49mgのN,N−ジメチルホルムアミド1ml溶液に、室温にてトリエチルアミン0.028ml、および2−フルオロブロモエタン0.012mlを加え、一終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルと水を加えて分液、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲル薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、下記第27表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2−フルオロエチル)−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン42mgを得た。
【0156】
実施例172−194
対応原料化合物を用いて、実施例171と同様に処理することにより、下記第27表〜第29表記載の化合物を得た。
【0157】
実施例195
実施例179で得た化合物56mgに、室温にて0.5M水酸化カリウムのメタノール溶液2mlを加え、一終夜攪拌した。反応液を飽和クエン酸水溶液、および水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、クロロホルムを加えて分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮することにより、下記第29表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−カルボキシメチル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン48mgを得た。
【0158】
実施例196
対応原料化合物を用いて、実施例195と同様に処理することにより、下記第29表記載の化合物を得た。
【0159】
実施例197
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン40mgをアセトニトリル1mlに溶解させ、2−クロロメチルピリジン N−オキシド 塩酸塩15mg、およびジイソプロピルエチルアミン43μlを加えた混合物を80℃にて4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で展開および溶出)で精製した後、tert−ブタノールを用いて凍結乾燥することにより、下記第30表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキシピリジン−2−イル)メチルピペリジン26mgを得た。
【0160】
実施例198−202
対応原料化合物を用いて、実施例197と同様に処理することにより、下記第表30記載の化合物を得た。
【0161】
実施例203
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mgのアセトニトリル2ml溶液に、2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)プロピオン酸メチル32mgと炭酸カリウム50mgを加えて加熱還流下で2時間攪拌した。攪拌終了後、酢酸エチルと水を加えて分液、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第30表記載の(3S,4S)−2−[4−{N−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル36mgを得た。
【0162】
実施例204
対応原料化合物を用いて、実施例203と同様に処理することにより、下記第表30記載の化合物を得た。
【0163】
実施例205
(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン100mgのアセトニトリル3ml溶液に室温で2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルブロミド67.2mgと炭酸カリウム55.2mgを加え、80℃で一終夜攪拌した。反応液にN,N−ジメチルホルムアミド3mlと2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルブロミド50mgを加え、110℃でさらに一終夜攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→91:9)で精製した。得られた化合物に4Mの塩酸水溶液2mlを加えて1日攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(LC−MS)(水−メタノール)で精製した。得られた化合物をジクロロメタン2mlに溶解し、トリエチルアミン14μl、アセチルクロリド7μlを滴下し、3日間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで分液、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)及びカラムクロマトグラフィー(LC−MS)(水−メタノール)で精製することにより、下記第30表記載の(3S,4S)1−(2アセチルアミノエチル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジンを3.6mg得た。
【0164】
実施例206
実施例203で得た化合物100mgのメタノール2ml溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液2mlを加えて室温で16時間攪拌した。2M塩酸水溶液2.2mlを加えた後、クロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣のN,N−ジメチルホルムアミド2ml溶液にヒドロキシエチルアミン0.1mlと1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩40mgと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール31mgを加えて50℃で16時間攪拌した。攪拌終了後、酢酸エチルと食塩水を加えて分液、有機層を重炭酸ナトリウム水溶液で2回洗浄、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第31表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{1−(R)−(2−ヒドロキシアミノカルボニル)エチル}ピペリジン64mgを得た。
【0165】
実施例207−211
対応原料化合物を用いて、実施例206と同様に処理することにより、下記第31表記載の化合物を得た。
【0166】
実施例212
(1)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン300mgのジクロロメタン5ml溶液に室温で1−ベンジロキシカルボニルアゼチジン−3−オン150mgを加え、90分攪拌した。反応液に酢酸86μlを加えた後、ソジウムトリアセトキシボロヒドリド648mgを加え、室温で1終夜攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製することにより、(3S,4S)−1−(1−ベンジロキシカルボニルアゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン330mgを得た。
【0167】
(2)上記(1)で得られた化合物330mgのメタノール5ml溶液に窒素雰囲気下、室温で10%パラジウム炭素70mgを加え、水素雰囲気下4時間攪拌した。反応液をろ過した後、濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、(3S,4S)−1−(アゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン103mgを得た。
【0168】
(3)上記(2)で得られた化合物38mgのジクロロメタン1.5ml溶液に室温でトリエチルアミン24μlを加え、0℃でアセチルクロリドの0.1Mテトラヒドロフラン溶液1.4mlを滴下し室温で1終夜攪拌した。反応液をろ過、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製することにより、下記第31表記載の(3S,4S)−1−(1−アセトキシアゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジンを22mg得た。
【0169】
実施例213−222
対応原料化合物を用いて、実施例212と同様に処理することにより、下記第31表〜第33表記載の化合物を得た。
【0170】
実施例223
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン100mgと2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロピラン0.2mlのアセトニトリル2.5ml溶液に炭酸カリウム200mgを加えて加熱還流下2時間攪拌した。反応液を室温に戻した後ジイソプロピルエーテルを加えてろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、塩酸の4Mジオキサン溶液2mlを加えて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第33表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン56mgを得た。
【0171】
実施例224−225
対応原料化合物を用いて、実施例223と同様に処理することにより、下記第33表記載の化合物を得た。
【0172】
実施例226
実施例152で得た化合物65mgのジクロロメタン2ml溶液にトリフルオロ酢酸55mgを加えた後、0℃に冷却した。この溶液にメタクロロ過安息香酸55mgを加えて0℃で1時間攪拌した。重炭酸ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて攪拌後、分液、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第33表記載の(a)(3S,4S)−4−{N−(R)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキソチエタン−3−イル)−ピペリジン18mgおよび(b)(3S,4S)−4−{N−(R)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソチエタン−3−イル)−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン36mgを得た。
【0173】
実施例227
対応原料化合物を用いて、実施例226と同様に処理することにより、下記第33表記載の化合物を得た。
【0174】
実施例228
実施例147で得た化合物100mgのジクロロメタン2.5ml溶液にメタンスルホン酸80mgを加えて0℃に冷却した。この溶液にメタクロロ過安息香酸(70−75%)100mgを加えて0℃で2時間攪拌後、室温で16時間攪拌した。4M炭酸ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて攪拌した後、分液、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第33表記載の(3S,4S)−4−{N−(R)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イル)−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン55mgを得た。
【0175】
実施例229−230
対応原料化合物を用いて、実施例228と同様に処理することにより、下記第34表記載の化合物を得た。
【0176】
実施例231−261
対応原料化合物を用いて、実施例32と同様に処理することにより、下記第34表〜第38表記載の化合物を得た。
【0177】
実施例262−263
対応原料化合物を用いて、実施例226と同様に処理することにより、下記第38表記載の化合物を得た。
【0178】
実施例264
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン150mgと2−クロロピラジン50mgのアセトニトリル3ml溶液を加熱還流下で16時間攪拌した。反応液を室温に戻し、重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えて攪拌後、分液、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第38表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ピラジニル)ピペリジン43mgを得た。
【0179】
実施例265
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン100mgを1,4−ジオキサン2mlに溶解させ、2−クロロピリミジン26mg、およびジイソプロピルエチルアミン39μlを加えた混合物を90℃にて一終夜攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1→2:1)で精製することにより、下記第38表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ピリミジル)ピペリジン90mgを得た。
【0180】
実施例266
対応原料化合物を用いて、実施例35と同様に処理することにより、下記第38表記載の化合物を得た。
【0181】
実施例267
(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン100mgのテトラヒドロフラン4ml溶液にトリエチルアミン0.07mlとクロロ炭酸メチル0.05mlを加えて0℃で2時間攪拌した。酢酸エチルと水を加えて分液、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第38表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−メトキシカルボニルピペリジン60mgを得た。
【0182】
実施例268
対応原料化合物を用いて、実施例267と同様に処理することにより、下記第38表記載の化合物を得た。
【0183】
実施例269
(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mgのジクロロメタン1ml溶液に0℃でトリホスゲン12mg、およびトリエチルアミン0.014mlを加え、室温で20分間攪拌後、減圧濃縮した。得られた残渣にエチレングリコール2ml、トリエチルアミン0.014ml、および4−N,N−ジメチルアミノピリジン0.5mgを加え、40℃で16時間攪拌後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記第39表記載の(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチロキシカルボニル)ピペリジン52mgを得た。
【0184】
実施例270
対応原料化合物を用いて、実施例269と同様に処理することにより、下記第39表記載の化合物を得た。
【0185】
実施例271
4−ヒドロキシテトラヒドロピラン51mgのテトラヒドロフラン2.5ml溶液にN,N−カルボニルジイミダゾール81mgを加え、70℃で2時間攪拌した。酢酸エチルと水を加えて分液、得られた有機層を減圧濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン2.5mlと(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン60mgとトリエチルアミン0.028mlを加え、70℃で16時間攪拌した。酢酸エチルと水を加えて分液、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、下記第39表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(4−テトラヒドロピラニロキシカルボニル)ピペリジン55mgを得た。
【0186】
実施例272
(1)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン100mgをジクロロメタン2mlに溶解させ、亜硝酸tert−ブチル49μlを加えた混合物を、加熱還流下に一終夜攪拌した。亜硝酸tert−ブチル49μlを追加し、さらに一終夜加熱還流した後、亜硝酸tert−ブチル49μlを追加し、室温にて4時間放置した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を酢酸1ml、およびメタノール1mlに溶解し、氷冷下に亜鉛末107mgを加えた混合物を室温で3時間攪拌した。不溶物を濾別し、メタノールにて洗浄、濾液および洗浄液を併せて減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびジクロロメタンを加えて分液、減圧濃縮することにより、未精製の(3S,4S)−1−アミノ−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジンを得た。
【0187】
(2)上記(1)で(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mgより得られた化合物をテトラヒドロフラン1mlに溶解し、コハク酸無水物11mgを加えた混合物を1時間加熱還流する。室温まで冷却した後、1,1’−カルボニルジイミダゾール12mgを加え、2時間加熱還流する。反応液を室温まで冷却後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=200:10:1で展開および溶出)で精製した後、tert−ブタノールより凍結乾燥することにより、下記第39表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン36mgを得た。
【0188】
実施例273
対応原料化合物を用いて、実施例272と同様に処理することにより、下記第39表記載の化合物を得た。
【0189】
実施例274
(1)実施例272(1)で(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mgより得られた化合物をテトラヒドロフラン2mlに溶解し、室温にてトリエチルアミン17μl、および4−クロロ酪酸クロリド12μlを加え、同温にて一終夜攪拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で溶出)で精製することにより、(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(4−クロロブチリルアミノ)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン49mgを得た。
【0190】
(2)上記(1)で得られた化合物49mgをN,N’−ジメチルホルムアミド2mlに溶解し、氷冷下で攪拌下に70%水素化ナトリウム4mgを加えた。室温に昇温しつつ6時間攪拌した。反応液へ飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで分液した。有機層を水洗した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で溶出)で精製した後、tert−ブタノールを用いて凍結乾燥することで、下記第39表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)ピペリジン35mgを得た。
【0191】
実施例275−277
対応原料化合物を用いて、実施例274と同様に処理することにより、下記第39表記載の化合物を得た。
【0192】
実施例278
実施例272(1)でで(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mgより得られた化合物をテトラヒドロフラン2mlに溶解し、室温にてトリエチルアミン17μl、およびジビニルスルホン12μlを加え、同温にて5時間攪拌した。ジビニルスルホン12μl、トリエチルアミン12μl、およびメタノールを加え、室温にて一終夜攪拌した。ジビニルスルホン20μlを追加後、室温にて一終夜攪拌した。反応液をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で溶出)で精製することにより、下記第40表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン20mgを得た。
【0193】
実施例279
対応原料化合物を用いて、実施例278と同様に処理することにより、下記第40表記載の化合物を得た。
【0194】
実施例280−281
対応原料化合物を用いて、実施例272と同様に処理することにより、下記第40表記載の化合物を得た。
【0195】
実施例282
(3S,4S)−1−アミノ−4−{N−1−S−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mgをアセトニトリル10mlおよび水20mlに溶解させ、(2−オキソ−エトキシ)アセトアルデヒド(1,4−アンヒドロエリスリトール42mgを水1mlに溶解させ、過ヨウ素酸ナトリウム86mgを加え、室温で一終夜反応させて調整)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム63mgを加えた混合物を室温で2時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮後、酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=200:10:1で溶出)で精製した後、tert−ブタノールを加え凍結乾燥することにより、下記第40表記載の(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−モルホリノピペリジン18.3mgを得た。
【0196】
実施例283
対応原料化合物を用いて、実施例282と同様に処理することにより、下記第40表記載の化合物を得た。
【0197】
実施例284
(1)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン50mg、2−クロロニコチン酸メチル21mgをジメチルスルホキシド1mlに溶解させ、炭酸カリウム14mgを加えた混合物を100℃で一終夜攪拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、分液した。有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で溶出)で精製することにより、(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(5−メトキシカルボニルピリジン−2−イル)ピペリジン53mgを得た。
【0198】
(2)上記(1)で得られた化合物53mgをエタノール1mlに溶解させ、1M水酸化ナトリウム水溶液127μlを加えた混合物を室温で3日間攪拌した。1M塩酸水溶液127μlを加えて中和した後、減圧濃縮乾固させた。得られた残渣をテトラヒドロフラン2mlに懸濁させ、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール68mgおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩97mgを加え、室温で一終夜攪拌した。反応混合物にジメチルアミン(50%水溶液)45mgを加え、室温でさらに一終夜攪拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1で展開、ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水=100:10:1で溶出)で精製することにより、下記第40表記載の(3S,4S)−4−{N−1−R−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピリジン−2−イル)−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン38mgを得た。
【0199】
実施例285−295
対応原料化合物を用いて、実施例284と同様に処理することにより、下記第40表および第41表記載の化合物を得た。
【0200】
実施例296−298
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理することにより、下記第41表および第42表記載の化合物を得た。
【0201】
実施例299
対応原料化合物を用いて、実施例27と同様に処理することにより、下記第42表記載の化合物を得た。
【0202】
実施例300−301
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理し、精製した2種類のジアステレオマーをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離することにより、下記第43表記載の化合物を得た。
【0203】
実施例302−305
対応原料化合物を用いて、実施例119と同様に処理することにより、下記第44表記載の化合物を得た。
【0204】
実施例306−309
対応原料化合物を用いて、実施例6と同様に処理することにより、下記第44表記載の化合物を得た。
【0205】
実施例310−313
対応原料化合物を用いて、実施例13と同様に処理することにより、下記第44表および第45表記載の化合物を得た。
【0206】
実施例314−320
対応原料化合物を用いて、実施例27と同様に処理することにより、下記第45表記載の化合物を得た。
【0207】
実施例321−323
対応原料化合物を用いて、実施例228と同様に処理することにより、下記第228表記載の化合物を得た。
【0208】
実施例324−327
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理することにより、下記第47表記載の化合物を得た。
【0209】
実施例328−331
対応原料化合物を用いて、実施例119と同様に処理することにより、下記第48表記載の化合物を得た。
【0210】
実施例332−335
対応原料化合物を用いて、実施例6と同様に処理することにより、下記第48表記載の化合物を得た。
【0211】
実施例336−338
対応原料化合物を用いて、実施例13と同様に処理することにより、下記第49表記載の化合物を得た。
【0212】
実施例339−341
対応原料化合物を用いて、実施例27と同様に処理することにより、下記第49表記載の化合物を得た。
【0213】
実施例342
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理することにより、下記第50表記載の化合物を得た。
【0214】
実施例343
対応原料化合物を用いて、実施例1と同様に処理し、精製した2種類のジアステレオマーをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離することにより、下記第50表記載の化合物を得た。
【0215】
実施例344−345
対応原料化合物を用いて、実施例119と同様に処理することにより、下記第50表記載の化合物を得た。
【0216】
実施例346−349
対応原料化合物を用いて、実施例6と同様に処理することにより、下記第50表記載の化合物を得た。
【0217】
実施例350−354
対応原料化合物を用いて、実施例13と同様に処理することにより、下記第51表記載の化合物を得た。
【0218】
実施例355−358
対応原料化合物を用いて、実施例27と同様に処理することにより、下記第51表および第52表記載の化合物を得た。
【0219】
実施例359
対応原料化合物を用いて、実施例212と同様に処理することにより、下記第52表記載の化合物を得た。
【0220】
参考例1
(1)ジイソプロピルアミン22.4mlのテトラヒドロフラン320ml溶液をドライアイス−アセトンバスで−70℃以下に冷却した後、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)100mlを滴下し、同温にて30分間攪拌した。この溶液に3−ブロモピリジン25gのテトラヒドロフラン250ml溶液を4時間かけて滴下した。全て滴下後、さらに−70℃以下で1時間攪拌した。この溶液に表面をよく拭いた後細かく砕いたドライアイス8.8gを加えて1時間攪拌した後、ゆっくり室温へ昇温した。溶媒と過剰の二酸化炭素を全て減圧留去した後、残渣をN,N−ジメチルホルムアミド300mlに溶解し、炭酸カリウム27.6gとヨウ化メチル12.6mlを加えて室温で16時間攪拌した。酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液を加えて分液、有機層を水と食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、下記第53表記載の3−ブロモイソニコチン酸メチル13.5gを得た。
【0221】
(2)上記(1)で得られた化合物12gのN,N−ジメチルホルムアミド120ml溶液に4−フルオロ−2−メチルフェニルボロン酸9.3g、炭酸セシウム19.6g、酢酸パラジウム1.12g、トリフェニルホスフィン2.63gを加え70℃で1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルと食塩水を加え、不溶物をろ過除去した。ろ液を食塩水と水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、下記第53表記載の3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)イソニコチン酸メチル7.9gを得た。
【0222】
(3)上記(2)で得られた化合物2.5gのメタノール100ml溶液に酸化白金600mgと濃塩酸8mlを加えた。次いで、101kPaの水素雰囲気下、室温で24時間攪拌した。この溶液に水100mlを加えてセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残った水溶液を炭酸ナトリウムで中和、さらにアンモニア水を加えた後、クロロホルムで2回抽出した。併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣のジクロロメタン25ml溶液にジ−tert−ブチルジカーボネート5gを加え室温で1時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製することにより、下記第53表記載のシス−1−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−メトキシカルボニルピペリジン1.3gを得た。
【0223】
(4)上記(3)で得られた化合物1.3gをメタノール5mlとテトラヒドロフラン5mlに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液5mlを加えて室温で16時間攪拌した。2M塩酸水溶液で中和した後、クロロホルムで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を減圧下で乾燥することにより、下記第53表記載のシス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、およびトランス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン(シス体:トランス体=56:44)の混合物560mgを得た。
【0224】
(5)シス−1−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−メトキシカルボニルピペリジン10.5gをメタノール100mlに溶解し、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液11.4mlを加えて加熱還流下に3時間攪拌した。反応液にテトラヒドロフラン50mlおよび2M水酸化ナトリウム水溶液を加え、一終夜攪拌した。2M塩酸水溶液で中和した後、クロロホルムを加え、有機層を水、および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよびn−ヘキサンから結晶化することにより、下記第54表記載のトランス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン7.15gを得た。
【0225】
(6)トランス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン84.3gを酢酸エチル2500mlに溶解し、室温で(R)−フェネチルアミン15.1gの酢酸エチル1500ml溶液を1.5時間かけて滴下した。析出した白色塩をろ過、酢酸エチルで2回、ジイソプロピルエーテル200mlとメタノール400mlの混合溶媒で洗浄後、白色塩に飽和クエン酸水溶液を加え、クロロホルムから抽出、飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧濃縮することにより、下記第54表記載の(a)(3R,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン26.3gを得た。上記操作にて得た炉液を併せ、飽和クエン酸水溶液を加え、クロロホルムから抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル2500mlに溶解し、室温で(S)−フェネチルアミン15.1gの酢酸エチル1500ml溶液を1.5時間かけて滴下した。析出した白色塩をろ過、酢酸エチルで2回洗浄後、白色塩に飽和クエン酸水溶液を加え、クロロホルムから抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンから結晶化することにより、下記第54表記載の(b)(3S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン28.1gを得た。
【0226】
参考例2
(1)イソニコチン酸クロリド塩酸塩50gの1,2−ジクロロエタン500ml溶液を0度に冷却したスラリーに対してアニリン31.4gとトリエチルアミン60gの1,2−ジクロロエタン50ml溶液を25分間以上かけてゆっくり滴下した。室温で30分攪拌した後、還流下で1.5時間攪拌した。反応液に水100mlを加えて0℃までゆっくりと冷却した。生成した沈殿をろ取、減圧乾燥後、ジエチルエーテルで洗浄して、減圧下に乾燥することにより、下記第55表記載のN−フェニルイソニコチン酸アミド45gを得た。
【0227】
(2)上記(1)で得られた化合物32gのテトラヒドロフラン640ml溶液を−78度に冷却し、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)13mlを滴下して0.5時間攪拌した。反応溶液を0℃までゆっくりと昇温して1.5時間攪拌した。再度−78℃に冷却した後、ヨウ素40gのテトラヒドロフラン120ml溶液を滴下して、3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと水を加えて分液し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して、得られた残渣をジクロロメタンとジイソプロピルエーテルの混合溶媒でトリチレートすることにより、下記第55表記載のN−フェニル−3−ヨードイソニコチン酸アミド31gを得た。
【0228】
(3)上記(2)で得られた化合物25gに約25%の塩酸水溶液200mlを加え、加熱還流下に16時間攪拌した。反応液を0℃まで冷却し、生成した沈殿物をろ取した。ろ取したものを少量の水で洗浄することにより、下記第55表記載の3−ヨードイソニコチン酸 塩酸塩14.5gを得た。
【0229】
(4)上記(3)で得られた化合物14.5gの酢酸エチル125ml溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを1滴、ついで塩化チオニル9.3gを加え、加熱還流下に1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、メタノール100mlを加え、加熱還流下に2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をジエチルエーテルでトリチレート、減圧下に乾燥することにより、下記第55表記載の3−ヨードイソニコチン酸メチル13.2gを得た。
【0230】
(5)上記(4)で得られた化合物13.2g、および対応原料化合物を用いて、参考例1(2)と同様に処理することにより、下記第55表記載の3−(4−フルオロフェニル)イソニコチン酸メチル7.7gを得た。
【0231】
(6)上記(5)で得られた化合物7.0g、および対応原料化合物を用いて、参考例1(3)と同様に処理することにより、下記第55表記載のシス−1−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−フルオロフェニル)−4−メトキシカルボニルピペリジン6.5gを得た。
【0232】
(7)上記(6)で得られた化合物6g、および対応原料化合物を用いて、参考例1(4)と同様に処理することにより、下記第56表記載のシス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロフェニル)ピペリジン、およびトランス−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(シス体:トランス体=54:46)の混合物5.8gを得た。
【0233】
参考例3
(1)参考例2(4)で得られた化合物、および対応原料化合物を用いて、参考例2(5)と同様に処理することにより、下記第56表記載の3−(2,4−ジフルオロフェニル)イソニコチン酸メチルを得た。
【0234】
(2)上記(1)で得られた化合物、および対応原料化合物を用いて、参考例2(6)と同様に処理することにより、下記第56表記載のシス−1−tert−ブトキシカルボニル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシカルボニルピペリジンを得た。
【0235】
(3)上記(2)で得られた化合物を用いて、参考例1(4)と同様に処理することにより、下記第56表記載の(a)(3S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン、および(b)(3R,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジンを得た。
【0236】
参考例4
(1)3,5−ビストリフルオロメチルアセトフェノン12.8gのテトラヒドロフラン200ml溶液に、−20℃にてメチルマグネシウムの3Mテトラヒドロフラン溶液25mlを滴下し、2時間攪拌した。反応液に塩化アンモニウムおよび酢酸エチルを加えて減圧濃縮し、−20℃にてトリメチルシリルシアニド27ml、および濃硫酸16mlを加え、3時間攪拌した。氷中に反応液を落とし、1M水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、クロロホルムで抽出、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50)で精製することにより、下記第57表記載のN−{1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−メチル−エチル}−N−メチルホルムアミド5.47gを得た。
【0237】
(2)上記(1)で得られた化合物5.47gのN,N−ジメチルホルムアミド150ml溶液に、窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(60% in oil)800mgを加え、1時間10分間攪拌後、ヨウ化メチル7.1gを加え、3時間45分間攪拌し、減圧濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=85:15→60:40)で精製することにより、下記第57表記載のN−{1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−メチル−エチル}−N−メチルホルムアミドを得た。
【0238】
(3)上記(2)で得られた化合物のエタノール50ml溶液に、室温で臭化水素の47%水溶液を加え、一終夜攪拌後、60℃に昇温し、二日間攪拌した。氷を入れた炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を落とし、クロロホルムで抽出、減圧濃縮した。得られた残渣にジクロロメタンを加え、不溶物を炉去、減圧濃縮することにより、下記第57表記載のN−{1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−メチル−エチル}−N−メチルアミン3.00gを得た。
【0239】
参考例5
(3S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン2.02gの酢酸エチル9ml溶液に塩酸の4M酢酸エチル溶液27mlを加えて室温で1.5時間攪拌した後、減圧濃縮した。残渣に水を加え、水層を炭酸ナトリウム水溶液で塩基性にし、析出した固体をろ取した。得られた個体の水25ml、テトラヒドロフラン25ml溶液に炭酸ナトリウム1.9gとベンジルクロロホルメート1.12gを加え、室温で16時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル、水、飽和クエン酸水溶液を加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=19:1で精製することにより、下記第57表記載の(3S,4S)−1−ベンジロキシカルボニル−4−カルボキシル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン1.11gを得た。
【0240】
参考例6
イソニペコチン酸エチルエステル4.8gのジクロロメタン30ml溶液にプロピオン酸クロリド3.5mlとトリエチルアミン5.6mlを0℃で加えて2時間攪拌した。反応液を重炭酸ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて分液した。有機層を塩酸、食塩水で順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣にメタノール30mlと2M水酸化ナトリウム水溶液30mlを加えて室温で16時間攪拌した。反応液からメタノールを減圧留去して得た水層をエーテル洗浄し、水層を塩酸とクエン酸で弱酸性にした。水層をクロロホルムで2回抽出、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルから結晶化することにより、下記第57表記載の1−プロピオニルピペリジン−4−カルボン酸2.5gを得た。
【0241】
参考例7
対応原料化合物を用いて、参考例6と同様に処理することにより、下記第57表記載の1−イソブチロイルピペリジン−4−カルボン酸を得た。
【0242】
参考例8
2−ブロモ−2‐メチルプロピオン酸500mgの1−プロパノール1.5ml溶液にモルホリン600mgとトリエチルアミン0.55mlを加えて加熱還流下で16時間攪拌した。室温に戻した後、10M水酸化ナトリウム水溶液0.3mlを加えて減圧濃縮した。得られた残渣をトルエン共沸させた後、真空乾燥した。得られた残渣に1−プロパノールを加えてトリチレートすることにより、下記第57表記載の2−メチル−2−(4−モリホリニル)プロピオン酸ナトリウム塩380mgを得た。
【0243】
参考例9
(1)トリメチルアルミニウムの2Mヘキサン溶液60mlのトルエン100ml溶液に0℃で4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン10.2gのトルエン40ml溶液を滴下し、30分間攪拌した。反応液に水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15→75:25)で精製することにより、下記第58表記載のトランス−4−エトキシカルボニル−1−メチルシクロヘキサノール3.43gを得た。
【0244】
(2)上記(1)で得られた化合物2.24gのエタノール24ml溶液に水酸化ナトリウム580mgおよび水12mlを加え、室温で一終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、2M塩酸水溶液で酸性とし、クロロホルムから3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、下記第58表記載のトランス−4−カルボキシル−1−メチルシクロヘキサノール1.65gを得た。
【0245】
参考例10
シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸モノメチルエステル800mgのN,N−ジメチルホルムアルデヒド5ml溶液に1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩3.84gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール3.06g、および50%ジメチルアミン水溶液1.5mlを加えて室温で16時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと食塩水を加えて分液した。有機層を重炭酸ナトリウム水溶液で2回洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣680mgにメタノール10mlと2M水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて室温で16時間攪拌した。2M塩酸水溶液で中和し、メタノールを減圧留去した。水層をクロロホルムで2回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣を真空で乾燥することにより、下記第58表記載の4−ジメチルカルバモイルシクロヘキサンカルボン酸430mgを得た。
【0246】
参考例11
2−クロロエタンスルフォニルクロリド2gのジクロロメタン20ml溶液にピロリジン4mlとトリエチルアミン4mlを加えて0℃で1時間攪拌した。反応液にクロロホルムと1M塩酸水溶液を加えて分液した。有機層を水洗、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製することにより、下記第58表記載の1−エテンスルフォニルピロリジン580mgを得た。
【0247】
参考例12
(1)3,5−ビストリフルオロメチルブロモベンゼン9gのテトラヒドロフラン90ml溶液を、マグネシウム紛800mgとヨウ素20mgのテトラヒドロフラン10ml溶液に加熱還流下で滴下し、2時間攪拌した。反応液を−78℃に冷却してプロピオニルアルデヒド3gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下後、2時間攪拌した。室温まで冷却した後、塩化アンモン水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。有機層を食塩水で洗浄、乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=80:20)で精製することにより、下記第58表記載の1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−プロパノール5.3gを得た。
【0248】
(2)上記(1)で得られた化合物5.3gとトリエチルアミン3mlのジクロロメタン100ml溶液にメタンスルホン酸クロリド1.6mlを0℃で加え、3時間攪拌した。反応液に水とクロロホルムを加えて分液した。水層をクロロホルムで再抽出し、併せた有機層を乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=80:20)で精製することにより、下記第58表記載のメタンスルホン酸1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−プロピルエステル4.3gを得た。
【0249】
(3)上記(2)で得られた化合物3.5gのアセトニトリル100ml溶液にアジ化ナトリウム1.3gを加え、加熱還流下で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮した後、水と酢酸エチルを加えて分液した。有機層を乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより、下記第58表記載の1−(1−アジドプロピル)−3,5−ビストリフルオロメチルベンゼン2.3gを得た。
【0250】
(4)上記(3)で得られた化合物2.2gとパラジム炭素200mgのメタノール40ml溶液を約1気圧の水素雰囲気下で8時間攪拌した。反応液から触媒をろ去した後、減圧濃縮することにより、下記第58表記載の1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)プロピルアミン2gを得た。
【0251】
参考例13
対応原料化合物を用いて、参考例12と同様に処理することにより、下記第59表記載の化合物を得た。
【0252】
【表1】

【0253】
【表2】

【0254】
【表3】

【0255】
【表4】

【0256】
【表5】

【0257】
【表6】

【0258】
【表7】

【0259】
【表8】

【0260】
【表9】

【0261】
【表10】

【0262】
【表11】

【0263】
【表12】

【0264】
【表13】

【0265】
【表14】

【0266】
【表15】

【0267】
【表16】

【0268】
【表17】

【0269】
【表18】

【0270】
【表19】

【0271】
【表20】

【0272】
【表21】

【0273】
【表22】

【0274】
【表23】

【0275】
【表24】

【0276】
【表25】

【0277】
【表26】

【0278】
【表27】

【0279】
【表28】

【0280】
【表29】

【0281】
【表30】

【0282】
【表31】

【0283】
【表32】

【0284】
【表33】

【0285】
【表34】

【0286】
【表35】

【0287】
【表36】

【0288】
【表37】

【0289】
【表38】

【0290】
【表39】

【0291】
【表40】

【0292】
【表41】

【0293】
【表42】

【0294】
【表43】

【0295】
【表44】

【0296】
【表45】

【0297】
【表46】

【0298】
【表47】

【0299】
【表48】

【0300】
【表49】

【0301】
【表50】

【0302】
【表51】

【0303】
【表52】

【0304】
【表53】

【0305】
【表54】

【0306】
【表55】

【0307】
【表56】

【0308】
【表57】

【0309】
【表58】

【0310】
【表59】

【産業上の利用可能性】
【0311】
本発明の化合物は、優れたタキキニン受容体拮抗作用を有する。また、本発明の化合物は、安全性が高く、また吸収性、脳内移行性、代謝安定性、血中濃度、持続性等の点で優れ、このため優れた薬効を奏する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式〔I〕
【化1】

(式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
は水素原子またはアミノ基の置換基を表す。
は水素原子、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有しているカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
Zは酸素原子または−N(R)−で示される基を表す。
は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
4a及びR4bは、同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、または末端で互いに結合してアルキレン基を形成している基を表す。)
で示されるピペリジン化合物またはその薬理的に許容しうる塩。
【請求項2】
が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有しているカルボニル基、置換基を有しているスルフィニル基、置換基を有しているスルホニル基または置換基を有していてもよい複素環式基である請求項1記載の化合物またはその薬理的に許容しうる塩。
【請求項3】
環Aが、式:
【化2】

で示されるベンゼン環であり、環Bが、式:
【化3】

で示されるベンゼン環であり、
が水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基であり、
が水素原子またはハロゲン原子であり、
が水素原子であり、
がトリハロゲノアルキル基、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、
が水素原子、トリハロゲノアルキル基、アルキル基、またはハロゲン原子であり、
が水素原子またはハロゲン原子であり、
が水素原子;アルキル基部分が水酸基で置換していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、モルホリノカルボニル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、アルキルイミダゾリル基、アルキルピラゾリニル基、シアノ基、カルボキシル基、ピロリジニルスルホニル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、オキサジアゾリル基、ジアルキルイソオキサゾリル基、アルキル基で置換されていてもよいオキソピリジル基もしくはアルカノイルアミノ基で置換されていてもよいアルキル基;トリハロゲノアルキル基;水酸基、アルキレンジオキシ基もしくはオキソ基で置換されていてもよいシクロアルキル基;水酸基、アルカノイル基、アルキルスルホニル基、オキソピロリジニル基、アルキル基及びオキソ基で置換されているピロリジニル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基もしくはアミノ基で置換されているアルカノイル基;水酸基で置換されていてもよいアルコキシカルボニル基;テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が1〜2個置換されていてもよいジアルキルアミノカルボニル基;アルカノイル基、水酸基、オキソ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ピリミジニル基もしくはアルキル基で1〜2個置換されているピペリジニルカルボニル基;オキソ基、アルキル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されているピペラジノカルボニル基;モルホリノカルボニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換されていてもよいチオモルホリノカルボニル基;ヒドロキシアルキル基もしくは水酸基で置換されているピロリジニルカルボニル基;水酸基、アルキル基、オキソ基、アルコキシカルボニル基もしくはオキソピロリジニル基で1〜2個置換されているシクロアルキルカルボニル基;アルキル基もしくはオキソ基で置換されていてもよいオキソピロリジニルカルボニル基;テトラヒドロピラニルカルボニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていもよいテトラヒドロチオピラニルカルボニル基;オキソ基もしくはシアノ基で置換されているピリジルカルボニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているアゼチジニルカルボニル基;アルキルスルフィニル基;アルキルスルホニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているピぺリジニル基;テトラヒドロピラニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていてもよいテトラヒドロチオピラニル基;ジアルキルジオキサニル基;ジオキソチオモルホリノ基;オキソ基でジ置換されていてもよいモルホリノ基;オキソピロリジニル基;アルキル基で置換されていてもよいジオキソピロリジニル基;水酸基で置換されていてもよいアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、トリハロゲノアルキル基および水酸基で置換されているシクロアルキル基から選ばれる基で置換されているアゼチジニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換しているチエタニル基;ピラジニル基;ピリミジニル基;オキソオキサゾリジニル基;またはジアルキルアミノカルボニル基、水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基、アミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基およびモルホリノカルボニル基から選ばれる基で置換されているピリジル基であり、
が水素原子、
Zが−N(R)−で示される基であり、
がアルキル基であり、
4aが水素原子またはアルキル基であり、
4bが水素原子またはアルキル基である請求項1記載の化合物またはその薬理的に許容しうる塩。
【請求項4】
が水素原子またはアルキル基であり、
がハロゲン原子であり、
がトリハロゲノメチル基であり、
がトリハロゲノメチル基であり、
が水素原子であり、
がアルキル基で置換されていてもよいオキソピリジル基、ジアルキルアミノカルボニル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されているアルキル基;水酸基で置換されているアルカノイル基;水酸基で置換されているアルコキシカルボニル基;水酸基でアルキル基部分が置換されていてもよいアルキルアミノカルボニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているピペリジニルカルボニル基;アルカノイル基で置換されているピペラジノカルボニル基;水酸基およびアルキル基で置換されているシクロアルキルカルボニル基;テトラヒドロピラニルカルボニル基;アルコキシカルボニル基もしくはアルキルスルホニル基で置換されているアゼチジニルカルボニル基;アルカノイル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されているピペリジニル基;テトラヒドロピラニル基;硫黄原子がオキソ基でジ置換されていてもよいテトラヒドロチオピラニル基;ジオキソチオモルホリノ基;オキソピロリジニル基;ジオキソピロリジニル基;アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基もしくはジアルキルアミノカルボニル基で置換されているアゼチジニル基;硫黄原子がオキソ基で1〜2個置換しているチエタニル基;またはオキソオキサゾリジニル基である化合物である請求項3記載の化合物またはその薬理的に許容しうる塩。
【請求項5】
以下の(A)〜(BD)の中から選ばれる化合物またはその薬理的に許容しうる塩。
(A)(3S,4S)−1−(アセチルピペリジン−4−イル)カルボニル−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(B)(3S,4S)−1−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(C)(3S,4S)−1−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(D)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチリル)ピペリジン、
(E)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{3−(S)−ヒドロキシブチリル}ピペリジン、
(F)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{3−(S)−ヒドロキシブチリル}ピペリジン、
(G)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(H)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(I)(3S,4S)−1−(1−プロピオニルピペリジン−3−イル)カルボニル−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(J)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−3−イル)ピペリジン、
(K)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−3−イル)ピペリジン、
(L)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−ヒドロキシアセチルピペリジン、
(M)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ピペリジン、
(N)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{2−(R)−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル}ピペリジン、
(O)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{2−(S)−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル}ピペリジン、
(P)(3S,4S)−1−(4−アセチルピペラジノカルボニル)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(Q)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)ピペリジン、
(R)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)ピペリジン、
(S)(3S,4S)−1−(1−アセチルアゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(T)(3S,4S)−1−(1−アセチルアゼチジン−3−イル)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(U)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−プロピオニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(V)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−プロピオニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(W)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(X)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(Y)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メタンスルホニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(Z)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メタンスルホニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(AA)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−ジメチルアミノカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(AB)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−ジメチルアミノカルボニルアゼチジン−3−イル)ピペリジン、
(AC)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキソチエタン−3−イル)ピペリジン、
(AD)(3S,4S)−4−{N−(R)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1,1−ジオキソチエタン−3−イル)ピペリジン、
(AE)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1,1−ジオキソチエタン−3−イル)ピペリジン、
(AF)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロチオピラン−4−イル)ピペリジン、
(AG)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)ピペリジン、
(AH)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)ピペリジン、
(AI)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキシピリジン−4−イル)メチルピペリジン、
(AJ)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−オキシピリジン−4−イル)メチルピペリジン、
(AK)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−メチル−1−オキシピリジン−5−イル)メチルピペリジン、
(AL)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジン、
(AM)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−オキソ−オキゾリジン−3−イル)ピペリジン、
(AN)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2,4−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AO)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(2,4−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AP)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AQ)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AR)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(トランス−4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)ピペリジン、
(AS)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(トランス−4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)ピペリジン、
(AT)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イルカルボニル)ピペリジン、
(AU)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イルカルボニル)ピペリジン、
(AV)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−エチルアミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AW)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メチルエチルアミノカルボニル)ピペリジン、
(AX)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチロキシカルボニル)ピペリジン、
(AY)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−ジメチルアミノカルボニルメチル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(AZ)(3S,4S)−4−{N−(S)−2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−1−ジメチルアミノカルボニルエチル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピペリジン、
(BA)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(1−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)ピペリジン、
(BB)(3S,4S)−4−{N−1−(R)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{1−(2−メチルプロピオニル)ピペリジン−4−イルカルボニル}ピペリジン、
(BC)(3S,4S)−4−{N−1−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニルピペリジン、および
(BD)(3S,4S)−4−{N−(S)−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)エチル−N−メチル}アミノカルボニル−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1−{(R)−1−メトキシカルボニルエチル}ピペリジン。
【請求項6】
一般式〔II〕
【化4】

(式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
は水素原子またはアミノ基の置換基を表す。
は水素原子、置換基を有していてもよい水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有しているカルボニル基またはハロゲン原子を表す。)
で示される化合物と一般式〔III〕
【化5】

(式中、環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
Zは酸素原子または−(NR)−で示される基を表す。
は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
4a及びR4bは、同一または異なって、水素原子もしくは置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、または末端で互いに結合してアルキレン基を形成している基を表す。)
で示される化合物とを縮合剤の存在下反応させ、次いで所望により薬理的に許容し得る塩とすることを特徴とする一般式〔I〕
【化6】

(式中、環A、環B、R、R、Z、R4aおよびR4bは前記と同一意味を有する。)
で示されるピペリジン化合物またはその薬理的に許容し得る塩の製法。

【公開番号】特開2006−45208(P2006−45208A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193232(P2005−193232)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000002956)田辺製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】