説明

ファン装置

【課題】ファン装置から異常騒音が発生していることが想定される状態を検知して、ファン装置の異常検出を正確に行う。
【解決手段】ファン装置のインペラ部302に磁石303を取り付け、対向部にホール素子304を配置し、ホール素子によってインペラ部の回転制御と位置の変動具合を検出することで、ファン装置の異常騒音の要因である振動を検知する。インペラ部302の位置の変動具合によって、ファン装置が異常であると検知した場合には、ファン装置の駆動を停止したり、低速で駆動することにより正常な状態に復帰させるように試みる。また、ユーザに異常を知らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機等に搭載されるファン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータによりファンを駆動するファン駆動回路において、ファンの異常を検出する技術は種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1の技術では、回転数指定手段から一義的に決められる異常回転数を算出し、モータの回転が前記異常回転数以下になったら、ファンの異常と判断している。
【0004】
また、特許文献2の技術では、ファンを駆動するための巻線電流値を記憶し、常に前回と比較することによって、ファンの寿命を検知している。
【0005】
また、特許文献3の技術では、ホール素子による回転数とモータの巻線電流値によって、ファンの寿命を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−111475号公報
【特許文献2】特開2003−023792号公報
【特許文献3】特開2003−111478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のファン駆動回路において、ファンの騒音を検知して騒音が異常に大きい場合にはファンを停止するような技術は存在していない。これは、騒音がファンによって発生した騒音であるのか否かの判断が難しいためである。つまり、ファンによって発生した騒音を直接的に検出することは困難であることによる。そこで、ファンの騒音発生原因に注目したファンの騒音検出方法が考えられる。
【0008】
ファンの騒音発生の主要因としてはインペラ部の傾きが挙げられる。インペラ部の傾きは、様々な要因によって引き起こされる。例えば、軸倒れもしくはインペラ部の組み付け不良等の製造工程時に発生したり、ファンを機器に組み込む組み込み作業時に発生したり、また仕様温度条件によるインペラ部圧入部分の緩みなどで発生する。
【0009】
上記特許文献1の技術を用いた場合では、インペラ部の傾きによってモータの回転数が低下することはなく、したがって特許文献1の方法でファンの騒音を検出することは不可能である。
【0010】
また、特許文献2の技術を用いた場合でも、ファンの騒音を検出することは困難である。即ち、モータの巻線電流値は数百ミリアンペア程度であるが、ファンの騒音の発生によってモータの巻線電流値の変化は数ミリアンペア程度であり、検出誤差の方が大きくなってしまう。
【0011】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、装置から異常騒音が発生していることが想定される状態をインペラ部の位置の変動具合によって検知して、装置の異常検出を正確に行うことができるファン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のファン装置は、送風用のインペラ部と、前記インペラ部を回転駆動するための駆動部と、前記インペラ部に取り付けられた磁石と、前記磁石の移動を検出するための、少なくとも1つ以上のホール素子と、前記ホール素子の各出力からインペラ部の角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記インペラ部の回転駆動を制御する手段と、前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最大値を検出する最大値検出手段と、前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最小値を検出する最小値検出手段と、前記最大値検出手段の出力と前記最小値検出手段の出力との差分を検出する差分検出手段と、前記差分検出手段の出力が所定値を超えた場合に、前記駆動部を制御して前記インペラ部の回転駆動を停止する手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のファン装置は、送風用のインペラ部と、前記インペラ部を回転駆動する駆動部と、前記インペラ部に取り付けられた磁石と、前記磁石の移動を検出するための、少なくとも1つ以上のホール素子と、前記ホール素子の各出力からインペラ部の角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記インペラ部の回転駆動を第一又は第二の速度で制御する手段と、前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最大値を検出する最大値検出手段と、前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最小値を検出する最小値検出手段と、前記最大値検出手段の出力と前記最小値検出手段の出力との差分を検出する差分検出手段と、前記差分検出手段の出力に応じて、前記インペラ部の回転駆動の速度が前記第一の速度又は前記第二の速度に切り替わるように前記駆動部を制御する速度切り替え制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ファン装置から異常騒音が発生していることが想定される状態をインペラ部の位置の変動具合によって検知することができ、ファン装置の異常検出を正確に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態におけるファン装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態におけるファン装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】ホール素子に対する永久磁石の移動方向に応じて変化するホール素子の出力の変化を示す概念図である。
【図4】図2中の出力加算部から比較器経由の各出力を示す波形図である。
【図5】図2中の出力加算部から差分検出部経由の各出力を示す波形図である。
【図6】第1の実施の形態に係る制御フローを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る制御フローを示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係る制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
<ファン装置の構成>
まず、本実施の形態におけるファン装置の機構と制御系の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0018】
(A)ファン装置の機構
図1は、本発明の実施の形態におけるファン装置の構成を示す断面図である。
【0019】
このファン装置は、回転軸301が中心部に固定された送風用のインペラ部302を有している。回転軸301は、基板305を貫通してモータ306に固定されている(駆動部)。インペラ部302の基板305側の面には永久磁石303が取り付けられ、さらに基板305のインペラ部302側の表面には、磁石303と対向する位置に、磁石303の移動を検出するためのホール素子304が少なくとも1つ以上取り付けられている。
【0020】
(B)制御系の構成
図2は、実施の形態におけるファン装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【0021】
このファン装置の制御系は、出力加算部102、比較器104、エッジ検出部105、及び角速度検出部106を有している。
【0022】
出力加算部102には、各ホール素子304の出力Houtが入力されて加算される。
【0023】
比較器104は、基準電圧VFと出力加算部102の出力と比較する。この比較器104では、ホール素子304の出力から、インペラ部302の角速度を検出するために基準となる信号を生成する。比較器104の出力は、エッジ検出部105に入力される。
【0024】
角速度検出部106の出力は、CPU107に入力される。CPU107は、角速度の検出結果が目標角速度に対し大きければ、モータ306を減速方向に速度制御行い、逆に小さければ加速方向に速度制御を行う。
【0025】
一方、出力加算部102の出力は、最大値検出部108と最小値検出部109に入力され、これら最大値検出部108と最小値検出部109の各出力が差分検出部110に入力される。
【0026】
最大値検出部108は、ホール素子304上を磁石303が移動することによって生じる角速度中の出力の最大値を検出する。最小値検出部109は、ホール素子304上を磁石303が移動することによって生じる角速度中の出力の最小値を検出する。そして、差分検出部110は、ホール素子304の最大値検出部108の出力と最小値検出部109の差分を検出する。差分検出部110の出力は、CPU107へ入力される。
【0027】
CPU107は、角速度検出部106の出力と差分検出部110の出力を基に、モータ駆動回路111によってモータ306の回転駆動を制御するようになっている。
【0028】
<ホール素子304の一般的な特性>
次に、ホール素子304の一般的な特性について、図3を参照して説明する。
【0029】
図3(a),(b)は、ホール素子304に対する永久磁石303の移動方向に応じて変化するホール素子の出力の変化を示す概念図である。図3(a)は、ホール素子304に対し、永久磁石303を水平方向に移動した場合を示し、図3(b)は、ホール素子304に対して磁石303を垂直方向に移動した場合を示している。
【0030】
ホール素子304は、磁束密度に応じて出力が変化する。図3(a)に示すように、永久磁石303の中央Paを基準とすると、両極に近づくにつれて、ホール素子304の基準からの振幅が大きくなる。即ち、磁石303のS極に近づくと、ホール素子304の出力はプラス方向に大きくなり、逆にN極に近づくとマイナス方向に大きくなる。
【0031】
したがって、ホール素子304に対して磁石303が水平方向に移動すると、ホール素子304と磁石303の極が近づくときに出力がピークとなる交流波形のような出力を得る(図3(a)参照)。
【0032】
以上のことから、図3(b)に示すように、磁石303を垂直方向に移動してホール素子304に対して近づけた場合と遠ざけた場合に磁石303を水平方向に移動すると、図3(b)に示すように、前述した交流波形の振幅が大小する。即ち、ホール素子304から磁石303が近いと振幅大で、逆に遠いと振幅小である。
【0033】
<出力加算部102から比較器104経由の出力>
図4(a),(b)は、図2中の出力加算部102から比較器104経由の各出力を示す波形図であり、同図(a)は出力加算部102の出力波形、同図(b)は比較器104の出力波形を示している。
【0034】
ホール素子304と磁石303が近づくと、出力加算部102の出力の変動がある。図4(a)のVFは図2で示した基準電圧である。比較器104は、基準電圧VFと、出力加算部102の出力を比較することによって、図4(b)に示すように、比較器出力を出力する。基準電圧VFよりも出力加算部102の出力の方が大きい場合、比較器出力に“H”レベルが出力される。
【0035】
図4(b)のEoutは、図2のエッジ検出部105の出力であり、比較器出力Coutの立ち上がりエッジを検出する。図4(b)の例では立ち上がりエッジのみであるが、立下りエッジでも問題ない。図4(b)のKoutは、図2の角速度検出部106の出力であり、この出力Koutは、CPU107へ入力されてエッジ検出出力Eout間の時間を計測することに用いられる。
【0036】
<出力加算部102から差分検出部110経由の出力>
図5(a),(b),(c)は、図2中の出力加算部102から差分検出部110経由の各出力を示す波形図である。同図(a)は出力加算部102の出力波形、同図(b)は差分検出部110の出力波形を示し、同図(c)は、これらの出力波形に対応したインペラ部302の状態を示している。
【0037】
図5(c)に示すようにインペラ部302が上下した場合、ホール素子304の出力Houtを加算した出力加算部102の出力Aoutの振幅は、大きくなったり小さくなったり変動する。最大値検出部108は、その最大値を最大値検出出力Moutとして出力し、最小値検出部109は、その最小値を最小値検出出力Soutとして検出する。差分検出部110は、これら各検出出力の差分の出力を差分検出出力Doutとして出力する。
【0038】
差分検出出力Doutは、CPU107に入力され、その内部で所定の比較値1,2と常に比較される。CPU107は、差分検出出力Doutを比較値1及び比較値2とそれぞれ比較し、差分検出出力Doutが比較値1から比較値2内の範囲内にあるかどうかを確認する。
【0039】
前記範囲内にない場合には、CPU107は、ファン装置を異常と判断し、前記範囲内の場合、正常と判断する。これは、前記範囲外の場合、インペラ部302の状態が異常、つまり図5(c)に示すようにインペラ部302が上下して、ホール素子304と磁石303が近づいたり遠ざかったりしていることを意味している。このよう異常が発生すると、ファン装置の異常騒音が発生してしまう。
【0040】
なお、本実施の形態では、比較値1、比較値2と2つの比較値(所定値の一例)を持ち、その範囲内が正常としたが、これに限定されるものではない。例えば、1つの比較値を持ち、この比較値より大きい/小さいだけ判断するようにしても良い。また、CPU107内部で判断する様な構成にしたが、コンパレーター等による回路を用いて判断しても実施可能である。
【0041】
<第1の実施の形態に係る制御フロー>
次に、第1の実施の形態に係る制御フローについて、図6を参照して説明する。
【0042】
図6は、第1の実施の形態に係る制御フローを示すフローチャートである。
【0043】
まずCPU107は、ステップS402において、ファン装置を駆動する/しないの判断を行い、駆動する場合はステップS403に進む。ステップS403では、CPU107は、角速度出力Koutから得られた角速度が目標速より大きいかを比較する。目標速より大きい、つまりモータ306の回転が早すぎる場合は、ステップS404に進んでモータ306の減速制御を行い、逆に目標値より小さい、つまりモータ306の回転が遅すぎる場合はステップS405に進んでファン装置の加速制御を行う。
【0044】
ステップS404及びステップS405の処理を終えたら、ステップS406に移動する。
【0045】
ステップS406では、CPU107は、差分検出出力Doutから得られた差分値が比較値2(図5(b)参照)より大きいか否かを判断する。比較値2より差分値が大きければステップS407に進み、小さければステップS408に進む。ステップS407では、CPU107は、前記差分値が比較値1(図5(b)参照)より小さいかを確認する。
【0046】
ステップS406及びステップS407で、CPU107は、前記差分値が比較値1より小さく、比較値2より大きいことを確認したら、ファン装置は正常、即ちファンのインペラ部302が正しい位置にあると判断する。そして、通常の速度制御シーケンスを実行するためにステップS403へ戻る。逆に、前記差分値が比較値1から比較値2の範囲外では、ファン装置が異常であると判断し、ステップS408でファン装置の停止処理を行う。
【0047】
<第1の実施の形態に係る利点>
第1の実施の形態によれば、ファン装置のインペラ部302の状態をホール素子304によって検出し、速度制御と共にインペラ部302の位置を検知する。そして、インペラ部302の位置の異常を検出したらファン装置の駆動を停止する。即ち、インペラ部302の位置の異常を検出することによって、ファン装置が振動して異常騒音を発生していると判断し、ファン装置の駆動を停止することができる。
【0048】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、インペラ部302の位置の変動によって、ファン装置が異常であると検知した場合であっても、低速で駆動すれば正常な状態になる可能性があることを考慮した制御を行う。第1の実施の形態とは、制御フローのみが異なり、構成は同じである。
【0049】
<第2の実施の形態に係る制御フロー>
図6は、第2の実施の形態に係る制御フローを示すフローチャートである。
【0050】
CPU107は、まずステップS702で、モータ306の回転速度の目標値を所定の目標値1を設定する。その後のステップS703からステップS708までの処理は、上述した第1の実施の形態における図4のステップS402からステップS407までの処理とそれぞれ同様である。
【0051】
前記差分値が比較値1から比較値2の範囲外で、ファン装置が異常であると判断した場合には、ステップS709に進むことになる。
【0052】
ステップS709では、CPU107は、現在の目標速が前記目標値1であるかを確認する。目標速1の場合はステップS710へ進み、モータ306の回転速度を目標速2に設定し、ステップS704へ進む。本実施の形態では、目標速1より目標速2の回転数が小さく設定されている。通常は高速設定(目標速1:第一の速度の一例)で回転させる。その際、インペラ部302の位置変動によってファン装置が異常であると検知した場合、モータ306を低速設定(目標速2:第二の速度の一例)で駆動すれば正常な値(差分値が比較値1から比較値2の範囲内)になる可能性がある。そのため、ステップS709で現在の目標速度を確認し、高速設定(目標速1)であれば、低速目標(目標速2)に切り替えて制御を行うのである(速度切り替え制御)。反対に、既に目標速2に変更されているときは、ステップS711へ進んで、ファン装置の停止処理を実行しステップS712で異常停止する。
【0053】
<第2の実施の形態に係る利点>
第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同等の利点を奏する。また、 インペラ部302の位置の変動具合によって、ファン装置が異常であると検知した場合には、低速で駆動することにより、正常な状態に復帰させることも可能となり、無用な異常停止を防ぐことができる。
【0054】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、複写機など特に廃熱が必要な機器にファン装置を適用する場合の制御例について説明する。
【0055】
第1及び第2の実施の形態とは、制御フローのみが異なり、構成は同じである。
【0056】
<第3の実施の形態に係る制御フロー>
図8は、第3の実施の形態に係る制御フローを示すフローチャートである。
【0057】
CPU107は、ステップS802からステップS810までの処理は、上述した第2の実施の形態における図7のステップS702からステップS710までの処理とそれぞれ同様である。
【0058】
ステップS810では、モータ306の駆動を目標速2に切り替えて、ステップS811へ進むが、ステップS811では、異常が発生していることをユーザに通知し(異常通知)、ステップS812へ進む。
【0059】
ステップS812では、CPU107は、複写機の動作をダウンモードに設定し、ステップS804へ進む。ファン装置の異常で低速設定に変更したため、複写機内の排気能力もしくは冷却能力が低減する。その結果、複写機の通常の動作では電源、発熱部品等に影響を及ぼす可能性がある。そのため、ファン装置の全速駆動時とは異なり、電源、発熱部品等に影響を及ぼさないようなダウンモード(=生産性ダウン等)で複写機を動作させる必要がある。
【0060】
ステップS809で既に目標速2に設定されていれば、ステップS813でファン装置の停止処理を行い、ステップS814へ進む。ステップS814では、ファン装置の異常をユーザに通知し、ステップS815で異常停止してシーケンスを終了する。
【0061】
<第3の実施の形態に係る利点>
第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同等の利点を奏する。また、複写機など特に廃熱が必要な機器の動作に適用する場合にも、ファン装置の異常を検知したら機器に対して適切な動作を実行させることができる。
【0062】
[他の実施の形態]
上記第1、第2又は第3の実施の形態において、モータ306の回転速度が制御範囲に入らない場合にはファン装置のエラーとして制御を停止する機能を追加しても、構わない。
【符号の説明】
【0063】
102 出力加算部
104 比較器
105 エッジ検出部
106 角速度検出部
108 最大値検出部
109 最小値検出部
110 差分検出部
301 回転軸
302 インペラ部
303 磁石
304 ホール素子
305 基板
306 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風用のインペラ部と、
前記インペラ部を回転駆動するための駆動部と、
前記インペラ部に取り付けられた磁石と、
前記磁石の移動を検出するための、少なくとも1つ以上のホール素子と、
前記ホール素子の各出力からインペラ部の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記角速度検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記インペラ部の回転駆動を制御する手段と、
前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最大値を検出する最大値検出手段と、
前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最小値を検出する最小値検出手段と、
前記最大値検出手段の出力と前記最小値検出手段の出力との差分を検出する差分検出手段と、
前記差分検出手段の出力が所定値を超えた場合に、前記駆動部を制御して前記インペラ部の回転駆動を停止する手段とを
備えたことを特徴とするファン装置。
【請求項2】
送風用のインペラ部と、
前記インペラ部を回転駆動する駆動部と、
前記インペラ部に取り付けられた磁石と、
前記磁石の移動を検出するための、少なくとも1つ以上のホール素子と、
前記ホール素子の各出力からインペラ部の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記角速度検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記インペラ部の回転駆動を第一又は第二の速度で制御する手段と、
前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最大値を検出する最大値検出手段と、
前記磁石が移動することによって生じる前記ホール素子の出力に基づいた角速度中の出力の最小値を検出する最小値検出手段と、
前記最大値検出手段の出力と前記最小値検出手段の出力との差分を検出する差分検出手段と、
前記差分検出手段の出力に応じて、前記インペラ部の回転駆動の速度が前記第一の速度又は前記第二の速度に切り替わるように前記駆動部を制御する速度切り替え制御手段とを備えたことを特徴とするファン装置。
【請求項3】
前記速度切り替え制御手段は、前記差分検出手段の出力が所定値より小さい場合に、前記インペラ部を前記第一の速度で回転駆動するように制御することを特徴とする請求項2に記載のファン装置。
【請求項4】
前記速度切り替え制御手段は、前記差分検出手段の出力が所定値より大きい場合に、前記インペラ部を前記第二の速度で回転駆動するように制御することを特徴とする請求項2に記載のファン装置。
【請求項5】
前記第一の速度よりも前記第二の速度の方が低速であることを特徴とする請求項2又は3に記載のファン装置。
【請求項6】
ユーザに対して異常を通知するための異常通知手段を備え、
前記差分検出手段の出力が所定値を超えた場合に、前記異常通知手段によって、ユーザに異常を通知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のファン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−265828(P2010−265828A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118405(P2009−118405)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】