説明

フェニルアセトアミド化合物

本発明は、式(I)のフェニルアセトアミド化合物、それらの製造方法、並びにヒトまたは動物の疾患、特に心血管疾患の処置および/または予防において使用するための医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルアセトアミド化合物、それらの製造方法、並びにヒトおよび動物の疾患、特に心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
システイニルロイコトリエン類は、多数の病理学上の病状の重要な介在物質である。それらは、例えば、多形核白血球、マクロファージおよびマスト細胞などの炎症細胞の活性化の際に、5−リポキシゲナーゼの補助を得て、アラキドン酸から形成される。これには、最初にロイコトリエンA4(LTA4)が産生され、次いでこれがさらなる反応段階においてグルタチオンの添加によりロイコトリエンC4(LTC4)に変換されることが含まれる。次いで、さらなる代謝がロイコトリエンD4(LTD4)およびロイコトリエンE4(LTE4)をもたらす。LTC4、LTD4およびLTE4は、共にシステイニルロイコトリエン類と呼ばれる。
【0003】
システイニルロイコトリエン類の生理的効果は、Gタンパク質共役型受容体により媒介される。2種のシステイニルロイコトリエン受容体が、薬理的および分子生物学的に特徴解析されてきた:
【0004】
システイニルロイコトリエン受容体1(CysLT1)は、支配的にLTD4により、より弱くLTC4およびLTE4により、活性化される。故に、それはLTD4受容体とも呼ばれる。この受容体は、1999年にクローニングおよび特徴解析された(Lynch et. al. (1999) Nature 399; 789-793)。CysLT1受容体は、脾臓、末梢白血球および肺で強い発現を示す。例えばプランルカスト、ザフィルルカストおよびモンテルカストなどのCysLT1−特異的受容体アンタゴニストは、気管支の平滑筋の弛緩を導き、気管支喘息の処置のために開発された。
【0005】
システイニルロイコトリエン受容体2(CysLT2)は、支配的にLTC4により、より弱くLTD4およびLTE4により、活性化される。故に、それはLTC4受容体とも呼ばれる。この受容体は、2000年に同定および特徴解析された(Heise et. al. (2000) Journal of Biological Chemistry 275; 30531-30536; Takasaki et. al. (2000) Biochem. Biophys. Res. Commun. 274; 316-322; Nothacker et. al. (2000) Mol. Pharmacol. 58; 1601-1608)。ヒトCysLT2受容体は、心臓、胎盤、脾臓および末梢血白血球(PBL)で非常に強い発現を示す。PCR調査およびインサイチュハイブリダイゼーションを利用して、心臓においてこの受容体が冠動脈の平滑筋で、筋細胞で、そして非常に強くプルキンエ線維で発現されることを示すことが可能であった(Kamohara et. al. (2001) Biochem. Biophys. Res. Commun. 287; 1088-1092; Hui et. al. (2001) Journal of Biological Chemistry 276; 47489-47495)。CysLT2受容体の活性化と共に、CysLT1受容体の場合と同様に、細胞内カルシウム濃度の上昇がある。
【0006】
システイニルロイコトリエン類は、血管作用性物質である。即ち、それらは冠動脈の強い収縮を導く。加えて、それらは、心臓の収縮力を低下させ、心電図の変化を誘導し、血圧に影響を与え、微小血管の透過性を高め、浮腫の形成を促進し、強い気管支収縮を誘導する(Letts et. al (1987) Cardiovasc. Clin. 18; 101-113; Fauler and Froelich (1989) Cardiovasc. Drugs and Therapy 3; 499-505; Piper et. al. (1990) Adv. Prostaglandin Thromboxane Leukotr. Res. 20; 146-152)。従って、システイニルロイコトリエン受容体のアンタゴニストは、心血管障害の処置への治療的アプローチを形成する。
【0007】
EP−A516069、US4,826,990、US4,942,236およびUS5,103,014は、ロイコトリエンアンタゴニストを、アレルギーおよび抗炎症障害の処置用に記載している。EP−A791576およびEP−A341551は、ロイコトリエンアンタゴニストを喘息の処置用に開示している。構造的に類似の構造は、US5,298,652に、心筋虚血の処置用のホスホリパーゼA2阻害剤として、そして、WO95/32710に、破骨細胞に媒介される骨の再吸収を阻害するための製品として、さらに記載されている。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、式
【化1】

式中、
Aは、窒素原子を介してケト基に結合している4員ないし7員の窒素含有飽和複素環であるか、
または、基
【化2】

{式中、
Eは、(C−C)−シクロアルカンジイルまたは(C−C)−アルカンジイルであり、
は、水素またはメチルであり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nは、0、1または2であり、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
そして、
Zは、メタまたはパラ位に位置し、基
【化3】

{式中、
Gは、Oであり、
Lは、(C−C)−アルカンジイルであり、
Mは、結合またはOであり、
は、(C−C10)−アリール、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、ヘテロアリール、5員ないし10員の複素環、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルキルメチルであり、ここで、アリール、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルおよびシクロアルキルメチルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルメトキシ、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−シクロアルコキシまたは(C−C)−シクロアルケニルオキシにより相互に独立して3回まで置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
の化合物およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物に関する。
【0009】
本発明による化合物は、式(I)の化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であり、式(I)に包含される後述する化合物が、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではない限り、式(I)に包含される後述する式の化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)に包含され、例示的実施態様として後述する化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0010】
本発明の化合物は、それらの構造次第で、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在する。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に純粋な置換基を、既知のやり方で、かかるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から単離できる。
本発明の化合物が互変異性体として生じ得る場合、本発明は、全互変異性体を包含する。
【0011】
本発明のために好ましいは、本発明の化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それ自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用できる塩も包含される。
【0012】
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0013】
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、常套の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
【0014】
溶媒和物は、本発明のために、溶媒分子との配位を通して固体または液体状態で錯体を形成する、本発明の化合物の形態を表す。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。
【0015】
アルキル自体およびアルコキシ中の「アルコ」は、通常1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
【0016】
アルコキシは、例えば、そして好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
【0017】
アルカンジイルは、1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルカンジイル基を表す。1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルカンジイルが好ましい。言及し得る好ましい例は、メチレン、エタン−1,2−ジイル、エタン−1,1−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−2,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−2,4−ジイル、2−メチル−ペンタン−2,4−ジイルである。
【0018】
アルケニルは、2個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基を表す。2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基が好ましい。言及し得る好ましい例は:ビニル、アリル、n−プロプ−1−エン−1−イル、n−ブト−2−エン−1−イルおよび2−メチル−2−ブテン−1−イルである。
【0019】
シクロアルキル自体並びにシクロアルコキシおよびシクロアルカンジイル中の「シクロアルコ(シクロアルカ)」は、通常3個ないし8個、好ましくは5個ないし7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、そして好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを表す。
【0020】
シクロアルコキシは、例えば、そして好ましくは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシおよびシクロヘプチルオキシを表す。
【0021】
シクロアルカンジイルは、例えば、そして好ましくは、シクロプロパン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロへプタン−1,2−ジイル、シクロへプタン−1,3−ジイルおよびシクロへプタン−1,4−ジイルを表す。
【0022】
シクロアルケニル自体、およびシクロアルケニルオキシ中の「シクロアルケン」は、通常5個ないし7個の炭素原子を有するシクロアルケニル基、例えば、そして好ましくは、シクロペンタ−2−エン−1−イル、シクロペンタ−3−エン−1−イル、シクロヘキサ−2−エン−1−イル、シクロヘキサ−3−エン−1−イル、シクロヘプタ−2−エン−1−イル、シクロヘプタ−3−エン−1−イルおよびシクロヘプタ−4−エン−1−イルを表す。
【0023】
シクロアルケニルオキシは、例えば、そして好ましくは、シクロペンタ−2−エン−1−イルオキシ、シクロペンタ−3−エン−1−イルオキシ、シクロヘキサ−2−エン−1−イルオキシ、シクロヘキサ−3−エン−1−イルオキシ、シクロヘプタ−2−エン−1−イルオキシ、シクロヘプタ−3−エン−1−イルオキシおよびシクロヘプタ−4−エン−1−イルオキシを表す。
【0024】
アリールは、通常6個ないし10個の炭素原子を有する、単環式ないし三環式、芳香族性、炭素環式の基;例えば、そして好ましくは、フェニルおよびナフチルを表す。
【0025】
ヘテロアリールは、通常5個ないし10個、好ましくは5個ないし6個の環の原子を有し、S、OおよびNの系列から5個まで、好ましくは4個までのヘテロ原子を有する、芳香族性、単環式または二環式の、場合によりベンゾ縮合した基、例えば、そして好ましくはチエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルを表す。
【0026】
複素環は、通常5個ないし10個、好ましくは5個ないし8個、特に5個または6個の環の原子を有し、N、O、S、SO、SOの系列から、3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有する、単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式の、場合によりベンゾ縮合した、非芳香族性複素環式基を表す。複素環の基は、飽和または部分不飽和であり得る。O、NおよびSの系列から2個までのヘテロ原子を有する、ベンゾ縮合していることもある5員または6員の単環式飽和複素環の基、例えば、そして好ましくは、テトラヒドロフラン−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、ペルヒドロアゼピニル、1,3−ベンゾジオキソリル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシニル、2,3ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニルおよび4H−1,3−ベンゾジオキシニルが好ましい。
【0027】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0028】
本発明の化合物中の基が置換されているならば、その基は、断りのない限り、1個またはそれ以上の同一かまたは異なる置換基を有し得る。3個までの同一かまたは異なる置換基による置換が好ましく、1個の置換基による置換が特に好ましい。
【0029】
好ましいのは、式中、
Aが、窒素原子を介してケト基に結合している4員ないし6員の窒素含有飽和複素環であるか、
または、基
【化4】

{式中、
Eは、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、メチレン、エタン−1,2−ジイルまたはプロパン−1,3−ジイルであり、
は、水素であり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nが、0または1であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
Zが、メタまたはパラ位に位置し、基
【化5】

{式中、
Gは、Oであり、
Lは、(C−C)−アルカンジイルであり、
Mは、結合またはOであり、
は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、ジメチル−1,3−ジオキサニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルキルメチルであり、ここで、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、シクロアルキルおよびシクロアルキルメチルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルメトキシまたは(C−C)−シクロアルコキシにより相互に独立して3回まで置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
式(I)の化合物およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0030】
特に好ましいのは、式中、
Aが、窒素原子を介してケト基に結合しているアセチジン(acetidine)、ピロリジンまたはピペリジンであるか、
または、基
【化6】

{式中、
Eは、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、メチレン、エタン−1,2−ジイルまたはプロパン−1,3−ジイルであり、
は、水素であり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nが、0または1であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基
【化7】

{式中、
Gは、Oであり、
Lは、メチレン、プロパン−1,3−ジイルまたはブタン−1,4−ジイルであり、
Mは、結合またはOであり、
は、フェニル、4−ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−6−イル、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルまたはシクロヘキシルであり、ここで、フェニルは、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシルまたは(C−C)−シクロアルキルメトキシにより置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
式(I)の化合物およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0031】
ことさら特に好ましいのは、式中、
A−[CH−COが、基
【化8】

{式中、*は、ケト基への結合点である}
であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基*−O−CH−R
{式中、
は、フェニル、4−ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−6−イルであり、ここで、フェニルは、トリフルオロメトキシ、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、イソブチルオキシ、シクロヘキシルまたはシクロプロピルメトキシにより置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
であるか、または、
基*−O−CH−CH−CH−R
{式中、
は、4−クロロフェニル、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルまたはシクロヘキシルであり、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
であるか、または、
基*−O−CH−CH−CH−CH−O−R
{式中、
は、フェニルまたはシクロヘキシルであり、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
式(I)の化合物およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0032】
ことさら特に好ましいのは、また、式中、
Aが、窒素原子を介してケト基に結合しているアセチジン、ピロリジンまたはピペリジンであるか、
または、基
【化9】

{式中、
Eは、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、メチレン、エタン−1,2−ジイルまたはプロパン−1,3−ジイルであり、
は、水素であり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nが、0または1であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基
【化10】

{式中、*は、フェニル環への結合点である}
である、
式(I)の化合物およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0033】
ことのほか好ましいのは、式中、
A−[CH−COが、基
【化11】

{式中、*は、ケト基への結合点である}
であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基
【化12】

{式中、*はフェニル環への結合点である}
である、
式(I)の化合物およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0034】
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造方法に関し、それは、以下のいずれかを特徴とする;
[A]式
【化13】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルであり、Qは、ヒドロキシまたは塩素であり、そして、Zは、上記の意味を有する}
の化合物を、式
【化14】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルであり、そして、nおよびAは、上記の意味を有する}
の化合物と反応させる、
または、
[B]工程[A]で製造される化合物中の2個のエステル基−C(O)ORおよび−C(O)ORを、加水分解する。
【0035】

【化15】

{式中、Rは(C−C)−アルキルであり、そして、Zは上記の意味を有する}
の化合物は、例えば、式
【化16】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルであり、そして、Zは上記の意味を有する}
の化合物中のカルボン酸の基を、塩素化により対応する酸塩化物に変換することにより、製造できる。
式(II)は、式(IIa)および(IIb)の化合物を包含する。
【0036】
式(IIb)の化合物は、例えば、式
【化17】

(式中、Xは、例えば、ハロゲン、メシレートまたはトシレートなどの適する脱離基であり、Zは上記の意味を有する)
の化合物を、式
【化18】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルである}
の化合物と反応させ、式
【化19】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルであり、そして、Zは上記の意味を有する}
の化合物を得、その後、アリル基を除去することにより製造できる。
【0037】
式(IV)の化合物は、例えば、式
【化20】

(式中、Rは、水素またはアルキル基を表し、そして、Zは上記の意味を有する)
の化合物を、カルボン酸またはエステル基の還元により、対応する式
【化21】

(式中、Zは上記の意味を有する)
のアルコールに変換し、最後に、ヒドロキシ基を、例えば、ハロゲン、メシレートまたはトシレートなどの脱離基に変換することにより製造できる。
【0038】
式(V)の化合物は、例えば、P. Nussbaumer et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 7660-7662 と同様に製造できる。
式(III)および(VII)の化合物は、それ自体当業者に知られているか、または、文献に開示されている常套の方法により製造できる。
【0039】
工程(II)+(III)→(I)(Qがヒドロキシに等しいものについて)のアミドカップリングにおいて、アミンは、好ましくは、それらの塩酸塩形態で用いる。反応は、好ましくは、標準的条件下で、例えば、N−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)および1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物(HOBT)、などのアミドまたはペプチドカップリングに一般的な常套の試薬の存在下、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの補助塩基の存在下、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中、室温で行う。
【0040】
工程(II)+(III)→(I)(Qが塩素に等しいものについて)のアミドカップリングにおいて、アミンは、好ましくは、それらの塩酸塩形態で用いる。反応は、好ましくは、標準的条件下、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの補助塩基の存在下、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは塩化メチレンなどの溶媒中、0℃ないし室温の温度で行う。
【0041】
およびRが水素である場合の方法[B]による化合物(I)の製造におけるエステル加水分解は、好ましくは、例えば2モル濃度水酸化ナトリウム溶液などの水性アルカリ金属水酸化物溶液の存在下、室温ないし70℃の温度で、例えばメタノールまたはテトラヒドロフランまたはそれらの混合物などの水混和性有機溶媒を添加して行う。
【0042】
工程(IIb)→(IIa)は、好ましくは、塩化チオニルまたは塩化オキサリルなどの塩素化試薬を用いて行う。反応は、必要に応じて触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で行い、例えばジクロロメタンまたはクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素を溶媒として添加することができる。反応温度は、この場合、0℃ないし各溶媒または塩素化試薬の沸点である。
【0043】
工程(IV)+(V)→(VI)は、好ましくは、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、アセトンまたはブチロニトリルなどの不活性溶媒中、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたはピリジンなどの補助塩基の存在下、室温ないし各溶媒の沸点の温度範囲で行う。
【0044】
工程(VI)→(IIb)におけるアリル基の除去は、アリル基の除去のために当業者に知られている常套の条件下で、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒を用いて、モルホリンなどのアミン塩基の存在下、例えばテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、0℃ないし各溶媒の沸点の温度範囲で行う。
【0045】
工程(VII)→(VIII)は、カルボキシルまたはエステル基の対応するアルコール基への還元のために当業者に知られている通常の条件下で、例えば、水素化リチウムアルミニウムなどの錯体金属水素化物を用いて、例えばテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、0℃ないし各溶媒の沸点の温度範囲で行う。
【0046】
工程(VIII)→(IV)におけるアルコール官能基の脱離基Xへの変換は、当業者に知られている様々なやり方で行うことができる。対応する臭化物を与える反応は、好ましくは、溶媒としてのテトラヒドロフラン中、室温で、トリフェニルホスフィンとテトラブロモメタンの混合物を用いて、または、溶媒としてのジクロロメタン中、0℃ないし室温の温度範囲で、三臭化リンを用いて、必要に応じてピリジンの存在下で行う。対応するメシレートまたはトシレートを与える反応は、好ましくは、溶媒としてのジクロロメタン中、0℃ないし室温の温度範囲で、メタンスルホニルクロリドまたはパラ−トルエンスルホニルクロリドを用いて、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンの存在下で行う。
【0047】
本発明の方法は、以下の式のスキームにより例示的に図解説明できる:
【化22】

【0048】
【化23】

【0049】
本発明の化合物は、予想し得なかった、価値ある薬理学的および薬物動態学的効果のスペクトルを示す。
【0050】
従って、それらは、ヒトおよび動物の疾患の処置および/または予防のための医薬としての使用に適する。
【0051】
本発明の化合物の医薬活性は、それらのシステイニル−ロイコトリエン受容体2の選択的アンタゴニストとしての効果により説明できる。
【0052】
本発明のために「選択的」であると表されるシステイニル−ロイコトリエン受容体アンタゴニストは、システイニル−ロイコトリエン受容体2の活性を、システイニル−ロイコトリエン受容体1の同等の活性よりも10倍以上、好ましくは100倍以上、特に1000倍以上低い濃度で阻害するものである。選択性を決定するための試験方法に関し、セクションB1.およびB2.に記載の試験方法を参照し得る。
【0053】
本発明のために「アンタゴニスト」と表されるシステイニル−ロイコトリエン受容体の調節物質は、アンタゴニスト活性を有するものであり、部分的に過ぎないものを含み、好ましくは測定可能なアゴニスト成分を含まない。
【0054】
式(I)の化合物は、様々な障害、好ましくは心血管障害の予防および/または処置に適する。
【0055】
言及し得る好ましい例は、心房性および心室性不整脈、心筋梗塞、動脈硬化症、心不全、安定および不安定狭心症、心筋虚血、一過性および虚血性発作、卒中、炎症性心血管障害、冠動脈心疾患、末梢および心血管障害、末梢血流の障害、血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)および経皮経管冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄、肺高血圧症、冠攣縮、血栓症、血栓塞栓性障害、バイパス術、心臓移植、浮腫形成、ショック、高血圧、急性腎不全、炎症性障害、喘息性障害、慢性閉塞性気道疾患(COPD)、疼痛の状態、前立腺肥大、炎症性皮膚障害、胎盤不全、胎盤形成の障害、失調症、膀胱炎、膀胱の機能亢進、副腎の障害、例えば、褐色細胞腫およびウォーターハウス−フリドリッヒセン(Waterhouse-Friderichsen)症候群、腸の障害、例えばクローン病または下痢である。
【0056】
本発明はさらに、障害、特に上述の病状の処置および/または予防のための、本発明の化合物の使用に関する。
【0057】
本発明はさらに、障害、特に上述の病状の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明の化合物の使用に関する。
【0058】
本発明はさらに、心血管的効力を有する量の本発明の化合物を使用する、障害、特に上述の障害の処置および/または予防方法に関する。
【0059】
本発明はさらに、本発明の化合物および1種またはそれ以上の他の有効成分を含む、特に上述の障害の処置および/または予防のための医薬に関する。組合せに適する、そして好ましい有効成分の言及し得る例は、システイニル−ロイコトリエン受容体1アンタゴニスト、システイニル−ロイコトリエン−生合成阻害剤、血栓溶解剤、血小板凝集阻害剤、β−遮断薬、硝酸塩、Caチャネル遮断薬および/または抗炎症性有効成分、例えばシクロオキシゲナーゼ阻害剤である。
【0060】
本発明の化合物は、全身的および/または局所的効果を有し得る。この目的で、それを適するやり方で、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、下に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜もしくは耳経路で、またはインプラントもしくはステントとして、投与できる。
本発明の化合物は、これらの投与経路に適する投与形で投与できる。
【0061】
経口投与に適する投与形は、当分野の現状に準じて機能し、本発明の化合物を迅速かつ/または改変されたやり方で送達し、本発明の化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含有するもの、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、胃液耐性であるか、またはゆっくりと溶解するか、または不溶性であり、本発明の化合物の放出を制御する被覆を有するもの)、口中で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム/ウエハー(wafer)、カプセル剤、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
【0062】
非経腸投与は、吸収段階を避けて(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または、吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤の形態の、注射および点滴製剤である。
【0063】
他の投与経路に適する例は、吸入(なかんずく、粉末吸入器、噴霧器)用の医薬形態、点鼻薬、液、スプレー;舌、舌下または頬側投与用の錠剤またはカプセル剤、坐剤、耳または眼用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、散布剤、ステントまたはインプラントである。
【0064】
非経腸、特に、例えば、ivボーラス注射(即ち、例えばシリンジによる単回投与として)、短時間の点滴(即ち、1時間までの期間にわたる点滴)または長時間の点滴(即ち、1時間より長い期間にわたる点滴)としての、静脈内投与が好ましい。これらの場合では、投与体積は、特定の状態に応じて、ボーラス注射で0.5ないし30、特に1ないし20ml、短時間の点滴で25ないし500、特に50ないし250ml、そして長時間の点滴で50ないし1000、特に100ないし500mlであり得る。この目的で、有効成分を固体形態で提供し(例えば凍結乾燥物または塩として)、投与のほんの直前に溶解媒体に溶解するのが有利であり得る。
【0065】
これらの場合、投与形は無菌かつパイロジェン不含である必要がある。それらは、水性または水性および有機溶媒の混合物をベースとし得る。これらには、例えば、水性溶液、水性および有機溶媒の混合物(特にエタノール、ポリエチレングリコール(PEG)300または400)、シクロデキストリンを含有する水性溶液または乳化剤(界面活性可溶化剤、例えばレシチンまたは Pluronic F 68、Solutol HS15、Cremophor)を含有する水性溶液が含まれる。水性溶液が好ましい。
【0066】
非経腸投与に適する製剤は、実質的に等張かつ等水素量(euhydric)のもの、例えば、pH3ないし11、好ましくは6ないし8、特に約7.4のものである。
【0067】
注射用液剤は、ガラスまたはプラスチック製の適する容器、例えばバイアルに詰める。液剤をそこから直接取り出して投与できる。凍結乾燥剤の場合、適する溶媒を注入することによりそれをバイアル中で溶解し、次いで取り出す。点滴用液剤は、ガラスまたはプラスチック製の適する容器、例えばビンまたは折り畳めるプラスチック袋に詰める。
【0068】
本発明の化合物は、それ自体既知のやり方で、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性の、医薬的に適する補助剤の使用により行う。これらの補助剤には、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、分散剤(例えばバイオポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色料(例えば酸化鉄などの無機色素)および味および/または匂いの隠蔽剤が含まれる。
【0069】
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明の化合物を、好ましくは1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と共に含む医薬、および上述の目的のためのそれらの使用に関する。
【0070】
ヒトの医学および獣医学の両方において、24時間毎に総量で約0.01ないし約700、好ましくは0.01ないし100mg/体重kgの本発明の化合物を、必要に応じて複数の単回用量の形態で投与するのが、所望の結果を得るために有利であることが、一般的に明らかになった。単回用量は、好ましくは、本発明の化合物を、約0.1ないし約80、特に0.1ないし30mg/体重kgの量で含有する。
【0071】
それにも関わらず、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個体の挙動、製剤のタイプおよび投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から離れることが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり得、一方、上述の条件を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、それらを1日にわたる複数の単回用量に分割するのが望ましいことがある。
【0072】
以下の試験および実施例における百分率のデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積をベースとする。
【実施例】
【0073】
A.実施例
略号:
【表1】

【0074】
HPLCおよびLC−MSの方法:
方法1(HPLC):装置 DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:過塩素酸5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B、6.7分2%B、7.5分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0075】
方法2(HPLC):装置 DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:過塩素酸5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、9分90%B、9.2分2%B、10分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0076】
方法3(HPLC):装置 DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:過塩素酸5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、15分90%B、15.2分2%B、16分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0077】
方法4(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 シリーズ; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm; 溶離剤A:水1l+50%蟻酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0078】
方法5(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP-18e 50 mm x 4.6 mm;溶離剤A:水+50%蟻酸500μl/l;溶離剤B:アセトニトリル+50%蟻酸500μl/l;勾配:0.0分10%B→3.0分95%B→4.0分95%B;オーブン:35℃;流速:0.0分1.0ml/分→3.0分3.0ml/分→4.0分3.0ml/分;UV検出:210nm。
【0079】
方法6(LC−MS):装置 Micromass Quattro LCZ、HPLC Agilent シリーズ 1100; カラム: Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;溶離剤A:水1l+50%蟻酸1ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm。
【0080】
方法7(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4mm;溶離剤A:水1l+50%蟻酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分,2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0081】
方法8(LC−MS):装置 Micromass Quattro LCZ、HPLC Agilent シリーズ 1100; カラム: Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%蟻酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分,2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0082】
方法9(HPLC):カラム:Symmetry TM C18 3.9 mm x 150 mm;溶離剤A:水、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0.0分10%B→0.6分10%B→3.8分100%B→5.0分100%B→5.5分10%B→6.0分10%B;流速:1.5ml/分;注入量:10μl;UV検出:214nmおよび254nm。
【0083】
出発化合物
実施例I
エチル4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ベンゾエート
【化24】

エチル4−ホルミル−3−(ヒドロキシメチル)ベンゾエート[CAS No.82304−99−2]10.0g(51.50mmol)を、エタノール250mlに導入し、0℃で、固体の水素化ホウ素ナトリウムを添加する。混合物を室温で終夜撹拌する。エタノールを留去し、残渣を0.5M塩酸に取る。溶液を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)により精製する。生成物9.3gを得る。
TLC:R:0.28(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法1):R:3.40分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 10.24 (s, 幅広い, 1H), 7.97 (d, 1H), 7.69 (dd, 1H), 6.83 (d, 1H), 5.12 (s, 幅広い, 1H), 4.48 (s, 2H), 4.24 (四重線, 2H), 1.29 (t, 3H).
MS(DCI,NH):m/z=214(M+NH)、410(2M+NH
【0084】
実施例II
[5−(エトキシカルボニル)−2−ヒドロキシベンジル](トリフェニル)ホスホニウムブロミド
【化25】

実施例I由来の化合物9.3g(47.40mmol)およびトリフェニルホスホニウムブロミド17.08g(49.77mmol)を、アセトニトリル400mlに導入し、65℃で終夜撹拌する。反応溶液を蒸発乾固し、残渣をアセトニトリル100mlでスラリー化し、吸引濾過する。生成物23.7gを得る。
HPLC(方法1):R:4.45分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 10.72 (s, 1H), 7.92-7.87 (m, 3H), 7.77-7.63 (m, 13H), 7.47 (dd, 1H), 6.82 (d, 1H), 4.98 (d, 2H), 4.13 (四重線, 2H), 1.21 (t, 3H).
MS(ESI):m/z=441(M
【0085】
実施例III
エチル3−[2−(アリルオキシ)−2−オキソエチル]−4−ヒドロキシベンゾエート
【化26】

実施例IIの化合物23.7g(45.46mmol)およびトリエチルアミン19ml(136.4mmol)を、ジクロロメタン240mlに導入する。次いで、蟻酸アリル5.48g(45.5mmol)をゆっくりと滴下して添加する。混合物を室温で終夜撹拌する。反応混合物を10%強度重炭酸ナトリウム溶液1lに注ぎ、水相を酢酸エチルと振盪する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させ、次いでシクロヘキサン/酢酸エチル4:1で抽出する。集めた画分は、濃縮後、生成物6.05gをもたらす。
TLC:R:0.45(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法1):R:4.22分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 10.48 (s, 幅広い, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.73 (dd, 1H), 6.89 (d, 1H), 5.96-5.83 (m, 1H), 5.30-5.17 (m, 2H), 4.57-4.53 (m, 2H), 4.25 (四重線, 2H), 3.68 (s, 2H), 1.29 (t, 3H).
MS(DCI,NH):m/z=282(M+NH)、546(2M+NH
【0086】
実施例IV
3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロピルメタンスルホネート
【化27】

アルゴン雰囲気下、3−{4[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロパン−1−オール(実施例XXI)2.0g(6.66mmol)およびトリエチルアミン1.1mlを、ジクロロメタン20mlに溶解する。0℃で、メタンスルホニルクロリド0.54ml(6.99mmol)を滴下して添加する。反応混合物をゆっくりと室温にし、次いで、1時間撹拌する。次いで、混合物を水10mlでクエンチし、相を分離し、水相をジクロロメタンでさらに2回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。生成物2.4gを得る。
HPLC(方法2):R:5.24分
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.32 (d, 2H), 7.13 (d, 2H), 6.91 (d, 2H), 6.90 (d, 2H), 4.95 (s, 2H), 4.60 (sep, 1H), 4.18 (t, 2H), 3.16 (s, 3H), 2.60 (t, 2H), 1.92 (m, 2H).
MS(DCI,NH):m/z=396(M+NH)、774(2M+NH
【0087】
実施例V
エチル3−[2−(アリルオキシ)−2−オキソエチル]−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)ベンゾエート
【化28】

アルゴン雰囲気下、実施例III由来の化合物1.52g(5.76mmol)および実施例IV由来の化合物2.40g(6.34mmol)および炭酸セシウム2.25g(6.92mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、60℃の浴温度で4時間撹拌する。反応溶液を0.01M塩酸と混合し、酢酸エチルで抽出する。相分離後、水相を酢酸エチルでもう1回抽出する。合わせた有機相を水で2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン−酢酸エチル4:1)で精製する。集めた画分は、生成物2.83gをもたらす。
TLC:R:0.64(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法3):R:6.00分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.90-7.84 (2H), 7.32 (d, 2H), 7.12-7.02 (3H), 6.93-6.88 (4H), 5.88 (m, 1H), 5.27-5.11 (m, 2H), 4.94 (s, 2H), 4.67-4.52 (3H), 4.28 (四重線, 2H), 4.00 (t, 2H), 3.73 (s, 2H), 2.63 (t, 2H), 2.01-1.88 (m, 2H), 1.30 (t, 3H), 1.24 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=564(M+NH
【0088】
実施例VI
[5−(エトキシカルボニル)−2−(3−{4[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)フェニル]エタン酸
【化29】

実施例Vの化合物2.8g(5.12mmol)を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.18g(0.15mmol)と共にテトラヒドロフラン60mlに溶解する。その後、次いで、モルホリン6.7ml(76.83mmol)を滴下して添加し、還流下で2時間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固する。分取RP−HPLCにより精製し、生成物1.99gを得る。
HPLC(方法2):R:5.54分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.23 (s 幅広い, 1H), 7.84 (dd, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.02 (d, 1H), 6.89 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 4.28 (四重線, 2H), 4.00 (t, 2H), 3.60 (s, 2H), 2.68 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.30 (t, 3H), 1.23 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=524(M+NH
【0089】
実施例VII
メチル(1R,3S)−3−アミノシクロペンタンカルボキシレート塩酸塩
【化30】

(1R,3S)−3−アミノシクロペンタンカルボン酸1.0g(7.74mmol)を、メタノール5mlに溶解し、クロロトリメチルシラン2.16ml(17.03mmol)を添加する。反応混合物を還流下で終夜撹拌する。次いで、混合物を濃縮し、高真空下で乾燥する。生成物1.16gを得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.21 (s 幅広い, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.47 (m, 1H), 2.86 (m, 1H), 2.25 (m, 1H), 2.01-1.61 (m, 5H).
MS (DCI, NH3): m/z = 144 (M+H+), 287 (2M+H+).
【0090】
実施例VIII
1−(3−ブロモプロピル)−4−(4−フェノキシブトキシ)ベンゼン
【化31】

3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]−1−プロパノール(実施例XIX)10.0g(27.5mmol)を、テトラヒドロフラン50mlに溶解し、固体のトリフェニルホスフィン10.5gを添加する。固体のテトラブロモメタン13.2gを溶液に添加する。約5分後、混合物が濁り始める。反応は1時間後に完了する。沈殿を濾過し、濾液を濃縮する。粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル15:1を移動相として用いて、シリカゲル上の吸引濾過により精製する。生成物8.5gを得る。
HPLC(方法1):R:6.01分
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.29-7.24 (m, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.94-6.89 (m, 3H), 6.86 (d, 2H), 4.00 (m, 4H), 3.48 (t, 2H), 2.63 (t, 2H), 2.05 (m, 2H), 1.84 (m, 4H).
MS(DCI,NH):m/z=380/382(M+NH
【0091】
実施例IX
エチル3−[2−(アリルオキシ)−2−オキソエチル]−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}ベンゾエート
【化32】

実施例III由来の化合物1.5g(5.68mmol)、実施例VIII由来の化合物2.06g(5.68mmol)および炭酸カリウム1.18g(8.51mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、65℃で1.5時間撹拌する。混合物を室温にし、0.25M塩酸約100mlと混合し、酢酸エチルで2回抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。乾燥後、溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル5:1)により精製する。生成物2.87gを得る。
LC−MS(方法5):R:3.23分、MS(EI+):m/z=547(M+H
【0092】
実施例X
エチル3−[2−(アリルオキシ)−2−オキソエチル]−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}ベンゾエート
【化33】

実施例IX由来の化合物500mg(0.91mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)31.7mg(0.03mmol)を、テトラヒドロフラン10mlに溶解し、次いで、モルホリン1.2ml(13.72mmol)を滴下して添加する。反応混合物を還流下で2時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣を分取RP−HPLCにより精製する。生成物410mgを得る。
LC−MS(方法6):R:3.55分;MS(ESI+):m/z=507(M+H
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.29 (s, 1H), 7.80-7.89 (2H), 7.21-7.33 (2H), 6.77-7.17 (8H), 4.28 (四重線, 2H), 3.92-4.07 (6H), 3.61 (s, 2H), 2.68 (t, 2H), 1.96 (t, 2H), 1.79-1.90 (4H), 1.30 (t, 3H).
【0093】
実施例XI
エチル3−(2−クロロ−2−オキソエチル)−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}ベンゾエート
【化34】

アルゴン雰囲気下、実施例X由来の化合物650mg(1.28mmol)を、テトラヒドロフラン15mlに導入する。室温で、塩化チオニル0.94ml(12.83mmol)を滴下して添加し、混合物をこの温度で終夜撹拌する。混合物をロータリーエバポレーター中で濃縮する。粗生成物900mgを得、さらに精製せずに実施例10で反応させる。
【0094】
実施例XII
1−(3−ブロモプロピル)−4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]ベンゼン
【化35】

3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロパン−1−オール(実施例XXIII)10.0gを、テトラヒドロフラン50mlに溶解し、固体のトリフェニルホスフィン10.5gを添加する。固体のテトラブロモメタン13.2gを溶液に添加する。約5分後、混合物が濁り始める。反応は1時間後に完了する。沈殿を濾過し、濾液を濃縮する。粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル15:1を移動相として用いて、シリカゲル上の吸引濾過により精製する。生成物8.5gを得る。
HPLC(方法1):R:6.01分
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.29-7.24 (m, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.94-6.89 (m, 3H), 6.86 (d, 2H), 4.00 (m, 4H), 3.48 (t, 2H), 2.63 (t, 2H), 2.05 (m, 2H), 1.84 (m, 4H).
MS(DCI,NH):m/z=380/382(M+NH
【0095】
実施例XIII
エチル3−[2−(アリルオキシ)−2−オキソエチル]−4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)ベンゾエート
【化36】

アルゴン雰囲気下、実施例IIIの化合物2.0g(7.57mmol)および実施例XIIの化合物3.07g(8.32mmol)を、炭酸セシウム2.96g(9.08mmol)と混合し、N,N−ジメチルホルムアミド15.00mlに溶解する。反応混合物を60℃の浴温度で4時間撹拌する。反応溶液を0.01M塩酸と混合し、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)により精製する。生成物3.38gを得る。
TLC:R:0.64(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:6.46分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.88 (d, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.09 (d, 2H), 7.04 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 5.88 (m, 1H), 5.24-5.12 (m, 2H), 4.53 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 3.99 (t, 2H), 3.92 (t, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.42 (t, 2H), 3.21 (m, 1H), 2.63 (t, 2H), 1.93 (偽-五重線, 2H), 1.79-1.55 (8H), 1.47 (m, 1H), 1.29 (t, 3H), 1.19 (5H).
MS(ESI):m/z=553(M+H)、570(M+NH
【0096】
実施例XIV
[2−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−5−(エトキシカルボニル)フェニル]エタン酸
【化37】

実施例XIII由来の化合物3.34g(6.04mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.21g(0.18mmol)を、テトラヒドロフラン60mlに溶解し、次いで、モルホリン7.91ml(90.65mmol)を滴下して添加する。反応混合物を還流下で2時間撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。生成物2.38gを得る。
HPLC(方法2):R:5.71分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.23 (s 幅広い, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.10 (d, 2H), 7.02 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 3.99 (t, 2H), 3.92 (t, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.68 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.53 (8H), 1.46 (m, 1H), 1.30 (t, 3H), 1.19 (5H).
MS(ESI):m/z=513(M+H)、530(M+NH
【0097】
実施例XV
メチルアゼチジン−3−カルボキシレート塩酸塩
【化38】

3−アゼチジンカルボン酸190mg(1.88mmol)を、メタノール7mlに導入し、0℃に冷却する。塩化チオニル0.15ml(2.07mmol)を滴下して添加する。反応混合物をゆっくりと室温にし、この温度で終夜撹拌する。メタノールをロータリーエバポレーター中で除去し、残渣を高真空下で乾燥する。生成物271mgを得、実施例20の通りに反応させ、これ以上精製しない。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 9.44 (s, 幅広い, 1H); 9.16 (s, 幅広い, 1H), 4.17-3.94 (m, 4H), 3.70 (s, 3H).
MS(DCI,NH):m/z=116(M+H)、133(M+NH)、231(2M+H
【0098】
実施例XVI
エチル3−[2−(アリルオキシ)−2−オキソエチル]−4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}ベンゾエート
【化39】

アルゴン雰囲気下、実施例IIIの化合物2.0g(7.57mmol)および1−(3−ブロモプロピル)−4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)ベンゼン(実施例XXVI)2.82g(8.32mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド15mlに導入し、炭酸セシウム2.96g(9.08mmol)と60℃で4時間撹拌する。室温に冷却後、反応溶液を0.01M塩酸と混合し、酢酸エチルで数回抽出する。合わせた有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)により精製する。生成物3.16gを得る。
TLC:R:0.64(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:7.22分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.88 (d, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.08 (d, 2H), 7.04 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 5.88 (m, 1H), 5.25-5.13 (m, 2H), 4.53 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 4.00 (t, 2H), 3.89 (t, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.63 (t, 2H), 1.94 (偽-五重線, 2H), 1.72-1.58 (7H), 1.32-1.12 (9H), 0.88 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=523(M+H)、540(M+NH
【0099】
実施例XVII
[2−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−5−(エトキシカルボニル)フェニル]エタン酸
【化40】

実施例XVIの化合物3.10g(5.93mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.21g(0.18mmol)を、テトラヒドロフラン60mlに溶解し、その後、モルホリン7.76ml(88.96mmol)を滴下して添加する。反応混合物を還流下で2時間撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、残渣を分取RP−HPLCにより精製する。生成物1.56gを得る。
HPLC(方法2):R:6.13分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.84 (d, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.10 (d, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 4.00 (t, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.60 (s, 2H), 2.67 (t, 2H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.71-1.60 (7H), 1.32-1.10 (9H), 0.88 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=500(M+NH
【0100】
実施例XVIII
メチル3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロパノエート
【化41】

アセトニトリル100ml中の、メチル3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート10.0gおよび4−フェノキシ−1ブチルブロミド12.7gの溶液を、炭酸カリウム11.5gと混合し、15時間還流に加熱する。次いで、溶媒をロータリーエバポレーター中で除去し、残渣を酢酸エチルおよび水に取る。相分離の後、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。蒸発後の粗生成物を吸引濾過により、シリカゲルを通して、シクロヘキサン/酢酸エチル19:1で精製する。生成物12.6gを得る。
TLC:R:0.36(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法1):R:5.41分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.32-7.23 (m, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.96-6.82 (m, 5H), 3.98 (m, 4H), 3.57 (s, 3H), 2.77 (t, 3H), 2.57 (t, 2H), 1.85 (m, 4H).
MS(ESI+):m/z=329(M+H)、351(M+Na
【0101】
実施例XIX
3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]−1−プロパノール
【化42】

テトラヒドロフラン中の水素化リチウムアルミニウムの1モル濃度溶液20.1mlを導入する。撹拌しながら、THF40ml中のメチル3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロパノエート12.0gの溶液を、混合物がちょうど沸騰し始めるようなやり方で、滴下して添加する。混合物を室温で30分間撹拌する。過剰の水素化リチウムアルミニウムを加水分解するために、メタノール1mlを注意深く懸濁液に添加する。次いで、混合物を1モル濃度塩酸に添加し、酢酸エチルで抽出する。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。濾過および蒸発により、生成物10.9gを得る。
HPLC(方法1):R:4.94分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.30-7.24 (m, 2H), 7.08 (d, 2H), 6.95-6.88 (m, 3H), 6.83 (d, 2H), 4.39 (t, 1H), 4.01 (m, 4H), 3.38 (四重線, 2H), 2.53 (t, 2H), 1.83 (m, 4H), 1.67 (m, 2H).
MS(ESI+):m/z=301(M+H)、323(M+Na
【0102】
実施例XX
メチル3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロパノエート
【化43】

ブチロニトリル120ml中の4−イソプロポキシベンジルクロリド11.0gおよびメチル3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート10.7gの溶液を、炭酸カリウム12.4gと混合し、15時間還流に加熱する。次いで、溶媒をロータリーエバポレーター中で留去する。残渣を酢酸エチルに取り、水および飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥後、有機相を蒸発させ、生成物を、シリカを通し、シクロヘキサン/酢酸エチル9:1を用いて、吸引濾過により精製する。生成物9.4gを得る。
HPLC(方法1):R:5.33分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.32 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.90 (d, 2H), 6.89 (d, 2H), 4.94 (s, 2H), 4.60 (sep, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.78 (t, 2H), 2.57 (t, 2H), 1.27 (d, 6H).
MS(DCI,NH):m/z=346.2(M+NH
【0103】
実施例XXI
3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロパン−1−オール
【化44】

実施例XIXに記載の方法と同様に、メチル3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロパノエートを水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロパン−1−オールを得る。
TLC:R:0.48(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法1):R:4.87分
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, δ/ppm): 7.32 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.90 (d, 2H), 6.89 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.54 (sep, 1H), 3.68 (t 幅広い, 2H), 2.64 (t, 2H), 1.93-1.79 (m, 2H), 1.33 (d, 6H), 1.26 (s 幅広い, 1H).
MS(DCI,NH):m/z=318(M+NH
【0104】
実施例XXII
メチル3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロパノエート
【化45】

実施例XVIIIに記載の方法と同様に、メチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエートを(4−ブロモブトキシ)シクロヘキサンでアルキル化することにより、メチル3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロパノエートを得る。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ/ppm): 7.09 (d, 2H), 6.82 (d, 2H), 3.94 (t, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.49 (t, 2H), 3.30-3.15 (m, 1H), 2.88 (t, 2H), 2.59 (t., 2H), 1.94-1.17 (m, 14H).
LC−MS(方法7):R:3.01分、m/z=335(M+H
【0105】
実施例XXIII
3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロパン−1−オール
【化46】

実施例XIXに記載の方法と同様に、メチル3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロパノエートを水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロパン−1−オールを得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, δ/ppm): 7.10 (d, 2H), 6.82 (d, 2H), 3.95 (t, 2H), 3.67 (t, 2H), 3.49 (t, 2H), 3.23-3.19 (m, 1H), 2.63 (t, 2H), 1.92-1.20 (16H).
LC−MS(方法7):R:2.67分、m/z=307(M+H
【0106】
実施例XXIV
メチル3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロパノエート
【化47】

無水DMF100ml中のメチル3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート32.21gおよび1−ブロモ−3−シクロヘキシルプロパン44.0gの溶液を、炭酸セシウム69.9gと混合し、50℃の温度で6時間撹拌する。次いで、反応混合物を水約800mlに注ぎ、氷酢酸12.3mlと混合し、酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機抽出物を、水および飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒をロータリーエバポレーター中で除去する。生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル20:1を移動相として用いるシリカゲル上の吸引濾過により精製する。51.52gを得る。
TLC:R:0.47(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:6.09分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.10 (d, 2H), 6.81 (d, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.57 (s, 3H), 2.77 (t, 2H), 2.57 (t, 2H), 1.72-1.64 (m, 7H), 1.37-1.09 (m, 6H), 0.93-0.81 (m, 2H).
MS(DCI,NH):m/z=321.9(M+NH
【0107】
実施例XXV
3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロパン−1−オール
【化48】

実施例XIXに記載の方法と同様に、メチル3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロパノエートを水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロパン−1−オールを得る。
TLC:R:0.30(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法1):R:5.60分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.08 (d, 2H), 6.80 (d, 2H), 4.38 (t, 1H), 3.88 (t, 2H), 3.39 (四重線., 2H), 2.51 (t, 2H, concealed by the DMSO signal), 1.71-1.61 (m, 9H), 1.32-1.12 (m, 6H), 0.93-0.81 (m, 2H).
MS (DCI, NH3): m/z = 394.1 (M+NH4+).
【0108】
実施例XXVI
1−(3−ブロモプロピル)−4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)ベンゼン
【化49】

実施例VIIIに記載の方法と同様に、3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロパン−1−オールから、トリフェニルホスフィンおよびテトラブロモメタンを用いる臭素化により、1−(3−ブロモプロピル)−4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)ベンゼンを得る。
TLC:R:0.69(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法3):R:7.27分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.10 (d, 2H), 6.82 (d, 2H), 3.89 (t, 2H), 3.48 (t, 2H), 2.62 (t, 2H), 2.03 (五重線, 2H), 1.73-1.60 (m, 7H), 1.30-1.12 (m, 6H), 0.93-0.81 (m, 2H).
MS(DCI,NH):m/z=338および340(M)、356および358(M+NH
【0109】
実施例XXVII
メチルcis−3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート
【化50】

全部で2.51gの固体の水素化ホウ素ナトリウムを、メタノール520ml中のメチル3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート20.7gの溶液に、−78℃の温度で少しずつ添加する。2.5時間後、−78℃で、水5mlを添加し、反応混合物を室温に到達させる。次いで、溶媒をロータリーエバポレーター中で除去する。酢酸エチルで水からの抽出を実施する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、酢酸エチルを除去することにより、油状物19.0gを得る。NMRによると、生成物は、比94:6の2種のジアステレオマーの混合物からなる。3位で置換されているシクロヘキサノン化合物について文献に記載されている水素化ホウ素ナトリウムによる類似の還元と同様に、主要な生成物はcis異性体であるに違いないと結論づける。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm, 主要な異性体): 4.60 (d, 1H), 3.58 (s, 3H), 3.43-3.32 (m, 1H), 2.32 (tt, 1H), 2.03-1.97 (m, 1H), 1.82-1.67 (m, 3H), 1.31-0.96 (m, 4H).
MS(DCI,NH):m/z=159(M+H)、176(M+NH
【0110】
実施例XXVIII
メチルcis−3−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}シクロヘキサンカルボキシレート
【化51】

パラ−トルエンスルホニルクロリド32gを、無水ジクロロメタン410ml中のメチルcis−3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート18.97gおよびピリジン97mlの溶液に、0℃の温度で添加する。冷却槽を除去し、反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、溶媒および過剰のピリジンをロータリーエバポレーター中で除去する。得られる残渣を酢酸エチルに取る。不溶物を濾過し、濾液を濃縮する。固体の残渣を全部で6回、各回約500mlの石油エーテルと撹拌する。これにより、結晶性固体29.7gを得る。
HPLC(方法1):R:4.67分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.79 (d, 2H), 7.48 (d, 2H), 4.53-4.44 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.07-1.99 (m, 1H), 1.78-1.69 (m, 3H), 1.49 (四重線., 1H), 1.41-1.13 (m, 3H).
MS(DCI,NH):m/z=330(M+NH
【0111】
実施例XXIX
メチルtrans−3−アジドシクロヘキサンカルボキシレート
【化52】

DMF660ml中のメチルcis−3−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}シクロヘキサンカルボキシレート29.6gの溶液を、アジ化ナトリウム6.49gと混合し、80℃で15時間撹拌する。水1000mlを室温で添加し、生成物を各回約300mlのジエチルエーテルで3回抽出する。有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。濾過し、ロータリーエバポレーター中室温で濃縮し、油状物16.8gを得る。生成物のトランス異性体への割当ては、このタイプの反応が反応部位での立体化学の反転を伴って起こるという経験から導かれる。
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 3.94 (五重線, 1H), 3.60 (s, 3H), 2.68-2.56 (m, 1H), 1.82-1.72 (m, 3H), 1.62-1.43 (m, 5H).
MS(DCI,NH):m/z=201(M+NH)、218(M+N
【0112】
実施例XXX
メチルtrans−3−アミノシクロヘキサンカルボキシレート塩酸塩
【化53】

方法A:
メタノール502ml中のメチルtrans−3−アジドシクロヘキサンカルボキシレート16.45gの溶液を、最初に、10%パラジウム/炭1.68gおよび蟻酸アンモニウム17.29gと混合し、次いで、還流に1時間加熱する。続いて、少量の Tonsil を通して濾過し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣を少量の酢酸エチルに溶解し、ジオキサン中の4モル濃度塩化水素30mlと混合する。20分後、混合物を蒸発乾固する。固体16.3gを得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.23 (s 幅広い, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.07-3.00 (m, 1H), 2.51-2.42 (m, 1H), 2.17 (d 幅広い, 1H), 1.93-1.74 (m, 3H), 1.42-1.11 (m, 4H).
MS(DCI,NH):m/z=158(M+H
【0113】
方法B:
方法Aに記載の方法により、メチルtrans−3−アジドシクロヘキサ−4−エンカルボキシレートから、メチルtrans−3−アミノシクロヘキサンカルボキシレート塩酸塩を得ることもできる。この場合、用いる蟻酸アンモニウムの量を倍増するだけである。
【0114】
実施例XXXI
trans−3−アジドシクロヘキサ−4−エンカルボン酸
【化54】

THF175ml中のラセミ体のcis−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタ−3−エン−7−オン18.4gの溶液を、水70ml中のアジ化ナトリウム10.6の溶液と混合する。次いで、反応混合物を15時間還流に加熱する。その後、ロータリーエバポレーター中、30℃の浴温度でTHFを除去する。残っている水相を2モル濃度水酸化ナトリウム溶液165mlと混合し、各回110mlのトルエンで2回、ジエチルエーテルで1回抽出する。次いで、約10℃で、水相を濃塩酸で酸性化する。生成物をジクロロメタンで抽出する。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。油状物19.7gを得る。これは、冷蔵庫で保存すると固体になる。生成物のトランス異性体への割当ては、このタイプの反応が反応部位での立体化学の反転を伴って起こるという経験から導かれる。
HPLC(方法1):R:3.62分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.38 (s, 幅広い, 1H), 6.09-6.03 (m, 1H), 5.82-5.77 (m, 1H), 4.14 (偽-d, 1H), 2.59-2.48 (m, 1H, DMSOシグナルにより部分的に隠される), 2.37-2.28 (m, 1H), 2.18-2.07 (m, 1H), 2.01-1.96 (m, 1H), 1.82-1.73 (m, 1H).
MS(ESI−):m/z=166(M−H)、333(2M−H
【0115】
実施例XXXII
メチルtrans−3−アジドシクロヘキサ−4−エンカルボキシレート
【化55】

トリメチルシリルクロリド32.6mlを、無水メタノール1.5l中のtrans−3−アジドシクロヘキサ−4−エンカルボン酸19.5gの溶液に、0℃で滴下して添加する。0℃で1時間後、混合物を室温でさらに1時間撹拌する。次いで、それを蒸発乾固する。油状物19.1gを得る。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1):R:0.75
HPLC(方法1):R:4.24分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 6.08-6.02 (m, 1H), 5.82-5.77 (m, 1H), 4.17 (偽-d, 1H), 3.62 (s, 3H), 2.69-2.59 (m, 1H), 2.38-2.29 (m, 1H), 2.20-2.08 (m, 1H), 2.02-1.94 (m, 1H), 1.85-1.76 (m, 1H).
MS(DCI,NH):m/z=199(M+NH
【0116】
例示的実施態様
実施例1
メチル1−{[5−(エトキシカルボニル)−2−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)フェニル]アセチル}ピペリジン−4−カルボキシレート
【化56】

実施例VIの化合物197.6mg(0.39mmol)を、アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン20mlに導入し、メチルイソニペクトテート(methyl isonipectotate)61.4mg(0.43mmol)を添加し、次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩149mg(0.78mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.78mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。分取RP−HPLCを利用して濾液を精製する。生成物186mgを得る。
TLC:R:0.31(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:5.70分
MS(DCI,NH):m/z=632(M+H)、654(M+NH
【0117】
実施例2
1−{[5−カルボキシ−2−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)フェニル]アセチル}ピペリジン−4−カルボン酸
【化57】

実施例1由来の化合物166mg(0.26mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、2M水酸化ナトリウム溶液2mlを溶液に添加し、混合物を60℃で1時間撹拌する。反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。次いで、生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物101mgを得る。
HPLC(方法2):R:4.87分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.36 (s 幅広い, 2H), 7.80 (dd, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.91 (d, 2H), 6.89 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.60 (sep, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.98 (t, 2H), 3.91 (m, 1H), 3.68 (2H), 3.12 (m, 1H), 2.73 (m, 1H), 2.65 (t, 2H), 2.49 (m, 1H, DMSOシグナルにより部分的に隠される), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.81 (m, 2H), 1.51-1.29 (2H), 1.25 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=590(M+H
【0118】
実施例3
エチル−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(4−メトキシ−4−オキソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化58】

アルゴン雰囲気下、実施例VI由来の化合物200mg(0.39mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、メチル4−アミノブチレート塩酸塩50.8g(0.43mmol)を添加し、次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩151.4mg(0.79mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.79mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。その後、分取RP−HPLCにより精製し、生成物151mgを得る。
TLC:R:0.25(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:5.49分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.97 (t, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.00 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.60 (sep, 1H), 4.27 (四重線, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.53 (s, 3H), 3.47 (s, 2H), 3.07 (四重線, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.29 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.65 (t, 3H), 1.30 (t, 3H), 1.23 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=606(M+H
【0119】
実施例4
3−{2−[(3−カルボキシプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}−プロポキシ)安息香酸
【化59】

実施例3の化合物131mg(0.22mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物47mgを得る。
HPLC(方法2):R:4.76分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.26 (s 幅広い, 2H), 7.91 (t, 1H), 7.80 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 3.97 (t, 2H), 3.44 (s, 2H), 3.07 (四重線, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.20 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.62 (五重線, 2H), 1.23 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=564(M+H
【0120】
実施例5
エチル−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−3−(2−{[(1S,3R)−3−(メトキシカルボニル)−シクロペンチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンゾエート
【化60】

実施例VIの化合物200mg(0.39mmol)を、ジクロロメタン20mlに導入し、実施例VII由来の化合物78mg(0.43mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩151mg(0.79mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.79mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。その後、分取RP−HPLCにより精製し、生成物179mgを得る。
TLC:R:0.23(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:5.57分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.03 (d, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.00 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.60 (sep, 1H), 4.27 (四重線, 2H), 4.09-3.94 (3H), 3.58 (s, 3H), 3.49 (s, 2H), 2.83-2.64 (3H), 2.20-2.06 (m, 1H), 2.01-1.92 (m, 2H), 1.83-1.77 (3H), 1.68-1.41 (2H), 1.29 (t, 3H), 1.24 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=632(M+H
【0121】
実施例6
3−(2−{[(1S,3R)−3−カルボキシシクロペンチル]アミノ}−2−オキソエチル)−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)安息香酸
【化61】

実施例5由来の化合物164mg(0.26mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、少量の水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物127mgを得る。
HPLC(方法2):R:4.80分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.27 (s 幅広い, 2H), 7.98 (d, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 4.02 (m, 1H), 3.97 (t, 2H), 3.43 (s, 2H), 2.72-2.63 (3H), 2.11 (m, 1H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.83-1.74 (3H), 1.59 (m, 1H), 1.46 (m, 1H), 1.25 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=690(M+H
【0122】
実施例7
エチル4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−3−(2−{[3−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンゾエート
【化62】

実施例VI由来の化合物200mg(0.39mmol)を、ジクロロメタン20mlに導入し、実施例XXX由来の化合物84mg(0.43mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩151mg(0.79mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.79mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。その後、分取RP−HPLCにより精製し、生成物175mgを得る。
HPLC(方法1):R:5.74分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.88 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 4.28 (四重線, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.89 (m, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 2.77-2.67 (3H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.79-1.38 (8H), 1.30 (t, 3H), 1.26 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=646(M+H
【0123】
実施例8
3−{2−[(3−カルボキシシクロヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−8(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}−プロポキシ)安息香酸
【化63】

実施例7由来の化合物145mg(0.22mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物126mgを得る。
HPLC(方法2):R:4.95分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.28 (s 幅広い, 2H), 7.83 (d, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 3.97 (t, 2H), 3.90 (m, 1H), 4.99 (s, 2H), 2.70 (t, 2H), 2.62 (m, 1H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.79-1.34 (8H), 1.24 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=604(M+H
【0124】
実施例9
3−{2−[2−(カルボキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2オキソエチル}−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化64】

実施例X由来の化合物100mg(0.20mmol)をジクロロメタン4mlに導入し、N,N−ジメチルホルムアミド1滴を添加する。次いで、溶液を0℃に冷却し、塩化オキサリル0.03ml(0.30mmol)を滴下して添加する。混合物を0℃で15分間、次いで室温で1時間撹拌する。溶媒をロータリーエバポレーター中で除き、残渣をジクロロメタン4mlに取る。エチルピロリジン−2−イルエタノエート(Fukawa et al., Chem. Lett. 1982, 231-232)46.5mg(0.30mmol)を添加し、室温で1時間撹拌する。しかしながら、アミドの生成は不完全なままである。溶媒を除き、メタノール/テトラヒドロフラン/水2:2:1に取る。水酸化カリウム200mg(3.56mmol)を添加し、続いて60℃の油浴温度で1時間撹拌する。混合物を0.5M塩酸20mlで希釈し、酢酸エチルで2回抽出する。相分離の後、有機相を乾燥し、溶媒を除去し、残渣を分取RP−HPLCにより精製する。生成物はまだ純粋ではないので、その後、フラッシュクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/イソプロパノール10:1→ジクロロメタン/メタノール5:1)により順相で精製する。所望の生成物42mgを得る。
LC−MS(方法5):R:2.56分;MS(ESI+):m/z=590(M+H
【0125】
実施例10
エチル3−{2−[(3−メトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}ベンゾエート
【化65】

実施例X由来の化合物150mg(0.29mmol)を、ジクロロメタン3mlに導入し、ベータ−アラニンメチルエステル塩酸塩43.9mg(0.31mmol)を添加し、−20℃で、トリエチルアミン0.08ml(0.57mmol)を滴下して添加する。添加の完了後、反応混合物をゆっくりと室温にし、この温度で2時間撹拌する。混合物を0.01N塩酸と混合し、酢酸エチルで抽出する。有機相を乾燥し、濃縮する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。生成物40mgを得る。
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.04 (t, 1H), 7.74-7.89 (2H), 7.21-7.34 (2H), 7.06-7.18 (2H), 6.78-7.04 (6H), 4.27 (四重線, 2H), 3.91-4.07 (6H), 3.56 (s, 3H), 3.47 (s, 2H), 3.21-3.32 (2H, 水シグナルにより部分的に覆われる), 2.68 (t, 2H), 2.41-2.53 (2H, DMSOシグナルにより部分的に覆われる), 1.96 (t, 2H), 1.79-1.90 (4H), 1.30 (t, 3H).
【0126】
実施例11
3−{2−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化66】

実施例10の化合物40mg(0.07mmol)を、2:2:1メタノール/テトラヒドロフラン/水の混合物に取り、水酸化カリウム100mg(1.78mmol)と混合し、室温で終夜撹拌する。混合物を0.5M塩酸20mlと混合し、酢酸エチルで2回抽出する。相分離の後、有機相を乾燥し、濃縮する。生成物30mgを得る。
LC−MS(方法7):R:2.37分;MS(ESI+):m/z=550(M+H
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.40 (s, 幅広い, 2H), 8.02 (t, 1H), 7.71-7.85 (2H), 7.21-7.34 (2H), 7.05-7.18 (2H), 6.78-7.04 (6H), 3.91-4.07 (6H), 3.46 (s, 2H), 3.24 (t, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.38 (t, 2H), 1.96 (t, 2H), 1.79-1.90 (4H).
【0127】
実施例12
エチル3−{2−[(4−エトキシ−4−オキソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}ベンゾエート
【化67】

実施例X由来の化合物40mg(0.08mmol)、エチル4−アミノブチレート塩酸塩13.2mg(0.08mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート60mg(0.16mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.04ml(0.24mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド2mlに溶解し、室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を1N塩酸と混合し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。生成物15mgを得る。
LC−MS(方法8):R:3.17分;MS(ESI+):m/z=620(M+H
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.97 (t, 1H), 7.71-7.87 (2H), 7.21-7.34 (2H), 7.06-7.16 (2H), 6.79-7.05 (6H), 4.27 (四重線, 2H), 3.91-4.09 (8H), 3.48 (s, 2H), 3.00-3.14 (2H), 2.68 (t, 2H), 2.28 (t, 2H), 1.96 (t, 2H), 1.79-1.90 (4H), 1.65 (五重線, 2H), 1.30 (t, 3H), 1.14 (t, 3H).
【0128】
実施例13
3−{2−[(3−カルボキシプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化68】

実施例12の化合物15mg(0.02mmol)を、2:2:1テトラヒドロフラン/メタノール/水の混合物に導入し、水酸化カリウム60mg(1.07mmol)と混合し、室温で4時間撹拌する。混合物を0.01N塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出する。相分離後、有機相を乾燥し、濃縮する。生成物18mgを得る。
LC−MS(方法7):R:2.38分;MS(ESI+):m/z=564(M+H
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 11.9-12.6 (s, 幅広い, 2H), 7.91 (t, 1H), 7.74-7.83 (2H), 7.22-7.33 (2H), 7.07-7.16 (2H), 6.79-7.01 (6H), 3.94-4.06 (6H), 3.46 (s, 2H), 3.02-3.12 (2H), 2.68 (t, 2H), 2.21 (t, 2H), 1.97 (t, 2H), 1.81-1.89 (4H), 1.63 (五重線, 2H).
【0129】
実施例14
エチル4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(4−メトキシ−4−オキソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化69】

アルゴン雰囲気下、実施例XIV由来の化合物200mg(0.39mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、メチル4−アミノブチレート塩酸塩50mg(0.43mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩149mg(0.78mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.78mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過し、濾液を分取RP−HPLCにより精製する。集めた画分から、生成物148mgを得る。
TLC:R:0.28(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:5.80分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.96 (t, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 4.00-3.90 (4H), 3.55 (s, 3H), 3.47 (s, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.21 (m, 2H), 3.07 (四重線, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.29 (t, 2H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.55 (9H), 1.48 (m, 1H), 1.29 (t, 3H), 1.25-1.13 (8H).
MS(ESI):m/z=612(M+H
【0130】
実施例15
3−{2−[(3−カルボキシプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)安息香酸
【化70】

実施例14の化合物128mg(0.21mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物120mgを得る。
HPLC(方法2):R:4.97分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.24 (s 幅広い 2H), 7.91 (t, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.99-3.91 (4H), 3.46 (s, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.22 (m, 2H), 3.07 (四重線, 2H), 2.67 (t, 2H), 2.20 (t, 2H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.57 (9H), 1.43 (m, 1H), 1.25-1.13 (8H).
MS(ESI):m/z=570(M+H
【0131】
実施例16
メチル1−{[2−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−5−(エトキシカルボニル)フェニル]アセチル}ピペリジン−4−カルボキシレート
【化71】

アルゴン雰囲気下、実施例XIVの化合物200mg(0.39mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、メチルイソニペクトテート61.5mg(0.43mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩150mg(0.78mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.78mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過し、濾液を分取RP−HPLCにより精製する。集めた画分から生成物162mgを得る。
TLC:R:0.35(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:6.08分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.82 (dd, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.09 (d, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.27 (四重線, 2H), 4.24 (m, 1H), 4.01-3.88 (5H), 3.69 (m, 2H), 3.59 (s, 3H), 3.42 (t, 2H), 3.19 (m, 2H), 2.77-2.57 (4H), 1.95 (偽-五重線, 2H), 1.83-1.70 (6H), 1.68-1.53 (4H), 1.52-1.38 (3H), 1.29 (t, 3H), 1.20 (5H).
MS(ESI):m/z=638(M+H
【0132】
実施例17
1−{[5−カルボキシ−2−(3−{4−[4−シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)フェニル]アセチル}ピペリジン−4カルボン酸
【化72】

実施例16の化合物140mg(0.22mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。溶液を吸引濾過し、生成物を少量の水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物70mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.13分
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.79 (dd, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.10 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 4.21 (m, 1H), 4.97-3.89 (5H), 3.67 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 3.10 (m, 2H), 2.72 (t, 1H), 2.63 (t, 2H), 2.48 (m, 1H, partly concealed by DMSO signal), 1.94 (偽-五重線, 2H), 1.83-1.69 (6H), 1.64-1.56 (4H), 1.49-1.31 (3H), 1.19 (5H).
MS(ESI):m/z=596(M+H
【0133】
実施例18
エチル4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化73】

実施例XIV由来の化合物150mg(0.29mmol)を、ジクロロメタン2mlに導入する。記載順に、最初にN'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩84mg(0.44mmol)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物59mg(0.44mmol)、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.15ml(0.88mmol)を添加する。次いで、ベータ−アラニンエチルエステル塩酸塩49mg(0.32mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド2mlに溶解し、滴下して添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。後処理に、混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で1回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラム(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1→3:1)で精製する。生成物90mgを単離する。
TLC:R:0.46(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法9):R:5.61分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.96 (t, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 7.00 (d, 1H), 6.83 (d, 2H), 4.27 (q, 2H), 4.07-3.89 (m, 6H), 3.49-3.38 (m, 4H), 3.25-3.15 (m, 2H), 2.67 (t, 2H), 2.44 (t, 2H), 2.11-1.90 (m, 2H), 1.84-1.55 (m, 8H), 1.50-1.40 (m, 1H), 1.30 (t, 3H), 1.26-1.11 (m, 9H).
LC−MS(方法7):R:3.17分、m/z=611(M+H
【0134】
実施例19
3−{2−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)安息香酸
【化74】

実施例18由来の化合物63mg(0.10mmol)および2M水酸化ナトリウム溶液80mg(2.00mmol)を、メタノール1mlおよびテトラヒドロフラン1mlに取り、60℃で1時間加熱する。メタノールおよびテトラヒドロフランをロータリーエバポレーター中で除去し、残渣を少量の水と混合する。氷中で冷却しながら、次いでそれを1M塩酸溶液で酸性化する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄し、高真空下、40℃で終夜乾燥する。生成物48mgを得る。
HPLC(方法9):R:4.74分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.5 (s, 幅広い, 2H), 7.98 (t, 1H), 7.79 (dd, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.96 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.95 (q, 4H), 3.48-3.17 (m, 7H), 2.68 (t, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.02-1.90 (m, 2H), 1.83-1.52 (m, 9H), 1.30-1.11 (m, 5H).
MS(ESI):m/z=556(M+H)、578(M+Na
【0135】
実施例20
メチル1−{[2−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−5−(エトキシカルボニル)フェニル]アセチル}アゼチジン−3−カルボキシレート
【化75】

実施例XIV由来の化合物150mg(0.29mmol)を、ジクロロメタン2mlに導入する。記載順に、最初にN'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩84mg(0.44mmol)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物59mg(0.44mmol)、そして、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.15ml(0.88mmol)を添加する。次いで、実施例XV由来の化合物53mg(0.35mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド2mlに溶解し、滴下して添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。後処理に、混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で1回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムで精製する(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル3:1)。生成物108mgを単離する。
TLC:R:0.31(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1).
HPLC(方法9):R:5.55分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.83 (dd, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 4.38 (t, 1H), 4.27 (q, 3H), 4.06-3.97 (m, 3H), 3.96-3.86 (m, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.54-3.39 (m, 4H), 3.25-3.15 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 2.04-1.05 (m, 2H),1.83-1.55 (m, 8H), 1.50-1.40 (m, 1H), 1.30 (t, 3H), 1.27-1.14 (m, 6H).
LC−MS(方法7):R:3.13分、m/z=609(M+H
【0136】
実施例21
1−{[5−カルボキシ−2−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)フェニル]アセチル}アゼチジン−3−カルボン酸
【化76】

実施例20由来の化合物78mg(0.13mmol)および2M水酸化ナトリウム溶液1ml(2.00mmol)をメタノール1mlおよびテトラヒドロフラン1mlに取り、60℃で1時間加熱する。室温に冷却後、メタノールおよびテトラヒドロフランをロータリーエバポレーター中で除去し、残渣を少量の水と混合する。氷中で冷却しながら、次いで、それを1M塩酸で酸性化する。析出する結晶を吸引濾過し、水で洗浄し、高真空下、40℃で終夜乾燥する。生成物51.6mgを得る。
HPLC(方法9):R:4.74分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.65 (s, 幅広い, 2H), 7.84-7.76 (m, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.88 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 4.41-4.20 (m, 2H), 4.08-3.82 (m, 6H), 3.49-3.13 (m, 6H), 2.67 (t, 2H), 2.07-1.90 (m, 2H), 1.88-1.51 (m, 9H), 1.30-1.11 (m, 5H).
MS(ESI):m/z=568(M+H)、590(M+Na
【0137】
実施例22
エチル4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化77】

アルゴン雰囲気下、実施例XIV由来の化合物150mg(0.29mmol)を、ジクロロメタン15mlに導入し、グリシンメチルエステル塩酸塩40.4mg(0.32mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物39.5mg(0.29mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩112.2mg(0.59mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.88mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を水200mlと混合し、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣を分取RP−HPLCにより分離する。生成物116mgを得る。
TLC:R:0.83(酢酸エチル/メタノール1:1)
HPLC(方法2):R:5.76分
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.37 (t, 1H), 7.83-7.81 (2H), 7.11 (d, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 4.27 (q, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.92 (t, 2H), 3.83 (d, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.55 (s, 2H), 3.42 (t, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.79 (m, 2H), 1.71 (m, 2H), 1.67-1.56 (4H), 1.96 (m, 1H), 1.30 (t, 3H), 1.23-1.13 (5H).
MS(ESI):m/z=584(M+H
【0138】
実施例23
3−{2−[(カルボキシメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)安息香酸
【化78】

実施例22由来の化合物91mg(0.16mmol)を、エタノール4mlに溶解し、1M水酸化ナトリウム溶液1.25mlと混合し、室温で1時間15分間撹拌する。次いで、溶液が10pHになるまで、室温で氷酢酸0.107ml(1.87mmol)を添加する。その後、pH1−2に達するまで、全部で0.244mlの32%強度塩酸溶液を徐々に添加する。生成物が沈殿する。溶媒のいくらかをロータリーエバポレーター中で除去し、残渣を吸引濾過し、水で2回洗浄する。かくして得られる生成物を、真空中、40℃で5時間乾燥する。生成物34mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.04分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.48 (s 幅広い, 2H), 8.16 (t, 1H), 7.82-7.79 (2H), 7.11 (d, 2H), 6.98 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.92 (t, 2H), 3.76 (d, 2H), 3.53 (s, 2H), 3.42 (t, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.54 (8H), 1.47 (m, 1H), 1.25-1.16 (5H).
MS(ESI):m/z=542(M+H
【0139】
実施例24
エチル1−{[2−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−5−(エトキシカルボニル)フェニル]アセチル}−ピペリジン−3−カルボキシレート
【化79】

アルゴン雰囲気下、実施例XIV由来の化合物150mg(0.29mmol)をジクロロメタン15mlに導入し、エチル3−ピペリジンカルボキシレート50.6mg(0.32mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物39.5mg(0.29mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩112.2mg(0.59mmol)およびトリエチルアミン0.08ml(0.59mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を水200mlと混合し、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣を分取RP−HPLCにより分離する。生成物164mgを得る。
LC/MS(方法7):R:3.32分;m/z=652(M+H
【0140】
実施例25
1−{[5−カルボキシ−2−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)フェニル]アセチル}ピペリジン−3−カルボン酸
【化80】

実施例24由来の化合物140mg(0.21mmol)を、エタノール4mlに溶解し、1M水酸化ナトリウム溶液1.7mlと混合し、室温で1時間撹拌する。次いで、溶液がpH10になるまで、室温で氷酢酸0.15ml(2.58mmol)を添加する。その後、pH1−2に達するまで、全部で0.33mlの32%強度塩酸を添加する。混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣を高真空下で乾燥し、その後、分取RP−HPLCにより分離する。生成物48mgを得る。
LC/MS(方法4):R:2.80分;m/z=596(M+H
【0141】
実施例26
エチル4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−3−(2−{[(1S,3R)−3−(メトキシカルボニル)−シクロペンチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンゾエート
【化81】

アルゴン雰囲気下、実施例XIV由来の化合物200mg(0.39mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、実施例VIIの化合物77.1mg(0.43mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩149.6mg(0.78mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.78mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過し、濾液を分取HPLCにより精製する。集めた画分から生成物187mgを得る。
TLC:R:0.29(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:5.89分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.04 (d, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 4.09-3.89 (4H), 3.58 (s, 3H), 3.45 (s, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.86-2.63 (3H), 2.12 (m, 1H), 1.96 (m, 2H), 1.85-1.41 (15H), 1.30 (t, 3H), 1.19 (5H).
MS(ESI):m/z=638(M+H
【0142】
実施例27
3−(2−{[(1S,3R)−3−カルボキシシクロペンチル]アミノ}−2−オキソエチル)−4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)安息香酸
【化82】

実施例26の化合物170mg(0.27mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物94mgを得る。
HPLC(方法3):R:5.07分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.97 (d, 1H), 7.78 (dd, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.95 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.06-3.90 (5H), 2.69 (3H), 2.19 (m, 1H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.83-1.55 (14H), 1.45 (m, 2H), 1.19 (5H).
MS(ESI):m/z=596(M+H
【0143】
実施例28
エチル4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−3−(2−{[3−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンゾエート
【化83】

アルゴン雰囲気下、実施例XIV由来の化合物200mg(0.39mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、実施例XXXの化合物83.1mg(0.43mmol)を添加する。次いで、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物50.0mg(0.39mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩149.6mg(0.78mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.78mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。その後、分取RP−HPLCにより精製し、生成物170.9mgを得る。
HPLC(方法2):R:6.12分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.88 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.27 (四重線, 2H), 4.00-3.85 (5H), 3.57 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.42 (t, 2H), 3.21 (m, 1H), 2.76-2.67 (3H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.38 (17H), 1.29 (t, 3H), 1.27-1.15 (5H).
MS(ESI):m/z=652(M+H
【0144】
実施例29
3−{2−[(3−カルボキシシクロヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)安息香酸
【化84】

実施例28の化合物146mg(0.22mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物112mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.19分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.28 (s 幅広い, 2H), 7.83 (d, 1H), 7.80 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.96 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.99-3.87 (5H), 3.49 (s, 2H), 3.42 (t, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.69 (t, 2H), 2.62 (m, 1H), 1.98 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.37 (17H), 1.28-1.13 (5H).
MS(ESI):m/z=610(M+H
【0145】
実施例30
エチル4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−3−{2−[(4−メトキシ−4−オキソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化85】

アルゴン雰囲気下、実施例XVII由来の化合物200mg(0.41mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、メチル4−アミノブチレート塩酸塩53.4mg(0.46mmol)を添加する。その後、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物60mg(0.41mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩158.9mg(0.83mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.83mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。その後、濾液を分取RP−HPLCにより精製し、生成物162.3mgを得る。
TLC:R:0.29(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:6.25分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.92 (t, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.10 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.28 (四重線, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.55 (s, 3H), 3.47 (s, 2H), 3.07 (t, 2H), 2.67 (t, 2H), 2.29 (t, 2H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.72-1.57 (9H), 1.30 (t, 3H), 1.31-1.09 (6H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=582(M+H
【0146】
実施例31
3−{2−[(3−カルボキシプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化86】

実施例30の化合物142mg(0.24mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物130mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.35分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.23 (s 幅広い, 2H), 7.91 (t, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.10 (d, 2H), 6.96 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.97 (t, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.45 (s, 2H), 3.07 (四重線, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.20 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.73-1.58 (9H), 1.31-1.04 (6H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=540(M+H
【0147】
実施例32
メチル1−{[2−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−5−(エトキシカルボニル)フェニル]アセチル}ピペリジン−4−カルボキシレート
【化87】

アルゴン雰囲気下、実施例XVII由来の化合物200mg(0.41mmol)を、ジクロロメタン20mlに導入し、メチルイソニペクトテート65.3mg(0.46mmol)を添加する。その後、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物60mg(0.41mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩158.9mg(0.83mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.83mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過する。濾液を分取HPLCにより精製する。生成物197.6mgを得る。
TLC:R:0.37(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:6.68分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.82 (dd, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.08 (d, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.80 (d, 2H), 4.27 (四重線, 2H), 4.23 (m, 1H), 3.98 (t, 2H), 3.93 (m, 1H), 3.88 (t, 2H), 3.69 (m, 2H), 3.58 (s, 3H), 3.14 (m, 2H), 2.77-2.58 (4H), 1.94 (偽-五重線, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.71-1.58 (6H), 1.52-1.08 (11H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=608(M+H
【0148】
実施例33
1−[(5−カルボキシ−2−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}フェニル)アセチル]ピペリジン−4−カルボン酸
【化88】

実施例32の化合物180mg(0.30mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、次いで2M塩酸2.1mlを添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物119.1mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.48分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.36 (s 幅広い, 2H), 7.80 (dd, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.08 (d, 2H), 6.98 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.22 (m, 1H), 3.97 (t, 2H), 3.92 (m, 1H), 3.88 (t, 2H), 3.67 (m, 2H), 3.12 (m, 2H), 2.77-2.61 (4H), 1.95 (偽-五重線, 2H), 1.80 (m, 2H), 1.72-1.58 (6H), 1.51-1.09 (8H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=566(M+H).
【0149】
実施例34
エチル4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−3−(2−{[(1S,3R)−3−(メトキシカルボニル)シクロペンチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンゾエート
【化89】

アルゴン雰囲気下、実施例XVII由来の化合物200mg(0.41mmol)を、ジクロロメタン20mlに導入し、実施例VII由来の化合物81.9mg(0.46mmol)を添加する。その後、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物56mg(0.41mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−Nエチルカルボジイミド塩酸塩158.9mg(0.83mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.83mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過し、分取RP−HPLCにより精製する。集めた画分から生成物151.6mgを得る。
TLC:R:0.33(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:6.40分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.04 (d, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.98 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.27 (四重線, 2H), 4.08-3.84 (5H), 3.58 (s, 3H), 3.44 (s, 2H), 2.82-2.63 (3H), 2.12 (m, 1H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.58 (12H), 1.32-1.11 (9H), 0.88 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=608(M+H
【0150】
実施例35
3−(2−{[(1S,3R)−3−カルボキシシクロペンチル]アミノ}−2−オキソエチル)−4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)−フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化90】

実施例34の化合物130mg(0.21mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、次いで、2M塩酸2.1mlを添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥し、生成物65.7mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.39分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.27 (s 幅広い, 2H), 7.98 (d, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.96 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.96 (t, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.43 (s, 2H), 2.72-2.62 (3H), 2.11 (m, 1H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.83-1.56 (12H), 1.31-1.11 (6H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=566(M+H
【0151】
実施例36
エチル4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−3−(2−{[3−(メトキシカルボニル)シクロヘキシル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンゾエート
【化91】

アルゴン雰囲気下、実施例XVII由来の化合物200mg(0.41mmol)をジクロロメタン20mlに導入し、実施例XXX由来の化合物88.3mg(0.46mmol)を添加する。その後、記載順に、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物56mg(0.41mmol)、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩158.9mg(0.83mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.83mmol)を添加する。反応混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、混合物を蒸発乾固し、ジメチルスルホキシド3mlに取り、濾過し、分取RP−HPLCにより精製する。集めた画分から、生成物163.7mgを得る。
HPLC(方法2):R:6.70分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.88 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.10 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.27 (四重線, 2H), 3.97 (t, 2H), 3.91-3.86 (3H), 3.56 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 2.77-2.66 (3H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.73-1.38 (14H), 1.32-1.12 (10H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=622(M+H
【0152】
実施例37
3−{2−[(3−カルボキシシクロヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化92】

実施例36由来の化合物140mg(0.23mmol)を、テトラヒドロフラン2mlおよびメタノール2mlに溶解する。次いで、混合物を2M水酸化ナトリウム溶液2mlと混合し、60℃で1時間撹拌する。次いで、ロータリーエバポレーター中で反応混合物から揮発性物質を除き、ジエチルエーテルで抽出する。2M塩酸2.1mlを水性の残渣に添加する。生成物が沈殿する。それを吸引濾過し、水で洗浄する。高真空下で乾燥させ、生成物125.3mgを得る。
HPLC(方法2):R:5.57分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.27 (s 幅広い, 2H), 7.83 (d, 1H), 7.78 (dd, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.12 (d, 2H), 6.96 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.98-3.86 (5H), 3.49 (s, 2H), 2.71-2.60 (3H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.78-1.05 (21H), 0.88 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=580(M+H
【0153】
実施例38ないし42
実施例38ないし42の化合物は、実施例30に記載の方法と同様に、実施例VI、XIVおよびXVIIの化合物を、グリシンメチルエステル塩酸塩またはベータ−アラニンメチルエステル塩酸塩と反応させることにより製造する。
【0154】
実施例38
エチル4−(3−{4−[4−(シクロヘキシルオキシ)ブトキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(3−メトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化93】

TLC:R:0.29(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法2):R:5.79分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.98 (t, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 4.27 (q, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.93 (t, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.46 (s, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 2.45 (t, 2H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.82-1.54 (9H), 1.47 (m, 1H), 1.30 (t, 3H), 1.23-1.16 (6H).
MS(ESI):m/z=598(M+H
【0155】
実施例39
エチル4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−3−{2−[(3−メトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化94】

TLC:R:0.34(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)
HPLC(方法1):R:6.16分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.98 (t, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.27 (四重線, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.46 (s, 2H), 3.28 (H2O シグナルにより隠される, 2H), 2.67 (t, 2H), 2.44 (t, 2H), 1.96 (偽-五重線, 2H), 1.73-1.58 (7H), 1.30 (t, 3H), 1.31-1.09 (6H), 0.88 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=568(M+H
【0156】
実施例40
エチル4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(3−メトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化95】

TLC:R:0.26(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1).
HPLC(方法1):R:5.40分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.98 (t, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 4.27 (四重線, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.56 (s, 3H), 3.47 (s, 2H), 3.28 (H2O シグナルにより隠される, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.45 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.30 (t, 3H), 1.23 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=592(M+H).
【0157】
実施例41
エチル4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−3−{2−[(2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾエート
【化96】

TLC:R:0.82(酢酸エチル/メタノール9:1)
HPLC(方法2):R:6.18分
MS(ESI):m/z=554(M+H
【0158】
実施例42
エチル4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−3−{2−[(2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ]−2オキソエチル}ベンゾエート
【化97】

TLC:R:0.82(酢酸エチル/メタノール9:1).
HPLC(方法2):R:5.46分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.32 (t, 1H), 7.83-7.81 (2H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 4.27 (四重線, 2H), 3.99 (t, 2H), 3.83 (d, 2H), 3.59 (s, 3H), 3.54 (s, 2H), 2.67 (t, 2H), 1.98 (偽-五重線, 2H), 1.30 (t, 3H), 1.23 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=578(M+H
【0159】
実施例43ないし47
実施例43ないし47の化合物は、実施例31に記載の方法と同様に、対応するジエステル化合物を加水分解することにより得る。
【0160】
実施例43
3−{2−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−安息香酸
【化98】

HPLC(方法2):R:5.29分
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.37 (s 幅広い, 2H), 7.97 (t, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.11 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.95 (t, 2H), 3.88 (t, 2H), 3.45 (s, 2H), 3.24 (四重線, 2H), 2.67 (t, 2H), 2.38 (t, 2H), 1.95 (偽-五重線, 2H), 1.72-1.60 (7H), 1.31-1.07 (6H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=526(M+H
【0161】
実施例44
3−{2−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−安息香酸
【化99】

HPLC(方法2):R:4.70分
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, δ/ppm): 7.94 (dd, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.89 (d, 2H), 6.87 (d, 2H), 6.84 (d, 1H), 6.39 (t, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.55 (sep, 1H), 4.02 (t, 2H), 3.56 (s, 2H), 3.43 (四重線, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.43 (t, 2H), 2.09 (偽-五重線, 2H), 1.32 (d, 6H).
LC/MS(方法8):R:2.50分;m/z=549(M
【0162】
実施例45
3−{2−[(カルボキシメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]プロポキシ}−安息香酸
【化100】

HPLC(方法2):R:5.46分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.48 (s 幅広い, 2H), 8.16 (t, 1H), 7.82-7.78 (2H), 7.11 (d, 2H), 6.97 (d, 1H), 6.81 (d, 2H), 3.97 (t, 2H), 3.89 (t, 2H), 3.74 (d, 2H), 3.53 (s, 2H), 2.67 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.72-1.58 (7H), 1.32-1.09 (6H), 0.87 (m, 2H).
MS(ESI):m/z=512(M+H
【0163】
実施例46
3−{2−[(カルボキシメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−(3−{4−[(4−イソプロポキシベンジル)オキシ]フェニル}プロポキシ)−安息香酸
【化101】

HPLC(方法2):R:4.81分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.48 (s 幅広い, 2H), 8.16 (t, 1H), 7.82-7.80 (2H), 7.32 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 6.98 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 6.88 (d, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.59 (sep, 1H), 3.98 (t, 2H), 3.75 (d, 2H), 3.53 (s, 2H), 2.68 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.24 (d, 6H).
MS(ESI):m/z=536(M+H
【0164】
実施例47
3−{2−[(カルボキシメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−4−{3−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]プロポキシ}安息香酸
【化102】

HPLC(方法2):R:4.81分
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 12.47 (s 幅広い, 2H), 8.16 (t, 1H), 7.82-7.80 (2H), 7.29-7.23 (2H), 7.12 (d, 2H), 6.99-6.89 (4H), 6.83 (d, 2H), 4.02-3.98 (6H), 3.76 (d, 2H), 3.53 (s, 2H), 2.68 (t, 2H), 1.97 (偽-五重線, 2H), 1.85 (4H).
MS(ESI):m/z=536(M+H
【0165】
B.生理活性の評価
略号:
【表2】

【0166】
1.CysLT2活性を決定するための細胞のインビトロ試験
組換え細胞株を使用して、ヒトシステイニル−ロイコトリエン2受容体(CysLT2R)のアンタゴニストを同定し、本明細書に記載の物質の活性を定量する。この細胞は、元々、ハムスター卵巣上皮細胞に由来する(Chinese Hamster Ovary, CHO K1, ATCC: American Type Culture Collection, Manassas, VA 20108, USA)。この試験細胞株は、カルシウム感受性発光タンパク質エクオリンを恒常的に発現し、それは、補因子セレンテラジンとの再構成後、細胞質のカルシウム濃度が高まると光を放出する(Rizzuto R, Simpson AW, Brini M, Pozzan T.; Nature 358 (1992) 325-327)。この細胞は、さらに、ヒトCysLT2受容体を安定に形質移入されている(Heise et.al., JBC 275 (2000) 30531-30536)。得られるCysLT2R試験細胞は、組換えCysLT2受容体の刺激に、細胞内カルシウムイオンの放出を伴って応答し(アゴニスト:ロイコトリエンD4(LTD4)およびロイコトリエンC4(LTC4))、それは、結果的なエクオリン発光を介して適切なルミノメーターで定量できる(Milligan G, Marshall F, Rees S, Trends in Pharmacological Sciences 17 (1996) 235-237)。CysLT2受容体アンタゴニストとの事前のインキュベーションは、アゴニストLTD4およびLTC4により誘導されるカルシウム放出を、故に測定される光量を、低減させる。
【0167】
試験手順:細胞を、試験の2日前に培養培地(Glutamaxを含むDMEM/F12, Gibco Cat.# 61965-026; 10% FCS, Gibco Cat.# 10270-106; 1.4 mM ピルビン酸ナトリウム、Gibco Cat.# 11360-039; 1.8 mM 重炭酸ナトリウム、Gibco Cat.# 25080-060; 10 mM HEPES、Gibco Cat.# 15290-026; 現在はInvitrogen GmbH, 76131 Karlsruhe の傘下)中で、384−(または1536−)ウェルマイクロタイタープレートに播き、細胞インキュベーター内で維持する(湿度96%、5%v/vCO、37℃)。試験当日、培養培地を、追加的に補因子セレンテラジン(50μM)を含有する Tyrode 溶液(mM表記で:140NaCl、5KCl、1MgCl、2CaCl、20グルコース、20HEPES)で置き換え、次いで、マイクロタイタープレートをさらに3−4時間インキュベートする。試験物質をマイクロタイタープレートのウェルに移した15分後、LTD4(3x10−8M)の添加後、得られる光シグナルをルミノメーター中で測定する。結果を表1に示す。
【0168】
2.CysLT1活性を決定するための細胞のインビトロ試験
組換え細胞株を使用して、ヒトシステイニル−ロイコトリエン1受容体(CysLT1R)のアンタゴニストを同定し、本明細書に記載の物質の活性を定量する。細胞は、元々、ハムスター卵巣上皮細胞に由来する(Chinese Hamster Ovary, CHO K1, ATCC: American Type Culture Collection, Manassas, VA 20108, USA)。この試験細胞株は、カルシウム感受性発光タンパク質エクオリンを恒常的に発現し、それは、補因子セレンテラジンとの再構成後、細胞質のカルシウム濃度が高まると光を放出する (Rizzuto R, Simpson AW, Brini M, Pozzan T.; Nature 358 (1992) 325-327)。この細胞は、さらに、ヒトCysLT1受容体を安定に形質移入されている(Lynch et al., Nature 399 (1999) 789-793)。得られるCysLT1R試験細胞は、組換えCysLT1受容体の刺激に、細胞内カルシウムイオン放出を伴って応答し(アゴニスト:ロイコトリエンD4(LTD4))、それは、結果的なエクオリン発光を介して適切なルミノメーターで定量できる (Milligan G, Marshall F, Rees S, Trends in Pharmacological Sciences 17 (1996) 235-237)。CysLT1受容体アンタゴニストとの事前のインキュベーションは、アゴニストLTD4により誘導されるカルシウム放出を、故に測定される光量を、低減させる。
【0169】
試験手順:細胞を、試験の2日前に培養培地(Glutamaxを含むDMEM/F12, Gibco Cat.# 61965-026; 10% FCS, Gibco Cat.# 10270-106; 1.4 mM ピルビン酸ナトリウム、Gibco Cat.# 11360-039; 1.8 mM 重炭酸ナトリウム、Gibco Cat.# 25080-060; 10 mM HEPES、Gibco Cat.# 15290-026; 現在はInvitrogen GmbH, 76131 Karlsruheの傘下) 中で、384−(または1536−)ウェルマイクロタイタープレートに播き、細胞インキュベーター内で維持する(湿度96%、5%v/vCO、37℃)。試験当日、培養培地を、追加的に補因子セレンテラジン(50μM)を含有する Tyrode 溶液(mM表記で:140NaCl、5KCl、1MgCl、2CaCl、20グルコース、20HEPES)で置き換え、次いで、マイクロタイタープレートをさらに3−4時間インキュベートする。試験物質をマイクロタイタープレートのウェルに移した15分後、LTD4(3x10−9M)の添加後、得られる光シグナルをルミノメーター中で測定する。結果を表1に示す。
【0170】
表1:CysLT1活性/CysLT2活性の比較
【表3】

【0171】
3.心血管効果を検出するためのインビボ試験:ランゲンドルフ(Langendorff)モルモット心臓
麻酔したモルモットの胸腔を切開した後、心臓を取り出し、常套のランゲンドルフ器具に導入する。冠動脈を一定量(10ml/分)の灌流に付し、それにより上昇する灌流圧を、適切な圧力変換器を介して記録する。この配置における灌流圧の低下は、冠動脈の弛緩に相当する。同時に、この心臓により各収縮の間に発せられる圧力(左心室圧)を、左心室に導入したバルーンおよびさらなる圧力変換器により測定する。単離した心臓が鼓動する速度は、単位時間当たりの収縮数からの計算により判明する。
【0172】
CysLT2受容体アンタゴニストの効果を検出するために、アゴニストLTC4(10−8M)による灌流を、漸増する濃度の試験物質(10−8ないし10−6M)を添加する15分前に開始する。
【0173】
C.医薬組成物の例示的実施態様
本発明の化合物は、以下のやり方で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例11の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、微結晶セルロース50mg、ポリビニルピロリドン(PVP)(BASF, Ludwigshafen, Germanyより)10mg、架橋Naカルボキシメチルセルロース10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量222mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
有効成分、ラクトースおよびセルロースの混合物を、5%強度PVP水溶液(m/m)で造粒する。顆粒を乾燥し、次いで架橋Naカルボキシメチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機で打錠する(錠剤の形状について、上記参照)。ガイドラインとして、打錠力15kNを打錠に使用する。
【0174】
経口投与できる懸濁剤
組成:
実施例11の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、キサンタンゴム(FMC, Pennsylvania, USAより)400mgおよび水97.6g。経口懸濁剤10gは、本発明の化合物100mgの単回用量に相当する。
製造:
キサンタンゴムをエタノールに懸濁し、有効成分を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。キサンタンゴムが膨潤し終えるまで、混合物を約6時間撹拌する。
【0175】
経口投与できる液剤:
組成
実施例11の化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口液剤20gは、本発明の化合物100mgの単回用量に相当する。
製造
有効成分を、ポリエチレングリコールおよびポリソルベートの混合物に、撹拌により懸濁する。有効成分が完全に溶解するまで、撹拌プロセスを継続する。
【0176】
静脈内投与できる液剤:
生理的に耐容される溶媒に、飽和溶解度より低い濃度で有効成分を溶解する(実施例参照)。溶液を濾過滅菌し、無菌のパイロジェン不含の注射/点滴容器に分配する。
【0177】
組成I:
注射用に、実施例11の化合物100mg、ポリエチレングリコール400 15gおよび2%強度重炭酸ナトリウム水溶液250g。
製造:
実施例11の化合物を、ポリエチレングリコール400と共に、2%強度重炭酸ナトリウム水溶液中での撹拌により溶解する。溶液を濾過滅菌(孔の直径0.22μm)し、無菌条件下で加熱滅菌した点滴瓶に分配する。後者を点滴ストッパーおよびクリンプキャップで密封する。
【0178】
組成II:
実施例11の化合物100mg、および無水クエン酸0.31gとリン酸水素ナトリウム二水和物5.66gの水溶液250ml。
製造:
実施例11の化合物を、水溶液中での撹拌により溶解する。溶液を濾過滅菌し、無菌条件下で無菌のパイロジェン不含の注射/点滴容器に分配する。
【0179】
組成III:
実施例11の化合物100mg、並びに、無水クエン酸0.044g、リン酸水素ナトリウム二水和物0.81gおよび塩化ナトリウム1.87gの水溶液250ml。
製造:
実施例11の化合物を、水溶液中での撹拌により溶解する。溶液を濾過滅菌し、無菌条件下で無菌のパイロジェン不含の注射/点滴容器に分配する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

式中、
Aは、窒素原子を介してケト基に結合している4員ないし7員の窒素含有飽和複素環であるか、
または、基
【化2】

{式中、
Eは、(C−C)−シクロアルカンジイルまたは(C−C)−アルカンジイルであり、
は、水素またはメチルであり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nは、0、1または2であり、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
そして、
Zは、メタまたはパラ位に位置し、基
【化3】

{式中、
Gは、Oであり、
Lは、(C−C)−アルカンジイルであり、
Mは、結合またはOであり、
は、(C−C10)−アリール、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、ヘテロアリール、5員ないし10員の複素環、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルキルメチルであり、ここで、アリール、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルおよびシクロアルキルメチルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルメトキシ、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−シクロアルコキシまたは(C−C)−シクロアルケニルオキシにより相互に独立して3回まで置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項2】
式中、
Aが、窒素原子を介してケト基に結合している4員ないし6員の窒素含有飽和複素環であるか、
または、基
【化4】

{式中、
Eは、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、メチレン、エタン−1,2−ジイルまたはプロパン−1,3−ジイルであり、
は、水素であり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nが、0または1であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
Zが、メタまたはパラ位に位置し、基
【化5】

{式中、
Gは、Oであり、
Lは、(C−C)−アルカンジイルであり、
Mは、結合またはOであり、
は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、ジメチル−1,3−ジオキサニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルキルメチルであり、ここで、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、(E)−フェニルビニルフェニル、2−フェニルエチルフェニル、テトラヒドロナフチル、ベンジル、シクロアルキルおよびシクロアルキルメチルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルメトキシまたは(C−C)−シクロアルコキシにより相互に独立して3回まで置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
を特徴とする、請求項1に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項3】
式中、
Aが、窒素原子を介してケト基に結合しているアセチジン(acetidine)、ピロリジンまたはピペリジンであるか、
または、基
【化6】

{式中、
Eは、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、メチレン、エタン−1,2−ジイルまたはプロパン−1,3−ジイルであり、
は、水素であり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nが、0または1であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基
【化7】

{式中、
Gは、Oであり、
Lは、メチレン、プロパン−1,3−ジイルまたはブタン−1,4−ジイルであり、
Mは、結合またはOであり、
は、フェニル、4−ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−6−イル、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルまたはシクロヘキシルであり、ここで、フェニルは、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシルまたは(C−C)−シクロアルキルメトキシにより置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項4】
式中、
A−[CH−COが、基
【化8】

{式中、*は、ケト基への結合点である}
であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基*−O−CH−R
{式中、
は、フェニル、4−ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−6−イルであり、ここで、フェニルは、トリフルオロメトキシ、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、イソブチルオキシ、シクロヘキシルまたはシクロプロピルメトキシにより置換されていてもよく、そして、
*は、フェニル環への結合点である}、
または、
基*−O−CH−CH−CH−R
{式中、
は、4−クロロフェニル、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルまたはシクロヘキシルであり、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
であるか、または、
基*−O−CH−CH−CH−CH−O−R
{式中、
は、フェニルまたはシクロヘキシルであり、そして、
*は、フェニル環への結合点である}
である、
を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項5】
式中、
Aが、窒素原子を介してケト基に結合しているアセチジン、ピロリジンまたはピペリジンであるか、
または、基
【化9】

{式中、
Eは、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、メチレン、エタン−1,2−ジイルまたはプロパン−1,3−ジイルであり、
は、水素であり、そして、
*は、ケト基への結合点である}
であり、
nが、0または1であり、
が水素であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基
【化10】

{式中、*は、フェニル環への結合点である}
である、
を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項6】
式中、
A−[CH−COが、基
【化11】

{式中、*は、ケト基への結合点である}
であり、
が水素であり、
そして、
Zが、パラ位に位置し、基
【化12】

{式中、*はフェニル環への結合点である}
である、
を特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つの製造方法であって、
[A]式
【化13】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルであり、Qは、ヒドロキシまたは塩素であり、そして、Zは、請求項1に記載の意味を有する}
の化合物を、式
【化14】

{式中、Rは、(C−C)−アルキルであり、そして、nおよびAは、請求項1に記載の意味を有する}
の化合物と反応させる、
または、
[B]工程[A]で製造される化合物中の2個のエステル基−C(O)ORおよび−C(O)ORを、加水分解する、
のいずれかを特徴とする、方法。
【請求項8】
障害の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
不活性、非毒性の、医薬的に適する補助剤と組み合わせて、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物を含む、医薬。
【請求項10】
さらなる有効成分と組み合わせて、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物を含む、医薬。
【請求項11】
心血管障害の処置および/または予防のための、請求項9または請求項10のいずれかに記載の医薬。
【請求項12】
心血管的効力を有する量の請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物を使用することによる、心血管障害の処置および/または予防方法。
【請求項13】
心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項14】
不安定狭心症または心筋梗塞の処置および/または予防のための、請求項13に記載の使用。

【公表番号】特表2007−533675(P2007−533675A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508789(P2007−508789)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003926
【国際公開番号】WO2005/103001
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】