説明

フレキシブルプリント配線板の製造方法、半導体装置の製造方法、ディスプレイ装置の製造方法、フレキシブルプリント配線板、半導体装置及びディスプレイ装置

【課題】放熱効率の良いフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】TCP型フレキシブルプリント配線板12Aの製造方法は、金属基材フィルム1に接着剤層1Aを積層する工程と、接着剤層1Aに導電体箔2を貼り付ける工程と、導電体箔2にフォトレジスト膜4を積層する工程と、フォトレジスト膜4を露光及び現像する工程と、金属基材フィルム1の導電体箔2に覆われていない部分にエッチング保護膜15を被せる工程と、エッチング保護膜15が被せられている状態で、露光及び現像後のフォトレジスト膜4(現像パターン4A)を介して導電体箔2をエッチングして導電パターン3を形成する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板の製造方法、半導体装置の製造方法、ディスプレイ装置の製造方法、フレキシブルプリント配線板、半導体装置及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板に半導体チップを搭載した半導体装置において、放熱性の向上を図った半導体装置が種々提案されている。例えば、特許文献1の半導体装置では、フレキシブルプリント配線板を適宜な位置にて折り曲げて、半導体チップをディスプレイ装置内の放熱し易い位置に配置することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−10309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年液晶ディスプレイ装置の動画解像度をよくするために、半導体チップの動作速度を早くする対応が行われており、発熱量が多くなる傾向にあるので、効率よく放熱することが求められている。また、プラズマディスプレイ装置では、従来から液晶ディスプレイ装置に比べて駆動電流が大きく発熱量が大きいため、効率よく放熱することが求められている。このように、放熱性向上の要求は依然として高い。
【0005】
本発明の目的は、放熱効率の良いフレキシブルプリント配線板の製造方法、半導体装置の製造方法、ディスプレイ装置の製造方法、フレキシブルプリント配線板、半導体装置及びディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法は、金属基材フィルムに接着剤層を積層する工程と、前記接着剤層に導電体箔を貼り付ける工程と、前記導電体箔にフォトレジスト膜を積層する工程と、前記フォトレジスト膜を露光及び現像する工程と、前記金属基材フィルムの前記導電体箔に覆われていない部分にエッチング保護膜を被せる工程と、前記金属基材フィルムに前記エッチング保護膜が被せられている状態で、露光及び現像後の前記フォトレジスト膜を介して前記導電体箔をエッチングして導電パターンを形成する工程と、を有する。
【0007】
好適には、前記エッチング保護膜を被せる工程は、前記フォトレジスト膜を積層する工程とは別個に行われる。
【0008】
好適には、前記フレキシブルプリント配線板の製造方法は、前記接着剤層を積層する工程の後、前記導電体箔を貼り付ける工程の前に、前記金属基材フィルム及び前記接着剤層に開口を形成する工程を更に有し、前記導電パターンは、前記開口に突出する接続用端子を有する。
【0009】
好適には、前記接着剤層の熱伝導率が1W/m・K以上である。
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法は、金属基材フィルムに接着剤層を積層する工程と、前記接着剤層に導電体箔を貼り付ける工程と、前記導電体箔にフォトレジスト膜を積層する工程と、前記フォトレジスト膜を露光及び現像する工程と、前記金属基材フィルムの前記導電体箔に覆われていない部分にエッチング保護膜を被せる工程と、前記金属基材フィルムに前記エッチング保護膜が被せられている状態で、露光及び現像後の前記フォトレジスト膜を介して前記導電体箔をエッチングして、外部接続用端子と半導体チップ接続用端子とを含む導電パターンを形成する工程と、前記半導体チップ接続用端子に半導体チップを接続して搭載する工程と、を有する。
【0011】
好適には、前記半導体装置の製造方法は、前記金属基材フィルムの平面視において前記半導体チップ側を凹側とする凹状に延びて前記導体パターンの少なくとも一部を囲む第1のスリットを前記金属基材フィルムに形成する工程を更に有する。
【0012】
好適には、前記半導体チップの形状が四角であって、その四角い前記半導体チップの三辺を取り囲むように前記第1のスリットを形成する。
【0013】
好適には、前記半導体装置の製造方法は、前記金属基材フィルムに直線状の第2のスリットを形成する工程と、前記第2のスリットに軟質樹脂を充填する工程と、を更に有する。
【0014】
本発明のディスプレイ装置の製造方法は、上記に記載の半導体装置の製造方法により半導体装置を形成し、前記金属基材フィルムを、前記導電体箔側を内側として折り返し、前記外部接続用端子を前記半導体装置とは別の部品に接続する。
【0015】
若しくは、本発明のディスプレイ装置の製造方法は、上記に記載の半導体装置の製造方法により半導体装置を形成し、前記金属基材フィルムにおいて、前記第1のスリットの内側部分を折り返さずに、前記第1のスリットの外側部分を、前記導電体箔側を内側として折り返し、前記外部接続用端子を前記半導体装置とは別の部品に接続する。
【0016】
本発明のフレキシブルプリント配線板は、開口が形成された金属基材フィルムと、前記金属基材フィルムに積層された接着剤層と、前記接着剤層に積層され、前記開口に突出する接続用端子を含む導電パターンと、を有する。
【0017】
本発明の半導体装置は、上記に記載のフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板の前記開口に配置されて前記接続用端子に接続された半導体チップと、を有する。
【0018】
本発明のディスプレイ装置は、上記に記載の半導体装置と、前記半導体装置に接続されたガラス基板と、前記半導体装置及び前記ガラス基板を収容し、前記金属基材フィルムに当接する筐体と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、放熱効率を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(A)ないし(I)は、この発明の実施形態に係るTCP型フレキシブルプリント配線板の製造工程図である。
【図2】図1に示す製造工程により製造されたTCP型フレキシブルプリント配線板の平面図である。
【図3】図1に示す製造工程により製造された別のTCP型フレキシブルプリント配線板の平面図である。
【図4】(A)ないし(D)は、この発明の実施形態に係るTCP型半導体装置の製造工程図である
【図5】図4に示す製造工程により製造されたTCP型半導体装置の平面図である。
【図6】(A)および(B)は、別のTCP型半導体装置の製造工程図である。
【図7】図6に示す製造工程により製造されたTCP型半導体装置の平面図である。
【図8】(A)ないし(I)は、この発明の実施形態に係るCOF型フレキシブルプリント配線板の製造工程図である。
【図9】図8に示す製造工程により製造されたCOF型フレキシブルプリント配線板の平面図である。
【図10】図8に示す製造工程により製造された別のCOF型フレキシブルプリント配線板の平面図である。
【図11】(A)ないし(D)は、この発明の実施形態に係るCOF型半導体装置の製造工程図である。
【図12】図11に示す製造工程により製造されたCOF型半導体装置の平面図である。
【図13】(A)および(B)は、別のCOF型半導体装置の製造工程図である。
【図14】図13に示す製造工程により製造されたCOF型半導体装置の平面図である。
【図15】図5に示すTCP型半導体装置の使用状態図である。
【図16】図12に示すCOF型半導体装置の使用状態図である。
【図17】図7に示すTCP型半導体装置の使用状態図である。
【図18】図14に示すCOF型半導体装置の使用状態図である。
【図19】この発明の実施形態に係る更に別のTCP型半導体装置の平面図である。
【図20】この発明の実施形態に係るまた更に別のTCP型半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
実施形態のフレキシブルプリント配線板には、デバイスホールを設けるTCP型フレキシブルプリント配線板とデバイスホールを設けないCOF型フレキシブルプリント配線板が有る。また、実施形態のフレキシブルプリント配線板には、折り曲げ用のスリットが設けられるフレキシブルプリント配線板とスリットが設けられないフレキシブルプリント配線板が有る。
【0022】
説明は、以下の順で行う。
<フレキシブルプリント配線板の製造方法>
(TCP型)
スリット形成予定無し、スリット形成予定有り
(COF型)
スリット形成予定無し、スリット形成予定有り
<半導体装置の製造方法>
(TCP型−スリット無し)
(TCP型−スリット有り)
(COF型−スリット無し)
(COF型−スリット有り)
<ディスプレイ装置の製造方法>
(TCP型−スリット無し)
(COF型−スリット無し)
(TCP型−スリット有り)
(COF型−スリット有り)
【0023】
<フレキシブルプリント配線板の製造方法>
(TCP型)
実施形態のTCP型フレキシブルプリント配線板の製造方法について、図1(A)ないし(I)を用いて説明する。
【0024】
図1(A)に示すように、金属基材フィルム1の表面に塵埃を防ぐためのカバーフィルム1Bが貼られた接着剤層1Aを積層する。なお、以下では、金属基材フィルム1の接着剤層1A側を表側、その反対側を裏側ということがある。
【0025】
金属基材フィルム1、カバーフィルム1B及び接着剤層1Aは、紙面貫通方向に長尺状に形成されている。そして、金属基材フィルム1としては、熱伝導率がよくまた加工性のよい金属箔を用いる。例えば、厚さが25μmないし150μmの銅箔を用いる。または比重が軽く加工性のよいアルミニウム箔を用いてもよい。
【0026】
そして、接着剤層1Aは、電気絶縁性が高く、厚さが5μmないし25μmのエポキシ系の接着剤を用いる。例えば、電気絶縁性が高く、熱伝導率が0.2W/m・K程度で厚さが12μm程度の東レ(株)製の商品名「TAB用接着剤#8200」を用いる。好適には、1W/m・K以上のものを用いるとよく、例えば、エポキシ樹脂を主体にした、熱伝導率が3W/m・K程度の東レ(株)製の商品名「TSAシリーズ」を用いるとよい。この「TSAシリーズ」は、厚さが20μmないし100μmのものがあるが、前記熱抵抗θを小さくするために、極力薄いものを用いることが好ましい。
【0027】
次に、図1(B)に示すように、金型を用いて金属基材フィルム1の両縁に沿って長さ方向(紙面貫通方向)に一定間隔置きにスプロケットホール11を打ち抜き形成する。また同時にデバイスホール11Aを、単位配線パターン毎の所定の位置に必要な数だけ打ち抜き形成する。この、デバイスホール11Aは、スプロケットホール11を打ち抜いた後、スプロケットホール11をガイドにして後から打ち抜くようにしてもよい。
【0028】
次に、図1(C)に示すように、金属基材フィルム1の長さ方向(紙面貫通方向)にカバーフィルム1Bを剥がしながら熱と圧力を加えて導電体箔2をラミネートし、更に熱を加えて接着剤層1Aを硬化させる。この導電体箔2には、電気抵抗が小さくまた熱伝導率の高い金属箔を用いる。例えば、厚さが8μmないし80μmの銅箔を用いる。また、微細な導電パターンの形成を考慮した場合、好適には、厚さが8μmないし40μm程度のものを用いるとよい。
【0029】
次に、図1(D)に示すように、導電体箔2の表面にフォトレジスト液をロールコーター方式で塗布して後、加熱乾燥してフォトレジスト膜4を形成する。このフォトレジスト膜4は、微細な導電パターンの形成に適した厚さに調整して形成する。その後、図1(E)に示すように、露光と現像を行って現像パターン4Aを形成する。
【0030】
次に、導電体箔2の表面を除く全面には、後に行う導電体箔2をエッチングするエッチング工程によって金属基材フィルム1がエッチングされないようにするためにエッチング保護膜を設ける。
【0031】
このエッチング保護膜の形成には、前記フォトレジスト液を導電体箔2の表面に塗布すると同時にそれ以外の全面に塗布して後、加熱乾燥してフォトレジスト膜を全面に形成する方法が考えられる。
【0032】
この方法を用いて微細な導電パターンを形成するためには、導電体箔2の表面に形成するフォトレジスト膜の厚さを薄く形成することが好ましい。そのため、その他のフォトレジスト膜の厚さも同様に薄くなり、金属基材フィルム1のエッジ部分では、フォトレジスト液の表面張力の働きによって、更に薄くなるのでエッチングによって侵されてしまうおそれがある。一方、エッジ部分がエッチングによって侵されることは好ましくないことがある。例えば、デバイスホール11Aは、最終的な製品にも係わる形状であるので、形成当初の形状が維持されることが好ましい。
【0033】
そこで、このエッジ部分の膜厚が薄くなりにくい、電着レジスト方式が考えられる。ところが、この電着レジスト方式は、電着レジスト液が経時変化するため管理が煩雑になり、また膜厚の調整も難しいので、後にエッチングで形成する導電パターンのファイン化が難しくなる。
【0034】
そこで、この実施形態では、前記フォトレジスト膜4の形成と異なる別の工程および材料を用いてエッチング保護膜15を形成する。
【0035】
前記、現像パターン4Aを形成した後、アルカリ性の液にて除去が可能な一般的なエッチング保護膜用樹脂液を、例えば、ディスペンサー方式、刷毛塗り方式、スプレイ方式などの一般的な方法を用いて塗布した後、加熱乾燥させて、図1(F)に示すように、エッチング保護膜15を形成する。
【0036】
ところで、前記エッチング保護膜用樹脂液の塗布厚は、その表面張力の働きによって、金属基材フィルム1のエッジ部分では薄くなるので、前記エッジ部分に形成されるエッチング保護膜15の厚さが、後のエッチングによって侵されないだけの厚さが確保できるように、エッチング保護膜用樹脂液の塗布厚を調整する。
【0037】
なお、本実施形態では、フォトレジスト膜4の形成と異なる別の工程および材料を用いてエッチング保護膜15を形成する方法を採用したが、上述したフォトレジスト膜4の形成と同時にエッチング保護膜15を形成する方法及び電着レジスト方式を用いる方法も、本発明に含まれる。
【0038】
次に、図1(G)に示すように、前記現像パターン4Aをエッチングレジストにしてエッチングを行い、外部接続用端子3Bと半導体チップ接続用端子3Aを設ける導電パターン3を形成する。
【0039】
次に、図1(H)に示すように、アルカリ性の液を用いて、不要になった現像パターン4Aおよびエッチング保護膜15を除去した後、導電パターン3の表面には、半導体チップとの接続や防錆を目的として錫などのめっき(図示せず)を施す。
【0040】
次に、図1(I)に示すように、後に半導体チップを接続するための半導体チップ接続用端子3Aと、ディスプレイ装置のガラス基板やプリント配線板を接続するための外部接続用端子3Bを残して、その他の領域に可撓性に優れたソルダーレジスト6をスクリーン印刷法などにより塗布して加熱硬化して設け、TCP型フレキシブルプリント配線板12Aを形成する。このようにして形成したTCP型フレキシブルプリント配線板12Aの平面図を図2に示す。図1(I)は、図2のA−A矢示断面図である。
【0041】
前記、可撓性に優れたソルダーレジスト6には、例えば、日立化成工業(株)製の商品名「SN−9000」を用いる。このソルダーレジスト6の塗布工程は、めっき工程の前に行ってもよく、また後に行ってもよい。ここで、ソルダーレジスト6は、図2に示すように、外形が四角い半導体チップを搭載するための長方形状の半導体チップ搭載領域7Aを残して、その半導体チップ搭載領域7Aから半導体チップ接続用端子3Aを覗かせて設ける。
【0042】
また、図3には、前記と同様の工程を用いて形成した別のTCP型フレキシブルプリント配線板12Bの平面を示す。このTCP型フレキシブルプリント配線板12Bには、半導体チップ搭載領域7Aの周りを一部残して、四角の三辺状に第1のスリット形成領域5を設け、この第1のスリット形成領域5を避けるように導電パターン3を引き回して形成する。
【0043】
(COF型)
次に、この実施形態のCOF型フレキシブルプリント配線板の製造方法について、図8(A)ないし(I)を用いて説明する。
【0044】
ところで、前記TCP型フレキシブルプリント配線板の製造工程では、図1(B)に示すように、デバイスホール11Aを、単位配線パターン毎の所定の位置に必要な数だけ打ち抜き形成するが、ここで説明するCOF型フレキシブルプリント配線板では、このデバイスホール11Aを形成しないこと以外は、全く同じ工程および材料を用いて形成する。そこで、以下の製造方法の説明では、重複する内容について一部を省略して説明する。
【0045】
まず、図8(A)に示すように、金属基材フィルム1の表面にカバーフィルム1Bを設けた接着剤層1Aを積層する。
【0046】
次に、図8(B)に示すように、金型を用いて金属基材フィルム1の両縁に沿って一定間隔置きにスプロケットホール11を打ち抜き形成する。
【0047】
次に、図8(C)に示すように、金属基材フィルム1の長さ方向にカバーフィルム1Bを剥がしながら熱と圧力を加えて導電体箔2をラミネートし、更に熱を加えて接着剤層1Aを硬化させる。
【0048】
次に、図8(D)に示すように、導電体箔2の表面にフォトレジスト液をロールコーターで塗布した後、加熱乾燥させてフォトレジスト膜4を形成する。その後、図8(E)に示すように、露光と現像を行って現像パターン4Aを形成する。
【0049】
次に、図8(F)に示すように導電体箔2の表面を除く全面にエッチング保護膜用樹脂液を塗布した後、加熱乾燥させてエッチング保護膜15を形成する。このエッチング保護膜用樹脂液は、エッチング保護膜用樹脂液の表面張力の働きによって、金属基材フィルム1のエッジ部分が薄くなるので、前記エッジ部分のエッチング保護膜の厚さが所定の厚さになるように塗布する厚さを調整する。
【0050】
次に、図8(G)に示すように、前記現像パターン4Aをエッチングレジストにしてエッチングを行い、外部接続用端子3Bと半導体チップ接続用端子3Aを設ける導電パターン3を形成する。
【0051】
次に、図8(H)に示すように、アルカリ性の液を用いて、不要になった現像パターン4Aおよびエッチング保護膜15を除去し、導電パターン3の表面には、半導体チップとの接続や防錆を目的として錫などのめっき(図示せず)を施す。
【0052】
次に、図8(I)に示すように、後に半導体チップを接続するための半導体チップ接続用端子3Aと、ディスプレイ装置のガラス基板やプリント配線板を接続するための外部接続用端子3Bを残して、その他の領域に可撓性に優れたソルダーレジスト6をスクリーン印刷法などにより塗布して加熱硬化して設け、COF型フレキシブルプリント配線板12Cを形成する。このようにして形成したCOF型フレキシブルプリント配線板12Cの平面図を図9に示す。図8(I)は、図9のE−E矢示断面図である。
【0053】
前記、可撓性に優れたソルダーレジスト6には、例えば、日立化成工業(株)製の商品名「SN−9000」を用いる。このソルダーレジスト6の塗布工程は、めっき工程の前に行ってもよく、また後に行ってもよい。ここで、ソルダーレジスト6は、図9に示すように、外形が四角い半導体チップを搭載するための長方形状の半導体チップ搭載領域7Aを残して、その半導体チップ搭載領域7Aから半導体チップ接続用端子3Aを覗かせて設ける。
【0054】
また、図10には、前記と同様の工程を用いて形成した別のCOF型フレキシブルプリント配線板12Dの平面を示す。このCOF型フレキシブルプリント配線板12Dには、半導体チップ搭載領域7Aの周りを一部残して、四角の三辺状に第1のスリット形成領域5を設け、この第1のスリット形成領域5を避けるように導電パターン3を引き回して形成する。
【0055】
<半導体装置の製造方法>
(TCP型−スリット無し)
次に、前記TCP型フレキシブルプリント配線板12A(図2参照)に半導体チップを搭載して、半導体装置を形成する製造方法について、図4(A)ないし(D)を用いて説明する。
【0056】
図4(A)に示すように、前記TCP型フレキシブルプリント配線板12Aのスプロケットホール11を用いて搬送するとともに位置決めしながら、外形が四角い半導体チップ7を100℃ないし150℃に設定された加熱ステージ10の上に順次セットする。そして、半導体チップ7に形成された金バンプ8と半導体チップ接続用端子3Aとを対抗して、400℃ないし500℃に加熱したボンディングツール9を用いて熱と圧力を加える。これにより、例えば金バンプ8と、錫めっきされた半導体チップ接続用端子3AとをAu−Sn共晶接合して、TCP型フレキシブルプリント配線板12Aに半導体チップ7を搭載する。
【0057】
その後、TCP型フレキシブルプリント配線板12Aのスプロケットホール11を用いて搬送するとともに順次位置決めしながら、図4(B)に示すように、塗布用ノズル13から吐出する封止樹脂14を半導体チップ7の表側および半導体チップ接続用端子3Aを覆うように塗布し、更に加熱して硬化した状態を図4(C)に示す。
【0058】
次に、単位導電パターン毎に金型などを用いて打ち抜いて、TCP型半導体装置16Aを形成した状態を図4(D)に示す。また、図5には、このようにして形成したTCP型半導体装置16Aの平面を示す。図4(D)は、図5のC−C矢示断面図である。
【0059】
ところで、図5に示す半導体装置16Aを組み付けて使用するときは、金属基材フィルムの表側を内側として湾曲して使用する。
【0060】
(TCP型−スリット有り)
次に、前記TCP型フレキシブルプリント配線板12B(図3参照)に半導体チップを搭載して、TCP型半導体装置を形成する製造工程を説明する。
【0061】
前記、TCP型半導体装置16Aの製造工程を示す図4(A)ないし(C)と同じ製造工程および製造方法を用いて、TCP型フレキシブルプリント配線板12Bに半導体チップ7を搭載してから封止樹脂14を塗布して後加熱硬化する。
【0062】
次に、図6(A)に示すように、スプロケットホール11を用いて搬送するとともに位置決めしながら、金型などを用いて第1のスリット5Aを打ち抜き形成する。第1のスリット5Aの形状は、平面視において、デバイスホール11A側を凹として、導電パターン3の少なくとも一部を囲む凹状に延びる形状である。好ましくは、四角の半導体チップ7の三辺を囲む形状である。
【0063】
次に、図6(B)に示すように、単位導電パターン毎に金型などを用いて打ち抜いてTCP型半導体装置16Bを形成する。図7には、このようにして形成したTCP型半導体装置16Bの平面を示す。図6(B)は、図7のD−D矢示断面図である。
【0064】
ところで、図7に示す半導体装置16Bを組み付けて使用するときは、図7に示す第1のスリット5Aの両端を通って、前記金属基材フィルム1を横切る直線Lと、それと平行で第1のスリット5Aの形成範囲内の直線Mとの間の折り曲げ範囲bで折り曲げて使用する。
【0065】
(COF型−スリット無し)
次に、前記COF型フレキシブルプリント配線板12C(図9参照)に半導体チップ7を搭載して、COF型半導体装置を形成する製造方法を、図11(A)ないし(D)を用いて説明する。
【0066】
まず、図11(A)に示すように、前記COF型フレキシブルプリント配線板12Cのスプロケットホール11を用いて搬送するとともに位置決めしながら、外形が四角い半導体チップ7を100℃ないし150℃に設定された加熱ステージ10の上に順次セットする。そして、半導体チップ7に形成された金バンプ8と半導体チップ接続用端子3Aとを対向して、400℃ないし500℃に加熱したボンディングツール9を用いて熱と圧力を加える。これにより、例えば金バンプ8と錫めっきされた半導体チップ接続用端子3AとをAu−Sn共晶接合して、COF型フレキシブルプリント配線板12Cに半導体チップ7を搭載する。
【0067】
その後、COF型フレキシブルプリント配線板12Cのスプロケットホール11を用いて搬送するとともに順次位置決めしながら、図11(B)に示すように、塗布用ノズル13から吐出する封止樹脂14を半導体チップ7の周囲に沿うように塗布して、毛細管現象により浸透して半導体チップ7と接着剤層1Aの間に充填し、更に加熱して硬化した状態を図11(C)に示す。
【0068】
次に、単位導電パターン毎に金型などを用いて打ち抜いて、COF型半導体装置16Cを形成した状態を図11(D)に示す。また、図12には、このようにして形成したCOF型半導体装置16Cの平面を示す。図11(D)は、図12のG−G矢示断面図である。
【0069】
ところで、図12に示す半導体装置16Cを組み付けて使用するときは、金属基材フィルムの表側を内側として湾曲して使用する。
【0070】
(COF型−スリット有り)
次に、前記COF型フレキシブルプリント配線板12D(図10参照)に半導体チップ7を搭載して、COF型半導体装置を形成する製造方法について説明する。
【0071】
前記、COF型フレキシブルプリント配線板12Dに、半導体チップ7を搭載してから封止樹脂14を塗布して後加熱硬化するが、この製造工程は、前記、COF型半導体装置16Cの製造工程、図11(A)ないし(C)と同じ製造工程および製造方法を用いて行う。
【0072】
次に、図13(A)に示すように、スプロケットホール11を用いて搬送するとともに位置決めしながら、金型などを用いて第1のスリット5Aを打ち抜き形成する。
【0073】
次に、単位導電パターン毎に金型などを用いて打ち抜いてCOF型半導体装置16Dを形成した状態を図13(B)に示す。
次に、また、図14には、このようにして形成したCOF型半導体装置16Dの平面を示す。図13(B)は、図14のH−H矢示断面図である。
【0074】
ところで、図14に示す半導体装置16Dを組み付けて使用するときは、図14に示す第1のスリット5Aの両端を通って、前記金属基材フィルム1を横切る直線Lと、それと平行で第1のスリット5Aの形成範囲内の直線Mとの間の折り曲げ範囲bで折り曲げて使用する。
【0075】
<ディスプレイ装置の製造方法>
次に、前記TCP型半導体装置およびCOF型半導体装置を実装してディスプレイ装置を組み立てる方法について説明する。
【0076】
(TCP型−スリット無し)
前記、TCP型半導体装置16A(図5参照)は、図15に示すように組み付けて使用し、ディスプレイ装置40Aを形成する。ここで示すディスプレイ装置40Aには、バックライト22、4辺形のガラス基板18、および4辺形の表示ガラス19が順次積層されて用いられている。また、電源および信号を供給するためのプリント配線板17が配置されている。
【0077】
そして、前記TCP型半導体装置16Aは、図15に示すように、TCP型半導体装置16Aの表側を内側にして折り返し、導電パターン3の外部接続用端子3Bをガラス基板18に接続し、他方の外部接続用端子3Bをプリント配線板17に接続する。そして、金属基材フィルム1の裏面側の一部を第1の筐体部材20に当接させる。また、半導体チップ7の裏面側は、熱伝導グリス23を挟んで第2の筐体部材21に接続するようにする。このようにして、半導体装置16Aは、ガラス基板18、および表示ガラス19の4辺形の内の必要な辺に複数個連結して、ディスプレイ装置40Aを組立てる。
【0078】
次に、前記ディスプレイ装置40Aの放熱について説明する。
【0079】
なお、熱伝導に関しては、θを熱抵抗、Lを経路長、λを熱伝導率、Aを伝熱面積とすると、
θ=L/λ・A
の式が成り立つ。もちろん、熱抵抗θが小さいほど熱が伝わりやすくなり、発熱体の温度をさげる事ができる。以下の説明では、上式の記号を適宜に参照することがある。
【0080】
半導体チップ7から発生した熱は、半導体チップ7の裏面から熱伝導グリス23を介して、その先に接続するアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属で形成した第2の筐体部材21に伝わり拡散して放熱する。
【0081】
また、前記とは別の放熱経路があり、半導体チップ7から発生した熱は、熱伝導率の高い金バンプ8に伝わり、更にその先に接続する半導体チップ接続用端子3Aに伝わって導電パターン3の全体に拡散する。そして、導電パターン3の全体に拡散した熱は、接続するエポキシ系の接着剤層1Aに伝わり、その先に接続する熱伝導率の高い銅などを用いた金属基材フィルム1に伝わる。
【0082】
ここで、前記接着剤層1Aの熱伝導率は、一般的なエポキシ系の場合、材料自体は0.2W/m・K程度と低いが、接着剤層1Aの厚さは、例えば、前記東レ(株)製の商品名「TAB用接着剤#8200」を用いた場合、厚さが12μm程度と薄く、また導電パターン3は引き回される面積が広いので、前記熱抵抗θが小さくなって、導電パターン3に伝わった熱が効率よく金属基材フィルム1に伝わる。
【0083】
そして、更にその先に接続する熱伝導率の高いアルミニウムなどを用いた第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に伝わり拡散して放熱するので、効率よく放熱することができる。また、金属基材フィルム1に伝わった熱の一部は、接触する空気に伝わり更に第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に伝わることで、半導体チップ7の熱を効率よく放熱することができる。そのため、半導体の動作が安定してディスプレイ装置の表示品質をよくすることができる。
【0084】
ところで、前記接着剤層1Aに、例えば、熱伝導率が3W/m・K程度の東レ(株)製の商品名「TSAシリーズ」で厚さが20μmのものを用いた場合は、前記「TAB用接着剤#8200」を用いた場合に比べ、前記計算式から熱抵抗θを1/9程度にすることができて、効率よく放熱することができるのでより好ましい。
【0085】
因みに、一般的な熱伝導率を以下に記す。
銅:390W/m・K程度、アルミニウム:236W/m・K程度、エポキシ系の接着剤層(前記TSAシリーズ)3W/m・K程度、前記熱伝導グリス(前記JAP004J−2):6W/m・K程度。
【0086】
(COF型−スリット無し)
次に、図12に示すCOF型半導体装置16Cを用いて、ディスプレイ装置を組立る方法について説明する。
【0087】
図16に示すように、COF型半導体装置16Cの表側を内側にして折り返し、導電パターン3の外部接続用端子3Bをガラス基板18に接続し、他方の外部接続用端子3Bをプリント配線板17に接続する。そして、金属基材フィルム1の裏面側の一部を第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に当接させる。このようにして、半導体装置16Bは、ガラス基板18、および表示ガラス19の4辺形の内の必要な辺に複数個連結して、ディスプレイ装置40Bを組立てる。
【0088】
次に、このようにして形成したディスプレイ装置40Bの放熱について説明する。半導体チップ7から発生した熱は、熱伝導率の高い金バンプ8に伝わり、更にその先に接続する半導体チップ接続用端子3Aに伝わって導電パターン3の全体に拡散する。そして、導電パターン3の全体に拡散した熱は、接続するエポキシ系の接着剤層1Aに伝わり、更にその先に接続する熱伝導率の高い銅などを用いた金属基材フィルム1に伝わる。
【0089】
ここで用いる接着剤層1Aは、前記TCP型半導体装置16A(図5参照)の接着剤層1Aと同じものを用いるので、導電パターン3の全体に拡散した熱は効率よく金属基材フィルム1に伝わる。
【0090】
そして、更にその先に接続する熱伝導率の高いアルミニウムなどを用いた第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に伝わり拡散して放熱する。また、金属基材フィルム1に伝わった熱の一部は、接触する空気に伝わり更に第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に伝わることで、半導体チップ7の熱を効率よく放熱することができる。そのため、半導体の動作が安定してディスプレイ装置の表示品質をよくすることができる。
【0091】
(TCP型−スリット有り)
次に、図7に示すTCP型半導体装置16Bを用いて、ディスプレイ装置を組立る方法について説明する。図7に示すように、TCP型半導体装置16Bを第1のスリット5Aの両端を通って前記絶縁基材を横切る直線Lとそれと平行な直線Mとの間の折り曲げ範囲bで湾曲し、半導体チップ保持部位30を除いて金属基材フィルム1の表側を内側として折り返し、半導体チップ保持部位30は湾曲せずにまっすぐにのばし、図17に示すように、その導電パターン3の外部接続用端子3Bをガラス基板18に接続し、他方の外部接続用端子3Bをプリント配線板17に接続する。
【0092】
そして、前記湾曲せずにまっすぐにのばした半導体チップ保持部位30の金属基材フィルム1の裏面側を第2の筐体部材21に当接させ、第2の筐体部材21に形成した格納凹部21Bに半導体チップ7を格納し、熱伝導グリス23を介して半導体チップ7の裏面を第2の筐体部材21に接続する。そしてまた、封止樹脂14の表側を熱伝導グリス23を介して第1の筐体部材20に接続する。このようにして、半導体装置16Bを、ガラス基板18、および表示ガラス19の4辺形の内の必要な辺に複数個連結して、ディスプレイ装置40Cを組立てる。
【0093】
次に、このようにして形成したディスプレイ装置40Cの放熱について説明する。
半導体チップ7から発生した熱は、半導体チップ7の裏面から熱伝導グリス23に伝わり、その先に接続する熱伝導率の高いアルミニウム等の金属で形成した第2の筐体部材21に伝わり拡散して放熱する。
【0094】
また、前記とは別の放熱経路があり、半導体チップ7から発生した熱は、封止樹脂14に伝わり、更にその先に接続する熱伝導グリス23に伝わる。そして更にその先に接続する、熱伝導率の高いアルミニウム等の金属で形成した第1の筐体部材20に伝わり拡散して放熱する。
【0095】
また、前記とは更に別の放熱経路があり、半導体チップ7から発生した熱は、熱伝導率の高い金バンプ8に伝わり、更にその先に接続する半導体チップ接続用端子3Aに伝わって導電パターン3の全体に拡散する。そして、導電パターン3の全体に拡散した熱は、接続するエポキシ系の接着剤層1Aに伝わり、その先に接続する熱伝導率の高い銅などを用いた金属基材フィルム1に伝わる。
【0096】
ここで用いる接着剤層1Aは、前記TCP型半導体装置16A(図5参照)の接着剤層1Aと同じものを用いるので、導電パターン3の全体に拡散した熱は効率よく金属基材フィルム1に伝わる。
【0097】
そして、更にその先に接続する熱伝導率の高いアルミニウムなどを用いた第2の筐体部材21および第1の筐体部材20に伝わり拡散して放熱する。また、金属基材フィルム1に伝わった熱の一部は、接触する空気に伝わり更に第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に伝わることで、半導体チップ7の熱を効率よく放熱することができる。そのため、半導体の動作が安定してディスプレイ装置の表示品質をよくすることができる。
【0098】
(COF型−スリット有り)
次に、図14に示すCOF型半導体装置16Dを用いて、ディスプレイ装置を組立る方法について説明する。図14に示すように、COF型半導体装置16Dを第1のスリット5Aの両端を通って前記絶縁基材を横切る直線Lとそれと平行な直線Mとの間の折り曲げ範囲bで湾曲し、半導体チップ保持部位30を除いて金属基材フィルム1の表側を内側として折り返し、半導体チップ保持部位30は湾曲せずにまっすぐにのばし、図18に示すように、その導電パターン3の外部接続用端子3Bをガラス基板18に接続し、他方の外部接続用端子3Bをプリント配線板17に接続する。
【0099】
そして、半導体チップ保持部位30の金属基材フィルム1の裏面側を第2の筐体部材21に当接させる。そしてまた、半導体チップ7の裏面側を熱伝導グリス23を介して第1の筐体部材20に接続する。このようにして、半導体装置16Dを、ガラス基板18、および表示ガラス19の4辺形の内の必要な辺に複数個連結して、ディスプレイ装置40Dを組立てる。
【0100】
次に、このようにして形成したディスプレイ装置40Dの放熱について説明する。
半導体チップ7から発生した熱は、半導体チップ7の裏面から熱伝導グリス23に伝わり、その先に接続する熱伝導率の高いアルミニウム等の金属で形成した第1の筐体部材20に伝わり拡散して放熱する。
【0101】
また、前記とは別の放熱経路があり、半導体チップ7から発生した熱は、熱伝導率の高い金バンプ8に伝わり、更にその先に接続する半導体チップ接続用端子3Aに伝わって導電パターン3の全体に拡散する。そして、導電パターン3の全体に拡散した熱は、接続するエポキシ系の接着剤層1Aに伝わり、その先に接続する熱伝導率の高い銅などを用いた金属基材フィルム1に伝わる。
【0102】
ここで用いる接着剤層1Aは、前記TCP型半導体装置16A(図5参照)の接着剤層1Aと同じものを用いるので、導電パターン3の全体に拡散した熱は効率よく金属基材フィルム1に伝わる。
【0103】
そして、更にその先に接続する熱伝導率の高いアルミニウムなどを用いた第2の筐体部材21および第1の筐体部材20に伝わり拡散して放熱する。また、金属基材フィルム1に伝わった熱の一部は、接触する空気に伝わり更に第1の筐体部材20および第2の筐体部材21に伝わることで、半導体チップ7の熱を効率よく放熱することができる。そのため、半導体の動作が安定してディスプレイ装置の表示品質をよくすることができる。
【0104】
ところで、前記この実施形態の半導体装置の組み付けは、図15ないし18に示すように湾曲させて組み付けるが、前記金属基材フィルム1が厚い場合、半導体装置の表側を内側にして折り返すことが困難になる場合がある。そのような場合で、前記第1のスリット5Aを設けないタイプの場合は、例えば、図19に示すように、封止樹脂14で封止した半導体チップ7と外部接続用端子3Bの間に、軟質樹脂5Cを充填した第2のスリット5Bを設け、その第2のスリットを用いて折り返すようにするとよい。また、前記第1のスリット5Aを設けるタイプの場合は、図20に示すように、前記折り曲げ範囲bの範囲内に軟質樹脂5Cを充填した第2のスリット5Bを設け、その第2のスリットを用いて折り返すようにするとよい。
【0105】
この軟質樹脂5Cを充填した第2のスリット5Bは、図1(B)に示す、スプロケットホール11またはデバイスホール11Aと同時に金型などを用いて打ち抜き形成した後、第2のスリット5Bの中に軟質樹脂5Cを充填してから加熱硬化して形成する。この軟質樹脂5Cには、例えば、宇部興産(株)製の商品名「ユピコートFS−100L」を用いる。
【0106】
なお、第2のスリット5Bは、折り曲げ方向に直交する方向に直線状に延びる。第1のスリット5Aが形成されている場合には、第2のスリット5Bは、平面視において、第1のスリット5Aに2ヶ所で交差する直線上、且つ、第1のスリット5Aの凹状の側方外側において延びる。第1のスリット5Aが四角の3辺状である場合には、好適には、第1のスリット5Aの2辺に直交し、1辺に平行な直線上において延びる。
【符号の説明】
【0107】
1 金属基材フィルム
1A 接着剤層
1B カバーフィルム
2 導電体箔
3 導電パターン
3A 半導体チップ接続用端子
3B 外部接続用端子
4 フォトレジスト膜
4A 現像パターン
5 第1のスリット形成領域
5A 第1のスリット
5B 第2のスリット
5C 軟質樹脂
6 ソルダーレジスト
7 半導体チップ
7A 半導体チップ搭載領域
8 金バンプ
9 ボンディングツール
10 加熱ステージ
11 スプロケットホール
11A デバイスホール
12A TCP型フレキシブルプリント配線板
12B TCP型フレキシブルプリント配線板
12C COF型フレキシブルプリント配線板
12D COF型フレキシブルプリント配線板
13 塗布用ノズル
14 封止樹脂
15 エッチング保護膜
16A TCP型半導体装置
16B TCP型半導体装置
16C COF型半導体装置
16D COF型半導体装置
17 プリント配線板
18 ガラス基板
19 表示ガラス
20 第1の筐体部材
21 第2の筐体部材
21B 格納凹部
22 バックライト
23 熱伝導グリス
30 半導体チップ保持部位
40A ディスプレイ装置
40B ディスプレイ装置
40C ディスプレイ装置
40D ディスプレイ装置
b 折り曲げ範囲
L スリットの両端を通って金属基材フィルムを横切る直線
M 直線Lと平行な直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基材フィルムに接着剤層を積層する工程と、
前記接着剤層に導電体箔を貼り付ける工程と、
前記導電体箔にフォトレジスト膜を積層する工程と、
前記フォトレジスト膜を露光及び現像する工程と、
前記金属基材フィルムの前記導電体箔に覆われていない部分にエッチング保護膜を被せる工程と、
前記金属基材フィルムに前記エッチング保護膜が被せられている状態で、露光及び現像後の前記フォトレジスト膜を介して前記導電体箔をエッチングして導電パターンを形成する工程と、
を有するフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
前記エッチング保護膜を被せる工程は、前記フォトレジスト膜を積層する工程とは別個に行われる
請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤層を積層する工程の後、前記導電体箔を貼り付ける工程の前に、前記金属基材フィルム及び前記接着剤層に開口を形成する工程を更に有し、
前記導電パターンは、前記開口に突出する接続用端子を有する
請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記接着剤層の熱伝導率が1W/m・K以上である
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
金属基材フィルムに接着剤層を積層する工程と、
前記接着剤層に導電体箔を貼り付ける工程と、
前記導電体箔にフォトレジスト膜を積層する工程と、
前記フォトレジスト膜を露光及び現像する工程と、
前記金属基材フィルムの前記導電体箔に覆われていない部分にエッチング保護膜を被せる工程と、
前記金属基材フィルムに前記エッチング保護膜が被せられている状態で、露光及び現像後の前記フォトレジスト膜を介して前記導電体箔をエッチングして、外部接続用端子と半導体チップ接続用端子とを含む導電パターンを形成する工程と、
前記半導体チップ接続用端子に半導体チップを接続して搭載する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記金属基材フィルムの平面視において前記半導体チップ側を凹側とする凹状に延びて前記導体パターンの少なくとも一部を囲む第1のスリットを前記金属基材フィルムに形成する工程を更に有する
請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記半導体チップの形状が四角であって、その四角い前記半導体チップの三辺を取り囲むように前記第1のスリットを形成する
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記金属基材フィルムに直線状の第2のスリットを形成する工程と、
前記第2のスリットに軟質樹脂を充填する工程と、
を更に有する請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法により半導体装置を形成し、
前記金属基材フィルムを、前記導電体箔側を内側として折り返し、前記外部接続用端子を前記半導体装置とは別の部品に接続する
ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項10】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法により半導体装置を形成し、
前記金属基材フィルムにおいて、前記第1のスリットの内側部分を折り返さずに、前記第1のスリットの外側部分を、前記導電体箔側を内側として折り返し、前記外部接続用端子を前記半導体装置とは別の部品に接続する
ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項11】
開口が形成された金属基材フィルムと、
前記金属基材フィルムに積層された接着剤層と、
前記接着剤層に積層され、前記開口に突出する接続用端子を含む導電パターンと、
を有するフレキシブルプリント配線板。
【請求項12】
請求項11に記載のフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記開口に配置されて前記接続用端子に接続された半導体チップと、
を有する半導体装置。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置と、
前記半導体装置に接続されたガラス基板と、
前記半導体装置及び前記ガラス基板を収容し、前記金属基材フィルムに当接する筐体と、
を有するディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−199090(P2011−199090A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65502(P2010−65502)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(391022186)新藤電子工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】