説明

ピペリジン誘導体、それらの製造法、治療剤としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬組成物

本発明は、式(I):
【化1】


〔式中、可変基は明細書に定義されている〕の化合物;このような化合物の製造法;およびケモカイン(例えばCCR3)介在疾患状態の処置におけるこのような化合物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性を有する新規N−ベンジル−ピペリジン誘導体、そのような誘導体の製造方法、そのような誘導体を含む医薬組成物および活性治療剤としてのそのような誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬学的に活性なN−ベンジル−ピペリジン誘導体は、WO01/14333に開示されている。2−(ベンゾチアゾリルチオ)アセトアミドはCCR3選択的アンタゴニストとして開示されている(Chem. Pharm. Bull. (2003) 51(6) 697-701)。
【0003】
本発明の化合物は、活性CCR3アンタゴニストであり、それらの内因性クリアランスにより示される通り高レベルの代謝安定性を有するため、有利である。薬学的活性成分の内因性クリアランスは、該活性成分が、哺乳動物身体からどれだけ急速に除かれるかの予測であり、すなわち、一定単位の時間内に身体から除かれる(または代謝される)であろう活性成分の量の予測因子である。
【0004】
ケモカインは、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球および好中球を炎症部位に誘引するために広範囲の細胞で放出される走化性サイトカインであり、免疫系細胞の成熟にも役割を有する。ケモカインは、喘息およびアレルギー性疾患を含む種々の疾患および障害における免疫および炎症性応答、ならびにリウマチ性関節炎およびアテローム性動脈硬化症のような自己免疫性病因において重要な役割を有する。これらの小分泌性分子は、保存された4システインモチーフにより特徴付けられる、増え続けている8−14kDaタンパク質のスーパーファミリーである。ケモカインスーパーファミリーは、特徴的構造モチーフを示す2つの大きな群、Cys−X−Cys(C−X−C、またはα)およびCys−Cys(C−C、またはβ)ファミリーに分割できる。これらは、システイン残基のNH−近位間の一アミノ酸挿入および配列類似性に基づき区別される。
【0005】
C−X−Cケモカインは、インターロイキン−8(IL−8)および好中球活性化ペプチド2(NAP−2)のような、数種の好中球の強力な化学誘引物質およびアクティベーターを含む。
【0006】
C−Cケモカインは、ヒト単球走化性タンパク質1−3(MCP−1、MCP−2およびMCP−3)、RANTES(Regulated on Activation, Normal T Expressed and Secreted)、エオタキシンおよびマクロファージ炎症性タンパク質1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)のような、好中球ではなく、単球およびリンパ球の強力な化学誘引物質を含む。
【0007】
ケモカインの作用は、Gタンパク質共役受容体のサブファミリーが仲介し、とりわけ、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3およびCXCR4と命名されている受容体であることを証明する研究がある。これらの受容体は、これらの受容体を調節する医薬が、上記のような障害および疾患の処置に有用であるため、医薬開発の良好な標的を表す。
【0008】
ウイルス感染は、肺炎症を起こすことが知られている。一般的な風邪が、気道におけるエオタキシンの粘膜算出を増加させることが実験的に示されている。エオタキシンの鼻への点滴は、一般的な風邪の徴候および症状のいくつかを模倣できる。(Greiff L et al Allergy (1999) 54(11) 1204-8 [Experimental common cold increase mucosal output of eotaxin in atopic individuals] and Kawaguchi M et al Int. Arch. Allergy Immunol. (2000) 122 S1 44 [Expression of eotaxin by normal airway epithelial cells after virus A infection]参照。)
【発明の開示】
【0009】
本発明は、式(I):
【化1】

〔式中:
Arはフェニルまたはナフチルであり、このいずれも所望によりクロロ、フルオロ、メチルまたはCFで置換されていてよく;
Arはフェニル、ナフチル、イミダゾリル、ピラジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、5−フェニルアミノ−1,3,4−オキサジアゾリル、ジヒドロキナゾリニル、3−ピリジニル−1,2,4−オキサジアゾリル、ピリダジニルまたはキノキサリニルであり;
ここで、ArはCOR'またはテトラゾリルにより置換されており;
そしてArは、所望により、さらに、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、S(O)(C1−6アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1−6アルキル)、S(O)N(C1−6アルキル)、NH、NH(C1−6アルキル)、N(C1−6アルキル)、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1−6アルキル)、C(O)N(C1−6アルキル)、COH、CO(C1−6アルキル)、NHC(O)(C1−6アルキル)、NHS(O)(C1−6アルキル)、C(O)(C1−6アルキル)、CFまたはOCFの1個以上で置換されていてよく;ここで、アルキルまたはアルコキシ基は、所望によりNRで置換されていてよく;
およびRは、独立して水素またはC1−4アルキルまたはそれらが結合している窒素と一体となって環(例えばアゼピン、ピロリジン、ピペリジン、モホピペリジン、モルホリンまたはピペラジン)を形成し、後者は、所望により、遠位窒素上をC1−4アルキルで置換されていてよく;
R'は水素、C1−6アルキルまたはフェニル(C1−4アルキル)であり;ここで、フェニルは、所望によりハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、C(O)N(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CFまたはOCFで置換されていてよいか;
またはCOR'は(CO)p+であり、ここで、Rp+は1価カチオン(例えばアルカリ金属カチオン)であるか、または2個のカルボキシレートが配位結合して2価カチオン(例えばアルカリ土類金属カチオン)となり得るか;
またはテトラゾリルは(テトラゾリルg−)Rg+であり、ここで、Rg+は1価カチオン(例えばアルカリ金属カチオン)であるか、または2個のテトラゾールが配位結合して2価カチオン(例えばアルカリ土類金属カチオン)となり得て;そして
rおよびtは、独立して、0、1または2である。
ただし、Arが3,4−ジフルオロフェニルであるならば、Arは2−(COCH)フェニルではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
ある種の本発明の化合物は、異なる異性体形で存在できる(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体または互変異性体)。本発明は、全てのこのような異性体および全ての比率のこれらの混合物を包含する。
本発明の化合物は、双性イオン性であり得て、すべてのこのような双性イオンは本発明の範囲内である。
【0011】
適当な塩は、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、二酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩を含む。
【0012】
アルカリ金属カチオンは、例えばナトリウムまたはカリウムであり、アルカリ土類金属カチオンは、例えば、マグネシウムまたはカルシウムである。
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば水和物)として存在でき、本発明は全てのこのような溶媒和物を包含する。
【0013】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。ハロゲンは、例えば、フッ素または塩素である。
アルキルは直鎖または分枝鎖であり、例えば、メチル、エチル、−プロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルである。
【0014】
一つの特定の局面において、本発明は、Arがフェニルまたはナフチルであり、このいずれも所望によりクロロ、フルオロ、メチルまたはCFで置換されていてよく;Arがフェニル、ナフチル、イミダゾリル、ピラジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、5−フェニルアミノ−1,3,4−オキサジアゾリル、ジヒドロキナゾリニルまたは3−ピリジニル−1,2,4−オキサジアゾリルであり;ここで、ArがCOR'またはテトラゾリルにより置換されており;そしてArが、所望により、さらに、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、S(O)(C1−6アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1−6アルキル)、S(O)N(C1−6アルキル)、NH、NH(C1−6アルキル)、N(C1−6アルキル)、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1−6アルキル)、C(O)N(C1−6アルキル)、COH、CO(C1−6アルキル)、NHC(O)(C1−6アルキル)、NHS(O)(C1−6アルキル)、C(O)(C1−6アルキル)、CFまたはOCFの1個以上で置換されていてよく;ここで、アルキルまたはアルコキシ基が、所望によりNRで置換されていてよく;RおよびRが、独立して水素またはC1−4アルキルまたはそれらが結合している窒素と一体となって環を形成し(例えばアゼピン、ピロリジン、ピペリジン、モホピペリジン、モルホリンまたはピペラジン)、後者は、所望により、遠位窒素上をC1−4アルキルで置換されていてよく;R'が水素、C1−6アルキルまたはフェニル(C1−4アルキル)であり;ここで、フェニルは、所望によりハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、C(O)N(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CFまたはOCFで置換されていてよく;またはCOR'が(CO)p+であり、ここで、Rp+が1価カチオン(例えばアルカリ金属カチオン)または2個のカルボキシレートが配位結合して2価カチオン(例えばアルカリ土類金属カチオン)となり得て;またはテトラゾリルが(テトラゾリルg−)Rg+であり、ここで、Rg+が1価カチオン(例えばアルカリ金属カチオン)であるか、または2個のテトラゾールが配位結合して2価カチオン(例えばアルカリ土類金属カチオン)となり得て;そして、rおよびtが、独立して、0、1または2である、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する;ただし、Arが3,4−ジフルオロフェニルであるならば、Arは2−(COCH)フェニルではない。
【0015】
さらなる局面において、本発明は、Arが、(例えば1個、2個または3個の同一または異なって)フッ素、塩素またはメチルで所望により置換されていてよい式(I)の化合物を提供する。
【0016】
他の局面において、本発明は、Arがフッ素、塩素およびメチルから独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されているフェニルである、化合物を提供する。
【0017】
さらに他の局面において、本発明は、Arが、塩素、メチルおよびCFから独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されているフェニルである、式(I)の化合物を提供する。
【0018】
さらなる局面において、本発明は、Arが、例えば、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−メチル−4−クロロフェニル、2−メチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロ−3−メチルフェニルまたは3,4−ジクロロ−2−メチルフェニルである、式(I)の化合物を提供する。Arのさらなる例は、3−メチル−4−クロロフェニルおよび3−CF−4−クロロフェニルである。
【0019】
さらに別の局面において、本発明は、Arが3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロ−2−メチルフェニル、3−メチル−4−クロロフェニルまたは3−CF−4−クロロフェニルである式(I)の化合物を提供する。
【0020】
他の局面において、本発明は、Ar(これは、例えば、フェニルまたはピリジニルである)が、COR'により置換され、そして、所望によりさらに上記の置換基の1個以上で置換されていてよい、式(I)の化合物を提供する。
【0021】
さらに別の局面において、本発明は、Arが上記の通りに置換されているフェニルまたはピリジニル(例えばピリジン−2−イル)である式(I)の化合物を提供する。他の局面において、Arが上記の通りに置換されているフェニルである。さらに他の局面において、Arが上記の通りに置換されているピリジニル(例えばピリジン−2−イル)である。
【0022】
さらなる局面において、本発明は、Ar(これは、例えば、フェニルまたはピリジニルである)がCOR'またはテトラゾリル(ここで、R'は水素またはC1−4アルキルである)により置換され、そして、所望によりさらにハロゲン、ヒドロキシル、C1−4アルキル、CF、C1−4アルコキシ、S(O)NH、NHまたはCH(モルホリン−4−イル)で置換されていてよい式(I)の化合物を提供する。
【0023】
さらに別の局面において、本発明は、Ar(これは、例えば、フェニルまたはピリジニルである)がCOHにより置換され、そして、所望によりさらにハロゲン(例えばフルオロまたはクロロ)、C1−4アルキル(例えばメチル)、CFまたはNHで置換されていてよい式(I)の化合物を提供する。
【0024】
他の局面において、本発明は、Arが4位をCOR'(例えばR'は水素である)で置換され、そして、所望によりさらに上記の通りに置換されていてよいフェニルである、式(I)の化合物を提供する。
本発明の化合物は、以下の通りまたは文献に記載の方法の適合により製造できる(例えばWO01/14333)。
【0025】
式(I)の化合物は、式(II):
【化2】

〔式中、Lは脱離基(例えばハロゲン、例えばクロロ)である。〕
の化合物と、化合物ArSHを、適当な塩基(例えば酢酸ナトリウム)の存在下、適当な溶媒(例えば脂肪族アルコール、例えばエタノール)中、適当な温度(例えば50−120℃、例えば還流)で反応させることにより製造できる。
【0026】
あるいは、COR'がエステルである式(I)の化合物を、式(III):
【化3】

〔式中、Mはアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、リチウムまたはカリウム)である。〕
の化合物と、ArX(ここで、Xは脱離基(例えばハロゲン、例えばクロロまたはフルオロ)である)を、DMFのような溶媒中、適当な温度(例えば0−150℃)で反応させることにより製造できる。
【0027】
あるいは、COR'がエステルである式(I)の化合物を、式(IV):
【化4】

の化合物と式(V):
【化5】

の化合物を、適当なカップリング剤(例えばHATU)の存在下、適当な塩基(例えば3級アミン、例えばヒューニッヒ塩基)の存在下、適当な溶媒(例えばN−メチルピロリジノン)中、−10から30℃の範囲の温度で反応させることにより製造できる。
【0028】
あるいは、COR'がエステルである式(I)の化合物を、式(IV)の化合物と、式(VI):
【化6】

の化合物を、適当な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、適当な溶媒(例えばジクロロメタン)中、−78から20℃の範囲の温度で反応させることにより製造できる。
【0029】
あるいは、COR'がエステルである式(I)の化合物を、式(VII):
【化7】

の化合物とArCHOを、適当な還元剤(例えばナトリウムトリアセトキシボロハイドライド)の存在下、適当な溶媒、例えばTHF中で反応させることにより製造できる。
【0030】
あるいは、COR'がエステルである式(I)の化合物を、式(VI)の化合物とArCHL(ここで、Lは脱離基(例えば臭素のようなハロゲン)である)を、適当な塩基(例えばKCO)の存在下、適当な溶媒(例えばDMF)中、反応させることにより製造できる。
【0031】
式(I)の化合物について:
・ R'が水素であるとき、該化合物を、当分野で既知の標準的エステル化法によりCOR'がエステルである式(I)の化合物に変換でき;
・ COR'がエステルであるとき、該化合物を、当分野で既知の標準的エステル加水分解法によりR'が水素である式(I)の化合物に変換でき;そして
・ COR'がCOであるとき、該化合物を、R'が水素、アルキルまたはフェニルアルキルである化合物と、適当なアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物を反応させることにより、製造できる。
【0032】
このような方法は、学部在学生向け有機化学教科書(例えばAdvanced Organic Chemistry by J March, 5th edition M B Smith and J March, Wiley, 2001)に記載されている。
【0033】
Arがテトラゾールで置換されている式(I)の化合物は、Arがシアノで置換されている式(I)の化合物から、式(VIII):
【化8】

〔式中、Mはアルカリ金属またはトリアルキルシリルまたはトリアルキルスタンニルである。〕
の化合物との、適当な溶媒、例えばDMF中、恒温、例えば100℃での反応により製造できる。Mがアルカリ金属であるならば、本反応は好ましくは穏やかな酸、例えば塩化アンモニウムの存在下で進行させる。
【0034】
式(II)の化合物は、式(IV)の化合物と式(IX):
COCH (IX)
〔式中、Lは脱離基、例えばハロゲンである。〕
の化合物の、適当な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、適当な溶媒(例えばジクロロメタン)中、−78から20℃の範囲の温度での反応により製造できる。
【0035】
式(III)の化合物は、式(X):
【化9】

〔式中、R10はアルキルまたはアリール基、典型的にメチルである〕
の化合物から、求核試薬、例えばナトリウムメトキシドでの、適当な溶媒、例えばメタノール中、0から30℃の範囲の温度、例えば環境温度での処理により製造できる。
【0036】
式(X)の化合物は、式(II)の化合物と式(XI):
HSC(=O)R10 (XI)
の化合物の、塩基、例えばトリエチルアミン存在下、適当な溶媒、例えばジクロロメタン中、0から30℃の範囲の温度、例えば環境温度での反応により製造できる。
【0037】
式(VI)の化合物は、式(XII):
【化10】

の化合物と、式(V)の化合物の、適当なカップリング剤(例えばHATU)の存在下、適当な塩基(例えば3級アミン、例えばトリエチルアミン)の存在下、適当な溶媒(例えばN−メチルピロリジノン)中、−10から30℃の範囲の温度での反応により製造できる。
【0038】
あるいは、式(VI)の化合物を、式(XII)の化合物と式(VI)の化合物の、適当な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、適当な溶媒(例えばジクロロメタン)中、−78から20℃の範囲の温度での反応により製造できる。
【0039】
式(V)、(VI)、(VIII)、(IX)、(XI)および(XII)の化合物は、市販されているか、または、文献において既知であるか、または単に確立された方法に準じて製造できる。
【0040】
上記の方法において、酸基またはヒドロキシまたは他の反応性の可能性のある基を保護することが望ましいまたは必要であることがある。適当な保護基およびこのような基の添加および除去の方法の詳細は、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Edition (1999) by Greene and Wutsに見ることができる。
【0041】
他の局面において、本発明は、式(I)の化合物の製造方法を提供する。
【0042】
式(I)の化合物は、医薬としての、特にケモカイン受容体(例えばCCR3)活性のモジュレーターとしての活性を有し、そして自己免疫性、炎症性、増殖性または過増殖性疾患、または免疫学的に介在される疾患(移植臓器または組織の拒絶反応および後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む)の処置に使用し得る。
【0043】
これらの状態の例は以下である:
1. 呼吸器:以下を含む気道の閉塞性疾患:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)および粉塵誘発性喘息、間欠性および永続性の両方および全ての重症度、および気道過敏反応性の他の原因を含む喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に合併する線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症性および分泌状態と関連する慢性咳、および医原性咳の食を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪を含む急性ウイルス感染および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)またはアデノウイルスによる感染;または好酸球性食道炎;
【0044】
2. 骨および関節:骨関節症/骨関節症と関連するまたはそれらを含む、原発性および、例えば、先天的股関節異形成症に二次的な両方の関節炎(arthritides);頚部および腰部脊椎炎、および背下部および頚部痛;骨粗鬆症;リウマチ性関節炎およびスチル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎および未分化脊椎関節症(spondarthropathy)を含む血清反応陰性脊椎関節症;敗血症性関節炎および他の感染関連関節症(arthopathies)、およびポット病およびポンセ病を含む結核のような骨障害;尿酸塩痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患、およびカルシウムアパタイト関連腱、滑液包および滑膜炎症を含む急性および慢性結晶誘発滑膜炎;ベーチェット病;原発性および二次性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局型強皮症;全身性エリテマトーデス、混合型結合組織疾患、および未分化結合組織疾患;皮膚筋炎および多発性筋炎を含む炎症性ミオパシー;リウマチ性多発筋痛症;どんな関節分布であれ特発性炎症性関節炎を含む若年性関節炎、および関連する症候群、およびリウマチ熱およびその全身性合併症;巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発動脈炎、およびウイルス感染、過敏症反応、クリオグロブリン、およびパラプロテインと関連する脈管炎を含む脈管炎;背下部痛;家族性地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、および家族性アイルランド熱(Familial Hibernian Fever)、キクチ病;薬剤誘発性関節痛(arthalgias)、腱炎(tendonititides)、およびミオパシー;
【0045】
3. 傷害[例えば運動傷害]または疾患による疼痛および筋骨格障害の結合組織リモデリング:関節炎(例えばリウマチ性関節炎、骨関節症、痛風または結晶性関節症)、他の関節疾患(例えば椎間板変性または側頭下顎関節変性)、骨リモデリング疾患(例えば骨粗鬆症、ページェット病または骨壊死)、多発性軟骨炎、強皮症、混合型結合組織障害、脊椎関節症または歯周疾患(例えば歯周炎);
【0046】
4. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む薬剤誘発性障害;
【0047】
5. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;自己免疫性;網膜に影響する変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0048】
6. 胃腸管:舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性を含む食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れて作用し得る食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎または湿疹);
【0049】
7. 腹部:自己免疫性、アルコール性およびウイルス性を含む、肝炎;肝臓の線維症および硬変;胆嚢炎;急性および慢性両方の膵炎;
【0050】
8. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0051】
9. 同種移植片拒絶反応:腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜移植後または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0052】
10. CNS:アルツハイマー病およびCJDおよびnvCJDを含む他の認知症になる障害;アミロイド症;多発性硬化症および他の脱髄症候群;脳アテローム性動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節および骨疼痛、癌および腫瘍侵襲が原因の疼痛、糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連ニューロパシーを含む神経障害性疼痛症候群を含む、急性および慢性疼痛(中枢起源であれ末梢起源であれ、急性、間欠性または永続性);神経サルコイドーシス;悪性、感染性または自己免疫性過程の中枢および末梢神経系合併症;
【0053】
11. 橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群を含む他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0054】
12. 炎症性または免疫学的要素を含む他の障害;後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群、および新生物随伴症候群を含む;
【0055】
13. 心血管:冠血管および末梢循環に影響するアテローム性動脈硬化症;心膜炎;心筋炎、心筋サルコイドを含む、炎症性および自己免疫心筋症;虚血再灌流傷害;感染性(例えば梅毒性)を含む心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎;脈管炎;深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む静脈炎および血栓症を含む、近位および末梢静脈の障害;
【0056】
14. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳腫瘍、および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性物、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的な癌の処置;転移疾患および腫瘍再発、および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;または
【0057】
15. 胃腸管:セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、判定不能大腸炎、過敏性腸障害、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー、例えば、偏頭痛、鼻炎および湿疹。
【0058】
本発明のさらなる特性によって、処置を必要とする哺乳動物に、治療的有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ケモカイン介在疾患状態(例えばCCR3介在疾患状態)に罹患している、またはその危険のある哺乳動物、例えばヒトにおける該疾患状態を処置する方法が提供される。
【0059】
本発明のさらなる特性によって、処置を必要とする哺乳動物に、治療的有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、一般的に風邪と呼ばれる徴候および/または症状を有する、またはその危険のある哺乳動物、例えばヒトにおける該疾患状態を処置する方法が提供される。
【0060】
本発明はまた、治療において使用するための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0061】
他の局面において、本発明は、治療(例えばケモカイン受容体活性(例えばCCR3受容体活性)の調節、または一般的に風邪と呼ばれる徴候および/または症状の処置)に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0062】
本発明は、さらに、哺乳動物(例えばヒト)における以下の処置に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する:
1. 呼吸器:以下を含む気道の閉塞性疾患:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)および粉塵誘発性喘息、間欠性および永続性の両方および全ての重症度、および気道過敏反応性の他の原因を含む喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に合併する線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症性および分泌状態と関連する慢性咳、および医原性咳の食を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪を含む急性ウイルス感染および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)またはアデノウイルスによる感染;または好酸球性食道炎;
【0063】
2. 骨および関節:骨関節症/骨関節症と関連するまたはそれらを含む、原発性および、例えば、先天的股関節異形成症に二次的な両方の関節炎;頚部および腰部脊椎炎、および背下部および頚部痛;骨粗鬆症;リウマチ性関節炎およびスチル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎および未分化脊椎関節症を含む血清反応陰性脊椎関節症;敗血症性関節炎および他の感染関連関節症、およびポット病およびポンセ病を含む結核のような骨障害;尿酸塩痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患、およびカルシウムアパタイト関連腱、滑液包および滑膜炎症を含む急性および慢性結晶誘発滑膜炎;ベーチェット病;原発性および二次性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局型強皮症;全身性エリテマトーデス、混合型結合組織疾患、および未分化結合組織疾患;皮膚筋炎および多発性筋炎を含む炎症性ミオパシー;リウマチ性多発筋痛症;どんな関節分布であれ特発性炎症性関節炎を含む若年性関節炎、および関連する症候群、およびリウマチ熱およびその全身性合併症;巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発動脈炎、およびウイルス感染、過敏症反応、クリオグロブリン、およびパラプロテインと関連する脈管炎を含む脈管炎;背下部痛;家族性地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、および家族性アイルランド熱、キクチ病;薬剤誘発性関節痛、腱炎、およびミオパシー;
【0064】
3. 傷害[例えば運動傷害]または疾患による疼痛および筋骨格障害の結合組織リモデリング:関節炎(例えばリウマチ性関節炎、骨関節症、痛風または結晶性関節症)、他の関節疾患(例えば椎間板変性または側頭下顎関節変性)、骨リモデリング疾患(例えば骨粗鬆症、ページェット病または骨壊死)、多発性軟骨炎、強皮症、混合型結合組織障害、脊椎関節症または歯周疾患(例えば歯周炎);
【0065】
4. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む薬剤誘発性障害;
【0066】
5. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;自己免疫性;網膜に影響する変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0067】
6. 胃腸管:舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性を含む食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れて作用し得る食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎または湿疹);
【0068】
7. 腹部:自己免疫性、アルコール性およびウイルス性を含む、肝炎;肝臓の線維症および硬変;胆嚢炎;急性および慢性両方の膵炎;
【0069】
8. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0070】
9. 同種移植片拒絶反応:腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜移植後または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0071】
10. CNS:アルツハイマー病およびCJDおよびnvCJDを含む他の認知症になる障害;アミロイド症;多発性硬化症および他の脱髄症候群;脳アテローム性動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節および骨疼痛、癌および腫瘍侵襲が原因の疼痛、糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連ニューロパシーを含む神経障害性疼痛症候群を含む、急性および慢性疼痛(中枢起源であれ末梢起源であれ、急性、間欠性または永続性);神経サルコイドーシス;悪性、感染性または自己免疫性過程の中枢および末梢神経系合併症;
【0072】
11. 橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群を含む他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0073】
12. 炎症性または免疫学的要素を含む他の障害;後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群、および新生物随伴症候群を含む;
【0074】
13. 心血管:冠血管および末梢循環に影響するアテローム性動脈硬化症;心膜炎;心筋炎、心筋サルコイドを含む、炎症性および自己免疫心筋症;虚血再灌流傷害;感染性(例えば梅毒性)を含む心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎;脈管炎;深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む静脈炎および血栓症を含む、近位および末梢静脈の障害;
【0075】
14. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳腫瘍、および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性物、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的な癌の処置;転移疾患および腫瘍再発、および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;または
【0076】
15. 胃腸管:セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、判定不能大腸炎、過敏性腸障害、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー、例えば、偏頭痛、鼻炎および湿疹。
【0077】
さらなる局面において、本発明は、喘息{例えば気管支、アレルギー性、内因性、外因性または粉塵喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発型喘息または気道過敏反応性)};または鼻炎{急性、アレルギー性、萎縮性または慢性鼻炎、例えば乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎または薬物性鼻炎;クループ性、線維素性または偽膜性鼻炎または腺病性鼻炎を含む膜性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)または血管運動性鼻炎を含む季節性鼻炎を含む}の処置に使用するための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0078】
さらに別の局面において、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩は喘息の処置に有用である。
【0079】
本発明はまた、喘息{例えば気管支、アレルギー性、内因性、外因性または粉塵喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発型喘息または気道過敏反応性)};または鼻炎{急性、アレルギー性、萎縮性または慢性鼻炎、例えば乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎または薬物性鼻炎;クループ性、線維素性または偽膜性鼻炎または腺病性鼻炎を含む膜性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)または血管運動性鼻炎を含む季節性鼻炎を含む}の処置に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0080】
哺乳動物、例えばヒトの治療的処置のために本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を使用するために、該成分は、通常、標準医薬実務に従い医薬組成物に製剤される。それ故に、他の局面において、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩(活性成分)、および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0081】
さらなる局面において、本発明は、活性成分と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、該組成物の製造法を提供する。投与の方式によって、医薬組成物は、例えば、0.05から99%w(重量パーセント)、例えば0.05から80%w、例えば0.10から70%w、例えば0.10から50%wの活性成分を含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0082】
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または本発明の医薬組成物、または以下に記載の本発明の組合せは、処置を望む疾患状態に一般的な方法で投与でき、例えばそれは局所(例えば肺および/または気道にまたは皮膚に)、経口、直腸または非経腸(例えば筋肉内、静脈内または関節内)投与を介して投与できる。
【0083】
これらの目的のために、本発明の化合物を当分野で既知の手段により製剤できる。本発明の適当な医薬組成物は、単位投与形の経口投与に適するもの、例えば0.1mgから1gの活性成分を含む錠剤またはカプセルである。
【0084】
各患者は、例えば、0.01mg kg−1から100mg kg−1の用量を受け、例えば0.1mg kg−1から20mg kg−1の範囲の活性成分を、例えば、1日1〜4回投与する。
【0085】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物を含む医薬組成物または製剤を、記載の状態の1種以上の処置のための、他の1種またはそれ以上の医薬と同時にまたは連続的にまたは組合せ製剤として投与する、組合せ治療に関する。
【0086】
特に、リウマチ性関節炎、骨関節症、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、または炎症性腸疾患のような(しかしこれらに限定されない)炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物を以下の医薬と組合せ得る。
【0087】
本発明は、さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物または製剤を、記載の状態の1種以上の処置のための、他の1種またはそれ以上の医薬と同時にまたは連続的にまたは組合せ製剤として投与する、組合せ治療に関する。
【0088】
特に、リウマチ性関節炎、骨関節症、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、および炎症性腸疾患のような(しかしこれらに限定されない)炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物を以下の1種以上の治療薬と組合せ得る。
【0089】
局所的に投与するものであれ全身性に投与するものであれ非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤を含む非ステロイド性抗炎症剤(以後NSAID)(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン、例えばフェニルブタゾン、サリチレート、例えばアスピリン);選択的COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブおよびエトリコキシブ);シクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素ドナー(CINOD);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路のいずれで投与するものであれ);メトトレキサート;レフルノミド;ヒドロキシクロロキン;d−ペニシラミン;オーラノフィンまたは他の非経腸または経口金製剤;鎮痛剤;ジアセレイン;関節内治療、例えばヒアルロン酸誘導体;および栄養補助食品、例えばグルコサミン。
【0090】
アルファ−、ベータ−、またはガンマ−インターフェロン;インシュリン様増殖因子I型(IGF−1);IL1〜17を含むインターロイキン(IL)、およびインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤、例えばアナキンラ;腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばインフリキシマブ;アダリムマブ、およびCDP−870)および免疫グロブリン分子(例えばエタネルセプト)および低分子量剤、例えばペントキシフィリンを含むTNF受容体アンタゴニストを含む、サイトカイン、またはサイトカイン機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト(サイトカインシグナル伝達経路上に作用する医薬、例えばSOCS系のモジュレーターを含む)。
【0091】
B−リンパ球(例えばCD20(リツキシマブ)、MRA−aILl6RおよびT−リンパ球、CTLA4−Ig、HuMax Il−15)を標的とするモノクローナル抗体。
【0092】
ケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーについて)およびC−X−CファミリーについてCXCR1のアンタゴニスト。
【0093】
ドキシサイクリンのような医薬を含む、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、例えばストロメライシン、コラゲナーゼ、またはゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;例えばコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、ストロメライシン−3(MMP−11)、MMP−9またはMMP−12の阻害剤。
【0094】
ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、例えば;ジロートン;ABT−761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott−79175;Abbott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン;メトキシテトラヒドロピラン、例えばZeneca ZD−2138;化合物B−210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えばL−739,010;2−シアノキノリン化合物、例えばL−746,530;またはインドールまたはキノリン化合物、例えばMK−591、MK−886、またはBAY x 1005。
【0095】
フェノチアジン−3−1、例えばL−651,392;アミジノ化合物、例えばCGS−25019c;ベンゾキサルアミン、例えばオンタゾラスト;ベンゼンカルボキシミドアミド、例えばBIIL 284/260;または化合物、例えばザフィルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP 45715A)、またはBAY x 7195から成る群から選択される、ロイコトリエン(LT)B4、LTC4、LTD4、およびLTE4の受容体アンタゴニスト。
【0096】
ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;PDE4阻害剤、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、またはPDE5阻害剤を含む、選択的PDEアイソザイム阻害剤。
【0097】
経口、局所的または非経腸的に適用する、ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチン。
【0098】
プロトンポンプ阻害剤(例えばオメプラゾール)または胃保護性ヒスタミン2型受容体アンタゴニスト。
ヒスタミン4型受容体のアンタゴニスト。
【0099】
アルファ−1/アルファ−2アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経刺激剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸トラマゾリンまたは塩酸エチルノルエピネフリン。
【0100】
スカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニスト、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピンまたはテレンゼピンを含む、抗コリン剤。
【0101】
ベータ−アドレナリン受容体アゴニスト(ベータ受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロール、ピルブテロールまたはインダカテロール、またはそれらのキラルエナンチオマー。
【0102】
クロモン、例えばクロモグリク酸ナトリウムまたはネドクロミルナトリウム。
グルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロ酸モメタゾン。
【0103】
核ホルモン受容体、例えばPPARを調節する医薬。
免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはアンタゴニストまたはIg機能を調節する抗体、例えば抗IgE(例えばオマリズマブ)。
【0104】
他の全身または局所投与抗炎症剤、例えばサリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオール。
【0105】
アミノサリチレートまたはスルファピリジン、例えばスルファサラジン、メサラジン、バルサラジドまたはオルサラジン;免疫調節剤、例えばチオプリン、またはコルチコステロイド、例えばブデソニド。
【0106】
抗菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンまたはエファビレンツ。
【0107】
心血管剤、例えばカルシウムチャネルブロッカー、ベータ−アドレナリン受容体ブロッカー、アンギオテンシン−変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニスト;脂質低下剤、例えばスタチンまたはフィブラート;血液細胞形態学モジュレーター、例えばペントキシフィリン;血栓溶解、または抗凝血剤、例えば血小板凝集阻害剤。
【0108】
CNS剤、例えば抗鬱剤(例えばセルトラリン)、抗パーキンソン剤(例えばデプレニル、L−ドーパ、ロピニロール、プラミペキソール、MAOB阻害剤、例えばセレギリン(selegine)およびラサギリン、comP阻害剤、例えばタスマール、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストまたは神経型一酸化窒素合成酵素阻害剤)、または抗アルツハイマー剤、例えばドネペジル、リバスチグミン、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリホナート。
【0109】
急性または慢性疼痛を処置する医薬、例えば中枢性または末梢性に作用する鎮痛剤(例えばオピオイドまたはその誘導体)、カルバマゼピン、フェニトイン、バロプロ酸ナトリウム、アミトリプチリン(amitryptiline)または他の抗鬱剤、パラセタモール、または非ステロイド性抗炎症剤。
【0110】
非経腸的または局所的に適用する(吸入を含む)局所麻酔剤、例えばリグノカインまたはその誘導体。
ホルモン剤、例えばラロキシフェン、またはビホスホネート、例えばアレンドロネートを含む抗骨粗鬆症。
【0111】
(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)キナーゼ阻害剤、例えばチロシンキナーゼ(例えばBtk、Itk、Jak3またはMAP、例えばゲフィチニブまたはメシル酸イマチニブ)、セリン/スレオニンキナーゼ(例えばMAPキナーゼ、例えばp38、JNK、タンパク質キナーゼA、BまたはC、またはIKKの阻害剤)、または細胞サイクル制御に関与するキナーゼ(例えばサイクリン依存性キナーゼ)の阻害剤;(viii)グルコース−6ホスフェートデヒドロゲナーゼ阻害剤;(ix)キニン−B.sub1.−またはB.sub2.−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風剤、例えばコルヒチン;(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノール;(xii)尿酸排泄促進剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンまたはベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進物質;(xiv)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(xv)血小板由来増殖因子(PDGF);(xvi)線維芽細胞増殖因子、例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)タキキニンNK.sub1.またはNK.sub3.受容体アンタゴニスト、例えばNKP−608C、SB−233412(タルネタント)またはD−4418;(xx)エラスターゼ阻害剤、例えばUT−77またはZD−0892;(xxi)TNF−アルファ変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤;(xxiii)TH2細胞上に発現される化学誘引物質受容体相同分子(例えばCRTH2アンタゴニスト);(xxiv)P38阻害剤;(xxv)トール様受容体(TLR)の機能を調節する医薬、(xxvi)プリン受容体の活性を調節する医薬、例えばP2X7;(xxvii)転写因子活性化阻害剤、例えばNFkB、API、またはSTATS;または(xxviii)グルココルチコイド受容体モジュレーター(例えばアゴニスト、例えば非ステロイド性アゴニスト):である医薬。
【0112】
癌の治療剤、例えば:
(i)内科的腫瘍学において使用される抗増殖性/抗新生物剤またはそれらの組合せ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンまたはニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン様5−フルオロウラシルまたはテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンまたはパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンまたはミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンまたはビノレルビン、またはタキソイド、例えばタキソールまたはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカンまたはカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンまたはヨードキシフェン)、エストロゲン受容体下方制御剤(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドまたは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンまたはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールまたはエキセメスタンとして)または5α−レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii)癌細胞侵襲を阻害する医薬(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤またはウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば:増殖因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツマブ、または抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、上皮細胞増殖因子ファミリー阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)または6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来増殖因子ファミリー阻害剤、または肝細胞増殖因子ファミリー阻害剤;
(v)抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の効果を阻害する医薬(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856またはWO98/13354に記載の化合物)、または他の機構で作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤またはアンジオスタチン);
(vi)血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4、またはWO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434またはWO02/08213に開示の化合物;
(vii)アンチセンス治療に使用される医薬、例えば上記の標的の一つに指向しる医薬、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(viii)遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2の置換のためのアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するようなGDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ治療)アプローチ、および化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を高めるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子治療において使用する医薬;または
(ix)免疫治療アプローチ、例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのエキソビボおよびインビボアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用するアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用するおよび抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチ。
【0113】
本発明を、ここで、以下の非限定的実施例により、説明し、その中で、特記しない限り、以下のことが適用される:
(i)記載されているとき、H NMRデータを引用し、主要構造決定的プロトンのデルタ値の形であり、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示し、特記しない限り過重水素化DMSO−D6(CDSOCD)またはCDClを溶媒として使用して300MHzまたは400MHzで決定し;
(ii)マススペクトル(MS)は、直接暴露プローブを使用して、化学イオン化(CI)モードでの70エレクトロン・ボルトで行い;示されているとき、イオン化を電子衝撃(EI)または高速原子衝撃(FAB)により行い;m/zの値が示されているとき、一般的に親マスを示すイオンのみを報告し、特記しない限り引用されるマスイオンは正マスイオン−(M+H)であり;
(iii)実施例および製造例の表題および副題化合物は、Oghamからの指標名プログラムを使用して命名し、立体化学記述子を手で加えた。(www.eyesopen.com/products/applications/ogham.html参照);
(iv)特記しない限り、逆相HPLCは“Symmetry”、“NovaPak”または“Xterra”逆相シリカカラムを使用して行い、全てWaters Corp.から入手可能であり;
【0114】
(v)分析的HPLCについて、以下の条件を使用した:
Waters“Symmetry”C8 カラム3.5μmを使用した逆相分析的HPLC(Hewlett Packard Series 1100);水溶液%として示す0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル勾配を2mL/分で使用した4.6×50mm カラム
標準3分にわたり75%から5%
速い 2.5分にわたり45%から5%
中速 2.5分にわたり65%から5%
遅い 2.5分にわたり95%から50%
超低速 2.5分にわたり100%から80%;
(vi)反応をマイクロ波中で行うとき、これらはCEM Discover unit中で行った;
(vii)SCX樹脂を使用したとき、それはIST Internationalから入手可能なSCX-2 Isoluteカートリッジ2g中であった;そして
(viii)以下の略語を使用した:
【表1】

【0115】
中間体1
S−(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)エタンチオエート
2−クロロ−N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アセトアミド(2.5g)およびトリエチルアミン(3.1mL)をジクロロメタン(50mL)中、0℃で撹拌した。チオール酢酸(1.6mL)を添加し、混合物を3日間室温で撹拌した。混合物を重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を重炭酸ナトリウム溶液、水および塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)による精製により、副題化合物を無色固体として得た(2.22g)。
MS 375/377 [M+H]+(APCI+)
1H NMR δ (CDCL3)1.44(2H, m), 1.88(2H, m), 2.12(2H, m), 2.40(3H, s), 2.72(2H, m), 3.42(2H, s), 3.50(2H, s), 3.75(1H, m), 6.10(1H, d), 7.13(1H, dd), 7.36(1H, d), 7.42(1H, d)。
【0116】
この方法により、WO01/14333に準じて製造した適当なクロロアセトアミド(chloroaceamide)から以下を製造した:
【表2】

【0117】
中間体8
2−クロロ−N−[1−(3,4−ジクロロ−2−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イル]−アセトアミド
a)3,4−ジクロロ−2−メチル−ベンズアルデヒド
n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、1.29mL)を、N,N,N'−トリメチレン(trimethylthylene)−ジアミン(0.27mL)のテトラヒドロフラン(5.3mL)溶液に−78℃で滴下した。15分撹拌後、3,4−ジクロロベンズアルデヒド(0.350g)を添加し、混合物をさらに15分撹拌した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、3.75mL)を添加し、温度を5時間維持し、次いでヨウ化メチル(0.75mL)を添加し、混合物を−20℃で一晩静置した。混合物を10%塩酸に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、有機物を合わせ、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン0.1:99.9)による精製により、副題化合物を得た(0.179g)。
【0118】
b)[1−(3,4−ジクロロ−2−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
撹拌しているトリエチルアミン(0.13mL)およびピペリジン−4−イル−カルバミン酸tert−ブチルエステルヒドロクロライド(0.189g)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に、パートa)からの生成物(0.179g)、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.302g)および酢酸(0.08mL)を滴下した。混合物を一晩室温で撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液およびジクロロメタンに分配した。水性相をジクロロメタンで抽出し、有機物を合わせ、蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン1:4)で精製して、副題化合物を得た(0.087g)。
MS 373/375 [M + H]+(APCI+)
【0119】
c)1−(3,4−ジクロロ−2−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミン
パートb)からの生成物(0.087g)およびトリフルオロ酢酸(0.16mL)のジクロロメタン(0.72mL)溶液を室温で一晩撹拌した。SCXクロマトグラフィー(メタノール、次いで7N NHのメタノール溶液)での精製により、副題化合物を得た(0.033g)。
【0120】
d)2−クロロ−N−[1−(3,4−ジクロロ−2−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イル]−アセトアミド
パートc)からの生成物(0.215g)のジクロロメタン(2.2mL)の溶液を0℃以下に冷却した。トリエチルアミン(0.14mL)を添加し、次いでクロロアセチルクロライド(0.069mL)のジクロロメタン(0.56mL)を滴下した。1時間撹拌後、混合物を水に注ぎ、層を分離した。水性相をジクロロメタンで抽出し、合わせた抽出物を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた褐色固体をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:イソヘキサン1:1、次いで酢酸エチル)で精製して、表題化合物を得た(0.069g)。
MS 351/353 [M + H+](APCI +)
1H NMR δ(CD3OD)δ 1.65-1.47(m, 2H), 1.86(d, 2H), 2.27-2.12(m, 2H), 2.49(s, 3H), 2.86(d, 2H), 3.52(s, 2H), 3.80-3.65(m, 1H), 4.01(s, 2H), 7.21(d, 1H)および7.33(d, 1H)。
【0121】
中間体9
4−メルカプト−3−メチル安息香酸
a)メチル4−{[(ジメチルアミノ)カルボノチオイル]オキシ}−3−メチルベンゾエート
水素化ナトリウム(60%を0.38g)を、メチル4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸(1.56g)の撹拌している乾燥DMF(10mL)溶液に0℃で少しずつ添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。N,N−ジメチルチオカルバモイルクロライド(1.39g)を一度に添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。抽出物を水および塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン1:4)で精製して、副題化合物を油状物として得た(1.87g)。
【0122】
b)メチル4−{[(ジメチルアミノ)カルボニル]チオ}−3−メチルベンゾエート
パートa)からの生成物(1.87g)およびNMP(1mL)を、マイクロ波中、20分、250℃で加熱した。溶媒を蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン1:4)で精製して、副題化合物を油状物として得た(0.67g)。
1H NMR δ (CDCL3)2.46(3H, s), 3.03(3H, s), 3.14(3H, s), 3.91(3H, s), 7.56(1H, d), 7.84(1H, dd), 7.99(1H, d)。
【0123】
c)4−メルカプト−3−メチル安息香酸
パートb)からの生成物(0.67g)および水酸化カリウム(1.12g)をメタノール(10mL)中で撹拌し、還流下で2時間加熱した。溶媒を蒸発させた。残渣を水に溶解し、混合物をエーテルで洗浄した。水性溶液を希塩酸で酸性化し、得られた固体を回収し、水で洗浄し、次いで真空で乾燥させて、表題中間体を得た(0.33g)。
1H NMR δ (DMSO)2.27(3H, s), 5.69(1H, bs), 7.47(1H, d), 7.62(1H, d), 7.73(1H, s), 12.75(1H, bs)。
【0124】
またこの経路で製造したのは以下である:
【表3】

【0125】
中間体15
4−(ピペリジン−4−イルカルバモイルメチルスルファニル)−安息香酸メチルエステル
a)4−(2−クロロ−アセチルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5g)のジクロロメタン(60mL)溶液0℃に冷却し、トリエチルアミン(4.5mL)、続いてクロロアセチルクロライド(2.2mL)を添加した。反応混合物を1.5時間、0℃で撹拌し続けた。それを、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液に注いだ。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、溶媒を除去した。混合物を酢酸エチルを使用してIsoluteシリカカートリッジを通して濾過し、蒸発させて、副題化合物を得た(6.8g)。
1H NMR δ(CDCL3)1.24-1.48(2H, m), 1.46(9H, s), 1.93(2H, dd), 2.88(2H, t), 3.87-4.02(2H, m), 4.04(2H, s), 4.13(1H, s), 6.44(1H, d)
【0126】
b)4−[2−(4−カルボキシ−フェニルスルファニル)−アセチルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−(2−クロロ−アセチルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.79g)および4−メルカプト安息香酸(3.78g)をEtOH(200mL)に合わせた。酢酸ナトリウム(3.79g)を添加し、反応混合物を78℃で18時間加熱した。溶媒を蒸発させ、生成物を4:1;酢酸エチル:イソヘキサンから酢酸エチルの勾配で溶出するシリカパッドを通した濾過により精製し、副題化合物を得た(3.59g)。
LC-MS RT 0.84 m/z 395 ES+
1H NMR δ(DMSO)1.16-1.30(2H, m), 1.39(9H, s), 1.67(2H, dd), 2.77-2.92(2H, m), 3.67-3.85(5H, m), 7.40(2H, dd), 7.84(2H, dd), 8.16(1H, d)
【0127】
c)4−(ピペリジン−4−イルカルバモイルメチルスルファニル)−安息香酸
4−[2−(4−カルボキシ−フェニルスルファニル)−アセチルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.59g)のジクロロメタン(30mL)をTFA(8mL)で処理し、RTで3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をトルエンと共沸し、副題化合物を得た(2.5g)。
LC-MS RT 0.44 m/z 295 ES+
【0128】
d)4−(ピペリジン−4−イルカルバモイルメチルスルファニル)−安息香酸メチルエステル
4−(ピペリジン−4−イルカルバモイルメチルスルファニル)−安息香酸(2g)をメタノール(5mL)に溶解し、クロロ(トリメチル)シラン(5mL)を添加した。混合物をRTで16時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た(2g)。
LC-MS std. RT 0.85 m/z 309 ES+
【0129】
中間体16
4−カルボキシメチルスルファニル−3−クロロ−安息香酸tert−ブチルエステル
a)3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸tert−ブチルエステル
4−ブロモ−3−クロロ−安息香酸(1.3g)をトルエン(3mL)中でスラリー化し、(ジ−tert−ブトキシメチル)ジメチルアミン(9mL)を添加した。反応混合物を¥115℃で16時間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣を重炭酸ナトリウム溶液および酢酸エチルに分配し、有機相を乾燥させ、蒸発させて、副題化合物を得た(1.3g)。
LC-MS std RT 2.85
1H NMR δ(CDCl3)1.60(9H, s), 7.17(1H, t), 7.85-7.93(1H, m), 8.01-8.07(1H, m)。
【0130】
b)3−クロロ−4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル
3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸tert−ブチルエステル(1.3g)および炭酸カリウム(0.857g)をDMF(3mL)中でスラリー化した。メルカプト−酢酸メチルエステル(0.659g、0.555ml)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで重炭酸ナトリウム溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、副題化合物を得た(1.3g)。
LC-MS std RT 2.72 m/z 315/317 ES-
【0131】
c)4−カルボキシメチルスルファニル−3−クロロ−安息香酸tert−ブチルエステル
3−クロロ−4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル(1.3g)をTHF(30mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(1M、4.92ml)を添加した。反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を酢酸で酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を蒸発させ、トルエンを使用して共沸して、表題化合物を得た(1g)。
LC-MS std 1.26m/z 301 ES-。
1H NMR δ(CDCl3)1.58(9H, s), 3.79(2H, s), 7.33(1H, d), 7.84(1H, dd), 7.95(1H, d)。
【0132】
中間体17
4−カルボキシメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル
a)4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル
4−メルカプト−安息香酸tert−ブチルエステル(0.5g)のDMF(2mL)溶液に、炭酸カリウム(0.657g)、続いてブロモ酢酸メチルエステル(0.4g、0.249ml)を添加した。反応混合物を16時間撹拌した。フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン)による精製により、副題化合物を得た(220mg)。
LC-MS RT 2.48 m/z 268(M-14)。
1H NMR δ(CDCl3)1.59(9H, s), 1.66(3H, s), 3.75(2H, s), 7.32-7.43(2H, m), 7.84-7.95(2H, m)。
【0133】
b)4−カルボキシメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル
4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル(0.22g)をTHF(3mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(1M、0.82mL)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をpH4緩衝液を使用して酸性化し、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を乾燥させ、濾過し、蒸発させて、表題化合物を得た(0.18g)。
LC-MS RT 0.94 m/z 267 ES-。
1H NMR δ(CDCl3)1.58(9H, s), 3.76(2H, s), 7.37(2H, dt), 7.91(2H, dt)
【0134】
中間体18
4−カルボキシメチルスルファニル−3−フルオロ−安息香酸tert−ブチルエステル
a)3,4−ジフルオロ−安息香酸tert−ブチルエステル
3,4−ジフルオロ−安息香酸をトルエン(3mL)に溶解し、(ジ−tert−ブトキシメチル)ジメチルアミン(5mL)を添加した。反応混合物を80℃で72時間加熱した。溶媒を蒸発させた。残渣を重炭酸ナトリウム溶液に取り込み、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させて、副題化合物を得た(1g)。
1H NMR δ(CDCl3)1.59(9H, s), 7.14-7.32(1H, m), 7.72-7.83(1H, m), 7.87-7.98(1H, m)。
【0135】
b)3−フルオロ−4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル
3,4−ジフルオロ−安息香酸tert−ブチルエステル(1g)および炭酸カリウム(0.71g)をDMF(3mL)中で撹拌した。メルカプト−酢酸メチルエステル(0.545g)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、副題化合物を得た(1.4g)。
LC-MS std RT 2.60 m/z 299 ES-。
【0136】
c)4−カルボキシメチルスルファニル−3−フルオロ−安息香酸tert−ブチルエステル
3−フルオロ−4−メトキシカルボニルメチルスルファニル−安息香酸tert−ブチルエステル(1.4g)をTHF(5mL)中で撹拌し、水酸化リチウム一水和物(0.293g)の水(3mL)溶液を添加した。反応混合物を16時間撹拌した。反応混合物を酢酸を使用して酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥させ、蒸発させて、表題化合物を得た(600mg)。
LC-MS std. RT 1.08 m/z 285 ES-
【0137】
中間体19
メチル2−アミノ−5−フルオロ−6−[(4−メチルフェニル)スルホニル]ニコチネート
a)2−クロロ−5−フルオロ−6−[(4−メチルフェニル)チオ]ニコチン酸
水酸化リチウム一水和物(monohydrdrate)(1.8g)を、エチル2−クロロ−5−フルオロ−6−[(4−メチルフェニル)チオ]ニコチネート(7.0g)のTHF(100mL)溶液に添加した。水(20mL)を添加し、溶液を18時間激しく撹拌した。混合物を水(400mL)で希釈し、エーテルで洗浄した。水性層を酢酸で酸性化し、エーテルで抽出した。エーテルを乾燥させ、蒸発させて、副題化合物を得た(6.0g)。
1H NMR δ(DMSO)2.37(3H, s), 7.31(2H, d), 7.47(2H, d), 8.12(1H, d)。
【0138】
b)2−アミノ−5−フルオロ−6−[(4−メチルフェニル)チオ]ニコチン酸
パートa)からの生成物(1g)および水性アンモニア(密度0.880)(20mL)を、密封チューブ中140℃で5時間加熱した。冷却した混合物を蒸発させ、残渣をメタノールと共蒸発させて(×3)、次いでメタノールに溶解し、酢酸で酸性化した。混合物を蒸発させ、メタノール(×2)、次いでトルエン(×2)と共蒸発させた。高真空下の最終乾燥により、副題化合物を得た(0.95g)。
1H NMR δ(DMSO)2.33(3H, s), 7.24(3H, m), 7.38(2H, d)。
【0139】
c)メチル2−アミノ−5−フルオロ−6−[(4−メチルフェニル)チオ]ニコチネート
パートb)からの生成物(0.95g)を塩化チオニル(5mL)中で撹拌し、還流下1時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を氷冷メタノール(10mL)に溶解した。混合物を蒸発させ、残渣を飽和重炭酸ナトリウム溶液と混合し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン9:1)での精製により、副題化合物を得た(0.3g)。
1H NMR δ(CDCl3)2.39(3H, s), 3.85(3H, s), 7.21(2H, d), 7.42(2H, d), 7.67(1H, d)。
【0140】
d)メチル2−アミノ−5−フルオロ−6−[(4−メチルフェニル)スルホニル]ニコチネート
パートc)からの生成物(0.74g)をジクロロメタン(5mL)中で撹拌し、m−クロロペルオキシ安息香酸(77%の1.13g)を添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで重炭酸ナトリウム溶液、その後メタ重亜硫酸ナトリウム溶液、次いで塩水で洗浄した。溶液を乾燥させ、蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン(1:1)で精製して、副題化合物を得た(0.43g)。
1H NMR δ(CDCl3)2.44(3H, s), 3.90(3H, s), 7.35(2H, m), 7.94(3H, m)。
MS 325 [M+H]+(APCI+)。
【0141】
中間体20
4−フルオロ−2−ヒドロキシ−安息香酸イソプロピルエステル
4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(0.926g)をイソプロパノール(10ml)に懸濁した。塩化チオニル(1.631g、1ml)を注意深く添加し、得られた混合物を還流で17時間加熱した。混合物を蒸発乾固し、得られた固体を重炭酸ナトリウム溶液および酢酸エチルに分配した。水性相を酢酸エチルで2回抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、副題化合物を得た(0.889g)。
LC-MS ES-197(M-H)-RT(標準)2.58
1H NMR δ(CDCL3)1.39(6H, d), 5.28(1H, septet), 6.59(1H, td), 6.66(1H, dd), 7.84(1H, dd), 11.17(1H, d)
【0142】
中間体21
メチル3−クロロキノキサリン−6−カルボキシレート
a)メチル3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−6−カルボキシレート
10%パラジウム/炭素(0.1g)のメタノール(10mL)中のスラリーを、4−(メトキシカルボニルメチル−アミノ)−3−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.54g)のまたメタノール(10mL)溶液に添加した。酢酸(2mL)を添加し、混合物を3バールの圧で、一晩水素化した。反応混合物をグラスファイバーフィルターを通して濾過し、濾液を真空で濃縮して、副題化合物を褐色固体として得た(0.1g)。
RT 1.85分 遅い
MS:205 ES-ve
1H NMR δ(DMSO)3.75(3H, s), 3.87(2H, d), 6.65(1H, d), 6.77(1H, s), 7.34(1H, d), 7.40(1H, dd), 10.40(1H, s)
【0143】
b)メチル3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボキシレート
酸化マンガン(IV)(0.08g)をメチル3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−6−カルボキシレート(0.1g)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に添加した。反応混合物を週末の間室温で撹拌した。さらに酸化マンガン(IV)(0.08g)を添加し、撹拌を一晩続けた。反応混合物をセライトのプラグを通して濾過し、ジクロロメタンおよびメタノール1:1混合物で洗浄した。濾液を真空で濃縮して、副題化合物を暗色固体として得た。これを精製せずに次工程に使用した。
RT 1.91分 遅い
1H NMR δ(CD3OD)3.92(3H, s), 7.82-7.88(2H, m), 7.98(1H, s), 8.22(1H, s)
【0144】
c)メチル3−クロロキノキサリン−6−カルボキシレート
メチル3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボキシレート(最大0.5mmol)のオキシ塩化リン(3mL)懸濁液を、室温で、一晩撹拌し、次いで還流下1時間加熱した。オキシ塩化リンを真空で除去し、残渣を氷/水に注いだ。水を酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチルを塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物を得て、それをこの粗物質形態で次工程に使用した。
標準勾配でRT 3.11分。
【実施例】
【0145】
実施例1
2−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]安息香酸
2−クロロ−N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アセトアミド(0.1g)、チオサリチル酸(0.046g)および酢酸ナトリウム(0.05g)のエタノール(10mL)を還流下で24時間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣を逆相HPLCで精製して、表題化合物を無色固体として得た(0.082g)。
LC-MS std 2.42 m/z 453/455 [M+H]+(APCI+)
1H NMR δ(CD3OD)1.67(2H, m), 1.84(2H, m), 2.68(2H, m), 3.13(2H, m), 3.69(2H, s), 3.81(1H, m), 3.86(2H, s), 7.25(1H, td), 7.39(3H, m), 7.57(1H, d), 7.67(1H, d), 7.72(1H, dd)。
【0146】
この経路でまた以下のものを製造した:
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【0147】
実施例23
N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]−2−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]チオ}アセトアミド
a)2−[(4−シアノフェニル)チオ]−N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アセトアミド
実施例1の方法により、4−メルカプトベンゾニトリル(0.67g)を使用して製造し、副題化合物を無色固体として得た(0.7g)。
1H NMR δ(CDCl3)1.35(2H, m), 1.79(2H, m), 2.09(2H, m), 2.67(2H, m), 3.38(2H, s), 3.67(2H, s), 3.79(1H, m), 6.45(1H, d), 7.10(1H, dd), 7.30( 2H, d), 7.35(1H, d), 7.39(1H, d), 7.56(2H, d)。
【0148】
b)N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]−2−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]チオ}アセトアミド
パートa)からの生成物(0.33g)、ナトリウムアジド(0.054g)および塩化アンモニウム(0.045g)を乾燥DMF(7mL)中で撹拌し、100−110℃で2日間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸で酸性化し、逆相HPLCで精製して、表題化合物を得た(0.105g)。
LC-MS std TFA RT 1.53 477/479 [M+H]+(APCI+)
1H NMR δ(CD3OD+NaOD)1.41(2H, m), 1.69(2H, m), 2.06(2H, m), 2.63(2H, m), 3.36(2H, s), 3.59(1H, m), 7.12(1H, m), 7.37(1H, d), 7.41(1H, d), 7.43(2H, d), 7.93(2H, d)。
【0149】
この経路で、3,4−ジフルオロベンゾニトリルから以下のものを製造した:
【表9】

【0150】
実施例26
4−アミノ−2−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]ピリミジン−5−カルボン酸
a)エチル4−アミノ−2−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]ピリミジン−5−カルボキシレート
2−クロロ−N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アセトアミド(0.1g)、エチル4−アミノ−2−メルカプトピリミジン−5−カルボキシレート(0.06g)および酢酸ナトリウム(0.05g)のエタノール(10mL)を、還流下一晩加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、副題化合物を無色固体として得た(0.160g)。
MS 496/498 [M+H]+ (APCI+)
【0151】
b)4−アミノ−2−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]ピリミジン−5−カルボン酸
パートa)からの生成物(0.150g)をTHF(15mL)および水(5mL)中で水酸化リチウム一水和物(0.027g)と共に18時間撹拌した。溶液を酢酸で酸性化し、蒸発させた。残渣を逆相HPLCで精製して、表題化合物を無色固体として得た(0.77g)。
MS 468/470 [M-H]-(APCI-)
1H NMR δ(CD3OD+NaOD)1.53(2H, m), 1.80(2H, m), 2.15(2H, t), 2.60(2H, m), 3.47(2H, s), 7.68(1H, m), 7.23(1H, dd), 7.45(1H, d), 7.48(1H, d), 8.54(1H, s)。
【0152】
この経路で以下のものを製造した:
【表10】

【0153】
実施例31
4−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]−2−(トリフルオロメチル)安息香酸
a)メチル4−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾエート
S−(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)エタンチオエート(0.2g)のメタノール(5mL)およびナトリウムメトキシド(メタノール中1M溶液0.58mL)を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をメチル4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.128g)およびDMF(0.5mL)と混合した。混合物を15分撹拌した。溶媒を蒸発させ、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、副題化合物を無色固体として得た(0.236g)。
1H NMR δ(CDCl3)1.39(2H, m), 1.81(2H, m), 2.11(2H, m), 2.67(2H, m), 3.39(2H, s), 3.69(2H, s), 3.79(1H, m), 3.92(3H, s), 6.47(1H, d), 7.11(1H, dd), 7.36(1H, d), 7.39(1H, d), 7.43(1H, dd), 7.60(1H, s), 7.77(1H, d)。
【0154】
b)4−[(2−{[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]−2−(トリフルオロメチル)安息香酸
パートa)からの生成物(0.236g)をTHF(20mL)および水(1mL)中、水酸化リチウム一水和物(0.037g)と共に室温で2日間撹拌した。混合物を酢酸で酸性化し、次いで蒸発させた。残渣の逆相HPLCでの精製により、表題化合物を得た(0.105g)。
MS 521/523 [M+H]+(APCI+)
1H NMR δ(CD3OD+NaOD)1.48(2H, m), 1.77(2H, m), 2.11(2H, m), 2.78(2H, m), 3.47(2H, s), 3.63(1H, m), 7.24(1H, dd), 7.44(2H, m), 7.50(1H, d), 7.56(1H, d), 7.61(1H, d)。
【0155】
この経路で以下のものを製造した:
【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【0156】
実施例78
3−クロロ−4−[(2−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]安息香酸
a)3−クロロ−4−{[1−(4−クロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−安息香酸tert−ブチルエステル
1−(4−クロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミン(0.2g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.122g)および4−ジメチルアミノピリジン(0.033g)を合わせ、ジクロロメタン(3mL)に溶解した。4−カルボキシメチルスルファニル−3−クロロ−安息香酸tert−ブチルエステル(0.302g)のジクロロメタン(1mL)、続いて1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(0.171g)を添加した。反応混合物をRTで16時間撹拌し、次いで重炭酸ナトリウム溶液に注いだ。相を分離し、水性相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。残渣をSCX樹脂を使用して、メタノール、次いでアンモニアのメタノール溶液(0.7M)で溶出して精製し、副題化合物を得た(0.290g)。
LC-MS 速い 1.83 m/z 509/511ES+。
【0157】
b)3−クロロ−4−[(2−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]安息香酸
3−クロロ−4−{[1−(4−クロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−安息香酸tert−ブチルエステル(0.29g)に、HClのジオキサン溶液(4M溶液;8mL)を添加し、反応混合物を16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた固体を水中でスラリー化した。生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、次いで水、次いで乾燥させて、表題化合物を得た(0.140g)。
LC-MS 速い RT 0.38 m/z 453/455 ES+
1H NMR δ(CD3OD+NaOD)1.42-1.55(2H, m), 1.73-1.81(2H, m), 2.06-2.15(2H, m), 2.71-2.79(2H, m), 3.46(2H, s), 3.61-3.70(1H, m), 7.26-7.33(4H, m), 7.36(1H, d), 7.80(1H, dd), 7.94(1H, d)
【0158】
この経路で以下のものを製造した:
【表22】

【0159】
実施例80
4−[(2−{[1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]安息香酸
a)メチル4−[(2−{[1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]ベンゾエート
4−(ピペリジン−4−イルカルバモイルメチルスルファニル)−安息香酸メチルエステル(0.3g)をTHF(5mL)中でスラリー化した。トリエチルアミン(0.141ml)、続いて酢酸(0.056ml)、次いで4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.121g)のTHF(3mL)容器を添加した。混合物を5分撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.289g)を添加し、反応混合物を16時間撹拌した。混合物を重炭酸ナトリウム溶液に注いだ、混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。反応混合物をSCXカートリッジで、メタノール、次いでアンモニアのメタノール(0.7M)溶液で精製して、副題化合物を得た(0.25g)
LC-MS std RT1.81 m/z 417 ES+
【0160】
b)4−[(2−{[1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)チオ]安息香酸
4−{[1−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−安息香酸メチルエステル(0.25g)をTHF(5mL)に溶解した。水酸化リチウム一水和物(0.029g)の水(3mL)溶液を添加した。反応混合物をRTで16時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をメタノールに溶解し、酢酸で中和し、RP−HPLC(30分にわたり酢酸アンモニウム:アセトニトリル(95:50))で精製して、表題化合物を得た(95mg)。
LC-MS RT std 0.48 m/z 403 ES+。
1H NMR δ(CD3OD+NaOD)1.38-1.49(2H, m), 1.68-1.76(2H, m), 2.03-2.12(2H, m), 2.68-2.76(2H, m), 3.44(2H, s), 3.57-3.66(1H, m), 6.98-7.05(2H, m), 7.28-7.35(4H, m), 7.85(2H, d)。
【0161】
この経路で以下のものを製造した:
【表23】

【0162】
実施例85
4−{[2−({1−[(6−フルオロ−2−ナフチル)メチル]ピペリジン−4−イル}アミノ)−2−オキソエチル]チオ}安息香酸
a)4−{[1−(6−フルオロ−ナフタレン−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−安息香酸メチルエステル
4−(ピペリジン−4−イルカルバモイルメチルスルファニル)−安息香酸メチルエステル(0.3g)、2−ブロモメチル−6−フルオロ−ナフタレン(0.465g、不純物〜30%)およびKCO(0.3g)をDMF(5mL)に溶解し、RTで16時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をSCXを使用し、メタノール、次いでアンモニアのメタノール溶液(0.14M)で溶出して精製して、副題化合物を得た(0.120g)。
LC-MS std 2.23 m/z 467 ES+。
【0163】
b)4−{[2−({1−[(6−フルオロ−2−ナフチル)メチル]ピペリジン−4−イル}アミノ)−2−オキソエチル]チオ}安息香酸
加水分解を、実施例55 工程b)の方法に従って行い、表題化合物を得た(0.035g)。
LC-MS 速い RT 0.42 m/z 451 ES-
1H NMR δ(CD3OD)1.46-1.56(2H, m), 1.72-1.82(2H, m), 2.14-2.23(2H, m), 2.78-2.88(2H, m), 3.66(3H, s), 7.28-7.35(1H, m), 7.37(2H, d), 7.50-7.57(2H, m), 7.79-7.85(2H, m), 7.87-7.94(3H, m)。
【0164】
実施例86
4−{[1−(4−クロロ−3−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−2−ヒドロキシ−安息香酸
a)4−{[1−(4−クロロ−3−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−2−ヒドロキシ−安息香酸イソプロピルエステル
S−(2−{[1−(4−クロロ−3−メチルベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−オキソエチル)エタンチオエート(0.196g)をマイクロ波チューブに入れた。ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1M、0.6ml)を添加し、得られた溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、褐色泡状物を残した。4−フルオロ−2−ヒドロキシ−安息香酸イソプロピルエステル(0.118g)のDMA(3ml)懸濁液を泡状物に添加し、混合物を溶液になるまで撹拌した。溶液を、次いでマイクロ波で100℃(冷却しながら)10分加熱した。溶液を水に注ぎ(60ml)、得られた懸濁液を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(Varian megabondelut Si、溶離剤酢酸エチル)で精製して、不純生成物を得て、それをシリカに吸着させ、isoluteシリカカートリッジに充填し、クロマトグラフィー(3:1;1:1;1:3 イソヘキサン:酢酸エチル)を行い、表題化合物を得た(73mg)。
LC-MS ES+m/z 491/493 RT(標準)2.79
1H NMR d(CDCL3)0.81-0.95(1H, m), 1.38(6H, d), 1.77-1.85(2H, m), 2.04-2.12(3H, m), 2.34(3H, s), 2.61-2.69(2H, m), 3.36(2H, s), 3.65(2H, s), 3.75-3.84(1H, m), 5.27(1H, septet), 6.55(1H, d), 6.70(1H, dd), 6.80(1H, d), 7.02(1H, d), 7.13(1H, s), 7.24(1H, d), 7.72(1H, d), 11.00(1H, s)
【0165】
b)4−{[1−(4−クロロ−3−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−2−ヒドロキシ−安息香酸
4−{[1−(4−クロロ−3−メチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−2−ヒドロキシ−安息香酸イソプロピルエステル(0.073g)をメタノール(2ml)に溶解した。水酸化リチウム(0.02g)、続いて水(0.6ml)を添加した。溶液をRTで一晩撹拌した。水酸化リチウム(0.086g)および水(0.2ml)を添加し、撹拌を続けた。懸濁液を還流で15時間加熱した。酢酸を添加して溶液とし、揮発物を一部蒸発させて小容積とし、DMSOを添加し、混合物をRPHPLC(カラム希釈95:5−50:50酢酸アンモニウム:アセトニトリルで)で精製して、表題化合物を得た(0.025g)。
LC-MS ES-m/z 447/449(M-H)-RT 1.02(標準)
1H NMR δ(DMSO)1.38(2H, qd), 1.67(2H, d), 2.00(2H, t), 2.31(3H, s), 2.63-2.71(2H, m), 3.38(2H, s), 3.47-3.56(1H, m), 3.58(2H, s), 6.47(1H, dd), 6.54(1H, d), 7.13(1H, d), 7.25(1H, s), 7.33(1H, d), 7.51(1H, d), 7.99(1H, d), 1.91(7H, d)
【0166】
実施例87
2−アミノ−5−[[1−[(3,4−ジクロロベンジル]−4−ピペリジル]カルバモイルメチルスルファニル]安息香酸
a)5−カルボキシメチルスルファニル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
メチル5−クロロ−2−ニトロベンゾエート(0.074g)をマイクロ波チューブに入れた。メルカプト酢酸(0.1325g、0.1ml)、N,N−ジメチルアセトアミド(1ml)およびトリエチルアミン(150μl)を添加し、チューブを蓋し、100℃でマイクロ波中5分加熱した。反応混合物を水で希釈し、得られた溶液を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、副題化合物を得た。
LCMS RT 0.62 ES-270(M-H)(標準)
【0167】
b)5−{[1−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
工程a)からの粗酸をジクロロメタン(1ml)に溶解した。1−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミン(0.120g)のジクロロメタン(1ml+0.5ml濯ぎ)溶液およびトリエチルアミン(0.1089g、0.15ml)、続いてO−(7−アザベンゾ(Azabezo)トリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.146g)を添加した。得られた懸濁液をRTで6時間撹拌した。水を添加し、相を分離した。水性相をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をSCXカートリッジ(isolute SCX-2;2g)に充填し、メタノール、次いで0.7Mアンモニアのメタノール溶液で溶出した。得られた油状物をジクロロメタン(6ml)に溶解し、PSイソシアネート樹脂(325mg)を添加した。混合物を2.5時間穏やかに撹拌し、次いで濾過し、樹脂をジクロロメタンで洗浄し、溶媒を蒸発させて、副題化合物(122mg)を黄色油状物として得た。
LCMS RT 2.47 ES+512/514(標準)
1H NMR δ(CDCL3)1.35-1.46(2H, m), 1.78-1.87(2H, m), 2.05-2.17(2H, m), 2.62-2.72(2H, m), 3.34-3.48(1H, m), 3.39(2H, s), 3.71(2H, s), 3.93(3H, s), 7.11(1H, dd), 7.33-7.44(3H, m), 7.47(1H, d), 7.93(1H, d)
【0168】
c)2−アミノ−5−{[1−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−安息香酸
5−{[1−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチルスルファニル}−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.227g)をエタノール(8ml)に溶解した。亜鉛(0.084g)および塩化カルシウム(0.114g)を添加し、混合物を還流で21時間加熱した。懸濁液を冷却し、次いで濾過し(GFAフィルター)、蒸発させた。残渣をDMSOに溶解し、RPHPLC(95:5−60:40酢酸アンモニウム:アセトニトリル)で精製して、表題化合物を得た(0.008g)。
LC-MS ES-m/z 466/468(M-H)-RT 1.15(標準)
1H NMR δ(DMSO)1.26-1.40(2H, m), 1.64(2H, d), 1.90(3H, s), 2.01(2H, t), 2.60-2.69(2H, m), 3.30(2H, s), 3.43(2H, s), 3.43-3.54(1H, m), 6.61(1H, d), 7.20(1H, dd), 7.28(1H, dd), 7.52(1H, d), 7.57(1H, d), 7.77(1H, d), 7.79(1H, d)
【0169】
実施例88
ヒト好酸球走化性
ヒト好酸球を、以前に記載の通りEDTA抗凝結処理末梢血から単離する(Hansel et al., J. Immunol. Methods, 1991, 145, 105-110)。細胞を10×10mL−1で、200IU/mL ペニシリン、200μg/mL 硫酸ストレプトマイシンを含み、10%HIFCSを補ったRPMIに室温で再懸濁する。
好酸球(700μl)を、15分、37℃で7μlの媒体または化合物(10%DMSO中必要最終濃度の100×)のいずれかと前インキュベートする。走化性プレート(ChemoTx、3μmポア、Neuroprobe)を、一定濃度の実施例の化合物または溶媒を含む28μlの濃度のエオタキシン0.1から100nM(この濃度範囲で選択的CCR3アゴニスト)の、走化性プレートの下部ウェルへの添加により負荷できる。次いでフィルターをウェル上に置き、25μlの好酸球懸濁液をフィルターの上に置く。プレートを1時間、37℃で、95%空気/5%CO雰囲気の加湿インキュベーター中でインキュベートし、走化性を可能にする。
移動しなかった細胞を含む媒体を注意深くフィルターの上から吸引し、廃棄する。次いでフィルターを5mM EDTA含有リン酸緩衝化食塩水(PBS)で洗浄して、全ての付着細胞を除く。フィルターを通して移動している細胞を遠心(300×gで5分、室温)によりペレット化し、フィルターを除去し、上清を96ウェルプレート(Costar)の各ウェルに移す。ペレット化細胞を、0.5%Triton x100を含む28μlのPBSの添加および続く2サイクルの凍結/融解により溶解する。細胞融解物を、次いで上清に添加する。移動した好酸球の数を、上清中の好酸球ペルオキシダーゼ活性の測定により、Strath et al., J. Immunol. Methods, 1985, 83, 209に従って定量できる。
【0170】
実施例89
インビトロでのヒト血液中の好酸球のエオタキシン−2−誘発形態変化
例えば、Differential regulation of eosinophil chemokine signaling via CCR3 and non-CCR3 pathways. Sabroe I, Hartnell A, Jopling LA, Bel S, Ponath PD, Pease JE, Collins PD, Williams TJ. J Immunol. 1999 Mar 1;162(5):2946-55を参照。
9mL リチウム−ヘパリンチューブに静脈穿刺により集めたヒト血液を、媒体(0.1%(v/v)DMSO)または試験化合物の存在下、CCR3アゴニストエオタキシン−2と、4分、37℃で、深い、96正方形ウェルプレートとインキュベートした。血液をOptilyse B(100μL)で室温で10分固定し、次いで赤血球を蒸留水(1mL)で60分、室温で溶解した。
プレートを室温で5分、300gで遠心した。ペレットをアッセイ緩衝液(CaClおよびMgCl無しのPBS、HEPES(10mM)、グルコース(10mM)および0.1%(w/v)BSA含有、pH7.4)に再懸濁し、サンプルをフローサイトメトリー(FC500, Beckman Coulter)を使用して分析した。好酸球の高い自己蛍光により、それらは他の血球タイプから別個の集団として同定できる。好酸球形を、フローサイトメトリーにおける前方散乱シグナルを使用して測定される、好酸球集団の屈折率としてモニターした。
エオタキシン−2は、好酸球の前方散乱の濃度依存性変化を誘発し、これらのデータを使用して、濃度効果曲線を構築した(E/[A]曲線)。CCR3アンタゴニスト存在下でのエオタキシン−2 E/[A]曲線の右方向への移動を使用して、以下の式を使用して、血中のpA値を概算した:
単一pA=−log10([B]/(r−1))
(式中、rはアンタゴニストの非存在下および存在下でのエオタキシン−2の最大効果の半分に必要な濃度の比(アンタゴニスト存在下のエオタキシン−2に対する[A]50を、コントロールエオタキシン−2曲線に対する[A]50で割る)および[B]はアンタゴニストのモル濃度である)。
【0171】
実施例90
インビトロでCHO−K1細胞膜について[H]−4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−1'−[4−(メチルスルホニル)ベンゾイル]−1,4'−ビピペリジンの競合により評価した、ヒト組み換えCCR3受容体での化合物親和性の決定
アッセイ緩衝液(50mM Tris−Base、pH7.4;塩化ナトリウム(100mM)および塩化マグネシウム(2mM)含有)に懸濁させた、組み換えヒトCCR3を安定に発現するCHO−K1細胞から調製した膜を2nM [H]−4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−1'−[4−(メチルスルホニル)ベンゾイル]−1,4'−ビピペリジンの存在下、媒体(1%(v/v)DMSO)、4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)−1'−[2−(メチルスルホニル)ベンゾイル]−1,4'−ビピペリジン(非特異的結合測定のため)または試験化合物と共に2時間、37℃で、丸底96ウェルプレート中でインキュベートした。プレートを、次いで、96ウェルプレートTomtec Cell harvesterを使用して、プレートコーティング溶液(脱イオン水中0.3%(w/v)ポリエチレンイミン、0.2%(w/v)BSA)に1時間予め浸したGF/Bフィルタープレート上に濾過する。洗浄緩衝液(50mM Tris−Base、pH7.4、塩化ナトリウム(500mM)および塩化マグネシウム(2mM)含有)での4回の洗浄(250μL)を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性をシンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)を使用して、1分計測プロトコールを使用して測定した。
特異的結合を、各アッセイプレートについて、NSBウェルについての値からコントロールウェルを引くことにより決定した。pIC50値を、4パラメータロジスティックフィット(ここで、pIC50は、特異的[H]−4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−1'−[4−(メチルスルホニル)ベンゾイル]−1,4'−ビピペリジン結合の50%減少に必要な化合物濃度の負の対数として定義される)を使用して計算した。データを最低2回の独立した実験からの平均pKi値(pIC50値にCheng-Prussof補正を適用して計算)として示した。結果を下記表Iに示す。
【0172】
実施例91
ヒト肝臓ミクロソームでの内因性クリアランスの決定
凍結ヒト肝臓ミクロソーム(BD Gentest, Oxford)を霜取りし、次いで0.1M pH7.4 リン酸緩衝液で、4℃で、1mg タンパク質/mlまで希釈した。ミクロソーム懸濁液の0.45mLアリコートを平底バイアル(1個/化合物)に分配し、室温にさせた(5分)。温めている間、5μLの各試験化合物溶液(典型的にDMSO中100μM)を、別のバイアルに分配し、1%の最終DMSOとした。50μLのリン酸緩衝液(0.1M pH7.4、37℃)中NADPHの10mM溶液を各バイアルに添加して代謝を開始させた。
混合物の50μLアリコートを一定間隔で取り、直ぐに100μLの氷冷メタノールの添加によりクエンチした。クエンチしたサンプルを少なくとも1時間冷却し続け(−20℃以下)、次いで遠心してタンパク質を除去した。
上清溶液を試験化合物について定量的LCMSを使用して分析した。種々の時点での試験化合物濃度から、T1/2を計算でき、これを以下の式を使用して内因性クリアランスに変換できる:
CLint=ln2/T1/2。結果を以下の表Iに示す。
【表24】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中:
Arはフェニルまたはナフチルであり、このいずれも所望によりクロロ、フルオロ、メチルまたはCFで置換されていてよく;
Arはフェニル、ナフチル、イミダゾリル、ピラジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、5−フェニルアミノ−1,3,4−オキサジアゾリル、ジヒドロキナゾリニル、3−ピリジニル−1,2,4−オキサジアゾリル、ピリダジニルまたはキノキサリニルであり;
ここで、ArはCOR'またはテトラゾリルで置換されており;
そしてArは、所望により、さらに、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、S(O)(C1−6アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1−6アルキル)、S(O)N(C1−6アルキル)、NH、NH(C1−6アルキル)、N(C1−6アルキル)、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1−6アルキル)、C(O)N(C1−6アルキル)、COH、CO(C1−6アルキル)、NHC(O)(C1−6アルキル)、NHS(O)(C1−6アルキル)、C(O)(C1−6アルキル)、CFまたはOCFの1個以上で置換されていてよく;ここで、アルキルまたはアルコキシ基は、所望によりNRで置換されていてよく;
およびRは、独立して水素またはC1−4アルキルであるか、またはそれらが結合している窒素と一体となって環(例えばアゼピン、ピロリジン、ピペリジン、モホピペリジン、モルホリンまたはピペラジン)を形成し、後者は、所望により、遠位窒素上をC1−4アルキルで置換されていてよく;
R'は水素、C1−6アルキルまたはフェニル(C1−4アルキル)であり;ここで、フェニルは、所望によりハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、C(O)N(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CFまたはOCFで置換されていてよいか;
またはCOR'は(CO)p+であり、ここで、Rp+は1価カチオン(例えばアルカリ金属カチオン)であるか、または2個のカルボキシレートが配位結合して2価カチオン(例えばアルカリ土類金属カチオン)となり得るか;
またはテトラゾリルは(テトラゾリルg−)Rg+であり、ここで、Rg+は1価カチオン(例えばアルカリ金属カチオン)であるか、または2個のテトラゾールが配位結合して2価カチオン(例えばアルカリ土類金属カチオン)となり得て;そして
rおよびtは、独立して、0、1または2である。
ただし、Arが3,4−ジフルオロフェニルであるならば、Arは2−(COCH)フェニルではない。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Arが、塩素、メチルおよびCFから独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Arが3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロ−2−メチルフェニル、3−メチル−4−クロロフェニルまたは3−CF−4−クロロフェニルである、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
ArがCOR'により置換され、そして、所望によりさらに請求項1に記載の置換基の1個以上で置換されていてよく;そしてR'が請求項1で定義の通りである、請求項1、2または3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
Arが請求項1に記載の通り置換されているフェニルまたはピリジニルである、請求項1、2、3または4に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
ArがCOHで置換され、そして、所望によりさらにハロゲン、C1−4アルキル、CFまたはNHで置換されている、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって:
a. 式(II):
【化2】

〔式中、Lは脱離基である。〕
の化合物と、化合物ArSHを、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、適当な温度で反応させるか;
b. COR'がエステルであるとき、式(III):
【化3】

〔式中、Mはアルカリ金属カチオンである。〕
の化合物と、ArX(ここで、Xは脱離基である)を、溶媒中、適当な温度で反応させるか;
c. COR'がエステルであるとき、式(IV):
【化4】

の化合物と式(V):
【化5】

の化合物を、適当なカップリング剤の存在下、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、−10から30℃の範囲の温度で反応させるか;
d. COR'がエステルであるとき、式(IV)の化合物と、式(VI):
【化6】

の化合物を、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、−78から20℃の範囲の温度で反応させるか;
e. COR'がエステルであるとき、式(VII):
【化7】

の化合物とArCHOを、適当な還元剤の存在下、適当な溶媒中で反応させ;
f. COR'がエステルであるとき、式(VI)の化合物とArCHL(式中、Lは脱離基である)を、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中で反応させるか;
g. R'が水素であるとき、該化合物を、標準的エステル化法によりCOR'がエステルである式(I)の化合物に変換でき;
h. COR'がエステルであるとき、該化合物を、標準的エステル加水分解法によりR'が水素である式(I)の化合物に変換でき;または
i. COR'がCOであるとき、該化合物を、R'が水素、アルキルまたはフェニルアルキルである化合物と、適当なアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物を反応させることにより、製造できる
ことを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項9】
治療に使用するための、請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
治療において使用するための医薬における、請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
処置を必要とする哺乳動物に、治療的有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ケモカイン介在疾患状態に罹患している、またはその危険のある哺乳動物における該疾患を処置する方法。

【公表番号】特表2009−529038(P2009−529038A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558227(P2008−558227)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000213
【国際公開番号】WO2007/102767
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】