説明

フリンジ電界の電荷注入のための電極構造

【課題】電子機器の半導体材料に改良された電荷注入を備える新規電極構造を提供する。
【解決手段】半導体デバイスは、半導体材料及び半導体材料に電気的に接続された電極構造を備える。電極構造は、第1の導体材料で形成された第1の部分及び第2の導体材料で形成された第2の部分を有する。電極構造の第1の部分及び第2の部分の両方は、半導体材料と直接的に接触している。第1の導体材料は、第1の仕事関数を有し、第2の導体材料は、第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する。電極構造の第2の部分は、第1の部分と共に接合部点を形成する。電極構造の第1の部分及び第2の部分は、第1の導体材料と第2の半導体材料との間の接合部の端部からフリンジ電界が半導体材料中へ広がるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリンジ電界(回り込み電界)の電荷注入を備えるために設計された電極構造に関する。このような電極構造により、改良された及び/又は簡易化された電子デバイスを製造することができる。
【背景技術】
【0002】
電子機器の半導体材料への電荷注入は、素子の効率化及び素子の品質に大いに役割を果たす。
【0003】
特に、例えば有機発光ダイオード(OLED)及び高分子発光ダイオード(PLED)のような有機半導体材料の機能は、有機半導体材料の関連する高電荷注入抵抗によって限定される。高電荷注入抵抗に打ち勝つために、低い仕事関数の金属が有機半導体素子に典型的に利用される。このような金属は、電荷注入を改良する。例えばカルシウムのような低い仕事関数の金属は、酸素の影響を受けやすく、空気又は湿気によって容易にダメージが与えられる。それ故に、このような材料で形成された電極の利用は、電子デバイスの設計及び製造で、盛り込むこと、潜在的な複合体、封入構造を必要としてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体材料にドープ塗料を塗ることは、電子機器の半導体材料への電荷注入を改良するために利用される。無機半導体素子の場合、抵抗接点を形成するために電極の近くで半導体材料にドープ塗料を大量に塗ることは、よくあることである。しかしながら、特に、ドーパントが駆動中に著しく拡散することができる場合には、いくつかの素子において、抵抗接点を形成するために用いられるドープ塗料の濃度が望ましくない。
【0005】
本発明は、電子デバイスの半導体材料に改良された電荷注入を備える既存のものに代わる新規電極構造を備える。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の典型的な実施形態は、半導体材料及び半導体材料に電気的に接続された電極構造を備える半導体デバイスである。電極構造は、第1の導体材料で形成された第1の部分及び第2の導体材料で形成された第2の部分を有する。電極構造の第1の部分及び第2の部分の両方は、半導体材料と直接的に接触している。第1の導体材料は、第1の仕事関数を有し、第2の導体材料は、第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する。電極構造の第2の部分は、第1の部分と共に接合部を形成する。電極構造の第1の部分及び第2の部分は、第1の導体材料と第2の半導体材料との間の接合の端部からフリンジ電界が半導体材料中へ広がるように配置される。
【0007】
他の本発明の典型的な実施形態は、半導体デバイスの製造方法である。第1の導体材料は、半導体材料の上面に第1の導体材料に配置され、第1の導体材料は、半導体材料の上面の第1の領域だけを覆う。第2の導体材料の層は、第1の導体材料及び半導体材料の上面の第2の領域の上方に形成される。第1の導体材料は、第1の仕事関数を有し、第2の導体材料は、第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する。電極構造の第1の導体材料及び第2の導体材料は、第1の導体材料と第2の導体材料との間の接合部の端部からのフリンジ電界が半導体材料に広がるように配置される。
【0008】
また、本発明の典型的な実施形態は、半導体デバイスの製造方法である。第1の導体材料は、第2の導体材料の上面に配置され、第1の導体材料は、第2の導体材料の上面の第1の領域だけを覆う。第1の導体材料は、第1の仕事関数を有し、第2の導体材料は、第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する。半導体材料の層は、第1の導体材料及び第2の導体材料の上面の第2の領域の上方に形成される。電極構造の第1の導体材料及び第2の導体材料は、第1の導体材料と第2の導体材料との間の接合部の端部からのフリンジ電界が半導体材料に広がるように配置される。
【0009】
さらに、本発明の典型的な実施形態は、半導体デバイスの製造方法である。第1の導体材料の複数の層及び第2の導体材料の複数の層を含むラメラ構造を有する電極構造が形成される。第1の導体材料は、第1の仕事関数を有し、第2の導体材料は、第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する。第1の導体材料の層及び第2の導体材料の層に実質的に垂直である電極構造の表面に半導体材料の層が形成される。電極構造は、第1の導体材料の層と第2の導体材料の層との間の接合部の端部からのフリンジ電界が半導体材料に広がるように配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面に関連する部分を読むことで、下記の詳細な説明から本発明を理解することができる。一般的な方法によれば、図面のさまざまな特徴は、縮尺どおりではない。一方、さまざまな特徴の寸法は、適宜に拡大され、又は明瞭のために省略される。
【0011】
本発明の典型的な実施形態は、異なる仕事関数(WF)を有する2つの異なる導体を用いて、例えばエレクトロルミセント(EL)又は薄膜トランジスタ(TFT)のような半導体デバイスに電荷注入を高めることである。また、このような典型的な実施形態は、例えば、光起電力検出器及び太陽電池のような半導体デバイスから電荷抽出を高めるために利用されてもよい。このような2つの導体材料によって形成された典型的な電極構造は、接合部分又は2つの導体の間の接合部の端部からフリンジ電界を作る。作り出されたフリンジ電界により、半導体材料の隣接した領域への電荷注入を改良することができる。半導体接触で電極の表面領域における接合端部の長さの比率が十分に高い場合には、結果的に電荷注入を高めることは、重要である可能性がある。このような比率は、できるだけナノスケールのドット(例えば、ナノドット)の電極接触表面の導体の1つの新規小さな島によって増大させる可能性がある。このような典型的に実施形態は、抵抗接点を形成するために高いドーピング濃度の必要性を低減する可能性がある。また、このような典型的に実施形態は、光起電デバイスから電荷抽出を改良する可能性がある。また、このような典型的に実施形態は、例えばTFTデバイス、ELデバイス、有機発光ダイオード(OLED)及びポリマー発光ダイオード(PLED)のようなデバイスにおける電荷注入の効率を改良する可能性がある。
【0012】
本発明の典型的な実施形態は、電子及び/又は正孔注入層又は電子及び/又は正孔抽出層として用いられてもよい。また、本発明の典型的な実施形態は、例えばカルシウム、バリウム及びイリチウムのようなアルカリ及びアルカリ土類金属を含んでいる従来のカソードと比較して、比較的に空気中で安定するカソード構造の製造を可能にする
【0013】
このような電極構造の製造の典型的な方法は、他方の導体、又は2つ以上に分割した層(例えば、ラメラ構造を形成)の表面にナノサイズドットの一方の導体を形成する方法を含んでいてもよい。
【0014】
図1Aから図1Eは、本発明に関する典型的な半導体デバイスを示す。図1A及び図1Bは、2つの導体材料100及び102と、半導体材料104とを含む、2つの典型的な実施形態の側面図を示す。図1Aにおいて、導体材料102は、導体材料100の最上面に複数の島として形成される。一方、図1Bにおいて、導体材料102は、導体材料100の最上面にある複数の窪地に形成される。図1Cから図1Eは、半導体層104を取り除いて、図1A及び図1Bの典型的な実施形態の電極構造の3つの典型的な形状の平面図である。導体材料104の島がランダム配列なので、図1Eに示される典型的な形状は、図1A及び図1Bの図面と直接的に対応していない。
【0015】
導体材料100及び102によって形成された電極構造は、半導体層104に電気的に接続されている。半導体層104は、有機半導体材料、無機半導体材料又はこれらを組み合わせたもので形成されている。構造は、例えばドープを塗装する、エッチング、蒸着などの従来から知られている方法で半導体層104内に形成されてもよい。また、半導体層104は、例えばPN接合又は量子井戸構造のようなあらゆる構造を形成する多重副層を含んでいてもよい。
【0016】
電極構造の第1の部分(導体材料100)及び電極構造の第2の部分(導体材料102)の両方は、半導体材料104と直接的に接触している。このような2つの部分の導体材料は、異なる仕事関数を有している。その結果、電極構造の第1の部分と第2の部分との間の各接合は、小型の電源のように作用する。このような導体材料は、例えばポリシリコン及び有機導体のような、金属又は他の導体材料であってもよい。
【0017】
導体材料100及び102の仕事関数が異なっているので、電荷は、組み込まれた電界を作り出すこのような接合を横切って移動する。それ故に、このような接合の端部において、フリンジ電界が半導体材料104の中に広がる。典型的な導体材料100の仕事関数と典型的な導体材料102の仕事関数との間の差は、フリンジ電界の量に依存しており、0.2eV以上である。
【0018】
このフリンジ電界は、接合の近くの電極/半導体の接触の辺りで、電極と半導体材料104(例えば、電荷注入又は電荷抽出)との間を移動する電荷を支援する。例えば、外部電源に電気的に接続されている電極構造の第1の部分(導体材料100)の仕事関数が電極構造の第2の部分(導体材料102)の仕事関数より大きい場合には、電極構造は、半導体材料104に電荷注入を支援するフリンジ電界又は半導体材料104から電荷抽出を支援するフリンジ電界を示す可能性がある。反対に、電極構造の第1の部分(導体材料100)の仕事関数が電極構造の第2の部分(導体材料102)の仕事関数未満である場合には、電極構造は、半導体材料104に正孔注入を支援するフリンジ電界又は半導体材料104から正孔抽出を支援するフリンジ電界を示す可能性がある。
【0019】
さらに、図1Aから図1Eの典型的な電極構造のもう1つの潜在的な特徴は、導体材料102の島状の周囲の導体材料100及び半導体材料104である。それ故に、導体材料102と外部流体、例えば電子デバイスを囲っている空気又は液体などとの間の相互作用を実質的に抑制する。このような特徴は、半導体材料104から電荷注入(又は半導体材料104から正孔抽出)を改良するために設計された電極構造に特に好ましい。このような電極構造において、導体材料102に対して、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属などのような仕事関数が低い導体材料が用いられることが望ましい。
【0020】
図1Aから図1Eの全てに示された典型的な電極構造は、導体材料100の上面と半導体材料104の下面との間に形成された複数の島状の形である導体材料102を含む。図1Cから図1Eに示されるように、このような島は、実質的には、均一形状を有している。また一方、導体材料102の不均一な形状な島も同様に形成されている。また、図1Cから図1Eに示される円形、三角形、及び長円形は、主に、実施例であって、限定されるものではない。多角形、星形のような形及び不規則な形を含むその他の島の形状も同様に検討される。大きな円周で体積率を有する島が特に望ましい。また、図1A及び図1Bに示される半楕円形状も、主に、実施例であって、限定されるものではない。例えば、実質的には三角形又は長方形を有する島が検討される。
【0021】
ある典型的な実施形態において、島のそれぞれが、第2の導体材料のナノ粒子で前もって形成されていてもよい。このようなナノ粒子の島は、導体量子ドット、ポリマー鎖及びフラーレンを含むあらゆるナノ構造の材料から形成されていてもよい。
【0022】
また別の典型的な実施形態において、例えば金属のような導体材料は、島を形成するために、薄膜蒸着技術を用いて蒸着させてもよい。このような薄膜蒸着技術は、蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、インクジェット印刷、及び原子層堆積、その他を含むあらゆるエピタキシャル方法を含んでいる。このような技術は、とても薄い第2の導体材料の島を形成するために用いられてもよい。
【0023】
導体材料102のこのような島は、実質的には、図1C又は図1Dに示されるように均一なパターンで配置されていてもよい。又は、図1Eに示されるようにランダムパターンで配置されていてもよい。
【0024】
図2は、電極構造200がラメラ構造である典型的な半導体デバイスの変形例を示す。このような典型的な電極構造は、電極構造200と半導体材料104との間の接合部分に実質的に垂直に配置させる一連の層を含む。ラメラ構造におけるこのような一連の層の第1の小集団は、第1の導体材料で形成され、第2の小集団は、第2の導体材料で形成される。
【0025】
図3Aから図3Cは、本発明に関するさらに別の典型的な半導体デバイスを示す。このような典型的な実施形態において、電極構造の第2の部分は、第2の導体材料で形成された多孔質層300である。多孔質層300は、導体材料100の上面と半導体材料104の下面との間に形成される。導体材料100と半導体材料104は、多孔質層300の微細孔を通して直接的に接触する。図3Aは、導体材料100が微細孔を通して広がる典型的な実施形態を示す。また、図3Bは、半導体材料104が微細孔を通して広がる典型的な実施形態を示す。図3Cは,半導体層104を取り除いて、図3A及び図3Bの典型的な実施形態の平面図を示す。図3Aから図3Cの全てには、不規則な微細孔を含む多孔質層300が示されている。また一方、多孔質層300が規則正しい配列の微細孔とともに形成されていることも同様に検討される。
【0026】
図4は、図1B、図1C、図1D、図1E、図3B及び図3Cに示される電極構造と同様の典型的な電極構造を含む半導体デバイスの製造の典型的な方法を示す。
【0027】
ステップ400において、半導体材料が供給される。ステップ402において、第1の導体材料は、供給された半導体材料の上面に蒸着(配置)される。その結果、第1の導体材料は、半導体材料の上面の部分だけを覆う。このような第1の導体材料は、第1の仕事関数を有している。第1の導体材料は、スパッタリング法、蒸着法、エピタキシャル蒸着法、インクジェット印刷、スピンコート法、及び原子層堆積を含む標準的な半導体材料製造技術のいくつかを用いて、半導体材料上に蒸着されてもよい。
【0028】
第1の導体材料は、マスキング及び選択的に領域が成長するような技術を用いて半導体材料の表面の適切な領域にだけ蒸着(配置)させてもよい。あるいは、第1の導体材料は、半導体材料の上面に固体層として堆積(配置)させてもよい。その結果、この固体層を、エッチング処理を行い、第1の導体材料からなる好ましい形状を形成してもよい。
【0029】
原子層堆積を含むあらゆる析出技術は、導体材料の多孔質層を形成するために用いられてもよい。
【0030】
また別の典型的な実施形態において、第1の導体材料のナノ粒子は、半導体材料の上面に堆積され、半導体材料の上面に複数の島が形成されてもよい。
【0031】
それ故に、ステップ404において、第2の導体材料の層は、第1の導体材料及び半導体材料の上面の残っている領域の上方に形成される。第2の導体材料は、第1の導体材料の第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有している。このような第2の導体材料の層は、標準的な半導体材料製造技術のいくつかを用いて形成されてもよい。
【0032】
第1の導体材料の上面の第1の領域だけを覆うように第2の仕事関数を有する第2の導体材料を蒸着する。
【0033】
上述したように図1から図3に関して、第1及び第2の導体材料によって形成された最終的な電極構造は、第1の導体材料と第2の半導体材料との間の接合部の端部からフリンジ電界が半導体材料中へ広がるように配置される。また、第2の導体材料の層は、実質的に第1の導体材料を密閉するように、第1の導体材料及び半導体材料の上面の第2の領域の上方に形成されてもよい。その結果、第1の導体材料と外部流体との間の相互作用を実質的に抑制する。
【0034】
図5は、図1A、図1C、図1D、図1E、図3A及び図3Cに示される電極構造と同様の典型的な電極構造を含む半導体デバイスの製造の典型的な方法を示す。
【0035】
ステップ500において、第1の導体材料が供給される。このような第1の導体材料は、第1の仕事関数を有している。ステップ502において、第2の導体材料は、第1の導体材料の上面に蒸着(配置)される。その結果、第2の導体材料は、第1の導体材料の上面の一部だけを覆う。このような第2の導体材料は、第1の導体材料の第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有している。このような第2の導体材料の層は、上述した図4の典型的な方法のステップ402における半導体材料上に第1の導体材料を蒸着(配置)させるように、標準的な半導体材料製造技術のいくつかを用いて、第1の導体材料上に形成されてもよい。
【0036】
それ故に、ステップ504において、半導体材料の層は、第2の導体材料及び第1の導体材料の上面の残っている領域の上方に形成される。このような半導体材料の層は、標準的な半導体材料製造技術のいくつかを用いて形成されてもよい。
【0037】
上述したように図1から図4に関して、第1及び第2の導体材料によって形成された最終的な電極構造は、第1の導体材料と第2の導体材料との間の接合部の端部からフリンジ電界が半導体材料中へ広がるように配置される。また、半導体材料の層は、実質的に第2の導体材料を密閉するように、第2の導体材料及び台1の導体材料の上面の第2の領域の上方に形成されてもよい。その結果、第2の導体材料と外部流体との間の相互作用を実質的に抑制する。
【0038】
図6は、図2に示されるような典型的なラメラ構造を含む半導体デバイスの製造の典型的な方法を示す。ステップ600において、ラメラ構造を有する電極構造が形成される。ラメラ構造は、一組の第1の導体材料の層及びもう一組の第2の導体材料の層を含む。第1の導体材料は、第1の仕事関数有し、第2の導体材料は、第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有している。
【0039】
ステップ602において、半導体材料は、第1及び第2の導体材料の層に実質的に垂直である電極構造の表面に形成される。それ故に、電極構造は、第1の導体材料の層と第2の導体材料の層との間の接合部の端部からフリンジ電界が半導体材料中へ広がるように配置される。半導体材料の層は、標準的な半導体材料製造技術のいくつかを用いて形成されてもよい。
【0040】
本実施の形態に記載されている典型的な方法は、陽極及び/又は陰極を形成するために用いられてもよい。本発明の典型的な電極構造は、エレクトロルミネセントデバイス、スイッチングデバイス及び光起電デバイスのような多くの電子デバイスにおいて多く活用する可能性がある。表示装置及び照明装置は、上述した典型的な実施形態に記載されているように電荷注入を支援するフリンジ電界から特に利益を享受する可能性がある。
【0041】
本発明は、多くの典型的な半導体デバイス及びこのようなデバイスの製造の典型的な方法を含む。本発明は、図示され、具体的な実施例に関して本発明の実施形態に記載されているけれども、詳細には限定されない。それどころか、あらゆる改良が、本発明の要旨を逸脱しないで、特許請求の範囲と同等の範囲及び領域内で詳細に考えられる可能性がある。特に、当業者は、本発明が2つの導体材料だけを含む電極構造に限定されない、つまり3つ以上の導体材料を含む電極構造が本発明によって具現化されることは理解できるであろう。また、明確に本実施形態に記載されたさまざまな特徴は、本発明によって具現化されたさらなる典型的な電子デバイスを形成するために混ぜ合わされる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】図1Aは、本発明に関する改良された電荷注入ための典型的な電極構造を示す側面図である。
【図1B】図1Bは、本発明に関する改良された電荷注入ための典型的な電極構造を示す側面図である。
【図1C】図1Cは、図1A及び図1Bの典型的な電極構造における導体材料の典型的な構造を示す平面図である。
【図1D】図1Dは、図1A及び図1Bの典型的な電極構造における導体材料の典型的な構造を示す平面図である。
【図1E】図1Eは、図1A及び図1Bの典型的な電極構造における導体材料の典型的な構造を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明に関する改良された電荷注入ための他の典型的な電極構造を示す側面図である。
【図3A】図3Aは、本発明に関する改良された電荷注入ためのまた他の典型的な電極構造を示す側面図である。
【図3B】図3Bは、本発明に関する改良された電荷注入ためのまた他の典型的な電極構造を示す側面図である。
【図3C】図3Cは、図3Aの典型的な電極構造における導体材料の典型的な構造を示す平面図である。
【図4】図4は、例えば図1B、1C、1D、1E、3B及び3Cの典型的な構造のような改良された電荷注入のための電極構造を含む典型的な半導体素子を形成する典型的な方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は、例えば図1A、1C、1D、1E、3A及び3Cの典型的な構造のような改良された電荷注入のための電極構造を含む典型的な半導体素子を形成する他の典型的な方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、例えば図2の典型的な構造のような改良された電荷注入のための電極構造を含む典型的な半導体素子を形成するまた他の典型的な方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料と、
上記半導体材料に電気的に接続された電極構造とを備える半導体デバイスであって、
上記電極構造は、
第1の仕事関数を有し、上記半導体材料と直接的に接触する第1の導体材料で形成された第1の部分と、
上記第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有し、上記電極構造の上記第1の部分と接合部を形成し、上記半導体材料と直接的に接触する第2の導体材料で形成された第2の部分とを備え、
上記電極構造の上記第1の部分及び上記第2の部分は、第1の導体材料と第2の導体材料との間の接合部の端部からのフリンジ電界が上記半導体材料中へ広がるように配置される、半導体デバイス。
【請求項2】
上記半導体材料は、有機半導体材料又は無機半導体材料のうちの1つである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
上記電極構造は、上記電極構造と上記半導体材料との間の接合部分に垂直に実質的に配置させた一連の層を有するラメラ構造であり、
上記電極構造の上記第1の部分は、上記ラメラ構造の一連の層の第1の小集団であり、
上記電極構造の上記第2の部分は、上記ラメラ構造の一連の層の第2の小集団である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
上記電極構造の上記第2の部分は、上記電極構造の上面と上記半導体材料の下面との間に形成された上記第2の導体材料の複数の島を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
上記第2の導体材料の複数の上記島は、実質的に一定の形態に配置される、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
上記第2の導体材料の複数の上記島は、実質的に一定の形状を有する、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
複数の上記島のそれぞれは、上記第2の導体材料の前もって作られたナノ粒子である、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
上記前もって作られたナノ粒子は、フラーレンである、請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
上記電極構造の上記第2の部分は、上記電極構造の上面に形成された上記第2の導体材料の多孔質層であり、上記多孔質層は、複数の細孔を有し、
上記電極構造の上記第1の部分は、上記電極構造の上記第2の部分における複数の上記細孔を通じて上記半導体材料と直接的に接触している、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
上記電極構造の上記第2の部分は、上記電極構造の上面と上記半導体材料の下面との間に形成され、上記電極構造の上記第1の部分及び上記半導体材料は、上記電極構造の上記第2の部分と外部流体との間の相互作用を抑制する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
上記第2の導体材料は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のうちの1つである、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
上記電極構造の上記第1の部分は、外部電源に電気的に接続され、
上記第1の仕事関数は、上記第2の仕事関数以下であり、
上記電極構造は、フリンジ電界に支援された電子注入もしくは正孔抽出の少なくとも1つを示す、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
上記電極構造の上記第1の部分は、外部電源に電気的に接続され、
上記第1の仕事関数は、上記第2の仕事関数以上であり、
上記電極構造は、フリンジ電界に支援された正孔注入もしくは電子抽出のすくなくとも1つを示す、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
上記第1の仕事関数と上記第2の仕事関数との差異は、約0.2eV以上である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
a)半導体材料の上面に第1の導体材料を配置し、第1の仕事関数を有する上記第1の導体材料は、上記半導体材料の上記上面の第1の領域だけを覆うステップと、
b)上記第1の導体材料及び上記半導体材料の上面の第2の領域の上方に、上記第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する第2の導体材料の層を形成するステップとを備え、
上記第1の導体材料及び上記第2の導体材料は、上記第1の導体材料と上記第2の導体材料との間の接合部の端部からのフリンジ電界が上記半導体材料に広がるように配置される電極構造を形成する、半導体デバイスの製造方法。
【請求項16】
上記ステップ(a)は、上記半導体材料の上記上面の上記第1の領域に複数の島のように上記第1の導体材料を配置するステップを含む、請求項15に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項17】
上記ステップ(a)は、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料の多孔質層を配置するステップを含む、請求項15に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項18】
上記ステップ(a)は、
スパッタリング法を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
蒸着技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
エピタキシャル技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
印刷を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
回転塗布技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
及び原子層堆積技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
のうち少なくとも1つを含む、請求項15に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項19】
上記ステップ(b)は、上記第2の導体材料の上記層及び上記半導体材料が上記ステップ(a)で配置された上記第1の導体材料を実質的に封止するように上記第1の導体材料及び上記半導体材料の上記上面の上記第2の領域の上方に上記第2の導体材料の上記層を形成するステップを含み、その結果、上記第1の導体材料と外部流体との間の相互作用を実質的に抑制する、請求項15に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項20】
a)第2の導体材料の上面に第1の導体材料を配置し、第1の仕事関数を有する上記第1の導体材料は、上記第1の仕事関数と異なる第2の仕事関数を有する上記第2の導体材料の上記上面の第1の領域だけを覆うステップと、
b)上記第1の導体材料及び上記第2の導体材料の上記上面の第2の領域の上方に半導体材料の層を形成するステップとを備え、
上記第1の導体材料及び上記第2の導体材料は、上記第1の導体材料と上記第2の導体材料との間の接合部の端部からのフリンジ電界が上記半導体材料に広がるように配置される電極構造を形成する、半導体デバイスの製造方法。
【請求項21】
上記ステップ(a)は、上記半導体材料の上記上面の上記第1の領域に複数の島のように上記第1の導体材料を配置するステップを含む、請求項20に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項22】
上記ステップ(a)は、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料の多孔質層を配置するステップを含む、請求項20に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項23】
上記ステップ(a)は、
スパッタリング法を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
蒸着技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
エピタキシャル技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
印刷を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
回転塗布技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
及び原子層堆積技術を用いて、上記半導体材料の上記上面に上記第1の導体材料を配置するステップ、
のうち少なくとも1つを含む、請求項20に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項24】
上記ステップ(b)は、上記第2の導体材料の上記層及び上記半導体材料が上記ステップ(a)で配置された上記第1の導体材料を実質的に封止するように上記第1の導体材料及び上記半導体材料の上記上面の上記第2の領域の上方に上記第2の導体材料の上記層を形成するステップを含み、その結果、上記第1の導体材料と外部流体との間の相互作用を実質的に抑制する、請求項20に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項25】
a)第1の仕事関数を有する第1の導体材料の複数の層及び第2の仕事関数を有する第2の導体材料の複数の層を含むラメラ構造を有する電極構造を形成するステップと、
b)上記第1の導体材料の層及び上記第2の導体材料の層に実質的に垂直である上記電極構造の表面に半導体材料の層を形成するステップとを備え、
上記電極構造は、上記第1の導体材料の層と上記第2の導体材料の層との間の接合部の端部からのフリンジ電界が上記半導体材料に広がるように配置される、半導体デバイスの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−263192(P2008−263192A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87022(P2008−87022)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(592035453)コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED
【Fターム(参考)】